JP2010246260A - モータ制御装置およびモータ制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】パルス変調制御時に電圧指令値どおりの電圧を出力させることによりトルク推定精度を向上させるモータ制御装置およびモータ制御方法を提供する。
【解決手段】パルス変調制御により制御されるとともに、モータを制御するインバータを備えたモータ制御装置であって、d軸/q軸電圧指令値とモータの移動子位置に基づいて振幅指令値と第1の電圧位相角指令値を算出するdq/極座標変換部と、第1の電圧位相角指令値に、制御周期とモータ電気角1周期に基づいて算出した進み位相補償値を加算して第2の電圧位相角指令値を生成する電圧位相補償部と、振幅指令値と第2の電圧位相角指令値と移動子位置に基づいてパルス変調制御する第1の電圧指令値を生成する第1の極座標/UVW変換部と、を備えるモータ制御装置である。
【選択図】図2
【解決手段】パルス変調制御により制御されるとともに、モータを制御するインバータを備えたモータ制御装置であって、d軸/q軸電圧指令値とモータの移動子位置に基づいて振幅指令値と第1の電圧位相角指令値を算出するdq/極座標変換部と、第1の電圧位相角指令値に、制御周期とモータ電気角1周期に基づいて算出した進み位相補償値を加算して第2の電圧位相角指令値を生成する電圧位相補償部と、振幅指令値と第2の電圧位相角指令値と移動子位置に基づいてパルス変調制御する第1の電圧指令値を生成する第1の極座標/UVW変換部と、を備えるモータ制御装置である。
【選択図】図2
Description
本発明は、永久磁石同期モータを制御する技術に関する。
従来、永久磁石同期モータを制御する方法として、出力トルクを所望の値に追従させてトルク制御を行っている。トルク制御では、出力トルク値をフィードバックし、制御を行うことになるため、出力トルクの推定が必要となる。出力トルク推定法には、例えば、UVW相での出力トルク推定値を用いた方法(式1)、dq軸上でのトルク推定式を用いた方法(式2)がある。
Tdet=(Vu*×Iu+Vv*×Iv+Vw*×Iw)/ω ・・・(式1)
Vu*、Vv*、Vw* :UVW相の電圧指令値[V]
Iu、Iv、Iw :UVW相の電流値[A]
ω :角速度計測値[rad/sec]
Tdet=(Vd*×Id+Vq*×Iq)/ω ・・・(式2)
Vd*、Vq* :d軸/q軸の電圧指令値[V]
Id、Iq :d軸/q軸の電流値[A]
ω :角速度計測値[rad/sec]
しかしながら、式1の出力トルク推定では式の中に電圧指令値としてVu*、Vv*、Vw*が使用され、また、式2の出力トルク推定では式の中にd軸/q軸の電圧指令値Vd*、Vq*が使用されているため、電圧指令値どおりの電圧が出力されないという問題がある。
また、PWM制御時において、指令値変更が制御周期ごとにしか行えないため、出力電圧位相が指令値から1/2制御周期分遅れ、特に出力周波数が高くなるにつれて、大きなトルク推定誤差が生じる。また、トルク推定誤差が発生すると、出力トルクを所望の値に制御できなくなるという問題がある。
なお、特許文献1によれば、内部インピーダンスが大きいために、PWMコンバータの交流入力電圧指令が正弦波になることを利用して、交流入力電圧指令の演算周期補正を行った平均値を積分演算により演算し、この電圧指令平均値により交流入力端子をPWM制御する提案がされている。
特許文献2によれば、制御部の波形設定の組合せ回路から、電気角の分割されたステップ信号で駆動回路の相補型駆動素子の内部抵抗を、アナログ的、またはデジタル的に変化させ、相電流を正弦波形に近づけたデルタ結線三相モータを駆動する。その上、相補型駆動素子の内部抵抗が無限大となる時、位相検出回路でモータの位相が検出でき、デルタ結線三相モータの制御に帰還し、直流電源によるデルタ結線三相モータに、波形設定の組合せによる電気角の分割されたステップ信号を与え、制御や駆動の改善を行う提案がされている。
上記のような実情に鑑みてなされたものであり、パルス変調制御時(PWM制御またはPAM(Pulse Amplitude Modulation)制御など)に指令値どおりの電圧を出力させることによりトルク推定精度を向上させるモータ制御装置およびモータ制御方法を提供することを目的とする。
態様のひとつであるパルス変調制御により制御されるとともに、モータを制御するインバータを備えたモータ制御装置は、dq/極座標変換部、電圧位相補償部、第1の極座標/UVW変換部を備える。
dq/極座標変換部は、d軸/q軸電圧指令値と上記モータの移動子位置に基づいて振幅指令値と第1の電圧位相角指令値を算出する。電圧位相補償部は、上記第1の電圧位相角指令値に、制御周期とモータ電気角1周期に基づいて算出した進み位相補償値を加算して第2の電圧位相角指令値を生成する。第1の極座標/UVW変換部は、上記振幅指令値と上記第2の電圧位相角指令値と上記移動子位置に基づいてパルス変調制御する第1の電圧指令値を生成する。
上記構成により、パルス変調制御時に電圧指令値どおりの電圧を出力させることによりトルク推定精度を向上させることができる。
また、上記電圧位相補償部は、上記制御周期を上記モータ電気角1周期により除した値とπを積算して上記進み位相補償値を算出し、上記第1の電圧位相角指令値に上記進み位相補償値を加算して上記第2の電圧位相角指令値を生成する。
また、上記電圧位相補償部は、上記制御周期を上記モータ電気角1周期により除した値とπを積算して上記進み位相補償値を算出し、上記第1の電圧位相角指令値に上記進み位相補償値を加算して上記第2の電圧位相角指令値を生成する。
また、第2の極座標/UVW変換部は、上記振幅指令値と上記第1の電圧位相角指令値と上記移動子位置に基づいて第2の電圧指令値を算出する。トルク演算部は、上記第1の極座標/UVW変換部により生成された電圧指令値に基づいて制御された上記インバータのUVW相出力電流値と、上記モータの角速度値と、上記第2の電圧指令値に基づいてトルク推定値を算出する。トルク制御部は、トルク指令値と上記トルク推定値の差分に基づいて選択的にd軸/q軸電流指令値を生成する。電流制御部は、上記d軸/q軸電流指令値と、上記インバータのUVW相出力電流値と上記移動子位置に基づいて算出したd軸/q軸電流値により、上記dq/極座標変換部の入力である上記d軸/q軸電圧指令値を算出する。
また、上記モータの制御装置に、前記パルス変調制御であるPWM制御またはPAM制御とは別に上記インバータを制御する矩形波制御部を設け、上記PWM制御またはPAM制御から矩形波制御に切り替わるときに、切り替わる直前の上記第1の電圧位相角指令値を取得して初期値とする。
パルス変調制御時に指令値どおりの電圧を出力させることによりトルク推定精度を向上させることができる。
以下図面に基づいて、本発明の実施形態について詳細を説明する。
(実施例1)
図1は永久磁石同期モータの制御装置を示す図である。永久磁石同期モータの制御装置は、インバータ2、制御部3、駆動部4、記録部5を備え、永久磁石同期モータ1(M)の制御を行う。従来の永久磁石同期モータの制御装置は、PWM(Pulse Width Modulation)制御時に、電圧指令値の変更を制御周期ごとにしか行われないため、インバータ2の出力電圧の位相が電圧指令値に対して1/2制御周期分遅れる。そこで、電圧位相角指令を補正することにより、PWM制御時に電圧指令値どおりの電圧を出力させることによりトルク推定精度を向上させる。
(実施例1)
図1は永久磁石同期モータの制御装置を示す図である。永久磁石同期モータの制御装置は、インバータ2、制御部3、駆動部4、記録部5を備え、永久磁石同期モータ1(M)の制御を行う。従来の永久磁石同期モータの制御装置は、PWM(Pulse Width Modulation)制御時に、電圧指令値の変更を制御周期ごとにしか行われないため、インバータ2の出力電圧の位相が電圧指令値に対して1/2制御周期分遅れる。そこで、電圧位相角指令を補正することにより、PWM制御時に電圧指令値どおりの電圧を出力させることによりトルク推定精度を向上させる。
永久磁石同期モータ1は、制御部3により制御されるインバータ2の交流出力端子と接続され、その交流出力端子から出力される交流電流(U相、V相、W相)により駆動される。
なお、永久磁石同期モータ1には限定されず、交流モータであれば良い。永久磁石同期モータやシンクロナスリラクタンスモータを含む同期機が望ましいが、誘導モータでも良い。また、回転電機には限定されず、リニアモータ等の電動機でも良い。
インバータ2は、互いに直列接続される2つのスイッチング素子(例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor))が3組それぞれ直流電源にコンデンサを介して並列接続されて構成される。そして、インバータ2の各スイッチング素子がオン/オフすることによりスイッチング素子の各接続点(U相、V相、W相)からそれぞれ交流電流が出力される。制御部3は永久磁石同期モータ1を制御するハードウェアである。例えば、CPU、DSP、プラグラマブルなデバイスを用いて構成してもよい。駆動部4は、インバータ2の各スイッチング素子をそれぞれPWM制御によりオン/オフさせるための駆動信号を出力する。なお、制御部3は、センサなどから出力される信号(アナログ信号)をA/D変換器を用いてデジタル信号に変換して取得し、後述する処理を実行する際に用いる。
記録部5は、制御部3と接続され、ROM、RAMなどのメモリを有しており、後述する永久磁石同期モータ1を制御するためのプログラムやデータなどが記録されている。
図2は、永久磁石同期モータ1の駆動制御系を示すブロック図である。駆動制御系は、トルク制御部6、電流制御部7、dq/極座標変換部8、電圧位相補償部9、第1の極座標/UVW変換部10、PWM発生部11、UVW/dq変換部12、第2の極座標/UVW変換部13、トルク演算部14、位置検出部15、速度計算部16、電流センサ17a、17bを備えている。
図2は、永久磁石同期モータ1の駆動制御系を示すブロック図である。駆動制御系は、トルク制御部6、電流制御部7、dq/極座標変換部8、電圧位相補償部9、第1の極座標/UVW変換部10、PWM発生部11、UVW/dq変換部12、第2の極座標/UVW変換部13、トルク演算部14、位置検出部15、速度計算部16、電流センサ17a、17bを備えている。
トルク制御部6は、トルク指令値T*と後述するトルク推定値Tdetとの差分であるトルク差分値(=トルク指令値T*−トルク推定値Tdet)を算出するとともに、このトルク差分値に基づいて、d軸電流指令値Id*およびq軸電流指令値Iq*を生成する。例えば、記録部5に記録されている予め作成されたトルク差分値とd軸電流指令値Id*、q軸電流指令値Iq*が関連付けられたテーブルを用いてトルク/dq変換を行う。
電流制御部7は、d軸電流制御部とq軸電流制御部を備えている。d軸電流制御部は、d軸電流指令値Id*とUVW/dq変換部12から出力されるd軸電流値Idとの差に基づいて、d軸電圧指令値Vd*を生成する。同様に、q軸電流制御部は、q軸電流指令値Iq*とUVW/dq変換部12から出力されるq軸電流値Iqとの差に基づいてq軸電圧指令値Vq*を生成する。
dq/極座標変換部8は、d軸電圧指令値Vd*とq軸電圧指令値Vq*に基づいて後述する振幅指令値Mおよび電圧位相角指令値φ*(第1の電圧位相角指令値)を生成する。
電圧位相補償部9(進み位相補償)は、電圧位相角指令値φ*、制御周期Ts、電気角周期Tを用いて後述する電圧位相角指令値φ*の補正を行い、電圧位相角指令値φrefを生成する。
第1の極座標/UVW変換部10では、振幅指令値Mと電圧位相角指令値φrefと移動子位置θに基づいて後述するUVW相電圧指令値Vu**、Vv**、Vw**(第1の電圧指令値)を生成する。
PWM発生部11と駆動部4は、UVW相電圧指令値Vu**、Vv**、Vw**に従って各相のPWM信号Vu、Vv、Vwを生成する。なお、永久磁石同期モータ1の各相に供給されるモータ電流は、それぞれ対応するPWM信号Vu、Vv、Vwのデューティにより決まる。
また、本例ではPWM発生部11を用いているが、PWM制御の代わりにPAM制御などを用いてもよい。
UVW/dq変換部12は、永久磁石同期モータ1の移動子位置θを位置検出部15の出力をモニタしながら、永久磁石同期モータ1に供給されるモータ電流の検出値をd軸/q軸電流値に変換する。ここでは、電流センサ17a、17bを用いて検出されたU相電流IuおよびW相電流Iwが、d軸電流値Idおよびq軸電流値Iqに変換されている。なお、d軸電流は、いわゆる界磁電流であり、界磁を発生させるための電流ベクトル成分である。また、q軸電流は、いわゆるトルク電流であり、トルクを発生させるための電流ベクトル成分である。
UVW/dq変換部12は、永久磁石同期モータ1の移動子位置θを位置検出部15の出力をモニタしながら、永久磁石同期モータ1に供給されるモータ電流の検出値をd軸/q軸電流値に変換する。ここでは、電流センサ17a、17bを用いて検出されたU相電流IuおよびW相電流Iwが、d軸電流値Idおよびq軸電流値Iqに変換されている。なお、d軸電流は、いわゆる界磁電流であり、界磁を発生させるための電流ベクトル成分である。また、q軸電流は、いわゆるトルク電流であり、トルクを発生させるための電流ベクトル成分である。
第2の極座標/UVW変換部13は、振幅指令値Mと電圧位相角指令値φ*と移動子位置θに基づいてUVW相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*(第2の電圧指令値)を生成する。
トルク演算部14は、UW相電流値Iu、Iwを用いてV相電流値Ivを算出するとともに、UVW相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*、速度計算部16で算出した永久磁石同期モータ1の角速度ωを用い式3によりトルク推定値Tdetを算出している。
Tdet=(Vu*×Iu+Vv*×Iv+Vw*×Iw)×η/ω (式3)
Vu*、Vv*、Vw* :UVW相の電圧指令値[V]
Iu、Iv、Iw :UVW相の電流値[A]
ω :角速度計測値[rad/sec]
η :効率
位置検出部15は、永久磁石同期モータ1の回転子の移動子位置θを検出する。
速度計算部16は、位置検出部15により検出された移動子位置θに基づいて、永久磁石同期モータ1の角速度ωを算出する。
(動作説明)
図3に進み位相補償の動作フローを示す。
(動作説明)
図3に進み位相補償の動作フローを示す。
ステップS1では、d軸電圧指令値Vd*とq軸電圧指令値Vq*に基づいて振幅指令値Mおよび電圧位相角指令値φ*を生成する。制御部3は、記録部5に記録されている電流制御部7により算出したd軸電圧指令値Vd*、q軸電圧指令値Vq*と、位置検出部15が計測した移動子位置θを取得して、dq/極座標変換部8に入力する(図3のテーブルA参照)。そして、式4に従い振幅指令値Mと電圧位相角指令値φ*を算出する。なお「^」はべき乗を意味する。
M=(3/2)^1/2×(Vd*^2+Vq*^2)^1/2 (式4)
φ*=θ+tan−1(−Vq*/Vd*)
上記、算出した振幅指令値Mと電圧位相角指令値φ*は記録部5に記録される(図3のテーブルB参照)。
ステップS2では、制御部3は進み位相補償を行うため、記録部5に記録されている振幅指令値M、電圧位相角指令値φ*、制御周期Ts(マシンサイクルなど)、モータ電気角1周期Tを取得して電圧位相補償部9に入力する(図3のテーブルB参照)。電圧位相補償部9は、式5に従い電圧位相補償された電圧位相角指令値φrefを算出する。
φref=φ*+(1/2)×2π×(Ts/T) (式5)
φref :補償後の電圧位相角指令[rad]
φ* :補償前の電圧位相角指令[rad]
T :モータ電気角1周期[sec]
Ts :制御周期[sec]
上記、算出した電圧位相補償された電圧位相角指令値φrefは記録部5に記録される(図3のテーブルC参照)。なお、進み位相補償値を(1/2)×2π×(Ts/T)とする。
ステップS3では、制御部3は記録部5に記録されている電圧位相補償された電圧位相角指令値φrefと振幅指令値Mを取得して第1の極座標/UVW変換部10に入力する(図3のテーブルB、C参照)。第1の極座標/UVW変換部10では、式6に従いUVW相電圧指令値Vu**、Vv**、Vw**を算出する。
Vu**=M×sin(φref) (式6)
Vv**=M×sin(φref−(2π/3))
Vw**=M×sin(φref+(2π/3))
上記、算出したUVW相電圧指令値Vu**、Vv**、Vw**は制御部3により記録部5に記録される(図3のテーブルD参照)。
ステップS4では、UVW相電圧指令値Vu**、Vv**、Vw**に従って各相のPWM信号Vu、Vv、Vwを生成する。制御部3は記録部5に記録されているUVW相電圧指令値Vu**、Vv**、Vw**を取得してPWM発生部11に入力し、既存の技術によりPWM信号を生成し、駆動部4を介してPWM信号Vu、Vv、Vwが出力される。
また、制御部3は記録部5に記録されている電圧位相角指令値φ*と振幅指令値Mを取得して第2の極座標/UVW変換部13に入力する。第2の極座標/UVW変換部13では、式7に従いUVW相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*を算出する。
Vu*=M×sin(φ*) (式7)
Vv*=M×sin(φ*−(2π/3))
Vw*=M×sin(φ*+(2π/3))
上記、算出したUVW相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*は制御部3により記録部5に記録される。
次に、制御部3は記録部5に記録されているPWM信号Vu、Vv、Vwに基づいて制御されたインバータ2の出力電流値Iu、Iwと、永久磁石同期モータ1の移動子位置θに基づいて算出された角速度計測値ωと、UVW相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*に基づいて上記式3によりトルク推定値Tdetを算出する。
次に、予め設定され記録されているトルク指令値T*と算出されたトルク推定値Tdetを制御部3により取得し、トルク制御部6より算出したd軸電流指令値Id*、q軸電流指令値Iq*を算出し記録する。
その後、d軸電流指令値Id*、q軸電流指令値Iq*と、UVW/dq変換部12により算出されたd軸/q軸電流値Id、Iqとを用いてd軸電圧指令値Vd*とq軸電圧指令値Vq*を算出し、記録部5に記録する。
従来、図4(縦軸:電圧値、横軸:時間)に示すように、電圧指令値の変更は制御周期Tsごとにしか行えないため、実際の電圧指令値は階段状になるため、インバータ2から出力されるUVW相出力電圧U、V、Wは電圧指令値から1/2制御周期の遅れが発生する。つまり、Vu*=Vu、Vv*=Vv、Vw*=Vwとならない。また、電圧指令値は実際の出力電圧の代わりにトルク計算に使われているため、トルク計算に大きな誤差が発生する。
しかし、上記のように制御することにより、図4に示すUVW相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*とUVW相出力電圧U、V、Wの差を最小にすることができるため、高精度なトルク推定が可能になる。
(実施例2)
図5は、永久磁石同期モータ1の駆動制御系にPWM制御部3aと矩形波制御部51を備えた装置のブロック図である。PWM制御部3aは実施例1で説明した永久磁石同期モータ1の駆動制御系である。
(実施例2)
図5は、永久磁石同期モータ1の駆動制御系にPWM制御部3aと矩形波制御部51を備えた装置のブロック図である。PWM制御部3aは実施例1で説明した永久磁石同期モータ1の駆動制御系である。
なお、本例ではPWM制御部3aと矩形波制御部51を備えた装置について示すが、PWM制御部3aの代わりにPAM制御などの制御部を用いてもよい。
矩形波制御部51は、PWM制御部3aから矩形波制御部51に制御を切り替えられた直前のPWM制御部3aのdq/極座標変換部8で生成した電圧位相角指令値φ*を取得し、電圧位相角指令値φ*に基づいてUVW相出力電圧U、V、Wを生成するものである。また、矩形波制御部51は移動子位置θと電圧位相角指令値φに基づいてPWM信号Vu、Vv、Vwを生成する。
矩形波制御部51は、PWM制御部3aから矩形波制御部51に制御を切り替えられた直前のPWM制御部3aのdq/極座標変換部8で生成した電圧位相角指令値φ*を取得し、電圧位相角指令値φ*に基づいてUVW相出力電圧U、V、Wを生成するものである。また、矩形波制御部51は移動子位置θと電圧位相角指令値φに基づいてPWM信号Vu、Vv、Vwを生成する。
切替部52は、永久磁石同期モータ1の制御をPWM制御部3aと矩形波制御部51のUVW相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*出力の経路を切り替える。例えば、切り替えは永久磁石同期モータ1の回転速度などに基づいて生成される切替制御信号を取得して切り替える。また、この切替制御信号をPWM制御部3a、矩形波制御部51にも通知される。
従来、PWM制御からPWM以外の制御(本例では矩形波制御)に切り替えたとき、電圧位相を切り替え前後で一致させるために、切り替えられる直前の電圧位相角指令値を使用する。しかし、PWM制御時に電圧位相遅れがあると、図6に示すように(縦軸:電圧値、横軸:時間)制御切替点に電圧位相誤差が発生するため、大きなトルクショックが発生する。
そこで、PWM制御部3aのdq/極座標変換部8で生成した電圧位相角指令値φ*をPWM制御以外の制御で用いることで、切り替え前後の電圧位相誤差が無くなりトルク変動を低減することができる。
(動作説明)
図7は、PWM制御とPWM制御以外の制御とを切り替えたときの電圧位相誤差を低減させる処理のフロー図である。なお、PWM以外の制御法は、電圧位相の遅れは発生しないとする。
(動作説明)
図7は、PWM制御とPWM制御以外の制御とを切り替えたときの電圧位相誤差を低減させる処理のフロー図である。なお、PWM以外の制御法は、電圧位相の遅れは発生しないとする。
ステップS1〜4の処理は実施例1と同じ処理である。
ステップS5では制御方法を選択する。例えば、切替部52、PWM制御部3a、矩形波制御部51が切替制御信号を取得する。切替部52は、切替制御信号を検出するとUVW相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*出力の経路を切り替える。矩形波制御部51は、切替制御信号を検出するとPWM制御部3aから電圧位相角指令値φ*を取得する。
ステップS5では制御方法を選択する。例えば、切替部52、PWM制御部3a、矩形波制御部51が切替制御信号を取得する。切替部52は、切替制御信号を検出するとUVW相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*出力の経路を切り替える。矩形波制御部51は、切替制御信号を検出するとPWM制御部3aから電圧位相角指令値φ*を取得する。
ステップS6では、矩形波制御部51は、1回目の制御周期でUVW相出力電圧U、V、Wの演算を電圧位相角指令値φ*と移動子位置θを用いて行い、2回目以降の制御周期では矩形波制御部51で生成した電圧位相角指令値φと移動子位置θを用いてUVW相出力電圧U、V、Wの演算を行う。つまり、PWM制御からPWM制御以外の制御に切り替わるときに、切り替わる直前の第1の電圧位相角指令値を取得して初期値とする。
上記のようにdq/極座標変換部8で生成した電圧位相角指令値φ*をPWM制御以外の制御で用いることで、図6に示したような切り替え前後の電圧位相誤差が無くなりトルク変動を低減することができる。
なお、PWM以外の制御法に電圧位相遅れが発生する場合は、PWM以外の制御部の補正を行うことで同様の効果が期待できる。
また、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更が可能である。
また、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更が可能である。
1 永久磁石同期モータ、
2 インバータ、
3 制御部、
3a PWM制御部、
4 駆動部、
5 記録部、
6 トルク制御部、
7 電流制御部、
8 dq/極座標変換部、
9 電圧位相補償部、
10 第1の極座標/UVW変換部、
11 PWM発生部、
12 UVW/dq変換部、
13 第2の極座標/UVW変換部、
14 トルク演算部、
15 位置検出部、
16 速度計算部、
17a、17b 電流センサ、
51 矩形波制御部、
52 切替部、
2 インバータ、
3 制御部、
3a PWM制御部、
4 駆動部、
5 記録部、
6 トルク制御部、
7 電流制御部、
8 dq/極座標変換部、
9 電圧位相補償部、
10 第1の極座標/UVW変換部、
11 PWM発生部、
12 UVW/dq変換部、
13 第2の極座標/UVW変換部、
14 トルク演算部、
15 位置検出部、
16 速度計算部、
17a、17b 電流センサ、
51 矩形波制御部、
52 切替部、
Claims (5)
- パルス変調制御により制御されるとともに、モータを制御するインバータを備えたモータ制御装置であって、
d軸/q軸電圧指令値と前記モータの移動子位置に基づいて振幅指令値と第1の電圧位相角指令値を算出するdq/極座標変換部と、
前記第1の電圧位相角指令値に、制御周期とモータ電気角1周期に基づいて算出した進み位相補償値を加算して第2の電圧位相角指令値を生成する電圧位相補償部と、
前記振幅指令値と前記第2の電圧位相角指令値と前記移動子位置に基づいてパルス変調制御する第1の電圧指令値を生成する第1の極座標/UVW変換部と、
を備えることを特徴とするモータ制御装置。 - 前記電圧位相補償部は、
前記制御周期を前記モータ電気角1周期により除した値とπを積算して前記進み位相補償値を算出し、前記第1の電圧位相角指令値に前記進み位相補償値を加算して前記第2の電圧位相角指令値を生成することを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。 - 前記振幅指令値と前記第1の電圧位相角指令値と前記移動子位置に基づいて第2の電圧指令値を算出する第2の極座標/UVW変換部と、
前記第1の極座標/UVW変換部により生成された電圧指令値に基づいて制御された前記インバータのUVW相出力電流値と、前記モータの角速度値と、前記第2の電圧指令値に基づいてトルク推定値を算出するトルク演算部と、
トルク指令値と前記トルク推定値の差分に基づいて選択的にd軸/q軸電流指令値を生成するトルク制御部と、
前記インバータのUVW相出力電流値と前記移動子位置に基づいて算出したd軸/q軸電流値と前記d軸/q軸電流指令値により、前記dq/極座標変換部の入力である前記d軸/q軸電圧指令値を算出する電流制御部と、
を備えることを特徴とする請求項2に記載のモータ制御装置。 - 前記モータの制御装置に、前記パルス変調制御であるPWM制御またはPAM制御とは別に前記インバータを制御する矩形波制御部を設け、
前記矩形波制御部は、前記PWM制御またはPAM制御から矩形波制御に切り替わるときに、切り替わる直前の前記第1の電圧位相角指令値を取得して初期値とすることを特徴とする請求項3に記載のモータ制御装置。 - パルス変調制御により制御されるとともに、モータを制御するインバータを備えたモータの制御方法であって、
d軸/q軸電圧指令値と前記モータの移動子位置に基づいて振幅指令値と第1の電圧位相角指令値を生成し、
制御周期をモータ電気角1周期により除した値とπを積算して算出した進み位相補償値を、前記第1の電圧位相角指令値に加算して前記第2の電圧位相角指令値を生成し、
前記振幅指令値と前記第2の電圧位相角指令値と前記移動子位置に基づいてPWM制御する第1の電圧指令値を生成する、
ことを特徴とするモータ制御方法。
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