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JP2010043676A - 無段変速機および無段変速機の制御方法 - Google Patents

無段変速機および無段変速機の制御方法 Download PDF

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JP2010043676A JP2008207294A JP2008207294A JP2010043676A JP 2010043676 A JP2010043676 A JP 2010043676A JP 2008207294 A JP2008207294 A JP 2008207294A JP 2008207294 A JP2008207294 A JP 2008207294A JP 2010043676 A JP2010043676 A JP 2010043676A
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Naoyuki Shibata
直之 柴田
Hiroki Kondo
宏紀 近藤
Masaki Shimizu
政紀 志水
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Abstract

【課題】コストの上昇を抑制しつつ、プライマリ油圧およびセカンダリ油圧を精度よく検出する。
【解決手段】無段変速機は、プライマリプーリと、セカンダリプーリと、プライマリプーリの溝およびセカンダリプーリの溝に巻き掛けられるベルトと、プライマリ油圧を用いてプライマリプーリの溝幅を変更する油圧アクチュエータ(1)と、セカンダリ油圧を用いてセカンダリプーリの溝幅を変更する油圧アクチュエータ(2)と、プライマリ油圧およびセカンダリ油圧のうちのいずれか一方の油圧を検出するための油圧センサ430と、プライマリ油圧およびセカンダリ油圧の元圧を発生するためのライン圧制御部と、プライマリ油圧およびセカンダリ油圧に応じて、プライマリ油圧およびセカンダリ油圧のうちのいずれか一方を油圧センサ430に選択的に付与するための切換バルブ454とを含む。
【選択図】図3

Description

本発明は、駆動側プーリと従動側プーリとにベルトが巻き掛けられ、油圧アクチュエータの作動によりプーリの溝幅を変更して無段階に変速する無段変速機において、駆動側プーリおよび従動側プーリの油圧アクチュエータに供給される油圧を精度よく検出する技術と、その検出技術を用いた無段変速機の制御に関する。
車両に搭載される自動変速機は、エンジンとトルクコンバータ等を介して繋がるとともに複数の動力伝達経路を有してなる変速機構を有して構成される。このような変速機構としては、たとえば、ベルト式無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)がある。このベルト式無段変速機は、V溝状のプーリ溝を備えた駆動側プーリ(入力軸プーリ、プライマリプーリ)と従動側プーリ(出力軸プーリ、セカンダリプーリ)とにベルトを巻掛け、一方のプーリの溝幅を拡大すると同時に他方のプーリの溝幅を狭くすることにより、それぞれのプーリに対するベルトの巻き掛け半径(有効径)を連続的に変化させて変速比を無段階に設定するように構成されている。各プーリを固定シーブと可動シーブとによって構成し、可動シーブをその背面側に設けた油圧アクチュエータにより軸線方向に前後動させることにより変速を行なうように構成されている。
このように構成されるベルト式無段変速機において、変速に必要な油圧(プライマリ油圧およびセカンダリ油圧)を精度よく特定することにより、必要最低限のライン圧を特定することができるため、ライン圧を不必要に上昇することによる燃費の悪化を抑制する技術が公知である。
たとえば、特開2006−97811号公報(特許文献1)は、簡素な構成で、過剰なライン圧指令を回避したベルト式無段変速機におけるライン圧制御装置を開示する。このライン圧制御装置は、エンジン側に連結されてプライマリ油圧が作用するプライマリプーリと、出力軸側に連結されてセカンダリ油圧が作用するセカンダリプーリと、両プーリに掛け渡されたベルトと、プライマリ油圧とセカンダリ油圧の基圧となるライン圧の制御を行なうライン圧制御部と、変速指令によって駆動されるステップモータと、ステップモータによって駆動されるとともに実変速比のフィードバックを受けてライン圧よりプライマリ油圧を生成する変速制御弁とを備えたベルト式無段変速機におけるライン圧制御装置において、プライマリ油圧の実際の油圧を実プライマリ油圧として検出するプライマリ油圧センサと、プライマリプーリに必要なプライマリ必要圧の補正を行なう補償部とを備える。補償部は、実プライマリ油圧に対するプライマリ必要圧の定常偏差が減少するように、プライマリ必要圧を補正して補正後プライマリ必要圧を算出する。ライン圧制御部は、補正後プライマリ必要圧と、セカンダリプーリに必要なセカンダリ必要圧とに基づいて、ライン圧制御の指示値となるライン圧指示値を算出し、ライン圧の制御を行なうことを特徴とする。
上述した公報に開示されたベルト式無段変速機におけるライン圧制御装置によると、実プライマリ油圧に対するプライマリプーリに必要なプライマリ必要圧の定常偏差が減少するように、プライマリ必要圧を補正して補正後プライマリ必要圧を算出するので、過剰に見積もられていた補正後プライマリ必要圧を最適に補正することができる。よって、ライン圧制御部が補正後プライマリ必要圧に基づいてライン圧指示値を算出する場合に、プライマリ必要圧を補正しない場合に比べてライン圧指示値が低減され、ライン圧を低いものとすることができる。
特開2006−97811号公報
しかしながら、プライマリ油圧およびセカンダリ油圧を検出する場合に、複数の油圧センサを設けるようにするとコストが上昇するという問題がある。また、プライマリ油圧およびセカンダリ油圧のうちのいずれか一方を検出する油圧センサを設ける場合、他方の油圧の推定精度が低いと、適切な変速を実行するために余剰な油圧を発生させる必要があり燃費が悪化するという問題がある。
上述した公報により開示されたベルト式無段変速機におけるライン圧制御装置においては、プライマリ油圧を検出する油圧センサとセカンダリ油圧を検出する油圧センサとが別途設けられるため、コストが上昇するという問題がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、コストの上昇を抑制しつつ、プライマリ油圧およびセカンダリ油圧を精度よく検出するベルト式の無段変速機を提供することである。本発明のさらなる目的は、プライマリ油圧およびセカンダリ油圧を精度よく推定するベルト式の無段変速機および無段変速機の制御方法を提供することである。
第1の発明に係る無段変速機は、駆動側プーリと、従動側プーリと、駆動側プーリの溝および従動側プーリの溝に巻き掛けられるベルトと、作動油の給排により生じる第1の油圧を用いて駆動側プーリの溝幅を変更する第1のアクチュエータと、作動油の給排により生じる第2の油圧を用いて従動側プーリの溝幅を変更する第2のアクチュエータと、第1、第2の油圧のうちのいずれか一方の油圧を検出するための検出手段と、第1、第2の油圧の元圧を発生するための元圧発生手段と、第1、第2の油圧に応じて、第1、第2の油圧のうちのいずれか一方を検出手段に選択的に付与するための選択手段とを含む。
第1の発明によると、元圧発生手段は、第1の油圧(プライマリ油圧)および第2の油圧(セカンダリ油圧)のうちのいずれか高い方の油圧よりも高い油圧を発生させる。第1の油圧および第2の油圧に応じて、第1の油圧および第2の油圧のうちのいずれか一方を検出手段に選択的に付与する選択手段を有することにより、第1の油圧も第2の油圧も直接検出することができる。そのため、複数の油圧センサを設ける必要がないため、コストの上昇を抑制することができる。また、たとえば、第1の油圧および第2の油圧のうちのいずれか大きい方の油圧を選択的に検出手段に付与するようにすると、第1の油圧および第2の油圧のうちのいずれか大きい方の油圧を精度よく検出することができる。そのため、余剰な油圧を発生することなく第1の油圧および第2の油圧の元圧を発生させることができる。これにより、燃費の悪化を抑制することができる。したがって、プライマリ油圧およびセカンダリ油圧を精度よく検出するベルト式の無段変速機を提供することができる。
第2の発明に係る無段変速機においては、第1の発明の構成に加えて、選択手段は、第1の油圧が第2の油圧を上回る場合に第1の油圧を検出手段に付与し、第2の油圧が第1の油圧を上回る場合に第2の油圧を前記検出手段に付与する。
第2の発明によると、選択手段により第1の油圧および第2の油圧のうちのいずれか大きい方の油圧が検出手段に付与される。そのため、元圧として必要な油圧を精度よく決定することができる。そのため、余剰な油圧を発生することなく第1の油圧および第2の油圧の元圧を発生させることができる。これにより、燃費の悪化を抑制することができる。
第3の発明に係る無段変速機においては、第1または2の発明の構成に加えて、第1の油圧は、無段変速機の変速比が予め定められた変速比よりも大きくなる場合に第2の油圧よりも小さくなり、予め定められた変速比よりも小さくなる場合に第2の油圧よりも大きくなる。
第3の発明によると、予め定められた変速比を基準として、第1の油圧と第2の油圧との大小関係が変わる。そのため、変速比により検出手段の検出結果が第1の油圧の検出結果であるか、第2の油圧の検出結果であるかを特定することができる。検出手段による検出結果が第1の油圧および第2の油圧のうちのいずれかであるかを特定することにより、第1の油圧および第2の油圧を精度よく検出することができる。
第4の発明に係る無段変速機においては、第3の発明の構成に加えて、予め定められた変速比は、駆動側プーリの回転数と従動側プーリの回転数が同一となる場合の変速比である。
第4の発明によると、駆動側プーリの回転数と従動側プーリの回転数とが同一となるときの変速比を基準として、第1の油圧と第2の油圧との大小関係が変わる。そのため、変速比により検出手段の検出結果が第1の油圧の検出結果であるか、第2の油圧の検出結果であるかを特定することができる。検出手段による検出結果が第1の油圧および第2の油圧のうちのいずれかであるかを特定することにより、第1の油圧および第2の油圧を精度よく検出することができる。
第5の発明に係る無段変速機においては、第1〜4のいずれかの発明の構成に加えて、選択手段は、ピストン形状のバルブと、バルブを摺動可能に収納する筐体とを含む。バルブは、摺動方向の一方端に作用する第1の油圧と他方端に作用する第2の油圧とにより移動する。選択手段は、バルブの位置に応じて第1、第2の油圧のうちのいずれか一方の油圧を検出手段に付与し、他方の油圧の検出手段への付与を遮断する。
第5の発明によると、選択手段は、第1の油圧および第2の油圧の変化に応じて第1の油圧および第2の油圧のうちのいずれか一方の油圧を検出手段に付与し、他方の油圧の検出手段への付与を遮断する。これにより、第1の油圧および第2の油圧のうちのいずれか一方の油圧を精度よく検出することができる。
第6の発明に係る無段変速機は、第1〜5のいずれかの発明の構成に加えて、無段変速機の変速比と第1、第2の油圧のうちのいずれか大きい方の油圧とに基づいて元圧を決定するための決定手段と、決定された元圧が発生するように元圧発生手段を制御するための元圧制御手段とをさらに含む。第10の発明に係る無段変速機の制御方法は、第6の発明に係る無段変速機と同様の特徴を有する。
第6の発明によると、変速比と第1の油圧および第2の油圧のうちのいずれか大きい方の油圧とに基づいて元圧を決定することにより、元圧として必要な油圧を精度よく決定することができる。特に、実測値を考慮して元圧として必要な油圧を決定するようにすると、余剰な油圧を発生することなく元圧を発生させることができる。
第7の発明に係る無段変速機は、第1〜6のいずれかの発明の構成に加えて、第1の油圧を供給する第1の油圧源と、第2の油圧を供給する第2の油圧源と、無段変速機の変速比を検出するための変速比検出手段と、無段変速機の定常状態を示す予め定められた条件が成立した場合に、第1、第2の油圧のうちのいずれか一方の油圧を維持しつつ、他方の油圧が増大するように第1、第2の油圧源とを制御するための学習制御手段と、変速比が変化を開始した時点における第1、第2の油圧に基づいて、駆動側プーリをベルトに押し付ける力と従動側プーリをベルトに押し付ける力とに基づく推力比を算出するための算出手段とをさらに含む。選択手段は、学習制御手段により一方の油圧の増大が開始するまでは、一方の油圧を検出手段に付与し、遅くとも変速比に変化が生じるまでに他方の油圧を検出手段に付与する。第12の発明に係る無段変速機の制御方法は、第7の発明に係る無段変速機と同様の特徴を有する。
第7の発明によると、無段変速機の定常状態を示す予め定められた条件が成立する場合に、一方の油圧を維持しつつ、他方の油圧を増大していくと変速比の変化が生じる。変速比が変化した時点における推力比(駆動側プーリをベルトに押し付ける力と従動側プーリをベルトに押し付ける力との比)を算出することにより、ベルト滑りや過度にベルトに力を付与することによる燃費の悪化の発生を抑制して、精度よく変速制御を実行することができる。また、推力比と第1の油圧および第2の油圧のうちのいずれか一方の油圧とから他方の油圧を推定することができるため、推力比の精度を向上させることにより、他方の油圧の推定精度を向上させることができる。したがって、プライマリ油圧およびセカンダリ油圧を精度よく推定するベルト式の無段変速機および無段変速機の制御方法を提供することができる。
第8の発明に係る無段変速機は、第7の発明の構成に加えて、無段変速機への入力トルクと変速比と推力比との関係を示すマップを記憶するための記憶手段と、算出手段の算出結果に応じてマップを更新するための更新手段とをさらに含む。第13の発明に係る無段変速機の制御方法は、第8の発明に係る無段変速機と同様の特徴を有する。
第8の発明によると、推力比の算出結果に応じてマップを更新することにより、入力トルクと変速比と推力比との関係を示すマップの精度を高くすることができる。そのため、推力比と第1の油圧および第2の油圧のうちのいずれか一方の油圧とに基づいて他方の油圧を精度よく推定することができる。
第9の発明に係る無段変速機は、第7または8の発明の構成に加えて、推力比と第1、第2の油圧のうちのいずれか一方の油圧とに基づいて他方の油圧を推定するための推定手段をさらに含む。第14の発明に係る無段変速機の制御方法は、第9の発明に係る無段変速機と同様の特徴を有する。
第9の発明によると、推力比と第1の油圧および第2の油圧のうちのいずれか一方の油圧とに基づいて他方の油圧を推定することにより、精度よく他方の油圧を得ることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
<第1の実施の形態>
図1を参照して、本実施の形態に係る無段変速機が搭載される車両のパワートレーンについて説明する。本実施の形態に係る無段変速機は、ベルト式無段変速機である。
図1に示すように、この車両のパワートレーンは、エンジン100と、無段変速機350と、ディファレンシャルギヤ800とを含む。
無段変速機350は、トルクコンバータ200と、前後進切換え装置290と、ベルト式無段変速機構300と、ECU(Electronic Control Unit)1000と、油圧制御部1100と、切換バルブ454と、油圧センサ430とを含む。
エンジン100の出力軸は、トルクコンバータ200の入力軸に接続される。エンジン100とトルクコンバータ200とは回転軸により連結されている。したがって、エンジン回転数センサ432により検出されるエンジン100の出力軸回転数NE(エンジン回転数NE)とトルクコンバータ200の入力軸回転数(ポンプ回転数)とは同じである。
トルクコンバータ200は、入力軸と出力軸とを直結状態にするロックアップクラッチ210と、入力軸側のポンプ羽根車220と、出力軸側のタービン羽根車230と、ワンウェイクラッチ250を有し、トルク増幅機能を発現するステータ240とから構成される。トルクコンバータ200とベルト式無段変速機構300とは、回転軸により接続される。トルクコンバータ200の出力軸回転数NT(タービン回転数NT)は、タービン回転数センサ400により検出される。
トルクコンバータ200とベルト式無段変速機構300との間には、オイルポンプ260が設けられる。オイルポンプ260は、たとえば、ギヤポンプであって、入力軸側のポンプ羽根車220が回転するとともに作動する。オイルポンプ260は、ライン圧制御部1130に油圧を供給する。
ベルト式無段変速機構300は、前後進切換え装置290を介在させてトルクコンバータ200に接続される。ベルト式無段変速機構300は、入力側のプライマリプーリ500と、出力側のセカンダリプーリ600と、プライマリプーリ500とセカンダリプーリ600とに巻き掛けられた金属製のベルト700とを含む。プライマリプーリ500は、プライマリシャフトに固定された固定シーブおよびプライマリシャフトに摺動のみ自在に支持されている可動シーブからなる。セカンダリプーリ600は、セカンダリシャフトに固定されている固定シーブおよびセカンダリシャフトに摺動のみ自在に支持されている可動シーブからなる。
プライマリプーリ500の油圧アクチュエータ(1)550には、作動油が給排されている。また、セカンダリプーリ600の油圧アクチュエータ(2)には、作動油が給排されている。変速は、各プーリ500,600の固定シーブと可動シーブとの間の溝幅を連続的に変化させることにより、ベルトの巻き掛け半径が大小に変化して行なわれる。
油圧制御部1100は、プライマリプーリ500の回転数を目標回転数に一致させる変速比となるように、プライマリプーリ500の油圧アクチュエータ(1)550に供給される油圧(以下、プライマリ油圧と記載する)を制御する。さらに、油圧制御部1100は、セカンダリプーリ600の可動シーブを固定シーブ側に押圧してベルトを挟みつけてトルクを伝達するのに必要な張力が発現するようにセカンダリプーリ600の油圧アクチュエータ(2)650に供給される油圧(以下、セカンダリ油圧と記載する)を制御する。
ベルト式無段変速機構300のプライマリプーリ500の回転数NINは、プライマリプーリ回転数センサ410により検出され、セカンダリプーリ600の回転数NOUTは、セカンダリプーリ回転数センサ420により検出される。
これら回転数センサは、プライマリプーリ500やセカンダリプーリ600の回転軸やこれに繋がるドライブシャフトに取付けられた回転検出用ギヤの歯に対向して設けられている。これらの回転数センサは、ベルト式無段変速機構300の、入力軸であるプライマリプーリ500や出力軸であるセカンダリプーリ600の僅かな回転の検出も可能なセンサであり、たとえば、一般的に半導体式センサと称される磁気抵抗素子を使用したセンサである。
前後進切換え装置290は、ダブルピニオンプラネタリギヤ、リバース(後進用)ブレーキB1および入力クラッチC1を有している。プラネタリギヤは、そのサンギヤが入力軸に連結されており、第1および第2のピニオンP1,P2を支持するキャリヤCRがプライマリ側固定シーブに連結されており、そしてリングギヤRが後進用摩擦係合要素となるリバースブレーキB1に連結されており、またキャリヤCRとリングギヤRとの間に入力クラッチC1が介在している。この入力クラッチ310は、前進クラッチやフォワードクラッチとも呼ばれ、パーキング(P)ポジション、Rポジション、Nポジション以外の車両が前進するときに必ず係合状態で使用される。
無段変速機350を制御するECU1000および油圧制御部1100について説明する。ECU1000には、タービン回転数センサ400からタービン回転数NTを表わす信号が、プライマリプーリ回転数センサ410からプライマリプーリ回転数NINを表わす信号が、セカンダリプーリ回転数センサ420からセカンダリプーリ回転数NOUTを表わす信号が、それぞれ入力される。ECU1000は、変速比=プライマリプーリ回転数NIN/セカンダリプーリ回転数NOUTより変速比を演算する。
油圧制御部1100は、変速速度制御部1110と、ベルト挟圧力制御部1120と、ライン圧制御部1130と、ロックアップ係合圧制御部1132と、クラッチ圧制御部1140と、マニュアルバルブ1150とを含む。ECU1000は、油圧制御部1100の変速制御用デューティソレノイド(1)1200と、変速制御用デューティソレノイド(2)1210と、ベルト挟圧力制御用リニアソレノイド1220と、ライン圧制御用リニアソレノイド1230と、ロックアップ係合圧制御用デューティソレノイド1240に対して制御信号を出力する。
変速速度制御部1110は、車輪速に基づく車速やアクセル開度に応じて、変速制御用デューティソレノイド(1)1200により、プライマリプーリ500の油圧アクチュエータへの作動油の流入量を制御することにより増速側の変速速度を制御する。さらに、変速速度制御部1110は、車輪速やアクセル開度に応じて、変速制御用デューティソレノイド(2)1210により、プライマリプーリ500の油圧アクチュエータ(1)550からの作動油の流出量を制御して減速側の変速速度を制御する。変速速度制御部1110によりプライマリプーリ500の油圧アクチュエータ(1)550に対する作動油の流入量と流出量とを制御することにより変速制御が行なわれる。
ベルト挟圧力制御部1120は、プライマリプーリ500の入力トルクと変速比とに応じてベルト挟圧力制御用リニアソレノイド1220により、セカンダリプーリ600の油圧アクチュエータ(2)650に供給される油圧を制御して、ベルト挟圧力を制御する。入力トルクは、たとえば、アクセルペダルの踏み込み量、スロットル開度、エンジン100の回転数または吸入空気量等に基づくエンジン100の出力トルクとトルクコンバータ200におけるトルク比とから推定されてもよいし、直接的に検出されてもよい。
ライン圧制御部1130は、ベルト挟圧力に対応するベルト挟圧力制御用リニアソレノイド1220に対する指示値とプライマリ油圧(推定値または実測値)とからライン圧制御用リニアソレノイド1230によりライン圧を制御する。
本実施の形態において「ライン圧」とは、油圧アクチュエータ(1)550に供給される油圧および油圧アクチュエータ(2)650に供給される油圧の元圧であって、オイルポンプ260により供給された油圧がレギュレータバルブ(図示せず)およびライン圧制御用リニアソレノイド1230により調圧された油圧である。
ライン圧制御部1130において制御されたライン圧は、変速制御用デューティソレノイド(1)1200、変速制御用デューティソレノイド(2)1210およびベルト挟圧力制御用リニアソレノイド1220に供給される。供給されたライン圧を用いてプライマリ油圧およびセカンダリ油圧が制御される。
ロックアップ係合圧制御部1132は、ロックアップ係合圧制御用デューティソレノイド1240によりロックアップクラッチ210の係合と解放の切換え、および、ロックアップクラッチ210の係合圧の漸増および漸減を制御する。
マニュアルバルブ1150は、運転者のシフトレバーの操作に連動して作動して、油路を切換える。クラッチ圧制御部1140は、入力クラッチC1またはリバースブレーキB1の係合時に、ライン圧制御用リニアソレノイド1230によりマニュアルバルブ1150を経由して供給される油圧を制御する。
ECU1000には、さらに車輪速センサ440からの車速を表す信号と、アクセルポジションセンサ442からのアクセルペダルの踏み込み量を表す信号と、エンジン回転数センサ432から、エンジン100の回転数(NE)を表わす信号が、それぞれ入力される。ECU1000は、CPU(Central Processing Unit)(図示せず)とメモリ1002とを含む。メモリ1002には、各種情報、プログラム、しきい値、マップ等が記憶され、必要に応じてCPUによってデータが読み出されたり、格納されたりする。
車輪速センサ440は、車輪(図示せず)の回転数を検出する。車輪速センサ440は、検出された車輪の回転数を示す車輪速信号をECU1000に送信する。なお、本実施の形態においては、車速が検出できれば、特に車輪の回転数を検出することに限定されるものではなく、たとえば、セカンダリプーリ回転数と無段変速機から駆動輪までの減速比とに基づいて車速を演算するようにしてもよい。
上述したような無段変速機が搭載された車両において、運転者がアクセルペダルを踏み込むと、ECU1000は、車速とアクセル開度とに応じて目標エンジン出力を設定する。ECU1000は、設定された目標エンジン出力がエンジン100の最適燃費線上で実現できるように目標変速比(あるいは、目標プライマリプーリ回転数)を設定する。
ECU1000は、目標変速比を設定すると実変速比(すなわち、実プライマリプーリ回転数と実セカンダリプーリ回転数との比に基づく変速比)が目標変速比に近づくように、変速制御用デューティソレノイド(1)1200、変速制御用デューティソレノイド(2)1210、ベルト挟圧力制御用リニアソレノイド1220およびライン圧制御用リニアソレノイド1230に対して制御信号を出力することによりフィードバック制御する。
たとえば、図2に示すように、車両の発進時において変速比は最減速側の変速比γmaxとされる。このとき、変速制御用デューティソレノイド(2)1210の制御によりプライマリプーリ500の油圧アクチュエータ(1)550に供給される作動油が流出されるため、プライマリ油圧は低下した状態となる。そのため、プライマリプーリ500においてベルト700の巻き掛け半径は最小の径となる。
プライマリ油圧が低い場合には、ベルト700の伝達トルクを確保する必要がある。そのため、プライマリ油圧が低下するほどセカンダリ油圧が上昇するようにベルト挟圧力制御用リニアソレノイド1220に対する指示値(以下、セカンダリ油圧の指示値ともいう)が出力される。すなわち、プライマリ油圧が低いほど、セカンダリプーリ600によるベルト挟圧力は上昇する。
このとき、ライン圧の指示値は、セカンダリ油圧の指示値に対応したベルト挟圧力を確保するため、セカンダリ油圧の指示値よりも予め定められた値だけ大きい値とされる。
車両の発進後の車速の増加あるいはアクセルペダルの踏み込み量の増加により目標変速比は、γmaxよりも低い値(図2の左側の値)に設定される。変速制御用デューティソレノイド(1)1200の制御により油圧アクチュエータ(1)550に対する作動油の流入量が増大されることによりプライマリ油圧が上昇する。プライマリ油圧の上昇によりベルト700のプライマリプーリ500に対する巻き掛け半径が大きくなる。さらに、セカンダリ油圧の指示値の低下とともに、ベルト挟圧力が低下する。これにより、セカンダリプーリ600に対するベルト700の巻き掛け半径が小さくなる。このため、変速比は小さくなる。
また、図2において、セカンダリ油圧の指示値がプライマリ油圧の推定値または実測値よりも大きくなる領域、すなわち、変速比が「1.0」よりも大きくなる変速比の領域(図2の変速比が「1.0」よりも右側の領域)においては、ライン圧はセカンダリ油圧の指示値に予め定められた値を加えた値とされる。そのため、ライン圧の指示値は、セカンダリ油圧の指示値の低下とともに低下する。
なお、本実施の形態において変速比が「1.0」(すなわち、駆動側プーリの回転数と従動側プーリの回転数が同一となる場合の変速比)を基準として、プライマリ油圧とセカンダリ油圧との大小関係が変わるとして説明するが、特に変速比が「1.0」であることに限定されるものではなく予め定められた変速比を基準としてプライマリ油圧とセカンダリ油圧との大小関係が変わるとしてもよい。
プライマリ油圧は、変速制御用デューティソレノイド(1)1200により流入量が増大していくことにより変速比が増速側に変化するほど(変速比が小さくなるほど)増大していく。そのため、変速比が「1.0」」よりも小さい変速比の領域(図2の変速比が「1.0」よりも左側の領域)になると、プライマリ油圧は、セカンダリ油圧の指示値よりも大きくなる。ライン圧の指示値は、プライマリ油圧を確保するため、必要なプライマリ油圧に予め定められた値を加えた値とされる。このため、ライン圧の指示値は、変速比が「1.0」よりも小さい領域においてはプライマリ油圧が増加するほど増加される。
このように変速制御されるベルト式無段変速機において、プライマリ油圧およびセカンダリ油圧を検出する場合に、プライマリ油圧およびセカンダリ油圧を検出する複数の油圧センサを設けるようにするとコストが上昇するという場合がある。また、プライマリ油圧およびセカンダリ油圧のうちのいずれか一方を検出する油圧センサを設ける場合、他方の油圧の推定精度が低いと、適切な変速を実行するために余剰な油圧を発生させる必要があり(すなわち、マージンが大きくなる)、その結果、燃費が悪化するという場合がある。
そこで、本発明は、無段変速機350に、プライマリ油圧およびセカンダリ油圧に応じて、プライマリ油圧およびセカンダリ油圧のうちのいずれか一方を油圧センサ430に選択的に付与する切換バルブ454が設けられる点に特徴を有する。
本実施の形態において、切換バルブ454は、プライマリ油圧がセカンダリ油圧を上回る場合にプライマリ油圧を油圧センサに付与し、セカンダリ油圧がプライマリ油圧を上回る場合にセカンダリ油圧を油圧センサ430に付与する。
図3に示すように、切換バルブ454は、ピストン形状のバルブ452と、バルブ452を摺動可能に収納する筐体450とを含む。バルブ452は、摺動方向の一方端に作用するプライマリ油圧と他方端に作用するセカンダリ油圧とにより移動する。切換バルブ454は、バルブ452の位置に応じてプライマリ油圧およびセカンダリ油圧のうちのいずれか一方の油圧が油圧センサ430に付与され、他方の油圧の油圧センサ430への付与を遮断する。
本実施の形態において、切換バルブ454は、バルブ452の移動条件が成立すると、プライマリ油圧を油圧センサ430に付与し、セカンダリ油圧の油圧センサ430への付与を遮断する。
本実施の形態において、バルブ452の移動条件は、「変速比」が「1.0」よりも小さいという条件であるとして説明するが、変速比の条件に加えて、変速制御用デューティソレノイド(1)1200および変速制御用デューティソレノイド(2)1210のうち少なくとも変速制御用デューティソレノイド(2)1210がオフされているという条件を含むようにしてもよい。
なお、本実施の形態において、変速比が「1.0」の場合においては、プライマリ油圧とセカンダリ油圧とは同じ油圧となる。また、プライマリ油圧とセカンダリ油圧とが同じ油圧である場合には、バルブ452は移動しない。そのため、油圧センサ430により検出される油圧は、実プライマリ油圧および実セカンダリ油圧を示す。
図4に、本実施の形態に係る無段変速機におけるECU1000の機能ブロック図を示す。
ECU1000は、入力部1310と、入力トルク・変速比決定部1300と、ベルト挟圧決定部1302と、Pin決定部1304と、ライン圧決定部1306と、油圧制御部1308とを含む。
入力部1310には、油圧センサ430からの油圧を示す信号と、車輪速センサ440からの車速を示す信号と、エンジン回転数センサ432からのエンジン回転数を示す信号と、アクセルポジションセンサ442からのアクセルペダルの踏み込み量を示す信号と、プライマリプーリ回転数センサ410からのプライマリプーリ回転数を示す信号と、セカンダリプーリ回転数センサ420からのセカンダリプーリ回転数を示す信号とが入力される。
入力トルク・変速比決定部1300は、入力トルクおよび目標変速比を決定する。入力トルクおよび目標変速比の決定については上述したとおりであるため、その詳細な説明は繰返さない。ベルト挟圧決定部1302は、入力トルクと目標変速比とに基づいて必要なベルト挟圧力(すなわち、セカンダリ油圧)を設定する。
Pin決定部1304は、目標変速比に対応する、変速に必要なプライマリ油圧Pinを決定する。Pin決定部1304は、たとえば、設定されたセカンダリ油圧と推力比とを用いて変速に必要なプライマリ油圧Pinを推定する。
なお、特に変速比が「1.0」よりも小さい領域においては、油圧センサ430により実プライマリ油圧を検出することができるため、Pin決定部1304は、設定されたセカンダリ油圧と推力比とに加えて、実プライマリ油圧に基づいて変速に必要なプライマリ油圧Pinを決定するようにしてもよい。たとえば、設定されたセカンダリ油圧と推力比とにより推定されるプライマリ油圧と油圧センサ430により検出された実プライマリ油圧との差が予め定められた値以上であると、推定されたプライマリ油圧に補正値を加算した値をプライマリ油圧Pinとして決定するようにしてもよい。
推力比は、推力比=Wout/Winの式より算出される。「Win」は、油圧アクチュエータ(1)550によるプライマリプーリ500のベルト700への押し付け力を表す。また、プライマリ油圧PinとWinとは、「Pin=(実推力Win−作動油に発生する遠心力による押し付け力−スプリング力)/受圧面積」の関係を有する。
ここで、「作動油に発生する遠心力による押し付け力」は、プライマリプーリ500の回転にともなって油圧アクチュエータ(1)550が回転する際に、内部に充填される作動油に発生する遠心力の作用によりプライマリプーリ500をベルト700に押し付ける力である。
また、「スプリング力」は、油圧が発生しない場合にスプリングを用いてプライマリプーリ500をベルト700に押し付ける力である。
同様に、「Wout」は、油圧アクチュエータ(2)650によるセカンダリプーリ600のベルト700への押し付け力を表す。また、セカンダリ油圧PoutとWoutとは、「Pout=(実推力Wout−作動油に発生する遠心力による押し付け力−スプリング力)/受圧面積」の関係を有する。
ライン圧決定部1306は、決定されたプライマリ油圧およびセカンダリ油圧のうちのいずれか大きい方の油圧に基づいてライン圧を決定する。なお、ライン圧決定部1306は、決定されたプライマリ油圧およびセカンダリ油圧に加えて、油圧センサ430の検出結果に基づいてライン圧を決定するようにしてもよい。
油圧センサ430の検出結果がプライマリ油圧であるかセカンダリ油圧であるかは変速比に基づいて判定することができる。たとえば、変速比が「1.0」よりも大きい場合においては、油圧センサ430の検出結果はセカンダリ油圧の検出結果を示し、変速比が「1.0」よりも小さい場合においては、油圧センサ430の検出結果はプライマリ油圧の検出結果を示す。
油圧制御部1308は、決定されたライン圧になるようにライン圧制御用リニアソレノイド1230に油圧制御信号を送信してライン圧を制御する。また、油圧制御部1308は、設定された目標変速比になるように、変速制御用デューティソレノイド(1)1200、変速制御用デューティソレノイド(2)1210およびベルト挟圧力制御用リニアソレノイド1220を制御する。
また、本実施の形態において、入力トルク・変速比決定部1300と、ベルト挟圧決定部1302と、Pin決定部1304と、ライン圧決定部1306と、油圧制御部1308とは、いずれもCPUがECU1000のメモリ1002に記憶されたプログラムを実行することにより実現される、ソフトウェアとして機能するものとして説明するが、ハードウェアにより実現されるようにしてもよい。なお、このようなプログラムは記憶媒体に記録されて車両に搭載される。
以下、図5を参照して、本実施の形態に係る無段変速機350のECU1000により実行されるプログラムの制御構造について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと記載する)100にて、ECU1000は、入力トルクおよび変速比を決定する。S102にて、ECU1000は、必要なベルト挟圧力(セカンダリ油圧Pout)を決定する。
S104にて、ECU1000は、無段変速機350の変速比が「1.0」よりも小さいか否かを判定する。変速比が「1.0」よりも小さいと(S104にてYES)、処理はS112に移される。もしそうでないと(S104にてNO)、処理はS106に移される。
S106にて、ECU1000は、ベルト挟圧力の指示値および変速比と入力トルクとに対応する推力比に基づいてプライマリ油圧Pinを決定する。
S108にて、ECU1000は、決定されたプライマリ油圧Pinおよびセカンダリ油圧Poutに基づいて、ライン圧を決定する。
S110にて、ECU1000は、決定されたライン圧になるようにライン圧制御用リニアソレノイド1230に対する油圧制御を実行する。さらに、ECU1000は、決定された変速比になるように、変速制御用デューティソレノイド(1)1200、変速制御用デューティソレノイド(2)1210およびベルト挟圧力制御用リニアソレノイド1220を制御する。
S112にて、ECU1000は、実プライマリ油圧を検出する。S114にて、ECU1000は、実プライマリ油圧、ベルト挟圧力の指示値および決定された変速比と入力トルクとに対応する推力比に基づいてプライマリ油圧Pinを決定し、決定されたプライマリ油圧Pinおよびセカンダリ油圧Poutに基づいて、ライン圧を決定する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく本実施の形態に係る無段変速機350の動作について図6を参照して説明する。
たとえば、車両が停止状態から発進する場合を想定すると、車両の発進時において変速比はγmaxとされる。車両の発進後の車速の増加あるいはアクセルペダルの踏み込み量の増加していくほど目標変速比は、入力トルクに応じてγmaxよりも小さい値が設定されていく(S100,S102)。変速比が「1.0」よりも小さくなると(S104にてYES)、実プライマリ油圧が油圧センサ430により検出され(S112)、実プライマリ油圧、ベルト挟圧力の指示値および決定された変速比と入力トルクとに対応する推力比に基づいてプライマリ油圧Pinが決定され、決定されたプライマリ油圧Pinおよびセカンダリ油圧Poutに基づいて、ライン圧が決定される(S114)。そして、決定されたライン圧になるように油圧制御が実行され、かつ、変速制御が行なわれる(S110)。
また、変速比が「1.0」よりも大きい場合には(S104にてNO)、セカンダリ油圧および推力比に基づいてプライマリ油圧およびライン圧が決定され(S106,S108)、油圧制御が実行される(S110)。
以上のようにして、本実施の形態に係る無段変速機および無段変速機の制御装置によると、ライン圧として、プライマリ油圧およびセカンダリ油圧のうちのいずれか高い方の油圧よりも高い油圧が発生する。切換バルブを有することにより、プライマリ油圧もセカンダリ油圧も直接検出することができるため、複数の油圧センサを設ける必要がない。そのため、コストの上昇を抑制することができる。また、プライマリ油圧およびセカンダリ油圧のうちのいずれか大きい方の油圧を選択的に油圧センサに付与するようにすると、プライマリ油圧およびセカンダリ油圧のうちのいずれか大きい方の油圧を精度よく検出することができる。そのため、余剰な油圧を発生することなく(図6に示すようにマージンを小さくして)プライマリ油圧およびセカンダリ油圧の元圧を発生させることができる。これにより、燃費の悪化を抑制することができる。したがって、プライマリ油圧およびセカンダリ油圧を精度よく検出するベルト式の無段変速機を提供することができる。
切換バルブによりプライマリ油圧およびセカンダリ油圧のうちのいずれか大きい方の油圧が油圧センサに付与される。そのため、元圧として必要な油圧を精度よく決定することができる。そのため、余剰な油圧を発生することなくプライマリ油圧およびセカンダリ油圧の元圧を発生させることができる。これにより、燃費の悪化を抑制することができる。
予め定められた変速比を基準として、第1の油圧と第2の油圧との大小関係が変わる。そのため、変速比により油圧センサの検出結果がプライマリ油圧の検出結果であるか、セカンダリ油圧の検出結果であるかを特定することができる。油圧センサによる検出結果がプライマリ油圧およびセカンダリ油圧のうちのいずれかであるかを特定することにより、プライマリ油圧およびセカンダリ油圧を精度よく検出することができる。
変速比とプライマリ油圧およびセカンダリ油圧のうちのいずれか大きい方の油圧とに基づいて元圧を決定することにより、元圧として必要な油圧を精度よく決定することができる。そのため、余剰な油圧を発生することなく元圧を発生させることができる。
<第2の実施の形態>
以下、第2の実施の形態に係る無段変速機および無段変速機の制御方法について説明する。本実施の形態に係る無段変速機は、上述の第1の実施の形態に係る無段変速機350の構成と比較して、ECU1000で実行されるプログラムの制御構造が異なる。それ以外の構成は、上述の第1の実施の形態に係る無段変速機350の構成と同じ構成である。それらについては同じ参照符号が付してある。それらの機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
本実施の形態においては、ECU1000が、無段変速機350の定常状態を示す予め定められた条件が成立した場合に、プライマリ油圧およびセカンダリ油圧のうちのいずれか一方の油圧を維持しつつ、他方の油圧が増大するように変速制御用デューティソレノイド(1)1200と、変速制御用デューティソレノイド(2)1210と、ベルト挟圧力制御用リニアソレノイド1220とを制御し、変速比が変化を開始した時点におけるプライマリ油圧およびセカンダリ油圧に基づいてプライマリプーリ500をベルト700に押し付ける力とセカンダリプーリ600をベルト700に押し付ける力との比である推力比を算出する点に特徴を有する。
本実施の形態においては、特に、セカンダリ油圧がプライマリ油圧よりも大きい領域において、無段変速機350の定常状態を示す予め定められた条件が成立した場合に、セカンダリ油圧を維持しつつ、プライマリ油圧が増大するように変速制御用デューティソレノイド(1)1200と、変速制御用デューティソレノイド(2)1210と、ベルト挟圧力制御用リニアソレノイド1220とを制御し、変速比が変化を開始した時点におけるプライマリ油圧およびセカンダリ油圧に基づいてプライマリプーリ500をベルト700に押し付ける力とセカンダリプーリ600をベルト700に押し付ける力との比である推力比を算出する構成を一例として説明する。
本実施の形態において、切換バルブ454は、セカンダリ油圧がプライマリ油圧よりも大きい領域において、プライマリ油圧の増大が開始される前にセカンダリ油圧を油圧センサ430に付与し、遅くとも変速比に変化が生じるまでにプライマリ油圧を油圧センサ430に付与するように作動すればよく、実験等により適合される。すなわち、切換バルブ454は、上記切換条件を満たしさえすれば、上述の第1の実施の形態で説明したような、プライマリ油圧がセカンダリ油圧を上回るとプライマリ油圧を油圧センサ430に付与し、セカンダリ油圧がプライマリ油圧を上回るとセカンダリ油圧を油圧センサ430に付与するものであってもよい。
さらに、ECU1000は、無段変速機350への入力トルクと変速比と推力比との関係を示すマップを記憶し、推力比の算出結果に応じてマップを更新する。
図7に、本実施の形態に係る無段変速機におけるECU1000の機能ブロック図を示す。
ECU1000は、入力部1310と、学習条件判定部1400と、学習制御実行部1402と、推力比算出部1404と、マップ更新部1406とを含む。
学習条件判定部1400は、無段変速機350の学習条件が成立するか否かを判定する。無段変速機350の学習条件とは、無段変速機350が定常状態であることを示す予め定められた条件である。すなわち、学習条件判定部1400は、車速、アクセル開度およびエンジン回転数および変速比の変化量が予め定められた値以下の一定の状態であると無段変速機350が定常状態であると判定する。
学習制御実行部1402は、学習条件が成立すると判定された場合に、セカンダリ油圧を維持した状態で、プライマリ油圧が増加するように変速制御用デューティソレノイド(1)1200と、変速制御用デューティソレノイド(2)1210と、ベルト挟圧力制御用リニアソレノイド1220とを制御する。なお、学習制御実行部1402は、セカンダリ油圧を維持するときの油圧センサ430によるセカンダリ油圧の実測値をメモリ1002を予め記憶しておく。
学習制御実行部1402は、変速比が変化を開始するまで、すなわち、変速比の変化量が変化前の変速比を基準として予め定められた値以上になるまで、学習制御を実行する。
推力比算出部1404は、メモリ1002に記憶しておいたセカンダリ油圧と、変速比の変化が開始した時点において油圧センサ430により検出されたプライマリ油圧に基づいて推力比を算出する。なお、推力比については、第1の実施の形態において説明したとおりであるため、その詳細な説明は繰返さない。また、推力比算出部1404は、算出された推力比を変速制御に用いるために、算出された推力比に予め定められた補正値を加算して、変速制御に適した推力比をさらに算出するようにしてもよい。
マップ更新部1406は、算出された推力比によりマップを更新する必要があると判断した場合には、メモリ1002に記憶されたマップ上の算出された推力比に対応する値を更新する。
なお、マップを更新する必要があるか否かの判断は、たとえば、マップの値と算出された値との差が予め定められた値以下である場合に行なうようにしてもよい。このようにすることにより、マップの特定の値だけが大きく変化して、他の値と不整合が生じることを防止することができる。
メモリ1002に記憶されるマップは、たとえば、図8に示されるような、横軸を変速比とし、縦軸を入力トルクとしたマップであってもよい。たとえば、変速比がγ(0)であって、入力トルクがTin(0)である場合を想定する。このとき、推力比としてS’(0)が算出された場合であって、かつ、マップの更新が必要であると判断された場合には、変速比γ(0)および入力トルクTin(0)に対応する推力比をS(0)をS’(0)に更新する。
同様に、変速比がγ(1)であって、入力トルクがTin(1)である場合を想定する。推力比としてS’(1)が算出された場合であって、かつ、マップの更新が不要であると判断された場合には、変速比γ(1)および入力トルクTin(1)に対応する推力比は、S(1)を維持する。
以下、図9を参照して、本実施の形態に係る無段変速機350のECU1000により実行されるプログラムの制御構造について説明する。
S200にて、ECU1000は、学習条件が成立するか否かを判定する。学習条件が成立すると(S200にてYES)、処理はS202に移される。もしそうでないと(S200にてNO)、処理はS200に戻される。
S202にて、ECU1000は、セカンダリ油圧が一定になるようにベルト挟圧力制御用リニアソレノイド1220を制御する。S204にて、ECU1000は、プライマリ油圧が予め定められた量だけ増加するように、変速制御用デューティソレノイド(1)1200および変速制御用デューティソレノイド(2)1210を制御する。
S206にて、ECU1000は、プライマリプーリ回転数とセカンダリプーリ回転数との比、すなわち、変速比に変化があるか否かを判定する。変速比に変化があると(S206にてYES)、処理はS208に移される。もしそうでないと(S206にてNO)、処理はS204に移される。
S208にて、ECU1000は、推力比を算出する。S210にて、ECU1000は、マップの更新が必要であるか否かを判定する。マップの更新が必要であると(S210にてYES)、処理はS212に移される。もしそうでないと(S210にてNO)、この処理は終了する。S212にて、ECU1000は、算出された推力比に基づいてマップを更新する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく本実施の形態に係る無段変速機350の動作について図10を参照しつつ説明する。
たとえば、車両が定常状態で走行しており、かつ、切換バルブ454がセカンダリ油圧を油圧センサ430に付与している場合を想定する。車速、アクセル開度およびエンジン回転数および変速比の変化量が予め定められた値以下であるため学習条件が成立する(S200にてYES)。
このとき、セカンダリ油圧が維持されつつ(S202)、セカンダリ油圧が油圧センサ430により実測される。そして、図10に示すように、時間の経過とともにプライマリ油圧が上昇され(S204)、時間T(0)にて、上昇したプライマリ油圧がPpr(1)よりも大きくなると、切換バルブ454のバルブ452の位置が移動する。そのため、セカンダリ油圧の油圧センサ430への付与が遮断されて、プライマリ油圧が油圧センサ430に付与されるため、油圧センサ430によりプライマリ油圧の実測が可能となる。
時間T(1)にて、変速比に変化が生じると(S206にてYES)、変化が生じた時点のプライマリ油圧Ppr(0)が記憶される。記憶されたプライマリ油圧Ppr(0)と記憶されたセカンダリ油圧とに基づいて推力比が算出される(S208)。算出された推力比によるマップの更新が必要であると判断された場合(S210にてYES)、算出された推力比に基づいてマップの更新が行なわれる(S212)。
以上のようにして、本実施の形態に係る無段変速機によると、無段変速機の定常状態を示す学習条件が成立する場合に、セカンダリ油圧を維持しつつ、プライマリ油圧を増大していくと変速比の変化が生じる。変速比が変化した時点における推力比を算出することにより、ベルト滑りや過度にベルトに力を付与することによる燃費の悪化の発生を抑制して、精度よく変速制御を実行することができる。また、推力比とプライマリ油圧およびセカンダリ油圧のうちのいずれか一方の油圧とから他方の油圧を推定することができるため、推力比の精度を向上させることにより、他方の油圧の推定精度を向上させることができる。したがって、プライマリ油圧およびセカンダリ油圧を精度よく推定するベルト式の無段変速機および無段変速機の制御方法を提供することができる。
推力比の算出結果に応じてマップを更新することにより、入力トルクと変速比と推力比との関係を示すマップの精度を高くすることができる。そのため、推力比とプライマリ油圧およびセカンダリ油圧のうちのいずれか一方の油圧とに基づいて他方の油圧を精度よく推定することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
第1の実施の形態に係る無段変速機の制御ブロック図である。 変速比の変化に対するプライマリ油圧とセカンダリ油圧とライン圧との変化を示す図(その1)である。 切換バルブの構成を示す図である。 第1の実施の形態におけるECUの機能ブロック図である。 第1の実施の形態におけるECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 変速比の変化に対するプライマリ油圧とセカンダリ油圧とライン圧との変化を示す図(その2)である。 第2の実施の形態におけるECUの機能ブロック図である。 変速比と入力トルクと推力比との関係を示すマップの一例を示す図である。 第2の実施の形態におけるECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 第2の実施の形態におけるECUの動作を示すタイミングチャートである。
符号の説明
100 エンジン、200 トルクコンバータ、210 ロックアップクラッチ、220 ポンプ羽根車、230 タービン羽根車、240 ステータ、250 ワンウェイクラッチ、260 オイルポンプ、290 前後進切換え装置、300 ベルト式無段変速機構、310 入力クラッチ、350 無段変速機、400 タービン回転数センサ、410 プライマリプーリ回転数センサ、420 セカンダリプーリ回転数センサ、430 油圧センサ、432 エンジン回転数センサ、440 車輪速センサ、442 アクセルポジションセンサ、450 筐体、452 バルブ、454 切換バルブ、500 プライマリプーリ、600 セカンダリプーリ、700 ベルト、800 ディファレンシャルギヤ、1000 ECU、1002 メモリ、1100 油圧制御部、1110 変速速度制御部、1120 ベルト挟圧力制御部、1130 ライン圧制御部、1132 ロックアップ係合圧制御部、1140 クラッチ圧制御部、1150 マニュアルバルブ、1220 ベルト挟圧力制御用リニアソレノイド、1230 ライン圧制御用リニアソレノイド、1240 ロックアップ係合圧制御用デューティソレノイド、1300 入力トルク・変速比決定部、1302 ベルト挟圧決定部、1304 Pin決定部、1306 ライン圧決定部、1308 油圧制御部、1310 入力部、1400 学習条件判定部、1402 学習制御実行部、1404 推力比算出部、1406 マップ更新部。

Claims (14)

  1. 駆動側プーリと、
    従動側プーリと、
    前記駆動側プーリの溝および前記従動側プーリの溝に巻き掛けられるベルトと、
    作動油の給排により生じる第1の油圧を用いて前記駆動側プーリの溝幅を変更する第1のアクチュエータと、
    作動油の給排により生じる第2の油圧を用いて前記従動側プーリの溝幅を変更する第2のアクチュエータと、
    前記第1、第2の油圧のうちのいずれか一方の油圧を検出するための検出手段と、
    前記第1、第2の油圧の元圧を発生するための元圧発生手段と、
    前記第1、第2の油圧に応じて、前記第1、第2の油圧のうちのいずれか一方を前記検出手段に選択的に付与するための選択手段とを含む、無段変速機。
  2. 前記選択手段は、前記第1の油圧が前記第2の油圧を上回る場合に前記第1の油圧を前記検出手段に付与し、前記第2の油圧が前記第1の油圧を上回る場合に前記第2の油圧を前記検出手段に付与する、請求項1に記載の無段変速機。
  3. 前記第1の油圧は、前記無段変速機の変速比が予め定められた変速比よりも大きくなる場合に前記第2の油圧よりも小さくなり、前記予め定められた変速比よりも小さくなる場合に前記第2の油圧よりも大きくなる、請求項1または2に記載の無段変速機。
  4. 前記予め定められた変速比は、前記駆動側プーリの回転数と前記従動側プーリの回転数が同一となる場合の変速比である、請求項3に記載の無段変速機。
  5. 前記選択手段は、ピストン形状のバルブと、前記バルブを摺動可能に収納する筐体とを含み、
    前記バルブは、前記摺動方向の一方端に作用する第1の油圧と他方端に作用する第2の油圧とにより移動し、
    前記選択手段は、前記バルブの位置に応じて前記第1、第2の油圧のうちのいずれか一方の油圧を前記検出手段に付与し、他方の油圧の前記検出手段への付与を遮断する、請求項1〜4のいずれかに記載の無段変速機。
  6. 前記無段変速機は、
    前記無段変速機の変速比と前記第1、第2の油圧のうちのいずれか大きい方の油圧とに基づいて前記元圧を決定するための決定手段と、
    前記決定された元圧が発生するように前記元圧発生手段を制御するための元圧制御手段とをさらに含む、請求項1〜5のいずれかに記載の無段変速機。
  7. 前記無段変速機は、
    前記第1の油圧を供給する第1の油圧源と、
    前記第2の油圧を供給する第2の油圧源と、
    前記無段変速機の変速比を検出するための変速比検出手段と、
    前記無段変速機の定常状態を示す予め定められた条件が成立した場合に、前記第1、第2の油圧のうちのいずれか一方の油圧を維持しつつ、他方の油圧が増大するように前記第1、第2の油圧源とを制御するための学習制御手段と、
    前記変速比が変化を開始した時点における前記第1、第2の油圧に基づいて、前記駆動側プーリを前記ベルトに押し付ける力と前記従動側プーリを前記ベルトに押し付ける力とに基づく推力比を算出するための算出手段とをさらに含み、
    前記選択手段は、前記学習制御手段により前記一方の油圧の増大が開始するまでは、前記一方の油圧を前記検出手段に付与し、遅くとも前記変速比に変化が生じるまでに前記他方の油圧を前記検出手段に付与する、請求項1〜6のいずれかに記載の無段変速機。
  8. 前記無段変速機は、
    前記無段変速機への入力トルクと前記変速比と前記推力比との関係を示すマップを記憶するための記憶手段と、
    前記算出手段の算出結果に応じて前記マップを更新するための更新手段とをさらに含む、請求項7に記載の無段変速機。
  9. 前記無段変速機は、前記推力比と前記第1、第2の油圧のうちのいずれか一方の油圧とに基づいて他方の油圧を推定するための推定手段をさらに含む、請求項7または8に記載の無段変速機。
  10. 無段変速機の制御方法であって、前記無段変速機は、駆動側プーリと、従動側プーリと、前記駆動側プーリの溝および前記従動側プーリの溝に巻き掛けられるベルトと、作動油の給排により生じる第1の油圧を用いて前記駆動側プーリの溝幅を変更する第1のアクチュエータと、作動油の給排により生じる第2の油圧を用いて前記従動側プーリの溝幅を変更する第2のアクチュエータと、前記第1、第2の油圧のうちのいずれか一方の油圧を検出するための検出装置と、前記第1、第2の油圧の元圧を発生するための元圧発生装置と、前記第1、第2の油圧に応じて、前記第1、第2の油圧のうちのいずれか一方を前記検出手段に選択的に付与するための選択部とを含み、
    前記制御方法は、
    前記検出装置から検出結果を受信する受信ステップと、
    前記無段変速機の変速比と前記第1、第2の油圧のうちのいずれか大きい方の油圧とに基づいて元圧を決定する決定ステップと、
    前記決定された元圧が発生するように前記元圧発生装置を制御する元圧制御ステップとを含む、無段変速機の制御方法。
  11. 前記選択部は、前記第1の油圧が前記第2の油圧を上回る場合に前記第1の油圧を前記検出装置に選択的に付与し、前記第2の油圧が前記第1の油圧を上回る場合に前記第2の油圧を前記検出装置に選択的に付与する、請求項10に記載の無段変速機の制御方法。
  12. 前記無段変速機は、前記第1の油圧を供給する第1の油圧源と、前記第2の油圧を供給する第2の油圧源とをさらに含み、
    前記制御方法は、
    前記無段変速機の変速比を検出する変速比検出ステップと、
    前記無段変速機の定常状態を示す予め定められた条件が成立した場合に、前記第1、第2の油圧のうちのいずれか一方の油圧を維持しつつ、他方の油圧が増大するように前記第1、第2の油圧源とを制御する学習制御ステップと、
    前記変速比が変化を開始した時点における第1、第2の油圧に基づいて、前記駆動側プーリを前記ベルトに押し付ける力と前記従動側プーリを前記ベルトに押し付ける力とに基づく推力比を算出する算出ステップとをさらに含み、
    前記選択部は、前記学習制御手段により前記一方の油圧の増大が開始するまでは、前記一方の油圧を前記検出手段に付与し、遅くとも前記変速比に変化が生じるまでに前記他方の油圧を前記検出手段に付与する、請求項10または11に記載の無段変速機の制御方法。
  13. 前記制御方法は、
    前記無段変速機への入力トルクと前記変速比と前記推力比との関係を示すマップを記憶する記憶ステップと、
    前記算出ステップにおける算出結果に応じて前記マップを更新する更新ステップとをさらに含む、請求項12に記載の無段変速機の制御方法。
  14. 前記制御方法は、前記推力比と前記第1、第2の油圧のうちのいずれか一方の油圧とに基づいて他方の油圧を推定する推定ステップをさらに含む、請求項12または13に記載の無段変速機の制御方法。
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