JP2010069606A - 表層切削回転工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】基盤の弾性を保持しつつピンの飛散を防止する。
【解決手段】表層切削回転工具2は、弾性を有するリング状の基盤20と、基盤20に保持されるピンユニット30とを備えており、ピンユニット30は、基盤20に埋設されるリング状のプレート31と、先端にダイヤモンドの切刃34が取り付けられて先端部が基盤20の下面22から突出しているピン32とを備えている。そして、プレート31は、基盤20よりも剛性が高く、弾性(可撓性)を有する部材で形成されおり、基盤20の内部において、複数のピン32を連結している。これにより、基盤20の回転により切刃34が被切削面Sの段差に引っ掛かるなどしても、複数のピン32がプレート31により連結されているため、ピン32が基盤20から脱落して飛散するのを防止することができる。
【選択図】図6
【解決手段】表層切削回転工具2は、弾性を有するリング状の基盤20と、基盤20に保持されるピンユニット30とを備えており、ピンユニット30は、基盤20に埋設されるリング状のプレート31と、先端にダイヤモンドの切刃34が取り付けられて先端部が基盤20の下面22から突出しているピン32とを備えている。そして、プレート31は、基盤20よりも剛性が高く、弾性(可撓性)を有する部材で形成されおり、基盤20の内部において、複数のピン32を連結している。これにより、基盤20の回転により切刃34が被切削面Sの段差に引っ掛かるなどしても、複数のピン32がプレート31により連結されているため、ピン32が基盤20から脱落して飛散するのを防止することができる。
【選択図】図6
Description
本発明は、床や壁などの表面にある塗膜や接着剤などを剥すために用いる表層切削回転工具に関する。
従来、床や壁などの表面に付着したコールタール、ペンキ、塗装などの塗膜や接着剤などを切削して剥すための表層切削回転工具として、例えば、特許文献1に記載されたものがある。この表層切削回転工具は、回転する基盤が設けられており、塗膜や接着剤などを切削する切刃が取り付けられた棒状のピンが基盤の表面から突出するように取り付けられている。そして、特許文献1では、被切削面の微妙なうねりに追随して基盤の形状が変形するように、可撓性を有する樹脂材で基盤を形成することで、作業効率を向上させている。
特開2007−231724号公報
しかしながら、特許文献1に記載の表層切削回転工具では、ピンが取り付けられる基盤が樹脂材で形成されているため、基盤の回転により切刃が被切削面の段差に引っ掛かると、ピンが基盤から脱落して飛散する可能性があるという問題があった。
そこで、本発明は、基盤の弾性を保持しつつピンの飛散を防止することができる表層切削回転工具を提供することを目的とする。
本発明に係る表層切削回転工具は、弾性を有する基盤と、先端に切刃が設けられて基盤の表面から突出する複数の棒状のピンと、基盤よりも高い剛性を有し、基盤に保持されるとともに隣接する少なくとも2つ以上の前記ピンを連結するピン連結部材と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る表層切削回転工具によれば、切刃が設けられた複数のピンが基盤の表面から突出されているとともに、隣接する少なくとも2つ以上のピンが、基盤よりも剛性の高いピン連結部材により連結されている。このため、基盤の回転により切刃が被切削面の段差に引っ掛かるなどしても、2つ以上のピンがピン連結部材により連結されているため、ピンが基盤から脱落して飛散するのを防止することができる。しかも、ピンを連結するピン連結部材は、弾性を有する基盤に保持されているため、切削による振動や騒音を低減させることができ、更に、被切削面の凹凸に追随して基盤が弾性変形することができるため、削り残しや削り過ぎを低減することができる。
この場合、ピン連結部材は、リング状に形成されていることが好ましい。この表層切削回転工具によれば、ピン連結部材がリング状に形成されているため、一つのピン連結部材で、回転される基盤に対して周方向に沿って配置される全てのピンを連結することができる。このため、部品点数の増加を抑制することができるとともに、ピン連結部材を容易に位置決めすることができるため、表層切削回転工具を容易に製造することができる。
また、ピン連結部材は、基盤の周方向において複数個設けられることが好ましい。この表層切削回転工具によれば、ピン連結部材が基盤の周方向において複数個設けられるため、ピン連結部材ごとに、基盤の弾性変形に応じて柔軟に移動することができる。このため、基盤の弾性変形がより円滑に行われるため、振動や騒音をより低減させることができるとともに、削り残しや削り過ぎをより低減することができる。
また、基盤は、樹脂材又はゴム材により形成されており、ピン連結部材は、金属により形成されていることが好ましい。この表層切削回転工具によれば、基盤が樹脂材又はゴム材により形成されるのに対して、ピン連結部材が金属により形成されるため、基盤を適切に弾性変形させつつ、ピン連結部材によりピンを確実に連結することができる。
また、ピン連結部材は、基盤の外縁部に配置されていることが好ましい。この表層切削回転工具によれば、ピン連結部材が基盤の外縁部に配置されているため、ピンを基盤の外縁部に配置することができる。これにより、表層切削回転工具の切削範囲を基盤の外縁又は外縁近くまで広げることができるため、切削効率を向上させることができる。
また、ピン連結部材は、基盤から露出することなく基盤に埋設されていることが好ましい。この表層切削回転工具によれば、ピン連結部材が基盤から露出することなく基盤に埋設することで、ピン連結部材が基盤によって完全に覆われるため、ピン連結部材を確実に基盤に保持させることができる。
また、切刃は、超砥粒焼結体、単結晶ダイヤモンド又は超砥粒をボンド材により固定した超砥粒層により構成されていることが好ましい。この表層切削回転工具によれば、切刃が超砥粒焼結体、単結晶ダイヤモンド又は超砥粒をボンド材により固定した超砥粒層により構成されているため、切刃の耐摩耗性を向上させることができ、表層切削回転工具の長寿命化を図ることができる。
また、複数のピンの先端に、砥粒層がダイヤモンドで形成されたセグメント形状の切刃が取り付けられていることが好ましい。この表層切削回転工具によれば、セグメント形状の切刃が、ピン連結部材により連結された複数のピンの先端に取り付けられているため、切刃が被切削面の段差に引っ掛かるなどしても、切刃及びピンの飛散を防止することができる。しかも、切刃の砥粒層がダイヤモンドで形成されているため、切刃の耐摩耗性を向上させることができ、表層切削回転工具の長寿命化を図ることができる。
また、ピンは、基盤の表面に対して垂直に突出していることが好ましい。この表層切削回転工具によれば、ピンが基盤の表面に対して垂直に突出しているため、被切削面に対する表層切削回転工具の押圧方向とピンの突出方向とを同方向にすることができる。このため、被切削面に対する押圧力を逃がすことなく被切削面を切削することができ、効率的に切削を行うことができる。
また、ピンは、基盤の表面に対して基盤の外縁方向に傾斜して突出していることが好ましい。この表層切削回転工具によれば、ピンが基盤の外縁方向に傾斜して突出しているため、ピンの先端を基盤の外縁に向かわせることができる。これにより、表層切削回転工具の切削範囲を基盤の外縁又は外縁近くまで広げることができるため、切削効率を向上させることができる。
本発明によれば、基盤の弾性を保持しつつピンの飛散を防止することができる。
以下、図面を参照して、本発明に係る表層切削回転工具の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、全図中、同一又は相当部分には同一符号を付すこととする。
[第1実施形態]
図1は、本実施形態に係る表層切削回転工具が装着された表層切削回転装置を示す斜視図であり、図2は、図1に示す表層切削回転装置のII−II線断面図である。
図1は、本実施形態に係る表層切削回転工具が装着された表層切削回転装置を示す斜視図であり、図2は、図1に示す表層切削回転装置のII−II線断面図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る表層切削回転工具が装着される表層切削回転装置1は、床や壁などの被切削面Sを切削して、被切削面Sにある塗膜や接着剤などを剥すものである。表層切削回転装置1は、作業者が片手又は両手で操作可能なハンディタイプの機器である。そして、表層切削回転装置1は、表層切削回転工具2と、駆動軸3と、把持部4と、カバー5とを備えている。
表層切削回転工具2は、駆動軸3に連結されている。駆動軸3は、把持部4の先端に内蔵されたモータ(不図示)の回転軸に連結されている。このため、表層切削回転工具2は、回転軸の回転により駆動軸3が回転されることで回転する。カバー5は、表層切削回転工具2を覆い、被切削面Sの切削により生じた削り屑の飛散を防止する。
図3は、表層切削回転工具の上面斜視図、図4は、表層切削回転工具の下面斜視図、図5は、表層切削回転工具の底面図、図6は、図5に示した表層切削回転工具のVI−VI線断面図を示している。
図3〜図6に示すように、表層切削回転工具2は、駆動軸3に脱着可能に取り付けられる取付部10と、取付部10に固着される基盤20と、基盤20に保持されるピンユニット30とを備えている。
図7は、取付部の断面図を示している。図3〜図7に示すように、取付部10は、駆動軸3に取り付けられる部材である。このため、取付部10は、硬質の金属で形成されている。この取付部10は、下方(図7において下方)が開放された椀状に形成されている。取付部10は、平板状に形成された頂部11と、頂部11から下方に向かって円錐台形状に広がる側壁部14とを備えている。頂部11の中心部には、駆動軸に取り付けられる取付穴12が形成されている。側壁部14の底面は、基盤20に固着されている。また、取付部10は、外周面と内周面とで、頂部11と側壁部14との連結角度が異なっている。すなわち、外周面の連結角度α1は、内周面の連結角度α2よりも大きく形成されている。例えば、外周面の連結角度α1は、124°であるのに対し、内周面の連結角度α2は、110°となっている。このように、側壁部14の底面の幅は、頂部11の肉厚よりも大きくなっているため、取付部10と基盤20との接触面積を大きくとることができ、取付部10と基盤との固着強度を高くすることができる。
図3〜図6に示すように、基盤20は、ピンユニット30を保持する部材である。基盤20は、リング状(環状)に形成されている。そして、基盤20の上面21には、取付部10が固着されている。なお、基盤20と取付部10とは、同心円状に重ね合わされて、固着されている。また、基盤20の外縁部には、ピンユニット30が埋設されている。そして、被切削面Sに対向させる面となる基盤20の下面22から、後述するピンユニット30のピン32が突出している。
この基盤20は、弾性を有する樹脂材又はゴム材で形成されている。すなわち、基盤20は、ガラスエポキシやアクリル等の樹脂材、又は、天然ゴムや合成ゴムなどのゴム材によって形成されている。そして、基盤20には、ピンユニット30が埋設されている。
図8は、ピンユニットの上面斜視図、図9は、ピンユニットの下面斜視図を示している。図8及び図9に示すように、ピンユニット30は、1枚のプレート31と、12本のピン32とを備えている。
図10は、プレートの斜視図を示している。図8〜図10に示すように、プレート31は、基盤20に保持されるとともに、12本のピン32を連結する部材である。プレート31は、平板のリング状に形成されており、基盤20と同心円状に配置されている。プレート31の厚さは、基盤20の厚さよりも薄く形成されている。また、プレート31の外径は、基盤20の外径よりも小さく、プレート31の内径は、基盤20の内径よりも大きく形成されている。このため、プレート31は、基盤20から露出することなく、基盤20に完全に埋設されている。そして、プレート31には、周方向に沿って等間隔に12個のピン保持穴33が形成されている。
このプレート31は、基盤20よりも剛性が高く、弾性(可撓性)を有する部材で形成されている。すなわち、プレート31は、軟質又は硬質の金属などで形成されている。なお、軟質の金属でプレート31を形成する場合は、肉厚を大きくして剛性を高め、硬質の金属でプレート31を形成する場合は、肉厚を小さくして弾性を高めるなど、プレート31の肉厚を調整することで、プレート31を所望の剛性及び弾性となるように調整することが望ましい。
図11は、ピンの上面斜視図、図12は、ピンの下面斜視図、図13は、ピンの正面図を示している。図11〜図13に示すように、ピン32は、棒状に形成されている。ピン32の外径は、プレート31に形成されたピン保持穴33の径と同径、又はピン保持穴33の径よりも僅かに小さな径に形成されている。このため、ピン32は、ピン保持穴33に挿入可能となっている。
ピン32の先端には、先鋭に形成された切刃34が取り付けられている。切刃34は、多結晶ダイヤモンド焼結体、多結晶立方晶窒化ホウ素焼結体、単結晶ダイヤモンド、超砥粒を金属バインダによる焼結、ろう付け、電着などにより固定した超砥粒層、超硬合金、セラミックス、サーメットなどにより構成される。
ピン32の基端部には、大径化した係止部35が形成されている。係止部35は、平板の円盤状に形成されている。そして、係止部35の外径は、ピン保持穴33の径よりも大きな径に形成されている。このため、ピン32が先端からピン保持穴33に挿入されると、係止部35がプレート31に係止される。
また、ピン32の基端部には、係止部35からプレート31の厚み分離間した位置に、E型ワッシャ36が嵌め込まれる凹状の溝37が形成されている。
このように構成されるピンユニット30を組み立てる際は、図6,図8及び図9に示すように、ピン32をピン保持穴33に挿入し、係止部35がプレート31に係止された状態で溝37にE型ワッシャ36を嵌め込む。すると、係止部35とE型ワッシャ36とでプレート31が挟み込まれて、プレート31とピン32とが固定されるため、ピンユニット30の組み立てが完成する。
次に、表層切削回転工具2の製造方法について説明する。
まず、表層切削回転工具2を形成する金型に、取付部10を挿入する。このとき、取付部10が金型の中心に配置されるように位置決めする。そして、取付部10が挿入された金型にピンユニット30を挿入する。このとき、基盤20の下面22からピン32の先端部が突出するようにピンユニット30を位置決めする。また、ピンユニット30のプレート31が完全に基盤20内に埋め込まれるように、プレート31が金型に接触しないように位置決めする。取付部10及びピンユニット30の位置決めが完了すると、この金型に、基盤20の材料となるゴム材又は樹脂材を流し込む。そして、このゴム材又は樹脂材が硬化すると、表層切削回転工具2が完成する。このように製造された表層切削回転工具2は、基盤20内にプレート31が埋設されるとともに、基盤20の下面22からピン32の先端部が基盤20の下面22に対して垂直に突出される。
図14は、表層切削回転工具2を用いてうねりのある被切削面Sを切削している状態を示した図である。図14に示すように、表層切削回転工具2の基盤20は、弾性を有しているため、被切削面Sのうねりに追随して弾性変形し、全てのピン32の切刃34が被切削面Sに当接する。そして、駆動軸3が回転すると、取付部10及び基盤20が回転することにより、全てのピン32が回転し、ピン32の先端に取り付けられた切刃34によって被切削面Sが切削される。
このように、本実施形態に係る表層切削回転工具2によれば、切刃34が設けられた複数のピン32が基盤20の下面22から突出されているとともに、これらの複数のピン32が、基盤20の内部において、基盤20よりも剛性の高いプレート31により連結されている。このため、基盤20の回転により切刃34が被切削面Sの段差に引っ掛かるなどしても、複数のピン32がプレート31により連結されているため、ピン32が基盤20から脱落して飛散するのを防止することができる。しかも、ピン32を連結するプレート31は、弾性を有する基盤20に保持されているため、切削による振動や騒音を低減させることができ、更に、被切削面Sの凹凸に追随して基盤が弾性変形することができるため、削り残しや削り過ぎを低減することができる。
また、表層切削回転工具2によれば、プレート31がリング状に形成されているため、一つのプレート31で、回転される基盤に対して周方向に沿って配置される全てのピン32を連結することができる。このため、部品点数の増加を抑制することができるとともに、プレート31を容易に位置決めすることができるため、表層切削回転工具2を容易に製造することができる。
また、表層切削回転工具2によれば、基盤20が樹脂材又はゴム材により形成されるのに対して、プレート31が金属により形成されるため、基盤20を適切に弾性変形させつつ、プレート31によりピン32を確実に連結することができる。
また、表層切削回転工具2によれば、プレート31が基盤20の外縁部に配置されているため、ピン32を基盤20の外縁部に配置することができる。これにより、表層切削回転工具2による切削範囲を基盤20の外縁又は外縁近くまで広げることができるため、切削効率を向上させることができる。
また、表層切削回転工具2によれば、プレート31が基盤20から露出することなく基盤20に埋設することで、プレート31が基盤によって完全に覆われるため、プレート31を確実に基盤20に保持させることができる。
また、表層切削回転工具2によれば、切刃34を超砥粒焼結体、単結晶ダイヤモンド又は超砥粒を金属バインダによる焼結、ろう付け、電着などにより固定した超砥粒層により構成することで、切刃34の耐摩耗性を向上させることができ、表層切削回転工具2の長寿命化を図ることができる。
また、表層切削回転工具2によれば、ピン32が基盤20の下面22に対して垂直に突出しているため、被切削面Sに対する表層切削回転装置1の押圧方向とピン32の突出方向とを同方向にすることができる。このため、被切削面Sに対する押圧力を逃がすことなく被切削面Sを切削することができ、効率的に切削を行うことができる。
[第2実施形態]
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態に係る表層切削回転工具は、第1の実施形態と同様に、表層切削回転装置1に装着されるものである。そして、第2の実施形態に係る表層切削回転工具は、ピンユニットのみ、第1の実施形態に係る表層切削回転工具2と相違する。このため、以下では、第1の実施形態と相違する点のみを説明し、その他の説明を省略する。
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態に係る表層切削回転工具は、第1の実施形態と同様に、表層切削回転装置1に装着されるものである。そして、第2の実施形態に係る表層切削回転工具は、ピンユニットのみ、第1の実施形態に係る表層切削回転工具2と相違する。このため、以下では、第1の実施形態と相違する点のみを説明し、その他の説明を省略する。
図15は、第2の実施形態に係る表層切削回転工具の底面図、図16は、図15に示すピンユニットの下面斜視図である。図15及び図16に示すように、第2の実施形態に係る表層切削回転工具40は、取付部10と、基盤20と、4個のピンユニット41とを備えている。そして、各ピンユニット41は、それぞれ、1枚のプレート42と、3本のピン32とを備えている。
プレート42は、基盤20の周方向において6個設けられている。各プレート42は、平板状に形成されているとともに、同心円状の2つの円弧で囲まれた扇形状に形成されている。そして、各プレート42は、基盤20の外縁部に配置されるとともに、互いに重なり合うことなく同心円状に配置されている。各プレート42の厚さは、基盤20の厚さよりも薄く形成されている。また、各プレート42の外径は、基盤20の外径よりも小さく、各プレート42の内径は、基盤20の内径よりも大きく形成されている。このため、各プレート42は、基盤20から露出することなく、基盤20に完全に埋設されている。
そして、各プレート42は、第1の実施形態と同様に、基盤20よりも剛性が高く、弾性(可撓性)を有する部材で形成されている。すなわち、プレート31は、軟質又は硬質の金属で形成されている。
また、各プレート42には、周方向に沿って等間隔に3個のピン保持穴43が形成されている。そして、各ピン保持穴43にピン32が挿入されることで、3個のピン32がプレート42により連結されている。
このように、第2の実施形態に係る表層切削回転工具40によれば、プレート42が基盤の周方向において複数個設けられるため、プレート42ごとに、基盤20の弾性変形に応じて柔軟に移動することができる。このため、基盤20の弾性変形がより円滑に行われるため、振動や騒音をより低減させることができるとともに、削り残しや削り過ぎをより低減することができる。
しかも、各プレート42は、互いに重なり合うことなく配置されているため、基盤20の弾性変形をより円滑にすることができる。
[第3実施形態]
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態に係る表層切削回転工具は、第1の実施形態と同様に、表層切削回転装置1に装着されるものである。そして、第3の実施形態に係る表層切削回転工具は、ピンの形状のみ、第1の実施形態に係る表層切削回転工具2と相違する。このため、以下では、第1の実施形態と相違する点のみを説明し、その他の説明を省略する。
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態に係る表層切削回転工具は、第1の実施形態と同様に、表層切削回転装置1に装着されるものである。そして、第3の実施形態に係る表層切削回転工具は、ピンの形状のみ、第1の実施形態に係る表層切削回転工具2と相違する。このため、以下では、第1の実施形態と相違する点のみを説明し、その他の説明を省略する。
図17は、第3の実施形態に係る表層切削回転工具の断面図を示している。図17に示すように、第3の実施形態に係る表層切削回転工具50は、取付部10と、基盤20と、ピンユニット51とを備えている。そして、ピンユニット51は、1枚のプレート31と、12本のピン52とを備えている。
ピン52は、屈曲した棒状に形成されている。そして、ピン52の先端には、多結晶ダイヤモンド焼結体、多結晶立方晶窒化ホウ素焼結体、単結晶ダイヤモンド、超砥粒を金属バインダによる焼結、ろう付け、電着などにより固定した超砥粒層、超硬合金、セラミックス、サーメットなどにより構成される先鋭に形成された切刃34が取り付けられている。ピン52の基端部には、ピン保持穴33の径よりも大きな径に形成された係止部35が形成されている。また、ピン52の基端部には、係止部35からプレート31の厚み分離間した位置に、E型ワッシャ36が嵌め込まれる凹状の溝37が形成されている。そして、ピン52は、溝37の切刃34側において、基盤20の外縁方向に屈曲している。なお、ピン52及びピン保持穴33の形状を、ピン保持穴33においてピン52が回転しない形状(例えば、噛み合う形状)にすることで、ピン52の屈曲方向を固定することができる。
このように構成される表層切削回転工具50は、基盤20の下面22から、各ピン52の先端部が、基盤20の下面22に対して基盤20の外縁方向に傾斜して突出する。
このように、第3の実施形態に係る表層切削回転工具50によれば、ピン52が基盤20の外縁方向に傾斜して突出しているため、ピン52の先端を基盤20の外縁に向かわせることができる。これにより、表層切削回転工具50の切削範囲を基盤20の外縁又は外縁近くまで広げることができるため、切削効率を向上させることができる。
[第4実施形態]
次に、第4の実施形態について説明する。第4の実施形態に係る表層切削回転工具は、第1の実施形態と同様に、表層切削回転装置1に装着されるものである。そして、第4の実施形態に係る表層切削回転工具は、ピンの先端にセグメント形状の切刃が取り付けられる点のみ、第1の実施形態に係る表層切削回転工具2と相違する。このため、以下では、第1の実施形態と相違する点のみを説明し、その他の説明を省略する。
次に、第4の実施形態について説明する。第4の実施形態に係る表層切削回転工具は、第1の実施形態と同様に、表層切削回転装置1に装着されるものである。そして、第4の実施形態に係る表層切削回転工具は、ピンの先端にセグメント形状の切刃が取り付けられる点のみ、第1の実施形態に係る表層切削回転工具2と相違する。このため、以下では、第1の実施形態と相違する点のみを説明し、その他の説明を省略する。
図18は、第4の実施形態に係る表層切削回転工具の底面図、図19は、図18に示す表層切削回転工具の正面図を示している。図18及び図19に示すように、第4の実施形態に係る表層切削回転工具60は、取付部10と、基盤20と、ピンユニット30と、セグメント形状切刃61とを備えている。
セグメント形状切刃61は、被切削面Sを切削(研磨)するセグメント形状の切刃である。セグメント形状切刃61は、基盤20の周方向に沿って6個配置されている。セグメント形状切刃61は、同心円状の2つの円弧で囲まれた扇形状に形成されている。そして、セグメント形状切刃61は、隣り合う2つのピン32に掛け渡されるように取り付けられている。すなわち、2つのピン32に1つのセグメント形状切刃61が取り付けられている。セグメント形状切刃61は、各ピン32に取り付けられることで、所定間隔で分割されたリング状に形成される。なお、セグメント形状切刃61は、接着、溶着、ねじ止めなどによりピン32に取り付けることができる
そして、セグメント形状切刃61には、切削面(研磨面)に砥粒層62が形成されている。砥粒層62は、ダイヤモンドなどの耐磨耗性を有する砥粒により形成されている。
そして、セグメント形状切刃61には、切削面(研磨面)に砥粒層62が形成されている。砥粒層62は、ダイヤモンドなどの耐磨耗性を有する砥粒により形成されている。
このように、第4の実施形態に係る表層切削回転工具60によれば、セグメント形状切刃61が、プレート31により連結されている複数のピン32の先端に取り付けられているため、セグメント形状切刃61が被切削面Sの段差に引っ掛かるなどしても、セグメント形状切刃61及びピン32飛散を防止することができる。しかも、セグメント形状切刃61の砥粒層62をダイヤモンドで形成することで、セグメント形状切刃61の耐摩耗性を向上させることができ、表層切削回転工具60の長寿命化を図ることができる。
[第5実施形態]
次に、第5の実施形態について説明する。第5の実施形態に係る表層切削回転工具は、第1の実施形態と同様に、表層切削回転装置1に装着されるものである。そして、第5の実施形態に係る表層切削回転工具は、ピンユニットのプレートのみ、第1の実施形態に係る表層切削回転工具2と相違する。このため、以下では、第1の実施形態と相違する点のみを説明し、その他の説明を省略する。
次に、第5の実施形態について説明する。第5の実施形態に係る表層切削回転工具は、第1の実施形態と同様に、表層切削回転装置1に装着されるものである。そして、第5の実施形態に係る表層切削回転工具は、ピンユニットのプレートのみ、第1の実施形態に係る表層切削回転工具2と相違する。このため、以下では、第1の実施形態と相違する点のみを説明し、その他の説明を省略する。
図20は、第5の実施形態に係る表層切削回転工具の底面図、図21は、図20に示す表層切削回転工具のXXI−XXI線断面図を示している。図20及び図21に示すように、第5の実施形態に係る表層切削回転工具70は、取付部10と、基盤20と、ピンユニット71とを備えている。そして、ピンユニット71は、1枚のプレート72と、12本のピン32とを備えている。
プレート72は、平板のリング状に形成されており、基盤20と同心円状に配置されている。プレート72の厚さは、基盤20の厚さよりも薄く形成されている。また、プレート72の外径は、基盤20の外径と同径に形成されており、プレート72の内径は、基盤20の内径よりも大きく形成されている。このため、プレート72は、外縁のみ、基盤20から露出しており、その他の箇所は、基盤20に埋設されている。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態において、プレートは、金属で形成されるものとして説明したが、基盤20よりも剛性の高い材質で形成すれば如何なる材質で形成してもよく、例えば、セラミックスで形成してもよい。
また、上記実施形態において、プレート31によるピン32の保持は、係止部35とE型ワッシャ36とで基盤20を挟み込むことにより行っているが、例えば、接着、溶着など、如何なる手段によって保持してもよい。
また、上記実施形態では、本発明に係る表層切削回転工具を、ハンディタイプの表層切削回転装置1に装着するものとして説明したが、フロア型の大型表層切削回転装置に装着してもよい。
また、第4の実施形態において、ピン32の先端に取り付けられるセグメント形状切刃61は、扇形状の板状であるものとして説明したが、被切削面Sを切削(研磨)することができる形状であれば、如何なる形状であってもよい。図22は、他のセグメント形状切刃の斜視図を示している。図22に示すように、セグメント形状切刃81は、ピン32に取り付けられる台金82と、この台金82に取り付けられて被切削面Sを研磨する切刃チップ83とを備えている。台金82は、同心円状の2つの円弧で囲まれた扇形に形成されており、切刃チップ83は、半円柱状に形成されている。そして、台金82には、複数の切刃チップ83が等間隔に離間して取り付けられている。このように、複数の切刃チップ83を離間させることで、切刃チップ83の間から切削屑が外部に排出されるため、切削屑による切刃チップ83の目詰まりを防止することができる。
1…表層切削回転装置、2,40,50,60,70…表面切削回転工具、20…基盤、22…基盤の下面(表面)、30,41,51,71…ピンユニット、31,42,72…プレート(ピン連結部材)、32,52…ピン、34…切刃、61…セグメント形状切刃、62…砥粒層、81…セグメント形状切刃、82…台金、83…切刃チップ。
Claims (10)
- 弾性を有する基盤と、
先端に切刃が設けられて前記基盤の表面から突出する複数の棒状のピンと、
前記基盤よりも高い剛性を有し、前記基盤に保持されるとともに隣接する少なくとも2つ以上の前記ピンを連結するピン連結部材と、
を備えることを特徴とする表層切削回転工具。 - 前記ピン連結部材は、リング状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の表層切削回転工具。
- 前記ピン連結部材は、前記基盤の周方向において複数個設けられることを特徴とする請求項1に記載の表層切削回転工具。
- 前記基盤は、樹脂材又はゴム材により形成されており、
前記ピン連結部材は、金属により形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の表層切削回転工具。 - 前記ピン連結部材は、前記基盤の外縁部に配置されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の表層切削回転工具。
- 前記ピン連結部材は、前記基盤から露出することなく前記基盤に埋設されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の表層切削回転工具。
- 前記切刃は、超砥粒焼結体、単結晶ダイヤモンド又は超砥粒をボンド材により固定した超砥粒層により構成されていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の表層切削回転工具。
- 前記複数のピンの先端に、砥粒層がダイヤモンドで形成されたセグメント形状の切刃が取り付けられていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の表層切削回転工具。
- 前記ピンは、前記基盤の表面に対して垂直に突出していることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の表層切削回転工具。
- 前記ピンは、前記基盤の表面に対して前記基盤の外縁方向に傾斜して突出していることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の表層切削回転工具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008242842A JP2010069606A (ja) | 2008-09-22 | 2008-09-22 | 表層切削回転工具 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2010069606A true JP2010069606A (ja) | 2010-04-02 |
Family
ID=42201862
Family Applications (1)
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JP2008242842A Pending JP2010069606A (ja) | 2008-09-22 | 2008-09-22 | 表層切削回転工具 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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ITRM20110173A1 (it) * | 2011-04-06 | 2012-10-07 | Mattia Mauro Di | Utensile. |
KR101411249B1 (ko) * | 2011-10-27 | 2014-06-24 | 삼성디스플레이 주식회사 | 유기 el 디바이스 제조장치 |
-
2008
- 2008-09-22 JP JP2008242842A patent/JP2010069606A/ja active Pending
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ITRM20110173A1 (it) * | 2011-04-06 | 2012-10-07 | Mattia Mauro Di | Utensile. |
WO2012137143A1 (en) * | 2011-04-06 | 2012-10-11 | Mauro Di Mattia | Surface machining tool |
KR101411249B1 (ko) * | 2011-10-27 | 2014-06-24 | 삼성디스플레이 주식회사 | 유기 el 디바이스 제조장치 |
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