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JP2009242688A - 高分子電解質膜 - Google Patents

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JP2009242688A JP2008093193A JP2008093193A JP2009242688A JP 2009242688 A JP2009242688 A JP 2009242688A JP 2008093193 A JP2008093193 A JP 2008093193A JP 2008093193 A JP2008093193 A JP 2008093193A JP 2009242688 A JP2009242688 A JP 2009242688A
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Abstract

【課題】従来よりも寸法安定性、機械的強度及び耐熱性に優れた高分子電解質膜を提供する。
【解決手段】ポリプロピレンを1質量%以上含有するポリオレフィン組成物を含み、空孔率10%〜90%、膜厚0.1μm〜50μm、空孔の孔径0.03μm〜5μmであるポリオレフィン微多孔膜と、前記ポリオレフィン微多孔膜の前記空孔に充填され、イオン交換容量が0.5〜3.0ミリ当量/gの高分子電解質と、を含む高分子電解質膜。
【選択図】なし

Description

本発明は、高分子電解質膜に関するものである。
燃料電池は、電池内で、水素、メタノール等の燃料を電気化学的に酸化することにより、燃料の化学エネルギーを、直接、電気エネルギーに変換して取り出すものであり、クリーンな電気エネルギー供給源として注目されている。特に、固体高分子電解質型燃料電池は、他の燃料電池と比較して低温で作動することから、自動車代替動力源、家庭用コジェネレーションシステム、携帯用発電機等として期待されている。
このような固体高分子電解質型燃料電池は、電極触媒層(アノード触媒層、カソード触媒層)とガス拡散層とを積層した構成を有するガス拡散電極がプロトン交換膜の両面に接合された膜電極接合体を少なくとも備えている。ここでいうプロトン交換膜は、高分子鎖中にスルホン酸基、カルボン酸基等の強酸性基を有し、プロトンを選択的に透過する性質を有する組成物からなる高分子電解質膜である。このようなプロトン交換膜に用いられる組成物としては、化学的安定性の高いナフィオン(登録商標、デュポン社製)に代表されるパーフルオロ系プロトン組成物が挙げられ、これを用いたプロトン交換膜が好適に用いられる。
燃料電池の運転時においては、アノード側のガス拡散電極に燃料(例えば、水素)、カソード側のガス拡散電極に酸化剤(例えば、酸素や空気)がそれぞれ供給される。そして、両電極間が外部回路で接続されることにより、燃料電池の作動が実現される。具体的には、水素を燃料とした場合、アノード触媒層内のアノード触媒上で水素が酸化されてプロトンが生じる。このプロトンは、アノード触媒層内のプロトン伝導性ポリマーを通った後、プロトン交換膜内を移動し、カソード触媒層内のプロトン伝導性ポリマーを通って同層内のカソード触媒上に達する。一方、水素の酸化によりプロトンと同時に生じた電子は、外部回路を通ってカソード側のガス拡散電極に到達する。カソード電極層内のカソード触媒上では、上記プロトンと酸化剤中の酸素とが反応して水が生成する。そして、このとき電気エネルギーが取り出される。
この際、プロトン交換膜は、ガス透過率を低くすることによりガスバリア隔壁としての役割も果たす必要がある。プロトン交換膜のガス透過率が高いと、アノード側水素のカソード側へのリークおよびカソード側酸素のアノード側へのリーク、すなわち、クロスリークが発生する。クロスリークが発生すると、いわゆるケミカルショートの状態となって良好な電圧が取り出せなくなる。また、アノード側水素とカソード側酸素とが反応して過酸化水素が発生しプロトン交換膜を劣化させるという問題もある。
一方で、電池の内部抵抗を小さくし、出力をより高くするという観点から、電解質であるプロトン交換膜の薄膜化が検討されている。しかし、このプロトン交換膜を薄膜化するとガスバリア隔壁としての効果が低下するため、クロスリークの問題はより深刻なものとなる。さらに、プロトン交換膜を薄膜化することで、膜自体の機械的強度が低下するため、膜電極接合体の作製やセル組み立て時の膜の取扱い性が困難になったり、カソード側で発生した水を含んで寸法変化することにより膜が破れたりするという問題がある。
そこで、このような問題を解決するために、ポリテトラフルオロエチレン多孔膜にスルホン酸基を有するフッ素イオン交換樹脂を含浸させたプロトン交換膜が提案されている(特許文献1参照)。また、ポリエチレン多孔膜にイオン交換樹脂を含浸させたプロトン交換膜が提案されている(特許文献2参照)。
特公平5−75835号公報 特公平7−68377号公報
しかしながら、特許文献1に開示されているプロトン交換膜は、ポリテトラフルオロエチレンが弾性に乏しい材料であるために、機械的強度の観点から不十分であった。また、特許文献2に開示されているプロトン交換膜は、ポリエチレンの耐熱性が不十分であるために、プロトン交換膜を熱処理したり、膜電極接合体を作製したりした際に膜が溶融し破れてしまうといった問題がある。
そこで、本発明は上記事情にかんがみてなされたものであり、従来よりも寸法安定性、機械的強度及び耐熱性に優れた高分子電解質膜を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明は、ポリプロピレンを1質量%以上含有するポリオレフィン組成物を含み、空孔率10%〜90%、膜厚0.1μm〜50μm、空孔の孔径0.03μm〜5μmであるポリオレフィン微多孔膜と、上記ポリオレフィン微多孔膜の上記空孔に充填され、イオン交換容量が0.5〜3.0ミリ当量/gの高分子電解質と、を含む高分子電解質膜である。ここで、上記高分子電解膜は、耐久性の観点から、ポリアゾール化合物を更に含有すると好ましく、チオエーテル化合物を更に含有すると好ましく、あるいは、ポリアゾール化合物とチオエーテル化合物(D)とを更に含有すると好ましい。また、上記高分子電解質がパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂であり、当該パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂が、下記式(1)で表される繰り返し単位と、下記一般式(2)で表される繰り返し単位と、を有する共重合体及びその金属塩からなる群より選ばれるものであると好ましい。
−(CFCF)− (1)
−(CF−CF(−O−(CFCFXO)−(CF−SOH))− (2)
ここで、式中、Xはフッ素原子又は−CF基を示し、nは0〜5の整数、mは0〜12の整数を示す。ただし、n及びmは同時に0にならない。
本発明によると、従来よりも寸法安定性、機械的強度及び耐熱性に優れた高分子電解質膜を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の本実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施形態は、ポリプロピレンを1質量%以上含有するポリオレフィン組成物を含み、空孔率10%〜90%、膜厚0.1μm〜50μm、空孔の孔径0.03μm〜5μmであるポリオレフィン微多孔膜と、上記ポリオレフィン微多孔膜の上記空孔に充填されたイオン交換容量が0.5〜3.0ミリ当量/gの高分子電解質とを含む高分子電解質膜である。
(高分子電解質)
本実施形態に係る高分子電解質は、そのイオン交換容量が0.5〜3.0ミリ当量/gであり、この条件を満足するようにイオン交換基を有する高分子化合物である。イオン交換容量を3.0ミリ当量/g以下とすることにより、この高分子電解質を含む高分子電解質膜が、燃料電池運転中の高温高加湿下での膨潤を低減されるため、好ましい。高分子電解質膜の膨潤が低減されることは、高分子電解質膜の強度が低下したり、しわが発生して電極から剥離したりするなどの問題、さらには、ガス遮断性が低下する問題を改善し得る。一方、イオン交換容量を0.5ミリ当量/g以上とすることにより、そのような条件を満足する高分子電解質膜を備えた燃料電池は、その発電能力を良好に維持し得る。これらの観点から、高分子電解質のイオン交換容量は、より好ましくは0.65〜2.0ミリ当量/g、さらに好ましくは0.8〜1.5ミリ当量/gである。
なお、本実施形態における高分子電解質のイオン交換容量は、下記のようにして測定される。まず、イオン交換基の対イオンがプロトンの状態となっている高分子電解質からなる膜を、25℃の飽和NaCl水溶液に浸漬し、その水溶液を十分な時間攪拌する。次いで、その飽和NaCl水溶液中のプロトンを、0.01N水酸化ナトリウム水溶液で中和滴定する。中和後にろ過して得られたイオン交換基の対イオンがナトリウムイオンの状態となっている高分子電解質からなる膜を、純水ですすぎ、更に真空乾燥した後、秤量する。中和に要した水酸化ナトリウムの物質量をM(mmol)、イオン交換基の対イオンがナトリウムイオンである高分子電解質からなる膜の質量をW(mg)とし、下記式により当量質量EW(g/当量)を求める。
EW=(W/M)−22
更に、得られたEW値の逆数をとって1000倍することにより、イオン交換容量(ミリ当量/g)が算出される。
このイオン交換容量は、高分子電解質膜1g中に存在するイオン交換基数を調整することで上記数値範囲内に入るよう調整される。
また、本実施形態に係る高分子電解質は、燃料電池運転時の耐熱性の観点から、ガラス転移温度が好ましくは80℃以上であり、より好ましくは100℃以上、さらに好ましくは120℃以上、特に好ましくは130℃以上である。ここで、高分子電解質のガラス転移温度は、JIS−C−6481に準拠して測定される。具体的には、膜状に成形した高分子電解質を5mm幅に切り出し、動的粘弾性測定装置を用いて試験片を室温から2℃/分の割合で昇温させ、粘弾性測定装置にて試験片の動的粘弾性及び損失正接を測定する。測定した損失正接のピーク温度をガラス転移温度とする。また、このガラス転移温度は、高分子電解質の構造式、分子量、イオン交換容量等を制御することによって調整される。
高分子電解質としては、例えば、分子内にイオン交換基を有するパーフルオロカーボン高分子化合物、分子内に芳香環を有する炭化水素系高分子化合物にイオン交換基を導入したもの、及びそれらの金属塩からなる群より選ばれる1種以上のものが好ましい。これらの中では、化学的安定性の観点から、分子内にイオン交換基を有するパーフルオロカーボン高分子化合物及びその金属塩からなる群より選ばれる1種以上のものが特に好ましい。 分子内に芳香環を有する炭化水素系高分子化合物としては、例えば、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリチオエーテルエーテルスルホン、ポリチオエーテルケトン、ポリチオエーテルエーテルケトン、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリオキサジアゾール、ポリベンゾオキサジノン、ポリキシリレン、ポリフェニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセン、ポリシアノゲン、ポリナフチリジン、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリアミドイミド、ポリアリレート、芳香族ポリアミド、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネートが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
これらの分子内に芳香環を有する炭化水素系高分子化合物の中でも、耐熱性や耐酸化性、耐加水分解性の観点から、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリチオエーテルエーテルスルホン、ポリチオエーテルケトン、ポリチオエーテルエーテルケトン、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリオキサジアゾール、ポリベンゾオキサジノン、ポリキシリレン、ポリフェニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセン、ポリシアノゲン、ポリナフチリジン、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミドからなる群より選ばれる1種以上のものが好ましい。なお、これらに導入するイオン交換基は、例えば、スルホン酸基、スルホンイミド基、スルホンアミド基、カルボン酸基、リン酸基が好ましく、特にスルホン酸基が好ましい。このイオン交換基は、常法により上記炭化水素系高分子化合物に導入される。
また、分子内にイオン交換基を有するパーフルオロカーボン高分子化合物は、分子内に下記一般式(I)
−(CF− (I)
で表されるパーフルオロアルキレン基、及びイオン交換基を有する高分子化合物である。なお上記式(I)中、pは整数を示す。かかる高分子化合物としては、例えば、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂、パーフルオロカーボンカルボン酸樹脂、パーフルオロカーボンスルホンイミド樹脂、パーフルオロカーボンスルホンアミド樹脂、パーフルオロカーボンリン酸樹脂が挙げられる。あるいは、これらの樹脂のアミン塩、金属塩が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
より具体的には、上記パーフルオロカーボン高分子化合物として、下記一般式(II)で表される構造単位を有する重合体が挙げられる。
−(CFCX−[CF−CF(−O−(CF−CF(CF))−O−(CFR−(CFR−(CF−X)]− (II)
ここで、式(II)中、X、X及びXは、それぞれ独立にハロゲン原子又は炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基を示す。a及びgは、それぞれ独立に0以上1未満の数を示し、a+g=1である。bは0〜8の整数を示す。cは0又は1を示す。d、e及びfは、それぞれ独立に0〜10の整数を示すが、d+e+fは0よりも大きな整数となる。R及びRは、それぞれ独立にフッ素原子以外のハロゲン原子、炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基又は炭素数1〜10のフルオロクロロアルキル基を示す。XはCOOZ、SOZ、PO又はPOHZを示す。Zは水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、又は置換若しくは未置換のアンモニウム基(NH、NH、NH、NHR若しくはNR)を示す。R、R、R及びRは、それぞれ独立にアルキル基又はアリール基を示す。
これらの中でも、上記パーフルオロカーボン高分子化合物として、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂及びその金属塩からなる群より選ばれるものが好ましい。上記パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂としては、上記式(1)で表される繰り返し単位と、上記一般式(2)で表される繰り返し単位とを有する共重合体がより好ましい。さらには、上記パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂及びその金属塩としては、下記一般式(III)及び(IV)で表される構造単位を有するパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂からなる群より選ばれる1種以上のものが特に好ましい。
−(CFCF−[CF−CF(−O−CF−CF(CF))−O−(CF−SOZ)]− (III)
ここで、式(III)中、a及びgは、それぞれ独立に0以上1未満の数を示し、a+g=1である。bは1〜8の整数を示す。fは0〜10の整数を示す。Zは水素原子又はアルカリ金属原子を示す。
−(CFCF−[CF−CF(−O−(CF−SOZ)]− (IV)
ここで、式(IV)中、a及びgは、それぞれ独立に0以上1未満の数を示し、a+g=1である。bは1〜8の整数を示す。fは0〜10の整数を示す。Zは水素原子又はアルカリ金属原子を示す。
本実施形態に係るイオン交換基を有するパーフルオロカーボン高分子化合物、例えば前駆体ポリマーを合成した後、その前駆体ポリマーのアルカリ加水分解、酸分解等により得られる。例えば、上記一般式(II)で表される構造単位を有する重合体は、下記一般式(V)で表される構造単位を有する前駆体ポリマーを重合により得た後、その前駆体ポリマーのアルカリ加水分解、酸処理等により得られる。
−[CFCX−[CF−CF(−O−(CF−CF(CF))−O−(CFR−(CFR−(CF−X)]− (V)
ここで、式(V)中、X、X、X、R及びR、並びに、a、b、c、d、e、f及びgは、上記式(II)中におけるものと同義である。XはCOOR、COR又はSOである。Rは炭素数1〜3のアルキル基を示し、Rはハロゲン原子を示す。)
上記前駆体ポリマーは、例えば、フッ化オレフィン化合物とフッ化ビニル化合物とを共重合させることにより製造される。ここで、フッ化オレフィン化合物としては、例えば、テトラフルオロエチレン、六フッ化プロピレン、トリフルオロエチレン、モノクロルトリフルオロエチレン、パーフルオロブチルエチレン(CCH=CH)、パーフルオロヘキサエチレン(C13CH=CH)、パーフルオロオクタエチレン(C17CH=CH)等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
また、フッ化ビニル化合物としては、例えば、下記に列挙する一般式;
CF=CFO(CF−SOF、CF=CFOCFCF(CF)O(CF−SOF、CF=CF(CF−SOF、CF=CF(OCFCF(CF))−(CF−SOF、CF=CFO(CF−CO,CF=CFOCFCF(CF)O(CF−CO、CF=CF(CF−CO、CF=CF(OCFCF(CF))−(CF−CO
で表されるものが挙げられる。上記式中、qは1〜8の整数を示し、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示す。
上記前駆体ポリマーは、公知の共重合により合成することができる。このような合成方法としては、特に限定されるものではないが、以下のような方法を挙げることができる。
(i)含フッ素炭化水素などの重合溶媒を用い、この重合溶媒に充填溶解した状態でフッ化ビニル化合物とフッ化オレフィン化合物のガスとを反応させて重合が行われる方法(溶液重合)。上記含フッ素炭化水素として、例えば、トリクロロトリフルオロエタン、1、1、1、2、3、4、4、5、5、5−デカフロロペンタンなど、「フロン」と総称される化合物からなる群より選ばれるものが好適に用いられる。
(ii)含フッ素炭化水素などの溶媒を用いず、フッ化ビニル化合物そのものを重合溶剤として用いてフッ化ビニル化合物とフッ化オレフィン化合物のガスとを反応させて重合が行われる方法(塊状重合)。
(iii)界面活性剤の水溶液を重合溶媒として用い、この重合溶媒に充填溶解した状態でフッ化ビニル化合物とフッ化オレフィン化合物のガスとを反応させて重合が行われる方法(乳化重合)。
(iv)界面活性剤及びアルコールなどの助乳化剤の水溶液を用い、この水溶液に充填乳化した状態でフッ化ビニル化合物とフッ化オレフィン化合物のガスとを反応させて重合が行われる方法(ミニエマルジョン重合、マイクロエマルジョン重合)。
(v)懸濁安定剤の水溶液を用い、この水溶液に充填懸濁した状態でフッ化ビニル化合物とフッ化オレフィン化合物のガスとを反応させて重合が行われる方法(懸濁重合)。
本実施形態においては、前駆体ポリマーの重合度の指標としてメルトマスフローレート(以下「MFR」と略称する)を用いることができる。本実施形態において、前駆体ポリマーのMFRは、0.01以上が好ましく、0.1以上がより好ましく、0.3以上が更に好ましい。MFRの上限は限定されないが、100以下が好ましく、10以下がより好ましく、5以下が更に好ましい。MFRを0.01〜100の範囲に調整することにより、成膜等の成型加工を良好に行うことができる。なお、前駆体ポリマーのMFRは、JIS K−7210に準拠して測定される。具体的には、オリフィスの内径2.09mm、長さ8mmの装置を用いて温度270℃、荷重2.16kgで測定した含フッ素イオン交換樹脂前駆体のメルトフローレートをMFR(g/10分)とする。
によって測定される。
以上のようにして調製された前駆体ポリマーは、例えば、塩基性反応液体中で加水分解処理され、温水などで十分に水洗され、酸処理されてもよい。この酸処理によって前駆体ポリマーがプロトン化されて、パーフルオロカーボン高分子化合物が得られる。例えば、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂の前駆体ポリマーがプロトン化されて、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂が得られる。
(ポリオレフィン微多孔膜)
本実施形態に係るポリオレフィン微多孔膜は、微細な空孔を有し、ポリプロピレンを1質量%以上含有するポリオレフィン組成物を含むものである。このポリオレフィン組成物はポリオレフィンからなるものであるが、その中には、ポリプロピレンに加えて、他のポリオレフィンが含まれてもよい。そのようなポリオレフィンとしては、プロピレン又はエチレンを主な単量体成分として有する重合体が好ましい。このポリオレフィンは上記主な単量体成分のみからなるものであってもよいが、それ以外にブテン、ペンテン、ヘキセン、4−メチルペンテンなどの単量体成分を有していてもよい。上記他のポリオレフィンの具体例としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、チーグラー系マルチサイト触媒を用いて得られる直鎖状低密度ポリエチレン及び超低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、シングルサイト触媒を用いて得られるエチレン系重合体、及びプロピレンと共重合可能な他の単量体との共重合体(プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体等)が挙げられる。
本実施形態に係るポリオレフィン組成物は、耐熱性の観点からポリプロピレンを1質量%以上含有するものが好ましく、5質量%以上含有するものがより好ましく、20質量%以上含有するものが更に好ましく、50質量%以上含有するものが特に好ましく、90質量%以上の含有するものが極めて好ましい。
ポリオレフィン組成物中にポリプロピレンを含有するポリオレフィン微多孔膜は、ポリエチレン単体からなる微多孔膜と比較して、耐熱性を飛躍的に向上させることができる。つまり、本実施形態に係るポリオレフィン微多孔膜は、100℃以上の高温での燃料電池の運転を可能にできる他、高分子電解質膜を成形後、150℃以上で熱処理することが可能となる。本実施形態の高分子電解質膜は、熱処理により、その機械的強度が安定化され得る。この観点から、特に上記高分子電解質のガラス転移温度が130℃以上である場合、ポリオレフィン組成物中のポリプロピレンの含有量が5質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることが更に好ましく、50質量%以上であることが特に好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。
本実施形態に係るポリプロピレンは、プロピレンの単独重合体(ホモポリプロピレン)、並びに、単量体成分としてプロピレン以外にエチレンを1.0質量%以下含むエチレンプロピレンランダムコポリマー及びエチレンプロピレンブロックコポリマーを含む。
本実施形態に係るポリプロピレンは、プロピレン重合単位からなる結晶性の重合体であってもよい。本実施形態に係るポリプロピレンは、耐熱性の観点から、その重量平均分子量が3.0×10以上であると好ましく、3.5×10〜7.5×10であるとより好ましい。なお、本実施形態において、重量平均分子量は、ポリスチレン換算のゲルパーミエーションクロマトグラフィ法(GPC法)によって測定される。
また、本実施形態に係るポリプロピレンは、上述の高分子電解質の充填性を向上させる目的で、末端変性されていてもよい。末端変性に用いられるイオン交換基は、例えば、スルホン酸基(スルホ基)、スルホンイミド基、スルホンアミド基、カルボン酸基(カルボキシル基)、リン酸基からなる群より選ばれるものが好ましく、特にスルホン酸基が好ましい。
上記ポリオレフィン組成物中に含まれるポリプロピレン以外のポリオレフィンとしては、ポリエチレンが好ましい。
本実施形態に係るポリエチレンは、耐熱性の観点から、重量平均分子量が好ましくは5×10以上、より好ましくは1×10〜15×10の超高分子量のポリエチレンである。ポリオレフィン組成物中におけるポリエチレンの含有量は、耐熱性の観点から、好ましくは95質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは50質量%以下、特に好ましくは10質量%以下である。また、本実施形態においては、後述のポリオレフィン溶液の高濃度化とポリオレフィン微多孔膜の強度の向上とを図るために、重量平均分子量1×10以上の超高分子量ポリエチレンと重量平均分子量1×10以上5×10未満の高密度ポリエチレンとの組成物(ポリエチレン組成物)を用いることができる。超高分子量ポリエチレンのポリエチレン組成物中の含有量は、ポリエチレン組成物全体を100質量%として、1質量%以上が好ましく、10〜70質量%であるとより好ましい。
また、本実施形態に係るポリオレフィン微多孔膜は、必要に応じて、ステアリン酸カリウムやステアリン酸亜鉛等の金属石鹸類、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、防曇剤、着色顔料等の公知の添加剤を、本発明の課題達成及び効果を損なわない範囲で含有してもよい。
本実施形態に係るポリオレフィン微多孔膜は、その空孔率が10%〜90%であると好ましく、20%〜90%であるとより好ましく、30%〜90%であると更に好ましく、50%〜85%であると特に好ましい。ここで、ポリオレフィン微多孔膜の空孔率は水銀圧入法により水銀ポロシメータ(例えば、島津製作所製、商品名:オートポアIV 9520、初期圧約20kPa)によって測定される。この空孔率が10%〜90%の範囲にあることにより、高分子電解質膜のイオン導電性の向上と高分子電解質膜の強度の向上及び寸法変化の抑制を両立することができるという効果が奏される。ポリオレフィン微多孔膜の空孔率はポリオレフィン微多孔膜中の孔数、孔径、孔形状、延伸倍率、可塑剤添加量及び可塑剤の種類によって、その数値を調整される。
本実施形態に係るポリオレフィン微多孔膜は、その膜厚が0.1μm〜50μmであると好ましく、0.5μm〜30μmであるとより好ましく、1.0μm〜20μmであると更に好ましく、2.0μm〜20μmであると特に好ましい。ここで、ポリオレフィン微多孔膜の膜厚は、その膜を50%RHの恒温恒湿の室内で十分に静置した後、公知の膜厚計(例えば、東洋精機製作所製、商品名「B−1」)を用いて測定される。この膜厚が0.1μm〜50μmの範囲にあることにより、高分子電解質がポリオレフィン微多孔膜中に孔充填できるとともに、高分子電解質の寸法変化が抑制されるという効果が奏される。ポリオレフィン微多孔膜の膜厚は、キャスト溶液の固形分量、押し出し樹脂量、押し出し速度、ポリオレフィン微多孔膜の延伸倍率によって、その数値を調整される。
本実施形態に係るポリオレフィン微多孔膜は、その空孔の孔径が0.03μm〜5μmであると好ましく、0.03μm〜3μmであるとより好ましく、0.05μm〜3μmであると更に好ましく、0.05μm〜1μmであると特に好ましい。ここで、ポリオレフィン微多孔膜の空孔の孔径は平均孔径であり、水銀圧入法により水銀ポロシメータ(例えば、島津製作所製、商品名:オートポアIV 9520)を用いて測定される。この孔径が0.03μm〜5μmの範囲にあることにより、高分子電解質がポリオレフィン微多孔膜の空隙に充填しやすく、抜け出し難いという効果が奏される。ポリオレフィン微多孔膜の空孔の孔径は可塑剤の分散性、ポリオレフィン微多孔膜の延伸倍率、照射線量及び照射時間、可塑剤抽出溶剤及び抽出時間によって、その数値を調整される。
ポリオレフィン微多孔膜は、例えば、次のような製造方法により得られる。まず、ポリプロピレンを1質量%以上含有するポリオレフィン組成物に可塑剤、酸化防止剤等を添加した混合物を溶融混練する。その後、得られた混合物を押出成形し、抽出、延伸等を施して膜状に成形することにより、ポリオレフィン微多孔膜が得られる。また、ポリオレフィン組成物と添加剤とからなる上記混合物に更に無機微粉体等を添加してもよい。本実施形態で用いられるポリオレフィン微多孔膜の製造方法は、ポリプロピレンを1質量%以上含有するポリオレフィン組成物、可塑剤及び酸化防止剤を窒素雰囲気下で溶融混練する工程(i)と、工程(i)を経て得られた溶融混練物を押し出し、シート状に成形して冷却固化する工程(ii)と、工程(ii)を経て得られたシート状の冷却固化物を少なくとも一軸方向へ延伸して膜状の成形物を得る工程(iii)と、工程(iii)を経て得られた成形物から可塑剤を抽出する工程(iv)と、を有すると好ましい。
上記酸化防止剤としては、1次酸化防止剤であるフェノール系酸化防止剤が好ましい。さらには、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、ペンタエリスリチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等が挙げられる。なお、2次酸化防止剤である、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4−ビフェニレン−ジフォスフォナイト等のリン系酸化防止剤、ジラウリル−チオ−ジプロピオネート等のイオウ系酸化防止剤が、必要に応じてフェノール系酸化防止剤と併用されてもよい。
また、上記可塑剤は、ポリオレフィン組成物と混合した際に、その融点以上において均一溶液を形成し得る不揮発性溶媒を指す。このような可塑剤としては、例えば、流動パラフィンやパラフィンワックス等の炭化水素類、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジヘプチルフタレートなどが挙げられる。これらの中では、可塑剤として炭化水素類が好ましい。
また、工程(iv)において、可塑剤を抽出する際に用いられる溶媒(抽出溶媒)としては、ポリエチレン及びポリプロピレンに対して貧溶媒であり、且つ、可塑剤に対しては良溶媒であり、沸点がポリオレフィン組成物の融点よりも低いものが望ましい。このような抽出溶媒としては、n−ヘキサンやシクロヘキサン等の炭化水素類、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、塩化メチレン、1,1,1−トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類に代表される有機溶媒が挙げられる。これらの抽出溶媒は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
上記工程(iii)では、例えば、一軸延伸機による延伸や、同時二軸延伸機、逐次二軸延伸等による延伸により、膜状の成形物を得ることができる。本実施形態に係るポリオレフィン微多孔膜は、空隙率と機械的強度とをバランスよく良好なものにする観点より、その延伸倍率が面積倍率で20倍以上であると好ましく、40倍以上であると更に好ましい。また、延伸温度は100〜135℃であると好ましく、110〜130℃であると更に好ましい。
上記工程(iv)では、上述の抽出溶媒に膜状の成形物を浸漬することにより、成形物内に含まれていた大部分の可塑剤を抽出し、その後、成形物を充分に乾燥させてポリオレフィン微多孔膜が得られる。この抽出により、ポリオレフィン微多孔膜中の可塑剤残量を1質量%未満とすることが、燃料電池運転時に高分子電解質から溶出される不純物を低減する観点から好ましい。
上記のような各工程を経て得られたポリオレフィン微多孔膜は、さらに、収縮低減のため熱固定処理を施されることが好ましい。この熱固定処理を行うことにより、高温雰囲気下でのポリオレフィン微多孔膜の収縮を低減し、高分子電解質膜の寸法変化を低減することができる。熱固定は、例えばTDテンターにより、100〜135℃程度の温度範囲でTD方向の応力を緩和させることにより、ポリオレフィン微多孔膜に施される。
また、本実施形態に係るポリオレフィン微多孔膜は、本発明の課題解決及び効果を損なわない範囲で、電子線照射、プラズマ照射、界面活性剤塗布、化学的改質などの表面処理を必要に応じて施されてもよい。表面処理を施すことでポリオレフィン微多孔膜の表面を親水化することができるため、高分子電解質溶液の充填性の観点から好ましい。
(添加剤)
本実施形態の高分子電解質膜は、上記高分子電解質及びポリオレフィン微多孔膜に加えて、耐久性を向上させる目的で、ポリアゾール化合物やチオエーテル化合物)等の添加剤を含有してもよい。これらの添加剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
(ポリアゾール化合物)
本実施形態に係るポリアゾール化合物としては、例えば、ポリイミダゾール系化合物、ポリベンズイミダゾール系化合物、ポリベンゾビスイミダゾール系化合物、ポリベンゾオキサゾール系化合物、ポリオキサゾール系化合物、ポリチアゾール系化合物、ポリベンゾチアゾール系化合物等の環内に窒素原子を1個以上含む複素五員環を構成要素とする化合物の重合体が挙げられる。なお、上記複素五員環には、窒素原子以外に酸素原子、硫黄原子等を含むものであってもよい。
また、ポリアゾール化合物の分子量は、GPC測定を行った場合の重量平均分子量として、300〜500,000(ポリスチレン換算)であると好ましい。
上記複素五員環を構成要素とする化合物として、例えば、p−フェニレン基、m−フェニレン基、ナフタレン基、ジフェニレンエーテル基、ジフェニレンスルホン基、ビフェニレン基、ターフェニル基、2,2−ビス(4−カルボキシフェニレン)ヘキサフルオロプロパン基に代表される2価の芳香族基が複素五員環と結合した化合物を用いることが、耐熱性を得る観点から好ましい。具体的には、ポリアゾール化合物として、ポリベンズイミダゾールが好ましく用いられる。
また、ポリアゾール化合物は、下記の一般的な変性方法を用いて、イオン交換基が導入されたもの(変性ポリアゾール化合物)であってもよい。このような変性ポリアゾール化合物としては、ポリアゾール化合物に、アミノ基、四級アンモニウム基、カルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸基からなる群より選ばれる1種以上の基を導入したものが挙げられる。なお、アニオン性のイオン交換基をポリアゾール化合物に導入することにより、本実施形態の高分子電解質膜全体のイオン交換容量を増加させることができ、結果的に燃料電池運転時の高い出力を得ることができるため、有用である。上記変性ポリアゾール化合物のイオン交換容量は0.1〜3.5ミリ当量/gであることが好ましい。
ポリアゾール化合物の変性方法は、特に限定されないが、例えば、発煙硫酸、濃硫酸、無水硫酸及びその錯体、プロパンサルトン等のスルトン類、α−ブロモトルエンスルホン酸、クロロアルキルスルホン酸等を用いて、ポリアゾール化合物にイオン交換基を導入する方法や、ポリアゾール化合物のモノマー合成時にイオン交換基を含有させて重合する方法等が挙げられる。
また、ポリアゾール化合物は、高分子電解質の相に島状に分散していることが好適である。ここで、「島状に分散している」とは、染色処理を施さずにTEM観察を行った場合に、高分子電解質の相の中にポリアゾール化合物を含む相が粒子状に分散した状態を意味する。このような状態で分散することは、ポリアゾール化合物を主体とする部分が高分子電解質を主体とする部分に均一に微分散していることを表しており、耐久性の観点から好ましい。
さらに、高分子電解質とポリアゾール化合物とは、例えば、イオン結合して酸塩基のイオンコンプレックスを形成している状態を形成していてもよいし、共有結合している状態であってもよい。すなわち、例えば、高分子電解質がスルホン酸基を有し、ポリアゾール化合物がイミダゾール基、オキサゾール基、チアゾール基等の反応基を有する場合、高分子電解質中のスルホン酸基と、ポリアゾール化合物中の各反応基が有する窒素原子とが、イオン結合や共有結合により互いに結合してもよい。
なお、上記イオン結合や共有結合が存在するか否かについては、フーリエ変換赤外分光計(Fourier−Transform Infrared Spectrometer)(以下、FT−IRとする)を用いて確認することができる。例えば、高分子電解質としてパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂、ポリアゾール化合物としてポリ[2,2’(m−フェニレン)−5,5’−ベンゾイミダゾール](以下PBIとする)を用いた場合、FT−IRによる測定を行うと、上記高分子電解質中のスルホン酸基とPBI中のイミダゾール基との化学結合に由来するシフトした吸収ピークが、1458cm−1付近、1567cm−1付近、1634cm−1付近に認められる。
また、PBIを添加した高分子電解質膜を作製し、その膜について動的粘弾性試験を行うと、室温から200℃の昇温過程で得られる損失正接(Tanδ)のピーク温度(Tg)が、PBIを添加しない高分子電解質膜に比較して高くなる。このようなTgの上昇は、高分子電解質膜の耐熱性の向上や機械強度の向上を実現させ得ることから好ましい。
(チオエーテル化合物)
本実施形態に係るチオエーテル化合物としては、−(R−S)−(Sは硫黄原子、Rは炭化水素基、rは1以上の整数)の化学構造を有する化合物である。このような化学構造を有する化合物としては、具体的には、例えば、ジメチルチオエーテル、ジエチルチオエーテル、ジプロピルチオエーテル、メチルエチルチオエーテル、メチルブチルチオエーテルのようなジアルキルチオエーテル、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロアピランのような環状チオエーテル、メチルフェニルスルフィド、エチルフェニルスルフィド、ジフェニルスルフィド、ジベンジルスルフィドのような芳香族チオエーテル等が挙げられる。なお、ここで例示したものをチオエーテル化合物としてそのまま用いてもよく、例えばポリフェニレンスルフィド(PPS)のように、例示したものを単量体に用いて得られる重合体をチオエーテル化合物として用いてもよい。
チオエーテル化合物は、耐久性の観点からrが10以上の重合体(オリゴマー、ポリマー)であることが好ましく、rが1,000以上の重合体であることがより好ましい。特に好ましいチオエーテル化合物は、ポリフェニレンスルフィド(PPS)である。
ここでポリフェニレンスルフィドについて説明する。本実施形態において用いられるポリフェニレンスルフィドは、パラフェニレンスルフィド骨格を好ましくは70モル%以上、より好ましくは90モル%以上有するポリフェニレンスルフィドである。
上記ポリフェニレンスルフィドの製造方法は、特に限定されないが、例えば、ハロゲン置換芳香族化合物(p−ジクロルベンゼン等)を硫黄及び炭酸ソーダの存在下で重合させる方法、極性溶媒中でハロゲン置換芳香族化合物を硫化ナトリウム若しくは硫化水素ナトリウムと水酸化ナトリウムの存在下で重合させる方法、極性溶媒中でハロゲン置換芳香族化合物を硫化水素と水酸化ナトリウム若しくはナトリウムアミノアルカノエートの存在下で重合させる方法、または、p−クロルチオフェノールの自己縮合による方法等が挙げられる。これらの中でもN−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒やスルホラン等のスルホン系溶媒中で硫化ナトリウムとp−ジクロルベンゼンとを反応させる方法が好適に用いられる。
また、ポリフェニレンスルフィドにおける−SX基(Sは硫黄原子、Xはアルカリ金属原子又は水素原子である)の含有量は、通常10μmol/g〜10,000μmol/gであると好ましく、より好ましくは15μmol/g〜10,000μmol/g、更に好ましくは20μmol/g〜10,000μmol/gである。
−SX基の含有量が上記範囲にあるということは、反応活性点が多いことを意味する。−SX基の含有量濃度が上記範囲を満たすポリフェニレンスルフィドを用いることで、本実施形態に係る高分子電解質との混和性が向上し、その分散性が向上し、高温低加湿条件下でより高い耐久性が得られると考えられる。
また、チオエーテル化合物は、末端に酸性官能基を導入したものも好適に用いることができる。導入する酸性官能基としては、スルホン酸基、リン酸基、カルボン酸基、マレイン酸基、無水マレイン酸基、フマル酸基、イタコン酸基、アクリル酸基、メタクリル酸基からなる群より選ばれるものが好ましく、スルホン酸基が最も好ましい。
なお、酸性官能基の導入方法は特に限定されず、一般的な方法が用いられる。例えば、スルホン酸基をチオエーテル化合物に導入する場合、無水硫酸、発煙硫酸などのスルホン化剤を用いて公知の条件で導入することができる。より具体的には、例えば、K.Hu, T.Xu, W.Yang, Y.Fu, Journal of Applied Polymer Science, Vol.91,や、 E.Montoneri, Journal of Polymer Science: Part A: Polymer Chemistry, Vol.27, 3043−3051(1989)に記載の条件で導入できる。
また、導入した上記酸性官能基を更に金属塩又はアミン塩に置換したものもチオエーテル化合物として好適に用いられる。金属塩としてはナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩が好ましい。
さらに、チオエーテル化合物を粉末状で用いる場合、チオエーテル化合物の平均粒子径は、高分子電解質中での分散性が向上することで高寿命化等の効果を良好に実現させる観点から、0.01μm〜2.0μmであることが好ましく、0.01μm〜1.0μmがより好ましく、0.01μm〜0.5μmがさらに好ましく、0.01μm〜0.1μmが最も好ましい。この平均粒子径は、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置(例えば、堀場製作所製、型番:LA−950)によって測定される値である。
チオエーテル化合物を高分子電解質中に微分散させる方法としては、例えば、高分子電解質等との溶融混練時に高せん断を与えて粉砕及び微分散させる方法、後述の高分子電解質溶液を得た後、その溶液をろ過し粗大チオエーテル化合物粒子を除去し、ろ過後の溶液を用いる方法、等が挙げられる。溶融混練を行う場合に好適に用いられるポリフェニレンスルフィドの溶融粘度が、成形加工性の観点から、1〜10,000ポイズであると好ましく、さらに好ましくは100〜10,000ポイズである。なお、溶融粘度は、フローテスターを用いて、300℃、荷重196N、L/D(L:オリフィス長、D:オリフィス内径)=10/1で6分間保持して得られる値である。
チオエーテル化合物の質量(Wd)に対する高分子電解質の質量(Wa)の比(Wa/Wd)は、60/40〜99.99/0.01であることが好ましく、70/30〜99.95/0.05がより好ましく、80/20〜99.9/0.1が更に好ましく、90/10〜99.5/0.5が特に好ましい。高分子電解質の質量の比を60以上とすることにより、一層良好なイオン伝導性が実現され得、一層良好な電池特性が実現され得る。一方、チオエーテル化合物の質量の比を40以下とすることにより、高温低加湿条件での電池運転における耐久性が向上し得る。
また、チオエーテル化合物の質量(Wd)に対するポリアゾール化合物の質量(Wc)の比(Wc/Wd)は、1/99〜99/1であると好ましい。さらに、化学的安定性と耐久性(分散性)とのバランスの観点から、Wc/Wdは5/95〜95/5がより好ましく、10/90〜90/10が更に好ましく、20/80〜80/20が特に好ましい。
さらに、ポリアゾール化合物とチオエーテル化合物との合計質量が高分子電解質膜中に占める割合は、0.01質量%〜50質量%であると好ましい。イオン伝導性と耐久性(分散性)とのバランスの観点から、上記合計質量は0.05質量%〜45質量%であるとより好ましく、0.1質量%〜40質量%であると更に好ましく、0.2質量%〜35質量%であると特に好ましく、0.3質量%〜30質量%であると極めて好ましい。
(高分子電解質膜)
本実施形態において、高分子電解質膜の膜厚は、1μm〜500μmであることが好ましく、より好ましくは2μm〜100μm、更に好ましくは5μm〜50μmである。膜厚をこの範囲に調整することは、水素と酸素との直接反応のような不都合を低減し得る点、燃料電池製造時の取り扱いの際や燃料電池運転中に差圧・歪み等が生じても、膜の損傷等が発生し難いという点で好ましい。さらに、高分子電解質膜のイオン透過性を維持し、固体高分子電解質膜としての性能を維持する観点からも、膜厚をこの範囲に調整することが好ましい。
次に、本実施形態の高分子電解質膜の製造方法について説明する。本実施形態の高分子電解質膜は、ポリオレフィン微多孔膜の微細な空孔に高分子電解質を充填することで得ることができる。
ポリオレフィン微多孔膜の空孔に高分子電解質を充填する方法としては、特に限定されないが、例えば、後述する高分子電解質溶液をポリオレフィン微多孔膜に塗工する方法や、高分子電解質溶液にポリオレフィン微多孔膜を含浸させた後乾燥する方法等が挙げられる。また、高分子電解質を含むシートを押し出し成形やキャスト成形等で予め成形しておき、このシートをポリオレフィン微多孔膜と重ねて熱プレスすることにより充填してもよい。
さらに、高分子電解質膜の伝導性や機械的強度を向上する目的で、このようにして作製された高分子電解質膜の少なくとも一方の主面上に、高分子電解質を含む層を1層以上積層してもよい。また、本実施形態の高分子電解質膜は、架橋剤や紫外線、電子線、放射線等を用いて、そこに含まれる化合物同士を架橋されてもよい。
本実施形態の高分子電解質膜は、上述のように成形して得られた後、さらに熱処理が施されることが好ましい。この熱処理により高分子電解質膜中の結晶物部分と高分子固体電解質部分とが強固に接着され、その結果、機械的強度が安定化され得る。この熱処理の温度は、好ましくは120℃〜230℃、より好ましくは130℃〜210℃、更に好ましくは150℃〜200℃である。熱処理の温度をこの範囲に調整することで、結晶物部分と電解質組成物部分との間の密着力が向上される。また、高分子電解質膜の特性を維持する観点からも上記熱処理の温度が好適である。熱処理の時間は、熱処理の温度にもよるが、高耐久性を有する高分子電解質膜を得る観点から、好ましくは5分間〜3時間、更に好ましくは10分間〜2時間である。
(高分子電解質溶液)
本実施形態に係る高分子電解質溶液は、上記高分子電解質と溶媒と、必要に応じてその他の添加剤とを含むものである。この高分子電解質溶液は、そのまま、あるいはろ過、濃縮等の工程を経た後、ポリオレフィン微多孔膜への充填液として用いられる。あるいは、この溶液を単独又は他の電解質溶液と混合して、高分子電解質膜や電極バインダー等の材料として用いることもできる。
本実施形態に係る高分子電解質溶液の製造方法について説明する。この高分子電解質溶液の製造方法は特に限定されず、例えば、高分子電解質を溶媒に溶解又は分散させた溶液を得た後、必要に応じてその液に添加剤を分散させる。あるいは、まず、溶融押出し、延伸等の工程を経ることにより高分子電解質と添加剤とを混合し、その混合物を溶媒に溶解又は分散させ。このようにして高分子電解質溶液が得られる。
より具体的には、まず、高分子電解質の前駆体ポリマーからなる成形物を塩基性反応液体中に浸漬し、加水分解する。この加水分解処理により、上記高分子電解質の前駆体ポリマーは高分子電解質に変換される。
次に、加水分解処理された上記成形物を温水などで十分に水洗し、その後、成形物に酸処理を施し行う。酸処理に用いられる酸は、特に限定されないが、塩酸、硫酸、硝酸等の鉱酸類やシュウ酸、酢酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸類が好ましい。この酸処理によって、高分子電解質の前駆体ポリマーはプロトン化され、高分子電解質、例えばパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂が得られる。
上述のように酸処理された上記成形物(高分子電解質を含む成形物)は、上記高分子電解質を溶解又は懸濁させ得る溶媒(樹脂との親和性が良好な溶媒)に溶解又は懸濁される。このような溶媒としては、例えば、水やエタノール、メタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、グリセリンなどのプロトン性有機溶媒や、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどの非プロトン性有機溶媒等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。特に、1種の溶媒を用いる場合、溶媒が水であると好ましい。また、2種以上を組み合わせて用いる場合、水とプロトン性有機溶媒との混合溶媒が特に好ましい。
高分子電解質を溶媒に溶解又は懸濁する方法は、特に限定されない。例えば、上記溶媒中にそのまま高分子電解質を溶解又は分散させてもよいが、大気圧下又はオートクレーブ等で密閉加圧した条件のもとで、0〜250℃の温度範囲で高分子電解質を溶媒に溶解又は分散するのが好ましい。特に、溶媒として水及びプロトン性有機溶媒を用いる場合、水とプロトン性有機溶媒との混合比は、溶解方法、溶解条件、高分子電解質の種類、総固形分濃度、溶解温度、攪拌速度等に応じて適宜選択できるが、水に対するプロトン性有機溶媒の質量の比は、水1に対してプロトン性有機溶媒0.1〜10であると好ましく、より好ましくは水1に対して該有機溶媒0.1〜5である。
なお、高分子電解質溶液は、乳濁液(液体中に液体粒子がコロイド粒子又はそれよりも粗大な粒子として分散して乳状をなすもの)、懸濁液(液体中に固体粒子がコロイド粒子又は顕微鏡で見える程度の粒子として分散したもの)、コロイド状液体(巨大分子が分散した状態)、ミセル状液体(多数の小分子が分子間力で会合してできた親液コロイド分散系)等の1種又は2種以上が含まれる。
また、高分子電解質膜の成形方法や用途に応じて、高分子電解質溶液を濃縮したり、ろ過することが可能である。濃縮の方法としては特に限定されないが、例えば、高分子電解質溶液を加熱し、溶媒を蒸発させる方法や、減圧濃縮する方法等がある。高分子電解質溶液を塗工用溶液として用いる場合、高分子電解質溶液の固形分率は、高すぎると粘度が上昇し、取り扱い難くなり、一方、低すぎると生産性が低下する観点から、0.5質量%〜50質量%であると好ましい。高分子電解質溶液をろ過する方法としては、特に限定ないが、例えば、フィルターを用いて、加圧ろ過する方法が代表的に挙げられる。上記フィルターには、90%捕集粒子径が高分子電解質溶液に含まれる固体粒子の平均粒子径の10倍〜100倍の濾材を用いることが好ましい。この濾材の材質としては紙、金属等が挙げられる。特に濾材が紙の場合は、90%捕集粒子径が上記固体粒子の平均粒子径の10倍〜50倍であることが好ましい。金属製フィルターを用いる場合、90%捕集粒子径が上記固体粒子の平均粒子径の50倍〜100倍であることが好ましい。当該90%捕集粒子径を平均粒子径の10倍以上に設定することは、送液するときに必要な圧力が高くなりすぎることを抑制したり、フィルターが短期間で閉塞してしまうことを抑制し得る。一方、90%捕集粒子径を平均粒子径の100倍以下に設定することは、フィルムで異物の原因となるような粒子の凝集物や樹脂の未溶解物を良好に除去する観点から好ましい。
(膜電極接合体)
本実施形態の高分子電解質膜は、膜電極接合体、及び固体高分子電解質型燃料電池の構成部材として用いることができる。高分子電解質膜の両面にアノード及びカソードの2種類の電極触媒層が接合したユニットは、膜電極接合体(以下、「MEA」と略称することがある。)と呼ばれる。電極触媒層の更に外側に一対のガス拡散層を対向するように接合したものについても、MEAと呼ばれる場合がある。本実施形態に係るMEAは、高分子電解質膜として本実施形態のものを採用する以外は公知のMEAと同様の構成を有していればよい。
電極触媒層は、触媒金属の微粒子とこれを担持した導電剤とから構成され、必要に応じて撥水剤が含まれる。上記触媒としては、水素の酸化反応及び酸素の還元反応を促進する金属であればよく、白金、金、銀、パラジウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、鉄、コバルト、ニッケル、クロム、タングステン、マンガン、バナジウム、及びこれらの合金からなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。これらの中では、主として白金が好ましい。
MEAの製造方法としては、高分子電解質膜として本実施形態のものを用いる以外は公知の製造方法であればよいが、例えば、次のような方法が挙げられる。まず、電極用バインダーイオン交換樹脂をアルコールと水との混合溶液に溶解したものに、電極物質となる白金担持カーボンを分散させてペースト状にする。これをPTFEシートに一定量塗布して乾燥させる。次に、PTFEシートの塗布面を向かい合わせにして、その間に高分子電解質膜を挟み込み、100℃〜200℃で熱プレスにより転写接合してMEAを得ることができる。電極用バインダーは一般にイオン交換樹脂を溶媒(アルコールや水等)に溶解したものが用いられるが、本実施形態の高分子電解質溶液を用いることもでき、耐久性の観点からこの高分子電解質溶液が好ましい。
(固体高分子電解質型燃料電池)
上述のようにして得られたMEA、場合によっては更に一対のガス拡散電極が電極触媒層の更に外側に対向した構造を有するMEAは、更にバイポーラプレートやバッキングプレート等の一般的な固体高分子電解質型燃料電池に用いられる構成成分と組み合わされて、固体高分子電解質型燃料電池を構成する。このような固体高分子電解質型燃料電池は、MEAとして上記のMEAを採用する以外は公知のものと同様の構成を有していればよい。
バイポーラプレートとは、その表面に燃料や酸化剤等のガスを流すための溝を形成させたグラファイトと樹脂との複合材料、又は金属製のプレート等を意味する。バイポーラプレートは、電子を外部負荷回路へ伝達する機能の他、燃料や酸化剤を電極触媒近傍に供給する流路としての機能を有している。こうしたバイポーラプレートの間に上記MEAを挿入して複数積み重ねることにより、本実施形態に係る固体高分子電解質型燃料電池が製造される。
以上説明した本実施形態によると、耐熱性に優れ、取り扱いも容易であり、かつ高い信頼性及び高い性能を発揮することのできる高分子電解質膜を提供することができる。この高分子電解質膜は、固体高分子電解質型燃料電池用の電解質材料として好適である。また、本実施形態の高分子電解質膜は、高い寸法安定性、機械的強度を有する。そのため、固体高分子電解質型燃料電池におけるMEA作製やセル組み立て時に膜が破れるのを抑制したり、含水率に依存して寸法変化することを抑制する効果がある。また、この高分子電解質膜は耐熱性が高いため、プロトン交換膜自体の化学的耐久性を高めるために熱処理を施すことができる。
以上、本発明を実施するための最良の形態について説明したが、本発明は上記本実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
以下、実施例によりさらに本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。実施例等における各種物性の測定方法及び評価方法は次の通りである。
(1)イオン交換容量
イオン交換基の対イオンがプロトンの状態となっている高分子電解質膜(片方の主面の面積がおよそ2〜20cmのもの)を、25℃の飽和NaCl水溶液30mLに浸漬し、攪拌しながら30分間放置した。次いで、その飽和NaCl水溶液中のプロトンを、フェノールフタレインを指示薬として0.01N水酸化ナトリウム水溶液として中和滴定した。中和後にろ過して得られたイオン交換基の対イオンがナトリウムイオンの状態となっている高分子電解質膜を、純水ですすぎ、更に真空乾燥して秤量した。中和に要した水酸化ナトリウムの物質量をM(mmol)、イオン交換基の対イオンがナトリウムイオンの高分子電解質膜の質量をW(mg)とし、下記式により当量質量EW(g/当量)を求めた。
EW=(W/M)−22
更に、得られたEW値の逆数をとって1000倍することにより、イオン交換容量(ミリ当量/g)を算出した。
(2)膜厚
膜サンプルを23℃、50%RHの恒温恒湿の室内で1時間以上静置した後、膜厚計(東洋精機製作所製、商品名「B−1」)を用いて膜厚を測定した。
(3)引張強度
膜サンプルを70mm×10mmの矩形膜に切り出し、JIS K−7127に準拠して、その引張強度を測定した。
(4)突刺強度
圧縮試験機(カトーテック社製、商品名「KES−G5」)を用いて膜サンプルの針突刺試験を行った。得られた荷重変位曲線の最大荷重を突刺強度(gf/25μ)とした。針は直径0.5mm、先端曲率半径0.25mmのものを用い、針の膜サンプルへの突き刺し速度は2cm/秒とした。
(5)寸法変化
膜サンプルを4cm×3cmの矩形膜に切り出し、恒温恒湿の室内(23℃、50%RH)に1時間以上放置した後、その乾燥状態の矩形膜サンプルの平面方向の各寸法を測定した。
次に、上記寸法を測定した矩形膜サンプルを80℃の熱水中で1時間煮沸し、電解質膜の水分による質量変化量が5%以下の湿潤状態になるよう充分に水を吸収させた。この際、熱水中から膜を取り出し、表面の水分を十分に除去した状態で、電子天秤で質量変化量が5%以下となったことを確認した。この水を吸収して膨張した湿潤状態の膜サンプルを熱水中から取り出し、平面方向の各寸法を測定した。乾燥状態での平面方向における各寸法を基準として、その乾燥状態での各寸法から湿潤状態での平面方向における各寸法の増分の平均を取って、寸法変化量(%)とした。
(6)ガラス転移温度
高分子電解質のガラス転移温度は、JIS−C−6481に準拠して測定した。まず、高分子電解質を5mm幅に切り出し、動的粘弾性測定装置(アイティ計測制御製、型番:DVA−225)を用いて試験片を室温から2℃/分の割合で昇温させ、粘弾性測定装置にて試験片の動的粘弾性及び損失正接を測定した。測定した損失正接のピーク温度をガラス転移温度とした。
[実施例1]
(高分子電解質溶液の作製)
まず、高分子電解質の前駆体ポリマーである、テトラフルオロエチレン、及びCF=CFO(CF−SOFから得られたパーフルオロスルホン酸樹脂の前駆体(加水分解及び酸処理後のEW:730g/当量)ペレットを準備した。次に、その前駆体ペレットを、水酸化カリウム(15質量%)とメチルアルコール(50質量%)とを溶解した水溶液に、80℃で20時間接触させて、加水分解処理を行った。その後のペレットを、60℃の水中に5時間浸漬した。次いで、水中に浸漬した後のペレットを、60℃の2N塩酸水溶液に1時間浸漬させる処理を、毎回塩酸水溶液を新しいものに代えて、5回繰り返した。そして、塩酸水溶液に繰り返し浸漬させた後のペレットを、イオン交換水で水洗、乾燥した。これにより、高分子電解質であるパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂(PFSA)のペレットを得た。
このペレットを、エタノール水溶液(水:エタノール=50.0:50.0(質量比))と共に5Lオートクレーブ中に入れて密閉し、翼で攪拌しながら160℃まで昇温して5時間保持した。その後、オートクレーブを自然冷却して、固形分濃度5質量%の均一なパーフルオロスルホン酸樹脂溶液を得た。これを溶液1とした。
(ポリオレフィン微多孔膜の作成)
重量平均分子量が2.5×10の超高分子量ポリエチレン20質量%、重量平均分子量が3.3×10の高密度ポリエチレン70質量%及び重量平均分子量が4×10のポリプロピレン10質量%を含有するポリオレフィン組成物100質量部に酸化防止剤0.375質量部を加えポリオレフィン組成物を得た。このポリオレフィン組成物30質量部を二軸押出機(58mmφ、L/D=42、強混練タイプ)に投入した。また、この二軸押出機のサイドフィーダーから流動パラフィン70質量部を供給し、200rpmで溶融混練して、押出機中にてポリオレフィン溶液を調製した。
続いて、この押出機の先端に設置されたTダイから190℃で溶融混練物を押し出し、冷却ロールで引き取りながらシートを成形した。次いで、成形したシートを、110℃で5×5に逐次二軸延伸を行い、延伸膜を得た。得られた延伸膜を塩化メチレンで洗浄して残留する流動パラフィンを抽出除去した後、乾燥及び熱処理を行いポリオレフィン微多孔膜を得た。
(高分子電解質膜の作製)
得られたポリオレフィン微多孔膜(膜厚:8μm、空孔の孔径:0.06μm、空孔率:35%)を、11cm×11cmのSUS製枠でそのポリオレフィン微多孔膜を固定した後、上記溶液1にポリオレフィン微多孔膜を浸漬して、ポリオレフィン微多孔膜の空孔に溶液1を含浸した。溶液1を含浸したポリオレフィン微多孔膜を90℃のオーブンで5分間乾燥した。この含浸及び乾燥の一連の処理を、溶液1がポリオレフィン微多孔膜の空孔内に十分に含浸されるまで、複数回繰り返した。次に、この溶液1が十分に含浸したポリオレフィン微多孔膜を150℃のオーブンで30分間熱処理し、高分子電解質膜を得た。高分子電解質膜の評価結果を表1に示す。
[実施例2]
(高分子電解質溶液の作製)
実施例1と同様にして、溶液1を作成した。
(ポリオレフィン微多孔膜の作製)
重量平均分子量が4×10のポリプロピレンのみからなるポリオレフィン組成物100質量部に酸化防止剤0.375質量部を加えポリオレフィン組成物を得た。このポリオレフィン組成物30質量部を二軸押出機(58mmφ、L/D=42、強混練タイプ)に投入した。またこの二軸押出機のサイドフィーダーから流動パラフィン70質量部を供給し、200rpmで溶融混練して、押出機中にてポリオレフィン溶液を調製した。
続いて、この押出機の先端に設置されたTダイから220℃で溶融混練物を押し出し、冷却ロールで引き取りながらシートを成形した。次いで、成形したシートを、110℃で7×5に逐次二軸延伸を行い、延伸膜を得た。得られた延伸膜を塩化メチレンで洗浄して残留する流動パラフィンを抽出除去した後、乾燥及び熱処理を行いポリオレフィン微多孔膜を得た。
(高分子電解質膜の作製)
得られたポリオレフィン微多孔膜(膜厚:12μm、空孔の孔径:0.1μm、空孔率:50%)から、実施例1と同様にして高分子電解質膜を得た。高分子電解質膜の評価結果を表1に示す。
[比較例1]
(高分子電解質溶液の作製)
実施例1と同様にして、溶液1を作製した。
(高分子電解質膜の作製)
上記溶液1をスターラーを用いて充分に攪拌した後、80℃にて減圧濃縮して、固形分20%のキャスト溶液を得た。
上記キャスト液21gを直径15.4cmのシャーレに流し込み、ホットプレート上にて90℃で1時間の乾燥処理を行った。次に、シャーレをオーブンに入れ160℃で1時間の熱処理を行った。その後、膜がその中に形成されたシャーレをオーブンから取り出して冷却した後、そのシャーレにイオン交換水を注いで膜を剥離させ、膜厚約30μmの高分子電解質膜を得た。高分子電解質膜の評価結果を表1に示す。
以上の結果から、本発明に係る実施例1の高分子電解質膜は、150℃以上の熱処理にも耐える耐熱性を有し、更に寸法安定性、機械的強度(引張強度、突刺強度)にも優れていることが確認された。
Figure 2009242688

Claims (5)

  1. ポリプロピレンを1質量%以上含有するポリオレフィン組成物を含み、空孔率10%〜90%、膜厚0.1μm〜50μm、空孔の孔径0.03μm〜5μmであるポリオレフィン微多孔膜と、
    前記ポリオレフィン微多孔膜の前記空孔に充填され、イオン交換容量が0.5〜3.0ミリ当量/gの高分子電解質と、を含む高分子電解質膜。
  2. ポリアゾール化合物を更に含有する、請求項1に記載の高分子電解質膜。
  3. チオエーテル化合物を更に含有する、請求項1に記載の高分子電解質膜。
  4. ポリアゾール化合物とチオエーテル化合物(D)とを更に含有する、請求項1に記載の高分子電解質膜。
  5. 前記高分子電解質がパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂であり、当該パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂が、下記式(1)で表される繰り返し単位と、下記一般式(2)で表される繰り返し単位と、を有する共重合体及びその金属塩からなる群より選ばれるものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の高分子電解質膜。
    −(CFCF)− (1)
    −(CF−CF(−O−(CFCFXO)−(CF−SOH))− (2)
    (式中、Xはフッ素原子又は−CF基を示し、nは0〜5の整数、mは0〜12の整数を示す。ただし、n及びmは同時に0にならない。)
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