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JP2009162145A - 排気ガス浄化用触媒装置 - Google Patents

排気ガス浄化用触媒装置 Download PDF

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久也 川端
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真明 赤峰
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Abstract

【課題】エンジン冷間時における未浄化HCの大気への排出を抑制する。
【解決手段】排気ガス通路に、ゼオライト系のHC吸着材層7と三元触媒層8,9とを備えたHC吸着型触媒4を設けるとともに、該HC吸着型触媒4より上流側の排気ガス通路に、アルカリ土類金属を含有するZr系の塩基性複合酸化物層6を配置する。
【選択図】図2

Description

本発明は排気ガス浄化用触媒装置に関する。
近年、エンジンのエミッションに関しては、エンジン冷間時におけるHC(炭化水素)の排出低減が強く望まれている。これに対して、アルミナ等に触媒金属を担持させてなる三元触媒は活性を呈するようになる温度が比較的高いことから、エンジン冷間時にエンジンから排出されるHCを十分に浄化することができない。
そこで、HC吸着材と三元触媒とを組み合わせたHC吸着型触媒が開発されている。すなわち、三元触媒が活性化していないエンジン冷間時にHC吸着材によってHCを吸着し、その後の排気ガス温度の上昇に伴ってこのHC吸着材から脱離してくるHCを三元触媒によって浄化するというものである。しかし、ゼオライトに代表されるHC吸着材は、エンジン冷間時に細孔に吸着(捕捉)したHCを三元触媒が活性化する前から脱離し始める傾向がある(HC脱離温度が高くない。)。そのため、HC吸着型触媒と云えども、そのHC浄化率は必ずしも高くはないのが現状である。
これに対して、例えば、特許文献1には、ゼオライトにアルカリ金属又はアルカリ土類金属をイオン交換によって担持させてなる中性若しくは塩基性ゼオライトは酸性ゼオライトに比べて、排気ガス温度150℃でのHC吸着能が高いこと、並びに吸着したHCの放出温度(脱離温度)を175℃以上にすること、さらには200℃以上にすることが記載されている。また、特許文献2には、ゼオライト吸着剤と、Ag、Cu、Co、Ni、SrおよびMgの少なくとも1種を含む脱離温度向上成分と、燃焼触媒活性成分とを含む触媒組成物Aと、前記ゼオライト吸着剤および燃焼触媒活性成分を含む触媒組成物Bとを備え、この触媒組成物Aと触媒組成物Bとの混合体をハニカム担体上に担持する、或いは触媒組成物Aと触媒組成物Bとをハニカム担体に積層することにより、ゼオライト吸着剤のHC脱離温度を高めること、並びにゼオライト吸着剤に上記Sr、Mg等の金属溶液を加え、均一に混合した後、乾燥・焼成を行なうことにより、該脱離温度向上成分をゼオライト吸着剤に担持させることが記載されている。
特表2000−502282号公報 特開2004−8855号公報
しかし、HC吸着材のHC脱離温度が特許文献1に記載されているような175℃ないしは200℃を超える程度では、三元触媒は未だ十分に活性を呈するには至っていないのが通常であり、未浄化HCの排出防止に関して大きな期待をすることはできない。
一方、特許文献2には、脱離温度向上成分としてSr及びMgを開示している。しかし、この特許文献2の触媒組成物Aでは、当該金属溶液をゼオライト吸着剤と混合して乾燥・焼成していることから、SrOやMgOという酸化物になっていると考えられる。このようなアルカリ土類金属の酸化物は、排気ガスの空燃比がリッチになると炭酸塩となり、その空燃比がリーンになると硝酸塩になる。すなわち、当該アルカリ土類金属は、エンジンを停止させたときの排気ガスの空燃比がリッチかリーンかによって、異なる化合物になることから、次のエンジン冷間始動時に脱離温度向上成分として有効に働かないケースが出てくると考えられる。
さらに、既に周知のことであるが、HC吸着材としてのゼオライトは嵩高いことから、このHC吸着材を含有する触媒層を担体上に形成した場合、その触媒層が厚くなる。その場合に、当該触媒層に脱離温度向上成分を混合すると、さらに層厚になり、それだけ排気ガスの流路断面積が小さくなって、エンジンの背圧が上昇し、エンジン出力低下や燃料消費率の悪化を招くことが懸念される。
そこで、本発明は、エンジン背圧の上昇を招くことなく、HC吸着材のHC脱離温度を確実に高めて、エンジン冷間時における未浄化HCの大気への排出を抑制することを課題とする。
本発明は、このような課題を解決するために、HC吸着材からHCが脱離する温度を高める成分としてZr系の塩基性複合酸化物を採用し、これを、HC吸着材と混合することなく、該HC吸着材より上流側の排気ガス通路に配置するようにした。
すなわち、本発明は、排気ガス通路にゼオライト系のHC吸着材層と三元触媒層とを備えたHC吸着型触媒が設けられている排気ガス浄化用触媒装置において、
上記HC吸着型触媒より上流側の上記排気ガス通路に、Zrを主成分とし且つアルカリ土類金属を含有するZr系の塩基性複合酸化物が配置されていることを特徴とする。
このような排気ガス浄化用触媒装置であれば、HC吸着材に吸着された後、三元触媒によって浄化されることなく排出されてしまうHC量が少なくなる。これは、上記Zr系複合酸化物がアルカリ土類金属を含有することによって強塩基性を示すためと考えられる。具体的に説明すると、このZr系の塩基性複合酸化物には、排気ガス中の二重結合を有するHCのアリル位の炭素から水素を引き抜いてカルバニオンを生成する働きがある。そして、そのHCはカルバニオンとなることによってHC吸着材(ゼオライト)の細孔内のルイス酸点(Si上)に比較的強く吸着してHC吸着材から脱離し難くなる(脱離温度が高くなる)。その結果、三元触媒が活性を呈するようになった後にHC吸着材から脱離するHCの割合が増加し、該三元触媒によって酸化浄化されるHC量が多くなる、すなわち、未浄化のまま大気に排出されるHC量が少なくなる。
この場合、重要なことは、アルカリ土類金属が単なる酸化物になっているのではなく、Zrを主成分とする複合酸化物を構成している点である。このアルカリ土類金属を含有するZr系の塩基性複合酸化物は、排気ガスの空燃比が変化してもその組成ないしは構造が変化することはない。従って、そのHC脱離温度を高める効果が排気ガスの空燃比の変化に影響されることはなく、冷間時のHC浄化性能が確実に高くなることを当該触媒装置に期待することができる。
また、重要なことは、上記Zr系の塩基性複合酸化物は、HC吸着型触媒のHC吸着材や三元触媒に混合されているのではなく、該HC吸着型触媒より上流側の排気ガス通路に配置されていることである。従って、Zr系の塩基性複合酸化物によってカルバニオン化されてHC吸着材に供給されるHC、すなわち、HC吸着材に強く吸着するHC(脱離温度が高いHC)の割合が多くなる。また、上記Zr系の塩基性複合酸化物がHC吸着型触媒より上流側に配置されているから、HC吸着材層又は三元触媒層がZr系複合酸化物のために層厚になってしまうことがなく、エンジンの背圧上昇の問題を避けることができる。
上記Zr系の塩基性複合酸化物は、上記HC吸着型触媒から排気ガス流れ方向の上流側に離間して配置することができる。例えば、上記Zr系の塩基性複合酸化物及びHC吸着型触媒各々を別個のハニカム担体に担持し、前者を排気ガス通路の上流側に、後者をその下流側に配置するという構成である。
或いは上記Zr系の塩基性複合酸化物とHC吸着型触媒とを同じハニカム担体の上流側と下流側とに配置することができる。すなわち、上記Zr系の塩基性複合酸化物をハニカム担体の排気ガス流れ方向における上流部に担持させ、上記HC吸着型触媒のHC吸着材層及び三元触媒層を該ハニカム担体の下流部に形成する構成である。
特に上述のZr系の塩基性複合酸化物及びHC吸着型触媒各々を別個のハニカム担体に担持する構成を採用すると、両者を同じハニカム担体に担持するケースに比べて、長大なハニカム担体を用意する必要がなく、また、それらの各々のハニカム担体への担持も容易になる。しかも、長大なハニカム担体を用いなくても、Zr系の塩基性複合酸化物をハニカム担体上で薄い層に形成して排気ガスとの接触を容易にすることができ、HCのカルバニオン化を図ってHC吸着材からのHC脱離温度を高める上で有利になる。
上記HC吸着材としては、β型、モルデナイト型、Y型或いはペンタシル型のゼオライトを採用することが好ましい。
上記Zr系複合酸化物のアルカリ土類金属としては、Mg、Ca、Sr及びBaのうちから少なくとも一種を選択して採用することができる。該Zr系複合酸化物のアルカリ土類金属Rの含有量は1.5原子モル%以上12原子モル%以下が好ましい。
以上のように本発明によれば、排気ガス通路にHC吸着型触媒を配置するとともに、該HC吸着型触媒より上流側の排気ガス通路に、アルカリ土類金属を含有するZr系の塩基性複合酸化物を配置したから、排気ガスの空燃比の影響を受けることなく、排気ガス中のHCのカルバニオン化を図って、該HCをHC吸着材に強く吸着させることができ、その結果、三元触媒が活性を呈するようになった後にHC吸着材から脱離するHCの割合を増加させて、三元触媒によって浄化されることなく大気に排出されるHC量を低減することができ、しかも、排気ガス通路の通路抵抗が高くなることを避けることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1において、1はエンジンの排気ガス通路である。この排気ガス通路1には、前置三元触媒2、カルバニオン化材3及びHC吸着型触媒4が、排気ガス流れ方向上流側から下流側へ向かって順に配置されている。カルバニオン化材3は、Zrを主成分とし且つアルカリ土類金属を含有するZr系の塩基性複合酸化物を備え、排気ガス中のHCの炭素に結合している水素をHとして解離させてカルバニオンを生成する。HC吸着型触媒3は、ゼオライト系のHC吸着材と三元触媒とを備え、その三元触媒が活性化していないエンジン冷間時にHC吸着材によってHCを吸着し、その後の排気ガス温度の上昇に伴ってこのHC吸着材から脱離してくるHCを当該三元触媒によって浄化する。
図2はカルバニオン化材3及びHC吸着型触媒4の構造の一例(実施例1)を示す。カルバニオン化材3では、ハニカム担体5の細孔壁面にアルカリ土類金属を含有するZr系の塩基性複合酸化物層6が形成されている。HC吸着型触媒4では、カルバニオン化材3とは別個のハニカム担体5の細孔壁面に、HC吸着材層7及び三元触媒層8,9が積層されている。本例では、HC吸着材層7を最下層に配置し、その上に組成が相異なる上下二層の三元触媒層8,9を積層している。
上記構成により、Zr系の塩基性複合酸化物層6は、HC吸着型触媒4から排気ガス流れ方向の上流側に離間して配置されている。
<Zr系塩基性複合酸化物によるHC脱離温度の上昇効果>
本発明の特徴の一つは、Zr系の塩基性複合酸化物によってHCのカルバニオン化を図り、そのことによって該HCがHC吸着材に吸着されたときの該HCの脱離温度を高めることにある。
このZr系の塩基性複合酸化物の効果を図3に示す実験結果に基づいて説明する。この実験は、図4に示すように、供試材に対して、HCとしてトルエンを含むガス(トルエン濃度2500ppmC,残N)を50℃の温度で900秒間供給し、次いで、当該流通ガスをNのみとして温度を30℃/分の速度で上昇させていき、そのときに供試材から脱離するトルエン濃度の温度による変化を測定したものである。
供試材は、ハニカム担体の排気ガス流れ方向の上流側にSrZr複合酸化物を担持し、その下流側にHC吸着材としてのβ−ゼオライトを担持させたもの、ハニカム担体にSrZr複合酸化物とβ−ゼオライトとを混合して担持させたもの、並びにハニカム担体にβ−ゼオライトを担持させたもの(SrZr複合酸化物なし)の3種類である。それらの担持にはバインダとして硝酸ジルコニルを用いた。いずれの供試材も三元触媒は含まれていない。SrZr複合酸化物のSr含有量(Sr/(Sr+Zr))は11.4原子モル%である。
図3によれば、β−ゼオライトのみの場合、脱離するトルエン濃度は200℃付近でピークとなり、その後は温度の上昇に伴ってトルエン濃度が低減し、300℃よりも高温ではトルエン濃度は殆ど零になっている。これに対して、SrZr複合酸化物を有する各供試材では、200℃付近に第1のトルエン脱離ピークが現れた後、300℃ないし320℃付近で第2の脱離ピークが現れており、さらに420℃になってもトルエンの脱離が続いている。
上記第2の脱離ピーク及びその高温側で脱離しているトルエンは、SrZr複合酸化物によってカルバニオン化されてβ−ゼオライトに吸着されたものと認められる。図3から、SrZr複合酸化物とβ−ゼオライトとを混合するよりも、SrZr複合酸化物をβ−ゼオライトより上流側に配置する方が、トルエンの脱離温度を高める効果が高いことがわかる。
<冷間HC浄化性能>
−実施例1−
図2に示す触媒装置(図1に示す上流側三元触媒2は設けられていない)において、次の材料構成とした。なお、単位(g/L)はハニカム担体1L当たりの質量である。
Zr系塩基性複合酸化物層6;SrZr複合酸化物 150g/L
(Sr含有量11.4原子モル%)
HC吸着材層7;β−ゼオライト 160g/L
上三元触媒層8;CeO 5.5g/L
ZrCeNd複合酸化物 5.7g/L
Pd/La含有アルミナ 45.45g/L
(Pd 0.45g/L)
Pd/CeZrLaYアルミナ複合酸化物 22.85g/L
(Pd 0.25g/L)
下三元触媒層9;Rh/ZrCeNd複合酸化物 70.1g/L
(Rh 0.1g/L)
Rh/ZrLa複合酸化物担持アルミナ 30.05g/L
(Rh 0.05g/L)
La含有アルミナ 13g/L
「Pd/」及び「Rh/」はPd又はRhを「/」の次に記載した母材に担持させたことを意味する。
上三元触媒層8のZrCeNd複合酸化物の組成はZrO:CeO:Nd=55:35:10(質量比)であり、下三元触媒層9のZrCeNd複合酸化物の組成はZrO:CeO:Nd=80:10:10(質量比)である。CeZrLaYアルミナ複合酸化物の組成はAl:CeO:ZrO:La:Y=80.1:10.4:7.4:1.7:0.4(質量比)である。La含有アルミナのLa含有量は三元触媒層8,9のいずれも4質量%である。ZrLa複合酸化物担持アルミナの組成はZrO:La:Al=38:2:60(質量比)である。また、上記Zr系塩基性複合酸化物層6など各層6〜9の形成にはバインダとして硝酸ジルコニルを用いた。
−実施例2−
図2に示す触媒装置に代えて、本例は図5に示す触媒装置構成とした。すなわち、カルバニオン化材3は実施例1と同じであるが、HC吸着型触媒4では、HC吸着材層7をハニカム担体5の排気ガス流れ方向上流側に配置し、その下流側に三元触媒層8,9を配置した。従って、本例も、Zr系の塩基性複合酸化物層6は、HC吸着型触媒4から排気ガス流れ方向の上流側に離間して配置されている。カルバニオン化材3のZr系塩基性複合酸化物、HC吸着型触媒4のHC吸着材及び上下の三元触媒の材料構成、並びに使用したバインダは実施例1と同じである。
−実施例3−
図2に示す触媒装置に代えて、本例は図6に示す触媒装置構成とした。すなわち、カルバニオン化材3とHC吸着型触媒4とを、同じハニカム担体5における排気ガス流れ方向の上流側と下流側とに配置した。カルバニオン化材3のZr系塩基性複合酸化物、HC吸着型触媒4のHC吸着材及び上下の三元触媒の材料構成、並びに使用したバインダは実施例1と同じである。
−比較例−
図2に示す触媒装置に代えて、本例は図7に示す触媒装置構成とした。すなわち、ハニカム担体5に、Zr系塩基性複合酸化物とHC吸着材との混合層11及び上下の三元触媒層8,9を積層した。混合層11を最下層に配置し、その上に上下二層の三元触媒層8,9を積層している。Zr系塩基性複合酸化物、HC吸着材及び上下の三元触媒の材料構成、並びに使用したバインダは実施例1と同じである。
上記実施例1〜3及び比較例の各触媒装置に対して、図4に示すようにトルエン含有ガス(トルエン濃度2500ppmC,残N)を50℃の温度で900秒間流してトルエンを吸着させた。そのときの900秒流したトルエン量をA、触媒装置(HC吸着材)に吸着されたトルエン量をBとする。トルエン吸着量Bは、触媒装置を素通りしたトルエン量より求めた。次にA/F=14.7の模擬排気ガス(CO:13.9%,O:0.6%,CO:0.6%,H:0.2%,NO:1000ppm,HO:10%,残:N(HC不含))を触媒装置に流しながら、そのガス温度を30℃/分の速度で上昇させていき、触媒装置から流出するトルエン量Cを測定した。そうして、[(B−C)×100/A]を各供試触媒装置の冷間HC浄化率として求めた。結果は表1のとおりである。
Figure 2009162145
Zr系塩基性複合酸化物をHC吸着材及び三元触媒の上流側に配置した実施例1〜3はいずれも、Zr系塩基性複合酸化物とHC吸着材とを混合した比較例より、冷間HC浄化率が高くなっている。これは、実施例1〜3の場合は、Zr系塩基性複合酸化物によってカルバニオン化された状態でHC吸着材に供給されるトルエン量が多くなったため、すなわち、HC吸着材に強く吸着して、三元触媒が活性を呈するようになった後にHC吸着材から脱離して三元触媒によって浄化されるHC量が多くなったためと認められる。
実施例1,2の冷間HC浄化率が実施例3よりも高いのは、実施例1,2ではZr系塩基性複合酸化物層6をHC吸着型触媒4とは別のハニカム担体5に薄い層となるように形成したことによると認められる。すなわち、実施例1,2のZr系塩基性複合酸化物層6は、実施例3のZr系塩基性複合酸化物層6に比べて薄く、トルエン含有ガスとの接触面積が広くなっており、トルエンがカルバニオン化される効率が高いためと考えられる。
実施例1の冷間HC浄化率が実施例2よりも高いのは、最下層にあるHC吸着材層7から脱離するトルエンが全て上層側の三元触媒層8,9を通過するため、三元触媒層8,9が当該脱離トルエンの浄化に効率良く働くためと考えられる。
<Zr系塩基性複合酸化物のアルカリ土類金属含有量の影響>
Zr系塩基性複合酸化物として、Sr含有量が相異なる複数のSrZr複合酸化物を準備し、Sr含有量がHCのカルバニオン化(HC吸着材におけるHCの脱離特性)に及ぼす影響を図4に示すテスト方法により調べた。すなわち、供試材は、ハニカム担体の排気ガス流れ方向の上流側にSrZr複合酸化物を担持させ、その下流側にβ−ゼオライト(HC吸着材)を担持させた構成とした。そして、トルエン含有ガス(トルエン濃度2500ppmC,残N)を50℃の温度で900秒間供給してトルエンを吸着させた後、当該流通ガスをNのみとして温度を30℃/分の速度で上昇させていき、300℃以上の温度域でHC吸着材から脱離するトルエン量を測定した。
結果を図8に示す。同図によれば、Sr含有量が増大するにつれて、300℃以上でのトルエン脱離量が増大しており、Sr含有量の増大がHCのカルバニオン化(HC吸着材からのHCの脱離温度を高めること)に有利であることがわかる。また、Sr含有量を2原子モル%以上にすること、さらには6.25原子モル%以上にすることが好ましいということができる。Sr含有量の上限は、ZrOに対するSrOの固溶量の関係から、12原子モル%を目安にすればよい。
なお、上記実施例では三元触媒を組成が相異なる上下二層よりなる構造にしたが、同一組成の三元触媒により単層構造としてもよい。
本発明の実施形態に係る排気ガス浄化用触媒装置の構成を示す図である。 実施例1に係る触媒装置の構成を示す断面図である。 各種供試材のトルエン脱離の温度特性を示すグラフ図である。 トルエンの吸着・脱離(浄化)テストにおける供試材に流入するガス温の経時変化、並びに供試材から流出するトルエン濃度の経時変化を示すグラフ図である。 実施例2に係る触媒装置の構成を示す断面図である。 実施例3に係る触媒装置の構成を示す断面図である。 比較例に係る触媒装置の構成を示す断面図である。 Zr系塩基性複合酸化物のSr含有量と、HC吸着材の300℃以上でのトルエン脱離量との関係を示すグラフ図である。
符号の説明
1 排気ガス通路
2 前置三元触媒
3 カルバニオン化材
4 HC吸着型触媒
5 ハニカム担体
6 Zr系塩基性複合酸化物層
7 HC吸着材層
8 三元触媒層
9 三元触媒層

Claims (3)

  1. 排気ガス通路にゼオライト系のHC吸着材層と三元触媒層とを備えたHC吸着型触媒が設けられている排気ガス浄化用触媒装置において、
    上記HC吸着型触媒より上流側の上記排気ガス通路に、Zrを主成分とし且つアルカリ土類金属を含有するZr系の塩基性複合酸化物が配置されていることを特徴とする排気ガス浄化用触媒装置。
  2. 請求項1において、
    上記Zr系の塩基性複合酸化物は、上記HC吸着型触媒から排気ガス流れ方向の上流側に離間して配置されていることを特徴とする排気ガス浄化用触媒装置。
  3. 請求項1において、
    上記Zr系の塩基性複合酸化物とHC吸着型触媒とは、同じハニカム担体の排気ガス流れ方向の上流側と下流側とに配置されていることを特徴とする排気ガス浄化用触媒装置。
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