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JP2010021113A - リチウムイオン二次電池の製造法 - Google Patents

リチウムイオン二次電池の製造法 Download PDF

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JP2010021113A
JP2010021113A JP2008183010A JP2008183010A JP2010021113A JP 2010021113 A JP2010021113 A JP 2010021113A JP 2008183010 A JP2008183010 A JP 2008183010A JP 2008183010 A JP2008183010 A JP 2008183010A JP 2010021113 A JP2010021113 A JP 2010021113A
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Yukihiro Okada
行広 岡田
Yoshiyuki Muraoka
芳幸 村岡
Hideaki Fujita
秀明 藤田
Masao Fukunaga
政雄 福永
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Abstract

【課題】正極合剤層の表面に多孔質絶縁膜を形成する場合の不具合を抑制するとともに優れた特性のリチウムイオン二次電池を製造する。
【解決手段】正極活物質および水を含む正極ペーストを正極集電体の表面に塗布して正極合剤層を形成する工程と、無機酸化物フィラーおよび有機溶媒を含む絶縁ペーストを正極合剤層の表面に塗布して多孔質絶縁膜を形成する工程とを含み、正極活物質が、リチウムおよびニッケルを含む複合酸化物を含み、複合酸化物に含まれるNiのLiに対するモル比が60モル%以下であるリチウムイオン二次電池の製造法。
【選択図】図2

Description

本発明は、正極集電体の表面に正極合剤層を形成することにより正極を作製する工程と、正極合剤層の表面に多孔質絶縁膜を形成する工程とを含むリチウムイオン二次電池の製造法に関し、特に、正極合剤層の表面に多孔質絶縁膜を形成する技術に関する。
リチウムイオン二次電池は、正極と負極との間に、これらの極板を電気的に絶縁し、さらに非水電解質を保持する役目をもつセパレータを有する。リチウムイオン二次電池のセパレータには、現在、主にポリエチレンからなる微多孔薄膜シートが用いられている。このような薄膜シートを用いる場合、電池の製造工程において極板から脱落した活物質や電池内に混入した異物が薄膜シートを貫通することがあり、内部短絡が発生する可能性がある。
リチウムイオン二次電池の内部短絡の発生を防止するとともに、短絡部の拡大を防止する有効な手段として、無機酸化物フィラーと結着剤とを含む多孔質絶縁膜を正極または負極の表面に形成することが提案されている(特許文献1)。
多孔質絶縁膜は、通常、無機酸化物フィラーおよび結着剤を含む合剤と、液状成分との混合物である絶縁ペーストを調製し、絶縁ペーストを極板の表面に塗布し、乾燥することにより形成される。
特許第3371301号公報
多孔質絶縁膜は、一般に正極よりも幅広な負極の表面に形成されることが多い。しかし、例えばハイブリッド電気自動車(HEV)、電気自動車、電動工具などの電源のように、高出力が要求される電池の場合、負極に多孔質絶縁膜を形成すると、十分な高出力が発揮できない場合がある。このような場合には、負極よりも正極の表面に多孔質絶縁膜を形成することが望ましい。
正極は、一般に、正極集電体の表面に正極合剤層を形成することにより作製される。正極合剤層は、正極活物質および結着剤を含む合剤と、液状成分との混合物である正極ペーストを調製し、正極ペーストを集電体の表面に塗布することにより形成される。また、多孔質絶縁膜は、無機酸化物フィラーおよび結着剤と、液状成分との混合物である絶縁ペーストを調製し、絶縁ペーストを集電体の表面に塗布することにより形成される。
正極ペーストと絶縁ペーストとが共に有機溶媒を含む場合、絶縁ペーストの塗工時に、下地となる正極合剤層が損傷を受けやすいという問題がある。
近年、高容量化の要望から、Niを含有する正極活物質(例えばLiNiO2)が有望視されている。Niを含有する正極活物質は、水に対する耐性が低いことが知られている。そこで、正極ペーストの調製の際には、N−メチル−2−ピロリドンなどの有機溶媒が液状成分として用いられている。
多孔質絶縁膜を正極合剤層の表面に形成する場合にも、絶縁ペーストが水を含むと、絶縁ペーストから水が正極合剤層に浸透し、Niを含有する正極活物質を劣化させる。よって、絶縁ペーストの調製の際にも、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキサノンなどの有機溶媒が液状成分として用いられている。
Niを含有する正極活物質を用いる場合、正極ペーストの液状成分に有機溶媒を用い、正極合剤層の表面に塗布する絶縁ペーストの液状成分にも有機溶媒を用いると、正極合剤層が損傷を受けやすく、絶縁ペーストの塗工が困難である。
一方、正極活物質におけるNi含有量を制御することにより、正極ペーストおよび絶縁ペーストの液状成分に水を用いることが可能であることが判明した。
そこで、本発明の一態様は、正極集電体の表面に正極合剤層を形成することにより正極を作製する工程Aと、正極合剤層の表面に多孔質絶縁膜を形成する工程Bと、負極集電体の表面に負極合剤層を形成することにより負極を作製する工程Cとを含み、工程Aは、正極活物質および水を含む正極ペーストを調製する工程と、正極ペーストを正極集電体の表面に塗布する工程とを含み、工程Bは、無機酸化物フィラーおよび有機溶媒を含む絶縁ペーストを調製する工程と、絶縁ペーストを正極合剤層の表面に塗布する工程とを含むリチウムイオン二次電池の製造法に関する。
正極活物質は、リチウムおよびニッケルを含む複合酸化物を含む。ただし、複合酸化物に含まれるNiのLiに対するモル比は60モル%以下とする必要がある。
リチウムおよびニッケルを含む複合酸化物は、更に、マンガンおよびコバルトを含むことが好ましい。この場合、MnのLiに対するモル比が20〜40モル%であり、CoのLiに対するモル比が10〜40モル%であることが好ましい。
リチウムおよびニッケルを含む複合酸化物は、超格子構造を有することが好ましい。
本発明の別の一態様は、正極集電体の表面に正極合剤層を形成することにより正極を作製する工程Aと、正極合剤層の表面に多孔質絶縁膜を形成する工程Bと、負極集電体の表面に負極合剤層を形成することにより負極を作製する工程Cとを含み、工程Aは、正極活物質および有機溶媒を含む正極ペーストを調製する工程と、正極ペーストを正極集電体の表面に塗布する工程とを含み、工程Bは、無機酸化物フィラーおよび水を含む絶縁ペーストを調製する工程と、絶縁ペーストを正極合剤層の表面に塗布する工程とを含むリチウムイオン二次電池の製造法に関する。
本発明の更に別の一態様は、正極集電体の表面に正極合剤層を形成することにより正極を作製する工程Aと、正極合剤層の表面に多孔質絶縁膜を形成する工程Bと、負極集電体の表面に負極合剤層を形成することにより負極を作製する工程Cとを含み、工程Aは、正極活物質および水を含む正極ペーストを調製する工程と、正極ペーストを正極集電体の表面に塗布する工程とを含み、工程Bは、無機酸化物フィラーおよび水を含む絶縁ペーストを調製する工程と、絶縁ペーストを正極合剤層の表面に塗布する工程とを含むリチウムイオン二次電池の製造法に関する。
本発明によれば、正極合剤層の表面に多孔質絶縁膜を形成する場合の不具合を抑制するとともに、高出力かつ高容量(例えば定格容量3Ah以上)のリチウムイオン二次電池を提供することができる。本発明は、特に、HEVなどの高出力電池の製造法として有効である。
第1実施形態
まず、正極を作製する工程Aについて説明する。
工程Aは、正極活物質および水を含む正極ペーストを調製する工程と、正極ペーストを正極集電体の表面に塗布する工程とを含む。正極集電体の表面に塗布されたペーストを乾燥させ、必要に応じて圧延することにより、正極合剤層が形成される。
正極ペーストは、正極活物質の他に、任意成分として、結着剤、導電剤などを含むことができる。一般的な正極ペーストは、正極活物質、結着剤および導電剤を含む正極合剤を含む。結着剤および導電剤の量は、当業者が適宜選択可能である。
正極ペーストは、液状成分として、水の他に、少量の有機溶媒を含むことができる。ただし、液状成分中、水の量が80〜100重量%を占めることが望ましく、100重量%が水であることが更に望ましい。
正極活物質は、リチウムおよびニッケルを含む複合酸化物を含む。複合酸化物は、酸素の立方最密充填構造を有することが望ましい。複合酸化物に含まれるNiのLiに対するモル比は、60モル%以下であり、30〜55モル%であることが好ましい。NiのLiに対するモル比が60モル%を超えると、正極ペーストまたは絶縁ペースト中の水により、正極活物質が劣化する可能性が高くなる。
リチウムおよびニッケルを含む複合酸化物は、更に、マンガンおよびコバルトを含むことが好ましい。この場合、MnのLiに対するモル比が20〜40モル%であり、CoのLiに対するモル比が10〜40モル%であることが好ましい。このような組成を有する正極活物質は、高エネルギー密度を有しつつ、極めて安定であり、水に対する耐性にも優れている。
好ましい複合酸化物は、例えば、式(1):
Li[Lip(NixMnyCoz1-p]O2
で表される組成を有する。ここで、x、yおよびzはそれぞれニッケル、マンガンおよびコバルトの元素比率を表す。x+y+z=1および0≦p≦0.1である。0.3≦x≦0.6、0.2≦y≦0.4、0.1≦z≦0.4、を満たすことが好ましく、式(1)は、x:y=1:1、2:1、3:1または5:3を満たすことが好ましく、x:z=1:1、2:1、3:1または5:2を満たすことが更に好ましい。x:y:z=1:1:1または5:3:2であることが好ましい。
複合酸化物は、平均粒径(体積基準のメディアン径)が11μm以下の二次粒子を含むことが好ましい。二次粒子は、通常、平均粒径が2μm以下の一次粒子の焼結体である。
複合酸化物のタップ密度は、1.5g/cm3以上が好ましく、2.2g/cm3以上が更に好ましい。
複合酸化物の一次粒子の内部または表面には、アルミニウム、マグネシウム、ジルコニアおよび錫よりなる群から選択される少なくとも1種の異種元素がドープされていてもよい。ただし、異種元素と遷移金属との合計に占める異種元素の量は、5モル%以下とすることが好ましい。
NiとMnとCoの3元素を含む複合酸化物は、共沈法により得られる前駆体を用いて合成することが望ましい。例えば、ニッケルイオン、マンガンイオンおよびコバルトイオンを含む水溶液中にアルカリ水溶液を混入する共沈法により、水酸化物からなる前駆体を調製できる。前駆体とリチウム化合物(例えば炭酸リチウムまたは水酸化リチウム)とを混合し、得られた混合物を焼成することにより、複合酸化物が得られる。ただし、共沈の際、マンガンの酸化による分相を防止するために、不活性ガスをバブリングするなどの操作を行うことが望ましい。前駆体とリチウム化合物との混合物の焼成温度は、800℃〜1100℃が好ましく、900℃〜1100℃が更に好ましい。
正極ペーストは、正極活物質、結着剤、導電剤などを含む正極合剤を、水を含む液状成分に分散させることで得られる。
結着剤としては、水に溶解または分散可能な樹脂材料が好ましい。例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素樹脂、スチレンブタジエンゴム(SBR)、変性アクリロニトリルゴム(日本ゼオン(株)製のBM−500Bなど)などのゴム粒子が好ましく用いられる。
導電剤としては、カーボンブラック、黒鉛などの炭素粉末、カーボンナノファイバなどが好ましく用いられるが、これらに限定されない。
正極ペーストを正極集電体の表面に塗布する方法は、特に限定されない。例えば、ダイコートを用いて集電体に正極ペーストを塗工する方法が一般的である。
次に、正極合剤層の表面に多孔質絶縁膜を形成する工程Bについて説明する。
工程Bは、無機酸化物フィラーおよび有機溶媒を含む絶縁ペーストを調製する工程と、絶縁ペーストを正極合剤層の表面に塗布する工程とを含む。
絶縁ペーストは、無機酸化物フィラーの他に、任意成分として、結着剤などを含むことができる。一般的な絶縁ペーストは、無機酸化物フィラーおよび結着剤を含む。結着剤の量は、当業者が適宜選択可能であるが、無機酸化物フィラーと結着剤との合計に占める結着剤の割合は、2〜10重量%が好ましく、2〜6重量%が更に好ましい。
絶縁ペーストは、液状成分として、有機溶媒の他に、少量の水を含むことができる。ただし、液状成分中、有機溶媒の量が95〜100重量%を占めることが望ましく、100重量%が有機溶媒であることが更に望ましい。
無機酸化物フィラーを構成する酸化物としては、例えば、酸化アルミニウム(Al23)、酸化チタン(TiO2)、酸化ケイ素(SiO2)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化タングステン(WO2、WO3)等を用いることができる。
無機酸化物フィラーの平均粒径(体積基準のメディアン径)は、多孔質絶縁膜の厚み等に応じて適宜選択すればよく、特に限定されないが、例えば0.1〜1μm程度が好適である。
多孔質絶縁膜の厚みは、1μm以上が好ましく、2〜8μmが更に好ましい。
絶縁ペーストは、無機酸化物フィラーおよび結着剤を、有機溶媒を含む液状成分に分散させることで得られる。
結着剤としては、有機溶媒に溶解または分散可能な樹脂材料が好ましい。例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などのフッ素樹脂、ポリアクリル酸誘導体、ポリアクリロニトリル誘導体、アクリロニトリル単位を含むゴム性状高分子、可溶性変性アクリロニトリルゴム(例えば日本ゼオン(株)製のBM−720H)などを挙げることができる。
工程Bで用いる有機溶媒は、特に限定されないが、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、シクロヘキサノン、ヘキサン、アセトンなどが好ましい。
絶縁ペーストを正極合剤層の表面に塗布する方法は、特に限定されない。長尺の集電体の表面に間欠的に正極合剤層を形成した場合には、絶縁ペーストを正極合剤層の形成箇所に沿って間欠的に形成し、その後、乾燥させる。その際、グラビアロールを含む塗工装置を用いて、絶縁ペーストを塗布することが好ましい。
図1は、グラビアロールを含む塗工装置の一例を示す断面模式図である。この塗工装置は、一定の間隔を隔てて平行に配置された第1案内ロール11および第2案内ロール12と、案内ロール11、12よりも下方で、案内ロール11と12との間に設置されたグラビアロール13とを具備する。グラビアロール13の全周面には、グラビアパターンが彫刻されている。グラビアパターンや、グラビアロールの半径は、特に限定されるものではない。第1案内ロール11および第2案内ロール12は、長尺の正極14を一方向に移送する役割を果たす。図1では、2つの案内ロールが用いられているが、案内ロールの数は特に限定されない。
グラビアロール13の下方には、無機酸化物フィラーおよび結着剤を含む絶縁ペースト15を満たしたペースト槽16が設置されている。グラビアロール13の下方側の周面は、絶縁ペースト15の液面より下方に位置する。グラビアロール13が回転すると、絶縁ペースト15がグラビアロール13の周面に塗布され、その一部はブレード17で掻き落とされる。ブレード17は、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂製であることが好ましい。
グラビアロール13の周面に残されたスラリーは、その後、案内ロール11、12により移送されている正極14の下面に転写される。図1では、正極14が第1案内ロール11と第2案内ロール12との間を通過するときに、正極14の下面がグラビアロール13の上方側の周面と接触しているが、正極14とグラビアロール13との位置関係は、特に限定されない。
リード形成部においては、複数の案内ロールおよびグラビアロールより選択される少なくとも1つを移動させることにより、正極をグラビアロールから離す操作を行う。例えば、図1に示す矢印Aの方向に第1案内ロールを移動させるか、矢印Bの方向に第2案内ロールを移動させるか、もしくは矢印Aおよび矢印Bの方向に第1案内ロールおよび第2案内ロールを同時に移動させることにより、正極14をグラビアロール13から離すことができる。また、グラビアロール13自身を図1に示す矢印Cの方向に移動させることにより、正極14をグラビアロール13から離すこともできる。リード形成部の終点位置では、正極14とグラビアロール13とを再び接触させる。
絶縁ペーストを均一に正極合剤層の表面に塗布する観点から、グラビアロールの周面の進行方向と、正極の進行方向とは、矢印で図1に示すように、互いに逆方向であることが好ましい。
次に、負極を作製する工程Cの一例について説明する。
工程Cは、負極活物質と、水もしくは有機溶媒とを含む負極ペーストを調製する工程と、負極ペーストを負極集電体の表面に塗布する工程とを含むことが好ましい。
負極ペーストは、負極活物質の他に、任意成分として、結着剤、導電剤などを含むことができる。一般的な負極ペーストは、負極活物質および結着剤を含む合剤を含む。結着剤の量は、当業者が適宜選択可能である。
負極ペーストは、負極活物質、結着剤などを含む負極合剤を、水もしくは有機溶媒を含む液状成分に分散させることで得られる。
結着剤としては、水もしくは有機溶媒に溶解または分散可能な樹脂材料が好ましい。例えば、工程AまたはBで用いることのできる結着剤であれば、工程Cでも用いることができる。
負極活物質は、異配向性の炭素複合物Aを含み、炭素複合物Aは、黒鉛系炭素物質Bおよび黒鉛系炭素物質Bとは異なる炭素物質Cを含むことが好ましい。
炭素複合物Aには、例えば、黒鉛系炭素物質Bと炭素物質Cとの単純混合物を用いることができる。ただし、炭素複合物Aに含まれる黒鉛系炭素物質Bおよび炭素物質Cの物理的形態は特に限定されない。例えば、黒鉛系炭素物質Bと炭素物質Cとが一体化して複合粒子を形成していてもよい。複合粒子は、例えば、黒鉛系炭素物質Bを含む核と、その核の表面の少なくとも一部を覆う炭素物質Cを含む被覆層とを有する。また、そのような複合粒子と、黒鉛系炭素物質Bのみで構成された粒子および/または炭素物質Cのみで構成された粒子との混合物でもよい。
異配向性とは、炭素の結晶面の配向がランダムであることを意味する。炭素複合物Aは、異なる2種の炭素物質を複合化したものであるため、結晶面の配向がランダムである。例えば極板の切断面を観察することにより、異配向性であるか否かを判断することができる。
例えば、黒鉛系炭素物質Bである球状天然黒鉛に、ピッチをコートし、焼成することにより、炭素複合物Aを得ることができる。ピッチの焼成物は炭素物質Cを形成する。
ここで、球状天然黒鉛とは、粒子円形度が0.85〜1である黒鉛を意味する。球状天然黒鉛の粒子円形度は0.9〜0.95であることが特に好ましい。球状天然黒鉛の円形度が大きいほど、負極密度を高めた場合に炭素の結晶面の配向が抑制される。また、球状天然黒鉛を熱処理することにより、より体積エネルギー密度の高い黒鉛系炭素物質Bが得られる。
球状天然黒鉛の平均粒径(体積基準のメディアン径)は4〜50μmであることが好ましく、6〜30μmであることが更に好ましい。球状天然黒鉛の平均粒径が小さくなりすぎると、凝集しやすくなり、大きくなりすぎると、極板表面に筋が入りやすくなる。
黒鉛系炭素物質Bの黒鉛化度は、学振法によるX線回折で求められる格子面(002面)のd値(面間距離)により評価できる。黒鉛系炭素物質Bのd値は、0.335nm以上であることが好ましく、0.340nm以下であることが好ましく、0.337nm以下であることが更に好ましい。d値が0.340nmを超えると、黒鉛の結晶性が低くなり、初期の不可逆容量が増加する可能性がある。下限値である0.335nmは黒鉛の理論値である。学振法によるX線回折で求められる黒鉛の結晶子(結晶粒)サイズ(Lc)は、30nm以上が好ましく、50nm以上が更に好ましく、80nm以上が特に好ましい。Lcが小さくなると、黒鉛の結晶性が低下し、初期の不可逆容量が増加する可能性がある。
炭素物質Cは、非黒鉛質の有機物を黒鉛化温度で熱処理することにより得られる。非黒鉛質の有機物には、ピッチの他に、例えば様々なポリマー、オリゴマー、タールなどを用いることができる。ここで、熱処理する前の非黒鉛質の有機物(例えばピッチ)をアルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下で加熱したときの重量減少率は、一般に15重量%以上であり、黒鉛化温度で熱処理して得られる生成物をアルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下で加熱したときの重量減少率は、一般に10重量%未満である。なお、黒鉛化温度とは一般的に2500℃以上である。
熱処理の温度は650℃〜3400℃が好ましく、900℃〜3200℃が特に好ましい。加熱温度が低すぎると、生成物に含まれる不純物が比較的多くなる。よって、非水電解質の分解量が多くなり、サイクル特性が低下することがある。加熱温度が、高すぎると、生成物が昇華し、収率が減少することがある。なお、熱処理は、不活性雰囲気中で行うことが好ましい。
黒鉛系炭素物質Bは、圧延されやすいため、高密度負極を得る場合には、その結晶面が配向する可能性がある。一方、炭素物質Cは、黒鉛系炭素物質Bの結晶面の配向を抑制すると考えられる。
炭素複合物Aにおける黒鉛系炭素物質Bの含有量は、5重量%以上、99.9重量%以下が好適であり、30〜98重量%が特に好適である。黒鉛系炭素物質Bの含有量が、5重量%未満では、負極密度を低く(例えば1.7g/cm3以下)にする際に、負極内部の電子導電性が低下し、サイクル特性が低下することがある。一方、黒鉛系炭素物質Bの含有量が、99.9重量%を超えると、黒鉛系炭素物質Bの結晶面の配向が起こり、サイクル特性が低下することがある。
炭素複合物における炭素物質Cの含有量は、0.1重量%以上が好適であり、2〜70重量%が特に好適である。炭素物質Cの含有量が、0.1重量%未満では、黒鉛系炭素物質Bの結晶面の配向が起こり、サイクル特性が低下することがある。炭素物質Cの含有量が、70重量%を超えると、得られる極板の電子伝導性が低下することがある。
炭素複合物Aの体積基準の平均粒径は、5μm以上、20μm以下が好適である。平均粒径が5μm未満では、負極密度を低く(例えば1.7g/cm3以下)にする際に、負極内部の電子導電性が低下し、サイクル特性が低下することがある。平均粒径が30μmを超えると、炭素の結晶面の配向が起こり、サイクル特性が低下することがある。
多孔質絶縁膜が十分な厚みを有する場合は、薄膜シートからなるセパレータが不要な場合もあるが、通常は、正極と負極との間に、セパレータを介在させて電極群が作製される。
電極群は、非水電解質とともに電池ケースに収容される。その後、一般的な所定の工程を経た後、電池が完成する。
第2実施形態
本実施形態に係る工程Aは、正極活物質および有機溶媒を含む正極ペーストを調製する工程と、正極ペーストを正極集電体の表面に塗布する工程とを含み、工程Bは、無機酸化物フィラーおよび水を含む絶縁ペーストを調製する工程と、絶縁ペーストを正極合剤層の表面に塗布する工程とを含む。すなわち、本実施形態は、正極ペーストの液状成分として、水の代わりに有機溶媒を用い、絶縁ペーストの液状成分として、有機溶媒の代わりに水を用いること以外、第1実施形態と同様の工程を含む。
工程Aで用いる有機溶媒には、例えば、第1実施形態の工程Bで例示した有機溶媒を用いることができる。
工程Aで用いる正極活物質の結着剤には、例えば、第1実施形態の工程Bで例示した無機酸化物フィラーの結着剤を用いることができる。
工程Bで用いる無機酸化物フィラーの結着剤には、例えば、第1実施形態の工程Aで例示した正極活物質の結着剤を用いることができる。
第3実施形態
本実施形態に係る工程Aは、正極活物質および水を含む正極ペーストを調製する工程と、正極ペーストを正極集電体の表面に塗布する工程とを含み、工程Bは、無機酸化物フィラーおよび水を含む絶縁ペーストを調製する工程と、絶縁ペーストを正極合剤層の表面に塗布する工程とを含む。すなわち、本実施形態は、絶縁ペーストの液状成分として、有機溶媒の代わりに水を用いること以外、第1実施形態と同様の工程を含む。
工程Bで用いる無機酸化物の結着剤には、例えば、第1実施形態の工程Aで例示した正極活物質の結着剤を用いることができる。
次に、本発明の製造法で得ることが可能なリチウムイオン二次電池の具体的構成について例示する。
正極は、一般に、長尺シート状の正極集電体およびその両面に形成された正極合剤層を有する。負極も、一般に、長尺シート状の負極集電体およびその両面に形成された負極合剤層を有する。正極集電体には、例えばアルミニウム箔やアルミニウム合金箔が好ましく用いられる。負極集電体には、例えば銅箔や銅合金箔が好ましく用いられる。
HEV用途の正極および負極は、それぞれ長手方向に沿う一方の端部に、集電体の露出部を有することが好ましい。正極と負極とを、セパレータを介して捲回し、柱状の電極群が形成される。その際、正極集電体の露出部および負極集電体の露出部を、それぞれ柱状の電極群の一方の底面および他方の底面から突出させる。そして、正極集電体の露出部および負極集電体の露出部に、それぞれ集電板を溶接等により接続する。このように集電体の露出部と集電板とを直接接続することにより、高出力を確保しやすくなる。
正極活物質には、上記の他に、様々な複合酸化物、例えばコバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム等のリチウム含有遷移金属酸化物を用いることができる。リチウム含有遷移金属酸化物の遷移金属の一部を他の元素で置換した変性体も好ましく用いられる。例えば、コバルト酸リチウムのコバルトは、アルミニウム、マグネシウム等で置換することが好ましく、ニッケル酸リチウムのニッケルは、コバルト、マンガン等で置換することが好ましい。複合リチウム酸化物は、1種を単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。
負極活物質には、上記の他に、例えば天然黒鉛や人造黒鉛などの炭素材料、ケイ素やスズなどの金属材料、ケイ素合金やスズ合金などの合金材料、ケイ素酸化物、スズ酸化物などの酸化物、気相成長炭素繊維(VGCF)が使用可能である。これらの材料は、1種を単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。
正極集電体の両面に形成された2つの正極合剤層の合計厚みは40μm〜180μm、更には50μm〜100μmとすることが好ましく、負極集電体の両面に形成された2つの負極合剤層の合計厚みは40μm〜180μm、更には50μm〜100μmとすることが好ましい。このように薄型で長尺な電極を採用することで、電極反応面積を大きくすることができ、反応抵抗を低減し、電池の高出力化が容易となる。
薄膜シートからなるセパレータは、樹脂もしくは樹脂組成物をシート状に成形し、さらに延伸して得られる。このようなセパレータの原料となる樹脂は、特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミドイミド、ポリイミド等が用いられる。セパレータの厚さは10〜25μmが好適である。
非水電解質には、リチウム塩を溶解した非水溶媒が好ましく用いられる。
非水溶媒は、特に限定されないが、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等の炭酸エステル;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、蟻酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル等のカルボン酸エステル;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル等が用いられる。非水溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは、特に炭酸エステルが好ましく用いられる。
リチウム塩は、特に限定されないが、例えば、LiPF6、LiBF4等が好ましく用いられる。これらは単独で用いてもよく、組み合わせて用いてもよい。
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
《実施例1》
(i)正極の作製
正極活物質である平均粒径5μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/32と、結着剤であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)と、増粘剤であるカルボキシメチルセルロース(CMC)と、導電剤であるカーボンブラックとを、重量比100:4:1:5の割合で配合し、適量の水とともに双腕式練合機にて攪拌し、正極ペーストを調製した。PTFEは予め水に分散させてエマルジョンとして用いた。
なお、正極活物質は、以下の要領で合成した。
所定モル比で硫酸ニッケル、硫酸マンガンおよび硫酸コバルトを含む水溶液に、撹拌しながら所定量の水酸化ナトリウム水溶液とアンモニア水溶液とを加え、複合水酸化物を共沈させた。得られた複合水酸化物を水洗し、80℃で乾燥させた。乾燥後の複合水酸化物と、炭酸リチウムとを混合し、1000℃で10時間、乾燥空気中で焼成することにより、複合酸化物であるLiNi1/3Mn1/3Co1/32を得た。
正極ペーストを、正極集電体である長尺のアルミニウム箔(厚さ15μm)の両面に塗布した。その際、正極集電体の長手方向に沿う一端部に、未塗工部(集電体露出部)を形成した。その後、塗膜を乾燥して、長尺の正極を得た。次に、正極の総厚が85μmとなるように圧延した。
(ii)負極の作製
負極活物質である平均粒径16μmの炭素複合物と、結着剤であるスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘剤であるCMCとを、重量比100:1:1の割合で配合し、水とともに混練して、負極ペーストを得た。
なお、負極活物質である炭素複合物は、以下の要領で合成した。
平均粒径16μm、粒子円形度0.92の球状天然黒鉛100重量部と、10重量部のピッチとを混合した。得られた混合物を、不活性ガス雰囲気中で、1300℃で12時間加熱して、炭素複合物を得た。
負極合剤ペーストを、負極集電体である長尺の銅箔(厚さ10μm)の両面に塗布した。その際、負極集電体の長手方向に沿う一端部に、未塗工部(集電体露出部)を形成した。その後、塗膜を乾燥して、長尺の負極を得た。次に、負極の総厚が80μmとなるように圧延した。
(iii)多孔質絶縁膜の形成
無機酸化物フィラーである平均粒径(体積基準のメディアン径)0.3μmの酸化アルミニウム(アルミナ)970gと、結着剤であるポリアクリロニトリル誘導体の分散液(日本ゼオン(株)製のBM−720H)(固形分8重量%)375gとを配合し、適量のNMPとともに、双腕式練合機にて攪拌し、無機酸化物フィラーと結着剤とを含む絶縁ペーストを調製した。アルミナとポリアクリロニトリル誘導体との重量比は97:3の割合とした。
この絶縁ペーストを、図1に示すようなグラビアロールを具備する塗工装置を用いて、正極合剤層の表面に塗布し、120℃で乾燥させて、厚さ4μmの多孔質絶縁膜を形成した。グラビアロールには、その周面に100線/インチのピッチで、回転軸に対して45℃の傾斜を有する溝を設けたものを用いた。グラビアロールの周面の移動速度は、正極の移送速度の150%とした。案内ロールによる正極の移送速度は、10m/分とした。グラビアロールの周面の進行方向とシート状負極の進行方向とは、互いに逆向きとした。グラビアロールには、その周面の全面が酸化クロム製セラミックで覆われているものを用いた。
(iv)電極群の作製
幅120mm、長さ3000mmの正極と、幅125mm、長さ3210mmの負極とを、幅128mm、厚さ20μmのポリエチレン製のセパレータを介して、横断面が略楕円形になるように捲回して、電極群を得た。
(v)非水電解質の調製
非水溶媒には、エチレンカーボネート(EC)と、エチルメチルカーボネート(EMC)と、ジエチルカーボネート(DEC)とを、モル比3:4:3で含む混合溶媒を用いた。混合溶媒には、リチウム塩としてLiPF6を1モル/Lの濃度で溶解させた。
(vi)電池の作製
図2に示すような電池1を作製した。電極群を、幅80mm、厚み12mm、高さ140mmのアルミニウム製角型電池ケース2に収容し、アルミニウム製の上蓋3で電池ケースの開口を封口した。上蓋3は、安全弁7と、注液口4と、銅製の負極端子6とを備える。負極端子6は、ガスケットにより、上蓋3から絶縁されている。電池ケース2は正極端子を兼ねている。次に、非水電解質を注液口4から注液し、仮の封栓で注液口4を塞ぎ、実施例1の電池とした。電池の設計容量は6Ahである。
25℃環境下において、2Aの定電流で、充電上限電圧4.2V、放電下限電圧2.5Vの条件下で、充放電を2サイクル繰り返した。放電状態の電池を−30℃の露点を有する乾燥空気中に曝露し、仮の封栓を外して、電池に滞留しているガスを排出した。その後、再び仮の封栓で注液口4を塞いだ。次いで、上記と同一条件で充放電を2サイクル行い、充電状態(SOC100%)の電池を得た。
得られた電池を60℃環境下に5日間静置した。その後、常温環境下に戻し、乾燥空気中で仮の封栓を外し、電池内に滞留しているガスを排出した。その後、注液口4に封栓5を挿入し、レーザー溶接し、完全に密閉状態とし、実施例1の電池を完成させた。
《実施例2》
下記要領で正極ペーストと絶縁ペーストとを調製し、これらを用いたこと以外、実施例1と同様にして、角形リチウムイオン二次電池を完成させた。
(i)正極ペーストの調製
実施例1で用いたのと同じ正極活物質と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン(PVDF)と、導電剤であるカーボンブラックとを、重量比100:7:5の割合で配合し、有機溶媒である適量のNMPとともに双腕式練合機にて攪拌し、正極ペーストを調製した。PVDFは予めNMPに溶解させて溶液として用いた。
(ii)絶縁ペーストの調製
平均粒径(体積基準のメディアン径)0.3μmのアルミナと、結着剤であるスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘剤であるカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、重量比97:2.5:0.5の割合で配合し、適量の水とともに双腕式練合機にて攪拌し、無機酸化物フィラーと結着剤とを含む絶縁ペーストを調製した。SBRは予め水に分散させてエマルジョンとして用いた。
《実施例3》
実施例1の水を含む正極ペーストと、実施例2の水を含む絶縁ペーストとを用いたこと以外、実施例1と同様にして、角形リチウムイオン二次電池を完成させた。
《比較例1》
実施例2の有機溶媒を含む正極ペーストと、実施例1の有機溶媒を含む絶縁ペーストとを用いたこと以外、実施例1と同様にして、角形リチウムイオン二次電池を完成させた。
<評価>
実施例1〜3および比較例1の電池を、各々作製し、充放電サイクル特性を評価した。
結果を表1に示す。以下に試験条件を記す。
[充放電サイクル特性]
45℃環境下において、12Aの定電流で、充電上限電圧4.2V、放電下限電圧2.5Vの条件下で、充放電を繰り返した。放電容量が初期容量の80%(4.8Ah)となるまでのサイクル数を表1に示す。
Figure 2010021113
表1の結果から、本発明の製造法で作製された電池は、優れた充放電サイクル特性を有することが理解できる。
また、実施例1は、実施例2、3に比べ、充放電サイクル特性が優れている。よって、本発明の第1実施形態は、特に工業的利用価値が高い。
本発明によれば、高容量かつ高出力のリチウムイオン二次電池を効率良く製造することができる。本発明の方法で製造した電池は、高性能が要求されるポータブル電源機器用電源の他、HEV、電気自動車、電動工具などの電源として有用である。
グラビアロールを有する塗工装置の一例を示す断面模式図である。 実施例で作製した角型リチウムイオン二次電池の斜視図である。
符号の説明
11 第1案内ロール
12 第2案内ロール
13 グラビアロール
14 正極
15 絶縁ペースト
16 ペースト槽
17 ブレード
2 電池ケース
3 上蓋
7 安全弁
4 注液口
5 封栓
6 負極端子

Claims (4)

  1. リチウムイオン二次電池の製造法であって、
    正極集電体の表面に正極合剤層を形成することにより正極を作製する工程Aと、
    前記正極合剤層の表面に多孔質絶縁膜を形成する工程Bと、
    負極集電体の表面に負極合剤層を形成することにより負極を作製する工程Cと、を含み、
    前記工程Aが、正極活物質および水を含む正極ペーストを調製する工程と、正極ペーストを正極集電体の表面に塗布する工程とを含み、前記正極活物質が、リチウムおよびニッケルを含む複合酸化物を含み、前記複合酸化物に含まれるNiのLiに対するモル比が60モル%以下であり、
    前記工程Bが、無機酸化物フィラーおよび有機溶媒を含む絶縁ペーストを調製する工程と、絶縁ペーストを前記正極合剤層の表面に塗布する工程とを含む、製造法。
  2. リチウムイオン二次電池の製造法であって、
    正極集電体の表面に正極合剤層を形成することにより正極を作製する工程Aと、
    前記正極合剤層の表面に多孔質絶縁膜を形成する工程Bと、
    負極集電体の表面に負極合剤層を形成することにより負極を作製する工程Cと、を含み、
    前記工程Aが、正極活物質および有機溶媒を含む正極ペーストを調製する工程と、正極ペーストを正極集電体の表面に塗布する工程とを含み、前記正極活物質が、リチウムおよびニッケルを含む複合酸化物を含み、前記複合酸化物に含まれるNiのLiに対するモル比が60モル%以下であり、
    前記工程Bが、無機酸化物フィラーおよび水を含む絶縁ペーストを調製する工程と、絶縁ペーストを前記正極合剤層の表面に塗布する工程とを含む、製造法。
  3. リチウムイオン二次電池の製造法であって、
    正極集電体の表面に正極合剤層を形成することにより正極を作製する工程Aと、
    前記正極合剤層の表面に多孔質絶縁膜を形成する工程Bと、
    負極集電体の表面に負極合剤層を形成することにより負極を作製する工程Cと、を含み、
    前記工程Aが、正極活物質および水を含む正極ペーストを調製する工程と、正極ペーストを正極集電体の表面に塗布する工程とを含み、前記正極活物質が、リチウムおよびニッケルを含む複合酸化物を含み、前記複合酸化物に含まれるNiのLiに対するモル比が60モル%以下であり、
    前記工程Bが、無機酸化物フィラーおよび水を含む絶縁ペーストを調製する工程と、絶縁ペーストを前記正極合剤層の表面に塗布する工程とを含む、製造法。
  4. 前記複合酸化物が、更に、マンガンおよびコバルトを含み、MnのLiに対するモル比が20〜40モル%であり、CoのLiに対するモル比が10〜40モル%である、請求項1〜3のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池の製造法。
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