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JP2009285729A - 鋳型の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】球状鋳物砂の再生鋳物砂を用いて鋳型を製造するにあたり、硬化速度の低下が抑制できる製造方法を提供する。
【解決手段】球形度が0.95以上でありAl23を主成分とする球状鋳物砂の再生鋳物砂を、酸硬化性樹脂を含有する結合剤及び硬化剤(I)と共に用いて鋳型を製造するにあたり、硬化剤(I)及び再生鋳物砂を得るための鋳型の製造に用いる硬化剤(II)の少なくとも一方として、有機スルホン酸を含有し、且つ該硬化剤中の硫酸含有量が5重量%以下、リン酸含有量が5重量%以下である硬化剤を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、再生鋳物砂を用いた鋳型の製造方法に関する。
鋳型の成型に用いられる鋳物砂(耐火性粒状材料)に多く用いられてきた珪砂、ジルコン砂、クロマイト砂、オリビン砂等の欠点を補う目的で、近年、人工的に製造された鋳物砂の使用が検討されている。その中にムライト系及びアルミナ系鋳物砂に代表されるAl23を主成分とする鋳物砂がある。これは、高耐火性、低熱膨張性、高耐破砕性、球状である等の良好な特性を有する。このため年々その需要が増加しており、酸硬化性フラン樹脂を使用する鋳型成型プロセスであるフラン自硬性プロセスを採用している分野においては、その使用を試みる例が増加している。このようなAl23を主成分とする鋳物砂に酸硬化性樹脂を用いる技術は既に広く知られているが、いくつか課題があることが知られている。
特許文献1においては、大物や複雑な鋳型を成型する際に、混練砂が硬化し始めるまでの時間が長くなるよう調整し成型した場合、即ちいわゆる可使時間が長い場合において、鋳型強度が低下する課題に対して、硬化剤にリン酸及び有機スルホン酸を必須成分とし、リン酸の含有量が10〜85重量%及び有機スルホン酸の含有量が5〜70重量%である鋳型成型用組成物が開示されている。
また、特許文献2においては、鋳型中の硫黄原子含有率を低減する課題に対して、火炎溶融法で製造された球状鋳物砂100重量部に対し、フラン樹脂を含有する粘結剤組成物と、[硫黄原子含量/(燐原子含量+硫黄原子含量)]で示される燐原子と硫黄原子との重量割合が0〜0.7である硬化剤組成物とを、それぞれ特定比率で添加し、前記フラン樹脂を硬化させることにより鋳型を製造することが開示されている。
また、特許文献3には、再生鋳物砂を用いてフラン鋳型を得るにあたり、窒素を含有するフラン樹脂の硬化触媒としてパラトルエンスルホン酸又はキシレンスルホン酸を用いることが記載されている。
特開平9−47840号公報 特開2006−247716号公報 特開昭57−58948号公報
鋳物砂は鋳型を成型し鋳造した後に再利用されるが、鋳物砂が珪砂の場合、フランバインダーに代表される酸硬化性バインダーでの、繰返し用いた再生鋳物砂は、新砂に比較して硬化速度が速くなるという特徴があり、好んで用いられる。
しかしながら、鋳物砂のなかでもAl23を主成分とする球状鋳物砂の場合、酸硬化性バインダーを用いた後の再生鋳物砂を、再度、酸硬化性樹脂で硬化させると、鋳型の硬化速度が低下するという課題がある。特に再生鋳物砂の残存樹脂分を少なく管理するために強い再生処理を行う場合や、鋳型と鋳物の重量比〔鋳型/熔湯(重量比)〕であるサンドメタル比が低い場合などには、この課題が顕著に現れる。また、更に、火炎溶融法やアトマイズ法などにより得られる球形度が高く、鋳物砂自体の表面が平滑な人工セラミックス鋳物砂においては、樹脂添加量を低減できるため、好適である反面、硬化剤の添加量も低くなるため、上記課題をより顕著に受ける。特許文献1〜3は、このような球状鋳物砂の再生鋳物砂についての問題に言及していない。
さらに、特許文献1は、硬化剤中の低含量リン酸も、球形度が0.95以上である球状鋳物砂にも言及していない。また、特許文献2ではリン酸が硬化剤中に30重量%以上用いられている。また、特許文献3は、Al23を主成分とする鋳物砂に言及していない。上記のような硬化速度の低下も言及していない。
本発明の課題は、球状鋳物砂の再生鋳物砂を用いて鋳型を製造するにあたり、硬化速度の低下を抑制できる製造方法を提供することである。
また、本発明は、球状鋳物砂の再生鋳物砂を用いて鋳型を製造するにあたり、硬化速度の低下した再生鋳物砂において硬化剤濃度、即ち硬化剤中の硫黄元素含有量(S%)を上げると十分な可使時間がとれずに最終強度が低下する、という問題も解決しようとするものである。
本発明は、再生鋳物砂、酸硬化性樹脂を含有する結合剤(I)、及び硬化剤(I)を用いた鋳型の製造方法であって、
前記再生鋳物砂が、球形度が0.95以上である球状鋳物砂(A)と酸硬化性樹脂を含有する結合剤(II)と硬化剤(II)とを用いて製造した鋳型から得られた、Al23を主成分とする再生鋳物砂であり、
前記硬化剤(I)および硬化剤(II)の少なくとも一方が、有機スルホン酸を含有し、且つ該硬化剤中の硫酸含有量が5重量%以下、リン酸含有量が5重量%以下である、鋳型の製造方法である。
また、本発明は、硬化剤(II)が、有機スルホン酸を含有し、且つ該硬化剤中の硫酸含有量が5重量%以下、リン酸含有量が5重量%以下である上記製造方法を含む。即ち、再生鋳物砂、酸硬化性樹脂を含有する結合剤(I)、及び硬化剤(I)を用いた鋳型の製造方法であって、
前記再生鋳物砂が、球形度が0.95以上である鋳物砂(A)と酸硬化性樹脂を含有する結合剤(II)と硬化剤(II)とを用いて製造した鋳型から得られた、Al23を主成分とする再生鋳物砂であり、
前記硬化剤(II)が、有機スルホン酸を含有し、且つ該硬化剤中の硫酸含有量が5重量%以下、リン酸含有量が5重量%以下である、
鋳型の製造方法に関する。
換言すれば、本発明の鋳型の製造方法は、再生鋳物砂を用いて鋳型を製造する工程を含む鋳型の製造方法であって、再生鋳物砂が、(1)Al23を主成分とする球形度が0.95以上の球状鋳物砂と、(2)酸硬化性樹脂を含有する結合剤と、(3)有機スルホン酸を含有し、且つ該硬化剤中の硫酸含有量が5重量%以下、リン酸含有量が5重量%以下である硬化剤とを用いて製造された鋳型から得られるものである、鋳型の製造方法である。
本発明によれば、球状鋳物砂を用いた鋳型から得た、Al23を主成分とする再生鋳物砂を使用して鋳型を製造する際の硬化速度の低下を抑制でき、良好な鋳型強度、なかでも初期の鋳型強度を得ることができる。
人工ムライト及びアルミナ系鋳物砂に代表されるAl23を主成分とする球状鋳物砂は、高耐火性、低熱膨張性、高耐破砕性等、種々の良好な特性を有するため、その再生鋳物砂の硬化速度の低下を抑制できることは有用であり、たとえば鋳物品質の向上や、鋳物砂の再生利用率向上によるコストダウンなどの効果につながる。
また、本発明によれば、硬化速度の低下した再生鋳物砂において、硬化剤濃度、即ち硬化剤中の硫黄元素含有量(S%)を上げても硬化に到るまでの時間としての可使時間を十分とることが可能で、最終強度に優れた鋳型を得ることが出来る。
硬化剤中の硫酸およびリン酸は鋳物砂のAlと反応し、塩基性塩を生成する。塩基性塩は結合剤中の酸硬化性フラン樹脂の硬化速度を下げる。本発明はこの問題を解決する。また、有機スルホン酸は上記のような塩基性塩の生成を少なくする。
本発明においては、硬化剤(I)および硬化剤(II)の少なくとも一方が、有機スルホン酸を含有し、且つ該硬化剤中の硫酸含有量が5重量%以下、リン酸含有量が5重量%以下である。即ち、本発明は、新砂を使用した場合、次回の再生鋳物砂を用いた際の硬化速度の低下を抑制できる観点から硬化剤(I)が好ましく、再生鋳物砂を使用する場合、硬化速度の低下を抑制できる観点から硬化剤(II)が好ましい。また、本発明は、硬化剤(I)が、有機スルホン酸を含有し、且つ該硬化剤中の硫酸含有量が5重量%以下、リン酸含有量が5重量%以下である上記製造方法を含む。さらに、本発明には、硬化剤(I)及び硬化剤(II)の双方が、再生鋳物砂を繰り返し使用して行く上で、硬化速度の低下を抑制できる観点から好ましく、有機スルホン酸を含有し、且つ該硬化剤中の硫酸含有量が5重量%以下、リン酸含有量が5重量%以下である上記製造方法を含む。
硬化剤(II)が、有機スルホン酸を含有し、且つ該硬化剤中の硫酸含有量が5重量%以下、リン酸含有量が5重量%以下である本発明の一形態について以下に詳述する。
本態様で用いられる前記再生鋳物砂は、球形度が0.95以上である球状鋳物砂(A)と酸硬化性樹脂を含有する結合剤(II)と硬化剤(II)とを用いて製造した鋳型から得られた、Al23を主成分とする再生鋳物砂である。ここで、硬化剤(II)は、有機スルホン酸を含有し、且つ該硬化剤中の硫酸含有量が5重量%以下、リン酸含有量が5重量%以下のものである。硬化剤(II)について、硫酸とはH2SO4なる化学式で表される物質をいい、リン酸とは五酸化二燐が水和してできる酸の総称であり、メタリン酸、ピロリン酸、オルトリン酸、リン酸、二リン酸、三リン酸、四リン酸等が挙げられる。
硬化剤(II)は、有機スルホン酸の含有量が5〜100重量%であることが好ましく、15〜100重量%が更に好ましい。
また、硬化剤(II)は、有機スルホン酸の他、硫酸やリン酸などの硬化剤を併用することができるが、再生鋳物砂使用における鋳型の硬化速度維持及び強度向上の観点から、硬化剤(II)中の硫酸の含有量は5重量%以下であり、1重量%以下が好ましく、実質的に0重量%が更に好ましい。また、同様な観点から、硬化剤(II)中のリン酸の含有量は、5重量%以下であり、1重量%以下が好ましく、実質的に0重量%が更に好ましい。「実質的に」とは、不純物程度の量は含有してもよいことを意味する。
硬化剤(II)には有機スルホン酸及び硫酸以外に由来する硫黄(S)元素を含有する場合があるが、再生鋳物砂使用における鋳型の硬化速度維持及び強度向上の観点から、硬化剤(II)中に含まれる全S元素量に占める有機スルホン酸由来のS元素量の割合は80重量%以上が好ましく、90重量%以上がより好ましく、実質的に100重量%がより好ましい。且つ、同様な観点から、硬化剤(II)中の全S元素量に占める硫酸由来のS元素量の割合は10重量%以下が好ましく、6重量%以下がより好ましく、実質的に0重量%が更に好ましい。また、硬化剤(II)中に含まれるリン(P)元素量は、1重量%以下が好ましく、実質的に0重量%がより好ましい。「実質的に」とは、不純物程度の量は含有してもよいことを意味する。
硬化剤(I)又は硬化剤(II)に用いられる有機スルホン酸としてはメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸等のアルキルベンゼンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸等のアルカン若しくはアリールスルホン酸、フェノールスルホン酸などが挙げられるが、コストなどの観点から、キシレンスルホン酸、トルエンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、及びメタンスルホン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、キシレンスルホン酸、トルエンスルホン酸、及びメタンスルホン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
有機スルホン酸は、製造時に生成する異性体を含んでいてもよい。例えば、キシレンスルホン酸を例に挙げると、m−キシレン−4−スルホン酸、m−キシレン−2−スルホン酸、o−キシレン−4−スルホン酸、o−キシレン−2−スルホン酸、p−キシレン−2−スルホン酸や、不純物としてm−キシレン−2,4−ジスルホン酸やm−キシレン−2,6−ジスルホン酸などのジスルホン酸などが含まれていても良い。これらスルホン酸の種類はNMRにより同定することができる。
硬化剤(I)又は硬化剤(II)には、有機スルホン酸以外の、公知の酸性物質を加えて使用してもよい。酸性物質としては、例えば、カルボン酸等の有機酸、硝酸等の無機酸などの1種又は2種以上の混合物を含有しても良いが、硫酸及びリン酸の量は制限される。
硬化剤(I)又は硬化剤(II)は、その他に水若しくはアルコール等の希釈溶媒を含有していてもよい。希釈溶媒に使用される溶媒としては、コスト等の観点から、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールが好ましい。
本発明のうち、前記した一形態では、硫酸量及びリン酸量を低減した特定の硬化剤(II)を用いて製造した鋳型からの再生鋳物砂を用いることで、Al23を主成分とする球状鋳物砂の再生鋳物砂において、再生時の硬化速度の低下を抑制できる。その理由については、詳細は不明であるが、硫酸及びリン酸の場合、鋳造時の熱によりAl23を主成分とする鋳物砂の表面のAl23と反応し、何らかの硬化阻害物質が生成し、これが次回の再生鋳物砂による造型に影響を及ぼしているものと推察している。
また、硬化剤(I)又は硬化剤(II)は、酸硬化性樹脂を含有する結合剤(I)又は結合剤(II)と共に用いられる。酸硬化性樹脂としては、酸硬化性フラン樹脂、酸硬化性フェノール樹脂が挙げられる。酸硬化性フラン樹脂としては、従来公知の樹脂が用いられ、これを単独で又は混合して結合剤として使用する。酸硬化性フラン樹脂の具体例としては、フルフリルアルコール、フルフリルアルコールポリマーやフルフリルアルコール・アルデヒド類重縮合物が使用される。更に、フェノール類・アルデヒド類重縮合物、メラミン・アルデヒド類重縮合物、尿素・アルデヒド類重縮合物等のフルフリルアルコールとの混合物又は共縮合物が使用される。また、これらの重縮合物のうち、2種以上を更に共縮合させたものも、酸硬化性フラン樹脂として使用することができる。フルフリルアルコール等と重縮合されるアルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、グリオキザール、フルフラール等の従来公知のアルデヒド化合物を使用することができる。また、フェノール類・アルデヒド類重縮合物を使用する場合、フェノール類としては、フェノール、レゾルシノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等の従来公知のフェノール化合物を単独で又は混合して用いることができる。また、公知の変性剤とともに使用してもよい。
結合剤(I)又は結合剤(II)が、酸硬化性樹脂として酸硬化性フラン樹脂を含有する場合、鋳型強度を更に向上させる点から、下記の一般式(1)で示される化合物の1種又は2種以上を含有することが好ましい。
Figure 2009285729
一般式(1)の化合物としては、2,5−ビスヒドロキシメチルフラン、2,5−ビスメトキシメチルフラン、2,5−ビスエトキシメチルフラン、2−ヒドロキシメチル−5−メトキシメチルフラン、2−ヒドロキシメチル−5−エトキシメチルフラン、2−メトキシメチル−5−エトキシメチルフランが挙げられ、これらは単独で又は混合して使用される。特に、2,5−ビスヒドロキシメチルフランを使用するのが好ましい。
一般式(1)で示される化合物の結合剤(I)又は結合剤(II)中の含有量は、例えば0.5〜63.0重量%、好ましくは1.8〜50.0重量%、より好ましくは2.5〜50.0重量%、更に好ましくは5.0〜40.0重量%、より更に好ましくは7.0〜40.0重量%である。一般式(1)で示される化合物の量が0.5重量%以上であると、一般式(1)で示された化合物を含有させたことによる鋳型強度の向上効果が得られやすく、また、63.0重量%以下であると、一般式(1)で示される化合物が酸硬化性樹脂中に速やかに溶解し、結合剤中に沈澱が発生することを防止しやすい。
また、結合剤(I)又は結合剤(II)が、酸硬化性樹脂として酸硬化性フラン樹脂を含有する場合、硬化速度向上の点から、ポリフェノール化合物を含有することが好ましい。ポリフェノール化合物としては、合成又は天然のポリフェノール化合物を使用することができる。例えば、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、ピロガロール及びフロログルシノール等の合成品並びにこれらから誘導される骨格を有する合成ポリフェノール化合物や、タンニン、リグニン及びカテキン等の天然ポリフェノール化合物並びにこれらから誘導される骨格を有する合成ポリフェノール化合物等が挙げられる。また、ポリフェノール化合物の結合剤(I)又は結合剤(II)中の含有量は、好ましくは0.1〜40重量%、より好ましくは0.1〜20重量%、更に好ましくは3〜10重量%である。ポリフェノール化合物の含有量がこの範囲であると、酸硬化性樹脂中にポリフェノール化合物が沈殿を生じることなく良好に溶解するため好ましい。
更に、結合剤(I)又は結合剤(II)を用いて鋳型を製造する際には、鋳型強度をより向上させる目的でシランカップリング剤を加えてもよい。シランカップリング剤としては、例えばγ−(2−アミノ)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどを使用することができる。なお、シランカップリング剤を、混練砂中に添加するには、結合剤(II)中や、硬化剤(II)中にシランカップリング剤を添加して、結合剤(II)や硬化剤(II)を球状鋳物砂(A)に添加混練してもよく、球状鋳物砂(A)にシランカップリング剤を直接添加混練してもよい。また、結合剤(I)中や硬化剤(I)中にシランカップリング剤を添加して、再生鋳物砂に添加混練してもよく、再生鋳物砂にシランカップリング剤を直接添加混練してもよい。
本発明に用いられる球状鋳物砂(A)は、球形度が高いほど、同一強度を得るための添加量を低くすることが出来、その結果、硬化剤添加量も低くできる。本発明が解決しようとする課題、即ち再生鋳物砂における硬化速度の低下は、硬化剤(I)の添加量が低い場合に特に顕著に現れる。従って、本発明に用いられる球状鋳物砂(A)は、球形度が0.95以上、好ましくは0.98以上、より好ましくは0.99以上のものである。
本発明においては、再生鋳物砂として球状鋳物砂が用いられるため、元の球状鋳物砂の球形度は、1000℃、1時間にて加熱処理を行い、砂表面の残留有機分を除去した後に測定する。
球状鋳物砂(A)の球形度は、光学顕微鏡又はデジタルスコープ(例えば、キーエンス社製、VH−8000型)により該粒子の像(写真)を得、得られた像を画像解析することにより、該粒子の粒子投影断面の面積及び該断面の周囲長を求める。次いで、〔粒子投影断面の面積(mm2)と同じ面積の真円の円周長(mm)〕/〔粒子投影断面の周囲長(mm)〕を計算し、任意の50個の球状鋳物砂粒子につき、それぞれ得られた値を平均して求める。
また、球状鋳物砂(A)の平均粒径(mm)は、造型時のバインダーの使用量の低減(再生効率の向上)や鋳型強度の観点から、0.05〜1.5mmが好適である。球状鋳物砂の再生効率を高める観点から、0.075〜1.5mmが好ましく、一方、鋳型強度を高める観点から、0.05〜1mmが好ましい。再生効率と鋳型強度の両者を高める観点から、0.075〜0.5mmがより好ましく、0.075〜0.35mmが更に好ましい。
前記平均粒径は以下のようにして求めることができる。すなわち、球状鋳物砂粒子の粒子投影断面からの球形度=1の場合は直径(mm)を測定し、一方、球形度<1の場合はランダムに配向させた球状鋳物砂粒子の長軸径(mm)と短軸径(mm)を測定して(長軸径+短軸径)/2を求め、任意の100個の球状鋳物砂粒子につき、それぞれ得られた値を平均して平均粒径(mm)とする。長軸径と短軸径は、以下のように定義される。粒子を平面上に安定させ、その粒子の平面上への投影像を2本の平行線ではさんだとき、その平行線の間隔が最小となる粒子の幅を短軸径といい、一方、この平行線に直角な方向の2本の平行線で粒子をはさむときの距離を長軸径という。
なお、球状鋳物砂粒子の長軸径と短軸径は、光学顕微鏡又はデジタルスコープ(例えば、キーエンス社製、VH−8000型)により該粒子の像(写真)を得、得られた像を画像解析することにより求めることができる。
球状鋳物砂(A)はAl23を主成分とする鋳物砂であり、Al23を20〜100重量%、更に40〜100重量%含有することが好ましく、本発明の効果が大きくなる観点から、60〜100重量%、更に80〜100重量%含有することが好ましい。また、砂の製造の容易さと得られた鋳型の熱膨張を低減させる観点から、SiO2を含有することが好ましく、SiO2を40〜5重量%、更に40〜15重量%含有することが好ましい。球状鋳物砂(A)がAl23とSiO2とを含有する場合、Al23/SiO2の重量比は1〜15、更に1.2〜12、より更に1.5〜9が好ましい。よって、本発明では、再生鋳物砂が、更にSiO2を含むことができる。
球状鋳物砂としては、球形度が高く、砂自体の表面の凹凸が少ないため、樹脂添加量が低く出来る火炎溶融法による球状鋳物砂やアトマイズ法によって得られた溶融造粒法による球状鋳物砂が好ましい。これらの鋳物砂においては、硬化剤添加量も少なくできるが、その一方で、再生鋳物砂性状の悪化による硬化速度低下が顕著となる傾向にある。しかし、本発明により、こうした火炎溶融法による球状鋳物砂やアトマイズ法によって得られた溶融造粒法による球状鋳物砂での課題を十分に解決できる。従って、好適な球状鋳物砂(A)として、例えば特開2004−202577号に示されるような火炎溶融法により製造される球状の人工セラミック鋳物砂、アトマイズ法によって得られた溶融造粒法によるセラミック人工鋳物砂〔例えば商品名:エスパールL、H、S、山川産業(株)製、やグリンビーズ、キンセイマテック製やアルサンド、コスモ製〕が挙げられ、火炎溶融法により製造された球状鋳物砂が更に好ましい。
以上のような球状鋳物砂(A)と、酸硬化性樹脂を含有する結合剤(II)と、硬化剤(II)とを用いて、鋳型を成型するには、常法に従って、例えば、まず球状鋳物砂100部(重量基準、以下に同じ)に対し、硬化剤(II)を0.2〜3部混合し、次いで酸硬化性フラン樹脂0.5〜5部相当量を含有する結合剤(II)を混合して成型する。
鋳型から再生鋳物砂を得る方法は公知の方法(例えば「鋳型造型法」、第4版、社団法人日本鋳造技術協会、平成8年11月18日、327〜330頁)に準じることができ、通常の乾式(機械的磨耗)あるいは焙焼式の再生方法が使用されるが、乾式(機械的磨耗)で再生されたものは収率も高く、経済的に優れ好ましい。
再生鋳物砂の残存樹脂分を低いレベルで管理するために機械的磨耗のような乾式再生処理を強く行う場合や、焙焼式再生処理を行う場合に本発明は特に有効である。
再生鋳物砂は、鋳型の硬化速度維持及び強度向上の観点から、砂1gあたりの下記測定法によるアルミニウム元素の溶出量が、50μg以下、更に40μg以下、より更に30μg以下であることが好ましい。
(アルミニウム元素の溶出量の測定方法)
再生鋳物砂25gをビーカーに秤取し、0.1N−HCl水溶液50mlを添加した後、15分間撹拌する。5分間静置後、上澄み液をろ紙を用いてろ過し、ろ液中のアルミニウム元素量をICP分析法(誘導結合プラズマ発光分光分析法)により定量し、再生鋳物砂1g当りの溶出量を算出する。
また、このアルミニウム溶出量は、球状鋳物砂(A)の再生において、機械再生の強さ(処理段数、処理時間、再生機の回転数等)を調整することや、焙焼再生条件(温度、時間)や、造型条件(サンドメタル比、硬化剤添加量)を変えることで調整できる。例えばサンドメタル比が低いと、鋳型が高温にさらされる部分がより多くなるため硫酸及びリン酸が砂のアルミアルミニウムと反応しアルミニウム溶出量が多くなる。また硬化剤添加量が多い場合には砂に対する硫酸及びリン酸の量が多いためアルミニウム溶出量が多くなる。
また、再生鋳物砂は、鋳物欠陥を防止する観点から強熱減量分は少ないほうが良く、強熱減量分が3重量%以下、より2重量%以下、更に1重量%以下、より更に0.5重量%以下であると本発明の効果が顕著である。強熱減量分は、鋳物砂に残存する、吸着水分、層間水分のほかに熱分解する物質の質量変化割合を重量百分率で表したものであり、本発明では、日本鋳造技術協会規格:「JACT試験法 S−2」に規定される「鋳物砂の強熱減量試験法」に従って測定したものをいう。
さらに、強熱減量分が0.6〜3重量%の場合、初期強度に優れた、即ち硬化速度の低下が抑えられた鋳型を製造できる観点から、再生鋳物砂1gあたりの、上記測定法によるアルミニウム元素の溶出量が、100μg以下、より90μg以下、更に80μg以下、より更に70μg以下であることが好ましい。
本発明では、上記のような特定の履歴をもつ再生鋳物砂と、酸硬化性樹脂を含有する結合剤(I)と、硬化剤(I)とを用いて鋳型を製造する。
結合剤(I)は前記結合剤(II)と同じものでも異なるものでも使用でき、好ましい態様も結合剤(II)と同様である。結合剤(I)が酸硬化性樹脂として酸硬化性フラン樹脂を含有するものが好ましく、その場合、前記一般式(1)で示される化合物の1種又は2種以上、及び/又はポリフェノール化合物を含有することが好ましい。また、硬化剤(I)は前記硬化剤(II)と同じものでも異なるものでも使用できるが、再生鋳物砂を繰り返し使用する観点から、前記硬化剤(II)の好ましい態様を満たす硬化剤を使用するのが好ましい。
即ち、硬化剤(I)は、有機スルホン酸の含有量が5〜100重量%であることが好ましく、15〜100重量%が更に好ましい。
また、硬化剤(I)は、有機スルホン酸の他、硫酸やリン酸などの硬化剤を併用することができるが、再生鋳物砂使用における鋳型の硬化速度維持及び強度向上の観点から、硬化剤(I)中の硫酸の含有量は5重量%以下であり、1重量%以下が好ましく、実質的に0重量%が更に好ましい。また、同様な観点から、硬化剤(I)中のリン酸の含有量は、5重量%以下であり、1重量%以下が好ましく、実質的に0重量%が更に好ましい。「実質的に」とは、不純物程度の量は含有してもよいことを意味する。
硬化剤(I)には有機スルホン酸及び硫酸以外に由来する硫黄(S)元素を含有する場合があるが、再生鋳物砂使用における鋳型の硬化速度維持及び強度向上の観点から、硬化剤(I)中に含まれる全S元素量に占める有機スルホン酸由来のS元素量の割合は80重量%以上が好ましく、90重量%以上がより好ましく、実質的に100重量%がより好ましい。且つ、同様な観点から、硬化剤(I)中の全S元素量に占める硫酸由来のS元素量の割合は10重量%以下が好ましく、6重量%以下がより好ましく、実質的に0重量%が更に好ましい。また、硬化剤(I)中に含まれるリン(P)元素量は、1重量%以下が好ましく、実質的に0重量%がより好ましい。「実質的に」とは、不純物程度の量は含有してもよいことを意味する。
再生鋳物砂と結合剤(I)と硬化剤(I)とを用いて、鋳型を製造するには、例えば、まず再生鋳物砂100部(重量基準、以下に同じ)に対し、硬化剤(I)を0.2〜3部混合し、次いで酸硬化性フラン樹脂0.5〜5部相当量を含有する結合剤(I)を混合して成型できる。硬化速度を早くする観点から、結合剤(I)を先に添加した後、硬化剤(I)を添加する方法が好ましい。また、以上により得られた混合砂を鋳型すべてに用いても良いし、必要とする部分だけに用いるのも良い。例えば、肌砂として使用し、裏砂には一般に使用されている珪砂からなるものを用いても良い。また、鋳型の造型に際しては、例えば硬化を促進するための添加剤等の公知の添加剤を使用してもよい。
硬化剤(I)及び硬化剤(II)中の有機スルホン酸、硫酸及びリン酸の含有量は、電位差滴定、元素分析及び/又はNMRにより同定することができる。
再生鋳物砂100重量部に対して、硬化剤(I)又は硬化剤(II)の添加量が0.1〜1重量部、更に0.1〜0.7重量部、より更に0.2〜0.5重量%であることが、次回の再生鋳物砂の硬化速度の低下を抑制できる観点から、好ましい。
鋳物の造型の際、サンドメタル比(鋳型/熔湯の重量比)が0.5〜4であることが好ましい。
以上のようにして混練砂を得た後、これを型枠に充填し、常温で所定時間放置しておけば、酸硬化性フラン樹脂が硬化して鋳型本体を得ることができる。
本発明は、球形度が0.95以上でAl23を主成分とする鋳物砂を、造型、再生を繰り返して使用する際に、再生条件が同等である場合には、その由来となる鋳型が特定条件で製造されているものが、次回の新たな鋳型の製造における硬化速度の低下抑制に良い影響を及ぼすことを見いだしたものである。本発明は、球形度が0.95以上でAl23を主成分とする鋳物砂を、鋳型の製造及び該鋳型からの再生鋳物砂の製造に繰り返して用いる方法であって、前記鋳型を(1)球形度が0.95以上でAl23を主成分とする鋳物砂と、(2)酸硬化性樹脂を含有する結合剤と、(3)有機スルホン酸を含有し、且つ該硬化剤中の硫酸含有量が5重量%以下、リン酸含有量が5重量%以下である硬化剤とを用いて製造する、鋳物砂の繰り返し使用方法として実施できる。
以上の説明は、本発明の好適な鋳型の製造方法に関するものであるが、その他の方法も適宜採用し得るものである。例えば、以上の説明においては、混練砂の作成、混練砂の充填及び結合剤の硬化は、常温(雰囲気温度)で行なうとしたが、加熱しながら行っても良い。すなわち、初期強度を向上させ、可使時間を確保できる観点から、鋳型の製造を30℃以上、好ましくは35〜60℃、更に好ましくは35〜50℃で行ってもよい。この温度は、再生鋳物砂からの混練砂の作成、混練砂の充填及び結合剤(I)の硬化の少なくとも何れかを行う際の温度であってよいが、その効果は、混練後、充填時においてより顕著である。また、加熱硬化型のフランウォームボックス法も適用できる。本発明の鋳型の製造方法は、各種鋳型の製造において、汎用的に使用することのできるものである。
Al23を主成分とする球状鋳物砂の場合、酸硬化性バインダーを用いた後の再生鋳物砂を、再度、酸硬化性樹脂で硬化させる場合、次のような課題もある。
つまり、夏場のような高温条件下において、鋳型の抜型時間短縮のため硬化剤添加量を多くする又は硬化剤中のS%を増加させることにより鋳型初期強度を高くして鋳型を造型する場合において、珪砂による再生鋳物砂を用いる場合と比較して、バインダーの可使時間が短くなり、その結果、最終鋳型強度の低下を生じる。本発明による有機スルホン酸を含有し、硫酸及びリン酸含有量の少ない硬化剤を用いた再生鋳物砂を用いると、樹脂の硬化に悪影響をもたらすアルミニウム塩の生成が少ないため、上記したような高温下での鋳型初期強度を高くして鋳型を造型する場合における可使時間の低下を防止でき最終鋳型強度を高めることができる。こうした観点からも、硬化剤(II)が本発明による有機スルホン酸を含有し、硫酸及びリン酸含有量の少ない硬化剤であることは好ましい。
<実験例1>
実験例1−1
球形度0.99、Al23/SiO2比(重量比)=1.9、SiO2及びAl23の合計量が94重量%(その他は、TiO2:2.9重量%、Fe23:1.3重量%、及び微量のCaO、MgO、Na2O、K2Oを含む。)の球状人工鋳物砂100重量部に対し、p−トルエンスルホン酸61重量%(S元素含有量11.3重量%)の水溶液からなる硬化剤〔硬化剤(II)〕を0.24重量部加え、次いでフラン樹脂(花王クエーカー(株)製、カオーライトナーEF−5402)〔結合剤(II)〕を0.6重量部添加混練して試験鋳型を作製し、鋳型/熔湯の重量比が2の鋳物を鋳造した。回収した砂をクラッシャーにて解砕し回収砂とした。この回収砂を日本鋳造(株)製ハイブリッドサンドマスターHSM1115を用いて、回転数2600rpm、処理時間30分、処理量80kgにて、鋳物砂の機械再生を行い、再生鋳物砂を得た。
得られた再生鋳物砂を用い、アルミニウム元素溶出量を測定し、また、25℃、55%RHの条件にて砂100重量部に対し、p−トルエンスルホン酸61重量%(S元素含有量11.3重量%)の水溶液(硫酸含有量は0重量%、リン酸含有量は0重量%)からなる硬化剤〔硬化剤(I)〕0.28重量部加え、次いで上記のフラン樹脂〔結合剤(I)〕を0.7重量部添加混練して直ちに直径50mm、高さ50mmの円筒形のテストピースを作製し、0.5時間後、1時間後及び24時間後の圧縮強度を測定した。結果を表1に示した。
実験例1−2
実験例1−1の回収砂を500℃にて1時間焙焼し、焙焼再生鋳物砂を得、実験例1−1記載と同じ方法にてアルミニウム元素溶出量及び硬化挙動を評価した。結果を表1に示した。
実験例1−3
硬化剤(II)として、硫酸35重量%(S元素含有量11.4重量%)の水溶液からなる硬化剤を用いた以外は実験例1−1と同様にして造型、鋳込、鋳物砂の機械再生を行い再生鋳物砂を得、実験例1−1記載と同じ方法にてアルミニウム元素溶出量及び硬化挙動を評価した。結果を表1に示した。
実験例1−4
回収砂として実験例1−3で得られた回収砂を用いた以外は実験例1−2と同様にして焙焼再生鋳物砂を得、実験例1−1記載と同じ方法にてアルミニウム元素溶出量及び硬化挙動を評価した。結果を表1に示した。
実験例1−5
実験例1−1の球状人工鋳物砂100重量部に対し、硫酸2重量%(S元素含有量0.7重量%)及びキシレンスルホン酸64重量%(S元素含有量11.0重量%)の水溶液からなる硬化剤〔硬化剤(II)〕を0.24重量部加え、次いでフラン樹脂(花王クエーカー(株)製、カオーライトナーEF−5402)〔結合剤(II)〕を0.6重量部添加混練して試験鋳型を作製した。この鋳型に鋳型/熔湯の重量比が2の鋳物を鋳造し回収した砂をクラッシャーにかけ回収砂とした後、実験例1−1と同様に日本鋳造(株)製ハイブリッドサンドマスターを用いて再生した。次いでその再生鋳物砂に上記樹脂及び硬化剤を加え鋳型の作製、鋳造、回収、再生のサイクルを5回繰り返し5回目の再生鋳物砂を用い実験例1−1記載と同じ方法にてアルミニウム元素溶出量及び硬化挙動を評価した。結果を表1に示した。
実験例1−6
硬化剤(II)として、メタンスルホン酸34重量%(S元素含有量11.3重量%)の水溶液からなる硬化剤を用いた以外は実験例1−1と同様にして造型、鋳込、鋳物砂の機械再生を行い再生鋳物砂を得、実験例1−1記載と同じ方法にてアルミニウム元素溶出量及び硬化挙動を評価した。結果を表1に示した。
実験例1−7
実験例1−6の回収砂を500℃にて1時間焙焼し、焙焼再生鋳物砂を得、実験例1−1記載と同じ方法にてアルミニウム元素溶出量及び硬化挙動を評価した。結果を表1に示した。
実験例1−8
実験例1−1の球状人工鋳物砂100重量部にキシレンスルホン酸66重量%(S元素含有量11.3重量%)の水溶液からなる硬化剤〔硬化剤(II)〕を0.24重量部加え、次いでポリフェノール化合物((株)コシイウッドソリューションズ製、アカシアマンギウムGKA−100のメタノール抽出物)10重量部及びフラン樹脂(花王クエーカー(株)製、カオーライトナーEF−5402)90重量部からなる溶液〔結合剤(II)〕を0.6重量部添加混練し試験鋳型を製作し、鋳型/溶湯の重量比が2の鋳型を鋳造した。回収した砂をクラッシャーにて解砕し回収砂とした。この回収砂を実験例1−1と同様に日本鋳造(株)製ハイブリットサンドマスターを用いて機械再生を行い再生鋳物砂を得、実験例1−1記載と同じ方法にてアルミニウム元素溶出量及び硬化挙動を評価した。結果を表1に示した。
実験例1−9
実験例1−8にて得られた再生鋳物砂を用い25℃、55%RHの条件にて砂100重量部に対し、p−トルエンスルホン酸61重量%(S元素含有量11.3重量%)の水溶液からなる硬化剤〔硬化剤(I)〕0.28重量部加え、次いでポリフェノール化合物((株)コシイウッドソリューションズ製、アカシアマンギウムGKA−100のメタノール抽出物)10重量部及びフラン樹脂(花王クエーカー(株)製、カオーライトナーEF−5402)90重量部からなる溶液〔結合剤(I)〕を0.7重量部添加混練して直ちに直径50mm、高さ50mmの円筒形のテストピースを作製し、実験例1−1と同様に、0.5時間後、1時間後及び24時間後の圧縮強度を測定した。結果を表1に示した。
実験例1−10
硬化剤(II)として、硫酸9.4重量%(S元素含有量3.1重量%)及びキシレンスルホン酸50重量%(S元素含有量8.6重量%)の水溶液(硫酸含有量は9.4重量%、リン酸含有量は0重量%)からなる硬化剤を用いた以外は実験例1−5と同様に鋳型の作製、鋳造、回収、再生のサイクルを5回繰り返し5回目の再生鋳物砂を用い実験例1−1記載と同じ方法にてアルミニウム元素溶出量及び硬化挙動を評価した。結果を表1に示した。
実験例1−11
硬化剤(II)として、硫酸2.5重量%(S元素含有量1.0%)、リン酸55重量%(P元素含有量17重量%)及びキシレンスルホン酸16重量%(S元素含有量2.8重量%)の水溶液からなる硬化剤を用いた以外は実験例1−1と同様にして造型、鋳込、鋳物砂の機械再生を行い再生鋳物砂を得、実験例1−1記載と同じ方法にてアルミニウム元素溶出量及び硬化挙動を評価した。結果を表1に示した。
実験例1−12
硬化剤(II)として、リン酸5.5重量%(P元素含有量1.7重量%)及びキシレンスルホン酸50重量%(S元素含有量8.6重量%)の水溶液からなる硬化剤を用いた以外は実験例1−1と同様にして造型、鋳込、鋳物砂の機械再生を行い再生鋳物砂を得、実験例1−1記載の方法と同じ方法にて、アルミニウム元素溶出量及び硬化挙動を測定した。結果を表1に示した。
参考例1
25℃、55%RHの条件にて、実験例1−1の球状人工鋳物砂(新砂)100重量部に対し、硬化剤としてp−トルエンスルホン酸61重量%の水溶液(S元素含有量11.3重量%)からなる硬化剤〔硬化剤(II)〕を0.28重量部加え、次いでフラン樹脂(花王クエーカー(株)製、カオーライトナーEF−5402)〔結合剤(II)〕を0.7重量部添加、混練して直ちに直径50mm、高さ50mmの円筒形のテストピースを作製し、0.5、1及び24時間後の圧縮強度を測定した。なお、本例で用いた球状人工鋳物砂(新砂)のアルミニウム元素溶出量も実験例1−1と同様に測定した。結果を表1に示す。表中、硬化剤(II)による造型時硫酸、燐酸量(重量%)は、硬化剤(II)を用いて造型した鋳型中の硫酸、燐酸量(重量%)を計算で示す。
Figure 2009285729
新砂を用いた参考例1と比較して、実験例1−1、1−2、1−5〜1−9では初期強度(0.5時間後及び1時間後)の低下が抑制されている。即ち、実験例1−1、1−2、1−5〜1−9に示されるように、有機スルホン酸を含有し、硫酸及びリン酸含有量の少ない硬化剤(II)を用いた再生鋳物砂を用いることにより、初期強度に優れた、即ち硬化速度の低下が抑えられた鋳型の製造方法を提供できる。
<実験例2>
実験例2−1
実験例1−1記載の球状人工鋳物砂100重量部に対して、硫酸8重量%(S元素含有量2.6%)及びリン酸75重量%(P元素含有量23重量%)の水溶液からなる硬化剤〔硬化剤(II)〕を0.24重量部加え、ついでフラン樹脂(花王クエーカー(株)製、カオーライトナーEF−5402)〔結合剤(II)〕を0.6重量部添加混練して試験鋳型を作製し鋳型/熔湯の重量比が5の鋳物を鋳造して回収した砂をクラッシャーにて解砕し回収砂とした。この回収砂を日本鋳造(株)製ロータリーリクレーマーM型により、回転数2290rpm、3t/分にて、4回処理して鋳物砂の機械再生をした。次いでその再生鋳物砂に上記樹脂及び硬化剤を加え鋳型の造型、鋳造、回収、再生のサイクルを5回繰り返し、5回目の再生鋳物砂を用い実験例1−1記載と同じ方法にてアルミニウム元素溶出量及び硬化挙動を評価した。結果を表2に示した。
実験例2−2
硬化剤(II)として、p−トルエンスルホン酸61重量%(S元素含有量11.3重量%)の水溶液からなる硬化剤を用いた以外は実験例2−1と同様にして、回収砂の再生を行い、鋳型の造型、鋳造、回収、再生のサイクルを5回繰り返し、5回目の再生鋳物砂を用い実験例2−1記載と同じ方法にてアルミニウム元素溶出量及び硬化挙動を評価した。結果を表2に示した。
実験例2−3
実験例1−1記載の球状人工鋳物砂100重量部に対して、キシレンスルホン酸33重量%(S元素含有量5.7重量%)の水溶液からなる硬化剤〔硬化剤(II)〕を0.24重量部加え、ついでフラン樹脂(花王クエーカー(株)製、カオーライトナーEF−5402)〔結合剤(II)〕を0.8重量部添加混練して試験鋳型を作製し鋳型/熔湯の重量比が4の鋳物を鋳造して回収した砂をクラッシャーにて解砕し回収砂とした。この回収砂を実験例2−1と同様に日本鋳造(株)製ロータリーリクレーマーにより1回処理して鋳物砂の機械再生をした。次いでその再生鋳物砂に上記樹脂及び硬化剤を加え鋳型の造型、鋳造、回収、再生のサイクルを5回繰り返し、5回目の再生鋳物砂を用い実験例1−1記載と同じ方法にてアルミニウム元素溶出量及び硬化挙動を評価した。結果を表2に示した。
実験例2−4
硬化剤(II)として、硫酸18重量%(S元素含有量5.9重量%)の水溶液からなる硬化剤を用いた以外は実験例2−3と同様にして再生鋳物砂を得た。得られた5回目の再生鋳物砂を用い実験例1−1記載と同じ方法にてアルミニウム元素溶出量及び硬化挙動を評価した。結果を表2に示した。
Figure 2009285729
実験例2−2、2−3に示されるように、有機スルホン酸を含有し、硫酸及びリン酸含有量の少ない硬化剤(II)を用いた場合は、使用、再生を繰り返した再生鋳物砂においても、初期強度に優れた、即ち硬化速度の低下が抑えられた鋳型の製造方法を提供できる。
<実験例3>
実験例3−1
実験例1−1にて得られた再生鋳物砂を用い、25℃、55%RHの条件にて砂100重量部に対し、キシレンスルホン酸63重量%、硫酸2重量%(S元素含有量11.5重量%)の水溶液(硫酸含有量は2重量%、リン酸含有量は0重量%)からなる硬化剤〔硬化剤(I)〕0.28重量部加え、次いでフラン樹脂(花王クエーカー(株)製、カオーライトナーEF-5402)〔結合剤(I)〕を0.7重量部添加混練して直ちに直径50mm、高さ50mmの円筒形のテストピースを作製し、0.5時間後、1時間後及び24時間後の圧縮強度を測定した。結果を表3に示した。
実験例3−2
実験例1−3にて得られた再生鋳物砂を用いた以外は実験例3−1記載と同じ方法にて硬化挙動を評価した。結果を表3に示した。
Figure 2009285729
実験例3−1では実験例3−2と比較して初期強度(0.5時間後及び1時間後)の低下が抑制されている。スルホン酸を含有し、硫酸及びリン酸含有量の少ない硬化剤(II)を用いた再生鋳物砂を用いることにより、初期強度に優れた、即ち硬化速度の低下が抑えられた鋳型の製造方法を提供できる。
<実験例4>
実験例4−1
球形度0.93、Al23/SiO2比(重量比)=1.6、SiO2及びAl23の合計量が98重量%の球状人工鋳物砂100重量部に対し、p−トルエンスルホン酸61重量%(S元素含有量11.3重量%)の水溶液からなる硬化剤〔硬化剤(II)〕を0.24重量部加え、次いでフラン樹脂(花王クエーカー(株)製、カオーライトナーEF−5402)〔結合剤(II)〕を0.6重量部添加混練して試験鋳型を作製し、鋳型/熔湯の重量比が2の鋳物を鋳造した。回収した砂をクラッシャーにて解砕し回収砂とした。この回収砂を500℃にて1時間焙焼し、焙焼生鋳物砂を得、実験例1−1記載と同じ方法にてアルミニウム元素溶出量及び硬化挙動を評価した。結果を表4に示した。
実験例4−2
実験例4−1の球状人工鋳物砂100重量部に対し、硫酸3.7重量%(S元素含有量1.2%)、リン酸57重量%(P元素含有量18重量%)及びキシレンスルホン酸19重量%(S元素含有量3.3重量%)の水溶液からなる硬化剤を0.28重量部加え、次いでフラン樹脂(花王クエーカー(株)製、カオーライトナーEF−5501)〔結合剤(II)〕を0.7重量部添加混練して試験鋳型を作製した。この鋳型に鋳型/熔湯の重量比が4の鋳物を鋳造し回収した砂をクラッシャーにかけ回収砂とした後、この回収砂を日本鋳造(株)製ロータリーリクレーマーM型により、回転数2290rpm、3t/分、1回処理にて鋳物砂の機械再生をした。次いでその再生鋳物砂に上記樹脂及び硬化剤を加え鋳型の作製、鋳造、回収、再生のサイクルを6回繰り返し6回目の再生鋳物砂を用い実験例1−1記載と同じ方法にてアルミニウム元素溶出量及び硬化挙動を評価した。結果を表4に示した。
Figure 2009285729
<実験例5>
実験例5−1
実験例1−1の球状人工鋳物砂100重量部に対し、キシレンスルホン酸65重量%(S元素含有量11.7重量%)の水溶液からなる硬化剤〔硬化剤(II)〕を0.28重量部加え、次いでフラン樹脂(花王クエーカー(株)製、カオーライトナーEF−5402)〔結合剤(II)〕を0.7重量部添加混練して試験鋳型を作製した。この鋳型に鋳型/熔湯の重量比が2の鋳物を鋳造し回収した砂をクラッシャーにかけ回収砂とした後、実験例1−1と同様に日本鋳造(株)製ハイブリッドサンドマスターを用いて再生した。次いでその再生鋳物砂に上記樹脂及び硬化剤を加え鋳型の作製、鋳造、回収、再生のサイクルを5回繰り返し5回目の再生鋳物砂を得た。
得られた再生鋳物砂を用い、アルミニウム元素溶出量を測定し、また、25℃、55%RHの条件にて砂100重量部に対し、キシレンスルホン酸65重量%(S元素含有量11.7重量%)の水溶液(硫酸含有量は0重量%、リン酸含有量は0重量%)からなる硬化剤〔硬化剤(I)〕0.28重量部加え、次いで上記のフラン樹脂〔結合剤(I)〕を0.7重量部添加混練して直ちに直径50mm、高さ50mmの円筒形のテストピースを作製し、0.5時間後、1時間後及び24時間後の圧縮強度を測定した。結果を表5に示した。
実験例5−2
硬化剤(II)として、硫酸9.4重量%(S元素含有量3.1重量%)及びキシレンスルホン酸50重量%(S元素含有量8.6重量%)の水溶液(硫酸含有量は9.4重量%、リン酸含有量は0重量%)からなる硬化剤を用いた以外は実験例5−1と同様にして造型、鋳込、鋳物砂の機械再生を行い再生鋳物砂を得、実験例5−1記載と同じ方法にてアルミニウム元素溶出量及び硬化挙動を評価した。結果を表5に示した。
Figure 2009285729
実験例5−2では初期強度が低下しているが、実験例5−1では初期強度(0.5時間後及び1時間後)の低下が抑制されている。即ち、実験例5−1に示されるように、有機スルホン酸を含有し、硫酸及びリン酸含有量の少ない硬化剤(II)を用いた再生鋳物砂を用いることにより、LOIが高い領域においても、初期強度に優れた、即ち硬化速度の低下が抑えられた鋳型の製造方法を提供できる。
<実験例6>
実験例6−1
実験例5−1で得られた再生鋳物砂を用い、35℃、55%RHの条件にて砂100重量部に対し、キシレンスルホン酸44重量%(S元素含有量7.6重量%)の水溶液(硫酸含有量は0重量%、リン酸含有量は0重量%)からなる硬化剤〔硬化剤(I)〕を用いた以外は、実験例5−1と同様の方法で、硬化挙動を確認した。結果を表6に示した。
実験例6−2
硬化剤(I)として、キシレンスルホン酸55重量%(S元素含有量9.5重量%)の水溶液(硫酸含有量は0重量%、リン酸含有量は0重量%)からなる硬化剤〔硬化剤(I)〕を用いた以外は、実験例6−1と同様の方法で、硬化挙動を確認した。結果を表6に示した。
実験例6−3
実験例5−2で得られた再生鋳物砂を用い、35℃、55%RHの条件にて砂100重量部に対し、硫酸7.2重量%(S元素含有量2.4重量%)及びキシレンスルホン酸41重量%(S元素含有量7.1重量%)の水溶液(硫酸含有量は7.2重量%、リン酸含有量は0重量%)からなる硬化剤〔硬化剤(I)〕を用いた以外は、実験例5−2と同様の方法で、硬化挙動を確認した。結果を表6に示した。
実験例6−4
硬化剤(I)として、硫酸8.1重量%(S元素含有量2.6重量%)及びキシレンスルホン酸51重量%(S元素含有量8.8重量%)の水溶液(硫酸含有量は8.1重量%、リン酸含有量は0重量%)からなる硬化剤〔硬化剤(I)を用いた以外は、実験例6−3と同様の方法で、硬化挙動を確認した。結果を表6に示した。
Figure 2009285729
高温条件下、実験例6−3において、鋳型の抜型時間の短縮のため、実験例6−4のように、硬化剤中のS%を増加させると、初期強度(0.5時間後及び1時間後)は向上するが、バインダーの可使時間が短くなり、その結果、最終強度の低下を生じる。一方、同様に、実験例6−1の初期強度を向上させるため硬化剤中のS%を増加させ、実験例6−4と同等初期強度に設定した実験例6−2においては、バインダーの可使時間が短くなることはなく、最終強度は向上する。即ち、実験例6−1、6−2に示されるように、有機スルホン酸を含有し、硫酸及びリン酸含有量の少ない硬化剤(II)を用いた再生鋳物砂を用いることにより、高温下での硬化挙動に優れた鋳型の製造方法を提供する。

Claims (10)

  1. 再生鋳物砂、酸硬化性樹脂を含有する結合剤(I)、及び硬化剤(I)を用いた鋳型の製造方法であって、
    前記再生鋳物砂が、球形度が0.95以上である球状鋳物砂(A)と酸硬化性樹脂を含有する結合剤(II)と硬化剤(II)とを用いて製造した鋳型から得られた、Al23を主成分とする再生鋳物砂であり、
    前記硬化剤(I)および硬化剤(II)の少なくとも一方が、有機スルホン酸を含有し、且つ該硬化剤中の硫酸含有量が5重量%以下、リン酸含有量が5重量%以下である、鋳型の製造方法。
  2. 硬化剤(I)が、有機スルホン酸を含有し、且つ該硬化剤中の硫酸含有量が5重量%以下、リン酸含有量が5重量%以下である、請求項1記載の鋳型の製造方法。
  3. 硬化剤(II)が、有機スルホン酸を含有し、且つ該硬化剤中の硫酸含有量が5重量%以下、リン酸含有量が5重量%以下である、請求項1又は2記載の鋳型の製造方法。
  4. 前記再生鋳物砂が、球形度が0.95以上である球状鋳物砂(A)と酸硬化性樹脂を含有する結合剤(II)と硬化剤(II)とを含有する鋳型原料組成物とを用いて製造した鋳型から得られ、該球状鋳物砂(A)100重量部に対して、鋳型原料組成物中の硫酸とリン酸の含有量がそれぞれ0.01重量部以下である、請求項1又は3記載の鋳型の製造方法。
  5. 前記再生鋳物砂1gあたりの、下記測定法によるアルミニウム元素の溶出量が、50μg以下である請求項1〜4の何れか1項記載の鋳型の製造方法。
    (アルミニウム元素の溶出量の測定方法)
    再生鋳物砂25gをビーカーに秤取し、0.1N−HCl水溶液50mlを添加した後、15分間撹拌する。5分間静置後、上澄み液をろ紙を用いてろ過し、ろ液中のアルミニウム元素量をICP分析法(誘導結合プラズマ発光分光分析法)により定量し、再生鋳物砂1g当りの溶出量を算出する。
  6. 前記再生鋳物砂が、更にSiO2を含む請求項1〜5の何れか1項記載の鋳型の製造方法。
  7. 有機スルホン酸が、キシレンスルホン酸、トルエンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、及びメタンスルホン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜6の何れか1項記載の鋳型の製造方法。
  8. 前記結合剤(I)及び/又は前記結合剤(II)が、酸硬化性樹脂として酸硬化性フラン樹脂を含有し、更に、ポリフェノール化合物を含有する、請求項1〜7の何れか1項記載の鋳型の製造方法。
  9. 前記再生鋳物砂の強熱減量分が3重量%以下である請求項1〜8何れか1項記載の鋳型の製造方法。
  10. 前記再生鋳物砂の強熱減量分が0.6〜3重量%であり、且つ、該再生鋳物砂1gあたりの、下記測定法によるアルミニウム元素の溶出量が、100μg以下である請求項1〜4、6〜9の何れか1項記載の鋳型の製造方法。
    (アルミニウム元素の溶出量の測定方法)
    再生鋳物砂25gをビーカーに秤取し、0.1N−HCl水溶液50mlを添加した後、15分間撹拌する。5分間静置後、上澄み液をろ紙を用いてろ過し、ろ液中のアルミニウム元素量をICP分析法(誘導結合プラズマ発光分光分析法)により定量し、再生鋳物砂1g当りの溶出量を算出する。
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