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JP2009117087A - 燃料電池の電極用ペースト及び膜電極接合体の製造方法。 - Google Patents

燃料電池の電極用ペースト及び膜電極接合体の製造方法。 Download PDF

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JP2009117087A JP2007286858A JP2007286858A JP2009117087A JP 2009117087 A JP2009117087 A JP 2009117087A JP 2007286858 A JP2007286858 A JP 2007286858A JP 2007286858 A JP2007286858 A JP 2007286858A JP 2009117087 A JP2009117087 A JP 2009117087A
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Abstract

【課題】触媒担持カーボンと高分子固体電解質とが大きな凝集塊(アグロメレート)となり難く、高分子固体電解質のプロトン交換基が親水層側へ強く配向しており、触媒層のガス拡散性及びプロトン伝導性に優れ、軽加湿又は無加湿でありながら高出力が得られる燃料電池の電極用ペーストを製造可能にする
【解決手段】本発明のカーボンペーストの製造方法は、カーボン粉末に触媒金属を担持してなる無数の触媒担持カーボンと、各該触媒担持カーボンを互いに結合するとともにガス透過性を有する基材に結合するための高分子固体電解質の溶液とを混合して電極用ペーストを得る燃料電池の電極用ペーストの製造方法において、溶液には表面が撥水性であってカーボン粉末間に形成された細孔径よりも小さな径を有する撥水性微粒子が含まれていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池の電極用ペースト膜電極接合体の製造方法に関する。
従来、図9に示すような膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)90を用いた燃料電池システムが知られている。この膜電極接合体90は、ナフィオン(登録商標、Nafion(Dupon社製))等の固体高分子膜からなる電解質膜91と、この電解質膜91の一面に接合されて空気が供給されるカソード極93と、電解質膜91の他面に接合されて水素等の燃料が供給されるアノード極92とを有している。
カソード極93は、カーボンクロス、カーボンペーパー、カーボンフェルト等のガス透過性のある基材と、この基材の一面に形成されたカソード触媒層93aとからなる。カソード極93におけるカソード触媒層93a以外の部分は基材によって構成されており、ここは非電解質側でカソード触媒層93aに空気を拡散するカソード拡散層93bとされている。
また、アノード極92も、上記基材と、この基材の一面に形成されたアノード触媒層92aとからなる。アノード極92におけるアノード触媒層92a以外の部分も基材によって構成されており、ここは非電解質側でアノード触媒層92aに空気を拡散するアノード拡散層92bとされている。
そして、この膜電極接合体90を図示しないセパレータで挟むことにより最小発電単位である燃料電池のセルが構成され、このセルが多数積層されて燃料電池スタックが構成される。カソード触媒層93aには空気供給手段によって空気が供給され、アノード触媒層92aには水素供給手段等によって水素等が供給されるようになっている。こうして燃料電池システムが構成される。
この膜電極接合体90では、アノード触媒層92aにおける電気化学反応により、燃料から水素イオン(H+;プロトン)と電子とが生成される。そして、プロトンは水分子を伴ったH3+の形で電解質膜91内をカソード触媒層93aに向かって移動する。また、電子は、燃料電池システムに接続された負荷を通り、カソード触媒層93aに流れる。一方、カソード触媒層93aにおいては、空気中に含まれる酸素とプロトンと電子とから水が生成される。このような電気化学的反応が連続して起こることにより、燃料電池システムは連続して発電することができる。
上記のアノード触媒層92aやカソード触媒層93aに必要な特性としては、(1)酸化ガスや燃料ガスが拡散可能であること、(2)電気化学反応によって生じたプロトンを固体電解質膜へ移動させることが可能であること、(3)外部に電流を取り出すための電子伝導性が良好であることが挙げられる。そして、これらの特性を満たすために、電子伝導性を有する触媒担持カーボンと、プロトン伝導性を有する高分子固体電解質とを混合した電極用ペーストをカーボンクロス等の基材に塗布することによって、各触媒層が形成されていた。例えば、非特許文献1には、図10に示すように、触媒担持カーボンに高分子固体電解質溶液を注ぎ、超音波による撹拌を行って電極用ペーストとする方法が示されている。
しかし、このような方法で製造された電極用ペーストを用いて形成された触媒層では、高分子固体電解質に存在する親水性官能基の配向性が考慮されていないため、触媒層に存在する空孔側に多くの親水性官能基が存在することとなる。このため、空孔壁が親水性となって水濡れしやすくなるため、水が空孔に溜まり易く、溜まった水が空孔を介してのガスの拡散を阻害することとなる。
また、触媒担持カーボン側に配向し、かつ連通する親水性のパスが形成されていないため、カソード触媒層で生成した水が固体電解質膜側へ逆拡散し難くなる。このため、水がカソード触媒層内に滞留し、ガス拡散を阻害する要因となる。
本発明者らは、こうした問題点を解決する燃料電池の電極用ペーストの製造方法を既に開発している(特許文献1、2)。この製造方法では、第1工程として、チャンバー内に無数の触媒担持カーボンと水とを含む混合物を収容した後、該チャンバーを公転させることによって該混合物に遠心力を付与しつつ、該チャンバーを自転させることによって該混合物を自身の自重で攪拌する。これにより、各触媒担持カーボンの表面から空気を強制的に追い出し、表面を水で覆われた状態にすることができる。この際、遠心力の付与及び攪拌のためにボール、プロペラ等の異物を用いないことから、触媒担持カーボン同士の接触は阻害され難い。
そして、第2工程として、第1工程で得られた混合物に高分子固体電解質の溶液を混合し、電極用ペーストを得る。この際、各触媒担持カーボンは水に対する濡れ性を有していることから、高分子固体電解質は各触媒担持カーボン側に高分子固体電解質が有するプロトン交換基を配向させる。そして、互いに接触する各触媒担持カーボンと高分子固体電解質との間に、水によって互いに連続する親水層が形成された本発明の電極用ペーストが得られる。
こうして得られた電極用ペーストは、図11に示すように、互いに接触する各触媒担持カーボン100と高分子固体電解質101との間に、水によって互いに連続する親水層102が形成されている。このため、この電極用ペーストを用いて燃料電池のアノード極やカソード極を製造すれば、そのアノード極やカソード極は親水層によってプロトンが移動しやすい。また、高分子固体電解質はその親水層側にプロトン交換基を配向させているため、プロトンの移動に親水層が有効に活用される。このため、燃料電池システムは、MEAのアノード極、電解質膜及びカソード極でプロトンが良好に移動し、軽加湿又は無加湿でありながら高出力が得られる。
特開2006−140061号公報 特開2006−140062号公報
上述のように、特許文献1及び2の電極用ペーストの製造方法は、触媒担持カーボンの表面を親水性にしておき、親水性である高分子固体電解質のプロトン交換基を強く配向させるという技術である。しかし、第2工程で添加される高分子固体電解質溶液中において、プロトン交換基と疎水基とがどのように配向しているかについては、考慮がなされていなかった。このため、高分子固体電解質のプロトン交換基を触媒担持カーボン側に配向させることに関しては、まだ改良の余地があった。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、高分子電解質のプロトン交換基が触媒担持カーボンへ強く配向しており、触媒層のガス拡散性及びプロトン伝導性に優れ、軽加湿又は無加湿でありながら高出力が得られる燃料電池の電極用ペーストを製造可能にすることを解決すべき課題としている。
本発明の燃料電池の電極用ペーストの製造方法は、カーボン粉末に触媒金属を担持してなる無数の触媒担持カーボンと、各該触媒担持カーボンを互いに結合するとともにガス透過性を有する基材に結合するための高分子固体電解質の溶液とを混合して電極用ペーストを得る燃料電池の電極用ペーストの製造方法において、
前記溶液には、表面が撥水性であって前記カーボン粉末間に形成された細孔径よりも小さな径を有する撥水性微粒子が含まれていることを特徴とする。
本発明の燃料電池の電極用ペーストの製造方法では、高分子固体電解質の溶液と、触媒担持カーボンとを混合して電極用ペーストとする際、高分子固体電解質の溶液に表面が撥水性であって前記カーボン粉末間に形成された細孔径よりも小さな径を有する撥水性微粒子が含まれている。このため、高分子固体電解質の疎水性の骨格部分は、撥水性微粒子側に配向し、外側に親水性のイオン交換基を向けた、撥水性微粒子−高分子固体電解質複合体を形成する。しかも、撥水性微粒子は、カーボン粉末間に形成された細孔径よりも小さな径を有するため、外側にイオン交換基を向けた撥水性微粒子−高分子固体電解質複合体は、触媒担持カーボン間に形成された細孔内に容易に侵入し、カーボン側にイオン交換基を向けた状態で吸着し、プロトンが移動しやすい状態となる。また、イオン交換基の有する親水性により水が吸着し易くなり、互いに接触する各触媒担持カーボンと高分子固体電解質との間に水によって互いに連続する親水層が形成される。このため、この電極用ペーストを用いて燃料電池のアノード極やカソード極を製造すれば、そのアノード極やカソード極は親水層及びイオン交換基によってプロトンが移動しやすくなる。したがって、本発明の燃料電池の電極用ペーストによって燃料電池を構成すれば、軽加湿又は無加湿でありながら高出力が得られる。
撥水性微粒子の径は10nm以上100nm以下であることが好ましい。撥水性微粒子の径が10nm未満の場合、高分子固体電解質を構成する分子の大きさに比して、撥水性微粒子が小さすぎて、高分子固体電解質の疎水性の骨格部分が撥水性微粒子側に配向することが困難となる。また、撥水性微粒子の径が100nmを超える場合、撥水性微粒子−高分子固体電解質複合体がカーボン粒子間に形成された細孔内に侵入することができず、細孔内が電極反応に寄与できなくなる。
撥水性微粒子としてはフラーレンを用いることができる。フラーレンの表面は撥水性を有し、大きさも小さいため、カーボン粒子間に形成された細孔内に容易に侵入することができるからである。フラーレンの種類については特に限定はなく、例えばC60、C70、C84などを用いることができる。また、C60が複数個結合したC120やC180等のクラスター構造を有するフラーレンや、フラーレン分子中にフラーレン分子が閉じ込められた、多殻構造を有するフラーレンであってもよい。さらに、フラーレンにはカーボンナノチューブや、カーボンナノホーンや、カーボンナノウオールも含まれる。カーボンナノチューブには、単層からなるシングルウォールナノチューブ (SWNT)、複層からなるマルチウォールナノチューブ (MWNT)が含まれる。また、上記のフラーレンを複数種類含んでいても良い。
本発明の燃料電池の電極の製造方法は、ガス透過性を有する基材と、該基材の一面に形成された触媒層とを有し、該触媒層は、カーボン粉末に触媒金属を担持してなる無数の触媒担持カーボンと、各該触媒担持カーボンを互いに結合するとともに該基材に結合する高分子固体電解質とを含む燃料電池の電極の製造方法であって、
上記電極用ペーストを前記基材の一面に塗布して電極を得ることを特徴とする。塗布のためには印刷等の手段を採用することができる。
こうして得られる電極は、高分子固体電解質の親水基が触媒担持カーボン側にイオン交換基を向けた状態となり、イオン交換基の親水性により水が吸着し易くなり、互いに接触する各触媒担持カーボンと高分子固体電解質との間に水によって互いに連続する親水層が形成されるため、親水層及びイオン交換基によってプロトンが移動しやすくなる。
本発明の燃料電池の膜電極接合体の製造方法は、電解質層と、該電解質層の一面に接合されて空気が供給されるカソード極と、該電解質層の他面に接合されて燃料が供給されるアノード極とを有する燃料電池の膜電極接合体の製造方法において、上記電極を前記カソード極及びアノード極の少なくとも一方に用いることを特徴とする。
こうして得られる膜電極接合体は、高分子固体電解質の親水基が触媒担持カーボン側にイオン交換基を向けた状態となり、イオン交換基の親水性により水が吸着し易くなり、互いに接触する各触媒担持カーボンと高分子固体電解質との間に水によって互いに連続する親水層が形成されるため、親水層及びイオン交換基によってプロトンが移動しやすくなる。
カソード極及びアノード極の少なくとも一方は、基材の他面に形成され、空気又は燃料を拡散する拡散層を有することが好ましい。これにより、燃料電池システムは、電池反応が生じ易く、高出力が得られる。
本発明の燃料電池システムの製造方法は、膜電極接合体と、前記カソード極に空気を供給する空気供給手段と、前記アノード極に前記燃料を供給する燃料供給手段とを備えた燃料電池システムの製造方法において、上記膜電極接合体を用いることを特徴とする。
こうして得られる燃料電池システムは、アノード極、電解質膜及びカソード極でプロトンが良好に移動し、軽加湿又は無加湿でありながら高出力が得られる。
本発明において、撥水性微粒子は、表面が撥水性であって前記カーボン粉末間に形成された細孔径よりも小さな径を有するものであれば、用いることができる。このような撥水性微粒子として、フラーレンが挙げられる。
フラーレンの表面は、疎水性を有し、有機溶媒に溶解することが知られている。このため、高分子固体電解質の溶液中にフラーレンが溶解している場合、高分子固体電解質の疎水基部分がフラーレン側に強く配向し、親水性であるプロトン交換基は溶液側に配向することとなる。例えば、高分子固体電解質としてナフィオン(登録商標)のアルコール溶液にフラーレンC60を添加した場合の模式図を図1に示す。フラーレンC60aはアルコール中に溶解しており、ナフィオンbの疎水基であるポリテトラフルオロエチレン鎖b1がフラーレンC60aの表面に強く配向して、フラーレン−ナフィオン複合体cを形成する。そして、ナフィオンbの親水基であるスルホン酸基b2はアルコール側に配向する。
ここで、さらに、触媒担持カーボンを加えて混合した場合、図2に示すように、フラーレン−ナフィオン複合体cは触媒担持カーボンd間に形成された細孔eの径と比較して充分小さいため、触媒担持カーボンd間に形成された細孔e内に容易に侵入し、触媒担持カーボンe側にスルホン酸基2bを向けた状態で吸着し、プロトンが移動しやすい状態となる。また、スルホン酸基b2の有する親水性により水が吸着し易くなり、互いに接触する各触媒担持カーボンdとナフィオンbとの間に水によって互いに連続する親水層fができる。このため、この電極用ペーストを用いて燃料電池のアノード極やカソード極を製造すれば、そのアノード極やカソード極は親水層及びイオン交換基によってプロトンが移動しやすくなる。したがって、こうして得られた燃料電池の電極用ペーストによって燃料電池を構成すれば、軽加湿又は無加湿でありながら高出力が得られる。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面を参照しつつ説明する。
(実施形態1)
<電極用ペーストの製造>
燃料電池に用いる電極用ペーストは、図3に示すフローチャートに従って製造される。まず、ステップS1において、触媒担持カーボンを用意する。
そして、ステップS2において、触媒担持カーボンに水を加え、続くステップS3において、以下の方法により遠心撹拌し、第1中間物を得た。すなわち、まず、図4に示すチャンバー10を有する自転/公転式遠心撹拌機(キーエンス社製、商品名「ハイブリッドミキサーHM−500」)を用意した。このチャンバー10は、容器10aと、この容器10aを封止する蓋10bとからなり、中心点O回りに、中心点Oから延びる自己の軸芯Pが円錐を描くように高速で公転されるとともに、軸芯P回りに高速で自転され得るようになっている(図5参照)。このチャンバー10内に集合体11と、集合体11の8倍当量の水12とを含む混合物20を収容した。この後、チャンバー10を公転させることによって混合物20に遠心力を付与しつつ、チャンバー10を自転させることによって混合物20自身の自重で撹拌した。こうして、各触媒担持カーボンの表面から空気を強制的に追い出し、カーボン粉末の隙間にも水を充填し、図6に示すように、触媒担持カーボン31に水に対する濡れ性が付与され、第1中間物41が得られた。この際、遠心力の付与及び撹拌のためにボール、プロペラ等の異物を用いないことから、触媒担持カーボン31同士の接触を阻害することがない。
そして、図1に示すステップS4において、ナフィオン(登録商標)溶液にフラーレンを加えて溶解させた混合溶液を加えて、さらにステップS5として、ステップS3と同様のハイブリッドミキサーによる撹拌を行う。こうして得られた実施例1の電極用ペーストは、触媒担持カーボン31の表面が表面吸着水32の存在によって親水性にされているため、図1に示すフラーレン−ナフィオン複合体cのスルホン酸基b2は、図2に示すように、表面吸着水側に強く配向した状態で吸着する。こうして実施形態1の電極用ペーストが得られる。
なお、実施形態1の電極用ペーストの製造方法においては、ステップS2及びステップS3を省略することもできる。こうであっても、図1に示すフラーレン−ナフィオン複合体cのスルホン酸基b2は、図2に示すように、表面吸着水側に強く配向した状態で吸着するため、本発明の効果を奏することができる。
<燃料電池単層セルの製造>
上記実施形態1の電極用ペーストを用い、以下のようにして燃料電池単層セルを製造することができる。
上記の方法で得られた電極用ペーストをカーボンクロスの表面にPt担持量が所定の量となるように印刷して、乾燥する。こうして実施形態1の拡散層1を得た。なお、拡散層の上に印刷して反応層を形成する替わりに、ポリテトラフルオロエチレン製のシート上に上記触媒ペーストで印刷し、乾燥後、剥離させて自立した反応層膜を作製し、これを拡散層と熱圧着させて反応層を形成してもよい。
上記のようにして調製した拡散層1を用いて、図7に示す燃料電池単層セルをする。すなわち、拡散層1を2枚用意し、ナフィオン(登録商標)からなる高分子固体電解質膜2の両側に反応層3側を挟み、ホットプレスによって圧着する。さらに、その外側に酸素及び水素のガス供給路となるセパレータ4a、4bを図示しない取付治具により圧接する。こうして、燃料電池単層セル20を作製し、さらに、この燃料電池単層セル20を積層させることにより、燃料電池スタックが完成する。
<MEAの製造>
上記実施形態1の電極ペースト用いて、次のようにMEAを製造することができる。まずガス透過性を有する基材としてカーボンクロスを用意し、両面にカーボンブラックとPTFEとの混合物からなる撥水層を付与した拡散層を形成する。この後、上記電極用ペーストを用いてカソード触媒層及びアノード触媒層の印刷を行なう。そして、印刷後の基材を乾燥させ、溶液のアルコール及び水を蒸発させてカソード極及びアノード極を得る。
そして、ナフィオン等の高分子固体電解質膜を一定の大きさにサイズカットする。また、カソード極及びアノード極外観を検査した後、カソード極及びアノード極も一定の大きさにサイズカットする。
この後、アノード極、高分子固体電解質膜及びカソード極の順でこれらを積層し、140°C、加圧力60kgfでホットプレスする。こうしてMEAが得られる。さらに、MEAをサイズカットし積層してスタックが完成する。
なお、本願発明の電極用ペーストを用いてMEAを作製する方法は、他への応用が可能である。例えば、まず、電極用ペーストを転写用フィルム上にアノード用及びカソード用としてそれぞれ所定面積に均一に塗布する。この後、各ペーストを乾燥させて転写用フィルム上に触媒層を形成する。そして、各触媒層が高分子固体電解質の膜に面するように、膜を挟むように転写用フィルムを配置し、ホットプレスで膜に触媒層を転写する。こうしてMEAを作製することも可能である。
また、高分子固体電解質の膜の両面に電極用ペーストを用いたスプレー法や塗布法等により触媒層を形成する。そして、各触媒層の表面に電極用の基材が接するように配置し、ホットプレスする。こうしてMEAを作製することも可能である。
<燃料電池システム>
こうして得られたMEAを用いて、次のような燃料電池システムを構築することができる。この燃料電池システムでは、図8に示すセル70が複数用いられている。各セル70は膜電極接合体(MEA)71と一対のセパレータ72とを備えている。
MEA71は、ナフィオンからなる電解質膜73と、この電解質膜73の一面に一体に接合されたアノード極74と、電解質膜73の他面に一体に接合されたカソード極75とを有している。
アノード極74は、電解質膜73側に設けられるアノード触媒層74aと、アノード触媒層74aの非電解質膜側に接合され、アノード触媒層74aに水素を拡散するアノード拡散層74bとからなる。
また、カソード極75は、電解質膜73側に設けられるカソード触媒層75aと、カソード触媒層75aの非電解質膜側に接合され、カソード触媒層75aに空気を拡散するカソード拡散層75bとからなる。
各セパレータ72は、一面側にアノード極74に水素を供給するための水素室76が形成され、他面側にカソード極75に空気を供給するための空気室77が形成されたものである。
各セル70は、アノード極74側に水素室76が対面し、カソード極75側に空気室77が対面するようにMEA71と一対のセパレータ72とが積層されたものである。そして、MEA71とセパレータ72とを順次積層することによりスタックが構成される。また、アノード極74側とカソード極75側とで共通する上記セパレータ72を採用している。なお、スタックの両端のセパレータ72には水素室76又は空気室77だけが形成されている。
スタックには、各セル70の水素室76に図示しないバルブを介して連通する水素ボンベ78と、各セル70の空気室77に連通するブロア79とが接続されている。水素ボンベ78及びセパレータ72の水素室76がアノード触媒層74aに水素を供給する水素供給手段である。また、ブロア79及びセパレータ72の空気室77がカソード触媒層75aに空気を供給する空気供給手段である。
この燃料電池システムは、上記実施形態1の電極用ペーストを用いてMEA71のカソード触媒層75a及びアノード触媒層74aが形成されているため、ブラッディング現象が起こりにくく、ガス拡散が迅速に行われる。また、無加湿連続運転においても、セル電圧が低下し難い。
この発明は、上記発明の実施形態の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
本発明は電気自動車等の移動用電源、あるいは据え置き用電源に利用可能である。
ナフィオン溶液にフラーレンC60を添加した場合の溶液中での模式図である。 フラーレンC60を含むナフィオン溶液に触媒担持カーボンを加えて混合した場合の模式図である。 実施形態の燃料電池の電極用ペーストの製造方法を示す流れ図である。 実施形態で用いた自転/公転式遠心攪拌機のチャンバの模式図である。 実施形態で用いた自転/公転式遠心攪拌機のチャンバの回転状態を示す模式図である。 第1中間物の拡大模式図である。 燃料電池単層セルの模式断面図である。 実施形態のセルを示す模式断面図である。 従来のMEAを示す模式断面図である。 従来の電極用ペーストの製造方法を示す図である。 特許文献1に記載された方法で製造された電極用ペーストを用いた触媒層の模式拡大断面図である。
符号の説明
d…触媒担持カーボン
b…高分子固体電解質
a…フラーレン(撥水性微粒子)
74a,75a…触媒層(74a…カソード触媒層,75a…カソード触媒層)
2,73…電解質膜
20…膜電極接合体(MEA)
74b…アノード拡散層
75b…カソード拡散層
79、77…空気供給手段、水素供給手段(79…ブロア、77…空気室)
78、76…燃料供給手段(78… 水素ボンベ、76… 水素室

Claims (4)

  1. カーボン粉末に触媒金属を担持してなる無数の触媒担持カーボンと、各該触媒担持カーボンを互いに結合するとともにガス透過性を有する基材に結合するための高分子固体電解質の溶液とを混合して電極用ペーストを得る燃料電池の電極用ペーストの製造方法において、
    前記溶液には、表面が撥水性であって前記触媒担持カーボン間に形成された細孔径よりも小さな径を有する撥水性微粒子が含まれていることを特徴とする電極用ペーストの製造方法。
  2. 前記撥水性微粒子の径は10nm以上100nm以下であることを特徴とする請求項1記載の電極用ペーストの製造方法。
  3. 前記撥水性微粒子はフラーレンであることを特徴とする請求項1又は2記載の電極用ペーストの製造方法。
  4. 電解質層と、該電解質層の一面に接合されて空気が供給されるカソード極と、該電解質層の他面に接合されて燃料が供給されるアノード極とを有する燃料電池の膜電極接合体の製造方法において、
    請求項1乃至3のいずれか1項記載の電極用ペーストを前記基材の一面に塗布して製造された電極を前記カソード極及びアノード極の少なくとも一方に用いることを特徴とする燃料電池の膜電極接合体の製造方法。
JP2007286858A 2007-11-05 2007-11-05 燃料電池の電極用ペースト及び膜電極接合体の製造方法。 Pending JP2009117087A (ja)

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FR3081082A1 (fr) * 2018-05-14 2019-11-15 Commissariat A L'energie Atomique Et Aux Energies Alternatives Couches catalytiques comprenant un fullerene
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