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JP2009007432A - 顔料分散液およびアルカリ可溶型感光性着色組成物 - Google Patents

顔料分散液およびアルカリ可溶型感光性着色組成物 Download PDF

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JP2009007432A JP2007168649A JP2007168649A JP2009007432A JP 2009007432 A JP2009007432 A JP 2009007432A JP 2007168649 A JP2007168649 A JP 2007168649A JP 2007168649 A JP2007168649 A JP 2007168649A JP 2009007432 A JP2009007432 A JP 2009007432A
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修一 三橋
Yukie Kawazu
幸恵 河津
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Abstract

【課題】液晶表示安定性が優れた液晶表示装置のカラーフィルターが得られる電圧保持率に優れた着色レジストを与える顔料分散液および着色レジストを提供すること。
【解決手段】少なくとも顔料と顔料分散剤とを有機溶媒に分散してなり、該顔料が電気伝導度が0.05μS/cm〜5.00μS/cmである脱イオン水で洗浄処理してなり、洗浄処理後における、該顔料の脱イオン水濾液の電気伝導度が、20μS/cm以下であり、上記脱イオン水濾液中のNa原子、K原子、およびMg原子の各々の含有量が0.7ppm以下であることを特徴とする顔料分散液。
【選択図】なし

Description

本発明は、カラーフィルター用アルカリ可溶型感光性着色組成物(以下単に「着色レジスト」という場合がある)の製造に使用される顔料分散液に関し、さらに詳しくは、液晶表示安定性が優れた液晶表示装置のカラーフィルターが得られる電圧保持率に優れた着色レジストを与える顔料分散液に関する。
従来、パソコン、携帯電話、カーナビゲーション、テレビなどの用途に使用されているカラー液晶表示装置では、その使用されている液晶は、印加される電圧の異常変化、あるいは表示面内の電圧のバラツキなどにより、液晶の配向状態が異常変化すると表示不良が発生する。これらの液晶の表示不良を防止するため、電圧の変化を無くし電圧を安定して一定に保持するには、液晶層への悪影響を及ぼす不純物を低減させる必要がある。
従来、パソコン、携帯電話、カーナビゲーション、テレビなどの用途に使用されているカラー液晶表示装置では、カラーフィルター用ガラス基板上に赤、緑、青の各画素が配置されたカラーフィルターが使用されている。上記のカラー液晶表示装置は、例えば、上記のカラーフィルターが形成されたガラス基板と薄膜トランジスター(TFT)が形成されたガラス基板との間に液晶を封入したパネルと、バックライト光源から構成されている。このバックライトから照射される光が、上記液晶パネルを通過する際に、その透過率を液晶への印加される電圧により制御することにより、画像が表示される。
上記のカラーフィルターの画素を形成する着色剤としては、一般に、その着色剤特性から顔料が使用されている。上記の顔料は、その顔料の製造工程やある種の顔料のスルフォン化などの工程で金属塩の金属イオンやその遊離金属などの金属原子不純物が混入していた。通常、顔料はその製造工程で水洗処理されるが、その水洗処理に使用される水の電気伝導度は、50μS/cm〜1,000μS/cm程度であり、Na、K原子などの金属不純物が水中に多く含有しており、これらが上記水洗処理工程で顔料に混入する。また、上記の水洗処理に使用される水は、一般に洗浄水としての水質管理を行っていないために、その使用する水のロット間で顔料の洗浄度にも大きなバラツキが生じていた。
上記の顔料は、従来、カラーフィルターの画素を形成する着色剤として、コントラスト、着色力、透明性、耐候性、耐薬品性などの顔料特性がカラーフィルター用の特性値として主に重要視されていた。
しかしながら、前記の金属イオンや遊離金属などの金属原子不純物は、液晶パネルにおいて、印加される電圧の変化、あるいは表示面内の電圧のバラツキなどを誘引することにより、液晶の配向状態が異常に変化して画像の表示不良が発生する。上記の液晶の変化による画像の表示不良を防止するためには、液晶にかかる電圧の変化を無くし電圧を安定して保持し、電圧保持率を高くする必要がある。このことは、カラーフィルターの画素を構成する顔料中の上記の不純物を低減、あるいは皆無にし、液晶層への電気的特性の悪影響を排除しなければならない。
上記の不純物の液晶層への悪影響を排除するために、従来、カラーフィルターの画素を形成する着色層を高硬化性を有する着色層としたり、上記の着色層と液晶層の間に着色層からの不純物の影響を遮断するためにオーバーコート層(遮断層)を形成したりしている。
しかしながら、上記の方法は、その効果は認められるが、不純物の金属イオンの液晶層への溶出などを完全に遮断し、前記不純物の悪影響を排除するには十分な効果が得られない。また、その形成プロセスの管理が難しいばかりでなく、とくに、オーバーコート層(遮断層)形成は、工程が増えるばかりでなく、その製造コストの面からも、コストアップになり経済性からも難点があった。
前記の不純物の除去方法としては、ある種の顔料分散液(特許文献1)や、カラーフィルター用顔料の製造方法(特許文献2)などが開示されている。上記の特許文献1の顔料分散液は、イオン交換樹脂を用いて金属イオンを除去しているが、上記の方法では、除去物がイオン性物質に限定されるばかりでなく、逆にイオン交換樹脂から不純物が混入する危険性があった。
また、特許文献2のカラーフィルター用顔料の製造方法は、顔料を有機溶剤で洗浄している。しかしながら、使用する有機溶剤によっては、溶剤中の不純物が混入するという問題があった。この対策として、高純度の有機溶剤を使用することにより、有機溶剤からの不純物の混入を回避することができるが、コストアップによる経済的、あるいは洗浄廃液の処理が困難で環境負荷などの問題が発生する。
上述のことから、液晶層への悪影響を及ぼす顔料に由来する前記不純物を低減させ、液晶表示安定性が優れた液晶表示装置のカラーフィルターが得られる着色レジストを与える顔料分散液、および着色レジストが要望されている。
特許第3218830号公報 特開2000−66022号公報
従って、本発明の目的は、液晶表示安定性が優れた液晶表示装置のカラーフィルターが得られる電圧保持率に優れた着色レジストを与える顔料分散液および着色レジストを提供することである。
上記の目的は、以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、少なくとも顔料と顔料分散剤とを有機溶媒に分散してなり、該顔料が電気伝導度が0.05μS/cm〜5.00μS/cmである脱イオン水で洗浄処理してなり、洗浄処理後における、該顔料の脱イオン水濾液の電気伝導度が、20μS/cm以下であり、上記脱イオン水濾液中のNa原子、K原子、およびMg原子の各々の含有量が0.7ppm以下であることを特徴とする顔料分散液、および該顔料分散液と、少なくとも、不飽和カルボン酸と、エチレン性不飽和2重結合を少なくとも1つ含有するオリゴマーおよび/またはモノマーとを共重合して得た光重合性コポリマーと、光重合開始剤とからなる感光性組成物とを含有することを特徴とする着色レジストを提供する。
本発明者は、前記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、上記の特定の電気伝導度を有する脱イオン水で洗浄処理した顔料を使用した顔料分散液が、液晶層に悪影響を及ぼす顔料中の不純物である金属原子が除去されており、液晶表示安定性が優れた高電気信頼性の液晶表示装置のカラーフィルターが得られる電圧保持率に優れた着色レジストを与える顔料分散液であることを見いだした。
本発明によれば、特定の洗浄により洗浄された顔料の顔料分散液を用いることで、液晶表示安定性が優れた液晶表示装置が得られるカラーフィルター用の着色レジストが提供される。
次に発明を実施するための最良の形態を挙げて、本発明をさらに詳しく説明する。本発明を主として特徴づける顔料は、電気伝導度が0.05μS/cm〜5.00μS/cmである脱イオン水で洗浄処理してなり、洗浄処理後における、該顔料の脱イオン水濾液の電気伝導度が、20μS/cm以下であり、上記脱イオン水濾液中のNa原子、K原子、およびMg原子の各々の含有量が0.7ppm以下である脱イオン水で洗浄処理された顔料(以下、単に「処理顔料」という場合がある。)である。
上記の電気伝導度は、その値が小さいほど電気抵抗率が大きく、洗浄水中の金属イオン量が少ないことを示す。上記の電気伝導度の値が高過ぎるということは、電気抵抗値が小さくなり脱イオン水の金属イオンや遊離金属などの金属原子不純物が多くなり、洗浄後も処理顔料中にこれらの不純物が多く残留していることを意味する。このことは、該処理顔料の顔料分散液を使用した着色レジストから得られる画素を有したカラーフィルターが、液晶パネルの電気特性に悪影響を及ぼし、液晶表示安定性が損なわれる。一方、上記の電気伝導度の値が小さくなると、電気抵抗率が大きく、洗浄水中の金属原子量が少なくなるが、上記の下限値未満にしても電気伝導度低下の効果はない。なお、本発明における電気伝導度は、電気伝導度計(東亜ディーケーケ(株)社製、CM−60G)により測定した値である。
上記の処理顔料に使用される処理前の顔料は、従来公知のカラーフィルター用の顔料として、着色力、透明性、耐候性、耐薬品性、コントラストなどの特性が優れているものであればいずれのものも使用することができる。上記の処理前の顔料は、前記の製造工程で水洗処理などの通常の洗浄処理された顔料である。
上記の処理前の顔料としては、例えば、金属塩でレーキ化したアゾ系顔料、不溶性アゾ顔料のジスアゾ系顔料およびモノアゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、キレート系顔料、キナクリドン系顔料、チオインジゴ系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、キノフタロン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、インジゴ系顔料、ピランスロン系顔料、アンスアンスロン系顔料、フラバンスロン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、イソインドリン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、アンスラキノン系顔料などの有機顔料、カーボンブラック、その他無機顔料が挙げられる。
上記顔料の具体例としては、例えば、C.I.ピグメントレッド9、11、81、97、122、123、146、149、168、177、180、192、209、213、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、254、255、264、270、272、48:1、57:1、53:1、48:3、;C.I.ピグメントイエロー1、12、13、14、17、20、83、86、93、97、109、110、117、125、137、138、139、147、148、153、154、166、168、185;C.I.ピグメントブルー15、15:2、15:3、15:4、15:5、15:6、22、60、64;C.I.ピグメントグリーン7、36、C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50;C.I.ピグメントオレンジ36、43、51、55、59、61、71;C.I.ピグメントブラウン23、26;C.I.ピグメントブラック7などが挙げられる。
また、前記の処理顔料の生成に使用される脱イオン水は、原水を強酸性または弱酸性陽イオン交換樹脂、強塩基性または弱塩基性陰イオン交換樹脂、イオン交換膜、キレート樹脂、活性炭、抗菌性活性炭などの処理剤から選ばれる少なくとも1種、好ましくは上記の処理剤を2種以上組み合わせて公知の方法で処理、または、減圧蒸留し、原水中の金属原子、その他の各種イオン、バクテリアなどを除去した電気伝導度が0.05μS/cm〜5.00μS/cm、好ましくは0.05μS/cm〜3.0μS/cmの範囲内の高純度の処理水(脱イオン水)である。上記脱イオン水の電気伝導度が上記範囲内であると、顔料に対して十分な洗浄効果が得られる。上記の原水は、工業用水、水道水、硬水、軟水、井戸水、その他イオン交換水などの処理水などの電気伝導度が5.00μS/cmを超え、通常その電気伝導度が、50μS/cm〜1,000μS/cm程度の原水である。
前記の処理顔料を生成する洗浄処理法は、例えば、公知の方法で製造された前記の顔料を前記の電気伝導度の範囲の脱イオン水中に懸濁し、高圧ホモジナイザーなどで顔料を高分散させながら洗浄処理する方法である。なお、サンドミル、ボールミル、ロールミルなどを使用しての洗浄処理は、これらの使用材質からの金属原子の混入の危険性があるため好ましくない。上記の洗浄処理工程中で、上記脱イオン水中に上記の顔料中の金属塩、遊離金属、その他無機塩、微生物などの不純物を抽出させる。洗浄後、その懸濁液を濾過して脱イオン水中に抽出させられた不純物を脱イオン水濾液として除去する。上記で得られた顔料のウェットケーキを再度脱イオン水中に懸濁し、必要に応じて、上記と同様の工程にて洗浄処理を数回行い、得られた顔料のウェットケーキを乾燥して処理顔料を得る。
上記の方法によって得られる処理顔料は、前記洗浄処理後における、該顔料の脱イオン水濾液中のNa原子、K原子、およびMg原子の各々の含有量が0.7ppm以下である。上記の脱イオン水濾液中の不純物である各金属原子の含有量が上記の上限値を超える場合は、液晶パネルに、印加される電圧の異常、あるいは表示面内の電圧のバラツキが起こり、液晶の配向状態が異常変化し表示不良が発生する。上記の不純物である各金属原子が、特に、カラーフィルターの画素を構成する着色剤に混入している場合、液晶パネルの液晶に対する上記悪影響が顕著となる。このために、前記の処理顔料の調製の際に、上記の脱イオン水濾液中の上記金属原子が上記数値範囲になるまで、洗浄処理を繰り返すのが好ましい。
上記の脱イオン水濾液中のNa原子、K原子、およびMg原子の各々の含有量が、0.1ppm以下であるのが特に好ましい。上記の各々の金属原子の含有量が上記範囲内であると、特に、液晶表示安定性が優れた液晶表示装置のカラーフィルターが得られる着色レジストを与える顔料分散液が得られる。なお、本発明における脱イオン水濾液中の金属原子の含有量は、IPC発光分光分析装置により測定した値である。
また、前記の処理顔料は、前記洗浄処理後における、該顔料の脱イオン水濾液の電気伝導度が、20μS/cm以下である。上記の電気伝導度が、上記範囲を超えると、顔料の洗浄不足が起こり、得られる着色レジストの電圧保持率が低下する。
上記の脱イオン水濾液の電気伝導度は、その電気伝導度が0.05μS/cm〜5.00μS/cmであるのが特に好ましい。すなわち、処理顔料の洗浄処理に使用された脱イオン水の電気伝導度に匹敵するレベルまで洗浄処理を繰り返して行い、処理顔料中の不純物を皆無に近づけることにより、該顔料を使用して得られる顔料分散液の着色レジストから形成されるカラーフィルターの液晶パネルへの電圧の変化の悪影響を無くし、液晶パネルの電圧を常時安定して一定に保持することができる。このことにより、カラー液晶表示装置における画像表示の安定性がより向上する。
本発明の顔料分散液は、少なくとも前記の処理顔料と顔料分散剤と有機溶媒を適宜に配合し、例えば、ディゾルバーを用いて1時間予備混合し、混合後、0.1mmのジルコニアビーズを用いてペイントシェーカーにて6時間分散させて行うことができる。
上記の顔料分散剤としては、公知の低分子分散剤あるいは高分子分散剤を使用することができる。上記の分散剤としては、例えば、ノニオン系、カチオン系、アニオン系などの界面活性剤、ポリエステル系高分子分散剤、アクリル系高分子分散剤、ポリウレタン系高分子分散剤などが挙げられる。上記の顔料分散剤の内で金属イオンまたは遊離金属を含有するものは好ましくない。
上記の顔料分散剤としては、例えば、ビックケミー社からDisperbyk161、162、163、164、166、167、168、170、171、174、180、182、183、184、185、2000、2001、2020、2050、2070、2096、2150、101、102、103、106、108、109、110、111、112、116、130、140、142、145など;味の素ファインテクノ(株)からアジスパーPB821、PB711、PB817、PB822、PB823、PB824、PB827、PN411、PA111など;Cognis社からテキサホールP61、P63、T−964など;ルーブリゾール社からSOLSPERSE24000SC、24000GR、26000、28000、32500、33500など;エフカ社からEFKA−4046、4047、4060、4300、4330などの商品名で入手して本発明で使用することができる。
また、前記の有機溶媒としては、前記の処理顔料と顔料分散剤を均一に分散できるエステル類、エーテル類、ケトン類、アルコール類、芳香族類などが挙げられ、これらは単独で用いても、2種以上を混合して使用してもよい。
上記有機溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸プロピル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸プロピル、ブトキシ酢酸メチル、ブトキシ酢酸エチル、ブトキシ酢酸ブチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、メチルイソプロピルケトン、シクロペンタノン、アセトンなどのケトン類;プロピレングリコール、エチレングリコールなどのアルコール類、トルエン、キシレンなどの芳香族類など、およびこれらの混合物が挙げられる。
本発明の顔料分散液は、必要に応じて本発明の目的を妨げない範囲において、濡れ性向上のための界面活性剤、密着性向上のためのシランカップリング剤、消泡剤、ハジキ防止剤、酸化防止剤、凝集防止剤、紫外線吸収剤、その他着色レジストを調製する際に、着色レジストを構成する感光性組成物と前記顔料分散液が相溶しやすくするためのポリマーなどを添加することができる。
本発明の顔料分散液に、少なくとも、不飽和カルボン酸と、エチレン性不飽和2重結合を少なくとも1つ含有するオリゴマーおよび/またはモノマーとを共重合して得た光重合性コポリマーと、光重合開始剤とからなる感光性組成物とを配合することにより本発明の着色レジストが得られる。
前記の着色レジストを構成する感光性組成物は、さらに、その他、前記光重合性コポリマーと共重合するモノマー、好ましくは該コポリマーに使用されるモノマーと、有機溶媒および必要に応じて添加剤などを適宜に均一に配合して得られるアルカリ現像液にて現像可能な組成物である。前記の不飽和カルボン酸、エチレン性不飽和2重結合を少なくとも1つ含有するオリゴマーおよび/またはモノマーとを共重合して得た光重合性コポリマー、光重合開始剤は、従来公知のもので問題ない。なお、上記の有機溶媒は、前記の顔料分散液の調製の際に使用された有機溶媒が好ましく使用される。
前記の不飽和カルボン酸としては、例えば、少なくとも1個のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物、具体的には、アクリル酸、メタアクリル酸、ケイヒ酸、クロトン酸などの不飽和モノカルボン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、およびそれらの無水物などの不飽和ジカルボン酸、3価以上の不飽和多価カルボン酸などが挙げられる。上記の化合物は、単独でも、あるいは2種以上を混合して使用することができる。
また、前記のエチレン性不飽和2重結合を少なくとも1つ含有するオリゴマーおよび/またはモノマーとしては、前記の不飽和カルボン酸と共重合するものであれば適宜に選択使用することができる。上記のモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート[(メタ)アクリレートとはアクリレートと、メタクリレート双方を意味する]、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−アミノエチル(メタ)アクリレート、2−アミノプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどの単官能や二官能以上の(メタ)アクリレート、その他スチレン、p−、o−、m−のメチルスチレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリロニトリル、1,3−ブタジエン、(メタ)アクリルアミド、マレイミドなどの不飽和カルボン酸エステル類、不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル類、不飽和カルボン酸グリシジルエステル類、芳香族ビニル化合物、カルボン酸ビニルエステル類、不飽和アミド類、不飽和イミド類、シアン化ビニル化合物、脂肪族共役ジエン類などが挙げられる。
また、前記のオリゴマーは、エチレン性不飽和2重結合を有する基を末端に有するオリゴマーである。上記のオリゴマーとしては、例えば、前記のモノマーの重合体であるポリ2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリn−ブチル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレートの重合体、ポリスチレンなど、およびアルキル(メタ)アクリレートとスチレンとの共重合体などであり末端に(メタ)アクリロイル基を有するものが挙げられる。
上記のオリゴマーの具体例としては、例えば、片末端メタクリロイル化ポリスチレンオリゴマー、片末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレートオリゴマー、片末端メタクリロイル化ポリ−n−ブチルアクリレートオリゴマー、片末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレートオリゴマー、片末端メタクリロイル化ポリ2−エチルヘキシルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレートオリゴマーなどが挙げられる。
前記のコポリマーとしては、例えば、ベンジルメタクリレート/スチレン/メタアクリル酸の共重合体の主鎖メタクリル酸のカルボン酸基にグリシジルメタクリレートのエポキシ基を反応させて得られるベンジルメタクリレート/スチレン/メタアクリル酸/グリシジルメタクリレートの共重合体(モル組成比率(%)20/43/25/12)などが挙げられる。
また、前記の光重合開始剤は、公知の光重合開始剤を使用することができ、可視光、紫外線、遠紫外線、電子線、X線などの活性エネルギー線により重合を開始し得る活性を発生する化合物である。上記の光重合開始剤としては、ビイミダゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾイン系、アセトフェノン系、キサントン系、トリアジン系、アントラキノン系、ベンジル系、ジアゾ系、α−ジケトン系、オキシムエステル系など、好ましくはビイミダゾール系、ベンゾフェノン系、アセトフェノン系、キサントン系、およびオキシムエステル系が挙げられる。なお、上記の光重合開始剤は、必要に応じて公知の増感剤、硬化促進剤などを併用することができる。
上記の光重合開始剤の具体例としては、例えば、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキスフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールなどのビイミダゾール系光重合開始剤;ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系光重合開始剤;ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンなどのアセトフェノン系光重合開始剤;キサントン、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンなどのキサントン系光重合開始剤;エタノン、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−アセチルオキシム)などのオキシムエステル系などが挙げられる。
本発明の着色レジストは、前記の顔料分散液と、前記の感光性組成物と顔料分散液の調製時に使用した有機溶媒および本発明の目的を妨げない範囲において必要に応じて添加剤を配合して、公知の混合機、分散機により混合分散することにより得られ、好ましくは濾過して調製される。上記の混合分散は、例えば、ビーズミル、ボールミル、ディゾルバー、ニーダー、2本ロール、3本ロール、高圧分散機、超音波分散機など、好ましくは混合分散の工程での金属の混入を極力避けるため高圧分散機を使用して行われる。なお、上記の配合される添加剤、および有機溶媒は、感光性組成物を調製する際に一部または全部を混合して調製することができる。
上記の添加剤としては、着色レジストの塗膜の塗れ性を向上させるためにノニオン系、カチオン系、アニオン系、フッ素系などの各種界面活性剤、またガラス基板などへの密着性を向上させるためにアクリル系、エポキシ系、アミン系、ビニル系、メルカプト系、ウレイド系などのシランカップリング剤、その他、消泡剤、はじき防止剤、凝集防止剤紫外線吸収剤などが挙げられる。
上記の本発明の着色レジストは、その電圧保持率が90%以上であるのが好ましい。上記の電圧保持率が、上記範囲内であると、得られるカラーフィルターの液晶に対する電気信頼性が高く、液晶表示不良が生じない。一方、上記の電圧保持率が、低過ぎると、着色レジストより形成された画素を有するカラーフィルターによる、液晶セルに印加される電圧を安定して一定に保持する電気特性が阻害され、液晶の表示不良を誘引する。
上記の本発明における電圧保持率は、下記の測定方法により測定した値である。VHR(電圧保持率)測定用液晶セル(後記の液晶セル作製に示す)を作製し、該セルを105℃のオーブン中に2.5時間放置し、放置後、室温に戻し、電圧保持率測定システム((株)東洋テクニカ製、VHR−1A型)を用いて、ITO電極間距離:5μm、印加電圧パルス振幅:5V、印加電圧パルス周波数:60Hz、印加電圧パルス幅:16.67msecの条件下で測定した値である。
次に、前記のように調製された本発明の着色レジストを使用して、硬化着色画素層を形成するカラーフィルターの製造方法について説明する。上記のカラーフィルターの製造方法は、例えば、まず赤色の着色レジストを用いて、遮光層がパターン(ブラックマトリックス)形成されたカラーフィルター用の基板、例えば、ガラス、その他、シリコーン、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族ポリアミド、ポリイミドなどの基板に、回転塗布、スリットノズルコート、流延塗布、浸漬塗布、ロール塗布などの公知の方法により塗布し、加熱乾燥して1〜3μm(乾燥厚み)の塗膜を形成する。次に、得られた塗膜に所望の画素を形成するためのネガ型のフォトマスクを介して露光ギャップ150μm、高圧水銀灯あるいは超高圧水銀灯(60mJ/cm2〜100mJ/cm2)などにより紫外線などの活性エネルギー線を照射して露光する。露光後、光硬化した塗膜を無機あるいは有機のアルカリ化合物を含有するアルカリ水溶液からなるアルカリ現像液を使用してスプレイ法や浸漬法にて現像および水洗し、未露光部を溶解して所望の画素を得ることができる。必要に応じて、現像後、150℃〜250℃で15分間〜60分間程度後、硬化処理することができる。
上記の画素を得る工程を、カラーフィルターに必要とされる色の数だけ繰り返すことによって所望のカラーフィルターが得られる。例えば、さらに、緑、青の各々の着色レジストを用いて、順次、上記の工程と同様にして、各レジストを塗布、乾燥、現像、硬化処理を行い、各色の画素を基板上に順次形成することによりカラーフィルターが得られる。
前記の現像に使用されるアルカリ現像液は、無機あるいは有機のアルカリ化合物と、必要に応じて、界面活性剤を含有するアルカリ水溶液である。上記の無機化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、燐酸水素ナトリウム、燐酸水素アンモニウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、硼酸カリウムなどであり、また有機アルカリ化合物としては、モノメチルアミン、モノエチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネンなどが挙げられる。上記のアルカリ水溶液の濃度は、0.01〜10質量%である。なお、上記のアルカリ現像液は、無機アルカリ現像液中の金属塩の得られた画素への付着を避けるために、有機のアルカリ水溶液を使用するのが好ましい。
次に本発明の顔料分散液M1〜M3と比較例の顔料分散液N1〜N3を挙げ、また、それらを用いた本発明の着色レジストP1〜P3および比較例の着色レジストQ1〜Q3を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。なお、文中「部」または「%」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。なお、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜3](顔料分散液M1〜M3)
処理顔料u、顔料分散剤v、および有機溶媒wの各々の成分を表1に示すように配合し、ディゾルバーを用いて1時間予備混合した後、0.1mmのジルコニアビーズを用いてペイントシェーカーで6時間分散させ本発明の顔料分散液M1〜M3を調製した。
上記の各々の成分は、下記のとおりである。
(処理顔料u)
・処理顔料u1:C.I.ピグメントレッド254を、電気伝導度が1μS/cmの脱イオン水を用いて、前記の洗浄処理方法にて洗浄処理を行い、洗浄処理後の脱イオン水濾液の電気伝導度が20μS/cmで、該濾液中のNa原子含有量が0.7ppm、K原子含有量が0.3ppm、Mg原子含有量が0.3ppmである顔料。
・処理顔料u2:C.I.ピグメントグリーン36を、電気伝導度が1μS/cmの脱イオン水を用いて、前記の洗浄処理方法にて洗浄処理を行い、洗浄処理後の脱イオン水濾液の電気伝導度が3μS/cmで、該濾液中のNa原子、K原子、Mg原子の含有量が、いずれも0.1ppm以下である顔料。
・処理顔料u3:C.I.ピグメントブルー(15:6)を、電気伝導度が1μS/cmの脱イオン水を用いて、前記の洗浄処理方法にて洗浄処理を行い、洗浄処理後の脱イオン水濾液の電気伝導度が2μS/cmで、該濾液中のNa原子、K原子、Mg原子の含有量が、いずれも0.1ppm以下である顔料。
(顔料分散剤vおよび有機溶媒w)
(顔料分散剤v)
・ビックケミー社製、Disperbyk161
(有機溶媒w)
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
[比較例1〜3](顔料分散液N1〜N3)
顔料z、顔料分散剤v、および有機溶媒wの各々の成分を表1に示すように配合し、ディゾルバーを用いて1時間予備混合した後、0.1mmのジルコニアビーズを用いてペイントシェーカーで6時間分散させ顔料分散液N1〜N3を調製した。なお、顔料zは、下記のものを使用した。
(顔料z)
・z1:C.I.ピグメントレッド254を、電気伝導度が230μS/cmのイオン交換水を用いて、前記の洗浄処理方法にて洗浄処理を行い、洗浄処理後のイオン交換水濾液の電気伝導度が60μS/cmで、該濾液中のNa原子含有量が21.9ppm、K原子含有量が1.8ppm、Mg原子含有量が3.3ppmである顔料。
・z2:C.I.ピグメントグリーン36を、電気伝導度が230μS/cmのイオン交換水を用いて、前記の洗浄処理方法にて洗浄処理を行い、洗浄処理後のイオン交換水濾液の電気伝導度が80μS/cmで、該濾液中のNa原子含有量が52.1ppm、K原子含有量が3.5ppm、Mg原子含有量が3.7ppmである顔料。
・z3:C.I.ピグメントブルー(15:6)を、電気伝導度が230μS/cmのイオン交換水を用いて、前記の洗浄処理方法にて洗浄処理を行い、洗浄処理後のイオン交換水濾液の電気伝導度が50μS/cmで、該濾液中のNa原子含有量が16.7ppm、K原子含有量が1.2ppm、Mg原子含有量が2.8ppmである顔料。
Figure 2009007432
上記表中の数値は部数を表わす。
[実施例4〜6](着色レジストP1〜P3)
前記の顔料分散液M1〜M3を使用して、感光性組成物Xと顔料分散液調製時に使用した有機溶媒wを表2のように配合し、均一に混合分散して本発明の着色レジストP1〜P3を調製した。なお、上記感光性組成物Xに使用されるコポリマーa、モノマーb、光重合開始剤cは下記の通りである。
(コポリマーa)
上記のコポリマーaは、下記のように合成されたベンジルメタクリレート系共重合体であり、ベンジルメタクリレート/スチレン/メタアクリル酸の共重合体に、グリシジルメタクリレートを付加させた共重合体(モル組成比率(%)20/43/25/12)である。
[コポリマーaの合成]
ベンジルメタクリレート30gとスチレン38gとメタアクリル酸18gとt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂製、パーブチルo)10gとの混合液を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート150gを入れた重合槽中に、窒素気流下100℃で、3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに3時間加熱することにより、重量平均分子量8,000(ポリスチレン換算)の重合液体を得た。上記の重合液体に、グリシジルメタクリレート14gとトリエチルアミン0.2gとp−メトキシフェノール0.05gを添加し、110℃で10時間加熱することにより、主鎖のメタクリル酸のカルボン酸基とグリシジルメタクリレートのエポキシ基との反応を行い、固形分38%、酸価75mgKOH/g、重量平均分子量10,000(ポリスチレン換算)であるベンジルメタクリレート系共重合体を得た。反応中は、グリシジルメタクリレートの重合を防ぐために、反応溶液内に空気をバブリングさせた。
(モノマーbおよび光重合開始剤c)
・モノマーb:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
・光重合開始剤c
c1:チバスペシャリティーケミカルズ社製、IRGACURE 369
c2:チバスペシャリティーケミカルズ社製、IRGACURE 907
[比較例4〜6](着色レジストQ1〜Q3)
前記の顔料分散液N1〜N3を使用して、感光性組成物aを表2のように配合し、実施例と同様にして着色レジストQ1〜Q3を調製した。
Figure 2009007432
上記表中の数値は部数を表わす。
前記の実施例および比較例で得られた各々の着色レジストを用いて、下記の通りに画素基板と、該画素基板を用いた液晶セルを作製し、該液晶セルを用いて着色レジストの電圧保持率を測定した。評価結果を表3に示す。
(画素基板作製)
厚み0.7mmで100mm×100mmのカラーフィルター用ガラス基板の表面にITO(酸化インジウムスズ)電極を設けた1組のITO基板AおよびBを用意し、一方のITO基板AのITO基板表面に前記の着色レジストをスピンコーターで塗布し、80℃のホットプレート上で3分間プリベイクを行って塗膜を形成した。次に、上記の塗膜が形成されたITO基板を室温まで冷却し、冷却後、超高圧水銀ランプを用いてフォトマスクを介して、塗膜に365nm、405nm、および436nmの各波長を含む紫外線を100mJ/cm2の露光機で照射した。照射後、上記基板を25℃の0.05%水酸化カリウム水溶液を用いて1分間、スピン現像機で現像した後、純水で1分間洗浄し乾燥した。乾燥後、上記基板を230℃のオーブン内で30分間ポストベイクを行い、基板上に画素パターンが配列された画素アレイを作製した。得られた画素の最終膜厚は1.9μmであった。
(液晶セルの作製)
また、前記のITO基板Bを用意し、該基板の外周上に、ディスペンサーを使用し、直径5μmのシリカビーズを含有するエポキシ樹脂系シール剤を塗布した後、前記の画素アレイが形成されたITO基板Aの画素面を、外縁部が3mmずれる様に対向配置し、圧着したままオーブン内で180℃、2時間加熱した。上記の圧着された基板間に形成された空セルに液晶(メルクジャパン社製、MLC−6846−000)を注入し、UV硬化型シール剤によって周辺部を封止し、電圧保持率測定用の液晶セルを作製した。なお、上記の液晶は、下記の電圧保持率測定条件下でその電圧保持率が98%以上である。
(電圧保持率)
上記で得られた液晶セルを用いて、該液晶セルを熱風循環炉内で105℃、2.5時間加熱し、加熱後、室温に戻し、上記の液晶セルを、ITO電極間距離:5μm、印加電圧パルス振幅:5V、印加電圧パルス周波数:60Hz、印加電圧パルス幅:16.67msecの条件下で、ITO基板AとBにパルス電圧を印加して電圧保持率測定システム((株)東陽テクニカ製、VHR−1A型)を用いて電圧保持率を測定した。なお、上記の電圧保持率の測定値において、その値が90%以上の場合、液晶の表示安定性が極めて優れており、また、その値が80%以上、90%未満の場合、液晶の表示安定性がやや劣るが実用範囲であり、また、その値が80%未満の場合、液晶の配向状態が異常変化して液晶の表示不良が発生するという状態の評価となる。
Figure 2009007432
上記の評価結果から、脱イオン水により洗浄した特定の処理顔料を使用した本発明の顔料分散液は、従来の洗浄工程を経て製造された顔料を使用した顔料分散液に比べて、電圧保持率に優れた着色レジストを与えることが実証されている。
本発明の顔料分散液は、感光性組成物と配合することにより、電圧保持率に優れた着色レジストが得られることから、液晶表示安定性が極めて優れた液晶表示装置のカラーフィルターを製造するための着色レジスト用の顔料分散液として有効に使用することができる。

Claims (6)

  1. 少なくとも顔料と顔料分散剤とを有機溶媒に分散してなり、該顔料が電気伝導度が0.05μS/cm〜5.00μS/cmである脱イオン水で洗浄処理してなり、洗浄処理後における、該顔料の脱イオン水濾液の電気伝導度が、20μS/cm以下であり、上記脱イオン水濾液中のNa原子、K原子、およびMg原子の各々の含有量が0.7ppm以下であることを特徴とする顔料分散液。
  2. 前記顔料が、前記洗浄処理後における、該顔料の脱イオン水濾液中のNa原子、K原子、およびMg原子の各々が0.1ppm以下である請求項1に記載の顔料分散液。
  3. 前記顔料が、前記洗浄処理後における、該顔料の脱イオン水濾液の電気伝導度が、0.05μS/cm〜5.00μS/cmである請求項1に記載の顔料分散液。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の顔料分散液と、少なくとも、不飽和カルボン酸と、エチレン性不飽和2重結合を少なくとも1つ含有するオリゴマーおよび/またはモノマーとを共重合して得た光重合性コポリマーと、光重合開始剤とからなる感光性組成物とを含有することを特徴とするアルカリ可溶型感光性着色組成物。
  5. 電圧保持率が90%以上である請求項4に記載のアルカリ可溶型感光性着色組成物。
  6. 請求項4または5に記載のアルカリ可溶型感光性着色組成物を使用して硬化着色画素層を形成することを特徴とするカラーフィルターの製造方法。
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