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JP2009042714A - 撥水性反射防止構造及びその製造方法 - Google Patents

撥水性反射防止構造及びその製造方法 Download PDF

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JP2009042714A JP2007262897A JP2007262897A JP2009042714A JP 2009042714 A JP2009042714 A JP 2009042714A JP 2007262897 A JP2007262897 A JP 2007262897A JP 2007262897 A JP2007262897 A JP 2007262897A JP 2009042714 A JP2009042714 A JP 2009042714A
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Abstract

【課題】優れた撥水機能と光の反射防止機能とを兼ね備えた撥水性反射防止構造と共に、このような構造を備えた撥水性反射防止構造体及びその製造方法、さらには、上記撥水性反射防止構造を備えた自動車用部品、例えばディスプレイやウインドウパネルを提供すること。
【解決手段】円形又は多角形底面を有し、円形底面の径又は底面を形成する多角形に外接する円の直径が50〜380nmである無数の錐体状突起2を、50〜380nmのピッチで配置し、これら錐体状突起のアスペクト比を1.5以上とすると共に、その表面を水との接触角が90°以上である材料によって形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、水滴の付着を防ぐ撥水機能を備えた微細構造から成る撥水性反射防止構造と、このような微細構造を備え、低反射撥水パネルとして、例えば、建築材料や、車両、船舶、航空機などの各種ウインドウパネル、ディスプレイ装置などに好適に使用することができる撥水性反射防止構造体、さらには当該構造体の製造方法に関するものである。
車両、船舶、航空機などの各種ウインドウパネルにおいて、雨を除去するためにワイパーシステムが導入されており、ウインドウパネルの撥水化によって、ワイパーの要らないウインドウパネルを実現し、コスト削減や生産工数削減することが望まれている。
上記のような問題を解決する方法として、近年、使用する光の波長よりも短い格子周期で二次元配列されたサブ波長格子の表面を低表面エネルギーにする方法が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
このようなサブ波長格子によれば、表面に屈折率分布を持たせることができ、反射防止特性が得られると共に、表面積を増加させることで撥水特性を持たせることができる。
特開2006−178147号公報
しかしながら、上記した特許文献1に記載されたサブ波長格子構造では、反射防止特性と撥水特性を両立させることは困難である。
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであって、その目的とするところは、さらに優れた撥水機能を兼ね備えた撥水性反射防止構造と共に、このような構造を備えた撥水性反射防止構造体及びその製造方法、さらには、上記撥水性反射防止構造を備えた自動車用部品、例えばディスプレイやウインドウパネルを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく、鋭意検討を重ねた結果、反射防止機能を発揮する錐体状突起の表面を構成する材料として、水との接触角が90°以上となる材料を用いると共に、当該錐体状突起のアスペクト比を特定することによって上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は上記知見に基づくものであって、本発明の撥水性反射防止構造は、円形又は多角形底面を有し、円形底面の径又は底面を形成する多角形に外接する円の直径が50〜380nmである無数の錐体状突起が、50〜380nmのピッチで配置されて成り、これら錐体状突起のアスペクト比が1.5以上であると共に、該錐体状突起の少なくとも表面を構成する材料の水に対する接触角が90°以上であることを特徴としている。
本発明の撥水性反射防止構造体は、上記した撥水性反射防止構造を基材の少なくとも一方の面に備えていることを特徴とする。
また、当該撥水性反射防止構造体の製造方法においては、上記撥水性反射防止構造における錐体状突起を反転させた構造の成形型(スタンパ)を準備し、ホットエンボスによってこのような錐体状突起を基材表面に形成したり、上記成形型と基材の間に活性エネルギー線硬化性樹脂を介在させた状態で活性エネルギー線を照射して、当該基材の表面に上記撥水性反射防止構造の錐体状突起を形成したりすることを特徴とている。さらに、本発明の自動車用部品は、本発明の上記撥水性反射防止構造を備えていることを特徴としている。
本発明によれば、可視光線の波長よりも小さく、可視光線の波長よりも短いピッチで配列された無数の錐体状突起によって光の反射防止機能が発揮されると共に、錐体状突起のアスペクト比が1.5以上であって、しかも当該錐体状突起の少なくとも表面を構成する材料の水との接触角が90°以上、すなわち当該錐体状突起を構成する材料、又はこれら錐体状突起の表面を被覆する材料として、水との接触角が90°以上となるような材料を用いているので、反射防止性と撥水性とを両立させることができ、これら性能を兼ね備えたパネル等を得ることができる。
以下、本発明の撥水性反射防止構造やこれを適用した構造体について、その製造方法や実施形態などと共に、さらに詳細に説明する。
図1(a)及び(b)は、本発明の撥水性反射防止構造の代表例を示す正面図及び平面図である。図に示す撥水性反射防止構造1は、上記したように、可視光線の波長よりも小さい50〜380nmの円形又は多角形底面(図1においては円形底面のものを示している)を有する無数の錐体状突起2から成っている。これら錐体状突起が可視光線の波長よりも小さい50〜380nmのピッチPで配置されていることから、厚み方向の各断面における材料の占有面積によって定まる厚み方向の屈折率が急激に変化することがない。そして、空気の屈折率1.0から、材料の屈折率までなだらかに、直線的に変化するようになることから、当該撥水性反射防止構造1に入射した光は、ほとんど回折や反射が生じることなく直進することとなって、入射表面における光の反射率を効果的に低減することができる。
一方、平面上のある領域に上記のような無数の錐体状突起から成る微細構造を形成することによって、表面積が増大し、領域内における水に対する平面の表面張力が見かけ上増大し、これによって微細構造表面が撥水化する。
また、錐体状突起の形状によっては、水に対する平面の見かけ上の表面張力の増大だけではなく、水滴付着時に微細構造との間に空気の層を形成させることにより、撥水機能を著しく向上させることができる。
まず、材料の水に対する接触角と撥水特性との関係は、図2のようになる。つまり、材料の水に対する接触角が90°以上であるとき、その材料は撥水特性を持ち、さらに材料の水に対する接触角が大きくなるにつれて撥水特性が向上する。一方、材料の水に対する接触角が90°より小さいとき、その材料は撥水特性を持たず、親水特性を持つようになる。
したがって、本発明では撥水特性を向上することを目的としているため、材料の水に対する接触角が90°以上の材料を選択することになる。
本発明においては、反射防止構造と撥水構造が両立するための条件として、錐体状突起2の表面を形成する材料の接触角とアスペクト比の関係に注目した。
錐体状突起2の表面を形成する材料の水に対する接触角は、上記理由により90°以上とし、かつ、アスペクト比を1.5以上とすることによって、水滴と微細構造の間に空気の層を確実に形成して撥水性を確保しながら、反射防止機能を効果的に発揮させることができる。その結果、反射防止と撥水機能を両立させることができる。
上記錐体状突起2の底面の大きさは、その形状が円形の場合にはその直径D、多角形である場合には当該底面を形成する多角形に外接する円の直径Dで表すものとする。当該直径Dは、可視光線の波長以下、具体的には50〜380nm、好ましくは50〜250nmの範囲とする。
ここで、上記直径Dが380nmより大きい場合には、拡散や回折が発生して光の反射率が大きくなってしまう。一方、50nmより小さい場合には、このような微細構造を均一かつ工業的に得ることが極めて困難となる。
上記錐体状突起2のピッチPは、具体的には頂点間距離、あるいは底面の重心(円形の場合には中心に一致する)間距離として定義される。このピッチPについても、可視光線の波長以下、具体的には50〜380nm、好ましくは50〜250nmの範囲とする必要がある。
これは、ピッチPが380nmを超えると、上記同様に、拡散や回折光が発生して反射防止性が低下する。また、50nm未満とすることは、工業的に困難であることによる。なお、錐体状突起2は、D=Pとなる場合が最も密に配列された状態となることから、このようにすることが好ましい。
一方、錐体状突起2のアスペクト比は、当該錐体状突起2の底面径D、又は底面を形成する多角形に外接する円の直径Dに対する錐体状突起2の高さHの比(H/D)で表される。本発明においては、当該アスペクト比(H/D)を1.5以上範囲とすることを要する。
すなわち、錐体状突起2のアスペクト比(H/D)が1.5未満の場合には、水滴との間に空気の層が形成したり、反射防止効果を確保したりすることが難くなる。
さらに、当該アスペクト比が3を超えると、錐体状突起2が外力を受けたときに破損し易くなり、これら機能を長期に亘って維持することが困難となる。したがって、アスペクト比を3以下とすると耐久性の観点から好ましい。
また、特に反射防止効果を重視する場合には、当該当該アスペクト比(H/D)を2以上とすることが望ましい。
また、図1においては、本発明の撥水性反射防止構造1を構成する錐体状突起2の形状として、円錐形のものを示した。しかし、本発明における錐体状突起2の形状としては、正確な円錐(母線が直線)や角錐(稜が直線、側面が平面)のみならず、底面から先端側に向かって断面積が順次小さくなるような形状である限り、母線が曲線である円錐状のものや、側面が曲面をなす角錐状であってもよい。また、成形性や耐破損性を考慮して、先端部を平坦にしたり、丸みをつけたりした円錐台状や角錐台状とすることも可能である。
さらには、錐体状突起2の底面の中心と頂点(錐台状突起においては上面の中心点)を結ぶ直線は、必ずしも底面に対して垂直である必要はなく、上記の数値を満たしてさえいれば傾いていてもよい。
このように、本発明において『錐体状』とは、正確な円錐や角錐のみならず、釣り鐘形や椎の実形の変形円錐状や、曲面から成る側面を有する変形角錐状のもの、さらには先端突起のない円錐台や角錐台状のもの、傾斜したものをも含めた形状を意味する。
錐体状突起2の底面形状としては、上記数値を満たす限り、円形であっても多角形であっても良いことは上記したとおりであるが、方向性をなくして、特定波長の反射率を向上させ、さらに平均反射率を下げるには円形であることが好ましい。
そして、上記錐体状突起2の稜線、すなわち円錐状突起においては母線、角錐状突起においては頂点と底面多角形の頂点を結ぶ線は、式(1)で表されるような線形式(但し、n=1.1〜3)で表される形状となっていることが望ましい。このようにすることによって、微細構造の頂点から底面までの屈折率の変化の割合が均一なものとなって、反射防止機能をより向上させることができる。
すなわち、錐体状突起2の頂点を通る垂直断面における底辺をX軸上に、頂点をZ軸上にとると、稜線上のZ座標値は、式(1)に基づいて、図3のように表わすことができる。このとき、頂点の位置によって定数項を加えて補正することもできる。
Z=H−{H/(D/2)}×X・・・(1)
また、上記錐体状突起2は、上記の数値を満たしている限り、規則的な配列であっても、不規則なランダム配列であってもよい。さらには、形状の異なる2種類以上の微細構造が含まれていてもよいが、反射防止機能の均一性を向上させるためには、同一の錐体状突起が均一の間隔に配置された周期構造を有していることが好ましく、さらには正方配列又は六方細密配列されていることが望ましい。
上記錐体状突起2を構成する材料自身、又は当該錐体状突起2の表面に被覆される材料の水滴との接触角は110°以上である場合、さらに優れた撥水性を示すようになる。
なお、本発明の撥水性反射防止構造においては、雨滴に対する撥水性を考慮して、錐体状突起2の表面を構成する材料の塗れ性を、水との接触角をもって規定している。しかし、本発明の撥水性反射防止構造を、水以外の液体と接触するような用途、例えば各種プラント装置における反応器や蒸留塔などののぞき窓パネルや、内視鏡のレンズ表面などに適用する場合には、それぞれの用途に応じて、接触する液体に対する接触角を規定以上とすることが必要になる。
本発明の撥水性反射防止構造体の製造に際して、上記した錐体状突起を成形する方法としては、特に限定されるものではないが、熱プレス法(ホットエンボス法)、射出成形法などを挙げることができ、特に光の波長以下の微細構造を容易に成形できる方法としてナノインプリントが好適に用いられる。このナノインプリントの方法としては、熱及び活性エネルギー線のどちらを用いる方法であってもよい。
熱を用いる方法は、熱可塑性樹脂を加熱して、金型を押し当てることによって当該樹脂に上記のような錐体状突起を転写する方法である。また、活性エネルギー線を用いる方法は、型に活性エネルギー線により重合し硬化するポリマー又はオリゴマー、モノマーなどを入れ、紫外線やX線などの活性エネルギー線を照射することによって固化させる方法である。
上記の成形に用いられるスタンパとしては、上記のような微細な錐体状突起を形成できる方法であれば、特にその製造方法に限定はなく、生産性やコストなどを考慮して適宜なものを使用することができる。
なお、本発明において、ナノインプリントとは、数nmから数10μm程度の範囲の転写を言う。
本発明に使用するプレス装置としては、加熱・加圧機構を有するものや、光透過性スタンパの上方より活性エネルギー線を照射できる機構を有するものがパターン転写を効率良く行う上で好ましい。
上記スタンパは、転写されるべき微細なパターンを有するものであり、スタンパにパターンを形成する方法については、特に制限ななく、例えばフォトリソグラフィや電子線描画法等を、所望する加工精度に応じて選択することができる。
また、スタンパの材料としては、シリコンウエハ、各種金属材料、ガラス、セラミック、プラスチック、炭素材料等、強度と要求される精度の加工性を有するものであればよく、 具体的には、Si、SiC、SiN、多結晶Si、ガラス、Ni、Cr、Cu、C、さらにはこれらを1種以上含むものを例示することができる。
上記構造を形成するための材料(基材)としては、上記に示すいずれかの方法により上記錐体状突起から成る微細構造を付与できる基材であればよい。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニール、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ガラス強化ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶性ポリマー、フッ素樹脂、ポリアレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、熱可塑性ポリイミド等の熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、シリコーン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリアミドビスマレイミド、ポリビスアミドトリアゾール等の熱硬化性樹脂、さらにはこれらを2種以上ブレンドした材料を用いることが可能であって、とりわけ透明性があるものは、例えば窓(ウインドシールド)や計器類のカバーなどに好適に用いることができる。
活性エネルギー線を用いる場合は、活性エネルギー線により重合を開始できる樹脂が用いられる。このような樹脂としては、例えば紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート樹脂、紫外線硬化型エポキシ樹脂などを例示することができ、必要に応じて、活性エネルギー線を照射することによりラジカルを発生する重合開始剤を用いることもでき、より強固に固めるためイソシアネートのような硬化剤を加えることもできる。
また、ここで用いられる活性エネルギー線としては、一般に紫外線やX線、その他電子線、電磁波などが挙げられるが、特に限定されるものではない。
本発明においては、水との接触角をさらに大きくして撥水性をより向上させようとする場合には、上記のようにして得られた錐体状突起の表面に、本発明で規定した水に対する接触角をもつ材料を被覆することになる。
このような被覆処理方法としては、錐体状突起によって形成される微細な凹凸構造を被覆材料によって埋めてしまうことのない方法であれば特に限定されないが、例えば、LB法、PVD法、CVD法、自己組織化法、スパッタ法、単分子を溶剤で希釈したものを塗布する方法などが挙げられる。
例えば、上記のような被覆処理に用いられる水に対する接触角が110°以上となる撥水材料としては、例えば長鎖アルコキシシラン、フルオロアルコキシシラン、ポリジメチルシロキサン等を挙げることができる。
なお、錐体状突起を形成する前の平板に、上記のような材料による任意の厚さの撥水処理を施したのち、上記した方法によって錐体状突起を形成するようになすことも可能である。
本発明の撥水性反射防止構造体は、上記撥水性反射防止構造を少なくとも基材の一方の面に形成したものであるが、光の入射面と透過光の出射面の両面に形成することが好ましい。
錐体状突起から成る撥水性反射防止構造の形成については、特に限定はなく、例えば、基材に直接形成する方法や、基材と同じ屈折率で成形が容易な材料を塗布して薄膜を作り、そこに上記の錐体状突起を転写する方法などがある。
このような構造は、成形品に付与し、表示装置に組み込む際に、最前面に付与することが最も効果的であり、この構造を少なくとも一面に付与すれば、その裏面には、材料に接触角の限定がない従来の反射防止方法を適用することもできる。
このような反射防止方法としては、例えば、光の波長以下の微細構造のみを付与した反射防止構造を利用する方法、あるいは反射防止層の膜厚を制御し薄膜表面と基材接着面との反射光を干渉させ反射光を打ち消す方法などが挙げられる。
本発明の撥水性反射防止構造を備えた成形品(撥水性反射防止構造体)は、例えば、自動車やバイクのメーターパネル、携帯電話、電子手帳などのモバイル機器、看板、時計など、表示装置の最前面で反射防止機能を必要とし、雨などの水や、油汚れにさらされる可能性があるような表示装置に使用される。
表示装置の形式としては特に限定されず、例えば、アナログメーターのように機械的な表示と照明を組み合わせた方式、デジタルメーターやモニターのように液晶やLED、ELなどのバックライトや発光面を用いた方式、モバイル機器のように反射方式の液晶を用いることもある。
上記のような成型品は、光に曝される場所に用いられることから、光による劣化を防止するために、材料に紫外線吸収剤や酸化防止剤、ラジカル補足剤などを添加しておくことが望ましい。
また、樹脂の劣化による黄変を補うためのブルーイング剤や蛍光発色顔料を用いることもできる。
本発明の撥水性反射防止構造体は、基材の少なくとも一方の表面に、上記撥水性反射防止構造を形成したものであるから、光の反射を極めて低レベルに抑えることができ、上記したように、自動車を始めとする各種の部品、例えばメーターカバー、ウインドシールドに適用することによって、屋外景色や内装などの映り込みを防止することができると共に、極めて優れた撥水性を示すことから、汚れ除去性が向上し、ワイパーの不要なウインドシールドを実現することも可能になる。
以下に、本発明を実施例に基づいて、さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されないことは言うまでもない。なお、本明細書において、濃度や含有量などについての「%」は、特記しない限り、質量百分率を表すものとする。
(実施例1)
市販の電子線描画装置を用いて、開口径250nm、深さ375nmの円錐状凹部がピッチ250nmに正方配列したスタンパを作製した。このスタンパを用いて、厚さ2mmのアクリル板の表裏両面に、底面径D=250nm、高さH=375nmの円錐形突起(アスペクト比:1.5)がピッチP=250nmに正方配列されて成る、撥水性反射防止構造を転写した。この表面に、フルオロアルキルシラン(フロロテクノロジー製:フロロサーFG−5010、接触角118°)によるCVD処理を施すことによって、本例の撥水性反射防止構造体を得た。
このようにして得られた撥水性反射防止構造体について、以下の要領によって、反射防止機能、水との接触角、撥水性及び耐久性について評価した。
〔反射率測定〕
反射防止機能の評価方法としては、380〜780nmの各波長について、変角分光光度計(大塚電子製:可視・近赤外自動変角測定装置)により、基準サンプルに鏡面アルミニウムを用いて、入射角0°のときの反射率を測定し、その値に基準補正係数を乗算し、得られたスペクトルから平均反射率を算出した。
〔水の接触角〕
水の接触角の評価方法としては、接触角計(協和界面化学社製:CA−X)を用いて、シリンジによりサンプル表面上に10μLの水を静置して、その接触角を5回計測し、その平均値をもって接触角とした。
〔撥水性〕
撥水機能の評価方法としては、JIS L1092に規定された方法に基づき、スプレーテスタ(東洋精器製)を用いて、以下の基準によって評価した。
◎:表面に液滴が付着しない
○:液滴の接着面が半球状である
×:表面に液滴が付着する
〔耐久性〕
耐久性の評価方法としては、トライボギア(HEIDON)を用いて、摩耗布:ブロード布 荷重:1N スライド速度30往復/分で100回摺動を行い、上記撥水性評価と同様の方法で評価した。
◎:表面に液滴が付着しない
○:液滴の接着面が半球状である
×:表面に液滴が付着する
当該実施例1で得られた撥水性反射防止構造体の可視光範囲(380〜780nm)での平均反射率は0.65%であった。また、この撥水性反射防止構造体表面での水滴の接触角は145°、撥水性評価は「◎」、耐久性についても「◎」であった。これらの結果を表1に示す。
(実施例2)
市販の電子線描画装置を用いて、開口径250nm、深さ375nmの円錐状凹部がピッチ250nmに六方最密配列したスタンパを作製した。このスタンパに紫外線硬化性アクリルモノマーを塗付し、紫外線を照射することによって、厚さ2mmのアクリル板の表裏両面に、底面径D=250nm、高さH=375nmの円錐形突起(アスペクト比:1.5)がピッチP=250nmに六方配列されて成る反射防止構造を転写した。そして、この表面に、真空蒸着法による撥水処理(ティーアンドケー株式会社:ナノスB、接触角116°)を施すことによって、本例の撥水性反射防止構造体を得た。
そして、このようにして得られた撥水性反射防止構造体について、同様の性能評価を行った結果、平均反射率は0.68%、当該構造体の表面での水滴の接触角は144°、撥水性及び耐久性についてはいずれも「◎」であった。これらの結果を表1に併せて示す。
(実施例3)
市販の電子線描画装置を用いて、開口径が250nm、深さが500nmであって、n=1.5次の(1)式で表わされる稜線形状を有する略円錐状凹部がピッチ250nmに六方最密配列したスタンパを作製した。このスタンパに紫外線硬化性アクリルモノマーを塗付し、紫外線を照射することによって、厚さ2mmのアクリル板の表裏両面に、底面径D=250nm、高さH=500nmの略円錐形突起(アスペクト比:2)がピッチP=250nmに六方配列されて成る反射防止構造を転写した。次いで、真空蒸着法により上記実施例3と同様の撥水処理を施すことによって、本例の撥水性反射防止構造体を得た。
そして、上記実施例1と同様の性能評価を行った結果、平均反射率は0.09%、当該撥水性反射防止構造体表面における水滴の接触角は162°、撥水性及び耐久性についてはいずれも「◎」であった。これらの結果を表1に併せて示す。
(実施例4〜6)
上記実施例2と同様な方法でスタンパの深さを変えることによって、アスペクト比:2.5(実施例4)、アスペクト比:3.0(実施例5)、アスペクト比:4.0(実施例6)であるそれぞれの撥水性反射防止構造体を得た。
そして、同様の性能評価を行った結果を表1に併せて示す。
(実施例7)
市販の電子線描画装置を用いて、開口径250nm、深さ375nmの円錐状凹部がピッチ250nmに六方最密配列したスタンパを作製した。このスタンパを用いて、水との接触角が110°であって、厚さ2mmのパーフルオロアルキルメタクリレート板の表裏両面に、底面径D=250nm、高さH=375nmの円錐形突起(アスペクト比:1.5)がピッチP=250nmに六方配列されて成る撥水性反射防止構造を転写し、本例の撥水性反射防止構造体を得た。
そして、このようにして得られた撥水性反射防止構造体について、上記実施例1と同様の性能評価を行ったところ、平均反射率は0.71%であった。また、当該撥水性反射防止構造体表面における水滴の接触角は142°、撥水性及び耐久性についてはいずれも「◎」であった。これらの結果を表1に併せて示す。
(実施例8)
上記実施例7と同様な方法でスタンパの深さを変えることによって、アスペクト比が2.0である本例の撥水性反射防止構造体を得た。
そして、同様の性能評価を行った結果を表1に併せて示す。
(実施例9)
市販の電子線描画装置を用いて、開口径250nm、深さ500nmの円錐状凹部がピッチ250nmに六方最密配列したスタンパを作製した。このスタンパを用いて、平面時の反射率が7%、水との接触角が30°であって、厚さが2mmのガラス板の表裏両面に、底面径D=250nm、高さH=500nmの円錐形突起(アスペクト比:2)がピッチP=250nmに六方最密配列されて成る反射防止構造を転写した。次いで、フルオロアルコキシシランとしてCF(CF(CHSi(OCH(接触角:110°)をスピンコート法により表面処理し、本例の撥水性反射防止構造体を得た。
そして、上記実施例1と同様の性能評価を行った結果、平均反射率は0.41%、当該撥水性反射防止構造体表面における水滴の接触角は161°、撥水性評価結果は「◎」であったが、耐久性については「○」であった。これらの結果を表1に併せて示す。
(実施例10,11)
上記実施例7と同様な方法でスタンパの深さを変えることによって、アスペクト比:2.5(実施例10)及びアスペクト比:3.0(実施例11)であるそれぞれの撥水性反射防止構造体を得た。
そして、同様の性能評価を行った結果を表1に併せて示す。
(実施例12)
市販の電子線描画装置を用いて、開口径250nm、深さ375nmの円錐状凹部がピッチ250nmに正方配列したスタンパを作製した。このスタンパを用いて、水との接触角が100°、厚さ2mmのフッ素をグラフト重合したアクリル板の表裏両面に、底面径D=250nm、高さH=375nmの円錐形突起(アスペクト比:1.5)がピッチP=250nmに正方配列されて成る撥水性反射防止構造を転写し、本例の撥水性反射防止構造体を得た。
このようにして得られた撥水性反射防止構造体について、同様の性能評価を行った結果、平均反射率は0.80%、構造体表面での水滴の接触角は128°、撥水性及び耐久性についてはいずれも「○」であった。これらの結果を表2に示す。
(実施例13〜15)
上記実施例12と同様な方法で、開口径や深さを変えたスタンパを用いることによって、底面径D:250nm、高さH:500nm、アスペクト比:2.0(実施例13)、底面径D:200nm、高さH:500nm、アスペクト比:2.5(実施例14)、底面径D:250nm、高さH:750nm、アスペクト比:3.0(実施例15)であるそれぞれの撥水性反射防止構造体を得た。
そして、同様の性能評価を行った結果を表2に併せて示す。
(実施例16)
市販の電子線描画装置を用いて、開口径250nm、深さ375nmの円錐状凹部がピッチ250nmに正方配列したスタンパを作製した。このスタンパを用いて、水との接触角が92°、厚さ2mmのアクリル板の表裏両面に、底面径D=250nm、高さH=375nmの円錐形突起(アスペクト比:1.5)がピッチP=250nmに正方配列されて成る微細構造を転写し、本例の撥水性反射防止構造体を得た。
そして、上記実施例1と同様の性能評価を行った結果、平均反射率は1.0%、当該撥水性反射防止構造体表面における水滴接触角は120°、撥水性及び耐久性についてはいずれも「○」であった。これらの結果を表2に併せて示す。
(実施例17〜19)
上記実施例16と同様な方法で、スタンパの深さを変えることによって、アスペクト比:2.0(実施例17)、アスペクト比:2.5(実施例18)、及びアスペクト比:3.0(実施例19)であるそれぞれの撥水性反射防止構造体を得た。
そして、上記実施例1と同様の性能評価を行った。その結果を表2に併せて示す。
(比較例1)
市販の電子線描画装置を用いて、開口径250nm、深さ250nmの円錐状凹部がピッチ250nmに六方最密配列したスタンパを作製した。このスタンパに紫外線硬化性アクリルモノマーを塗付し、紫外線を照射することによって、厚さ2mmのアクリル板の表裏両面に、底面径D=250nm、高さH=250nmの円錐形突起(アスペクト比:1.0)がピッチP=250nmに六方配列されて成る反射防止構造を転写した。そして、この表面に、真空蒸着法による撥水処理(ティーアンドケー株式会社:ナノスB、接触角116°)を施すことによって、本例の撥水性反射防止構造体を得た。
そして、このようにして得られた撥水性反射防止構造体について、上記実施例1と同様の性能評価を行った結果、平均反射率は0.92%、当該構造体の表面での水滴の接触角は134°、撥水性及び耐久性についてはいずれも「○」であった。これらの結果を表1に併せて示す。
(比較例2)
市販の電子線描画装置を用いて、開口径が300nm、深さが330nmであって、n=1.5次の(1)式で表わされる稜線形状を有する略円錐状凹部がピッチ300nmに六方配列したスタンパを作製した。このスタンパに紫外線硬化性アクリルモノマーを塗付し、紫外線を照射することによって、厚さ2mmのアクリル板の表裏両面に、底面径D=300nm、高さH=330nmの略円錐形突起(アスペクト比:1.1)がピッチP=300nmに六方配列されて成る微細構造を転写した。次いで、この表面に真空蒸着法によって、上記同様の撥水処理(ティーアンドケー株式会社:ナノスB、接触角116°)を施すことによって、本例の撥水性反射防止構造体を得た。
このようにして得られた撥水性反射防止構造体について、同様の性能評価を行った結果、平均反射率は0.90%であった。また、当該構造体表面における水滴の接触角は136°、撥水性及び耐久性についてはいずれも「○」であった。これらの結果を表1に併せて示す。
(比較例3)
上記比較例2と同様な方法でスタンパの深さを変えることによって、アスペクト比が1.4である本例の撥水性反射防止構造体を得た。
そして、同様の性能評価を行い、その結果を表1に併せて示す。
(比較例4)
市販の電子線描画装置を用いて、開口径250nm、深さ250nmの円錐状凹部がピッチ250nmに六方最密配列したスタンパを作製した。このスタンパを用いて、水との接触角が110°であって、厚さ2mmのパーフルオロアルキルメタクリレート板の表裏両面に、底面径D=250nm、高さH=250nmの円錐形突起(アスペクト比:1.0)がピッチP=250nmに六方細密配列されて成る撥水性反射防止構造を転写し、本例の撥水性反射防止構造体を得た。
そして、このようにして得られた撥水性反射防止構造体について、上記実施例1と同様の性能評価を行ったところ、平均反射率は0.95%であった。また、当該撥水性反射防止構造体表面における水滴の接触角は120°、撥水性及び耐久性についてはいずれも「○」であった。これらの結果を表1に併せて示す。
(比較例5,6)
上記比較例4と同様な方法でスタンパの深さを変えることによって、アスペクト比:1.1(比較例5)及びアスペクト比:1.4(比較例6)であるそれぞれの撥水性反射防止構造体を得た。
そして、同様の性能評価を行った結果を表1に併せて示す。
(比較例7)
市販の電子線描画装置を用いて、開口径500nm、深さ500nmの円錐状凹部がピッチ500nmに正方配列したスタンパを作製した。このスタンパを用いて、水との接触角が100°、厚さ2mmのフッ素をグラフト重合したアクリル板の表裏両面に、底面径D=500nm、高さH=500nmの円錐形突起(アスペクト比:1.0)がピッチP=500nmに正方配列されて成る微細構造を転写し、本例の撥水性反射防止構造体を得た。
そして、上記実施例1と同様の性能評価を行った結果、平均反射率は0.98%、当該撥水性反射防止構造体表面における水滴接触角は120°、撥水性は「○」、耐久性は「○」であった。これらの結果を表2に併せて示す。
(比較例8,9)
上記比較例7と同様な方法でスタンパの深さを変えることによって、アスペクト比:1.1(比較例8)及びアスペクト比:1.4(比較例9)であるそれぞれの撥水性反射防止構造体を得た。
そして、同様の性能評価を行った結果を表1に併せて示す。
(比較例10)
市販の電子線描画装置を用いて、開口径250nm、深さ250nmの円錐状凹部がピッチ250nmに正方配列したスタンパを作製した。このスタンパを用いて、水との接触角が92°、厚さ2mmのアクリル板の表裏両面に、底面径D=250nm、高さH=250nmの円錐形突起(アスペクト比:1.0)がピッチP=250nmに正方配列されて成る微細構造を転写し、本例の撥水性反射防止構造体を得た。
そして、上記実施例と同様の性能評価を行った結果、平均反射率は1.19%、当該撥水性反射防止構造体表面における水滴接触角は112°、撥水性評価結果は「×」、耐久性についても「×」であった。これらの結果を表2に併せて示す。
(比較例11,12)
上記比較例10と同様な方法でスタンパの深さを変えることによって、アスペクト比:1.1(比較例11)及びアスペクト比:1.4(比較例12)であるそれぞれの撥水性反射防止構造体を得た。
そして、同様の性能評価を行った結果を表2に併せて示す。
(比較例13)
平面時の反射率が7%、水との接触角が102°であって、厚さ2mmのアクリル製平板について、上記同様の性能評価を行った結果、撥水性は「×」であった。
Figure 2009042714
Figure 2009042714
また、本発明による撥水性反射防止構造体における錐体状突起のアスペクト比の撥水特性に対する効果を確認するために、得られた撥水性反射防止構造体の水との接触角からこの構造体表面の材料の水に対する接触角を差し引いた値(アスペクト比による撥水性反射防止構造体の接触角増加分):Δを実施例1〜19及び比較例1〜12について求めた。 その結果を図4に示す。なお、表1には記載していないが、構造体表面に、水に対する接触角118°の材料を用いた構造体であって、アスペクト比が1.5である構造体(実施例1)以外のデータも図4に加えてある。
表1,2及び図4より、撥水性反射防止構造体における錐体状突起のアスペクト比が1.5以上となると、アスペクト比による撥水性反射防止構造体の接触角増加分Δが急激に増加し、撥水性反射防止構造体の水との接触角が120°以上となる。また、撥水性反射防止構造体の平均反射率も1%以下を示すことから、本発明の撥水性反射防止構造体は、反射防止性と撥水性を両立することができることがわかる。
さらに、構造体表面の材料の水に対する接触角が110°以上のとき、撥水性反射防止構造体における錐体状突起のアスペクト比の撥水特性への効果が特に大きくなることが分かる。したがって、構造体表面の材料の水に対する接触角が110°以上となると、撥水性反射防止構造体の水との接触角が142°以上となり、本発明の撥水性反射防止構造体は反射防止性と極めて優れた撥水性(超撥水性)を両立できることがわかる。
また、表1及び2より、撥水性反射防止構造体における錐体状突起のアスペクト比が2以上となると、撥水性反射防止構造体の平均反射率は0.5%以下となることが分かる。したがって、本発明の撥水性反射防止構造体は、さらに優れた反射防止性と撥水性を両立することが分かる。
そして、表1及び2より、撥水性反射防止構造体における錐体状突起のアスペクト比が4以上となると、耐久性に劣ることが分かる。したがって、耐久性の観点から錐体状突起のアスペクト比を3以下とすることが好ましい。
(a)及び(b)は本発明の撥水性反射防止構造の一例を示す正面図及び平面図である。 材料の水に対する接触角と撥水特性との関係を表した説明図である。 本発明の撥水性反射防止微細構造における錐体状突起の稜線形状をn次の式(1)で表した説明図である。 本発明における撥水性反射防止微細構造体における錐体状突起のアスペクト比の撥水特性に対する寄与を表すグラフである。
符号の説明
1 撥水性反射防止構造
2 錐体状突起

Claims (11)

  1. 円形又は多角形底面を有し、円形底面の径又は多角形底面に外接する円の直径が50〜380nmである無数の錐体状突起が、50〜380nmのピッチで配置されて成り、上記錐体状突起のアスペクト比が1.5以上であると共に、錐体状突起の少なくとも表面を構成する材料の水に対する接触角が90°以上であることを特徴とする撥水性反射防止構造。
  2. 上記錐体状突起の少なくとも表面を構成する材料の水に対する接触角が110°以上であることを特徴とする請求項1に記載の撥水性反射防止構造。
  3. 上記錐体状突起のアスペクト比が2以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の撥水性反射防止構造。
  4. 上記錐体状突起のアスペクト比が3以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の撥水性反射防止構造。
  5. 上記錐体状突起が正方配列又は六方配列されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の撥水性反射防止構造。
  6. 上記錐体状突起の稜線形状が次式(1)で表され、次数nが1.1〜5であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載の撥水性反射防止構造。
    Z=H−{H/(D/2)}×X ・・・(1)
  7. 請求項1〜6のいずれか1つの項に記載の撥水性反射防止構造を、基材の少なくとも一方の面に備えていることを特徴とする撥水性反射防止構造体。
  8. 上記基材が透明材料から成ることを特徴とする請求項7に記載の撥水性反射防止構造体。
  9. 請求項7又は8に記載の撥水性反射防止構造体を製造するに際して、上記錐体状突起をホットエンボスによって基材に形成することを特徴とする撥水性反射防止構造体の製造方法。
  10. 請求項7又は8に記載の撥水性反射防止構造体を製造するに際して、上記錐体状突起を反転させた微細構造を備えた成形型と基材の間に活性エネルギー線硬化性樹脂を介在させた状態で活性エネルギー線を照射し、当該基材の表面に上記錐体状突起を形成することを特徴とする撥水性反射防止構造体の製造方法。
  11. 請求項1〜6のいずれか1つの項に記載の撥水性反射防止構造を備えていることを特徴とする自動車用部品。
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