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JP2009186670A - 反射防止膜 - Google Patents

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Keiki Totsune
敬喜 戸恒
Yoshinori Onoda
美紀 小野田
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Abstract

【課題】従来技術の課題を解決した反射防止膜を提供する。
【解決手段】 主成分がアルミナからなる微細凹凸構造層と、前記微細凹凸構造層を支持する少なくとも1層の薄膜層とからなり、前記薄膜層の厚さttが0.15μm<tt<1μmであり、前記微細凹凸構造層の厚さと前記薄膜層の厚さとtsの比 aが0.1≦a≦1.65であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、微細凹凸構造層とそれを支持する薄膜層とからなる反射防止膜、特に実用的な機械強度を有し、例えば、カメラ等の撮像光学系、表示デバイス等の投影光学系、画像表示装置等の観察光学系などの光学系に用いられる光学素子に好適な反射防止膜に関するものである。
近年、ディスプレイ、太陽電池、光学素子への応用を目的として、従来からの干渉による反射防止膜に代わり、波長レベルの微細構造による反射防止膜若しくは、直接表面に微細構造を加工する技術の開発が行われてきている。波長レベルの微細構造による反射防止では普通、空気界面側から基材側へ行くに従い、微細構造の占有体積が増大していくような構造を形成する事で、入射光にとっては、屈折率が空気の屈折率1から基材の屈折率に徐々に変化しているように感じられ、屈折率の異なる界面で起こる反射を抑えている。従って、微細構造はその構成単位がサブ波長レベルの大きさである事が必要であり、干渉による反射防止膜に比べ角度特性がいい、広い波長域にわたり低反射率を実現できるというメリットはある。しかし、微細凹凸構造はそのサイズが波長オーダーであり力が加わると、構造自体が崩れてしまったり、構造自体は崩れなくても倒れてしまったりするというデメリットもある。これは、光学素子などへの実用を考えた場合、人が触れる部分には使えない、素子表面が汚れてしまった後に拭き洗浄出来ない、組立工程において構造が保てないなどの問題がある。
ところで、特許文献1には、ゾルゲル法を用いて花弁状の微細凹凸構造をもつアルミナ透明薄膜の形成法が開示されており、このアルミナの微細凹凸構造は反射率の低減を可能にする。この方法では、基板上にアルミニウム-sec-ブトキシドと安定化剤であるアセト酢酸エチルの塗布液からアモルファスアルミナ膜を成膜し、乾燥・焼成してから熱水処理し、再び乾燥・焼成して花弁状アルミナ透明膜を形成している。
更に、特許文献2では、特許文献1に加えアルミナ以外にジルコニア、シリカ、チタニア、酸化亜鉛を加えることで得られる微細凹凸構造の高さの範囲を0.005〜5.0μmとし、作成できる微細凹凸構造の高さを高くして反射防止特性の向上を図っている。
これらの方法は、簡便で、且つ基板の種類を選択することが出来るため、様々な素子への適応が可能な微細凹凸構造の形成方法であり、微細凹凸構造層の強度を保つために、微細凹凸構造層の高さを規定している。
ここで、これらの方法では、アモルファスアルミナ膜を熱水により処理する事で、一度解膠作用等により熱水に溶解してから、アルミナ表層に結晶として析出・成長させて微細凹凸構造層を形成しているため、もともとのアルミナ薄膜層とその上に形成される微細凹凸構造層の2層からなっている。薄膜層は微細凹凸構造層と基板との間に位置しており、微細凹凸構造自体の強度があっても、この薄膜層に強度がないと、反射防止膜全体として機械的な強度が保てず、亀裂がはいるなどの問題が生じることがあった。
上記のように、従来技術においては広い波長域にわたり低反射率を実現できる微細凹凸構造による反射防止膜において、実用的な強度を有する微細凹凸構造を実現することは難しかった。
特開平9−202649号公報 特開2005−275372号公報
本発明は、上記のごとき従来技術の実情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上記従来技術の課題を解決した反射防止膜を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明による反射防止膜は、主成分がアルミナからなる微細凹凸構造層と、前記微細凹凸構造層を支持する少なくとも1層の薄膜層とからなり、前記薄膜層の厚さttが0.15μm<tt<1μmであり、前記微細凹凸構造層の厚さと前記薄膜層の厚さとの比 aが0.1≦a≦1.65であることを特徴とする。
本発明によれば、前記薄膜層の主成分はアルミナであることを特徴とする。
また、本発明によれば、前記薄膜層は主成分のアルミナ以外に他の金属酸化物を含んでいることを特徴とする。
また、本発明によれば、前記他の金属酸化物はBe, Cu, Ge, Gd, Hf, La, Mg, Nb, Sc, Sn, Ta, V, W, Yの1つ又はそれらの何れかの組み合わせの酸化物であることを特徴とする。
また、本発明によれば、前記金属薄膜はゾルゲル法により形成された膜であることを特徴とする。
また、本発明によれば、前記反射防止膜のヤング率が0.5Gpa以上であることを特徴とする。
本発明による光学素子は、本発明による前記反射防止膜の何れかを表面に有している。
本発明によれば、アルミナを主成分とする微細凹凸構造層とそれを支持する薄膜層からなる反射防止膜を形成して、前記薄膜層の膜厚を制御することにより、実用的な機械強度を有し、且つ広い波長域で低反射率を実現し得る反射防止膜を提供することができる。
本発明では、アルミナを主成分とする微細凹凸構造層とそれを支持する薄膜層からなる反射防止膜を形成し、この微細凹凸構造層とそれを支持する薄膜層の膜厚を制御する。
ここで、微細凹凸構造とは、その構造単位がサブ波長レベルであり、空気との界面側から基材側に対して占有体積が増大していくような構造を持っているものであれば良く、ある単位構造が繰り返されている周期構造であっても、ランダム構造であっても良い。
また薄膜層とは、前記微細凹凸構造層と基材の間に存在し、その膜厚ttが0.15μm<tt<1μmの範囲にある事が好ましい平坦な膜であり、複数層から成っていてもかまわないし、その内部に組成分布や屈折率分布があっても良い。
また、微細凹凸構造層を支持するとは、前記薄膜層が微細凹凸構造層に、微細凹凸構造層より基材側で接していている状態であること意味している。
低反射特性を持たせるためには、前記微細凹凸構造層が必須であり、アルミナの場合、例えば特許文献2に記載の方法や陽極酸化法のような方法など、形状の変化を起こし易く、微細構造を簡便に形成することが出来る方法が好ましい。
前記薄膜層の膜厚ttは、0.15μm<tt<1μmの範囲であることが望ましい。膜厚ttが0.15μm以下では、薄すぎて外部衝撃により膜に亀裂が入り易く、反射防止膜全体として充分な機械的な強度が得られない。また1μm以上では厚すぎて製膜が困難になる。蒸着やスパッタなどの物理的方法では、非常に時間が掛かかってしまうため生産性が悪くなってしまう。また、特許文献1,2に記載のようなゾルゲル法などによるウエットコーティングでは、膜に波長サイズ以上のクラックが発生し、光散乱の要因となる為、反射防止特性や透過率品質が劣化したり、例えば撮影光学系の光学素子として用いるとゴーストやフレアーの原因となったりしてしまう。
また、前記微細凹凸構造層の膜厚tsと前記薄膜層の膜厚ttとの比 a(微細膜厚 / 薄膜層膜厚)が0.1≦a≦1.65であることが望ましい。
ここでいう、薄膜層の膜厚ttとは、微細凹凸構造層を形成する前、若しくは微細構造層を取り除いた状態で直接求めたものでも良いし、微細凹凸構造層とそれを支持する薄膜層からなる膜の全体膜厚taから微細構造層の膜厚tsを引いてtt=ta−tsで求めたものでも良い。
薄膜層の膜厚ttを直接求めるには、微細凹凸構造層を形成する前、若しくは微細構造層を取り除いた状態で接触式段差計により測定する方法と、その状態で膜断面をSEMで観察して、その断面像から計測する方法を用いる。また、全体膜厚taと微細凹凸構造層の膜厚tsから求める場合には、全体膜厚taは微細凹凸構造がある膜の断面をSEMで観察して、その断面像から計測する方法を用いる。微細凹凸構造層の膜厚tsとは、膜表面に形成された凸部の山の高さと凹部の谷底点の深さの和を指し、JIS B 0601 に規定されている輪郭線の最大高さRzに相当するものであり、AFMを用いて測定できる。また、微細凹凸構造層の膜厚tsを膜の全体膜厚taと薄膜層の膜厚ttを接触式段差計やSEM観察により計測し、ts=ta−ttで求めても良い。
膜厚比aは、0.1≦a≦1.65の範囲であることが望ましい。反射防止膜の強度としては、微細凹凸構造の高さが低く、薄膜層の膜厚が厚いほど強くなるので、膜厚比aは小さいほど良いが膜厚比aが0.1より小さい場合、微細凹凸構造層が低すぎて、従来からの反射防止膜に対して優れた特性を得ることが出来ない。また、膜厚比aが1.65より大きくなるような微細凹凸構造の高さが高く崩れ易いため、実用的な機械強度が得られない。
ここでいう、実用的な機械強度があるとは、反射防止膜として光学素子につけた時に組立工程で反射防止特性が保持されればよく、光学素子そのものの自重がかかった場合や、隣接する光学素子と接触した場合に反射率の変化が少ないものを言い、BK7ガラス板を100g/cm2の加重で垂直に押しつけた時の反射率の変化で定義する。加重前に比べて反射率が50%以上高くなった場合に実用的な機械強度がないと判断する。
前記薄膜層は、微細凹凸構造を形成するための主成分がアルミナである薄膜層に加えて異なる成分を添加しても良いし、アルミナ主成分膜以外の膜が重なっていてもよい。添加もしくは重ねる膜の材料としては、反射防止膜として用いるために可視光域で透明であれば限定されないが、光学素子を基材としてコーティングする事を考えると、密着性の面から金属酸化物やプラチックなどが望ましい。特に、耐熱性・耐候性などに優れた金属酸化物が望ましく、その製膜方法としては蒸着法、スパッタ法などのドライプロセスおよびゾルゲル溶液をスピンコート法やディッピング法、ノズルフロ−コ−ト法、スプレ−法、リバ−スコ−ト法、フレキソ法、印刷法、フロ−コ−ト法、ならびにこれらの手法の併用で塗布するウエットプロセスなどを用いることが出来る。ドライプロセスでは、製膜時間などで、ウエットプロセスのスピンコートでは溶液の粘度や回転数、ディッピング法では溶液の粘度や引き上げ速度により膜厚をナノレベルで制御することが出来る。
また、蒸着法やスパッタ法などのドライプロセスの場合、多層構造を作り易い、周囲の環境変化に強いなどのメリットがあり、ゾルゲル溶液を塗布するウエットプロセスの場合、大面積や曲率を持った基材への製膜が容易であるなどのメリットがある。ここでいう、ゾルゲル溶液とは、金属アルコキシド若しくはその塩化物を加水分解・縮合重合して得られた溶液であり、その溶液中に希釈するための溶媒や各反応を制御するための触媒や安定化剤を含んでもいても良い。
前記金属酸化物としては、Al, Be, Cu, Ge, Gd, Hf, La, Mg, Nb, Sc, Sn, Ta, V, W, Y の酸化物などを単独若しくはそれらの何れかを組み合わせて用いることができ、選択する金属種により微細凹凸構造を支持する薄膜層の光学特性、機械特性、熱特性、耐候性などを制御することが可能になる。
また、反射防止膜としての機械特性を得る為には、膜材質自体の強度を上げてもよく、ヤング率が0.5GPa以上であることが望ましい。前記反射防止膜を熱処理にすることによりアルミナを緻密化することができ、高強度を得る事が出来る。熱処理温度としては、400〜600℃で処理することが好ましい。400℃よりも低い場合は充分な膜強度を有する反射防止膜を得ることができず、600℃よりも高温で処理すると基材として用いる材料が変形してしまう恐れがある。ここで、ヤング率は、MTSシステムズ製ナノインデンターにより評価することができる。
次に、ナノインデンターによる薄膜ヤング率の測定方法を説明する。ナノインデンターによる薄膜や材料の表面の硬さは、ダイヤモンドチップから成る三角錐(バーコビッチ型)の圧子を薄膜や材料の表面に押し込み、その時の圧子にかかる荷重Pと圧子の下の射影面積Aで除することで求まる。ここで得た膜の硬さを、ナノインデンター圧子のモジュラス、圧子および試料のポアソン比を関数として演算してヤング率を得る(コペルニクス Vol.11. APR. 1-3 (2002)参照)。圧子の押し込み深さは0.3μmとし、当該反射防止膜のヤング率が0.5GPa以上の場合には、光学物品の組立工程で傷などによる反射特性の不具合が発生しないことがわかった。
他にも、反射防止膜として用いるには、偏向特性を変化させないなどの特性を有していることが望ましい。
光学素子とは、レンズ、プリズム、ミラー、光ファイバなどが挙げられる。用いる光学素子の材料としては、ポリメタクリ酸エステル、ポリアクリル酸エステル、エポキシ化合物、含硫黄化合物、含芳香族化合物、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、エステル樹脂、ノボルネン系樹脂などのプラスチック、石英、ホウケイ酸ガラス、りん酸ガラス、ケイ酸ガラス、フッ化物ガラスなどのガラス、透光性セラッミクス、サファイア、蛍石などの結晶が挙げられる。また、光学素子の形状としては、フィルム状、シート状、平板状、曲面状が挙げられる。
以下、実施例及び比較例について説明する。
先ず、各実施例、比較例で得られた反射防止膜について行った評価方法について説明する。
1.膜断面観察
走査型電子顕微鏡(FE-SEM、日立製作所製S4700)を用いて反射防止膜の断面の観察を行った。
2.反射率測定
レンズ反射率測定機(USPM-RU、OLYMPUS製)を用いて、BK7ガラス平板をリファレンスとして測定した。
3.膜厚測定
触針式表面形状測定器(Dektak、Veeco製)を用いて膜厚を測定した。
4.微細凹凸構造の機械強度試験
BK7ガラス板を100g/cm2の加重で垂直に押しつけた。試験前後の反射率を上記2の方法で測定した。加重前に比べて荷重後の反射率が、50%以上高くなった場合は強度が不足していると判断、50%以内の場合は十分な強度を有していると判断した。
5.ヤング率の測定
MTSシステムズ社製ナノインデンターXPにより、ダイヤモンドチップ圧子の押し込み深さ0.3μmで測定した。
アルミニウム-sec-ブトキシド、アセト酢酸エチル(EAcAc)及び水を、それぞれ2-プロパノール(以降、IPA)に加えて約1時間室温で攪拌し、それぞれのIPA溶液とし、次いで、アルミニウム-sec-ブトキシドIPA溶液に、アセト酢酸エチルIPA溶液を加えて約30分室温で攪拌した後、更にここに水IPA溶液を加えて約30分室温で攪拌する。これをアルミゾル溶液とする。このアルミナ溶液はモル比で、アルミニウム-sec-ブトキシド:IPA:EAcAc:水 = 1: 20:1:2の割合としてある。
一方、φ22mm、厚さ2mmのBK7ガラス円板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し乾燥して、コーティング用ガラス基板とした。
次いで、コーティング用ガラス基板に、アルミナゾル溶液を25℃ 、50%R.H.下でスピンコート法(回転数4000rpm)により塗布した。これを、乾燥後、400℃ 30分で熱処理してアルミナ薄膜を得た。この膜厚を測定したところ、約0.18μmであった。
このアルミナ薄膜を90℃の熱水に30分間浸漬したのち、乾燥後、再度400℃ 30分で熱処理して反射防止膜を得た。得られた反射防止膜の断面観察画像を図1に示し、また、同反射膜の反射率の測定、断面観察、微細凹凸構造層の機械強度試験を行い、反射率と微細凹凸構造層を支持する薄膜層の膜厚、微細凹凸構造層とそれを支持する薄膜層との比を図2の表にそれぞれ示した。
実施例1と同様で、塗布のみスピンコート法(3000rpm)で塗布した。熱水処理をする前の膜厚は約0.25μmであった。得られた反射防止膜の反射率の測定、断面観察を行い、反射率と微細凹凸構造層を支持する薄膜層の膜厚、微細凹凸構造そうとそれを支持する薄膜層との比を図2の表にそれぞれに示した。
実施例1と同様で、塗布のみスピンコート法(2000rpm)で塗布した。熱水処理をする前の膜厚は約0.32μmであった。得られた反射防止膜の反射率の測定、断面観察、微細凹凸構造層の機械強度試験を行い、反射率と微細凹凸構造層を支持する薄膜層の膜厚、微細凹凸構造とそれを支持する薄膜層との比を図2の表にそれぞれ示す。
実施例1と同様で、塗布のみディッピング法(引き上げ速度 9mm/s)で塗布した。熱水処理をする前の膜厚は約0.15μmであった。得られた反射防止膜の反射率の測定、断面観察、微細凹凸構造層の機械強度試験を行い、反射率と微細凹凸構造層を支持する薄膜層の膜厚、微細凹凸構造とそれを支持する薄膜層との比を図2の表にそれぞれ示す。なお、ヤング率は0.5GPaであった。
実施例1と同様で、コーティング用ガラス基板に真空蒸着法により膜厚20nmのMgO膜をつけたものを用い、塗布をスピンコート法(3700rpm)で塗布して反射防止膜を得た。得られた反射防止膜の反射率の測定、断面観察、微細凹凸構造層の機械強度試験を行い、反射率と微細凹凸構造層を支持する薄膜層の膜厚、微細凹凸構造とそれを支持する薄膜層との比を図2の表にそれぞれ示す。
実施例4と同様で、熱水処理後500℃ 30分で熱処理して反射防止膜を得た。得られた反射防止膜の反射率の測定、断面観察、微細凹凸構造層の機械強度試験を行い、反射率と微細凹凸構造層を支持する薄膜層の膜厚、微細凹凸構造層とそれを支持する薄膜層との比を図2の表にそれぞれ示す。なお、ヤング率は0.8GPaであった。
比較例1
実施例1と同様で、塗布のみディッピング法(引き上げ速度 0.7mm/s)で行った。熱水処理をする前の膜厚は約0.05μmであった。得られた反射防止膜の反射率の測定、断面観察、微細凹凸構造層の機械強度試験を行い、反射率と微細凹凸構造層を支持する薄膜層の膜厚、微細凹凸構造層とそれを支持する薄膜層との比を図2の表にそれぞれ示す。
比較例2
実施例1と同様で、塗布のみスピンコート法(200rpm)で行った。熱水処理をする前の膜厚は約1μmであった。得られた膜には肉眼で観察可能なクラックが発生していた。
比較例3
実施例1と同様で、塗布のみディッピング法(引き上げ速度 1.5mm/s)で行った。熱水処理をする前の膜厚は約0.10μmであった。得られた反射防止膜の反射率の測定、断面観察、微細凹凸構造層の機械強度試験を行い、反射率と微細凹凸構造層を支持する薄膜層の膜厚、微細凹凸構造そうとそれを支持する薄膜層との比を図2の表にそれぞれ示す。
比較例4
実施例1と同様で、アルミナゾル溶液に、酢酸亜鉛2水和物〔Zn(CH3COO)2・2H2O 〕をIPA中に溶解させ、モノエタノールアミンを添加して調整したZnO溶液を加えた。また、この溶液をディッピング法(引き上げ速度 1.5mm/s)で塗布した。熱水処理をする前の膜厚は約0.12μmであった。得られた反射防止膜の反射率の測定、断面観察、微細凹凸構造層の機械強度試験を行い、微細凹凸構造層を支持する薄膜層の膜厚、微細凹凸構造層とそれを支持する薄膜層との比を図2の表にそれぞれ示す。
比較例5
比較例4と同様で、塗布のみディッピング法(引き上げ速度 0.7mm/s)で行った。熱水処理をする前の膜厚は約0.10μmであった。得られた反射防止膜の反射率の測定、断面観察、微細凹凸構造層の機械強度試験を行い、微細凹凸構造層を支持する薄膜層の膜厚、微細凹凸構造層とそれを支持する薄膜層との比を図2の表にそれぞれ示す。
本発明の実施例1に係る反射防止膜の断面観察画像の写真である。 本発明の各実施例および比較例の反射防止膜の各反射率、膜厚、及び微細凹凸構造層と前記膜厚との比をそれぞれ示す一覧表である。
符号の説明
ts 微細凹凸構造層の膜厚
tt 薄膜層の膜厚

Claims (7)

  1. 主成分がアルミナからなる微細凹凸構造層と、前記微細凹凸構造層を支持する少なくとも1層の薄膜層とからなり、前記薄膜層の厚さttが0.15μm<tt<1μmであり、前記微細凹凸構造層の厚さと前記薄膜層の厚さとの比 aが0.1≦a≦1.65であることを特徴とする反射防止膜。
  2. 前記薄膜層の主成分がアルミナであることを特徴とする請求項1に記載の反射防止膜。
  3. 前記薄膜層が主成分のアルミナ以外に他の金属酸化物を含んでいることを特徴とする請求項1または2に記載の反射防止膜。
  4. 前記他の金属酸化物がBe, Cu, Ge, Gd, Hf, La, Mg, Nb, Sc, Sn, Ta, V, W, Yの何れか1つ又はそれらの何れかの組み合わせの酸化物であることを特徴とする請求項3に記載の反射防止膜。
  5. 前記金属薄膜がゾルゲル法により形成された膜であることを特徴とする請求項2乃至4の何れかに記載の反射防止膜。
  6. 前記反射防止膜のヤング率が0.5GPa以上であることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の反射防止膜。
  7. 請求項1乃至6の何れかに記載の反射防止膜を有する光学素子。
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