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JP2010198935A - 有機エレクトロルミネッセンス電極の形成方法及び該形成方法を用いて得られた有機エレクトロルミネッセンス構造体 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス電極の形成方法及び該形成方法を用いて得られた有機エレクトロルミネッセンス構造体 Download PDF

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JP2010198935A JP2009043270A JP2009043270A JP2010198935A JP 2010198935 A JP2010198935 A JP 2010198935A JP 2009043270 A JP2009043270 A JP 2009043270A JP 2009043270 A JP2009043270 A JP 2009043270A JP 2010198935 A JP2010198935 A JP 2010198935A
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Toshihiko Kamiyama
俊彦 上山
Akio Hiraharu
晃男 平春
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Dowa Electronics Materials Co Ltd
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Dowa Electronics Materials Co Ltd
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Abstract

【課題】有機EL構造体の大画面化に対応できるような電極形成方法の提供とその方法により得られる有機EL構造体を提供すること。
【解決手段】基材1上に陽極2となる透明導電性酸化物よりなる配線が形成され、その上部に有機物からなる導電層(正孔輸送層4、発光層5、電子輸送層6)を積層してなり、その上面に陰極7として金属配線が形成されており、該金属配線を形成する金属粒子は平均粒子径1〜20nmのものを用い、該金属配線は印刷法によって得る。
【選択図】図1

Description

本発明は有機エレクトロルミネッセンスの電極形成方法、および該組成物を用いて形成された有機エレクトロルミネッセンス構造体に関する。
有機エレクトロルミネッセンス(以降有機ELと記載する)素子はよく知られているように、電子輸送層の電子とホール輸送層の正孔とを再結合させることにより光を取り出す自発光型素子である。
有機EL素子は再結合によるエネルギー変化により、発光層の発光材料を励起させ、その状態が基底状態に戻るときに光を発生させることを利用したものである。この励起子の寿命が極めて短く、電流を変化させるのみで瞬時に輝度が変化するため、対抗技術である液晶と比べ応答速度が早いとされている。また、液晶のように方向による階調の変化がないため、コントラストは高いままの状態を保ち、視野角も広い状態に保たれる。さらに、原理的には発光の共役結合の実効長を分子構造設計により変化させられるのでフルカラーディスプレイを得ることも可能であるとされており、今後ますます活用が期待されている。
また、有機EL素子を照明機器に対して応用することも検討が進んでいる。最近では2008年にUDC社により102lm/Wという高発光効率を有したものが発表され、従来高発光効率の材料に特有であった、構造の不安定さといった問題が解消し、実用化に向け検討が進められている。こうしたことから、有機ELに対する市場の期待は相当大きなものがある。
そのような、有機EL素子は大まかにはカソード電極とアノード電極に挟まれた有機物からなる発光層から構成される。陽極電極にはインジウム−スズ酸化物(ITO)や酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム−亜鉛酸化物(IZO)、アルミニウム−亜鉛酸化物(AZO)、アンチモン−スズ酸化物(ATO)を用い、陰極電極には仕事関数の小さいMg,Liが使用され、特にMgを使用する際には、有機物界面との接触性を改善するためにAgとともに共蒸着されることが行われている。
また、一般的な電極配置としては基板上に平行に形成された(電極同士は絶縁されている)ITOからなる透明配線膜と有機薄膜を介し、上部に透明配線膜に直交した金属配線膜から構成されている。このとき、形成される配線は、スパッタ等で形成し、それをエッチングして形成する手法が行われているが、そのエッチングによる配線形成の場合には、素材のロスが著しく、資源の有効活用の観点でいえば好ましくない。
そこで最近では、かようなスパッタリングや蒸着の手法に変えて、金属配線を湿式で行う方法が提案されている。たとえば、特許文献1に記載のように、金属塩を化学的に還元し、加熱処理を施すことで導電性の配線を形成する方法である。しかし、必要な加熱処理温度は数百度レベルであり、有機物の変性等の問題があり、普遍的に有機ELに適用するには難がある。
また同様の手法として、特許文献2には、金属酸化物、金属水酸化物及び金属炭酸塩から選ばれる金属コロイド分散物をインクジェット法で基板に吐出させた後にレーザー光により膜を形成する透明導電膜の製造方法が提案されている。しかしこの方法では、レーザー光を発生させる設備が予め必要であり、初期の設備投資コストが膨大に発生する。
さらに、ITO等の導電性物質を透明電極として使用する場合、通常は形成された薄膜の抵抗値が高いものになる。発光強度は抵抗値に比例することから、可能な限りこの抵抗は小さいことが望まれるので、一般的には厚膜として形成させる。ITO等が透明性を有するためには、粒子の大きさが波長よりも極めて小さいことが必要であり、個々の粒子が小さかったとしても、厚膜とすると光透過率が減少することや、インジウムは希少金属であることからコストの増大の要因にもなり、また厚膜であるが故に綺麗に配線形成させるには、高温による熱処理を行うことが必要となっていた。そのため構成される分子構造や性質あるいは、基板の材質にも多大な制限がかかることになり、結果として用途についてもかなり限定したものでしか利用できない問題があった。
特開2000−248366号公報 特開2004−055363号公報
上述の通り、ITO等の透明性導電膜を有機ELに適用しようとする場合には、スパッタや蒸着のような操作の後、エッチングのような操作が必要になるため、非常に作業性に劣るようなものであり、また塗布して透明電極を形成させるとしても、厚膜にならざるを得ず、これもあまり効率の良いものとは言えなかった。また、塗布により構造体を得ようとしたときには高温での焼成工程が必須であり、基板や発光層を形成する有機物にも大きな制限がかかるなどの問題があった。
そこで、本発明の解決すべき技術的課題としては、有機EL構造体の大画面化に対応できるような電極形成方法の提供とその方法により得られる有機EL構造体を提供することと定めた。
上記に示した課題は、下記のような形態を取ることで好適に解決されうる。
第一の発明は、電極の形成を平均粒子径が1〜100nmであるナノ粒子が分散された分散液を塗布して形成することにある。
第二の発明は、該電極の形成は印刷法により形成することにある。印刷法のなかでも特に、インクジェット法、ディスペンサー法といった、少量の分散液を使用して電極の形成が行えるものが好ましい。
第三の発明は、陽極配線は透明導電性酸化物が分散した分散液を用いて行うものであり、印刷法により形成されることにある。
第四の発明は、陽極配線の上部もしくは下部にナノ金属(特に好ましくはAgもしくはNi)粒子からなる補助電極層を形成させることにある。
第五の発明は、有機層の上層に金属配線を形成するものであり、該配線が金属ナノ粒子が分散した液を塗布し、熱処理を加えて形成されることにある。
第六の発明は、Agナノ粒子の表面には、分子量80〜300の一級アミンもしくはその誘導体が付着している粒子を使用することにある。
第七の発明は、上記手法を用いて構成された有機エレクトロルミネッセンス構造体であることにある。
上述のような構成を取ることで、部材のロスの小さい方法により有機EL構造体を形成することができるようになる。また、低温で導電膜を形成することができるようになるので、様々な基材を使用することができるようになる。また、工業的には有機薄膜太陽電池の電極材料、プラズマディスプレイパネル素子、電子ペーパー等の発光素子にも適用が可能になる。
本願発明にかかる有機EL素子の構造の模式図である。
本発明は、基材上に陽極となる透明導電性酸化物よりなる配線が形成され、その上部に有機物からなる導電層(正孔輸送層、発光層、電子輸送層)を積層してなり、その上面に陰極を構成する金属配線が形成されることを特徴とする。概略については図1に示した。
また、陽極の透明導電性酸化物、陰極の金属配線はともにナノスケールの金属酸化物、もしくは金属粒子からなっており、ともに印刷法により形成されることを特徴とする。特に、有機物の上面を形成する金属粒子は、低温焼結性に優れる粒子で構成されるので、耐熱性に劣るような発光層の形成物質であっても、好適に使用することができるようになる。
図1に示した内容に従って、以下に概要を説明する。
(基材)
初めに、本発明に適用される基材(図1における符号1)について説明すれば、通常よく知られているガラス以外にフレキシブルな基材も適用することが可能である。具体的にフレキシブル基材としては各種樹脂フイルムが挙げられる。より具体的に樹脂フイルムを例示すると、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)、ビニルアセテート(VAC)、エチレンビニルアセテート(EVA)、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレンメタクリル酸共重合体(EMMA)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、二軸延伸ポリスチレン(PS)、延伸ナイロン(ONY)、トリアセチルセルロース(TAC)、非晶質ポリオレフィン(非晶PO)、エチレンビニルアルコール(EVOH)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)、ポリエチレン(PE)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリエーテルケトン(PEEK)が挙げられる。なかでも、好ましいフイルムとしては、PET、PC、PEN、TACが挙げられる。これら樹脂フイルムは、単独でもしくは共押し出し、張り合わせ等により形成された積層体あるいは、ガスバリアー性を向上させるために酸化ケイ素や酸化アルミニウムを予め蒸着処理したものを使用できる。
これらフイルムと透明導電膜あるいは本発明の金属ナノ粒子導電膜との密着性を高めるため、予めフイルムの表面をプラズマ処理、コロナ処理、紫外線照射処理、イオンボンバート処理等の表面処理や、シロキサン系ゾル−ゲル液の塗布、シランカップリング剤の塗布等といった、いわゆるアンダーコート処理を施していても良い。
(陽極の構成:透明導電膜)
陽極を構成する透明導電膜(図1における符号2)の組成としては、一般に金属酸化物、例えばSnO、InO、CdO、ZnO、TiO、SnO−Sb、SnO−WO、In−Sb2O、In2O−WO、SnO−F、In−Al、α−CaAlO、ITO(In/SnO)、IZO(In/ZnO)等の酸化物、LaB、TiN,CdSなどが挙げられる。なかでもITOであれば、従来スパッタ法による形成で広く知られているので、従来の知見を使用できるので好ましい構成となる。さらに、本発明のように塗布により導電層を構成するようなものの場合には、湿式法で形成されたナノ粒子(具体的には本出願人の出願に係る特開2007−269617号公報に記載の方法で形成されたナノ粒子)が分散された分散液を用いることが適当である。
特にITOの分散液としては、純水やメタノールといった低分子量の有機媒体が好適に使用できる。この純水等によく知られているような添加剤を添加していても別段問題はなく、本願発明に適用できる。
本発明の組成物の基材への塗布方法としては、小面積の場合にはインクジェット法やディスペンサー法などが好適に使用できるが、大面積に適用するグラビア印刷、オフセット印刷、グラビア・オフセット印刷などを採用することができる。スピンコート法、スプレー法、浸漬法、ロールコート法、スクリーン印刷法、コンタクトプリント法、スリットコート法でも所望のパターンが形成されればいずれの方法でも実施することはできる。塗布法は、所望の膜厚や配線形状を得ることのできるもっとも有力な方法を選択すればよく、厚みに関しては一度塗りでも重ね塗りでもよい。
上述の導電膜の膜厚は5〜500nm、さらに好ましくは10〜400nmであるのがよい。5nm未満では導電性が劣るため高い輝度が得られず、500nmを超えると厚膜になりすぎるので透明性が劣るようになる。
表面粗さは20nm以下、より好ましくは10nm以下である。これより表面平滑性に劣る膜であれば、表面平滑性に劣る輝度ムラの生じる塗膜であるので好ましくない。この弊害を改善するために、塗布後の塗膜に対しカレンダー、ソフトカレンダー、スーパーカレンダー等の圧密処理により平滑化する操作を入れることで輝度ムラを改善することができるようになるとともに、塗膜中に存在する気泡を除くことができ、密着性の改善に寄与するので、適宜適用しても構わない。このときの加圧のニップ厚は線圧で100〜500kgf、より好ましくは150〜400kgfである。
基材の性質にもよるが、カレンダーと同時に加熱を行う形式を採用することもできる。同時に加熱を加えるときには、温度として50〜120℃、より好ましくは80〜100℃の範囲で行うことが好ましい。50℃未満になると表面平滑性が充分に得られず輝度ムラが発生し易くなる。120℃を超えるとガラス転移点(Tg値)の低い樹脂フイルム基材であれば、劣化や反りや撓みが発生する原因となる。
基材がガラスのような耐熱性の基材を選択している場合には、透明導電膜を形成した後に焼成操作を加えて導電性配線を形成することができる。この段階で焼成を行っておくことで、更に上層に形成する発光層等に含まれる有機物に熱ダメージを加えなくてもすむようになるので好ましい。また、塗布型の場合には高温で焼成することにより、より抵抗値を小さくすることができるので好ましい形態となる。加熱温度としては600℃程度であれば、十分に抵抗を小さくすることができる。
(陽極の補助電極:金属ナノ粒子およびその分散液)
本発明においては、更に好ましい形態として、開口側にあたる陽極の電気抵抗を下げるために金属ナノ粒子により構成される金属膜を補助電極として形成させる(図1における符号3)ことができる。これらの形成も各種印刷法により行うことができる。金属種についてはNiもしくはAgを採用することができる。
(陰極:金属ナノ粒子および分散液)
元来陰極は、有機発光層への電子注入を容易にするため、Mg、Ca、Sn、Pb、Li、Mn、Al等といった仕事関数の小さな金属やそれらの合金が用いられてきた。最近は非常に薄い界面層(電子注入層)とアルミニウム(Al)電極を組み合わせて形成されている。こうした構造を具体的に説明すると、界面層にアルカリ金属やアルカリ土類金属の酸化物やフッ化物が用いられ、低分子有機EL素子の場合にはLiFやLi、高分子有機EL素子の場合にはCa、Ba、Cs、LiF/Caを界面層として用いることが行われており、電極には上述のとおり多用されているAlの他、Sn、Mg、In、Agといった金属を蒸着させて形成することが行われている。
本発明では、これら金属の蒸着積層に替えて金属ナノ粒子の分散液の印刷や塗布による陰極の形成をAgやNiのいずれか、もしくはそれらを併用し、前記印刷法やコーティング法により電極を形成させることに特徴を持たせた(図1における符号7)。
陰極として作用させる金属ナノ粒子について説明する。通常、金属はバルクの状態の場合においては、高温でなければ溶融せず、固体の状態を保つ。本明細書に例示して記載しているAgやNiはその典型例であり、Agでは約960℃、Niでは1450℃にならなければ、液状にはならない。ところが、よく知られているように、ナノオーダーの金属はバルクとは異なった性状を示し、例えば200℃以下、場合によっては室温であっても、粒子同士は焼結して、導電性を呈するようになる。
かような性質を効果的に発現させるためには、粒子の表面を構成し、粒子の独立性を保つ働きを有する有機物質を低温、例えば200℃近傍で蒸発もしくは分解することが必要である。発明者らの知見によれば、同一の分子量同士の比較では、脂肪酸とアミンを比較すれば、アミンの方が低温焼結性に優れることがわかってきており、特に良好な低温焼結性を得るためには、分子量80〜300の一級アミンを採用することが好ましい。
上述の性質を有する金属粒子は、液中での合成、いわゆる湿式での合成が好適である。気相での合成、いわゆる乾式での合成であっても、表面に被覆させることができると考えられるが、気相中での合成(アミン類による被覆)では、被膜の形成は必ずしも均一なものになるとはいえないばかりか、複数の粒子を一度に被覆するおそれがあるので、この方法は採用されがたい。発明者らの知見によれば、液中での金属粒子生成とほぼ同時に周囲をアミン類で被覆するような方法を採用することが好適である。このような構成を採用することによって、乾式で行うよりも均一に被膜の形成を行うことができるようになり、さらには粒子同士の焼結温度をほとんどばらつきがないように構成することができるようになる。粒子の焼結温度のばらつきがないことは、例えば表面を構成する界面活性剤が単一である場合にはTGを測定し、重量減少が一気に生じるか否かで確認することが可能である。
上述の条件を満たすアミン類には様々なものがあるが、例えばヘキシルアミン(分子量:101.2)、オクチルアミン(分子量:129.3)、デシルアミン(分子量:157.3)、ラウリルアミン(分子量:185.4)、ミリスチルアミン(分子量:213.2)、セチルアミン(分子量:241.5)、ステアリルアミン(分子量:269.5)、オレイルアミン(分子量:267.5)などが挙げられる。特に低温焼結性に観点を置けば、ヘキシルアミンなどの低分子量のものを採用するのが好ましい。これらの粒子の合成には、例えば本発明の出願にかかる特開2006−213955号公報の作成方法や、表面に被覆したアミン類の置換にかかる特開2008−297580号公報の方法を参照して行うことができる。また、置換は必ずしも完全に行われる必要はないので、表面を構成する界面活性剤が複数種確認されても問題はない。
上述の親水性基が粒子側に向き、疎水性基が媒体側に向いている金属ナノ粒子の場合には、分散は極性溶媒に好適に分散する。具体的には、アミンに覆われた銀粒子が良好に分散する物質を選択する。特に、炭化水素系が好適に使用できる。例えば、イソオクタン、n−デカン、イソドデカン、イソヘキサン、n−ウンデカン、n−テトラデカン、n−ドデカン、トリデカン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素が使用できる。ケロシンなどの石油系溶媒を使用しても構わない。これらの物質を1種以上使用して液状有機媒体とすれば良い。
(分散液の基体等への塗布)
上述の導電性酸化物による陰極の形成、および金属ナノ粒子の陽極および陰極の補助電極としての形成は印刷法により行われる。印刷法としては、よく知られているフレキソ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、グラビア・オフセット印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷、ディスペンサー印刷等に加えて、反転印刷法やマイクロコンタクト印刷法といった高繊細印刷法も適用することが可能である。具体的には、小面積の場合にはインクジェット法やディスペンサー法などが好適に使用できるが、大面積に適用するグラビア印刷、オフセット印刷、グラビア・オフセット印刷などを採用することができる。
該方法により形成される電極を構成する細線は線幅が50μm以下、好ましくは30μm以下、一層好ましくは20μm以下である。配線そのものの膜厚は0.05〜5μm、好ましくは0.1〜3μmであるのがよい。形成されるパターンは格子状、交差型、ストライプ状等が例示できるが、特に透明性、導電性を妨げるものでなければ特定されるものではない。
(正孔輸送層)
正孔輸送層(図1における符号4)は従来報告のあるようなものがいずれも使用できる。例えば、銅フタロシアニンをはじめとするフタロシアニン系化合物や、芳香族アミン化合物が代表的に用いられる。よく知られているようなPEDOT−PSS、カルバゾール−アドメチン−デンドリマー、トリフェニルジアミン誘導体化合物、ヒドラゾン化合物、シラザン化合物、キナクリドン化合物等が挙げられる。正孔輸送層は、陽極の上部に形成されるので、基板および陽極材料(本願発明の例ではITO)に対して良好な密着性を持つことが望まれる。おおよその膜厚としては10〜300nmの範囲である。
(発光層)
発光層(図1における符号5)は低分子発光材料として、オキサゾール金属錯体、トリアゾール誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ベンゾキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、ジフェノキノン誘導体、スチリルアミン含有カーボネート、緑色発光層として8−ヒドロキシキノリンノアルミニウム錯体、ナフタルイミド誘導体、チアジアゾピリジン誘導体、蛍光性有機金属化合物が用いられる。高分子発光材料としては、例えば、ポリ(2−デシルオキシー1,4−フェニレン)DO−PPP、ポリ[2,5−ビスー[2−(N,N,N−トリエチルアンモニウム)エトキシ]−1,4−フェニル−アルト−1,4−フェニレン]ジブロマイド(PPP−NEt3+)、ポリ[2−(2’−エチルヘキシルオキシ)−5−メトキシ−1,4−フェニレンビニレン](MEH−PPV)、ポリ[5−メトキシ−(2−プロパノキシサルフオニド)−1,4−フェニレンビニレン](MPS−PPV)、ポリ[2,5−ビスー(ヘキシルオキシ)−1,4−フェニレン−(1−シアノビニレン)](CN−PPV)、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)(PDAF)、ポリスピロ(PS)等が挙げられる。これらは、上部の電子輸送層、下部の正孔輸送層の中央に存在するようになるため、低分子発光材料は蒸着による形成となるためにはそれほど問題にはならないが、高分子発光材料は塗布法で形成することになるため、層間の構成によっては互いに相溶性により溶解することがあるので、設計時には注意が必要となる。
(電子輸送層)
電子輸送層(図1における符号6)としては、例えば1,2,4−トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、水素化非晶質炭化シリコン、硫化亜鉛、セレン化亜鉛、ガリウム錯体等が用いられる。これらの上部には陰極が構成されるので、金属材料(本明細書ではNiもしくはAg)との密着性が良好であることが必要である。また、この層の好ましい膜厚は5〜200nmである。
(正孔輸送層、発光層、電子輸送層の形成)
上述の正孔及び電子輸送層、発光層は低分子の場合には主として蒸着やスパッタが使用され、高分子の場合には主として印刷、スピンコート、塗布が使用される。乾式法を採用する場合、例えば真空蒸着法を用いる時には、真空度2.0×10−3Pa以下で製膜できるようにする。上述のことからわかるとおり、装置面で見ても大面積のものを作成することは困難で、成膜技術そのものも、シャドウマスクの精度、熱膨張の観点から採用されがたい。とりわけ大面積に適しているのは湿式法であり、この方法を採用するためには各化合物をエタノール、クロロホルム、テトラフラン、ジオキサン等の溶剤に溶解又は分散させて、公知の形成法(例えばスピンコート法)で膜状に形成させる。しかし、発光層の説明で指摘したように、有機物質が主として用いられるため、構成によっては相溶性を有し溶解することがあるので、単層もしくは複層構造としても限られた少数の層構造とする必要がある。
以下に本発明の実施例を挙げて具体的に説明する。なお、以下の実施例に示される材料、使用量、材料の割合、手順等は本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜変更することが可能である。
(実施例1)
<銀粒子の形成>
陽極の補助電極と陰極の形成に使用する、銀粒子分散液は下記のようにして得た。反応媒体兼還元剤としてイソブタノール(和光純薬株式会社製の特級)250ml、一級アミンとしてオレイルアミン(和光純薬株式会社製、分子量=267)30ml、銀化合物としての硝酸銀結晶(関東化学株式会社製)13.7gを用意し、これらを混合して撹拌し、硝酸銀を溶解させた。この溶液を還流器のついた容器に移してオイルバスに載せ、容器内に不活性ガスとして窒素ガスを400mL/minの流量で吹込みながら、該溶液を撹拌させつつ90℃まで昇温した。
90℃の温度で4時間の還流を行なった後、さらに110℃で1時間保持した後、常温まで冷却し反応を終了した。反応終了後のスラリーを遠心分離機で固液分離し、分離された液を廃棄して固体成分を回収した。その後、固体成分をメタノールと混合したのち遠心分離機で固液分離し、分離された液を廃棄して下部の固体ケーキ成分を回収するという洗浄操作を2回行った。
<銀粒子分散液の作成>
有機媒体としてテトラデカンを用意した。これに前記洗浄後の固形成分を混合・分散し、遠心分離機により30分間固液分離し、分離された液を回収した。この液にはオレイルアミンに覆われたナノサイズの銀粒子が単分散している。
この銀粒子分散液をTEMにより観察し、平均粒径を求めた。
すなわち、TEM(日本電子株式会社製JEM−2010)により倍率60万倍で観察される粒子のうち、重なっていない独立した300個の銀粒子の粒子径を計測して、平均粒子径を算出した。その結果、粒子径は7.5nmであった。
なお、この銀粒子分散体中の銀粒子におけるオレイルアミンの被覆量は、特願2007−235015号で開示した手法による算出の結果、8.0質量%であった。
前記の分散液の粘度を回転式粘度計(東横産業製RE550L)により測定したところ、粘度は6.9mPa・sであった。また、熱減量測定による銀濃度は60質量%であった。この銀粒子分散液はインクとして塗布可能な特性を有していると判断されたので、これをそのまま銀インクとして使用することとした。
<ITO粒子および分散液の形成>
インジウム濃度が18.45wt%の塩化インジウム水溶液(InCl)366gと、塩化スズ(SnCl)22gとを秤量し、純水に溶解して、塩化インジウムと塩化スズとの混合溶液1.5Lを調製した。なお、当該混合溶液においてスズの濃度はインジウムとスズの合計に対して15mol%となっている。
一方、濃度25wt%のNH水溶液275gを純水2100gで希釈し、液温を50℃とした。なお、当該NH水溶液において、NH量は、前記塩化インジウムと塩化スズとの混合溶液を中和するのに必要な量の2倍当量としている。
当該NH水溶液を撹拌し、ここに前記塩化インジウムと塩化スズとの混合溶液を3分間かけて添加し、スズ含有水酸化インジウムの懸濁液とした。生成したスズ含有水酸化インジウムの懸濁物を遠心分離法により濾過収集し、純水により洗浄して、スズ含有水酸化インジウムのケーキを得た。当該スズ含有水酸化インジウムのケーキを100℃で6時間、乾燥して、インジウムを主成分とした前駆体(スズ含有水酸化インジウム)を得た。
当該インジウムを主成分とした前駆体(スズ含有水酸化インジウム)を乾燥重量で13g秤量してセパラブルフラスコに充填し、さらにテトラエチレングリコールを290ml添加して撹拌し、インジウムを主成分とした前駆体をテトラエチレングリコール中に分散させた。ここで、フラスコに蓋をして、当該テトラエチレングリコール中へ窒素ガスを30分間吹き込み、フラスコ内をガスパージした。当該窒素吹き込みと併行して、撹拌回転数を400rpmに設定して当該テトラエチレングリコールを攪拌し、さらに、室温から350℃まで2℃/minの昇温速度で加熱し、350℃に到達後2時間キープした。また、当該加熱中はテトラエチレングリコールが蒸発してしまうので、セパラブルフラスコにコンデンサーを取り付けて、テトラエチレングリコールを還流しながら反応させた。加熱、保温が終了し、室温まで冷却した後、セパラブルフラスコから反応液を取り出して遠心分離を4000rpmの回転速度で1時間行うことで固液分離を行った。
当該固液分離の後、上澄みを除去した後にメタノールを添加して超音波分散を行った後、遠心分離−洗浄液添加−超音波分散の1洗浄単位を3回実施した。洗浄用の溶媒と分散用の溶媒を同じメタノールとしたので、ナノITOのメタノール分散体を得られた。得られた粒子の平均粒子径は、銀粒子と同様の測定で6.1nmと算出された。
<有機ELパネルの形成>
上述の分散液を使用して作成する有機ELパネルの形成例について説明する。なお、上述の分散液は、印刷やコーティングに対する相性により、適宜変更することができる。
基板としては二軸延伸ポリエチレンナフタレート(PEN:厚み100μm)フイルムを70×70mmに裁断し、フイルムの表面をイソプロピルアルコールによる表面清浄処理を施した後、UV−オゾン処理により親水化した。
次に、補助電極を形成する。具体的にはフイルムの上に上述の方法により形成した分散液をグラビア・オフセット機(Print Coat Instrument社製のKプリンティングプルーファー/K303マルチコーターRK、ガラス製版深さ5μm、シリコーンブランケット使用)を用いて、ライン幅20μm、スペース幅200μm、ライン高さ0.25μmで網目状に印刷して形成させた。
形成された配線を200℃で30分間焼成し、基板の光線透過率(日本電色社製ヘイズメーター:NDH5000を使用)を測定したところ、85%と計測された。ラインの電気抵抗値(アドバンテスト社製:デジタルマルチメーターAD7451A)は4.2μΩ・cmを示した。セロハンテープ(ニチバン(株) 社製:CT24)による剥離試験を行ったが、全く剥離は発生せず本実施例に従う銀細線はPEN基材に対して良好な密着性、導電性を有することがわかった。
上記の方法により得られた補助電極を有したPEN基板に対して、ITOの電極を付与する。上述の方法により得た分散液をメタノールで固体分を10%にまで希釈したのち、スピンコーター(回転数:1000rpm)を用いて塗布した。得られた塗膜付きフイルムを200℃で1時間焼成し、次いでハードクロームメッキ処理された、ロール径200mmの金属ロールにより、加熱カレンダー処理(線圧:250kgf/cm、ロール温度90℃)し、圧密処理を施し平滑性を改善させた。
上述の方法により得られた陰極付きの透明導電膜としての膜厚は270nmであり、JIS−B0601に従った粗さ測定(日立建機ファインテック社製:原子間力顕微鏡WA3300)による粗さは平均膜厚±8nmであった。JIS−C7361に従い測定された全光線透過率は88.6%(波長550nm)であった。また、膜としての体積抵抗は抵抗率計(三菱化学社製:Loresta−GP MCP−T600型)を用い、四端子法により得られたシート抵抗値を、上記で算出されている膜厚から換算して算出した。得られた比抵抗値は11.3μΩ・cmであった。
透明電極及び補助電極を設けた前記基材をイソプロピルアルコールで洗浄後、80℃で1時間乾燥した。透明電極の上に正孔輸送層としてPEDOT−PSS(バイエル社製BAYTRON PHCV4)の1.0%調製液をスピンコーター(回転数3000rpm、30秒)で形成した後、窒素雰囲気下、170℃で30分間焼成した。得られた膜厚を上述の方法に従って計測したところ膜厚は6.5nmであった。
次いで、発光層をポリ[5−メトキシ−(2−プロパノキシサルフォニド)−1,4−フェニレンビニレン]を同様にスピンコーター(回転数3000rpm、30秒)で形成し、200℃で30分間焼成した。
電子輸送層としてスターバスト型オキサジアゾールを同様にスピンコータースピンコーター(回転数3000rpm、30秒)で形成した後、真空雰囲気下170℃で30分間焼成した。
前記、陰極の補助電極の形成に用いた上述の方法により形成した分散液を補助電極形成時と同じグラビア・オフセット印刷機で膜厚が0.2μmとなるようにベタ印刷を実施した。焼成は窒素下で150℃、1時間の条件で実施した。
上記のような手法を用いて形成させた本発明の発光素子に通電し、輝度計にて輝度を測定した(プレサイスゲージ社製;有機EL発光効率測定装置EL1003、測定視野φ1.3mm)。電極間電圧を上げていくと、+5V付近から発光を開始し、+20Vにおける輝度は1990ca/mであった。結果を表1に示す。
(実施例2)
<置換型銀粒子の形成>
陽極の補助電極と陰極の形成に使用する、銀粒子の表面を構成する界面活性剤を置換させ、より低温焼結性に優れる銀粒子を形成させたものを用いて検討した。
実施例1に記載した銀粒子の表面に付着するアミンを置換する。具体的には下記の方法による。実施例1で使用した、保護層がオレイルアミンからなる銀粒子分散体に、銀に対して10当量に相当するヘキシルアミン(C13−NH)を添加した。さらに銀に対して20当量に相当するイソプロパノールを添加した。添加した後液温を60℃に保った上で、5時間撹拌させてから6時間保持した。撹拌を止めると沈降粒子が生成したことが観察された。(置換前の粒子は表面を形成する界面活性剤により発生する浮力が銀粒子の重力よりも大きく浮遊するが、置換後の粒子の表面を構成する界面活性剤が与える浮力は銀粒子の重力よりも小さいので、被覆物により粒子同士が焼結することは避けられた状態になっているが沈降する。従って、粒子が全て置換した結果沈降し上澄みが清澄なものになれば、置換反応が完結したことがわかる)
上記の沈降粒子が生成した液を5分間の遠心分離により固液分離した。得られた固形分を回収し、この固形分にさらにメタノールを添加して超音波分散を30分間行い、その後、5分間の遠心分離により固液分離して固形分を回収する洗浄操作を1回行った。洗浄後の固形分について、TG−DTA測定を行った。そのDTA曲線を置換前と置換後の対比を行ったところ、置換後には置換前に見られていたオレイルアミンに起因すると見られる200〜300℃の間にある大きな山および300〜330℃の間にあるピークは消失し、ヘキシルアミンに由来すると見られる新たなピークが100〜150℃の間に観測された。
有機媒体としてデカンを用意した。これに前記洗浄後の固形成分を混合・分散し、遠心分離機により30分間固液分離し、分離された液を回収した。この液にはヘキシルアミンに覆われたナノサイズの銀粒子が単分散している。
分散液の粘度を回転式粘度計(東機産業製RE550L)により測定したところ、粘度は57Pa・sであった。実施例1と同様にTEMにより平均粒子径を算出したところ、平均粒子径は6.0nmであった。
実施例1と同様に銀粒子の分散体を使用し、ITOを形成させた後測定した、敷設した透明電極の比抵抗値は9.1μΩ・cmであった。その他の密着性の評価についても良好な結果を示す。
陰極にも置換した後の銀粒子分散液を塗布して素子を形成させた。その発光素子に通電し、輝度計にて輝度を測定したところ、+20Vにおける輝度は2330cd/mであった。
(実施例3)
<ニッケル粒子の形成>
陽極の補助電極と陰極の形成に使用する、ニッケル粒子分散液は下記のようにして得た。例としては、結晶形成の核に銀を使用し、周囲にニッケルを形成させる、いわゆるコア−シェル構造をとるものを挙げる。
還元剤として1−ヘプタノール(和光純薬工業株式会社製の特級試薬)、界面活性剤オレイルアミン(和光純薬工業株式会社製)、Niイオンの供給物質として酢酸ニッケル(II)・4水和物(和光純薬工業株式会社製)、Agイオンの供給物質として硝酸銀(東洋化学工業社製)、Niイオンの供給物質を予め溶解させるためのメタノール(和光純薬工業株式会社製)を用意した。
酢酸ニッケル(II)・4水和物4.8gに、メタノール10mLを添加し、超音波撹拌により酢酸ニッケル(II)・4水和物をメタノール中に溶解させた。この液にオレイルアミン53.0gを添加し、超音波撹拌により均一化した。次いでこの液に1−ヘプタノール100mLを加え、最後に核形成物質として硝酸銀0.5gを加えた。
この液を、マントルヒーターに設置された還流器のついたセパラブルフラスコ内に投入した。溶液中に窒素ガスを500mL/minの流量で吹き込みながら、この溶液を撹拌しつつ加熱し、50℃まで60分間かけて昇温させ、50℃で3時間保持することで、硝酸銀を溶解させた。その後、反応温度として設定した170℃まで230分かけて昇温させ、165℃で1時間保持した。このときの170℃に至るまでの昇温速度は0.5℃/minとなる。
上記反応温度で上記時間保持した後の液(反応後のスラリー)を以下の手順で処理し、固形分の濃縮したスラリー(以下「固形分スラリー」という)を得た。
反応後のスラリーにメタノール100mLを添加し、これを窒素雰囲気下に24時間置いて固形分を凝集沈降させた。この、凝集体液の上澄みを除去することにより固形分スラリー12.3gを回収した。
回収した固形分スラリーを他のビーカーに移し、洗浄液としてメタノール9.3gを添加し、60分間撹拌操作を行った後、60分間静置することで粒子を沈降させ、上澄みを除去することにより固形分スラリーを回収した。上記のメタノール洗浄操作を再度1回行った。
このようにして、メタノールにより洗浄された固形分スラリー2.8gを得た。この固形分スラリーには、オレイルアミンが付着した銀を核剤としたニッケル粒子および洗浄液のメタノールが含まれる。
上記洗浄後の固形分スラリーを用いて、以下の手法によりテトラデカンを分散媒とするニッケル粒子分散液の作成を試みた。
上記の手法により得た固形分スラリーにテトラデカン(東京化成社製)を、テトラデカン/仕込みニッケルのモル比が0.11となるように添加し、0.42gのテトラデカンを添加し、5分間撹拌した後、3分間静置して、固形分スラリー中に存在するメタノールをテトラデカンの上部へ浮上分離させた。この状態の液を5分間真空乾燥機にかけ、メタノールを除去した。このようにして、ニッケル粒子分散体を得た。重なっていない独立した300個の銀粒子の粒子径を計測して、平均粒子径を算出した時の平均粒子径は12.5nmであった。
実施例1と同様にニッケル粒子の分散体を使用し、ITOを形成させた後測定した、敷設した透明電極の比抵抗値は14.5μΩ・cmであった。その他の密着性の評価についても良好な結果を示す。
陰極は実施例1と同様に銀粒子分散液を塗布して素子を形成させた。その発光素子に通電し、輝度計にて輝度を測定したところ、+20Vにおける輝度は1880cd/mであった。
(比較例1)
実施例1において、塗布に用いる粒子を28.0nmの銀粒子とした以外は全て同様にして(粒子表面の有機物質も同じオレイルアミンとした)実施例1同様の有機EL素子を形成させた。
補助電極として形成した際に、実施例1同様にテープ剥離による密着性を評価したが、一部に剥離が見られたことから、密着性は不十分であることがわかった。
続いて陰極付きの透明導電膜としての膜厚は270nmであったが、粗さ測定による粗さは平均膜厚±16nmであり。凹凸が激しく不適なものとなった。また、全光線透過率は83.8%(波長550nm)であった。四端子法により得られたシート抵抗値を、上記で算出されている膜厚から換算して算出した。得られた比抵抗値は31.7μΩ・cmとなり、導電性に不安のある値を示していた。
その後、実施例と同様に発光層を形成させ、その後上層に本比較例で使用した分散液を塗布して素子を形成させた。その発光素子に通電し、輝度計にて輝度を測定したところ、+20Vにおける輝度は450cd/mであり、実施例と比較して輝度不足が明らかな発光素子が得られた。
Figure 2010198935
1:基材
2:陽極(透明導電膜層)
3:陽極の補助電極
4:正孔輸送層
5:発光層
6:電子輸送層
7:陰極

Claims (7)

  1. 平均粒子径が1〜20nmである金属粒子が分散された分散液を塗布することで形成する、有機エレクトロルミネッセンス構造体を構成する陰極の形成方法。
  2. 該電極の形成は印刷法により形成する、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス構造体を構成する電極の形成方法。
  3. 陽極配線は透明導電性酸化物が分散した分散液を用いて行う、請求項1ないし2のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス構造体を構成する電極の形成方法。
  4. 陽極配線の上部もしくは下部にナノ金属(特に好ましくはAgもしくはNi)粒子からなる補助電極層を形成させる、請求項1ないし3のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス構造体を構成する電極の形成方法。
  5. 有機層の上層に金属配線を形成させ、該配線が金属ナノ粒子が分散した液を塗布し、熱処理を加えて形成される、請求項1ないし4のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス構造体を構成する電極の形成方法。
  6. AgあるいはNiナノ粒子の表面には、分子量80〜300の一級アミンもしくはその誘導体が付着している、請求項1ないし5のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス構造体を構成する電極の形成方法。
  7. 請求項1ないし6に記載の方法を用いて形成される、有機エレクトロルミネッセンス構造体。
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