JP4894663B2 - 撥水構造及び撥水成型品 - Google Patents
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Description
すなわち、図1は本発明の撥水構造の基本構造を示す概念図である。本発明の撥水構造においては、当該撥水構造の少なくとも表面を構成する材料の水滴との接触角が90°以上であると共に、図1(a)と、図1(a)に示した単位ブロックの縦断面図である図1(c)に示すように、無数の微細錐状突起1の集合体である微細凹凸面が複数のブロックBに分割される。さらに、分割された各ブロック間に、微細錐状突起1の高さhよりも大きな高さHを有する壁状突起2が形成されている。従って、微細錐状突起1の集合によって撥水機能を発揮するブロック状の微細凹凸と、高さの高い壁状突起2の繰り返しによって構成されていることから、撥水性及び耐摩耗性を兼ね備えたものとなる。
また、微細錐状突起1の配置状態としては、六方最密配列あるいは正方配列とすることが望ましい。これによって微細錐状突起1が密に存在することになり、表面粗さが増し、より優れた撥水性が得られるようになる。
このとき、微細錐状突起1のアスペクト比とは、図1(c)に示すように、微細錐状突起1の高さhを底面径dで除した値(h/d)を意味する。なお、底面径dとは、微細錐状突起1の底面形状が円形の場合はその径、楕円形の場合は長径、多角形のときは当該多角形に外接する円の径をもって算出する。また、壁状突起2の厚さtについては、当該撥水構造を高さ方向から見た時の投影図において、壁状突起2の短軸長さを厚さとし、厚さが最も大きい箇所の値をもってtとする。
一方、図2(d)に示すように、微細凹凸構造ブロックBが帯状をなし、壁状突起2とに交互に配列した場合には、帯の長さ方向と直角方向とで撥水性、耐摩耗性に異方性が生じる。従って、水滴の当たる方向や、布の拭き取り方向が限定されている場合に、より好適に用いることができる。
つまり、ブロックBの占有面積比が50%未満では、表面粗さが減少し、撥水効果が低下する。95%より大きくなると、全体に対する壁の割合が不足し、耐摩耗性が低下する傾向がある。一方、ブロックBの占有面積比が80%以上になると、さらに撥水性が向上し、水滴衝突時の反力によって水滴が跳ね返され、水滴の付着がより効果的に防止されるようになることから望ましい。
なお、ブロックBの径Dについては、ブロックBの形状が円形の場合はその径、多角形の場合には、図1(b)に示すように、その多角形に外接する円の径をもって、当該ブロックBの径Dとする。
なお、本発明において、ナノインプリントとは、数nmから数10μm程度の範囲の転写を言う。
また、スタンパの材料としては、シリコンウエハ、各種金属材料、ガラス、セラミック、プラスチック、炭素材料等、強度と要求される精度の加工性を有するものであればよい。具体的には、Si、SiC、SiN、多結晶Si、ガラス、Ni、Cr、Cu、C、さらにはこれらを2種以上含む複合材料を例示することができる。
また、材料物性を向上させるために、例えば、酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化インジウム合金等を添加して用いることが可能である。とりわけ透明性があるものは、例えば窓(ウインドシールド)や鏡(サイドミラー)の表面に好適に用いることができる。
また、ここで用いられる活性エネルギー線としては、一般に紫外線やX線、その他電子線、電磁波などが挙げられるが、特に限定されるものではない。
このような被覆処理方法としては、このような微細な凹凸構造を被覆材料によって埋めてしまうことのない方法であれば特に限定されない。例えば、LB法、PVD法、CVD法、自己組織化法、スパッタ法、単分子を溶剤で希釈したものを塗布する方法などが挙げられる。
ナノインプリント法により、PTFE(水との接触角:104°)の表面に、底面径d=200nm、高さh=400nmの円錐状の微細突起1がピッチP=200nmに配列された微細凹凸面が、図2(a)に示すように、1.6μm2の面積を有する六角形のブロックBに分割される。さらに、これらブロックBの間に、高さH=0.6μm(600nm)、厚さt=0.09μm(90nm)の壁状突起2が形成されており、当該ブロックBによる専有面積が80%である本例の撥水構造を得た。
そして、得られた成型品に関して、後述する方法によって撥水性及び耐摩耗性について評価した。その結果を表1に示す。
ナノインプリント法により、フッ素基を導入したアクリル(水との接触角:94°)の表面に、底面径d=1000nm、高さh=3000nmの円錐状の微細突起1がピッチP=1000nmに配列された微細凹凸面が、図2(a)に示すように、1900μm2の面積を有する六角形のブロックBに分割される。さらに、これらブロックBの間に、高さH=20μmの壁状突起2が厚さt=0.70μmに形成されており、当該ブロックBによる全体の専有面積が95%である本例の撥水構造を得た。
そして、得られた成型品について、撥水性及び耐摩耗性を同様に評価し、その結果を表1に併せて示した。
ポリカーボネートにアルミナをコンポジットした基板に対し、フルオロアルキルシラン(CF3(CF2)7CH2CH2Si(OCH3)3)を用いて表面処理した材料(水との接触角:112°)の表面に、ナノインプリント法により、底面径d=50nm、高さh=100nmの円錐状微細突起1がピッチP=50nmに配列された微細凹凸面が、図2(b)に示すように、0.1μm2の面積を有す正方形のブロックBに分割される。さらに、これらブロックBの間に、高さH=0.2μm(200nm)、厚さt=0.08μmの壁状突起2が形成されることによって、当該ブロックBによる専有面積が50%である本例の撥水構造を得た。
そして、得られた成型品について、撥水性及び耐摩耗性を同様に評価し、その結果を表1に併せて示した。
ポリカーボネートにアルミナをコンポジットした基板に対し、フルオロアルキルシラン(CF3(CF2)7CH2CH2Si(OCH3)3)を用いて表面処理した材料(水との接触角:112°)の表面に、ナノインプリント法により、底面径d=100nm、高さh=200nmの円錐状微細突起1がピッチP=100nmに配列された微細凹凸面が、図2(a)に示すように、1000μm2の面積を有す正方形のブロックBに分割されると共に、これらブロックBの間に、高さH=5μm、厚さt=4.8μmの壁状突起2が形成されることによって、当該ブロックBによる専有面積が45%である本例の撥水構造を得た。
そして、得られた成型品について、撥水性及び耐摩耗性を同様に評価し、その結果を表1に併せて示した。
ナノインプリント法により、PTFE(水との接触角:104°)の表面に、底面径d=200nm、高さh=400nmの円錐状微細突起1がピッチP=200nmに配列された微細凹凸面が、図2(b)に示すように、0.8μm2の面積を有する正方形のブロックBに分割される。さらに、これらブロックBの間に、高さH=0.5μm(500nm)、厚さt=0.11μmの壁状突起2が形成され、当該ブロックBによる全体に対する専有面積が80%である本例の撥水構造を得た。
そして、得られた成型品について、同様の方法によって撥水性及び耐摩耗性を評価し、その結果を表1に併せて示した。
ナノインプリント法によって、PTFE(水との接触角:104°)の表面に、底面径d=200nm、高さh=400nmの円錐状微細突起1がピッチP=200nmに配列された微細凹凸面が、図2(d)に示すように、0.9μmの幅を有するブロックBに分割される。さらに、これらの間に、高さH=0.5μm(500nm)の壁状突起2が厚さt=0.1μm(100nm)に形成され、当該ブロックBによる全体に対する専有面積が90%となる本例の撥水構造を得た。
そして、得られた成型品について、撥水性及び耐摩耗性を同様の方法により評価し、その結果を表1に併せて示した。
そして、得られた成型品について、撥水性及び耐摩耗性を同様に評価し、その結果を表1に併せて示した。
市販の撥水剤を塗布したガラスを用いて、その撥水性及び耐摩耗性について上記同様に評価した。その結果を表1に併せて示した。
フラクタル構造を形成したガラスに対して、上記同様の試験を実施し、その撥水性及び耐摩耗性を評価し、その結果を表1に併せて示した。
上記実施例によって得られた各撥水成型品について、JIS L1092に規定された方法に基づき、スプレーテスタ(東洋精器製)を用いて、以下の基準によって撥水度を5段階評価した。
1:表面全体に濡れ広がるもの
2:表面に球状を保たずに濡れ広がるもの
3:表面に球状の液滴が付着するもの
4:表面に微小な球状の液滴がわずかに付着するもの
5:表面に液滴がつかないもの
2 壁状突起
B ブロック
Claims (7)
- 無数の微細錐状突起を備えた微細凹凸面が複数のブロックに分割されていると共に、各ブロック間に上記微細錐状突起の高さhよりも大きな高さHを有する壁状突起が形成され、少なくとも表面を構成する材料の水に対する接触角が90°以上であることを特徴とする撥水構造。
- 上記ブロックの面積がそれぞれ0.1〜2000μm2であることを特徴とする請求項1に記載の撥水構造。
- 複数のブロックによる占有面積比が50〜95%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の撥水構造。
- 上記微細錐状突起のピッチPが50〜380nm、アスペクト比が2以上であって、上記壁状突起の厚さtが50〜380nmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の撥水構造。
- 上記ブロックが多角形又は円形状をなし、多角形ブロックに外接する円又は円形ブロックの径Dが上記壁状突起の高さHの2倍以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の撥水構造。
- 請求項1〜5のいずれか1つの項に記載の撥水構造を有機材料又は有機無機ハイブリット材料により形成して成ることを特徴とする撥水成型品。
- 自動車用部材であることを特徴とする請求項6に記載の撥水成型品。
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