JP2009251411A - 光学フィルムの製造方法および該フィルムを用いた液晶表示素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐熱性、機械的強度に優れた光学フィルムを提供する。
【解決手段】基板上に光重合性液晶組成物を塗布後、熱処理により配向させ、該配向状態を活性光線の照射により固定化する工程を含み、該活性光線の照射を受ける直前の基板温度をT0(℃)、照射中の基板の最高温度をTm(℃)とした時、Tm−T0>30℃であることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】基板上に光重合性液晶組成物を塗布後、熱処理により配向させ、該配向状態を活性光線の照射により固定化する工程を含み、該活性光線の照射を受ける直前の基板温度をT0(℃)、照射中の基板の最高温度をTm(℃)とした時、Tm−T0>30℃であることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、液晶ディスプレイ分野、光学分野、オプトエレクトロニクス分野等で有用な光学フィルムおよびその製造方法並びに該フィルムを用いた液晶表示素子に関する。
液晶物質をフィルム材料とする液晶性フィルムは、液晶ディスプレイ用等の光学フィルムとして有用であるが、ディスプレイの高精細化に伴い、液晶性フィルムに要求される品質基準は近年ますます厳しくなっている。
一方、液晶ディスプレイの駆動モードも従来のTNモード、STNモードに加えて、応答速度や視野角が改良されたOCB(optically compensated bend)型、VA(vertical alignment)モードやIPS(in-plane switching)モードも実使用され始め、各駆動モードに適合する光学フィルム(位相差フィルム)が求められている。位相差フィルムとしては、透明プラスチックフィルムを一軸延伸や二軸延伸したフィルムや、液晶化合物を配向させた液晶性フィルムなどがある。
液晶性フィルムは、条件を選定することにより様々な液晶の配向形態を得ることができ、さらに薄膜化も可能であることから注目されている。
一方、液晶ディスプレイの駆動モードも従来のTNモード、STNモードに加えて、応答速度や視野角が改良されたOCB(optically compensated bend)型、VA(vertical alignment)モードやIPS(in-plane switching)モードも実使用され始め、各駆動モードに適合する光学フィルム(位相差フィルム)が求められている。位相差フィルムとしては、透明プラスチックフィルムを一軸延伸や二軸延伸したフィルムや、液晶化合物を配向させた液晶性フィルムなどがある。
液晶性フィルムは、条件を選定することにより様々な液晶の配向形態を得ることができ、さらに薄膜化も可能であることから注目されている。
液晶性フィルムには、重合性の低分子液晶化合物(モノマー)を用いるもの(特許文献1および2)などや、高分子液晶化合物であっても架橋前は溶融粘度が比較的低い側鎖型高分子液晶化合物を用いるものなど(特許文献3および4)が知られている。
特許文献1および2では、予期せざる熱重合を避けるために液晶相発現温度が室温付近にあるモノマーを主とする組成物を用いて室温付近で光重合を行わせる方法が開示されているが、室温付近に液晶相発現温度を有する化合物は数が多くなく、市場の要求に必ずしも応じきれない問題がある。
また、特許文献3は、加熱下の光照射で重合を行わせているが、被重合物の温度変化については全く記載されてなく、光(UV)照射に伴う温度上昇により液晶相温度を越えて等方相温度になる虞がある。一方、特許文献4ではガラス状態でUV照射を行っているが、ガラス状態では分子の動きが凍結されており重合度(架橋度)が向上しがたい。
一方、光照射時の温度変動を考慮した技術も知られている(特許文献5および6)が、使用する液晶化合物や塗布膜厚に合わせた調整が必要であり、また許容される温度変動幅も小さく精密な温度制御も必要とされる。
特開平8−231958号公報
特開2002−145830号公報
特開2000−144133号公報
特開2002−333524号公報
特開平8−043624号公報
特開2007−148098号公報
特許文献1および2では、予期せざる熱重合を避けるために液晶相発現温度が室温付近にあるモノマーを主とする組成物を用いて室温付近で光重合を行わせる方法が開示されているが、室温付近に液晶相発現温度を有する化合物は数が多くなく、市場の要求に必ずしも応じきれない問題がある。
また、特許文献3は、加熱下の光照射で重合を行わせているが、被重合物の温度変化については全く記載されてなく、光(UV)照射に伴う温度上昇により液晶相温度を越えて等方相温度になる虞がある。一方、特許文献4ではガラス状態でUV照射を行っているが、ガラス状態では分子の動きが凍結されており重合度(架橋度)が向上しがたい。
一方、光照射時の温度変動を考慮した技術も知られている(特許文献5および6)が、使用する液晶化合物や塗布膜厚に合わせた調整が必要であり、また許容される温度変動幅も小さく精密な温度制御も必要とされる。
本発明は、煩雑かつ精密な温度制御も必要でなく前記課題を解決し、耐熱性および機械的強度に優れた光学フィルムの製造方法、および当該フィルムを搭載した液晶表示素子を提供するものである。
本発明者らは前記課題について鋭意検討を行い、光重合性液晶組成物を配向させた後に、該配向状態をUV等の活性光線の照射により固定化する処理の条件に着目した。その検討の結果、活性光線の照射を受ける直前および照射中の配向基板の温度がある特定の条件を満たす場合に前記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
〔1〕 基板上に光重合性液晶組成物を塗布後、熱処理により配向させ、該配向状態を活性光線の照射により固定化する工程を含み、該活性光線の照射を受ける直前の基板温度をT0(℃)、照射中の基板の最高温度をTm(℃)とした時、Tm−T0>30℃であることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
〔1〕 基板上に光重合性液晶組成物を塗布後、熱処理により配向させ、該配向状態を活性光線の照射により固定化する工程を含み、該活性光線の照射を受ける直前の基板温度をT0(℃)、照射中の基板の最高温度をTm(℃)とした時、Tm−T0>30℃であることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
〔2〕 前記光重合性液晶組成物のガラス転移点をTg(℃)とした時、Tg−20℃≦T0≦Tg+20℃であることを特徴とする上記〔1〕に記載の光学フィルムの製造方法。
〔3〕 前記光重合性液晶組成物が、カチオン重合性基を有する側鎖型高分子液晶性化合物を少なくとも含有することを特徴とする上記〔1〕または〔2〕に記載の光学フィルムの製造方法。
〔4〕 前記基板に配向膜が設けられていることを特徴とする上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
〔5〕 配向状態が固定化された液晶層を、前記基板とは異なる基材上に転写する工程を含むことを特徴とする上記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
〔6〕 前記配向状態がホモジニアス配向、ハイブリッド配向、またはホメオトロピック配向であることを特徴とする上記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
〔7〕 上記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の製造方法により製造された光学フィルム。
〔8〕 上記〔7〕に記載の光学フィルムを使用した液晶表示素子。
本発明によれば、耐熱性、機械的強度、製造効率に優れた光学フィルムの製造方法、および当該光学フィルムを用いた液晶表示素子を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられる基板(配向基板)としては、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアリレート、トリアセチルセルロース、ポリ(シクロオレフィン)等のフィルムが例示できる。これら基板は、一軸延伸または二軸延伸されたフィルムや易接着性や易剥離性等の表面処理が施されたフィルムであってもよい。これらのフィルムは、製造方法によっては、後述する光重合性液晶組成物中の液晶分子に対して十分な配向能を示し、そのまま配向基板として用いることができるものもあるが、多くはラビング、延伸、偏光照射、斜め光照射などの操作を行うことで配向能を発現、もしくは強化させて用いる。また、必要に応じ、これらの基板フィルム上に、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルシンナメート、シランカップリング剤などの配向膜を設けて、所望の配向能を発現させることもできる。これらの中で好ましい配向膜はポリビニルアルコール(PVA)である。
本発明で用いられる基板(配向基板)としては、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアリレート、トリアセチルセルロース、ポリ(シクロオレフィン)等のフィルムが例示できる。これら基板は、一軸延伸または二軸延伸されたフィルムや易接着性や易剥離性等の表面処理が施されたフィルムであってもよい。これらのフィルムは、製造方法によっては、後述する光重合性液晶組成物中の液晶分子に対して十分な配向能を示し、そのまま配向基板として用いることができるものもあるが、多くはラビング、延伸、偏光照射、斜め光照射などの操作を行うことで配向能を発現、もしくは強化させて用いる。また、必要に応じ、これらの基板フィルム上に、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルシンナメート、シランカップリング剤などの配向膜を設けて、所望の配向能を発現させることもできる。これらの中で好ましい配向膜はポリビニルアルコール(PVA)である。
前記PVAを配向膜として用いる場合、そのケン化度は75%以上、好ましくは80%以上である。ケン化度が75%未満の場合には、膜が吸湿しやすくなり液晶の配向に弊害が生じるおそれがあり、配向膜の耐摩耗性も低下することから好ましくない。
前記PVAの構造中の水酸基単位とアセチル基単位の配列に特に制限はなく、ランダムに分布していても、ブロック的に分布していても良い。更に、該PVAは、前記水酸基単位やアセチル基単位とともにそれ以外の構造単位を有する変性PVAであっても良い。該変性PVAとしては、前記水酸基単位やアセチル基単位以外の構造単位として、炭化水素基、カルボニル基、カルボキシル基を有するものなどが例示できる。炭化水素基を有するものとしては、主鎖の末端をアルキルチオ変性させたものや、水酸基に対しエステル結合、エーテル結合、あるいはアセタール結合を介して炭化水素基を有する構造を連結したものなどを挙げることができる。
前記PVAの溶液を調製する溶媒は、PVAを溶解できる溶媒であれば特に制限はなく、通常は水が使用されるが、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコールやこれらの混合物を併用してもよい。また、溶解を促進するために加温してもよい。
溶解に使用される水としては、(多価)金属イオンを多量に含む水は好ましくなく、イオン交換水が好ましく、より好ましくは電気伝導度が10μS/cm以下の水である。(多価)金属イオンを含む水は、PVAと反応して不溶性化合物を生成する恐れがあり好ましくない。
溶解に使用される水としては、(多価)金属イオンを多量に含む水は好ましくなく、イオン交換水が好ましく、より好ましくは電気伝導度が10μS/cm以下の水である。(多価)金属イオンを含む水は、PVAと反応して不溶性化合物を生成する恐れがあり好ましくない。
該PVA溶液中の全PVAの濃度は、目的とする膜厚にもよるので一概には言えないが、通常1〜10質量%である。
該PVA溶液には、塗布や液晶の配向に悪影響を及ぼさないような界面活性剤、消泡剤、レベリング剤等の添加剤を添加してもよい。また、PVA膜の強化を目的に、アルデヒド類、ジアルデヒド類、ジアルデヒドでんぷん類、メチロール化合物、ホウ酸やホウ砂などの架橋剤などを溶液中に加えても良い。また、目的に応じ他のポリマーや他の化合物の添加も可能である。
該PVA溶液には、塗布や液晶の配向に悪影響を及ぼさないような界面活性剤、消泡剤、レベリング剤等の添加剤を添加してもよい。また、PVA膜の強化を目的に、アルデヒド類、ジアルデヒド類、ジアルデヒドでんぷん類、メチロール化合物、ホウ酸やホウ砂などの架橋剤などを溶液中に加えても良い。また、目的に応じ他のポリマーや他の化合物の添加も可能である。
PVAを配向膜として用いる場合の、配向膜の形成工程について説明する。
基板上に配向膜を形成するために使用される塗布方式は特に制限はなく、特に大面積の配向膜の塗布方法は、フレキソ印刷方式、ディスペンサー方式、グラビアコート方式、マイクログラビア方式、スクリーン印刷方式、リップコート方式、ダイコート方式など挙げることができる。これらの中でグラビアコート方式、リップコート方式やダイコート方式が好ましい。
基板上に配向膜を形成するために使用される塗布方式は特に制限はなく、特に大面積の配向膜の塗布方法は、フレキソ印刷方式、ディスペンサー方式、グラビアコート方式、マイクログラビア方式、スクリーン印刷方式、リップコート方式、ダイコート方式など挙げることができる。これらの中でグラビアコート方式、リップコート方式やダイコート方式が好ましい。
このようにして得られた基板、もしくは配向膜が形成された基板は、そのまま基板として使用しても良いし、必要に応じてラビング処理を施すことも可能である。
ラビング処理は、長尺フィルムの長尺方向(以下、MD)に対して所定の任意の角度、好ましくは0度〜±45度の角度でラビングするものである。なお、この角度(ラビング角度)はラビング面を上からみたときにMDから時計回り方向の角度を正とする。
ラビング処理は、長尺フィルムの長尺方向(以下、MD)に対して所定の任意の角度、好ましくは0度〜±45度の角度でラビングするものである。なお、この角度(ラビング角度)はラビング面を上からみたときにMDから時計回り方向の角度を正とする。
ラビング処理は、任意の方法で行うことができる。たとえばその一つの方法として図1により説明すると、配向基板としての長尺フィルム(12)をMDに搬送するステージ(11)上に、長尺フィルム(12)およびそのMDに対して任意の角度でラビングロール(10)を配置し、該長尺フィルム(12)を搬送しながら該ラビングロール(10)を回転させ、該フィルム(12)表面をラビング処理する。ラビングロール(10)とステージ(11)の移動方向とが成す角度は自在に調整し得る機構である。ラビングロール表面には、綿、ポリエステル、レーヨン等からなる繊維を用いて製造されたラビング布が貼付してある。
ラビング処理では、配向基板表面の硬度を勘案して、配向基板表面を一定方向に擦ることが大切である。かかる観点から、ラビング圧力、ラビングロールの回転数などを適宜に設定する。通常は、配向基板を0.5〜100m/分、好ましくは1〜30m/分の速度で移送させ、ラビングロール回転数は周速比として0〜1000、好ましくは0〜200の範囲から選択される。ラビング圧力は、わずかにラビング布表面が接する程度でよく、ラビング布の毛先の押し込み程度が100μm〜5000μm、好ましくは100μm〜2000μm程度とすることができる。必要により、ラビングされた表面は加圧気体の吹き付けや粘着ロールとの接触等により清浄化処理を行ってもよい。
本発明における光重合性液晶組成物については、当該組成物が液晶性を示せばよく、当該組成物を構成する個々の成分が総て液晶性を示す必要はない。
光重合性液晶組成物を構成する成分としては、低分子液晶性化合物や高分子液晶性化合物が使用されるが、好ましくは高分子液晶性化合物であり、より好ましくは反応性基を有する高分子液晶性化合物であり、更に好ましくは反応性基を有する側鎖型高分子液晶性化合物である。反応性基としては、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、ビニルオキシ基、オキシラン基、オキセタニル基、シンナモイル基など付加重合性基が好ましいが、条件を選定することにより、水酸基、アミノ基、酸無水物基、カルボキシル基などを挙げることができる。
液晶分子の形態としては、棒状でも円盤状であってもよいが、棒状の液晶分子が好ましい。
光重合性液晶組成物を構成する成分としては、低分子液晶性化合物や高分子液晶性化合物が使用されるが、好ましくは高分子液晶性化合物であり、より好ましくは反応性基を有する高分子液晶性化合物であり、更に好ましくは反応性基を有する側鎖型高分子液晶性化合物である。反応性基としては、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、ビニルオキシ基、オキシラン基、オキセタニル基、シンナモイル基など付加重合性基が好ましいが、条件を選定することにより、水酸基、アミノ基、酸無水物基、カルボキシル基などを挙げることができる。
液晶分子の形態としては、棒状でも円盤状であってもよいが、棒状の液晶分子が好ましい。
また、他に前記低分子液晶性化合物や高分子液晶性化合物と混和しうる非液晶性の高分子化合物、非液晶性の低分子化合物、各種活性化剤や各種の添加剤、例えば界面活性剤、レベリング剤、消泡剤、酸化防止剤、染料、顔料等を本発明の主旨を逸脱しない範囲で添加することができる。界面活性剤は、例えば光学フィルムの表面平滑性を向上させるために用いられ、具体的にはフッ素系、アクリル系、シリコン系のものを挙げることができる。
前記の低分子液晶性化合物としては、(メタ)アクリロイル基やビニルオキシ基、オキシラニル基、オキセタニル基等の重合性基を有する低分子液晶性化合物を挙げることができる。
前記の高分子液晶性化合物は、主鎖型と側鎖型とに大別される。
主鎖型高分子液晶性化合物としては、いずれも液晶性を示すポリエステル、ポリエステリアミド、ポリアミド、ポリカーボネート等が例示されるが、なかでも合成の容易さ、配向性、ガラス転移点などの面から液晶性ポリエステルが好ましく、カチオン重合性基を結合した主鎖型液晶性ポリエステルが特に好ましい。
主鎖型高分子液晶性化合物としては、いずれも液晶性を示すポリエステル、ポリエステリアミド、ポリアミド、ポリカーボネート等が例示されるが、なかでも合成の容易さ、配向性、ガラス転移点などの面から液晶性ポリエステルが好ましく、カチオン重合性基を結合した主鎖型液晶性ポリエステルが特に好ましい。
主鎖型液晶性ポリエステルは、芳香族ジオール単位(以下、構造単位(A)という。)、芳香族ジカルボン酸単位(以下、構造単位(B)という。)および芳香族ヒドロキシカルボン酸単位(以下、構造単位(C)という。)のうち少なくとも2種を必須単位として含む主鎖型液晶性ポリエステルであって、主鎖末端の少なくとも一方にカチオン重合性基を有する構造単位を含むことを特徴とする主鎖型液晶性ポリエステルである。
以下に、構造単位(A)、(B)および(C)に付いて順次説明する。
以下に、構造単位(A)、(B)および(C)に付いて順次説明する。
構造単位(A)を導入するための化合物としては下記一般式で表される化合物が好ましく、具体的には、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン等若しくはそれらの置換体、4,4’―ビフェノール、2,2’,6,6’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール、2,6−ナフタレンジオールなどが挙げられ、特に、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン等若しくはそれらの置換体が好ましい。
ただし、式中の−Xは、−H、−CH3、−C2H5、−CH2CH2CH3、−CH(CH3)2、−CH2CH2CH2CH3、−CH2CH(CH3)CH3、−CH(CH3)CH2CH3、−C(CH3)3、−OCH3、−OC2H5、−OC6H5、−OCH2C6H5、−F、−Cl、−Br、−NO2、または−CNのいずれかの基であり、特に下記式で表される化合物が好ましい。
構造単位(B)を導入するための化合物としては下記一般式で表される化合物が好ましく、具体的には、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸等若しくはそれらの置換体、4,4'−スチルベンジカルボン酸若しくはその置換体、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4'−ビフェニルジカルボン酸などが挙げられ、特に、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸等若しくはそれらの置換体が好ましい。
ただし、式中の−Xは、−H、−CH3、−C2H5、−CH2CH2CH3、−CH(CH3)2、−CH2CH2CH2CH3、−CH2CH(CH3)CH3、−CH(CH3)CH2CH3、−C(CH3)3、−OCH3、−OC2H5、−OC6H5、−OCH2C6H5、−F、−Cl、−Br、−NO2、または−CNのいずれかの基を表す。
構造単位(C)を導入するための化合物としては下記一般式で表される化合物が好ましく、具体的には、ヒドロキシ安息香酸若しくはその置換体、4'−ヒドロキシ−4−ビフェニルカルボン酸若しくはその置換体、4'−ヒドロキシ−4−スチルベンカルボン酸若しくはその置換体、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、4−ヒドロキシ桂皮酸などが挙げられ、特に、ヒドロキシ安息香酸およびその置換体、4'−ヒドロキシ−4−ビフェニルカルボン酸若しくはその置換体、4'−ヒドロキシ−4−スチルベンカルボン酸若しくはその置換体が好ましい。
ただし、式中の−X、−X1、−X2は、それぞれ個別に、−H、−CH3、−C2H5、−CH2CH2CH3、−CH(CH3)2、−CH2CH2CH2CH3、−CH2CH(CH3)CH3、−CH(CH3)CH2CH3、−C(CH3)3、−OCH3、−OC2H5、−OC6H5、−OCH2C6H5、−F、−Cl、−Br、−NO2、または−CNのいずれかの基を表す。
主鎖型液晶性ポリエステルは、構造単位として、(A)芳香族ジオール単位、(B)芳香族ジカルボン酸単位、および(C)芳香族ヒドロキシカルボン酸単位のうちから少なくとも2種と、好ましくはさらに主鎖末端の少なくとも一方にカチオン重合性基を有する構造単位(以下、構造単位(D)という。)を含み、サーモトロピック液晶性を示すものであればよく、他の構造単位はこれら条件を満足する限り特に限定されるものではない。
主鎖型液晶性ポリエステルを構成する構造単位(A)、(B)および(C)の全構造単位に占める割合は、構造単位(A)、(B)および(C)がジオールあるいはジカルボン酸あるいはヒドロキシカルボン酸として全モノマーの仕込み量に対して占める質量和の比率で表した場合、通常20〜99%、好ましくは30〜95%、特に好ましくは40〜90%の範囲である。20%より少ない場合には、液晶性を発現する温度領域が極端に狭くなるおそれがあり、また99%を越える場合には、カチオン重合性基を有する単位が相対的に少なくなり、配向保持能、機械的強度の向上が得られない恐れがある。
次にカチオン重合性基を有する構造単位(D)について説明する。カチオン重合性基としては、オキシラニル基、オキセタニル基、およびビニルオキシ基からなる群から選ばれる官能基が好ましく、特にオキセタニル基が好ましい。構造単位(D)を導入するための化合物としては、下記の一般式に示すごとく、フェノール性水酸基あるいはカルボキシル基を有する芳香族化合物に、オキシラニル基、オキセタニル基、およびビニルオキシ基から選ばれるカチオン重合性を有する官能基が結合した化合物である。また、芳香環と上記カチオン重合性基との間には、適当なスペーサー部分を有していても良い。
ただし、式中の−X、−X1、−X2、−Y、−Zは、各構造単位毎にそれぞれ独立に以下に示すいずれかの基を表す。
(1)−X、−X1、−X2:−H、−CH3、−C2H5、−CH2CH2CH3、−CH(CH3)2、−CH2CH2CH2CH3、−CH2CH(CH3)CH3、−CH(CH3)CH2CH3、−C(CH3)3、−OCH3、−OC2H5、−OC6H5、−OCH2C6H5、−F、−Cl、−Br、−NO2、または−CN
(2)−Y:単結合、−(CH2)n−、−O−、−O−(CH2)n−、−(CH2)n−O−、−O−(CH2)n−O−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−(CH2)n−、−CO−O−(CH2)n−、−(CH2)n−O−CO−、−(CH2)n−CO−O−、−O−(CH2)n−O−CO−、−O−(CH2)n−CO−O−、−O−CO−(CH2)n−O−、−CO−O−(CH2)n−O−、−O−CO−(CH2)n−O−CO−、−O−CO−(CH2)n−CO−O−、−CO−O−(CH2)n−O−CO−、または−CO−O−(CH2)n−CO−O−(ただし、nは1〜12の整数を示す。)
(3)Z:
(1)−X、−X1、−X2:−H、−CH3、−C2H5、−CH2CH2CH3、−CH(CH3)2、−CH2CH2CH2CH3、−CH2CH(CH3)CH3、−CH(CH3)CH2CH3、−C(CH3)3、−OCH3、−OC2H5、−OC6H5、−OCH2C6H5、−F、−Cl、−Br、−NO2、または−CN
(2)−Y:単結合、−(CH2)n−、−O−、−O−(CH2)n−、−(CH2)n−O−、−O−(CH2)n−O−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−(CH2)n−、−CO−O−(CH2)n−、−(CH2)n−O−CO−、−(CH2)n−CO−O−、−O−(CH2)n−O−CO−、−O−(CH2)n−CO−O−、−O−CO−(CH2)n−O−、−CO−O−(CH2)n−O−、−O−CO−(CH2)n−O−CO−、−O−CO−(CH2)n−CO−O−、−CO−O−(CH2)n−O−CO−、または−CO−O−(CH2)n−CO−O−(ただし、nは1〜12の整数を示す。)
(3)Z:
構造単位(D)の中では、カチオン重合性基もしくはカチオン重合性基を含む置換基とフェノール性水酸基あるいはカルボキシル基の結合位置は、これらの基が結合する骨格がベンゼン環の場合は1,4−の位置関係を、ナフタレン環の場合は2,6−の位置関係を、ビフェニル骨格、スチルベン骨格の場合は4,4'−の位置関係にあるものが液晶性の点から好ましい。より具体的には、4−ビニルオキシ安息香酸、4−ビニルオキシフェノール、4−ビニルオキシエトキシ安息香酸、4−ビニルオキシエトキシフェノール、4−グリシジルオキシ安息香酸、4−グリシジルオキシフェノール、4−(オキセタニルメトキシ)安息香酸、4−(オキセタニルメトキシ)フェノール、4'−ビニルオキシ−4−ビフェニルカルボン酸、4'−ビニルオキシ−4−ヒドロキシビフェニル、4'−ビニルオキシエトキシ−4−ビフェニルカルボン酸、4'−ビニルオキシエトキシ−4−ヒドロキシビフェニル、4'−グリシジルオキシ−4−ビフェニルカルボン酸、4'−グリシジルオキシ−4−ヒドロキシビフェニル、4'−オキセタニルメトキシ−4−ビフェニルカルボン酸、4'−オキセタニルメトキシ−4−ヒドロキシビフェニル、6−ビニルオキシ−2−ナフタレンカルボン酸、6−ビニルオキシ−2−ヒドロキシナフタレン、6−ビニルオキシエトキシ−2−ナフタレンカルボン酸、6−ビニルオキシエトキシ−2−ヒドロキシナフタレン、6−グリシジルオキシ−2−ナフタレンカルボン酸、6−グリシジルオキシ−2−ヒドロキシナフタレン、6−オキセタニルメトキシ−2−ナフタレンカルボン酸、6−オキセタニルメトキシ−2−ヒドロキシナフタレン、4−ビニルオキシ桂皮酸、4−ビニルオキシエトキシ桂皮酸、4−グリシジルオキシ桂皮酸、4−オキセタニルメトキシ桂皮酸、4'−ビニルオキシ−4−スチルベンカルボン酸、4'−ビニルオキシ−3'−メトキシ−4−スチルベンカルボン酸、4'−ビニルオキシ−4−ヒドロキシスチルベン、4'−ビニルオキシエトキシ−4−スチルベンカルボン酸、4'−ビニルオキシエトキシ−3'−メトキシ−4−スチルベンカルボン酸、4'−ビニルオキシエトキシ−4−ヒドロキシスチルベン、4'−グリシジルオキシ−4−スチルベンカルボン酸、4'−グリシジルオキシ−3'−メトキシ−4−スチルベンカルボン酸、4'−グリシジルオキシ−4−ヒドロキシスチルベン、4'−オキセタニルメトキシ−4−スチルベンカルボン酸、4'−オキセタニルメトキシ−3'−メトキシ−4−スチルベンカルボン酸、4'−オキセタニルメトキシ−4−ヒドロキシスチルベンなどが好ましい。
カチオン重合性基を有する構造単位(D)の主鎖型液晶性ポリエステルを構成する全構造単位に占める割合は、同様に構造単位(D)をカルボン酸あるいはフェノールとして仕込み組成中の重量割合で表した場合、通常1〜60%、好ましくは5〜50%の範囲である。1%よりも少ない場合には、配向保持能、機械的強度の向上が得られない恐れがあり、また60%を越える場合には、結晶性が上がることにより液晶温度範囲が狭まり、どちらの場合も好ましくない。
(A)〜(D)の各構造単位は、それぞれ1つまたは2つのカルボキシル基あるいはフェノール性水酸基を有しているが、(A)〜(D)の有するカルボキシル基、フェノール性水酸基は、仕込みの段階においてそれぞれの官能基の当量数の総和を概ねそろえることが望ましい。すなわち、構造単位(D)が遊離のカルボキシル基を有する単位である場合には、((A)のモル数×2)=((B)のモル数×2)+((D)のモル数)、構造単位(D)が遊離のフェノール性水酸基を有する単位である場合には、((A)のモル数×2)+((D)のモル数)=((B)のモル数×2)なる関係を概ね満たすことが望ましい。この関係式から大きく外れる仕込み組成の場合には、カチオン重合に関わる単位以外のカルボン酸あるいはフェノール、もしくはそれらの誘導体が分子末端となることになり、十分なカチオン重合性が得られないばかりか、これら酸性の残基が存在することにより、プロセス上の望む段階以外で重合反応や分解反応が起きてしまうおそれがあり好ましくない。
主鎖型液晶性ポリエステルは、(A)、(B)、(C)および(D)以外の構造単位を含有することができる。含有することができる他の構造単位としては、特に限定はなく当該分野で公知の化合物(モノマー)を使用することができる。例えば、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸およびこれら化合物にハロゲン基やアルキル基を導入した化合物や、ビフェノール、ナフタレンジオール、脂肪族ジオールおよびこれら化合物にハロゲン基やアルキル基を導入した化合物等を挙げることができる。
主鎖型液晶性ポリエステルの分子量は、フェノール/テトラクロロエタン混合溶媒(質量比60/40)中、30℃で測定した対数粘度ηが0.03〜0.50dl/gであることが好ましく、より好ましくは0.05〜0.15dl/gである。ηが0.03dl/gより小さい場合には、主鎖型液晶性ポリエステルの溶液粘度が低く、フィルム化する際に均一な塗膜が得られない恐れがある。また、0.50dl/gより大きい場合には、液晶配向時に要する配向処理温度が高くなり、配向と架橋が同時に起こり配向性を低下させる危険性がある。
本発明において、主鎖型液晶性ポリエステルの分子量制御は専ら仕込み組成により決定される。具体的には分子両末端を封印する形で反応する1官能性モノマー、すなわち前記した構造単位(D)を導入するための化合物の、全仕込み組成における相対的な含有量により、得られる主鎖型液晶性ポリエステルの平均的な重合度(構造単位(A)〜(D)の平均結合数)が決定される。したがって、所望の対数粘度を有する主鎖型液晶性ポリエステルを得るためには、仕込みモノマーの種類に応じて仕込み組成を調整する必要がある。
主鎖型液晶性ポリエステルの合成方法としては、通常のポリエステルを合成する際に用いられる方法を採ることができ、特に限定されるものではない。例えば、カルボン酸単位を酸クロリドやスルホン酸無水物などに活性化し、それを塩基の存在下でフェノール単位と反応させる方法(酸クロリド法)、カルボン酸単位とフェノール単位をDCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)などの縮合剤を用いて直接縮合させる方法、フェノール単位をアセチル化して、これとカルボン酸単位とを溶融条件下で脱酢酸重合する方法などを用いることが出来る。ただし、溶融条件下での脱酢酸重合を用いる場合には、カチオン重合性基を有するモノマー単位が反応条件下で重合や分解反応を起こすおそれがあるため、反応条件を厳密に制御する必要がある場合が多く、場合によっては適当な保護基を用いたり、あるいは一度別な官能基を有する化合物を反応させておいてから、後でカチオン重合性基を導入するなどの方法を採ることが望ましい場合もある。また、重合反応により得られた粗主鎖型液晶性ポリエステルを、再結晶、再沈などの方法により精製してもよい。
このようにして得られた主鎖型液晶性ポリエステルは、NMR(核磁気共鳴法)などの分析手段により、それぞれのモノマーがどのような比率で主鎖型液晶性ポリエステル中に存在するかを同定することができる。特に、カチオン重合性基の量比から、主鎖型液晶性ポリエステルの平均結合数を算出する事ができる。
前記カチオン重合性基を含む主鎖型液晶性ポリエステルに他の化合物を配合することも、本発明の範囲を超えない限り可能である。例えば、本発明に用いる主鎖型液晶性ポリエステルと混和しうる他の高分子化合物や各種低分子化合物等を添加しても良い。かかる低分子化合物は、液晶性を有していても有していなくとも良く、架橋性の主鎖型液晶性ポリエステルと反応できる重合性基を有していてもいなくとも良い。重合性基を有する液晶性化合物を用いることが好ましく、例えば以下のものを例示できる。
前記の側鎖型高分子液晶性化合物としては、ポリ(メタ)アクリレート、ポリマロネート、ポリシロキサン等が挙げられ、中でも下記一般式(1)で表される反応性基を結合したポリ(メタ)アクリレートが好ましい。
式(1)において、R3は、それぞれ独立に、水素またはメチル基を表し、R4は、それぞれ独立に、水素、メチル基、エチル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、シアノ基、ブロモ基、クロロ基、フルオロ基またはカルボキシル基を表し、R5は、それぞれ独立に、水素、メチル基またはエチル基を表し、R6は、炭素数1から24までの炭化水素基を表し、L2は、それぞれ独立に、単結合、−O−、−O−CO−、−CO−O−、−CH=CH−または−C≡C−を表し、pは、1から10までの整数を表し、qは、0から10までの整数を表し、a、b、c、d、eおよびfは、ポリマー中の各ユニットのモル比(a+b+c+d+e+f=1.0、ただし、c+d+e=0ではない)を表す。
式(1)で表される側鎖型高分子液晶性化合物を構成する各成分のモル比は、a+b+c+d+e+f=1.0、c+d+e≠0であり、かつ、液晶性を示すことが必要である。この要件を満たせば各成分のモル比は任意でよいが、以下のとおりであることが好ましい。
a:好ましくは0〜0.80、より好ましくは0.05〜0.50
b:好ましくは0〜0.90、より好ましくは0.10〜0.70
c:好ましくは0〜0.50、より好ましくは0.10〜0.30
d:好ましくは0〜0.50、より好ましくは0.10〜0.30
e:好ましくは0〜0.50、より好ましくは0.10〜0.30
f:好ましくは0〜0.30、より好ましくは0.01〜0.10
これらのポリ(メタ)アクリレート中の各成分は、上記の条件を満たせば、6種類の成分すべてが存在する必要もない。
a:好ましくは0〜0.80、より好ましくは0.05〜0.50
b:好ましくは0〜0.90、より好ましくは0.10〜0.70
c:好ましくは0〜0.50、より好ましくは0.10〜0.30
d:好ましくは0〜0.50、より好ましくは0.10〜0.30
e:好ましくは0〜0.50、より好ましくは0.10〜0.30
f:好ましくは0〜0.30、より好ましくは0.01〜0.10
これらのポリ(メタ)アクリレート中の各成分は、上記の条件を満たせば、6種類の成分すべてが存在する必要もない。
また、R4は、好ましくは、水素、メチル基、ブチル基、メトキシ基、シアノ基、ブロモ基、フルオロ基であり、特に好ましくは、水素、メトキシ基またはシアノ基であり、L2は、好ましくは、単結合、−O−、−O−CO−または−CO−O−であり、R6は、好ましくは、炭素数2、3、4、5、6、7、8,10,12および18の炭化水素基を表す。
さらに、一般式(1)で表される側鎖型高分子液晶性化合物は、各成分a〜fのモル比や配向形態により複屈折率が変化するが、ネマチック配向をとった場合の複屈折率は0.001〜0.300であることが好ましく、より好ましくは0.05〜0.25である。
上記の側鎖型高分子液晶性化合物の各成分に該当するそれぞれの(メタ)アクリル化合物は、通常の有機化学の合成方法により得ることができる。オキセタニル基を有する(メタ)アクリル化合物は、後述する式(7)、(8)および(9)に該当する化合物の合成に類似した方法により容易に得ることができる。
上記の側鎖型高分子液晶性化合物は、各成分に該当する上記方法で得られたそれぞれの(メタ)アクリル化合物の(メタ)アクリル基をラジカル重合またはアニオン重合により共重合することにより容易に合成することができる。重合条件は特に限定されるものではなく、通常の条件を採用することができる。
ラジカル重合の例としては、各成分に該当する(メタ)アクリル化合物をジメチルホルムアミド(DMF)、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどの溶媒に溶かし、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)や過酸化ベンゾイル(BPO)などを開始剤として、60〜120℃で数時間反応させる方法が挙げられる。また、液晶相を安定に出現させるために、臭化銅(I)/2,2’−ビピリジル系や2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシ・フリーラジカル(TEMPO)系などを開始剤としたリビングラジカル重合を行い、分子量分布を制御する方法も有効である。これらのラジカル重合は脱酸素条件下に行う必要がある。
アニオン重合の例としては、各成分に該当する(メタ)アクリル化合物をテトラヒドロフラン(THF)などの溶媒に溶かし、有機リチウム化合物、有機ナトリウム化合物、グリニャール試薬などの強塩基を開始剤として反応させる方法が挙げられる。また、開始剤や反応温度を最適化することでリビングアニオン重合とし、分子量分布を制御することもできる。これらのアニオン重合は、脱水かつ脱酸素条件で行う必要がある。
側鎖型高分子液晶性化合物は、重量平均分子量が1,000〜200,000であるものが好ましく、3,000〜50,000のものが特に好ましい。この範囲外では強度が不足したり、配向性が悪化したりして好ましくない。
本発明において、上記の側鎖型高分子液晶性化合物からなる光重合性液晶組成物は下記一般式(2)で表されるジオキセタン化合物を含有することが好ましい。
式(2)において、R7は、それぞれ独立に、水素、メチル基またはエチル基を表し、L3は、それぞれ独立に、単結合または−(CH2)n−(nは1〜12の整数)を表し、X1は、それぞれ独立に、単結合、−O−、−O−CO−または−CO−O−を表し、M1は、式(3)または式(4)で表されるいずれかであり、式(3)および式(4)中のP1は、それぞれ独立に式(5)から選ばれる基を表し、P2は式(5)または式(6)から選ばれる基を表し、L4は、それぞれ独立に単結合、−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−O−CO−または−CO−O−を表す。
式(5)および式(6)において、Etはエチル基を、iPrはイソプロピル基を、nBuはノルマルブチル基を、tBuはターシャリーブチル基をそれぞれ表す。
より具体的には、M1基から見て左右のオキセタニル基を結合している連結基は異なっても(非対称型)同一でも(対称型)よく、特に2つのL3が異なる場合や他の連結基の構造によっては液晶性を示さないこともあるが、使用には制約とならない。
一般式(2)で表される化合物は、M1、L3およびX1の組み合わせから多くの化合物を例示することができるが、好ましくは、下記の化合物を挙げることができる。
これらの化合物は有機化学における通常の合成方法に従って合成することができ、合成方法は特に限定されるものではない。
合成にあたっては、オキセタニル基がカチオン重合性を有するため、強い酸性条件下では、重合や開環などの副反応を起こすことを考慮して、反応条件を選ぶ必要がある。なお、オキセタニル基は類似のカチオン重合性官能基であるオキシラニル基などと比べて、副反応を起こす可能性が低い。さらに、類似したアルコール、フェノール、カルボン酸などの各種化合物をつぎつぎに反応させることもあり、適宜保護基の活用を考慮してもよい。
合成にあたっては、オキセタニル基がカチオン重合性を有するため、強い酸性条件下では、重合や開環などの副反応を起こすことを考慮して、反応条件を選ぶ必要がある。なお、オキセタニル基は類似のカチオン重合性官能基であるオキシラニル基などと比べて、副反応を起こす可能性が低い。さらに、類似したアルコール、フェノール、カルボン酸などの各種化合物をつぎつぎに反応させることもあり、適宜保護基の活用を考慮してもよい。
より具体的な合成方法としては、例えば、ヒドロキシ安息香酸を出発化合物として、ウィリアムソンのエーテル合成法等によりオキセタニル基を結合させ、次いで得られた化合物と本発明に適したジオールとを、酸クロリド法やカルボジイミドによる縮合法等を用いて結合させる方法や、逆に予めヒドロキシ安息香酸の水酸基を適当な保護基で保護し、本発明に適したジオールと縮合後、保護基を脱離させ、適当なオキセタニル基を有する化合物(オキセタン化合物)、例えばハロアルキルオキセタン等と水酸基とを反応させる方法などが挙げられる。
オキセタン化合物と水酸基との反応は、用いられる化合物の形態や反応性により適した反応条件を選定すればよいが、通常、反応温度は−20℃〜180℃、好ましくは10℃〜150℃が選ばれ、反応時間は10分〜48時間、好ましくは30分〜24時間である。これらの範囲外では反応が充分に進行しなかったり、副反応が生じたりして好ましくない。また、両者の混合割合は、水酸基1当量につき、オキセタン化合物0.8〜1.2当量が好ましい。
反応は、無溶媒でも可能であるが、通常は適当な溶媒下で行われる。使用される溶媒は目的とする反応を妨害しなければ特に制限はなく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、安息香酸エチル等のエステル類、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類やこれらの混合物が挙げられる。
本発明において用いられる光重合性液晶組成物は、前記の低分子液晶性化合物または高分子液晶性化合物を少なくとも10質量%以上、好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上含み、液晶性を示す組成物である。低分子液晶性化合物または高分子液晶性化合物の含有量が10質量%未満では組成物中に占める前記の液晶性を示す化合物の濃度が低くなり、組成物が液晶性を示さなくなる場合があり好ましくない。
本発明において用いられる光重合性液晶組成物では、前述のように低分子液晶性化合物または高分子液晶性化合物の他に、液晶性を損なわずに混和し得る種々の化合物を含有することができる。含有することができる化合物としては、ビニル基、(メタ)アクリロイル基等のラジカル重合性基やオキセタニル基、オキシラニル基、ビニルオキシ基などのカチオン重合性基を有する各種の重合性化合物、カルボキシル基、アミノ基、イソシアナート基などの反応性基を有する化合物、フィルム形成能を有する各種の高分子化合物などを配合することもできる。また、前述のように界面活性剤、消泡剤、レベリング剤などを、さらに反応性の官能基を有する化合物や低分子または高分子液晶を用いた場合は、それぞれの官能基に適した反応開始剤や活性化剤、増感剤等を本発明の目的を逸脱しない範囲内で添加してもよい。
反応性基を有する光重合性液晶組成物は、所望の配向を実現させた後、当該反応性基を反応させるに適した条件下で反応を行わしめ、架橋や分子量増大等により、目的とする光学フィルムの耐熱性や機械的強度等の向上に寄与させることができる。
前記の重合性化合物としては、得られる光学フィルムの、場合により次なる加工工程での加工性や接着性を向上しうる化合物が好ましく、特にオキセタニル基を有する(メタ)アクリレート類が好ましくい。これらの(メタ)アクリレートとしては、一般式(7)、(8)および(9)で表される化合物が挙げられる。
上記式(7)、式(8)および式(9)において、R1は、それぞれ独立に、水素またはメチル基を表し、R2は、それぞれ独立に、水素、メチル基またはエチル基を表し、L1は、それぞれ独立に、単結合、−O−、−O−CO−または−CO−O−を表し、mは、それぞれ独立に、1から10までの整数であり、nは、それぞれ独立に、0から10までの整数を表す。
これらのオキセタニル基を有する(メタ)アクリレートの合成法も特に制限されるものではなく、通常の有機化学の合成法で用いられる方法を適用することによって合成することができる。
例えば、ウィリアムソンのエーテル合成や、縮合剤を用いたエステル合成などの手段でオキセタニル基を持つ部位と(メタ)アクリロイル基を持つ部位を結合させることで、オキセタニル基と(メタ)アクリロイル基と全く異なる2つの反応性基を持つオキセタニル基を有する(メタ)アクリレートを合成することができる。ただし反応にあたっては、オキセタニル基がカチオン重合性を有するため、強い酸性条件下では、重合や開環などの副反応を起こすことを考慮して、反応条件を選ぶ必要があるが、これらの反応条件は上述の一般式(2)で表される化合物の合成で述べた範囲等から適宜選択すればよい。
例えば、ウィリアムソンのエーテル合成や、縮合剤を用いたエステル合成などの手段でオキセタニル基を持つ部位と(メタ)アクリロイル基を持つ部位を結合させることで、オキセタニル基と(メタ)アクリロイル基と全く異なる2つの反応性基を持つオキセタニル基を有する(メタ)アクリレートを合成することができる。ただし反応にあたっては、オキセタニル基がカチオン重合性を有するため、強い酸性条件下では、重合や開環などの副反応を起こすことを考慮して、反応条件を選ぶ必要があるが、これらの反応条件は上述の一般式(2)で表される化合物の合成で述べた範囲等から適宜選択すればよい。
前記の反応開始剤としては、一般のラジカル重合に使用される有機過酸化物類や各種の光重合開始剤などが例示される。
光重合開始剤には、適当な光により開裂してラジカルを発生する光ラジカル開始剤、適当な光により開裂してカチオンを発生する光カチオン発生剤を挙げることができる。また必要によっては適当な温度に加熱されることによりカチオンを発生できる熱カチオン発生剤なども使用することができる。
光重合開始剤には、適当な光により開裂してラジカルを発生する光ラジカル開始剤、適当な光により開裂してカチオンを発生する光カチオン発生剤を挙げることができる。また必要によっては適当な温度に加熱されることによりカチオンを発生できる熱カチオン発生剤なども使用することができる。
光ラジカル開始剤としては、一般の紫外線(UV)硬化型塗料、UV硬化型接着剤、ネガ型レジスト等に使用される市販のベンゾフェノン誘導体類、ベンゾインエーテル類、アシルホスフィンオキシド類、トリアジン誘導体類、ビスイミダゾール誘導体類、有機過酸化物―アミン系等が挙げられる。これらは混合物として使用してもよく、必要によっては、ジメチルアミノ安息香酸エステルのようなアミノ基を有する化合物等を増感剤として添加してもよい。
光カチオン発生剤としては、有機スルフォニウム塩系、ヨードニウム塩系、フォスフォニウム塩系などを例示することが出来る。これら化合物の対イオンとしては、アンチモネート、フォスフェート、ボレートなどが好ましく用いられる。具体的な化合物としては、Ar3S+SbF6 −、Ar3P+BF4 −、Ar2I+PF6 −(ただし、Arはフェニル基または置換フェニル基を示す。)などが挙げられる。また、スルホン酸エステル類、トリアジン類、ジアゾメタン類、β−ケトスルホン、イミノスルホナート、ベンゾインスルホナートなども用いることができる。
また、熱カチオン発生剤としては、例えば、ベンジルスルホニウム塩類、ベンジルアンモニウム塩類、ベンジルピリジニウム塩類、ベンジルホスホニウム塩類、ヒドラジニウム塩類、カルボン酸エステル類、スルホン酸エステル類、アミンイミド類、五塩化アンチモン−塩化アセチル錯体、ジアリールヨードニウム塩−ジベンジルオキシ銅、ハロゲン化ホウ素−三級アミン付加物などを挙げることができる。
これらの反応開始剤の光重合性液晶組成物中への添加量は、用いる液晶化合物を構成するメソゲン部分やスペーサ部分の構造、分子量、液晶の配向条件などにより異なるため一概には言えないが、液晶化合物に対し、通常100質量ppm〜20質量%、好ましくは1000質量ppm〜10質量%、より好ましくは0.5質量%〜8質量%の範囲である。100質量ppmよりも少ない場合には、反応開始剤から発生する活性種の量が十分でなく反応が進行しないおそれがあり、また20質量%よりも多い場合には、光重合性液晶組成物中に残存する反応開始剤の分解残存物等が多くなり着色したり、耐光性などが悪化するおそれがあるため好ましくない。
以下に、配向した液晶層の形成方法について説明するが、液晶層の形成方法としてはこれらに限定されるものではない。
まず、本発明で用いられる光重合性液晶組成物を前記配向基板上に展開する。
光重合性液晶組成物を配向基板上に展開して液晶層を形成する方法としては、光重合性液晶組成物を溶融状態で直接配向膜基板上に塗布する方法や、光重合性液晶組成物の溶液を配向基板上に塗布後、塗膜を乾燥して溶媒を留去させる方法が挙げられる。
光重合性液晶組成物を配向基板上に展開して液晶層を形成する方法としては、光重合性液晶組成物を溶融状態で直接配向膜基板上に塗布する方法や、光重合性液晶組成物の溶液を配向基板上に塗布後、塗膜を乾燥して溶媒を留去させる方法が挙げられる。
溶液の調製に用いる溶媒に関しては、本発明の光重合性液晶組成物に使用される各種化合物を溶解でき適当な条件で留去できる溶媒であれば特に制限はなく、一般的にアセトン、メチルエチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノンなどのケトン類、ブトキシエチルアルコール、ヘキシルオキシエチルアルコール、メトキシ−2−プロパノール、ベンジルオキシエタノールなどのエーテルアルコール類、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル類、酢酸エチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトンなどのエステル類、フェノール、クロロフェノールなどのフェノール類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類、クロロホルム、テトラクロロエタン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン系などやこれらの混合系が好ましく用いられる。また、配向基板上に均一な塗膜を形成するために、界面活性剤、消泡剤、レベリング剤などを溶液に添加してもよい。
光重合性液晶組成物を直接塗布する方法でも、溶液を塗布する方法でも、塗布方法については、塗膜の均一性が確保される方法であれば、特に限定されることはなく公知の方法を採用することができる。例えば、フレキソ印刷方式、オフセット印刷方式、ディスペンサー方式、グラビアコート方式、マイクログラビア方式、スクリーン印刷方式、リップコート方式、ダイコート方式など挙げることができる。これらの中でグラビアコート方式、キスコート方式やリップコート方式とダイコート方式が好ましい。
光重合性液晶組成物の溶液を塗布する方法では、塗布後に溶媒を除去するための乾燥工程を入れることが好ましい。この乾燥工程は、塗膜の均一性が維持される方法であれば、特に限定されることなく公知の方法を採用することができる。例えば、ヒーター(炉)、温風吹きつけなどの方法が挙げられる。
塗布膜厚は、用いる光重合性液晶組成物や得られた液晶層の用途等により調整されるため一概には決められないが、乾燥後の膜厚で0.1〜20μm、好ましくは0.3〜10μmである。また、本発明における光重合性液晶組成物は配向させることにより屈折率異方性を発現するため、塗布膜厚は単に膜厚のみで規定するだけでは必ずしも十分とは言えない。例えば、面内に異方性を持つネマチック配向液晶層やハイブリッドネマチック配向液晶層の場合、面内のリタデーション値Re(=屈折率異方性×実膜厚:Δnd)で規定するのが好ましい時もある。その時のRe値は10〜1000nm、好ましくは20〜800nmの範囲である。膜厚および/またはRe値がこの範囲外では、目的とする効果が得られない、配向が不十分になる、などして好ましくない。
また、厚み方向に異方性を持つホメオトロピック配向液晶層の場合、面内方向の屈折率をnxおよびny(nx≧ny)、厚み方向の屈折率をnz、厚みをd(nm)としたとき、Rth=((nx+ny)/2−nz)×dで定義される厚み方向のリタデーション値Rthで規定するのが好ましいときもある。そのときのRth値は−1000〜−10nm、好ましくは−600〜−20nmの範囲である。膜厚および/またはRth値がこの範囲外では、目的とする効果が得られない、配向が不十分になる、などして好ましくない。
続いて、配向基板上に形成された液晶層を、熱処理により液晶を配向させた後、活性光線の照射により反応性基を反応させ当該配向を固定化する。最初の熱処理では、使用した光重合性液晶組成物の液晶相発現温度範囲内で所望の温度に加熱することで、該光重合性液晶組成物が本来有する自己配向能により液晶を配向させる。熱処理の条件としては、用いる光重合性液晶組成物の液晶相挙動温度(転移温度)により最適条件や限界値が異なるため一概には言えないが、通常10〜300℃、好ましくは30℃〜250℃の範囲であり、該光重合性液晶組成物のガラス転移点(Tg)以上の温度、さらに好ましくはTgより20℃以上高い温度で熱処理するのが好ましい。あまり低温では、液晶配向が充分に進行しないおそれがあり、また高温では光重合性液晶組成物や配向基板に悪影響を与えるおそれがある。また、熱処理時間については、通常3秒〜30分、好ましくは10秒〜10分の範囲である。3秒より短い熱処理時間では、液晶配向が充分に完成しないおそれがあり、また30分を超える熱処理時間では、生産性が悪くなるため、どちらの場合も好ましくない。なお、熱処理は、用いた重合性液晶組成物の相転移温度によるが、等方相となる温度まで加熱後、液晶相温度範囲に維持することで行うこともできる。
熱処理後に冷却操作を施す。具体的には、配向させた液晶層を含む基板フィルムを熱処理雰囲気中から、前記光重合性液晶組成物のTg以下の雰囲気中に取り出すことで、配向が保持される。
前記の方法により液晶層の配向を形成したのち、配向状態を保持しながら、前記光重合性液晶組成物中に含まれる反応開始剤の機能を発現させ、反応性基を反応させて3次元の架橋構造を形成することで、配向を固定化したり機械的強度を向上させたりする。
反応開始剤は活性光線の照射により開始剤の機能を発現する。該活性光線は、例えばUVを用いる。UV照射の方法としては、用いる反応開始剤の吸収波長領域にスペクトルを有するようなメタルハライドランプ、(超)高圧水銀灯、低圧水銀灯、キセノンランプ、アークランプ、レーザーなどの光源からの光を照射し、反応開始剤を活性化させる。1平方センチメートルあたりの照射量としては、積算照射量として通常1〜2000mJ、好ましくは10〜1000mJの範囲である。ただし、当該反応開始剤の吸収領域と光源のスペクトルが著しく異なる場合や、光重合性液晶組成物自身に光源波長の吸収能がある場合などはこの限りではない。これらの場合には、適当な光増感剤や、吸収波長の異なる2種以上の反応開始剤を混合して用いるなどの方法を採ることもできる。また、活性光線照射源は単一であっても複数あってもよい。
本発明の効果を発現するためには、前記活性光線の照射を以下の特定の条件で行うことが重要である。
本発明においては、前記活性光線の照射を受ける直前の基板温度をT0(℃)、照射中の基板の最高温度をTm(℃)とした時、Tm−T0>30℃となるように該活性光線を照射する。このようにすれば、前記光重合性液晶組成物中の反応性基の反応が促進され、3次元の架橋構造がより強固なものとなり、耐熱性および機械的強度に優れた光学フィルムを非常に高い製造効率で得ることができる。Tm−T0の上限は、未反応の重合性液晶組成物の等方相転移温度未満とするのが好ましいが、照射による架橋の進行につれて該組成物の液晶性が消失していくので必ずしも等方相転移温度未満である必要はない。
上記の基板温度は、活性光線が照射される表面の温度をいい、表面に貼り付けた微小な熱電対や放射温度計等を用いて測定することができる。
本発明においては、前記活性光線の照射を受ける直前の基板温度をT0(℃)、照射中の基板の最高温度をTm(℃)とした時、Tm−T0>30℃となるように該活性光線を照射する。このようにすれば、前記光重合性液晶組成物中の反応性基の反応が促進され、3次元の架橋構造がより強固なものとなり、耐熱性および機械的強度に優れた光学フィルムを非常に高い製造効率で得ることができる。Tm−T0の上限は、未反応の重合性液晶組成物の等方相転移温度未満とするのが好ましいが、照射による架橋の進行につれて該組成物の液晶性が消失していくので必ずしも等方相転移温度未満である必要はない。
上記の基板温度は、活性光線が照射される表面の温度をいい、表面に貼り付けた微小な熱電対や放射温度計等を用いて測定することができる。
本発明において、前記温度T0(℃)と前記Tg(℃)の関係は、Tg−20℃≦T0≦Tg+20℃であることが好ましい。T0の下限としては、より好ましくはTg−15℃≦T0であり、さらに好ましくはTg−10℃≦T0である。またT0の上限としては、より好ましくはT0≦Tg+15℃であり、さらに好ましくはT0≦Tg+10℃である。T0が(Tg−20℃)未満の場合は、前記光重合性液晶組成物の架橋反応が十分に進行しないおそれがあり、T0が(Tg+20℃)より高い場合は、前記光重合性液晶組成物中の液晶分子の配向秩序が乱れるおそれがある。
本発明における前記T0、Tmの前記条件を実現するためには、前記活性光線の照射前あるいは照射中に、液晶層を含む基板フィルムの加熱処理を適宜取り入れることができる。具体的には、長尺の基板フィルム面内を連続的かつ均一に加熱できるような面内精度の高い誘電加熱ドラム、温水加熱ドラムの採用が挙げられる。また、必要に応じ、遠赤外線ヒーター等の輻射熱による加熱、あるいは該活性光線照射装置内の雰囲気温度制御なども用いられ得る。
本発明の方法により得られた液晶層は、十分強固な膜となる。具体的には、架橋反応によりメソゲンが3次元的に結合され、架橋前と比べて耐熱性(液晶配向保持の上限温度)が向上するのみでなく、耐スクラッチ性、耐摩耗性、耐クラック性などの機械的強度に関しても大幅に向上する。本発明は、容易に液晶配向という緻密な配向を制御し、熱的、機械的強度の向上を果たすという相反する目的を同時に達成できる方法を提供する意味で、工業的な意義が大きい。
次いで、必要に応じて追加される液晶層の転写工程について説明する。
前記配向基板が、光学的に等方でない、あるいは得られた液晶層の最終的な使用波長領域において不透明である、もしくは該配向基板の膜厚が厚すぎて実際の使用に支障を生じるなどの問題がある場合、該配向基板上に形成された形態から、該配向基板と異なる基材、例えば、光学的に等方な、あるいは得られる液晶層が最終的に目的とする使用波長領域において透明なフィルム、もしくは液晶層を液晶セル基板などに貼合するまでの間、仮に支持しておくためのフィルム等の基材に転写する場合がある。
前記配向基板が、光学的に等方でない、あるいは得られた液晶層の最終的な使用波長領域において不透明である、もしくは該配向基板の膜厚が厚すぎて実際の使用に支障を生じるなどの問題がある場合、該配向基板上に形成された形態から、該配向基板と異なる基材、例えば、光学的に等方な、あるいは得られる液晶層が最終的に目的とする使用波長領域において透明なフィルム、もしくは液晶層を液晶セル基板などに貼合するまでの間、仮に支持しておくためのフィルム等の基材に転写する場合がある。
転写方法としては公知の方法を採用することができる。例えば、特開平4−57017号公報や特開平5−333313号公報に記載されているように、液晶層を粘着剤もしくは接着剤を介して、前記配向基板とは異なる基材を積層した後に、必要により当該粘着剤もしくは接着剤に硬化処理を施し、該積層体から該配向基板を剥離することで液晶層を転写する方法等を挙げることができる。
前記の配向基板とは異なる基材としては、例えば、フジタック(富士フイルム(株)製品)、コニカタック(コニカミノルタオプト(株)製品)などのトリアセチルセルロースフィルム、TPXフィルム(三井化学(株)製品)、アートンフィルム(JSR(株)製品)、ゼオネックスフィルム(日本ゼオン(株)製品)、アクリプレンフィルム(三菱レーヨン(株)製品)などの透明フィルムが挙げられる。またシリコーン処理を施したり、表面に易剥離層を設けたりしたポリエチレンテレフタレートフィルムなどの仮支持フィルムなどが挙げられる。さらに必要によっては、延伸等により位相差機能を付与したフィルム、液晶配向層を含む各種の位相差フィルム、偏光素子、偏光板、各種ガラス等も挙げることができる。
前記の位相差機能を付与したフィルムとしては、例えば、ポリマーフィルムを一軸延伸または二軸延伸したものが、液晶配向層を含む各種の位相差フィルムとしては液晶性高分子の塗布・配向膜等が挙げられる。
前記一軸延伸または二軸延伸を行うポリマーフィルムとしては、平滑な平面を有するとともに透過率の高いものが好ましく、例えば、有機高分子材料からなるフィルムやシートを挙げることができ、例えば、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー等の透明ポリマーからなるフィルムが挙げられる。またポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体等のスチレン系ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリシクロオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体等のオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー等の透明ポリマーからなるフィルムも挙げられる。さらにスルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマーや前記ポリマーのブレンド物等の透明ポリマーからなるフィルムなども挙げられる。
これらのなかでも、光学フィルムとして用いられるトリアセチルセルロース、ポリカーボネート、ポリシクロオレフィン等のプラスチックフィルムが賞用される。有機高分子材料のフィルムとしては、特に、ゼオノア(商品名,日本ゼオン(株)製)、ゼオネックス(商品名,日本ゼオン(株)製)、アートン(商品名,JSR(株)製)などの環状構造を有するポリマー物質からなるプラスチックフィルムが好適に用いられる。上記記載のフィルムを一軸あるいは二軸延伸処理する手法や、特開平5−157911号公報に示されるような熱収縮フィルムにより延伸方向の位相差を小さくする手法により製造した位相差フィルム、また、特開2001−343529号公報に記載のポリマーフィルムも光学的に優れた特性を示す。なお、前記ポリマーフィルムは、例えば、前記樹脂組成物の押出成形物であってもよい。
転写に使用される粘着剤もしくは接着剤(以下、粘・接着剤ということがある)は光学グレードのものであれば特に制限はなく、例えば、アクリル系、エポキシ樹脂系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、ゴム系、ウレタン系およびこれらの混合物系や、熱硬化型および/または光硬化型、電子線硬化型等の各種反応性のものを挙げることができる。前記反応性のものの反応(硬化)条件は、粘・接着剤を構成する成分、粘度等や反応温度等の条件により変化するため、それぞれに適した条件を選択して行えばよい。例えば、光硬化型の場合は前述の液晶組成物層の光による固定化の場合と同様な光源を使用し同様な照射量でよく、電子線硬化型の場合の加速電圧は、通常10kV〜200kV、好ましくは20kV〜100kVである。
本発明の光学フィルムは、前記光重合性液晶組成物中の各成分の構造や比率、配向膜の種類、および製造条件などを適宜選定することで、当該光学フィルムに含まれる液晶層の配向構造および/または相状態を制御することができる。該配向構造としては、ホモジニアス配向、ハイブリッド配向、ホメオトロピック配向などを形成することができ、該相状態としては、ネマチック相、スメクチック相などを形成することができ、それぞれの配向構造および/または相状態を固定化した光学フィルムを製造することが可能である。
本発明の光学フィルムは、液晶表示素子用のλ/2フィルム、λ/4フィルム、色補償フィルム、位相差フィルム、視野角改良フィルムなどとして好適に用いることができる。
液晶表示素子としては、特に制限はないが、透過型、反射型、半透過型の各種液晶表示素子を挙げることができる。液晶セルにおける液晶配向によるモードとして例を挙げると、TN型、STN型、VA(vertical alignment)型、MVA(multi-domain vertical alignment)型、OCB(optically compensated bend)型、ECB(electrically controlled birefringence)型、HAN(hybrid-aligned nematic)型、IPS(in-plane switching)型などを挙げることができる。液晶配向については、セルの面内で単一の方向性を持つものでも良いし、配向が分割された液晶表示素子等にも用いることができる。さらに液晶セルに電圧を印加する方法で言えば、例えば、ITO電極などを用いるパッシブ方式、TFT(薄膜トランジスター)電極やTFD(薄膜ダイオード)電極などを用いるアクティブ方式等で駆動する液晶表示素子を挙げることができる。
液晶表示素子としては、特に制限はないが、透過型、反射型、半透過型の各種液晶表示素子を挙げることができる。液晶セルにおける液晶配向によるモードとして例を挙げると、TN型、STN型、VA(vertical alignment)型、MVA(multi-domain vertical alignment)型、OCB(optically compensated bend)型、ECB(electrically controlled birefringence)型、HAN(hybrid-aligned nematic)型、IPS(in-plane switching)型などを挙げることができる。液晶配向については、セルの面内で単一の方向性を持つものでも良いし、配向が分割された液晶表示素子等にも用いることができる。さらに液晶セルに電圧を印加する方法で言えば、例えば、ITO電極などを用いるパッシブ方式、TFT(薄膜トランジスター)電極やTFD(薄膜ダイオード)電極などを用いるアクティブ方式等で駆動する液晶表示素子を挙げることができる。
本発明の光学フィルムは、それに含まれる液晶層の配向構造および/または相構造によって様々な用途に適用される。該液晶層がネマチック相もしくはハイブリッド配向したネマチック相を取るフィルムは、特に位相差フィルム、視野角改良フィルムとして好ましく用いられる。例えば、ネマチック相を固定化した光学フィルムは位相差フィルムとして機能し、STN型、TN型、OCB型、HAN型等の透過または反射型液晶表示装置の補償板として使用できる。スメクチック相を固定化した光学フィルムは回折フィルムなどに利用できる。ハイブリッド配向したネマチック相を固定化した光学フィルムは、正面から見たときのリタデーションを利用して、位相差フィルムや波長板として利用でき、リタデーションの視野角依存性の非対称性を活かして、TN型液晶表示装置の視野角改良フィルムに利用できる。また、ホメオトロピック配向を固定化した光学フィルムは、VA型、IPS型の液晶表示装置の視野角改良フィルムとして利用できる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下に実施例および比較例等で使用した分析方法等を記す。
(1)固形分濃度の測定
固形分濃度の測定は、ETAC社製オーブンHT310Sを使用し、得られたPVA組成物溶液をアルミトレーに計量し、空気中107℃で3時間乾燥し、前後の質量減少から求めた。
(2)分子量の測定
分子量は、化合物をテトラヒドロフランに溶解し、東ソー社製8020GPCシステムで、TSK−GEL SuperH1000、SuperH2000、SuperH3000、SuperH4000を直列につなぎ、溶出液としてテトラヒドロフランを用いて測定した。分子量の較正にはポリスチレンスタンダードを用いた。
(3)相挙動の観察
相挙動は、メトラー社製ホットステージFP82HT上で試料を加熱しつつ、オリンパス光学(株)製BH2偏光顕微鏡で観察した。
なお、相転移温度は、Perkin−Elmer社製示差走査型熱量計DSC7により測定した。相挙動の記載において、Nmはネマチック相を、Isoは等方性液体相を表す。
(4)顕微鏡観察
得られた光学フィルムの液晶の配向状態を、オリンパス光学社製BH2偏光顕微鏡で観察した。
(5)光学フィルムのパラメータ測定
光学フィルムのリタデーション値(Δnd)およびその光入射角依存性は、波長550nmの光を用いて王子計測機器(株)製の自動複屈折率計(KOBRA−21ADH)で測定した。
なお、紫外線(UV)照射時の基板温度は放射温度計を用いて測定した。
固形分濃度の測定は、ETAC社製オーブンHT310Sを使用し、得られたPVA組成物溶液をアルミトレーに計量し、空気中107℃で3時間乾燥し、前後の質量減少から求めた。
(2)分子量の測定
分子量は、化合物をテトラヒドロフランに溶解し、東ソー社製8020GPCシステムで、TSK−GEL SuperH1000、SuperH2000、SuperH3000、SuperH4000を直列につなぎ、溶出液としてテトラヒドロフランを用いて測定した。分子量の較正にはポリスチレンスタンダードを用いた。
(3)相挙動の観察
相挙動は、メトラー社製ホットステージFP82HT上で試料を加熱しつつ、オリンパス光学(株)製BH2偏光顕微鏡で観察した。
なお、相転移温度は、Perkin−Elmer社製示差走査型熱量計DSC7により測定した。相挙動の記載において、Nmはネマチック相を、Isoは等方性液体相を表す。
(4)顕微鏡観察
得られた光学フィルムの液晶の配向状態を、オリンパス光学社製BH2偏光顕微鏡で観察した。
(5)光学フィルムのパラメータ測定
光学フィルムのリタデーション値(Δnd)およびその光入射角依存性は、波長550nmの光を用いて王子計測機器(株)製の自動複屈折率計(KOBRA−21ADH)で測定した。
なお、紫外線(UV)照射時の基板温度は放射温度計を用いて測定した。
[参考例1]
(PVA溶液の調製)
還流冷却器および攪拌機の付いたステンレススチール製500L槽にPVA((株)クラレ製 商品名PVA−117H:ケン化度99.3%以上、平均重合度1700)16.00kgおよび脱イオン水307.20kg(電気伝導度値;1μS/cm以下)を投入し、95℃で3時間加熱し攪拌溶解後、70℃まで冷却した。イソプロピルアルコール76.8kg(関東化学品 鹿一級 純度99%以上)を徐々に加え、65℃〜70℃で2時間攪拌し、透明な均一溶液を得た。
室温まで冷却し、前記槽からPVA溶液を濾過しながら抜き出した。濾過は、平均粒径1μmの粒子を捕集できるカートリッジフィルター(ADVANTEC、TCP−JX−S1FE(1μm))を使用し、濾過速度10kg/分で行い、固形分濃度約4質量%の溶液350kgを得た。
(PVA溶液の調製)
還流冷却器および攪拌機の付いたステンレススチール製500L槽にPVA((株)クラレ製 商品名PVA−117H:ケン化度99.3%以上、平均重合度1700)16.00kgおよび脱イオン水307.20kg(電気伝導度値;1μS/cm以下)を投入し、95℃で3時間加熱し攪拌溶解後、70℃まで冷却した。イソプロピルアルコール76.8kg(関東化学品 鹿一級 純度99%以上)を徐々に加え、65℃〜70℃で2時間攪拌し、透明な均一溶液を得た。
室温まで冷却し、前記槽からPVA溶液を濾過しながら抜き出した。濾過は、平均粒径1μmの粒子を捕集できるカートリッジフィルター(ADVANTEC、TCP−JX−S1FE(1μm))を使用し、濾過速度10kg/分で行い、固形分濃度約4質量%の溶液350kgを得た。
[参考例2]
参考例1と同様にして、日本酢ビ・ポバール(株)製、商品名JL−18E(ケン化度83〜86%、平均重合度1800)を使用してPVA溶液を得た。
参考例1と同様にして、日本酢ビ・ポバール(株)製、商品名JL−18E(ケン化度83〜86%、平均重合度1800)を使用してPVA溶液を得た。
[参考例3]
(光重合性液晶組成物溶液の調整)
光学フィルムの製造に使用する光重合性液晶組成物溶液を以下のようにして調製した。
下記式(10)で示される側鎖型液晶性ポリマーを通常のラジカル重合により合成した。分子量はポリスチレン換算で、数平均分子量(Mn)=8000、重量平均分子量(Mw)=15000であった。なお、下記式(10)はブロックコポリマーの形態で表示しているが、重合時のモノマー組成比(モル比)を表示するものである。
この側鎖型液晶性ポリマーの160gと、下記式(11)で示されるジオキセタン化合物の30gと、下記式(12)で示されるアクリル化合物の10gを、1800mlのγ−ブチロラクトンに溶かし、暗所でトリアリルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネート50%プロピレンカーボネート溶液(アルドリッチ社製、試薬)20gを加えた後、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターで濾過して光重合性液晶組成物溶液を調製した。
(光重合性液晶組成物溶液の調整)
光学フィルムの製造に使用する光重合性液晶組成物溶液を以下のようにして調製した。
下記式(10)で示される側鎖型液晶性ポリマーを通常のラジカル重合により合成した。分子量はポリスチレン換算で、数平均分子量(Mn)=8000、重量平均分子量(Mw)=15000であった。なお、下記式(10)はブロックコポリマーの形態で表示しているが、重合時のモノマー組成比(モル比)を表示するものである。
この側鎖型液晶性ポリマーの160gと、下記式(11)で示されるジオキセタン化合物の30gと、下記式(12)で示されるアクリル化合物の10gを、1800mlのγ−ブチロラクトンに溶かし、暗所でトリアリルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネート50%プロピレンカーボネート溶液(アルドリッチ社製、試薬)20gを加えた後、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターで濾過して光重合性液晶組成物溶液を調製した。
[実施例1]
(配向膜形成)
幅650mm、長さ1000mのポリエチレンナフタレートフィルム(PEN:帝人デュポンフィルム(株)製、商品名Q51)に室温下、グラビアコーターにより乾燥膜厚が約1μmとなるように参考例1で得られたPVA溶液を連続的に塗布した。塗布膜の乾燥は、50℃、70℃、90℃および130℃に設定した熱風循環式乾燥機で連続的に行い、配向膜付き長尺フィルム(以下配向基板)を得た。
(配向膜形成)
幅650mm、長さ1000mのポリエチレンナフタレートフィルム(PEN:帝人デュポンフィルム(株)製、商品名Q51)に室温下、グラビアコーターにより乾燥膜厚が約1μmとなるように参考例1で得られたPVA溶液を連続的に塗布した。塗布膜の乾燥は、50℃、70℃、90℃および130℃に設定した熱風循環式乾燥機で連続的に行い、配向膜付き長尺フィルム(以下配向基板)を得た。
(ラビング処理)
図1に示す装置により、上記で得られた配向基板を20m/分の速度で搬送しながら、配向膜面をラビング布を巻き付けた直径150mmのラビングロールをフィルムのMDに対して45度に設定し、ラビング布の毛先の押し込みを500μmとして170rpmで回転させる(周速比4)ことにより連続的にラビングをし、ロールに巻き取りを行った。
図1に示す装置により、上記で得られた配向基板を20m/分の速度で搬送しながら、配向膜面をラビング布を巻き付けた直径150mmのラビングロールをフィルムのMDに対して45度に設定し、ラビング布の毛先の押し込みを500μmとして170rpmで回転させる(周速比4)ことにより連続的にラビングをし、ロールに巻き取りを行った。
(光学フィルムの製造)
参考例3で得た光重合性液晶組成物溶液を、上記ラビング処理をした配向基板上に、ロールコーターを用いて配向・硬化後の液晶性組成物層厚が約1μmとなるように塗布し、60℃で乾燥後、130℃で2分間加熱処理をして液晶性組成物層を配向させた後、室温雰囲気中に取り出した。
得られた液晶層部分のみを配向基板からかきとり、DSCを用いてガラス転移点(Tg)を測定したところ、72℃であった。また、ホットステージ上での偏光顕微鏡観察より、Tg以上の温度でネマチック相を発現し、Nm−Iso転移温度は228℃であった。
ついで、高圧水銀ランプおよび金属ドラムを備え、配向基板を該ドラムに抱かせながら液晶層側から連続的にUV照射できる装置(以下UV装置)において、UV照射を受ける直前の配向基板の温度T0が55℃、照射中の配向基板の最高温度Tmが110℃になるように、該装置内雰囲気温度および該ドラム温度を調整した。このUV装置に、液晶層を有する配向基板を連続的に導入し、300mJ/cm2のUVを照射して液晶層の配向を固定化した。
参考例3で得た光重合性液晶組成物溶液を、上記ラビング処理をした配向基板上に、ロールコーターを用いて配向・硬化後の液晶性組成物層厚が約1μmとなるように塗布し、60℃で乾燥後、130℃で2分間加熱処理をして液晶性組成物層を配向させた後、室温雰囲気中に取り出した。
得られた液晶層部分のみを配向基板からかきとり、DSCを用いてガラス転移点(Tg)を測定したところ、72℃であった。また、ホットステージ上での偏光顕微鏡観察より、Tg以上の温度でネマチック相を発現し、Nm−Iso転移温度は228℃であった。
ついで、高圧水銀ランプおよび金属ドラムを備え、配向基板を該ドラムに抱かせながら液晶層側から連続的にUV照射できる装置(以下UV装置)において、UV照射を受ける直前の配向基板の温度T0が55℃、照射中の配向基板の最高温度Tmが110℃になるように、該装置内雰囲気温度および該ドラム温度を調整した。このUV装置に、液晶層を有する配向基板を連続的に導入し、300mJ/cm2のUVを照射して液晶層の配向を固定化した。
基材であるPENフィルムは光学的に異方性を示すため、以下のようにして液晶層をアクリル系接着剤によりトリアセチルセルロース(TAC)フィルム上に転写した。
得られた液晶層を有する配向基板の液晶層上に、市販のUV硬化型接着剤(UV−3400、東亞合成(株)製)を接着剤層として5μm厚となるように塗布し、TACフィルムでラミネートして、TACフィルム側からUVを照射して接着剤層を硬化させた後、PENフィルムおよび配向膜層を剥離して、光学フィルム(液晶層/接着剤層/TACフィルム)を得た。
得られた液晶層を有する配向基板の液晶層上に、市販のUV硬化型接着剤(UV−3400、東亞合成(株)製)を接着剤層として5μm厚となるように塗布し、TACフィルムでラミネートして、TACフィルム側からUVを照射して接着剤層を硬化させた後、PENフィルムおよび配向膜層を剥離して、光学フィルム(液晶層/接着剤層/TACフィルム)を得た。
[実施例2]
実施例1において、T0を70℃、Tmを115℃にした以外は実施例1と同様にして、光学フィルム(液晶層/接着剤層/TACフィルム)を得た。
実施例1において、T0を70℃、Tmを115℃にした以外は実施例1と同様にして、光学フィルム(液晶層/接着剤層/TACフィルム)を得た。
[実施例3]
実施例1において、T0を85℃、Tmを120℃にした以外は実施例1と同様にして、光学フィルム(液晶層/接着剤層/TACフィルム)を得た。
実施例1において、T0を85℃、Tmを120℃にした以外は実施例1と同様にして、光学フィルム(液晶層/接着剤層/TACフィルム)を得た。
[実施例4]
実施例1において、参考例2で得られたPVA溶液を用いて配向膜を形成したこと、および配向膜面にラビング処理を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして、光学フィルム(液晶層/接着剤層/TACフィルム)を得た。
実施例1において、参考例2で得られたPVA溶液を用いて配向膜を形成したこと、および配向膜面にラビング処理を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして、光学フィルム(液晶層/接着剤層/TACフィルム)を得た。
[実施例5]
実施例4において、T0を70℃、Tmを115℃にした以外は実施例4と同様にして、光学フィルム(液晶層/接着剤層/TACフィルム)を得た。
実施例4において、T0を70℃、Tmを115℃にした以外は実施例4と同様にして、光学フィルム(液晶層/接着剤層/TACフィルム)を得た。
[実施例6]
実施例4において、T0を85℃、Tmを120℃にした以外は実施例4と同様にして、光学フィルム(液晶層/接着剤層/TACフィルム)を得た。
実施例4において、T0を85℃、Tmを120℃にした以外は実施例4と同様にして、光学フィルム(液晶層/接着剤層/TACフィルム)を得た。
[比較例1]
実施例1において、T0を40℃、Tmを65℃にした以外は実施例1と同様にして、光学フィルム(液晶層/接着剤層/TACフィルム)を得た。
実施例1において、T0を40℃、Tmを65℃にした以外は実施例1と同様にして、光学フィルム(液晶層/接着剤層/TACフィルム)を得た。
[比較例2]
実施例1において、T0を70℃、Tmを90℃にした以外は実施例1と同様にして、光学フィルム(液晶層/接着剤層/TACフィルム)を得た。
実施例1において、T0を70℃、Tmを90℃にした以外は実施例1と同様にして、光学フィルム(液晶層/接着剤層/TACフィルム)を得た。
[比較例3]
実施例1において、T0を100℃、Tmを115℃にした以外は実施例1と同様にして、光学フィルム(液晶層/接着剤層/TACフィルム)を得た。
実施例1において、T0を100℃、Tmを115℃にした以外は実施例1と同様にして、光学フィルム(液晶層/接着剤層/TACフィルム)を得た。
[比較例4]
実施例4において、T0を40℃、Tmを65℃にした以外は実施例4と同様にして、光学フィルム(液晶層/接着剤層/TACフィルム)を得た。
実施例4において、T0を40℃、Tmを65℃にした以外は実施例4と同様にして、光学フィルム(液晶層/接着剤層/TACフィルム)を得た。
[比較例5]
実施例4において、T0を70℃、Tmを90℃にした以外は実施例4と同様にして、光学フィルム(液晶層/接着剤層/TACフィルム)を得た。
実施例4において、T0を70℃、Tmを90℃にした以外は実施例4と同様にして、光学フィルム(液晶層/接着剤層/TACフィルム)を得た。
[比較例6]
実施例4において、T0を100℃、Tmを115℃にした以外は実施例4と同様にして、光学フィルム(液晶層/接着剤層/TACフィルム)を得た。
実施例4において、T0を100℃、Tmを115℃にした以外は実施例4と同様にして、光学フィルム(液晶層/接着剤層/TACフィルム)を得た。
実施例1〜6および比較例1〜6で得られた光学フィルムについて、配向状態、および90℃の恒温槽で500時間経過させた後の耐熱性を評価した。
ホモジニアス配向状態は、クロスニコルさせた偏光顕微鏡下で光学フィルムを観察した場合にモノドメインでディスクリネーションやムラがないこと、また、ラビング軸を上下いずれかの偏光子と一致させた時に消光位を有すること、それ以外の場合では光の透過が観測されることで確認した。
ハイブリッド配向状態は、クロスニコルさせた偏光顕微鏡下で光学フィルムを観察した場合にモノドメインでディスクリネーションやムラがないこと、また、ラビング軸に沿ってΔndの光入射角依存性を測定した場合にその値が0nmになる角度がないこと、およびΔndの光入射角依存性が非対称になることで確認した。
ホメオトロピック配向状態は、クロスニコルさせた偏光顕微鏡下で光学フィルムを観察した場合にモノドメインでディスクリネーションやムラがないこと、正面からのΔndを測定した場合にその値がほぼ0nmであること、また、コノスコープにより正の一軸性屈折率構造が観察されることで確認した。
結果を表1に示す。
ホモジニアス配向状態は、クロスニコルさせた偏光顕微鏡下で光学フィルムを観察した場合にモノドメインでディスクリネーションやムラがないこと、また、ラビング軸を上下いずれかの偏光子と一致させた時に消光位を有すること、それ以外の場合では光の透過が観測されることで確認した。
ハイブリッド配向状態は、クロスニコルさせた偏光顕微鏡下で光学フィルムを観察した場合にモノドメインでディスクリネーションやムラがないこと、また、ラビング軸に沿ってΔndの光入射角依存性を測定した場合にその値が0nmになる角度がないこと、およびΔndの光入射角依存性が非対称になることで確認した。
ホメオトロピック配向状態は、クロスニコルさせた偏光顕微鏡下で光学フィルムを観察した場合にモノドメインでディスクリネーションやムラがないこと、正面からのΔndを測定した場合にその値がほぼ0nmであること、また、コノスコープにより正の一軸性屈折率構造が観察されることで確認した。
結果を表1に示す。
[実施例7]
(楕円偏光板の作製)
実施例3で得られた液晶層を有する配向基板の液晶層上に、市販のUV硬化型接着剤(UV−3400、東亞合成(株)製)を接着剤層として5μm厚となるように塗布し、面内位相差140nmのゼオノアフィルムをラミネートしてゼオノアフィルム側から紫外線を照射して接着剤層を硬化させた後、PENフィルムおよび配向膜層を剥離して、ホメオトロピック配向液晶層/接着剤層/ゼオノアフィルムからなる積層体を得た。
得られた積層体のホメオトロピック配向液晶層側と一方の表面がTACフィルムで保護された偏光板の偏光素子側とを粘着剤で貼り合わせて楕円偏光板を得た。
(IPS型液晶表示装置の作製)
バックライト、バックライト側偏光板、IPS型液晶セル、視認側偏光板の順で配置された市販のIPS型の液晶テレビの視認側偏光板の替わりに、上記の楕円偏光板を配置した。すると本楕円偏光板を用いない場合に比べ、視野角が拡大し、斜めから見ても良好な画像が得られることが分かった。
(楕円偏光板の作製)
実施例3で得られた液晶層を有する配向基板の液晶層上に、市販のUV硬化型接着剤(UV−3400、東亞合成(株)製)を接着剤層として5μm厚となるように塗布し、面内位相差140nmのゼオノアフィルムをラミネートしてゼオノアフィルム側から紫外線を照射して接着剤層を硬化させた後、PENフィルムおよび配向膜層を剥離して、ホメオトロピック配向液晶層/接着剤層/ゼオノアフィルムからなる積層体を得た。
得られた積層体のホメオトロピック配向液晶層側と一方の表面がTACフィルムで保護された偏光板の偏光素子側とを粘着剤で貼り合わせて楕円偏光板を得た。
(IPS型液晶表示装置の作製)
バックライト、バックライト側偏光板、IPS型液晶セル、視認側偏光板の順で配置された市販のIPS型の液晶テレビの視認側偏光板の替わりに、上記の楕円偏光板を配置した。すると本楕円偏光板を用いない場合に比べ、視野角が拡大し、斜めから見ても良好な画像が得られることが分かった。
10 ラビングロール
11 配向基板を搬送するステージ
12 配向基板としての長尺フィルム
11 配向基板を搬送するステージ
12 配向基板としての長尺フィルム
Claims (8)
- 基板上に光重合性液晶組成物を塗布後、熱処理により配向させ、該配向状態を活性光線の照射により固定化する工程を含み、該活性光線の照射を受ける直前の基板温度をT0(℃)、照射中の基板の最高温度をTm(℃)とした時、Tm−T0>30℃であることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
- 前記光重合性液晶組成物のガラス転移点をTg(℃)とした時、Tg−20℃≦T0≦Tg+20℃であることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルムの製造方法。
- 前記光重合性液晶組成物が、カチオン重合性基を有する側鎖型高分子液晶性化合物を少なくとも含有することを特徴とする請求項1または2に記載の光学フィルムの製造方法。
- 前記基板に配向膜が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
- 配向状態が固定化された液晶層を、前記基板とは異なる基材上に転写する工程を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
- 前記配向状態がホモジニアス配向、ハイブリッド配向、またはホメオトロピック配向であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法により製造された光学フィルム。
- 請求項7に記載の光学フィルムを使用した液晶表示素子。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008101027A JP2009251411A (ja) | 2008-04-09 | 2008-04-09 | 光学フィルムの製造方法および該フィルムを用いた液晶表示素子 |
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---|---|---|---|---|
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-
2008
- 2008-04-09 JP JP2008101027A patent/JP2009251411A/ja active Pending
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