[go: up one dir, main page]

JP2009209852A - エンジンのアイドル制御装置 - Google Patents

エンジンのアイドル制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009209852A
JP2009209852A JP2008055192A JP2008055192A JP2009209852A JP 2009209852 A JP2009209852 A JP 2009209852A JP 2008055192 A JP2008055192 A JP 2008055192A JP 2008055192 A JP2008055192 A JP 2008055192A JP 2009209852 A JP2009209852 A JP 2009209852A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
intake system
value
command value
response
response characteristic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008055192A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5024123B2 (ja
Inventor
Hideaki Yonezawa
秀明 米澤
Hideo Nakamura
英夫 中村
Kazuhiko Tazoe
和彦 田添
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2008055192A priority Critical patent/JP5024123B2/ja
Publication of JP2009209852A publication Critical patent/JP2009209852A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5024123B2 publication Critical patent/JP5024123B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】アイドル時の基準点火時期を最適点火時期に設定したときでも、アイドル制御の安定性を確保することを目的とする。
【解決手段】本発明は、車両の運転状態に応じて、制御対象に対する入力の基本指令値を演算する手段(121)と、吸気系の応答特性の逆系と、吸気系の規範応答と、を含み、基本指令値に基づいて位相補償値を演算する手段(123)と、位相補償値に応じて、エンジンの吸入空気量を制御する手段と、基本指令値と吸気系の規範応答とに基づいて、規範指令値を演算する手段(122)と、基本指令値と規範指令値との偏差をトルク補正値とする手段(125)と、トルク補正値に応じて、エンジンの点火時期を制御する手段と、トルク補正値が正値のときは吸気系の規範応答を速い応答特性に切り替え、トルク補正値が負値のときは吸気系の規範応答を遅い応答特性に切り替える手段(124)と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明はエンジンのアイドル制御装置に関する。
従来のエンジンのアイドル制御装置として、補機類や外乱等に起因するエンジン負荷の変化によってエンジン回転速度が変動したときに、吸入空気量及び点火時期を制御して、エンジン回転速度を目標アイドル回転速度に収束させるものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−138300号公報
しかしながら、前述した従来のエンジンのアイドル制御装置は、エンジン回転速度を目標アイドル回転速度に一致させるためのトルク指定値のうち、吸気系の応答遅れによるトルク指令値の不足分を、応答の速い点火時期で補償して、エンジン回転速度を目標アイドル回転速度に収束させるというものであった。
アイドル時の基準点火時期を最大トルクが得られる最適点火時期(MBT;Minimum Advance for Best Torque)に設定すると、点火時期を進角又は遅角させても、トルクを増加させることはできない。そのため、アイドル時の基準点火時期を最適点火時期に設定すると、点火時期によるトルク減少補正はできるが、トルク増加補正はできない。よって、アイドル制御の安定性が悪化するという問題点があった。
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、アイドル時の基準点火時期を最適点火時期に設定したときでも、アイドル制御の安定性を確保することを目的とする。
本発明は以下のような解決手段によって、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするため、本発明の実施形態に対応する符号を付するが、これに限定されるものではない。
本発明は、エンジン(1)のアイドル制御装置であって、車両の運転状態に応じて、制御対象に対する入力の基本指令値を演算する目標値演算手段(121、S31)と、吸気系の応答特性Gp(s)の逆系と、吸気系の規範応答Gm(s)と、を含み、前記基本指令値に基づいて位相補償値を演算する動特性補償手段(123、S35)と、前記位相補償値に応じて、エンジンの吸入空気量を制御する吸入空気量制御手段(140)と、前記基本指令値と前記吸気系の規範応答Gm(s)とに基づいて、規範指令値を演算する規範指令値演算手段(122)と、前記基本指令値と前記規範指令値との偏差をトルク補正値とするトルク補正値演算手段(125、S35)と、前記トルク補正値に応じて、エンジンの点火時期を制御する点火時期制御手段(130)と、前記トルク補正値が正値のときは前記吸気系の規範応答Gm(s)を速い応答特性に切り替え、前記トルク補正値が負値のときは前記吸気系の規範応答Gm(s)を遅い応答特性に切り替える応答特性切り替え手段(124、S33、S34)と、を備えることを特徴とする。
点火時期制御によるトルク補正が可能な領域では、吸気系の応答特性が飽和しないように吸気系の規範応答特性を遅くして、吸気系の応答遅れによるトルク不足分を応答の速い点火時期制御で補償をすることができる。一方で、点火時期制御によるトルク補正が不可能な領域では、吸気系の規範応答特性を速くすることで、点火時期制御による依存度を小さくすることができる。
そのため、アイドル時の基準点火時期を最適点火時期に設定した場合であっても、エンジンの回転速度変動を抑制することができ、安定したアイドル制御を実施することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態によるエンジンのアイドル制御装置の概略構成図である。
エンジン1は、シリンダブロック2と、その頂部を覆うシリンダヘッド3とを備える。
シリンダブロック2には、複数のシリンダ2aが形成される。なお、図1では図面の煩雑を防止し、発明の理解を容易にするために1つのシリンダ2aを記載した。シリンダ2aには、ピストン4が摺動自在に嵌合する。これらシリンダブロック2とシリンダヘッド3とピストン4とによって、ペントルーフ形の燃焼室5が区画形成される。燃焼室5の頂壁中心には、点火栓6が配設される。
シリンダヘッド3には、燃焼室5の頂壁に開口する吸気通路20と排気通路30とが形成される。吸気通路20の開口を吸気バルブ21が開閉し、排気通路30の開口を排気バルブ31が開閉する。
吸気通路20には、上流から順にエアクリーナ22と、エアフローセンサ23と、スロットルバルブ24と、燃料噴射弁25とが設けられる。
エアクリーナ22は、空気中に含まれる異物を除去する。
エアフローセンサ23は、エンジン1に吸入される空気の流量(吸気量)を検出する。
スロットルバルブ24は、吸気マニホールド26に流入する空気の流量を調節する。スロットルバルブ24の開度は、スロットルセンサ27によって検出される。
燃料噴射弁25は、エンジン運転状態に応じて燃料を噴射する。
コントローラ40は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。コントローラ40には、上述したセンサ信号のほかにも、クランク角に基づいてエンジン回転速度を検出するエンジン回転速度センサ41、エンジン1の水温を検出するエンジン水温センサ42、アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルストロークセンサ43などの各種センサからの信号が入力される。コントローラ40は、これら各種センサからの検出信号に基づいて、燃料噴射量や点火時期などを運転状態に応じて最適に制御する。以下、コントローラ40で実行される本実施形態によるアイドル制御について説明する。
図2は、コントローラ40のアイドル制御部100について説明するブロック図である。
アイドル制御部100は、フィードフォワード補償部(以下「F/F補償部」という)110と、フィードバック補償部(以下「F/B補償部」という)120と、点火時期制御部130と、吸入空気量制御部140と、加算器150と、加算器160とを備える。
F/F補償部110には、エンジン水温、エンジン負荷及び目標エンジン回転速度が入力される。これらの入力値に基づき、F/F補償部110は、吸気系のフィードフォワードトルク指令値(以下「吸気系F/Fトルク指令値」という)TQ_FFと、点火系のフィードフォワードトルク指令値(以下「点火系F/Fトルク指令値」という)TADV_FFと、を算出する。F/F補償部110は、予めメモリ上に記憶されたマップを参照して、吸気系F/Fトルク指令値TQ_FFと、点火系F/Fトルク指令値TADV_FFとを算出する。
F/B補償部120には、目標エンジン回転速度及び実エンジン回転速度が入力される。F/B補償部120は、これらの入力値に基づいて、実エンジン回転速度を目標回転速度に一致させるための、吸気系のフィードバックトルク指令値(以下「吸気系F/Bトルク指令値」という)TQ_FBと、点火系のフィードバックトルク指令値(以下「点火系F/Bトルク指令値」という)TADV_FBと、を算出する。F/B補償部120の詳細は、図3を参照して後述する。
加算器150は、以下の(1)式によって点火系トルク指令値TADVを算出する。
Figure 2009209852
加算器160は、以下の(2)式によって吸気系トルク指令値TQを算出する。
Figure 2009209852
点火時期制御部130には、点火系トルク指令値TADVが入力される。点火時期制御部130は、点火系トルク指令値TADVに応じて目標点火時期を算出し、その目標点火時期となるように、点火栓6の点火時期を制御する。
吸入空気量制御部140には、吸気系トルク指令値TQが入力される。吸入空気量制御部140は、吸気系トルク指令値TQに応じて目標スロットル開度を算出し、その目標スロットル開度に一致するように、スロットルバルブ24を制御する。
図3は、F/B補償部120の詳細を示すブロック図である。
F/B補償部120は、F/B制御部121と、吸気系トルク規範値演算部122と、位相補償部123と、正負符号判断部124と、減算器125と、を備える。
F/B制御部121は、目標エンジン回転速度と実エンジン回転速度との偏差に対して、以下の(3)式のF/B補償を施し、F/Bトルク指令値TFBを算出する。(3)式は、実際にはタスティン近似等で離散化して得られた漸化式を用いて算出される。(3)式中の制御定数Kp、Ki、Kdや1次の近似微分フィルタの時定数TDIVはゲイン余裕や位相余裕を考慮して決定される。
Figure 2009209852
吸気系トルク規範値演算部122は、F/Bトルク指令値TFBを入力とし、以下の(4)式に示す吸気系の規範モデルの伝達関数(規範応答特性)Gm(s)を用いて吸気系トルク規範値を算出する。(4)式中の時定数Trefの決定方法については後で詳述するが、正負符号判断部の判断結果に基づいて決定される。
Figure 2009209852
減算器125は、F/Bトルク指令値TFBと、吸気系トルク規範値と、の偏差である点火系F/Bトルク指令値TADV_FBを算出する((5)式参照)。
Figure 2009209852
位相補償器123は、F/Bトルク指令値TFBを入力とし、吸気系の規範モデルの伝達関数Gm(s)と、(6)式に示す吸気系の応答特性を示す伝達関数Gp(s)の逆系の積と、で構成されたフィルタによって位相補償を施し、吸気系トルク指令値TQ_FBを算出する((7)式参照)。(6)式中の時定数Tqaについては図4を参照して後述する。
Figure 2009209852
Figure 2009209852
正負符号判断部124は、遅延演算子126から出力された点火系F/Bトルク指令値の前回値TADV_FBZの符号が正か負かを判定する。
ここで、点火系F/Bトルク指令値の前回値TADV_FBZが正のときは(TADV_FBZ≧0)、吸気系トルク規範値演算部122及び位相補償器123において、吸気系の規範応答特性を速い応答特性とするため、伝達関数Gm(s)の時定数TrefをTref=Tfastとする。
一方で、点火系F/Bトルク指令値の前回値TADV_FBZが負のときは(TADV_FBZ<0)、吸気系トルク規範値演算部及び位相補償器において、吸気系の規範応答特性を遅い応答特性とするため、伝達関数Gm(s)の時定数TrefをTref=Tslow(>Tfast)とする。
以下では、このように点火系F/Bトルク指令値の前回値TADV_FBZの正負に基づいて伝達関数Gm(s)の時定数Trefを切り替える理由について説明する。
前述したようにアイドル時の基準点火時期を最大トルクが得られる最適点火時期(MBT)に設定したときには、点火時期を進角又は遅角させても、トルクを増加させることはできない。つまり、点火時期を制御することによって、トルクを減少させることはできるが、トルクを増加させることはできない。そして、最適点火時期からの進角補正はノッキングのおそれがあるため、実際には、点火時期の遅角によるトルク減少補正しかすることができない。
また、スロットルバルブ24を制御してから、その変化分の空気が吸入されてトルクを発生するまでに時間がかかるため、スロットルバルブ24をステップで動かしても、トルクがステップで立ち上がることはない。つまり、吸気系の応答特性の立ち上がり速度には飽和特性がある。したがって、吸気系の規範応答特性に一致させた吸気系の応答特性が飽和すると、制御が不安定になりやすい。
そのため、点火時期制御によるトルク補正が可能な領域では、吸気系の応答特性が飽和しない程度に吸気系の規範応答特性を遅くして、できるだけ点火時期制御による補償をすることが望ましい。
一方で、点火時期制御によるトルク補正が不可能な領域では、吸気系の応答特性が飽和してもかまわないので、吸気系の規範応答特性を速くして、できるだけ点火時期制御による依存度を小さくすることが望ましい。
そこで、本実施形態では、点火系F/Bトルク指令値の前回値TADV_FBZが正のとき、すなわち点火時期制御によるトルク増加補正が要求されているときは、吸気系の規範応答特性を速い応答特性として、点火時期制御に対する依存度を小さくしている。
一方で、点火系F/Bトルク指令値の前回値TADV_FBZが負のとき、すなわち点火時期制御によるトルク減少補正が要求されているときは、吸気系の規範応答特性を遅い応答特性として、応答の速い点火時期制御に対する依存度を大きくしている。
図4は、吸気系の応答特性を示す伝達関数Gp(s)の時定数Tqaを設定するためのテーブルである。
スロットルバルブ24を制御してから、その変化分の空気がシリンダ内に吸入されてトルクを発生させるまでには時間がかかる。そして、この時間はエンジン1の運転状態によって変化する。
そこで、本実施形態では、図4に示すように、エンジン回転速度が速いときほど、時定数Tqaが小さくなるように設定する。すなわち、エンジン回転速度が速いときほど、吸気系の応答特性が速くなるように設定する。
これにより、吸気系の応答特性Gp(s)と、実際の応答特性との不一致を防止することができるので、アイドル制御の安定性を向上させることができる。
図5は、本実施形態によるアイドル制御を説明するフローチャートである。コントローラ40は、このルーチンをエンジン運転中に所定の演算周期で繰り返し実行する。
ステップS1において、コントローラ40は、エンジンの運転状態がアイドル運転状態であるか否かを判定する。具体的にはアクセルストロークセンサ43からの入力信号に基づいて、アクセルペダルが踏み込まれている否かを判定する。コントローラ40は、アクセルペダルが踏み込まれていなければアイドル運転状態と判定して、ステップS2に処理を移行する。一方で、アクセルペダルが踏み込まれていれば、今回の処理を終了する。
ステップS2において、コントローラ40は、吸気系F/Fトルク指令値TQ_FFと、点火系F/Fトルク指令値TADV_FFと、を算出する。具体的には、エンジン水温、エンジン負荷及び目標エンジン回転速度に応じ、予めメモリ上に記憶したマップを参照することによって算出する。
ステップS3において、コントローラ40は、吸気系F/Bトルク指令値TQ_FBと、点火系F/Bトルク指令値TADV_FBと、を算出する。具体的な内容は図6を参照して後述する。
ステップS4において、コントローラ40は、吸気系トルク指令値TQと、点火系トルク指令値TADVと、を算出する。
図6は、F/B補償部120の演算処理を説明するフローチャートである。
ステップS31において、コントローラ40は、エンジン回転速度を目標エンジン回転速度に一致させるためのF/Bトルク指令値TFBを算出する。
ステップS32において、コントローラ40は、点火系F/Bトルク指令値の前回値TADV_FBZの符号が正か否かを判定する。コントローラ40は、点火系F/Bトルク指令値の前回値TADV_FBZの符号が正であれば(TADV_FBZ≧0)、ステップS33に処理を移行する。一方で、点火系F/Bトルク指令値の前回値TADV_FBZの符号が負であれば(TADV_FBZ<0)、ステップS34に処理を移行する。
ステップS33において、コントローラ40は、吸気系の規範応答特性を速い応答特性とするため、時定数TrefをTref=Tfastとする。
ステップS34において、コントローラ40は、吸気系の規範応答特性を遅い応答特性とするため、時定数TrefをTref=Tslow(>Tfast)とする。
ステップS35において、コントローラ40は、吸気系F/Bトルク指令値TQ_FBと、点火系F/Bトルク指令値TADV_FBと、を算出する。
図7は、本実施形態によるアイドル制御について説明するタイムチャートである。発明の理解を容易にするため、従来例を破線で示す。以下、図6のフローチャートとの対応を明確にするため、フローチャートのステップ番号を併記して説明する。
時刻t1で、エンジンに負荷トルクが入力され(図7(A))、エンジン回転速度が低下すると(図7(B))、コントローラ40は、エンジン回転速度を目標アイドル回転速度へ一致させるべく、本実施形態によるアイドル制御を実行する。
時刻t1からt2までは、減算器125から出力される点火系F/Bトルク指令値TADV_FBが正の値となっている(図7(F);S32でYes)。したがって、コントローラ40は、吸気系トルク規範値演算部122及び位相補償器123において、吸気系の規範応答特性を速い応答特性とするため、伝達関数Gm(s)の時定数TrefをTref=Tfastとする(図7(G);S33)。
なお、点火系F/Bトルク指令値TADV_FBが正の値ということは、点火時期制御によるトルク増加補正が要求されているということだが、アイドル時の基準点火時期は最大トルクが得られる最適点火時期に設定されている。したがって、コントローラ40は点火時期の補正を実施しない(図7(E))。
このように、点火時期制御ができないときは、吸気系の規範応答特性を速い応答特性とすることで、従来例と比べてエンジン回転速度の低下を抑制することができる(図7(B))。
時刻t2からt3までは、加算器から出力される点火系F/Bトルク指令値TADV_FBが負の値となっている(図7(F);S32でNo)。したがって、コントローラ40は、吸気系トルク規範値演算部122及び位相補償器123において、吸気系の規範応答特性を遅い応答特性とするため、伝達関数Gm(s)の時定数TrefをTref=Tslowとする(図7(G);S34)。
また、点火系F/Bトルク指令値TADV_FBが負の値ということは、点火時期制御によるトルク減少補正が要求されているということである。したがってコントローラ40は、点火時期を遅角補正する(図7(E))。
このように、点火時期制御ができるときは、吸気系の応答遅れによるトルク不足分を応答の速い点火時期制御で補償することができる。その結果、全体としてエンジン回転速度の低下を抑え、振動も小さくできる(図7(B))。
時刻t3からt4までは、前述した時刻t1からt2までと同じことが実施されているため説明を省略する。同じく時刻t4からt5までは、前述した時刻t2からt3までと同じことが実施されているため説明を省略する。
以上説明した本実施形態によれば、吸気系へのトルク指令値に位相進み補償を施すことによって、吸気系の応答を吸気系の規範モデルの伝達関数(規範応答特性)Gm(s)に一致させる。その上で、吸気系の応答遅れによるトルク不足分を点火系へのトルク指令値として配分する。そして、点火系へのトルク指令値の正負符号に基づいて、吸気系の規範応答特性Gm(s)を切り替える。
具体的には、点火系へのトルク指令値が正の場合は、規範応答特性Gm(s)を速い応答特性に切り替え、点火時期制御に対する依存度を小さくする。一方で、点火系へのトルク指令値が負の場合は、規範応答特性Gm(s)を遅い応答特性に切り替え、応答の速い点火時期制御の依存度を大きくする。
これにより、点火時期制御によるトルク補正が可能な領域では、吸気系の応答特性が飽和しない程度に吸気系の規範応答特性を遅くして、吸気系の応答遅れによるトルク不足分を応答の速い点火時期制御で補償をすることができる。一方で、点火時期制御によるトルク補正が不可能な領域では、吸気系の規範応答特性を速くすることで、点火時期制御による依存度を小さくすることができる。
その結果、アイドル時の基準点火時期を最適点火時期に設定した場合であっても、エンジン1の回転速度変動を抑制することができ、安定したアイドル制御を実施することができる。
また、吸気系の応答特性を示す伝達関数Gp(s)の時定数Tqaをエンジン回転速度が速いときほど小さくなるように設定した。これにより、吸気系の応答特性Gp(s)と、実際の応答特性との不一致を防止することができるので、アイドル制御の安定性をより向上させることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態によるアイドル制御について説明する。本発明の第2実施形態は、吸気系トルク規範値演算部122から出力された吸気系トルク規範値に吸気系の飽和特性を考慮してトルク変化率制限をかける点で、第1実施形態と相違する。以下、その相違点について説明する。なお、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を用いて重複する説明を適宜省略する。
図8は、本実施形態によるF/B補償部120の詳細を示すブロック図である。
トルク変化率制限部201には、吸気系トルク規範値演算部122から出力された吸気系トルク規範値が入力される。トルク変化率制限部201は、吸気系の規範応答特性に一致させた吸気系の応答特性が飽和している場合であっても、トルク変化率が一定値以上にならないように制限する。
前述したように、吸気系の応答特性の立ち上がり速度には飽和特性(トルク変化率飽和)がある。
したがって、点火時期による遅角補正が実施されているときに、吸気系の規範応答特性に一致させた吸気系の応答特性が飽和すると、コントローラは、実際に吸気系で発生するトルク以上のトルクが吸気系で発生していると認識してしまう。つまり、吸気系トルク規範値演算部122から出力された吸気系トルク規範値が実際よりも大きくなる。
そうすると、トルク変化率制限部201を設けない場合には、減算器125が、点火系のトルク指令値から吸気系が実際に発生させているトルクよりも大きい吸気系トルク規範値を引いてしまうことになる。
その結果、点火系F/Bトルク指令値が小さくなり、点火時期の遅角によるトルク減少補正が小さくなるので、エンジンの回転速度変動が大きくなってしまう。
そこで、本実施形態では、吸気系の飽和特性を考慮してトルク変化率制限部201を設け、トルク変化率制限部201の出力を減算器125への入力としたのである。
図9は、トルク変化率制限部201を設けた場合(実線)及び設けなかった場合(破線)のエンジン1の回転速度変動を示した図である。
図9に示すように、時刻t11からt12の期間において、点火時期による遅角補正が実施されている場合に、トルク変化率制限部201が設けられている本実施形態では、エンジン回転速度の上昇を抑制し回転速度変動を小さくすることができる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
例えば、第1実施形態では、吸気系の応答特性エンジン回転速度に応じて変化させたが、吸気系の応答特性は、エンジントルクやエンジン水温等に応じて変化することも考えられるので、それらに応じて変化させることにしても良い。
エンジンのアイドル制御装置の概略構成図である。 コントローラのアイドル制御部について説明するブロック図である。 第1実施形態によるF/B補償部の詳細を示すブロック図である。 吸気系の応答特性を示す伝達関数Gp(s)の時定数Tqaを設定するためのテーブルである。 第1実施形態によるアイドル制御を説明するフローチャートである。 第1実施形態によるF/B補償部の演算処理を説明するフローチャートである。 第1実施形態によるアイドル制御について説明するタイムチャートである。 第2実施形態によるF/B補償部の詳細を示すブロック図である。 トルク変化率制限部を設けた場合(実線)及び設けなかった場合(破線)のエンジンの回転速度変動を示した図である。
符号の説明
1 エンジン
121 F/B制御部(目標値演算手段)
122 吸気系トルク規範値演算部(規範指令値演算手段)
123 位相補償部(動特性補償手段)
124 正負符号判断部(応答特性切り替え手段)
125 減算器(トルク補正値演算手段)
130 点火時期制御部(点火時期制御手段)
140 吸入空気量制御部(吸入空気量制御手段)

Claims (6)

  1. エンジンのアイドル制御装置であって、
    車両の運転状態に応じて制御対象に対する入力の基本指令値を演算する目標値演算手段と、
    吸気系の応答特性Gp(s)の逆系と、吸気系の規範応答Gm(s)と、を含み、前記基本指令値に基づいて位相補償値を演算する動特性補償手段と、
    前記位相補償値に応じて、エンジンの吸入空気量を制御する吸入空気量制御手段と、
    前記基本指令値と前記吸気系の規範応答Gm(s)とに基づいて、規範指令値を演算する規範指令値演算手段と、
    前記基本指令値と前記規範指令値との偏差をトルク補正値とするトルク補正値演算手段と、
    前記トルク補正値に応じて、エンジンの点火時期を制御する点火時期制御手段と、
    前記トルク補正値が正値のときは前記吸気系の規範応答Gm(s)を速い応答特性に切り替え、前記トルク補正値が負値のときは前記吸気系の規範応答Gm(s)を遅い応答特性に切り替える応答特性切り替え手段と、
    を備えることを特徴とするエンジンのアイドル制御装置。
  2. 前記動特性補償手段は、前記吸気系の応答特性Gp(s)を、エンジンの運転状態に応じて変化する吸気系の応答特性とする
    ことを特徴とする請求項1に記載のエンジンのアイドル制御装置。
  3. 前記動特性補償手段は、エンジン回転速度が速いときほど、前記吸気系の応答特性Gp(s)を速い応答特性とする
    ことを特徴とする請求項1に記載のエンジンのアイドル制御装置。
  4. 前記応答特性切り替え手段は、前記トルク補正値が負値のとき、前記吸気系の規範応答特性Gm(s)に一致させた前記吸気系の応答特性Gp(s)が飽和しないように、その吸気系の規範応答Gm(s)を遅い応答特性に切り替える
    ことを特徴とする請求項1から3までのいずれか1つに記載のエンジンのアイドル制御装置。
  5. 前記規範指令値演算手段は、前記規範指令値の変化率が所定値以上となったときは、その所定値を規範指令値とする
    ことを特徴とする請求項1から4までのいずれか1つに記載のエンジンのアイドル制御装置。
  6. 前記所定値は、前記吸気系の応答特性Gp(s)の飽和特性に基づいて決定される
    ことを特徴とする請求項5に記載のエンジンのアイドル制御装置。
JP2008055192A 2008-03-05 2008-03-05 エンジンのアイドル制御装置 Expired - Fee Related JP5024123B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008055192A JP5024123B2 (ja) 2008-03-05 2008-03-05 エンジンのアイドル制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008055192A JP5024123B2 (ja) 2008-03-05 2008-03-05 エンジンのアイドル制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009209852A true JP2009209852A (ja) 2009-09-17
JP5024123B2 JP5024123B2 (ja) 2012-09-12

Family

ID=41183245

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008055192A Expired - Fee Related JP5024123B2 (ja) 2008-03-05 2008-03-05 エンジンのアイドル制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5024123B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09324684A (ja) * 1996-06-05 1997-12-16 Nissan Motor Co Ltd エンジンのアイドル回転数制御装置
JP2001152937A (ja) * 1999-11-25 2001-06-05 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関のアイドル回転速度制御装置
JP2001221094A (ja) * 2000-02-07 2001-08-17 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の出力制御装置
JP2002138885A (ja) * 2000-10-31 2002-05-17 Toyota Motor Corp 内燃機関のアイドル回転制御装置
JP2005171793A (ja) * 2003-12-09 2005-06-30 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の制御装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09324684A (ja) * 1996-06-05 1997-12-16 Nissan Motor Co Ltd エンジンのアイドル回転数制御装置
JP2001152937A (ja) * 1999-11-25 2001-06-05 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関のアイドル回転速度制御装置
JP2001221094A (ja) * 2000-02-07 2001-08-17 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の出力制御装置
JP2002138885A (ja) * 2000-10-31 2002-05-17 Toyota Motor Corp 内燃機関のアイドル回転制御装置
JP2005171793A (ja) * 2003-12-09 2005-06-30 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP5024123B2 (ja) 2012-09-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4315179B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP2006138300A (ja) 内燃機関のトルク制御装置
JP4930634B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JPS61157766A (ja) 内燃機関の点火時期制御方式
JP4919945B2 (ja) エンジンのスライディングモード制御による空燃比制御方法、及びその方法を備えた燃料制御装置
CN108317017A (zh) 内燃机的控制装置
JP2008215320A (ja) トルク制御装置
JP4962464B2 (ja) 圧縮着火式内燃機関の燃料噴射パラメータ適合方法及び燃料噴射制御システム
JP2019031930A (ja) 内燃機関の制御装置
JP5229116B2 (ja) 内燃機関の点火時期制御装置
JP5024123B2 (ja) エンジンのアイドル制御装置
JP6335432B2 (ja) エンジンの制御装置
JP5357848B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2006009600A (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP5077208B2 (ja) 内燃機関の点火時期制御装置
US20090084351A1 (en) Idle speed control method for controlling the idle speed of an engine with a continuous variable event and lift system and a fuel control system using the method
JP4376767B2 (ja) 内燃機関の燃料性状判定装置及び燃料制御装置
JP5678848B2 (ja) エンジンの熱効率推定装置及びエンジントルク制御装置
JP4784560B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2009138539A (ja) 内燃機関の制御装置
JP6973228B2 (ja) 内燃機関のノッキング判定装置
JP4803124B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP5056730B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2682218B2 (ja) 内燃機関のノッキング制御装置
JP4844522B2 (ja) 内燃機関の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110224

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120330

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120522

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120604

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150629

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees