JP2009008150A - 油圧緩衝器の減衰力調整構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 減衰バルブのためのバルブストッパの外周にバックアップカラーを設け、減衰バルブの背面側に背圧室を設けるに際し、バルブストッパやバックアップカラーの加工精度を上げることなく、背圧室の圧力を制御可能にすること。
【解決手段】 油圧緩衝器10の減衰力調整構造において、減衰バルブ34の背面にバルブストッパ23を設け、バルブストッパ23に摺動隙間を介して摺動するバックアップカラー54を設け、バックアップカラー54の背面に板ばね56を設け、板ばね56によりバックアップカラー54の正面を減衰バルブ34に押し付けて背圧室52を形成し、バックアップカラー54を押さえる板ばね56にスリット56Aを設け、バックアップカラー54とバルブストッパ23の摺動隙間を抜ける背圧室52の圧力のリーク量を板ばね56のスリット56Aにより制御するもの。
【選択図】 図3
【解決手段】 油圧緩衝器10の減衰力調整構造において、減衰バルブ34の背面にバルブストッパ23を設け、バルブストッパ23に摺動隙間を介して摺動するバックアップカラー54を設け、バックアップカラー54の背面に板ばね56を設け、板ばね56によりバックアップカラー54の正面を減衰バルブ34に押し付けて背圧室52を形成し、バックアップカラー54を押さえる板ばね56にスリット56Aを設け、バックアップカラー54とバルブストッパ23の摺動隙間を抜ける背圧室52の圧力のリーク量を板ばね56のスリット56Aにより制御するもの。
【選択図】 図3
Description
本発明は油圧緩衝器の減衰力調整構造に関する。
油圧緩衝器の減衰力調整構造として、特許文献1に記載の如く、油圧緩衝器の減衰バルブの背面側に背圧室を設け、背圧室の圧力を制御することにより、減衰力を調整可能にするものがある。特許文献1では、減衰バルブの背面にバルブストッパ(ケース)を設け、バルブストッパの内周に液密に摺動するバックアップカラー(シール部材)を設け、バックアップカラーの背面に板ばねを設け、板ばねによりバックアップカラーの正面を減衰バルブに押し付けて背圧室を形成している。
特許文献1の減衰力調整構造では、減衰バルブを閉じ方向に押さえる背圧室の圧力を制御することにより、減衰力を遅れなくスムースに、大小広い範囲に渡り、無段階に調整でき、ピストンの極低速域から調整できる。
特開平8-4818号
特許文献1に記載の減衰力調整構造では、バルブストッパに対しバックアップカラーを液密に摺動させて背圧室からの圧力のリークを阻止し、減衰バルブの減衰力特性を安定維持する。同時に、背圧室の従前までの圧力が一定以上になると、背圧室の圧力の制御を繰り返すために、背圧室に連通する背圧流路に設けられている圧力制御弁の開動作によってその一定以上の圧力を逃がすこととしている。
従って、特許文献1に記載の減衰力調整構造では、バルブストッパに対しバックアップカラーを液密に摺動させて背圧室からの圧力のリークを阻止する必要があり、バルブストッパやバックアップカラーの加工精度を上げる必要がある。
本発明の課題は、減衰バルブのためのバルブストッパの外周にバックアップカラーを設け、減衰バルブの背面側に背圧室を設けるに際し、バルブストッパやバックアップカラーの加工精度を上げることなく、背圧室の圧力を制御可能にすることにある。
請求項1の発明は、油圧緩衝器の減衰バルブの背面側に背圧室を設け、背圧室の圧力を制御することにより、減衰力を調整可能にする油圧緩衝器の減衰力調整構造において、減衰バルブの背面にバルブストッパを設け、バルブストッパに摺動隙間を介して摺動するバックアップカラーを設け、バックアップカラーの背面に板ばねを設け、板ばねによりバックアップカラーの正面を減衰バルブに押し付けて背圧室を形成し、バックアップカラーを押さえる板ばねにスリットを設け、バックアップカラーとバルブストッパの摺動隙間を抜ける背圧室の圧力のリーク量を板ばねのスリットにより制御するようにしたものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記バックアップカラーには背圧室の圧力を受ける受圧部を設け、一定以上の圧力によりバックアップカラーを押し下げるようにしたものである。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において更に、前記バルブストッパとバックアップカラーの摺動面の少なくとも一方に油溜りを設けてなるようにしたものである。
(請求項1)
(a)減衰バルブの背面にバルブストッパを設け、バルブストッパに摺動隙間を介して摺動するバックアップカラーを設け、バックアップカラーの背面に板ばねを設け、板ばねによりバックアップカラーの正面を減衰バルブに押し付けて背圧室を形成し、バックアップカラーを押さえる板ばねにスリットを設け、バックアップカラーとバルブストッパの摺動隙間を抜ける背圧室の圧力のリーク量を板ばねのスリットにより制御するようにした。背圧室の圧力をバックアップカラーとバルブストッパの摺動隙間により形成されるリーク通路から抜いてリークさせる構造であり、背圧室の圧力の制御を繰り返すことができる。圧力のリーク量は、バックアップカラーやバルブストッパの加工精度が影響するそれらの摺動隙間の寸法精度によらず、板ばねのスリットにより安定的に制御される。バルブストッパとバックアップカラーの加工精度を上げる必要なく、圧力のリーク量、ひいては背圧室の圧力を安定的に制御し、減衰バルブの減衰力特性を安定維持できる。
(a)減衰バルブの背面にバルブストッパを設け、バルブストッパに摺動隙間を介して摺動するバックアップカラーを設け、バックアップカラーの背面に板ばねを設け、板ばねによりバックアップカラーの正面を減衰バルブに押し付けて背圧室を形成し、バックアップカラーを押さえる板ばねにスリットを設け、バックアップカラーとバルブストッパの摺動隙間を抜ける背圧室の圧力のリーク量を板ばねのスリットにより制御するようにした。背圧室の圧力をバックアップカラーとバルブストッパの摺動隙間により形成されるリーク通路から抜いてリークさせる構造であり、背圧室の圧力の制御を繰り返すことができる。圧力のリーク量は、バックアップカラーやバルブストッパの加工精度が影響するそれらの摺動隙間の寸法精度によらず、板ばねのスリットにより安定的に制御される。バルブストッパとバックアップカラーの加工精度を上げる必要なく、圧力のリーク量、ひいては背圧室の圧力を安定的に制御し、減衰バルブの減衰力特性を安定維持できる。
(請求項2)
(b)バックアップカラーには背圧室の圧力を受ける受圧部を設け、一定以上の圧力によりバックアップカラーを押し下げるようにした。従って、背圧室の圧力が上がると、バックアップカラーに備えた受圧部に作用する圧力により該バックアップカラーが押し下げられ、バックアップカラーがバックアップしている減衰バルブが開弁し、減衰力の上限(最大減衰力)を設定できる。
(b)バックアップカラーには背圧室の圧力を受ける受圧部を設け、一定以上の圧力によりバックアップカラーを押し下げるようにした。従って、背圧室の圧力が上がると、バックアップカラーに備えた受圧部に作用する圧力により該バックアップカラーが押し下げられ、バックアップカラーがバックアップしている減衰バルブが開弁し、減衰力の上限(最大減衰力)を設定できる。
(請求項3)
(c)バルブストッパとバックアップカラーの摺動面の少なくとも一方に油溜りを設けた。バルブストッパに対するバックアップカラーの摺動性を向上できる。
(c)バルブストッパとバックアップカラーの摺動面の少なくとも一方に油溜りを設けた。バルブストッパに対するバックアップカラーの摺動性を向上できる。
図1は可変絞り弁をソレノイドにより駆動する減衰力調整式油圧緩衝器を示す断面図、図2は図1の減衰力調整構造を示す断面図、図3は図2の要部拡大図、図4は可変絞り弁の絞り度を閉じ側に設定した状態で、(A)は圧側行程を示す断面図、(B)は伸側行程を示す断面図、図5は可変絞り弁の絞り度を開き側に設定した状態で、(A)は圧側減衰力を示す断面図、(B)は伸側減衰力を示す断面図、図6は可変絞り弁をモータにより駆動する減衰力調整式油圧緩衝器を示す断面図、図7は減衰力調整式油圧緩衝器の変形例を示す断面図である。
減衰力調整式油圧緩衝器10は、図1、図2に示す如く、ダンパチューブ11にシリンダ12を内蔵した二重管からなる複筒式であり、シリンダ12にピストンロッド13を挿入し、ダンパチューブ11の下部に車軸側取付部を備えるとともに、ピストンロッド13の上部に車体側取付部14を備え、車両の懸架装置を構成する。
油圧緩衝器10は、ダンパチューブ11の外周の下スプリングシート15と、ピストンロッド13の上端部の車体側取付部14に設けられた上スプリングシート(不図示)の間に懸架ばね16を介装する。
油圧緩衝器10は、シリンダ12に挿入されるピストンロッド13のためのロッドガイド17、ブッシュ18、オイルシール19を、ダンパチューブ11の上端加締部11Aとシリンダ12の上端部の間に挟圧固定している。
減衰力調整式油圧緩衝器10は、ピストンバルブ装置20とボトムバルブ装置40を有し、それらが発生する減衰力により、懸架ばね16による衝撃力の吸収に伴うピストンロッド13の伸縮振動を制振する。
(ピストンバルブ装置20)
ピストンバルブ装置20は、ピストンロッド13のシリンダ12への挿入端の外周に螺着されて固定されるピストンボルト21を有し、ピストンボルト21の外周にスペーサ22、バルブストッパ23、ピストン24、バルブストッパ25、カップ26、スペーサ27を挿着し、これらをピストンボルト21に螺着されるチェックバルブハウジング28によりピストンボルト21の基端段差部との間に挟圧固定する。
ピストンバルブ装置20は、ピストンロッド13のシリンダ12への挿入端の外周に螺着されて固定されるピストンボルト21を有し、ピストンボルト21の外周にスペーサ22、バルブストッパ23、ピストン24、バルブストッパ25、カップ26、スペーサ27を挿着し、これらをピストンボルト21に螺着されるチェックバルブハウジング28によりピストンボルト21の基端段差部との間に挟圧固定する。
ピストン24は、伸側流路31と圧側流路32を設け、ピストン24とバルブストッパ25の間にディスクバルブ状の伸側減衰力バルブ33の環状中央部を挟圧し、ピストン24とバルブストッパ23の間にディスクバルブ状の圧側減衰バルブ34の環状中央部を挟圧する。即ち、ピストンバルブ装置20は、ピストン24によりシリンダ12内をロッド側室12Aとピストン側室12Bに区画し、ロッド側室12Aとピストン側室12Bはピストン24に設けた伸側流路31及び該伸側流路31を開閉する伸側減衰バルブ33と、圧側流路32及び該圧側流路32を開閉する圧側減衰バルブ34のそれぞれを介して連通される。
従って、伸長時には、ロッド側室12Aの油が、ピストン24の伸側流路31を通り、伸側減衰バルブ33を撓み変形させて開き、ピストン側室12Bに導かれ、伸側減衰力を発生させる。また、圧縮時には、ピストン側室12Bの油が、ピストン24の圧側流路32を通り、圧側減衰バルブ34を撓み変形させて開き、ロッド側室12Aに導かれ、圧側減衰力を発生させる。
(ボトムバルブ装置40)
油圧緩衝器10は、ダンパチューブ11とシリンダ12の間隙をリザーバ室12Cとし、このリザーバ室12Cの内部を油室とガス室に区画している。そして、ボトムバルブ装置40は、シリンダ12の内部のピストン側室12Bとリザーバ室12Cとを仕切るボトムピース41をシリンダ12の下端部とダンパチューブ11の底部との間に配置し、ダンパチューブ11の底部とボトムピース41の間の空間をボトムピース41に設けた流路によりリザーバ室12Cに連絡可能にする。
油圧緩衝器10は、ダンパチューブ11とシリンダ12の間隙をリザーバ室12Cとし、このリザーバ室12Cの内部を油室とガス室に区画している。そして、ボトムバルブ装置40は、シリンダ12の内部のピストン側室12Bとリザーバ室12Cとを仕切るボトムピース41をシリンダ12の下端部とダンパチューブ11の底部との間に配置し、ダンパチューブ11の底部とボトムピース41の間の空間をボトムピース41に設けた流路によりリザーバ室12Cに連絡可能にする。
ボトムバルブ装置40は、ボトムピース41に設けた圧側流路41Aと伸側流路(不図示)をそれぞれ開閉するボトムバルブとしての、ディスクバルブ42とチェックバルブ43を備える。
そして、伸長時には、シリンダ12から退出するピストンロッド13の退出容積分の油が、チェックバルブ43を押し開き、リザーバ室12Cからボトムピース41の伸側流路(不図示)経由でピストン側室12Bに補給される。圧縮時には、シリンダ12に進入するピストンロッド13の進入容積分の油が、ピストン側室12Bからボトムピース41の圧側流路41Aを通ってディスクバルブ42を撓み変形させて開き、リザーバ室12Cへ押出され、圧側減衰力を得る。
尚、油圧緩衝器10にあっては、シリンダ12のロッド側室12Aに位置するピストンロッド13まわりで、ピストン24の側(下側)に固定されたリバウンドシート46の上に、ピストンロッド13の伸切り時(油圧緩衝器10の最伸長状態)に圧縮変形せしめられるリバウンドラバー47を備えている。
しかるに、油圧緩衝器10は、ピストンバルブ装置30の伸・圧減衰力を調整するための減衰力調整装置50を以下の如くに備える。
減衰力調整装置50は、図2に示す如く、伸側減衰バルブ33の伸側流路31に対する背面側と、圧側減衰バルブ34の圧側流路32に対する背面側のそれぞれに、伸側背圧室51と圧側背圧室52のそれぞれを設ける。本実施例では、伸側背圧室51と圧側背圧室52のそれぞれが、伸側減衰バルブ33と圧側減衰バルブ34それぞれの背面に設けたバルブストッパ25、23と、それらバルブストッパ25、23の外周に摺動隙間を介して摺動するように設けたバックアップカラー53、54により形成され、各バックアップカラー53、54の背面に設けた板ばね55、56(スプリング)により各バックアップカラー53、54の正面を伸側減衰バルブ33と圧側減衰バルブ34のそれぞれに付勢されて押し当てられる。環状板ばね55の環状中央部がバルブストッパ25とカップ26の間に挟圧固定され、該板ばね55の外縁部がバックアップカラー53に予圧接する弾性曲がり状態で当接する。環状板ばね56の環状中央部がバルブストッパ23とスペーサ22の間に挟圧固定され、該板ばね56の外縁部がバックアップカラー54に予圧接する弾性曲がり状態で当接する。このとき、伸側減衰バルブ33と圧側減衰バルブ34のそれぞれが伸側流路31と圧側流路32のそれぞれに臨む受圧面積は、伸側背圧室51と圧側背圧室52のそれぞれに臨む受圧面積に同じ、又は僅かに大きくすることが好ましい。
減衰力調整装置50は、ピストンロッド13(ピストンボルト21)にピストン24の伸側流路31、圧側流路32を迂回してロッド側室12Aとピストン側室12Bを連絡可能にするバイパス路57を設ける。バイパス路57の中間部に伸側背圧室51と圧側背圧室52を連絡する。バイパス路57は、ピストンボルト21に設けた孔58A、バルブストッパ25の内周環状溝58B、孔58Cを順に連通させて伸側背圧室51に連絡する。また、バイパス路57は、ピストンボルト21に設けた孔59A、バルブストッパ23の内周環状溝59B、孔59Cを順に連通させて圧側背圧室52に連絡する。
減衰力調整装置50は、バイパス路57のピストン側室12Bに開口する側にピストン側室12Bからバイパス路57への油の流れを許容する一つのチェック弁60を設ける。本実施例では、カップ26の凹部にチェックバルブハウジング28を液密に嵌合するとともに、カップ26とチェックバルブハウジング28の間にスペーサ27、チェック弁60を介装する。環状板からなるチェック弁60の環状中央部がチェックバルブハウジング28とスペーサ27の間に挟圧固定され、チェック弁60はチェックバルブハウジング28の周方向複数位置に設けた流路28Aを塞ぐ。ピストン側室12Bの油がチェックバルブハウジング28の流路28Aからチェック弁60を押し開いてカップ26の内部に流入し、スペーサ27とピストンボルト21の孔61A、環状溝61B、孔61Cを通ってバイパス路57に流入する。
減衰力調整装置50は、バイパス路57のロッド側室12Aに開口する側に可変絞り弁70のニードル弁70Aを設ける。可変絞り弁70は、ピストンロッド13の上端部の車体側取付部14に設けたアクチュエータ71に連結され、ピストンロッド13の中空部に挿通され、ピストンボルト21のバイパス路57の上端寄りに設けた弁座57Aに接離するニードル弁70Aを先端部に備える。可変絞り弁70のニードル弁70Aは、アクチュエータ71の比例ソレノイドにより直線移動されてバイパス路57の弁座57Aに接離し、弁座57Aに対する絞り度を調整することにより、後述する如くに、伸側背圧室51と圧側背圧室52の圧力を制御し、ひいては伸側減衰バルブ33の伸側減衰力と圧側減衰バルブ34の圧側減衰力を調整可能にする。
減衰力調整装置50は、伸側背圧室51と圧側背圧室52のそれぞれに、伸側背圧室51と圧側背圧室52の一定以上の圧力により開き、伸側背圧室51と圧側背圧室52の圧力をピストン側室12Bとロッド側室12Aのそれぞれに解放する伸側背圧ブロー弁81と圧側背圧ブロー弁82を設ける。本実施例では、各バックアップカラー53、54のそれぞれが、図3に示す如く、伸側背圧ブロー弁81と圧側背圧ブロー弁82のそれぞれを構成する。即ち、各バックアップカラー53、54には、伸側背圧室51と圧側背圧室52の圧力を受けるように内周の軸方向一端側を拡径された段差状受圧部53A、54Aを備え、伸側背圧室51と圧側背圧室52の一定以上の圧力によりバックアップカラー53、54を押し下げる。伸側背圧室51と圧側背圧室52の圧力が上がると、各バックアップカラー53、54に備えた受圧部53A、54Aに作用する圧力により該バックアップカラー53、54が押し下げられ、各バックアップカラー53、54がバックアップしている伸側減衰バルブ33と圧側減衰バルブ34が開弁し、伸・圧減衰力の上限(最大減衰力)を設定できる。
減衰力調整装置50は、各バックアップカラー53、54のそれぞれに、図3に示す如く、バルブストッパ25、23との間の摺動隙間により構成されて伸側背圧室51と圧側背圧室52の圧力をリークするリーク通路53B、54Bを備える。減衰力調整装置50は、各バックアップカラー53、54を押さえる板ばね55、56にスリット55A、56Aを設け、バックアップカラー53、54とバルブストッパ25、23との摺動隙間を抜ける伸側背圧室51、圧側背圧室52のリーク量を板ばね55、56のスリット55A、56Aにより制御する。本実施例の各板ばね55、56は複数枚の薄板の積層状をなし、各バックアップカラー53、54に直に接する最も内層側の薄板の外縁の周方向複数箇所にスリット55A、56Aを設けてある。背圧室51、52の圧力をバックアップカラー53、54とバルブストッパ25、23の摺動隙間により構成されるリーク通路53B、54Bから抜いてリークさせる構造であり、背圧室51、52の圧力の制御を繰り返すことができる。背圧室51、52の圧力のリーク量は、バックアップカラー53、54やバルブストッパ25、23の加工精度が影響する摺動隙間の寸法精度によらず、板ばね55、56のスリット55A、56Aにより安定的に制御される。
減衰力調整装置50は、図3に示す如く、バルブストッパ25、23とバックアップカラー53、54の摺動面の少なくとも一方、本実施例ではバルブストッパ25、23の外周の摺動面に2条の環状溝からなる油溜り25A、23Aを設け、それらの摺動性を向上している。
従って、減衰力調整装置50は以下の如くに動作する。
(A)可変絞り弁70がバイパス路57の絞り度を閉じ側に設定したとき
(A-1)圧側行程(図4(A))
ピストン側室12Bの圧油がチェック弁60を押し開いてバイパス路57に入り、可変絞り弁70によりバイパス路57からロッド側室12Aの側に流出し難く、バイパス路57から圧側背圧室52に入り、圧側背圧室52の圧力が高くなって圧側減衰バルブ34が開き難くなり、圧側減衰バルブ34の圧側減衰力が高くなる。
(A)可変絞り弁70がバイパス路57の絞り度を閉じ側に設定したとき
(A-1)圧側行程(図4(A))
ピストン側室12Bの圧油がチェック弁60を押し開いてバイパス路57に入り、可変絞り弁70によりバイパス路57からロッド側室12Aの側に流出し難く、バイパス路57から圧側背圧室52に入り、圧側背圧室52の圧力が高くなって圧側減衰バルブ34が開き難くなり、圧側減衰バルブ34の圧側減衰力が高くなる。
(A-2)伸側行程(図4(B))
ロッド側室12Aの圧油が閉じ側にある可変絞り弁70によりバイパス路57に入り難く、バイパス路57に通じる伸側背圧室51の圧力は低くなって伸側減衰バルブ33が開き易くなり、伸側減衰バルブ33の伸側減衰力が低くなる。
ロッド側室12Aの圧油が閉じ側にある可変絞り弁70によりバイパス路57に入り難く、バイパス路57に通じる伸側背圧室51の圧力は低くなって伸側減衰バルブ33が開き易くなり、伸側減衰バルブ33の伸側減衰力が低くなる。
(B)可変絞り弁70がバイパス路57の絞り度を開き側に設定したとき
(B-1)圧側行程(図5(A))
ピストン側室12Bの圧油がチェック弁60を押し開いてバイパス路57に入り、バイパス路57から開き側にある可変絞り弁70を通ってロッド側室12Aの側に流出し易く、バイパス路57に通じる圧側背圧室52の圧力が高くならず、圧側減衰バルブ34は開き易くなって、圧側減衰バルブ34の圧側減衰力が低くなる。
(B-1)圧側行程(図5(A))
ピストン側室12Bの圧油がチェック弁60を押し開いてバイパス路57に入り、バイパス路57から開き側にある可変絞り弁70を通ってロッド側室12Aの側に流出し易く、バイパス路57に通じる圧側背圧室52の圧力が高くならず、圧側減衰バルブ34は開き易くなって、圧側減衰バルブ34の圧側減衰力が低くなる。
(B-2)伸側行程(図5(B))
ロッド側室12Aの圧油が開き側にある可変絞り弁70からバイパス路57に入り、チェック弁60によりバイパス路57からピストン側室12Bに流出せず、バイパス路57から伸側背圧室51に入り、伸側背圧室51の圧力が高くなって伸側減衰バルブ33が開き難くなり、伸側減衰バルブ33の伸側減衰力が高くなる。
ロッド側室12Aの圧油が開き側にある可変絞り弁70からバイパス路57に入り、チェック弁60によりバイパス路57からピストン側室12Bに流出せず、バイパス路57から伸側背圧室51に入り、伸側背圧室51の圧力が高くなって伸側減衰バルブ33が開き難くなり、伸側減衰バルブ33の伸側減衰力が高くなる。
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)減衰バルブ33、34の背面にバルブストッパ25、23を設け、バルブストッパ25、23に摺動隙間を介して摺動するバックアップカラー53、54を設け、バックアップカラー53、54の背面に板ばね55、56を設け、板ばね55、56によりバックアップカラー53、54の正面を減衰バルブ33、34に押し付けて背圧室51、52を形成し、バックアップカラー53、54を押さえる板ばね55、56にスリット55A、56Aを設け、バックアップカラー53、54とバルブストッパ25、23の摺動隙間を抜ける背圧室51、52の圧力のリーク量を板ばね55、56のスリット55A、56Aにより制御するようにした。背圧室51、52の圧力をバックアップカラー53、54とバルブストッパ25、23の摺動隙間により形成されるリーク通路53B、54Bから抜いてリークさせる構造であり、背圧室51、52の圧力の制御を繰り返すことができる。圧力のリーク量は、バックアップカラー53、54やバルブストッパ25、23の加工精度が影響するそれらの摺動隙間の寸法精度によらず、板ばね55、56のスリット55A、56Aにより安定的に制御される。バルブストッパ25、23とバックアップカラー53、54の加工精度を上げる必要なく、圧力のリーク量、ひいては背圧室51、52の圧力を安定的に制御し、減衰バルブ33、34の減衰力特性を安定維持できる。
(a)減衰バルブ33、34の背面にバルブストッパ25、23を設け、バルブストッパ25、23に摺動隙間を介して摺動するバックアップカラー53、54を設け、バックアップカラー53、54の背面に板ばね55、56を設け、板ばね55、56によりバックアップカラー53、54の正面を減衰バルブ33、34に押し付けて背圧室51、52を形成し、バックアップカラー53、54を押さえる板ばね55、56にスリット55A、56Aを設け、バックアップカラー53、54とバルブストッパ25、23の摺動隙間を抜ける背圧室51、52の圧力のリーク量を板ばね55、56のスリット55A、56Aにより制御するようにした。背圧室51、52の圧力をバックアップカラー53、54とバルブストッパ25、23の摺動隙間により形成されるリーク通路53B、54Bから抜いてリークさせる構造であり、背圧室51、52の圧力の制御を繰り返すことができる。圧力のリーク量は、バックアップカラー53、54やバルブストッパ25、23の加工精度が影響するそれらの摺動隙間の寸法精度によらず、板ばね55、56のスリット55A、56Aにより安定的に制御される。バルブストッパ25、23とバックアップカラー53、54の加工精度を上げる必要なく、圧力のリーク量、ひいては背圧室51、52の圧力を安定的に制御し、減衰バルブ33、34の減衰力特性を安定維持できる。
(b)バックアップカラー53、54には背圧室51、52の圧力を受ける受圧部53A、54Aを設け、一定以上の圧力によりバックアップカラー53、54を押し下げるようにした。従って、背圧室51、52の圧力が上がると、バックアップカラー53、54に備えた受圧部53A、54Aに作用する圧力により該バックアップカラー53、54が押し下げられ、バックアップカラー53、54がバックアップしている減衰バルブ33、34が開弁し、減衰力の上限(最大減衰力)を設定できる。
(c)バルブストッパ25、23とバックアップカラー53、54の摺動面の少なくとも一方に油溜り25A、23Aを設けた。バルブストッパ25、23に対するバックアップカラー53、54の摺動性を向上できる。
図6は減衰力調整装置50の変形例であり、可変絞り弁70のアクチュエータ71をステップモータからなるものにし、可変絞り弁70をピストンロッド13の中空ねじ部13Aに螺合したものである。可変絞り弁70のニードル弁70Aは、アクチュエータ71のモータにより螺動されてバイパス路57の弁座57Aに接離し、弁座57Aに対する絞り度を調整することにより、伸側背圧室51と圧側背圧室52の圧力を制御し、ひいては伸側減衰バルブ33の伸側減衰力と圧側減衰バルブ34の圧側減衰力を調整可能にする。
図7は減衰力調整装置50の変形例であり、ロッド側室12Aからバイパス路57への油の流れを許容するチェック弁60をバイパス路57のピストン側室12Aに開口する側に設け、可変絞り弁70のニードル弁70Aをバイパス路57のピストン側室12Bに開口する側に設けたものである。ピストンボルト21にチェックバルブハウジング28、スペーサ27、カップ26、バルブストッパ23、ピストン24、バルブストッパ25、スペーサ22を挿着し、これらをピストンボルト21に螺着されるナット29によりピストンボルト21の基端段差部との間に挟圧固定したものである。図7においても、ピストン24の伸側流路31、圧側流路32に対する伸側減衰バルブ33、圧側減衰バルブ34の設置構造、伸側減衰バルブ33、圧側減衰バルブ34に対する伸側背圧室51、圧側背圧室52の設置構造、伸側背圧室51、圧側背圧室52を形成するバックアップカラー53、54、板ばね55、56の設置構造等は、図1〜図6と同様である。
図7に示した減衰力調整装置50にあっては、可変絞り弁70がバイパス路57のピストン側室12Bに開口する側に設けられるとき、可変絞り弁70の絞り度が閉じ側に設定されると、圧側行程で、圧側背圧室52の圧力が低くなって圧側減衰力が低く、伸側行程で、伸側背圧室51の圧力が高くなって、伸側減衰力が高くなるように調整される。従って、可変絞り弁70をこのように設定することで、車両が大きなうねり路走行中で緩衝器の行程が伸側行程(高減衰力状態)であるときに、路面の突起部を通過すると、その逆の圧側行程では低減衰力状態になって緩衝器が速やかに収縮することで急激な上向き路面入力を吸収し、車体側への衝撃を緩和して乗り心地を確保することができる(スカイフック制御に適する)。
他方、可変絞り弁70がバイパス路57のピストン側室12Bに開口する側に設けられるとき、可変絞り弁70の絞り度が開き側に設定されると、圧側行程で、圧側背圧室52の圧力が高くなって圧側減衰力が高く、伸側行程で、伸側背圧室51の圧力が低くなって伸側減衰力が低くなるように調整される。従って、可変絞り弁70をこのように設定することで、車両が大きなうねり路走行中で緩衝器の行程が圧側行程(高減衰力状態)であるときに、路面のくぼみ部を通過すると、その逆の伸側行程では低減衰力状態になって緩衝器が適度な速さで伸長することで車輪側を路面変化に追従させ、車体の急激な沈み込みを防止し、乗り心地及び操縦安定性を確保することができる(スカイフック制御に適する)。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。減衰力調整装置において、可変絞り弁のアクチュエータはピストンロッドの中空部に内蔵されても良い。
10 油圧緩衝器
23、25 バルブストッパ
23A、25A 油溜り
33、34 減衰バルブ
51、52 背圧室
53、54 バックアップカラー
53A、54A 受圧部
55、56 板ばね
55A、56A スリット
23、25 バルブストッパ
23A、25A 油溜り
33、34 減衰バルブ
51、52 背圧室
53、54 バックアップカラー
53A、54A 受圧部
55、56 板ばね
55A、56A スリット
Claims (3)
- 油圧緩衝器の減衰バルブの背面側に背圧室を設け、背圧室の圧力を制御することにより、減衰力を調整可能にする油圧緩衝器の減衰力調整構造において、
減衰バルブの背面にバルブストッパを設け、バルブストッパに摺動隙間を介して摺動するバックアップカラーを設け、バックアップカラーの背面に板ばねを設け、板ばねによりバックアップカラーの正面を減衰バルブに押し付けて背圧室を形成し、
バックアップカラーを押さえる板ばねにスリットを設け、バックアップカラーとバルブストッパの摺動隙間を抜ける背圧室の圧力のリーク量を板ばねのスリットにより制御することを特徴とする油圧緩衝器の減衰力調整構造。 - 前記バックアップカラーには背圧室の圧力を受ける受圧部を設け、一定以上の圧力によりバックアップカラーを押し下げる請求項1に記載の油圧緩衝器の減衰力調整構造。
- 前記バルブストッパとバックアップカラーの摺動面の少なくとも一方に油溜りを設けてなる請求項1又は2に記載の油圧緩衝器の減衰力調整構造。
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JP2007169440A JP2009008150A (ja) | 2007-06-27 | 2007-06-27 | 油圧緩衝器の減衰力調整構造 |
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-
2007
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Legal Events
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