[go: up one dir, main page]

JP2010101963A - 像加熱装置及びそれを備える画像形成装置 - Google Patents

像加熱装置及びそれを備える画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010101963A
JP2010101963A JP2008271125A JP2008271125A JP2010101963A JP 2010101963 A JP2010101963 A JP 2010101963A JP 2008271125 A JP2008271125 A JP 2008271125A JP 2008271125 A JP2008271125 A JP 2008271125A JP 2010101963 A JP2010101963 A JP 2010101963A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
protrusion
flexible film
thin
sheet material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2008271125A
Other languages
English (en)
Inventor
Yusuke Hirota
雄佑 廣田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2008271125A priority Critical patent/JP2010101963A/ja
Publication of JP2010101963A publication Critical patent/JP2010101963A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】尾引きによる画像不良をより確実に、かつ長期間に渡って抑制し、より良好な画像を提供することが可能な像加熱装置、及びこれを備える画像形成装置を提供する。
【解決手段】可撓性フィルム25と、可撓性フィルム25の回転軸方向に沿って可撓性フィルムの内周面に接触するヒータ20と、可撓性フィルム25を挟んでヒータ20の反対側から可撓性フィルムに圧接する加圧ローラ26と、を備え、可撓性フィルム25と加圧ローラ26とで形成されるニップ部Nにおいてシート材上の画像を加熱する像加熱装置において、ヒータ20における可撓性フィルム25の内周面との接触面には、可撓性フィルム25の回転方向の上流側端部に可撓性フィルム25の回転軸方向に沿って、ニップ部Nの方向へ突出した突起部32が形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、シート材上の画像を加熱する像加熱装置、及びそれを備える電子写真方式の画像形成装置に関する。
従来、シート材上の画像を加熱する像加熱装置が提案されている。
この像加熱装置は、例えば電子写真方式を利用してシート材に画像を形成する複写機、レーザープリンタ等の画像形成装置において、シート材上に転写された未定着のトナー画像をシート材上に加熱定着させるための定着手段として用いられている。
また、シート材上に形成された画像を加熱することによって、画像の光沢度を向上させる光沢付与手段として用いられる場合もある。
このような従来の像加熱装置の加熱方式として、可撓性を有する薄肉回転体(以下、可撓性フィルムと称する)を用いるフィルム加熱方式が知られている。
フィルム加熱方式を採用する像加熱装置は、回転可能な可撓性フィルムと、可撓性フィルムに圧接する加圧部材とを備え、両者のニップ部においてシート材を挟持搬送することでシート材上の画像を加熱するものである。
この加熱方式によると、ポリイミドまたはSUS等によって形成される熱容量の小さな可撓性フィルムの内周面とヒータ等の発熱部材とが直接摺動するので、温度応答性に優れ、シート材がニップ部へ導入されたタイミングで発熱部材へ通電を開始すればよい。
よって、クイックスタート性の向上、省電力化を達成可能な像加熱装置を提供することができる。
しかしフィルム加熱方式では、シート材がニップ部を通過する際のシート材の温度上昇の推移によっては、シート材上にトナー画像の「尾引き」が生じてしまう。
「尾引き」とは、未定着のトナー画像を有するシート材をニップ部おいて挟持搬送させた際に、シート材の搬送方向後端に向かって所々生じる尾のような飛び散り画像部のことを指す。
「尾引き」は、トナーとシート材との吸着力が弱い場合にシート材がニップ部に突入し、その際にシート材から発生する水蒸気によってシート材上の未定着のトナーが飛ばされることによって発生する。
一方で、この「尾引き」の対策が為された構成が特許文献1に開示されている。
図17に、特許文献1に開示されている従来の像加熱装置の構成を示す。図17は、従来例に係る像加熱装置の可撓性フィルムと加圧ローラとのニップ部を拡大して示したものである。
図17において、101は発熱部材、101aは基板、101bは発熱パターン、101cはガラスコート層、102は温度検知素子、103は発熱部材101を支持し、可撓
性フィルム104の回転をガイドするフィルムガイドを示す。また、105は加圧部材、Pはシート材、tはシート材P上に載っている未定着のトナーを示す。
この像加熱装置では、フィルムガイド103においてニップ部Nを形成している部分の一部が、発熱部材101の可撓性フィルム104との接触面(以下、「ヒータ表面」と記す)よりも突出していることを特徴とする(図17中点線丸の部分)。なお、この突出している部分を、「フィルムガイドアゴ103a」として以下説明を行う。
フィルムガイドアゴ103aがヒータ表面よりも突出している場合、回転している可撓性フィルム104は、フィルムガイドアゴ103aの部分でその回転軌道が変化する。
その結果、フィルムガイドアゴ103aがない場合と比べてニップ部Nでの温度が上昇が急峻になり、かつ最高到達温度も高くなる。特許文献1によると、フィルムガイドアゴ103aを設けた場合は、フィルムガイドアゴがない場合と比べて、ニップ部Nの中心付近の温度が約20℃高くなることがわかっている。
このため、未定着のトナーtはより早く融解し、トナーとシート材Pとの吸着力が増大する。そして吸着力が増大したことにより、トナーtがシート材Pから飛ばされる可能性が低く、「尾引き」を防止することができる。
特開2003−186321号公報
しかし「尾引き」の対策が為された上記従来の像加熱装置においても、その使用状況によっては「尾引き」が発生することがある。
つまり「フィルムガイドアゴ103a」を設けることによって「尾引き」の発生を防止する場合、「フィルムガイドアゴ103a」のヒータ表面からの高さが一定ではないと、可撓性フィルム104の回転軌道がずれて「尾引き」が発生してしまう。
例えば、シート材の総通紙枚数が増える像加熱装置の寿命後半では、可撓性フィルム104との摺擦によりフィルムガイドアゴ103aが削れ、「フィルムガイドアゴ103a」のヒータ表面からの高さが一定でなくなってしまう。
また、発熱部材101及びフィルムガイド103の寸法誤差によって、「フィルムガイドアゴ103a」のヒータ表面からの高さが一定でなくなることもある。
さらにフィルムガイド103は、可撓性フィルム104との摺動性、耐久性等、様々な要素を考慮してその材質が選択されるものであるが、材質によっては可撓性フィルム104との摺擦によって削れやすいものもある。その場合、像加熱装置の寿命後半で「フィルムガイドアゴ103a」のヒータ表面からの高さが一定でなくなってしまう。
すなわち従来の像加熱装置では、フィルムガイドアゴが削れてヒータ表面からの高さが一定でなくなることに起因する、「尾引き」による画像不良を抑制することが出来ない。
そこで本発明は、上記実情を鑑みてなされたものであり、尾引きによる画像不良をより確実に、かつ長期間に渡って抑制し、より良好な画像を提供することが可能な像加熱装置、及びこれを備える画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明にあっては、
可撓性を有する薄肉回転体と、
前記薄肉回転体の回転軸方向に沿って前記薄肉回転体の内周面に接触する発熱部材と、
前記薄肉回転体を挟んで前記発熱部材の反対側から前記薄肉回転体に圧接する加圧部材と、
を備え、
前記薄肉回転体と前記加圧部材とで形成されるニップ部においてシート材を挟持搬送することでシート材上の画像を加熱する像加熱装置において、
前記発熱部材における前記薄肉回転体の内周面との接触面には、
前記薄肉回転体の回転方向の上流側端部に前記回転軸方向に沿って、前記ニップ部の方向へ突出した突起部が形成されていることを特徴とする。
また、本発明に係る画像形成装置は、
上記像加熱装置と、
シート材に未定着のトナー像を形成する画像形成部と、
を備えていることを特徴とする。
本願発明によれば、尾引きによる画像不良をより確実に、かつ長期間に渡って抑制し、より良好な画像を提供することが可能な像加熱装置、及びこれを備える画像形成装置を提供することが可能になる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を、実施の形態に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
[第1の実施の形態]
図1〜図12を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る像加熱装置、及びこれを備える画像形成装置について説明を行う。第1の実施の形態では、本願発明に係る像加熱装置を画像形成装置の定着手段に適用した場合について説明する。
(画像形成装置の概略構成、及び画像形成プロセス)
図1を参照して、本実施の形態に係る画像形成装置、及び画像形成プロセスについて説明を行う。図1は、本実施の形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
本実施の形態に係る画像形成装置は、電子写真方式を採用したレーザープリンタである。
画像形成装置は、像担持体として回転可能な感光ドラム1を備えている。感光ドラム1は像担持体駆動手段としての本体駆動モータ12によって矢印aの方向に所定のプロセススピードで回転駆動する。
感光ドラム1の周囲には、その回転方向から順に、帯電装置としての帯電ローラ2、露光装置3、現像装置4、転写装置としての転写ローラ5、クリーニング装置としてのクリーニングブレード6が配置されている(これらを画像形成部と称する)。
また、画像形成装置本体下部には、紙等のシート材Pを収納した給紙カセット7が配置されている。また、シート材Pの搬送経路に沿って順に、給紙ローラ15、搬送ローラ8
、トップセンサ9、感光ドラム1と転写ローラ5の転写ニップ部T、搬送ガイド10、定着装置11、排紙ローラ13、排紙トレイ14が配置されている。
かかる構成によってシート材P上に画像を形成する際の画像形成プロセスについて説明する。
本実施の形態における画像形成プロセスのプロセススピードは、200mm/secであり、シート材Pの搬送も200mm/secで行われる。
まず、本体駆動モータ12によって矢印aの方向に回転駆動された感光ドラム1の表面が、帯電ローラ2によって所定の極性、所定の電位に一様に帯電される。
その後、帯電後の感光ドラム1の表面に対して、レーザー光学系の露光装置(レーザースキャナ)3によって画像情報に基づいた露光がなされる。具体的には、露光装置3が画像情報の時系列電気デジタル画像信号に応じてON/OFF制御されたレーザービームLを射出し、感光ドラム1の表面を露光する。
レーザービームLによって露光された感光ドラム1の表面には、露光部電位が減衰することで画像情報に応じた静電潜像が形成される。その後、静電潜像は現像装置4によってトナー像として現像される。
現像装置4は、現像ローラ4aを有しており、現像ローラ4aに現像バイアスが印加されることでトナーを静電潜像に付着させる構成である。
一方、給紙カセット7に収納されたシート材Pが給紙ローラ15によって給送され、搬送ローラ8によって感光ドラム1と転写ローラ5によって形成される転写ニップ部Tに搬送される。
転写ニップ部Tに搬送されるまでの間にシート材Pは、搬送ローラ8と転写ニップ部T間に設けられたトップセンサ9によってその先端が検知され、感光ドラム1上のトナー像と同期がとられる。
転写ローラ5には、トナーの極性とは逆の極性の転写バイアスが印加され、感光ドラム1上のトナー像が記録材P上に転写される。
転写工程によって未定着トナー像が転写されたシート材Pは、搬送ガイド10に沿って定着装置11に搬送され、加熱、加圧されることにより未定着トナー像がシート材P上に永久固着画像として定着される。
定着装置11は、可撓性フィルム25(可撓性を有する薄肉回転体)と加圧ローラ26(加圧部材)とを備えたフィルム加熱方式の像加熱装置であるが、その構成については後に説明する。
定着装置11においてトナー像が定着された後のシート材Pは、排出ローラ13によって画像形成装置本体上面の排出トレイ14上に排出される。
トナー像が転写された後の感光ドラム1の表面に残ったトナーは、クリーニングブレード6によって除去される。上記のプロセスを繰り返し、順次画像の形成が行われる。
(像加熱装置の概略構成)
図2、図3を参照して、本実施の形態に係る像加熱装置の概略構成について説明する。図2は本実施の形態に係る像加熱装置の概略構成を示すものであり、図3は可撓性フィルムと加圧ローラとのニップ部の拡大図である。
本実施の形態に係る像加熱装置は、可撓性を有する可撓性フィルム(薄肉回転体)25と、加圧ローラ(加圧部材)26とを備えている。
また、可撓性フィルム25の内部には、可撓性フィルム25の回転軸方向に沿って可撓性フィルム25の内周面と接触するヒータ(発熱部材)20と、ヒータ20の温度を制御する温度制御手段27が設けられている。
また、加圧ローラ(加圧部材)26は可撓性フィルム25を挟んでヒータ20とは反対側から可撓性フィルムに圧接するように構成されている。そして、加圧ローラ26と可撓性フィルム25とで形成されるニップ部(以下、定着ニップ部Nと記載する)においてシート材Pを挟持搬送可能としている。
本実施の形態に用いられるヒータ20は発熱抵抗体であり、図3に示されるようにアルミナの高熱伝導性・絶縁性・耐熱性の基板20a上に通電により発熱するAg/Pdの発熱パターン(抵抗層)20bが印刷によって形成されたものが用いられている。また、基板20aの表面は表面保護層としてのガラス層20cによって被覆されている。
なお、基板20a、発熱パターン20bの材質はこれに限られるものではなく、例えばセラミック基板を用いたり、Ag/Pd以外の金属材料を抵抗体パターンに用いる構成であってもよい。
ヒータ20は、シート材Pの搬送方向と直交(交差)する方向(可撓性フィルム25の長手方向)、すなわちシート材Pの幅方向に細長い形状を有している。
ヒータ20の寸法は、シート材Pの搬送方向の幅寸法が10mmで、シート材Pの幅方向の長さ寸法はシート材Pの幅寸法よりも長くなるように形成されており、シート材Pのサイズに関わらずシート材P上の画像全面に加熱を行えるように構成されている。
また、ヒータ20は可撓性フィルム25の中空部に配置したフィルムガイド22の下面に、発熱パターン20bを上向きにした状態に支持されている。なお、発熱パターン20bが形成されている面をヒータ20の「裏面」、可撓性フィルム25の内周面と摺動する面を「表面」として以下説明する。
図4にヒータ20の裏面の概略構成を示す。ヒータ20の長手方向の一方の端部には、導電パターン33が形成され、他方の端部には、不図示の通電手段に接続されるAC接点34が形成されている。そして導電パターン33とAC接点34をつなぐようにして、発熱パターン20bが形成されている。
本実施の形態におけるフィルムガイド22は、耐熱性の樹脂からなる部材であり、可撓性フィルム25の長手方向に細長い形状を有しており、可撓性フィルム25の内周面に接し、左右2箇所の円弧部22aで可撓性フィルム25の回転をガイドしている。
(可撓性フィルムの構成)
可撓性フィルム25には、熱容量が小さく、ポリイミド(PI)の耐熱樹脂を円筒状に形成したものが用いられ、本実施の形態では直径24mmであり、表面にフッ素樹脂等の離型層25aが設けられている(図2)。
より具体的には、可撓性フィルム25はポリイミドから成るベース層(約50μm)と表面にフッ素樹脂(PEA、PTFE)から成る離型層(約12μm)25aを有し、ベース層と離型層25aとの間に2層をつなぐプライマ層を有している。
このように可撓性フィルム25は、ベース層、プライマ層、離型層の3層から構成されており、肉厚が約70μmに形成されている。
また、可撓性フィルム25の内周面とヒータ20とが滑らかに摺動するために、可撓性フィルム25の内周面にはグリスが供給されている。
なお、ここではベース層としてPIを用いた場合について説明したが、本発明におけるベース層の材料はこれに限られるものではない。また、プライマ層、離型層に用いられる材料も耐久性、熱伝導性等を考慮して他の材料を適用することが可能である。
(加圧ステーの構成)
加圧ステー31は金属製の剛性加圧ステーであり、可撓性フィルム25内のフィルムガイド22の円弧部22a・22a間のヒータ20のない側に取り付けられている(図2)。
加圧ステー31は、可撓性フィルム25の長手方向に細長い形状を有する部材であり、その両端部において不図示の装置シャーシ側板に加圧バネを介して支持されている。
加圧ステー31は、加圧バネによる加圧力をフィルムガイド22を介してヒータ20に一様に伝達し、ヒータ20と加圧ローラ26との間に可撓性フィルム25を挟んで、シート材P上の未定着トナー像tの加熱に必要な所定幅の定着ニップ部Nを形成する。
このように加圧ステー31の加圧力によって、加圧ローラ26と可撓性フィルム25とが確実に圧接することにより、可撓性フィルム25を加圧ローラ26の回転に従動させることができる。よって、可撓性フィルム25は、転写ニップ部Tから搬送されてくるシート材Pの搬送速度と略同一周速度でシワなく回転駆動することができる。
(加圧ローラの構成)
加圧ローラ26は、金属製の芯金26aの芯金表面にシリコーンゴム等の弾性を有する耐熱性の弾性層26bを有し、表層にフッ素樹脂等で構成された離型層26cを有している(図2)。
また、直径が25mm、弾性層26bのゴムの厚さが3.5mm、定着ニップ部Nの幅が8mmになるように構成されている。
また、加圧ローラ26は、その回転軸が可撓性フィルム25の回転軸と平行になるように配置され、芯金26aの両端部が不図示の装置シャーシ側板に回転可能に軸支されることで、定着駆動モータ29により矢印cの方向に所定の周速度で回転駆動されている。
(温度制御手段の構成)
温度制御手段27は、ヒータ20の裏面に取り付けられた温度検知手段であるサーミスタ21と、CPUとROMやRAMなどのメモリーからなる通電制御回路部23とを有している。
通電制御回路部23は、トライアック24を制御してAC電源28からヒータ20の発
熱パターン20bに通電する。そして通電によりヒータ20が昇温し、その時のヒータ温度をサーミスタ21が検出する。
その後、サーミスタ21からヒータ20の検出温度を取り込み、その検出温度に基づいてトライアック24を制御してAC電源28から発熱パターン20bへの通電量を制御することによって、ヒータ20の温度を所定の定着温度(目標温度)に維持する。
ヒータ20が所定の定着温度まで加熱され、加圧ローラ26が回転駆動している状態において、定着ニップ部Nにシート材Pの先端が導入され、定着ニップ部Nにおいてシート材Pが可撓性フィルム25と加圧ローラ26により挟持搬送される。
そしてその搬送過程で、ヒータ20が可撓性フィルム25を介して未定着のトナーtを加熱し、未定着トナー像をシート材P上に加熱、加圧定着させる。定着工程終了後、シート材Pは可撓性フィルム25から分離して排出される。
なお、定着駆動モータ29、温度制御手段27、本体駆動モータ12への信号入力は、CPU等を備える制御部30(図1)によって行われている。
(尾引き対策について)
本実施の形態における尾引き対策の構成について説明する。本実施の形態では、ヒータ20の表面にニップ部Nの方向へ突出した突起部を設けることで、尾引きの対策を行っている。この点について以下詳細に説明を行う。
まず、図5〜図7を参照して突起部32の構成について説明する。
図5は、本実施の形態におけるヒータ20の表面(可撓性フィルム25の内周面に接触する面)の概略構成図、図6は図5の線a−aでのヒータ20の断面図、図7は、断面a−aにおける突起部32の拡大図である。
突起部32は基板20aと同じ材質でニップ部Nの方向へ突出するように形成されており、さらに突起部32はヒータ20の表面における可撓性フィルム25の回転方向の上流側端部に形成されている。
また、突起部32は可撓性フィルム25の回転軸方向に沿った方向に設けられており、ヒータ20の長手方向に沿って設けられている(図5、図6)。なお突起部32は、最大通紙幅のシート材Pに対してもシート材Pの全面に熱を付与可能な長さを有している。
次に突起部32の先端の形状について説明する。
図7に示すように、突起部32の先端の形状は可撓性フィルム25の内周面と接する部分が丸くなっており、突起部32の付け根から突起部32の最高点までの高さは0.30mm、可撓性フィルム25の回転方向の幅は1.0mmとなっている。
このように突起部32の先端の形状を先端側へ凸の湾曲した形状とすることで、突起部32の先端が可撓性フィルム25の内周面と摺動する際に、突起部32が可撓性フィルム25またはシート材Pに与えるストレスを軽減させることができる。さらに突起部32の耐久性を向上させることにもつながる。
また、本実施の形態の突起部32は、ヒータの基板20aと一体に成形されるものである。
成形方法としては、複数の突起部が付いたヒータ基板を作製し、それぞれの突起部に切り分けていく方法、予め厚めのヒータ基板を作製し、そこから削りだす方法などが挙げられる。
このように、本実施の形態では突起部32がヒータ20の一部であり、基板20aと同じ材質(ここではAl)で構成されているので、フィルムガイド22(材質は液晶ポリマー)に比べて硬い。
従って、突起部32は従来のフィルムガイドアゴのように、通紙によって削られることが少なく、高さが低くなりにくい。そのため、可撓性フィルム25の回転軌道が変わることなく、装置本体の寿命末期まで尾引き抑制効果を十分に持続することが出来る。
次に突起部32を設けることの効果について説明する。
尾引きを抑制するためには、シート材Pとトナーtとの吸着力を増加させることが必要になる。そして吸着力を増加させるためには、ニップ部Nの上流側でシート材P上の未定着トナーtにより多くの熱を供給することが望ましい。
そのために本実施の形態では、ヒータ20の表面の上流側端部にニップ部Nの方向に突出した突起部32を設けることで、可撓性フィルム25の回転軌道を変化させ、ニップ部Nの上流側でシート材Pが可撓性フィルム25に接近することを可能にした。
その結果、ニップ部Nでのシート材Pの温度の上昇が急峻になり、同時にニップ部N内における到達温度も高くなる。
温度上昇が急峻になると、シート材P上の未定着のトナーtはより早く融解し、シート材Pとトナーtとの吸着力が強くなる。そして吸着力が強くなることで未定着トナーが飛ばされ難くなり、尾引きを抑制することができる。
また、本実施の形態における突起部32はヒータの基板20aと同じ材質で形成されており、基板20aと一体成形されているため、突起部32も発熱することが可能である。
そのため、従来のフィルムガイドアゴによって可撓性フィルムの回転軌道を変えて尾引きを抑制するという構成に比べ、可撓性フィルム25の温度をより早く上昇させることができるので、従来と比べるとより大きな尾引き抑制効果を得ることが出来る。
(ニップ部Nを通過する際のシート材の温度変化)
図8、図9を参照して、上記のように構成される像加熱装置にシート材Pを通過させた場合、シート材P上の温度(以下、紙温度と記載する)がどのように推移するのかについて説明する。
図8は、本実施の形態における測定用シート材の概略構成図である。図9は、本実施の形態に係る像加熱装置と、従来例に係る像加熱装置(フィルムガイドアゴを設けるタイプ)のそれぞれにシート材Pを通過させた場合の紙温度の推移を示すものである。
ここでは測定用のシート材Pとして、Fox River社製のFox River Bond 90g/mを用いた。また、紙温度検知手段として、測定用のシート材Pには熱電対36を取り付けた(図8)。
また、熱電対36をシート材Pの搬送方向先端から20mm、左右端から等距離の位置に取り付けた。なお、熱電対36として、日本シンテック社製のTT−K−40(線径0.08mm)を用いた。
この測定用シート材Pを、プロセススピード200mm/s、入力電圧100V/50Hz、温調温度215℃、室温23℃、湿度50%の条件において、それぞれの像加熱装置に通過させた。
その結果、本実施の形態の方が従来例に比べて紙温度の上昇が早く、特にニップ部Nでの到達温度は、最大で約5℃の温度差が生じることがわかった(図9)。
つまり、本実施の形態も従来例も、可撓性フィルムの回転軌道を変えるものであるが、突起部32とヒータの基板20aが一体成形されている等の理由により、本実施の形態の方がより急峻に紙温度を上昇させることが可能になる。
(突起部の位置と尾引き抑制効果の関係)
図10を参照して、本実施の形態において突起部32の位置を変えた場合に、尾引き抑制効果の大きさがどのように推移するのかについて説明する。
ここでは尾引き抑制効果の大きさを示す指標として、従来例(フィルムガイドアゴを設けるタイプ)に係る像加熱装置に測定用シート材Pを通過させた時の紙温度と本実施の形態における紙温度との温度差を用いた。
そして本実施の形態において突起部32の位置を変えて測定用シート材Pを通過させ、その都度、紙温度を測定し、従来例の紙温度との温度差を求めた。
かかる実験によると、温度差が大きければ大きいほど、尾引き抑制効果も大きいといえる。なお、紙温度の測定方法は上記で説明した熱電対を用いる方法と同一である。
また突起部32の寸法は、幅1.0mm、高さ0.30mmであり、その位置を、ヒータの基板20aにおける可撓性フィルムの回転方向の上流側端部から基板20aの中心方向へ0.5mm〜2.0mmの範囲で変更した。なお、突起部32の基準位置とは、図7に示した突起基準位置(突起部の中心線)のことを指す。
つまり図10において、突起の位置=0.5mmとは、突起部32がヒータの基板20aにおける可撓性フィルムの回転方向の上流側端部にあることを示している。
以上の設定条件で突起部32の位置を変えて従来例との温度差を測定したところ、突起部32の位置が基板20aの上流側端部に近いほど、従来例との温度差が大きくなることがわかった。
つまり、突起部32の位置をヒータ20表面の上流側端部に近づける程、尾引き抑制効果が大きくなり、上流側端部にある場合(図10中「突起の位置が0.5mm」の場合)には、最も良好な尾引き抑制効果が得られることがわかった。
なお、ヒータ20の上流側端部に突起部32が位置していない場合でも、突起部32が上流側にあれば、図10に示すように従来例との温度差が生じているので、従来例に係る構成に比べると、より大きな尾引き抑制効果は得られているといえる。
(突起部の幅と尾引き抑制効果の関係)
図11を参照して、本実施の形態において突起部32の幅寸法を変えた場合に、尾引き抑制効果の大きさがどのように推移するのかについて説明する。なお、突起部32の幅とは、突起部32の通紙方向の幅のことを指す。
また、上記と同様に、尾引き抑制効果の大きさを示す指標として、従来例(フィルムガイドアゴを設けるタイプ)に係る像加熱装置に測定用シート材Pを通過させた時の紙温度との温度差を用いる。
ここでは突起部32の高さを0.30mmに固定した。また、その位置を、ヒータの基板20aにおける可撓性フィルムの回転方向の上流側端部に定めた。
そしてこの条件の下、突起部32の幅をヒータ20の通紙方向の幅に対して5%〜30%の範囲で変更した(ヒータ20の通紙方向の長さは10mmなので、突起の幅は0.5mm〜3.0mmの範囲で変更した。)。
その結果、紙温度の温度差は、突起部32の幅が10%の時を最高として、幅が20%までは従来例よりも4℃以上高くなることがわかった。つまり、突起部32の幅が5%以上20%以下であれば、従来と比べて高い尾引き抑制効果が得られることがわかった。
(突起部の高さと尾引き抑制効果の関係)
図12を参照して、本実施の形態において突起部32の高さを変えた場合に、尾引き抑制効果の大きさがどのように推移するのかについて説明する。なお、突起部32の高さとは、突起部32の付け根から突起部32の最高点までの高さを指す。
ここでは突起部32の幅を1.0mmに固定した。また、その位置を、ヒータの基板20aにおける可撓性フィルムの回転方向の上流側端部に定めた。
そしてこの条件の下、突起部32の高さを突起部32の幅の10%〜60%で変更した(突起部32の幅は1.0mmであるので、突起部32の高さは0.1mm〜0.6mmの範囲で変更した)。
その結果、紙温度の温度差は、突起部32の高さが(突起部32の幅の)40%の時を最高として20%〜50%の範囲であれば、ほぼ4℃以上高くなることがわかった。つまり、突起部32の高さが20%以上50%以下であれば、従来と比べて高い尾引き抑制効果が得られることがわかった。
なお、突起部32の高さが高い場合でも(例えば60%)、十分な尾引き効果は得られるが、高さが高すぎると可撓性フィルム25に過度のストレスを与えてしまい、可撓性フィルム25の耐久性を損ねることになるので好ましくない。
逆に高さが低い場合は、可撓性フィルム25の回転軌道の変化が少ないため、十分な尾引き抑制効果は得られない。
(突起部の位置、幅、高さ、形状について)
以上より、発明者らの鋭意検討の結果、突起部の位置、幅、高さ、形状は次のような範囲内にあれば、高い尾引き抑制効果が得られることがわかった。
突起部32の位置は、ヒータの基板20a上において可撓性フィルム25の回転方向の上流側端部に設けられるとよい。
突起部32の幅は、ヒータの基板20aにおける可撓性フィルム25の回転方向の幅の5%以上20%以下であるとよい。
突起部32の高さ(突起部32の付け根から最高点までの高さ)は、突起部32の可撓性フィルム25の回転方向の幅の20%以上50%以下であるとよい。
突起部32の先端の形状は、先端側へ凸の湾曲した形状であるとよい。
しかし、実際に像加熱装置を設計する場合は、上記の範囲の中で、可撓性フィルム25や加圧ローラ26の径、画像形成装置のプロセススピードなどの条件によって、突起部32の寸法の最適値は異なる。
よって、像加熱装置及び画像形成装置の構成を考慮して、これらの寸法を決定することになる。例えば本実施の形態の諸条件(プロセススピード等)の下では、突起部32の高さは0.20mm〜0.30mmが適当であった。
また、本実施の形態では、例えば画像形成装置本体の寿命が15万枚の場合、使用条件によってはフィルムガイドのアゴの高さが寿命末期では0.1mm程低くなるのに対し、ヒータ上に設けた突起部32では、本体の寿命末期までほぼ削れることはない。
このため、フィルムガイドアゴを設けることによる尾引き対策では、12万枚以降で尾引き抑制の効果が低下したが、本実施の形態によると、15万枚まで尾引きを抑制することができる。
すなわち、本実施の形態によれば、尾引きによる画像不良をより確実に、かつ長期間に渡って抑制し、より良好な画像を提供することが可能な像加熱装置、及びこれを備える画像形成装置を提供することが可能になる。
[第2の実施の形態]
図13、図14を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る像加熱装置、及びこれを備える画像形成装置について説明を行う。図13は、本実施の形態におけるヒータ表面の概略構成図であり、図14は、本実施の形態における突起部の概略構成図である。
画像形成装置の概略構成、画像形成プロセス、像加熱装置の概略構成は、上記第1の実施の形態と同一であるのでその説明については省略し、ここでは第1の実施の形態と異なる点についてのみ説明を行う。
(可撓性フィルムの構成)
第1の実施の形態では、可撓性フィルムのベース層としてPIを用いた。これに対して本実施の形態では、可撓性フィルムのベース層にSUSを用いた場合について説明する(プライマ層、離型層は第1の実施の形態と同一)。すなわち本実施の形態では、ベース層にSUSを用いた厚さ30μm、総厚約50μmの可撓性フィルムを用いた。
ベース層にPIを用いる場合と比較すると、SUSを用いた可撓性フィルムは、可撓性フィルム自体の剛性が向上する。可撓性フィルム自体の剛性の向上は、例えば可撓性フィルムの耐久性の向上につながる。
(突起部の構成)
上記のように可撓性フィルムの剛性を向上させた場合は、可撓性フィルムとヒータ38との接触面積が小さくなるので、接触面における両者の接触圧が大きくなる。よって、可
撓性フィルムを滑らかに回転させるためには、可撓性フィルムの内周面に適量のグリスを供給する必要がある。
可撓性フィルムが滑らかに回転しない場合は、可撓性フィルムの劣化を早めたり、加熱不良、定着不良、シート材Pのジャム等を招いてしまう。また、シート材P上の画像を十分に加熱することが困難になるので、尾引きが生じてしまう。
しかし第1の実施の形態のように、突起部が可撓性フィルムの幅方向に連続的に設けられている場合、可撓性フィルムの内周面に供給されたグリスが突起部を通過することが困難になり、グリスが可撓性フィルムの内周面に好適に行き渡らない可能性がある。
第1の実施の形態のように可撓性フィルムの剛性が本実施の形態ほど大きくない場合は、突起部を十分量のグリスが通り抜けることが可能であるが、特に本実施の形態のように剛性が大きな可撓性フィルムを用いる場合はグリスの循環が突起部で滞る可能性がある。
そこで本実施の形態では、剛性の高い可撓性フィルムを用いる場合であっても、ニップ部Nにおいてシート材上の画像を確実に加熱し、尾引きによる画像不良をより確実に、かつ長期間に渡って抑制する構成を有することを特徴とする。
具体的には、図13に示すように、ヒータ38の表面における可撓性フィルムの回転方向の上流側端部に、所定の間隙39を挟んで複数の突起37を形成し、これら複数の突起37を本実施の形態における突起部370とした。
第1の実施の形態と同様に、突起部370は可撓性フィルムの回転軸方向(ヒータ38の長手方向)に沿って配置されており、最大通紙幅のシート材Pに対しても、シート材Pの全面に熱を付与することができる。
本実施の形態における1つの突起37は、ヒータ38の発熱パターン20bとほぼ同じ幅内に設けられており、突起37の高さは0.30mm、ヒータ38長手方向の幅は10mm、通紙方向の幅は1.0mmである。また、突起37どうしの間隙39は5.0mmに設定されている(図14)。
また、それぞれ突起37の先端の形状は、突起37の先端側へ凸の湾曲した形状であり、この点は第1の実施の形態と同一である。
このように複数の突起37からなる突起部370を設けることにより、可撓性フィルムの回転軌道が変化するため、第1の実施の形態と同様にシート材Pの温度上昇は急峻となり、また到達温度も高くなる。
よって、シート材P上に載っている未定着のトナーが早く融解し、トナーとシート材Pとの吸着力が増し、尾引きを抑制することができる。
さらに間隙39を挟んで複数の突起37を配置することで、可撓性フィルムの内周面に供給されているグリスが間隙39を通過することができる。よって、グリスを可撓性フィルムの内周面に好適に行き渡らせることができ、長期間にわたって可撓性フィルムを滑らかに回転させることができる。
その結果、ニップ部Nにおける加熱不良を抑制し、剛性の高い可撓性フィルムを用いる場合であっても、ニップ部Nにおいてシート材上の画像を確実に加熱し、尾引きによる画像不良をより確実に、かつ長期間に渡って抑制する構成を有することができる。
また、本実施の形態のように間隙39を設けた場合でも、可撓性フィルムは十分な剛性を有しているため、突起部370の長手方向に沿って可撓性フィルムの形状は維持される。よって長期間に渡って尾引きを抑制することができる。
(間隙の寸法について)
本実施の形態では間隙39の寸法を5.0mmとしたが、間隙39の寸法はこれに限られるものではない。発明者らの鋭意検討によると、間隙39の寸法を1.0mmとした場合であっても、グリスは十分に循環可能であることがわかった。
また、間隙39の寸法を8.0mmまで広げても、本実施の同等の効果を得ることができた。なお、間隙39の寸法は、可撓性フィルムの剛性、直径、突起37の形状等を考慮して設定する方が好ましく、実際に像加熱装置を設計する際には、これらの諸条件に基づいて間隙39の寸法を決めることが望ましい。
このように本実施の形態によれば、尾引きによる画像不良をより確実に、かつ長期間に渡って抑制し、より良好な画像を提供することが可能な像加熱装置、及びこれを備える画像形成装置を提供することが可能になる。
[第3の実施の形態]
図15、図16を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る像加熱装置、及びこれを備える画像形成装置について説明を行う。図15は、本実施の形態におけるヒータ表面の概略構成図であり、図16は、本実施の形態における突起部の概略構成図である。
画像形成装置の概略構成、画像形成プロセス、像加熱装置、可撓性フィルムの概略構成は、上記第1、第2の実施の形態と同一であるのでその説明については省略し、ここでは第1、第2の実施の形態と異なる点についてのみ説明を行う。
(突起部の構成)
本実施の形態では、ヒータ40の表面において、可撓性フィルムの回転方向の上流側端部と下流側端部に突起部410(上流側端部)、420(下流側端部)を設けている(図15)。
また、各々の突起部410、420は、第2の実施の形態と同様に複数の突起41、42を間隙39a、39bを挟んで配置する構成とした。
それぞれの突起41、42は、ヒータ20の発熱パターン20bとほぼ同じ幅内に設けられている。なお、突起41、42の高さは0.3mm、ヒータ長手方向の幅は10mm、通紙方向の幅は1.0mmであり、間隙39a、39bの寸法は5.0mmに設定されている。
さらに、シート材Pの通紙方向から上流側端部の突起部410と下流側端部の突起部420を見た場合に、上流側端部に形成される複数の間隙39aと下流側端部に形成される複数の間隙39bとが互いに重ならないように配置されていることを特徴とする。
かかる構成によると、ヒータ40の表面の上流側端部に突起部410を設けることにより、可撓性フィルムの回転軌道が変化し、尾引きによる画像不良をより確実に、かつ長期間に渡って抑制することができる。この点については第2の実施の形態と同様であるのでその説明は省略する。
また、ヒータ40の下流側端部に設けられた突起部420により、可撓性フィルムの回転に伴って循環し、上流側端部の突起部410の間隙39aを通り抜けるグリスを、ヒータ40の表面において一旦留めさせることが可能になる。
また、ヒータ40の表面の上流側端部、下流側端部の両側に突起部410、420を設けているので、突起部が上流側にのみ設けられている場合と比べて突起部に加わる圧力が軽減され、像加熱装置の耐久性を向上させることが可能になる。
なお本実施の形態では、シート材Pの通紙方向から上流側端部の突起部410と下流側端部の突起部420を見た場合に、上流側端部に形成される複数の間隙39aと下流側端部に形成される複数の間隙39bとが互いに重ならないように突起部が形成されている。
具体的には図16に示すように、シート材Pの通紙方向から見た場合に、上流側端部の突起41と下流側端部の突起42のそれぞれの両端が2.5mmずつ重なるようにし、これにより間隙39aと間隙39bとが重ならないようにした。
かかる構成により、上流側端部の間隙39aを通り抜けたグリスが、下流側端部の間隙39bを通過する前に一旦ヒータ40の表面に留まることができる。よって、ヒータ40の表面にグリスを一定量留まらせておくことで、装置本体の寿命後半においても可撓性フィルムを滑らかに回転させることができ、ジャム、画像不良を防ぐことができる。
以上より、本実施の形態によれば、尾引きによる画像不良をより確実に、かつ長期間に渡って抑制し、より良好な画像を提供することが可能な像加熱装置、及びこれを備える画像形成装置を提供することが可能になる。
[その他の実施の形態]
上記では本願発明に係る像加熱装置を画像形成手段の定着手段として用いた場合について説明したが、像加熱装置の形態はこれに限られるものではない。例えば、シート材上の画像を加熱して画像に光沢を付与する手段として用いる場合であってもよい。
第1の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成図。 第1の実施の形態に係る像加熱装置の概略構成図。 第1の実施の形態における可撓性フィルムと加圧ローラとのニップ部の拡大図。 第1の実施の形態におけるヒータ裏面の概略構成図。 第1の実施の形態におけるヒータ表面の概略構成図。 第1の実施の形態におけるヒータの断面図。 第1の実施の形態における突起部の拡大図。 第1の実施の形態における測定用シート材の概略構成図。 第1の実施の形態における紙温度の推移を示す図。 第1の実施の形態において従来例との温度差と突起部の位置との関係を示す図。 第1の実施の形態において従来例との温度差と突起部の幅との関係を示す図。 第1の実施の形態において従来例との温度差と突起部の高さとの関係を示す図。 第2の実施の形態におけるヒータ表面の概略構成図。 第2の実施の形態における突起部の概略構成図。 第3の実施の形態におけるヒータ表面の概略構成図。 第3の実施の形態における突起部の概略構成図。 従来の像加熱装置の概略構成図。
符号の説明
20 ヒータ
20a 基板
20b 発熱パターン
20c ガラス層
21 サーミスタ
22 フィルムガイド
25 可撓性フィルム
26 加圧ローラ
31 加圧ステー
32 突起部
36 熱電対

Claims (7)

  1. 可撓性を有する薄肉回転体と、
    前記薄肉回転体の回転軸方向に沿って前記薄肉回転体の内周面に接触する発熱部材と、
    前記薄肉回転体を挟んで前記発熱部材の反対側から前記薄肉回転体に圧接する加圧部材と、
    を備え、
    前記薄肉回転体と前記加圧部材とで形成されるニップ部においてシート材を挟持搬送することでシート材上の画像を加熱する像加熱装置において、
    前記発熱部材における前記薄肉回転体の内周面との接触面には、
    前記薄肉回転体の回転方向の上流側端部に前記回転軸方向に沿って、前記ニップ部の方向へ突出した突起部が形成されていることを特徴とする像加熱装置。
  2. 前記突起部の前記薄肉回転体の回転方向の幅は、
    前記発熱部材における前記薄肉回転体の回転方向の幅の5%以上20%以下であり、
    前記突起部の付け根から最高点までの高さは、
    前記突起部における前記薄肉回転体の回転方向の幅の20%以上50%以下であり、
    前記突起部の先端の形状は、
    前記突起部の先端側へ凸の湾曲した形状であることを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
  3. 前記突起部は、
    前記薄肉回転体の回転軸方向に沿って間隙を挟んで配置された複数の突起を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の像加熱装置。
  4. 前記突起部は、
    前記接触面の前記薄肉回転体の回転方向の上流側端部と下流側端部に形成されており、
    前記上流側端部と前記下流側端部の各々に形成された突起部は、前記薄肉回転体の回転軸方向に沿って間隙を挟んで配置された複数の突起を備えており、
    前記ニップ部を挟持搬送されるシート材の通紙方向から前記上流側端部の突起部と前記下流側端部の突起部を見た場合に、前記上流側端部に形成された複数の間隙と前記下流側端部に形成された複数の間隙とが互いに重ならないように配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の像加熱装置。
  5. 前記発熱部材は、
    基板と、
    前記基板に形成された発熱抵抗体と、
    を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の像加熱装置。
  6. 前記突起部は、
    前記基板と同じ材料で一体成形されていることを特徴とする請求項5に記載の像加熱装置。
  7. シート材に未定着のトナー像を形成する画像形成部と、
    未定着のトナー像を加熱、加圧してシート材上に画像を定着させる請求項1乃至6のいずれか1項に記載の像加熱装置と、
    を備えていることを特徴とする画像形成装置。
JP2008271125A 2008-10-21 2008-10-21 像加熱装置及びそれを備える画像形成装置 Withdrawn JP2010101963A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008271125A JP2010101963A (ja) 2008-10-21 2008-10-21 像加熱装置及びそれを備える画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008271125A JP2010101963A (ja) 2008-10-21 2008-10-21 像加熱装置及びそれを備える画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010101963A true JP2010101963A (ja) 2010-05-06

Family

ID=42292690

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008271125A Withdrawn JP2010101963A (ja) 2008-10-21 2008-10-21 像加熱装置及びそれを備える画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010101963A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014134701A (ja) * 2013-01-11 2014-07-24 Canon Inc 像加熱装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014134701A (ja) * 2013-01-11 2014-07-24 Canon Inc 像加熱装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4659204B2 (ja) 定着装置及びこの定着装置を備える画像形成装置
JP4095406B2 (ja) 加熱定着装置
JP5317550B2 (ja) 定着装置
JP2006293225A (ja) 像加熱装置及び画像形成装置
US6915099B2 (en) Heat fixing apparatus
JP2010164930A (ja) 加熱定着装置
JP5153263B2 (ja) 定着装置
JP2004085698A (ja) 画像形成装置
US9217966B1 (en) Fixing device and image forming apparatus
JP2002174928A (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
JP2009053507A5 (ja)
JP2002091226A (ja) 画像形成装置
JP2014126745A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2008140701A (ja) 定着装置
JP2010101963A (ja) 像加熱装置及びそれを備える画像形成装置
JP2017062382A (ja) 画像加熱装置
JP2003337484A (ja) 加熱装置及び画像形成装置
JPH03208076A (ja) 定着装置
JP2023069406A (ja) ベルト駆動装置、加熱装置、定着装置及び画像形成装置
JP2006106686A (ja) 加熱装置および画像形成装置
JPH02157880A (ja) 画像加熱定着装置
JP6991749B2 (ja) 定着装置
JP2008040082A (ja) 像加熱装置
JP2012133034A (ja) 画像形成装置
JP2006179303A (ja) 加熱体、及び加熱装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20120110