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JP2010111267A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】トレッドパターンの適正化を図ることにより、氷上性能を飛躍的に向上させる。
【解決手段】この空気入りタイヤは、溝2により区画された複数の独立した小ブロック3が相互に密集配置されてなる小ブロック群Gが、トレッド部1の少なくとも一部に設けられ、該小ブロック群Gの小ブロック3によりブロック列又は陸部列が形成されている。小ブロック3は、それぞれ単一の円形形状かつ相互に同一の大きさに形成され、小ブロック3には、円弧状のサイプ4が形成されている。
【選択図】図1

Description

この発明は、トレッド部に、溝により区画してなるブロックを備える空気入りタイヤに関し、より具体的には、氷上性能の飛躍的な向上をもたらす技術を提案するものである。
従来、空気入りタイヤでは、エッジ効果を高めることによって、氷上性能等を向上させることを目的に、図3に示すように、トレッド部100に、トレッド周方向に延びる縦溝101やトレッド幅方向に延びる横溝102をもってブロック103を区画形成するとともに、形成されたブロック103内に複数のサイプ104を付加することが広く一般に行われている。そして、このような従来の空気入りタイヤでは、より高い駆動、制動及び旋回性能の要求の下で、ブロック103内に多数のサイプ104を配設するため、また特に氷上性能を大きな接地面積の確保によって向上させるために、トレッド踏面内のブロック列数を3から9列と少なくするとともに各ブロック103をトレッド周方向に長い縦長の形状としていた。
しかしながら、上記のような従来の空気入りタイヤでは、サイプ104によって区画された分割ブロック部分103aが横長となって剛性が低くなり過ぎて、接地時に分割ブロック部分103aの倒れ込みが生じ接地性が悪化してしまうことから、近年の車両性能の向上に見合った十分な氷上性能を得ることが難しかった。また、ブロック103一つ一つの大きさが大きく、ブロック103の中央域においてはサイプ104の形成のみでは、氷上でのブレーキの際に氷面とタイヤとの間の水膜を十分除去することができず、このことからも氷上性能を飛躍的に向上させることは困難であった。
それゆえ、この発明は、これらの問題点を解決することを課題とするものであり、その目的は、トレッドパターンの適正化を図ることにより、氷上性能を飛躍的に向上させることにある。
前記の目的を達成するため、この発明の空気入りタイヤは、溝により区画された複数の独立した小ブロックが相互に密集配置されてなる小ブロック群が、トレッド部の少なくとも一部に設けられ、該小ブロック群の小ブロックによりブロック列又は陸部列が形成された空気入りタイヤであって、前記小ブロックは、それぞれ単一の円形形状かつ相互に同一の大きさに形成され、前記小ブロックには、円弧状のサイプが形成されていることを特徴とする空気入りタイヤである。なおここでいう「サイプ」とは、トレッド表面に切り込まれた薄い切り込みであって、接地時に閉じることが可能なものを指す。
この発明の空気入りタイヤにあっては、溝により区画された小ブロックを相互に密集して配置したことから、小ブロックのトータルエッジ長さが増大し、サイプよりも高いエッジ効果が得られる。また、小ブロック一つあたりの表面積が小さいことからブロック一つ一つの接地性が向上する。さらに小ブロックの中央域からブロック周縁までの距離が小さいので、小ブロックの中央域での水膜はブロック接地時に効率的に除去される。また、この発明の空気入りタイヤにあっては、小ブロックを単一形状かつ相互に同一の形状に形成したことから、小ブロックの配置範囲での接地圧をほぼ均一にでき接地性を向上させることができる。さらに、この発明の空気入りタイヤにあっては、小ブロックを円形形状としたことから、あらゆる方向に対しても等しくエッジ効果を発揮し得る異方性の影響の小さいトレッドパターンとすることができる。さらに、小ブロック内にサイプを設けたことでエッジ効果を向上させることができ、しかもその形状を円弧状とすることで、サイプを直線状とする場合に比べてサイプ配設によるブロック剛性の低下を抑制しつつサイプの長さ(エッジ成分長さ)を長距離化できるので、より高いエッジ効果を発揮させることができる。
従って、この発明の空気入りタイヤによれば、優れた接地性及びエッジ効果の確保と、小ブロックによる効率的な水膜の除去を実現することにより、氷上性能を飛躍的に向上させることができる。
なお、小ブロック群はトレッド全体に設けると氷上性能に対してより有効であるが、限られた領域に適用することで操縦安定性や耐偏摩耗性等の他性能とのバランスを図ることができる。
また、この発明の空気入りタイヤにあっては、小ブロック群における小ブロックの基準ピッチ長さをP(mm)、該小ブロック群の幅をW(mm)、該基準ピッチ長さPと該幅Wとで区画される、該小ブロック群の基準区域内に存在する小ブロックの個数をa(個)、該基準区域内のネガティブ率をN(%)としたとき、a/(P×W×(1−N/100)で与えられる、該小ブロック群の単位実接地面積当りの小ブロック個数密度Sは0.003個/mm〜0.04個/mmの範囲内にあることが好ましい。ここで、「小ブロックの基準ピッチ長さ」とは、小ブロック群を構成する1つのブロック列における小ブロックの繰り返し模様の最小単位を指すものとし、例えば1つの小ブロックとその小ブロックを区画する溝によってパターンの繰り返し模様が規定されている場合は、小ブロック1個分のトレッド周方向長さとこの小ブロックのトレッド周方向に隣接する溝1分のトレッド周方向長さとを加算したものが小ブロックの基準ピッチ長さとなる。また、「小ブロック群の幅W」とは、小ブロックを密集配置してなる小ブロック群のトレッド幅方向長さを指し、例えば小ブロック群がトレッド全体に存在する場合は、トレッド接地幅を指すものとする。しかも、小ブロック群の「実接地面積」とは、小ブロック群の基準区域内に在る全小ブロックの総表面積をいうものとし、言い換えれば、基準ピッチ長さPと幅Wとの積で規定される、上記基準区域の面積から個々の小ブロックを区画している溝の面積を減算した面積を指すものである。
さらに、この発明の空気入りタイヤにあっては、小ブロックは、トレッド周方向に千鳥状に配置されていることが好ましい。
さらに、この発明の空気入りタイヤにあっては、小ブロックは、正円形状に形成されていることが好ましい。
さらに、この発明の空気入りタイヤにあっては、小ブロックの表面の中心から該表面に沿って放射方向にみたとき、前記円弧状のサイプが隙間無く配置されていることが好ましい。ここで、「小ブロックの表面」とは、トレッド部が接地した際に路面に接触する面を指す。
さらに、この発明の空気入りタイヤにあっては、円弧状のサイプは、小ブロックの表面の輪郭形状に対して平行であることが好ましい。
しかも、この発明の空気入りタイヤにあっては、円弧状のサイプは、その長手方向の両端が小ブロック内で終端していることが好ましい。
この発明の空気入りタイヤによれば、優れた接地性及びエッジ効果の確保と、小ブロックによる効率的な水膜の除去を実現することにより氷上性能を顕著に向上させることができる。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ここに、図1は、この発明に従う一実施形態の空気入りタイヤ(以下「タイヤ」という)のトレッドパターンを示した部分展開図である。なお、図中、上下方向がトレッド周方向を示し、左右方向(赤道面Eに直交する方向)がトレッド幅方向を示している。
この実施形態のタイヤは、図示を省略するが、左右一対のビードコア間でトロイド状に延びるカーカスと、このカーカスのクラウン部のタイヤ径方向外側に配置したベルトと、このベルトのタイヤ径方向外側に配置したトレッド部とを具える慣例に従ったタイヤ構造を有し、トレッド部に図1に示したトレッドパターンを有するものである。
このタイヤは、図1に示すように、トレッド部1に、溝2により区画した、独立した複数の小ブロック3を互いに密集させてなる小ブロック群Gを有する。小ブロック群Gは、トレッド部1の全体に存在する。小ブロック3は、トレッド周方向に沿って並べられてブロック列をなす。小ブロック3は、それぞれ正円形(円柱状であり表面輪郭形状が正円形である形状)でかつ相互に同一の大きさに形成されている。小ブロック3は、トレッド周方向に千鳥状に配置されている。小ブロック3には、円弧状のサイプ4が形成されている。円弧状のサイプ4は、小ブロック3の表面輪郭形状に対して平行となるような曲率をもって湾曲している(すなわち、小ブロック3の表面輪郭形状と円弧状のサイプ4とは同一の中心Cを共有する。)。また、円弧状のサイプ4は、小ブロック3の表面の中心Cからみて放射方向の内側に3本、同放射方向の外側に3本形成されている。これらの円弧状のサイプ4はその長手方向の両端が小ブロック3内で終端している。円弧状のサイプ4は、小ブロック3の表面の中心Cから該表面に沿って放射方向にみたとき小ブロック3の側面周方向において隙間無く配置されており、さらにこの実施形態では、放射方向内側に位置する円弧状のサイプ4と放射方向外側に位置する円弧状のサイプ4とが小ブロック3の周方向に放射方向にみたとき相互にオーバーラップして配置されている。
この実施形態のタイヤにあっては、溝2により区画された小ブロック3を相互に密集して配置したことから、小ブロック3のトータルエッジ長さが増大し、高いエッジ効果が得られる。また、小ブロック3の一つあたりの表面積が小さいことから小ブロック一つ一つの接地性が向上する。さらに小ブロック3の中央域からブロック周縁までの距離が小さいので、小ブロック3の中央域での水膜はブロック接地時に効率的に除去される。また、この実施形態のタイヤにあっては、小ブロック3を単一形状かつ相互に同一の形状に形成したことから、小ブロック3の配置範囲での接地圧をほぼ均一にでき接地性を向上させることができる。さらに、この実施形態のタイヤにあっては、小ブロック3の表面輪郭形状を円形としたことから、あらゆる方向に対しても等しくエッジ効果を発揮し得る異方性の影響の小さいトレッドパターンとすることができる。さらに、小ブロック3内にサイプ4を設けたことでエッジ効果を一層向上させることができ、しかもその形状を円弧状とすることで、サイプを直線状とする場合に比べてサイプ配設によるブロック剛性の低下を抑制しつつサイプ4の長さ(エッジ成分長さ)を長距離化できるので、より高いエッジ効果を発揮させることができる。
従って、この実施形態のタイヤによれば、優れた接地性及びエッジ効果の確保と、小ブロック3による効率的な水膜の除去を実現することにより、氷上性能を飛躍的に向上させることができる。
また、この実施形態のタイヤによれば、小ブロック3を、トレッド周方向に千鳥状に配置したことから、タイヤ転動時に、より多くの小ブロック3の形成下で、それぞれのエッジを逐次作用させることができるので、エッジ効果をより一層効果的に発揮させることが可能となる。また、小ブロック3をトレッド周方向に千鳥状に配置することで、トレッド幅方向に隣接する小ブロック3の相互間で路面への接地タイミングをずらすことができ、パターンノイズをも低減させることもできる。さらに、このように小ブロック3を千鳥状に配置することにより、小ブロック3の高い密集配置を容易に実現することができる。しかも、後述する小ブロック個数密度Sを高く設定した場合には、小ブロック3に高負荷が加わった際に隣り合う小ブロック3との間でブロックの支え合え効果を発揮させ得て、つまり小ブロック3の剛性を増大させ得て、氷上性能を一層向上させることができる。
さらに、この実施形態のタイヤのように、小ブロック3を正円に形成すれば、あらゆる方向に対しても等しくエッジ効果を発揮させ得る異方性の無いトレッドパターンとすることができる。
さらに、この実施形態のタイヤのように、小ブロック3の表面の中心Cから該表面に沿って放射方向にみたとき、円弧状のサイプ4を隙間無く配置すれば、あらゆる方向に対しても等しくエッジ効果を発揮させ得る異方性の無いトレッドパターンとすることができる。
さらに、この実施形態のタイヤのように、円弧状のサイプ4を、小ブロック3の表面の輪郭形状に対して平行となる曲率に設定すれば、サイプ4によって分割される分割ブロック部分の形状及び大きさにおける差異を小さくすることができ、つまり、分割ブロック部分同士の剛性の差異を小さくすることができるので、偏摩耗を抑制しつつも所期したエッジ効果を発揮させることができる。
しかも、この実施形態のタイヤのように、円弧状のサイプ4の長手方向の両端を小ブロック3内で終端させれば、高いブロック剛性の下、エッジ効果をより効果的に発揮させ得て氷上性能を一層向上させることができる。
なお、各小ブロック3に対する円弧状のサイプ4の配設本数は図示例に限らず、小ブロック3の剛性と必要とされるエッジ長さ(エッジ効果)及び除水効果との調整により適宜変更することができる。より具体的には、例えば操縦安定性や耐摩耗性等の他性能とのバランスを図る目的で、小ブロック3を比較的大きく形成することが要求される場合には、小ブロック個数密度Sを0.005個/mm以上0.012個/mm以下の範囲内とし、小ブロック3にそれぞれ設ける円弧状のサイプ4の本数を3本以上とすることが好ましい。このようにすれば、他性能とのバランスを図りつつ所要のエッジ効果及び除水効果を得ることができる。なお、より高い小ブロック剛性の要求の下では、小ブロック個数密度Sを0.006個/mm以上0.012個/mm以下とすることがより好ましい。
一方、例えば操縦安定性や耐摩耗性等の他性能とのバランスを図る目的で、小ブロック3を比較的小さく形成することが要求される場合には、小ブロック個数密度Sを0.013個/mm以上0.02個/mm以下の範囲内とし、小ブロック3にそれぞれ設ける円弧状のサイプ4の本数を3本とすることが好ましい。このようにすれば、他性能とのバランスを図りつつ所要のエッジ効果及び除水効果を得ることができる。なお、より高いエッジ効果及び除水効果の要求の下では、小ブロック個数密度Sを0.013個/mm以上0.018個/mm以下とすることより好ましい。
ところで、この発明において、小ブロック3の大きさ及びその密集度は、図3に示す従来のパターンのものよりもブロックの大きさが小さくかつ密集度が高くなっている。小ブロック3の大きさが小さく密集度を高くするほどエッジ効果及び除水効果を高めることができるが、その好適な範囲は以下の通りである。すなわち、小ブロック群Gにおける小ブロック3の基準ピッチ長さをP(mm)、該小ブロック群Gの幅をW(mm)(この実施形態では、トレッド部1の全体に小ブロック3が配置されているので、トレッド接地幅TWと等しい。)、該基準ピッチ長さPと該幅Wとで区画される、該小ブロック群Gの基準区域Z(図中斜線で示す領域)内に存在する小ブロック3の個数をa(個)、基準区域Z内のネガティブ率をN(%)としたとき、
Figure 2010111267
として表される、小ブロック群Gの単位実接地面積当りの小ブロック個数密度S(個/mm)は、0.003個/mm以上0.04個/mm以下とすることが好ましい。なお、小ブロック群Gの基準区域Z内の小ブロック3の個数aをカウントするに際して、小ブロック3が基準区域Zの内外に跨って存在し、1個として数えることができない場合は、小ブロック3の表面積に対する、基準区域内に残った小ブロック3の残存面積の比率を用いて数えることとする。例えば、図1に符号B1で示す小ブロックのように、基準区域Zの内外に跨り、基準区域Z内にその半分しか存在しない小ブロックの場合は、1/2個と数えることができる。小ブロック群Gにおける小ブロック3の個数密度Sが0.003(個/mm)未満の場合は、サイプの形成なしには、高いエッジ効果の実現が難しく、一方、小ブロック3の個数密度Sが0.04(個/mm)を超えると小ブロック3が小さくなり過ぎて所要の小ブロック剛性の実現が難しい。また、小ブロック群Gにおける小ブロック3の個数密度Sを、0.0035〜0.03個/mmの範囲内とすれば、小ブロック3の剛性とエッジ効果との両立をより高い次元で達成することができる。
また、この発明において、小ブロック群Gにおけるネガティブ率Nは5%〜50%とすることが好ましい。小ブロック群Gにおけるネガティブ率Nが5%未満の場合は、溝面積が小さ過ぎ排水性が不十分となる他、小ブロック一つ一つの大きさが大きくなり過ぎて本発明が狙いとするところのエッジ効果の実現が難しくなり、一方、50%を超えると接地面積が小さくなり過ぎて、操縦安定性が低下するおそれがあるからである。
次いで、この発明に従う他の実施形態について説明する。図2は、この発明に従う他の実施形態のタイヤのトレッドパターンを示した部分展開図である。なお、先の図1に示したタイヤと同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
このタイヤでは、小ブロック群Gの小ブロック3に円弧状のサイプ4が形成されるとともに、小ブロック3の中心C又はその近傍から放射方向に延びる放射サイプ5が形成されている。放射方向サイプ5は、円弧状のサイプ4の放射方向内側に配置されている。放射サイプ5はそれぞれ、一端が円弧状のサイプ4の一端に連結され(一端が円弧状のサイプ4の一端に開口し)、他端が小ブロック3の中心C又はその近傍にて合流している。なお、この実施形態では、放射方向サイプ5は3本であるが、これに限らず1本でも4本以上でも良い。また、放射方向5は、円弧状のサイプ4に連結されていなくても良い。
このように小ブロック3に該小ブロック3の中心C又はその近傍から放射方向に延びる放射方向サイプ5を設けることにより、氷面とタイヤとの間の水膜をより確実に除去することができ、特に氷上での排水性能を一層向上させることができる。
上述したところは、この発明の実施形態の一部を示したにすぎず、この発明の趣旨を逸脱しない限り、これらの構成を相互に組み合わせたり、種々の変更を加えたりすることができる。例えば、上記の実施形態では、円弧状のサイプ4は、その両端が小ブロック3内で終端するものとして説明したが、これに限らず、長手方向の一端又は両端が小ブロック3を区画している溝2に開口するものでも良く、小ブロック3内で途切れることなく連続して延びる環状のサイプとしても良い。また、この発明では、円弧状のサイプ4は全ての小ブロック3に設ける必要はなく、複数個の小ブロック3に設ければ所定の効果を得ることができる。より高いエッジ効果等が必要とされる場合には各小ブロック群のほぼ半数以上の小ブロック3に円弧状のサイプ4を設けることが好ましい。さらに、上記実施形態では、小ブロック3の形状を正円としたが楕円形であっても良く、これによれば、必要とされる性能(例えば、コーナリング性やトラクション・ブレーキ性)に応じて小ブロック3の縦横比を変化させることで対応することができるので、有利である。例えば、トラクション・ブレーキ性能を重視する場合には、小ブロック3を横長(トレッド幅方向に長い)楕円形とすれば良く、コーナリング性を重視する場合には、小ブロック3を縦長(トレッド周方向に長い)楕円形とすれば良い。また、トレッド踏面内における任意の範囲ごとに正円の小ブロックと楕円形の小ブロックとを使い分けるようにして、耐偏摩耗性や操縦安定性等の他のタイヤ性能との調整を図っても良い。
次に、この発明に従う実施例1、2のタイヤ、従来技術に従う従来例1のタイヤ及び比較例1、2のタイヤをそれぞれ試作し、氷上性能についての性能評価を行ったので、以下説明する。
実施例1のタイヤは、図1に示すトレッドパターンをトレッド部に有する、205/55R16サイズの乗用車用ラジアルタイヤである。これらのタイヤは、トレッド部全体に、溝により区画形成した、独立した複数の小ブロックを密集させてなる小ブロック群Gを有する。各小ブロックは、それぞれ正円形に形成されるとともに相互に同一の大きさに形成されており、かつ、トレッド周方向に千鳥状に配置されている。各小ブロックには、円弧状のサイプが各6本配設されており、内3本は小ブロックの放射方向外側に配置され残り3本は小ブロックの放射方向内側に配置されている。放射方向外側の円弧状のサイプと放射方向内側の円弧状のサイプは、小ブロックの放射方向にみて相互にオーバーラップしている。実施例1のタイヤの他の諸元は表1に示すとおりである。
実施例2のタイヤは、図2に示すトレッドパターンをトレッド部に有する、205/55R16サイズの乗用車用ラジアルタイヤである。これらのタイヤは、トレッド部全体に、溝により区画形成した、独立した複数の小ブロックを密集させてなる小ブロック群Gを有する。各小ブロックは、それぞれ正円形に形成されるとともに相互に同一の大きさに形成されており、かつ、トレッド周方向に千鳥状に配置されている。各小ブロックには、円弧状のサイプが各3本配設されており、円弧状のサイプに対して放射方向内側には、小ブロックの中心から放射方向外側に延びて円弧状のサイプの一端に連結された放射方向サイプが3本配設されている。実施例2のタイヤの他の諸元は表1に示すとおりである。
比較のため、205/55R16サイズの乗用車用ラジアルタイヤであり、トレッド部全体のネガティブ率が31.9%である図3に示すトレッドパターンを有する従来例1のタイヤ及びトレッド部全体のネガティブ率が32.6%である図4に示すトレッドパターンを有する比較例1のタイヤを併せて試作した。従来例1のタイヤは、トレッド部に、トレッド周方向に延びる縦溝と、この縦溝に直交して延びる横溝とによって複数の長方形の小ブロックが区画形成されている。縦溝は、幅が3mm、深さが8.5mmであり、横溝は、幅が7.9mm、深さが8.5mmである。また各小ブロックには直線状に延びるサイプが3本ずつ形成されている。比較例1のタイヤは、トレッド部に、トレッド周方向に延びる縦溝と、この縦溝に直交して延びる横溝とによって複数の長方形の小ブロックが区画形成されている。縦溝は、幅が1.2mm、深さが8.5mmであり、横溝は、幅が4.5mm、深さが8.5mmである。また各小ブロックには直線状に延びるサイプが2本ずつ形成されている。その他の諸元を表1に示す。
さらに比較のため、205/55R16サイズの乗用車用ラジアルタイヤであり、トレッド部に図5に示すトレッドパターンを有する比較例2のタイヤについても併せて試作した。比較例2のタイヤは、小ブロックに円弧状のサイプが形成されていないことを除いて実施例1のタイヤとほぼ同じである。
Figure 2010111267
(性能評価)
上記各供試タイヤについて、サイズ6.5J×16のリムに組み付け、内圧220kPa(相対圧)のとして車両に装着し、以下の試験を行って性能を評価した。
(1)氷上でのブレーキ性能評価試験
氷上でのブレーキ性能は、氷板路面上を時速20km/hからフル制動したときの制動距離を測定し、その測定した距離から評価した。その評価結果を表2に示す。表2中の評価は、従来例1の結果を100とし実施例1、2のタイヤ及び比較例1、2のタイヤについて指数で表したものであり、数値が大きいほど氷上でのブレーキ性能が良好であることを示す。
(2)氷上でのトラクション性能評価試験
氷上でのトラクション性能は、氷上路面上をフル加速し、20mの距離に達するまでの時間を測定し、その測定した時間から評価した。その評価結果を表2に示す。表2中の評価は、従来例1の結果を100とし実施例1、2のタイヤ及び比較例1、2のタイヤについて指数で表したものであり、数値が大きいほど氷上でのトラクション性能が良好であることを示す。
(3)氷上でのフィーリング評価試験
氷上でのフィーリング評価は、氷板路面のテストコースを各種走行モードで走行したときのテストドライバーによる制動性、加速性、直進性およびコーナリング性を総合的にフィーリング評価することによって行った。その評価結果を表2に示す。表2中の評価は、従来例1の結果を100とし実施例1、2のタイヤ及び比較例1、2のタイヤについて指数で表したものであり、数値が大きいほど氷上でのフィーリングが良好であることを示す。
(4)排水性評価試験
排水性は、水深5mmの湿潤路面を直線走行し、ハイドロプレーニング現象が発生する限界速度を測定し、その測定した限界速度から評価した。その評価結果を表2に示す。表2の評価は、従来例1の結果を100とし実施例1、2のタイヤ及び比較例1、2のタイヤについて指数で表したものであり、数値が大きいほど排水性が良好であることを示す。
Figure 2010111267
表2に示す評価結果から、実施例1、2のタイヤは、従来例1のタイヤに比べて、氷上ブレーキ性能、氷上トラクション性能、氷上フィーリング性能、排水性能の全てにおいて優れた性能を示している。また、放射方向サイプを有する実施例2のタイヤは実施例2のタイヤに比べて特に排水性能において優れた性能を示いる。
この発明によって、優れた接地性及びエッジ効果の確保と、小ブロックによる効率的な水膜の除去を実現することにより、氷上性能を飛躍的に向上させることが可能となった。
この発明に従う一実施形態の空気入りタイヤ(実施例1のタイヤ)のトレッドパターンを示した部分展開図である。 この発明に従う他の実施形態の空気入りタイヤ(実施例2のタイヤ)のトレッドパターンを示した部分展開図である。 従来技術の空気入りタイヤ(従来例1のタイヤ)のトレッドパターンを示した部分展開図である。 比較としての空気入りタイヤ(比較例1のタイヤ)のトレッドパターンを示した部分展開図である。 比較としての空気入りタイヤ(比較例2のタイヤ)のトレッドパターンを示した部分展開図である。
符号の説明
1 トレッド部
2 溝
3 小ブロック
4 円弧状のサイプ
5 放射方向サイプ
C 小ブロックの表面の中心
D 小ブロックの直径
小ブロック群
L 放射方向サイプの長さ
P 小ブロック群の基準ピッチ長さ
W 小ブロック群の幅
Z 基準区域

Claims (7)

  1. 溝により区画された複数の独立した小ブロックが相互に密集配置されてなる小ブロック群が、トレッド部の少なくとも一部に設けられ、該小ブロック群の小ブロックによりブロック列又は陸部列が形成された空気入りタイヤであって、
    前記小ブロックは、それぞれ単一の円形形状かつ相互に同一の大きさに形成され、
    前記小ブロックには、円弧状のサイプが形成されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記小ブロック群における小ブロックの基準ピッチ長さをP(mm)、該小ブロック群の幅をW(mm)、該基準ピッチ長さPと該幅Wとで区画される、該小ブロック群の基準区域内に存在する前記小ブロックの個数をa(個)、該基準区域内のネガティブ率をN(%)としたとき、a/(P×W×(1−N/100)で与えられる、該小ブロック群の単位実接地面積当りの小ブロック個数密度Sは0.003個/mm〜0.04個/mmの範囲内にある、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記小ブロックは、トレッド周方向に千鳥状に配置されている、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記小ブロックは、正円形状に形成されている、請求項1〜3の何れか一項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記小ブロックの表面の中心から該表面に沿って放射方向にみたとき、前記円弧状のサイプが隙間無く配置されている、請求項1〜4の何れか一項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記円弧状のサイプは、前記小ブロックの表面の輪郭形状に対して平行である、請求項1〜5の何れか一項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記円弧状のサイプは、その長手方向の両端が前記小ブロック内で終端している、請求項1〜6の何れか一項に記載の空気入りタイヤ。
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