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JP2009120986A - 繊維集合体及びそれを用いた摩擦材 - Google Patents

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Abstract


【課題】湿式摩擦材の厚さ方向機械的強度向上に適するフィブリル化繊維を提供すること。
【解決手段】有機高分子重合体からなる1μm以下のフィブリルを有するフィブリル化繊維集合体であって、下記要件を満足するフィブリル化繊維集合体とする。
a)繊維集合体を構成する繊維のうち、主幹繊維に捲縮山谷を一組以上有する含捲縮繊維の下記式で表される含有率が20%以上であること。
含捲縮繊維含有率=N/N0.5×100
ここで、
;主幹繊維に捲縮山谷を一組以上有する含捲縮繊維の本数
0.5;0.5mm以上の全繊維本数
b)繊維集合体の比表面積が3〜20m/gであること。
【選択図】なし

Description

本発明は、高機能紙等の用途で使用される1μm以下のフィブリルを有する繊維を含むフィブリル化繊維集合体及びそれを用いた湿式摩擦材に関する。
従来からフィブリル化アラミド繊維は高強度、高耐熱性を有するため、ブレーキパッド、ブレーキライニングなどの乾式摩擦材、オートマチックトランスミッションのクラッチフェーシングなどの湿式摩擦材、ガスケットなどシール材の補強用繊維といったアスベスト代替素材として広く用いられている。特に湿式摩擦材用途では、例えば特公昭58−47345号公報(特許文献1)や特開平11−201206号公報(特許文献2)などに開示されているように、繊維状材料と摩擦調整剤や固体潤滑剤等の各種無機フィラーを抄造して紙状の基材を得、これにフェノール樹脂等のバインダー樹脂を含浸して加熱硬化して製造される。
アラミド繊維そのものは引っ張り強度など機械的強度が優れる繊維素材ではあるが、一般にフィブリル化アラミド繊維からなる紙状物は、化学的な結合は持たず、微細なフィブリルの絡み合いによって繊維ネットワークを形成しているため、紙状物の機械的強度は絡み合いの強度に大きく依存する。
一方、近年の自動車エンジンの出力増大や変速機の小型化等により、湿式摩擦材の機械的強度、特にせん断強度に関する要求が厳しくなっている。湿式摩擦材はパルプやアラミド繊維等の基材繊維と摩擦調整剤や体質充填材等の充填材とを抄造して得た抄紙体に、熱硬化性樹脂からなる樹脂結合剤を含浸し、加熱硬化して形成したものであり、軽量で安価であるだけでなく、材質が多孔質で比較的弾性にも富むため油吸収性が高く、しかも、耐熱性、耐摩耗性等にも比較的優れている等の特長を有しているため、このペーパー摩擦材が広く使用されている。しかしながら、抄造法のように繊維を2次元平面状に堆積させてシート化するため、面方向のネットワークは強固であるものの、紙厚方向は比較的弱く、大きなせん断力が加わるとペーパー繊維間で剥離が生じ、その機械的強度は十分ではなかった。
また、湿式摩擦材においては油中に浸した状態で高圧をかけることによって高い摩擦係数を得ようとするものであり、摩擦によって大きな熱が発生する。湿式摩擦材では、この熱を油を媒体として冷却させており、摩擦材としての気孔率が大きい構造で、油の透液性が高い摩擦材が望まれている。しかし、気孔率を大きくすると機械的強度がさらに低下してしまいジレンマとなっていた。
これに対し、特開2003−147335号公報(特許文献3)ではカールを有するアクリルチョップファイバーを添加して気孔率の確保を達成しているが、アクリル繊維同士の絡まりが少なく厚さ方向のせん断応力に対して十分でなく、又アクリル繊維では摩擦熱により軟化・溶融し、形態を維持できないという課題があった。
特公昭58−47345号公報 特開平11−201206号公報 特開2003−147335号公報
湿式摩擦材の厚さ方向機械的強度向上に適するフィブリル化繊維集合体を提供すること。
本発明者は鋭意検討の結果、特定の有機高分子からなる繊維にリファイニングなどによってフィブリルを与えることによって、主幹繊維が捲縮山谷を一組以上有するフィブリル化繊維(含捲縮フィブリル化繊維と略称する場合がある)が得られることを見出した。
さらに本発明者は該含捲縮フィブリル化繊維を含有するフィブリル化繊維集合体を湿式摩擦材の原料繊維としたところ、機械的強度が高く、油の透液性も良好な湿式摩擦材が得られることを見出した。即ち本発明によれば、
有機高分子重合体からなる1μm以下のフィブリルを有するフィブリル化繊維を含む、下記要件を満足するフィブリル化繊維集合体とする。
a)繊維集合体を構成する繊維のうち、主幹繊維に捲縮山谷を一組以上有する含捲縮繊維の下記式で表される含有率が20%以上であること。
含捲縮繊維含有率=N/N0.5×100
ここで、
;主幹繊維に捲縮山谷を一組以上有する含捲縮繊維の本数
0.5;0.5mm以上の全繊維本数
b)繊維集合体の比表面積が3〜20m/gであること。
耐熱性が高い有機高分子からなり、1μm以下のフィブリルを有するフィブリル化繊維を含む繊維集合体において、主幹繊維に一組以上の図1、2に示すような捲縮山谷を有するフィブリル化繊維を特定量含むフィブリル化繊維集合体とすることにより、微細なフィブリルだけでなく、太い主幹繊維も繊維間絡合に大きく寄与するため、機械的強度に優れた湿式摩擦材用として有用なものとなる。さらに、該フィブリル化繊維集合体は抄造法などによって得られる湿式抄造紙はかさ高く、大きな気孔率を維持しているため油の透液性が良好となる。
したがって、本発明のフィブリル化繊維集合体を含むことによって、機械的強度と気孔率の両方を兼ね備えた湿式摩擦材が得られる。
本発明で言うフィブリル化繊維集合体とは、有機高分子重合体(好ましくは芳香族ポリアミド樹脂)からなる1μm以下のフィブリル径を有するフィブリル化繊維を含む繊維集合体であって、一部フィブリル化されていない繊維が含まれていても良く、比表面積が特定の範囲にあればフィブリル化繊維集合体とする。
本発明における有機高分子重合体としては、分子配向度の高い液晶性高分子が好ましく、特に芳香族ポリアミド、芳香族ポリエステル、ポリベンザゾールが好ましく使用できる。これら液晶性高分子は、機械的強度、耐熱性、フィブリル化の容易さといった面から適している。これら有機高分子重合体を公知の方法で繊維化したものを用いることができる。
芳香族ポリアミド繊維としては、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド、ポリ−p−ベンズアミド、ポリ−p−アミドヒドラジド、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド−3,4−ジフェニルエーテルテレフタルアミドなどを紡糸して繊維化したものが例示できるが、これらに限定されるものではない。
また、芳香族ポリエステルは、芳香族ジオール、芳香族ジカルボン酸、芳香族ヒドロキシカルボン酸などのモノマーを組み合わせて、組成比を変えて合成される。例えばp−ヒドロキシ安息香酸と2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸との共重合体が挙げられるが、これに限定されるものではない。芳香族ポリエステル繊維は、このようなポリマーを紡糸して繊維化したものである。
さらに、ポリベンザゾール繊維はポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)ホモポリマーおよび実質的に85%以上のPBO成分を含みポリベンザゾール類とのランダム、シーケンシャルあるいはブロック共重合ポリマーを紡糸して繊維化したものである。
本発明でいうフィブリル化繊維とは一般的には短繊維を水に分散させて公知のリファイナーやビーター、ミル、高圧ホモジナイザー、摩砕装置等の処理により主幹繊維表面に1μm以下の微細な毛羽を多数有する繊維をさすが、繊維表面に毛羽が形成されれば上記手法に限定されるものではない。
本発明でいう含捲縮繊維とは、主幹繊維に1組以上の山−谷を有する繊維であり、図1のように主幹繊維に屈曲点が2個以上または図2のように変曲点が1個以上あるものを指す。下記式で表される含捲縮繊維の本数Ncの繊維長0.5mm以上の全繊維本数N0.5に対する割合=含有率が20%以上であることが好ましく、25%以上であることがより好ましく、30%以上であることがさらに好ましい。
含捲縮繊維含有率=N/N0.5×100
;主幹繊維に捲縮山谷を一組以上有する含捲縮繊維の本数
0.5;0.5mm以上の全繊維本数
この割合が20%より小さい場合は、湿式摩擦材の原料としたときに主幹繊維の繊維間絡合への寄与が小さく、十分な機械的強度が得られないだけでなく、気孔率も不十分となる。
また、本発明でいうフィブリル化繊維集合体の比表面積はフィブリル化繊維のフィブリル化度合いを示す指標の一つであり、窒素ガスの吸着によるBET法など公知の比表面積測定装置で測定できる。フィブリル化の度合いとしては比表面積で3〜20m/gであることが好ましく、8〜15m/gであることがさらに好ましい。比表面積が3m/g未満の場合は、無機フィラー等とともに抄造法を用いて湿式摩擦材とするときに無機フィラーが繊維へ絡まりにくくなり、歩留まりが悪くなる。
本発明でいうフィブリル化繊維集合体を構成する繊維の平均カール度Cとは下記式で算出されるが、この値が20%以上であることが好ましく、25%以上であることがより好ましい。
平均カール度C=C0.5/N0.5
0.5;0.5mm以上の繊維の下記Cの総和
0.5;0.5mm以上の全繊維本数
C=(l−d)/l×100
l;繊維の総繊維長(カールの無い状態の長さ)(mm)
d;繊維の両端の距離(mm)
C;繊維のカール度
フィブリル化繊維集合体を構成する繊維の平均カール度が20%未満の場合は、湿式摩擦材の原料としたときに主幹繊維の繊維間絡合への寄与が小さく、十分な機械的強度が得られないだけでなく、気孔率も不十分となる。
本発明におけるフィブリル化繊維集合体を構成する繊維の長さ加重平均繊維長は0.5〜6mmが好ましく、0.8〜3mmがより好ましい。加重平均繊維長が0.5mm未満の場合は繊維の補強効果が低く、6mmを超える場合は抄造工程での繊維分散が悪化するたで好ましくない。
上記のような平均カール度と含捲縮繊維含有率を有するフィブリル化繊維集合体を製造する方法として、
1)予め捲縮を与えた繊維にフィブリルを持たせる
例えば公知の押し込み捲縮法で捲縮を施した後カットした短繊維、製編織し熱セットして捲縮かけたものを短繊維化したものをディスクリファイナー等でせん断をかけてフィブリル化させる方法が挙げられる。
2)フィブリル化繊維に捲縮を持たせる
例えばリファイナリー工程等でせん断力をより高めて短繊維に捲縮を生じさせる。
等が上げられるが、主幹繊維に一定量の山−谷が付与できればその製造方法に限定されるものではない。
次に該フィブリル化繊維を用いた湿式摩擦材について説明する。
本発明の湿式摩擦材は次の工程で作成することができる。まず、フィブリル化繊維集合体と無機フィラーとを水などの分散媒に公知の離解機を用いて混合してスラリーとし、その後公知の抄造装置を用いてシート状に成形して紙状物作成する。この紙状物を製造する際、紙状物における繊維状材料、無機フィラーの組成比は、フィブリル化繊維集合体が20〜80重量%、無機フィラーが20〜80重量%であることが望ましい。得られた紙状物基材に、フェノール樹脂などのバインダー樹脂を含浸せしめ、熱プレスにより加圧・硬化させて湿式摩擦材を得ることができる。
本発明では、上記フィブリル化繊維集合体に他のパルプ成分を配合して使用することも可能である。リンターパルプや木材パルプ等のセルロース繊維、メタ型アラミド繊維、アクリル繊維、ポリイミド繊維、ポリアミド繊維などの有機繊維や、ガラス繊維、ロックウール、チタン酸カリウム繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、金属繊維などの無機繊維を繊維状材料として併用することができる。フィブリル化繊維集合体として機械的強度や耐熱性が損なわれない適量の範囲で併用される。
本発明に使用できる無機フィラーは、摩擦調整や固体潤滑等を目的に添加され、例えば硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭化ケイ素、炭化チタン、アルミナ、シリカ、カシューダスト、珪藻土、グラファイト、タルク、カオリン、酸化マグネシウムなどを1種類または複数種を同時に適量用いることができる。
次に本発明の製造方法の一例を示すが、これに限定されるものではない。
以下に本発明を実施例に基づき具体的に説明する。なお本発明はこれらに限定されるものではない。
<フィブリル化繊維集合体を構成する繊維の物性測定方法>
繊維の平均カール度の測定、長さ加重平均繊維長の測定、主幹繊維の山−谷(屈曲点または変曲点)のカウントは市販のパルプ繊維長測定装置(メッツォオートメーション製、Pulp Expert Fiber Analyzer)を用いて次の手順に従って行った。
1)繊維を絶乾重量で1.5g秤量し、水1.5Lとともに公知の離解機を用いて離解する。
2)Pulp Expert Fiber Analyzerの4本のサンプルチューブ離解スラリーを50ccづつに投入し、測定を開始。
尚、Pulp Expert Fiber Analyzerには顕微鏡とCCDカメラが併設されており、繊維スラリーを攪拌しながら繊維画像を撮影し、1水準につき約400枚の画像を元に画像解析により平均カール度、長さ加重平均繊維長などを算出する。含捲縮フィブリル化繊維本数N、及び0.5mm以上の全繊維本数N0.5のカウントは、Pulp Expert Fiber Analyzer で撮影した400枚のうちのランダムに4枚の画像を選び出し、繊維長で0.5mm以上の繊維を対象に行った。画像の一例を図3に示す。
フィブリル化繊維の比表面積測定は市販の比表面積測定装置(島津製作所製、フローソーブIII2310)を用いた。
<繊維集合体の作成>
[実施例1]
パラ型アラミドステープルファイバー(帝人テクノプロダクツ製、トワロン1072 カット長=50mm 捲縮数 8.4ケ/インチ)を用いて固形分濃度0.2wt%の水分散体を作成後、既存のディスクリファイナー(熊谷理機製;KRK高濃度ディスクリファイナー)を用いてクリアランス=0.02mm、パス回数=7の処理条件で処理し含捲縮フィブリル化繊維を作成した。得られた含捲縮フィブリル化繊維集合体の物性を表1に示す。
[実施例2]
実施例1において、ディスクリファイナーのパス回数を10としたこと以外は、同様の方法で含捲縮フィブリル化繊維を作成した。得られた含捲縮フィブリル化繊維集合体の物性を表1に示す。
[実施例3]
実施例1において、ディスクリファイナーのパス回数を15としたこと以外は、同様の方法で含捲縮フィブリル化繊維を作成した。得られた含捲縮フィブリル化繊維集合体の物性を表1に示す。
[実施例4]
パラ型アラミド長繊維フィラメント(帝人テクノプロダクツ製、トワロン1000)を天竺編の編み物とした後、250℃×10分間の熱セットを行い、編地を解編してパラ型アラミド長繊維フィラメントに捲縮を付与した。その後、この長繊維フィラメントをギロチンカッターを用いてカット長=10mmにカットし、実施例1と同様にディスクリファイナー処理を施して含捲縮フィブリル化繊維を作成した。得られた含捲縮フィブリル化繊維集合体の物性を表1に示す。
[比較例1]
パラ型アラミド長繊維フィラメントをギロチンカッターを用いてカット長=50mmにカットして捲縮のない短繊維を作成し、実施例1と同様にディスクリファイナー処理を施してフィブリル化繊維を作成した。得られたフィブリル化繊維集合体の物性を表1に示す。
[比較例2]
比較例1において、ディスクリファイナーのパス回数を10としたこと以外は同様の方法でフィブリル化繊維を作成した。得られたフィブリル化繊維集合体の物性を表1に示す。
[比較例3]
比較例1において、ディスクリファイナーのパス回数を15としたこと以外は同様の方法でフィブリル化繊維を作成した。得られた含捲縮フィブリル化繊維集合体の物性を表1に示す。
[比較例4]
パラ型アラミド長繊維フィラメント(帝人テクノプロダクツ製、トワロン1000)をギロチンカッターを用いてカット長=10mmにカットし、実施例1と同様にディスクリファイナー処理を施してフィブリル化繊維を作成した。得られたフィブリル化繊維集合体の物性を表1に示す。
[比較例5]
実施例1で使用したパラ型アラミド繊維ステープルファイバーを公知のギロチンカッターで2mmにカットし、ディスクリファイナーなどのフィブリル化処理しない捲縮を有する短繊維を作成した。得られた短繊維集合体の物性を表1に示す。
[比較例6]
実施例1で作成した含捲縮フィブリル化繊維集合体と比較例5で作成した短繊維集合体を重量比で2:1で混合し繊維集合体を作成した。得られた繊維集合体の物性を表1に示す。
<摩擦材の作成>
[実施例5]
2Lの水に、実施例1のフィブリル化繊維を50重量部、珪藻土(商品名「ラヂオライト#200」、昭和化学工業株式会社製)を50重量部添加し、これをJIS標準離解機にて3000rpmで3分間離解して、スラリーを得た。更にこのスラリーを、TAPPI式角型抄紙機で抄造し、プレス脱水した後、120℃の乾燥機で2時間乾燥させることで、目付けが250g/mの紙状物を得た。
次に、得られた紙状物を、液状フェノール樹脂(品番PR−53123、住友ベークライト(株)製)をメタノールにて希釈した、濃度が16重量%のフェノール樹脂メタノール溶液に浸漬してフェノール樹脂を含浸し、その後室温で24時間乾燥してプリプレグを得た。さらにこのプリプレグを、プレス機によって60kg/cmの面圧により180℃で5分間プレスを行ない、さらに180℃のオーブン中で2時間硬化させることにより、フィブリル化繊維/無機フィラー/バインダー樹脂=38.5/38.5/23.0(重量比)の組成を持つ摩擦材試料を得た。
[実施例6]
実施例5において実施例1のフィブリル化繊維集合体の代わりに、実施例2のフィブリル化繊維を繊維集合体用いたこと以外は同様の方法で摩擦材試料を作成した。
[実施例7]
実施例5において実施例1のフィブリル化繊維繊維集合体の代わりに、実施例3のフィブリル化繊維繊維集合体を用いたこと以外は同様の方法で摩擦材試料を作成した。
[実施例8]
実施例5において実施例1のフィブリル化繊維繊維集合体の代わりに、実施例4のフィブリル化繊維繊維集合体を用いたこと以外は同様の方法で摩擦材試料を作成した。
[比較例7]
実施例5において実施例1のフィブリル化繊維繊維集合体の代わりに、比較例1のフィブリル化繊維繊維集合体を用いたこと以外は同様の方法で摩擦材試料を作成した。
[比較例8]
実施例5において実施例1のフィブリル化繊維繊維集合体の代わりに、比較例2のフィブリル化繊維繊維集合体を用いたこと以外は同様の方法で摩擦材試料を作成した。
[比較例9]
実施例5において実施例1のフィブリル化繊維繊維集合体の代わりに、比較例3のフィブリル化繊維繊維集合体を用いたこと以外は同様の方法で摩擦材試料を作成した。
[比較例10]
実施例5において実施例1のフィブリル化繊維繊維集合体の代わりに、比較例4のフィブリル化繊維繊維集合体を用いたこと以外は同様の方法で摩擦材試料を作成した。
[比較例11]
実施例5において実施例1のフィブリル化繊維繊維集合体の代わりに、比較例5のパラ型アラミド繊維ステープルファイバーを2mmにカットしたフィブリル化処理処理を無しのものを用いたこと以外は同様の方法で摩擦材試料の作成した。
[比較例12]
実施例5において実施例1のフィブリル化繊維繊維集合体の代わりに、比較例6の短繊維集合体を用いたこと以外は同様の方法で摩擦材試料の作成した。
<摩擦材の物性評価>
摩擦材耐剥離性評価は、市販の摩擦磨耗試験機((株)オリエンテック製、EFM−III−EN/F)に3脚リング状圧子(硬質クロムメッキベアリング鋼、外径25.4mm、内径20mm)を取り付け、脚部を摩擦材試料に押し付けながら回転させ、摩擦材試料表面が剥離するまでの回転数をカウントした。このときの試験条件は負荷荷重6kgf、常温油中、100rpmで行った。図4に試験法の様子を示す。
油透液性の評価は、Automatic Transmission Fluid(ATF)をスポイトで摩擦材試料表面に約0.1cc滴下し、滴下面の裏面にATFが浸透するまでの秒数を測定した。
表2に耐剥離性及び油浸透性評価結果を示す。尚、数値はN数=5で評価を実施したものの平均値である。
実施例1〜4のフィブリル化繊維は予め捲縮を与えた繊維にフィブリル化処理を施すことによって、比較例1〜4(フィブリルは有するが捲縮のない短繊維を用いたもの)に比べて主幹繊維に山−谷を有する繊維の割合が大きいものとなった。比較例5は捲縮は有するがフィブリル化していない本発明を外れるものであり、比較例6は含捲縮フィブリル化繊維とフィブリルを有さない捲縮繊維の混合したものであり集合体として含捲縮フィブリル化繊維の含有量が本発明の範囲を外れるものである。
また、これらを用いて摩擦材実施例5〜8を作成し、そのせん断力による耐剥離性を評価したところ、比較例5〜11と比べて 耐剥離性及び油透液性が向上した。これはフィブリル化繊維が主幹繊維に捲縮山谷を1組み以上持つことによって3次元的なネットワークが形成され摩擦材中における繊維間の絡まりが強固となったためと考えられる。また、油透液性に関しても、主幹繊維の捲縮山谷を1組み以上有することによって摩擦材が低密度化でき、油が透過するための貫通気孔が増加したためと考えられる。比較例10はフィブリル化が進んでいない、比表面積が小さく且つ平均カール度も小さいため、繊維間の絡まりが不十分であったためと考えられる。比較例11は含捲縮フィブリル化繊維を含むものの含有率が少なく絡合効果が得られず耐摩耗性、油透性が低下したものと考えられる。
本発明によれば、低密度でも繊維間の絡まり強度が高い紙状物が得られ、大きなせん断力が加わり、かつ密度を低く抑えることが要求される自動車等のオートマチックトランスミッション用摩擦材、ロックアップクラッチ用摩擦材、マニュアルトランスミッション用のシンクロナイザーリング用摩擦材などの耐久性向上に有効である。
山谷の捲縮を有するフィブリル化繊維の模式図(山谷がシャープなもの)。 山谷の捲縮を有するフィブリル化繊維の模式図(山谷がなだらかなもの)。 Pulp Expert Fiber Analyzer撮影画像の一例(捲縮山谷を有するフィブリル化繊維の一例)。 耐剥離試験法。

Claims (6)

  1. 有機高分子重合体からなる1μm以下のフィブリルを有するフィブリル化繊維を含む繊維集合体であって、下記要件を満足することを特徴とするフィブリル化繊維集合体。
    a)繊維集合体を構成する繊維のうち、主幹繊維に捲縮山谷を一組以上有する含捲縮繊維の下記式で表される含有率が20%以上であること。
    含捲縮繊維含有率=N/N0.5×100
    ここで、
    ;主幹繊維に捲縮山谷を一組以上有する含捲縮繊維の本数
    0.5;0.5mm以上の全繊維本数
    b)繊維集合体の比表面積が3〜20m/gであること。
  2. 繊維集合体を構成する繊維の下記式で表される平均カール度Cが20%以上である請求項1記載のフィブリル化繊維集合体。
    平均カール度C=C0.5/N0.5
    0.5;0.5mm以上の繊維の下記Cの総和
    0.5;0.5mm以上の全繊維本数
    C=(l−d)/l×100
    l;繊維の総繊維長(カールの無い状態の長さ)(mm)
    d;繊維の両端の距離(mm)
    C;繊維のカール度
  3. 該有機高分子重合体が炭化又は溶融温度が300℃以上である有機高分子重合体である請求項1〜2いずれかに記載の繊維集合体。
  4. 該有機高分子重合体が芳香族ポリアミドである請求項1〜3いずれかに記載の繊維集合体。
  5. 該繊維集合体を構成する繊維の長さ加重平均繊維長が0.5〜6mmである請求項1〜4いずれか記載の繊維集合体。
  6. 請求項1〜5いずれか記載の繊維集合体を1〜50重量%含むことを特徴とする湿式摩擦材。
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