図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。以下、弾球遊技機として従来にいういわゆる第1種ぱちんこ遊技機を例に説明する。
ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、始動入賞口(以下、「始動口」という)62、センター飾り64、大入賞口66、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。始動口62は、遊技球の入球を検出するための始動入賞検出装置74と、始動口62の拡開機構を拡開させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動口62の拡開機構が拡開されたとき、始動口62の開口幅が拡がって入球容易性が向上する。始動入賞検出装置74は、始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す始動入賞情報を生成する。一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。大入賞口66は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、大入賞口66を拡開させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、大入賞口66への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。
大入賞口66は、特別図柄192が所定の態様にて停止したときに「大当たり」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口66はアウト口58の上方等の位置に設けられる。大入賞口66の入賞検出装置78は、遊技球の通過を検出するセンサを備えて構成される。
遊技領域52の左方に設けられた特別図柄表示装置61および遊技領域52の略中央に設けられた演出表示装置60は、それぞれの画面に特別図柄192の変動と、特別図柄192に連動する装飾図柄190を含む演出画像の変動を表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。ここで、特別図柄192は、始動口62への遊技球の落入を契機として行われる抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が停止されたときの図柄態様が当たりと定められた図柄であった場合、その停止図柄が表示されたタイミングが大当たり発生タイミングとなる。
特別図柄表示装置61は、例えば7セグメントLEDで構成される表示手段である。演出表示装置60は、特別図柄192の変動表示と連動する形で装飾図柄190を変動表示する液晶ディスプレイである。装飾図柄190は、特別図柄192で示される抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を画面の中央領域に表示する。演出表示装置60は、この実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、ドラムなどの機械式回転装置やLEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。なお、特別図柄192は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の左下方の特別図柄表示装置61にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割をもたせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄を演出表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。
作動口68は、遊技盤50の左側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は始動口62の拡開機構を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。作動口68を遊技球が通過すると、開放抽選の結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。普通図柄表示装置59は演出表示装置60の右下方に設けられる。所定時間の経過後に普通図柄の変動表示が停止すると、通常、50%から80%程度の確率で始動口62が所定時間拡開する。
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、特別図柄表示装置61および演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。演出表示装置60の下方には、抽選保留ランプ20が設けられ、その対称的な位置である遊技領域52の右下部には、普通図柄表示装置59の下に作動保留ランプ22が設けられている。抽選保留ランプ20は、4個のランプからなり、その点灯個数によって当否抽選の保留数を表示する。当否抽選の保留数は、図柄変動中または特別遊技中に始動口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。作動保留ランプ22もまた4個のランプからなり、その点灯個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。さらに演出表示装置60の上方および下方には、それぞれ遊技効果ランプ90が設けられている。
操作ボタン82は、遊技者が遊技機へ所定の指示を入力するために操作する操作入力装置としてのボタンである。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72や始動口62、大入賞口66の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が始動口62に落入すると、特別図柄表示装置61および演出表示装置60において特別図柄192および装飾図柄190が変動表示される。特別図柄192および装飾図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された表示時間の経過後に停止される。停止時の特別図柄192および装飾図柄190が大当たりを示す図柄である場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口66の開閉動作が開始される。このときスロットマシンのゲームを模した装飾図柄190は、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。特別遊技において、大入賞口66は、約30秒間開放された後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口66の開閉が所定回数、例えば15回繰り返される。
特別遊技が終了した後の通常遊技においては特定遊技の一つである変動時間短縮遊技(以下、適宜「時短」という)が開始される。変動時間短縮遊技においては、特別図柄および装飾図柄の変動時間が通常より短縮される。特別図柄および装飾図柄の変動時間は、所定の変動回数の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻される。特別遊技が発生した場合であってそのときの当たり停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確率変動遊技(以下、適宜「確変」という)がさらに開始される。確率変動遊技においては、通常の確率状態より当たりの確率が高い抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生する。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、特に始動口62へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容や複数の可動役物140の動作、遊技効果ランプ90の点灯を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させ、その演出の進行に沿って可動役物140や遊技効果ランプ90の点灯を作動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。セット基板39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、始動口62、大入賞口66、一般入賞口72、作動口68、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90、可動役物140のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や可動役物140、電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板102と、図柄の演出等を制御するサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、当否抽選手段112、図柄決定手段114、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、演出画像記憶手段131、演出決定手段132、演出画像決定手段133、演出表示制御手段134、役物制御手段136を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、始動入賞情報を受け取ると遊技球が始動口62に入賞したと判断し、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口66に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
当否抽選手段112は、始動口62への遊技球の入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するために乱数の値を当否抽選値として取得する。例えば、当否抽選値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。当否抽選手段112は、当否判定で参照する当否テーブルを複数保持する。複数の当否テーブルには、当たりまたは外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当たりの範囲設定に応じて当否確率が定まる。当否抽選手段112は、通常時には通常確率による当否判定のための当否テーブルを参照し、確率変動時には通常確率より当たりの確率が高くなる当否テーブルを参照する。当否抽選手段112は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当たりであるか否かを判定する。当否抽選手段112による判定結果は、特別図柄表示装置61において特別図柄の形で変動表示される。また、当否抽選手段112による判定結果を演出的に示す装飾図柄が演出表示装置60において変動表示される。
図柄決定手段114は、特別図柄表示装置61に表示させる特別図柄の停止図柄と変動パターンを、当否抽選手段112による抽選の結果に応じて決定する。また、図柄決定手段114は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を抽選により決定する。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示すべき図柄である。図柄決定手段114は、特別図柄や普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルや、変動パターンを決定するために参照すべきパターン決定テーブルを保持する。
図柄決定手段114は、特別図柄を決定するための図柄決定抽選値を取得し、当否抽選手段112による当否判定結果と図柄決定抽選値とに応じて特別図柄の停止図柄を決定する。図柄決定手段114は、当否抽選手段112による当否判定結果に応じて複数の変動パターンからいずれかのパターンを選択する。図柄決定手段114は、決定した停止図柄および変動パターンを示すデータをメイン表示制御手段118および演出決定手段132へ送出する。
図柄決定手段114は、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動態様が定められた複数種の変動パターンを記憶する。複数種の変動パターンは、長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。
図柄決定手段114は、遊技球が作動口68を通過した場合に、普通図柄を決定するための抽選乱数を取得し、その抽選乱数に応じて普通図柄の停止図柄を決定する。普通図柄の停止図柄が特定の図柄であった場合、開閉制御手段124が始動口62の普通電動役物を所定時間拡開する。
保留制御手段116は、当否抽選手段112により取得された当否抽選値を保留球として保持する。当否抽選値は、その保留数が所定の上限に達するまで蓄積される。保留数の上限は4である。
メイン表示制御手段118は、当否抽選手段112による抽選の結果を、図柄決定手段114により決定された変動パターンにしたがって特別図柄の変動表示として特別図柄表示装置61に表示させる。メイン表示制御手段118は、特別図柄の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信することにより、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。メイン表示制御手段118は、普通図柄の変動を普通図柄表示装置59に表示させる。
特別遊技制御手段120は、当否抽選手段112による当否抽選結果が当たりであった場合に、特別遊技の実行処理を制御する。特別遊技は、大入賞口66の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした1回または複数回の単位遊技で構成される。単位遊技は例えば15回を上限として繰り返され、1回の単位遊技において大入賞口66を約30秒間開放させる。特別遊技制御手段120は、単位遊技の継続回数が上限回数に達していなければ、現在の単位遊技の終了後に次の単位遊技を開始させる。単位遊技の上限回数を消化した場合には、特別遊技を終了させる。
特定遊技実行手段122は、遊技状態を通常状態から特定遊技状態へ移行させる制御と、特定遊技状態から通常状態へ戻す制御を実行する。本実施例における特定遊技には、当否抽選の当選確率を通常確率の状態から高確率の状態へ切り替える確変と、図柄変動時間を通常時間より短時間へ切り替える時短とがある。
特定遊技実行手段122は、当否抽選値が確変状態へ移行すべき値であった場合に、特別遊技後の遊技状態を確変状態へ移行させる。確変状態は原則として次の大当たりが発生するまで続行され、その間は当否抽選手段112による当たり判定の確率が高い値のまま維持される。また、特定遊技実行手段122は、当否抽選値の如何に関わらず、特別遊技後に遊技状態を時短の状態へ移行させる。時短は、特別遊技後の特別図柄の変動回数が所定回数、例えば100回に至るまで継続される。
開閉制御手段124は、始動口62の普通電動役物や大入賞口66の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の図柄で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、始動口62を開放させる。また、開閉制御手段124は、特別遊技中、大入賞口ソレノイド80に開放指示を送り、大入賞口66を開放させる。
パターン記憶手段130は、装飾図柄190を含む演出画像の変動パターンとして変動表示における変動開始から停止までの変動過程が定められた複数の変動パターンデータを保持する。変動パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当たりとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当たり図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。
装飾図柄190の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば当否抽選手段112による判定結果が特別遊技への移行を示す場合は「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。この場合、装飾図柄190として揃える数字には、特別図柄192と同じ数字が選ばれるのが好ましい。例えば、特別図柄192が「3」の場合は装飾図柄190が「333」となる。当否抽選手段112による判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せが選択される。ただし、当否判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合であって、リーチ付きの外れを示す特別図柄192の変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せが選択される。
演出画像記憶手段131は、当否抽選の結果が当たりである期待度(「当たり期待度」ともいう)を示唆する示唆演出を表示させるためのマップ画像のデータ(「マップデータ」ともいう)を保持する。すなわち、本実施例では、通常遊技中に演出表示装置60に日本地図を表すマップ画像を表示させ、所定のキャラクタ画像を出発地から目的地へ向かわせるスゴロクゲームが実行される。キャラクタ画像は、遊技が進行するにつれてマップ画像上の複数の駅を経由しながら目的地へ向かう。そのスゴロクゲームの進行状態によって当たり期待度が示唆される。演出画像記憶手段131は、マップデータとして、その出発地となりうる出発位置候補、目的地となりうる目的位置候補、および停止位置としての駅となりうる複数の停止位置候補がそれぞれ設定されたデータを保持する。本実施例では、そのキャラクタ画像の現在地と目的地との位置関係により当たり期待度を示唆するが、その示唆演出の内容については後述する。なお、演出画像記憶手段131は、このような示唆演出の演出画像のほか、装飾図柄190の図柄変動に付加的に伴わせる他の演出画像の演出パターンデータを記憶するものであってもよい。
演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄の組合せとその配置および変動パターンを、当否抽選手段112による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターンに応じて決定する。演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルや、変動パターンを決定するために参照すべきパターンテーブルを保持し、特別図柄と変動時間が等しい変動パターンを選択する。
演出画像決定手段133は、上記示唆演出にて表示されるマップ画像におけるキャラクタ画像の移動表示過程を決定する。演出画像決定手段133は、出発地候補と目的地候補とをつなぐ複数の経路候補のいずれかを、その目的地候補を起点として最短経路を形成するように順次特定される停止位置候補(駅)の組み合わせとして決定するためのデータテーブルを保持する。演出画像決定手段133は、遊技状態に応じて出発地と目的地とを決定した後にそのデータテーブルを参照して予め経路を決定する。そして、当否抽選の結果に応じてその経路候補上に位置するいずれかの駅を停止位置として選択し、キャラクタ画像を移動表示させる移動表示過程を決定する。このデータテーブルのデータ構造等については後述する。演出画像記憶手段131が上記示唆演出以外の演出画像のデータを保持している場合、演出画像決定手段133は、その演出画像を表示させるか否かを決定し、表示させる場合にはいずれかの演出パターンを決定する。
演出表示制御手段134は、当否抽選手段112による当否抽選の結果として、選択された変動パターンデータにしたがって演出表示装置60に装飾図柄190を変動表示させる。演出表示制御手段134は、また、その図柄変動表示と並行するように、示唆演出の演出画像を演出表示装置60に表示する。この示唆演出の具体例については後に例示する。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
役物制御手段136は、演出表示制御手段134から受け取る指示にしたがい、演出表示装置60における演出内容や遊技効果ランプ90の点滅過程に沿って、可動役物140を演出的に動作させる。
以下、本実施例における特徴的な機能および動作を説明する。
上述のように、本実施例においては、当たり期待度を示唆する示唆演出がスゴロクゲームのかたちで提供される。図4および図5は、示唆演出の概要および設計思想を表す説明図である。なお、同図には説明の便宜上、実際のマップデータを簡略化したものが示されている。
演出画像記憶手段131は、図4に示すような日本地図を想定したマップデータを保持している。このマップデータは、示唆演出の演出過程で図示のような画像として表示されてもよいし、仮想的なマップ情報として内部的に保持されるものでもよい。このマップデータにより表示されるマップ画像は、図示のような日本地図の一部として表示される。日本地図の北海道、本州、四国、九州等には、キャラクタ画像の停止位置候補となる複数の駅が設定されている。同図には合計29駅が表示されているが、図5の拡大図にて細分化されているように、実際にはもっと多くの駅が設定されている(例えば100駅等)。
各駅間には図中黒丸にて示したような分岐点も存在し、各駅をつなぐ経路として複数の経路が形成されうる。また、全駅のいくつかがキャラクタ画像の出発地となりうる出発地候補となり、また目的地となる目的地候補となっている。図示の例では、着色された札幌,仙台,東京,富山,名古屋,京都,大阪,広島,松山,博多の10駅が目的地候補かつ出発地候補として設定されている。すなわち、本実施例では、キャラクタ画像がいずれかの目的地に到達すると、その目的地が次の出発地として設定される。なお、変形例においては、出発地候補と目的地候補とが別々に設定されていてもよく、キャラクタ画像が目的地に到達するごとに、抽選等によりいずれかの出発地候補を選択するようにしてもよい。
出発地候補および目的地候補はキャラクタ画像が停止する駅(停止位置候補)でもあり、両候補の間には複数の駅が存在しうる。そして、その複数の駅間には分岐点が存在しうるため、出発地と目的地との間にはキャラクタ画像が経由する複数の経路候補が存在する。例えば図5に示す例では、キャラクタ画像Pが仙台から八戸を経由して北海道に到る経路のほか、八戸ではなく盛岡を経由して北海道に到る経路等が存在する。演出画像決定手段133は、出発地と目的地との間にこのように複数の経路候補が存在する場合にいずれかの経路候補を決定し、その経路に沿ってキャラクタ画像Pを移動表示させる移動表示過程を決定する。
また、同図に示される複数の駅は、その停止によって特典が得られるグループAの駅、停止によってペナルティが与えられるグループBの駅、特典もペナルティもないグループCの駅といったグループ分けがなされている。図示の例では斜線模様が付された駅がグループAの駅に該当し、散点模様が付された駅がグループBの駅に該当し、模様のない白抜きの駅がグループCに該当する。キャラクタ画像PがグループAの駅に停止すると所定のポイントが加算され、グループBの駅に停止すると所定のポイントが減算される。キャラクタ画像Pが獲得したポイント数の合計が設定値に達すると、予め用意された通常みることができないレア演出が表示される。演出画像決定手段133は、当該示唆演出の実行過程でキャラクタ画像が獲得するポイント数を累計していき、そのポイント数が設定値に達すると、そのレア演出の演出画像を表示させるように演出内容を決定する。演出表示装置60には図示のようなサイコロ画像Sが表示され、キャラクタ画像Pは、そのサイコロ画像Sが止まったときの出目に対応する数だけ移動表示される。キャラクタ画像Pは、そのように移動および停止を繰り返して目的地に向かうことになる。
図6および図7は、演出表示装置に表示される画面例を表す図である。
演出表示装置60の画面200には、演出画像の表示領域が設定されている。示唆演出を伴わない通常遊技の遊技状態においては、図6(a)に示すように、画面200の中央に装飾図柄190が比較的大きく変動表示される。
通常遊技中に示唆演出が実行されると、同図(b)に示すように、決定された出発地および目的地を報知する演出表示がされるとともに、キャラクタ画像Pおよびサイコロ画像Sが表示される。図示の例では、出発地として東京駅が決定され、目的地として札幌駅が決定されたため、「東京駅を出発します。目的地は札幌です!」という文字が表示されている。なお、装飾図柄190については図示のように画面200の隅部に小さく変動表示させるようにしてもよい。続いて、このスゴロクゲームに遊技者を参加させるよう、同図(c)に示すように、「サイコロが振られたら『PUSH』を押してね!」という文字が表示され、操作ボタン82の操作を促している。
遊技者がこれを受けて操作ボタン82を押圧操作すると、画面上で回転するサイコロ画像Sが停止される。図示の例では3つのサイコロ画像Sが表示されているが、そのサイコロ画像Sの数は当否抽選の結果によって変化する。なお、このような操作ボタン82の操作による遊技者の介入をさせずに、内部処理にてサイコロ画像Sの回転および停止を行ってもよい。本実施例では、キャラクタ画像Pの現在地から目的地までの距離が遠いほど、また、当たり期待度の高い(つまり変動時間が長い)変動パターンが選択されるほど、サイコロ画像Sの数が増えるように設定されている。
図7(a)には、キャラクタ画像Pが仙台よりも2つ手前の駅にて停止しており、その状態でサイコロ画像Sが振られた様子が示されている。ここで遊技者が操作ボタン82を押圧操作したため、同図(b)では、3つのサイコロ画像Sがそれぞれ「4」,「2」,「1」にて停止し、出目の合計が7になっている。本実施例では、キャラクタ画像Pの移動量を、そのキャラクタ画像Pが移動表示の過程で経由する駅の数として報知する。その駅の数は、サイコロ画像Sによる出目の合計として表示される。その結果、キャラクタ画像Pが7駅前方まで移動表示される様子が示されている。図示の例では目的地が札幌であり、キャラクタ画像Pは東京と札幌とをつなぐ複数の経路候補のうち最短経路に沿って移動表示される。すなわち、本実施例では、出発地候補と目的地候補とが決定されると、それらをつなぐ経路候補の最短経路が演算され、その最短経路に沿ってキャラクタ画像Pが移動表示される。この経路候補の決定方法の詳細については後述する。
このようにしてスゴロクゲームが進行し、その後に当否抽選の結果が当たりとなったため、その大当たりの発生タイミングにてキャラクタ画像Pが札幌駅に到達している。すなわち、同図(c)に示すように、装飾図柄190が当たり図柄組み合わせにて停止表示され、「札幌に到着!大当たり!」の文字が表示されている。このように、スゴロクゲームの演出過程で大当たりが発生したときにキャラクタ画像Pを目的地に到達するよう、図柄変動ごとにキャラクタ画像Pの移動量が決定される。このように大当たりが発生してキャラクタ画像Pが目的地へ到達すると、遊技状態は特別遊技へ移行される。そして、その特別遊技が終了して通常遊技が開始されると、その目的地であった札幌が出発地として設定される一方、目的地候補の中から次の目的地が決定され、同様の処理が行われる。なお、本実施例では、当否抽選の結果が当たりとなったときにキャラクタ画像Pが目的地に到達する例を示した。変形例においては、当否抽選の結果が外れであってもキャラクタ画像Pを目的地に到達させる演出パターンを含めるようにしてもよい。例えば、キャラクタ画像Pが目的地に到達しても当たりが発生しないものの、スーパーリーチ等を伴う図柄変動を表示させるなど、当たり期待度の高い高期待度演出が実行されるようにしてもよい。
なお、本実施例では図柄変動ごとに当否抽選を行っており、当該変動以外の結果を先に取得することができないため、出発地と目的地との距離に応じてキャラクタ画像Pの移動量が決められている。その距離が大きい場合には相対的に移動量が比較的大きくなるように決定され、距離が小さい場合には相対的に移動量が小さくなるように決定される。当否抽選が外れとなる状態が続き、キャラクタ画像Pが目的地を通り越してしまう場合もある。その場合には、所定数の駅を通り過ぎたときに、キャラクタ画像Pの進行方向を逆転させて再度その目的地へ向かわせる。このような演出を数回繰り返しても大当たりが発生しない場合、その目的地にはたどり着けなかった旨を表す演出表示を行い、新たな出発地と目的地を設定し、図6(b)に示したような表示画面に再び移行する。
図8〜図10は、スゴロクゲームにおける経路候補の決定方法を示す説明図である。
本実施例のスゴロクゲームを実行する際にはまず、10駅の出発地候補および目的地候補の中から抽選により出発地および目的地をそれぞれ決定し、続いて、それらをつなぐ複数の経路候補のいずれかを決定する。そして、決定された経路候補に沿ってキャラクタ画像を移動表示させる。そのときのキャラクタ画像の移動量は、上述のようにその出発地と目的地との距離、および当否抽選の結果に基づいて決定される。
演出画像決定手段133は、キャラクタ画像Pを出発地から目的地まで最短経路にて移動させるための最短路選択テーブルを保持している。この最短路選択テーブルは、出発地候補と目的地候補との間に位置する駅(停止位置候補)の数が最少となる最短経路をとるよう経路候補を選択するように設定されたテーブルである。具体的には、演出画像決定手段133は、各出発地候補について最短路検索を実行するために図8に示すようなリスト構造のデータ(以下、「リストデータ」という)を保持している。なお、ここでは理解を容易にするために、このリストデータの構造を図9に示すマップデータを例に説明する。
すなわち、このスゴロクゲームにおける停止位置候補である各駅に対応するマスには番号が付与されている。ここでは仮に、図9に示すマス1〜マス8のうち、着色されたマス1,2,4,6,8が出発地候補かつ目的地候補であるとする。図8に示すように、出発地候補のマスには、各停止位置候補のマスへ最短経路で移動する場合に経由するマス数のデータ(最短マス数)と、その最短マス数の経路を選択する場合の直前のマスのデータ(直前マス番号)が設定されている。図9に示すマップデータにおいて、仮に出発地候補2と目的地候補6が決定されたとする。その場合、両者をつなぐ経路候補として、図中実線矢印にて示す出発地候補2から停止位置候補3,4,5を経由して目的地候補6へ到る経路候補R1と、一点鎖線矢印にて示す出発地候補2から停止位置候補8,7を経由して目的地候補6へ到る経路候補R2が存在する。この場合、最短経路を形成するのは経路候補R2ということになる。最短路選択テーブルには、このように出発地候補と目的地候補とが決定されると、その目的地候補から停止位置候補を逆にたどることで最短経路を形成する停止位置候補の組み合わせを演算できるリストデータが保持されている。
すなわち、図10に示すように、現在地(出発地)として出発地候補2が選択され、目的地として目的地候補6が選択された場合、演出画像決定手段133は、その出発地候補2に係るマス2のリストデータにおいて目的地候補6に係るマス6のデータを参照する。図示の例では、太枠にて示したように、その場合の最短マス数は3であり、直前マス番号がマス7を示している。このため、続いてマス7の直前マス番号を参照してマス8を取得し、さらにマス8の直前マス番号を参照してマス2を取得する。このようにして、出発地候補2に係るマス2が取得されたときに経路が決定される。すなわち、マス6を起点に順次取得されたマス6,7,8を逆方向に並べ替えたマス8,7,6が、マス2を出発地とする最短経路を形成する経路候補R2として算出される。
このように、決定された目的地候補を起点としてその直前マス(直前の停止位置候補となる駅)がさらにその直前マスを特定するポインタとして順次機能するリスト構造となっている。なお、全ての停止位置候補についてリストデータを設定するようにしてもよいが、ここでは出発地候補の数だけリストデータを設定すれば足りる。本実施例では、出発地候補と目的地候補が決定されると同時に経路候補を演算してしまうため、出発地候補をパラメータとしてデータを保持すれば足りるからである。
なお、出発地候補と目的地候補との間に最短経路をとる経路候補が複数存在する場合には、演出画像決定手段133は、予め定める選択基準にしたがっていずれかの最短経路に対応する経路候補を決定する。本実施例では、例えばマップデータにおいて最も太平洋側にあるルートが選択される。ただし、その選択基準については適宜設定することができる。このように最短経路が複数ある場合にのみ、抽選を行っていずれかの経路候補を選択するようにしてもよい。演出画像決定手段133は、このようにして最短経路をとる経路候補が決定されると、当否抽選の結果に応じてキャラクタ画像の移動量を決定する。当否抽選の結果が当たりであった場合、キャラクタ画像がその図柄変動により目的地へ到達するように演出内容を決定する。当否抽選の結果が外れである場合には、基本的にキャラクタ画像を目的地より手前の駅で停止させるように演出内容を決定する。演出表示制御手段134は、決定された移動量にしたがってキャラクタ画像の移動表示を行う。
図11は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。
まず、遊技球が始動口62、一般入賞口72、大入賞口66などへ入賞した場合や、遊技球が作動口68を通過した場合の処理を実行し(S10)、特別遊技中でなければ(S12のN)、当否抽選などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、特別遊技中であれば(S12のY)、特別遊技の制御処理を実行し(S16)、S10からS16までの処理における各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
図12は、図11におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。
通常遊技制御処理において、未だ演出表示が開始されていなければ(S20のN)、演出表示制御手段134がその演出表示を開始する(S22)。ここでは、上述したスゴロクゲームの開始画面等が表示される。既に演出表示が開始されていれば(S20のY)、S22の処理をスキップする。演出表示が開始されると、後述する変動表示制御処理が実行されるとともに(S24)、演出表示制御処理が実行される(S26)。
図13は、図12におけるS24の変動表示制御処理を詳細に示すフローチャートである。
変動表示制御処理においては、当否抽選値の保留がなされている場合であって(S30のY)、図柄変動が表示中でなければ(S32のN)、当否抽選手段112が当否判定処理を実行する(S34)。その判定結果に応じてメイン表示制御手段118が変動表示を開始するとともに、変動開始コマンドを演出表示制御手段134へ送信し、これを受信した演出表示制御手段134が変動パターンデータにしたがって演出画像の変動表示を開始する(S36)。S30において当否抽選値が保留されていなかった場合は(S30のN)、S32からS36までの処理がスキップされ、S32において図柄変動が表示中であった場合は(S32のY)、S34およびS36の処理がスキップされる。続いて、図柄変動表示がすでに開始されていれば(S38のY)、図柄変動表示処理を実行し(S40)、図柄変動表示が開始されていないときは(S38のN)、S40をスキップする。
図14は、図13におけるS34の当否判定処理を詳細に示すフローチャートである。 まず、当否抽選手段112が当否抽選値を読み出して(S42)、その当否抽選値に基づいて当否を判定する(S44)。図柄決定手段114は、当否判定結果に基づいて特別図柄の停止図柄を決定し(S46)、特別図柄の変動パターンを選択する(S48)。演出決定手段132は、当否判定結果および特別図柄に基づいて装飾図柄の停止図柄組合せを決定し(S50)、特別図柄の変動パターンに応じて装飾図柄の変動パターンを選択する(S52)。
図15は、図12におけるS26の演出表示制御処理を詳細に示すフローチャートである。
演出表示制御処理において、キャラクタ画像を移動表示させる経路が未だ決定されていなければ(S102のN)、演出画像決定手段133は、複数の出発地候補および目的地候補の中から出発地、目的地をそれぞれ決定する(S104)。そして、決定された出発地候補と目的地候補を用いて上述した最短路選択テーブルを参照し、最短経路を演算する(S106)。すなわち、決定された目的地候補から最短経路を形成する直前の停止位置候補を逆にたどることにより停止位置候補を順次特定する。そして、その停止位置候補の組み合わせにより特定される経路候補を決定する(S108)。S102において、既に経路が決定済みであれば(S102のY)、S104からS108の処理をスキップする。
続いて、キャラクタ画像Pを移動表示させる示唆演出が実行中でなければ(S110のN)、当否抽選の結果を取得し(S112)、キャラクタ画像Pの移動量を決定する(S114)。このとき、当否抽選の結果が当たりであれば、サイコロ画像Sの数およびその出目の合計を目的地までの駅の数に一致させるように移動量を決定する。当否抽選の結果が外れである場合、キャラクタ画像Pの現在地と目的地との距離、つまりその間に存在する駅数に応じてキャラクタ画像Pの移動量を決定する。そして、装飾図柄の変動開始タイミングにて(S116のY)、キャラクタ画像Pをその移動量分だけ移動表示させる示唆演出の表示を開始する(S118)。
S110において示唆演出が開始されていない場合には(S110のN)、S112以降の処理をスキップしてS26のフローを終了する。また、S116において変動表示が開始されていない場合には(S116のN)、S118の処理をスキップしてS26のフローを終了する。
図16は、図11におけるS16を詳細に示すフローチャートである。
まず、大入賞口66が開放済でなければ(S70のN)、演出表示制御手段134が特別遊技の演出処理を開始し(S72)、開閉制御手段124が大入賞口66を開放する(S74)。大入賞口66が開放済であればS72およびS74をスキップする(S70のY)。大入賞口66が開放されてから所定の開放時間が経過した場合(S76のY)、または、開放時間が経過していないものの(S76のN)、大入賞口66へ遊技球が9球以上入球した場合(S78のY)、開閉制御手段124が大入賞口66を閉鎖させる(S80)。開放時間が経過しておらず(S76のN)、大入賞口66への入球数も9球以上に達していない場合は(S78のN)、S80以降の処理をスキップしてS16のフローを終了する。
S80における大入賞口66の閉鎖後、単位遊技のラウンド数が15に達していた場合(S82のY)、演出表示制御手段134は特別遊技の演出処理を終了させ(S84)、特別遊技制御手段120は特別遊技を終了させる(S86)。ラウンド数が15に達していなければ(S82のN)、ラウンド数に1を加算してS16のフローを終了する(S90)。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
上記実施例では、出発地候補と目的地候補との最短経路を、その間にある停止位置候補の総数が最少となる経路候補として特定した。変形例においては、各経路候補の物理的距離(経路の長さ)を基準に最短経路を特定してもよい。例えば、各停止位置候補の位置情報を平面座標として保持することにより最短経路を特定することができる。このように特定した最短経路上に存在する停止位置候補について、目的地候補を起点として直前マスを順次特定していくことで停止位置候補の組み合わせ、つまり最短経路を形成する経路候補を決定することができる。
上記実施例では、目的地候補を起点として直前マスを順次たどって最短経路を構成する停止位置候補の組み合わせを特定した例を示した。変形例においては、出発地候補を起点として直後マスを順次たどって最短経路を構成する停止位置候補の組み合わせを特定するようにしてもよい。
上記実施例では、マップ画像においてキャラクタ画像を列車にて移動させる示唆演出を例示したが、さらに船や飛行機、あるいは自動車などの交通手段を利用可能な演出内容としてもよい。その場合、停止位置候補として駅のみならず、港や空港、あるいは高速道路のサービスエリア、観光地等を設定することができる。
上記実施例では、装飾図柄の変動表示の開始とともにサイコロ画像が振られ、その出目に応じてキャラクタ画像を移動表示させる例を示したが、装飾図柄の変動開始タイミングとサイコロ画像の作動開始タイミングとを必ずしも一致させる必要はない。また、サイコロ画像ではなく、ルーレット画像等その他のオブジェクト画像によりキャラクタ画像の移動量を報知するようにしてもよい。
上記実施例では、通常遊技に移行するごとにスゴロクゲームによる示唆演出を行う例を示した。変形例においては、通常遊技中にその示唆演出を表示させるか否かを抽選等により決定し、その決定に応じてこれを表示させるようにしてもよい。
上記実施例では、装飾図柄の一変動につき、キャラクタ画像を一回移動表示させる例を示した。変形例においては、1回の図柄変動時間において擬似的に複数回の図柄変動が含まれるように表示させるいわゆる疑似連続変動を伴う演出内容を組み入れ、その擬似的な図柄変動ごとにキャラクタ画像を移動表示させるようにしてもよい。ここで、擬似的な図柄変動とは、図柄の変動中に擬似的な停止状態を演出し、1回の図柄変動を複数回の変動に見せる演出である。疑似的な停止状態においては、装飾図柄を構成する複数の図柄のいずれかを停止位置を中心に前後に微動させるようにしてよい。これにより、例えば出発地候補と目的地候補とが大きく離れている場合、擬似的な図柄変動ごとにサイコロ画像を振って移動量を稼ぐことができる。すなわち、サイコロ画像の数のみでなく、疑似連続変動を利用することで、当否抽選の結果とキャラクタ画像の移動量との帳尻合わせを行うことができる。
他の変形例では、いわゆる抽選値の先読みが可能な構成を採用してもよい。すなわち、当否抽選手段112が、図柄の変動タイミングにかかわらず、保留制御手段116が抽選値を保留するごとにその抽選値を用いて順次当否抽選を実行し、その情報を演出決定手段132や演出画像決定手段133へ送信するようにしてもよい。演出画像決定手段133は、この当否抽選の先読み情報を逐次保持する。上述のように保留数の上限が4つであるため、演出画像決定手段133は、その上限数の範囲内で保留された抽選値による当否結果を図柄変動に先行して取得することができる。保留された抽選値の中に当たりがある場合、その抽選値に対応する図柄変動が行われるときにキャラクタ画像を目的地に到達させることができる。つまり、キャラクタ画像による示唆演出の内容と、当否抽選の結果とを整合させることが容易になる。
なお、上記実施例では、本発明の弾球遊技機を、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する複合機として構成した例を示したが、第1種ぱちんこ遊技機単体として構成してもよい。あるいは、第1種ぱちんこ遊技機の機能と第2種ぱちんこ遊技機の機能を組み合わせた遊技機など、第1種ぱちんこ遊技機の機能を含むその他の遊技機として構成してもよい。
10 ぱちんこ遊技機、 50 遊技盤、 52 遊技領域、 60 演出表示装置、 61 特別図柄表示装置、 62 始動口、 66 大入賞口、 68 作動口、 72 一般入賞口、 82 操作ボタン、 100 遊技制御装置、 102 メイン基板、 104 サブ基板、 112 当否抽選手段、 118 メイン表示制御手段、 120 特別遊技制御手段、 130 パターン記憶手段、 131 演出画像記憶手段、 132 演出決定手段、 133 演出画像決定手段、 134 演出表示制御手段、 190 装飾図柄、 192 特別図柄、 200 画面。