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JP2008537680A - 安定性の増大された改変型凝固第viii因子およびその誘導体 - Google Patents

安定性の増大された改変型凝固第viii因子およびその誘導体 Download PDF

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Abstract

本発明は、凝固因子特に改善された安定性を有するヒト第VIII因子およびそれらの誘導体をコードする改変型塩基配列、該塩基配列を含む組換え発現ベクター、該組換え発現ベクターで形質転換された宿主細胞、その非改変野生型タンパク質の生物学的活性は有しながら改善された安定性を有する組換えポリペプチドおよび誘導体、ならびに、該組換えタンパク質およびそれらの誘導体を製造するための方法に関する。本発明はまた、ヒト遺伝子治療で用いるための運搬ベクターも包含し、これには改変型DNA配列を含む。

Description

本発明は、凝固因子特に改善された安定性を有するヒト第VIII因子およびそれらの誘導体をコードする改変型塩基配列、該核酸配列を含む組換え発現ベクター、該組換え発現ベクターで形質転換された宿主細胞、その非改変野生型タンパク質の生物学的活性は有しながら改善された安定性を有する組換えポリペプチドおよび誘導体、ならびに、該組換えタンパク質およびそれらの誘導体を製造するための方法に関する。本発明はまた、ヒト遺伝子治療で用いるための運搬ベクターにも関し、これには改変された核酸配列を含む。
古典的な血友病またはA型血友病は遺伝性の出血性障害である。これは血液凝固第VIII因子のX染色体関連性欠損に起因し、そして10,000人につき1から2人の罹患率で、ほとんど専ら男性のみが罹患する。このX染色体の欠損は、自身は血友病ではない女性の保因者により伝達される。A型血友病の臨床的症候は増加する出血傾向である。第VIII因子濃縮剤による治療が導入される前には、重篤な血友病の患者の平均的な寿命は20歳未満であった。血漿由来の第VIII因子の濃縮剤の使用は、血友病患者の状況を相対的に改善し、平均寿命を大きく増加させ、彼らのほとんどにおおよそ正常な寿命まで生きる可能性を与えている。しかしながら、血漿由来濃縮剤およびそれらの使用にはある種の問題が存在してきており、その中で最も深刻なものはウイルス感染である。現在まで、AIDS、B型肝炎、および非A非B型肝炎を起こすウイルスがこの集団に深刻な影響をあたえてきた。それ以来、異なったウイルス不活性化法および新たな高度精製第VIII因子濃縮剤が最近になって開発されてきており、これにより血漿由来の第VIII因子に関しても非常に高い安全基準が確立された。
第VIII因子のcDNAのクローニング(Wood, W.I.ら、(1984) Nature 312, 330-336;Vehar, G.A.ら、(1984) Nature 312, 337-342)は第VIII因子を遺伝子組換え方法により発現させることを可能にし、それにより様々な組換え第VIII因子製品の開発を導き、これら製品は1992年から2003年の間に監督機関によって承認された。第VIII因子ポリペプチド鎖のアミノ酸Arg-740とGlu-1649との間に位置する中央部のBドメインは、完全な生物学的活性には必要ではないように見えるという事実もまた、Bドメイン欠損第VIII因子の開発を導いてきた。
成熟第VIII因子分子は2332個のアミノ酸から成り、3つの相同的なAドメイン、2つの相同的なCドメインおよび1つのBドメインへと分類ができ、これらはA1-A2-B-A3-C1-C2の順序で並んでいる。成熟ヒト第VIII因子の完全長のアミノ酸配列は、配列番号2に示されている。血漿への分泌の間に、第VIII因子は、細胞内で単鎖の第VIII因子がB-A3境界とBドメイン内の異なった部位で分解されて、一連の金属イオンに結合したヘテロ二量体へとプロセシングされる。このプロセシングは、A1、A2およびBドメインの90kDaから200kDaまでの範囲の分子量を有する様々な部分から成る重鎖をもたらす。この重鎖は金属イオンを介して、A3、C1およびC2ドメインから成る軽鎖に結合する(Saenkoら、2002)。血漿中でこのヘテロ二量体第VIII因子は高い親和性でフォン・ウイルブランド因子に結合し、これにより成熟前の異化作用から保護される。VWFに結合した非活性化第VIII因子の半減期は血漿中で約12時間である。
血液凝固過程の間に、第VIII因子は、重鎖中のアミノ酸Arg372およびArg740ならびに軽鎖のArg1689においてFXaおよびトロンビンによる蛋白分解を経て活性化され、フォン・ウイルブランド因子を遊離し、そして、活性型第VIII因子ヘテロ三量体を生成するが、これはCa2+が存在していれば、リン脂質表面上でFIXaおよびFXとテナーゼ複合体(tenase com
plex)を形成する。このヘテロ三量体は、A1ドメイン50kDa断片、A2ドメイン43kDa断片および軽鎖(A3-C1-C2)73kDa断片から成っている。したがって、第VIII因子の活性型(第VIIIa因子)は、トロンビンで分解されたA3-C1-C2軽鎖に二価金属イオン結合を介して連結したA1サブユニット、ならびにA1およびA3ドメインと比較的緩やかに会合した遊離のA2サブユニットから成っている。
過剰で播種性の凝固を避けるために、第VIIIa因子は活性化後、すみやかに不活化されなければならない。活性型プロテインC(APC)を介したArg336およびArg562での分解による、第VIIIa因子の不活化は、律速段階であるとは考えられていない。むしろ、非共有結合的に連結しているA2サブユニットのヘテロ三量体からの分離が、トロンビン活性化の後の第VIIIa因子の失活化における律速段階と考えられている(Fay, P.J.ら、 J. Biol. Chem. 266: 8957 (1991); Fay PJおよびSmudzin TM, J. Biol. Chem. 267: 13246-50 (1992))。これは急速な過程であって、血漿中での第VIIIa因子の、わずか2.1分という短い半減期を説明する(Saenkoら、Vox Sang. 83: 89-96 (2002))。したがって、A2ドメインのA1/A3-C1-C2ヘテロ二量体への親和性の増加は第VIIIa因子の半減期を延長させ、そして止血活性が増加した第VIII因子が得られるだろう。
予防的処置を受けている重篤なA型血友病の患者において、第VIII因子は、その約12時間という短い血漿半減期のために、週毎に約三回i.v.投与されなければならない。各i.v.投与は、わずらわしく、疼痛を伴い、そして、特にこれがほとんどの場合、家庭での処置において、A型血友病と診断された患者自身により、または子供の両親により行われるために、感染の危険性も伴う。
したがって、より少ない頻度で投与される、第VIII因子を含有する医薬組成物の製造を可能にする、機能的半減期が増加した第VIII因子を作成することが強く望まれるだろう。
非活性化第VIII因子の半減期を延長するために、細胞受容体との相互作用を減少させることによる(WO 03/093313A2, WO 02/060951A2)か、重合体を第VIII因子に共有結合させることによる(WO 94/15625, WO 97/11957およびUS 4970300)か、または第VIII因子をカプセル化することによる(WO 99/55306)、いくつかの試みが為されてきた。
WO97/03193では、新規な金属結合部位の導入で第VIII因子、特にPhe652、Tyr1786、Lys1818、Asp1840および/またはAsn1864のいずれかをHisまたはMetで置換した突然変異体を安定化できると予測された。しかしながら、そうした改変によってもたらされる、安定化を意味する成功というものをどのように決めるかという理論的根拠も、または、何故に提案されたアミノ酸が選ばれたかという理論的根拠も示されていない。
A2ドメインをA3ドメインに共有結合させることによる、およびAPC分解部位に変異を導入することによる、他の試みが、不活化に抵抗性の第VIIIa因子を作成するためになされてきた(PipeおよびKaufman, PNAS, (1997) 94:11851-11856; WO97/40145ならびにWO03/087355)。この遺伝子構築体はWO02/072023A2にも記載されたように、トランスジェニック動物を作成するためにも使用された。この変異体は、そのトロンビン活性化の4時間後に最大活性の38%をまだ示していた。しかしながら、この変異体は、A2とA3ドメインとの融合によりVWF結合ドメインが除去されこのドメインが欠失していた。VWF結合はインビボで第VIII因子の半減期を大きく延長するために、IR8不活性型の半減期が折衷したものになることが予測される。この発明者自身がこれを認めており、そしてこの改変型FVIIIの組成物に抗体を加えてこの問題を克服することを試みている。
Galeら (Protein Science (2002), 11:2091-2101) は、A3ドメインをA2ドメインに共有結合させることによるFVの安定化を発表した。彼らは、構造予測から、1つはA2ドメインおよび他はA3ドメインに位置する2つの隣接するアミノ酸を同定し、そしてこれら2つのアミノ酸をシスティン残基で置換し、これにより小胞体に移行する間にジスルフィド架橋を生成した。これと同じ取り組みが、第VIII因子のA2とA3ドメインを、ジスルフィド架橋を介して共有結合させるために用いられた(WO02/103024A2)。そうした共有結合した第VIII因子変異体は、活性化後40分間その初期最大活性の約90%を保持しており、一方野生型第VIII因子の活性はその初期最大活性の10%まで低下していた。この第VIII因子変異体は、さらに3時間、さらなる活性低下がなくその90%の活性を保持していた(Gale等, J. Thromb. Haemost. (2003), 1:1966-1971)。これらのFVIII変異体がまた、インビボでのトロンビン活性化の後でも安定化どうか、および、最近になって構成的に高いレベルの第VIII因子が血栓塞栓症の危険因子を構成するかも知れないことが示され(Kyrle 2003, Hamostasiologie 1:p.41-57)、これが血栓形成性とはならないかどうかはいまだに不明である。
それゆえに、有利な性質を示す改変型血液凝固因子を開発する引き続いての必要性が存在している。
以前には、Arg372でのトロンビンが仲介する分解がFVIII活性化には必須であると考えられており、このことは例えばArg372をIleで置換した場合の、不活性FVIII変異体の生成により支持されていた(Pittman (1988), PNAS 85:2429-2433)。驚くべきことに、本発明において、FVIIIのA1およびA2ドメインの間でのトロンビン分解を阻止しそれによりトロンビン活性化後もA2ドメインをA1ドメインに共有結合させたままにするという特徴を有する突然変異を導入することによって、トロンビン活性化後も生物学的に活性な安定化FVIII変異体が得られることが見出された。
それゆえに、第1の態様において、本発明はFVIIIのA1とA2ドメインの間でのトロンビン分解を阻止する改変によって特徴付けられる、改変型FVIII変異体に関する。それにより、A2ドメインはトロンビン活性化後もA1ドメインに共有結合したままであり、そしてFVIII変異体は機能的に活性なままであり、そしてトロンビンによるFVIIIaへの活性化の後も機能的な半減期の延長を示す。本発明のFVIII変異体はR372に不活化されたトロンビン分解部位を有し、それは非限定的な例として、R372からA372への突然変異により達成される。ペプチドリンカー配列をA1とA2ドメインとの間に導入でき、これは柔軟性があって免疫原性を有してはならない(Robinsonら;PNAS (1998), Vol 95, p5929)。本発明の好ましい実施態様では、このペプチドリンカーは、Val374(配列番号2)をGlyにより該GlyのN−末端側の前方で、アミノ酸配列GlyGlySer もしくはGlyGlySerSerまたはそれらの任意の組合せの多量体により置換され、特に好ましい実施態様ではこのペプチドリンカーは80から120のアミノ酸、さらにより好ましくは90から110のアミノ酸のペプチドリンカー、最も好ましくは99個のアミノ酸のペプチドリンカーから成る。
あらゆる脊椎動物由来のFVIIIを本発明に基づいて安定化できる。最も関心があるのはヒトおよびブタ改変型FVIII変異体である。異なった種からのキメラ型FVIII変異体、例えば、ヒト/ブタ(US 05364771)またはヒト/げっ歯類キメラもまた本発明の一つの態様である。
FVとFVIIIとのキメラ分子もまた本発明の他の態様である(Marquetteら 1995, JBC, 270:10297-10303;Oertelら 1996, Thromb. Haemost. 75:36-44)。
FVIII変異体は野生型FVIII、またはBドメインが部分的もしくは完全に除去されており
、そして場合によってリンカーで置換されているFVIII変異体に基づくことができる。
「血液凝固第VIII因子」、「第VIII因子」および「FVIII」という用語は、相互に変換可能に本願中で使用される。「血液凝固第VIII因子」には野生型血液凝固第VIII因子の凝固促進活性(procoagulant activity)を有する野生型血液凝固第VIII因子の誘導体を包含する。誘導体は、野生型第VIII因子のアミノ酸配列と比較して、除去、挿入および/または付加を有して良い。非限定的な例として、第VIII因子分子には完全長の組換え第VIII因子、Bドメイン除去型第VIII因子(Pittman 1993, Blood 81:2925-2935)、APC分解を阻止または減少させる第VIII因子変異体(Amano 1998, Thromb. Haemost. 79:557-563)、A2ドメインを更に安定化したFVIII変異体(WO97/40145)、発現が増加したFVIII変異体(Swaroopら 1997, JBC 272:24121-24124)、その免疫原性を減少させた第VIII因子変異体(Lollar 1999 Thromb. Haemost. 82:505-508)、異なって発現させた重鎖および軽鎖から再構成されたFVIII(Ohら 1999, Exp. Mol. Med. 31:95-100)、受容体への結合を減少させたFVIII様のHSPG(ヘパラン硫酸プロテオグリカン)および/またはLPR(低密度リポプロテイン受容体関連タンパク質)の異化を導くFVIII変異体(Ananyeva等、2001, TCM, 11:251-257)が挙げられる。第VIII因子の凝固促進活性の測定のための適切な試験は、1段階または2段階凝固アッセイ法である(Rizza等、「Coagulation assay of FVIIIc and FIXa」、Bloom編集「The Hemophilias」、ニューヨーク・チャーチル・リビングストン、1992年)。
ヒト血液凝固第VIII因子の成熟野生型のcDNA配列およびアミノ酸配列は、それぞれ配列番号1および配列番号2で示されている。特定の配列のアミノ酸位置への参照は、配列中で参照される他の位置における、突然変異、例えば除去、挿入および/または置換の存在を除外しない。例えば、配列番号2で参照した「Glu2004」での突然変異は、改変型相同体における配列番号2の1から2003までの位置の1またはそれ以上のアミノ酸が欠失しているものを除外しない。
本発明の改変型FVIII相同体は、非改変型および/または野生型FVIIIと比較して、トロンビン活性化後の機能的半減期の延長を示す。機能的半減期は、US2003/0125232の図5に示されたように、またはSandberg(Thromb. Haemost. 2001;85(1):93-100)および Gale(Galeら、J. Thromb. Haemost., 2003, 1:p.1966-1971)により公開されたように、インビトロで決定することができ、基本的にはトロンビン活性化後のFVIII活性の速度論的解析を行うことから成っている。インビボでは、A型血友病の動物モデル、例えばFVIIIノックアウトマウスにおける改変型FVIIIの機能的半減期の延長を調べることができ、これらの動物では安定化FVIIIのより長く持続する止血効果、または野生型FVIIIと比べて同一濃度でより高い止血効果が期待できる。止血効果は、例えば尻尾を傷つけた後の出血が停止するまでの時間を測定して調べることができるだろう。
本発明の改変型FVIII変異体は、インビトロで測定したときに、トロンビンによる活性化の40分後に、それらの初期最大活性の25%より大きい、または好ましくは50%より大きい、またはなおより好ましくは75%より大きい活性を保持している。
機能的半減期は通常、非改変型および/または改変型FVIII変異体の野生型と比較して、少なくとも50%、好ましくは少なくとも100%、より好ましくは少なくとも200%、なおより好ましくは少なくとも500%増加している。
ヒト第VIIIa因子の野生型の機能的半減期は2.1分である。本発明の改変型FVIII変異体分子の機能的半減期は通常は少なくとも約3.15分、好ましくは少なくとも約4.2分、より好ましくは少なくとも約6.3分、最も好ましくは少なくとも約12.6分である。
本発明はさらに、本願中に記載されているように、改変型ヒトFVIII変異体をコードするポリヌクレオチドに関する。「ポリヌクレオチド」の用語は通常、あらゆるポリリボヌクレオチドまたはポリデオキシリボヌクレオチドを意味し、非改変型RNAもしくはDNAまたは改変型RNAまたはDNAであり得る。ポリヌクレオチドは、単鎖または二本鎖DNA、単鎖または二本鎖RNAであって良い。本願で用いられる「ポリヌクレオチド」の用語はまた、1またはそれ以上の修飾型塩基および/または異常塩基、例えばイノシンを含むDNAまたはRNAを包含する。当業者に知られた多くの有用な目的に供する様々な改変をDNAおよびRNAに行うことができることが理解されるだろう。本願で用いられる「ポリヌクレオチド」の用語は、化学的、酵素的または代謝的に修飾したポリヌクレオチド、ならびにウイルスおよび細胞、例えば単独および複合細胞、に特徴的なDNAとRNAの化学的形態を包含する。
当業者は、遺伝コードの縮重性により、所与のポリペプチドが異なったポリヌクレオチドによりコードできることを理解するだろう。これらの「変異体」は本願に包含される。
本願で使用される「第VIII因子」は、非活性型(第VIII因子)から成る生成物を意味する。上記の定義中の「第VIII因子」には、天然のヒト第VIII因子のアミノ酸配列を有するタンパク質が包含される。また、少しだけ修飾したアミノ酸配列、例えば、N末端アミノ酸の欠失または付加を含む修飾されたN末端を有するタンパク質も、これらのタンパク質が実質的に第VIIIa因子の活性を保持している限り、包含される。上記の定義の「第VIII因子」はまた、個々の人と他の人との間で存在するか生じる可能性のある、天然の対立遺伝子変異体もさらに包含される。上記の定義の「第VIII因子」は、さらにFVIIIの変異体を包含する。そうした変異体は野生型の配列と比べて1またはそれ以上のアミノ酸残基が異なっている。そうした差異の例には、N−および/またはC−末端の1またはそれ以上のアミノ酸残基(例えば1〜10個のアミノ酸残基)の短縮化、またはN−および/またはC−末端への1またはそれ以上の残基の付加、例えばN末端でのメチオニン残基の付加、ならびに保存的アミノ酸置換、すなわち類似の性質、例えば(1)小さいアミノ酸、(2)酸性アミノ酸、(3)極性アミノ酸、(4)塩基性アミノ酸、(5)疎水性アミノ酸、(6)芳香族性アミノ酸、および(7)極性アミノ酸、を有するアミノ酸の群の中で行われる置換が含まれる。そうした保存的置換の例を以下の表に示す。
Figure 2008537680
好ましくは、本発明のポリヌクレオチドは単離されたポリヌクレオチドである。「単離された」ポリヌクレオチドの用語は、他の核酸配列、例えばそれには限定されないが他の染色体および染色体外のDNAおよびRNAを実質的に含まないポリヌクレオチドを意味する。単離されたポリヌクレオチドは、宿主細胞から精製できる。当業者に知られた慣用の核酸の精製方法を、単離されたポリヌクレオチドを得るために使用できるだろう。この用語はまた組換えポリヌクレオチドおよび化学的に合成したポリヌクレオチドを包含する。
本発明のさらに他の局面は、本発明のポリヌクレオチドを含むプラスミドまたはベクターである。好ましくは、このプラスミドまたはベクターは発現ベクターである。特定の実施態様では、ベクターはヒト遺伝子治療で使用される運搬ベクター(transfer vector)である。
本発明のさらに他の局面は、本発明のポリヌクレオチドまたは本発明のプラスミドもしくはベクターを含む宿主細胞である。
本発明の宿主細胞は、本発明の一部である改変型FVIII変異体の製造方法において使用できる。この方法には以下の工程が含まれる:
(a)本発明の宿主細胞を、改変型FVIII変異体を発現させる条件下で培養する工程;
および
(b)場合により、改変型FVIII変異体を宿主細胞または培地から回収する工程。
グリコシル化または他の翻訳後修飾の程度および位置は、選択される宿主細胞および宿主細胞の環境の性質の如何によって異なりうる。特定のアミノ酸配列を言及した場合、そうした配列の翻訳後修飾も本願に包含される。
本発明の改変相同体を、≧80%の精製度、より好ましくは≧95%の精製度、および特に好ましくは、共雑している高分子、特に他のタンパク質および核酸に対して99.9%を超える精製度まで精製し、そして感染性およびパイロゲン因子を含まないことが好ましい。好ましくは、単離されまたは精製された本発明の修飾型相同体は実質的に他のポリペプチドを含まない。
本発明の様々な生成物が医薬として有用である。したがって、本発明は、本願で記載されたような改変型FVIII変異体、本発明のポリヌクレオチド、または本発明のプラスミドもしくはベクターを含む医薬組成物に関している。
本発明で記載された組換えタンパク質は、治療目的の医薬調製物へと製剤化できる。精製されたタンパク質は慣用の生理的に適合できる水性緩衝溶液に溶解でき、それには、場合によって、医薬用賦形剤を加えて医薬調製物を提供することができる。
そうした医薬用担体および賦形剤ならびに適切な医薬製剤は当業者には周知である(例えば、Frokjaer等による「Pharmaceutical Formulation Development of Peptides and Proteins」、テイラー&フランシス、2000年、またはKibbeらによる「Handbook of Pharmaceutical Excipients」、第3版、ファーマシュテカル・プレス、2000年を参照されたい)。特に、本発明のポリペプチド変異体を含む医薬組成物は、凍結乾燥型または安定な溶液形態で製剤化できる。ポリペプチドは、当業者に知られた様々な方法で凍結乾燥できる。凍結乾燥型製剤は使用前に、1またはそれ以上の製薬的に受容可能な希釈剤、例えば注射用無菌水または無菌生理食塩水を用いて、再構成できる。
組成物の製剤は、あらゆる医薬的に受容可能な投与方法を用いて個人へ送達できる。知られた様々な送達系が、あらゆる慣用の経路による組成物の投与のために用いることができる。好ましくは本発明の組成物は、全身的に投与される。全身性投与のためには、本発明のFVIII変異体は、非経口(例えば、静脈内、皮下、筋内、腹腔内、脳内、肺内、経鼻もしくは経皮)または経腸(例えば、経口、膣内もしくは直腸内)で慣用方法にしたがって送達するために製剤化される。最も好ましい投与経路は静脈内投与である。この製剤は、輸液により連続的に、またはボーラス注射により投与することができる。いくつかの製剤は遅延型放出系を包含する。
生物学的に活性な本発明の改変型FVIII変異体は、耐えられない有害な副作用を生じる用量に到達することなく、治療すべき症状または適応症の重篤さを防止または軽減し、または拡散する治療有効量で患者に投与される。正確な用量は、多くの要因、例えば適応症、製剤、投与様式に依存しており、そして各それぞれの適応症に関して前臨床および臨床試験において決められなければならない。
本発明の医薬組成物は単独でまたは他の治療剤と組み合わせて投与することができる。これらの薬剤は同一の医薬の部分として組み込むことができる。
本発明の他の態様は、本願に記載された改変型FVIII変異体、本発明のポリヌクレオチド、本発明のプラスミドもしくはベクター、または本発明の宿主細胞の、血液凝固障害の
治療または予防のための医薬の製造のための使用である。血液凝固障害には、それには限定されないが、A型血友病が含まれる。好ましくは、この治療にはヒトの遺伝子治療が含まれる。
本発明はまた、血友病A型のような血液凝固障害に罹患した個人を治療する方法に関する。この方法は、該個人に、本願で記載した改変型FVIII変異体の有効量を投与することを含む。他の実施態様において、この方法は、本発明のポリヌクレオチドまたは本発明のプラスミドもしくはベクターの有効量を個人に投与することを含む。また、この方法は、本願で記載した宿主細胞の有効量を個人に投与することを含んでも良い。
提案された変異体の発現
適切な宿主細胞における高レベルでの組換え変異体タンパク質の製造には、上記の改変cDNAを、当業者に知られた方法により各種の発現系において増殖可能な組換え発現ベクター中に、適切な制御要素と共に効率的な転写単位へ組み込むことが必要である。効率的な転写制御要素は、その天然宿主として動物細胞を有するウイルス、または動物細胞の染色体DNAから誘導することができる。好ましくは、プロモーター・エンハンサー複合体は、シミアンウイルス40、アデノウイルス、BKポリオーマウイルス、ヒトサイトメガロウイルス、またはラウス肉腫ウイルスのロング・ターミナル・リピート、または、βアクチンもしくはGRP78のような動物細胞で強力に構成的に転写される遺伝子を含むプロモーター・エンハンサー複合体を用いることができる。cDNAから転写された安定で高いレベルのmRNAを達成するために、転写単位には転写終結−ポリアデニル化配列をコードするDNA領域の3'−近位部分を含まなければならない。好ましくは、この配列は、シミアンウイルス40の早期転写領域、ウサギβグロビン遺伝子、またはヒト組織プラスミノゲン・アクチベーター遺伝子から由来する。
このcDNAは次に、第VIII因子タンパク質の発現のための適切な宿主細胞株のゲノム中に組み込まれる。好ましくは、この細胞株は、正確な、フォールデング、ジスルフィド結合形成、アスパラギン結合型グリコシル化および他の転写後修飾、ならびに、培養培地への分泌を確実にするために、脊椎動物起源の動物細胞株であるべきである。他の転写後修飾の例には、チロシンO−硫酸化、および元のポリペプチド鎖の蛋白分解性処理が挙げられる。使用できる細胞株の例には、サルCOS細胞、マウスL細胞、マウスC127細胞、ハムスターBHK−21細胞、ヒト胎児性腎293細胞、および好ましくはハムスターCHO細胞が挙げられる。
対応するcDNAをコードする組換え発現ベクターは、各種の異なった方法により、動物細胞株へと導入できる。例えば、組換え発現ベクターを、異なった動物ウイルスに基づいたベクターから作成することができる。これらの例には、バキュロウイルス、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、および好ましくはウシパピローマウイルスに基づくベクターが挙げられる。
対応するDNAをコードする転写単位はまた、動物細胞に、そのゲノムに組換えDNAを組み込んだ特定の細胞クローンの単離を促進するために、他のそれらの細胞で優性の選択的マーカーとして機能する組換え遺伝子と共に導入することもできる。このタイプの優性の選択マーカー遺伝子の例には、ゲネティシン(geneticin)(G418)への耐性を与えるTn5アミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ、ハイグロマイシンへの耐性を与えるハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ、ピューロマイシンへの耐性を与えるピューロマイシンアセチルトランスフェラーゼが挙げられる。そうした選択可能なマーカーをコードする組換え発現ベクターは、所望のタンパク質のcDNAをコードするものと同じベクター上に載っているか、または、同時に導入されそして宿主細胞のゲノムへと組み込まれる別途のベクター上にコードにコードされても良く、しばしば異なった転写単位の間で緊密な物理的連結をもたらす。
所望のタンパク質のcDNAと共に使用できる選択的マーカーの他のタイプは、ジハイドロフォレート・レダクターゼ(dhfr)に基づいている。このタイプの遺伝子を、内在性dhfr活性を欠く細胞、好ましくはCHO細胞(DUKX-B11, DG-44)に導入した後には、これらの細胞がヌクレオシドを欠く培地中で増殖することを可能にするだろう。そうした培地の例には、ヒポキサンチン、チミジン、およびグリシンを欠くハムのF12が挙げられる。これらのdhfr遺伝子は、第VIII因子cDNA転写単位と共に、上記のタイプのCHO細胞に、同じベクター上または異なったベクター上のいずれかで、導入でき、それにより組換えタンパク質を生産するdhfr陽性細胞株を作成する。
上記の細胞株が、細胞毒性のdhfrインヒビターであるメトトレキセートの存在下で増殖すれば、新しいメトトレキセートに耐性細胞株が出現するだろう。これらの細胞株は、dhfrと所望のタンパク質の転写単位に連結した増幅数により増加した割合で組換えタンパク質を生産できるだろう。増大するメトトレキセートの濃度(1−10000 nM)中でそれらの細胞株を増殖する場合、所望のタンパク質を非常に高い割合で生産する新規な細胞株が得られるだろう。
所望のタンパク質を生産する上記の細胞株は、大規模なスケールで、懸濁培養中または各種の固体支持体上で増殖できるだろう。これらの支持体の例には、デキストランもしくはコラーゲンマトリクスをベースとするマイクロキャリアー、またはホローファイバーもしくは各種のセラミック材料の形態の固形支持体が挙げられる。細胞懸濁培養中またはマイクロキャリアー上で増殖する場合、上記の細胞株は、バッチ培養として、または延長した時間の期間にわたって条件付培地の連続的生産を伴う還流培養として、培養できる。したがって、本発明により、上記の細胞株は、所望の組換え変異体タンパク質の生産のための工業的方法の開発に良く適している。
上記のタイプの分泌細胞の培地中に蓄積した、組換え変異体タンパク質は、細胞培養培地中の所望のタンパク質と他の物質との間の、サイズ、電荷、疎水性、溶解性、特異的親和性等の差異を利用する方法を含む各種の生化学的およびクロマトグラフィー方法により、濃縮しそして精製することができる。
そうした精製の例には、組換え変異体タンパク質の、固体支持体上に固定されたモノクローナル抗体への吸着が挙げられる。脱着後、タンパク質はさらに、上記の性質に基づいた各種のクロマトグラフィー技術により精製できる。
本発明で記載した組換えタンパク質は、治療目的のための医薬調製物へと製剤化できる。精製タンパク質は慣用の生理学的に適合する水性緩衝溶液に溶解することができ、場合によっては、医薬用賦形剤を加えて医薬調製物を作成することができる。
本発明の改変型ポリヌクレオチド(例えばDNA)はまた、ヒト遺伝子治療で使用するための運搬ベクター中に組み込むこともできる。
本願で記載された各種の実施態様は、互いに組み合わせることができる。本発明はさらに以下のそれらの実施例により詳細に記載されるだろう。この本発明の特定の実施態様の記載は、付属する図面と組み合わせて作られるだろう。
次に添付の図面について説明する。
図1a:FVIIIをコードする配列中のリンカー挿入部位のヌクレオチドおよびアミノ酸配列。
図1b:リンカーのアミノ酸配列。Gly374(下線)を指示したリンカー配列で置換した。
図2:一過性形質導入の後のCOS細胞培養上清中のFVIII抗原生産(パネルA)およびFVIII比活性(パネルB)の測定
COS細胞(ウエルあたり4×105 細胞)を、1μgのプラスミドDNAと共にプレインキュベーションした5μlのFuGENE 6(登録商標)(ロシュ・デアグノステクス、メラン、フランス)を用いて形質転換した。形質転換の2日後に、COS細胞を洗浄し、1%BSAを補ったイスコブの改良ダルベコ培地(IMDM)中に移した。この馴らし培地を6時間後に回収した。FVIII抗原をELISAキット(デアグノイステカ・スターゴ、アニエール、フランス)を用いて定量し、そしてFVIII活性を2つの方法:呈色方法(2段階凝固アッセイ法」、コアマテック(Coamatic)FVIII、クロモジェニックス、ミラノ、イタリア)または時間測定的分析方法(「1段階凝固アッセイ法」)で測定した。
図3:ヘパリン精製FVIII L99の免疫ブロット分析
ヘパリン精製FVIIIおよびレファクト(ReFacto)をヘペス20mM pH7.4, CaCl2 5mM, ツイーン20の0.01%で希釈し、最終濃度を2250 ng/mlとした。試料(50μl)を次にレムリ緩衝液(25μl)で希釈し、煮沸しそしてSDS-PAGEで分析した。レーンあたり各試料を20μl付した。FVIIIを2つのマウス抗体、抗軽鎖および抗重鎖抗体の混合物を用いて検出した。
図4:トロンビンによる活性化後のヘパリン精製FVIII WTおよびFVIII L99の免疫ブロット分析
ヘパリン精製FVIII WTおよびL99を、5mM CaCl2および2.5%グリセロール存在下でIMDM中に希釈した。各FVIIIを37℃で異なったインキュベーション時間の間にトロンビン(1U FVIII/1Uトロンビン)で活性化した。この反応をヒルジン(1U FVIII/2Uヒルジン)により停止させ、直ちにレムリ緩衝液で希釈しそして煮沸した。次にFVIIIの26ngに対応する試料を免疫ブロット分析に付し、そして抗軽鎖および抗重鎖抗体の混合物を用いて検出した。
図5:ヘパリン精製FVIII WTおよびFVIII L99のトロンビンによる活性化後のFVIIIa失活化速度論の比較
FXa産生は最終体積が150μl中のFVIII抗原の50ngを用いて37℃で実施した。FXa産生は、150mM NaCl、20mMヘペスpH7.4および5mM CaCL2、2μM PC/PS 75/25および0.5% BSAを含有する緩衝液中で行った。検出用混合液(revelation mix)には、93 nM FX、1nM FIXaおよび0.5 mMスペクトロザイムが含まれている。
図6:活性化FVIII L99のHuAPC失活化速度論の比較
FVIIIの50ngをこの試験に用いた。FVIII/APCの2つの比を用いた:比1/1(パネルA)または1/6(パネルB)。各比に関して、種々の濃度のプロテインSをアッセイした。表に各分子のために用いた比をまとめた。
〔実施例1〕
第VIII因子変異体の作成
FVIII cDNA 配列への突然変異の導入のための基礎になるものは、切断されたFIXイントロンを含むBドメイン除去FVIII配列であった(Plantier JL等、Thromb. Haemost. 86:596-603 (2001))。このFVIII配列を、pcDNA3.1からpKSII+(ストラタジーン)に、NotI/XhoI 断片を介して移し、プラスミドpKS-174を得た。位置372のトロンビン分解部位の除去は、標準的な方法(クイックチェンジXL部位特異的突然変異法キット、ストラタジーン)ならびにオリゴヌクレオチドWe1013およびWe1014(配列番号3および4)を用いた部位特異的突然変異法によりArg372をAlaに変換して達成した。GlySerリンカーをコードする配列の挿入用の制限酵素部位を導入するために、得られたプラスミドを、オリゴヌクレオチドWe1015およびWe1016(配列番号5および6)を用いた突然変異法のもう一つの過程に付して、Val374をGlyに変換し、それにより新たなNarI部位を作成した。得られたプラスミドはpKS-190と名づけられた。
各プラスミド中にリンカー共連鎖化(concatemerization)および挿入のための各種の制限酵素部位を与えるリンカーモジュールを、最初にpCR4Topo ベクター(インビトロゲン)にクローン化した。5つの重複するオリゴヌクレオチド対、We884/We1052(断片1;配列番号7および8)、We884/We1053(断片2;配列番号7および9)、We1051/We1052(断片3;配列番号10および8)、We1051/We1054(断片4;配列番号10および11)、およびWe890/We1052(断片5;配列番号12および8)、をそれぞれアニールし、伸長し、そしてPCRで増幅して5個のリンカー断片を作成した。この目的で、各オリゴヌクレオチド対の10ピコモルをPCR増幅し、その条件は、最初の変性が95℃で2分間、94℃で15秒の10熱サイクル、55℃で15秒そして72℃で15秒、次いで最終伸長に72℃で3分間であった。次いで各断片をpCR4Topoにクローン化した。続いて、このベクターからそれぞれの制限酵素で切断することにより、断片を切り出した。断片1はMspI/NarIにより、断片2はMspI/BamH1により、断片3はBglII/NarIにより、断片4はBglII/BspEIにより、そして断片5はBspEII/NarIにより切り出し、標準法(キアゲン)を用いたゲル精製法に付した。
FVIII配列中にリンカー断片を挿入するために、プラスミドpKS-190をNarIで直線化し、そしてリンカー断片およびそれらの組み合わせを挿入した。20merリンカーを挿入するために、断片1を用い、得られたプラスミドをpKS-249と名づけた。42merリンカーを挿入するために、断片2および3を組み合わせ、得られたプラスミドをpKS-250と名づけた。61merリンカーを挿入するために、断片2、4および5を組み合わせ、得られたプラスミドをpKS-251と名づけた。断片1の1および2コピーの挿入は、それぞれ、NarIで直線化したプラスミドpKS-251に行い、80merリンカーを含むプラスミドpKS-259および99merリンカーを含むプラスミドpKS-260を得た。断片1のプラスミドpKS-260のNarI部位への挿入により、118merリンカーを含むプラスミドpKS-279を得た。断片2および3のプラスミドpKS-260のNarI部位への挿入により、140merリンカーを含むプラスミドpKS-280を得た。そして、断片2、4および5のプラスミドpKS-260のNarI部位への挿入により、159merリンカーを含むプラスミドpKS-281を得た。
挿入したリンカーの配列を確認した後、種々の長さのリンカーを含むFVIII配列を、発現ベクターpcDNA3.1に、そのNotI/XhoI部位を介して移し戻した。表1にpKSII+およびpcDNA3.1中のリンカーの長さとプラスミド数をまとめている。図1はFVIIIコンテクスト(context)中での各種リンカーのアミノ酸配列を図示している。
Figure 2008537680
〔実施例2〕
第VIII因子変異体の発現
FVIII変異体クローンの形質転換および第VIII因子変異体分子の発現は、以前に記載されそして当業者に知られたように行った(例えば、Plantier JL等、Thromb. Haemost. 86:596-603 (2001))。
COS細胞の形質転換の後、全てのFVIII変異体は、FVIII WTと比べて同じ程度かまたはより高い量で生産され、そして培地中に分泌された(図2、パネルA)。L0を発現するCOS
細胞の上清からはFVIII活性は検出されず、このことはR372A突然変異が重篤なA型血友病をもたらしていることから、予測された結果である。コアマテック(Coamatic)FVIIIアッセイ法(「2段階凝固アッセイ法」)を用いた場合、変異体のFVIII活性はFVIII WTで得られた活性と比べて低かった。しかしながら、この活性はリンカーの長さにより規則的に増加した。最大の比活性はFVIII L99変異体で得られ(対照の約13%)そしてより長いリンカーを有する変異体では増加しなかった。呈色アッセイ法(「1段階凝固アッセイ法」)を用いた場合、FVIII活性はリンカーの長さと共に増加した。しかしながら、比活性は、2段階凝固アッセイ法で得られた値よりずっと高いレベルに達し、対照活性の37%まで至った。この第二の技法を用いた場合、同様に、最大比活性はFVIII L99で得られた(図2、パネルB)。
まとめれば、FVIII L99はCOS細胞中で効率よく生産され、そして全てのリンカー変異体の中で最高の比活性を示した。したがって、この分子をさらに特徴付けるために、FVIII L99構築体でCHO細胞を安定して形質転換した。
〔実施例3〕
FVIII L99の機能解析
ヘパリンクロマトグラフィー
FVIII L99を、ローラーボトルを用いて生産し、次に、ヘパリンクロマトグラフィーを用いて精製した。粗精製FVIII L99のFVIII活性を、コアマテックFVIIIまたは「1段階凝固アッセイ法」を用いて定量した。COS上清で見られた1段階および2段階凝固アッセイ法の間の差異がまたCHO細胞でも見られた。粗精製FVIII WT(100%)と比較して、コアマテックFVIIIで測定した比活性は低く(対照の7%;3回の精製で)、一方「1段階凝固アッセイ法」で得られた比活性は、FVIII WTより高かった(対照(FVIII WT)の195%;3回の精製で)。
粗精製タンパク質はさらにウエスタンブロット法を用いて調べた。このタンパク質の検出は、2つの抗体:抗軽鎖(aLC)および抗重鎖(aHC)抗体を用いたECLシステム(アマーシャム・バイオサイエンス、オルセー、フランス)により実現できた。抗HC抗体は特異的にA1鎖を検出した(図3)。
これらの還元条件下で、L4およびレファクトFVIIIは似た泳動プロファイルを有している。L99は、対照のFVIII LCと似た分子量のLCを有する。しかしながら、そのHCの泳動は、その分子量を増加させるリンカーの存在によって、対照とは異なっていた。59kDaの補足のバンドが全ての試験試料中で検出された。
〔実施例4〕
トロンビン活性化
ヘパリン精製FVIIIをその後トロンビンで活性化した。この反応は、イスコブの修正ダルベコ培地(IMDM)中で、CaCl2 (5mM) およびグリセロール (2.5%) の存在下で行った。
各FVIIIアリコット(各時点で98ng)を、トロンビンの0.49Uで、異なったインキュベーション時間の間に活性化した。この反応はヒルジン(0.98U)を用いて停止させ、次に即座にレムリ緩衝液で希釈した。この試料を免疫ブロット法に付した。
FVIII WTのA1鎖はトロンビンとの30秒間のインキュベーション時間の後で明瞭に検出され、HCの予想された分解が確かめられた。LCに対応するシグナルはトロンビン活性化後5分で完全に消失した。トロンビンは、Arg1689で分解され、a3ドメインを遊離することが知られている。この結果は、抗LC抗体のエピトープがa3ドメインの内部に存在する可
能性、およびLCドメインがトロンビン活性化後5分で完全に分解されることを示唆している。トロンビンの存在下で5分後、FVIII WT のHCおよびLCの両方が完全に活性化されたことが立証された。
FVIII L99の場合、そのLCはFVIII WT と同様に分解された(すなわち、トロンビン活性化後5分での消失)。反対に、その泳動プロファイルから予測されたように、HCはトロンビン活性化後も変わらないままであった。さらに、より長いECL検出(revelation)時間をもちいてさえも、A1ドメインのシグナルは見られなかった。この結果は、A1とA2との間の分解が阻止されたことを示している(図4)。
〔実施例5〕
FVIII L99のトロンビン活性化後の安定性
トロンビン活性化WT-FVIIIまたはL99の半減期の試験は、FXa生成アッセイ法を用いて実施した。この試験はFVIIIの50ngを用いて実施した。各FVIIIをトロンビンにより2分間活性化し、そしてFVIIIa残存活性を異なった時点で測定した。活性化FVIII WTまたはL99の半減期の測定はFXa生成アッセイ法を用いて実施した。この試験は150μlの最終体積中でFVIII抗原の50 ngを用いて37℃で行った。FXa生成は、150mM NaCl、20mM ヘペスpH 7.4および5mM CaCL2、2μM PC/PS 75/25および0.5% BSAを含有する緩衝液中で行った。各FVIIIをトロンビンで2分間活性化した。次にこの反応をヒルジン(1U FVIII/1U トロンビン/2U ヒルジン)で停止した。その後でFVIIIa残存活性を異なった時点で、93 nM FX、1nM FIXaおよび0.5mM スペクトロザイムを含有する、検出混合物(revelation mix)の添加により測定した。発色生成物の出現を405nmでモニターした。
FVIII WTからのFVIII活性は速やかに減少した。活性化FVIII WTの半減期は約4.69分であることがわかった。L99の場合には、その活性はトロンビン活性化後にもほぼ安定で残存しており、そして1時間のインキュベーション時間の間減少は見られなかった(図5)。
〔実施例6〕
活性化FVIII L99のAPC不活性化
プロテインS(プロテインS:デアグノステカ・スターゴ、アニエール、フランス:アベンテス・ベーリング、マールブルグ、ドイツ)を用いるかまたは用いないでAPCの不活性化を、活性化ヘパリン精製FVIII L99について調べた。FVIII L99の50ngを、プロテインSを用いるか用いないでヒトAPCを添加する前に、2分間トロンビンで活性化した。異なった時点で、残存するFVIII活性をFXa生成試験により検出した。
これらの結果は、FVIII L99が、プロテインSを用いても用いないでも、ヒトAPCにより失活できることを立証した。FVIII/APC比を減じた場合(1/6)、失活化は、APCを単独で用いることですでに最大に達しており、そしてプロテインSの添加はそれ以上FVIII活性を減少させなかった。
結果のまとめ
Arg372のトロンビン活性化部位を置換する異なったペプチドリンカーの挿入により特徴付けられる各種のFVIII変異体を作成した。これらの改変型FVIIIはCOS細胞を形質転換した後、良好に発現した。FVIII L0はFVIII凝固促進活性を示さなかったが、リンカーを含むFVIII変異体はその活性を有していた。この活性のレベルは、99個のアミノ酸を導入した場合の最大値に達し、リンカーの長さ同時に増加した。呈色測定方法を用いた場合にはFVIII L99で検出したFVIII活性はFVIII WTと類似しており、一方FVIII L118およびFVIII L159では分子のさらなる改善は示されなかった。
ヘパリン精製L99は「1段階」および「2段階」凝固アッセイ法で一致しなかったが、その理由は未だに説明できないままである。しかしながら、免疫ブロット分析は、FVIII WTと類似のトロンビン活性化速度論、および、比活性が、呈色測定法で測定した場合に、FVIII WTよりさらに高いことが立証した。興味深いことに、活性化FVIII L99は1時間を超える間ほぼ安定であった。最後に、APCはこの改変型FVIIIを認識し、そしてFVIII L99を効率的に不活性化できた。
FVIIIをコードする配列中のリンカー挿入部位のヌクレオチドおよびアミノ酸配列を示す。 リンカーのアミノ酸配列を示す。 一過性形質導入の後のCOS細胞培養上清中のFVIII抗原生産(パネルA)およびFVIII比活性(パネルB)の測定例を示す。 ヘパリン精製FVIII L99の免疫ブロット分析結果を示す。 トロンビンによる活性化後のヘパリン精製FVIII WTおよびFVIII L99の免疫ブロット分析結果を示す。 ヘパリン精製FVIII WTおよびFVIII L99のトロンビンによる活性化後のFVIIIa失活化速度論の比較データを示す。 活性化FVIII L99のHuAPC失活化速度論の比較データ(比1/1(パネルA))を示す。 活性化FVIII L99のHuAPC失活化速度論の比較データ(比1/6(パネルB))を示す。

Claims (19)

  1. 活性型形態で改善された安定性を有し、トロンビン活性化後に生物学的に活性である、FVIIIのA1とA2ドメインの間でのトロンビン分解が阻止され、それ故にトロンビン活性化後もA2ドメインがA1ドメインに共有的に結合が維持されたままであるように改変された、改変型組換えFVIII変異体。
  2. A2ドメインが、トロンビンにより分解できないペプチドリンカーを介してA1ドメインに共有結合している、請求項1に記載の生物学的に活性な改変型組換えFVIII変異体。
  3. ペプチドリンカーがアミノ酸GlyおよびSerの反復から成っている、請求項2に記載の生物学的に活性な改変型組換えFVIII変異体。
  4. ペプチドリンカーが80個から120個のアミノ酸から成っている、請求項2または3に記載の生物学的に活性な改変型組換えFVIII変異体。
  5. ペプチドリンカーが90個から110個のアミノ酸から成っている、請求項2または3に記載の生物学的に活性な改変型組換えFVIII変異体。
  6. ペプチドリンカーが99個のアミノ酸から成っている、請求項2または3に記載の生物学的に活性な改変型組換えFVIII変異体。
  7. 野生型FVIIIに比べて少なくとも50%増加した機能的半減期を有する、請求項1〜6のいずれかに記載の生物学的に活性な改変型組換えFVIII変異体。
  8. その初期のピークの活性の25%を越える活性がトロンビンによる活性化の40分後に保持されている、請求項1〜7のいずれかに記載の生物学的に活性な改変型組換えFVIII変異体。
  9. 突然変異が、野生型FVIIIの中、またはBドメインが部分的にもしくは完全に除去されそしてリンカーで置換されても良いFVIIIの中のいずれかに挿入されている、請求項1〜8のいずれかに記載の生物学的に活性な改変型組換えFVIII変異体。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の改変型FVIII変異体をコードするポリヌクレオチド。
  11. 請求項10に記載の核酸を含む、プラスミドまたはベクター。
  12. 発現ベクターである、請求項11に記載のプラスミドまたはベクター。
  13. ヒト遺伝子治療で用いるための運搬ベクターである、請求項11に記載のプラスミドまたはベクター。
  14. 請求項10に記載のポリヌクレオチド、または請求項11〜13のいずれかに記載のプラスミドまたはベクターを含む宿主細胞。
  15. 以下の工程:
    a.改変型FVIII変異体が発現されるような条件下で請求項14に記載の宿主細胞を培養する工程;および
    b.場合により、宿主細胞からまたは培地から改変型FVIII変異体を回収する工程
    を含む、請求項1〜9のいずれかに記載の改変型FVIII変異体を製造する方法。
  16. 請求項1〜9のいずれかに記載の改変型FVIII、請求項10に記載のポリヌクレオチド、または請求項11〜13のいずれかに記載のプラスミドもしくはベクターを含む医薬組成物。
  17. 請求項1〜9のいずれかに記載の改変型FVIII、請求項10に記載のポリヌクレオチド、請求項10〜12のいずれかに記載のプラスミドもしくはベクター、または請求項14に記載の宿主細胞の、血液凝固障害の治療または予防用医薬を製造するための使用。
  18. 血液凝固障害がA型血友病である、請求項17に記載の使用。
  19. 治療がヒト遺伝子治療を含む、請求項17または18に記載の使用。
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