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JP2009051152A - 印刷装置 - Google Patents

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JP2009051152A
JP2009051152A JP2007222098A JP2007222098A JP2009051152A JP 2009051152 A JP2009051152 A JP 2009051152A JP 2007222098 A JP2007222098 A JP 2007222098A JP 2007222098 A JP2007222098 A JP 2007222098A JP 2009051152 A JP2009051152 A JP 2009051152A
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JP2007222098A
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Kenji Kobayashi
賢次 小林
Isao Ebisawa
功 海老沢
Yoshiyuki Matsuoka
吉幸 松岡
Yoshinori Uesugi
義典 上杉
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Casio Computer Co Ltd
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Casio Computer Co Ltd
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Abstract

【課題】 本発明は発光ユニット部の光源として有機EL素子(electro luminescence element)を使用した印刷装置に関し、特にEL素子からの露光スポットが一様になるように制御し、主走査方向での1ラインの幅の広がりやラインのバラツキを無くす印刷装置を提供するものである。
【解決手段】 多数の有機EL素子を16個の有機EL素子群として配設し、各EL素子群毎に選択信号(Vselect)、及び電源電圧(Vsource)の出力を制御し、選択信号(Vselect)によって選択した有機EL素子群の発光を非選択期間において、予め測定した最適な光量に調整すべく電源電圧(Vsource)の供給を設定したタイミングで停止し、ヘッドユニット毎に配設された有機EL素子間での光量のバラツキを無くすものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は電子写真方式の印刷プロセス(以下、電子写真プロセスで示す)を使用した印刷装置に係り、特に発光ユニットの光源としてEL素子(electro luminescence element)を使用した印刷装置に関する。
電子写真プロセスを使用した印刷装置は、一様な電荷が帯電された感光面に対して、発光ユニットから印刷データに従った発光を行い、感光面に光強度に応じた潜像を形成し、トナーによる現像、転写、定着の一連のプロセスを経て、記録媒体に印刷を行うものである。そして、上記発光ユニットの光源としては、一般にレーザやLED(light emitting diode)が使用されるが、ディスプレイ等の発光画素用途として研究されている有機EL素子を光源とする場合、特にアクティブマトリックス駆動方式による方法では、駆動スイッチ回路をパネル上に内蔵し、低消費電力で駆動できる利点があり有効である。また、アクティブマトリックス方式を採用することによって、駆動ICを削減でき、更に各LED素子に接続しているワイヤーボンディングの本数を削減することもできる。
特許文献1は上記有機EL素子を使用した駆動回路の発明を開示している。この駆動回路の基本的構成は、図55に示す通りであり、有機EL素子E、3個のトランジスタT1〜T3、及びコンデンサCで構成されている。また、図56はこの回路に供給される信号、及びこの回路に流れる電流の駆動を示すタイムチャートであり、図55の端子Aから入力する選択信号(Vselect)、同図の端子Bから入力する電源電圧(Vsource)、電流源Fに流し込む電流(Idata)、トランジスタT3に流れる電流(IT3)、及び有機EL素子Eに流れる電流(IE)を説明するタイムチャートである。
先ず、図56の選択期間(Tse)において、上記選択信号(Vselect)を図55に示す回路に供給し、電源電圧(Vsource)の供給を停止する。この処理によって、トランジスタT1、T2がオンし、更にトランジスタT1のオンによって、トランジスタT3のゲートG及びコンデンサCに電圧が印加され、トランジスタT3がオンする。この時、発光量に従った電流(Idata、(電流(IT))が電流源Fに流れ込み、コンデンサCに電荷がチャージされる。
この電荷は、次の非選択期間(Tnse)において、トランジスタT3に同じ電流(Idata)を流すことが可能な電荷量であり、選択信号(Vselect)の供給を停止し、電源電圧(Vsource)の供給を開始した際(非選択期間)、トランジスタT2がオフ状態になると、有機EL素子Eには電流(IE)が流れる。この電流(IE)によって有機EL素子Eが発光する。
特開2003−195810号公報
しかしながら、上記EL素子の駆動回路を電子写真プロセスの印刷装置に使用した場合、非選択期間において、電流(IE)が流れ続けることになり、感光面上で露光する1ドットの露光サイズが副走査方向に伸びてしまう。図57(a)は理想的なビームスポットであるが、上記従来の処理では同図(b)に示すように副走査方向にビームスポットが移動し、露光ドットが副走査方向に広がる。また、EL素子自体の発光光量にもバラツキがあるため、主走査方向での1ラインの幅が広くなり、またラインの濃度も一様ではなくなる。
そこで、本発明はEL素子からの露光スポットが一様になるように制御し、主走査方向での1ラインの幅の広がりやラインのバラツキを無くした印刷装置を提供するものである。
上記課題は第1の発明によれば、複数のEL素子が主走査方向にアレイ状に配設されて成る有機ELヘッドから感光面に光照射を行い、感光面に形成された像を現像して記録媒体に印刷を行う印刷装置において、前記ELユニット毎に該ELユニットに選択信号を供給する選択信号供給手段と、該選択信号の出力後、前記ELヘッドユニット内のEL素子に発光電源を供給する、発光電源供給手段と、予め設定された前記ELヘッドユニット毎のEL素子の駆動期間の情報に基づいて前記発光電源の供給を停止する制御手段とを有する印刷装置を提供することによって達成できる。
上記課題は第2の発明によれば、前記ヘッドユニット毎のELアレイの駆動期間の情報は、予めヘッドユニット毎に測定した結果に基づいて設定される印刷装置を提供することによって達成できる。
上記課題は第3の発明によれば、前記選択信号の出力によって、駆動回路に形成された容量手段に電荷をチャージし、該チャージされた電荷によって切換手段を切り換え、前記発光電源を前記ELアレイに流して各有機ELアレイの発光を行う印刷装置を提供することによって達成できる。
上記課題は第4の発明によれば、前記EL素子は有機EL素子であり、前記ELアレイには有機EL素子群が複数配設されている印刷装置を提供することによって達成できる。
上記課題は第5の発明によれば、複数のEL素子が形成されたELアレイ毎に該ELアレイに選択信号を供給する選択信号供給手段と、該選択信号の出力後、前記ELアレイ内のEL素子に発光電源を供給する、発光電源供給手段と、前記ELアレイを内蔵するヘッドユニット毎に設けられた記憶手段内に予め設定された前記ELヘッドユニット毎のEL素子の駆動期間の情報に基づいて前記発光電源の供給を停止する制御手段とを有するELユニットの駆動装置を提供することによって達成できる。
上記課題の解決手段によれば、非選択期間において電流がEL素子に流れ続けることがなく、各ヘッドユニットの特性に合わせて非選択期間の長さを調整でき、ヘッドユニット間の発光光量のバラツキを調整することができる。
したがって、主走査方向での1ラインの幅の広がりやラインのバラツキを無くし、印字品質の優れた印刷装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
図2は、本発明の実施形態を説明する印刷装置の要部を説明する図であり、感光体ドラム1の周面近傍には帯電ローラ2、有機ELヘッド3、現像器4、転写ローラ5、クリーニング部6、及びイレーサ7が配設されている。イレーサ7によって電荷が除去された感光体ドラム1の感光面には、帯電ローラ2によって一様な電荷が付与される。感光体ドラム1は矢印方向に回転し、一様な電荷が付与された感光面には有機ELヘッド3から印刷データに従った露光が行われ、静電潜像が形成される。このようにして感光面に形成された静電潜像は、現像器4によってトナー像となり、転写ローラ5において用紙(記録媒体)8に転写される。さらに、用紙8は不図示の搬送機構によって矢印方向に搬送され、用紙8に転写されたトナー像は、定着ローラ9によって熱定着され、機外に排出される。
上記構成において、図3は感光体ドラム1と有機ELヘッド3の配設構成を示す図である。有機ELヘッド3は有機ELアレイ10とSLA(セルフォックレンズアレイ)11で構成され、有機ELアレイ10には主走査方向に多数の有機EL素子がアレイ状に配設されている。
図1は、上記構成の有機ELアレイ10の回路構成を示す図である。同図において、有機ELアレイ10は、主走査方向に多数の有機EL素子を配設し、例えば1200dpi、40ppm、用紙間距離50mm、A4横サイズの有機ELアレイ10を使用すると、必要な画素数は、A4横=297mm以上として例えば320mm、1dataDrvの出力数=960とすると、(320mm/(25.4mm/1200dpi))/960=15.75/mmである。また、主走査方向の1ラインの形成に許容される時間1LineTimeは、((25.4mm/1200dpi)/(210mmX40枚+50mmX40枚))/60≒122μsecである。
選択期間(Tse)は、電流ドライバ1dataDrv1へのデータ転送を含んでおり、転送終了と共に各画素への電流供給となるが、選択期間をこの1LineTimeに何回入れられるかによって、必要とされる1dastaDrv1の数量が決定される。上記算出結果の15.75より、1LineTimeに16回選択期間を設定できれば、1dataDrvの必要数は1個である。
すなわち、122μsec/16=7.625μsec以内にデータ転送とコンデンサCへの電荷チャージが完了できれば、図1に示すような構成が可能となる。本例では、1個の1dataDrv1の出力が960出力おきに16分配され、画素への配線が行われている。
ここで、16分配された有機ELを群形式で示すと、有機EL群「1」〜「16」が有機ELアレイ10を構成し、有機EL群「1」〜「16」が列状に配設されている。また、各有機EL群「1」〜「16」には、前述のように960個の有機EL素子が形成され、各有機EL素子は図4に示す駆動回路によって駆動される。
すなわち、トランジスタT11、T12のゲート(G)には端子Aを介して選択信号(Vselect)が供給され、この選択信号(Vselect)は、図1に示す選択信号ドライバ20から各駆動回路の端子Aに供給される。また、電源電圧(Vsource)は端子Bを介してトランジスタT13のドレイン(D)に供給され、この電源電圧(Vsource)は、図1に示す電源電圧ドライバ21から各駆動回路の端子Bに供給される。また、電流源Fを有するドライバ22は、各駆動回路に接続され、各駆動回路から出力される電流(Idata)は、ドライバ22に入力する。
また、トランジスタT11のソース(S)は、トランジスタT13のゲート(G)に接続され、トランジスタT11をオンすることによって、トランジスタT13を駆動し(オンし)、電流(IT13)を流す。また、トランジスタT13のゲート(G)とソース(S)間にはコンデンサC1が接続され、電流源Fに電流(Idata)を流し込み、電荷をチャージする。尚、電流(IE1)は有機EL素子E1に流れる電流であり、有機EL素子E1を発光し、前述の感光体ドラム1の感光面に静電潜像を形成する。
有機EL素子E1の場合、平面状のベース基材にパターンニングにより画素サイズの発光素子を形成して製造されるので同じヘッドユニット内での各素子間のバラツキは、例えばLED素子を用いたヘッドと比較して非常に小さい。したがって、有機ELヘッド3に有機EL素子を使用した場合、均一な光量特性を得るためには、各素子間バラツキを補正するより、有機ELヘッドユニット毎に発生するバラツキを補正することが望ましい。以下、具体的に説明する。
図5は本例の処理を説明するタイムチャートである。前述のように、1lineTime=122μsecであるが、これはある任意の960画素単位の選択期間から次の選択期間までの時間となる。有機EL素子は960画素単位で16個、有機EL群「1」〜「16」として配設されており、960画素単位(1群単位)の選択期間に選択信号(Vselect1)をハイレベルに制御し、電源電圧(Vsource)をローレベルに制御して、各画素に対する必要電流値に従った電荷のチャージを行う(図5に示すタイミングa)。その後、選択信号(Vselect1)をローレベルに制御し、電源電圧(Vsource1)をハイレベルに制御して、非選択期間へと移行する(図5に示すタイミングb)。
この時、同時に当該群「1」の隣の960画素(群2)に供給する選択信号(Vselect2)をハイレベルに制御し、電源電圧(Vsource2)をローレベルに制御して、当該群「2」内のコンデンサCに電荷チャージを行う(図5に示すタイミングc)。以下、同様に、有機EL群「1」〜「16」全てについて順次処理を行う。
この場合、非選択期間において電源電圧(Vsource)がハイレベルとなるが、本例ではこの非選択期間を制御して任意の時間でローレベルに制御することで、有機EL素子E1への電流供給を止め、有機EL素子群毎の光量制御を行う。
そこで、先ずヘッドユニット全体での光量測定を予め行い、一定の値を基準にして全ての電源電圧(Vsource)の供給期間を同じ長さで制御する。すなわち、感光面で受ける露光面積によって光量エネルギーを制御し、ヘッドユニット全体での発光を一様に変化させる。
先ず、1LineTimeでの発光デューティをある任意値で1ライン幅が必要以上広くならないよう、例えば50%に設定し、有機EL素子E1を発光させて光量を測定する。そして、この測定値を基準値として、補正すべきヘッドユニットを基準デューティ値で発光して光量を測定し、基準値との差を検出し、基準値に一致するように各ヘッドユニットでの発光時間を決定する。この時間を対応するヘッドユニットの非選択期間として設定し、対応するヘッドユニットの各固有値として、メモリに記憶させる。
図6は上記固定値を記憶する非選択期間メモリ31、当該ヘッドユニットの選択期間を計数するカウンタ32、及びシフトレジスタ33である。また、図7は上記構成の回路動作を説明するタイムチャートである。
水平同期信号(HSYNC)は1ラインの書き込み指示を行う信号であり、水平同期信号(HSYNC)が出力され(図7に示すタイミングa)、選択信号(Vselect1)が出力され、先ず有機EL群「1」が選択期間となる。その後、有機EL群「1」への選択信号(Vselect1)の出力が停止され、電源電圧(Vsource1)が有機EL群「1」の各有機EL素子E1に供給される(図7に示すタイミングb)。
次に、カウンタ32は上記非選択期間メモリ31から予め記憶された固定値を読み出し、クロック信号(CLK)の入力に同期して計数処理を行う。この計数処理は同図に示す固定値に対応するNまで行われる。この間、次の有機EL群「2」に選択信号(Vselect2)が供給され、有機EL群「2」が選択された後、電源電圧(Vsource2)が供給され非選択期間となり、有機EL群「2」に配設された有機EL素子E1を印刷データに従って発光する(図7に示すタイミングc)。この場合にも、カウンタ32は上記非選択期間メモリ31から予め記憶された対応する固定値を読み出し、クロック信号(CLK)の入力に同期して計数処理を行う。この計数処理も固定値に対応する不図示のMまで行われる。
以下、同様にして有機EL群「3」→「4」→「5」→・・・→「16」まで実行され、当該ヘッドユニットの固定値に従った発光が非選択期間において行われる。したがって、上記のように各ヘッドユニットの特性に合わせて非選択期間の長さを調整し、ヘッドユニット間の発光光量のバラツキを抑えることができる。
以上から、本実施形態によれば、各ヘッドユニットにおける発光期間である、非選択期間を調整することができ、ヘッドユニット間のバラツキを抑え、主走査方向での1ラインの幅の広がりを無くし、一様なライン濃度の印刷処理を行うことができる。
尚、本実施形態の説明では、16個の有機EL群で構成された有機ELヘッド3の例で説明したが本例に限定されるものではない。また、各有機EL群に配設する有機EL素子の数も960個に限定されるものではない。
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2について説明する。
前述の実施形態では、有機ELヘッド3からSLA(セルフォックレンズアレイ)11を介して感光体ドラム1の感光面に静電潜像を形成する際、有機EL素子の発光に大きなエネルギーが必要になるが、本実施形態は上記問題が発生することのない印刷装置を提供するものである。以下、具体的に説明する。
前述の図2に示すように、感光体ドラム1の近傍には有機ELヘッド3が配設され、図3に示すように有機ELヘッド3を構成する有機ELアレイ10からSLA(セルフォックレンズアレイ)11を介して感光面に光照射が行われている。
この構成において、有機ELアレイ10(有機EL素子)の構造は図8に示す構成である。すなわち、ガラス基板41上にアノード電極(陽極)42、正孔注入層(HTL)43、発光層(EL)44、電子注入層(ETL)45、及びカソード電極(陰極)46を順次形成して構成されている。そして、アノード電極(陽極)42とカソード電極(陰極)46間に電圧を印加することにより、発光層(EL)44から発せられる発光をガラス基板41方向に完全拡散放射する。
ここで、有機ELヘッド3が前述の1200dpiの場合、各有機EL素子の間隔が約21μmとなり、ガラス基板41内で完全拡散すると、お互いの光が干渉しあってガラス表面で結像しない。この点、本実施形態では、ガラス基板41内に個々の有機EL素子毎にファイバー機能を持たせ、ガラス基板41表面に擬似発光体を形成する。このファイバー機能は公知の技術であり、例えばコア部に当たる部分以外に空気孔を結晶のように整然と並べることで、同一の材質でありながら、中心部と周辺部の屈折率を変える方法や、ガラス基板41内部にファイバーを直接形成する方法などを使用する。
例えば、図9に示すように、面状に発光する面発光部アレイパネル47と、面発光部アレイパネル47の光出射部である面発光部48にそれぞれ対向した導光部49を備え、面発光部48からの光が導光部49にて反射集光され、単位面積あたりの強度を強めて照射することができる露光ヘッドが考えられる。
この露光ヘッドはファイバー形状、或いは導波路形状であるため、ある程度の指向性を有しているが、ミリオーダの距離を隔てた感光面に小径の光スポットを形成し、各ドット同士を解像することができる光ビーム(例えば、1200dpiの場合、約21μmピッチ)を作ることは困難である。
そこで、本例では前述の図2に示す感光体ドラム1とSLA(セルフォックレンズアレイ)11を組み合わせることにより、上記光スポットを実現する。具体的には、SLA(セルフォックレンズアレイ)11は、中心から周辺にかけて放物線状の屈折率分布を有するセルフォックレンズを1列乃至2列に規則正しく精密に配列し、2枚のフレーム板にはさみこんだ構造になっている。また、SLAの品種は各光学パラメータ(作動距離Io、入射角θo、共役長TC等)により各種存在するが、通常のSLAはレンズ径0、5〜1mm、入射角約20°、作動距離2〜5mm程度である。ここで、代表的光学パラメータである上記値のSLA(セルフォックレンズアレイ)11を使用し、シミュレーションを行った。
この場合、SLA(セルフォックレンズアレイ)11が取り込める光は、図10及び図11に示すように、約3.5個のセルフォックレンズで集光することになる。すなわち、発光体が円形の指向性(縦横方向同じ指向性)を持つ場合、レンズ列に対してY方向(副走査方向)にレンズ入射角の範囲外となるエリアが発生する。従って、上記有効エリアを効率良く利用するには、発光体の指向性をX方向(主走査方向)の楕円とすれば、SLA(セルフォックレンズアレイ)11にとって光取り込み効率が向上し、結果として発光体の負荷を低減することができる。
以下、発光体がX方向楕円形の指向性を有するための露光装置の構造を示す。すなわち、本例の有機ELヘッドに図12に示すリフレクタ50を照射面に付加することにより、図13の端面照射型EL素子となり、X方向楕円形の指向性を持たせることができる。ここで、シミュレーションソフトにより、有機EL素子の出射端面を10×10μmとし、リフレクタ無しの場合と有りの場合の受光面プロファイルと指向性を示す。
図14はこの例であり、受光面プロファイルは、リフレクタの先端より、2500μm隔てた受光面(レンズ面)に光を照射し、光強度分布及びピーク点のXY断面をグラフ化したものである。リフレクタなしの場合、ほぼXY比の等しい分布を示す。
一方、リフレクタ50を先端に付加すると、Y方向の光強度分布が狭められ、狭指向性となることが解る。このときのSLA3.5個相当の面(1800×900μm)に照射される光量は、相対値でリフレクタ有りがリフレクタ無しに比べて約2倍となる。
ここで、リフレクタ50のX方向形状も先喘拡張型とした方が狭指向性となるが、感光体面のMTF(Modulation Transfer Function)を確保するため、X方向開口幅は解像ピッチの50%程度にする必要がある。このように、リフレクタはY方向拡張にし、X方向はほぼ直角にすることで、SLA(セルフォックレンズアレイ)11を介して照射される光が、感光面での解像度、MTFを損なわず、照射効率を上げることができる。
以上のように本例によれば、完全拡散又は広い指向性をもつ有機EL光源をリフレクタ50により、主走査方向に楕円指向性を与えて集光させることによって、SLA(セルフォックレンズアレイ)11を介した感光面への光量伝達率が高くなり、有機EL素子に供給する電流を少なくでき、有機ELヘッド3の寿命を長くすることができる。
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3について説明する。
本実施形態もEL素子の劣化を防止し、有機EL素子を長寿命化する印刷装置の発明である。以下、具体的に説明する。
図15は本例で使用する印刷装置の全体構成図である。感光体ベルト52の近傍には帯電ローラ51、有機ELヘッド53、現像器54、転写ローラ55、クリーニング部56、及びイレーサ光源57が配設されている。イレーサ光源57によって電荷が除去された感光体ベルト52の感光面には、帯電ローラ51によって一様な電荷が付与される。そして、感光体ベルト52は矢印方向に回転し、一様な電荷が付与された感光面には有機ELヘッド53から印刷データに従った発光が照射され、静電潜像が形成される。このようにして感光面に形成された静電潜像は、現像器54によってトナー像となり、転写ローラ55において用紙(記録媒体)58に転写される。さらに、用紙58は搬送機構59によって矢印方向に搬送され、用紙8に転写されたトナー像は、不図示の定着ローラによって熱定着され、機外に排出される。
尚、上記感光体ベルト52は、シームレストベルト状透光性基体と、透光性導電層、電荷発生層、電荷移動層、及び表面保護層とから成る感光体である。
また、図16は有機ELアレイ10(有機EL素子E1)の構造を示す図であり、前述の図8と同様、ガラス基板41上にアノード電極(陽極)42、正孔注入層(HTL)43、発光層(EL)44、電子注入層(ETL)45、及びカソード電極(陰極)46を順次形成して構成されている。
また、図17は感光体ベルト52と有機ELヘッド53の配設構成を示す図である。感光体ベルト52は有機ELヘッド53の発光部に対して一定距離に配置されており、温度等により感光体ベルト52が伸びた状態でも、ベルトテンションローラ60によって、有機ELヘッド53を上方向に移動させることにより、有機ELヘッド53と感光体ベルト52の位置関係は一定に保たれている。
本例は、図18に示すパラボラ型リフレクタ61を有機EL発光端面に形成する(図19参照)。パラボラ型リフレクタ61は公知のように、点光源よりパラボラ口径の平行光を放射する機能を有しており、理想的な点光源であれば反射ロスや減衰を無視すれば、出射口径の光ビームが照射方向においてどの距離でも同じとなる。しかし、現実には点光源は不可能であり、マイクロオーダであっても面発光となる。
図20はシミュレーションソフト(光線追跡)により、有機EL素子の出射端面を3×3μmとし、パラボラ型リフレクタ61を介して、600dpiピッチの1ドット間隔点灯で、リフレクタ先端より100μm隔てた受光面(感光面相当)に光スポットを照射し、受光プロファイル及びピーク点のXY断面をグラフ化したものである。このとき、グラフから得られた値より計算すると、受光面におけるMTFは約70%となり、良好な解像度が得られた。
しかしながら、受光面距離を150μmとすると、MTFは約60%に低下する。それに対して、図21に示すようにリフレクタの中心部に凸型反射板を追加することにより、ピーク光量は減少するものの、MTFを改善することができる。
前述したパラボラ型リフレクタ61のシミュレーションと同様の条件で、この反射板を追加した場合の図を図22に示す。この場合、MTFは受光面距離100μm、及び150μmにおいて、それぞれ約80%、及び70%となり、反射板を追加することにより改善されたことが解る。
ここで、パラボラ型リフレクタ61、反射板付きパラボラ型リフレクタの形状による出射光の特徴を下記に示す(図23参照)。尚、光源面積が小さい程(光量密度が高い)出射ピーク光量は大となり、距離によるビーム径は安定し、形状は円形が理想だが縦横比が同程度なら同等性能である。 ’
・光源位置:パラボラ型リフレクタ61の焦点位置、若しくは両端方向が望ましい。
・リフレクタ径:アレイピッチに準じて、所望照射経に設定する。
・リフレクタ長:基本的には長い程、配光分布は狭域化する。
・凸型反射板径:径が小さい程、ピーク光景は大となるが、ビーム径は大きくなる。
・凸型反射板曲率:曲率半径は小さい方が出射光量は高い。
凸型反射板位置:曲率端面がリフレクタ端の内側に位置する。
ここで、リフレクタ61に付加した凸型反射板の効果としては、図23に示すように面光源よりの角度で発せられた光Iは、受光面の希望照射範囲外に到達する。これに対し、反射板があると、反射した光IIは再度リフレクタ61を経由して照射範囲内に照射される。
以上のように、本例によれば、完全拡散光である有機EL光源をパラボラ型リフレクタにより集光させることにより、感光面への光量伝達率が高くなり、有機EL素子の電流供給を少なくできるため、有機EL素子の寿命を長くすることができる。
また、パラボラ型リフレクタを反射板で光を再度リフレクタに反射させることにより、集光効率を向上させることができる。
尚、図24は感光体ベルト52の構造を示し、シームレストベルト状透光性基体上52a上に順次、透光性導電層52b、電荷発生層(CGL)52c、電荷移動層(CTL)52d、及び表面保護層(OCL)52eをこの順に形成して構成されている。そして、本例においてベルト状の感光体を採用した理由は、表面がガラス基板で形成されている有機ELヘッドに接触させるためであり、つなぎ目のないシームレストベルトの感光体ベルト52を採用する。
また、感光体ベルト52はポリカーボネイト、ポリエチレン・テレフタレート、ポリイミド等の透光樹脂の基材に、透光導電性材料である酸化インジウム・スズ膜(ITO)、デッピング法で何れも結着剤樹脂を含有するCGL、CTL、OCLを順次塗布して形成構成されている。このCTLはヒドラゾン(CTM)とポリカーボネート樹脂から成り、CGLはトリスアゾ顔料とポリビニルプチラール樹脂、そしてOCLはポリステル樹脂で構成され、導電層および感光層を形成したベルトである。
(実施形態4)
次に、本発明の実施形態4について説明する。
図25、図26は本実施形態における導波路型トップエミッション有機ELアレイ露光ヘッド(以下、単に有機ELアレイ露光ヘッドで示す)の全体構成図であり、図25はその上面図を示し、図26はその側面国を示す。
この有機ELアレイ露光ヘッド65は、大きく分けて以下の3つのパートにより構成されている。すなわち、発光体を形成している発光体透明基板部66、導波路形成基板部67、レンズ透明基板部68で構成されている。
発光体透明基板部66は、有機EL発光体の点灯制御を実施するための点灯制御回路及び有機EL発光体の各層を主走査方向にアレイ状に形成している。また、本例の場合、有機EL発光体の下部電極は、光反射板としての機能も兼用しており、同図に示すように有機EL発光体形成部以外にもパターニングされている。
また、発光体透明基板部66には光反射集光部70も形成されている。光反射集光部70は、発光体透明基板66の厚さ方向に光が透過できるように反射加工を除去し、又は反射加工を施していない部分である。
導波路形成基板部67には、同図に示すような楔形構造をした導波路67aが形成されている。この楔形の構造のため有機EL発光層63より発生した光は、導波路壁面を反射するごとに光の進行方向を楔形の広がり方向に進行する。導波路67aの壁面は、Ag(銀)やAl(アルミニュウム)等の金属箔膜を蒸着することにより、高い反射率を形成した壁面を有する構造を有している。尚、導波路67aの内部は空気層でもよい。
正立等倍結像を実現するレンズ透明基板68は、レンズ透明基板68の対向する両面に平板レンズを同一光軸上に構成している2枚レンズによる正立等倍結像のレンズ光学系をレンズ透明基板68の両面に少なくとも1次元アレイ状に複数個配置している構造を有している。
平板レンズは、ガラス基板等にイオン交換技術により屈折率分布型のレンズを形成したものである。ガラス基板上に蒸着された金属膜(イオンの拡散を妨げる金属マスク)に、フォトリソグラフィー技術によって開口を形成し、本例の場合、両面にマスク開口を形成して、これを拡散すべきイオンを含む溶融塩に浸して、溶融塩中のイオンをマスク開口部分に拡散させ、略半球状の屈折率分布領域を作成したものである。
したがって、レンズ透明基板68の厚さ、開口サイズ、溶融塩浸漬時間により、レンズパラメータを調整できる正立等倍結像機能を有している。本レンズ基板における正立等倍結像の発光体側の作動距離は発光体透明基板66の厚さに合わせてあり、光反射集光部70でフォーカスする構成としている。
上記、3つのパートである発光体透明基板部66、導波路形成基板部67、レンズ透明基板部68を同図に示す通り積層することにより、発光体透明基板部66の発光体より発生した光は導波路67a内を反射伝搬して方向変換ミラー部71で反射することにより、光反射集光部70に集まり発光体透明基板66の厚み方向に伝搬していく。
このとき正立等倍結像機能を有するレンズ透明基板68により光反射集光部70の像を像担持体側に正立等倍に結像することにより、電子写真方式における潜像を形成することが可能となる。
上記両面屈折率分布型レンズ64による正立等倍結像のクロストークを改善するため、レンズ透明基板68の有効レンズ領或以外に光吸収層69を配置している。光遮蔽機能を有する光吸収層69は、外部からの不要な光を遮断し、また基材の内部での余計な光の反射を阻止するためのものであり、金属の蒸着膜に酸化物の簿膜を重ねて反射率を数%程度に抑えた無反射コーティング、または黒色塗料の塗布又は印刷などによって形成されている。
上記発光体透明基板66に導波路形成基板67とレンズ透明基板68を積層することにより、点灯制御された発光体の発光を集光して感光面に露光結像することができる。
次に、本実施形態の変形例を説明する。図27、図28は本実施形態の変形例を説明する有機ELアレイ露光ヘッドの全体構成例を示す図であり、図27はその上面図を示し、図28はその側面国を示す。
この有機ELアレイ露光ヘッド75は、大きく分けて以下の3つのパートにより構成されている。すなわち、導波路及び発光体を形成している発光体/導波路形成透明基板部76、カバーガラス77、レンズ透明基板部78で構成されている。発光体/導波路形成透明基板76には、同図に示すような楔形構造をした導波路76aが形成されている。この楔形構造のため有機EL発光層79より発生した光は、導波路壁面を反射するごとに光の進行方向を楔形の広がり方向に進行する。導波路76aの壁面は、前述のように、Ag(銀)やAl(アルミニュウム)等の金属箔膜を蒸着することにより、高い反射率を形成した壁面を有する構造を有している。尚、導波路の内部は空気層でもよい。
導波路76aを形成した発光体/導波路形成透明基板76は、絶縁層により平坦化処理を施した後、有機EL制御回路及び導波路上部にボトムエミッション型有機EL発光層を形成させる。尚、有機EL発光体の点灯制御を実施する定めの点灯制御回路及び有機EL発光体の各層は、主走査方向にアレイ状に形成している。尚、本例の場合、有機EL発光体の下部電極は、光の反射板としての機能も兼用しており、同図に示すように有機EL発光体形成部以外にもパターンニングされている。
また、発光体/導波路形成透明基板部76には光反射集光部も形成されている。この光反射集光部には、導波路内を伝搬した光が方向変換ミラー80で反射され、カバーガラス77の厚さ方向に光が透過できるように反射加工を除去し、又は反射加工を施していない部分である。
カバーガラス77は、発光体を形成した上部を完全に封止すると共に、導波路76aを伝搬して方向変換ミラー80により反射され、集光された光をカバーガラス77の厚さ方向に透過させてレンズ透明基板部78に入射させる伝搬媒質でもある。
正立等倍結像を実現するレンズ透明基板78は、該レンズ透明基板78の対向する両面に平板レンズを同一光紬上に構成している2枚レンズによる正立等倍結像のレンズ光学系をレンズ透明基板78の両面に少なくとも1次元アレイ状に複数個配置している構造を有して。本平板レンズはガラス基板等にイオン交換技術により屈折率分布型のレンズを形成したものである。
このように構成することによっても、発光体透明基板に導波路形成基板とレンズ透明基板を積層することにより、点灯制御された発光体の光を集光して感光面に集光結像できる構造を有する有機ELアレイ露光ヘッドを実現できる。
以上のように、本実施形態によれば、導波路反射方式を利用することにより発光面積を大きくとることができ、発光輝度及び寿命を延ばすことができる。
(実施形態5)
次に、本発明の実施形態5について説明する。
図29は本実施形態の有機ELヘッドの構成例を示す図である。本例の有機ELヘッドは発光体透明基板81に有機EL発光体アレイ82を少なくとも1列形成してあり、発光体透明基板81側へ光を照射するボトムエミッション発光構造であり、発光体87からの出射光を集光し、感光面に結像を結ぶために屈折率分布型レンズをレンズ透明基板83の両面に同一光軸上に設け、正立等倍結像機能を持つレンズ透明基板83を発光体透明基板81の下方に積層した構造である。
図30は、本例の有機EL素子1つの側面断面図である。本例は、発光体透明基板81上にボトムエミッション型のシングルヘテロ構造の高分子有機EL発光体を形成した例を示す。具体的には、発光体透明基板81上にITO等の透明電極により陽極84をパターンニングし、陰極(例えば、Ca,Ba,Ag等)85との間に、正孔輸送層86と積層発光層87aの2層を形成し、積層発光層87aの上部は封止材88により密閉されている。
上記発光体87周辺の光吸収層89は、外部からの不要な光を遮断し、また基材の内部での反射を防止するための構成であり、金属の蒸着膜に酸化物の薄膜を重ねて反射率を数%程度に抑えた無反射コーティング、又は黒色塗料の塗布又は印刷などによって形成されている。
前述の図29で示した正立等倍結像を実現するレンズ透明基板83は、レンズ透明基板83の対向する両面に平板レンズを同一光軸上に構成している2枚レンズによる正立等倍結像のレンズ光学系をレンズ透明基板83の両面に少なくとも1次元アレイ状に複数個配置している構造を有している。
この平板レンズは、ガラス基板等にイオン交換技術により屈折率分布型レンズ83aを形成したものである。ガラス基板上に蒸着された金属膜(イオンの拡散を妨げる金属マスク)に、フォトリソグラフィー技術によって開口を形成し、本例の場合、両面にマスク開口を形成して、これを拡散すベきイオンを含む溶融塩に浸して、溶融塩中のイオンをマスク開口部から拡散させ、略半球状の屈折率分布領域を形成したものである。したがって、レンズ透明基板83の厚さ、開口サイズ、溶融塩浸漬時間により、レンズパラメータを調整することができ、正立等倍結像の機能を有する。
尚、図31は変形例を説明する図であり、変形例の有機ELヘッドの構成を示す。この有機ELヘッドは発光体透明基板91に有機EL発光体アレイを少なくとも1列形成してあり、発光体情報の封止材93側へ光を照射するトップエミッション発光構造であり、その発光部90からの出射光を集光して感光面に結像を結ぶために屈折率分布型レンズ94をレンズ透明基板95の両面の同一光紬上に設けた構造である。
図32は、上記変形例の有機EL素子1つの側面断面図である。本例では、発光体透明基板91上に、トップエミッション型のシングルヘテロ構造の高分子有機EL発光体を形成した例を示す。発光体透明基板91上に陰極(Ca、Ba等)96をパターンニングし、光吸収層98を形成し、陰極96と陽極97間に正孔輸送層99と積層発光体90aの2層を積層した構造を有しており、積層発光体90aの上部は封止材93により密閉されている。
このように構成することにより、レンズ透明基板95の厚さ、開口サイズ、溶融塩浸漬時間によりレンズパラメータを調整することができ、正立等倍結像の機能を実現することができる。
(実施形態6)
次に、本発明の実施形態6について説明する。
本例は前述の実施形態1及び2等で使用した電子写真プロセス方式の印刷装置に関するものであり、図33にその基本構成を示す。
感光体ドラム1の周面近傍には帯電ローラ2、有機ELヘッド3、現像器4、転写ローラ5、クリーニング部6、及びイレーサ7が配設されている。イレーサ7によって電荷が除去された感光体ドラム1の感光面には、帯電ローラ2によって一様な電荷が付与される。感光体ドラム1は矢印方向に回転し、一様な電荷が付与された感光面には有機ELヘッド3から印刷データに従った発光が照射され、静電潜像が形成される。このようにして感光面に形成された静電潜像は、現像器4によってトナー像となり、転写ローラ5において用紙(記録媒体)8に転写される。さらに、用紙8は不図示の搬送機構によって矢印方向に搬送され、用紙8に転写されたトナー像は、定着ローラ9によって熱定着され、機外に排出される。
図34は本実施形態に係わる有機ELヘッドの回路ブロック図である。また、図35及び図36は上記図34のシステムコントローラを具体的に説明する図である。また、図37は本例の処理を説明するタイムチャートである。
図34に示す有機ELヘッドにおいて、通常の画像データに合わせた露光工程は、先ずシステムコントローラ101が、不図示のラスターイメージプロセッサ部より印刷データと用紙サイズの情報と搬送速度に合わせた水平同期信号(HSYNC)及び垂直同期信号(VSYNC)を受信し、それら制御信号に合わせて各画素のオン、オフ、及び階調に基づきデータドライバ102やスキャンドライバ103を駆動する。
水平同期信号(HSYNC)及び垂直同期信号(VSYNC)は、主走査方向の同期信号であり、アクティブ〜アクティブ期間が1ラインに許されるドット形成処理時間を設定する。データドライバ102は、一例として1本のVdataで8個の画素を駆動する。
尚、本例では有機ELパネル104への供給ラインは、階調信号電圧Vdatal〜Vdata6としているが、この限りではない。同様にスキャンドライバ103から有機ELパネル104への供給走査ラインもVscan1〜Vscan8とし、Vdatal〜Vdata6に接続される画素群a〜hに共通に接続されている。したがって、有機ELパネル104は水平方向に各画素が一列に、6×8=48(個)の画素形成が行われている。
データドライバ102は、図37、図38に示すように、水平同期信号(HSYNC)がアクティブである期間、各画素のデータラインに対応する階調信号電圧Vdataを生成して印加する。このとき図示しないが、電源線に電源が供給されるよう制御を行う。次いで、Vdataを供給すると同時に、Vdatal〜Vscan8をH(ハイ)レベルとし、順次処理を行い、図38に示す各画素の選択トランジスタ105を動作させることにより、発光駆動トランジスタ106のゲート(G)に各データラインに印加された階調電圧(階調信号)Vdataに基づくゲート電圧が印加され、当該ゲート電圧に応じた導通状態でオン動作を行う。
この処理により、電源線を介して画素群a〜hの中のVscanが供給されている画素群の発光駆動トランジスタ106及び有機EL素子E1に、Vdataに基づく電流値を有する発光駆動電流を流し、有機EL素子E1が所定の発光輝度で発光する。
この時、Vdataは選択トランジスタ105を介して、保持キャパシタ107に供給される。このため、各保持キャパシタ107は、Vdataのレベルに応じた値の電荷量に充電される。次に、上述の選択期間を経過して走査信号VscanはL(ロー)レベルとなり、選択トランジスタ105がオフしても、保持キャパシタ107にはVdataに応じた電荷量が保持される。
すなわち、Vdataに応じた電荷量が保持されると、発光駆動トランジスタ106はその電荷量に応じた導通状態となり、発光動作を縦続する(非選択期間)。以下、ライン数分のアクティブ期間、発光を行う。
次に、Vdataを有機ELパネル104の劣化状態に応じて調整する処理について説明する。図35は前述のように、図34のシステムコントローラ101の詳細ブロック図であり、図36は図35のパネル出力比較器108の詳細ブロック図である。
図39、図40は、本例の有機ELパネル104の断面構造を説明する図であり、図39はボトムエミッション形式であり、図40はトップエミッション形式であり、共にガラスを使用する基板部に焦電性をもつ基板を使用する。図39に示すボトムエミッション形式では焦電基板110及び基板透明電極111、112は透明である必要があり、例えば分極処理を施したニオブ酸リチウムなどが適している。また、図40に示すトップエミッション形式では透明である必要は無く、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛、メタニオブ酸鉛などが適している。また、有機EL素子の製造工程での加熱処理が必要な場合、いずれも焦電材のキューリ点に注意し、これを超えることの無いようにする必要がある。
尚、図39に示す発光部100はTFT101a上に、透明電極101b及び絶縁層101cを形成し、透明電極101b上に発光層101dを形成し、発光層101d上に陰極101eが形成され、発光層101dからの発光を下方に導いている。一方、図40に示す発光部100はTFT101f上に、透明陰極101g及び絶縁層101hを形成し、絶縁層101h上に陽極101jを形成し、陽極101j上に発光層101kを形成し、発光層101kからの発光を上方に導いている。
先ず、印刷装置の電源を入れた際、任意の有機EL素子を一定値のVdata値で発光させる。例えば、図37に示すタイムチャートにおいて、VscanlとVdatalである。図41は、その時の焦電基板110、113の自発分極変化を示す。この焦電基板110、113の自発分極により、焦電基板表面には電荷が現れているが、定常状態ではこの電荷は反対符号のイオンや電子と結合して電気的な中和を保っている。しかし、有機ELパネル104の任意素子の発光に伴う発熱の熱エネルギーを吸収して、図41に示すように内部の自発分極が大きく変化する。その変化量に比例して表面に電荷が励起され、この電荷を基板透明電極111及112と、基板電極114及び115間に接続された負荷Rを通して出力電圧として取り出す。
図35に示すように、システムコントローラ101には、この温度変化量に対する焦電基板110、113の出力電圧を入力するパネル出力比較器108、Vdata値を補正するための補正値テーブル117、Vdata信号を制御するVdata信号制御部118、Vscan信号制御部119、及びこれらの制御部120が設けられている。補正値テーブル117は、経時劣化によって輝度が下がる分、Vdata値を上昇させるよう、発光による基板部温度変化量による出力電圧値のシステム初期値と経時後の値の差分とそれに対応するVdata補正値が予め格納されている。
図42は、この処理を説明するフローチャートである。先ず、電源をオンし(ステップ(以下、Sで示す)1)、初めてのシステム起動時における発光に伴う温度変化による出力電圧を初期値aとし(S2がY(イエス)、S3)、この初期値aをアナログデジタル変換し、初期値メモリ120に記録する(S4)。尚、初期値メモリ120は、不揮発性メモリであり、通常印刷を行い、電源をオフした後もこの状態を保持している(S5、S6)。
次に、電源投入時において、システムを起動するたびに、実際の印刷を行う前に、上述と同様にして、焦電基板110、113による出力電圧を計測し(例えば、測定値b)(S7)、アナログデジタル変換後、計測した測定値bと前述の初期値aを比較器121によって比較する(S8)。この結果、例えばb=aであれば発熱量の変化は無く、経時劣化による輝度低下はないとしてVdataの補正は行わない(S8がY、S9、S10)。
一方、b=aで無い場合(S8がN(ノー))、b−aの値を算出し、印刷時には補正値テーブル117よりb−a値に相当するVdata補正量を読み出し(S11)、Vdata信号制御部118へと送り、データドライバ102から有機ELパネル104へのVdataに補正を加える(S12、S13)。
以上のように、本例によれば、初期値aとシステム起動毎の計測値bの値が異なったときのみ、補正値を印刷時に適用させる。このように構成することにより、電源起動時、印刷処理とは別に発光させることによって、有機EL素子の温度変化量を捉えて有機EL素子の構成材料である焦電基板110、113による発電を行い、補正制御を行うことによって、輝度低下を低減させることができる。
(実施形態7)
次に、本発明の実施形態7について説明する。
本例は有機ELヘッドとして端面発光型の有機ELアレイ発光装置を使用する印刷装置の発明である。以下、具体的に説明する。
図43は有機ELアレイ発光装置130の構成を説明する図であり、同図(a)は有機ELアレイ発光装置130の上面図であり、同図(b)はそのA−A断面図であり、同図(c)はそのB−B断面図である。
有機ELアレイ発光装置130は、有機EL発光体形成層131と導波路形成層132を積層した構造であり、有機EL発光体形成層131は発光体基板133、下部電極134、クラッド層の役割を兼ねた絶縁層135、有機発光層136、及び透明な導電材料で形成された上部透明電極137を順に積層して構成されている。
有機EL発光部138は、同図(a)に示すように、長尺形状の発光部をアレイ状に複数形成している。この有機EL発光部138を個別点灯制御するため、下部電極134もフォトレジストにより長尺形状にパターンニング形成され、絶縁層135に開口をパターニングすることにより、有機EL発光部138を長尺に形成している。
下部電極134は、有機発光層136から発光した光を導波路側へ戻すため、高い光反射率を有する金属膜で形成されている。
一方、導波路形成層132は、クラッド層の役割と導波路を形成するための導波路基板139と、コア層140により形成されている。光が伝搬されるコア層140は、互いに屈折率の異なる第1の層140aと第2の層140bからなり、第1のコア層140aと第2のコア層140bとの境界領域に回折格子141と光アイソレートフォトニツク結晶142を形成成している。
コア層140に形成される回折格子141と光アイソレートフォトニック結晶142は、同図(b)に示すように配設されている。すなわち、長尺な有機EL発光部138において発生した光を端面に向けて伝搬する方向には位相が一致して帰還するブラッグ条件の回析格子を有する光導波回折格子143を有機EL発光部138の直上部に発光体とペアになるような位置に配置している。
フォトニツク結晶は、隣り合う有機EL発光部138間のスペース直上に光アイソレートフォトニツク結晶142を配置している。光アイソレートフォトニツク結晶142は、2次元三格子構造で形成されており、各格子は円柱状に形成され、各格子間ピッチは波長より短く、λ/2程度である。
光導波回折格子143は、分布帰還型の回折格子であり、ブラッグ条件の分布帰還型の回折格子を形成することにより、光を光導波路内で共振させ、波長選択性および指向性に優れ、発光スペクトル幅の狭い光を得ることができる。さらに、光導波回折格子143は、不図示のλ/4位相シフト構造、又は利得結合型構造を有している。
このようにλ/4位相シフト構造、又は利得結合型構造を有することにより、出射光をより単一モード化することができる。導波路形成層132の回折格子構造は、コア層140の第1の層140aを形成するための薄層樹脂、例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、その他光学特性の優れた樹脂材料を、例えばガラス材料の導波路基板139に薄層コーティングした基材に対して、熱式ナノインプリント法により、前述の回折格子形状、及びフォトニツク結晶を転写形成することで作成することができる。
このように、第1の層140aに形成された回折格子形状とフォトニツク結晶形状の上に屈折率の異なる第2の層140bを塗布し、平坦化することにより導波路形成層132を生成することができる。
上記導波路形成層132は、ガラス基板にコーティングした薄膜樹脂層に対して形状を形成するため、樹脂部の熱収縮等による歪や寸法変動を低く抑えることができる。
有機EL発光体形成層131の発光体基板133も導波路基板139と同様な材料を選定することによって寸法精度、熱膨張が同レベルとなり、接合が容易となり、特に詳細ピッチのアレイを形成する場合の歩留が向上する。
また、有機EL発光体形成層131の有機発光層136は、一般に水分等の吸湿により著しく寿命を低下させるため、有機EL発光部138は基板端面に対してガスバリア可能な十分な内側位置に配置することが可能であり、ガラス材料の導波路基板139の導波路形成層132を積層させることにより有機ELを封止でき、光を光導波回折格子143により、基板端面に導くことができる。
このように構成することにより、発光波長のスペクトル幅が従来の有機EL発光素子に比べて格投に狭く、波長選択性に優れ、かつ指向性を持って光を出射できる構造をアレイ状に形成できることを特徴としており、印刷装置や表示体だけでなく、光通信等にも適用可能である。
次に、本実施形態の変形例について説明する。
図44は有機ELアレイ発光装置130の変形例の構成を説明する図であり、同図(a)は有機ELアレイ発光装置130の上面図であり、同図(b)はそのA−A断面図であり、同図(c)はそのB−B断面図である。また、有機ELアレイ発光装置130は、有機EL発光体形成層131と導波路形成層132を積層した構造であり、有機EL発光体形成層131は発光体基板133、下部電極134、クラッド層の役割を兼ねた絶縁層135、有機発光層136、及び透明な導電材料で形成された上部透明電極137を順に積層して構成されている。
この変形例と上記実施形態との相違は、導波路形成層132を構成しているクラッド層の役割と導波路を形成するための導波路基板139と、コア層140の間に反射ミラー145を形成していることである。この反射ミラー145は、例えばAl(アルミニュウム)、又は銀(Ag)等を蒸着によって導波路基板137上に成膜して光反射率の反射面を形成している。
このように構成することにより、下部電極134と反射ミラー145により有機EL発光部138より発した光の閉じ込め率を向上させることができる。したがって、光閉じ込め率を向上することにより、より効率の高い有機ELアレイ発光装置を提供することができる。
(実施形態8)
次に、本発明の実施形態8について説明する。
本実施形態は、有機ELヘッドのベース基材とガラス基板の中に、光導波路を形成し、感光面への集光効果を向上させるものである。このため、本実施形態では光導波路を形成するため、光誘起屈折率変化現象を利用する。以下、具体的に説明する。
図45は本実施形態の光導波路形成の概念図を示す。同図に示すように、フェムト秒レーザ光150をガラス基材151の内部に集中照射することにより、集光部分152の屈折率が永久的に増加する。このことによって、連続走査によって任意の位置に、任意の形状の光導波路を形成することができる。
具体的には、ピーク強度105w/cm以上、繰返し周波数10kHz以上のパルスレーザ光をガラス基材151に連続的に集中照射し、ガラス基材151の内部に光導波路を形成するものである。
図46は本例の構造の概略図を示すものであるし、同図(a)はその斜視図を示し、同図(b)はその断面図を示す。すなわち、バックエミッション構造のELヘッドアレイのべースとなるガラス基材151の中に光導波路153を形成する。この時、光導波路153の側面をテーパ型にした集光部154と放物面又は楕円体面とした放射部155を設ける。これは、レーザの強度を走査に合わせて制御することにより実現可能である。
上記処理によって、有機ELからの光を集光部152において1点に集光し、この1点から放射部に光を入射させる。すなわち、回転放物面の焦点に置いた点光源より光を放射することにより、外部に平行光、回転楕円体面の焦点に置いた点光源より光を放射することができ、外部に集束光を得ることができる。
本例では、放射部155への光の入射は、焦点位置ではないため、光の平行化や集束化の効果は若干低下するものの、有機ELからの広がりを持つ光を点光源化しない場合に比べると効果は大きい。図47に方物面若しくは楕円面などの凹面形状反射鏡の点光源位置と前面照射面への光照射強度の関係を示す。
このように構成することにより、面積を持つ有機ELより発せられた光を点光源にすることができ、発光を平行化、集束化することができる。
(実施形態9)
次に、本発明の実施形態9について説明する。
本例は有機ELヘッドとして、トップエミツション構造の有機ELヘッドを使用する印刷装置の発明である。以下、具体的に説明する。
図48は本例の有機ELヘッドの構成を説明する図であり、同図(a)はその平面図を示し、同図(b)はその断面図を示す。同図(a)、(b)に示すように、有機ELヘッド160は、長尺な基板161上に主走査方向に1列に配列されたトップエミツション構造の有機EL素子面状発光体162をアレイ状に形成し、面状発光体162の上方には発光体毎に面状発光体162に対向して導波路163が形成され、この導波路163は発光素子から照射された光線を反射しながら導波路端面の出射面165へ伝搬する構造である。
上記有機EL面状発光体162は、発光体下部電極166、正孔輸送層167、及び発光層168を面状発光体毎に絶縁膜169により分離形成されている。導波路端面165の出射面近傍の基板上には導波路内を伝搬した光を検出する光センサ部170が配設されて、導波路内を伝搬した光の強度を出射面近傍にて検出する構成である。
また、導波路163の出射面近傍に光センサ170が配置されているため、有機EL発光体162の駆動、発光体及び発光体を含む導波路バラツキによる光バラツキを含めた結果としての光強度を測定することが可能であり、導波路出射面165より出射される光強度に近い値を測定することができる。
尚、上記実施形態では、導波路群全体を長尺な一つの光センサで検出する構造で説明しているが、一つの導波路につき1つの光センサで検出する構造や、いくつかの導波路単位で光センサを形成してもよい。但し、光センサを共通化して光センサの数が少ないことは光センサヘの同路配線、制御ロジックを簡素化することができることを示している。
図49は上記光センサ170の基本構造であり、光を受けることにより発電する機能を説明する図である。尚、本構造は発光体の基本構造と同一である。
また、図50は本例の有機EL発光体162の駆動制御を行う回路ブロック図を示す。本例の場合、複数の発光体に対して1つの光センサを配置する構造であるため、発光体一つずつを点灯させながら光センサのフィードバック信号を取得する方式である。すなわち、ヘッド制御回路172からの出力信号により、発光走査制御回路173を動作させ、任意の発光体を基準又は補正値電流で点灯する。
発生した光は導波路163内を伝播し、出射面へ進行し、出射面近傍の光センサ170に入射することにより、光センサの端子電圧が発生し、発生した電圧は必要に応じてオペアンプ等で増幅され、ヘッド制御回路172のA/D変換部174によリデジタル信号に変換され、光センサ読取値として取得される。
例えば、有機EL露光ユニットとして、結像光学系を通り、最終的な結像位置に光ビームの輝度を外部のセンサ装置で測定し、その値が均一になるように各発光体の駆動流を決定する。この値を初期電流補正値Aとする。この電流補正値Aは有機EL露光ユニット初期における有機EL、導波路、結像光学系、場合によってはTFT回路等の全ての輝度バラツキ要因に対して輝度を均一にすることができる値である。
また、この初期電流補正値Aで各発光体を駆動した時のユニット内の光センサ読取値を初期輝度データBとすると、この初期輝度データBは最終的な結像点における均一輝度との相関値となる。したがって、この初期輝度データBと光センサからの読取値に差が発生した時に駆動電流にフィードバックをかけて光センサ読取値を初期輝度データBになるように制御することにより、最終的な結像位置での輝度均一性と不変性を維持することができる。
また、初期は初期電流補正値Aと同じ値を格納している電流補正値Cを設け、輝度に差が発生した時にフィードバック制御により更新された駆動電流を電流補正値Cに格納すうように制御することにより寿命の推定が可能となる。
例えば、図50に示したIの経路は、ヘッド制御回路172内に前述のフィードバック制御機能を盛り込んだ構成のルートである。検出した光センサ読取値と予め設定されている初期所望の輝度の参照値(初期輝度データB)とを比較し、差が発生した場合、駆動電流を変化させて光センサ読取値を初期輝度データBと一致するような駆動電流を見つけ、当該値を電流補正データCとして更新する。
また、経路IIでは、印刷装置側のコントローラ等、上位のコントローラのコマンド指定等によりフィードバックデータを提供する構成である。前述のフィードバック制御を上位コントローラで実施することにより、ヘッド制御回路172の補正制御構造を単純化、又は省略することもでき、装置のコストダウンを図ることができる。
図51は、有機EL発光体162を定電圧駆動、定電流駆動、定輝度駆動した場合の寿命特性を示す図である。尚、同図(a)は定電圧駆動の場合であり、同図(b)は定電流駆動の場合であり、同図(c)は定輝度駆動の場合である。
同図(a)〜(c)に示すように、定電圧駆動/定電流駆動/定輝度駆動の順で寿命を伸ばすことが可能であり、定輝度駆動場合、素子が破壊するか、駆動系の電流/電圧の限界まで輝度均一で使用することができる。よって、有機EL素子における大きな課題である寿命の問題が大きく改善される。
また、印刷装置を長期間使用することにより発生する各発光体の使用頻度差の発生による輝度低下、輝度ムラを防止することが可能となり、寿命に至るまで印字品質を高品位に保つことができる。
次に、本実施形態の変形例について説明する。
図52は本実施形態の変形例を説明する図であり、同図(a)はその平面図を示し、同図(b)はその断面図を示す。また、前述の実施形態と同様、有機ELヘッド160は、長尺な基板161上に主走査方向に1列に配列されたトップエミッション構造の有機EL素子面状発光体162をアレイ状に形成し、面状発光体162の上方には発光体毎に面状発光体162に対向して導波路163が形成されている。
この変形例が上記実施形態と異なる構成は、光センサ部170の配置を導波路163の出射面側177の端面とは反対側の端面近傍に配置していることである。このように構成することにより、発生する光の伝搬に与える影響を最小限に抑えることができる。したがって、導波路出射面より放射する光強度、光プロファイルを理想的なものにすることができる。
(実施形態10)
次に、本発明の実施形態10について説明する。
本例も前述の実施形態9と同様、トップエミッション構造の有機ELヘッドを使用する印刷装置の発明である。図53は本例の有機ELヘッドの構成を説明する図であり、同図(a)はその平面図を示し、同図(b)はその断面図を示す。尚、同図(a)、(b)は基本的に前述の図48と同じ構成であり、図48と相違する構成についてのみ説明する。
本例の場合、長尺な基板161上に、主走査方向に1列に配列されたTFT駆動アクティフマトリクス型トップエミッション構造の有機EL素子面状発光体180をアレイ状に形成し、面状発光体上方には発光体ごとに面状発光体に対向して導波路181を形成し、本導波路は発光素子分ら照射された光線を反射しながら導波路端面の出射面165に伝搬する構成である。
TFT回路190は、アモルファスシリコン等の半導体で面状発光体毎に点灯回路を形成しており、面状発光体の下部に配置され、平坦化膜184により平坦化処理されている。有機EL面状発光体180は上記平坦化膜184の上部に形成されており、発光体下部電極186、正孔輸送層187、及び発光層188を面状発光体毎に絶縁膜188により分離形成している。
また、導波路側面の出射面近傍の基板上に導波路内を伝搬してきた光を検出できる光センサ部189を配置しており、導波路内を伝搬した光の強度を出射面近傍にて検出する構成である。
したがって、本実施形態によれば有機EL発光体180毎に駆動制御でき、TFT形成プロセスと同時に同一プロセスによって光センサを形成できるため、光センサを形成するための新規なプロセスを必要としない。
次に、本実施形態の変形例について説明する。
図54は変形例を説明する感光体ベルトの構成図であり、同図(a)はその平面図を示し、同図(b)はその断面図を示す。この変形例は前述の図52と同様であり、光センサ部189の配置を導波路の出射面側177の端面とは反対側の端面近傍に配置していることである。このように構成することにより、発生する光の伝搬に与える影響を最小限に抑えることができる。したがって、導波路出射面より放射する光強度、光プロファイルを理想的なものにすることができる。
実施形態1の有機ELヘッドの回路構成を示す図である。 実施形態1の印刷装置の要部を説明する図である。 感光体ドラムと有機ELヘッドの配設構成を示す図である。 各有機EL素子の駆動回路の構成を示す図である。 実施形態1の処理を説明するタイムチャートである。 固定値を記憶する非選択期間メモリ、カウンタ、シフトレジスタで構成される制御回路を説明する回路図である。 制御回路の動作を説明するタイムチャートである。 実施形態2の有機ELアレイの構造を説明する図である。 実施形態2の原理を説明する面発光部アレイパネルの外観図である。 セルフォックレンズの集光を説明する図である。 セルフォックレンズの集光を説明する図である。 リフレクタの斜視図を示す図である。 端面照射型EL素子&リフレクタの構成を示す図である。 リフレクタ有りの場合と、リフレクタ無しの場合の受光面プロファイル、及び指向性を示す図である。 実施形態3において使用する印刷装置の全体構成を示す図である。 有機ELアレイの構造を示す図である。 感光体ベルトと有機ELヘッドの配設構成を示す図である。 パラボラ型リフレクタを有機EL発光端面に形成する例を示す図である。 パラボラ型リフレクタを有機EL発光端面に形成する例を示す図である。 (a)、(b)は受光面距離に対応したパラボラ型リフレクタの受光面プロファイルを説明する図である。 リフレクタの中心部に凸型反射板を追加する例を示す図である。 (a)、(b)は受光面距離に対応したパラボラ型リフレクタの受光面プロファイルを説明する図である。 反射板付きパラボラ型リフレクタの形状による出射光の特徴を説明する図である。 感光体ベルト及び有機ELヘッドの構成を説明する図である。 実施形態4の有機ELヘッドの上面図を示す図である。 実施形態4の有機ELヘッドの側面図を示す図である。 実施形態4の変形例の有機ELヘッドの上面図を示す図である。 実施形態4の変形例の有機ELヘッドの側面図を示す図である。 実施形態5の有機ELヘッドの上面図を示す図である。 実施形態5の有機ELヘッドの側面断面図である。 実施形態5の変形例の説明する有機ELヘッドの上面図を示す図である。 実施形態5の変形例の説明する有機ELヘッドの側面断面図を示す図である。 実施形態6において使用する印刷装置の全体構成を示す図である。 実施形態6に使用する有機ELヘッドの回路構成を示す図である。 システムコントローラを具体的に説明する図である。 パネル出力比較器の構成を具体的に説明する図である。 実施形態6の処理を説明するタイムチャートである。 データドライバの構成を説明する図である。 有機ELパネルの断面構造を説明する図である。 有機ELパネルの断面構造を説明する図である。 焦電基板の自発分極変化を説明する図である。 実施形態6の処理を説明するフローチャートである。 実施形態7において使用する有機ELアレイ発光装置の構成を説明する図であり、(a)は有機ELアレイ発光装置の上面図であり、(b)はそのA−A断面図であり、(c)はそのB−B断面図である。 変形例を示す有機ELアレイ発光装置の構成を説明する図であり、(a)は有機ELアレイ発光装置の上面図であり、(b)はそのA−A断面図であり、(c)はそのB−B断面図である。 光導波路形成の概念図を示す図である。 (a)は、光導波路形成の斜視図を示し、(b)は、光導波路形成の断面図を示す。 方物面若しくは楕円面などの凹面形状反射鏡の点光源位置と前面照射面への光照射強度の関係を示す図である。 実施形態9の有機ELヘッドの構成を説明する図であり、(a)はその平面図を示し、(b)はその断面図を示す。 光センサの基本構造を説明する図である。 有機EL発光体の駆動制御を行う回路ブロック図である。 有機EL発光体を定電圧駆動、定電流駆動、定輝度駆動した場合の寿命特性を示す図であり、(a)は定電圧駆動の場合であり、(b)は定電流駆動の場合であり、(c)は定輝度駆動の場合である。 変形例の有機ELヘッドの構成を説明する図であり、(a)はその平面図を示し、(b)はその断面図を示す。 実施形態10の有機ELヘッドの構成を説明する図であり、(a)はその平面図を示し、(b)はその断面図を示す。 変形例の有機ELヘッドの構成を説明する図であり、(a)はその平面図を示し、(b)はその断面図を示す。 有機EL素子の駆動回路を説明する図である。 従来例の有機EL素子の駆動処理を説明するタイムチャートである。 (a)は、理想的なビームスポットの例を示す図であり、(b)は、副走査方向にビームスポットが移動し、露光ドットが副走査方向に広がった状態を示す図である。
符号の説明
1・・・感光体ドラム
2・・・帯電ローラ
3・・・有機ELヘッド
4・・・現像器
5・・・転写ローラ
6・・・クリーニング部
7・・・イレーサ
8・・・用紙
9・・・定着ローラ
10・・有機ELアレイ
11・・SLA(セルフォックレンズアレイ)
20・・選択信号ドライバ
21・・電源電圧ドライバ
22・・ドライバ
31・・非選択期間メモリ
32・・カウンタ
41・・ガラス基板
42・・アノード電極(陽極)
43・・正孔注入層(HTL)
44・・発光層(EL)
45・・電子注入層(ETL)
46・・カソード電極(陰極)
47・・面発光部アレイパネル
48・・面発光部
49・・導光部
50・・リフレクタ
51・・帯電ローラ
52・・感光体ベルト
52a・・シームレストベルト状透光性基体
52b・・透光性導電層
52c・・電荷発生層(CGL)
52d・・電荷移動層(CTL)
52e・・表面保護層(OCL)
53・・有機ELヘッド
54・・現像器
55・・転写ローラ
56・・クリーニング部
57・・イレーサ光源
58・・用紙
59・・搬送機構
60・・ベルトテンションローラ
61・・パラボラ型リフレクタ
65・・有機ELアレイ露光ヘッド
66・・発光体透明基板部
67・・導波路形成基板部
68・・レンズ透明基板部
75・・有機ELアレイ露光ヘッド
76・・発光体/導波路形成透明基板部
77・・カバーガラス
78・・レンズ透明基板部
80・・方向変換ミラー
81・・発光体透明基板
82・・有機EL発光体アレイ
83・・レンズ透明基板
84・・陽極
85・・陰極
86・・正孔輸送層
87・・積層発光層
88・・封止材
89・・光吸収層
90・・有機ELアレイ露光ヘッド
91・・発光体透明基板
93・・封止材
94・・屈折率分布型レンズ
95・・レンズ透明基板
96・・陰極
100・・発光部
101・・システムコントローラ
102・・データドライバ
103・・スキャンドライバ
104・・有機ELパネル
105・・選択トランジスタ
106・・発光駆動トランジスタ
107・・保持キャパシタ
108・・出力比較器
110、113・・焦電基板
111、112・・基板透明電極
117・・補正値テーブル
118・・Vdata信号制御部
119・・Vscan信号制御部
120・・初期値メモリ
121・・比較器
123・・制御部
130・・有機ELアレイ発光装置
131・・有機EL発光体形成層
133・・発光体基板
134・・下部電極
135・・絶縁層
136・・有機発光層
137・・上部透明電極
138・・有機EL発光部
140・・コア層
140a・・第1の層
140b・・第2の層
141・・回折格子
142・・光アイソレートフォトニツク結晶
143・・有機EL発光部
150・・フェムト秒レーザ光
151・・ガラス基材
152・・集光部分
153・・光導波路
154・・集光部
155・・放射部
160・・有機ELヘッド
161・・基板
162・・有機EL素子面状発光体
163・・導波路
165・・出射面
166・・発光体下部電極
167・・正孔輸送層
168・・発光層
169・・絶縁膜
170・・光センサ部
172・・ヘッド制御回路
173・・発光走査制御回路
174・・A/D変換部
180・・有機EL素子面状発光体
181・・導波路
184・・平坦化膜
186・・発光体下部電極
187・・正孔輸送層
188・・発光層
189・・光センサ部
190・・TFT回路

Claims (5)

  1. 複数のEL素子を主走査方向にアレイ状に配設されて成るELアレイから感光面に光照射を行い、感光面に形成された潜像を現像して記録媒体に印刷を行う印刷装置において、
    前記ELアレイに選択信号を供給する選択信号供給手段と、
    該選択信号の出力後、前記ELアレイ内のEL素子に発光電源を供給する、発光電源供給手段と、
    前記ELアレイを内蔵するヘッドユニット毎に設けられた記憶手段内に予め設定された前記ELアレイの駆動期間の情報に基づいて前記発光電源の供給を停止する制御手段と、
    を有することを特徴とする印刷装置。
  2. 前記ELアレイの駆動期間の情報は、予めELヘッドユニット毎に測定した結果に基づいて設定されることを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
  3. 前記選択信号の出力によって、駆動回路に形成された容量手段に電荷をチャージし、該チャージされた電荷によって切換手段を切り換え、前記発光電源を前記ELアレイに流して各ELアレイの発光を行うことを特徴とする請求項1、又は2記載の印刷装置。
  4. 前記EL素子は有機EL素子であり、前記ELアレイには有機EL素子群が複数配設されていることを特徴とする請求項1、2、又は3記載の印刷装置。
  5. 複数のEL素子が形成されたELアレイ毎に該ELアレイに選択信号を供給する選択信号供給手段と、
    該選択信号の出力後、前記ELアレイ内のEL素子に発光電源を供給する、発光電源供給手段と、
    前記ELアレイを内蔵するヘッドユニット毎に設けられた記憶手段内に予め設定された前記ELヘッドユニット毎のEL素子の駆動期間の情報に基づいて前記発光電源の供給を停止する制御手段と、
    を有することを特徴とするELヘッドユニットの駆動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011183721A (ja) * 2010-03-10 2011-09-22 Casio Computer Co Ltd 露光装置及びその駆動制御方法並びに画像形成装置
JP2013083894A (ja) * 2011-10-12 2013-05-09 Fujitsu Component Ltd 光コネクタ及び信号処理装置
JP2014004752A (ja) * 2012-06-25 2014-01-16 Ricoh Opt Ind Co Ltd 光源装置及び画像形成装置
US11966173B2 (en) 2022-09-09 2024-04-23 Toshiba Tec Kabushiki Kaisha Image forming apparatus

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