JP2010196629A - スタータ - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジン逆回転時に電機子軸の逆回転を防止する逆転防止用クラッチを備えるスタータにおいて、クラッチアウタとクラッチ固定部材の圧入部分の固定力をより大きくでき、且つ、製造が容易なスタータを提供する。
【解決手段】逆転防止用クラッチ7のクラッチアウタ32は、クラッチ固定部材34の中心から軸方向に突出した円筒部34aの内径側の中空部34bに圧入固定される。このとき、ローラ33のロック時にローラ33の外径方向の押圧力を受けるカム室32aの外径側が中空部34bに圧入されるようにすることで、ローラ33の押圧力を圧入部分の固定に寄与させることができる。これによって、クラッチアウタ32とクラッチ固定部材34の固定力を更に大きくできる。このため、圧入代を小さく設計しても、エンジン逆回転時には十分な固定力が得られる。
【選択図】図2
【解決手段】逆転防止用クラッチ7のクラッチアウタ32は、クラッチ固定部材34の中心から軸方向に突出した円筒部34aの内径側の中空部34bに圧入固定される。このとき、ローラ33のロック時にローラ33の外径方向の押圧力を受けるカム室32aの外径側が中空部34bに圧入されるようにすることで、ローラ33の押圧力を圧入部分の固定に寄与させることができる。これによって、クラッチアウタ32とクラッチ固定部材34の固定力を更に大きくできる。このため、圧入代を小さく設計しても、エンジン逆回転時には十分な固定力が得られる。
【選択図】図2
Description
本発明は、トルクを一方向に伝達する一方向クラッチを備えたスタータに関する。
従来より、エンジン側のリングギヤとスタータ側のピニオンギヤとが直接または中間ギヤ等を介して常時噛み合っている常時噛合い式スタータが知られている。
この常時噛合い式スタータでは、エンジン駆動後、ピニオンギヤがエンジンのリングギヤから離脱することはなく常時噛み合っているので、エンジンが停止する前(エンジンが惰性回転している時)の再始動が可能である。また、電磁押し込み式スタータでは、ピニオンギヤがリングギヤに噛み合う時に噛み合い音が発生するが、常時噛み合い式スタータでは、この噛み合い音が発生しないため、静音性の点でも優れる。これらから、常時噛み合い式スタータは、アイドルストップシステム等に有用である。
ただし、常時噛み合い式スタータにおいては、エンジンが逆方向に回転したときのトルクがリングギヤとピニオンギヤを介してスタータ側へ伝達されてしまう。その結果、電機子がリングギヤとピニオンギヤとのギヤ比(減速比)を乗じた回転数(内部減速機を有するスタータでは、更に内部減速比を乗じた回転数)で回されることになり、ブラシ寿命の低下や、電機子が遠心力によって破損することが懸念される。
そこで、特許文献1に記載の常時噛み合い式スタータは、エンジンの逆回転トルクを遮断する逆転防止用クラッチを電機子軸に設けている。この逆転防止用クラッチは、クラッチアウタが電機子のヨークに対し回転不能に固定され、その内径側に電機子軸と一体に回転するクラッチインナがローラを介して係合している。エンジン駆動時は、ローラが回転することでクラッチインナがクラッチアウタに対し空転するため、電機子軸のトルクがエンジン側へ伝達されるが、エンジン逆回転時は、ローラがロックすることでクラッチインナの回転が規制されるため、電機子軸が逆回転することを防止できる。
特に特許文献1の実施例2に記載の常時噛み合い式スタータでは、ハウジングに対して、ラッチアウタがクラッチ固定部材を介して支持される構成としている。これは、クラッチアウタがそのままハウジングに固定される構成とすると、クラッチアウタの外径が大きくなり、鍛造により成形することが困難であるためである。クラッチインナとローラを介して係合するクラッチアウタのみ鍛造による成形とし、クラッチアウタを支持する外径の大きなクラッチ固定部材をプレス等によって成形することで、クラッチアウタの成形性が向上する。
上記の逆転防止用クラッチを構成するクラッチアウタは、ハウジングに回転不能に固定されるクラッチ固定部材の中空部に圧入固定される。この圧入部分にはエンジン逆回転時のトルクや大きな衝撃力が加わるため、クラッチアウタが空転しないように十分な固定力を確保する必要がある。
また、クラッチアウタの外径寸法とクラッチ固定部材の内径寸法は、所定の圧入代(クラッチアウタの外径とクラッチ固定部材の内径の寸法差)を設けるが、圧入代はクラッチアウタの外径寸法とクラッチ固定部材の内径寸法の公差によってバラつきが生じる。このため、公差により最も圧入代が小さくなった場合においても十分な固定力を維持できるように、また、公差により最も圧入代が大きくなった場合においてもクラッチアウタをクラッチ固定部材の中空部に組み付けられるようにする必要がある。そこで、圧入部分の切削面は、研磨等の精密加工により厳密な寸法管理を実施せざるを得ないため、製造工数が多くなり、コストが高くなっていた。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、クラッチアウタとクラッチ固定部材の圧入部分の固定力をより大きくでき、且つ、製造が容易な逆転防止用クラッチを備えたスタータの提供にある。
(請求項1の発明)
本発明は、電機子軸に回転力を発生するモータと、電機子軸の回転トルクが伝達される出力軸と、この出力軸上に設けられると共に、出力軸と一体に回転してエンジン側のリングギヤを駆動するピニオンギヤと、電機子軸がエンジン駆動時と逆方向に回転することを防止する逆転防止用クラッチと、逆転防止用クラッチを収容するハウジングと、を備え、逆転防止用クラッチは、電機子軸と一体に回転するクラッチインナと、このクラッチインナの外径側に配置されるクラッチアウタと、クラッチインナとこのクラッチアウタとの間に形成されるカム室に収容される係合子と、を有すると共に、クラッチアウタはハウジングに回転不能に固定されるクラッチ固定部材の中空部に圧入固定されるスタータにおいて、クラッチアウタは、少なくともカム室の外径側が中空部に圧入固定されていることを特徴とするスタータ。
本発明は、電機子軸に回転力を発生するモータと、電機子軸の回転トルクが伝達される出力軸と、この出力軸上に設けられると共に、出力軸と一体に回転してエンジン側のリングギヤを駆動するピニオンギヤと、電機子軸がエンジン駆動時と逆方向に回転することを防止する逆転防止用クラッチと、逆転防止用クラッチを収容するハウジングと、を備え、逆転防止用クラッチは、電機子軸と一体に回転するクラッチインナと、このクラッチインナの外径側に配置されるクラッチアウタと、クラッチインナとこのクラッチアウタとの間に形成されるカム室に収容される係合子と、を有すると共に、クラッチアウタはハウジングに回転不能に固定されるクラッチ固定部材の中空部に圧入固定されるスタータにおいて、クラッチアウタは、少なくともカム室の外径側が中空部に圧入固定されていることを特徴とするスタータ。
逆転防止用クラッチは、エンジン逆回転時に係合子がカム室内でロックされる。このとき、係合子がカム室の外径側を押圧する押圧力が生じる。そこで、クラッチアウタのカム室の外径側をクラッチ固定部材の中空部に圧入することで、係合子の外径方向の押圧力を圧入部分の固定に寄与させることができる。これによって、クラッチアウタとクラッチ固定部材の固定力を更に大きくできる。このため、圧入代を小さく設計しても、エンジン逆回転時には十分な固定力が得られる。また、クラッチ固定部材の中空部の切削面は研磨等による寸法公差の厳密な管理を必要とせず、製造工数を削減でき、製造コストを低減することができる。
(請求項2の発明)
請求項1に記載のスタータにおいて、クラッチアウタの外周部と中空部の内周には、互いに嵌合して回転を規制する回り止め部が形成されることを特徴とする。
請求項1に記載のスタータにおいて、クラッチアウタの外周部と中空部の内周には、互いに嵌合して回転を規制する回り止め部が形成されることを特徴とする。
これによって、クラッチアウタとクラッチ固定部材は相対回転が規制されるため、圧入部分の固定をより確実にすることがでる。そして、過大な逆回転トルクの発生時においても、アウタが空転し電機子軸が逆回転することを防止することができる。
(請求項3の発明)
請求項1または2に記載のスタータにおいて、中空部は、クラッチ固定部材の中心部から軸方向に突出して形成された円筒部の内径側であることを特徴とする。
請求項1または2に記載のスタータにおいて、中空部は、クラッチ固定部材の中心部から軸方向に突出して形成された円筒部の内径側であることを特徴とする。
これによって、クラッチアウタは円筒部の内径側に圧入されるため、クラッチ固定部材の板厚に関わらず圧入部分の面積を大きくとることができ、固定力を大きくすることができる。
(請求項4の発明)
請求項3に記載のスタータにおいて、円筒部の外周には、係合子の軸方向位置を規制するカバーが組み付けられることを特徴とする。
請求項3に記載のスタータにおいて、円筒部の外周には、係合子の軸方向位置を規制するカバーが組み付けられることを特徴とする。
これによって、係合子が逆転防止用クラッチから軸方向に飛び出すことを防止できるので、逆転防止用クラッチの挙動を安定させることができる。また、カバーが円筒部を外周側から内径方向に押圧する押圧力を与えることで、クラッチアウタとクラッチ固定部材の圧入部分の固定力が更に増強される。
(請求項5の発明)
請求項3または4に記載のスタータにおいて、カバーに設けられた電機子軸を通すための挿通孔の内周面に、電機子軸に摺接するシール部材を設けたことを特徴とする。
請求項3または4に記載のスタータにおいて、カバーに設けられた電機子軸を通すための挿通孔の内周面に、電機子軸に摺接するシール部材を設けたことを特徴とする。
これによって、逆転防止用クラッチに充填されるオイルがケースの挿通孔から外部へ流出することを防止することができるため、回転部の潤滑性が維持される。
(請求項6の発明)
請求項1〜5に記載の何れかのスタータにおいて、クラッチ固定部材は、プレス成形品であることを特徴とする。
請求項1〜5に記載の何れかのスタータにおいて、クラッチ固定部材は、プレス成形品であることを特徴とする。
クラッチ固定部材の成形をプレス加工によれば、クラッチ固定部材を容易に製造できる。また、クラッチアウタのカム室の外径側を中空部に圧入固定することで、係合子の押圧力を圧入部分の固定に寄与させているため、クラッチ固定部材がプレス成形品であっても充分な固定力を確保できる。
(実施例1)
図1は常時噛合い式のスタータ1の半断面図である。
図1は常時噛合い式のスタータ1の半断面図である。
実施例1のスタータ1は、図1に示す様に、回転力を発生するモータ2と、このモータ2の通電回路(モータ回路と呼ぶ)に設けられるメイン接点(後述する)を開閉する電磁スイッチ3と、モータ2の回転を減速する減速機4と、この減速機4を介してモータ2の駆動トルクが伝達される出力軸5と、この出力軸5に支持されるピニオンギヤ6と、モータ2の逆回転を防止する逆転防止用クラッチ7等より構成される。
このスタータ1は、エンジンの停止および再始動を自動制御するエンジン自動停止/再始動システム(アイドルストップ、エコランシステム等と呼ばれる)に用いることができる。
モータ2は、図1に示す様に、磁気回路を形成するヨーク8と、このヨーク8の内周に磁界を形成するコイル9(永久磁石でも良い)と、電磁力の働きにより回転する電機子10等より構成される周知の直流電動機である。
ヨーク8は、円筒形状を有し、センターケース10とエンドフレーム11との間に挟持される。なお、センターケース10の反ヨーク8側にはフロントハウジング12が嵌合しており、エンドフレーム11の後端から複数本のスルーボルト(図示せず)をフロントハウジング12に締め付けることによって、フロントハウジング12、センターケース10、ヨーク8、エンドフレーム11が一体に固定されている。
コイル9は、ボビンケース13に巻回され、ヨーク8の内周面に固定される。
電機子10は、電機子軸14と、この電機子軸14の外周にセレーション嵌合する電機子鉄心15と、この電機子鉄心15に巻線される電機子コイル16と、電機子軸14の一端側に設けられるコンミテータ17より構成される。
コンミテータ17は、電機子軸14の周囲に絶縁材18を介して円筒状に配置される複数のセグメントによって形成され、各セグメントが電機子コイル16に電気的且つ機械的に接続されている。また、コンミテータ17の外周には、複数のカーボンブラシ19が配置されている。
電磁スイッチ3は、車載バッテリ(図示せず)から通電されて電磁石を形成する電磁コイル(図示せず)と、この電磁コイルの内側に挿入されるプランジャ(図示せず)とを備え、電磁コイルへの通電によって電磁石が形成されると、その電磁石にプランジャが吸引されて、モータ回路のメイン接点を閉操作する。また、電磁コイルへの通電が停止して電磁石の吸引力が消滅すると、図示しないリターンスプリングの反力にプランジャが押し戻されて、メイン接点を開操作する。
メイン接点は、2本の外部端子20、21を介してモータ回路に接続される一組の固定接点(図示せず)と、プランジャと一体に可動して一組の固定接点間を断続する可動接点(図示せず)とで形成され、この可動接点を通じて一組の固定接点間が導通することでメイン接点が閉状態となり、一組の固定接点間の導通が遮断されることでメイン接点が開状態となる。
2本の外部端子20、21は、図1に示す様に、バッテリケーブルを介して車載バッテリに接続されるB端子20と、モータ2から取り出されたモータリード線22が接続されるM端子21であり、共に電磁スイッチ3のカバー3aに固定されている。
減速機4は、電機子軸14と同軸上で減速できる周知の遊星歯車減速機であり、図2に示す様に、電機子軸14の反コンミテータ側に形成された太陽ギヤ23と、この太陽ギヤ23と同心に配置され、且つ下述の衝撃吸収装置を介して回転規制されるインターナルギヤ24と、両ギヤ23、24に噛み合う複数の遊星ギヤ25で構成される。
遊星ギヤ25は、出力軸5に一体に形成されるキャリアプレート5aへピン25aを介して自転可能に取り付けられる。電機子軸14の回転により太陽ギヤ23が自転することで、遊星ギヤ25が公転し、キャリアプレート5aが回転する。このようにして、電機子軸14の回転トルクは出力軸5へ伝達される。
衝撃吸収装置は、図2に示す様に、センターケース10内に回転不能に設けられる固定ディスク26と、固定ディスク26との摩擦力によって回転規制されると共にインターナルギヤ24と相対回転不能に設けられる回転ディスク27と、固定ディスク26に隣接配置され固定ディスク26と回転ディスク27との摩擦面を付勢する皿ばね28等から構成される。この皿ばね28の付勢荷重によって、回転ディスク27が固定ディスク26との摩擦力に抗して滑り始めるトルク(以下、滑り開始トルクという)が予め設定されている。インターナルギヤ24にこの滑り開始トルクを上回る過大なトルクが加わると、回転ディスク27の回転が許容されインターナルギヤ24が回転することにより、減速機4の前後でトルク伝達を遮断するように構成されている。
出力軸5は、図1に示す様に、電機子軸14と同一軸線上に配置されて、一端側が減速機4を介して電機子軸14に連結され、他端側が軸受29を介してフロントハウジング12に回転自在に支持されている。
ピニオンギヤ6は、図1に示す様に、出力軸5の外周にスプライン結合され、出力軸5と一体に回転可能に設けられると共に、エンジン側のリングギヤ30に常時噛み合わされている。
逆転防止用クラッチ7は、図3に示す様に、電機子軸上に形成されたクラッチインナ31と、クラッチインナ31の外径側に同心に配置されるクラッチアウタ32と、クラッチインナ31とクラッチアウタ32の間に形成される介設されるローラ33(本発明の係合子)等より構成される。
クラッチインナ31は、電機子軸14上において電機子鉄心15が嵌合するセレーション軸部と太陽ギヤ23が形成されたギヤ形成部との間の部位に形成される。即ち、クラッチインナ31は電機子軸14と一体に回転する。
クラッチアウタ32は、その内周面がクラッチインナ31の外周面とローラ33を介して係合している。また、クラッチアウタ32の外周部はクラッチ固定部材34によって支持され、ヨーク8とセンターケース10に対し回転不能に固定される。ここで、クラッチアウタ32は、鉄やアルミ等の金属材料からなり、冷間鍛造により成形された後、浸炭等の熱処理を施すことにより高い強度を持たせている。
ローラ33は、クラッチアウタ32の内周側に形成されたくさび状のカム室32aにスプリング35と共に収容され、スプリング35によってカム室32aの狭小方向へ付勢されている。
クラッチ固定部材34には、図2に示す様に、中心部から軸方向に突出した円筒部34aが形成され、その内径側に中空部34bを有する。クラッチアウタ32は、この中空部34bに圧入により固定される。このとき、ローラ33がロックしたときにローラ33の押圧力を受けるカム室32aの外径側が中空部34bに圧入されるように構成する。より具体的には、クラッチアウタ32の開口端からカム室の底端までの軸方向範囲が円筒部34aとオーバーラップするようにする。そして、円筒部34aの外周には、有底円筒形状を有するカバー36が組み付けられる。また、クラッチ固定部材34には、外周部に軸方向に突出した円筒形状を有する嵌合部34cが形成され、この嵌合部34cの開口部内周面がヨーク8の開口部に形成されたインロー部(開口部に段差をつけることで開口端部の外径を小さくした部分).に嵌合し、回転不能に固定されている。また、この嵌合部34cにもインロー部が形成されており、センターケース10の開口部内周面と嵌合している。即ち、クラッチ固定部材34は、ヨーク8とセンターケース10との間に介設されている。ここで、クラッチ固定部材34は、例えば鉄やアルミなどの金属材料からなり、プレス加工によって成形される。
カバー36は、その底部がローラ33に当接するように設けられ、ローラ33の軸方向位置を規制する。また、底部の中心には電機子軸14を通すための挿通孔を有し、この挿通孔の内周面にはリップシール37(本発明のシール部材)が電機子軸14に摺接するように設けられる。
次に、上記スタータ1の作動及び効果について説明する。
電磁スイッチ3によりモータ回路のメイン接点が閉操作されると、車載バッテリから電機子コイルに通電され、その電機子コイルに働く電磁力によって電機子2に回転力を発生する。電機子軸14が回転するき、図5に示す様に、逆転防止用クラッチ7のローラ33がスプリング35の付勢力に抗してカム室32aの広大方向に移動する。このため、ローラ33は空転することで、クラッチインナ31、即ち電機子軸14の回転は規制されることなく、減速機4を介して出力軸5に伝達される。そして、出力軸5の回転はピニオンギヤ6からリングギヤ30に伝達されて、エンジンをクランキングする。このとき、スタータ1に衝撃力が生じ、衝撃吸収装置に固定ディスクと回転ディスクとの滑り開始トルクを超える過大トルクが入力されると、インターナルギヤが空転することによって衝撃は吸収される。
エンジンが完爆してエンジン回転数がスタータ回転数を上回ると、例えば、リングギヤ30に内蔵された一方向クラッチ(図示せず)が空転して、エンジンのクランク軸からリングギヤ30が切り離されるため、エンジンの回転がピニオンギヤ6に伝達されることはなく、電機子10のオーバランを防止できる。
また、エンジンが停止する際に生じるクランク軸の揺動あるいは登板路のエンストで車両が後退する時等にエンジンが逆回転すると、その逆回転がリングギヤ30に常時噛み合うピニオンギヤ6に伝達され、エンジン駆動時とは逆方向の回転が出力軸5に伝わる。この出力軸5の逆回転が減速機4を介して電機子軸14に伝達されると、図5に示す様に、逆転防止用クラッチ7のローラ33がカム室32aの一方向(狭小方向)に移動してロックされる。これによって、クラッチインナ31の回転、即ち電機子軸14の逆回転が規制されるため、電機子14がエンジン駆動時と逆方向に回転することを防止できる。このとき、電機子軸14の回転は規制されるが、衝撃吸収装置の回転ディスク27が滑ることでインターナルギヤ24の回転が許容され、逆回転トルクは遮断される。
(実施例1の効果)
逆転防止用クラッチ7は、エンジン逆回転時にローラ33がカム室32a内でロックされる。このとき、ローラ33がカム室32aの外径側を押圧する押圧力が生じる。そこで、クラッチアウタ32のカム室32aの外径側をクラッチ固定部材34の中空部34bに圧入することで、ローラ33の外径方向の押圧力を圧入部分の固定に寄与させることができる。これによって、クラッチアウタ32とクラッチ固定部材34の固定力を更に大きくできる。このため、圧入代を小さく設計しても、エンジン逆回転時には十分な固定力が得られる。また、クラッチ固定部材34の中空部34bの切削面は研磨等による寸法公差の厳密な管理を必要とせず、製造工数を削減でき、製造コストを低減することができる。
逆転防止用クラッチ7は、エンジン逆回転時にローラ33がカム室32a内でロックされる。このとき、ローラ33がカム室32aの外径側を押圧する押圧力が生じる。そこで、クラッチアウタ32のカム室32aの外径側をクラッチ固定部材34の中空部34bに圧入することで、ローラ33の外径方向の押圧力を圧入部分の固定に寄与させることができる。これによって、クラッチアウタ32とクラッチ固定部材34の固定力を更に大きくできる。このため、圧入代を小さく設計しても、エンジン逆回転時には十分な固定力が得られる。また、クラッチ固定部材34の中空部34bの切削面は研磨等による寸法公差の厳密な管理を必要とせず、製造工数を削減でき、製造コストを低減することができる。
そして、クラッチアウタ32が圧入される部分はクラッチ固定部材34に形成された円筒部34aの内径側の中空部34bであることで、クラッチ固定部材の板厚に関わらず圧入部分の面積を大きくとることができ、固定力を大きくすることができる。
また、円筒部34aの外周にカバー36を設けることによって、ローラ33が逆転防止用クラッチ7から軸方向に飛び出すことを防止できるので、逆転防止用クラッチ7の挙動を安定させることができる。また、カバー36が円筒部34aを外周側から内径方向に押圧する押圧力を与えることで、クラッチアウタ32とクラッチ固定部材7の圧入部分の固定力が更に増強される。
カバー36の挿通孔の内周側にリップシール37設けられることで、逆転防止用クラッチ7に充填されるオイルがケースの挿通孔から外部へ流出することを防止することができるため、回転部の潤滑性が維持される。
クラッチ固定部材34の成形をプレス加工によれば、クラッチ固定部材34を容易に製造できる。また、クラッチアウタ32のカム室32aの外径側を中空部34bに圧入固定することで、ローラ33の押圧力を圧入部分の固定に寄与させているため、クラッチ固定部材34がプレス成形品であっても充分な固定力を確保できる。
(実施例2)
図4は、逆転防止用クラッチ7とクラッチ固定部材34の断面図である。
図4は、逆転防止用クラッチ7とクラッチ固定部材34の断面図である。
実施例2のスタータ1は、図4に示す様に、逆転防止用クラッチ7のクラッチアウタ32の外周部と中空部34bに、互いに嵌合する直スプライン(本発明の回り止め部)が形成される。
これによって、クラッチアウタ32とクラッチ固定部材7は相対回転が規制されるため、圧入部分の固定をより確実にすることができる。そして、想定外の衝撃が発生時した場合においても、クラッチアウタ32が空転し電機子軸が逆回転することを確実に防止することができる。
その他の構成、効果は実施例1と同様である。
1 スタータ
2 電機子
3 モータ
5 出力軸
6 ピニオンギヤ
7 逆転防止用クラッチ
9 コイル
31 クラッチインナ
32 クラッチアウタ
33 ローラ
34 クラッチ固定部材
34a 円筒部
34b 中空部
36 カバー
37 シール部材
2 電機子
3 モータ
5 出力軸
6 ピニオンギヤ
7 逆転防止用クラッチ
9 コイル
31 クラッチインナ
32 クラッチアウタ
33 ローラ
34 クラッチ固定部材
34a 円筒部
34b 中空部
36 カバー
37 シール部材
Claims (6)
- 電機子軸に回転力を発生するモータと、
前記電機子軸の回転トルクが伝達される出力軸と、
この出力軸上に設けられると共に、前記出力軸と一体に回転してエンジン側のリングギヤを駆動するピニオンギヤと、
前記電機子軸がエンジン駆動時と逆方向に回転することを防止する逆転防止用クラッチと、
前記逆転防止用クラッチを収容するハウジングと、を備え、
前記逆転防止用クラッチは、前記電機子軸と一体に回転するクラッチインナと、このクラッチインナの外径側に配置されるクラッチアウタと、前記クラッチインナとこのクラッチアウタとの間に形成されるカム室に収容される係合子と、を有すると共に、前記クラッチアウタは前記ハウジングに回転不能に固定されるクラッチ固定部材の中空部に圧入固定されるスタータにおいて、
前記クラッチアウタは、少なくとも前記カム室の外径側が前記中空部に圧入固定されていることを特徴とするスタータ。 - 請求項1に記載のスタータにおいて、
前記クラッチアウタの外周部と前記中空部の内周には、互いに嵌合して回転を規制する回り止め部が形成されることを特徴とするスタータ。 - 請求項1または2に記載のスタータにおいて、
前記中空部は、前記クラッチ固定部材の中心部から軸方向に突出して形成された円筒部の内径側であることを特徴とするスタータ。 - 請求項3に記載のスタータにおいて、
前記円筒部の外周には、前記係合子の軸方向位置を規制するカバーが組み付けられることを特徴とするスタータ。 - 請求項3または4に記載のスタータにおいて、
前記カバーに設けられた前記電機子軸を通すための挿通孔の内周面に、前記電機子軸に摺接するシール部材を設けたことを特徴とするスタータ。 - 請求項1〜5に記載の何れかのスタータにおいて、
前記クラッチ固定部材は、プレス成形品であることを特徴とするスタータ。
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