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JP2009153297A - 自励式変換器の制御装置 - Google Patents

自励式変換器の制御装置 Download PDF

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JP2009153297A
JP2009153297A JP2007328806A JP2007328806A JP2009153297A JP 2009153297 A JP2009153297 A JP 2009153297A JP 2007328806 A JP2007328806 A JP 2007328806A JP 2007328806 A JP2007328806 A JP 2007328806A JP 2009153297 A JP2009153297 A JP 2009153297A
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Midori Otsuki
みどり 大槻
Hisataka Iio
尚隆 飯尾
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Abstract

【課題】単相変換器を3相分用いて三相交流回路に接続される自励式変換器において、系統へ流れる電流に対する制御について従来の直交軸制御と同等の特性を保ちながら、最小限の制御回路の追加により変換器出力電流の零相成分を抑制することができる自励式変換器の制御装置を提供する。
【解決手段】3つの単相変換器を用いて三相を構成するとともに、交流系統側巻線がΔ結線された変圧器を介して三相交流系統に連系する自励式変換器の制御装置であって、Δ結線内部の三相電流を検出する電流検出部と、電流検出部により検出された三相電流の和を算出する加算器16と、電流検出部により検出された三相電流に基づき自励式変換器に対する交流出力電圧指令値を出力する制御部と、加算器16により算出された三相電流の和に応じて制御部により出力された交流出力電圧指令値に対して各相共通の補正を行う補正部である加算器19a,19b,19cとを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、電力系統において、直流送電/直流連系システム、あるいは電力供給システム、あるいは無効電力補償装置に用いられる自励式変換器の制御装置に関する。
電力会社の一般的な電力系統は、三相交流回路である。当該三相交流回路に設置される自励式変換器は、単相変換器3台又は三相変換器により構成され、三相変圧器を介して電力系統に接続される。
図7(a)は、単相変換器3台を用いて三相交流系統に接続される一般的な自励式変換器システムの主回路構成を示す図である。また図7(b)は、単相変換器3台を用いて三相交流系統に接続される一般的な自励式変換器システムの制御ブロックの例を示す図である。
3台の単相変換器1a,1b,1cは、三相の自励式変換器を構成し、変換器用変圧器2を介して交流母線3に接続される。交流母線3は、三相電力系統へ接続される。3台の単相変換器1a,1b,1cは、それぞれ自己消弧型半導体素子とダイオードの逆並列回路からなる4アームで構成され、各単相変換器の直流側は直流端子P及び直流端子Nに共通に接続される。さらに、3台の単相変換器1a,1b,1cの直流側は、直流端子PN間に接続された図示されない直流電源又は直流キャパシタにより一定の直流電圧に保たれている。
一方、3台の単相変換器1a,1b,1cは、自己消弧型半導体素子のスイッチングを制御することにより、交流側に任意の大きさと位相を有する交流電圧を出力する。変換器出力電流Ia,Ib,Icは、当該変換器出力電圧と交流母線3との電圧差及び位相差に基づき流れる。
変換器用変圧器2の系統側巻線が図7(a)に示すようにΔ結線である場合に、Δ巻線内部の電流Irs,Ist,Itrは、変換器出力電流Ia,Ib,Icと等価である。一方、(1)式は、交流系統へ流出する電流(変換器用変圧器2と交流母線3との接続点に流れる電流)Ir,Is,ItとΔ巻線電流Irs,Ist,Itrとの間の関係を示す。
Figure 2009153297
ここで、電流Irs,Ist,Itrが三相平衡している場合には、電流Ir,Is,Itは、それぞれ電流Irs,Ist,Itrに対して√3倍であり、且つ30°遅れの電流である。
一方、Δ巻線内部に循環電流が流れている場合、すなわち電流Irs,Ist,Itrに零相成分が含まれている場合には、交流系統に流出する電流Ir,Is,Itは、(1)式で明らかなように零相成分を含まないため、必ずしも√3倍にはならない。
次に一般的な自励式変換器の制御について説明する。自励式変換器は、交流出力側において有効電力と無効電力を独立に制御することが可能であり、三相交流回路に接続される変換器の場合、その手段として一般的に直交軸(dq軸)電流制御を用いる。図7(a)に示すように交流電圧検出器4a,4b,4cは、交流母線電圧Vr,Vs,Vtを検出する。また、交流電流検出器5a,5b,5cは、交流系統への流出電流Ir,Is,Itを検出する。
図7(b)に示すように、検出された交流母線電圧Vr,Vs,Vtは、変換器制御システムの位相検出回路6に入力される。同様に電流Ir,Is,Itは、3相/2相変換回路7に入力される。
3相/2相変換回路7は、(2)式を用いて三相電流Ir,Is,Itを90°位相のずれた2相電流Iα,Iβに変換する。
Figure 2009153297
一方、位相検出回路6は、R相電圧すなわちVrを基準とした交流母線3の電圧位相θ、及び直交するdq軸電圧Vd,Vqを検出する。dq軸電圧Vd,Vqは、電圧位相θを基準とした回転座標系上の交流母線3の電圧値であり、定常的には直流量である。
3相/2相変換回路7により出力された2相電流Iα,Iβと位相検出回路6により出力された電圧位相θとは、座標変換回路8に入力される。座標変換回路8は、(3)式を用いて出力電流を有効電力成分Idと無効電力成分Iqのdq軸量に変換する。ここで、Id,Iqは、Vd,Vqと同じく位相θを基準とした回転座標系上の電流値であり、定常的には直流量である。
Figure 2009153297
IdとIqとは、上位制御系から与えられる有効電流指令値Idref及び無効電流指令値Iqrefと突き合わされ、その差分が交流電流制御回路9に入力される。交流電流制御回路9は、入力された差分が零になるような信号を加算器10a,10bに出力する。
加算器10a,10bは、位相検出回路6により出力された交流母線3のdq軸電圧Vd,Vqと交流電流制御回路9による出力とを加算して変換器出力電圧信号Vdc,Vqcを2相/3相変換回路11に出力する。この変換器出力電圧信号Vdc,Vqcは、交流母線3の電圧位相θを基準位相とした変換器出力電圧のdq軸量である。すなわち、dq軸電圧Vd,Vqが変換器用変圧器2の交流系統側電圧であるのに対し、変換器出力電圧信号Vdc,Vqcは、変換器用変圧器2の変換器側電圧であり、同じ回転座標系上からみたdq軸量である。
2相/3相変換回路11は、(4)式を用いて変換器交流出力電圧信号Vac,Vbc,Vccを演算し、パルス発生回路12に出力する。変換器出力電圧信号Vdc,Vqcが定常的には直流量であるのに対し、この変換器交流出力電圧信号Vac,Vbc,Vccは、三相正弦波信号である。
Figure 2009153297
パルス発生回路12は、例えばPWM(Pulse Width Modulation) 制御等の手段により、自励式変換器の交流出力電圧(図7(a)における変換器用変圧器2の変換器側電圧)がそれぞれVac,Vbc,Vccになるように、単相変換器1a,1b,1cの半導体素子に対してオン/オフパルスを出力する。
以上説明した図7(b)に示す制御により、単相変換器1a,1b,1cから成る自励式変換器は、系統へ供給する電流Ir,Is,Itの有効電力成分及び無効電力成分が有効電流指令値Idref及び無効電流指令値Iqrefと等しくなるように運転を行う。
特許文献1には、複数の単相インバータの交流側を直列に接続し、選択された各単相インバータの組み合わせで各相の出力電圧を階調制御する3相電力変換器において、3相電圧の不平衡を防止して中性点から流れる電流を抑制し電磁波ノイズを低減する電力変換装置が記載されている。
この電力変換装置は、直流電源からの直流電力を交流電力に変換する単相インバータの交流側を複数直列接続して単相多重変換器を構成し、該単相多重変換を3相結線して3相負荷に電力供給する。各相の単相多重変換器は、複数の単相インバータの中から選択された所定の組み合わせによる各発生電圧の総和により各相の出力電圧を階調制御するもので、第1〜第3の3つの単相多重変換器として用い、第1、第2の単相多重変換器の出力電圧をそれぞれ検出する手段と、検出された2つの出力電圧を加算し、該加算値を正負反転させた電圧値を算出する演算手段とを備え、第3の単相多重変換器は、該出力電圧が演算された電圧値となるように階調制御する。
この電力変換装置によれば、低コスト化、小型化、簡略化が促進した電力変換器が得られるとともに、3相電圧が平衡となるように制御でき、電磁波ノイズが低減できる信頼性の高い階調制御が実現できる。
また、特許文献2には、零相キャンセル制御により零相ノイズ電流を抑制して電磁波ノイズを低減するとともに、低周波領域における電流歪みの発生を有効に抑制できる電力変換装置が記載されている。
この電力変換装置は、三相3レベルインバータの各相の電圧と複数の単相インバータとの組み合わせによる各発生電圧との総和により各相の出力電圧を制御する制御装置を有する。この制御装置は、三相交流電圧指令を二相交流電圧指令ベクトルに座標変換し、このニ相交流電圧指令ベクトルに近い三相電圧合計がゼロとなる二相交流の3つの空間電圧ベクトルを選択し、二相交流電圧指令ベクトルをこれら3つの空間電圧ベクトルからの距離に応じて時間平均して表し、零相電圧を零にしつつ電流波形を正弦波化する電圧を出力する。
この電力変換装置によれば、電磁ノイズ電流と電流歪みの双方を抑制することができる。さらに、直流電源から三相の電圧を出力する三相3レベルインバータを用いるので、単相インバータのユニット数を全体的に減らすことができ構成を簡素化することができる。
特開2004−120968号公報 特開2007−37355号公報
図7(a)に示すように、三相交流系統に接続される自励式変換器が単相変換器を3台使用し、且つ変換器用変圧器2の交流系統側がΔ巻線構成の場合において、交流系統に流れる電流Ir,Is,Itは零相成分を含まないが、Δ巻線内部の電流Irs,Ist,Itrが零相成分を含み、当該零相成分が△巻線内部を循環している場合がある。
この場合に、Δ巻線内部電流Irs,Ist,Itrは、それぞれ単相変換器1a,1b,1cの出力電流Ia,Ib,Icと等価である。すなわち単相変換器1a,1b,1cの出力電流は、零相成分を含むこととなる。図7(a)に示すように、電流検出器5a,5b,5cが変圧器Δ巻線の外側に設置されている場合には零相電流を検出することができないので、図7(b)に示す自励式変換器の制御装置は、零相電流が発生した場合でも制御により抑制することができない。したがって、Δ巻線内部電流Irs,Ist,Itr及び変換器出力電流Ia,Ib,Icは増大し、電力損失の増大や変換器の過電流を引き起こす可能性がある。
図8(a)(b)は、単相変換器3台を用いて三相交流系統に接続される一般的な自励式変換器システムにおいて零相電流を検出する場合の主回路構成を示す図である。
零相電流を含んだ電流を検出するためには、図8(a)(b)に示すように、電流検出器5a,5b,5cが変圧器Δ巻線の内部又は変換器側巻線に直列に設置される必要がある。しかしながら、この場合に3相/2相変換回路7が(2)式を用いて検出電流を3相/2相変換することによりdq軸で電流制御を行ったとしても、当該自励式変換器の制御装置は、以下に述べる理由により、制御に零相成分を反映ぜず、零相電流が発生した場合に当該零相電流を制御により抑制することはできない。
三相の変換器出力Ia(=Irs),Ib(=Ist),Ic(=Itr)は、正相成分I1と零相成分I0を含む場合に、以下のように表すことができる。
Figure 2009153297
3相/2相変換回路7が(2)式を用いて(7)(8)(9)式に示す電流Ia,Ib,Icを2相信号に変換すると、2相信号は、以下のように表される。
Figure 2009153297
(10)式及び(11)式から明らかなように、変換器出力電流検出値に零相成分I0が含まれていても、3相/2相変換回路7により3相/2相変換が行われる際に零相成分はキャンセルされてしまう。したがって、図8に示すような自励式変換器の主回路構成を有する制御装置は、零相成分を制御に反映せず、変換器出力電流Ia,Ib,Icに零相成分が含まれていてもその零相成分を抑制することができない。これにより、Δ巻線内部電流Irs,Ist,Itr及び変換器出力電流Ia,Ib,Icが大きくなり、電力損失の増大や変換器の過電流を引き起こすという問題がある。
図9は、単相変換器3台を用いた自励式変換器システムにおいて零相電流を抑制する場合の一般的な制御ブロック図である。上述した問題を解決する従来の手段として、図9に示す制御装置は、各相ごとに電流制御回路(正弦波交流電流制御回路14a,14b,14c)を備える。正弦波交流電流制御回路14a,14b,14cは、単相変換器で用いられる制御を3台分個別に設けたものである。図9の構成により行われる自励式変換器に対する制御は、図7(b)に示す制御のように電流を直交する2軸量に変換する方法と異なり、検出した正弦波電流をそのまま使用する。
図9において、位相検出回路6は、線間電圧検出値Vrs,Vst,Vtrに基づき、RS相線間電圧すなわちVrsを基準とした交流母線3の電圧位相θを検出し、電流指令値演算回路13に出力する。なお、線間電圧検出値Vrs,Vst,Vtrは、各線間の電圧値を検出する電圧計を設けることにより検出してもよいが、交流電圧検出器4a,4b,4cにより検出された交流母線電圧Vr,Vs,Vtの差分により求めてもよい。
電流指令値演算回路13は、上位制御系から与えられた有効電流指令値Idref及び無効電流指令値Iqrefと電圧位相θとに基づき、各相の電流指令値Iaref,Ibref,Icrefを以下の式を用いて演算する。
Figure 2009153297
すなわち、定常状態において有効電流指令値Idref及び無効電流指令値Iqrefは直流量であるが、各相に対する電流指令値Iaref,Ibref,Icrefは、120°ずつ位相のずれた正弦波信号となる。
減算器21a,21b,21cは、電流指令値Iaref,Ibref,Icrefと、Δ巻線内部電流Irs,Ist,Itr又は変換器用変圧器2の変換器側巻線電流検出値Ia,Ib,Icとをそれぞれ突き合わせ、両者の差分を正弦波交流電流制御回路14a,14b,14cに出力する。
正弦波交流電流制御回路14a,14b,14cの各々は、例えば比例積分回路又は1次遅れ回路等により構成され、電流指令値Iaref,Ibref,Icrefと電流検出値との差分がゼロとなるような信号を出力する。
加算器15a,15b,15cは、正弦波交流電流制御回路14a,14b,14cにより出力された出力信号と交流母線3の線間電圧検出値Vrs,Vst,Vtrとを加算し、その結果得られた値である変換器出力電圧Vac,Vbc,Vccをパルス発生回路12に出力する。この変換器出力電圧Vac,Vbc,Vccは、有効電流Idref及び無効電流Iqrefを出力するのに必要な電圧である。
この手法を用いれば、各単相変換器(1a,1b,1c)ごとの電流を個別に制御するため、Δ巻線内部電流Irs,Ist,Itr及び変換器出力電流Ia,Ib,Icの零相成分が大きくなることによる変圧器巻線損失の増大や変換器の過電流を引き起こすという問題は発生しない。
しかしながら、電流制御回路が3台(14a,14b,14c)必要であるため、制御装置は、全体として回路が複雑になる。また、図9に示す制御装置は、正弦波により制御を行うため、図7に示す制御装置のように直流量(dq軸量)で制御する場合に比して高調波の除去が困難であり、さらに応答速度が遅いといった問題や三相個別に制御するため逆相成分による不平衡が発生しやすいといった問題がある。したがって、図9に示す制御装置は、変圧器巻線損失の増大や変換器の過電流に対しては抑制効果があるが、系統へ流れる電流Ir,Is,Itの応答特性がdq軸制御を行う場合に比して悪い。
また、特許文献1及び特許文献2に記載された電力変換装置は、いずれも単相変換器を3台用いた変換器の零相出力を抑制する制御方法について提案しているが、変換器が多重接続されたシステムに特化された提案であり、空間ベクトルを用いる等手順が複雑である。
そこで、本発明は、単相変換器を3相分用いて三相交流回路に接続される自励式変換器において、系統へ流れる電流に対する制御について従来の直交軸制御と同等の特性を保ちながら、最小限の制御回路の追加により変換器出力電流の零相成分を抑制することができる自励式変換器の制御装置を提供することを課題とする。
本発明に係る自励式変換器の制御装置は、上記課題を解決するために、第1の発明は、3つの単相変換器を用いて三相を構成するとともに、交流系統側巻線がΔ結線された変圧器を介して三相交流系統に連系する自励式変換器の制御装置であって、Δ結線内部の三相電流を検出する電流検出部と、前記電流検出部により検出された三相電流の和を算出する加算部と、前記電流検出部により検出された三相電流に基づき前記自励式変換器に対する交流出力電圧指令値を出力する制御部と、前記加算部により算出された三相電流の和に応じて前記制御部により出力された交流出力電圧指令値に対して各相共通の補正を行う補正部とを備えることを特徴とする。
第2の発明は、3つの単相変換器を用いて三相を構成するとともに、交流系統側巻線がΔ結線された変圧器を介して三相交流系統に連系する自励式変換器の制御装置であって、前記3つの単相変換器により出力される三相電流を検出する電流検出部と、前記電流検出部により検出された三相電流の和を算出する加算部と、前記電流検出部により検出された三相電流に基づき前記自励式変換器に対する交流出力電圧指令値を出力する制御部と、前記加算部により算出された三相電流の和に応じて前記制御部により出力された交流出力電圧指令値に対して各相共通の補正を行う補正部とを備えることを特徴とする。
第3の発明は、3つの単相変換器を用いて三相を構成するとともに、交流系統側巻線がΔ結線された変圧器を介して三相交流系統に連系する自励式変換器の制御装置であって、前記Δ結線内部の三相電流を検出する第1電流検出部と、前記Δ結線から前記三相交流系統に対して流れる線電流である三相電流を検出する第2電流検出部と、前記第1電流検出部により検出された三相電流の和を算出する加算部と、前記第2電流検出部により検出された三相電流に基づき前記自励式変換器に対する交流出力電圧指令値を出力する制御部と、前記加算部により算出された三相電流の和に応じて前記制御部により出力された交流出力電圧指令値に対して各相共通の補正を行う補正部とを備えることを特徴とする。
第4の発明は、3つの単相変換器を用いて三相を構成するとともに、交流系統側巻線がΔ結線された変圧器を介して三相交流系統に連系する自励式変換器の制御装置であって、前記3つの単相変換器により出力される三相電流を検出する第1電流検出部と、前記Δ結線から前記三相交流系統に対して流れる線電流である三相電流を検出する第2電流検出部と、前記第1電流検出部により検出された三相電流の和を算出する加算部と、前記第2電流検出部により検出された三相電流に基づき前記自励式変換器に対する交流出力電圧指令値を出力する制御部と、前記加算部により算出された三相電流の和に応じて前記制御部により出力された交流出力電圧指令値に対して各相共通の補正を行う補正部とを備えることを特徴とする。
本発明に係る自励式変換器の制御装置によれば、従来使用されている直交軸(dq軸)制御の応答特性を維持しつつ、変換器用変圧器のΔ巻線電流や変換器出力電流に零相成分が重畳するのを抑制し、電力損失の増大や変換器過電流の発生を防止することができる。
以下、本発明の自励式変換器の制御装置の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の実施例1に係る自励式変換器の制御装置の制御ブロック図である。上述した図7(b)に示す制御ブロックと異なる点は、新たに加算器16、ゲイン1/3の比例回路17、比例積分回路18、及び加算器19a,19b,19cを追加した点である。
また、当該制御装置により制御される自励式変換器の主回路構成は、上述した図8(a)に示す主回路構成と同様である。すなわち、この自励式変換器は、3つの単相変換器1a,1b,1cを用いて三相を構成するとともに、交流系統側巻線がΔ結線された変換器用変圧器2を介して三相交流系統に連系し、本発明の制御装置により制御される。ここで、変換器用変圧器2は、本発明の変圧器に対応する。
電流検出器5a,5b,5cは、本発明の電流検出部に対応し、Δ結線内部の三相電流(Δ巻線電流Irs,Ist,Itr)を検出し、3相/2相変換回路7及び加算器16に出力する。
加算器16は、本発明の加算部に対応し、電流検出器5a,5b,5cにより検出された三相電流の和を算出する。すなわち、加算器16は、三相分のΔ巻線電流Irs,Ist,Itrを加算し、加算した値を比例回路17に出力する。
比例回路17は、ゲイン1/3であり、加算器16により出力された三相電流の和の1/3の信号を比例積分回路18に出力する。比例回路17により出力された信号は、零相電流I0に相当する。
比例積分回路18は、比例回路17により出力された信号に対して比例積分処理を施す。なお、比例回路17は、本発明の制御装置に対して必ずしも必須の構成ではない。比例積分回路18は、自己の有する増幅率(ゲイン)に基づき入力信号を増幅するので、比例回路17のゲイン1/3を含めた値を増幅率として比例積分回路18に設定することにより、比例回路17と等価の機能を有し、同等の効果を得ることができるからである。
したがって、比例積分回路18は、加算部16により算出された三相電流の和に対して比例積分処理を施すとも言うことができる。
位相検出回路6、3相/2相変換回路7、座標変換回路8、交流電流制御回路9、加算器10a,10b、及び2相/3相変換回路11は、上述した図7(b)に示す従来の制御装置と同様であり、重複した説明を省略する。なお、これらの位相検出回路6、3相/2相変換回路7、座標変換回路8、交流電流制御回路9、加算器10a,10b、及び2相/3相変換回路11は、全体として本発明の制御部に対応し、電流検出器5a,5b,5cにより検出された三相電流に基づき自励式変換器に対する交流出力電圧指令値を出力する。
ここで、2相/3相変換回路11は、(4)式を用いて本発明の交流出力電圧指令値に対応する変換器交流出力電圧信号Vac´,Vbc´,Vcc´を演算し、加算器19a,19b,19cに出力する。
加算器19a,19b,19cは、本発明の補正部に対応し、加算器16により算出された三相電流の和に応じて制御部により出力された交流出力電圧指令値に対して各相共通の補正を行う。
具体的には、加算器19a,19b,19cは、加算器16により算出された三相電流の和に対して比例積分回路18が比例積分処理を施して算出した補正値に基づき、制御部により出力された交流出力電圧指令値に対して各相共通の補正を行う。
すなわち、加算器19a,19b,19cは、2相/3相変換回路11により出力された交流出力電圧指令値Vac´,Vbc´,Vcc´から比例積分回路18により出力された補正値を減算し、最終的な変換器出力電圧信号Vac,Vbc,Vccを得て、パルス発生回路12に出力する。換言すると、加算器19a,19b,19cは、2相/3相変換回路11により出力された交流出力電圧指令値Vac´,Vbc´,Vcc´と、負の符号で与えられた比例積分回路18による補正値とを加算して出力する。
その他の構成は、図7(b)及び図8(a)で上述した従来の構成と同様であり、重複した説明を省略する。
次に、上述のように構成された本実施の形態の自励式変換器の制御装置の作用を説明する。本実施例における自励式変換器の主回路構成は、上述したように図8(a)と同様であり、自励式変換器の作用も同様である。
まず、変換器用変圧器2の交流系統側に結線されたΔ巻線内部を循環する電流が零の場合、すなわち零相電流I0が発生していない場合について述べる。この場合にΔ巻線内部の電流Irs,Ist,Itrは、零相成分を含まない。
したがって、加算器16は、電流検出器5a,5b,5cにより検出された三相電流の和を算出するが、三相分のΔ巻線電流Irs,Ist,Itrを加算した値が零であるので、零を比例回路17に出力する。
比例回路17は、入力された値が零であるため、零を比例積分回路18に出力する。同様に、比例積分回路18は、比例回路17により出力された信号が零であるため、比例積分処理を施しても零であり、零を加算器19a,19b,19cに出力する。
全体として本発明の制御部に対応する位相検出回路6、3相/2相変換回路7、座標変換回路8、交流電流制御回路9、加算器10a,10b、及び2相/3相変換回路11は、図7(b)で説明した従来の制御装置と同様に、電流検出器5a,5b,5cにより検出された三相電流に基づき自励式変換器に対する交流出力電圧指令値を出力する。
したがって、2相/3相変換回路11は、(4)式を用いて本発明の交流出力電圧指令値に対応する変換器交流出力電圧信号Vac´,Vbc´,Vcc´を演算し、加算器19a,19b,19cに出力する。
加算器19a,19b,19cは、比例積分回路18により出力された値が零であるので、制御部により出力された交流出力電圧指令値に対して補正を行わず、そのままパルス発生回路12に出力する。
したがって、零相電流I0が発生していない場合には、本実施例の制御装置は、図7(b)に示す従来の制御装置と等価の直交軸(dq軸)による電流制御が行われる。
次に、変換器用変圧器2の交流系統側に結線されたΔ巻線内部を循環する電流が発生した場合、すなわち零相電流I0が発生した場合について述べる。この場合にΔ巻線内部の電流Irs,Ist,Itrは、零相成分を含む。
Δ巻線内部を循環する零相電流I0は、三相で共通の大きさと向き(正負)を有する。したがって、加算器16は、電流検出器5a,5b,5cにより検出された三相電流の和、すなわち三相分のΔ巻線電流Irs,Ist,Itrを加算した値である3×I0を比例回路17に出力する。
比例回路17は、ゲイン1/3であるので、零相電流I0を比例積分回路18に出力する。比例積分回路18は、比例回路17により出力された信号である零相電流I0に対して比例積分処理を施し、零相電流I0の大きさや向き(正負)に応じた信号を加算器19a,19b,19cに出力する。
一方、全体として本発明の制御部に対応する位相検出回路6、3相/2相変換回路7、座標変換回路8、交流電流制御回路9、加算器10a,10b、及び2相/3相変換回路11は、図7(b)で説明した従来の制御装置と同様に、電流検出器5a,5b,5cにより検出された三相電流に基づき自励式変換器に対する交流出力電圧指令値を出力する。
したがって、2相/3相変換回路11は、(4)式を用いて本発明の交流出力電圧指令値に対応する変換器交流出力電圧信号Vac´,Vbc´,Vcc´を演算し、加算器19a,19b,19cに出力する。
加算器19a,19b,19cは、交流出力電圧指令値Vac´,Vbc´,Vcc´から比例積分回路18により比例積分処理を施して算出された補正値を減算することで交流出力電圧指令値に対して各相共通の補正を行い、補正された交流出力電圧指令値Vac,Vbc,Vccをパルス発生回路12に出力する。すなわち加算器19a,19b,19cは、零相電流I0をゼロに近づけるように交流出力電圧指令値を補正する。零相電流は、三相で共通であるため、同じ量の補正が三相電圧のそれぞれに対して行われる。
上述したように、本発明の実施例1に係る自励式変換器の制御装置によれば、従来のdq軸制御回路(本発明における制御部)に比例積分回路18、比例回路17、加算器16、及び加算器19a,19b,19cのみを追加することで、dq軸制御による高速且つ有効電力と無効電力の独立性の高い応答特性を維持しつつ、変換器用変圧器2のΔ巻線内の循環電流、及び変換器出力電流の零相成分を抑制することができる。したがって、従来使用されている直交軸(dq軸)制御の応答特性を維持しつつ、変換器用変圧器2のΔ巻線電流や変換器出力電流に零相成分が重畳するのを抑制し、電力損失の増大や変換器過電流の発生を防止することができる。
また、比例積分回路18を備えているので、零相成分を抑制するために適切なPI制御が交流出力電圧指令値に対して行われる。
図2は、本実施例に係る自励式変換器の制御装置適用の有無による当該自励式変換器の出力電流波形の比較を示す図である。図2(a)は、従来の自励式変換器の制御装置を適用した場合の自励式変換器の出力電流波形であり、図7(a)に示す主回路構成の自励式変換器に図7(b)に示す従来のdq軸制御を適用した場合の図である。また、図2(b)は、本発明の自励式変換器の制御装置を適用した場合の自励式変換器の出力電流波形であり、図8(a)に示す主回路構成の自励式変換器に図1に示す制御装置を適用した場合の図である。
交流系統に流出する電流Ir,Is,It、及び制御で使用するdq軸電流Id,Iqの波形は、いずれの場合においてもほとんど差が無い。しかしながら、Δ巻線電流Irs,Ist,Itrは、図2(a)の場合において、大きな零相電流が重畳することにより波形が正弦波とは大きく異なり、電流の大きさも系統流出電流の√3倍よりもかなり大きい。これに対し、図2(b)に示すΔ巻線電流Irs,Ist,Itrは、系統流出電流と等価であり電流の大きさは系統流出電流の√3倍である。
以上のように、図1に示す制御装置を適用することで、単相変換器3台を使用して3相電力回路に接続される自励式変換器で、従来使用されているdq軸制御の応答特性を維持しつつ、変換器用変圧器2のΔ巻線電流や変換器出力電流に零相成分が重畳するのを抑制し、電力損失の増大や変換器過電流の発生を防止することができる。
図3は本発明の実施例2に係る自励式変換器の制御装置の制御ブロック図である。上述した図1に示す制御装置と異なる点は、新たにフィルタ回路20を追加した点である。
また、当該制御装置により制御される自励式変換器の主回路構成は、実施例1と同様に上述した図8(a)に示す主回路構成と同様である。すなわち、この自励式変換器は、3つの単相変換器1a,1b,1cを用いて三相を構成するとともに、交流系統側巻線がΔ結線された変換器用変圧器2を介して三相交流系統に連系し、本発明の制御装置により制御される。
フィルタ回路20は、比例回路17により出力された零相電流I0に対してフィルタ処理を施して、比例積分回路18に出力する。フィルタ回路20は、例えば1次遅れ回路、あるいは帯域阻止フィルタ等を使用して高調波成分を除去するものである。
したがって、加算器19a,19b,19cは、加算器16により算出された三相電流の和に対してフィルタ回路20によるフィルタ処理及び比例積分回路18による比例積分処理を施して算出した補正値に基づき、制御部により出力された交流出力電圧指令値に対して各相共通の補正を行う。
なお、比例回路17は、実施例1と同様に、本発明の制御装置に対して必ずしも必須の構成ではなく、省略が可能である。比例積分回路18及びフィルタ回路20は、それぞれ自己の有する増幅率(ゲイン)に基づき入力信号を増幅するので、比例回路17のゲイン1/3を含めた値を増幅率として比例積分回路18又はフィルタ回路20に設定することにより、比例回路17と等価の機能を有し、同等の効果を得ることができるからである。
その他の構成は、実施例1と同様であり、重複した説明を省略する。
次に、上述のように構成された本実施の形態の自励式変換器の制御装置の作用を説明する。本実施例における自励式変換器の主回路構成は、上述したように図8(a)と同様であり、自励式変換器の作用も実施例1と同様である。
自励式変換器の出力電流は、使用するPWM(Pulse Width Modulation)の周波数等により、原理的に様々な次数の高調波成分が重畳する。特に3の倍数の次数の高調波は、3相が平衡して運転している場合にはほとんど零相成分であり、零相電流には高調波成分が多く含まれる。
交流系統側巻線をΔ結線とする変換器用変圧器2を使用する目的の1つは、上述した零相の高調波成分が系統側に流出するのを防止するためである。このように、零相電流は高調波成分を多く含むので、本発明のように零相電流を検出してフィードバック制御に用いる場合には、補正部である加算器19a,19b,19cは、制御信号の振動を大きくし、かえって出力電流の高調波成分を増大させ、あるいは制御の不安定を発生させる可能性がある。しかしながら、本実施例における自励式変換器の制御装置は、フィルタ回路20を備えているので、零相電流の高調波成分を低減させることができる。
したがって、フィルタ回路20は、比例回路17により出力された信号である零相電流I0に対してフィルタ処理を施して高調波成分を低減し、比例積分回路18に出力する。
その他の作用は、実施例1と同様であり、重複した説明を省略する。
上述したように、本発明の実施例2に係る自励式変換器の制御装置によれば、実施例1の効果に加え、零相電流検出値の高調波成分を低減し、出力電流の高調波の増大や制御不安定を防止しつつ、実施例1における制御装置と同等の零相電流抑制効果を得ることができる。
実施例1及び実施例2においては、自励式変換器の主回路構成が上述した図8(a)に示す主回路構成と同様であるため、制御装置は、図8(a)における電流検出器5a,5b,5cにより検出されたΔ結線内部の三相電流(Δ巻線電流Irs,Ist,Itr)を使用して制御を行っていた。しかしながら、単相変換器1a,1b,1cの出力電流Ia,Ib,Icを使用しても、当該制御装置は同等の制御を行うことができる。
すなわち、図1は本発明の実施例3に係る自励式変換器の制御装置の制御ブロック図であり、実施例1と同様である。ただし、3相/2相変換回路7に入力される電流は、Δ巻線電流Irs,Ist,Itrではなく、変換器出力電流Ia,Ib,Icであるとする。
また、当該制御装置により制御される自励式変換器の主回路構成は、上述した図8(b)に示す主回路構成と同様である。図8(b)に示すように、電流検出器5a,5b,5cは、3つの単相変換器1a,1b,1cと変換器用変圧器2との接続点に設置される。
図8(b)に示す電流検出器5a,5b,5cは、本発明の電流検出部に対応し、3つの単相変換器1a,1b,1cにより出力される三相電流(変換器出力電流Ia,Ib,Ic)を検出し、3相/2相変換回路7及び加算器16に出力する。
図8(a)と図8(b)との比較から明らかなように、Δ巻線電流Irs,Ist,Itrと変換器出力電流Ia,Ib,Icとは、いずれも変換器用変圧器2の巻線電流であり、巻数比をn:1とすれば、アンペア値ではIrs=n×Ia,Ist=n×Ib,Itr=n×Icの関係を有する。これらの各電流値は、電圧すなわち巻数比に応じて規格化することにより、Irs(pu)=Ia(pu),Ist(pu)=Ib(pu),Itr(pu)=Ic(pu)の関係を得る。したがって、本発明の制御装置は、いずれの電流を使用しても同等の制御を行うことができる。
加算器16は、本発明の加算部に対応し、電流検出器5a,5b,5cにより検出された三相電流の和を算出する。すなわち、加算器16は、三相分の変換器出力電流Ia,Ib,Icを加算し、加算した値を比例回路17に出力する。
比例回路17及び比例積分回路18は、実施例1と同様であり、重複した説明を省略する。
位相検出回路6、3相/2相変換回路7、座標変換回路8、交流電流制御回路9、加算器10a,10b、及び2相/3相変換回路11は、実施例1と同様であり、全体として本発明の制御部に対応する。
その他の構成は、上述した実施例1の構成と同様であり、重複した説明を省略する。なお、実施例2と同様に、フィルタ回路20を備えた構成とすることもできる。
次に、上述のように構成された本実施の形態の自励式変換器の制御装置の作用を説明する。本実施例における自励式変換器の主回路構成は、上述したように図8(b)と同様であり、自励式変換器の作用も同様である。また、本実施例における自励式変換器の制御装置は、上述したように図1に示す実施例1と同様であり、制御装置の作用も同様である。
作用において実施例1と異なる点は、Δ巻線電流Irs,Ist,Itrの代わりに、変換器出力電流Ia,Ib,Icが用いられる点のみである。
その他の作用は実施例1と同様であり、重複した説明を省略する。また、フィルタ回路20を備えている場合には、実施例2の作用と同様である。
上述したように、本発明の実施例3に係る自励式変換器の制御装置によれば、実施例1及び実施例2と同様の効果を得ることができる。
図4は、本発明の実施例4に係る自励式変換器の主回路構成を示す図である。図8(a)に示す実施例1の自励式変換器の主回路構成と異なる点は、Δ巻線内部電流Irs,Ist,Itrを検出する交流電流検出器22a,22b,22cに加えて、交流系統への流出電流Ir,Is,Itを検出する交流電流検出器22d,22e,22fを備える点である。
また、図5は本発明の実施例4に係る自励式変換器の制御装置の制御ブロック図である。上述した実施例1に係る図1に示す制御装置と異なる点は、3相/2相変換回路7に入力される電流がΔ巻線内部電流Irs,Ist,Itrではなく交流系統への流出電流Ir,Is,Itである点である。すなわち、実施例1において、Δ巻線内部電流Irs,Ist,Itrは、3相/2相変換回路7に入力されてdq軸制御に使用されるとともに、加算器16に入力されて零相電流検出に使用されるが、本実施例において、Δ巻線内部電流Irs,Ist,Itrは、零相電流検出にのみ使用される。
交流電流検出器22a,22b,22cは、本発明の第1電流検出部に対応し、Δ結線内部の三相電流(Δ巻線内部電流Irs,Ist,Itr)を検出する。
一方、交流電流検出器22d,22e,22fは、本発明の第2電流検出部に対応し、Δ結線から三相交流系統に対して流れる線電流である三相電流(交流系統への流出電流Ir,Is,It)を検出する。
加算器16は、本発明の加算部に対応し、交流電流検出器22a,22b,22cにより検出された三相電流(Δ巻線内部電流Irs,Ist,Itr)の和を算出する。
位相検出回路6、3相/2相変換回路7、座標変換回路8、交流電流制御回路9、加算器10a,10b、及び2相/3相変換回路11は、全体として本発明の制御部に対応し、電流検出器22d,22e,22fにより検出された三相電流(交流系統への流出電流Ir,Is,It)に基づき自励式変換器に対する交流出力電圧指令値を出力する。
その他の構成は実施例1と同様であり、重複した説明を省略する。なお、実施例2と同様に、フィルタ回路20を備えた構成とすることもできる。また、比例回路17は、実施例1,2と同様に、本発明の制御装置に対して必ずしも必須の構成ではなく、省略が可能である。
次に、上述のように構成された本実施の形態の自励式変換器の制御装置の作用を説明する。
まず、変換器用変圧器2の交流系統側に結線されたΔ巻線内部を循環する電流が零の場合、すなわち零相電流I0が発生していない場合については実施例1と同様の作用であり、重複した説明を省略する。
次に、変換器用変圧器2の交流系統側に結線されたΔ巻線内部を循環する電流が発生した場合、すなわち零相電流I0が発生した場合について述べる。
この場合にΔ巻線内部の電流Irs,Ist,Itrは、零相成分を含む。しかしながら、交流系統に流出する電流Ir,Is,Itは、零相成分を含まない。したがって、Δ巻線内部の電流Irs,Ist,Itrと交流系統に流出する電流Ir,Is,Itとは、等価ではない。
Δ巻線内部の電流Irs,Ist,Itrが入力された加算器16、比例回路17、及び比例積分回路18は、実施例1と同様の作用を示すので、重複した説明を省略する。
一方、全体として本発明の制御部に対応する位相検出回路6、3相/2相変換回路7、座標変換回路8、交流電流制御回路9、加算器10a,10b、及び2相/3相変換回路11は、図7(b)で説明した従来の制御装置と同様に、電流検出器22d,22e,22fにより検出された三相電流に基づき自励式変換器に対する交流出力電圧指令値を出力する。
3相/2相変換回路7は、入力された電流信号に対して(10)式及び(11)式に示す演算を行うところ、入力された電流信号が零相成分を含んだ場合においても(10)式及び(11)式に示す演算により零相成分をキャンセルして出力する。したがって、交流系統への流出電流Ir,Is,Itを使用した場合もΔ巻線内部の電流Irs,Ist,Itrを使用した場合も、3相/2相変換回路7の出力は等価であり、dq軸制御の出力である変換器出力電圧信号Vac´,Vbc´,Vcc´(2相/3相変換回路11の出力信号)も等価である。
以上より、2相/3相変換回路11は、(4)式を用いて本発明の交流出力電圧指令値に対応する変換器交流出力電圧信号Vac´,Vbc´,Vcc´を演算し、加算器19a,19b,19cに出力する。
なお、零相電流I0の検出には零相成分を含む電流検出値を使用する必要があるため、加算器16に入力される電流は、交流電流検出器22a,22b,22cにより検出された三相電流(Δ巻線内部電流Irs,Ist,Itr)でなければならない。したがって、加算器16は、交流系統への流出電流Ir,Is,Itを使用することはできない。
その他の作用は、実施例1と同様であり、重複した説明を省略する。また、フィルタ回路20を備えている場合には、実施例2の作用と同様である。
上述したように、本発明の実施例4に係る自励式変換器の制御装置によれば、実施例1及び実施例2と同様の効果を得ることができる。
また、上述したように、従来の自励式変換器及び制御装置は、図7(a)(b)に示す構成を有する場合が多い。そのような従来の装置に対して本実施例に示す本発明を適用する場合には、後から零相成分除去を目的とする設備である交流電流検出器22a,22b,22c、加算器16、比例回路17、比例積分回路18、及び加算器19a,19b,19cを追加するのみであるため、容易に本発明を実現できる利点がある。
図6は、本発明の実施例5に係る自励式変換器の主回路構成を示す図である。図8(b)に示す実施例3の自励式変換器の主回路構成と異なる点は、3つの単相変換器1a,1b,1cの出力電流Ia,Ib,Icを検出する交流電流検出器23a,23b,23cに加えて、交流系統への流出電流Ir,Is,Itを検出する交流電流検出器22d,22e,22fを備える点である。
また、本発明の実施例5に係る自励式変換器の制御装置は、図5に示す実施例4の制御装置と同様である。ただし、加算器16に入力される電流は、Δ巻線内部電流Irs,Ist,Itrではなく、3つの単相変換器1a,1b,1cの出力電流Ia,Ib,Icである。これは、実施例3で説明したように、変換器用変圧器2のΔ巻線電流Irs,Ist,Itrと3つの単相変換器1a,1b,1cの出力電流Ia,Ib,Icとの規格化した値は等価であるためである。
交流電流検出器23a,23b,23cは、本発明の第1電流検出部に対応し、3つの単相変換器1a,1b,1cにより出力される三相電流(出力電流Ia,Ib,Ic)を検出する。
一方、交流電流検出器22d,22e,22fは、本発明の第2電流検出部に対応し、Δ結線から三相交流系統に対して流れる線電流である三相電流(交流系統への流出電流Ir,Is,It)を検出する。
加算器16は、本発明の加算部に対応し、交流電流検出器23a,23b,23cにより検出された三相電流(単相変換器出力電流Ia,Ib,Ic)の和を算出する。
位相検出回路6、3相/2相変換回路7、座標変換回路8、交流電流制御回路9、加算器10a,10b、及び2相/3相変換回路11は、全体として本発明の制御部に対応し、電流検出器22d,22e,22fにより検出された三相電流(交流系統への流出電流Ir,Is,It)に基づき自励式変換器に対する交流出力電圧指令値を出力する。
その他の構成は実施例4と同様であり、重複した説明を省略する。なお、実施例2と同様に、フィルタ回路20を備えた構成とすることもできる。
次に、上述のように構成された本実施の形態の自励式変換器の制御装置の作用を説明する。上述したように、変換器用変圧器2のΔ巻線電流Irs,Ist,Itrと3つの単相変換器1a,1b,1cの出力電流Ia,Ib,Icとの規格化した値は等価であるので、本実施例に係る自励式変換器の制御装置は、実施例4と同様の作用を示す。なお、フィルタ回路20を備えている場合には、実施例2の作用と同様である。
上述したように、本発明の実施例5に係る自励式変換器の制御装置によれば、実施例4と同様の効果を得ることができる。
本発明は、電力系統において、直流送電/直流連系システムや電力供給システム、あるいは無効電力補償装置等に用いられる自励式変換器の制御装置に適用可能である。
本発明の実施例1に係る自励式変換器の制御装置の制御ブロック図である。 本発明の実施例1に係る自励式変換器の制御装置適用の有無による当該自励式変換器の出力電流波形の比較を示す図である。 本発明の実施例2に係る自励式変換器の制御装置の制御ブロック図である。 本発明の実施例4に係る自励式変換器の主回路構成を示す図である。 本発明の実施例4に係る自励式変換器の制御装置の制御ブロック図である。 本発明の実施例5に係る自励式変換器の主回路構成を示す図である。 単相変換器3台を用いて三相交流系統に接続される一般的な自励式変換器システムの主回路構成及びその制御ブロックの例を示す図である。 単相変換器3台を用いて三相交流系統に接続される一般的な自励式変換器システムにおいて零相電流を検出する場合の主回路構成を示す図である。 単相変換器3台を用いた自励式変換器システムにおいて零相電流を抑制する場合の一般的な制御ブロック図である。
符号の説明
1a,1b,1c 単相変換器
2 変換器用変圧器
3 交流母線
4a,4b,4c 交流電圧検出器
5a,5b,5c 交流電流検出器
6 位相検出回路
7 3相/2相変換回路
8 座標変換回路
9 交流電流制御回路
10a,10b 加算器
11 2相/3相変換回路
12 パルス発生回路
13 電流指令値演算回路
14a,14b,14c 正弦波交流電流制御回路
15a,15b,15c 加算器
16 加算器
17 比例回路
18 比例積分回路
19a,19b,19c 加算器
20 フィルタ回路
21a,21b,21c 減算器
22a,22b,22c,22d,22e,22f 交流電流検出器
23a,23b,23c 交流電流検出器

Claims (6)

  1. 3つの単相変換器を用いて三相を構成するとともに、交流系統側巻線がΔ結線された変圧器を介して三相交流系統に連系する自励式変換器の制御装置であって、
    Δ結線内部の三相電流を検出する電流検出部と、
    前記電流検出部により検出された三相電流の和を算出する加算部と、
    前記電流検出部により検出された三相電流に基づき前記自励式変換器に対する交流出力電圧指令値を出力する制御部と、
    前記加算部により算出された三相電流の和に応じて前記制御部により出力された交流出力電圧指令値に対して各相共通の補正を行う補正部と、
    を備えることを特徴とする自励式変換器の制御装置。
  2. 3つの単相変換器を用いて三相を構成するとともに、交流系統側巻線がΔ結線された変圧器を介して三相交流系統に連系する自励式変換器の制御装置であって、
    前記3つの単相変換器により出力される三相電流を検出する電流検出部と、
    前記電流検出部により検出された三相電流の和を算出する加算部と、
    前記電流検出部により検出された三相電流に基づき前記自励式変換器に対する交流出力電圧指令値を出力する制御部と、
    前記加算部により算出された三相電流の和に応じて前記制御部により出力された交流出力電圧指令値に対して各相共通の補正を行う補正部と、
    を備えることを特徴とする自励式変換器の制御装置。
  3. 3つの単相変換器を用いて三相を構成するとともに、交流系統側巻線がΔ結線された変圧器を介して三相交流系統に連系する自励式変換器の制御装置であって、
    前記Δ結線内部の三相電流を検出する第1電流検出部と、
    前記Δ結線から前記三相交流系統に対して流れる線電流である三相電流を検出する第2電流検出部と、
    前記第1電流検出部により検出された三相電流の和を算出する加算部と、
    前記第2電流検出部により検出された三相電流に基づき前記自励式変換器に対する交流出力電圧指令値を出力する制御部と、
    前記加算部により算出された三相電流の和に応じて前記制御部により出力された交流出力電圧指令値に対して各相共通の補正を行う補正部と、
    を備えることを特徴とする自励式変換器の制御装置。
  4. 3つの単相変換器を用いて三相を構成するとともに、交流系統側巻線がΔ結線された変圧器を介して三相交流系統に連系する自励式変換器の制御装置であって、
    前記3つの単相変換器により出力される三相電流を検出する第1電流検出部と、
    前記Δ結線から前記三相交流系統に対して流れる線電流である三相電流を検出する第2電流検出部と、
    前記第1電流検出部により検出された三相電流の和を算出する加算部と、
    前記第2電流検出部により検出された三相電流に基づき前記自励式変換器に対する交流出力電圧指令値を出力する制御部と、
    前記加算部により算出された三相電流の和に応じて前記制御部により出力された交流出力電圧指令値に対して各相共通の補正を行う補正部と、
    を備えることを特徴とする自励式変換器の制御装置。
  5. 前記補正部は、前記加算部により算出された三相電流の和に対して比例積分処理を施して算出した補正値に基づき前記制御部により出力された交流出力電圧指令値に対して各相共通の補正を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の自励式変換器の制御装置。
  6. 前記補正部は、前記加算部により算出された三相電流の和に対してフィルタ処理及び比例積分処理を施して算出した補正値に基づき前記制御部により出力された交流出力電圧指令値に対して各相共通の補正を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の自励式変換器の制御装置。
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