JP2010025183A - 自動調心ころ軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】高速回転下や高荷重下で使用した場合にも、保持器14の耐久性を十分に確保できる様にする。
【解決手段】上記保持器14の表面のうちで、各球面ころ3、3の転動面及び軸方向両側面と摺接する部分(各ポケット10、10の内面)と、案内輪5の外周面と摺接する部分とに、摩擦係数を低減させる表面硬化処理を施して、当該表面に表面硬化層15を形成する。
【選択図】図1
【解決手段】上記保持器14の表面のうちで、各球面ころ3、3の転動面及び軸方向両側面と摺接する部分(各ポケット10、10の内面)と、案内輪5の外周面と摺接する部分とに、摩擦係数を低減させる表面硬化処理を施して、当該表面に表面硬化層15を形成する。
【選択図】図1
Description
この発明は、例えば産業用機械、製紙機械、鉄鋼用圧延機等の、外部から大きな荷重、振動及び衝撃が加わり、しかも支承すべき回転軸が高速で回転する設備(特に製紙機械)等に組み込まれる、自動調心ころ軸受の改良に関する。具体的には、高速回転下や高荷重下で使用した場合にも、十分な耐久性を確保できる構造の実現を図るものである。
例えば重量の嵩む軸をハウジングの内側に回転自在に支承する為に従来から、例えば特許文献1、2等に記載された様な自動調心ころ軸受が使用されている。図5は、このうちの特許文献1に記載された自動調心ころ軸受を示している。この自動調心ころ軸受は、互いに同心に組み合わされた外輪1と内輪2との間に、複数の球面ころ3、3を転動自在に配列して成る。そして、1対の保持器4、4と案内輪5とにより、これら各球面ころ3、3の位置並びに姿勢を規制している。
上記外輪1の内周面には、単一の中心を有する球状凹面である外輪軌道6を形成している。又、上記内輪2の外周面の幅方向(図5の左右方向)両側に、それぞれが上記外輪軌道6と対向する、1対の内輪軌道7、7を形成している。又、上記各球面ころ3、3は、その最大径部が各球面ころ3、3の軸方向長さの中央部にある対称形(ビヤ樽形)としたもので、上記外輪軌道6と上記各内輪軌道7、7との間に、2列に分けて、両列毎に複数個ずつ、転動自在に設けている。
又、上記各保持器4、4は、鉄系合金板、銅系合金板等の金属板をプレス成形して成る、所謂プレス保持器であり、円錐筒状の主部8、8と、この主部8、8の小径側端縁部から直径方向内側に延びた内向フランジ部9、9とを、それぞれ有する。そして、このうちの主部8、8に、内外両周面を貫通する状態で複数のポケット10、10を形成して、これら各ポケット10、10にそれぞれ1個ずつ球面ころ3、3を、転動自在に保持している。
又、上記各ポケット10、10を形成した上記主部8の大径側端部内周面を、前記案内輪5の外周面にそれぞれ摺接させる事で、上記各保持器4、4を案内している(各保持器4、4の径方向の位置決めを図っている)。上記案内輪5は、上記2列に分けて配列された上記各球面ころ3、3同士の間に、回転自在に設けられている。そして、この案内輪5の両側面を、これら各球面ころ3、3の一端面に近接させる事で、これら各球面ころ3、3を案内(姿勢を規制)し、これら各球面ころ3、3の回転中心軸が正規の状態から傾斜する(スキューする)事を防止している。
上述の様に構成される自動調心ころ軸受により、例えばハウジングの内側に回転軸を支承する場合、前記外輪1をハウジングに内嵌固定し、前記内輪2を回転軸に外嵌固定する。この回転軸と共に内輪2が回転する場合には、上記各球面ころ3、3が転動して、この回転を許容する。又、上記ハウジングの軸心と上記回転軸の軸心とが不一致の場合には、上記外輪1の内側で上記内輪2が調心する(外輪1の中心軸に対し内輪2の中心軸を傾斜させる)事で、この不一致を補償する。この場合に、前記外輪軌道6は単一球面状に形成されている為、上記各球面ころ3、3の転動は、不一致補償後に於いても、円滑に行われる。
又、図6は、特許文献2に記載された自動調心ころ軸受を示している。この特許文献2に記載された構造の場合には、保持器4aを、金属材を削り加工して成る、所謂もみ抜き保持器としており、1個のリム部11と複数の柱部12、12とを備える。このうちのリム部11は、円環状で、両列の球面ころ3、3同士の間に配置されている。又、上記各柱部12、12は、それぞれの基端部を上記リム部11の軸方向両側面の円周方向等間隔の複数個所に結合した状態で、外輪1及び内輪2の軸方向に配置されている。この様な各柱部12、12の先端部はそれぞれ、他の部分と結合されない自由端としている。
そして、円周方向に隣り合う上記各柱部12、12同士の間部分を、上記各球面ころ3、3を転動自在に保持する為のポケット10、10としている。又、上記内輪2の両端部外周面に、それぞれ外向フランジ状の鍔部13、13を形成して、上記各球面ころ3、3が、上記外輪1の内周面と上記内輪2の外周面との間の空間から軸方向外方に抜け出ない様にしている。尚、図6に示した構造の場合には、前述の図5に示した構造の様な案内輪5(図5参照)を設けていない。この図6に示した構造の場合には、上記保持器4aの案内を、上記各ポケット10、10の内面と各球面ころ3、3の転動面との係合に基づいて行っている(径方向の位置決めを各球面ころ3、3により行っている)。
ところで、前述の図5に示した、特許文献1に記載された構造の場合には、長寿命化を図るべく、案内輪5の表面のうちで、各球面ころ3、3や各保持器4、4、内輪2と摺接する部分に、摩擦係数を低減する為の表面硬化層15を形成している。但し、この様な特許文献1に記載された構造の場合には、上記案内輪5の長寿命化を図れても、表面硬化層を形成していない保持器4の耐久性を十分に図れない可能性がある。即ち、高速回転下や高荷重下で使用した場合に、この保持器4の表面のうち、上記各球面ころ3、3や上記案内輪5と摺接する部分で、摩耗や発熱が増大する可能性がある。この様な摩耗や発熱の増大は、例えば摩耗粉の増大と温度上昇に伴うグリース性能の低下に繋がる可能性がある他、著しい場合には振動や異音の発生に繋がる可能性もあり、好ましくない。
一方、上述の図6に示した、特許文献2に記載された構造の場合には、球面ころ3、3を保持器4aに組み付ける際に、これら各球面ころ3、3の転動面が損傷するのを防止すべく、この保持器4aを構成する各ポケット10、10の内面に、摩擦係数を低減する為の表面硬化層15を形成している。但し、この様な特許文献2に記載された構造の場合には、上記保持器4aの表面のうちで、上記各球面ころ3、3と摺接する部分の耐久性の確保を図れても、例えば前述の図5に示した様な案内輪5(図5)により保持器4aを案内する構造を採用した場合に、この案内輪5と摺接する部分の耐久性を十分に確保できない可能性がある。即ち、高速回転下や高荷重下で使用した場合に、上記保持器4aの表面のうち、この案内輪5と摺接する部分で、摩耗や発熱が増大する可能性があり、著しい場合にはグリース性能の低下や異音の発生に繋がる可能性もある。
尚、本発明に関連するその他の先行技術文献、即ち、表面硬化処理に関する先行技術文献として、例えば特許文献3〜5がある。
尚、本発明に関連するその他の先行技術文献、即ち、表面硬化処理に関する先行技術文献として、例えば特許文献3〜5がある。
本発明の自動調心ころ軸受は、上述の様な事情に鑑み、案内輪により保持器を案内する構造で、高速回転下や高荷重下で使用した場合にも、この保持器の耐久性を十分に確保できる構造を実現すべく発明したものである。
本発明の自動調心ころ軸受は、前述した従来から知られている自動調心ころ軸受と同様に、外輪と、内輪と、複数の球面ころと、保持器と、案内輪とを備える。
このうちの外輪は、内周面に球状凹面である外輪軌道を設けている。
又、上記内輪は、外周面に上記外輪軌道と対向する1対の内輪軌道を設けている。
又、上記各球面ころは、それぞれがビヤ樽形のもので、上記外輪軌道と内輪軌道との間に、2列に分けて、両列毎に複数個ずつ、転動自在に設けられている。
又、上記保持器は、上記各球面ころを転動自在に保持する複数のポケットを有する。
更に、上記案内輪は、上記両列の球面ころの互いに対向する軸方向内端面同士の間に挟持されている。
このうちの外輪は、内周面に球状凹面である外輪軌道を設けている。
又、上記内輪は、外周面に上記外輪軌道と対向する1対の内輪軌道を設けている。
又、上記各球面ころは、それぞれがビヤ樽形のもので、上記外輪軌道と内輪軌道との間に、2列に分けて、両列毎に複数個ずつ、転動自在に設けられている。
又、上記保持器は、上記各球面ころを転動自在に保持する複数のポケットを有する。
更に、上記案内輪は、上記両列の球面ころの互いに対向する軸方向内端面同士の間に挟持されている。
特に、本発明の自動調心ころ軸受に於いては、上記保持器の表面のうちで、上記各球面ころ(の転動面及び軸方向側面)と摺接する部分(各ポケットの内面)と、上記案内輪の表面と摺接する部分とのうちの少なくとも何れか(好ましくは両方)に、摩擦係数を低減させる表面硬化処理を施している。
又、この様な本発明を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した発明の様に、表面硬化処理により形成される表面硬化層を、ショットピーニング処理により形成されるショットピーニング層とする。そして、このショットピーニング層の表面粗さの最大高さ(最大粗さ)を2.5μm以下とする。又、この場合により好ましくは、請求項3に記載した発明の様に、このショットピーニング層の表面硬度を、ビッカース硬さでHv800以上とする。又、請求項4に記載した発明の様に、このショットピーニング層の表面に、固体潤滑剤が分散された被膜を形成する。又、請求項5に記載した発明の様に、このショットピーニング層を、ショットピーニング処理に基づき浸透メッキされたものとする。
尚、ショットピーニング層を形成する技術に関しては、前記特許文献1に、固体潤滑剤が分散された被膜を形成する技術に関しては、前記特許文献1、3に、ショットピーニング処理に基づき浸透メッキする技術に関しては、前記特許文献4に、それぞれ詳しく記載されている。
尚、ショットピーニング層を形成する技術に関しては、前記特許文献1に、固体潤滑剤が分散された被膜を形成する技術に関しては、前記特許文献1、3に、ショットピーニング処理に基づき浸透メッキする技術に関しては、前記特許文献4に、それぞれ詳しく記載されている。
又、上述の様な本発明を実施する場合に好ましくは、請求項6に記載した発明の様に、表面硬化処理により形成される表面硬化層を、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)層とする。又、請求項7に記載した様に、表面硬化処理により形成される表面硬化層を、セラミックス層とする事もできる。
尚、ダイヤモンドライクカーボン層を形成する技術、並びに、セラミックス層を形成する技術に関しては、前記特許文献1、2、5に、それぞれ詳しく記載されている。
尚、ダイヤモンドライクカーボン層を形成する技術、並びに、セラミックス層を形成する技術に関しては、前記特許文献1、2、5に、それぞれ詳しく記載されている。
上述の様な構成を有する本発明の自動調心ころ軸受によれば、高速回転下や高荷重下で使用した場合にも、保持器の耐久性を十分に確保できる。
即ち、この保持器の表面のうち、各球面ころと摺接する部分と案内輪の表面と摺接する部分とのうちの少なくとも何れか(好ましくは両方)に、摩擦係数を低減させる表面硬化処理を施している為、この部分の耐摩耗性、延いては、耐久性を十分に確保できる。この結果、この様な摺接部分で、摩耗や発熱が増大する事を防止できると共に、グリース性能の低下や異音の発生も防止できる。
即ち、この保持器の表面のうち、各球面ころと摺接する部分と案内輪の表面と摺接する部分とのうちの少なくとも何れか(好ましくは両方)に、摩擦係数を低減させる表面硬化処理を施している為、この部分の耐摩耗性、延いては、耐久性を十分に確保できる。この結果、この様な摺接部分で、摩耗や発熱が増大する事を防止できると共に、グリース性能の低下や異音の発生も防止できる。
[実施の形態の第1例]
図1〜2は、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例の特徴は、高速回転下や高荷重下で使用した場合にも、耐久性を十分に確保すべく、保持器14、14の性状を工夫した点にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図5〜6に示した従来構造と同様であるから、同等部分に関する説明は省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
図1〜2は、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例の特徴は、高速回転下や高荷重下で使用した場合にも、耐久性を十分に確保すべく、保持器14、14の性状を工夫した点にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図5〜6に示した従来構造と同様であるから、同等部分に関する説明は省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
本例の自動調心ころ軸受を構成する各保持器14、14は、前述の図5に示した保持器4、4(図5)と同様に、炭素鋼板、ステンレス鋼板の如き鉄系合金板等の金属板をプレス成形して成る、所謂プレス保持器としており、円錐筒状の主部8、8と、この主部8、8の小径側端縁部から直径方向内側に延びた内向フランジ部9、9とを、それぞれ有する。そして、このうちの主部8、8に、内外両周面を貫通する状態で複数のポケット10、10を形成して、これら各ポケット10、10にそれぞれ1個ずつ球面ころ3、3を、転動自在に保持している。
特に、本例の場合には、上記各保持器14、14の表面のうちで、上記各球面ころ3、3の転動面及び軸方向両側面と摺接する部分(各ポケット10、10の内面)と、案内輪5の外周面と摺接する部分とに、摩擦係数を低減させる表面硬化処理を施して、当該表面に厚さ3μm程度の表面硬化層15を形成している。この様な表面硬化層15としては、例えばショットピーニング処理により形成されるショットピーニング層とする事ができる。尚、この様なショットピーニング層を形成する場合には、その表面の表面粗さの最大高さ(最大粗さ)を2.5μm以下とし、表面硬度をビッカース硬さでHv800以上とする事が好ましい。これらの条件を満せば、相手面との摺接部に存在する潤滑膜の確保と、耐摩耗性の確保とを図れる。又、上述の様なショットピーニング層の表面に、固体潤滑剤が分散された被膜を形成する事も好ましい。
尚、この様なショットピーニング層を形成する技術に関しては、前記特許文献1、3に詳しく記載されている。例えば、このうちの特許文献1の段落[0028]〜[0033]部分等に記載された、案内輪の表面に施す表面硬化処理(ショットピーニング処理)を、本例の保持器14、14の表面に施す表面硬化処理として採用できる。
又、必要に応じて、上述の様なショットピーニング層を、ショットピーニング処理に基づき浸透メッキ(常温拡散・浸透メッキ)されたものとする事も好ましい。この様なショットピーニング処理に基づき浸透メッキする技術に関しては、前記特許文献4に詳しく記載されている。例えば、この特許文献4の[請求項2]部分等に記載された常温拡散・浸透メッキ方法を、本例の保持器14、14の表面に施す表面硬化処理として採用できる。
又、必要に応じて、上述の様なショットピーニング層を、ショットピーニング処理に基づき浸透メッキ(常温拡散・浸透メッキ)されたものとする事も好ましい。この様なショットピーニング処理に基づき浸透メッキする技術に関しては、前記特許文献4に詳しく記載されている。例えば、この特許文献4の[請求項2]部分等に記載された常温拡散・浸透メッキ方法を、本例の保持器14、14の表面に施す表面硬化処理として採用できる。
尚、表面硬化処理により形成される表面硬化層15を、上述の様なショットピーニング層に代えて、ダイヤモンドライクカーボン層としたり、或は、セラミックス層としたりする事もできる。尚、この様なダイヤモンドライクカーボン(DLC)層を形成する技術、並びに、セラミックス層を形成する技術に関しては、前記特許文献1、2、5に、それぞれ詳しく記載されている。例えば、このうちの特許文献1の段落[0034]〜[0036]部分等に記載された、案内輪の表面に施す表面硬化処理(ダイヤモンドライクカーボン層やセラミックス層を形成する処理)を、本例の保持器14の表面に施す表面硬化処理として採用できる。
上述の様な構成を有する本例の自動調心ころ軸受によれば、高速回転下や高荷重下で使用した場合にも、保持器14、14の耐久性を十分に確保できる。
即ち、これら各保持器14、14の表面のうち、各球面ころ3、3と摺接する部分、及び、案内輪5の外周面と摺接する部分に、摩擦係数を低減させる表面硬化層15を形成している。この為、この部分(表面硬化層15を形成した部分)の耐摩耗性、延いては、耐久性を十分に確保でき、この部分で、摩耗や発熱が増大する事を防止できると共に、グリース性能の低下や異音の発生も防止できる。
尚、上記案内輪5の表面にも、摩擦係数を低減させる表面硬化処理を施して、当該表面にも表面硬化層15を形成する事は自由である。
即ち、これら各保持器14、14の表面のうち、各球面ころ3、3と摺接する部分、及び、案内輪5の外周面と摺接する部分に、摩擦係数を低減させる表面硬化層15を形成している。この為、この部分(表面硬化層15を形成した部分)の耐摩耗性、延いては、耐久性を十分に確保でき、この部分で、摩耗や発熱が増大する事を防止できると共に、グリース性能の低下や異音の発生も防止できる。
尚、上記案内輪5の表面にも、摩擦係数を低減させる表面硬化処理を施して、当該表面にも表面硬化層15を形成する事は自由である。
[実施の形態の第2例]
図3〜4は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、保持器14aを、前述の図6に示した保持器4a(図6)と同様に、例えば銅或いは真鍮(高力黄銅を含む)等の銅系合金、又は、炭素鋼、ステンレス鋼等の鉄系合金製の素材に切削加工乃至研削加工を施す事により一体に造られた、所謂もみ抜き保持器としている。この様な本例の保持器14aは、1個のリム部11と複数の柱部12、12とを備える。このうちのリム部11は、円環状で、両列の球面ころ3、3同士の間に配置されている。又、上記各柱部12、12は、それぞれの基端部を上記リム部11の軸方向両側面の円周方向等間隔の複数個所に結合した(一体に連続させた)状態で、図3に示した中立状態で外輪1及び内輪2の中心軸と平行に、或いは、上記各球面ころ3、3の軸方向に対し、ほぼ(加工誤差を除きできる限り)平行に配置されている。そして、円周方向に隣り合う上記各柱部12、12同士の間部分を、上記各球面ころ3、3を転動自在に保持する為のポケット10、10としている。又、本例の場合には、上記保持器14aのリム部11の内周面を、内輪2の中間部外周面で上記各球面ころ3、3の互いに対向する軸方向内端面同士の間に挟持した案内輪5の外周面に摺接させる事で、この保持器4の径方向の位置決めを図っている。
図3〜4は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、保持器14aを、前述の図6に示した保持器4a(図6)と同様に、例えば銅或いは真鍮(高力黄銅を含む)等の銅系合金、又は、炭素鋼、ステンレス鋼等の鉄系合金製の素材に切削加工乃至研削加工を施す事により一体に造られた、所謂もみ抜き保持器としている。この様な本例の保持器14aは、1個のリム部11と複数の柱部12、12とを備える。このうちのリム部11は、円環状で、両列の球面ころ3、3同士の間に配置されている。又、上記各柱部12、12は、それぞれの基端部を上記リム部11の軸方向両側面の円周方向等間隔の複数個所に結合した(一体に連続させた)状態で、図3に示した中立状態で外輪1及び内輪2の中心軸と平行に、或いは、上記各球面ころ3、3の軸方向に対し、ほぼ(加工誤差を除きできる限り)平行に配置されている。そして、円周方向に隣り合う上記各柱部12、12同士の間部分を、上記各球面ころ3、3を転動自在に保持する為のポケット10、10としている。又、本例の場合には、上記保持器14aのリム部11の内周面を、内輪2の中間部外周面で上記各球面ころ3、3の互いに対向する軸方向内端面同士の間に挟持した案内輪5の外周面に摺接させる事で、この保持器4の径方向の位置決めを図っている。
特に、本例の場合には、上記保持器14aの表面のうちで、上記各球面ころ3、3の転動面及び軸方向両側面と摺接する部分(各ポケット10、10の内面)と、案内輪5の外周面と摺接する部分とに、摩擦係数を低減させる表面硬化処理を施して、当該表面に表面硬化層15を形成している。この様な表面硬化層15としては、前述の実施の形態の第1例の構造と同様に、例えばショットピーニング層やダイヤモンドライクカーボン層、或は、セラミックス層を採用できる。
その他の部分の構造及び作用は、前述した実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
その他の部分の構造及び作用は、前述した実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
1 外輪
2 内輪
3 球面ころ
4、4a 保持器
5 案内輪
6 外輪軌道
7 内輪軌道
8 主部
9 内向フランジ部
10 ポケット
11 リム部
12 柱部
13 鍔部
14、14a 保持器
15 表面硬化層
2 内輪
3 球面ころ
4、4a 保持器
5 案内輪
6 外輪軌道
7 内輪軌道
8 主部
9 内向フランジ部
10 ポケット
11 リム部
12 柱部
13 鍔部
14、14a 保持器
15 表面硬化層
Claims (7)
- 内周面に球状凹面である外輪軌道を設けた外輪と、外周面にこの外輪軌道と対向する1対の内輪軌道を設けた内輪と、これら外輪軌道と内輪軌道との間に、2列に分けて、両列毎に複数個ずつ転動自在に設けられた球面ころと、これら各球面ころを転動自在に保持する複数のポケットを有する保持器と、上記両列の球面ころの互いに対向する軸方向内端面同士の間に挟持された案内輪とを備えた
自動調心ころ軸受に於いて、
上記保持器の表面のうちで、上記各球面ころと摺接する部分と、上記案内輪の表面と摺接する部分とのうちの少なくとも何れかの部分に、摩擦係数を低減させる表面硬化処理を施した
事を特徴とする自動調心ころ軸受。 - 表面硬化処理により形成される表面硬化層が、ショットピーニング処理により形成されたショットピーニング層であり、このショットピーニング層の表面粗さの最大高さを2.5μm以下とした、
請求項1に記載した自動調心ころ軸受。 - ショットピーニング層の表面硬度をHv800以上とした、
請求項2に記載した自動調心ころ軸受。 - ショットピーニング層の表面に、固体潤滑剤が分散された被膜を形成した、
請求項2〜3のうちの何れか1項に記載した自動調心ころ軸受。 - ショットピーニング層が、ショットピーニング処理に基づき浸透メッキされたものである、
請求項2〜4のうちの何れか1項に記載した自動調心ころ軸受。 - 表面硬化処理により形成される表面硬化層が、ダイヤモンドライクカーボン層である、
請求項1に記載した自動調心ころ軸受。 - 表面硬化処理により形成される表面硬化層が、セラミックス層である、
請求項1に記載した自動調心ころ軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008185521A JP2010025183A (ja) | 2008-07-17 | 2008-07-17 | 自動調心ころ軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008185521A JP2010025183A (ja) | 2008-07-17 | 2008-07-17 | 自動調心ころ軸受 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2010025183A true JP2010025183A (ja) | 2010-02-04 |
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JP2008185521A Withdrawn JP2010025183A (ja) | 2008-07-17 | 2008-07-17 | 自動調心ころ軸受 |
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JP (1) | JP2010025183A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102606619A (zh) * | 2012-03-28 | 2012-07-25 | 袁伟民 | 带组合式保持架的滚动轴承 |
JP2014025529A (ja) * | 2012-07-26 | 2014-02-06 | Ntn Corp | 自動調心ころ軸受 |
-
2008
- 2008-07-17 JP JP2008185521A patent/JP2010025183A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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