JP2009138570A - 燃料改質装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】内燃機関運転時に改質ガスを供給する場合におけるトータルの燃費の向上を図ることのできる燃料改質装置を提供すること。
【解決手段】ECU60に設けられる改質用燃料噴射量制御部は、改質ガス生成用の燃料である改質用燃料残量が所定量であるQfuel以下に場合には、改質用燃料の噴射量を減少させる制御である供給量制限制御を行う。このため、改質用燃料は無くなり難くなるため、改質用燃料残量が少なくなった場合でも、エンジン1の運転に用いる燃料である主燃料よりも先に改質用燃料が無くなることを抑制できる。これにより、エンジン1運転時の長時間に渡って改質ガスを生成し、改質ガスを必要に応じてエンジン1に供給し続けることができるため、エンジン1に改質ガスを供給することによる改質効果を維持することができる。この結果、エンジン1運転時に改質ガスを供給する場合におけるトータルの燃費の向上を図ることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】ECU60に設けられる改質用燃料噴射量制御部は、改質ガス生成用の燃料である改質用燃料残量が所定量であるQfuel以下に場合には、改質用燃料の噴射量を減少させる制御である供給量制限制御を行う。このため、改質用燃料は無くなり難くなるため、改質用燃料残量が少なくなった場合でも、エンジン1の運転に用いる燃料である主燃料よりも先に改質用燃料が無くなることを抑制できる。これにより、エンジン1運転時の長時間に渡って改質ガスを生成し、改質ガスを必要に応じてエンジン1に供給し続けることができるため、エンジン1に改質ガスを供給することによる改質効果を維持することができる。この結果、エンジン1運転時に改質ガスを供給する場合におけるトータルの燃費の向上を図ることができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、燃料改質装置に関するものである。特に、この発明は、改質用燃料を噴射した排気ガスを改質触媒に流すことにより、内燃機関で燃焼可能な改質ガスを生成する燃料改質装置に関するものである。
従来の内燃機関では、燃費の向上と運転性能の確保との両立を図るために、改質用燃料を改質して発熱量が大きい改質ガスを生成し、生成した改質ガスを内燃機関で燃焼させることにより、これらを両立させているものがある。例えば、特許文献1に記載のエンジンの燃料供給装置では、アルコールとガソリンの混合燃料からアルコールとガソリンとを分離する分離器と、分離器で分離したアルコールの一部を改質する改質器と、を備えており、分離器で分離したガソリンとアルコール及び改質ガスは、それぞれ異なる運転領域で吸気系に供給する。ガソリン、アルコール、改質ガスは、燃焼時における特性がそれぞれ異なっているため、このように運転領域に応じて供給する燃料を異ならせることにより、燃費の向上と運転性能の確保とを両立できる。
燃料の改質を行う場合には、特許文献1に記載のエンジンの燃料供給装置のように分離器を設け、ガソリンとアルコールとを分離器によって分離することによりそれぞれエンジンに供給しているが、分離器を設けると構造的に複雑になり、制御も困難になる虞がある。このため、従来の燃料改質装置には、内燃機関を運転させるガソリンなどの燃料と、改質ガスを生成する際の元になるアルコールなどの改質用燃料とを、予め別々の燃料タンクなどの別々の貯留手段に貯留しているものがある。これにより、分離器を設ける必要がなくなるため、構造を簡略化することができ、また、ガソリンとアルコールとの混合燃料を分離器で分離させる必要がなくなるため、制御が容易になる。
しかしながら、このように内燃機関を運転させる燃料と改質用燃料とを別々の貯留手段に貯留した場合、双方の燃料の消費速度が異なる場合がある。例えば内燃機関を運転させる燃料よりも改質用燃料の方が消費速度が速く、改質用燃料の方が先に無くなった場合、改質ガスを生成できなくなるので、改質用燃料を改質することによる改質効果を得ることができなくなる。つまり、内燃機関を運転させる燃料よりも先に改質用燃料が無くなった場合、改質ガスを生成することができなくなるので、改質ガスを内燃機関に供給することができなくなり、燃費の向上などの改質効果が低減する虞があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、内燃機関運転時に改質ガスを供給する場合におけるトータルの燃費の向上を図ることのできる燃料改質装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明に係る燃料改質装置は、車両に搭載される内燃機関の気筒内から排出された排気ガスを浄化する浄化手段と、改質させる元になる燃料である改質用燃料を前記排気ガスに対して供給する改質用燃料供給手段と、前記改質用燃料供給手段で前記改質用燃料を供給する前記排気ガスの流れ方向における前記改質用燃料供給手段の下流側に位置しており、前記改質用燃料を前記浄化手段の熱を利用して吸熱反応させることにより前記気筒内で燃焼可能な改質ガスを生成する改質手段と、前記改質用燃料供給手段で供給する前記改質用燃料を貯留する改質用燃料貯留手段と、前記改質用燃料供給手段を制御可能に設けられており、且つ、前記改質用燃料貯留手段で貯留する前記改質用燃料の貯留量が所定量以下の場合には前記改質用燃料の貯留量が所定量より多い場合と比較して前記改質用燃料供給手段で供給する前記改質用燃料の供給量を減少させつつ前記改質ガスを前記気筒内で燃焼させることによる改質効果が高い領域で前記改質用燃料を供給する制御である供給量制限制御を行う改質用燃料供給手段制御手段と、を備えることを特徴とする。
この発明では、改質用燃料貯留手段で貯留する改質用燃料の貯留量が所定量以下である場合には、改質用燃料の供給量を減少させつつ改質ガスを気筒内で燃焼させることによる改質効果が高い領域で改質用燃料を供給する制御である供給量制限制御を行うため、内燃機関の運転に用いる燃料よりも先に改質用燃料が無くなることを抑制できる。これにより、内燃機関運転時の長時間に渡って改質ガスを生成し、改質ガスを必要に応じて内燃機関に供給し続けることができる。また、供給量制限制御では、改質効果が高い領域で改質用燃料を供給するため、改質用燃料の供給量を減少させた場合でも、内燃機関に改質ガスを供給することによる改質効果を維持することができる。この結果、内燃機関運転時に改質ガスを供給する場合におけるトータルの燃費の向上を図ることができる。
また、この発明に係る燃料改質装置は、モータと共に原動手段として車両に搭載され、且つ、前記モータの電源であるバッテリの電気残量が所定量以下の場合には前記バッテリに充電をする充電運転が可能なる内燃機関の気筒内から排出された排気ガスを浄化する浄化手段と、改質させる元になる燃料である改質用燃料を前記排気ガスに対して供給する改質用燃料供給手段と、前記改質用燃料供給手段で前記改質用燃料を供給する前記排気ガスの流れ方向における前記改質用燃料供給手段の下流側に位置しており、前記改質用燃料を前記浄化手段の熱を利用して吸熱反応させることにより前記気筒内で燃焼可能な改質ガスを生成する改質手段と、前記改質用燃料供給手段で供給する前記改質用燃料を貯留する改質用燃料貯留手段と、前記改質用燃料供給手段を制御可能に設けられており、さらに、前記改質用燃料貯留手段で貯留する前記改質用燃料の貯留量が所定量以下で、且つ、前記内燃機関が前記充電運転を行わない場合には前記改質用燃料の貯留量が所定量より多い場合と比較して前記改質用燃料供給手段で供給する前記改質用燃料の供給量を減少させつつ前記改質ガスを前記気筒内で燃焼させることによる改質効果が高い領域で前記改質用燃料を供給する制御である供給量制限制御を行い、前記改質用燃料貯留手段で貯留する前記改質用燃料の貯留量が所定量以下で、且つ、前記内燃機関が前記充電運転を行う場合には前記供給量制限制御を行わない改質用燃料供給手段制御手段と、を備えることを特徴とする。
この発明では、改質用燃料貯留手段で貯留する改質用燃料の貯留量が所定量以下で、且つ、内燃機関が充電運転を行わない場合には、改質用燃料の供給量を減少させるため、内燃機関運転時の長時間に渡って改質ガスを生成することができる。また、この場合には、改質効果が高い領域で改質用燃料を供給するため、改質用燃料の供給量を減少させた場合でも、内燃機関に改質ガスを供給することによる改質効果を維持することができ、内燃機関運転時に改質ガスを供給する場合におけるトータルの燃費の向上を図ることができる。
また、改質用燃料貯留手段で貯留する改質用燃料の貯留量が所定量以下で、且つ、内燃機関が充電運転を行う場合には、供給量制限制御を行わないため、熱効率が低い状態での燃費を向上させることができる。つまり、内燃機関の運転は、通常運転時に熱効率が高くなるように制御されるが、充電運転時には、通常運転時よりも多くの発電を行う必要があるため、通常運転時よりも大きなトルクを出力する状態で運転する。このため、充電運転時の熱効率は、通常運転時よりも熱効率が低くなる。そこで、充電運転時には、改質ガスを供給することによる改質効果が、通常運転時よりも高くなる。また、このように熱効率が低い充電運転時には供給量制限制御を行わず、改質用燃料を供給し続けることにより、熱効率が低い運転状態で運転することによる燃費の悪化などを抑制できる。この結果、より確実に内燃機関運転時に改質ガスを供給する場合におけるトータルの燃費の向上を図ることができる。
また、この発明に係る燃料改質装置は、前記改質用燃料供給手段制御手段は、前記排気ガスの温度が前記改質用燃料を供給するか否かの基準となる温度である改質基準温度よりも高い場合には前記改質用燃料供給手段に前記改質用燃料を供給させ、前記排気ガスの温度が前記改質基準温度よりも低い場合には前記改質用燃料供給手段による前記改質用燃料の供給を停止させる制御を行い、且つ、前記供給量制限制御は、前記供給量制限制御を行わない場合と比較して前記改質基準温度を高くすることにより前記改質用燃料供給手段で供給する前記改質用燃料の供給量を減少させつつ前記改質効果が高い領域で前記改質用燃料を供給することを特徴とする。
この発明では、供給量制限制御は、改質用燃料を供給するか否かの判定に用いる改質基準温度を高くすることにより行うため、改質効果が高い領域でのみ改質用燃料を供給できる。詳しくは、改質手段は一般的に吸熱反応により改質用燃料を改質するため、改質用燃料を改質することができる温度領域は所定の温度以上の領域になっている。さらに、このような改質手段は、低温領域よりも高温領域の方が改質を行い易く、改質ガスを生成し易くなっている。このため、供給量制限制御を行う際には、改質基準温度を高くすることによって行うことにより、改質ガスをより多く生成することのできる温度領域でのみ改質用燃料を供給するので、燃費の向上などの改質効果が高い。この結果、より確実に内燃機関運転時に改質ガスを供給する場合におけるトータルの燃費の向上を図ることができる。
また、この発明に係る燃料改質装置は、前記改質用燃料供給手段制御手段は、前記供給量制限制御を行う場合には前記供給量制限制御を行わない場合と比較して前記改質用燃料供給手段で供給する前記改質用燃料の単位時間当りの供給量を低減させることにより前記改質用燃料の供給量を減少させつつ前記改質効果が高い領域で前記改質用燃料を供給することを特徴とする。
この発明では、供給量制限制御は、改質用燃料供給手段で供給する改質用燃料の単位時間当りの供給量を低減させることにより行うため、内燃機関運転時の長時間に渡って改質ガスを生成することができる。また、改質用燃料の単位時間当りの供給量を低減した場合、改質効果自体は低減するが、低減の度合いは改質用燃料の低減量とは比例しておらず、改質効果の低減の度合いは、改質用燃料の低減の度合いよりも小さくなっている。このため、改質用燃料を低減させた場合でも、この低減量に対して燃費の悪化は比較的小さくなっており、換言すると、改質用燃料を低減した場合でも改質効果はあまり低下しないため、改質効果が高い領域で改質用燃料を供給することになる。従って、改質用燃料の供給量を減少させた場合でも、燃費が悪化することを抑制できる。この結果、内燃機関運転時に改質ガスを供給する場合におけるトータルの燃費の向上を図ることができる。
また、この発明に係る燃料改質装置は、前記改質用燃料供給手段制御手段は、前記供給量制限制御を行う場合には、前記内燃機関の運転がノック域の場合にのみ前記改質用燃料供給手段に前記改質用燃料を供給させることにより、前記供給量制限制御を行わない場合と比較して前記改質用燃料供給手段で供給する前記改質用燃料の供給量を減少させつつ前記改質効果が高い領域で前記改質用燃料を供給することを特徴とする。
この発明では、供給量制限制御は、内燃機関の運転がノック域の場合にのみ改質用燃料を供給させることにより行うため、改質効果が高い領域でのみ改質用燃料を供給できる。詳しくは、改質ガスを内燃機関に供給した場合、ノッキングの改善効果もあるため、内燃機関の運転が、ノッキングが発生する領域であるノック域の場合に改質用燃料を供給することにより、改質ガスによってノッキングを抑制することができる。このため、供給量制限制御を行う際には、内燃機関の運転がノック域の場合にのみ改質用燃料を供給させることによって行うことにより、少量の改質用燃料で高い改質効果を得ることができる。この結果、内燃機関運転時に改質ガスを供給する場合におけるトータルの燃費の向上を図りつつ、ノッキングの抑制を図ることができる。
また、この発明に係る燃料改質装置は、前記改質用燃料供給手段制御手段は、前記供給量制限制御を行うか否かの判定に、前記内燃機関の運転に用いる燃料である主燃料を貯留する主燃料貯留手段での主燃料の貯留量に対する前記改質用燃料貯留手段で貯留する前記改質用燃料の貯留量の割合が所定値以下の場合に前記供給量制限制御を行うことも含めて判定することを特徴とする。
この発明では、供給量制限制御を行うか否かの判定を行う際に、主燃料貯留手段での主燃料の貯留量に対する改質用燃料貯留手段で貯留する改質用燃料の貯留量の割合を含めて判定している。つまり、上述した発明における供給量制限制御を、さらに主燃料貯留手段で貯留する主燃料の貯留量に対する改質用燃料貯留手段で貯留する改質用燃料の貯留量の割合が所定値よりも大きい場合には、供給量制限制御を行わないものとしている。このため、改質用燃料の貯留量が少ない場合でも、主燃料の貯留量が少ない場合には、改質用燃料と主燃料とは、同程度の時期に無くなるため、改質用燃料が無く、改質ガスが生成されない状態で内燃機関を運転する状態になることを抑制できる。従って、改質用燃料の貯留量が少なくなった場合でも主燃料の貯留量も少ない場合には、改質用燃料を供給するので、改質効果を得る時間が長くなる。この結果、より確実に内燃機関運転時に改質ガスを供給する場合におけるトータルの燃費の向上を図ることができる。
本発明に係る燃料改質装置は、内燃機関運転時に改質ガスを供給する場合におけるトータルの燃費の向上を図ることができる、という効果を奏する。
以下に、本発明に係る燃料改質装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、実施例1に係る燃料改質装置を備えるエンジンの全体構成図である。同図に示す燃料改質装置3は、内燃機関であるエンジン1に備えられている。燃料改質装置3が備えられているエンジン1は、4つの気筒5が直列に配置されている。また、このエンジン1には、気筒5内に連通すると共に気筒5内に吸入される空気が流れる通路である吸気通路10と、気筒5内で燃料を燃焼させた後、気筒5内から排出される排気ガスが流れる排気通路20とが接続されている。これらの吸気通路10と排気通路20とは、気筒5の数に合わせてそれぞれ4つの通路に分岐しており、分岐した通路が4つの気筒5に対応し、気筒5内に連通してエンジン1に接続されている。
この吸気通路10と排気通路20とのうち吸気通路10には、エンジン1の運転時に気筒5に対してエンジン1の運転に用いる燃料である主燃料を供給可能な主燃料供給手段であるインジェクタ11が配設されている。このインジェクタ11は、エンジン1の運転時に気筒5内に主燃料を噴射することにより、気筒5に対して主燃料を供給可能に設けられている。また、吸気通路10を流れる空気の流れ方向におけるインジェクタ11の上流側には、吸気通路10内を開閉可能なスロットルバルブ12が配設されており、スロットルバルブ12のさらに上流側には、吸気通路10内を流れる空気の流量を検出可能なエアフロメータ13が設けられている。このように形成される吸気通路10の入口には、吸気通路10に流入する空気中の不純物を除去するエアクリーナ14が設けられている。
また、排気通路20には、排気ガスの成分を検出可能な排気ガス成分検出手段であるO2センサ35が設けられており、さらに、排気ガスを浄化し、且つ、改質用燃料の改質を行う触媒部30が備えられている。この触媒部30には、排気ガスを浄化する浄化手段である浄化触媒31が内設されている。さらに、触媒部30には、改質用の燃料である改質用燃料より、気筒5内で燃焼可能な改質ガスを生成する改質手段である改質触媒32が内設されている。この改質触媒32は、触媒部30に内設される浄化触媒31の周囲に配設されており、例えばロジウム系の触媒が用いられている。また、触媒部30には、浄化触媒31の温度を検出可能な浄化手段温度検出手段である浄化触媒温度センサ36が備えられている。
また、排気通路20は、排気通路20内を流れる排気ガスの流れ方向における触媒部30の上流で通路が分岐しており、分岐した通路のうち、一方の通路は排気通路20の主となる通路である排気主通路21となっている。また、排気通路20の分岐した通路のうち、他方の通路は改質用通路22となっている。この改質用通路22は、一端が排気主通路21に接続され、他端が触媒部30に接続されている。このように形成される改質用通路22には、改質させる元になる燃料である改質用燃料を排気ガスに対して供給可能な改質用燃料供給手段である改質用燃料インジェクタ25が設けられている。この改質用燃料インジェクタ25は、改質用燃料を改質用通路22内に噴射することにより、改質用燃料を排気ガスに対して供給可能になっている。
また、改質用燃料インジェクタ25が設けられる改質用通路22は、一端が排気主通路21に接続され、他端が触媒部30に接続されており、改質用通路22内を流れる排気ガスは、排気主通路21に接続されている側から触媒部30に接続されている側に流れる。このため、改質用燃料インジェクタ25は、改質用通路22内を流れる排気ガスの流れ方向における触媒部30の上流側に位置している。このため、換言すると、触媒部30に設けられる改質触媒32は、改質用燃料インジェクタ25で改質用燃料を供給する排気ガスの流れ方向における改質用燃料インジェクタ25の下流側に位置している。
また、触媒部30にはEGRガス通路40が接続されており、このEGRガス通路40は、排気ガスが流れる方向において触媒部30と吸気通路10との間に設けられている。つまり、EGRガス通路40は、触媒部30と吸気通路10とを接続している。このように設けられるEGRガス通路40は、触媒部30からEGRガス通路40に流れた排気ガス及び改質触媒32で生成した改質ガスが、触媒部30側から吸気通路10側に流れることができるように形成されている。即ち、EGRガス通路40は、改質ガスを気筒5の吸気通路10に流入させることが可能な還流通路となっている。
また、当該EGRガス通路40には、EGRガス通路40を流れる排気ガスや改質ガスを冷却可能な冷却手段であるEGRクーラ41が設けられている。EGRクーラ41は、エンジン1を循環し、当該エンジン1を搭載する車両(図示省略)の運転時にエンジン1を冷却する冷却媒体である冷却水(図示省略)と、排気ガス及び改質ガスとの間で熱交換を行うことができるように形成されており、排気ガス及び改質ガスは、冷却水との間で熱交換を行うことにより温度が低下する。
また、EGRガス通路40には、EGRクーラ41が設けられている部分と吸気通路10に接続されている部分との間の部分、即ち、EGRガス通路40における吸気通路10に接続されている部分の近傍に、EGRガス通路40内を開閉可能なEGRガス流量調整バルブ42が配設されている。
また、このように設けられるEGRガス通路40と改質用通路22とは、双方の通路が接続される触媒部30を挟んで直線状に形成されている。詳しくは、EGRガス通路40と改質用通路22とは、排気主通路21内を流れる排気ガスの流れ方向に対して略直交する方向で触媒部30に接続されており、さらに、EGRガス通路40と改質用通路22とは、触媒部30に対して互いに略対向する位置に接続されている。これにより、EGRガス通路40と改質用通路22とにおける触媒部30に接続されている部分は、触媒部30を挟んで直線状に形成されている。
このように形成される排気通路20は、排気主通路21を流れる排気ガスの流れ方向における触媒部30の下流側にも設けられている。即ち、排気通路20は、排気ガスの流れ方向における触媒部30の上流側から下流側にかけて連通して形成されている。また、排気通路20には、排気主通路21を流れる排気ガスの流れ方向における触媒部30の下流側の位置に、排気通路20内を流れる排気ガスの温度を検出可能な排気ガス温度検出手段である排気温度センサ37が設けられている。
また、吸気通路10に設けられたインジェクタ11は、エンジン1を搭載する車両に設けられ、主燃料を貯留する主燃料タンク51に接続されている。この主燃料タンク51は、主燃料タンク51内の主燃料を外部に送出可能な主燃料フィードポンプ52を備えており、主燃料タンク51内の主燃料は、この主燃料フィードポンプ52によってインジェクタ11に供給可能に設けられている。また、この主燃料タンク51には、当該主燃料タンク51内に貯留されている主燃料の残量を検出可能な主燃料残量検出手段である主燃料残量センサ53が設けられている。なお、実施例1に係る燃料改質装置3では、主燃料タンク51に貯留される主燃料、即ち、エンジン1の運転に用いられる燃料は、ガソリンとアルコール燃料とが混合された燃料となっている。
同様に、改質用通路22に設けられた改質用燃料インジェクタ25は、改質用燃料を貯留する改質用燃料タンク55に接続されている。この改質用燃料タンク55は、改質用燃料タンク55内の改質用燃料を外部に送出可能な改質用燃料フィードポンプ56を備えており、改質用燃料タンク55内の改質用燃料は、この改質用燃料フィードポンプ56によって改質用燃料インジェクタ25に供給可能に設けられている。また、この改質用燃料タンク55には、当該改質用燃料タンク55内に貯留されている改質用燃料の残量を検出可能な改質用燃料残量検出手段である改質用燃料残量センサ57が設けられている。なお、実施例1に係る燃料改質装置3では、改質用燃料タンク55に貯留される改質用燃料、即ち、改質触媒32で改質される改質用燃料は、アルコール燃料となっている。
これらのインジェクタ11及び改質用燃料インジェクタ25、スロットルバルブ12、EGRガス流量調整バルブ42、エアフロメータ13、O2センサ35、浄化触媒温度センサ36、排気温度センサ37、主燃料残量センサ53、改質用燃料残量センサ57は、車両の各部を制御するECU(Electronic Control Unit)60に接続されている。
図2は、図1に示す燃料改質装置の要部構成図である。ECU60には、処理部61、記憶部75及び入出力部76が設けられており、これらは互いに接続され、互いに信号の受け渡しが可能になっている。また、ECU60に接続されているインジェクタ11、改質用燃料インジェクタ25、スロットルバルブ12、EGRガス流量調整バルブ42、エアフロメータ13、O2センサ35、浄化触媒温度センサ36、排気温度センサ37、主燃料残量センサ53、改質用燃料残量センサ57は、入出力部76に接続されており、入出力部76は、これらのスロットルバルブ12や浄化触媒温度センサ36等との間で信号の入出力を行う。また、記憶部75には、実施例1に係る燃料改質装置3を制御するコンピュータプログラムが格納されている。この記憶部75は、ハードディスク装置や光磁気ディスク装置、またはフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ(CD−ROM等のような読み出しのみが可能な記憶媒体)や、RAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリ、或いはこれらの組み合わせにより構成することができる。
また、処理部61は、メモリ及びCPU(Central Processing Unit)により構成されており、スロットルバルブ12の開閉の制御が可能なスロットルバルブ制御部62と、エアフロメータ13での検出結果より運転中のエンジン1の吸入空気量を取得可能な吸入空気量取得部63と、を有している。
また、処理部61は、インジェクタ11を制御することによりインジェクタ11から噴射する主燃料の噴射量を制御可能な主燃料供給手段制御手段である主燃料噴射量制御部64と、改質用燃料インジェクタ25を制御可能に設けられていると共に改質用燃料インジェクタ25を制御することにより改質用燃料インジェクタ25から噴射する改質用燃料の噴射量を制御に設けられており、且つ、改質用燃料タンク55で貯留する改質用燃料の貯留量が所定量以下の場合には改質用燃料の貯留量が所定量より多い場合と比較して改質用燃料インジェクタ25で噴射する改質用燃料の噴射量を減少させつつ改質ガスを気筒5内で燃焼させることによる改質効果が高い領域で改質用燃料を噴射する制御である供給量制限制御を行う改質用燃料供給手段制御手段である改質用燃料噴射量制御部65と、EGRガス流量調整バルブ42の開閉の制御が可能なEGRガス流量調整バルブ制御部66と、を有している。
また、処理部61は、主燃料残量センサ53での検出結果より、主燃料タンク51内に貯留されている主燃料の残量を取得する主燃料残量取得手段である主燃料残量取得部67と、改質用燃料残量センサ57での検出結果より、改質用燃料タンク55内に貯留されている改質用燃料の残量を取得する改質用燃料残量取得手段である改質用燃料残量取得部68と、排気温度センサ37での検出結果より、排気ガスの温度、即ち排気温度を取得する排気ガス温度取得手段である排気温度取得部69と、改質用燃料残量取得部68で取得した改質用燃料の残量が所定量よりも多いか否かを判定する改質用燃料残量判定部70と、を有している。
ECU60によって制御される燃料改質装置3の制御は、例えば、排気温度センサ37などによる検出結果に基づいて、処理部61が上記コンピュータプログラムを当該処理部61に組み込まれたメモリに読み込んで演算し、演算の結果に応じてEGRガス流量調整バルブ42などを作動させることにより制御する。その際に処理部61は、適宜記憶部75へ演算途中の数値を格納し、また格納した数値を取り出して演算を実行する。なお、このように燃料改質装置3を制御する場合には、上記コンピュータプログラムの代わりに、ECU60とは異なる専用のハードウェアによって制御してもよい。
この実施例1に係る燃料改質装置3は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。実施例1に係る燃料改質装置3が搭載される車両は、運転時には車両の室内に設けられるアクセルペダル(図示省略)の開度に応じて、ECU60の処理部61が有するスロットルバルブ制御部62がスロットルバルブ12の開度を制御する。これにより、吸気通路10にはスロットルバルブ12の開度に応じた空気が流れる。吸気通路10に空気が流れた場合、この空気の流量をエアフロメータ13で検出し、エアフロメータ13での検出結果をECU60の処理部61が有する吸入空気量取得部63で取得する。
吸入空気量取得部63で取得した吸入空気量は、アクセルペダルの開度などの運転状態に関する情報と共にECU60の処理部61が有する主燃料噴射量制御部64に伝達され、伝達された運転状態に関する情報に応じて主燃料噴射量制御部64によってインジェクタ11を制御し、インジェクタ11を作動させる。エンジン1の運転時には、インジェクタ11には、主燃料タンク51が備える主燃料フィードポンプ52によって主燃料タンク51内の主燃料が供給されるため、主燃料噴射量制御部64がインジェクタ11を作動させることにより、インジェクタ11は、主燃料噴射量制御部64での制御に応じた主燃料を吸気通路10内に噴射する。
このように、吸気通路10内に対してインジェクタ11から主燃料を噴射することにより、噴射した主燃料は吸気通路10内を流れる空気と混合し、混合気となって吸気通路10内を流れる。吸気通路10内を流れる混合気は、分岐して形成される吸気通路10に沿って分岐し、エンジン1が有する4つの気筒5内に吸入される。
気筒5内に吸入された混合気は、それぞれの気筒5の燃焼行程で混合気中の主燃料が燃焼し、燃焼後の排気ガスは、排気行程で気筒5内から排気通路20に流出する。排気通路20に排気ガスが流れた場合、排気ガスの大部分は排気通路20の排気主通路21を通り、触媒部30に流れて触媒部30に設けられる浄化触媒31に流れる。浄化触媒31に流れた排気ガスは浄化触媒31によって浄化され、排気ガスの流れ方向における触媒部30の下流側に位置する排気通路20に流れて大気に放出される。また、このように排気ガスが浄化触媒31を通過する際には、浄化触媒31には排気ガスの熱が伝達されるため、浄化触媒31は、排気ガスの熱により温度が上昇する。
一方、排気通路20を流れる排気ガスのうち、一部の排気ガスは改質用通路22に流れる。改質用通路22には、このように一部の排気ガスが流れるが、この改質用通路22には改質用燃料インジェクタ25が設けられている。改質用燃料インジェクタ25は、改質用通路22内を流れる排気ガスに対して改質用燃料を噴射可能に設けられており、その噴射量は、ECU60の処理部61が有する改質用燃料噴射量制御部65によって制御可能に設けられている。つまり、改質用燃料噴射量制御部65は改質用燃料インジェクタ25を制御することにより改質用燃料インジェクタ25を作動させることができるが、この改質用燃料インジェクタ25には、改質用燃料タンク55が備える改質用燃料フィードポンプ56によって改質用燃料タンク55内の改質用燃料が供給される。このため、改質用燃料噴射量制御部65が改質用燃料インジェクタ25を作動させることにより、改質用燃料インジェクタ25は、改質用燃料噴射量制御部65での制御に応じた改質用燃料を改質用通路22内に噴射する。
また、エンジン1の運転中は、排気温度センサ37での検出結果よりECU60の処理部61が有する排気温度取得部69で排気ガスの温度である排気温度を取得する。改質用燃料インジェクタ25を制御する改質用燃料噴射量制御部65は、排気温度取得部69で取得した排気温度が、改質用燃料を噴射するか否かの基準となる温度である改質基準温度よりも高い場合には改質用燃料インジェクタ25に改質用燃料を噴射させ、排気温度取得部69で取得した排気温度が改質基準温度よりも低い場合には改質用燃料インジェクタ25による改質用燃料の噴射を停止させる制御を行う。
改質用燃料噴射量制御部65によって制御されることにより改質用燃料インジェクタ25が改質用燃料を噴射した場合、改質用燃料は改質用通路22を流れる排気ガスと混合し、混合した状態で触媒部30に流入する。このように、改質用燃料と混合した状態で触媒部30に流入した排気ガスは、触媒部30に設けられている改質触媒32を通過する。
ここで、改質触媒32は、浄化触媒31の周囲に配設されて浄化触媒31と一体となって触媒部30に内設されているが、浄化触媒31は、排気主通路21から流れる排気ガスの熱が伝達されることにより、温度が高くなっている。このため、このように温度が高くなった浄化触媒31の熱は改質触媒32に伝達され、改質触媒32の温度も上昇する。これにより、改質用燃料と混合した排気ガスが改質触媒32を通過する際には、改質触媒32は、排気ガスに熱を与えながら、改質用燃料が混合した排気ガスを改質し、改質ガスを生成する。
つまり、改質触媒32は、浄化触媒31を介して排気ガスの熱が伝達されることにより温度が上昇するが、改質触媒32の作用で排気ガス及び改質用燃料を改質する際には、この熱を利用し、吸熱反応により改質する。このように、触媒部30に内設される改質触媒32は、浄化触媒31が排気ガスを浄化する際に排気ガスから伝達される熱を利用して、排気ガス及び改質用燃料を改質し、改質ガスを生成可能に設けられている。この改質により生成した改質ガスは、水素や一酸化炭素を含んでおり、燃焼可能な気体となっている。
このように改質用燃料を改質触媒32で改質することにより生成した改質ガス、及び改質ガスに改質されずに改質触媒32を通過する排気ガスは、エンジン1に還流する還流ガスであるEGRガスとして、EGRガス通路40に流れる。EGRガス通路40に流れたEGRガスは、EGRクーラ41を通過する。その際に、EGRクーラ41は、EGRガスと冷却水との間で熱交換を行わせる。これにより、EGRガスは、温度が低下する。
EGRクーラ41によって温度が低下したEGRガスは、さらにEGRガス通路40を流れ、EGRガス流量調整バルブ42の方向に向かう。このEGRガス流量調整バルブ42は、ECU60の処理部61が有するEGRガス流量調整バルブ制御部66によって制御可能に設けられており、EGRガス流量調整バルブ制御部66は、EGRガス流量調整バルブ42を制御することによりEGRガス流量調整バルブ42の開度を調整する。
ここで、EGRガス流量調整バルブ42が設けられるEGRガス通路40は、吸気通路10に接続されているが、吸気通路10内を流れる空気とEGRガス通路40内を流れるEGRガスとでは、EGRガス通路40内を流れるEGRガスの方が、吸気通路10内を流れる空気よりも圧力が高くなっている。このため、吸気通路10とEGRガス通路40とが連通した状態では、EGRガス通路40内を流れるEGRガスは、吸気通路10内に流入する。
従って、EGRガス流量調整バルブ制御部66によってEGRガス流量調整バルブ42を制御し、EGRガス流量調整バルブ42の開度を大きくした場合には、EGRガス通路40内を流れるEGRガスの吸気通路10内への流入量は多くなり、EGRガス流量調整バルブ42の開度を小さくした場合には、吸気通路10内へのEGRガスの流入量は少なくなる。
吸気通路10には、このようにEGRガス流量調整バルブ42の開度に応じた量のEGRガスが流れるが、このEGRガスには改質ガスが含まれており、さらに改質ガスには、水素や一酸化炭素などの燃焼可能なガスが含まれている。このため、EGRガスが流入した気筒5内で燃料が燃焼する場合には、燃料と共に改質ガスも燃焼する。特に、水素は急速燃焼をするガスであるため、水素が燃焼をする際には、気筒5内の水素は急速な燃焼速度で燃焼する。
また、これらのように気筒5内で燃焼する改質ガスは、エンジン1の運転に用いられる主燃料であるガソリンとアルコール燃料との混合燃料よりも発熱量が高いため、改質ガスが燃焼した際には、エンジン1の出力は増加する。従って、EGRガスに含まれる改質ガスを燃焼させる場合において、エンジン1の出力を一定にする場合には、改質ガスを燃焼させない場合と比較してスロットルバルブ12は閉じ、インジェクタ11から噴射する主燃料の噴射量を低減させる。
また、エンジン1の運転中は、主燃料残量センサ53での検出結果より、主燃料タンク51内に貯留されている主燃料の貯留量である主燃料残量を、ECU60の処理部61が有する主燃料残量取得部67で取得する。同様に、改質用燃料残量センサ57での検出結果より、改質用燃料タンク55内に貯留されている改質用燃料の貯留量である改質用燃料残量を、ECU60の処理部61が有する改質用燃料残量取得部68で取得する。改質用燃料残量取得部68は、このように改質用燃料を取得するが、改質用燃料噴射量制御部65は、改質用燃料残量取得部68で取得した改質用燃料残量が所定量以下の場合には供給量制限制御を行い、改質用燃料インジェクタ25で噴射する改質用燃料の噴射量を減少させる。
図3は、実施例1に係る燃料改質装置で供給量制限制御を行う場合の排気温度と燃費向上効果との関係を示す説明図である。図3における横軸は、エンジン1から排出される排気ガスの温度を示しており、縦軸は燃料改質装置3でエンジン1に改質ガスを供給した場合における燃費向上効果の大きさを示している。改質用燃料噴射量制御部65で供給量制限制御を行う場合、具体的には、供給量制限制御を行わない場合と比較して改質基準温度を高くすることにより、改質用燃料インジェクタ25で噴射する改質用燃料の噴射量を減少させる。
つまり、改質用燃料残量が所定量より多い場合には、改質用燃料を噴射するか否かの基準となる温度である改質基準温度は、排気ガスに改質用燃料を噴射した場合に改質触媒32で改質用燃料を改質することのできる排気温度である改質可能排気温度にする。これにより、改質用燃料インジェクタ25は、排気温度が改質可能温度以上の場合に改質用燃料を噴射する。
これに対し、改質用燃料残量が所定量以下の場合には、改質基準温度は、排気ガスに改質用燃料を噴射した場合に、改質触媒32でより多くの改質用燃料を改質することができ、より多くの改質ガスを生成することができる排気温度である高改質効果排気温度にする。ここで、排気ガスに改質用燃料を噴射した場合、改質用燃料は排気温度が高くなるに従って改質触媒32で改質され易くなる。即ち、改質用燃料は排気温度が高くなるに従って改質されて改質ガスが多く生成され易くなるため、図3の改質効果線83で示すように、排気温度が高くなるに従って、改質ガスがエンジン1に供給されることによる燃費向上効果が大きくなる。高改質効果排気温度82は、このように改質ガスが多く生成されることによる燃費向上効果などの改質効果が高くなる排気温度であり、その温度は改質可能排気温度81よりも高くなっている。
改質用燃料残量が所定量以下の場合には、改質基準温度をこの高改質効果排気温度82にすることにより、改質用燃料インジェクタ25は、排気温度が高改質効果排気温度82以上の場合に改質用燃料を噴射する。
このように、改質基準温度を高改質効果排気温度82にした場合には、改質基準温度を改質可能排気温度81にした場合と比較して改質用燃料を噴射する領域が、排気温度が高温の領域である場合のみに限定される。このため、改質用燃料の噴射量を総合的に見た場合、改質用燃料インジェクタ25で噴射する改質用燃料の噴射量は減少する。従って、改質用燃料噴射量制御部65は、改質用燃料残量取得部68で取得した改質用燃料残量が所定量以下の場合には、改質基準温度を高くすることにより、改質用燃料インジェクタ25で噴射する改質用燃料の噴射量を減少させつつ、改質ガスを気筒5内で燃焼させることによる改質効果が高い領域で改質用燃料を噴射させる。
図4は、実施例1に係る燃料改質装置の処理手順を示すフロー図である。次に、実施例1に係る燃料改質装置3の制御方法、即ち、当該燃料改質装置3の処理手順について説明する。実施例1に係る燃料改質装置3の処理手順では、まず、排気温度を取得する(ステップST101)。この取得は、排気温度センサ37で検出する排気温度の検出結果が、ECU60の処理部61が有する排気温度取得部69に伝達され、排気温度取得部69で取得する。
次に、改質用燃料残量を取得する(ステップST102)。この取得は、改質用燃料残量センサ57で検出する改質用燃料残量の検出結果が、ECU60の処理部61が有する改質用燃料残量取得部68に伝達され、改質用燃料残量取得部68で取得する。
次に、改質用燃料残量>Qfuelであるかを判定する(ステップST103)。この判定は、改質用燃料残量取得部68で取得した改質用燃料残量が、当該改質用燃料残量が多いか少ないかを判定する所定量であるQfuelより多いか否かを、ECU60の処理部61が有する改質用燃料残量判定部70で判定する。この判定を行う際には、改質用燃料残量取得部68で取得した改質用燃料残量が改質用燃料残量判定部70に伝達され、改質用燃料残量判定部70で改質用燃料残量とQfuelとを比較する。なお、この判定に用いるQfuelは、改質用燃料タンク55内の改質用燃料残量が十分であるか否かを判断する所定量として、予めECU60の記憶部75に記憶されている。
改質用燃料残量判定部70での判定(ステップST103)により、改質用燃料残量はQfuelよりも多いと判定された場合には、改質基準温度を改質可能排気温度にする(ステップST104)。この改質基準温度の設定は、改質用燃料噴射量制御部65で行う。なお、改質基準温度に代入される改質可能排気温度は、排気ガスに改質用燃料を噴射した場合に改質触媒32で改質用燃料を改質することのできる排気温度として、予めECU60の記憶部75に記憶されている。
次に、改質基準温度以上の領域で、改質用燃料を噴射する(ステップST105)。この制御は、排気温度取得部69で取得した排気温度が改質基準温度以上の場合、改質用燃料噴射量制御部65で改質用燃料インジェクタ25を制御して改質ガスを噴射する。つまり、排気温度が改質基準温度以上の領域で改質用燃料を噴射し、改質触媒32で改質させることにより改質ガスを生成する。この場合、改質基準温度は改質可能排気温度であるため、換言すると、排気温度が改質可能排気温度以上の場合に、改質用燃料を噴射し、改質ガスを生成する。改質用燃料を噴射する制御を行った後は、この処理手順から抜け出る。
これに対し、改質用燃料残量判定部70での判定(ステップST103)により、改質用燃料残量はQfuel以下であると判定された場合には、改質基準温度を高改質効果排気温度にする(ステップST106)。この改質基準温度の設定は、改質用燃料噴射量制御部65で行う。なお、改質基準温度に代入される高改質効果排気温度は、排気ガスに改質用燃料を噴射した場合に、改質触媒32でより多くの改質用燃料を改質することができ、より多くの改質ガスを生成することができる排気温度として、改質可能排気温度と同様に予めECU60の記憶部75に記憶されている。
改質基準温度を高改質効果排気温度にした後は、改質基準温度を改質可能排気温度にした場合と同様に、改質基準温度以上の領域で改質用燃料を噴射する(ステップST105)。この制御は、排気温度取得部69で取得した排気温度が改質基準温度以上の場合、改質用燃料噴射量制御部65で改質用燃料インジェクタ25を制御して改質ガスを噴射するため、換言すると、排気温度が高改質効果排気温度以上の場合に、改質ガスを噴射する。これにより、排気温度が改質基準温度以上の領域、或いは排気温度が高改質効果排気温度以上の領域で改質用燃料を噴射し、改質触媒32で改質させることにより改質ガスを生成する。改質用燃料を噴射する制御を行った後は、この処理手順から抜け出る。
実施例1に係る燃料改質装置3では、供給量制限制御は、このように改質用燃料残量がQfuelより多い場合には改質基準温度を改質可能排気温度にし、改質用燃料残量がQfuel以下の場合には改質基準温度を高改質効果排気温度にすることにより、改質用燃料の噴射領域を、排気温度が高改質効果排気温度以上の領域のみにすることにより行う。即ち、改質用燃料残量がQfuelより多い場合における改質用燃料の噴射領域と比較して、改質用燃料残量がQfuel以下の場合における改質用燃料の噴射領域を制限することにより、改質用燃料の供給量を制限する。
次に、供給量制限制御を行う場合と供給量制限制御を行わない場合との燃費の比較について説明する。図5は、燃費の比較を行う場合におけるエンジンの運転モードの説明図である。図6は、供給量制限制御を行う場合と供給量制限制御を行わない場合との燃費の比較の説明図である。供給量制限制御を行う場合と供給量制限制御を行わない場合とで燃費を比較する際に、エンジン1を図5に示すように回転数が低く、トルクも小さい運転状態であるAモードと、回転数が高く、トルクも大きい運転状態であるBモードとで交互に運転させる。このAモードとBモードとでは、AモードよりもBモードの方がエンジン1の回転数が高く、トルクが大きいため、排気温度が高くなっている。このため、AモードよりもBモードの方が、改質効果が高く、燃費が良くなっている(図6)。
また、エンジン1をAモードとBモードとで交互に運転する場合には、改質用燃料も運転状態に応じて噴射するが、エンジン1の運転時に改質用燃料を噴射することにより、運転時間が経過するに従って改質用燃料残量は減少する。そして、改質用燃料残量が十分であるか否かを判定するQfuel以下になった場合には、実施例1に係る燃料改質装置3では、供給量制限制御を行う。
この供給量制限制御では、排気温度が高い場合にのみ改質用燃料を噴射する。このため、改質用燃料残量がQfuel以下になり、且つ、Aモードで運転中における排気温度が高改質効果排気温度よりも低く、Bモードで運転中における排気温度が高改質効果排気温度よりも高い場合には、改質用燃料はBモードで運転している場合にのみ噴射する。つまり、供給量制限制御では、供給量制限制御中における改質用燃料の消費の仕方を表す線である供給量制限制御時消費線85(図6)で示すように、改質用燃料はAモードで運転している場合は改質用燃料を消費せず、Bモードで運転している場合にのみ改質用燃料を消費する。
従って、改質用燃料残量がQfuel以下になった場合には、Aモードで運転中は改質用燃料を噴射しないため、改質用燃料を噴射して改質ガスを生成していた場合と比較して燃費が悪化する。即ち、Aモードで運転をしている際における改質用燃料噴射停止時87は、改質用燃料の噴射を停止させる前と比較して燃費が悪化するが、このAモードは排気温度が低いため、改質効果が低い運転モードになっている。このため、Aモードで運転をしている場合に改質用燃料の噴射を停止した場合でも、改質用燃料の噴射の停止によって改質効果が無くなることによる燃費の悪化は少なくなっている。また、改質用燃料は排気温度が高改質効果排気温度よりも高い場合にのみ噴射するため、改質用燃料の消費量は低減し、改質用燃料残量は無くなり難くなる。
これに対し、改質用燃料残量がQfuel以下の場合でも供給量制限制御を行わない場合には、改質用燃料残量がQfuel以下になる以前と同様に改質用燃料を噴射し続ける。即ち、エンジン1をAモードで運転する場合もBモードで運転する場合も改質用燃料を噴射する。このため、改質用燃料は、供給量制限制御を行わない場合における改質用燃料の消費の仕方を表す線である供給量制限制御無し時消費線86(図6)で示すように、供給量制限制御を行う場合と比較して消費される速度が早くなる。
即ち、供給量制限制御を行う場合には改質用燃料はBモードで運転中にのみ噴射されるのに対し、供給量制限制御を行わない場合にはAモードで運転中とBモードで運転中との両方の場合で噴射されるため、供給量制限制御を行わない場合には供給量制限制御を行う場合に対してAモードで運転中に噴射をする分、改質用燃料の消費速度が早くなる。従って、供給量制限制御を行わない場合には、供給量制限制御を行う場合よりも早く改質用燃料が完全に消費され、改質用燃料タンク55内の改質用燃料が無くなる。改質用燃料が無くなった場合、改質ガスが生成されることによる改質効果が無くなるが、改質効果が無くなることによる影響は、Aモードで運転中よりもBモードで運転中の方が大きくなっている。
つまり、Aモードは排気温度が低いため改質効果が低い運転モードになっており、Bモードは排気温度が高いため改質効果が高い運転モードになっている。これにより、Bモードは高い改質効果により燃費が大幅に向上しているため、改質用燃料が無くなった場合には、AモードよりもBモードの方が、改質用燃料が無くなった影響が大きくなる。このため、Bモードの燃費は、図6で示した改質用燃料消費時88のように、改質用燃料が無くなる前と比較して大幅に悪化する。この場合における燃費の悪化は、改質用燃料残量がQfuel以下になった場合に供給量制限制御をすることによりAモードで運転中に改質用燃料の噴射を停止することによる燃費の悪化よりも悪化の度合いが大きくなっている。
このため、エンジン1の運転中の燃費を総合的に見た場合、改質用燃料残量がQfuel以下になった場合には、供給量制限制御を行う場合よりも供給量制限制御を行わない場合の方が燃費が悪化し易くなる。換言すると、供給量制限制御を行わない場合よりも供給量制限制御を行う場合の方が、燃費が良くなる。
以上の燃料改質装置3は、改質用燃料残量が所定量であるQfuel以下に場合には、改質用燃料の噴射量を減少させつつ改質ガスを気筒5内で燃焼させることによる改質効果が高い領域で改質用燃料を供給する制御である供給量制限制御を行うため、改質用燃料は無くなり難くなる。このため、改質用燃料残量が少なくなった場合でも、エンジン1の運転に用いる燃料である主燃料よりも先に改質用燃料が無くなることを抑制できる。これにより、エンジン1運転時の長時間に渡って改質ガスを生成し、改質ガスを必要に応じてエンジン1に供給し続けることができる。また、供給量制限制御では、改質効果が高い領域で改質用燃料を供給するため、改質用燃料の供給量を減少させた場合でも、エンジン1に改質ガスを供給することによる改質効果を維持することができる。この結果、エンジン1の運転時に改質ガスを供給する場合におけるトータルの燃費の向上を図ることができる。
また、実施例1に係る燃料改質装置では、供給量制限制御は、改質用燃料を噴射するか否かの判定に用いる改質基準温度を高改質効果排気温度にして改質基準温度を高くすることにより行うため、改質効果が高い領域でのみ改質用燃料を供給できる。詳しくは、改質触媒32は吸熱反応により改質用燃料を改質するため、改質用燃料を改質することができる温度領域は所定の温度以上の領域になっている。さらに、このような改質触媒32は、低温領域よりも高温領域の方が改質を行い易く、改質ガスを生成し易くなっている。このため、供給量制限制御を行う際には、改質基準温度を高くすることによって行うことにより、改質ガスをより多く生成することのできる温度領域でのみ改質用燃料を噴射するので、燃費の向上などの改質効果が高くなる。この結果、より確実にエンジン1の運転時に改質ガスを供給する場合におけるトータルの燃費の向上を図ることができる。
実施例2に係る燃料改質装置90は、実施例1に係る燃料改質装置3と略同様の構成であるが、供給量制限制御は単位時間当りの改質用燃料の噴射量を低減することにより行う点に特徴がある。他の構成は実施例1と同様なので、その説明を省略すると共に、同一の符号を付す。図7は、実施例2に係る燃料改質装置の要部構成図である。実施例2に係る燃料改質装置90は、実施例1に係る燃料改質装置3と同様にエンジン1に備えられており(図1参照)、排気通路20は、改質用燃料インジェクタ25が設けられた改質用通路22を有している。また、排気通路20には、浄化触媒31及び改質触媒32を内設すると共にEGRガス通路40が接続された触媒部30が設けられており、触媒部30に接続されたEGRガス通路40は、触媒部30に接続されている側の端部の反対側に位置する端部が吸気通路10に接続されている。また、EGRガス通路40には、当該EGRガス通路40内を開閉可能なEGRガス流量調整バルブ42が設けられている。
また、この実施例2に係る燃料改質装置90が有するECU60は、実施例1に係る燃料改質装置3が有するECU60と同様に処理部61と記憶部75と入出力部76とを有している。このうち、処理部61は、少なくともスロットルバルブ制御部62と、吸入空気量取得部63と、主燃料噴射量制御部64と、改質用燃料噴射量制御部65と、EGRガス流量調整バルブ制御部66と、主燃料残量取得部67と、改質用燃料残量取得部68と、排気温度取得部69と、改質用燃料残量判定部70と、を有している。
この実施例2に係る燃料改質装置90は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。実施例2に係る燃料改質装置90を備えるエンジン1の運転時には、アクセルペダルの開度に応じてスロットルバルブ制御部62でスロットルバルブ12の開度を制御することにより、スロットルバルブ12の開度に応じた量の空気が吸気通路10に流れる。吸気通路10を流れる吸入空気量は、吸気通路10に設けられるエアフロメータ13で検出し、検出結果を吸入空気量取得部63で取得する。
また、吸気通路10にはインジェクタ11が設けられており、このインジェクタ11を主燃料噴射量制御部64で制御することにより、吸入空気量取得部63で取得した吸入空気量に基づいた量の主燃料をインジェクタ11から噴射する。インジェクタ11から主燃料が噴射された場合、主燃料は吸気通路10内を流れる空気と混合し、混合気の状態でエンジン1の各気筒5内に吸気される。
気筒5内に吸気された混合気は、気筒5の燃焼行程で燃焼し、燃焼後のガスが排気ガスとなって排気行程で各気筒5内から排気通路20に流れる。排気通路20に流れた排気ガスは、排気主通路21と改質用通路22に流れる。このうち、排気主通路21に流れた排気ガスは、触媒部30内の浄化触媒31を通過し、この浄化触媒31によって浄化される。その際に、浄化触媒31は排気ガスの熱によって温度が上昇する。
一方、排気通路20を流れる排気ガスのうち、一部の排気ガスは、改質用燃料インジェクタ25が設けられている改質用通路22に流れる。改質用燃料噴射量制御部65はエンジン1の運転状態に応じて改質用燃料インジェクタ25を制御することにより、改質用燃料インジェクタ25は、改質用燃料噴射量制御部65での制御に応じた改質用燃料を改質用通路22内の排気ガスに対して噴射する。
これにより、改質用燃料は改質用通路22を流れる排気ガスと混合した状態で触媒部30に流入し、触媒部30に設けられている改質触媒32を通過する。この改質触媒32は、浄化触媒31の周囲に配設されて浄化触媒31と一体となっているため、排気ガスの熱によって浄化触媒31の温度が上昇した場合、浄化触媒31の熱は改質触媒32に伝達され、改質触媒32の温度も上昇する。これにより、改質用燃料と混合した排気ガスが改質触媒32を通過する際には、改質触媒32は、排気ガスに熱を与えながら、改質用燃料が混合した排気ガスを改質し、改質ガスを生成する。
改質触媒32で生成された改質ガス、及び改質ガスに改質されずに改質触媒32を通過する排気ガスは、EGRガスとしてEGRガス通路40を流れ、EGRガス流量調整バルブ制御部66でEGRガス流量調整バルブ42の開度を調整することにより流量が調整されて、吸気通路10に流れる。吸気通路10に流れた改質ガスを含むEGRガスは、吸気通路10を流れる空気と主燃料との混合気と共にエンジン1に吸入される。改質ガスを含む混合気がエンジン1に吸入された場合、改質ガスは混合気中の燃料と共にエンジン1の気筒5内で燃焼する。
このように気筒5内で燃焼する改質ガスは、エンジン1の運転に用いられる主燃料よりも発熱量が高いため、改質ガスが燃焼した際には、エンジン1の出力は増加する。従って、EGRガスに含まれる改質ガスを燃焼させる場合において、エンジン1の出力を一定にする場合には、インジェクタ11から噴射する主燃料の噴射量を低減させる。
また、エンジン1の運転中は、主燃料残量センサ53での検出結果より、主燃料タンク51内に貯留されている主燃料の残量を主燃料残量取得部67で取得し、改質用燃料残量センサ57での検出結果より、改質用燃料タンク55内に貯留されている改質用燃料の残量を改質用燃料残量取得部68で取得する。改質用燃料噴射量制御部65は、改質用燃料残量取得部68で取得した改質用燃料の残量である改質用燃料残量が所定量以下の場合には供給量制限制御を行い、改質用燃料インジェクタ25で噴射する改質用燃料の噴射量を減少させる。
図8は、実施例2に係る燃料改質装置で供給量制限制御を行う場合の改質用燃料噴射量と燃費との関係を示す説明図である。同図における横軸は、改質用燃料の噴射量である改質用燃料噴射量を示しており、縦軸は主燃料の燃費と改質用燃料の燃費とを合わせた燃費を示している。改質用燃料噴射量制御部65で供給量制限制御を行う場合、具体的には、供給量制限制御を行わない場合と比較して、改質用燃料インジェクタ25で噴射する改質用燃料の単位時間当りの噴射量を低減させることにより改質用燃料インジェクタ25で噴射する改質用燃料の噴射量を減少させる。
ここで、排気ガスに改質用燃料を噴射した場合、改質用燃料の噴射量である改質用燃料噴射量が多くなるに従って改質ガスが多く生成され、改質効果が大きくなるので、主燃料の燃費と改質用燃料の燃費とを合わせた燃費は向上する。即ち、改質用燃料噴射量と燃費の関係は、図8の燃費線100で示すように、ある程度の改質用燃料噴射量までは、改質用燃料噴射量が多くなるに従って燃費は向上する。
しかし、改質ガスによる改質効果は、改質ガスの供給量が所定量に達した場合、改質ガスの供給量をそれ以上増加させても大きくならないため、改質用燃料噴射量を増加させることによる燃費の向上の効果は限界値がある。この限界値を超えて改質用燃料噴射量を増加した場合、改質効果は向上せず、単に改質用燃料の消費量が増えるのみであるので、燃費は悪くなる。改質用燃料噴射量は、このように改質用燃料噴射量に応じて変化する燃費が最も良い状態になる噴射量が最適値となっている。改質用燃料噴射量と燃費とは、このような関係になっているが、エンジン1の通常運転時における改質用燃料噴射量である通常運転時噴射量101は、改質用燃料噴射量における最適値の噴射量になっている。
これに対し、供給量制限制御を行う際には、供給量制限制御時における改質用燃料噴射量である供給量制限制御時噴射量102を通常運転時噴射量101よりも少なくする。この供給量制限制御時噴射量102は、改質用燃料噴射量の最適値である通常運転時噴射量101よりも改質用燃料の噴射量が少ないため、燃費は通常運転時噴射量101で噴射した場合よりも悪くなるが、単位時間当りの改質用燃料の噴射量は通常運転時噴射量101で噴射した場合よりも少なくなっている。これにより、改質用燃料インジェクタ25で噴射する改質用燃料の噴射量は減少する。つまり、実施例2に係る燃料改質装置90では、供給量制限制御を行う場合には供給量制限制御を行わない場合と比較して改質用燃料インジェクタ25で噴射する改質用燃料の単位時間当りの噴射量を低減させる。
実施例2に係る燃料改質装置90では、供給量制限制御を行う場合には、このように改質用燃料の単位時間当りの噴射量を低減させるため、燃費向上の自体は低減するが、低減の度合いは改質用燃料の低減量とは比例していない。つまり、燃費向上の効果は、図8に示すように改質用燃料の噴射量と比例関係ではなく、通常運転時噴射量101付近では、改質用燃料の噴射量を低減させても、燃費はあまり悪化しない。例えば、改質用燃料噴射量と燃費との関係を図8のように図示した場合、燃費は最適値(通常運転時噴射量101)付近を、燃費が良い側の頂点として凸となった曲線で表すことができる。
この場合に、改質用燃料噴射量の一例として、通常運転時噴射量101での改質用燃料噴射量をQとし、供給量制限制御時噴射量102での改質用燃料噴射量を、通常運転時噴射量101での改質用燃料噴射量の1/2であるとしてQ/2とする。また、通常運転時噴射量101(Q)から供給量制限制御時噴射量102(Q/2)まで改質用燃料噴射量を低減させた場合における燃費の悪化の変位量をΔSFCaとし、通常運転時噴射量101(Q)から、改質用燃料の噴射の停止時である改質用燃料噴射停止時103(0)まで改質用燃料噴射量を低減させた場合における燃費の悪化の変位量をΔSFCbの1/2とする。改質用燃料噴射量や燃費を、これらのように表す場合、通常運転時噴射量101(Q)から供給量制限制御時噴射量102(Q/2)まで低減させた場合における燃費の悪化の変位量ΔSFCaは、下記の式(1)で示すように、通常運転時噴射量101(Q)から、改質用燃料の噴射の停止時である改質用燃料噴射停止時103(0)まで低減させた場合における燃費の悪化の変位量ΔSFCbの1/2よりも少なくなる。
ΔSFCa<(1/2)×ΔSFCb・・・(1)
ΔSFCa<(1/2)×ΔSFCb・・・(1)
このように、改質用燃料噴射量を低減させた場合、改質用燃料噴射量を低減させることによる燃費の悪化の度合いは、改質用燃料噴射量の低減の度合いよりも小さくなっている。このため、改質用燃料を低減させた場合でも、この低減量に対して燃費の悪化は比較的小さくなっており、換言すると、改質用燃料を低減した場合でも燃費向上の効果はあまり低下しないため、相対的に燃費向上の効果が高い領域で改質用燃料を供給することになる。
図9は、実施例2に係る燃料改質装置の処理手順を示すフロー図である。次に、実施例2に係る燃料改質装置90の制御方法、即ち、当該燃料改質装置90の処理手順について説明する。実施例2に係る燃料改質装置90の処理手順では、まず、改質用燃料残量センサでの検出結果より、ECU60の処理部61が有する改質用燃料残量取得部68で改質用燃料残量を取得する(ステップST201)。
次に、改質用燃料残量取得部68で取得した改質用燃料残量と記憶部75に記憶されたQfuelとを、ECU60の処理部61が有する改質用燃料残量判定部70で比較し、この改質用燃料残量判定部70で改質用燃料残量>Qfuelであるかを判定する(ステップST202)。
改質用燃料残量判定部70での判定(ステップST202)により、改質用燃料残量はQfuelよりも多いと判定された場合には、通常の噴射量で改質用燃料を噴射する(ステップST203)。この制御は、ECU60の処理部61が有する改質用燃料噴射量制御部65で行う。記憶部75には、予めエンジン1の通常の運転時における改質用燃料の噴射量、つまり、改質用燃料残量がQfuelよりも多い場合におけるエンジン1の運転状態に応じた改質用燃料の噴射量が、通常の噴射量として記憶されている。改質用燃料噴射量制御部65は、改質用燃料の噴射量が記憶部75に記憶された通常の噴射量になるように改質用燃料インジェクタ25を制御する。これにより、改質用燃料インジェクタ25は通常の噴射量で改質用燃料を噴射する。改質用燃料を噴射する制御を行った後は、この処理手順から抜け出る。
これに対し、改質用燃料残量判定部70での判定(ステップST202)により、改質用燃料残量はQfuel以下であると判定された場合には、噴射量を低減して改質用燃料を噴射する(ステップST204)。この制御は、改質用燃料残量はQfuelよりも多いと判定された場合と同様に改質用燃料噴射量制御部65で行う。即ち、記憶部75には、改質用燃料残量がQfuel以下の場合における改質用燃料の噴射量が記憶されており、この噴射量は、改質用燃料残量がQfuelよりも多い場合、つまり、エンジン1の通常の運転時における改質用燃料の噴射量よりも、単位時間当りの噴射量が少なくなっている。改質用燃料噴射量制御部65は、改質用燃料の噴射量が記憶部75に記憶された、単位時間当りの噴射量がエンジン1の通常の運転時における噴射量よりも少なくなった噴射量になるように改質用燃料インジェクタ25を制御する。これにより、改質用燃料インジェクタ25は噴射量を低減して改質用燃料を噴射する。改質用燃料を噴射する制御を行った後は、この処理手順から抜け出る。
次に、供給量制限制御を行う場合と供給量制限制御を行わない場合との燃費の比較について説明する。図10は、供給量制限制御を行う場合と供給量制限制御を行わない場合との燃費の比較の説明図である。エンジン1の運転中は、運転状態に応じて改質用燃料を噴射するため、運転時間が経過するに従って改質用燃料残量は減少し、改質用燃料残量がQfuel以下になった場合には、実施例2に係る燃料改質装置90では供給量制限制御を行う。
ここで、供給量制限制御を行う場合と供給量制限制御を行わない場合とで燃費を比較すると、実施例1に係る燃料改質装置3と同様にAモードとBモード(図5参照)とで比較した場合に、実施例2に係る燃料改質装置90では、実施例1に係る燃料改質装置3と同様に、AモードよりもBモードの方が、改質効果が高く、燃費が良くなる(図10)。
また、エンジン1をAモードとBモードとで交互に運転する場合には、改質用燃料も運転状態に応じて噴射するが、エンジン1の運転時に改質用燃料を噴射することにより、運転時間が経過するに従って改質用燃料残量は減少する。そして、改質用燃料残量が、当該改質用燃料残量が十分であるか否かを判定するQfuel以下になった場合には、実施例2に係る燃料改質装置90では、供給量制限制御を行う。
実施例2に係る燃料改質装置90では、供給量制限制御は、単位時間当りの改質用燃料の噴射量を低減することにより行う。つまり、供給量制限制御では、供給量制限制御中における改質用燃料の消費の仕方を表す線である供給量制限制御時消費線105(図10)で示すように、供給量制限制御を行わない場合における改質用燃料の消費の仕方を表す線である供給量制限制御無し時消費線106(図10)と比較して、燃料の減少の仕方が緩やかになる。即ち、改質用燃料の消費速度が遅くなる。
また、エンジン1をAモードとBモードとで交互に運転している際に改質用燃料残量がQfuel以下になることにより、このように供給量制限制御を行った場合、改質用燃料の噴射量は、AモードとBモードとの双方の運転モードで単位時間当りの噴射量を低減する。改質用燃料を噴射した状態で改質用燃料の噴射量を低減した場合には、噴射量の低減に伴って改質効果が低下する。このため、改質用燃料の単位時間当りの噴射量を低減した場合には、AモードとBモードとの双方で改質効果が低減するため、双方の運転モードで燃費が悪化する。
このように、改質用燃料残量がQfuelを下回った場合には、実施例2に係る燃料改質装置90では改質用燃料の噴射量を低減するが、改質用燃料の噴射量を低減した場合における改質効果の低下の度合いは、改質用燃料の噴射量の最適値付近では、改質用燃料の噴射量を低減した場合でも改質効果はあまり低下しない。このため、改質用燃料噴射量低減時107(図10)には、効果が少しだけ低下した状態で改質効果を得ることができる。
これに対し、改質用燃料残量がQfuel以下になった場合でも供給量制限制御を行わない場合には、改質用燃料残量がQfuel以下になる以前と同様に改質用燃料を噴射し続ける。このため、改質用燃料は、供給量制限制御を行わない場合における改質用燃料の消費の仕方を表す線である供給量制限制御無し時消費線106(図10)で示すように、供給量制限制御を行う場合と比較して消費される速度が早くなる。
即ち、供給量制限制御を行う場合には改質用燃料の噴射量を低減するのに対し、供給量制限制御を行わない場合には、改質用燃料残量がQfuel以下の場合でも通常運転状態の噴射量で改質用燃料を噴射し続ける。従って、供給量制限制御を行わない場合には、供給量制限制御を行う場合よりも早く改質用燃料が完全に消費され、改質用燃料タンク55に貯留されている改質用燃料が無くなる。
また、改質用燃料が無くなった場合、改質ガスが生成されることによる改質効果が無くなるが、Bモードでは、Aモードと比較して改質効果が大きいため、改質用燃料が無くなることにより改質用燃料が噴射されなくなった場合には、Bモードでの改質効果が大幅に低下する。このため、改質用燃料残量がQfuel以下になった場合で、且つ、改質用燃料タンク55内の改質用燃料が無くなった状態である改質用燃料消費時108(図10)には、Bモードでの燃費が大幅に悪化する。
従って、エンジン1の運転中の燃費を総合的に見た場合、供給量制限制御を行う場合と供給量制限制御を行わない場合とで比較すると、供給量制限制御を行う場合よりも供給量制限制御を行わない場合の方が、総合的な燃費が悪化し易くなる。換言すると、供給量制限制御を行わない場合よりも供給量制限制御を行う場合の方が燃費が良くなる。
以上の燃料改質装置90は、改質用燃料残量がQfuel以下になった場合には、改質用燃料インジェクタ25で噴射する改質用燃料の単位時間当りの噴射量を低減させることにより供給量制限制御を行うため、エンジン1運転時の長時間に渡って改質ガスを生成することができる。また、改質用燃料の単位時間当りの噴射量を低減した場合、改質効果自体は低減するが、低減の度合いは改質用燃料の低減量とは比例しておらず、改質効果の低減の度合いは、改質用燃料の低減の度合いよりも小さくなっている。このため、改質用燃料の噴射量を低減させた場合でも、この低減量に対して燃費の悪化は比較的小さくなっており、換言すると、改質用燃料の噴射量を低減した場合でも改質効果はあまり低下しないため、改質効果が高い領域で改質用燃料を噴射することになる。従って、改質用燃料の噴射量を減少させた場合でも、燃費が悪化することを抑制できる。この結果、エンジン1運転時に改質ガスを供給する場合におけるトータルの燃費の向上を図ることができる。
実施例3に係る燃料改質装置110は、実施例1に係る燃料改質装置3と略同様の構成であるが、供給量制限制御はノック域でのみ改質用燃料を噴射することにより行う点に特徴がある。他の構成は実施例1と同様なので、その説明を省略すると共に、同一の符号を付す。図11は、実施例3に係る燃料改質装置を備えるエンジンの全体構成図である。実施例3に係る燃料改質装置110は、実施例1に係る燃料改質装置3と同様にエンジン1に備えられており、排気通路20は、改質用燃料インジェクタ25が設けられた改質用通路22を有している。また、排気通路20には、浄化触媒31及び改質触媒32を内設すると共にEGRガス通路40が接続された触媒部30が設けられており、触媒部30に接続されたEGRガス通路40は、触媒部30に接続されている側の端部の反対側に位置する端部が吸気通路10に接続されている。また、EGRガス通路40には、当該EGRガス通路40内を開閉可能なEGRガス流量調整バルブ42が設けられている。
また、エンジン1が有する複数の気筒5には、エンジン1の運転中に発生するノッキングを検出するノック検出手段であるノックセンサ115が各気筒5に設けられている。このノックセンサ115は、他のセンサ類と同様にECU120に接続されている。
図12は、実施例3に係る燃料改質装置の要部構成図である。また、この実施例3に係る燃料改質装置110が有するECU120は、実施例1に係る燃料改質装置3が有するECU60と同様に処理部61と記憶部75と入出力部76とを有している。このうち、処理部61は、少なくともスロットルバルブ制御部62と、吸入空気量取得部63と、主燃料噴射量制御部64と、改質用燃料噴射量制御部65と、EGRガス流量調整バルブ制御部66と、主燃料残量取得部67と、改質用燃料残量取得部68と、排気温度取得部69と、改質用燃料残量判定部70と、を有している。
さらに、この処理部61には、ノックセンサ115での検出結果よりエンジン1の運転中におけるノッキングの発生状態を取得するノック取得手段であるノック取得部121と、ノック取得部121で取得したノッキングの発生状態より、エンジン1はノック域で運転中であるかを判定するノック域判定手段であるノック域判定部122と、を有している。
この実施例3に係る燃料改質装置110は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。実施例3に係る燃料改質装置110を備えるエンジン1の運転時の基本的な作用は、実施例1に係る燃料改質装置3や実施例2に係る燃料改質装置90と同様な作用をする。即ち、エンジン1の気筒5内で主燃料と空気との混合気を燃焼し、燃焼後の排気ガスの熱によって浄化触媒31の温度を上昇させる。さらに、改質用燃料を噴射した排気ガスを、浄化触媒31と一体になって設けられた改質触媒32に流すことにより、改質ガスを生成する。
改質触媒32で生成された改質ガスはEGRガスとして吸気通路10に流れ、吸気通路10を流れる空気と主燃料との混合気と共にエンジン1に吸入される。改質ガスを含む混合気がエンジン1に吸入された場合、改質ガスは混合気中の燃料と共にエンジン1の気筒5内で燃焼する。これにより、インジェクタ11から噴射する主燃料の噴射量を低減させることができる。
また、エンジン1の運転中は、主燃料残量センサ53での検出結果より、主燃料残量を主燃料残量取得部67で取得し、改質用燃料残量センサ57での検出結果より、改質用燃料残量を改質用燃料残量取得部68で取得する。
改質用燃料噴射量制御部65は、改質用燃料残量取得部68で取得した改質用燃料残量が所定量以下の場合には供給量制限制御を行い、改質用燃料インジェクタ25で噴射する改質用燃料の噴射量を減少させる。
図13は、実施例3に係る燃料改質装置で供給量制限制御を行う場合の改質用燃料噴射量と燃費との関係を示す説明図である。同図における横軸は、エンジン1のトルクを示しており、縦軸は熱効率を示している。実施例3に係る燃料改質装置110において改質用燃料噴射量制御部65で供給量制限制御を行う場合、具体的には、エンジン1の運転が、ノッキングを発生する領域であるノック域の場合にのみ改質用燃料インジェクタ25に改質用燃料を噴射させることにより、供給量制限制御を行わない場合と比較して改質用燃料インジェクタ25で噴射する改質用燃料の噴射量を減少させつつ改質効果が高い領域で改質用燃料を噴射する。即ち、供給量制限制御を行う場合には、エンジン1の運転が、ノッキングを発生していない領域である非ノック域の場合には改質用燃料を噴射せず、エンジン1の運転がノック域の場合にのみ改質用燃料を噴射するように、改質用燃料噴射量制御部65で改質用燃料インジェクタ25を制御する。
ここで、ノッキングが発生する際のエンジン1のトルクと熱効率との関係を説明すると、改質用燃料を噴射せず、燃料改質制御を行わない場合には、図13に示した燃料改質制御無し時熱効率線126で示すように、トルクが低い領域では熱効率も低くなっており、トルクを上昇させるに従って熱効率も高くなる。
トルクが上昇した場合には、このように熱効率も高くなるが、トルクと熱効率とが共に高くなった場合、トルクが所定以上に高くなると、ノッキングが発生する。エンジン1の運転状態において、トルクを上昇させた際にこのようにノッキングが発生する境界はノック境界127になっており、ノック境界127よりもトルクが低い運転領域は非ノック域になっており、ノック領域127よりもトルクが高い運転領域はノック域になっている。エンジン1の運転中における熱効率は、燃料改質制御無し時熱効率線126で示すように非ノック域ではトルクが上昇するに従って熱効率が上昇する。さらにトルクが上昇し、ノック境界127を越えてノック域に入った場合には、エンジン1の気筒5内ではノッキングが発生する。このため、ノック域では、トルクを上昇させた場合でも熱効率が低下し易くなる。
これに対し、改質用燃料を改質することにより生成される改質ガスに含まれる水素や一酸化炭素はオクタン価が高いため、改質用燃料を噴射して改質ガスをエンジン1に供給した場合には、ノッキングが発生し難くなる。具体的には、改質用燃料をエンジン1に供給した場合には、ノック境界が高負荷側、即ち高トルク側に移動するため、非ノック域が広くなり、ノッキングが発生し難くなる。このため、改質用燃料を噴射した場合には、図13の燃料改質制御時熱効率線125で示すように、改質用燃料を噴射しない場合と比較して、高負荷時の熱効率が大幅に向上する。
つまり、改質用燃料を改質することにより生成される改質ガスはノッキングを低下させるノック改善効果も有しているため、改質用燃料を噴射した場合における改質効果は、非ノック域よりもノック域の方が高くなっている。
従って、改質用燃料噴射量制御部65は、改質用燃料残量取得部68で取得した改質用燃料残量が所定量以下の場合には、高負荷領域、即ち、改質用燃料を噴射しない場合におけるノック域でのみ改質用燃料インジェクタ25に改質用燃料を噴射させることにより、改質用燃料インジェクタ25で噴射する改質用燃料の噴射量を減少させつつ改質効果が高い領域で改質用燃料を噴射する。
図14は、実施例3に係る燃料改質装置の処理手順を示すフロー図である。次に、実施例3に係る燃料改質装置110の制御方法、即ち、当該燃料改質装置110の処理手順について説明する。実施例3に係る燃料改質装置110の処理手順では、まず、改質用燃料残量センサ57での検出結果より、ECU120の処理部61が有する改質用燃料残量取得部68で改質用燃料残量を取得する(ステップST301)。
次に、改質用燃料残量取得部68で取得した改質用燃料残量と記憶部75に記憶されたQfuelとをECU120の処理部61が有する改質用燃料残量判定部70で比較し、この改質用燃料残量判定部70で改質用燃料残量>Qfuelであるかを判定する(ステップST302)。
改質用燃料残量判定部70での判定(ステップST302)により、改質用燃料残量はQfuelよりも多いと判定された場合には、改質用燃料の噴射を通常制御する(ステップST303)。この制御は、記憶部75に記憶された、エンジン1の通常の運転時における噴射量で改質用燃料を改質用燃料インジェクタ25から噴射できるように、ECU120の処理部61が有する改質用燃料噴射量制御部65で改質用燃料インジェクタ25を制御することにより行う。これにより、改質用燃料インジェクタ25は通常の噴射量で改質用燃料を噴射する。改質用燃料を噴射する制御を行った後は、この処理手順から抜け出る。
これに対し、改質用燃料残量判定部70での判定(ステップST302)により、改質用燃料残量はQfuel以下であると判定された場合には、ノッキング状態を取得する(ステップST304)。この取得は、ノックセンサ115で検出するエンジン1のノッキングの検出結果が、ECU120の処理部61が有するノック取得部121に伝達され、ノック取得部121で取得する。
次に、エンジン1はノック域で運転中であるかを判定する(ステップST305)。この判定は、ECU120の処理部61が有するノック域判定部122で行う。ノック域判定部122には、ノック取得部121で取得したエンジン1のノッキングの状態が伝達され、ノック域判定部122は、伝達されたノッキングの状態より、エンジン1はノック域で運転しているかを判定する。即ち、ノック域判定部122は、ノック取得部121から伝達されたノッキングの状態が、エンジン1はノッキングを発生していることを示している場合には、ノック域で運転中であると判定し、ノック取得部121から伝達されたノッキングの状態が、エンジン1はノッキングを発生していないことを示していれる場合には、非ノック域で運転中であると判定する。
ノック域判定部122での判定(ステップST305)により、エンジン1はノック域で運転中であると判定された場合には、改質用燃料を噴射する(ステップST306)。つまり、改質用燃料噴射量制御部65で改質用燃料インジェクタ25を制御し、改質用燃料インジェクタ25に改質用燃料を噴射させる。改質用燃料を噴射する制御を行った後は、この処理手順から抜け出る。
これに対し、ノック域判定部122での判定(ステップST305)により、エンジン1はノック域で運転中ではない、即ち、非ノック域で運転中であると判定された場合には、改質用燃料の噴射を停止する(ステップST307)。このように、改質用燃料の噴射を停止する場合も改質用燃料噴射量制御部65で改質用燃料インジェクタ25を制御し、改質用燃料インジェクタ25の作動を停止させる。これにより、改質用燃料インジェクタ25から噴射する改質用燃料の噴射を停止させる。改質用燃料の噴射を停止する制御を行った後は、この処理手順から抜け出る。
以上の燃料改質装置110は、エンジン1の運転がノック域の場合にのみ改質用燃料を噴射することにより供給量制限制御を行うため、改質効果が高い領域でのみ改質用燃料を噴射できる。詳しくは、改質ガスをエンジン1に供給した場合、ノッキングの改善効果もあるため、エンジン1の運転が、ノッキングが発生する領域であるノック域の場合に改質用燃料を噴射することにより、改質ガスによってノッキングを抑制することができる。このため、供給量制限制御を行う際には、エンジン1の運転がノック域の場合にのみ改質用燃料を噴射することによって行うことにより、少量の改質用燃料で高い改質効果を得ることができる。この結果、エンジン1運転時に改質ガスを供給する場合におけるトータルの燃費の向上しつつ、ノッキングの抑制を図ることができる。
実施例4に係る燃料改質装置130は、実施例1に係る燃料改質装置3と略同様の構成であるが、エンジン1はハイブリッド装置138が有する複数の原動手段のうちの1つとして設けられており、供給量制限制御を行うかの判定は、複数の原動手段のうちの1つとして設けられるモータ140の電源であるバッテリ144の電気残量も含めて行う点に特徴がある。他の構成は実施例1と同様なので、その説明を省略すると共に、同一の符号を付す。図15は、実施例4に係る燃料改質装置を備えるエンジンを搭載する車両の要部概略図である。実施例4に係る燃料改質装置130を備えるエンジン1は、複数の原動手段を有するハイブリッド装置138が搭載される車両135であるハイブリッド車に搭載されており、このエンジン1は、ハイブリッド装置138が有する原動手段のうちの1つとして設けられている。また、このハイブリッド装置138は、他の原動手段として、電気によって作動するモータ140を備えており、これらのエンジン1とモータ(モータジェネレータ)140とは、共に車両135の走行時の原動力を発生可能になっている。また、ハイブリッド装置138は、エンジン1の出力を受けて発電を行う発電機(モータジェネレータ)141を有しており、これらのエンジン1とモータ140と発電機141とは、動力分割機構142によって接続されている。また、動力分割機構142は、減速機145及び駆動軸146を介して車両135の駆動輪147に接続されている。この動力分割機構142は、エンジン1の出力を発電機141と駆動輪147とに振り分けると共にモータ140からの出力を駆動輪147に伝達したり、減速機145及び駆動軸146を介して駆動力が駆動輪147に伝達される際に変速をする変速機として機能したりする。
モータ140は交流同期電動機であり、インバータ143に接続され、交流の電気によって駆動する。インバータ143は、車両135に搭載されるバッテリ144に蓄えられた電気を直流から交流に変換してモータ140に供給すると共に、発電機141によって発電される電気を交流から直流に変換してバッテリ144に蓄えることができるように設けられている。このように、バッテリ144は、モータ140を駆動させる場合におけるモータ140の電源として設けられている。また、発電機141も、基本的には上述したモータ140とほぼ同様の構成を有しており、交流同期電動機としての構成を有している。この場合、モータ140が主として駆動力を出力するのに対し、発電機141は主としてエンジン1の出力を受けて発電する役割をする。
また、モータ140は主として駆動力を発生させるが、駆動輪147の回転を利用して発電(回生発電)することもでき、発電機として機能することも可能になっている。この場合、駆動輪147には回生ブレーキを作用させることができるので、これを通常の制動手段であるフットブレーキやエンジンブレーキと併用することにより、車両135を制動させることができる。一方、発電機141は主としてエンジン1の出力を受けて発電をするが、インバータ143を介してバッテリ144の電気を受けて駆動する電動機としても機能することが可能になっている。
また、エンジン1、モータ140、発電機141、動力分割機構142は、それぞれECU150に接続されており、ECU150により制御可能に設けられている。また、バッテリ144もECU150に接続されており、ECU150によりバッテリ144の電気残量が監視可能になっている。
また、実施例4に係る燃料改質装置130は、実施例1に係る燃料改質装置3と同様にエンジン1に備えられており(図1参照)、排気通路20は、改質用燃料インジェクタ25が設けられた改質用通路22を有している。また、排気通路20には、浄化触媒31及び改質触媒32を内設すると共にEGRガス通路40が接続された触媒部30が設けられており、触媒部30に接続されたEGRガス通路40は、触媒部30に接続されている側の端部の反対側に位置する端部が吸気通路10に接続されている。また、EGRガス通路40には、当該EGRガス通路40内を開閉可能なEGRガス流量調整バルブ42が設けられている。
図16は、実施例4に係る燃料改質装置の要部構成図である。また、この実施例4に係る燃料改質装置130が有するECU150は、実施例1に係る燃料改質装置3が有するECU60と同様に処理部61と記憶部75と入出力部76とを有している。このうち、処理部61は、少なくともスロットルバルブ制御部62と、吸入空気量取得部63と、主燃料噴射量制御部64と、改質用燃料噴射量制御部65と、EGRガス流量調整バルブ制御部66と、主燃料残量取得部67と、改質用燃料残量取得部68と、排気温度取得部69と、改質用燃料残量判定部70と、を有している。
さらに、この処理部61には、バッテリ144の電気残量を取得する電気残量取得手段である電気残量取得部151と、電気残量取得部151で取得したバッテリ144の電気残量が所定量よりも多いか否かを判定する電気残量判定部152と、を有している。
この実施例4に係る燃料改質装置130は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。実施例4に係る燃料改質装置130を備えるエンジン1の運転時の基本的な作用は、上述した実施例1に係る燃料改質装置3等と同様な作用をする。即ち、エンジン1の気筒5内で主燃料と空気との混合気を燃焼し、燃焼後の排気ガスの熱によって浄化触媒31の温度を上昇させる。さらに、改質用燃料を噴射した排気ガスを、浄化触媒31と一体になって設けられた改質触媒32に流すことにより、改質ガスを生成する。
改質触媒32で生成された改質ガスはEGRガスとして吸気通路10に流れ、吸気通路10を流れる空気と主燃料との混合気と共にエンジン1に吸入される。改質ガスを含む混合気がエンジン1に吸入された場合、改質ガスは混合気中の燃料と共にエンジン1の気筒5内で燃焼する。これにより、インジェクタ11から噴射する主燃料の噴射量を低減させることができる。
実施例4に係る燃料改質装置130を備えるエンジン1の運転時は、このように運転するが、このエンジン1はハイブリッド装置138が有する複数の原動手段のうちの1つになっている。ハイブリッド装置138を備える車両135の走行時は、車両135の運転状態に応じてECU150によって原動手段であるエンジン1、モータ140及び発電機141による駆動を、総合的に制御する。
この制御は、エンジン1、モータ140、発電機141の出力を制御したり、起動と停止を繰り返す、いわゆる間欠運転の制御をしたりする。これらのエンジン1、モータ140、発電機141の出力は、動力分割機構142に伝達され、動力分割機構142から減速機145及び駆動軸146を介して、駆動力として駆動輪147に伝達される。これにより、当該ハイブリッド装置138を搭載する車両135は、エンジン1、モータ140及び発電機141の出力により走行する。
ここで、エンジン1の運転時には、エンジン1は上述したように、主燃料と空気との混合気や、改質用燃料より生成された改質ガスにより運転するが、モータ140は、バッテリ144に充電されている電気により作動する。詳しくは、バッテリ144が外部に電気を供給する際には、直流で供給するのに対し、モータ140は交流の電気により作動する。このため、バッテリ144の電気は、一旦インバータ143に流れ、インバータ143で交流の電気に変換された後、モータ140に流れる。モータ140は、インバータ143から供給された交流の電気により作動する。
また、ECU150は、バッテリ144の電気残量を監視しており、バッテリ144の電気残量が所定量以下の場合には、バッテリ144への充電量を増加させる運転である充電運転をエンジン1に行わせる。この充電運転では、エンジン1の動力を通常運転時よりも増加させ、増加分をバッテリ144の充電に用いる。詳しくは、エンジン1の動力を用いてバッテリ144に充電する場合には、エンジン1の動力を動力分割機構142で発電機141と減速機145とに分割する。これにより、エンジン1の動力のうち、一部の動力は発電機141を作動させる力として用いられ、残りの動力が減速機145を介して車両135を走行させる駆動力として用いられる。このように、エンジン1の動力が発電機141に伝達されることにより、発電機141は発電し、発電した電気はインバータ143に伝達される。その際に、発電機141で発電した電気は交流であるのに対し、バッテリ144は直流の電気を充電や放電をするため、発電機141で発電した電気はインバータ143で直流に変換し、直流の電気の状態でバッテリ144に伝達する。このインバータ143からの電気により、バッテリ144は充電される。
また、エンジン1の運転中は、主燃料残量センサ53での検出結果より、主燃料残量を主燃料残量取得部67で取得し、改質用燃料残量センサ57での検出結果より、改質用燃料残量を改質用燃料残量取得部68で取得する。
改質用燃料噴射量制御部65は、改質用燃料残量取得部68で取得した改質用燃料残量が所定量以下で、且つ、バッテリ144の電気残量が所定量よりも多い場合には供給量制限制御を行い、改質用燃料インジェクタ25で噴射する改質用燃料の噴射量を減少させる。また、改質用燃料噴射量制御部65は、改質用燃料残量が所定量以下の場合でも、バッテリ144の電気残量が所定量以下の場合には供給量制限制御は行わない。
図17−1は、実施例4に係る燃料改質装置を備えるエンジンの通常運転時における回転数とトルクとの関係を示す説明図である。同図における横軸はエンジン1の回転数を示しており、縦軸はエンジン1のトルクを示している。ハイブリッド装置138では、エンジン1の動力とモータ140の動力とを併用して車両135の駆動力としているため、車両135の走行時には、エンジン1とモータ140とでお互いに動力を補うことができる。このため、ハイブリッド装置138に備えられるエンジン1は、通常のエンジン1のように例えば低速走行時に車速に合わせて熱効率が低い回転数で運転をするようなことは不要になり、熱効率が高い領域で運転を続けることができる。
即ち、エンジン1の通常運転中は、図17−1に示すように、通常運転時のエンジン1の回転数とトルクとの状態を示す線である通常時動作線161は、熱効率の高さに応じて段階的に示した等高線である熱効率等高線163の中央付近を通る。つまり、熱効率等高線163は、熱効率の高さごとに複数の環状の線によって段階的に表示されており、熱効率等高線163によって区分けされる範囲の外側から内側に向かうに従って熱効率が高くなっている。このため、熱効率は、熱効率等高線163の中心付近が最も高くなっているが、通常時動作線161は、この熱効率等高線163の中心付近を通り、トルクの大きさが一定に近い状態で示されている。即ち、通常運転中におけるエンジン1は、熱効率が高い状態で運転している。
しかし、バッテリ144の電気残量が所定量以下の場合には、エンジン1に充電運転を行わせ、エンジン1の動力を通常運転時よりも増加させる。即ち、エンジン1のトルクを増加して運転させる。このため、充電運転時におけるエンジン1の回転数とトルクとの状態を示す線である充電時動作線162は、図17−1に示すように、通常時動作線161と比較して全体的にトルクが上昇するが、トルクが通常時動作線161と比較して全体的に上昇した場合、熱効率等高線163から外れる。従って、充電運転時におけるエンジン1の熱効率は、通常運転時におけるエンジン1の熱効率と比較して悪くなる。このように、エンジン1の充電運転時には熱効率が悪化するため、通常運転時と比較して燃費が悪化する。
図17−2は、実施例4に係る燃料改質装置を備えるエンジンの充電運転時における回転数とトルクとの関係を示す説明図である。エンジン1の充電運転時には、通常運転時と比較してトルクを増加して運転するため、通常運転時と比較して熱効率が悪くなるが、改質用燃料を噴射して改質ガスをエンジン1に供給した場合、熱効率が高くなる運転状態が、通常運転時と比較してトルクが大きくなる状態の方向に移動する。つまり、改質ガスは主燃料よりも発熱量が高いためトルクが大きくなり易くなっており、熱効率が高くなる運転状態は、通常運転時よりもトルクが大きい運転状態になる。このため、改質ガスを噴射し、改質ガスをエンジン1に供給した場合には、熱効率等高線163は、図17−2に示すようにトルクが大きくなる方向に移動する。
また、充電運転時は、通常運転時よりもトルクが大きくなるため、通常時動作線161よりもトルクが大きい状態で示される充電時動作線162は、図17−2に示すように、改質ガスを噴射することによりトルクが大きくなる方向に移動した熱効率等高線163と重なる。即ち、エンジン1の充電運転時は通常運転時よりもトルクが大きくなるが、改質用燃料を噴射することにより熱効率が高くなる運転状態が、トルクが大きくなる状態の方向に移動するため、充電運転時の運転状態は、熱効率が高い運転状態になる。これにより、充電運転を行う場合には、改質用燃料を噴射することにより熱効率が高い状態で運転することができるため、燃費が向上し易くなる。
このように、エンジン1の充電運転を行う場合には、改質用燃料を噴射することにより燃費が向上し易くなる。このため、改質用燃料残量が所定量以下の場合でも、バッテリ144の電気残量が少ない場合には改質用燃料を噴射することにより、トルクが大きくなる充電運転中に改質ガスを供給して燃費の向上を図ることができ、より大きな改質効果を得ることができる。
図18は、実施例4に係る燃料改質装置の処理手順を示すフロー図である。次に、実施例4に係る燃料改質装置130の制御方法、即ち、当該燃料改質装置130の処理手順について説明する。実施例4に係る燃料改質装置130の処理手順では、まず、排気温度センサ37での検出結果より、ECU150の処理部61が有する排気温度取得部69で排気温度を取得する(ステップST401)。次に、改質用燃料残量センサ57での検出結果より、ECU150の処理部61が有する改質用燃料残量取得部68で改質用燃料残量を取得する(ステップST402)。
次に、改質用燃料残量取得部68で取得した改質用燃料残量と記憶部75に記憶されたQfuelとをECU150の処理部61が有する改質用燃料残量判定部70で比較し、この改質用燃料残量判定部70で改質用燃料残量>Qfuelであるかを判定する(ステップST403)。改質用燃料残量判定部70での判定(ステップST403)により、改質用燃料残量はQfuelよりも多いと判定された場合には、ECU150の処理部61が有する改質用燃料噴射量制御部65で、改質基準温度を記憶部75に記憶された改質可能排気温度にする(ステップST404)。
次に、改質基準温度以上の領域で、改質用燃料を噴射する(ステップST405)。つまり、改質用燃料噴射量制御部65で改質用燃料インジェクタ25を制御し、排気温度取得部69で取得した排気温度が改質基準温度以上の場合に改質用燃料を噴射し、改質ガスを生成する。改質用燃料を噴射する制御を行った後は、この処理手順から抜け出る。
これに対し、改質用燃料残量判定部70での判定(ステップST403)により、改質用燃料残量はQfuel以下であると判定された場合には、次にバッテリ144の電気残量を取得する(ステップST406)。この取得は、ECU150の処理部61が有する電気残量取得部151で行う。ECU150は、バッテリ144に接続されているため、バッテリ144から供給される電気の状態より、電気残量取得部151でバッテリ144の電気残量を取得する。
次に、電気残量>Echargeであるかを判定する(ステップST407)。この判定は、電気残量取得部151で取得した電気残量が、当該電気残量が多いか少ないかを判定する所定量であるEchargeより多いか否かを、ECU150の処理部61が有する電気残量判定部152で判定する。この判定を行う際には、電気残量取得部151で取得した電気残量が電気残量判定部152に伝達され、電気残量判定部152で電気残量とEchargeとを比較する。なお、この判定に用いるEchargeは、バッテリ144に充電されている電気残量が十分であるか否かを判断する所定量として、予めECU150の記憶部75に記憶されている。
電気残量判定部152での判定(ステップST407)により、電気残量はEchargeよりも多いと判定された場合には、改質用燃料噴射量制御部65で、改質基準温度を記憶部75に記憶された高改質効果排気温度にする(ステップST408)。
改質基準温度を高改質効果排気温度にした後は、改質基準温度を改質可能排気温度にした場合と同様に、排気温度が改質基準温度以上の領域で改質用燃料を噴射する(ステップST405)。つまり、改質用燃料残量がQfuel以下で、且つ、バッテリ144の電気残量がEchargeより多い場合には、改質基準温度を高改質効果排気温度にして、改質用燃料残量がQfuelより多い場合と比較して改質用燃料インジェクタ25で噴射する改質用燃料の噴射量を減少させつつ改質ガスを気筒5内で燃焼させることによる改質効果が高い領域で改質用燃料を噴射する制御である供給量制限制御を行う。換言すると、バッテリ144の電気残量がEchargeより多い場合には充電制御を行わないため、改質用燃料噴射量制御部65は、改質用燃料残量がQfuel以下で、且つ、エンジン1が充電運転を行わない場合には、供給量制限制御を行う。
これに対し、電気残量判定部152での判定(ステップST407)により、電気残量はEcharge以下であると判定された場合には、改質用燃料噴射量制御部65で、改質基準温度をECU150に記憶された改質可能排気温度にし(ステップST404)、排気温度が改質基準温度以上の領域で改質用燃料を噴射する(ステップST405)。
つまり、改質用燃料残量がQfuel以下の場合でも、バッテリ144の電気残量がEcharge以下の場合には、改質基準温度を改質可能排気温度にする。これにより、改質用燃料噴射量制御部65は供給量制限制御を行わずに、改質用燃料残量がQfuelより多い場合と同様に改質用燃料を噴射し、改質ガスを生成してエンジン1に改質ガスを供給する。換言すると、バッテリ144の電気残量がEcharge以下の場合には充電運転を行うため、改質用燃料噴射量制御部65は、改質用燃料残量がQfuel以下で、且つ、エンジン1が充電運転を行う場合には、供給量制限制御を行わない。
以上の燃料改質装置130は、改質用燃料残量が所定量であるQfuel以下で、且つ、エンジン1が充電運転を行わない場合には、改質基準温度を高改質効果排気温度にすることにより改質用燃料の噴射量を減少させるため、エンジン1運転時の長時間に渡って改質ガスを生成することができる。また、この場合には、改質効果が高い領域で改質用燃料を噴射するため、改質用燃料の噴射量を減少させた場合でも、エンジン1に改質ガスを供給することによる改質効果を維持することができ、エンジン1の運転時に改質ガスを供給する場合におけるトータルの燃費の向上を図ることができる。
また、改質用燃料残量がQfuel以下で、且つ、エンジン1が充電運転を行う場合には、供給量制限制御を行わないため、熱効率が低い状態での燃費を向上させることができる。つまり、エンジン1の運転は、通常運転時に熱効率が高くなるように制御されるが、充電運転時には、通常運転時よりも多くの発電を行う必要があるため、通常運転時よりも大きなトルクを出力する状態で運転する。このため、充電運転時の熱効率は、通常運転時よりも熱効率が低くなる。また、改質ガスをエンジン1に供給した場合には、熱効率が高くなる運転状態がトルクが大きくなる状態の方向に移動するため、エンジン1の充電運転時に改質ガスを供給することにより、充電運転を熱効率が良い状態にすることができる。このため、充電運転時には改質用燃料を噴射することにより、改質ガスを供給することによる改質効果が、通常運転時よりも高くなる。また、このように熱効率が低くなる充電運転時には供給量制限制御を行わずに、改質用燃料を噴射し続けて充電運転時の熱効率を高くすることにより、熱効率が低い運転状態で運転することによる燃費の悪化などを抑制できる。この結果、より確実にエンジン1の運転時に改質ガスを供給する場合におけるトータルの燃費の向上を図ることができる。
実施例5に係る燃料改質装置170は、実施例3に係る燃料改質装置110と略同様の構成であるが、供給量制限制御を行うか否かの判定を行う際に、主燃料残量に対する改質用燃料残量の割合が所定値以下の場合に供給量制限制御を行うことも含めて判定する点に特徴がある。他の構成は実施例3と同様なので、その説明を省略すると共に、同一の符号を付す。図19は、実施例5に係る燃料改質装置の要部構成図である。実施例5に係る燃料改質装置170は、実施例3に係る燃料改質装置110と同様にエンジン1に備えられており(図11参照)、排気通路20は、改質用燃料インジェクタ25が設けられた改質用通路22を有している。また、排気通路20には、浄化触媒31及び改質触媒32を内設すると共にEGRガス通路40が接続された触媒部30が設けられており、触媒部30に接続されたEGRガス通路40は、触媒部30に接続されている側の端部の反対側に位置する端部が吸気通路10に接続されている。また、EGRガス通路40には、当該EGRガス通路40内を開閉可能なEGRガス流量調整バルブ42が設けられている。また、エンジン1が有する複数の気筒5にはノックセンサ115が設けられており、ノックセンサ115はECU180に接続されている。
また、この実施例5に係る燃料改質装置170が有するECU180は、実施例3に係る燃料改質装置110が有するECU120と同様に処理部61と記憶部75と入出力部76とを有している。このうち、処理部61は、少なくともスロットルバルブ制御部62と、吸入空気量取得部63と、主燃料噴射量制御部64と、改質用燃料噴射量制御部65と、EGRガス流量調整バルブ制御部66と、主燃料残量取得部67と、改質用燃料残量取得部68と、排気温度取得部69と、改質用燃料残量判定部70と、ノック取得部121と、ノック域判定部122とを有している。
さらに、この処理部61は、主燃料残量取得部67で取得した主燃料残量と改質用燃料残量取得部68で取得した改質用燃料残量とより主燃料残量に対する改質用燃料残量の割合である燃料残量割合を算出する燃料残量割合算出手段である燃料残量割合算出部181と、燃料残量割合算出部181で算出した燃料残量割合が所定値よりも多いか否かを判定する燃料残量割合判定手段である燃料残量割合判定部182と、を有している。
この実施例5に係る燃料改質装置170は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。実施例5に係る燃料改質装置170を備えるエンジン1の運転時の基本的な作用は、上述した実施例3に係る燃料改質装置110等と同様な作用をする。即ち、エンジン1の気筒5内で主燃料と空気との混合気を燃焼し、燃焼後の排気ガスの熱によって浄化触媒31の温度を上昇させる。さらに、改質用燃料を噴射した排気ガスを、浄化触媒31と一体になって設けられた改質触媒32に流すことにより、改質ガスを生成する。
改質触媒32で生成された改質ガスはEGRガスとして吸気通路10に流れ、吸気通路10を流れる空気と主燃料との混合気と共にエンジン1に吸入される。改質ガスを含む混合気がエンジン1に吸入された場合、改質ガスは混合気中の燃料と共にエンジン1の気筒5内で燃焼する。これにより、インジェクタ11から噴射する主燃料の噴射量を低減させることができる。
また、エンジン1の運転中は、主燃料残量センサ53での検出結果より、主燃料残量を主燃料残量取得部67で取得し、改質用燃料残量センサ57での検出結果より、改質用燃料残量を改質用燃料残量取得部68で取得する。
改質用燃料噴射量制御部65は、改質用燃料残量取得部68で取得した改質用燃料残量が所定量以下で、且つ、主燃料残量に対する改質用燃料残量の割合が所定量以下の場合には供給量制限制御を行い、改質用燃料インジェクタ25で噴射する改質用燃料の噴射量を減少させる。
図20は、実施例5に係る燃料改質装置の処理手順を示すフロー図である。次に、実施例5に係る燃料改質装置170の制御方法、即ち、当該燃料改質装置170の処理手順について説明する。実施例5に係る燃料改質装置170の処理手順では、まず、改質用燃料残量センサ57での検出結果より、ECU180の処理部61が有する改質用燃料残量取得部68で改質用燃料残量を取得する(ステップST501)。次に、主燃料残量を取得する(ステップST502)。この取得は、主燃料残量センサ53で検出する主燃料タンク51内の主燃料の貯留量である主燃料残量の検出結果が、ECU180の処理部61が有する主燃料残量取得部67に伝達され、主燃料残量取得部67で取得する。
次に、燃料残量割合を算出する(ステップST503)。この算出は、主燃料残量取得部67で取得した主燃料残量と、改質用燃料残量取得部68で取得した改質用燃料残量とが、ECU180の処理部61が有する燃料残量割合算出部181に伝達され、この燃料残量割合算出部181で、主燃料残量に対する改質用燃料残量の割合である燃料残量割合を算出する。即ち、燃料残量割合は、(改質用燃料残量/主燃料残量)になっている。
次に、燃料残量割合>Xfuelであるかを判定する(ステップST504)。この判定は、燃料残量割合算出部181で算出した燃料残量割合が、当該燃料残量割合が多いか少ないかを判定する所定量であるXfuelより多いか否かを、ECU180の処理部61が有する燃料残量割合判定部182で判定する。この判定を行う際には、燃料残量割合算出部181で算出した燃料残量割合が燃料残量割合判定部182に伝達され、燃料残量割合判定部182で燃料残量割合とXfuelとを比較する。なお、この判定に用いるXfuelは、主燃料残量に対する改質用燃料残量の割合が十分であるか否かを判断する所定量として、予めECU180の記憶部75に記憶されている。
燃料残量割合判定部182での判定(ステップST504)により、燃料残量割合はXfuelよりも多いと判定された場合には、改質用燃料の噴射を通常制御する(ステップST505)。この制御は、記憶部75に記憶された、エンジン1の通常の運転時における噴射量で改質用燃料を改質用燃料インジェクタ25から噴射できるように、ECU180の処理部61が有する改質用燃料噴射量制御部65で改質用燃料インジェクタ25を制御することにより行う。これにより、改質用燃料インジェクタ25は通常の噴射量で改質用燃料を噴射する。改質用燃料を噴射する制御を行った後は、この処理手順から抜け出る。
これに対し、燃料残量割合判定部182での判定(ステップST504)により、燃料残量割合はXfuel以下であると判定された場合には、ノックセンサ115での検出結果より、ECU180の処理部61が有するノック取得部121でノッキング状態を取得する(ステップST506)。次に、ノック取得部121で取得したノッキング状態より、ECU180の処理部61が有するノック域判定部122で、エンジン1はノック域で運転中であるかを判定する(ステップST507)。
ノック域判定部122での判定(ステップST507)により、エンジン1はノック域で運転中であると判定された場合には、改質用燃料噴射量制御部65で改質用燃料インジェクタ25を制御し、改質用燃料を噴射する(ステップST508)。改質用燃料を噴射する制御を行った後は、この処理手順から抜け出る。
これに対し、ノック域判定部122での判定(ステップST507)により、エンジン1はノック域で運転中ではない、即ち、非ノック域で運転中であると判定された場合には、改質用燃料噴射量制御部65で改質用燃料インジェクタ25を制御し、改質用燃料の噴射を停止する(ステップST509)。改質用燃料の噴射を停止する制御を行った後は、この処理手順から抜け出る。
以上の燃料改質装置170は、供給量制限制御を行うか否かの判定を行う際に、主燃料残量に対する改質用燃料残量の割合である燃料残量割合を含めて判定している。つまり、上述した発明における供給量制限制御を、さらに燃料残量割合が所定値であるXfuelよりも大きい場合には、供給量制限制御を行わないものとしている。改質用燃料残量が少ない場合でも、主燃料残量も少ない場合には、改質用燃料と主燃料とは、同程度の時期に無くなるため、主燃料残量が少ない場合には改質用燃料を噴射し続けた場合でも、改質用燃料が主燃料よりも先に無くなり難くなる。このため、改質用燃料残量が少ない場合でも主燃料残量も少ない場合には、改質用燃料を噴射し続けた場合でも、改質ガスが生成されない状態でエンジン1を運転する状態になることを抑制できる。従って、改質用燃料残量が少なくなった場合でも主燃料残量も少ない場合には、改質用燃料を噴射することにより、改質効果を得る時間が長くなる。この結果、より確実にエンジン1の運転時に改質ガスを供給する場合におけるトータルの燃費の向上を図ることができる。
なお、実施例4に係る燃料改質装置130は、ハイブリッド装置138が有するエンジン1に、実施例1に係る燃料改質装置3が備えられた形態になっているが、ハイブリッド装置138が有するエンジン1に備えられる燃料改質装置は実施例1に係る燃料改質装置3以外の燃料改質装置でもよい。例えば、実施例2に係る燃料改質装置90が、ハイブリッド装置138が有するエンジン1に備えられていてもよい。ハイブリッド装置138が有するエンジン1に備えられる燃料改質装置は、改質用燃料残量が所定量であるQfuel以下の場合でもバッテリ144の電気残量がEcharge以下の場合には改質用燃料の噴射を通常制御するように設けられていれば、その形態は問わない。
同様に、実施例5に係る燃料改質装置170は、実施例3に係る燃料改質装置110で供給量制限制御を行うか否かの判定に、主燃料残量に対する改質用燃料残量の割合である燃料残量割合も含めて判定しているが、燃料残量割合を含めて供給量制限制御を行うか否かの判定をする燃料改質装置は、実施例3に係る燃料改質装置110でもよい。
また、上述した燃料改質装置では、EGRガス通路40と改質用通路22とは、排気主通路21内を流れる排気ガスの流れ方向に対して略直交する方向で触媒部30に接続されているが、EGRガス通路40と改質用通路22とは、これ以外の形態で配設されていてもよい。例えば、EGRガス通路40と改質用通路22とは、改質用通路22から触媒部30内に流れ、さらにEGRガス通路40に流れる排気ガスや改質ガスの流れが、排気主通路21内を流れる排気ガスの流れ方向に向流するように形成されていてもよい。EGRガス通路40と改質用通路22とは、改質用燃料が供給された改質用通路22内の排気ガスが触媒部30内の改質触媒32に流れて改質触媒32で改質ガスを生成し、この改質ガス及び排気ガスがEGRガス通路40に流れるように設けられていれば、その形態は問わない。
また、上述した燃料改質装置を備えるエンジン1の運転に用いられる燃料である主燃料は、ガソリンとアルコール燃料とが混合された混合燃料になっており、改質触媒32で改質される改質用燃料は、アルコール燃料となっているが、主燃料や改質用燃料は、これら以外の燃料でもよい。主燃料と改質用燃料とが、それぞれ別々に貯留されている場合、主燃料よりも先に改質用燃料が消費される虞があるため、このような形態の燃料改質装置の場合には、燃料の種類に限らず本発明を適用することにより、主燃料よりも先に改質用燃料が無くなることを抑制でき、エンジン1の運転時の長時間に渡って改質効果を維持することができる。
以上のように、本発明に係る燃料改質装置は、改質ガスを排気ガスと共に内燃機関に吸気させる燃料改質装置に有用であり、特に、エンジンの運転に用いる主燃料と改質ガスの生成に用いる改質用燃料とが別々に貯留されている場合に適している。
1 エンジン
3、90、110、130、170 燃料改質装置
5 気筒
10 吸気通路
11 インジェクタ
12 スロットルバルブ
20 排気通路
21 排気主通路
22 改質用通路
25 改質用燃料インジェクタ
30 触媒部
31 浄化触媒
32 改質触媒
37 排気温度センサ
40 EGRガス通路
42 EGRガス流量調整バルブ
51 主燃料タンク
53 主燃料残量センサ
55 改質用燃料タンク
57 改質用燃料残量センサ
60、120、150、180 ECU
61 処理部
62 スロットルバルブ制御部
63 吸入空気量取得部
64 主燃料噴射量制御部
65 改質用燃料噴射量制御部
66 EGRガス流量調整バルブ制御部
67 主燃料残量取得部
68 改質用燃料残量取得部
69 排気温度取得部
70 改質用燃料残量判定部
75 記憶部
115 ノックセンサ
121 ノック取得部
122 ノック域判定部
138 ハイブリッド装置
140 モータ
144 バッテリ
151 電気残量取得部
152 電気残量判定部
181 燃料残量割合算出部
182 燃料残量割合判定部
3、90、110、130、170 燃料改質装置
5 気筒
10 吸気通路
11 インジェクタ
12 スロットルバルブ
20 排気通路
21 排気主通路
22 改質用通路
25 改質用燃料インジェクタ
30 触媒部
31 浄化触媒
32 改質触媒
37 排気温度センサ
40 EGRガス通路
42 EGRガス流量調整バルブ
51 主燃料タンク
53 主燃料残量センサ
55 改質用燃料タンク
57 改質用燃料残量センサ
60、120、150、180 ECU
61 処理部
62 スロットルバルブ制御部
63 吸入空気量取得部
64 主燃料噴射量制御部
65 改質用燃料噴射量制御部
66 EGRガス流量調整バルブ制御部
67 主燃料残量取得部
68 改質用燃料残量取得部
69 排気温度取得部
70 改質用燃料残量判定部
75 記憶部
115 ノックセンサ
121 ノック取得部
122 ノック域判定部
138 ハイブリッド装置
140 モータ
144 バッテリ
151 電気残量取得部
152 電気残量判定部
181 燃料残量割合算出部
182 燃料残量割合判定部
Claims (6)
- 車両に搭載される内燃機関の気筒内から排出された排気ガスを浄化する浄化手段と、
改質させる元になる燃料である改質用燃料を前記排気ガスに対して供給する改質用燃料供給手段と、
前記改質用燃料供給手段で前記改質用燃料を供給する前記排気ガスの流れ方向における前記改質用燃料供給手段の下流側に位置しており、前記改質用燃料を前記浄化手段の熱を利用して吸熱反応させることにより前記気筒内で燃焼可能な改質ガスを生成する改質手段と、
前記改質用燃料供給手段で供給する前記改質用燃料を貯留する改質用燃料貯留手段と、
前記改質用燃料供給手段を制御可能に設けられており、且つ、前記改質用燃料貯留手段で貯留する前記改質用燃料の貯留量が所定量以下の場合には前記改質用燃料の貯留量が所定量より多い場合と比較して前記改質用燃料供給手段で供給する前記改質用燃料の供給量を減少させつつ前記改質ガスを前記気筒内で燃焼させることによる改質効果が高い領域で前記改質用燃料を供給する制御である供給量制限制御を行う改質用燃料供給手段制御手段と、
を備えることを特徴とする燃料改質装置。 - モータと共に原動手段として車両に搭載され、且つ、前記モータの電源であるバッテリの電気残量が所定量以下の場合には前記バッテリに充電をする充電運転が可能なる内燃機関の気筒内から排出された排気ガスを浄化する浄化手段と、
改質させる元になる燃料である改質用燃料を前記排気ガスに対して供給する改質用燃料供給手段と、
前記改質用燃料供給手段で前記改質用燃料を供給する前記排気ガスの流れ方向における前記改質用燃料供給手段の下流側に位置しており、前記改質用燃料を前記浄化手段の熱を利用して吸熱反応させることにより前記気筒内で燃焼可能な改質ガスを生成する改質手段と、
前記改質用燃料供給手段で供給する前記改質用燃料を貯留する改質用燃料貯留手段と、
前記改質用燃料供給手段を制御可能に設けられており、さらに、前記改質用燃料貯留手段で貯留する前記改質用燃料の貯留量が所定量以下で、且つ、前記内燃機関が前記充電運転を行わない場合には前記改質用燃料の貯留量が所定量より多い場合と比較して前記改質用燃料供給手段で供給する前記改質用燃料の供給量を減少させつつ前記改質ガスを前記気筒内で燃焼させることによる改質効果が高い領域で前記改質用燃料を供給する制御である供給量制限制御を行い、前記改質用燃料貯留手段で貯留する前記改質用燃料の貯留量が所定量以下で、且つ、前記内燃機関が前記充電運転を行う場合には前記供給量制限制御を行わない改質用燃料供給手段制御手段と、
を備えることを特徴とする燃料改質装置。 - 前記改質用燃料供給手段制御手段は、前記排気ガスの温度が前記改質用燃料を供給するか否かの基準となる温度である改質基準温度よりも高い場合には前記改質用燃料供給手段に前記改質用燃料を供給させ、前記排気ガスの温度が前記改質基準温度よりも低い場合には前記改質用燃料供給手段による前記改質用燃料の供給を停止させる制御を行い、且つ、前記供給量制限制御は、前記供給量制限制御を行わない場合と比較して前記改質基準温度を高くすることにより前記改質用燃料供給手段で供給する前記改質用燃料の供給量を減少させつつ前記改質効果が高い領域で前記改質用燃料を供給することを特徴とする請求項1または2に記載の燃料改質装置。
- 前記改質用燃料供給手段制御手段は、前記供給量制限制御を行う場合には前記供給量制限制御を行わない場合と比較して前記改質用燃料供給手段で供給する前記改質用燃料の単位時間当りの供給量を低減させることにより前記改質用燃料の供給量を減少させつつ前記改質効果が高い領域で前記改質用燃料を供給することを特徴とする請求項1または2に記載の燃料改質装置。
- 前記改質用燃料供給手段制御手段は、前記供給量制限制御を行う場合には、前記内燃機関の運転がノック域の場合にのみ前記改質用燃料供給手段に前記改質用燃料を供給させることにより、前記供給量制限制御を行わない場合と比較して前記改質用燃料供給手段で供給する前記改質用燃料の供給量を減少させつつ前記改質効果が高い領域で前記改質用燃料を供給することを特徴とする請求項1または2に記載の燃料改質装置。
- 前記改質用燃料供給手段制御手段は、前記供給量制限制御を行うか否かの判定に、前記内燃機関の運転に用いる燃料である主燃料を貯留する主燃料貯留手段での主燃料の貯留量に対する前記改質用燃料貯留手段で貯留する前記改質用燃料の貯留量の割合が所定値以下の場合に前記供給量制限制御を行うことも含めて判定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料改質装置。
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- 2007-12-04 JP JP2007313893A patent/JP2009138570A/ja active Pending
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