JP2004034541A - 露光装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】露光装置3は、透明基板32と、透明基板32上に形成された多層膜ミラー33と、多層膜ミラー33上に形成された複数の有機EL素子31と、を備える。有機EL素子31は、多層膜ミラー33から順に透明電極層34、有機EL層35、光反射性電極層36が積層された積層構造であり、透明電極層34と光反射性電極層36に電圧が印加されると、有機EL層35にて面状に発光する。有機EL層35で発した光は多層膜ミラー33と光反射性電極層36で共振し、増幅された光が平行光として多層膜ミラー33から放出される。平行光は反射鏡39に向かって、反射鏡39で反射して感光ドラム1に向かう。反射鏡39は、平行光を収束するようにして反射し、感光ドラム1の露光部1aで光が収束する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光体を露光して線走査する露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ページプリンタは普通紙にも印刷できることから、近年ページプリンタの開発が盛んになっている。ページプリンタは、感光ドラムと、この感光ドラムに電荷を帯電する帯電器と、帯電した感光ドラムを露光する露光装置と、露光された感光ドラムに電荷を帯びたトナーを付着する現像器と、感光ドラムに付着したトナーを紙に転写する転写器とを備えている。露光装置が画像パターンに応じて部分的に感光ドラムを露光することで、光の照射した部分が除電される。これにより、除電された部分と除電されない部分とからなるパターンとしての潜像が感光ドラムに形成される。着色したトナーが現像器によって感光ドラムに散布されることで像が顕在化し、静電気を発する転写器が紙を感光ドラムに押し付けることによって感光ドラムの像が紙に転写される。
【0003】
一般的に露光装置は、回転するポリゴンレンズでレーザビームを点順次に線走査していくことで、感光ドラムに潜像を形成する。しかしながら、このような露光装置は、点順次に線走査するために高速化が難しいという問題点がある。
【0004】
そこで、複数の発光素子が走査すべき線と平行に配列されてなる露光装置がページプリンタに適用されている。発光素子として発光ダイオードを適用した場合、複数の微小発光ダイオードを一枚の基板上に一度にパターニングすることが不可能であるため、予め形成された微小発光ダイオードを基板上に配列する必要がある。そのため、製造工程が煩雑であり、微小発光ダイオードの配列誤差が生じる恐れもある。
【0005】
一方、発光素子として有機EL(Electroluminescence:エレクトロルミネッセンス)素子を適用した場合、複数の微小有機EL素子を一枚の基板上に一度にパターニングすることが可能であるため、製造工程が比較的簡単になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、現状では、有機EL素子は、発光強度及び寿命に問題点がある。つまり、感光ドラムが十分に感光する程度の光量が必要であるため、有機EL素子の発光強度が弱いと有機EL素子で感光ドラムを比較的長い時間露光しなければならない。露光時間が長くするには、ページプリンタの印刷速度を遅くしなければならい。一方、有機EL素子の発光強度を強くすれば露光時間が短くなってページプリンタの印刷速度が速くなるが、有機EL素子の寿命が短くなるという問題点がある。また、露光時間を短くするとともに有機EL素子の発光強度を弱くするためには各微小有機EL素子の発光面積を拡張しなければならず、有機EL素子を大型化すると、高解像度のページプリンタを提供するのは不可能である。また有機EL素子の光は放射状に拡散するため、感光ドラムと有機EL素子との距離が広がれば広がるほど感光ドラムに届く光のドットの径が大きくなるので、有機EL素子光源と感光ドラムの位置設計が限定されていた。
【0007】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、有機EL素子といった発光素子の発光強度を強めずとも、露光時間を短くすることができる露光装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、例えば図1〜図4に示すように、
面発光する発光部(例えば、有機EL層35)を具備する複数の面発光素子(例えば、有機EL素子31)が、略直線状の露光すべき露光部(例えば、露光部1a)に平行となって一列に配列されてなる露光装置(例えば、露光装置3,103)において、
各々の前記発光部から発した光を平行光として放出する平行光放出手段(例えば、光反射性電極層36と多層膜ミラー33とから構成される光共振構造)と、前記平行光放出手段から放出した平行光を前記露光部に収束する光収束手段(例えば、反射鏡39、又は三角導光体141とシリンドリカルレンズ142)と、を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載の発明では、面発光素子の発光部から発した光が平行光として放出され、平行光が露光部に収束されるため、面発光素子の発光強度が弱くても、単位面積あたりの強度の高い光が露光部に照射される。そのため、露光部に対しての露光時間が短くても、十分な光量を露光部に与えることができる。また、面発光素子の発光強度が弱ければ、面発光素子の寿命を長くすることができる。また、露光部に入射する光が収束されているため、光の入射面積が小さい。そのため、本発明に係る露光装置をページプリンタに適用すれば、高解像度のページプリンタを提供することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の露光装置において、
前記面発光素子は、透明基板(例えば、透明基板32)上に透明電極(例えば、透明電極層34)、前記発光部であるEL層(例えば、有機EL層35)、光反射性電極(例えば、光反射性電極層36)の順に積層されたEL素子(例えば、有機EL素子31)であり、
前記平行光放出手段は、前記透明基板と前記透明電極の間において屈折率の異なる複数の層が周期的に積層されてなる多層膜ミラー(例えば、多層膜ミラー33)と、前記光反射性電極とを有する光共振構造であり、
前記EL層で発した光が前記多層膜ミラーと前記光反射性電極で共振することによって、前記透明基板に略垂直な平行光が前記多層膜ミラーから前記透明基板を介して前記光収束手段に向けて放出することを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明と同様の作用効果を奏するとともに、面発光素子の発光部で発した光が放射状に拡がったとしても、光共振構造によって指向性の強い光が平行光として放出される。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の露光装置において、
前記光収束手段が、前記平行光放出手段から放出した平行光を前記露光部に向けて反射する反射鏡(例えば、反射鏡39)であり、前記反射鏡から前記露光部までの距離は前記反射鏡の焦点距離に設定されていることを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明では、請求項1に記載の発明と同様の作用効果を奏するとともに、反射鏡から露光部までの距離が反射鏡の焦点距離に設定されているため、反射鏡の反射光が露光部で収束される。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の露光装置において、
前記平行放出手段から放出した平行光を透過して、前記露光部に向けて放出するレンズ群(例えば、三角導光体141及びシリンドリカルレンズ142)であり、
前記レンズ群から前記露光部までの距離は前記レンズ群の焦点距離に設定されていることを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明では、請求項1に記載の発明と同様の作用効果を奏するとともに、レンズ群から露光部までの距離が反射鏡の焦点距離に設定されているため、レンズ群から放出された光が露光部で収束される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を用いて本発明の具体的な態様について説明する。ただし、発明の範囲を図示例に限定するものではない。
【0017】
〔第一の実施の形態〕
図1には、ページプリンタ90の概略図が示されている。
ページプリンタ90は、感光ドラム1と、帯電ローラ2と、露光装置3と、トナータンク4と、現像ローラ5と、転写ローラ6と、クリーニングブレード7と、定着ローラ8,9とを備える。
【0018】
感光体としての感光ドラム1は、その軸心回りに回転自在となっている。感光ドラム1の周面には光半導体の薄膜が形成されている。感光ドラム1の周面に光半導体層が形成されていることで、感光ドラム1の周面に電荷が蓄えられるとともに、感光ドラム1の周面に光が照射すると電荷が除去される。
【0019】
帯電ローラ2は、感光ドラム1に近接しており、感光ドラム1と平行に延在しており、その軸心回りに回転自在となっている。帯電ローラ2は、感光ドラム1の周面に帯電するものである。
【0020】
露光装置3は画像に従って感光ドラム1を線走査するものである。露光装置3の詳細については後述するが、露光装置3が感光ドラム1の周面の露光部1a(図2に図示)に沿って部分的に露光することによって、帯電後の感光ドラム1の周面に蓄えられた電荷が部分的に除去される。これにより、感光ドラム1の周面に電荷のパターン、所謂静電潜像が形成される。なお、露光部1aは、露光装置3によって露光される部分であり、感光ドラム1の軸心に対して平行に直線状となっている。
【0021】
トナータンク4内には、電荷を帯びたトナーと呼ばれる着色微粒子が貯蓄されている。
現像ローラ5は、感光ドラム1に近接しており、感光ドラム1と平行に延在しており、その軸心回りに回転自在となっている。現像ローラ5は、露光後の感光ドラム1に形成された静電潜像を現像するものである。即ち、トナーがトナータンク4内にて現像ローラ5の周面に付着し、現像ローラ5に付着したトナーは、感光ドラム1に最も近づいた箇所で感光ドラム1に付着する。ここで、感光ドラム1の帯電した部分(つまり、光の照射しなかった部分)にはトナーが反発することで付着せず、感光ドラム1の除電した部分(つまり、光の照射した部分)にトナーが付着し、これにより、感光ドラム1の静電潜像が顕在化される。
【0022】
転写ローラ6は、感光ドラム1に近接しており、感光ドラム1と平行に延在しており、その軸心回りに回転自在となっている。感光ドラム1の周面に現像された像を紙99に転写するものである。即ち、矢印A方向に搬送されている紙99が転写ローラ6によって感光ドラム1に押し当てられることで、更に、転写ローラ6がトナーを引き寄せるように帯電することで、感光ドラム1に付着したトナーが紙99に付着する。これにより、紙99に像が転写される。
【0023】
クリーニングブレード7は、転写後の感光ドラム1に残留したトナーを除去するものである。
定着ローラ8,9は、転写後に紙99を挟み込んで紙99に加熱することによって、転写ステップにおいて紙99に静電付着したトナーを紙99に定着するものである。
【0024】
図1及び図2を用いて、露光装置3について詳細に説明する。
露光装置3は、透明基板32と、感光ドラム1の軸心と平行に配列された複数の有機EL素子31と、反射鏡39とを基本構成としている。これら複数の有機EL素子31は透明基板32上に形成されているが、透明基板32と有機EL素子31との間に多層膜ミラー33が積層されている。
【0025】
透明基板32は平面視して略矩形状を呈しており、透明基板32の長手方向は感光ドラム1の軸心に対して平行となっている。反射鏡39の長手方向も感光ドラム1の軸心に対して平行となっている。
【0026】
透明基板32としては、石英ガラス等といったガラス基板の他にプラスチック基板を使用することができる。
【0027】
透明基板32の一層の面に多層膜ミラー33が形成されている。多層膜ミラー33は、屈折率の互いに異なる二種類の層が交互に積層した多層膜である。二種類の層の組み合わせとしては、TiO2とSiO2、又はSiNxとSiO2といった二種類の誘電体層の組み合わせ、GaAsとGaInAs等といった二種類の半導体層の組み合わせ等がある。なお、多層膜ミラー33は、二種類の層が交互に積層した多層膜でなくても良く、屈折率の互いに異なる三種類以上の層が周期的に積層した多層膜であっても良い。
【0028】
有機EL素子31は、多層膜ミラー33上に形成された透明電極層34と、透明電極層34上に形成された有機EL層35と、有機EL層35上に形成された光反射性電極層36とから構成されている。
【0029】
透明電極層34は、アノード電極として機能する層であり、導電性を有しているとともに、光に対して透過性を有している。また、透明電極層34は、比較的仕事関数の高いものであり、有機EL層35へ正孔を効率よく注入するものが好ましい。例えば、透明電極層34の材料としては、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、酸化インジウム(In2O3)、酸化スズ(SnO2)又は酸化亜鉛(ZnO)である。なお、本実施形態では、透明電極層34はITOの層である。
【0030】
有機EL層35には有機化合物である発光材料(蛍光体)が含有されているが、発光材料は高分子系材料であっても良いし、低分子系材料であっても良い。この有機EL層35は、正孔及び電子を注入する機能と、正孔及び電子を輸送する機能と、正孔と電子の再結合により励起子を生成して発光する機能とを有し、広義の発光層である。
【0031】
有機EL層35は、例えば、透明電極層34から順に正孔輸送層、狭義の発光層、電子輸送層となる三層構造であっても良いし、透明電極層34から順に正孔輸送層、狭義の発光層となる二層構造であっても良いし、狭義の発光層からなる一層構造であっても良いし、これらの層構造において適切な層間に電子の注入層又は正孔の注入層が介在した積層構造であっても良いし、その他の層構造であっても良い。
【0032】
また、有機EL層35が電子的に中立であることが望ましく、これにより正孔及び電子が有機EL層35でバランス良く注入され、輸送される。また、電子輸送性の物質が狭義の発光層に適宜混合されていても良いし、正孔輸送性の物質が狭義の発光層に適宜混合されても良いし、電子輸送性の物質及び正孔輸送性の物質が狭義の発光層に適宜混合されていても良い。なお、正孔輸送層、狭義の発光層、電子輸送層、正孔注入層、電子注入層は基本的に有機化合物で形成された層であるが、何れかの層が無機化合物で形成された層であっても良い。
【0033】
本実施形態では、有機EL層35は、透明電極層34から順に正孔注入層37、狭義の発光層38からなる二層構造であり、正孔注入層37はチオフェン系高分子(例えば、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT))からなり、狭義の発光層38はポリフルオレン系高分子からなる。
【0034】
光反射性電極層36は、仕事関数の低い材料で形成されており、例えばインジウム、マグネシウム、カルシウム、リチウム若しくはバリウム又はこれらの少なくとも一種を含む合金若しくは混合物で形成されている。また、光反射性電極層36は、以上の各種材料の層が積層された積層構造となっていても良く、また、以上の各種材料の層上に例えばアルミニウム、クロム、金等といった高仕事関数で且つ低抵抗の材料が被覆された積層構造となっていても良い。また、光反射性電極層36は、光に対して遮光性を有するとともに光に対して高い反射性(例えば、反射率90%以上)を有することで、鏡面として作用する。
【0035】
以上のように構成される複数の有機EL素子31が透明基板32の長手方向に一列となって配列されているが、透明電極層34及び有機EL層35は有機EL素子31ごとに区切られている。一方、光反射性電極層36は全ての有機EL素子31に共通した層でも良いし、有機EL素子31ごとに区切られていても良い。また、多層膜ミラー33も、全ての有機EL素子31に共通した層であっても良いし、有機EL素子31ごとに区切られていても良い。透明基板32の長手方向の単位長さ当たりに含まれる有機EL素子31の数は、ページプリンタの解像度によって定まり、例えばページプリンタの解像度が600dpiの場合には1インチ当たり600の有機EL素子31が含まれる。そして、例えばページプリンタの解像度が600dpiの場合、透明基板32の長手方向における有機EL素子31の有機EL層35の長さaは約42.3μmであり、透明基板32の短尺方向における有機EL素子31の有機EL層35の長さbは約5mmである。
【0036】
そして、上記有機EL素子31では、透明電極層34と光反射性電極層36との間に順バイアス電圧が印加されると、正孔が透明電極層34から有機EL層35へ注入されるとともに電子が光反射性電極層36から有機EL層35へ注入される。そして、有機EL層35にて正孔及び電子が輸送されて、有機EL層35にて正孔及び電子が再結合することによって励起子が生成し、励起子が有機EL層35内の蛍光体を励起して、有機EL層35にて光が発する。
【0037】
有機EL層35が(a×b)の面積で面発光し、有機EL層35にて発した光は放射状に広がるが、光反射性電極層36と多層膜ミラー33とから光共振構造が構成されるため、鏡面(つまり、光反射性電極層36や多層膜ミラー33)に垂直な光が多層膜ミラー33と光反射性電極層36との間に閉じ込められ、閉じ込められた光がこの光共振構造にて共振する。閉じ込められた光が共振によって増幅されて、増幅されて高強度となった光が多層膜ミラー33から放出される。つまり、鏡面に垂直な方向に指向性を有する光が多層膜ミラー33から放出される。有機EL層35が面状に拡がって有機EL層35全体で面発光するため、多層膜ミラー33から放出された光は平行光となっている。上述したように長手方向の有機EL素子31の長さbは5mmであり、短尺方向の有機EL素子31の長さaが42.3μmであるから、面発光面積は42.3μm×5mmである。なお、各々の有機EL素子1から発した平行光は全て互いに平行となっている。
【0038】
多層膜ミラー33から放出された平行光は透明基板32に対して垂直に透過する。透明基板32を透過した平行光の光路上に反射鏡39が配設されており、平行光が反射鏡39に向かっている。反射鏡39は、各々の有機EL素子31から発した平行光を帯電ローラ2と現像ローラ5の間における感光ドラム1の周面に向けて反射するものである。反射鏡39の反射面は曲面となっており、反射鏡39に入射した平行光が収束するように反射する。反射鏡39から露光部1aまでの距離は反射鏡39の焦点距離に設定されており、反射鏡39で反射した光は感光ドラム1の周面の露光部1aで収束する。各々の有機EL素子31から発した平行光を収束する方向は、露光部1aにおける感光ドラム1の周面の接線方向であり、有機EL素子31一つ当たり感光ドラム1に照射する照射面積は42.3μm×42.3μmとなる。
【0039】
上述したように、有機EL素子31一つ当たり、平行光の発光面積が42.3μm×5mmであり、平行光が反射鏡39によって収束されることによって感光ドラム1における照射面積が42.3μm×42.3μmに収束される。従って、有機EL素子31の発光強度が弱くても、単位面積当たりの強度の高い光が感光ドラム1に照射される。そのため、有機EL素子31の寿命が長くなる。また、単位面積当たりの強度の高い光が感光ドラム1に照射されるため、感光ドラム1に対しての露光時間が比較的短かくても感光ドラム1が感光する程度の光量が満たされる。そのため、ページプリンタ90の印刷速度を速めることができる。
【0040】
以上のように、有機EL素子31一つ当たりの発光強度を強くせずとも、露光時間を短くすることができたのは、有機EL素子31の有機EL層35が面発光すること、光共振構造によって平行光に放出すること、反射鏡39で反射した光の焦点が露光部1aに合っていることに因る。更に、有機EL素子31の有機EL層35で面発光した放射状の光が、光共振構造によって効率よく平行光として放出されるため、光学的に比較的簡単に露光部1aに焦点が合わせることができるとともに、高効率で感光ドラム1を露光することができる。
【0041】
〔第二の実施の形態〕
次に、第二の実施の形態について説明する。
図3は、別の例のページプリンタ190の概略を示す図面であり、図4は、このページプリンタ190に設けられた露光装置103を主に示した斜視図である。
【0042】
ページプリンタ190は、ページプリンタ90と同様に、感光ドラム1と、帯電ローラ2と、トナータンク4と、現像ローラ5と、転写ローラ6と、クリーニングブレード7と、定着ローラ8,9とを備えている。これらについては、ページプリンタ90の場合と同様の構成であり、ページプリンタ90の場合と同様に作用するため詳細な説明を省略する。
【0043】
更にページプリンタ190は、第一実施形態の露光装置3とは別の露光装置103を備えており、露光装置103は画像に従って感光ドラム1を帯電ローラ2と現像ローラ5の間において線走査するものである。
【0044】
露光装置103は、感光ドラム1の軸心と平行な長手方向を有する透明基板32と、透明基板32の一方の面に積層された多層膜ミラー33と、多層膜ミラー33上において感光ドラム1の軸心と平行に配列された複数の有機EL素子31と、を備える。透明基板32、有機EL素子31、多層膜ミラー33については、透明基板32の他方の面が感光ドラム1の周面に向いた法線方向となっていること以外は第一実施形態における露光装置3と同様の構成であり、多層膜ミラー33から放出された平行光は透明基板32に対して垂直に入射する。
【0045】
更に、露光装置103は、図3の図示方向に見て略三角形状である複数の三角導光体141と、複数の三角導光体141の頂角部分に設けられたシリンドリカルレンズ142とを備え、複数の三角導光体141とシリンドリカルレンズ142とによってレンズ群が構成されている。
【0046】
複数の三角導光体141は、透明基板32の他方の面において透明基板32の長手方向に配列されている。三角導光体141はそれぞれ、有機EL素子31に対応して設けられており、一つの三角導光体141の底面が一つの有機EL素子31に向き合うようにして透明基板32の他方の面に密着している。各々の三角導光体141は、透明基板32に向いた底面及びシリンドリカルレンズ142に向いた頂角部分を除き反射部材で覆われている。各々の三角導光体141は、底面に入射した平行光をシリンドリカルレンズ142に導くとともに、平行光をシリンドリカルレンズ142に向けて収束する。
【0047】
シリンドリカルレンズ142は各々の三角導光体141から放出した光を収束するものであり、シリンドリカルレンズ142から放出された光は感光ドラム1の周面の露光部1aで収束する。三角導光体141とシリンドリカルレンズ142とから構成されるレンズ群から露光部1aまでの距離は、レンズ群全体としての焦点距離に設定されている。各々の有機EL素子31から発した平行光を収束する方向は、露光部1aにおける感光ドラム1の周面の接線方向であり、有機EL素子31一つ当たり感光ドラム1に照射する照射面積は42.3μm×42.3μmとなる。
【0048】
第二実施形態においても、第一実施形態と同様に、有機EL素子31の発光強度が弱くても単位面積あたりの強度の高い光が露光部1aに照射される。そのため、露光部1aに対しての露光時間が短くても、十分な光量を露光部に与えることができるとともに、有機EL素子31の寿命を長くすることができる。
【0049】
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
上記各実施形態では、露光装置3,103をページプリンタに設けることで、露光装置3,103で感光ドラム1に静電潜像を形成したが、例えば、上述のような露光装置3,103で感光性フィルムに潜像を直接形成してもよい。潜像の形成された感光性フィルムを化学的又は熱的に現像すると、像が顕在化する。
【0050】
また、第二実施形態では、三角導光体141とシリンドリカルレンズ142とから構成されるレンズ群によって平行光の焦点を露光部1aに合わせていたが、他のレンズ構成によって露光部1aに平行光の焦点を合わせても良い。
また、反射鏡とレンズ群の組み合わせで、露光部1aに平行光の焦点を合わせるようにしても良い。
【0051】
また、上記各実施形態では、面発光する素子を有機EL素子31としたが他の素子であっても良く、例えば無機EL素子であっても良い。無機EL素子の場合、多層膜ミラー33から順に透明電極、絶縁膜(但し、光に対して透過性を有している。)、面発光する無機EL層、絶縁膜(但し、光に対して透過性を有している。)、光反射性電極が積層された積層構造である。無機EL層には、蛍光性化合物として無機化合物が含有している。
上記各実施形態では、透明基板32上に多層膜ミラー33、有機EL素子31を順次設け、有機EL素子31からの光を多層膜ミラー33で共振した平行光を透明基板32を介して出力したが、透明基板32を設けることなく多層膜ミラー33上に有機EL素子31を設けることにより、有機EL素子31の光が透明基板32を介することなく感光ドラム1に照射でき、透明基板32による光量の減衰を防止できる。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、面発光素子の発光部から発した光が平行光として放出され、平行光が露光部に収束されるため、面発光素子の発光強度が弱くても単位面積あたりの強度の高い光が露光部に照射される。そのため、露光部に対しての露光時間が短くても、十分な光量を露光部に与えることができる。また、面発光素子の発光強度が弱ければ、面発光素子の寿命を長くすることができる。また、露光部に入射する光が収束されているため、光の入射面積が小さい。そのため、本発明に係る露光装置をページプリンタに適用すれば、高解像度のページプリンタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ページプリンタの概略を示した図面である。
【図2】図2は、図1のページプリンタに備わる露光装置を主に示した斜視図である。
【図3】図3は、図1のページプリンタとは別のページプリンタの概略を示した図面である。
【図4】図4は、図3のページプリンタに備わる露光装置を主に示した斜視図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム
1a 露光部
3,103 露光装置
31 有機EL素子(EL素子、面発光素子)
32 透明基板
33 多層膜ミラー(光共振構造、平行光放出手段)
34 透明電極層(透明電極)
35 有機EL層(発光部、EL層)
36 光反射性電極層(光反射性電極、光共振構造、平行光放出手段)
39 反射鏡(光収束手段)
90,190 ページプリンタ
141 三角導光体(レンズ群、光収束手段)
142 シリンドリカルレンズ(レンズ群、光収束手段)
Claims (4)
- 面発光する発光部を具備する複数の面発光素子が、略直線状の露光すべき露光部に平行となって一列に配列されてなる露光装置において、
各々の前記発光部から発した光を平行光として放出する平行光放出手段と、
前記平行光放出手段から放出した平行光を前記露光部に収束する光収束手段と、を備えることを特徴とする露光装置。 - 前記面発光素子は、透明基板上に透明電極、前記発光部であるEL層、光反射性電極の順に積層されたEL素子であり、
前記平行光放出手段は、前記透明基板と前記透明電極の間において屈折率の異なる複数の層が周期的に積層されてなる多層膜ミラーと、前記光反射性電極とを有する光共振構造であり、
前記EL層で発した光が前記多層膜ミラーと前記光反射性電極で共振することによって、前記透明基板に略垂直な平行光が前記多層膜ミラーから前記透明基板を介して前記光収束手段に向けて放出することを特徴とする請求項1に記載の露光装置。 - 前記光収束手段が、前記平行光放出手段から放出した平行光を前記露光部に向けて反射する反射鏡であり、前記反射鏡から前記露光部までの距離は前記反射鏡の焦点距離に設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の露光装置。
- 前記光収束手段が、前記平行放出手段から放出した平行光を透過して、前記露光部に向けて放出するレンズ群であり、
前記レンズ群から前記露光部までの距離は前記レンズ群の焦点距離に設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の露光装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002195867A JP2004034541A (ja) | 2002-07-04 | 2002-07-04 | 露光装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002195867A JP2004034541A (ja) | 2002-07-04 | 2002-07-04 | 露光装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2004034541A true JP2004034541A (ja) | 2004-02-05 |
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ID=31704127
Family Applications (1)
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Country | Link |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006196252A (ja) * | 2005-01-12 | 2006-07-27 | Seiko Epson Corp | 有機el装置、画像形成装置、及び電子機器 |
WO2007099778A1 (ja) * | 2006-02-24 | 2007-09-07 | Sumitomo Chemical Company, Limited | 発光装置 |
JP2007258688A (ja) * | 2006-02-24 | 2007-10-04 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 発光装置 |
-
2002
- 2002-07-04 JP JP2002195867A patent/JP2004034541A/ja active Pending
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JP2006196252A (ja) * | 2005-01-12 | 2006-07-27 | Seiko Epson Corp | 有機el装置、画像形成装置、及び電子機器 |
WO2007099778A1 (ja) * | 2006-02-24 | 2007-09-07 | Sumitomo Chemical Company, Limited | 発光装置 |
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