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JP2010132739A - 紫外線硬化型インクジェットインキ - Google Patents

紫外線硬化型インクジェットインキ Download PDF

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征寿 高橋
Kazuhiro Shirouchi
一博 城内
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Abstract

【課題】複数回の走査により1つの画像を形成するインクジェットプリンタ用のインキであって、良好な画質の印刷物を得ることができる紫外線硬化型インクジェットインキを提供する。
【解決手段】複数回の走査により1つの画像を形成するインクジェットプリンタ用のインキであって、該インキに紫外線を照射して硬化した硬化膜の表面自由エネルギーの分散力成分γdが39mN/m以上であることを特徴とする紫外線硬化型インクジェット用インキ。さらには、該インキの表面張力STと該インキを硬化してなる硬化膜の表面自由エネルギーの分散成分γdとの関係がγd−ST>6.0を満たすことを特徴とする上記紫外線硬化型インクジェット用インキ。
【選択図】なし

Description

本発明は良好な画質の印刷物を得ることができる紫外線硬化型インクジェットインキに関する。
従来、紫外線硬化型インキはオフセット、シルクスクリーン、トップコート剤などに供給、使用されており、乾燥工程を簡略化するコストダウンや環境対応として溶剤の揮発量低減などのメリットから、溶剤型インキからの置き換えにより近年使用量が増加している。インクジェットインキとしては水系と溶剤系が多く使用されており各々の特徴に応じて用途が使い分けられているが、工業用としては印刷基材に制限があること、耐水性が比較的悪い、インキの乾燥エネルギーが大きい、また、乾燥によるヘッドへのインキ成分付着などの問題点を有し、比較的揮発性の低い紫外線硬化型インキへの置き換えを期待されている。
しかし、従来の紫外線硬化型インクジェットインキを用いてインクジェット装置により印刷された印刷物は水系、溶剤系のインキを用いて印刷された印刷物と比較して画質において劣る場合が多い。これは水系、溶剤系のインキではインクジェット装置により基材に印刷した後にインキが基材に浸透し印刷面が平滑になるため高精度な印刷が可能となるのに対し、紫外線硬化型インキは紫外線により硬化されるため液滴形状が印刷面に凹凸を生じさせるためである。また、印刷面に凹凸が生じると反射光の乱反射が起こるため印刷物にグロスがでない、バンディングが目立つといった悪影響がある。
紫外線硬化型インクジェット印刷で印刷物にグロスをだす場合には、インキ滴が基材上に濡れ広がる時間を十分にとった後に紫外線照射を行い硬化する必要があった。しかし、硬化を遅くすることで生産性が落ちる、基材によってインキが濡れ広がるまでの時間が異なる等の問題点がある。
特許文献1ではインキの基材に対する濡れ性を向上させるために表面張力調整剤を使用している。この表面張力調整剤によりインキの表面張力を下げることで基材に対する濡れ性を上げている。しかし、インキ硬化後には表面張力調整剤が硬化膜表面に配向するため、ドットオンドットが生じた際には濡れ性の悪化が懸念される。
特許第3912075号
本発明は良好な画質の印刷物を得ることができる紫外線硬化型インクジェットインキの提供を目的とする。
すなわち本発明は、複数回の走査により1つの画像を形成するインクジェットプリンタ用のインキであって、該インキに紫外線を照射して硬化した硬化膜の表面自由エネルギーの分散力成分γdが39mN/m以上であることを特徴とする紫外線硬化型インクジェット用インキに関する。
また、該インキの表面張力STと該インキを硬化してなる硬化膜の表面自由エネルギーの分散成分γdの関係がγd−ST>6.0を満たすことを特徴とする上記紫外線硬化型インクジェット用インキに関する。
また、(a)多官能モノマー、(b)ヒドロキシル基および/またはアミノ(アミド)基を有するモノマーを含有することを特徴とする上記紫外線硬化型インクジェット用インキに関する。
また、表面張力が35mN/m以下のモノマーを含有することを特徴とする上記紫外線硬化型インクジェット用インキに関する。
また、印刷基材に上記紫外線硬化型インクジェット用インキで印刷してなる印刷物に関する。
本発明により良好な画質の印刷物を作成することが可能な紫外線硬化型インクジェットインキを提供することができた。
本発明による紫外線硬化型インクジェット用インキではインクジェットによる吐出後にインキへの紫外線照射により形成される硬化膜の表面自由エネルギーの分散力成分γdを39mN/m以上に制御することで良質な印刷物の提供を可能とした。
印刷を行う際に高画質を得るには、印刷基材に対するインキの濡れ広がりの制御が重要とされる。濡れ広がり性に影響を与えるパラメータとして、基材からは表面自由エネルギー、インキからは表面張力が挙げられる。インキが基材に対して濡れ広がるには基材の表面自由エネルギーがインキの表面張力よりも大きい必要がある。即ち、表面自由エネルギーが表面張力よりも小さい場合には、インキは基材に対して濡れず、印刷物にハジキ等の欠陥が生じる原因となる。よって、一般的にインキには対象となる基材の表面自由エネルギーよりも小さな表面張力が求められる。
インクジェット方式での印刷は1つの画像を1回の走査で印刷する方式と、画像を分割し複数回(4〜32回)の走査で印刷する方式がある。1つの画像を1回の走査で印刷する、所謂1パスプリンタでは、生産性が高く短時間で多量の印刷を行うことができる。しかし、1パスプリンタは一般的に信頼性が低く、ヘッドのノズルが一部に不良が生じ不吐出となることで容易に印刷物に欠陥が出てしまう。これを解消するため生産性を犠牲にして1つの画像を複数回の走査で印刷する方式をとる場合がある。この方式ではノズルに不良が生じ不吐出となった場合にも、不吐出となったノズルの印字箇所が分散されるため印刷物全体として欠陥が目立たなくなる。但し、この方式では印刷物の画質が低下する傾向がある。すなわち、1パス目は基材に対してインキが濡れ、ドットが形成されるのに対して、2パス目以降は前のパスで印刷されたドット(インキ硬化膜)の上にインキが濡れ、ドットが形成される。この2パス目以降のドットが濡れ広がらなくなるため画質の低下が生じる。本発明ではインキ硬化膜の表面自由エネルギーの分散力成分γdを制御することでインキの硬化膜に対する濡れ広がり(2パス目以降の濡れ広がり)を調節し、良好な画質の印刷物をえることが可能なインキを得られることを見出した。
インキ硬化膜の表面自由エネルギーはインキ中のモノマー構造により大きく変化する。表面自由エネルギーを上げるには極性基を有するモノマーや多官能モノマーが有効的である。しかしながら、極性基によってはインキの顔料分散を破壊してしまうことがあるため注意が必要である。本発明では(b)ヒドロキシル基またはアミノ(アミド)基を有するモノマーを使用することが表面自由エネルギーを上げ、かつ分散安定性を両立させることのできる手法であることを見出した。
本発明において用いる(b)ヒドロキシル基またはアミノ(アミド)基を有するモノマーとして、具体的には2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、o-フェニルフェノールグリシジルエーテルアクリレート、1,4-シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、1,6-ジ(2-ヒドロキシプロポキシ)ヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、アクリロイルモルホリン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、N-ビニルホルムアミド、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、エトキシ化イソシアヌール酸トリ(またはジ)アクリレート、トリ(2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート)トリ(またはジ)アクリレート、トリ(またはジ)(メタ)アリルイソシアヌレートを挙げることができるがこれに限定されるものではない。これらのモノマーのうち粘度、硬化性の面から4−ヒドロキシブチルアクリレート、N−ビニルカプロラクタム、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミドを使用することが好ましい。
本発明では(b)ヒドロキシル基および/またはアミノ(アミド)基を有するモノマーをモノマー全量のうち20〜60%、より好ましくは30〜50%含有することにより印刷物の画質を向上させることができる。この範囲以下では表面自由エネルギーが低く印刷物の画質が不十分であり、この範囲以上では顔料の分散安定性が悪化するためインキの寿命が短くなる。
なお、本発明で記載される表面自由エネルギーの分散力成分γdとは固体試料の表面自由エネルギーγを分散力成分、双極子力成分、水素結合成分に分割した際の分散力成分を表す。この値は表面自由エネルギー既知の液体試料と固体試料の接触角を求め、拡張Fowkesの式から連立一次方程式を立て、解を求めることで得ることが出来る。本発明では表面自由エネルギー既知の液体試料として2-ブロモナフタレン、ジヨードメタン、ホルムアミドを用いて固体試料との接触角を測定し、協和界面科学株式会社製解析ソフトウェア「FAMAS」で解析した値を示している。
硬化膜の表面自由エネルギーの分散力成分γdが39mN/m以上であれば、ドットオンドット上での濡れ広がりが上がることにより印刷物の品質が向上する。一方、39mN/m未満では液滴が濡れ広がらないため良質な印刷物が得られない。
本発明ではインキの表面張力は低表面張力のモノマーを使用して硬化膜の濡れ広がりを調整している。表面張力の調整には表面張力調整剤(レベリング剤)を使用することが一般的であるが、表面張力調整剤を使用するとインキが硬化した後に硬化膜表面に成分が配向して硬化膜の表面自由エネルギーを下げてしまうことが多い。したがって、表面張力調整剤を使用せずに表面張力を下げることが望ましい。
表面張力が35mN/m以下のモノマーとして具体的にはシクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシルアクリレート、イソボロニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ジ(トリ)プロピレングリコールジアクリレートが挙げられるが、これに限定されるものではない。
さらにこの中でも粘度、硬化膜物性からイソボロニルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレートをより好適に用いることができる。
本発明では表面張力が35mN/m以下のモノマーをモノマー全量のうち20〜60%、より好ましくは30〜50%含有することにより印刷物の画質を向上させることができる。この範囲を外れるとインキとしての表面張力を35〜29mN/mに調整することが困難となる。
なお、インキの表面張力とはウィルヘルミ型の表面張力計にて測定した値を指し、本発明では協和界面科学株式会社製自動表面張力計「CVP-Z型」にて測定した値を用いている。
表面自由エネルギーの分散力成分と表面張力の関係であるγd−STが6.0以上であればより濡れ広がり性が上がる。良好な印刷物を得るために好ましくはγd−STが8.0以上であることが望ましい。
本発明で示される紫外線硬化型インクジェットインキとは少なくともモノマー、光重合開始剤を含むものであり、用途により顔料、顔料分散剤、オリゴマー、樹脂、重合禁止剤、その他添加剤を好適に用いることが出来る。
本発明において用いるモノマーとは重合性官能基数が1〜100個のものを指し、以下、重合性官能基数が1個のものを単官能モノマー、2個以上のものを多官能モノマーと称する。
単官能モノマーとしてはベンジルアクリレート、((ジ)エトキシ(またはプロポキシ)化)フェニルアクリレート、ジシクロペンテニル(オキシエチル)アクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、β-カルボキシルエチルアクリレート、トリメチロールプロパンフォルマルモノアクリレート、イソアミルアクリレート、エトキシ化コハク酸アクリレートを挙げることができるがこれに限定されるものではない。
また、(a)多官能モノマーとしてはジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、(エトキシ(またはプロポキシ)化)ビスフェノールAジアクリレート、シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、(ポリ)エチレングリコールジアクリレート、(エトキシ(またはプロポキシ)化)-1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、(エトキシ(またはプロポキシ)化)ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを挙げることができるがこれに限定されるものではない。
本発明では(a)多官能モノマーをモノマー全量のうち20〜60%、より好ましくは30〜50%含有することにより印刷物の画質を向上させることができる。
(a)多官能モノマーを2官能または3官能モノマーとする、好ましくは2官能モノマーのみとすることで印刷物の可撓性を向上させ、フレキシブルな基材に対しての印刷特性を向上させることができる。
さらに、(a)他官能モノマーと、前述した(b)ヒドロキシル基および/またはアミノ(アミド)基を有するモノマーとを併用させるとより好ましい。
本発明において紫外線として紫外線を使用するときは、光ラジカル重合開始剤をインキ中に配合する。光重合開始剤としては、分子開裂型または水素引き抜き型のものが本発明に好適である。具体例としては、2,4-ジエチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン、オリゴ(2-ヒドロキシ-2-メチル-1-(4-(1-メチルビニル)フェニル)プロパノン)、2-ヒドロキシ-1-(4-(4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル)-フェニル)-2-メチル-プロパン-1-オン等が好適に用いられ、さらにこれら以外の分子開裂型のものとして、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン等を併用しても良いし、さらに水素引き抜き型光重合開始剤である、ベンゾフェノン、4-フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチル-ジフェニルスルフィド等も併用できる。
また上記光ラジカル重合開始剤に対し、増感剤として例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p-ジエチルアミノアセトフェノン、p-ジメチルアミノ安息香酸エチル、p-ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N-ジメチルベンジルアミンおよび4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のアミン類を併用することもできる。上記光ラジカル重合開始剤や増感剤は、紫外線硬化性化合物への溶解性に優れ、紫外線透過性を阻害しないものを選択して用いることが好ましい。
近年、インクジェット方式の印刷でも高速印刷が求められている。これを実現するために開始剤は吸収極大波長を長波長側に持つものと短波長側に持つものの2種類またはそれ以上の種類を用いることが好ましい。複数の開始剤を用いることで、光源が発するエネルギーを効率よく利用でき、硬化性を向上させることができる。
光ラジカル重合開始剤として2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドまたはビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルフォスフィンオキサイドと2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オンまたは2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オンの組み合わせで用いることが特に好ましい。
光ラジカル重合開始剤と増感剤はモノマー100%に対して5〜20%の範囲で用いる。
本発明による紫外線硬化型インクジェットインキに着色成分を含有させる場合には染料、顔料を用いることができるが、印刷物の耐性の面から顔料をより好適に用いることができる。顔料としてはシアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、ホワイトなどの一般的に印刷用途、塗料用途のインキに使用される顔料を用いることができ、発色性、耐光性などの必要用途に応じて選択することができる。なお、顔料のインキ全体に対する比率は、インキ100%に対して1〜25%の任意の割合で配合することが好ましい。また、顔料を安定にインキ中に分散するために顔料分散剤を使用することができる。
本発明ではインキの保存安定性、記録装置内での安定性を高めるため、ハイドロキノン、p-メトキシフェノール、t-ブチルカテコール、ジ-t-ブチルヒドロキシトルエンなどの重合禁止剤をインキ100%に対して0.01〜5%の任意の割合で配合することが好ましい。
本発明の紫外線硬化型インクジェットインキは印刷適性、印刷物耐性を高めるために紫外線吸収剤、酸化防止剤などの添加剤を必要に応じて使用することができる。
本発明の紫外線硬化型インクジェットインキを使用するには、まずこのインクジェットインキをインクジェット記録方式用プリンタのプリンタヘッドに供給し、このプリンタヘッドから基材上に吐出し、その後紫外線を照射する。これにより印刷媒体上の組成物は速やかに硬化する。
紫外線を照射するタイミングはインキが基材に着弾した後10秒以内、好ましくは30ミリ秒〜1秒以内に照射することが望ましい。照射するタイミングが遅すぎると液滴同士が混じりあうことで画像がにじみ、一方、早すぎると液滴が広がらないため粒状感の目立つ画像となってしまう。
本発明で用いられる印刷機材には、特に限定はないがポリカーボネート、硬質塩ビ、軟質塩ビ、ポリスチレン、発泡スチロール、PMMA、ポリプロピレン、ポリエチレン、PET、などのプラスチック基材やこれら混合または変性品、ならびにガラス、ステンレスなどの金属基材、木材などが挙げられる。
本発明の紫外線硬化型インクジェットインキをインクジェットプリンタに搭載して使用する場合には必要に応じて複数色を組み合わせたインキセットとして用いることができる。組み合わせに特に限定はないが4色であればシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの組み合わせなどで使用することができる。
[実施例]
以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に特に限定されるものではない。なお、実施例中「部」は「重量部」を表す。
まず、下記のような配合で顔料分散体を作成した。分散体はモノマーに顔料および分散剤を投入し、ハイスピードミキサー等で均一になるまで撹拌後、得られたミルベースを横型サンドミルで約1時間分散して作成した。
・ソルスパース32000(アビシア社製 顔料分散剤) 10部
・モノマー(フェノキシエチルアクリレート、イソボロニルアクリレート、
イソオクチルアクリレートより任意に選択) 100部
実施例1
表1の原料を表の上から順次撹拌しながら添加した。2時間の撹拌の後、溶解残りがないことを確認し、メンブランフィルターで濾過を行い、ヘッドつまりの原因となる粗大粒子を除去し、インキを作成した。このインキの表面張力の測定、およびUVインクジェット吐出装置により軟質塩ビ上に吐出、硬化することで印刷物を作成し、表面自由エネルギーの測定、画質の評価を行った。このときのUVランプはインテグレーションテクノロジー社製Aバルブを用いた。インキの表面張力、印刷物の表面自由エネルギーの分散力成分は前述の方法で測定を行った。
画質は印刷物のグロス(光沢感)、にじみ、バンディング(スジ)の有無の3項目を目視で判断し、そこから総合的な評価を10段階で行った。
実施例2〜8
実施例1と同様に表1記載の通りにインキを作成し、印刷、硬化、評価を行った。
比較例1〜5
実施例1と同様に表2記載の通りにインキを作成し、印刷、硬化、評価を行った。
実施例ではインキ硬化膜の表面自由エネルギーの分散力成分γdを39mN/m以上に制御することで良質な印刷物を得ることができている。実施例2〜8では更に表面張力STを調整し、γd-STを6.0以上にすることで画質が向上している。
一方、比較例ではインキの表面張力もしくは硬化膜の表面自由エネルギーが範囲外であるため印刷物のグロスがでない、色がにじむ、バンディングが目立つといった欠点がみられ、良質な印刷物を得ることができていない。比較例6では実施例7と同じモノマー組成であるが、表面張力調整剤を含むため表面自由エネルギーが低くなり、良質な印刷物を得ることができなくなっている。
Figure 2010132739
Figure 2010132739

Claims (5)

  1. 複数回の走査により1つの画像を形成するインクジェットプリンタ用のインキであって、該インキに紫外線を照射して硬化した硬化膜の表面自由エネルギーの分散力成分γdが39mN/m以上であることを特徴とする紫外線硬化型インクジェット用インキ。
  2. 該インキの表面張力STと該インキを硬化してなる硬化膜の表面自由エネルギーの分散成分γdとの関係がγd−ST>6.0を満たすことを特徴とする請求項1記載の紫外線硬化型インクジェット用インキ。
  3. (a)多官能モノマー、および、(b)ヒドロキシル基および/またはアミノ(アミド)基を有するモノマーを含有することを特徴とする請求項1または2記載の紫外線硬化型インクジェット用インキ。
  4. 表面張力が35mN/m以下のモノマーを含有することを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の紫外線硬化型インクジェット用インキ。
  5. 印刷基材に請求項1〜4いずれか記載の紫外線硬化型インクジェット用インキで印刷してなる印刷物。
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