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JP2010089479A - ゴム層とフッ素樹脂層からなる積層体および加硫用ゴム組成物 - Google Patents

ゴム層とフッ素樹脂層からなる積層体および加硫用ゴム組成物 Download PDF

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JP2010089479A JP2008310438A JP2008310438A JP2010089479A JP 2010089479 A JP2010089479 A JP 2010089479A JP 2008310438 A JP2008310438 A JP 2008310438A JP 2008310438 A JP2008310438 A JP 2008310438A JP 2010089479 A JP2010089479 A JP 2010089479A
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Abstract

【課題】接着剤の使用や各層の表面処理を施すことなく、ゴム層とフッ素樹脂層を接着させることが可能なゴム層とフッ素樹脂層からなる積層体を提供する。
【解決手段】未加硫ゴム、アミン化合物およびエポキシ樹脂を含有する加硫用ゴム組成物から形成されるゴム層(A)と、カルボニル基およびヒドロキシル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の反応性官能基を側鎖および/または主鎖末端に有するフッ素樹脂から形成されるフッ素樹脂層(B)が積層された積層体に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、未加硫ゴム、アミン化合物、さらに要すればエポキシ樹脂を含有する加硫用ゴム組成物から形成されるゴム層と反応性官能基を有するフッ素樹脂から形成されるフッ素樹脂層が加硫接着されている積層体、さらには加硫用ゴム組成物に関する。
従来、昨今の環境意識の高まりから、燃料揮発を防止するための法整備が進み、特に自動車業界では米国を中心に燃料揮発抑制の傾向が著しく、燃料バリア性に優れた材料へのニーズが大きくなりつつある。
特に、燃料輸送ゴムホースにおいて、耐燃料透過性を良好にするためにフッ素樹脂をバリア層とした積層ホース(バリア層以外はゴム)が使用されているが、昨今の環境負荷低減の強い要求により、バリア層により一層の燃料低透過性が必要とされる。その手段として、バリア層の厚みを増加させるか、あるいは低透過に最も優れるパーフルオロ系のフッ素樹脂を使用するという手段で低透過性を確保することが試みられている。しかし、バリア層(フッ素樹脂)の厚みを増加させることは、ホース重量の増加になり、また省エネルギーの観点からも不利であり、さらにホース自身の曲げ性(柔軟性)が損なわれ、取扱い性(組付け性)の観点からも不利である。
また、パーフルオロ系のフッ素樹脂をバリア層として使用する場合は、相手材である外内層のゴムとの接着が困難であり、接着性を改善するための樹脂の表面処理や、フィルムやテープを巻きつける手法などの工程が必要になり、作業工程の複雑化が生じて生産性が著しく低下し、また大幅なコスト高となるなどの実用上に不具合がある。
パーフルオロ系フッ素樹脂とゴム層との接着の向上のために、たとえば特許文献1のように、ゴム層に用いられるゴムとして、エポキシ化ゴムまたはエポキシ化ゴムとゴムのブレンド物を使用することも知られている。また、特許文献2におけるように、フッ素樹脂にゴムを直接接着させるため、フッ素樹脂としてカルボニル基などの反応性官能基を有する熱可塑性フッ素樹脂を用い、この熱可塑性フッ素樹脂とゴム層の少なくとも一方にトリアリルイソシアヌレートのような多官能性化合物を配合することも知られている。
特開平7−266501号公報 特開2005−22403号公報
本発明は、接着剤を使用せず、またゴム層とフッ素樹脂層の各層に表面処理を施すこともなく、ゴム層とフッ素樹脂層が強固に接着されている加硫積層体を提供することを目的とする。
また本発明は、フッ素樹脂層との接着性に優れた加硫用ゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明は、未加硫ゴム(a1)およびアミン化合物(a2)を含有する加硫用ゴム組成物から形成されるゴム層(A)と、
カルボニル基およびヒドロキシル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の反応性官能基を側鎖および/または主鎖末端に有するフッ素樹脂(b)から形成されるフッ素樹脂層(B)が接着されている積層体に関する。
加硫用ゴム組成物はさらにエポキシ樹脂(a3)を含んでもよい。
本発明の積層体において、ゴム層(A)とフッ素樹脂層(B)は加硫接着している。
本発明において、未加硫ゴム(a1)が非フッ素ゴムであることが好ましく、特にアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)であることが好ましい。
ゴム層(A)中のアミン化合物(a2)の含有量が未加硫ゴム(a1)100質量部に対して1〜25質量部であり、エポキシ樹脂(a3)を配合する場合はその含有量が未加硫ゴム(a1)100質量部に対して1〜25質量部であることが好ましい。
加硫用ゴム組成物において、未加硫ゴム(a1)がNBRまたはポリ塩化ビニル(PVC)が配合されたNBRであり、さらに加硫剤(a4)として硫黄系加硫剤またはパーオキサイド系加硫剤を含むことが好ましい。
加硫用ゴム組成物において、加硫促進剤(a5)として1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン(DBU)系加硫促進剤を含むことが好ましい。
フッ素樹脂(b)としては、カルボニル基およびヒドロキシル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の反応性官能基を側鎖および/または主鎖末端に有するクロロトリフルオロエチレン(CTFE)−テトラフルオロエチレン(TFE)−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)共重合体であることが好ましい。
また、シール性を向上させる点から、フッ素樹脂層(B)の両側にゴム層(A)が積層されていることが好ましく、耐薬品性を向上させる点からは、ゴム層(A)の両側にフッ素樹脂層(B)が積層されていることが好ましい。
さらに、ゴム層(A)およびフッ素樹脂層(B)以外のポリマー層(C)を積層してもよい。
また本発明は、前記の積層体を加硫処理して得られるゴム層(A1)とフッ素樹脂層(B)が加硫接着されている加硫積層体にも関する。
本発明はまた、未加硫ゴム(a1)、アミン化合物(a2)および加硫剤(a4)、さらに要すればエポキシ樹脂(a3)を含む加硫用ゴム組成物であって、該未加硫ゴム(a1)がNBRまたはPVCがブレンドされたNBRであり、加硫剤(a4)が硫黄系加硫剤またはパーオキサイド系加硫剤である加硫用ゴム組成物にも関する。
加硫用ゴム組成物は、未加硫ゴム(a1)100質量部に対して、アミン化合物(a2)を1〜25質量部、および加硫剤(a4)を1〜10質量部、エポキシ樹脂(a3)を配合する場合は1〜25質量部含むことが好ましい。
さらに、加硫促進剤(a5)としてDBU系加硫促進剤を含むことが好ましい。DBU系加硫促進剤の含有量は、未加硫ゴム100質量部に対して1〜10質量部であることが好ましい。
本発明の積層体は、フッ素樹脂層とゴム層を積層するにあたり、特に複雑な工程を組まずに、ゴム加硫時に化学的に強固な接着が得られるため、接着に特別の工程が不要であり、低コストでの成形が可能であり、成形も容易である。また、押出成形のような普通の方法で成形することができるため、薄膜化も可能であり、柔軟性の点でも改善される。
本発明の積層体は、特定の加硫用ゴム組成物から形成されるゴム層(A)と、特定の反応性官能基を有するフッ素樹脂(b)から形成されるフッ素樹脂層(B)が接着されてなることを特徴とする。
以下、各層について説明する。
(A)ゴム層
ゴム層(A)は、未加硫ゴム(a1)およびアミン化合物(a2)、さらに要すればエポキシ樹脂(a3)を含有する加硫用ゴム組成物から形成される。
未加硫ゴム(a1)はフッ素ゴムでもよいが、耐寒性が良好な点や、コスト面で優れていることから、非フッ素ゴムが好ましい。
非フッ素ゴムの具体例としては、たとえばアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)またはその水素化物(HNBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブタジエンゴム(BR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)などのジエン系ゴム、エチレン−プロピレン−ターモノマー共重合体ゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム、エピクロルヒドリンゴム、アクリル系ゴムなどがあげられる。これらの中でも、耐熱性、耐油性、耐候性、押出成形性が良好な点から、未加硫ゴムはNBRを含むことが好ましい。
また、ゴム層(A)に未加硫ゴムとは別の特性を付与するために、未加硫ゴムは、樹脂をブレンドしたものであってもよい。樹脂としては、たとえばPVC、塩素化ポリスチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などがあげられる。たとえば、NBRにPVCをブレンドするときは、耐オゾン性を向上させることができる。この場合、PVCの配合量は、NBR100質量部に対し10〜70質量部が好ましい。
アミン化合物(a2)およびエポキシ樹脂(a3)は、フッ素樹脂(b)が有する反応性官能基(カルボニル基および/またはヒドロキシル基)と反応してフッ素樹脂(b)と化学的な結合を形成するという機能を果たし、その配合により、層間の接着力が向上する。
アミン化合物としては、たとえば、ヘキサメチレンジアミンカーバメート、N,N’−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ビス(アミノシクロヘキシル)メタンカルバメートなどがあげられる。これらの中でも、N,N’−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサメチレンジアミンが好ましい。
アミン化合物(a2)の含有量は、フッ素樹脂(b)との接着力をより向上させる点から、未加硫ゴム(a1)100質量部に対して、1質量部以上であり、2質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましく、5質量部以上が特に好ましい。また、未加硫ゴム(a1)の加硫特性を損なわせないという点から、未加硫ゴム100質量部に対して、25質量部以下が好ましく、20質量部以下がより好ましく、10質量部以下が特に好ましい。
エポキシ樹脂(a3)としては、たとえばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、多官能エポキシ樹脂などがあげられる。これらのうちビスフェノールA型エポキシ樹脂が耐薬品性、接着性が良好な点から好ましく、さらに式(1):
Figure 2010089479
で表わされるエポキシ樹脂が特に好ましくあげられる。ここで、式(1)において、nは平均値であり、0.1〜3が好ましく、0.1〜0.5がより好ましく、0.1〜0.3がさらに好ましい。nが0.1未満であると、フッ素樹脂(b)との接着力が低下する傾向がある。一方、nが3をこえると、エポキシ樹脂(a3)自体の粘度が高くなり、加硫用ゴム組成物中での均一な分散が困難になる傾向がある。
エポキシ樹脂(a3)を配合する場合の含有量は、フッ素樹脂(b)との接着力をより向上させる点から、未加硫ゴム100質量部に対して、1質量部以上が好ましく、2質量部以上がより好ましく、3質量部以上が特に好ましい。ゴム層が硬くなりすぎないようにする点から、未加硫ゴム100質量部に対して、25質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましく、10質量部以下が特に好ましい。
本発明における加硫用ゴム組成物は、さらに加硫剤(a4)を含有していてもよい。未加硫ゴム(a1)を加硫することにより、得られる加硫ゴム層の引張強度などの機械的強度が向上し、良好な弾性も獲得できる。
加硫剤(a4)は、加硫用ゴム組成物の加硫系に合わせて、従来公知のものが使用できる。
本発明で用いられ得る加硫系としては、硫黄加硫系、ポリアミン加硫系、ポリオール加硫系、パーオキサイド加硫系、イミダゾール加硫系、トリアジン加硫系、オキサゾール加硫系、チアゾール加硫系のいずれも採用できるが、未加硫ゴムに加硫性基(キュアサイト)が含まれる場合はキュアサイトの種類によって、または加硫された積層体に付与する特性や用途により適宜選択すればよい。
加硫剤(a4)としては、加硫系に合わせて硫黄加硫系加硫剤、ポリアミン加硫系加硫剤、ポリオール加硫系加硫剤、パーオキサイド加硫系加硫剤、イミダゾール加硫系加硫剤、トリアジン加硫系加硫剤、オキサゾール加硫系加硫剤、チアゾール加硫系加硫剤のいずれも採用でき、単独で使用または併用してもよい。
たとえば、未加硫ゴム(a1)がジエン系の非フッ素ゴム(NBR、SBR、BRなど)の場合は硫黄加硫系およびパーオキサイド加硫系が通常採用され、加硫剤としても硫黄加硫系加硫剤およびパーオキサイド加硫系加硫剤が好ましく使用される。
硫黄加硫系加硫剤としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄、塩化硫黄、二塩化硫黄、ジスルフィド化合物、ポリスルフィド化合物などが例示できる。
硫黄加硫系加硫剤の配合量は、未加硫ゴム100質量部に対して、1〜10質量部が好ましい。少なすぎると加硫が不充分となり、多すぎると硬くなりすぎる傾向にある。
パーオキサイド加硫系加硫剤としては、熱や酸化還元系の存在下で容易にパーオキシラジカルを発生する有機過酸化物が好ましくあげられる。
有機過酸化物としては、たとえば1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロキシパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、α,α'−ビス(t−ブチルパーオキシ)−p−ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートなどを例示することができる。そのなかでも好ましいものはジアルキル化合物である。一般に活性−O=O−の量、分解温度などから種類ならびに配合量が選ばれる。配合量は通常、未加硫ゴム100質量部に対して0.1〜15質量部、好ましくは0.3〜5質量部である。
またさらに、加硫用ゴム組成物の加硫特性を改善するために、加硫促進剤や加硫助剤、共加硫剤など(本発明ではこれらを併せて「加硫促進剤」という)を併用してもよい。加硫促進剤(a5)は加硫系に合わせて選択すればよい。
加硫促進剤(a5)としては、複数のアリル基を有する多官能性化合物、アルデヒドアミン類、アルデヒドアンモニア類、チオウレア類、チアゾール類、チオフェンアミド類、チオラム類、ジチオカルバミン酸塩類、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン(DBU)、DBUの弱酸塩などがあげられる。
加硫促進剤(a5)の配合量は、未加硫ゴム100質量部に対して、10質量部以下であり、5質量部以下が好ましく、3質量部以下がより好ましい。10質量部をこえると、加硫密度が高くなりすぎるため、圧縮時に割れやすくなる傾向がある。配合量の下限は0.2質量部が好ましく、0.2質量部未満であると、加硫密度が低くなり圧縮永久歪みが大きくなる傾向がある。
パーオキサイド加硫系の場合の加硫促進剤として、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン(DBU)およびDBUの弱酸塩が好ましく使用できる。DBUの弱酸塩としては、炭酸塩、長鎖脂肪族カルボン酸塩、芳香族カルボン酸塩、オルトフタル酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、フェノール塩、フェノール樹脂塩などがあげられる。これらの中でも、8−ベンジル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロライド(DBU−B)、DBU−フェノール塩、DBU−オルトフタル酸塩が、接着性を付与し、従来の加硫特性が損なわれない点から好ましい。
本発明に用いる加硫用ゴム組成物のうち、未加硫ゴム(a1)、アミン化合物(a2)、エポキシ樹脂(a3)および加硫剤(a4)を含む加硫用ゴム組成物であって、該未加硫ゴム(a1)がNBRまたはPVCがブレンドされたNBRであり、加硫剤(a4)が硫黄系加硫剤またはパーオキサイド系加硫剤である加硫用ゴム組成物は、新規であり、他材(特にフッ素系材料)に対する接着性に特に優れるものである。
またこの組成物において、アミン化合物(a2)としてはジアミン化合物、特にN,N’−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサメチレンジアミンが好ましく、エポキシ樹脂(a3)としては、前記式(1)で示されるビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。
この加硫用ゴム組成物における配合量は、NBRまたはPVCがブレンドされたNBR100質量部に対して、アミン化合物を1〜25質量部、エポキシ樹脂を1〜25質量部、および硫黄系加硫剤またはパーオキサイド系加硫剤を1〜10質量部含むことが好ましい。
さらに、加硫促進剤(a5)としてDBU系加硫促進剤を含むことが、加硫特性を改善できる点から好ましい。特に、エポキシ樹脂(a3)を配合しない場合は、DBU系加硫促進剤を使用することが好ましい。DBU系加硫促進剤の含有量は、NBRまたはPVCがブレンドされたNBR100質量部に対して1〜10質量部であることが好ましい。
加硫に関係する他の配合剤としては、たとえば受酸剤があり、本発明においても使用できる。受酸剤としてはたとえば、酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどがあげられる。受酸剤は架橋を助けるだけでなく、高温下に積層体を保持した場合にフッ素樹脂層(B)から発生するフッ酸をトラップする機能を併せもつ。
また本発明においては、目的または必要に応じて、一般の加硫用ゴム組成物に配合する通常の添加物、たとえば充填剤、加工助剤、可塑剤、軟化剤、老化防止剤、着色剤、安定剤、接着助剤、離型剤、導電性付与剤、熱伝導性付与剤、表面非粘着剤、粘着付与剤、柔軟性付与剤、耐熱性改善剤、難燃剤、紫外線吸収剤、耐油性向上剤、発泡剤、スコーチ防止剤、滑剤などの各種添加剤を配合することができる。また、前記のものとは異なる常用の加硫剤や加硫促進剤を1種または2種以上配合してもよい。ただし、これらの添加剤は、本発明の目的であるフッ素樹脂層(B)との接着力を損なわない範囲の量で配合する。
充填剤としては、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウムなどの金属酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウムなどの金属水酸化物;炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウムなどの炭酸塩;ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸アルミニウムなどのケイ酸塩;硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩;合成ハイドロタルサイト、二硫化モリブデン、硫化鉄、硫化銅などの金属硫化物;ケイ藻土、アスベスト、リトポン(硫化亜鉛/硫化バリウム)、グラファイト、カーボンブラック、フッ化カーボン、フッ化カルシウム、コークス、湿式シリカ、乾式シリカ、石英微粉末、亜鉛華、タルク、雲母粉末、ワラストナイト、炭素繊維、アラミド繊維、各種ウィスカー、ガラス繊維、有機補強剤、有機充填剤などがあげられる。
加工助剤としては、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ラウリン酸などの高級脂肪酸;ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛などの高級脂肪酸塩;ステアリン酸アミド、オレイン酸アミドなどの高級脂肪酸アミド;オレイン酸エチルなどの高級脂肪酸エステル、ステアリルアミン、オレイルアミンなどの高級脂肪族アミン;カルナバワックス、セレシンワックスなどの石油系ワックス;エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールなどのポリグリコール;ワセリン、パラフィンなどの脂肪族炭化水素;シリコーン系オイル、シリコーン系ポリマー、低分子量ポリエチレン、フタル酸エステル類、リン酸エステル類、ロジン、(ハロゲン化)ジアルキルアミン、(ハロゲン化)ジアルキルスルフォン、界面活性剤などがあげられる。
可塑剤としては、たとえばフタル酸誘導体やセバシン酸誘導体、軟化剤としては、たとえば潤滑油、プロセスオイル、コールタール、ヒマシ油、ステアリン酸カルシウム、老化防止剤としては、たとえばフェニレンジアミン類、フォスフェート類、キノリン類、クレゾール類、フェノール類、ジチオカルバメート金属塩などがあげられる。
加硫用ゴム組成物は、未加硫ゴム(a1)、アミン化合物(a2)、さらに要すればエポキシ樹脂(a3)、加硫剤(a4)、加硫促進剤(a5)、その他の添加剤を混練りすることにより調製される。
混練は、たとえば100℃以下の温度でオープンロール、バンバリーミキサー、加圧ニーダーなどを用いて行うことができる。
つぎに、本発明の積層体におけるフッ素樹脂層(B)について説明する。
フッ素樹脂層(B)は、カルボニル基およびヒドロキシル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の反応性官能基を側鎖および/または主鎖末端に有するフッ素樹脂(b)から形成される。
フッ素樹脂(b)は、含フッ素重合体(b1)の側鎖および/または主鎖末端にカルボニル基およびヒドロキシル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の反応性官能基を導入したものである。
反応性官能基をもつ構造単位以外のフッ素樹脂(b)を構成する重合体(b1)部分は、少なくとも1種の含フッ素エチレン性単量体から誘導される構成単位を有する単独重合体または共重合体であることが好ましい。
含フッ素重合体(b1)の含フッ素エチレン性単量体由来の構成単位以外の構成単位としては、含フッ素エチレン性単量体と共重合可能なフッ素原子を有さないエチレン性単量体由来の構成単位であることが好ましい。
前記含フッ素エチレン性単量体は特に限定されず、たとえばテトラフルオロエチレン(TFE)、へキサフルオロプロピレン(HFP)、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、フッ化ビニリデン(VdF)、フッ化ビニル、へキサフルオロイソブテン、式:
CH2=CX1(CF2n2
(式中、X1はHまたはF、X2はH、FまたはCl、nは1〜10の整数である)
で示される単量体などがあげられる。
前記共重合可能な非フッ素エチレン性単量体としては、フッ素樹脂(b)の耐熱性や耐薬品性などを維持するという点から、炭素数5以下のエチレン性単量体から選ばれることが好ましい。具体的には、たとえばエチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどがあげられる。
含フッ素エチレン性単量体単位と非フッ素エチレン性単量体単位の割合は、含フッ素エチレン性単量体単位10〜100モル%(好ましくは30〜100モル%)、非フッ素エチレン性単量体単位0〜90モル%(好ましくは0〜70モル%)とすることが好ましい。
好ましい含フッ素重合体(b1)としては、CTFE系重合体、TFE/HFP系(FEP系)共重合体、TFE/PAVE系(PFA系)共重合体、エチレン/TFE系(ETFE系)共重合体、エチレン/TFE/HFP(EFEP系)系共重合体、ポリフッ化ビニリデン系重合体などがあげられる。これらのうち耐薬品性が優れる点から、CTFE系重合体、FEP系共重合体、PFA系共重合体、ETFE系共重合体、EFEP系共重合体が好ましく、さらにはCTFE系重合体、FEP系共重合体およびPFA系共重合体がより好ましく、柔軟性および燃料低透過性に優れる点から、CTFE系重合体およびFEP系共重合体が特に好ましい。
なお、これらの好ましい含フッ素重合体(b1)はいずれも、アルコール燃料などの混合燃料に対する燃料低透過性に優れるので、充分な燃料低透過性を有する燃料用部品材料とすることができる。
好ましい含フッ素重合体(b1)のうち、CTFE系重合体としては、たとえばポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、およびCTFE系共重合体があげられる。
CTFE系共重合体としては、CTFE単位、TFE単位およびこれらと共重合可能な単量体(α)に由来する単量体(α)単位を構成要素とするものが好ましい。
前記単量体(α)としては、CTFEおよびTFEと共重合可能な単量体であれば特に限定されず、エチレン(Et)、ビニリデンフルオライド(VdF)、CF2=CF−ORf1(式中、Rf1は、炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基)で表されるパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)、CX34=CX5(CF2n6(式中、X3、X4およびX5は同一もしくは異なって、水素原子またはフッ素原子;X6は、水素原子、フッ素原子または塩素原子;nは、1〜10の整数)で表されるビニル単量体、CF2=CF−OCH2−Rf2(式中、Rf2は、炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基)で表されるアルキルパーフルオロビニルエーテル誘導体などがあげられる。
前記PAVEとしては、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)(PEVE)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)、パーフルオロ(ブチルビニルエーテル)などがあげられ、なかでもPMVE、PEVEまたはPPVEがより好ましい。
前記アルキルパーフルオロビニルエーテル誘導体としては、Rf2が炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基であるものが好ましく、CF2=CF−OCH2−CF2CF3がより好ましい。
前記CTFE系共重合体における、CTFE単位とTFE単位との比率は、CTFE単位が15〜90モル%に対し、TFE単位が85〜10モル%であり、より好ましくは、CTFE単位が20〜90モル%であり、TFE単位が80〜10モル%である。また、CTFE単位15〜25モル%と、TFE単位85〜75モル%とから構成されるものがより好ましい。
CTFE単位とTFE単位との合計が90〜99.9モル%であり、単量体(α)単位が0.1〜10モル%であるものが好ましい。単量体(α)単位が0.1モル%未満であると、成形性、耐環境応力割れ性および耐燃料クラック性に劣りやすく、10モル%を超えると、燃料低透過性、耐熱性、機械特性に劣る傾向にある。
前記単量体(α)がPAVEである場合、前記単量体(α)単位のより好ましい下限は0.5モル%、より好ましい上限は5モル%である。
前記「CTFE単位」および「TFE単位」は、CTFE共重合体の分子構造上、それぞれ、CTFEに由来する部分(−CFCl−CF2−)、TFEに由来する部分(−CF2−CF2−)であり、前記「単量体(α)単位」は、同様に、CTFE系共重合体の分子構造上、単量体(α)が付加してなる部分である。
CTFE単位などの構成単位は、19F−NMR分析を行うことにより得られる値である。
前記FEP系共重合体は、TFE単位が98〜80モル%であり、HFP単位が2〜20モル%であることが好ましい。
前記FEP系共重合体は、TFE単位、HFP単位に加え、TFEおよびHFPと共重合可能な単量体(α1)に由来する構成単位を構成要素とするものであってもよい。
前記単量体(α1)としては、TFEおよびHFPと共重合可能な化合物であれば特に限定されず、上述の単量体(α)と同様の化合物があげられる。
前記FEP系共重合体は、柔軟性および燃料低透過性に優れる点で、単量体(α1)単位を含む場合、前記CTFE単位と前記TFE単位との合計が90〜99.9モル%であり、前記単量体(α1)単位が0.1〜10モル%であるものが好ましい。
フッ素樹脂(b)は、これらの含フッ素重合体(b1)の側鎖および/または主鎖末端にカルボニル基およびヒドロキシル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の反応性官能基を導入したものである。
本明細書において、「カルボニル基」は、炭素−酸素二重結合から構成される炭素2価の基であり、−C(=O)−で表されるものに代表される。前記カルボニル基を含む反応性官能基としては特に限定されず、たとえばカーボネート基、カルボン酸ハライド基(ハロゲノホルミル基)、ホルミル基、カルボキシル基、エステル結合(−C(=O)O−)、酸無水物結合(−C(=O)O−C(=O)−)、イソシアネート基、アミド基、イミド基(−C(=O)−NH−C(=O)−)、ウレタン結合(−NH−C(=O)O−)、カルバモイル基(NH2−C(=O)−)、カルバモイルオキシ基(NH2−C(=O)O−)、ウレイド基(NH2−C(=O)−NH−)、オキサモイル基(NH2−C(=O)−C(=O)−)など、化学構造上の一部としてカルボニル基を含むものがあげられる。
アミド基、イミド基、ウレタン結合、カルバモイル基、カルバモイルオキシ基、ウレイド基、オキサモイル基などにおいては、その窒素原子に結合する水素原子は、たとえばアルキル基などの炭化水素基で置換されていてもよい。
前記反応性官能基は、導入が容易である点、および得られるフッ素樹脂(b)が適度な耐熱性と比較的低温での良好な接着性とを有する点から、アミド基、カルバモイル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カーボネート基、カルボン酸ハライド基、酸無水物結合が好ましく、さらにはアミド基、カルバモイル基、ヒドロキシル基、カーボネート基、カルボン酸ハライド基、酸無水物結合が好ましい。
なかでも、国際公開99/45044号パンフレットに記載のカーボネート基および/またはカルボン酸ハライド基を有するものが特に好ましい。
本発明におけるフッ素樹脂(b)は、含フッ素重合体(b1)の主鎖末端または側鎖のいずれかに反応性官能基を有する重合体からなるものであってもよいし、主鎖末端および側鎖の両方に反応性官能基を有する重合体からなるものであってもよい。主鎖末端に反応性官能基を有する場合、主鎖の両方の末端に有していてもよいし、いずれか一方の末端にのみ有していてもよい。前記反応性官能基は、エーテル結合も有する場合、該反応性官能基をさらに主鎖中に有するものであってもよい。
前記フッ素樹脂(b)は、主鎖末端に反応性官能基を有する重合体からなるものが、機械特性、耐薬品性を著しく低下させない理由で、または、生産性、コスト面で有利である理由で好ましい。
前記反応性官能基の数は、積層するゴム層の種類、形状、接着の目的、用途、必要とされる接着力と隣接する層との接着方法などの違いにより適宜選択すればよい。
主鎖末端および/または側鎖末端にある反応性官能基の数としては、主鎖炭素数1×106個あたり3〜800個であることが好ましい。主鎖炭素数1×106個あたり3個未満であると、接着性が低下することがある。より好ましい下限は15個、さらに好ましい下限は30個、特に好ましい下限は120個である。末端の反応性官能基数の上限は、生産性の観点からたとえば200個とすることが好ましい。
前記末端の反応性官能基の数は、フッ素樹脂(b)の粉末をその融点より50℃高い成形温度、5MPaの成形圧力にて圧縮成形することにより得られる厚み0.25〜0.30mmのフィルムシートを、赤外分光光度計を用いて赤外吸収スペクトル分析し、既知のフィルムの赤外吸収スペクトルと比較して反応性官能基の特性吸収の種類を決定し、各差スペクトルから次式により算出する個数である。
末端基の個数(前記炭素数1×106個あたり)=(l×K)/t
l:吸光度
K:補正係数
t:フィルム厚(mm)
対象となる末端反応性官能基の補正係数を表1に示す。
Figure 2010089479
表1の補正係数は、主鎖炭素数1×106個あたりの末端基を計算するためにモデル化合物の赤外吸収スペクトルから決定された値である。
前記反応性官能基を主鎖および/または側鎖の末端に導入する方法としては、反応性官能基含有の単量体(β)を共重合して導入する方法、反応性官能基を有するまたは生ずる化合物を重合開始剤として用いる方法、反応性官能基を有するまたは生ずる化合物を連鎖移動剤として用いる方法、これらの方法を併用する方法などが例示できる。
共重合で反応性官能基を導入する場合の反応性官能基含有の単量体(β)としては、含フッ素重合体(b1)を与える単量体と共重合可能な単量体で上記反応性官能基を有するものであれば、特に制限されない。具体的には、たとえばつぎのものが例示できる。
前記単量体(β)の第1としては、国際公開第2005/100420号パンフレットに記載の脂肪族不飽和カルボン酸類があげられる。不飽和カルボン酸類は、重合性の炭素−炭素不飽和結合を1分子中に少なくとも1個有し、かつ、カルボニルオキシ基(−C(=O)−O−)を1分子中に少なくとも1個有するものが好ましい。
前記脂肪族不飽和カルボン酸としては、脂肪族不飽和モノカルボン酸であってもよいし、カルボキシル基を2個以上有する脂肪族不飽和ポリカルボン酸であってもよい。脂肪族不飽和モノカルボン酸としては、たとえば(メタ)アクリル酸、クロトン酸などの炭素数3〜6の不飽和脂肪族モノカルボン酸類があげられる。
前記脂肪族不飽和ポリカルボン酸としては、たとえばマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、アコニット酸、マレイン酸無水物、イタコン酸無水物またはシトラコン酸無水物などの炭素数3〜6の不飽和脂肪族ポリカルボン酸類があげられる。
前記単量体(β)の第2としては、下記一般式:
CX6 2=CY1−(Rf4n−Z1
(式中、Z1は、前期反応性官能基;X6およびY1は、同一または異なって、水素原子もしくはフッ素原子;Rf4は、炭素数1〜40のアルキレン基、炭素数1〜40の含フッ素オキシアルキレン基、エーテル結合を有する炭素数1〜40の含フッ素アルキレン基またはエーテル結合を有する炭素数1〜40の含フッ素オキシアルキレン基;nは、0または1)で表される不飽和化合物があげられる。
共重合により導入される官能基含有単量体(β)単位の含有率は、0.05モル%以上が好ましく、0.1モル%以上がより好ましい。多すぎると、加熱溶融時にゲル化や加硫反応が発生しやすいため、官能基含有モノマーの上限としては5モル%が好ましく、3モル%がさらに好ましい。
フッ素樹脂(b)は、懸濁重合、溶液重合、乳化重合、塊状重合等、従来公知の重合方法により得ることができる。前記重合において、温度、圧力などの各条件、重合開始剤やその他の添加剤は、所望のフッ素樹脂(b)の組成や量に応じて適宜設定することができる。
フッ素樹脂(b)の融点は特に限定されないが、160〜270℃であることが好ましい。
またフッ素樹脂(b)の分子量は、得られる成形体が良好な機械特性や燃料低透過性などを発現できるような範囲であることが好ましい。たとえば、メルトフローレート(MFR)を分子量の指標とする場合、フッ素樹脂一般の成形温度範囲である約230〜350℃の範囲の任意の温度におけるMFRは、0.5〜100g/10分であることが好ましい。
フッ素樹脂(b)の融点は、DSC装置(セイコー社製)を用い、10℃/分の速度で昇温したときの融解熱曲線における極大値に対応する温度として求める。MFRは、メルトインデクサー(東洋精機製作所(株)製)を用い、各温度、5kg荷重下で直径2mm、長さ8mmのノズルから単位時間(10分間)に流出するポリマーの重量(g)を測定する。
本発明においてフッ素樹脂層(B)は、これらのフッ素樹脂(b)を1種含有するものであってもよいし、2種以上含有するものであってもよい。
本発明の積層体におけるフッ素樹脂層(B)は、積層体を燃料周りの材料として使用する場合、燃料透過係数が10g・mm/m2/day以下であることが好ましく、1.0g・mm/m2/day以下であることがより好ましく、0.5g・mm/m2/day以下であることがさらに好ましい。
燃料透過係数は、イソオクタン、トルエンおよびエタノールを45:45:10の容積比で混合したイソオクタン/トルエン/エタノール混合溶媒を投入した燃料透過係数測定用カップに測定対象樹脂から得たシートを組み入れ、60℃において測定した質量変化から算出される値である。
本発明において、前記フッ素樹脂(b)が特定の反応性官能基を末端に有するものであると、ゴム層(A)との接着性が大きく向上する。したがって、耐衝撃性や強度に優れた成形品(たとえば燃料用タンクなど)を提供できる。
なお、フッ素樹脂(b)がパーハロポリマーである場合、耐薬品性および燃料低透過性がより優れたものとなる。パーハロポリマーとは、重合体の主鎖を構成する炭素原子の全部にハロゲン原子が結合している重合体である。
前記フッ素樹脂層(B)は、さらに、目的や用途に応じてその性能を損なわない範囲で、無機質粉末、ガラス繊維、炭素粉末、炭素繊維、金属酸化物などの種々の充填剤を配合したものであってもよい。
たとえば、燃料透過性をさらに低減させるために、モンモリナイト、バイデライト、サポナイト、ノントロナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイトなどのスメクタイト系の層状粘度鉱物や、雲母等の高アスペクト比を有する微小層状鉱物を添加してもよい。
また、導電性を付与するために、導電性フィラーを添加してもよい。導電性フィラーとしては特に限定されず、たとえば金属、炭素などの導電性単体粉末または導電性単体繊維;酸化亜鉛などの導電性化合物の粉末;表面導電化処理粉末などがあげられる。導電性フィラーを配合する場合、溶融混練して予めペレットを作製することが好ましい。
前記導電性単体粉末または導電性単体繊維としては特に限定されず、たとえば銅、ニッケルなどの金属粉末;鉄、ステンレススチールなどの金属繊維;カーボンブラック、炭素繊維、特開平3−174018号公報等に記載の炭素フィブリルなどがあげられる。
前記表面導電化処理粉末は、ガラスビーズ、酸化チタンなどの非導電性粉末の表面に導電化処理を施して得られる粉末である。
表面導電化処理の方法としては特に限定されず、たとえば金属スパッタリング、無電解メッキなどがあげられる。
導電性フィラーのなかでもカーボンブラックは、経済性や静電荷蓄積防止の観点で有利であるので好適に用いられる。
導電性フィラーを配合してなるフッ素樹脂(b)組成物の体積抵抗率は、1×100〜1×109Ω・cmであることが好ましい。より好ましい下限は、1×102Ω・cmであり、より好ましい上限は、1×108Ω・cmである。
また、充填剤以外に、熱安定化剤、補強剤、紫外線吸収剤、顔料、その他任意の添加剤を配合してもよい。
本発明の積層体は、これらのゴム層(A)とフッ素樹脂層(B)を積層することにより製造できる。
ゴム層(A)とフッ素樹脂層(B)の積層は、ゴム層(A)とフッ素樹脂層(B)を別々に成形した後に圧着などの手段で積層する方法、ゴム層(A)とフッ素樹脂層(B)を同時に成形して積層する方法のいずれでもよい。
ゴム層(A)とフッ素樹脂層(B)を別々に成形した後に圧着などの手段で積層する方法では、フッ素樹脂の成形方法と加硫用ゴム組成物のそれぞれ単独での成形方法が採用できる。
ゴム層(A)の成形は、加硫用ゴム組成物を加熱圧縮成形法、トランスファー成形法、押出成形法、射出成形法、カレンダー成形法、塗装法などにより、シート状、チューブ状などの各種形状の成形体とすることができる。
フッ素樹脂層(B)は、加熱圧縮成形、溶融押出成形、射出成形、塗装などの方法により成形できる。成形には通常用いられるフッ素樹脂の成形機、たとえば射出成形機、ブロー成形機、押出成形機、各種塗装装置などが使用でき、シート状、チューブ状など、各種形状の積層体を製造することが可能である。これらのうち、生産性が優れている点から、溶融押出成形法が好ましい。
また、後述するように、フッ素樹脂層(B)に他のポリマー層(C)を積層する場合は、多層押出成形、多層ブロー成形、多層射出成形などの成形方法を適用でき、多層チューブ、多層ホース、多層タンクなどの多層成形品とすることができる。
ゴム層(A)とフッ素樹脂層(B)を同時に成形して積層する方法としては、ゴム層(A)を形成する加硫用ゴム組成物およびフッ素樹脂層(B)形成するフッ素樹脂を用いて、多層圧縮成形法、多層トランスファー成形法、多層押出成形法、多層射出成形法、ダブリング法などの方法により成形と同時に積層する方法があげられる。この方法では、未加硫成形体であるゴム層(A)とフッ素樹脂層(B)とを同時に積層できるため、ゴム層(A)とフッ素樹脂層(B)とを密着させる工程が特に必要ではなく、また、後の加硫工程において強固な接着を得るのに好適である。
本発明の積層体は、未加硫のゴム層(A)とフッ素樹脂層(B)との積層体であってもよいが、さらにこの未加硫積層体を加硫することにより、強固な層間接着力が得られる。
すなわち本発明は、本発明の未加硫積層体を加硫処理して得られるゴム層(A1)とフッ素樹脂層(B)が加硫接着されている加硫積層体にも関する。
加硫処理は、従来公知の加硫用ゴム組成物の加硫方法と条件が採用できる。たとえば、未加硫積層体を長時間加硫する方法、未加硫積層体を比較的単時間で前処理としての熱処理をし(加硫も生じている)、ついで長時間かけて加硫を行う方法がある。これらのうち、未加硫積層体を比較的単時間で前処理としての熱処理をしついで長時間かけて加硫を行う方法が、前処理でゴム層(A)とフッ素樹脂層(B)との密着性が容易に得られ、また、前処理で既にゴム層(A)が加硫しており形状が安定化しているので、その後の加硫における積層体の保持方法をさまざまに選択することができるので好適である。
加硫処理の条件は特に制限されるものではなく、通常の条件で行うことができるが、130〜260℃で、10分〜80時間、スチーム、プレス、オーブン、エアーバス、赤外線、マイクロウェーブ、被鉛加硫などを用いて処理を行うことが好ましい。より好ましくは、160〜230℃で、20〜80時間かけて行う。
前処理の加熱条件も特に制限されないが、100〜150℃で、30秒〜1時間、スチーム、プレス、オーブン、エアーバス、赤外線、マイクロウェーブ、被鉛加硫などを用いて処理を行うことが好ましい。
得られる加硫積層体では加硫ゴム層(A1)とフッ素樹脂層(B)が加硫接着しており、強固な層間接着力が生じている。
本発明の積層体(未加硫積層体および加硫積層体)は、ゴム層(A、A1。以下、ゴム層(A)を代表とする))とフッ素樹脂層(B)の2層構造でもよいし、(A)−(B)−(A)または(B)−(A)−(B)といった3層構造でもよい。さらに、ゴム層(A)およびフッ素樹脂層(B)以外のポリマー層(C)が接着された3層以上の多層構造であってもよい。
ポリマー層(C)としては、ゴム層(A)以外のゴム層(C1)、フッ素樹脂層(B)以外の樹脂層(C2)、さらには繊維補強層などでもよい。また、ポリマー層(C)を介して、ゴム層(A)および/またはフッ素樹脂層(B)をさらに積層させてもよい。
ゴム層(C1)の材料としては、フッ素樹脂層(B)と直接接着されているゴム層(A)として使用したゴム以外のゴムがあげられ、フッ素ゴムでも非フッ素ゴムでもよい。具体例は、未加硫ゴム(a1)の例としてあげたものが例示できる。
なお、ゴム層(C1)を形成する未加硫ゴム組成物中にも、アミン化合物(a2)、エポキシ樹脂(a3)、さらには加硫剤(a4)、加硫促進剤(a5)、その他の配合剤を配合してもよい。
樹脂層(C2)の材料としては、フッ素樹脂(フッ素樹脂(b)を除く)、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアラミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン樹脂(ABS)、セルロース系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂(PES)、ポリエーテルイミド樹脂などの機械的強度に優れた樹脂や、エチレン/ビニルアルコール共重合体からなる樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリフタルアミド(PPA)などの燃料や気体の透過性が低い樹脂(以下、低透過性樹脂ということもある)があげられる。なかでも成形性、接着性が良好な点からポリアミド樹脂が好ましい。積層体として加硫処理に供される場合は、樹脂の融点が熱処理の温度よりも高いことが望ましい。
つぎに本発明の積層体の層構造について説明する。
(1)ゴム層(A)−フッ素樹脂層(B)の2層構造
基本構造であり、上述したとおり、従来、フッ素樹脂層(B)とゴム層(A)を積層させるには、層間(フッ素樹脂層−ゴム層)の接着が不充分なため、樹脂側において表面処理を施したり、別途接着剤を層間に塗布したり、テープ状のフィルムを巻き付けて固定したりなどと工程が複雑になりがちであったが、そのような複雑な工程を組まずに、加硫することにより加硫接着が起こり化学的に強固な接着が得られる。
(2)ゴム層−フッ素樹脂層(B)−ゴム層の3層構造
(A)−(B)−(A)および(A)−(B)−(C1)がある。シール性が要求される場合、たとえば燃料配管などの接合部は、シール性保持のためにゴム層を両側に配置することが望ましい。
また、燃料配管を(A)−(B)−(C1)型構造とし、ゴム層(A)として非フッ素ゴム層を、ゴム層(C1)としてフッ素ゴム層を設け、フッ素ゴム層(C1)を配管の内層にすることにより、耐薬品性、燃料低透過性が向上する。
(3)樹脂層−ゴム層(A)−樹脂層の3層構造
(B)−(A)−(B)および(B)−(A)−(C2)がある。
樹脂層を両側に配置することで形状が安定する。また、耐薬品性が重視される場合に好適である。さらにそれぞれの側に別の機械特性を要求されるような場合は、(B)−(A)−(C2)型が好ましい。
(4)樹脂層(C2)−フッ素樹脂層(B)−ゴム層(A)の3層構造
(5)フッ素樹脂層(B)−ゴム層(A)−ゴム層(C1)の3層構造
(6)4層構造以上
(2)〜(5)の3層構造に加えて、さらに任意のゴム層(A)または(C1)、樹脂層(B)または(C2)を目的に応じて積層してもよい。また、金属箔などの層を設けてもよいし、ゴム層(A)とフッ素樹脂層(B)との層間以外には接着剤層を介在させてもよい。
またさらに、ポリマー層(C)と積層してライニング体とすることもできる。
なお、各層の厚さ、形状などは、使用目的、使用形態などによって適宜選定すればよい。
本発明の積層体、特に加硫積層体は、燃料低透過性に優れるほか、耐熱性・耐油性・耐燃料油性・耐LLC性・耐スチーム性に優れており、また、苛酷な条件下での使用に充分耐えうるものであり、各種の用途に使用可能である。
たとえば、自動車用エンジンのエンジン本体、主運動系、動弁系、潤滑・冷却系、燃料系、吸気・排気系など、駆動系のトランスミッション系など、シャーシのステアリング系、ブレーキ系など、電装品の基本電装部品、制御系電装部品、装備電装部品などの、耐熱性・耐油性・耐燃料油性・耐LLC性・耐スチーム性が要求されるガスケットや非接触型および接触型のパッキン類(セルフシールパッキン、ピストンリング、割リング形パッキン、メカニカルシール、オイルシールなど)などのシール、ベローズ、ダイヤフラム、ホース、チューブ、電線などとして好適な特性を備えている。
具体的には、以下に列記する用途に使用可能である。
エンジン本体の、シリンダーヘッドガスケット、シリンダーヘッドカバーガスケット、オイルパンパッキン、一般ガスケットなどのガスケット、O−リング、パッキン、タイミングベルトカバーガスケットなどのシール、コントロールホースなどのホース、エンジンマウントの防振ゴムなど。
主運動系の、クランクシャフトシール、カムシャフトシールなどのシャフトシールなど。
動弁系の、エンジンバルブのバルブステムシールなど。
潤滑・冷却系の、エンジンオイルクーラーのエンジンオイルクーラーホース、オイルリターンホース、シールガスケットなどや、ラジエータ周辺のウォーターホース、バキュームポンプのバキュームポンプオイルホースなど。
燃料系の、燃料ポンプのオイルシール、ダイヤフラム、バルブなど、フィラー(ネック)ホース、燃料供給ホース、燃料リターンホース、ベーパー(エバポ)ホースなどの燃料ホース、燃料タンクのインタンクホース、フィラーシール、タンクパッキン、インタンクフューエルポンプマウントなど、燃料配管チューブのチューブ本体やコネクターO−リングなど、燃料噴射装置のインジェクタークッションリング、インジェクターシールリング、インジェクターO−リング、プレッシャーレギュレーターダイヤフラム、チェックバルブ類など、キャブレターのニードルバルブ花弁、加速ポンプピストン、フランジガスケット、コントロールホースなど、複合空気制御装置(CAC)のバルブシート、ダイヤフラムなど。
吸気・排気系の、マニホールドの吸気マニホールドパッキン、排気マニホールドパッキンなど、EGR(排気際循環)のダイヤフラム、コントロールホース、エミッションコントロールホースなど、BPTのダイヤフラムなど、ABバルブのアフターバーン防止バルブシートなど、スロットルのスロットルボディパッキン、ターボチャージャーのターボオイルホース(供給)、ターボオイルホース(リターン)、ターボエアホース、インタークーラーホース、タービンシャフトシールなど。
トランスミッション系の、トランスミッション関連のベアリングシール、オイルシール、O−リング、パッキン、トルコンホースなど、ATのミッションオイルホース、ATFホース、O−リング、パッキン類など。
ステアリング系の、パワーステアリングオイルホースなど。
ブレーキ系の、オイルシール、O−リング、パッキン、ブレーキオイルホースなど、マスターバックの大気弁、真空弁、ダイヤフラムなど、マスターシリンダーのピストンカップ(ゴムカップ)など、キャリパーシール、ブーツ類など。
基本電装品の、電線(ハーネス)の絶縁体やシースなど、ハーネス外装部品のチューブなど。
制御系電装品の、各種センサー線の被覆材料など。
装備電装品の、カーエアコンのO−リング、パッキン、クーラーホースなど。
また自動車用以外では、たとえば、船舶、航空機などの輸送機関における耐油、耐薬品、耐熱、耐スチーム、あるいは耐候用のパッキン、O−リング、ホース、その他のシール材、ダイヤフラム、バルブに、また化学プラントにおける同様のパッキン、O−リング、シール材、ダイヤフラム、バルブ、ホース、ロール、チューブ、耐薬品用コーティング、ライニングに、食品プラント機器および食品機器(家庭用品を含む)における同様のパッキン、O−リング、ホース、シール材、ベルト、ダイヤフラム、バルブ、ロール、チューブに、原子力プラント機器における同様のパッキン、O−リング、ホース、シール材、ダイヤフラム、バルブ、チューブに、一般工業部品における同様のパッキン、O−リング、ホース、シール材、ダイヤフラム、バルブ、ロール、チューブ、ライニング、マンドレル、電線、フレキシブルジョイント、ベルト、ゴム板、ウエザーストリップ、PPC複写機のロールブレードなどへの用途に好適である。たとえば、PTFEダイヤフラムのバックアップゴム材は滑り性が悪いため、使用している間にすり減ったり、破れたりする問題があったが、本発明の積層体を用いることにより、この問題を改善でき、好適に使用できる。
また、食品ゴムシール材用途においては、従来ゴムシール材において着香性やゴムの欠片などが食品中に混入するトラブルがあるが、ゴムをフッ素樹脂で積層、被覆することによって、本発明の積層体を用いることにより、この問題を改善でき、好適に使用できる。医薬・ケミカル用途のゴムシール材溶剤を使用する配管のシール材としてゴム材料は溶剤に膨潤する問題があるが、本発明の積層体を用いることにより、樹脂を被覆する事で改善される。一般工業分野では、ゴム材料の強度、すべり性、耐薬品性、透過性を改善する目的において、たとえば、ゴムロール、O−リング、パッキン、シール材等に好適に用いることができる。特に、リチウムイオン電池のパッキン用途には耐薬品性とシールの両方を同時に維持できることから好適に使用できる。
本発明における前記積層体からなる燃料配管は通常の方法によって製造することができ、特に制限されることはない。また、本発明の燃料配管には、コルゲートチューブも含まれる。
これらの中でも、特に前記積層体からなる燃料配管は、耐熱性、燃料低透過性の点で好ましい。
つぎに本発明を実施例をあげて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
以下、実施例および比較例において使用するフッ素樹脂およびその測定方法について記載する。
(1)ポリマーの組成
19F−NMR分析により測定した。
(2)融点
セイコー型DCS装置を用い、10℃/minの速度で昇温したときの融解ピークを記録し、極大値に対応する温度を融点とした。
(3)MFR(Melt Flow Rate)
メルトインデクサー(東洋精機製作所(株)製)を用い、各種温度、5kg加重下で直径2mm、長さ8mmのノズルから単位時間(10分間)に流出するポリマーの重量(g)を測定した。
(4)単層の燃料透過の測定
樹脂ペレットを、それぞれ、直径120mmの金型に入れ、300℃に加熱したプレス機にセットし、約2.9MPaの圧力で溶融プレスして、厚さ0.15mmのシートを得た。CE10(イソオクタンとトルエンとの容量比50:50の混合物にエタノール10容量%を混合した燃料)を18mL投入した内径40mmφ、高さ20mmのSUS316製の透過係数測定用カップに得られたシートを入れ、60℃における質量変化を1000時間まで測定した。時間あたりの質量変化、接液部のシートの表面積およびシートの厚さから燃料透過係数(g・mm/m2/day)を算出した。
(5)赤外吸収スペクトルによる官能基分析
厚さ0.15〜0.30mmのシートを作製し、Perkin−Elmer FT−IRスペクトロメーター1760X(パーキンエルマー社製)を用いて赤外吸収スペクトルを分析した。得られた赤外吸収スペクトルをPerkin−Elmer Spectrum for windows Ver.1.4Cを用いて自動でベースラインを判定させ、所定のピークの吸光度を測定することにより、フッ素樹脂の官能基を同定した。なお、フィルムの厚さはマイクロメーターを用いて測定した。
(6)加硫特性
JSRキュラストメータII型を用いて170℃における加硫曲線を求め、つぎの基準で評価する。
○:加硫曲線は正常で、最適硬化時間以降は振幅が一定になる。
△:加硫曲線は正常だが、時間経過に伴って徐々に加硫が進行し振幅が一定にならない。
×:加硫曲線は異常で、時間が経過しても硬化が進行しない。
合成例1(フッ素樹脂1の合成)
水174kgを収容できるジャケット付撹拌式重合槽に、脱ミネラルした純水を51.5kg仕込み、内部空間を純窒素ガスで充分置換した後、窒素ガスを真空で排除した。次いでオクタフルオロシクロブタンを40.6kg、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)を1.3kg、テトラフルオロエチレン(TFE)を4.5kg、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)を2.8kg圧入した。連鎖移動剤としてn−プロピルアルコール(PrOH)を0.075kg添加して、温度を35℃に調節し、撹拌を開始した。ここへ重合開始剤としてジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート(NPP)の50質量%メタノール溶液を0.44kg添加して重合を開始した。重合中には、所望の共重合体組成と同組成に調製した混合モノマーを、槽内圧力が0.66MPaを維持するように追加仕込みしながら重合した後、槽内の残存ガスを排気して生成したポリマーを取り出し、脱ミネラルした純水で洗浄し、乾燥させて30.5kgの粒状粉末のCTFE系共重合体を得た。次いでφ50mm短軸押出し機を用いてシリンダー温度290℃で溶融混練を行い、ペレットを得た。次いで得られたペレット状のCTFE系共重合体を190℃で24時間加熱した。得られたポリマーの物性を表2に示す。また、主鎖炭素106個に対する官能基の個数は180個であった。
合成例2(フッ素樹脂2の合成)
内容積820Lのガラスライニング製のオートクレーブに脱酸素した純水を200L入れ、真空にした後、1−フルオロ−1,1−ジクロロエタンを113kgおよびヘキサフルオロプロピレンを95kg、シクロヘキサンを85kg仕込んだ。さらに、式(i):CH2=CF(CF23Hで示されるパーフルオロ(1,1,5−トリハイドロ−1−ペンテン)を292g仕込んだ後、槽内温度を35℃、撹拌速度を200rpmに保った。
さらにテトラフルオロエチレンを7.25kgf/cm2Gまで圧入し、その後、エチレン(Et)を0.78MPaまで圧入した。次いで、ジノルマルプロピルパーオキシカーボネートの50%メタノール溶液1.9kgを仕込むことにより重合を開始した。重合の進行とともに圧力が低下するので、テトラフルオロエチレン/エチレン/パーフルオロシクロブタンの混合ガス(モル比=39.2:43.6:17.2。パーフルオロシクロブタンは連鎖移動剤)を追加圧入して重合圧力を0.78MPaに保ちながら重合を続け、途中式(i)の化合物を1100g20回に分割してマイクロポンプで仕込み、重合を合計で32時間行った。重合終了後、内容物を回収し、水洗してろ過後、80℃で8時間の減圧乾燥を実施して粉末状のポリマー95gを得た。次いでφ50mm短軸押出し機を用いてシリンダー温度230℃で溶融混練を行い、ペレットを得た。次いで得られたペレット状の共重合体を120℃で24時間加熱した。得られたポリマーの物性を表2に示す。また、主鎖炭素106個に対する官能基の個数は355個であった。
合成例3(フッ素樹脂3の合成)
内容積4Lのガラスライニング製オートクレーブに脱酸素した純水1.3Lを入れ、真空にした後、1−フルオロ−1,1−ジクロロエタン0.8kg、シクロヘキサン1.3gを仕込んだ。さらに、式(i):CH2=CF(CF23Hで示されるパーフルオロ(1,1,5−トリハイドロ−1−ペンテン)を4.2g仕込んだ後、槽内温度を35℃に保った。
さらに撹拌下、テトラフルオロエチレン/エチレン混合ガス(モル比=95:5)を1.28MPaまで圧入した。次いで、ジノルマルプロピルパーオキシカーボネートの50%メタノール溶液12.7gを仕込むことにより重合を開始した。重合の進行とともに圧力が低下するので、テトラフルオロエチレン/エチレン/パーフルオロシクロブタンの混合ガス(モル比=64.0:33.5:2.5)を追加圧入して重合圧力を1.28MPaに保ちながら重合を続け、重合を合計で30時間行った。重合終了後、28%アンモニア水溶液約30gを加え、80℃で5時間処理した。内容物を回収し、水洗してろ過後、80℃で8時間の減圧乾燥を実施して粉末状のポリマー300gを得た。得られたポリマーの物性を表2に示す。また、主鎖炭素106個に対する官能基の個数は34個であった。
合成例4(フッ素樹脂4の合成)
内容積が100Lの撹拌機を備えた重合槽を真空にした後、1−ヒドロトリデカフルオロヘキサンを71.3kg、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパンを20.4kg、式(ii):CH2=CH(CF22Fを562g、無水イタコン酸を3.4g仕込み、重合槽内を66℃に昇温した。ついで、テトラフルオロエチレン/エチレンの混合ガス(モル比=89:11)で1.5MPaまで昇圧した。重合開始剤としてter−ブチルペルオキシピバレートの0.5%の1−ヒドロトリデカフルオロヘキサン溶液を1L仕込み、重合を開始した。重合の進行とともに重合圧力が低下するので、圧力が1.5MPaで一定になるようにテトラフルオロエチレン/エチレンの混合ガス(モル比=59.5:40.5)を連続的に仕込んだ。また、重合中に仕込むテトラフルオロエチレンとエチレンの合計モル数に対して3.3モル%に相当する量のCH2=CH(CF22Fと0.3モル%に相当する量の無水イタコン酸を連続的に仕込んだ。重合は約8.5時間行い、モノマー混合ガスを7.3kg仕込んだ時点で重合温度を室温まで冷却し、常圧までパージした。得られた内容物を水80kgが入った200L造粒槽に投入し、撹拌しながら105℃まで昇温し、重合媒体を留出除去しながら造粒を行った後、150℃で15時間乾燥することにより、7.9kgの粉末状ポリマーを得た。ついで、二軸押出機(東洋精機製作所(株)製。ラボプラストミル)にて280℃で押出を行いペレットを作製した。得られたポリマーの物性を表2に示す。
合成例5(フッ素樹脂5の合成)
撹拌機、バルブ、圧力ゲージ、温度計を備えた6Lのガラスライニング製オートクレーブに純水1500mLを入れ、窒素ガスで充分置換した後、真空にし、1,2−ジクロロ1,1,2,2−テトラフルオロエタンを1500g仕込んだ。ついで、式(iii):
Figure 2010089479
で示されるパーフルオロ(1,1,9,9−テトラハイドロ−2.5−ビストリフルオロメチル−3,6−ジオキサ−8−ノネノール)を5.0g、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)を130g、メタノールを180g、窒素ガスを用いて圧入し、系内の温度を35℃に保った。撹拌を行いながら、テトラフルオロエチレンガス(TFE)を内圧が0.78MPaとなるように圧入した。ついでジ−n−プロピルパーオキシジカーボネートの50%メタノール溶液を0.5g、窒素を用いて圧入して反応を開始した。重合反応の進行に伴って圧力が低下するので、0.74MPaまで低下した時点でテトラフルオロエチレンガスで0.78MPaまで再加圧し、降圧、昇圧を繰り返した。テトラフルオロエチレンの供給を続けながら、重合開始からテトラフルオロエチレンガスが約60g消費されるごとに、前記のヒドロキシ基を有する含フッ素エチレン性単量体(iii)の2.5gを計9回(合計22.5g)圧入して重合を継続し、重合開始よりテトラフルオロエチレンが約600g消費された時点で供給を止めてオートクレーブを冷却し、未反応モノマーおよび1,2−ジクロロ1,1,2,2−テトラフルオロエタンを放出した。得られた共重合体を水洗、メタノール洗浄を行ったのち、真空乾燥することにより710gの白色固体(粉末)を得た。
得られた白色粉末を二軸押出機(東洋精機製作所(株)製。ラボプラストミル)にて350〜370℃で押出を行いペレットを作製した。得られたポリマーの物性を表2に示す。
Figure 2010089479
前記フッ素樹脂1〜5以外に用いられた薬品を以下に示す。
ゴム1:アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)(N530 JSR(株)製)からなるゴム組成物(NBR100質量部に対して、カーボンブラック30質量部、酸化亜鉛5質量部、湿式シリカ15質量部、ステアリン酸1質量部、老化防止剤2質量部、オイル15質量部、過酸化物加硫剤2質量部、ワックス2質量部を含有)
ゴム2:アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)(N530 JSR(株)製)からなるゴム組成物(NBR100質量部に対して、PVC100質量部、カーボンブラック30質量部、酸化亜鉛5質量部、湿式シリカ15質量部、ステアリン酸1質量部、老化防止剤2質量部、オイル15質量部、過酸化物加硫剤2質量部、ワックス2質量部を含有)
エポキシ樹脂:JER828、エポキシ樹脂(式(1))(ジャパンエポキシレジン(株)製)
Figure 2010089479
アミン化合物:N,N−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサメチレンジアミン(式(2))(ダイキン工業(株)製)
Figure 2010089479
DBU系加硫促進剤No.1:8−ベンジル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロライド(DBU−B)(式(3))(和光純薬(株)製)
Figure 2010089479
DBU系加硫促進剤No.2:DBU−オルトフタル酸塩(式(4))(商品名SA−810、サンアプロ(株)製)
Figure 2010089479
DBU系加硫促進剤No.3:DBU−フェノール塩(式(5))(商品名SA−1、サンアプロ(株)製)
Figure 2010089479
製造例1(ゴム層の製造)
ゴム1にエポキシ樹脂およびアミン化合物を表3および表4の配合比になるように添加し、8インチロール2本を備えた練りロール機を用いて通常の方法で、25〜70℃で混練りした。これを室温にて約20時間置いた後に再度同じロール機にて混練りし、最終的に約3mmの厚みにシーティングして未加硫ゴムシート(ゴム層)を取り出した。
実施例1〜8および比較例1〜9
厚さ約3mmの表3および表4に示す未加硫ゴムシート(ゴム層)と、表3および表4に示す厚さの各フッ素樹脂フィルム(フッ素樹脂層)を重ね合わせ、片方の端部に幅約10〜15mmのフッ素樹脂フィルム(厚さ10μm、ダイキン工業(株)商品名 ポリフロンPTFE M731スカイブフィルム)を両シートの間に挟んだ後、得られるシートが厚み2mmになるよう金属製スペーサーを入れた金型に挿入し、表3および表4に示すプレス温度およびプレス時間でプレスすることで加硫を施し、シート状の積層体を得た。得られた積層体を幅10mm×長さ40mmの短冊状に切断し、フッ素樹脂フィルムを剥がして掴みしろとした試験片を作製した。この試験片を用い、23℃にて、50mm/分の剥離速度でT剥離試験を行い、接着強度を測定した。また、剥離モードを観測し、以下の基準で接着評価を行った。
(剥離モード)
○・・・強固な接着により材料破壊破断した。
△・・・フッ素樹脂層とゴム層の界面が充分に接着し、剥離するのが困難であった。
×・・・フッ素樹脂層とゴム層の界面で剥離した。
(ゴム層の外観)
○・・・加硫が充分であり、表面状態が良好であった。
×・・・加硫が不充分であり、発泡により表面状態が不良であった。
Figure 2010089479
Figure 2010089479
製造例2(ゴム層の製造)
ゴム1にエポキシ樹脂、アミン化合物および表5に示すDBU系加硫促進剤を表5の配合比になるように添加し、8インチロール2本を備えた練りロール機を用いて通常の方法で、25〜70℃で混練りした。これを室温にて約20時間置いた後に再度同じロール機にて混練りし、最終的に約3mmの厚みにシーティングして未加硫ゴムシート(ゴム層)を取り出した。なお、これらの未加硫ゴムについて、加硫特性を調べた。結果を表5に示す。
製造例3(ゴム層の製造)
ゴム1にアミン化合物および表5に示すDBU系加硫促進剤を表5の配合比になるように添加し、8インチロール2本を備えた練りロール機を用いて通常の方法で、25〜70℃で混練りした。これを室温にて約20時間置いた後に再度同じロール機にて混練りし、最終的に約3mmの厚みにシーティングして未加硫ゴムシート(ゴム層)を取り出した。なお、これらの未加硫ゴムについて、加硫特性を調べた。結果を表5に示す。
実施例9〜14
厚さ約3mmの表5に示す未加硫ゴムシート(ゴム層)と、表5に示す厚さの各フッ素樹脂1のフィルム(フッ素樹脂層)を重ね合わせ、片方の端部に幅約10〜15mmのフッ素樹脂フィルム(厚さ10μm、ダイキン工業(株)商品名 ポリフロンPTFE M731スカイブフィルム)を両シートの間に挟んだ後、得られるシートが厚み2mmになるよう金属製スペーサーを入れた金型に挿入し、表5に示すプレス温度およびプレス時間でプレスすることで加硫を施し、シート状の積層体を得た。得られた積層体を幅10mm×長さ40mmの短冊状に切断し、フッ素樹脂フィルムを剥がして掴みしろとした試験片を作製した。この試験片を用い、実施例1と同様にして接着評価を行った。結果を表5に示す。
Figure 2010089479

Claims (19)

  1. 未加硫ゴム(a1)およびアミン化合物(a2)を含有する加硫用ゴム組成物から形成されるゴム層(A)と、
    カルボニル基およびヒドロキシル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の反応性官能基を側鎖および/または主鎖末端に有するフッ素樹脂(b)から形成されるフッ素樹脂層(B)が積層されている積層体。
  2. 加硫用ゴム組成物がさらにエポキシ樹脂(a3)を含有する請求項1記載の積層体。
  3. 未加硫ゴム(a1)が非フッ素ゴムである請求項1または2記載の積層体。
  4. 未加硫ゴムがアクリロニトリル−ブタジエンゴムである請求項1〜3のいずれかに記載の積層体。
  5. ゴム層(A)中のアミン化合物(a2)の含有量が未加硫ゴム100質量部に対して1〜25質量部である請求項1〜4のいずれかに記載の積層体。
  6. ゴム層(A)中のエポキシ樹脂(a3)の含有量が未加硫ゴム100質量部に対して1〜25質量部である請求項2〜5のいずれかに記載の積層体。
  7. 加硫用ゴム組成物において、未加硫ゴム(a1)がアクリロニトリル−ブタジエンゴムであり、さらに加硫剤(a4)として硫黄系加硫剤またはパーオキサイド系加硫剤が含まれている請求項1〜6のいずれかに記載の積層体。
  8. 加硫用ゴム組成物が、加硫促進剤(a5)として1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン系加硫促進剤を含む請求項7記載の積層体。
  9. フッ素樹脂(b)が、カルボニル基およびヒドロキシル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の反応性官能基を側鎖および/または主鎖末端に有するクロロトリフルオロエチレン−テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体である請求項1〜8のいずれかに記載の積層体。
  10. フッ素樹脂層(B)の両側にゴム層(A)が積層されている請求項1〜9のいずれかに記載の積層体。
  11. ゴム層(A)の両側にフッ素樹脂層(B)が積層されている請求項1〜9のいずれかに記載の積層体。
  12. さらに、ゴム層(A)およびフッ素樹脂層(B)以外のポリマー層(C)が請求項10または11のいずれかに記載されている積層体の片側または両側に積層されている請求項1〜11のいずれかに記載の積層体。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の積層体を加硫処理して得られるゴム層(A1)とフッ素樹脂層(B)が加硫接着されている積層体。
  14. 未加硫ゴム(a1)、アミン化合物(a2)および加硫剤(a4)を含む加硫用ゴム組成物であって、該未加硫ゴム(a1)がアクリロニトリル−ブタジエンゴムであり、加硫剤(a4)が硫黄系加硫剤またはパーオキサイド系加硫剤である加硫用ゴム組成物。
  15. 加硫用ゴム組成物がさらにエポキシ樹脂(a3)を含む請求項14記載の加硫用ゴム組成物。
  16. 未加硫ゴム(a1)100質量部に対して、アミン化合物(a2)を1〜25質量部および加硫剤(a4)を1〜10質量部含む請求項14または15記載の加硫用ゴム組成物。
  17. 未加硫ゴム(a1)100質量部に対して、エポキシ樹脂(a3)を1〜25質量部含む請求項15または16記載の加硫用ゴム組成物。
  18. さらに、加硫促進剤(a5)として1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン系加硫促進剤を含む請求項14〜17のいずれかに記載の加硫用ゴム組成物。
  19. 未加硫ゴム(a1)100質量部に対して、加硫促進剤(a5)として1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン系加硫促進剤を1〜10質量部含む請求項14〜18のいずれかに記載の加硫用ゴム組成物。
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