JP2009224320A - ナトリウム二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来に比し、サイクル性に優れたナトリウム二次電池を提供する。
【解決手段】NaおよびM1(ここで、M1はMn、Fe、CoおよびNiからなる群より選ばれる2種以上の元素を表す。)を含み、Na:M1のモル比が、a:1(ここで、aは0.5を超え1未満の範囲の値である。)である複合金属酸化物を含有する正極と、Naイオンを吸蔵および脱離することのできる炭素材料を含有する負極と、電解質と、を有するナトリウム二次電池。セパレータを更に有する前記のナトリウム二次電池。セパレータが、耐熱樹脂を含有する耐熱多孔層と熱可塑性樹脂を含有する多孔質フィルムとが積層されてなる積層多孔質フィルムを有するセパレータである前記のナトリウム二次電池。
【選択図】なし
【解決手段】NaおよびM1(ここで、M1はMn、Fe、CoおよびNiからなる群より選ばれる2種以上の元素を表す。)を含み、Na:M1のモル比が、a:1(ここで、aは0.5を超え1未満の範囲の値である。)である複合金属酸化物を含有する正極と、Naイオンを吸蔵および脱離することのできる炭素材料を含有する負極と、電解質と、を有するナトリウム二次電池。セパレータを更に有する前記のナトリウム二次電池。セパレータが、耐熱樹脂を含有する耐熱多孔層と熱可塑性樹脂を含有する多孔質フィルムとが積層されてなる積層多孔質フィルムを有するセパレータである前記のナトリウム二次電池。
【選択図】なし
Description
本発明は、ナトリウム二次電池に関する。
ナトリウム二次電池は、正極および負極を有する二次電池である。二次電池としては、リチウム二次電池が代表的であり、携帯電話やノートパソコンなどの小型電源として既に実用化され、さらに、電気自動車、ハイブリッド自動車等の自動車用電源や分散型電力貯蔵用電源等の大型電源として使用可能であることから、その需要は増大しつつある。しかしながら、リチウム二次電池においては、その正極を構成する複合金属酸化物に、リチウム等の稀少金属元素が多く含有されており、大型電源の需要の増大に対応するための前記原料の供給が懸念されている。
これに対し、上記の供給懸念を解決することのできる二次電池として、ナトリウム二次電池の検討がなされている。ナトリウム二次電池は、供給量が豊富でしかも安価な材料により構成することができ、これを実用化することにより、大型電源を大量に供給可能になるものと期待されている。
そして、ナトリウム二次電池として、特許文献1には、Na、MnおよびCoの組成比(Na:Mn:Co)が、0.7:0.5:0.5の原料を焼成して得られる複合金属酸化物を用いた正極とナトリウム金属からなる負極とを有する二次電池が具体的に記載されている。
しかしながら、従来のナトリウム二次電池は、二次電池のサイクル性の観点、すなわち、充放電を繰り返した際の放電容量維持率は十分とはいえない。本発明の目的は、従来に比し、サイクル性に優れたナトリウム二次電池を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ね、本発明に至った。すなわち、本発明は、下記の発明を提供する。
<1>NaおよびM1(ここで、M1はMn、Fe、CoおよびNiからなる群より選ばれる2種以上の元素を表す。)を含み、Na:M1のモル比が、a:1(ここで、aは0.5を超え1未満の範囲の値である。)である複合金属酸化物を含有する正極と、Naイオンを吸蔵および脱離することのできる炭素材料を含有する負極と、電解質と、を有するナトリウム二次電池。
<2>セパレータを更に有する前記<1>記載のナトリウム二次電池。
<3>セパレータが、耐熱樹脂を含有する耐熱多孔層と熱可塑性樹脂を含有する多孔質フィルムとが積層されてなる積層多孔質フィルムを有するセパレータである前記<2>記載のナトリウム二次電池。
<4>複合金属酸化物が、以下の式(1)で表される前記<1>〜<3>のいずれかに記載のナトリウム二次電池。
NaaM1O2 (1)
(ここで、M1およびaのそれぞれは、前記と同じ意味を有する。)
<5>M1が、少なくともMnを含む前記<1>〜<4>のいずれかに記載のナトリウム二次電池。
<6>M1が、MnおよびCoを表す前記<1>〜<5>のいずれかに記載のナトリウム二次電池。
<7>aが、0.6以上0.9以下の範囲の値である前記<1>〜<6>のいずれかに記載のナトリウム二次電池。
<1>NaおよびM1(ここで、M1はMn、Fe、CoおよびNiからなる群より選ばれる2種以上の元素を表す。)を含み、Na:M1のモル比が、a:1(ここで、aは0.5を超え1未満の範囲の値である。)である複合金属酸化物を含有する正極と、Naイオンを吸蔵および脱離することのできる炭素材料を含有する負極と、電解質と、を有するナトリウム二次電池。
<2>セパレータを更に有する前記<1>記載のナトリウム二次電池。
<3>セパレータが、耐熱樹脂を含有する耐熱多孔層と熱可塑性樹脂を含有する多孔質フィルムとが積層されてなる積層多孔質フィルムを有するセパレータである前記<2>記載のナトリウム二次電池。
<4>複合金属酸化物が、以下の式(1)で表される前記<1>〜<3>のいずれかに記載のナトリウム二次電池。
NaaM1O2 (1)
(ここで、M1およびaのそれぞれは、前記と同じ意味を有する。)
<5>M1が、少なくともMnを含む前記<1>〜<4>のいずれかに記載のナトリウム二次電池。
<6>M1が、MnおよびCoを表す前記<1>〜<5>のいずれかに記載のナトリウム二次電池。
<7>aが、0.6以上0.9以下の範囲の値である前記<1>〜<6>のいずれかに記載のナトリウム二次電池。
本発明によれば、リチウムの使用量を減少させることができ、しかも、従来に比し、充放電を繰り返した際の放電容量維持率が大きく、二次電池のサイクル性に優れるナトリウム二次電池を提供することができ、本発明は工業的に極めて有用である。
<本発明のナトリウム二次電池>
本発明のナトリウム二次電池は、NaおよびM1(ここで、M1はMn、Fe、CoおよびNiからなる群より選ばれる2種以上の元素を表す。)を含み、Na:M1のモル比が、a:1(ここで、aは0.5を超え1未満の範囲の値である。)である複合金属酸化物を含有する正極と、Naイオンを吸蔵および脱離することのできる炭素材料を含有する負極と、電解質と、を有することを特徴とする。
本発明のナトリウム二次電池は、NaおよびM1(ここで、M1はMn、Fe、CoおよびNiからなる群より選ばれる2種以上の元素を表す。)を含み、Na:M1のモル比が、a:1(ここで、aは0.5を超え1未満の範囲の値である。)である複合金属酸化物を含有する正極と、Naイオンを吸蔵および脱離することのできる炭素材料を含有する負極と、電解質と、を有することを特徴とする。
<正極>
本発明において、正極を構成する複合金属酸化物は、NaおよびM1(ここで、M1はMn、Fe、CoおよびNiからなる群より選ばれる2種以上の元素を表す。)を含み、Na:M1のモル比が、a:1(ここで、aは0.5を超え1未満の範囲の値である。)である。前記複合金属酸化物は、以下の式(1)で表されるものが挙げられる。
NaaM1O2 (1)
(ここで、M1およびaのそれぞれは、前記と同じ意味を有する。)
本発明において、正極を構成する複合金属酸化物は、NaおよびM1(ここで、M1はMn、Fe、CoおよびNiからなる群より選ばれる2種以上の元素を表す。)を含み、Na:M1のモル比が、a:1(ここで、aは0.5を超え1未満の範囲の値である。)である。前記複合金属酸化物は、以下の式(1)で表されるものが挙げられる。
NaaM1O2 (1)
(ここで、M1およびaのそれぞれは、前記と同じ意味を有する。)
本発明において、M1は、ナトリウム二次電池の容量を高める観点で、少なくともMnを含むことが好ましく、より好ましいM1は、MnおよびCoである。M1が、MnおよびCoを表す場合には、Mn:Coのモル比としては、0.5:0.5を挙げることができ、さらには、ナトリウム二次電池の平均放電電圧をより高め、電池のエネルギー密度を高める観点で、Mnの割合は、これより大きい方(例えば、MnおよびCo(モル)に対して、Mn(モル)が、0.6以上0.9以下の範囲)がよい。また、M1が、Mn、FeおよびNiを表す場合も、好ましい実施態様である。この場合、好ましいMn:Fe:Niの組成(モル比)は、1:(0.3〜3):(0.01〜2)であり、より好ましくは、1:(0.5〜2):(0.1〜1.2)である。
本発明において、aは、0.6以上0.9以下の範囲の値であることが好ましく、より好ましくは0.7以上0.9以下の範囲の値であり、0.8程度、すなわち0.75以上0.84以下であることが、ナトリウム二次電池の容量をより大きくする観点で、さらにより好ましい。
また、複合金属酸化物は、M1の一部を、M1以外の金属元素で置換してもよい。置換することにより、ナトリウム二次電池の電池特性が向上する場合がある。
<複合金属酸化物の製造方法>
本発明において、複合金属酸化物は、焼成により本発明における複合金属酸化物となり得る組成を有する金属含有化合物の混合物を焼成することによって製造できる。具体的には、対応する金属元素を含有する金属含有化合物を所定の組成となるように秤量し混合した後に、得られた混合物を焼成することによって製造できる。例えば、好ましい金属元素比の一つであるNa:Mn:Co=0.7:0.7:0.3で表される金属元素比を有する複合金属酸化物は、Na2CO3、MnO2およびCo3O4の各原料を、Na:Mn:Coのモル比が0.7:0.7:0.3となるように秤量し、それらを混合し、得られた混合物を焼成することによって製造することができる。
本発明において、複合金属酸化物は、焼成により本発明における複合金属酸化物となり得る組成を有する金属含有化合物の混合物を焼成することによって製造できる。具体的には、対応する金属元素を含有する金属含有化合物を所定の組成となるように秤量し混合した後に、得られた混合物を焼成することによって製造できる。例えば、好ましい金属元素比の一つであるNa:Mn:Co=0.7:0.7:0.3で表される金属元素比を有する複合金属酸化物は、Na2CO3、MnO2およびCo3O4の各原料を、Na:Mn:Coのモル比が0.7:0.7:0.3となるように秤量し、それらを混合し、得られた混合物を焼成することによって製造することができる。
複合金属酸化物を製造するために用いることができる金属含有化合物としては、酸化物、ならびに高温で分解および/または酸化したときに酸化物になり得る化合物、例えば水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、ハロゲン化物、シュウ酸塩を用いることができる。ナトリウム化合物としてはNa2CO3、NaHCO3、Na2O2が好ましく、取り扱い性の観点で、より好ましくはNa2CO3である。マンガン化合物としてはMnO2が好ましく、鉄化合物としてはFe3O4が好ましく、ニッケル化合物としてはNiOが好ましく、コバルト化合物としてはCo3O4が好ましい。また、これらの金属含有化合物は、水和物であってもよい。
金属含有化合物の混合には、ボールミル、V型混合機、攪拌機等の、工業的に通常用いられている装置を用いることができる。このときの混合は、乾式混合、湿式混合のいずれによってもよい。また晶析法によって、所定の組成の金属含有化合物の混合物を得てもよい。
上記の金属含有化合物の混合物を焼成することによって、例えば600℃〜1600℃の温度範囲にて0.5時間〜100時間にわたって保持して焼成することによって、本発明の複合金属酸化物が得られる。例えば好ましい焼成温度範囲は、600℃〜900℃の温度範囲であり、より好ましくは650℃〜850℃の温度範囲である。金属含有化合物の混合物として、高温で分解および/または酸化しうる化合物、例えば水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、ハロゲン化物、シュウ酸塩を使用した場合、400℃〜1600℃の温度範囲で保持して仮焼を行って、酸化物にしたり、結晶水を除去した後で、上記の焼成を行うことも可能である。仮焼を行う雰囲気は、不活性ガス雰囲気、酸化性雰囲気または還元性雰囲気のいずれでもよい。また仮焼後に粉砕することもできる。
焼成時の雰囲気としては、例えば、窒素、アルゴン等の不活性雰囲気;空気、酸素、酸素含有窒素、酸素含有アルゴン等の酸化性雰囲気;および水素を0.1体積%〜10体積%含有する水素含有窒素、水素を0.1体積%〜10体積%含有する水素含有アルゴン等の還元性雰囲気のいずれでもよい。強い還元性の雰囲気で焼成するためには、適量の炭素を金属含有化合物の混合物に含有させて焼成してもよい。好ましくは空気等の酸化性雰囲気において、焼成を行う。
金属含有化合物として、フッ化物、塩化物等のハロゲン化物を適量用いることによって、生成する複合金属酸化物の結晶性、複合金属酸化物を構成する粒子の平均粒径を制御することができる。この場合、ハロゲン化物は、反応促進剤(フラックス)としての役割を果たす場合もある。フラックスとしては、例えばNaF、MnF3、FeF2、NiF2、CoF2、NaCl、MnCl2、FeCl2、FeCl3、NiCl2、CoCl2、Na2CO3、NaHCO3、NH4Cl、NH4I、B2O3、H3BO3などを挙げることができ、これらを混合物の原料(金属含有化合物)として、あるいは、混合物に適量添加して用いることができる。また、これらのフラックスは、水和物であってもよい。
また、上記のようにして得られる複合金属酸化物に、随意にボールミルやジェットミル等を用いた粉砕、洗浄、分級等を行って、粒度を調節することが好ましいことがある。また、焼成を2回以上行ってもよい。また、複合金属酸化物の粒子表面をSi、Al、Ti、Y等を含有する無機物質で被覆する等の表面処理をしてもよい。また、複合金属酸化物は、その結晶構造がトンネル構造でないものが好ましい。
上述のようにして得られる複合金属酸化物は、単独で、または被覆などの表面処理を施すなどして、正極に用いることができる。
<正極の製造方法>
本発明において、正極は、上記の複合金属酸化物を含有する。正極は、上記の複合金属酸化物、導電材およびバインダーを含む正極合剤を、正極集電体に担持させて製造することができる。
本発明において、正極は、上記の複合金属酸化物を含有する。正極は、上記の複合金属酸化物、導電材およびバインダーを含む正極合剤を、正極集電体に担持させて製造することができる。
導電材としては、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス類、カーボンブラックなどの炭素材料などが挙げられる。バインダーとしては、熱可塑性樹脂を挙げることができ、具体的には、ポリフッ化ビニリデン(以下では「PVDF」としても言及する)、ポリテトラフルオロエチレン、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン・フッ化ビニリデン系共重合体、六フッ化プロピレン・フッ化ビニリデン系共重合体、四フッ化エチレン・パーフルオロビニルエーテル系共重合体などのフッ素樹脂;ならびにポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂等が挙げることができる。正極集電体としては、Al、Ni、ステンレスなどを用いることができる。
正極集電体に正極合剤を担持させる方法としては、加圧成型する方法、または有機溶媒などを用いてペースト化し、正極集電体上に塗工し、乾燥後プレスするなどして固着する方法が挙げられる。ペースト化する場合、正極活物質、導電材、バインダー、有機溶媒からなるスラリーを作製する。有機溶媒としては、N,N−ジメチルアミノプロピリアミン、ジエチルトリアミン等のアミン系;エチレンオキシド、テトラヒドロフラン等のエーテル系;メチルエチルケトン等のケトン系;酢酸メチル等のエステル系;ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。正極合剤を正極集電体へ塗工する方法としては、例えばスリットダイ塗工法、スクリーン塗工法、カーテン塗工法、ナイフ塗工法、グラビア塗工法、静電スプレー法等が挙げられる。
<負極>
本発明において、負極を構成する炭素材料は、Naイオンを吸蔵および脱離することのできる炭素材料である。本発明において、炭素材料は、Naイオンを吸蔵および脱離することができれば、如何なる炭素材料であってもよい。例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス類、カーボンブラック、熱分解炭素類、炭素繊維、有機高分子化合物焼成体などの炭素材料のうち、Naイオンを吸蔵および脱離することのできる炭素材料を挙げることができる。該炭素材料として、より具体的に例示すれば、特開2007−039313号公報記載の炭素材料を用いることができる。また、炭素材料の形状としては、例えば天然黒鉛のような薄片状、メソカーボンマイクロビーズのような球状、黒鉛化炭素繊維のような繊維状、または微粉末の凝集体などのいずれでもよい。ここで、炭素材料は、導電材としての役割を果たす場合もある。
本発明において、負極を構成する炭素材料は、Naイオンを吸蔵および脱離することのできる炭素材料である。本発明において、炭素材料は、Naイオンを吸蔵および脱離することができれば、如何なる炭素材料であってもよい。例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス類、カーボンブラック、熱分解炭素類、炭素繊維、有機高分子化合物焼成体などの炭素材料のうち、Naイオンを吸蔵および脱離することのできる炭素材料を挙げることができる。該炭素材料として、より具体的に例示すれば、特開2007−039313号公報記載の炭素材料を用いることができる。また、炭素材料の形状としては、例えば天然黒鉛のような薄片状、メソカーボンマイクロビーズのような球状、黒鉛化炭素繊維のような繊維状、または微粉末の凝集体などのいずれでもよい。ここで、炭素材料は、導電材としての役割を果たす場合もある。
<負極の製造方法>
負極は、上記の炭素材料を含む負極合剤を、負極集電体に担持させて製造することができる。負極合剤は、必要に応じて、バインダー、導電材を含有してもよく、負極は、炭素材料およびバインダーの混合物を含有してなっていてよい。バインダーとしては、熱可塑性樹脂を挙げることができ、具体的には、PVDF、熱可塑性ポリイミド、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレン、ポリプロピレンなどを挙げることができる。
負極は、上記の炭素材料を含む負極合剤を、負極集電体に担持させて製造することができる。負極合剤は、必要に応じて、バインダー、導電材を含有してもよく、負極は、炭素材料およびバインダーの混合物を含有してなっていてよい。バインダーとしては、熱可塑性樹脂を挙げることができ、具体的には、PVDF、熱可塑性ポリイミド、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレン、ポリプロピレンなどを挙げることができる。
負極集電体としては、Cu、Ni、ステンレスなどを挙げることができ、ナトリウムと合金を作り難い点、薄膜に加工しやすいという点で、Cuが好ましい。負極集電体に負極合剤を担持させる方法は、正極の場合と同様であり、加圧成型する方法、溶媒などを用いてペースト化して負極集電体上に塗工し、乾燥後にプレスするなどして固着する方法等が挙げられる。
<電解質>
本発明において、電解質としては、NaClO4、NaPF6、NaAsF6、NaSbF6、NaBF4、NaCF3SO3、NaN(SO2CF3)2、低級脂肪族カルボン酸ナトリウム塩、NaAlCl4などが挙げられ、これらの2種以上の混合物を使用してもよい。これらの中でもフッ素を含むNaPF6、NaAsF6、NaSbF6、NaBF4、NaCF3SO3およびNaN(SO2CF3)2からなる群から選ばれた少なくとも1種を含むものを用いることが好ましい。また、本発明において、上記電解質を用いる場合には、通常、有機溶媒に、これを溶解させて、非水電解液として用いる。
本発明において、電解質としては、NaClO4、NaPF6、NaAsF6、NaSbF6、NaBF4、NaCF3SO3、NaN(SO2CF3)2、低級脂肪族カルボン酸ナトリウム塩、NaAlCl4などが挙げられ、これらの2種以上の混合物を使用してもよい。これらの中でもフッ素を含むNaPF6、NaAsF6、NaSbF6、NaBF4、NaCF3SO3およびNaN(SO2CF3)2からなる群から選ばれた少なくとも1種を含むものを用いることが好ましい。また、本発明において、上記電解質を用いる場合には、通常、有機溶媒に、これを溶解させて、非水電解液として用いる。
前記有機溶媒としては、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、イソプロピルメチルカーボネート、ビニレンカーボネート、4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、1,2−ジ(メトキシカルボニルオキシ)エタンなどのカーボネート類;1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパン、ペンタフルオロプロピルメチルエーテル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルジフルオロメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル類;ギ酸メチル、酢酸メチル、γ−ブチロラクトンなどのエステル類;アセトニトリル、ブチロニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;3−メチル−2−オキサゾリドンなどのカーバメート類;スルホラン、ジメチルスルホキシド、1,3−プロパンサルトンなどの含硫黄化合物;または上記の有機溶媒にさらにフッ素置換基を導入したものを用いることができる。通常は有機溶媒として、これらのうちの二種以上を混合して用いる。
また、電解質として、固体電解質を用いてもよい。固体電解質としては、例えばポリエチレンオキサイド系の高分子化合物、ポリオルガノシロキサン鎖もしくはポリオキシアルキレン鎖の少なくとも一種以上を含む高分子化合物などの有機系固体電解質を用いることができる。また、高分子化合物に非水電解液を保持させた、いわゆるゲルタイプのものを用いることもできる。またNa2S−SiS2、Na2S−GeS2、NaTi2(PO4)3、NaFe2(PO4)3、Na2(SO4)3、Fe2(SO4)2(PO4)、Fe2(MoO4)3等の無機系固体電解質を用いてもよい。これら固体電解質を用いて、ナトリウム二次電池の安全性をより高めることができることがある。また、本発明のナトリウム二次電池において、電解質として、固体電解質を用いる場合には、固体電解質が後述のセパレータの役割を果たす場合もあり、その場合には、セパレータを必要としないこともある。
<セパレータ>
本発明において、ナトリウム二次電池は、セパレータを更に有することが好ましい。セパレータとしては例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、含窒素芳香族重合体などの材質からなる、多孔質フィルム、不織布、織布などの形態を有する材料を用いることができる。また、これらの材質を2種以上用いた単層または積層セパレータとしてもよい。セパレータとしては、例えば特開2000−30686号公報、特開平10−324758号公報等に記載のセパレータを挙げることができる。セパレータの厚みは、電池の体積エネルギー密度が上がり、内部抵抗が小さくなるという点で、機械的強度が保たれる限り薄いほど好ましい。セパレータの厚みは一般に、5〜200μm程度が好ましく、より好ましくは5〜40μm程度である。
本発明において、ナトリウム二次電池は、セパレータを更に有することが好ましい。セパレータとしては例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、含窒素芳香族重合体などの材質からなる、多孔質フィルム、不織布、織布などの形態を有する材料を用いることができる。また、これらの材質を2種以上用いた単層または積層セパレータとしてもよい。セパレータとしては、例えば特開2000−30686号公報、特開平10−324758号公報等に記載のセパレータを挙げることができる。セパレータの厚みは、電池の体積エネルギー密度が上がり、内部抵抗が小さくなるという点で、機械的強度が保たれる限り薄いほど好ましい。セパレータの厚みは一般に、5〜200μm程度が好ましく、より好ましくは5〜40μm程度である。
セパレータは、好ましくは、熱可塑性樹脂を含有する多孔質フィルムを有する。二次電池において、セパレータは、正極と負極の間に配置され、正極−負極間の短絡等が原因で電池内に異常電流が流れた際に、電流を遮断して、過大電流が流れることを阻止する(シャットダウンする)役割を果たすことが好ましい。ここで、シャットダウンは、通常の使用温度を越えた場合に、セパレータにおける多孔質フィルムの微細孔を閉塞することによりなされる。そしてシャットダウンした後、ある程度の高温まで電池内の温度が上昇しても、その温度により破膜することなく、シャットダウンした状態を維持すること、換言すれば、耐熱性が高いことが好ましい。かかるセパレータとして、耐熱多孔層と多孔質フィルムとが積層されてなる積層多孔質フィルムなどの耐熱材料を有する多孔質フィルム、好ましくは、耐熱樹脂を含有する耐熱多孔層と熱可塑性樹脂を含有する多孔質フィルムとが積層されてなる積層多孔質フィルムを挙げることができ、このような耐熱材料を有する多孔質フィルムをセパレータとして用いることにより、本発明の二次電池の熱破膜をより防ぐことが可能となる。ここで、耐熱多孔層は、多孔質フィルムの両面に積層されていてもよい。
<積層多孔質フィルムセパレータ>
以下、積層多孔質フィルムからなるセパレータについて説明する。ここで、このセパレータの厚みは、通常5μm以上40μm以下、好ましくは20μm以下である。また、耐熱多孔層の厚みをA(μm)、多孔質フィルムの厚みをB(μm)としたときには、A/Bの値が、0.1以上1以下であることが好ましい。また更に、このセパレータは、イオン透過性の観点から、ガーレー法による透気度において、透気度が50〜300秒/100ccであることが好ましく、50〜200秒/100ccであることがさらに好ましい。このセパレータの空孔率は、通常30〜80体積%、好ましくは40〜70体積%である。
以下、積層多孔質フィルムからなるセパレータについて説明する。ここで、このセパレータの厚みは、通常5μm以上40μm以下、好ましくは20μm以下である。また、耐熱多孔層の厚みをA(μm)、多孔質フィルムの厚みをB(μm)としたときには、A/Bの値が、0.1以上1以下であることが好ましい。また更に、このセパレータは、イオン透過性の観点から、ガーレー法による透気度において、透気度が50〜300秒/100ccであることが好ましく、50〜200秒/100ccであることがさらに好ましい。このセパレータの空孔率は、通常30〜80体積%、好ましくは40〜70体積%である。
(耐熱多孔層)
積層多孔質フィルムにおいて、耐熱多孔層は、耐熱樹脂を含有することが好ましい。イオン透過性をより高めるために、耐熱多孔層の厚みは、1μm以上10μm以下、さらには1μm以上5μm以下、特に1μm以上4μm以下という薄い耐熱多孔層であることが好ましい。また、耐熱多孔層は微細孔を有し、その孔のサイズ(直径)は通常3μm以下、好ましくは1μm以下である。さらに、耐熱多孔層は、後述のフィラーを含有することもできる。また、耐熱多孔層は、無機粉末から形成されていてもよい。
積層多孔質フィルムにおいて、耐熱多孔層は、耐熱樹脂を含有することが好ましい。イオン透過性をより高めるために、耐熱多孔層の厚みは、1μm以上10μm以下、さらには1μm以上5μm以下、特に1μm以上4μm以下という薄い耐熱多孔層であることが好ましい。また、耐熱多孔層は微細孔を有し、その孔のサイズ(直径)は通常3μm以下、好ましくは1μm以下である。さらに、耐熱多孔層は、後述のフィラーを含有することもできる。また、耐熱多孔層は、無機粉末から形成されていてもよい。
耐熱多孔層に含有される耐熱樹脂としては、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリサルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、芳香族ポリエステル、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミドを挙げることができ、耐熱性をより高める観点で、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミドが好ましく、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミドがより好ましい。さらにより好ましくは、耐熱樹脂は、芳香族ポリアミド(パラ配向芳香族ポリアミド、メタ配向芳香族ポリアミド)、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミドイミド等の含窒素芳香族重合体であり、とりわけ好ましくは芳香族ポリアミドであり、特に好ましくはパラ配向芳香族ポリアミド(以下、「パラアラミド」ということがある。)である。また、耐熱樹脂としては、ポリ−4−メチルペンテン−1、環状オレフィン系重合体を挙げることもできる。これらの耐熱樹脂を用いることにより、耐熱性を高めること、すなわち熱破膜温度を高めることができる。
熱破膜温度は、耐熱樹脂の種類に依存し、使用場面、使用目的に応じ、選択使用される。通常、熱破膜温度は160℃以上である。耐熱樹脂として、上記含窒素芳香族重合体を用いる場合は、400℃程度に、また、ポリ−4−メチルペンテン−1を用いる場合は250℃程度に、環状オレフィン系重合体を用いる場合は300℃程度に、夫々、熱破膜温度をコントロールすることができる。また、耐熱多孔層が、無機粉末からなる場合には、熱破膜温度を、例えば、500℃以上にコントロールすることも可能である。
上記パラアラミドは、パラ配向芳香族ジアミンとパラ配向芳香族ジカルボン酸ハライドの縮合重合により得られるものであり、アミド結合が芳香族環のパラ位またはそれに準じた配向位(例えば、4,4’−ビフェニレン、1,5−ナフタレン、2,6−ナフタレン等のような反対方向に同軸または平行に延びる配向位)で結合される繰り返し単位から実質的になるものである。パラアラミドとしては、パラ配向型またはパラ配向型に準じた構造を有するパラアラミド、具体的には、ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)、ポリ(パラベンズアミド)、ポリ(4,4’−ベンズアニリドテレフタルアミド)、ポリ(パラフェニレン−4,4’−ビフェニレンジカルボン酸アミド)、ポリ(パラフェニレン−2,6−ナフタレンジカルボン酸アミド)、ポリ(2−クロロ−パラフェニレンテレフタルアミド)、パラフェニレンテレフタルアミド/2,6−ジクロロパラフェニレンテレフタルアミド共重合体等が例示される。
上記芳香族ポリイミドとしては、芳香族の二酸無水物とジアミンの縮重合で製造される全芳香族ポリイミドが好ましい。二酸無水物の具体例としては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ビス(3,4―ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物などがあげられる。ジアミンとしては、オキシジアニリン、パラフェニレンジアミン、ベンゾフェノンジアミン、3,3’−メチレンジアニリン、3,3’−ジアミノベンソフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、1,5’−ナフタレンジアミンなどがあげられる。また、溶媒に可溶なポリイミドが好適に使用できる。このようなポリイミドとしては、例えば、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物と、芳香族ジアミンとの重縮合物のポリイミドが挙げられる。
上記芳香族ポリアミドイミドとしては、芳香族ジカルボン酸および芳香族ジイソシアネートを用いてこれらの縮合重合から得られるもの、芳香族二酸無水物および芳香族ジイソシアネートを用いてこれらの縮合重合から得られるものが挙げられる。芳香族ジカルボン酸の具体例としてはイソフタル酸、テレフタル酸などが挙げられる。また芳香族二酸無水物の具体例としては、無水トリメリット酸などが挙げられる。芳香族ジイソシアネートの具体例としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、オルソトリランジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネートなどが挙げられる。
耐熱多孔層が、耐熱樹脂を含有する場合には、耐熱多孔層は、1種以上のフィラーを含有していてもよい。耐熱多孔層に含有されていてもよいフィラーは、有機粉末、無機粉末またはこれらの混合物のいずれから選ばれるものであってよい。フィラーを構成する粒子は、その平均粒子径が、0.01μm以上1μm以下であることが好ましい。フィラーの形状としては、略球状、板状、柱状、針状、ウィスカー状、繊維状等が挙げられ、いずれの粒子も用いることができるが、均一な孔を形成しやすいことから、略球状粒子であることが好ましい。略球状粒子としては、粒子のアスペクト比(粒子の長径/粒子の短径)が1以上1.5以下の範囲の値である粒子が挙げられる。粒子のアスペクト比は、電子顕微鏡写真により測定することができる。
フィラーとしての有機粉末としては、例えば、スチレン、ビニルケトン、アクリロニトリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、アクリル酸メチル等の単独あるいは2種類以上の共重合体;ポリテトラフルオロエチレン、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体、4フッ化エチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド等のフッ素系樹脂;メラミン樹脂;尿素樹脂;ポリオレフィン;ポリメタクリレート等の有機物からなる粉末が挙げられる。有機粉末は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いることもできる。これらの有機粉末の中でも、化学的安定性の点で、ポリテトラフルオロエチレン粉末が好ましい。
フィラーとしての無機粉末としては、例えば、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属水酸化物、炭酸塩、硫酸塩等の無機物からなる粉末が挙げられ、これらの中でも、導電性の低い無機物からなる粉末が好ましく用いられる。具体的に例示すると、アルミナ、シリカ、二酸化チタン、硫酸バリウムまたは炭酸カルシウム等からなる粉末が挙げられる。無機粉末は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いることもできる。これらの無機粉末の中でも、化学的安定性の点で、アルミナ粉末が好ましい。フィラーを構成する粒子のすべてがアルミナ粒子であることがより好ましく、フィラーを構成する粒子のすべてがアルミナ粒子であり、かつその一部または全部が略球状のアルミナ粒子であることがさらにより好ましい。因みに、耐熱多孔層が、無機粉末から形成される場合には、上記例示の無機粉末を用いればよく、必要に応じてバインダーと混ぜて用いればよい。
耐熱多孔層が耐熱樹脂を含有する場合におけるフィラーの含有量は、フィラーの材質の比重にもよるが、例えば、フィラーを構成する粒子のすべてがアルミナ粒子である場合には、耐熱多孔層の総重量を100としたとき、フィラーの重量は、通常5以上95以下であり、好ましくは20以上95以下、より好ましくは30以上90以下である。これらの範囲は、フィラーの材質の比重に依存して適宜設定できる。
(多孔質フィルム)
積層多孔質フィルムにおいて、多孔質フィルムは、微細孔を有し、シャットダウンすることが好ましい。この場合、多孔質フィルムは、熱可塑性樹脂を含有する。この多孔質フィルムの厚みは、通常、3〜30μmであり、さらに好ましくは3〜25μmである。多孔質フィルムは、上記耐熱多孔層と同様に、微細孔を有し、その孔のサイズは通常3μm以下、好ましくは1μm以下である。多孔質フィルムの空孔率は、通常30〜80体積%、好ましくは40〜70体積%である。非水電解質二次電池において、通常の使用温度を越えた場合には、多孔質フィルムは、それを構成する熱可塑性樹脂の軟化により、微細孔を閉塞することができる。
積層多孔質フィルムにおいて、多孔質フィルムは、微細孔を有し、シャットダウンすることが好ましい。この場合、多孔質フィルムは、熱可塑性樹脂を含有する。この多孔質フィルムの厚みは、通常、3〜30μmであり、さらに好ましくは3〜25μmである。多孔質フィルムは、上記耐熱多孔層と同様に、微細孔を有し、その孔のサイズは通常3μm以下、好ましくは1μm以下である。多孔質フィルムの空孔率は、通常30〜80体積%、好ましくは40〜70体積%である。非水電解質二次電池において、通常の使用温度を越えた場合には、多孔質フィルムは、それを構成する熱可塑性樹脂の軟化により、微細孔を閉塞することができる。
多孔質フィルムに含有される熱可塑性樹脂としては、80〜180℃で軟化するものを挙げることができ、非水電解質二次電池における電解液に溶解しないものを選択すればよい。具体的には、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂を挙げることができ、これらの2種以上の混合物を用いてもよい。より低温で軟化してシャットダウンさせるためには、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンを含有することが好ましい。ポリエチレンとしては、具体的には、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状ポリエチレン等のポリエチレンを挙げることができ、分子量が100万以上の超高分子量ポリエチレンを挙げることもできる。多孔質フィルムの突刺し強度をより高めるためには、熱可塑性樹脂は、少なくとも超高分子量ポリエチレンを含有することが好ましい。また、多孔質フィルムの製造面において、熱可塑性樹脂は、低分子量(重量平均分子量1万以下)のポリオレフィンからなるワックスを含有することが好ましい場合もある。
また、上記積層多孔質フィルムとは異なる耐熱材料を有する多孔質フィルムとしては、耐熱樹脂および/または無機粉末からなる多孔質フィルムや、耐熱樹脂および/または無機粉末が、ポリオレフィン樹脂や熱可塑性ポリウレタン樹脂等の熱可塑性樹脂フィルムに分散した多孔質フィルムを挙げることもできる。ここで、耐熱樹脂、無機粉末としては、上述のものを挙げることができる。
<ナトリウム二次電池の製造方法>
本発明において、ナトリウム二次電池がセパレータを有する場合には、例えば、上述の正極、セパレータおよび負極をこの順に積層および巻回することによって電極群を得、この電極群を電池缶内に収納し、電解質を含有する有機溶媒からなる非水電解液を電極群に含浸させることによって、製造することができる。また、セパレータを有さない場合には、例えば、正極、固体電解質および負極をこの順に積層および巻回することによって電極群を得、この電極群を電池缶内に収納して、製造することができる。
本発明において、ナトリウム二次電池がセパレータを有する場合には、例えば、上述の正極、セパレータおよび負極をこの順に積層および巻回することによって電極群を得、この電極群を電池缶内に収納し、電解質を含有する有機溶媒からなる非水電解液を電極群に含浸させることによって、製造することができる。また、セパレータを有さない場合には、例えば、正極、固体電解質および負極をこの順に積層および巻回することによって電極群を得、この電極群を電池缶内に収納して、製造することができる。
電極群の形状としては例えば、この電極群を巻回の軸と垂直方向に切断したときの断面が、円、楕円、長円、長方形、角がとれたような長方形等となるような形状を挙げることができる。また、電池の形状としては、例えば、ペーパー型、コイン型、円筒型、角型などの形状を挙げることができる。
上述のようにして、得られるナトリウム二次電池は、従来に比し、充放電を繰り返した際の放電容量維持率が大きく、サイクル性に優れ、また、負極表面におけるナトリウムデンドライトの生成も抑制することができ、電池としての安定性にも優れる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
製造例1
金属含有化合物としての、炭酸ナトリウム(Na2CO3:和光純薬工業株式会社製:純度99.8%)、酸化マンガン(IV)(MnO2:株式会社高純度化学研究所製:純度99.9%)、および四三酸化コバルト(Co3O4:正同化学工業株式会社製:純度99%)を、Na:Mn:Coのモル比が0.7:0.5:0.5となるように秤量し、乾式ボールミルで4時間にわたって混合して、金属含有化合物の混合物を得た。得られた金属含有化合物の混合物を、アルミナボートに充填し、電気炉を用いて空気雰囲気において加熱して800℃で2時間にわたって保持することによって、複合金属酸化物E1を得た。複合金属酸化物E1、導電材としてのアセチレンブラック(電気化学工業株式会社製)、およびバインダーとしてのPVDF(株式会社クレハ製、PolyVinylideneDiFluoridePolyflon)を、複合金属酸化物E1:導電材:バインダー=85:10:5(重量比)の組成となるようにそれぞれ秤量した。その後、まず複合金属酸化物とアセチレンブラックをメノウ乳鉢で十分に混合し、この混合物に、N−メチル−2−ピロリドン(NMP:東京化成工業株式会社製)を適量加え、さらにPVDFを加えて引き続き均一になるように混合して、スラリー化した。得られたスラリーを、集電体である厚さ40μmのアルミ箔上に、アプリケータを用いて100μmの厚さで塗布し、これを乾燥機に入れ、NMPを除去させながら、十分に乾燥することによって正極シート1を得た。この正極シート1を電極打ち抜き機で直径1.5cmに打ち抜いた後、ハンドプレスにて十分に圧着し、正極1を得た。
金属含有化合物としての、炭酸ナトリウム(Na2CO3:和光純薬工業株式会社製:純度99.8%)、酸化マンガン(IV)(MnO2:株式会社高純度化学研究所製:純度99.9%)、および四三酸化コバルト(Co3O4:正同化学工業株式会社製:純度99%)を、Na:Mn:Coのモル比が0.7:0.5:0.5となるように秤量し、乾式ボールミルで4時間にわたって混合して、金属含有化合物の混合物を得た。得られた金属含有化合物の混合物を、アルミナボートに充填し、電気炉を用いて空気雰囲気において加熱して800℃で2時間にわたって保持することによって、複合金属酸化物E1を得た。複合金属酸化物E1、導電材としてのアセチレンブラック(電気化学工業株式会社製)、およびバインダーとしてのPVDF(株式会社クレハ製、PolyVinylideneDiFluoridePolyflon)を、複合金属酸化物E1:導電材:バインダー=85:10:5(重量比)の組成となるようにそれぞれ秤量した。その後、まず複合金属酸化物とアセチレンブラックをメノウ乳鉢で十分に混合し、この混合物に、N−メチル−2−ピロリドン(NMP:東京化成工業株式会社製)を適量加え、さらにPVDFを加えて引き続き均一になるように混合して、スラリー化した。得られたスラリーを、集電体である厚さ40μmのアルミ箔上に、アプリケータを用いて100μmの厚さで塗布し、これを乾燥機に入れ、NMPを除去させながら、十分に乾燥することによって正極シート1を得た。この正極シート1を電極打ち抜き機で直径1.5cmに打ち抜いた後、ハンドプレスにて十分に圧着し、正極1を得た。
比較例1
コインセル(宝泉株式会社製)の下側パーツの窪みに、アルミ箔を下に向けて、製造例1により得られた正極1を置き、そして非水電解液としての1MのNaClO4/プロピレンカーボネート、セパレータとしてのポリプロピレン多孔質膜(厚み20μm)、および負極としての金属ナトリウム(アルドリッチ社製)を組み合わせて、ナトリウム二次電池1を作製した。なお、試験電池の組み立てはアルゴン雰囲気のグローブボックス内で行った。
コインセル(宝泉株式会社製)の下側パーツの窪みに、アルミ箔を下に向けて、製造例1により得られた正極1を置き、そして非水電解液としての1MのNaClO4/プロピレンカーボネート、セパレータとしてのポリプロピレン多孔質膜(厚み20μm)、および負極としての金属ナトリウム(アルドリッチ社製)を組み合わせて、ナトリウム二次電池1を作製した。なお、試験電池の組み立てはアルゴン雰囲気のグローブボックス内で行った。
ナトリウム二次電池1を用いて、以下の条件で定電流充放電試験を実施した。
充放電条件:
充電は、4.0Vまで0.1Cレート(10時間で完全充電する速度)でCC(コンスタントカレント:定電流)充電を行った。放電は、該充電速度と同じ速度で、CC放電を行い、電圧1.5Vでカットオフした。次サイクル以降の充電、放電は、該充電速度と同じ速度で行い、1サイクル目と同様に、充電電圧4.0V、放電電圧1.5Vでカットオフした。
充放電条件:
充電は、4.0Vまで0.1Cレート(10時間で完全充電する速度)でCC(コンスタントカレント:定電流)充電を行った。放電は、該充電速度と同じ速度で、CC放電を行い、電圧1.5Vでカットオフした。次サイクル以降の充電、放電は、該充電速度と同じ速度で行い、1サイクル目と同様に、充電電圧4.0V、放電電圧1.5Vでカットオフした。
このナトリウム二次電池1について、定電流充放電試験を行った結果、2サイクル目の放電容量に対する10サイクル目の放電容量(放電容量維持率)は、80%と低かった。
実施例1
(1)炭素材料の製造
四つ口フラスコに、窒素気流下でレゾルシノール200g、メチルアルコール1.5L、ベンズアルデヒド194gを入れ氷冷し、攪拌しながら36%塩酸36.8gを滴下した。滴下終了後65℃に昇温し、その後同温度で5時間保温した。得られた重合反応混合物に水1Lを加え、沈殿を濾取し、濾液が中性になるまで水で洗浄し、乾燥して、有機高分子化合物であるテトラフェニルカリックス[4]レゾルシナレーン(PCRA)294gを得た。
(1)炭素材料の製造
四つ口フラスコに、窒素気流下でレゾルシノール200g、メチルアルコール1.5L、ベンズアルデヒド194gを入れ氷冷し、攪拌しながら36%塩酸36.8gを滴下した。滴下終了後65℃に昇温し、その後同温度で5時間保温した。得られた重合反応混合物に水1Lを加え、沈殿を濾取し、濾液が中性になるまで水で洗浄し、乾燥して、有機高分子化合物であるテトラフェニルカリックス[4]レゾルシナレーン(PCRA)294gを得た。
PCRAを、ロータリーキルン内に入れ、雰囲気を空気雰囲気として、300℃で1時間加熱し、次いでロータリーキルンの雰囲気をアルゴンに置換して、1000℃で4時間加熱した。次いで、ボールミル(メノウ製ボール、28rpm、5分間)で粉砕することによって有機高分子化合物焼成体である炭素材料C1を得た。この粉末状の炭素材料C1は金属と接触していないことから金属イオンを含めて金属はほとんど含まれない。
(2)負極の製造
炭素材料C1とバインダーとしてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを、炭素材料C1:バインダー=95:5(重量比)の組成となるように秤量し、バインダーをN−メチルピロリドン(NMP)に溶解した後、これに炭素材料C1を加えてスラリー化したものを集電体である厚さ10μmの銅箔上にアプリケータを用いて、100μmの厚さで塗布し、これを乾燥機に入れ、NMPを除去させながら、十分に乾燥することによって負極シートを得た。この負極シートを電極打ち抜き機で直径1.5cmに打ち抜いた後、ハンドプレスにて十分に圧着し、負極1を得た。
炭素材料C1とバインダーとしてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを、炭素材料C1:バインダー=95:5(重量比)の組成となるように秤量し、バインダーをN−メチルピロリドン(NMP)に溶解した後、これに炭素材料C1を加えてスラリー化したものを集電体である厚さ10μmの銅箔上にアプリケータを用いて、100μmの厚さで塗布し、これを乾燥機に入れ、NMPを除去させながら、十分に乾燥することによって負極シートを得た。この負極シートを電極打ち抜き機で直径1.5cmに打ち抜いた後、ハンドプレスにて十分に圧着し、負極1を得た。
(3)ナトリウム二次電池の製造
コインセル(宝泉株式会社製)の下側パーツの窪みに、アルミ箔を下に向けて、製造例1により得られた正極1を置き、そして非水電解液としての1MのNaClO4/プロピレンカーボネート、セパレータとしてのポリプロピレン多孔質膜(厚み20μm)、および負極1を組み合わせて、ナトリウム二次電池2を作製した。なお、試験電池の組み立てはアルゴン雰囲気のグローブボックス内で行った。
コインセル(宝泉株式会社製)の下側パーツの窪みに、アルミ箔を下に向けて、製造例1により得られた正極1を置き、そして非水電解液としての1MのNaClO4/プロピレンカーボネート、セパレータとしてのポリプロピレン多孔質膜(厚み20μm)、および負極1を組み合わせて、ナトリウム二次電池2を作製した。なお、試験電池の組み立てはアルゴン雰囲気のグローブボックス内で行った。
ナトリウム二次電池2を用いて、比較例1と同様の条件で定電流充放電試験を実施した。このナトリウム二次電池2について、定電流充放電試験を行った結果、2サイクル目の放電容量に対する10サイクル目の放電容量(放電容量維持率)は、107%と極めて高く、100%を超える値であった。また、ナトリウム二次電池2について、さらにサイクルを重ねても、後述のナトリウム二次電池4の場合と同様の効果を得ることができる。
実施例2
(1)正極の製造
金属含有化合物としての、炭酸ナトリウム(Na2CO3:和光純薬工業株式会社製:純度99.8%)、酸化マンガン(IV)(MnO2:株式会社高純度化学研究所製:純度99.9%)、酸化鉄(II、III)(Fe3O4:株式会社高純度化学研究所製:純度99%)、および酸化ニッケル(II)(NiO:株式会社高純度化学研究所製:純度99%)を、Na:Mn:Fe:Niのモル比が0.7:0.333:0.333:0.333となるように秤量し、乾式ボールミルで4時間にわたって混合して、金属含有化合物の混合物を得た。得られた金属含有化合物の混合物を、アルミナボートに充填し、電気炉を用いて空気雰囲気において加熱して800℃で2時間にわたって保持することによって、複合金属酸化物E2を得た。複合金属酸化物E2、導電材としてのアセチレンブラック(電気化学工業株式会社製)、およびバインダーとしてのPVDF(株式会社クレハ製、PolyVinylideneDiFluoridePolyflon)を、複合金属酸化物E2:導電材:バインダー=85:10:5(重量比)の組成となるようにそれぞれ秤量した。その後、まず複合金属酸化物とアセチレンブラックをメノウ乳鉢で十分に混合し、この混合物に、N−メチル−2−ピロリドン(NMP:東京化成工業株式会社製)を適量加え、さらにPVDFを加えて引き続き均一になるように混合して、スラリー化した。得られたスラリーを、集電体である厚さ40μmのアルミ箔上に、アプリケータを用いて100μmの厚さで塗布し、これを乾燥機に入れ、NMPを除去させながら、十分に乾燥することによって正極シート2を得た。この正極シート2を電極打ち抜き機で直径1.5cmに打ち抜いた後、ハンドプレスにて十分に圧着し、正極2を得た。
(1)正極の製造
金属含有化合物としての、炭酸ナトリウム(Na2CO3:和光純薬工業株式会社製:純度99.8%)、酸化マンガン(IV)(MnO2:株式会社高純度化学研究所製:純度99.9%)、酸化鉄(II、III)(Fe3O4:株式会社高純度化学研究所製:純度99%)、および酸化ニッケル(II)(NiO:株式会社高純度化学研究所製:純度99%)を、Na:Mn:Fe:Niのモル比が0.7:0.333:0.333:0.333となるように秤量し、乾式ボールミルで4時間にわたって混合して、金属含有化合物の混合物を得た。得られた金属含有化合物の混合物を、アルミナボートに充填し、電気炉を用いて空気雰囲気において加熱して800℃で2時間にわたって保持することによって、複合金属酸化物E2を得た。複合金属酸化物E2、導電材としてのアセチレンブラック(電気化学工業株式会社製)、およびバインダーとしてのPVDF(株式会社クレハ製、PolyVinylideneDiFluoridePolyflon)を、複合金属酸化物E2:導電材:バインダー=85:10:5(重量比)の組成となるようにそれぞれ秤量した。その後、まず複合金属酸化物とアセチレンブラックをメノウ乳鉢で十分に混合し、この混合物に、N−メチル−2−ピロリドン(NMP:東京化成工業株式会社製)を適量加え、さらにPVDFを加えて引き続き均一になるように混合して、スラリー化した。得られたスラリーを、集電体である厚さ40μmのアルミ箔上に、アプリケータを用いて100μmの厚さで塗布し、これを乾燥機に入れ、NMPを除去させながら、十分に乾燥することによって正極シート2を得た。この正極シート2を電極打ち抜き機で直径1.5cmに打ち抜いた後、ハンドプレスにて十分に圧着し、正極2を得た。
(2)ナトリウム二次電池の製造
コインセル(宝泉株式会社製)の下側パーツの窪みに、アルミ箔を下に向けて、正極2を置き、そして非水電解液としての1MのNaClO4/プロピレンカーボネート、セパレータとしてのポリプロピレン多孔質膜(厚み20μm)、および実施例1と同様の負極1を組み合わせて、ナトリウム二次電池3を作製した。なお、試験電池の組み立てはアルゴン雰囲気のグローブボックス内で行った。
コインセル(宝泉株式会社製)の下側パーツの窪みに、アルミ箔を下に向けて、正極2を置き、そして非水電解液としての1MのNaClO4/プロピレンカーボネート、セパレータとしてのポリプロピレン多孔質膜(厚み20μm)、および実施例1と同様の負極1を組み合わせて、ナトリウム二次電池3を作製した。なお、試験電池の組み立てはアルゴン雰囲気のグローブボックス内で行った。
ナトリウム二次電池3を用いて、比較例1と同様の条件で定電流充放電試験を実施した。このナトリウム二次電池3について、定電流充放電試験を行った結果、2サイクル目の放電容量に対する10サイクル目の放電容量(放電容量維持率)は、111%であり、また、その後、さらに10サイクル(11サイクル〜20サイクル)行ったところ、2サイクル目の放電容量に対する20サイクル目の放電容量(放電容量維持率)は、115%であり、いずれも100%を超える極めて高い値であった。ナトリウム二次電池3について、さらにサイクルを重ねても、後述のナトリウム二次電池4の場合と同様の効果を得ることができる。
実施例3
(1)負極の製造
有機高分子化合物焼成体である炭素材料とバインダーとしてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを、炭素材料:バインダー=95:5(重量比)の組成となるように秤量し、バインダーをN−メチルピロリドン(NMP)に溶解した後、これに該炭素材料を加えてスラリー化したものを集電体である厚さ10μmの銅箔上にアプリケータを用いて、100μmの厚さで塗布し、これを乾燥機に入れ、NMPを除去させながら、十分に乾燥することによって負極シートを得た。この負極シートを電極打ち抜き機で直径1.5cmに打ち抜いた後、ハンドプレスにて十分に圧着し、負極2を得た。
(1)負極の製造
有機高分子化合物焼成体である炭素材料とバインダーとしてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを、炭素材料:バインダー=95:5(重量比)の組成となるように秤量し、バインダーをN−メチルピロリドン(NMP)に溶解した後、これに該炭素材料を加えてスラリー化したものを集電体である厚さ10μmの銅箔上にアプリケータを用いて、100μmの厚さで塗布し、これを乾燥機に入れ、NMPを除去させながら、十分に乾燥することによって負極シートを得た。この負極シートを電極打ち抜き機で直径1.5cmに打ち抜いた後、ハンドプレスにて十分に圧着し、負極2を得た。
(2)ナトリウム二次電池の製造
コインセル(宝泉株式会社製)の下側パーツの窪みに、アルミ箔を下に向けて、実施例2と同様の正極2を置き、そして非水電解液としての1MのNaClO4/プロピレンカーボネート、セパレータとしてのポリプロピレン多孔質膜(厚み20μm)、および負極2を組み合わせて、ナトリウム二次電池4を作製した。なお、試験電池の組み立てはアルゴン雰囲気のグローブボックス内で行った。
コインセル(宝泉株式会社製)の下側パーツの窪みに、アルミ箔を下に向けて、実施例2と同様の正極2を置き、そして非水電解液としての1MのNaClO4/プロピレンカーボネート、セパレータとしてのポリプロピレン多孔質膜(厚み20μm)、および負極2を組み合わせて、ナトリウム二次電池4を作製した。なお、試験電池の組み立てはアルゴン雰囲気のグローブボックス内で行った。
ナトリウム二次電池4を用いて、比較例1と同様の条件で定電流充放電試験を実施した。このナトリウム二次電池4について、定電流充放電試験を行った結果、2サイクル目の放電容量に対する10サイクル目の放電容量(放電容量維持率)は、108%であり、また、その後、さらに10サイクル(11サイクル〜20サイクル)行ったところ、2サイクル目の放電容量に対する20サイクル目の放電容量(放電容量維持率)は、107%であり、いずれも100%を超える極めて高い値であった。
また、上記の20回定電流充放電を行った後のナトリウム二次電池4について、さらに、次の条件での充放電加速試験(21サイクル〜500サイクル)を実施した。
充放電加速試験条件:
充電を、4.0Vまで1.0Cレート(1時間で完全充電する速度)でCC充電を行った。放電は、該充電速度と同じ速度でCC放電を行い電圧1.5Vでカットオフした。この1.OCレートの定電流充放電試験を19回繰り返した後、4.0Vまで0.1Cレート(10時間で完全充電する速度)でCC充電を行い、該充電速度と同じ速度でCC放電を行い電圧1.5Vでカットオフする0.1Cレートの定電流充放電試験を1回行った。前記1.0Cレート19回と0.1Cレート1回からなる計20回の定電流充放電試験を24回繰り返して(合計480回)、充放電加速試験を行った。
充放電加速試験条件:
充電を、4.0Vまで1.0Cレート(1時間で完全充電する速度)でCC充電を行った。放電は、該充電速度と同じ速度でCC放電を行い電圧1.5Vでカットオフした。この1.OCレートの定電流充放電試験を19回繰り返した後、4.0Vまで0.1Cレート(10時間で完全充電する速度)でCC充電を行い、該充電速度と同じ速度でCC放電を行い電圧1.5Vでカットオフする0.1Cレートの定電流充放電試験を1回行った。前記1.0Cレート19回と0.1Cレート1回からなる計20回の定電流充放電試験を24回繰り返して(合計480回)、充放電加速試験を行った。
上記の20回定電流充放電を行った後のナトリウム二次電池4について、上記の充放電加速試験を行ったところ、2サイクル目の放電容量に対する500サイクル目の放電容量(放電容量維持率)は、96%であり、極めて高い値であった。
上記の500回定電流充放電を行った後のナトリウム二次電池4について、さらに、上記の1.0Cレート19回と0.1Cレート1回からなる計20回の定電流充放電試験を25回繰り返して(合計500回)、充放電加速試験を行った。その結果、2サイクル目の放電容量に対する1000サイクル目の放電容量(放電容量維持率)は、80%であり、極めて高い値であった。
実施例4
(1)正極の製造
金属含有化合物としての、炭酸ナトリウム(Na2CO3:和光純薬工業株式会社製:純度99.8%)、酸化マンガン(IV)(MnO2:株式会社高純度化学研究所製:純度99.9%)、酸化鉄(II、III)(Fe3O4:株式会社高純度化学研究所製:純度99%)、および酸化ニッケル(II)(NiO:株式会社高純度化学研究所製:純度99%)を、Na:Mn:Fe:Niのモル比が0.8:0.333:0.333:0.333となるように秤量し、乾式ボールミルで4時間にわたって混合して、金属含有化合物の混合物を得た。得られた金属含有化合物の混合物を、アルミナボートに充填し、電気炉を用いて空気雰囲気において加熱して800℃で2時間にわたって保持することによって、複合金属酸化物E3を得た。複合金属酸化物E3、導電材としてのアセチレンブラック(電気化学工業株式会社製)、およびバインダーとしてのPVDF(株式会社クレハ製、PolyVinylideneDiFluoridePolyflon)を、複合金属酸化物E3:導電材:バインダー=85:10:5(重量比)の組成となるようにそれぞれ秤量した。その後、まず複合金属酸化物とアセチレンブラックをメノウ乳鉢で十分に混合し、この混合物に、N−メチル−2−ピロリドン(NMP:東京化成工業株式会社製)を適量加え、さらにPVDFを加えて引き続き均一になるように混合して、スラリー化した。得られたスラリーを、集電体である厚さ40μmのアルミ箔上に、アプリケータを用いて100μmの厚さで塗布し、これを乾燥機に入れ、NMPを除去させながら、十分に乾燥することによって正極シート3を得た。この正極シート3を電極打ち抜き機で直径1.5cmに打ち抜いた後、ハンドプレスにて十分に圧着し、正極3を得た。
(1)正極の製造
金属含有化合物としての、炭酸ナトリウム(Na2CO3:和光純薬工業株式会社製:純度99.8%)、酸化マンガン(IV)(MnO2:株式会社高純度化学研究所製:純度99.9%)、酸化鉄(II、III)(Fe3O4:株式会社高純度化学研究所製:純度99%)、および酸化ニッケル(II)(NiO:株式会社高純度化学研究所製:純度99%)を、Na:Mn:Fe:Niのモル比が0.8:0.333:0.333:0.333となるように秤量し、乾式ボールミルで4時間にわたって混合して、金属含有化合物の混合物を得た。得られた金属含有化合物の混合物を、アルミナボートに充填し、電気炉を用いて空気雰囲気において加熱して800℃で2時間にわたって保持することによって、複合金属酸化物E3を得た。複合金属酸化物E3、導電材としてのアセチレンブラック(電気化学工業株式会社製)、およびバインダーとしてのPVDF(株式会社クレハ製、PolyVinylideneDiFluoridePolyflon)を、複合金属酸化物E3:導電材:バインダー=85:10:5(重量比)の組成となるようにそれぞれ秤量した。その後、まず複合金属酸化物とアセチレンブラックをメノウ乳鉢で十分に混合し、この混合物に、N−メチル−2−ピロリドン(NMP:東京化成工業株式会社製)を適量加え、さらにPVDFを加えて引き続き均一になるように混合して、スラリー化した。得られたスラリーを、集電体である厚さ40μmのアルミ箔上に、アプリケータを用いて100μmの厚さで塗布し、これを乾燥機に入れ、NMPを除去させながら、十分に乾燥することによって正極シート3を得た。この正極シート3を電極打ち抜き機で直径1.5cmに打ち抜いた後、ハンドプレスにて十分に圧着し、正極3を得た。
(2)ナトリウム二次電池の製造
コインセル(宝泉株式会社製)の下側パーツの窪みに、アルミ箔を下に向けて、正極3を置き、そして非水電解液としての1MのNaClO4/プロピレンカーボネート、セパレータとしてのポリプロピレン多孔質膜(厚み20μm)、および実施例3と同様の負極2を組み合わせて、ナトリウム二次電池5を作製した。なお、試験電池の組み立てはアルゴン雰囲気のグローブボックス内で行った。
コインセル(宝泉株式会社製)の下側パーツの窪みに、アルミ箔を下に向けて、正極3を置き、そして非水電解液としての1MのNaClO4/プロピレンカーボネート、セパレータとしてのポリプロピレン多孔質膜(厚み20μm)、および実施例3と同様の負極2を組み合わせて、ナトリウム二次電池5を作製した。なお、試験電池の組み立てはアルゴン雰囲気のグローブボックス内で行った。
ナトリウム二次電池5を用いて、比較例1と同様の条件で定電流充放電試験を実施した。このナトリウム二次電池5について、定電流充放電試験を行った結果、2サイクル目の放電容量に対する10サイクル目の放電容量(放電容量維持率)は、105%と極めて高く、100%を超える値であった。また、ナトリウム二次電池5について、さらにサイクルを重ねても、前述のナトリウム二次電池4の場合と同様の効果を得ることができる。
実施例5
(1)正極の製造
Na:Mn:Fe:Niのモル比が0.9:0.333:0.333:0.333となる量で金属含有化合物を用いた以外は、実施例4と同様にして、実施例5の複合金属酸化物E4を得た。実施例5の複合金属酸化物E4をナトリウム二次電池用の正極活物質として用いて、実施例4と同様にして、正極シート4を得た。この正極シート4を電極打ち抜き機で直径1.5cmに打ち抜いた後、ハンドプレスにて十分に圧着し、正極4を得た。
(1)正極の製造
Na:Mn:Fe:Niのモル比が0.9:0.333:0.333:0.333となる量で金属含有化合物を用いた以外は、実施例4と同様にして、実施例5の複合金属酸化物E4を得た。実施例5の複合金属酸化物E4をナトリウム二次電池用の正極活物質として用いて、実施例4と同様にして、正極シート4を得た。この正極シート4を電極打ち抜き機で直径1.5cmに打ち抜いた後、ハンドプレスにて十分に圧着し、正極4を得た。
(2)ナトリウム二次電池の製造
実施例5の正極4を用いて、実施例4と同様にして、ナトリウム二次電池6を作製した。なお、試験電池の組み立てはアルゴン雰囲気のグローブボックス内で行った。
実施例5の正極4を用いて、実施例4と同様にして、ナトリウム二次電池6を作製した。なお、試験電池の組み立てはアルゴン雰囲気のグローブボックス内で行った。
ナトリウム二次電池6を用いて、比較例1と同様の条件で定電流充放電試験を実施した。このナトリウム二次電池6について、定電流充放電試験を行った結果、2サイクル目の放電容量に対する10サイクル目の放電容量(放電容量維持率)は、105%と極めて高く、100%を超える値であった。また、ナトリウム二次電池6について、さらにサイクルを重ねても、前述のナトリウム二次電池4の場合と同様の効果を得ることができる。
製造例2(積層多孔質フィルムの製造)
(1)耐熱多孔層用塗工液の製造
NMP4200gに塩化カルシウム272.7gを溶解した後、パラフェニレンジアミン132.9gを添加して完全に溶解させた。得られた溶液に、テレフタル酸ジクロライド243.3gを徐々に添加して重合し、パラアラミドを得て、さらにNMPで希釈して、濃度2.0重量%のパラアラミド溶液を得た。得られたパラアラミド溶液100gに、第1のアルミナ粉末2g(日本アエロジル社製、アルミナC,平均粒子径0.02μm)と第2のアルミナ粉末2g(住友化学株式会社製スミコランダム、AA03、平均粒子径0.3μm)とをフィラーとして計4g添加して混合し、ナノマイザーで3回処理し、さらに1000メッシュの金網で濾過、減圧下で脱泡して、耐熱多孔層用スラリー状塗工液を製造した。パラアラミドおよびアルミナ粉末の合計重量に対するアルミナ粉末(フィラー)の重量は、67重量%となる。
(1)耐熱多孔層用塗工液の製造
NMP4200gに塩化カルシウム272.7gを溶解した後、パラフェニレンジアミン132.9gを添加して完全に溶解させた。得られた溶液に、テレフタル酸ジクロライド243.3gを徐々に添加して重合し、パラアラミドを得て、さらにNMPで希釈して、濃度2.0重量%のパラアラミド溶液を得た。得られたパラアラミド溶液100gに、第1のアルミナ粉末2g(日本アエロジル社製、アルミナC,平均粒子径0.02μm)と第2のアルミナ粉末2g(住友化学株式会社製スミコランダム、AA03、平均粒子径0.3μm)とをフィラーとして計4g添加して混合し、ナノマイザーで3回処理し、さらに1000メッシュの金網で濾過、減圧下で脱泡して、耐熱多孔層用スラリー状塗工液を製造した。パラアラミドおよびアルミナ粉末の合計重量に対するアルミナ粉末(フィラー)の重量は、67重量%となる。
(2)積層多孔質フィルムの製造および評価
多孔質フィルムとしては、ポリエチレン製多孔質フィルム(膜厚12μm、透気度140秒/100cc、平均孔径0.1μm、空孔率50%)を用いた。厚み100μmのPETフィルムの上に上記ポリエチレン製多孔質フィルムを固定し、テスター産業株式会社製バーコーターにより、該多孔質フィルムの上に耐熱多孔層用スラリー状塗工液を塗工した。PETフィルム上の塗工された該多孔質フィルムを一体にしたまま、貧溶媒である水中に浸漬させ、パラアラミド多孔質膜(耐熱多孔層)を析出させた後、溶媒を乾燥させて、PETフィルムをはがして、耐熱多孔層と多孔質フィルムとが積層された積層多孔質フィルムを得た。積層多孔質フィルムの厚みは16μmであり、パラアラミド多孔質膜(耐熱多孔層)の厚みは4μmであった。積層多孔質フィルムの透気度は180秒/100cc、空孔率は50%であった。積層多孔質フィルムにおける耐熱多孔層の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察をしたところ、0.03μm〜0.06μm程度の比較的小さな微細孔と0.1μm〜1μm程度の比較的大きな微細孔とを有することがわかった。なお、積層多孔質フィルムの評価は、以下の(A)〜(C)のようにして行った。
多孔質フィルムとしては、ポリエチレン製多孔質フィルム(膜厚12μm、透気度140秒/100cc、平均孔径0.1μm、空孔率50%)を用いた。厚み100μmのPETフィルムの上に上記ポリエチレン製多孔質フィルムを固定し、テスター産業株式会社製バーコーターにより、該多孔質フィルムの上に耐熱多孔層用スラリー状塗工液を塗工した。PETフィルム上の塗工された該多孔質フィルムを一体にしたまま、貧溶媒である水中に浸漬させ、パラアラミド多孔質膜(耐熱多孔層)を析出させた後、溶媒を乾燥させて、PETフィルムをはがして、耐熱多孔層と多孔質フィルムとが積層された積層多孔質フィルムを得た。積層多孔質フィルムの厚みは16μmであり、パラアラミド多孔質膜(耐熱多孔層)の厚みは4μmであった。積層多孔質フィルムの透気度は180秒/100cc、空孔率は50%であった。積層多孔質フィルムにおける耐熱多孔層の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察をしたところ、0.03μm〜0.06μm程度の比較的小さな微細孔と0.1μm〜1μm程度の比較的大きな微細孔とを有することがわかった。なお、積層多孔質フィルムの評価は、以下の(A)〜(C)のようにして行った。
(A)厚み測定
積層多孔質フィルムの厚み、多孔質フィルムの厚みは、JIS規格(K7130−1992)に従い、測定した。また、耐熱多孔層の厚みとしては、積層多孔質フィルムの厚みから多孔質フィルムの厚みを差し引いた値を用いた。
(B)ガーレー法による透気度の測定
積層多孔質フィルムの透気度は、JIS P8117に基づいて、株式会社安田精機製作所製のデジタルタイマー式ガーレー式デンソメータで測定した。
(C)空孔率
得られた積層多孔質フィルムのサンプルを一辺の長さ10cmの正方形に切り取り、重量W(g)と厚みD(cm)を測定した。サンプル中のそれぞれの層の重量(Wi(g))を求め、Wiとそれぞれの層の材質の真比重(真比重i(g/cm3))とから、それぞれの層の体積を求めて、次式より空孔率(体積%)を求めた。
空孔率(体積%)=100×{1−(W1/真比重1+W2/真比重2+・・+Wn/真比重n)/(10×10×D)}
積層多孔質フィルムの厚み、多孔質フィルムの厚みは、JIS規格(K7130−1992)に従い、測定した。また、耐熱多孔層の厚みとしては、積層多孔質フィルムの厚みから多孔質フィルムの厚みを差し引いた値を用いた。
(B)ガーレー法による透気度の測定
積層多孔質フィルムの透気度は、JIS P8117に基づいて、株式会社安田精機製作所製のデジタルタイマー式ガーレー式デンソメータで測定した。
(C)空孔率
得られた積層多孔質フィルムのサンプルを一辺の長さ10cmの正方形に切り取り、重量W(g)と厚みD(cm)を測定した。サンプル中のそれぞれの層の重量(Wi(g))を求め、Wiとそれぞれの層の材質の真比重(真比重i(g/cm3))とから、それぞれの層の体積を求めて、次式より空孔率(体積%)を求めた。
空孔率(体積%)=100×{1−(W1/真比重1+W2/真比重2+・・+Wn/真比重n)/(10×10×D)}
上記実施例において、セパレータとして、製造例により得られた積層多孔質フィルムを用いれば、熱破膜をより防ぐことのできるナトリウム二次電池を得ることができる。
Claims (7)
- NaおよびM1(ここで、M1はMn、Fe、CoおよびNiからなる群より選ばれる2種以上の元素を表す。)を含み、Na:M1のモル比が、a:1(ここで、aは0.5を超え1未満の範囲の値である。)である複合金属酸化物を含有する正極と、
Naイオンを吸蔵および脱離することのできる炭素材料を含有する負極と、
電解質と、
を有するナトリウム二次電池。 - セパレータを更に有する請求項1記載のナトリウム二次電池。
- セパレータが、耐熱樹脂を含有する耐熱多孔層と熱可塑性樹脂を含有する多孔質フィルムとが積層されてなる積層多孔質フィルムを有するセパレータである請求項2記載のナトリウム二次電池。
- 複合金属酸化物が、以下の式(1)で表される請求項1〜3のいずれかに記載のナトリウム二次電池。
NaaM1O2 (1)
(ここで、M1およびaのそれぞれは、前記と同じ意味を有する。) - M1が、少なくともMnを含む請求項1〜4のいずれかに記載のナトリウム二次電池。
- M1が、MnおよびCoを表す請求項1〜5のいずれかに記載のナトリウム二次電池。
- aが、0.6以上0.9以下の範囲の値である請求項1〜6のいずれかに記載のナトリウム二次電池。
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130416 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20131001 |