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JP2008270471A - 磁気センサ及びその製造方法 - Google Patents

磁気センサ及びその製造方法 Download PDF

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JP2008270471A JP2007110475A JP2007110475A JP2008270471A JP 2008270471 A JP2008270471 A JP 2008270471A JP 2007110475 A JP2007110475 A JP 2007110475A JP 2007110475 A JP2007110475 A JP 2007110475A JP 2008270471 A JP2008270471 A JP 2008270471A
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Abstract

【課題】基板に巨大磁気抵抗効果素子を形成した磁気センサの製造に際して、規則化熱処理時に巨大磁気抵抗効果素子のピン層の磁化の向きを容易に制御できるようにする。
【解決手段】基板11と、該基板11の表面上にフリー層F、導電層S及びピン層Pを積層してなる巨大磁気抵抗効果素子とを備え、前記ピン層Pが、前記導電層S上に順次積層された第1磁性層12a−25、Ru層12a−26、第2磁性層12a−27及び反強磁性層12a−28を備え、前記第1磁性層12a−25の磁気モーメントが前記第2磁性層12a−25の磁気モーメントよりも大きい磁気センサを提供する。
【選択図】図3

Description

本発明は、磁気センサ及びその製造方法に関し、特に1つの基板に複数の巨大磁気抵抗効果素子を配置して二軸方向や三軸方向の磁界の強さを検知する磁気センサ及びその製造方法に関する。
従来から、磁気センサに使用される素子として、巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子)や磁気トンネル効果素子(TMR素子)等が知られている。これらの磁気抵抗効果素子は、磁化の向きが所定の向きにピン(固定)されたピン層と、磁化の向きが外部磁界に応じて変化するフリー層とを備えており、ピン層の磁化の向きとフリー層の磁化の向きの相対関係に応じた抵抗値を出力として示すものである。このような磁気抵抗効果素子を用いた磁気センサは、例えば、特許文献1,2にて提案されている。
特許文献1の磁気センサは、基板の表面上にピン層の磁性層にRu層を挟み込んだSAF(Synthetic antiferromagnetic)構造のGMR素子を複数設けて構成されており、各GMR素子は基板の表面に沿う一方向の磁界の強さを検出するようになっている。また、同一の基板の表面上には、相互に異なる方向の磁界の強さを検出する複数のGMR素子が形成されており、この構成の磁気センサによって二軸方向の磁界の強さを測定できるようになっている。
また、この磁気センサの製造においてピン層の磁化の向きを固定させる規則化熱処理(ピニング処理)を行う際には、基板を所定温度まで加熱すると共に基板の表面にマグネットアレーを対向させ、規則化熱処理の間、前述した2つの磁性層が平行となる状態を保持できる強い磁界(例えば、10〔T〕以上)をピン層に付与している。なお、ピン層に付与する磁界は、マグネットアレーを構成するヨークのスリット(貫通孔の長方形部)に発生する磁界であり、ピン層に付与する磁界の向きは、マグネットアレーにおいて隣接する永久磁石片の極性によって定められている。そして、この規則化熱処理後、すなわち、使用時においては、これら2つの磁性層の磁化の向きが互いに逆向きの状態(2つの磁性層が反平行である状態)となる。
また、特許文献2の磁気センサは、同一の基板の表面上に平坦面及び平坦面に対して傾斜する斜面が形成されると共に、これら平坦面上及び斜面上に巨大磁気抵抗効果素子がそれぞれ形成されており、これによって、小型でかつ三軸方向の磁界の強さを測定できる磁気センサが得られる。
なお、前述の斜面は、基板の表面上に形成されたV字状の溝からなり、溝ごとに相互に対向するように一対形成されている。また、この磁気センサは、ピン層の磁性層にRu層を挟み込まない構造のGMR素子によって構成されている。
特開2005−260064号公報 特開2006−261400号公報
しかしながら、特許文献2の磁気センサは、三軸方向の磁界の強さは測定できるが、外部磁界が過度に強い場合には、GMR素子のピン層の磁化の向きが外部磁界に影響されて変動し、外部磁界がゼロとなった際に変動した位置に固定されてしまう、すなわち、耐強磁界性が弱いという問題がある。
一方、特許文献1の磁気センサのSAF構造のGMR素子では、使用時にピン層を構成する2つの磁性層が反平行状態となっているため、耐強磁界性は強いが、三軸方向の磁界の強さは測定できない。そこで、発明者の知見により、SAF構造のGMR素子を特許文献2のように、平坦面及び斜面に形成することを考えた。
ここで、特許文献2のように、平坦面及び相互に対向する一対の斜面に、異なるピン層の磁化の向きを持つ三種類のGMR素子をともに形成した場合、ピン層の規則化熱処理において、磁界を付与すべきピン層を基板の表面上に投影した面積は、一対の斜面の方が平坦面よりも大きくなる。特に、相互に対向する斜面に形成されるGMR素子群の幅方向の寸法は、平坦面に形成されるGMR素子群の幅方向の寸法よりも大きくなる。
このように、斜面にSAF構造のGMR素子を形成したとしても、特許文献1と同様に、規則化熱処理において10〔T〕以上の強い磁界を付与する必要があるため、スリットを有するマグネットアレーを用いることになる。このため、斜面に形成されたGMR素子群に磁界を付与するためのスリットの幅寸法は、上述の寸法差に相当する分だけ、平坦面に形成されたGMR素子に磁界を付与するためのスリットよりも大きくする必要がある。その結果、斜面の各GMR素子に付与する磁界が弱くなり、規則化熱処理において全てのGMR素子に強い磁界を付与することは難しい。そして、規則化処理においてGMR素子に付与する磁界の強さが不十分となると、規則化熱処理後の2つの磁性層を反平行状態とすることができなくなる。
また、規則化熱処理においてGMR素子に強い磁界を付与する場合には、基板とマグネットアレーとの隙間距離の変化に対してGMR素子に付与される磁界の強さ変化が非常に大きいため、基板とマグネットアレーとの相対的な位置合わせや隙間調整を特に高精度に行う必要があり、磁気センサの製造が面倒になるという問題もある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、規則化熱処理時にピン層の磁化の向きを容易に制御できるGMR素子を備えた磁気センサ及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明の磁気センサの製造方法は、基板の表面上に、フリー層、導電層及びピン層を順次積層して巨大磁気抵抗効果素子を形成する素子形成工程と、前記ピン層に磁界を付与して、前記ピン層の磁化の向きを固定させる規則化熱処理工程とを備え、前記素子形成工程において、前記導電層の上に第1磁性層、Ru層、第2磁性層及び反強磁性層を順次積層して前記ピン層を形成し、前記規則化熱処理工程では、前記第1磁性層及び前記第2磁性層の各磁性層が磁化すると共に前記第1磁性層及び前記第2磁性層が互いに反平行である状態に保持して規則化熱処理することを特徴とする。
また、本発明の磁気センサは、基板と、該基板の表面上にフリー層、導電層及びピン層を積層してなる巨大磁気抵抗効果素子とを備え、前記ピン層が、前記導電層上に順次積層された第1磁性層、Ru層、第2磁性層及び反強磁性層を備え、前記第1磁性層の磁気モーメントと前記第2磁性層の磁気モーメントとが相互に異なることを特徴とする。
なお、前記磁気センサの製造方法においては、前記素子形成工程の前に、前記基板の表面に、前記基板の厚さ方向に直交する平坦面と該平坦面に対して傾斜する斜面とを形成しておき、前記素子形成工程において、前記巨大磁気抵抗効果素子を前記平坦面上及び前記斜面上に形成してもよい。
さらに、前記磁気センサにおいては、前記基板の表面に、前記基板の厚さ方向に直交する平坦面と該平坦面に対して傾斜する斜面とが形成され、前記巨大磁気抵抗効果素子が、前記平坦面上及び前記斜面上にそれぞれ配置されていてもよい。
このように、素子形成工程において平坦面上及び斜面上に各々巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子)を形成した磁気センサでは、相互に交差する軸方向の磁気を検出することができるため、二軸方向あるいは三軸方向の磁気を検出することが可能となる。
そして、これらの発明に係る磁気センサ及びその製造方法によれば、規則化熱処理の際には、各磁性層が磁化すると共にこれら2つの磁性層が互いに反平行となる状態に保持する程度の強さの磁界を、GMR素子に付与すればよい。ここで、第1磁性層及び第2磁性層の磁気モーメントは相互に異なるため、これら2つの磁性層は反強磁性的な結合によって前記磁界と逆向きに磁化することになる。
このように規則化熱処理工程を実施すると、各磁性層の磁化の向き及び強さが、規則化熱処理において前記磁界を付与した際と同様の状態でピン(固定)されるため、従来のように、ヨークを使用する等して2つの磁性層が、平行となる状態を保持できる強い磁界を付与する必要が無くなる。また、規則化熱処理においては従来よりも弱い磁界を付与することになるため、磁界を付与するマグネットアレーと基板との隙間距離の変化に対してGMR素子に付与される磁界の強さ変化も小さくなり、基板とマグネットアレーとの相対的な位置合わせや隙間調整を高精度に行う必要も無くなる。したがって、規則化熱処理においては、ピン層の磁化の向きを容易に制御することが可能となる。
以上のことから、前述したように、平坦面上及び斜面上にそれぞれGMR素子を形成したとしても、上述のように強い磁界を各GMR素子に付与することなく、各ピン層の磁性層の磁化の向きを容易に所定の方向にピンすることができる。すなわち、二軸方向あるいは三軸方向の磁気を検出する磁気センサを容易に製造することが可能となる。
さらに、前記磁気センサの製造方法は、前記素子形成工程において、前記第1磁性層の膜厚と前記第2磁性層の膜厚とが相互に異なるように前記ピン層を形成することを特徴とする。
また、前記磁気センサは、前記第1磁性層及び前記第2磁性層の膜厚が相互に異なることを特徴とする。
これらの場合には、確実に2つの磁性層の磁気モーメントを相互に異ならせることができるため、規則化熱処理工程において2つの磁性層の磁化の向きを反平行に維持したまま、各磁性層を所定の方向にピンすることができる。
さらに、前記磁気センサの製造方法は、前記素子形成工程において、前記第1磁性層の膜厚が前記第2磁性層の膜厚よりも大きくなるように、前記ピン層を形成することを特徴とする。
また、前記磁気センサは、前記第1磁性層の磁気モーメントが前記第2磁性層の磁気モーメントよりも大きいことを特徴とする。
なお、第1磁性層の磁気モーメントを前記第2磁性層の磁気モーメントよりも大きくするためには、第1磁性層の膜厚を第2磁性層の膜厚よりも大きくすればよい。
これらの場合には、第1磁性層の磁気モーメントが第2磁性層の磁気モーメントよりも大きくすることで、第1磁性層は前記磁界と同じ向きに磁化し、第2磁性層は前記磁界と逆向きに磁化することになる。
また、フリー層には2つの磁性層の磁力が作用し、これら2つの磁性層の磁力には、第1磁性層との交換結合力とピン層の各磁性層の磁界に基づく静磁的な力とがあるが、第1磁性層の磁気モーメントを第2磁性層よりも大きくすることで、フリー層に作用する交換結合力及び静磁的な力の総和を容易に小さくすることができる。
すなわち、フリー層に作用する第1磁性層の静磁的な力及び交換結合力の大きさは、例えば導電層の膜厚を調整することで略等しくすることができる。そして、上述のように第2磁性層の磁気モーメントを第1磁性層よりも小さくすることで、フリー層に作用する第2磁性層の静磁的な力を第1磁性層の静磁的な力及び交換結合力の大きさよりも小さくすることができる。
ここで、第1磁性層の交換結合力の向きは、第1磁性層の静磁的な力と逆向きとなり、第2磁性層の静磁的な力と同じ向きとなるため、フリー層に作用する交換結合力及び静磁的な力の総和を容易に小さくすることができる。したがって、フリー層の磁化の向きに対する2つの磁性層の磁力の影響を小さくして、フリー層の磁化の向きを好ましく設定することができる。
さらに、本発明の磁気センサの製造方法は、前記素子形成工程において、前記Ru層の膜厚が4Å以上10Å以下となるように、前記ピン層を形成することを特徴とする。
また、本発明の磁気センサは、前記Ru層の膜厚が、4Å以上10Å以下であることを特徴とする。
このようにRu層の膜厚を薄くした場合には、規則化熱処理の際に前記磁界の強さを大きくしても、2つの磁性層間の反平行状態を保持することが可能となる。すなわち、2つの磁性層間の反平行状態を保持できる前記磁界の強さ範囲が大きい方に拡大するため、規則化熱処理工程における前記磁界の強さ制御を簡単に行うことができ、ピン層の磁化の向きをさらに容易に制御することが可能となる。
さらに、本発明の磁気センサの製造方法は、前記規則化熱処理工程において、前記磁界を付与するマグネットアレーを前記基板の裏面側に配置することを特徴とする。
この場合には、マグネットアレー近傍において生じる磁界が強くても、マグネットアレーを基板の厚み分だけGMR素子から離間させて、ピン層の磁性層に到達する磁界の強さを弱めることができると共にマグネットアレーとGMR素子との距離変化に対する磁界の強度変化を小さくできるため、GMR素子に付与する磁界の強さを容易に調整することが可能となる。
本発明によれば、規則化熱処理工程において、2つの磁性層間の反平行状態を崩す程度の強い磁界を付与しなくても、ピン層の磁化の向きを容易に制御することが可能となり、特に、二軸方向あるいは三軸方向の磁気を検出する磁気センサを容易に製造することが可能となる。
以下、図1から図5を参照して本発明の一実施形態に係る磁気センサの構成について説明する。
図1に示すように、本実施形態の三軸磁気センサ10は、平面視で互いに直交するX軸、及びY軸に沿った辺を有する正方形状であって、X軸及びY軸に直交するZ軸方向に小さな厚みを有する石英やシリコンからなる基板11を備えている。そして、この基板11の上に、それぞれ4個ずつのX軸GMR素子12a〜12d、Y1軸GMR素子12e〜12h(図1(a)の後述するGMRバーを示す実線の部分)、Y2軸GMR素子12i〜12l(図1(a)の後述するGMRバーを示す破線の部分)からなる合計で12個のGMR素子と、パッド部(配線から外部に出力を取り出す部分:図示せず)及びビア部(GMR素子から配線に接続する部分を指すが、このビア部は最終的には露出されない:図示せず)ならびに配線(図示せず)が作り込まれている。なお、基板11内には、LSIや配線層が作り込まれており、LSIが作り込まれた基板を用いたものにおいてはデジタル出力の磁気センサとなされており、配線層のみが作り込まれた基板を用いたものにおいてはアナログ出力の磁気センサとなされている。
ここで、X軸GMR素子は第1X軸GMR素子12aと、第2X軸GMR素子12bと、第3X軸GMR素子12cと、第4X軸GMR素子12dとにより構成されている。そして、基板11のX軸(この場合、図1(a)の左側端部をX軸の基準点とし、この基準点から図の右側へ向かう方向をX軸正方向とし、その反対側へ向かう方向をX軸負方向とする。以下においても同様である。)の右側端部近傍で、Y軸(この場合、図1(a)の下側端部をY軸の基準点とし、この基準点から図の上側へ向かう方向をY軸正方向とし、その反対側へ向かう方向をY軸負方向とする。以下においても同様である。)の略中央部(以下ではY軸中央部という)上方に第1X軸GMR素子12aが配置され、その下方に第2X軸GMR素子12bが配置されている。また、基板11のX軸の左側端部近傍で、Y軸中央部上方に第3X軸GMR素子12cが配置され、その下方に第4X軸GMR素子12dが配置されている。
また、Y1軸GMR素子は第1Y1軸GMR素子12eと、第2Y1軸GMR素子12fと、第3Y1軸GMR素子12gと、第4Y1軸GMR素子12hとにより構成されている。そして、基板11のY軸の上側端部近傍で、X軸中央部の左方に第1Y1軸GMR素子12eが配置され、その右方に第2Y1軸GMR素子12fが配置されている。また、基板11のY軸の下側端部近傍で、X軸中央部の左方に第3Y1軸GMR素子12gが配置され、その右方に第4Y1軸GMR素子12hが配置されている。
さらに、Y2軸GMR素子は第1Y2軸GMR素子12iと、第2Y2軸GMR素子12jと、第3Y2軸GMR素子12kと、第4Y2軸GMR素子12lとにより構成されている。そして、基板11のY軸の下側端部近傍で、X軸中央部の左方に第1Y2軸GMR素子12iが配置され、その右方に第2Y2軸GMR素子12jが配置されている。また、基板11のY軸の上側端部近傍で、X軸中央部の左方に第3Y2軸GMR素子12kが配置され、その右方に第4Y2軸GMR素子12lが配置されている。
ここで、各GMR素子12a〜12d、12e〜12h、12i〜12lは、互いに平行で帯状に隣接配置された複数個(この場合は、例えば4個とするが、X軸GMR素子12a〜12dについては偶数個とすることが好ましい。)のGMRバーを備えており、これらのGMRバーがリード膜により直列接続され、これらの端部に端子部となるリード膜が接続されて形成されている。例えば、図2(なお、図2においては第1X軸GMR素子12aについてのみ示しているが、他のGMR素子においても同様の構成である)に示すように、4個のGMRバー12a−1,12a−2,12a−3,12a−4がリード膜12a−6,12a−7,12a−8により直列接続され、これらの端部に端子部となるリード膜12a−5,12a−9が接続されて形成されている。この場合、X軸GMR素子12a〜12dの各GMRバー(12a−1,12a−2,12a−3,12a−4等)は、基板11の表面と平行な平坦面上に形成されており、その長手方向がY軸に対して平行(X軸に直交する)になるように配列されている。
また、図1(b),図4(b)に示すように、Y1軸GMR素子とY2軸GMR素子は、基板11の上に形成された断面形状が台形状の複数の突部(堤部)15の各斜面上に形成されているとともに、Y1軸GMR素子のGMRバー12e−1,12e−2,12e−3,12e−4は突部(堤部)15の第1斜面15a上に形成されており、Y2軸GMR素子のGMRバー12k−1,12k−2,12k−3,12k−4は突部(堤部)15の第2斜面15b上に形成されている。また、これらGMRバー12e−1〜12e−4,12k−1〜12k−4は、その長手方向が突部(堤部)15の稜線の走行方向に平行となるように配されている。なお、各斜面15a,15bの傾斜角度は等しく、基板11の平坦面に対してθ(20°≦θ≦60°)となるように形成されている。
そして、Y1軸GMR素子の各GMRバー(例えば、12e−2)とY2軸GMR素子の各GMRバー(例えば、12k−2)とが1つの突部15で互に背中合わせになるように配置されている。この場合、Y1軸GMR素子12e〜12hの各GMRバーおよびY2軸GMR素子12i〜12lの各GMRバーは、その長手方向がX軸に対して平行(Y軸と垂直)になるように配列されている。
ついで、GMRバーの構成について、第1X軸GMR素子12aのGMRバー12a−2を例にして、図2,3に基づいて説明する。なお、他のGMRバー12a−1,12a−3,12a−4についてはこれと等しいため、ここではGMRバー12a−2について説明する。また、他のX軸GMR素子12b〜12dおよびY1軸GMR素子12e〜12hおよびY2軸GMR素子12i〜12lのそれぞれのGMRバーの構成についてもこれと等しいので、その説明は省略する。
ここで、第1X軸GMR素子12aのGMRバー12a−2は、図2(b)に示すように、その長手方向がX軸に対して垂直(Y軸に対して平行)になるように配列されたスピンバルブ膜SVからなり、この両端部下方に形成されたリード膜12a−6,12a−7に接続されている。ここで、リード膜12a−6,12a−7はCr等の非磁性金属膜からなり、その膜厚は例えば130nm(1300Å)に設定されている。
そして、スピンバルブ膜SVは、図3(a)に示すように、基板11の上に順次積層されたフリー層(自由層、自由磁化層)F、膜厚が2.8nm(28Å)のCuからなる導電性のスペーサ層(導電層)S、ピン層(固着層、固定磁化層)P、及び、膜厚が2.5nm(25Å)のタンタル(Ta)又はチタン(Ti)からなるキャッピング層Cによって構成されている。
フリー層Fは、外部磁界の向きに応じて磁化の向きが変化する層であり、基板11の直上に形成された膜厚が8nm(80Å)のCoZrNbアモルファス磁性層12a−21と、CoZrNbアモルファス磁性層12a−21の上に形成されて膜厚が3.3nm(33Å)のNiFe磁性層12a−22と、NiFe磁性層12a−22の上に形成されて膜厚が1.2nm(12Å)のCoFe層12a−23とからなる。
ここで、CoZrNbアモルファス磁性層12a−21、NiFe磁性層12a−22及びCoFe層12a−23は軟質強磁性体薄膜層を構成している。また、CoFe層12a−23はNiFe層12a−22のNi、及び、スペーサ層SをなすCu層12a−24の拡散を防止するために設けられている。
ピン層Pは、Cu層12a−24の上に形成されて膜厚が3.2nm(32Å)の第1CoFe磁性層12a−25と、第1CoFe磁性層12a−25の上に形成されて膜厚が0.5nm(5Å)のRu層12a−26と、Ru層12a−26の上に形成されて膜厚が2.2nm(22Å)の第2CoFe磁性層12a−27と、第2CoFe磁性層12a−27の上に形成されてPtを45〜55mol%含むPtMn合金からなる膜厚が24nm(240Å)の反強磁性膜(反強磁性層)12a−28とにより構成されている。
なお、上述したフリー層F及びピン層Pを構成する各層や、スペーサ層S、キャッピング層Cの膜厚は、X軸GMR素子12a〜12dの場合のものであり、斜面15a,15bに形成されるY1軸GMR素子12e〜12h及びY2軸GMR素子12i〜12lの場合には、これらを構成する各層がX軸GMR素子12a〜12dの場合の70〜80%程度の膜厚となる。
そして、前述した第2CoFe磁性層12a−27は、図3(b)に示すように、反強磁性膜12a−28に交換結合的に裏打ちされており、その磁化(磁化ベクトル)の向きがX軸負方向にピン(固定)されている。また、第1CoFe磁性層12a−25は、第2CoFe磁性層12a−27との間で反強磁性的に結合されており、その磁化の向きがX軸正方向にピン(固定)されている。すなわち、これら2つのCoFe磁性層12a−25,12a−27によってピン層Pにおける磁化の向きが定められている。
そして、図2(a)、図3(b)及び図4(a)に示すように、上述のように構成された第1X軸GMR素子12aにおける磁界の感度方向は、基板11の平坦面に平行な方向かつフリー層Fの磁化の向きに垂直な方向となっており、GMRバーの長手方向の垂直方向、かつ、X軸正方向(図4(a)の矢印a1方向)となっている。また、第2X軸GMR素子12bにおける磁界の感度方向は、第1X軸GMR素子12aと同様にX軸正方向(図4(a)の矢印b1方向)となっている。
したがって、図4(a)の矢印a1,b1方向に磁界が印加された場合には、第1X軸GMR素子12aおよび第2X軸GMR素子12bの抵抗値が磁界の大きさに比例して減少し、図4(a)の矢印a1,b1方向と反対方向に磁界が印加された場合に、第1X軸GMR素子12aおよび第2X軸GMR素子12bの抵抗値が磁界の大きさに比例して増大することとなる。
一方、第3X軸GMR素子12cおよび第4X軸GMR素子12dにおける磁界の感度方向は、図4(a)に示すように、これらの各GMRバーの長手方向の垂直方向で、第1X軸GMR素子12aおよび第2X軸GMR素子12bと180°反対方向となっている。すなわち、これら第3X軸GMR素子12cおよび第4X軸GMR素子12dにおいては、磁化(磁化ベクトル)の向きがX軸負方向(図4(a)の矢印c1,d1方向で、第1X軸GMR素子12a及び第2X軸GMR素子12bのピン層の磁化の向きと180°反対の方向)にピン(固定)されるようにピン層が形成されている。
したがって、図4(a)の矢印c1,d1方向に磁界が印加された場合には、第3X軸GMR素子12cおよび第4X軸GMR素子12dの抵抗値は磁界の大きさに比例して減少し、図4(a)の矢印c1,d1と反対方向に磁界が印加された場合には、第3X軸GMR素子12cおよび第4X軸GMR素子12dの抵抗値が磁界の大きさに比例して増大することとなる。
また、第1Y1軸GMR素子12eおよび第2Y1軸GMR素子12fにおける磁界の感度方向は、図4(b)に示すように、これらの各GMRバー(例えば、12e−2,12e−3および12f−2,12f−3等)の長手方向の垂直方向で、突部(堤部)15の第1斜面(傾斜角度はθ)15aに沿うY軸正方向かつZ軸負方向(図4(a),(b)の矢印e1,f1方向)となっている。
したがって、図4(a),(b)の矢印e1,f1方向に成分を持つ磁界が印加された場合には、第1Y1軸GMR素子12eおよび第2Y1軸GMR素子12fの抵抗値が磁界の大きさに比例して減少し、図4(a),(b)の矢印e1,f1と反対方向に成分を持つ磁界が印加された場合には、第1Y1軸GMR素子12eおよび第2Y1軸GMR素子12fの抵抗値が磁界の大きさに比例して増大することとなる。
一方、第3Y1軸GMR素子12gおよび第4Y1軸GMR素子12hにおける磁界の感度方向は、図4(c)に示すように、これらの各GMRバー(例えば、12e−2,12e−3および12f−2,12f−3等)の長手方向に対して垂直な方向で、突部(堤部)15の第1斜面15aに沿うY軸負方向かつZ軸負方向(図4(a),(c)の矢印g1,h1方向)となっている。すなわち、第3Y1軸GMR素子12gおよび第4Y1軸GMR素子12hの磁界の感度方向は、第1Y1軸GMR素子12eおよび第2Y1軸GMR素子12fと180°反対方向となっている
したがって、図4(a),(c)の矢印g1,h1方向に成分を持つ磁界が印加された場合には、第3Y1軸GMR素子12gおよび第4Y1軸GMR素子12hの抵抗値は磁界の大きさに比例して減少し、図4(a),(c)の矢印g1,h1と反対方向に成分を持つ磁界が印加された場合に、第3Y1軸GMR素子12gおよび第4Y1軸GMR素子12hの抵抗値は磁界の大きさに比例して増大することとなる。
また、第1Y2軸GMR素子12iおよび第2Y2軸GMR素子12jにおける磁界の方向は、図4(c)に示すように、これらの各GMRバー(例えば、12i−2,12i−3および12j−2,12j−3等)の長手方向に対して垂直な方向で、突部(堤部)15の第2斜面(傾斜角度はθ)15bに沿うY軸負方向かつZ軸正方向(図4(a),(c)の矢印i1,j1方向)となっている。
したがって、図4(a)の矢印i1(j1)方向に成分を持つ磁界が印加された場合には、第1Y2軸GMR素子12iおよび第2Y2軸GMR素子12jの抵抗値が磁界の大きさに比例して減少し、図4(a)の矢印i1(j1)と反対方向に成分を持つ磁界が印加された場合には、第1Y2軸GMR素子12iおよび第2Y2軸GMR素子12jの抵抗値が磁界の大きさに比例して増大することとなる。
一方、第3Y2軸GMR素子12kおよび第4Y2軸GMR素子12lにおける磁界の感度方向は、図4(b)に示すように、これらの各GMRバー(例えば、12k−2,12k−3および12l−2,12l−3等)の長手方向に対して垂直な方向で、突部(堤部)15の第2斜面15bに沿うY軸正方向かつZ軸正方向(図4(a),(b)の矢印k1,l1方向)となっている。すなわち、第3Y2軸GMR素子12kおよび第4Y2軸GMR素子12lの磁界の感度方向は、第1Y2軸GMR素子12iおよび第2Y2軸GMR素子12jと180°反対方向となっている。
したがって、図4(a)の矢印k1(l1)方向に成分を持つ磁界が印加された場合に、第3Y2軸GMR素子12kおよび第4Y2軸GMR素子12lの抵抗値は磁界の大きさに比例して減少し、図4(a)の矢印k1(l1)と反対方向に成分を持つ磁界が印加された場合に、第3Y2軸GMR素子12kおよび第4Y2軸GMR素子12lの抵抗値は磁界の大きさに比例して増大することとなる。
以上のように構成された三軸磁気センサ10のうちX軸方向(図4(a)の矢印a1,b1方向)の磁気を検出するX軸磁気センサは、図5(a)(なお、図5(a)〜(c)において、各矢印は各GMR素子のピン層PがY軸負方向にピンされたときの磁化の向きが上向きとなるように示している。)に等価回路を示したように、第1〜第4X軸GMR素子12a〜12dがフルブリッヂ接続されることにより構成されている。このような構成において、パッド13aおよびパッド13bは定電圧源14の正極,負極に接続され、電位Vxin+(本例では3V)と電位Vxin-(本例では0(V))が付与される。そして、パッド13cとパッド13dの電位がそれぞれ電位Vxout+と電位Vxout-として取り出され、その電位差((Vxout+)−(Vxout-))がセンサ出力Vxoutとして取り出される。
また、三軸磁気センサ10のうちY1軸方向(図4の矢印e1,f1,g1,h1方向)の磁気を検出するY1軸磁気センサは、図5(b)に等価回路を示したように、第1〜第4Y1軸GMR素子12e〜12hがフルブリッヂ接続されることにより構成されている。そして、パッド13eおよびパッド13fは定電圧源14の正極,負極に接続され、電位Vy1in+(本例では3V)と電位Vy1in-(本例では0(V))が付与され、パッド13gとパッド13hの電位差がセンサ出力Vy1outとして取り出される。
さらに、三軸磁気センサ10のうちY2軸方向(図4の矢印i1,j1,k1,l1方向)の磁気を検出するY2軸磁気センサは、図5(c)に等価回路を示したように、第1〜第4Y2軸GMR素子12i〜12lがフルブリッヂ接続されることにより構成されている。そして、パッド13iおよびパッド13jは定電圧源14の正極,負極に接続され、電位Vy2in+(本例では3V)と電位Vy2in-(本例では0(V))が付与され、パッド13kとパッド13lの電位差がセンサ出力Vy2outとして取り出される。
そして、得られた出力Vxout,Vy1outおよびVy2outに基づいて、X軸方向の磁界の成分Hxを下記の(1)式により求めることができる。同様に、Y軸方向の磁界の成分Hyを下記の(2)式により求めることができ、Z軸方向の磁界の成分Hzを下記の(3)式により求めることができる。なお、これらの演算は、例えば基板11に予め形成されたLSIや、三軸磁気センサ10に電気接続された別個のLSIチップ等において行われることとなる。
Hx=2kx×Vxout・・・(1)
Hy=ky(Vy1out−Vy2out)/cosθ・・・(2)
Hz=kz(Vy1out+Vy2out)/sinθ・・・(3)
ただし、θは突部(堤部)15の各斜面15a,15bの傾斜角度であって、この場合のθは20°≦θ≦60°の関係を有する。また、kx,ky,kzは比例定数であって、各センサの感度が等しければ、kx=ky=kzとなる。
次に、上述のような構成となる三軸磁気センサ10の製造方法について、図6〜図15の断面模式図に基づいて以下に説明する。なお、図6〜図15において、(a)はビア部を示し、(b)はパッド部を示し、(c)はY1軸GMR部およびY2軸GMR部を示している。この場合、上述したように、基板11としては、CMOSプロセスにより予めLSIが作り込まれた基板や、予め配線層のみが作り込まれた基板を用いることが望ましい。
この三軸磁気センサ10の製造方法においては、はじめに、図6に示すように、配線層11aが形成された基板(石英基板またはシリコン基板)11の上に層間絶縁膜(SOG:Spin On Glass)11bを塗布することにより平坦化する。次いで、図7に示すように、ビア部とパッド部の上の層間絶縁膜11bをエッチングで取り除き、配線層11aを外方に露出させる開口部11c,11dを作製する。その後、図8に示すように、これらの表面に、例えばSiO2膜等からなる酸化膜(SiO、厚み:1500Å)11eと、例えばSi34膜等からなる窒化膜(SiN、厚み:5000Å)11fとをプラズマCVDにより成膜する。そして、これらの上にレジストを塗布した後、ビア部とパッド部に開口を形成するようなパターンにカットする。
次いで、ビア部上およびパッド部上の窒化膜11fをエッチングにより除去した後、レジストを除去すると、図9に示すように、窒化膜11fにはビア部上およびパッド部上に酸化膜11eを外方に露出させる開口部11g,11hが形成されることになる。なお、この開口部11g,11hの形成に際しては、酸化膜11eはエッチングしきらずに残存させるようにし、また、開口部11g,11hの開口幅(径)は開口部11c,11dの開口幅(径)よりも小さくなるようにする。これは、開口部11c,11dで層間絶縁膜11bが露出して、水分が配線層やLSIに浸入するのを防止するためである。
その後、図10,11に示すように、基板11の表面上に、基板11の厚さ方向に直交する平坦面と、この平坦面に対して傾斜する斜面(例えば第1斜面15a、第2斜面15b、図1,4参照)とを形成する(配置面形成工程)。
この配置面形成工程においては、図10に示すように、はじめに、基板11の表面上に上層酸化膜(下地膜)11iを成膜すると共に、この上層酸化膜11i上に斜面を有する突部形状のレジスト膜11jを形成する(レジスト形成工程)。具体的には、前述した窒化膜11f、酸化膜11eの上に、例えばSiO2膜等からなる上層酸化膜(SiO、厚み:5μm)11iをプラズマCVDにより成膜する。次いで、この上層酸化膜11iの上にスピンコート法、ディップコート法などによりレジストを塗布してレジスト膜(厚み:5μm)11jを形成する。なお、この状態におけるレジスト膜11jの表面は、基板11の厚さ方向に直交する平坦面に形成されている。
そして、このレジスト膜11jを、上層酸化膜11iに関してビア部とパッド部に開口を形成するためのパターン、及び、上層酸化膜11iに斜面を形成するためのパターン(Y1軸GMR素子やY2軸GMR素子の配列用の突部(堤部)15を形成するためのパターン)にカットする。
このカット後には、150℃の温度で1〜10分間の熱処理を行うことにより、図11に示すように、レジスト膜11jを軟化させてテーパ状に形成(テーパ化)する。これにより、図11(c)に示すように、Y1軸GMR部やY2軸GMR部のレジスト膜11jが斜面を有する突部状に形成されることになる。なお、図示はしていないが、X軸GMR部のレジスト膜11jの表面は、その形成時と同様の平坦面に形成されている。
また、この配置面形成工程においては、レジスト形成工程の終了後に、異方性エッチングにより上層酸化膜11i及びレジスト膜11jをエッチングして、突部状のレジスト膜11jにならって上層酸化膜11iに斜面を形成する(異方性エッチング工程)。具体的には、上層酸化膜11i及びレジスト膜11jをほぼ同じ比率でエッチングする条件、かつ、このエッチング後に上層酸化膜11iの残存する厚さが最大で約0.5μm(約5000Åとなる条件でドライエッチングを行う。なお、このドライエッチングに際しては、ビア部およびパッド部において上層酸化膜11iの開口幅(径)が窒化膜11fの開口幅(径)よりも大きくならないようにする。
そして、このドライエッチングの終了後に残存するレジスト膜11jを除去することで、図12に示すように、Y1軸GMR部やY2軸GMR部に上層酸化膜11iからなる突部(堤部)15が形成される、すなわち、上層酸化膜11iに斜面が形成されることになる。なお、図示はしていないが、X軸GMR部のレジスト膜11jにも同様のドライエッチングを施すことで、上層酸化膜11iに平坦面が形成されることになる。
さらに、この上層酸化膜11iの上にレジストを塗布して、このレジストをビア部に開口を形成するためのパターンにカットした後、エッチングを行う。そして、このエッチングで残存したレジストを除去することにより、図13に示すように、ビア部に開口11kが形成されて、基板11の最上層の配線層11aが外方に露出することになる。なお、このエッチングにおいては、図示例のようにパッド部における配線層11a上の酸化膜11e及び上層酸化膜11iを残存させてもよいが、例えば、ビア部と同様に、これら酸化膜11e及び上層酸化膜11iも同時に除去してパッド部における配線層11aを外方に露出させるとしても構わない。
その後、図14に示すように、Cr等の材質からなるリード膜11m(後に、例えば、図2(a)に示すリード膜12a−5,12a−6,12a−7,12a−8,12a−9等をなす)をスパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法などによって、上層酸化膜11i上およびビア部において露出する配線層11a上に形成する。そして、これらの上層酸化膜11iおよびリード膜11mの上にレジストを塗布して、このレジストをリード膜11mのパターンにカットした後、リード膜11mのエッチングを行う。
この場合、突部(堤部)15の斜面15a,15bでのエッチングを適切に行い、突部(堤部)15の断面形状を整えるために熱処理を行ってレジストをテーパ化してもよい。なお、このエッチング終了後には上層酸化膜11i上に残存するレジストを除去する。
そして、スパッタリング法によって、GMR素子をなすGMR多層膜11n(後に、12a〜12d,12e〜12h,12i〜12l等をなす)をこれら上層酸化膜11iおよびリード膜11mの表面上に形成する(素子形成工程)。
この素子形成工程においては、図2(c)に示したように、基板11の上にフリー層(自由層、自由磁化層)F、膜厚が2.8nm(28Å)のCuからなる導電性のスペーサ層S、ピン層(固着層、固定磁化層)P、及び、膜厚が2.5nm(25Å)のタンタル(Ta)又はチタン(Ti)からなるキャッピング層Cを順次積層することで、前記GMR多層膜11nが形成されることになる。
また、この工程におけるフリー層Fは、基板11の直上に形成された膜厚が8nm(80Å)のCoZrNbアモルファス磁性層12a−21、膜厚が3.3nm(33Å)のNiFe磁性層12a−22、及び、膜厚が1.2nm(12Å)のCoFe層12a−23を順次積層することで形成される。
さらに、この工程におけるピン層Pは、膜厚が3.2nm(32Å)の第1CoFe磁性層12a−25、膜厚が0.5nm(5Å)のRu層12a−26、膜厚が2.2nm(22Å)の第2CoFe磁性層12a−27、及び、Ptを45〜55mol%含むPtMn合金からなる膜厚が24nm(240Å)の反強磁性膜12a−28を順次積層することで形成される。
その後、GMR多層膜11nを形成した基板11に永久棒磁石アレー16(図16参照)を近接させて、後述する規則化熱処理(ピニング処理)を行い、ピン層Pの磁化の向きを固定させる(規則化熱処理工程)。
そして、GMR多層膜11nの表面上に、任意の厚さ、例えば平坦部で2μmの厚みとなるようにレジストを塗布し、このレジストの表面にマスクを配置して、焼き付け、現像処理を行って不必要なレジストを取り除き、後に得られるGMR多層膜11nと同じパターンを有するレジスト膜を形成する。その際、突部(堤部)15でのエッチングを適切に行い、突部(堤部)15の断面形状を整えるためにレジストをテーパ化する。この後、レジスト膜で保護されていない部分のGMR多層膜11nを、イオンミリングにより除去し、GMR多層膜11nを所定の形状(例えば、複数の狭幅の帯状体の形状)に形成する。なお、このイオンミリングでは、ビア部においてGMR多層膜11n及びリード膜11mの双方が残るようにしており、これによってビア部の縁におけるリード膜11mの断線を予防することができる。
次に、レジスト膜を除去し、図15に示すように、外方に露出する酸化膜11e、上層酸化膜11i、リード膜11m及びGMR多層膜11nの上に、例えばSiO2膜等の酸化膜(厚み:1500Å)およびSi34膜等の窒化膜(厚み:5000Å)からなるシリコン保護膜11oをプラズマCVDで成膜し、さらにシリコン保護膜11oの上にポリイミド膜11pを成膜する。これにより、これらポリイミド膜11pおよび前述したシリコン保護膜11oによって保護膜が形成されることになる。
そして、パッド部上のポリイミド膜11pをマスクとして、パッド部の配線層11a上のシリコン保護膜11oおよび酸化膜11eをエッチングにより除去してパッド部を開口して、露出する配線層11aからなる電極パッドを形成し、最後に基板11を切断する。以上により、図1に示した三軸磁気センサ10の製造が完了する。
なお、上述した保護膜および電極パッドの形成は、上記実施形態の手順に限ることはない。すなわち、例えばシリコン保護膜11oを成膜した後に、パッド部上のシリコン保護膜11oをエッチングにより除去してパッド部を開口してパッド部の配線層11aを露出させる。次いで、これらシリコン保護膜11oおよび配線層11aの上にポリイミド膜11pを成膜して保護膜を形成する。最後に、パッド部上のポリイミド膜11pをエッチングにより除去してパッド部の配線層11aを再度露出させて、この配線層11aからなる電極パッドを形成するとしてもよい。
そして、前述した規則化熱処理(ピニング処理)は、図16,17(なお、図16においては永久棒磁石片を5個だけ図示している)に示すように、GMR多層膜11nを形成した表面とは反対側となる基板11の裏面側に永久棒磁石アレー(マグネットアレー)16を配置し、これら基板11および永久棒磁石アレー16を真空中で260℃〜290℃に加熱し、その状態で4時間ほど放置することにより行う。
すなわち、はじめに、隣接する永久棒磁石片の上端の極性が互いに異なるように格子状に配列された永久棒磁石アレー(マグネットアレー)16を用意する。この後、基板11の中心部で永久棒磁石片16a(上端部がN極となる)が配列されるように、かつ、基板11の外側で永久棒磁石片16aの上下左右の領域上に永久棒磁石片16b,16c,16d,16e(上端部がS極となる)が配列されるように永久棒磁石アレー16を配置する。
これにより、基板11の中心部の下方に配置された永久棒磁石片16aのN極から、このN極に隣接する永久棒磁石片16b,16c,16d,16eのS極に向かう90°ずつ方向が異なる磁界H(図16の点線矢印)が形成される。また、この磁界Hは、永久棒磁石片16aのN極から基板11の裏面側から内部を通過して各GMR素子(例えば、図17のX軸GMR素子12a〜12d)に到達することになる。
そして、各GMR素子を通過する磁界Hの強さは、図18に示すように、GMR素子のピン層Pを構成する第1CoFe磁性層(例えば、図18の12a−25)及び第2CoFe磁性層(例えば、図18の12a−27)の各磁性層における磁化の向きが揃うと共にこれら2つのCoFe磁性層の間の反平行状態を保持する程度の大きさ(例えば、10〔mT〕以上、200〔mT〕以下程度、より好ましくは20〔mT〕以上、80〔mT〕程度)とする。
ここで、前記2つのCoFe磁性層は同一の材料から形成されているが、第1CoFe磁性層の膜厚(32Å)は第2CoFe磁性層の膜厚(22Å)よりも大きいため、第1CoFe磁性層の磁気モーメントが第2CoFe磁性層の磁気モーメントよりも大きくなる。そのため、上述した大きさの磁界Hを付与した場合、第1CoFe磁性層は磁界Hと同じ向きに磁化し、第2CoFe磁性層は第1CoFe磁性層との反強磁性的な結合によって磁界Hと逆向きに磁化することになる。
また、これら2つのCoFe磁性層間に挟まれるRu層(例えば、図18の12a−26)の膜厚は5Åと薄く形成されているため、磁界Hの強さを大きくしても2つのCoFe磁性層間の反平行状態を保持することができる。すなわち、Ru層を薄く形成するほど、2つのCoFe磁性層間の反平行状態を保持できる磁界の強さ範囲を大きいほうに拡大させることができる。
そして、磁界Hを利用して、真空中で260℃〜290℃に加熱し、その状態で4時間ほど放置した後には、例えば図3(b)に示すように、第2CoFe磁性層12a−27の磁化の向きが、磁界Hと逆向きの状態で反強磁性膜12a−28に交換結合的に裏打ちされて固定されることになる。また、第1CoFe磁性層12a−25の磁化の向きは、第2CoFe磁性層12a−27との反強磁性的な結合によって磁界Hと同じ向きの状態で固定されることになる。すなわち、これら2つのCoFe磁性層12a−25,12a−27の磁化の向きは規則化熱処理において磁界Hを付与した際と同様の状態で固定されることになる。
なお、この規則化熱処理工程において、2つのCoFe磁性層12a−25,12a−27間の反平行状態を保持できる磁界Hの強さ範囲は、図19に示すグラフにおける領域(I)によって示すことができる。このグラフは、Ru層の膜厚が8Åのときの磁界Hの強さ(横軸)に対するピン層Pの飽和磁化(縦軸;磁界Hの向きに沿う2つのCoFe磁性層12a−25,12a−27の磁化の強さの総和)を示したものである。なお、各CoFe磁性層12a−25,12a−27の磁化の強さは、この磁化の向きが磁界Hと同じ向きである場合に正とし、磁化の向きが磁界Hと逆向きである場合に負としている。
このグラフにおいて、磁界Hの強さが領域(I)内にある場合には、各CoFe磁性層12a−25,12a−27がそれぞれ一方向に磁化すると共に2つのCoFe磁性層12a−25,12a−27は反平行状態となる、すなわち、2つのCoFe磁性層12a−25,12a−27の磁化ベクトルのなす角度が180度となる。また、この場合には、第1CoFe磁性層12a−25の磁化の強さが、第2CoFe磁性層12a−27よりも大きくなる。したがって、領域(I)は、前述の規則化熱処理工程において付与する本願の磁界Hの強さ範囲を示している。
さらに、磁界Hの強さが領域(I)よりも大きい領域(III)内にある場合には、2つのCoFe磁性層12a−25,12a−27が両方とも磁界Hと同じ方向に磁化され、2つのCoFe磁性層12a−25,12a−27は平行状態となる、すなわち、2つのCoFe磁性層12a−25,12a−27の磁化ベクトルのなす角度が0度となる。したがって、領域(III)は、従来のSAF構造のGMR素子に対して付与する磁界Hの強さ範囲を示している。
なお、磁界Hの強さが領域(I)よりも大きく領域(III)よりも小さい領域(II)内にある場合には、2つのCoFe磁性層12a−25,12a−27の磁化の向きが反平行状態から平行状態、あるいは、平行状態から反平行状態に遷移した状態となる。すなわち、この領域(II)においては、2つのCoFe磁性層12a−25,12a−27の磁化ベクトルのなす角度が0度よりも大きく180度よりも小さくなる。
そして、上述した領域(I)と領域(II)との境界をなす磁界Hの大きさ(反平行状態となる磁界Hの上限値)B1、及び、領域(II)と領域(III)との境界をなす磁界Hの大きさ(平行状態となる磁界Hの下限値)B2は、図20に示すように、Ru層の厚さに応じて変化する。また、Ru層の厚さが厚いほど、反平行状態となる磁界Hの上限値B1及び平行状態となる磁界Hの下限値B2は小さくなる。
また、Ru層の厚さに対する磁界Hの下限値B2の変化率は、磁界Hの上限値B1の変化率よりも小さい。すなわち、従来のように領域(III)内の磁界Hの強さで規則化熱処理工程を行う場合には、Ru層の厚さがわずかに変化しただけで2つのCoFe磁性層の磁化される向きが領域(II)の状態となりやすい。これに対して、本実施形態のように領域(I)内の磁界Hの強さで規則化熱処理工程を行う場合には、Ru層の厚さがわずかに変化しただけでは、2つのCoFe磁性層12a−25,12a−27の磁化される向きは、領域(I)の状態にあり、領域(II)の状態になりにくい。したがって、領域(I)内の磁界Hの強さで規則化熱処理工程を行うことで、Ru層の膜厚を高精度に設定することなく、容易にGMR素子を形成する素子形成工程を実施することが可能となる。
そして、前述のように規則化熱処理工程を実施すると、図4に示したように、第1X軸GMR素子12aおよび第2X軸GMR素子12bにおいては、X軸正方向、すなわち、図4(a)のa1,b1方向にピン層Pの磁化の向きが固定され、第3X軸GMR素子12cおよび第4X軸GMR素子12dにおいては、X軸負方向、すなわち、図4(a)のc1,d1方向にピン層Pの磁化の向きが固定されることとなる。
一方、第1Y1軸GMR素子12eおよび第2Y1軸GMR素子12fにおいては、突部(堤部)15の第1斜面15aに沿うY軸正方向、すなわち、図4(b)の矢印e1,f1方向にピン層Pの磁化の向きが固定されることとなる。また、第3Y1軸GMR素子12gおよび第4Y1軸GMR素子12hにおいては、突部(堤部)15の第1斜面15aに沿うY軸負方向、すなわち、図4(c)の矢印g1,h1方向にピン層Pの磁化の向きが固定されることとなる。
さらに、第1Y2軸GMR素子12iおよび第2Y2軸GMR素子12jにおいては、突部(堤部)15の第2斜面15bに沿うY軸負方向、すなわち、図4(c)の矢印i1,j1方向にピン層Pの磁化の向きが固定されることとなる。
また、第3Y2軸GMR素子12kおよび第4Y2軸GMR素子12lにおいては、突部(堤部)15の第2斜面15bに沿うY軸正方向、すなわち、図4(b)の矢印k1,l1方向にピン層Pの磁化の向きが固定されることとなる。
以上のように、この三軸磁気センサ10及びその製造方法によれば、従来のように、ヨークを使用する等して2つのCoFe磁性層間の反平行状態を崩す程度の強い磁界を付与する必要が無くなる。また、規則化熱処理工程においては従来よりも弱い磁界を付与することになるため、磁界を付与する永久棒磁石アレー16と基板11との隙間距離の変化に対してGMR素子に付与される磁界の強さ変化も小さくなり、基板11と永久棒磁石アレー16との相対的な位置合わせや隙間調整を高精度に行う必要も無くなる。したがって、規則化熱処理工程においては、ピン層Pの磁化の向きを容易に制御することが可能となる。
以上のことから、平坦面上、第1斜面15a上及び第2斜面15b上に形成された全てのGMR素子のピン層Pを構成する2つのCoFe磁性層の磁化の向きを容易に所定の方向にピンすることができ、三軸磁気センサ10を容易に製造することが可能となる。
そして、第1CoFe磁性層の膜厚は第2CoFe磁性層の膜厚よりも大きいため、第1CoFe磁性層の磁気モーメントを確実に第2CoFe磁性層の磁気モーメントよりも大きくすることができ、規則化熱処理工程においてこれら2つのCoFe磁性層の磁化の向きを反平行に維持したまま、各CoFe磁性層を所定の方向にピンすることができる。
また、フリー層Fには2つのCoFe磁性層の磁力が作用し、これら2つのCoFe磁性層の磁力には、第1CoFe磁性層との交換結合力とピン層Pの各CoFe磁性層の磁界に基づく静磁的な力とがあるが、第1CoFe磁性層の磁気モーメントを第2CoFe磁性層よりも大きくすることで、フリー層Fに作用する交換結合力及び静磁的な力の総和を容易に小さくすることができる。
すなわち、フリー層Fに作用する第1CoFe磁性層の静磁的な力及び交換結合力の大きさは、例えばスペーサ層Sの膜厚を調整することで略等しくすることができる。そして、上述のように第2CoFe磁性層の磁気モーメントを第1CoFe磁性層よりも小さくすることで、フリー層Fに作用する第2CoFe磁性層の静磁的な力を第1CoFe磁性層の静磁的な力及び交換結合力の大きさよりも小さくすることができる。
ここで、第1CoFe磁性層の交換結合力の向きは、第1CoFe磁性層の静磁的な力と逆向きとなり、第2CoFe磁性層の静磁的な力と同じ向きとなるため、フリー層Fに作用する交換結合力及び静磁的な力の総和を容易に小さくすることができる。したがって、フリー層Fの磁化の向きに対する2つのCoFe磁性層の磁力の影響を小さくして、フリー層Fの磁化の向きを好ましく設定することができる。
また、Ru層の膜厚を薄くすることで、2つのCoFe磁性層間の反平行状態を保持できる磁界の強さ範囲を拡大することができるため(図20参照)、規則化熱処理工程における磁界Hの強さ制御を簡単に行うことができ、ピン層Pの磁化の向きをさらに容易に制御することが可能となる。
さらに、規則化熱処理工程において永久棒磁石アレー16を基板11の裏面側に配置することで、永久棒磁石アレー16近傍において生じる磁界Hが強くても、永久棒磁石アレー16を基板11の厚み分だけGMR素子から離間させて、各GMR素子のピン層Pを構成する2つのCoFe磁性層に到達する磁界Hの強さを容易に弱めることが可能となる。また、永久棒磁石アレー16と基板11との距離変化に対する磁界Hの強度変化を小さくできるため(図20参照)、GMR素子に付与する磁界Hの強さを容易に調整することが可能となる。
なお、上記実施形態において、ピン層Pを構成する第1CoFe磁性層、第2CoFe磁性層及びRu層の膜厚は、上記実施形態の数値に限ることはなく、少なくとも第1CoFe磁性層の膜厚が第2CoFe磁性層の膜厚よりも大きければよい。また、フリー層Fに作用する2つのCoFe磁性層の磁力を考慮しない場合には、少なくともこれら2つのCoFe磁性層の膜厚が相互に異なっていればよい。さらに、Ru層の膜厚は、2つのCoFe磁性層が反平行となる状態を保持できる磁界Hの強さ範囲を広く設定できる程度であればよく、少なくとも4Å以上10Å以下に設定されていればよい。
また、ピン層PのRu層の両側には、同一の材料からなる第1CoFe磁性層及び第2CoFe磁性層が形成されるとしたが、これに限ることはなく、例えば、相互に異なる材料からなる第1磁性層及び第2磁性層が形成されるとしても構わない。この場合には、これら第1磁性層及び第2磁性層の磁気モーメントが相互に異なるように各磁性層の材料を選択すれば、2つの磁性層の膜厚を同一としても構わない。
さらに、上記実施形態において、Y1軸GMR素子およびY2軸GMR素子のGMRバーは、同一の突部15に配置されるとしたが、少なくとも相互に異なる方向に傾斜する斜面に配置されていればよく、例えば別個の突部に配置されるとしても構わない。
また、上記実施形態においては、基板11の平坦面上、相互に異なる方向に傾斜する第1斜面15a及び第2斜面15bにそれぞれGMR素子を配置して三軸方向の磁気を検出する磁気センサについて述べたが、これに限ることはなく、例えば二軸方向あるいは一軸方向の磁気を検出する磁気センサにも適用することができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
この発明の一実施形態に係る磁気センサを模式的に示す概略構成図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A’矢視断面図である。 図1の磁気センサを構成する巨大磁気抵抗効果素子を模式的に示しており、(a)は複数の巨大磁気抵抗効果素子(GMR)バーが接続されて1つのX軸用の巨大磁気抵抗効果素子を構成された状態を示す概略平面図であり、(b)は(a)のB−B’矢視断面図である。 図1の磁気センサを構成する巨大磁気抵抗効果素子を示しており、(a)は図2(b)の内部の積層状態を模式的に示す図であり、(b)はピン層における第1CoFe磁性層及び第2CoFe磁性層の磁化の向きを模式的に示す図である。 図1の三軸磁気センサのピニング方向と感度方向を示しており、図4(a)は全体の平面を模式的に示す平面図であり、図4(b)は、図4(a)のD部を拡大して模式的に示す斜視図であり、図4(c)は、図4(a)のE部を拡大して模式的に示す斜視図である。 図1の磁気センサの製造工程を模式的に示す概略断面図である。 図1の磁気センサの製造工程を模式的に示す概略断面図である。 図1の磁気センサの製造工程を模式的に示す概略断面図である。 図1の磁気センサの製造工程を模式的に示す概略断面図である。 図1の磁気センサの製造工程を模式的に示す概略断面図である。 図1の磁気センサの製造工程を模式的に示す概略断面図である。 図1の磁気センサの製造工程を模式的に示す概略断面図である。 図1の磁気センサの製造工程を模式的に示す概略断面図である。 図1の磁気センサの製造工程を模式的に示す概略断面図である。 図1の磁気センサの製造工程を模式的に示す概略断面図である。 図1の磁気センサの製造工程を模式的に示す概略断面図である。 規則化熱処理(ピニング処理)の状態を模式的に示す概略平面図である。 図16のG−G’矢視断面図である。 規則化熱処理(ピニング処理)において、ピン層を構成する第1CoFe磁性層及び第2CoFe磁性層が磁化する向きを模式的に示す図である。 規則化処理において、GMR素子に付与する磁界の強さとピン層の飽和磁化との関係を示すグラフであり、当該グラフは、Ru層の膜厚が8Åである場合に2つのCoFe磁性層が反平行状態を保持できる磁界の領域を示している。 Ru層の厚さとGMR素子に付与する磁界の強さとの関係を示すグラフである。
符号の説明
10…三軸磁気センサ、11…基板、12a〜12d…X軸GMR素子、12e〜12h…Y1軸GMR素子、12i〜12l…Y2軸GMR素子、12a−25…第1CoFe磁性層(第1磁性層)、12a−26…Ru層、12a−27…第2CoFe磁性層(第2磁性層)、12a−28…反強磁性膜(反強磁性層)、15a…第1斜面、15b…第2斜面、16…永久棒磁石アレー(マグネットアレー)、F…フリー層、H…磁界、P…ピン層、S…スペーサ層(導電層)

Claims (11)

  1. 基板の表面上に、フリー層、導電層及びピン層を順次積層して巨大磁気抵抗効果素子を形成する素子形成工程と、
    前記ピン層に磁界を付与して、前記ピン層の磁化の向きを固定させる規則化熱処理工程とを備え、
    前記素子形成工程において、前記導電層の上に第1磁性層、Ru層、第2磁性層及び反強磁性層を順次積層して前記ピン層を形成し、
    前記規則化熱処理工程では、前記第1磁性層及び前記第2磁性層の各磁性層が磁化すると共に前記第1磁性層及び前記第2磁性層が互いに反平行である状態に保持して規則化熱処理することを特徴とする磁気センサの製造方法。
  2. 前記素子形成工程において、前記第1磁性層の膜厚と前記第2磁性層の膜厚とが相互に異なるように前記ピン層を形成することを特徴とする請求項1に記載の磁気センサの製造方法。
  3. 前記素子形成工程において、前記第1磁性層の膜厚が前記第2磁性層の膜厚よりも大きくなるように、前記ピン層を形成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の磁気センサの製造方法。
  4. 前記素子形成工程において、前記Ru層の膜厚が4Å以上10Å以下となるように、前記ピン層を形成することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の磁気センサの製造方法。
  5. 前記規則化熱処理工程において、前記磁界を付与するマグネットアレーを前記基板の裏面側に配置することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の磁気センサの製造方法。
  6. 前記素子形成工程の前に、前記基板の表面に、前記基板の厚さ方向に直交する平坦面と該平坦面に対して傾斜する斜面とを形成しておき、
    前記素子形成工程において、前記巨大磁気抵抗効果素子を前記平坦面上及び前記斜面上に形成することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の磁気センサの製造方法。
  7. 基板と、該基板の表面上にフリー層、導電層及びピン層を積層してなる巨大磁気抵抗効果素子とを備え、
    前記ピン層が、前記導電層上に順次積層された第1磁性層、Ru層、第2磁性層及び反強磁性層を備え、
    前記第1磁性層の磁気モーメントと前記第2磁性層の磁気モーメントとが相互に異なることを特徴とする磁気センサ。
  8. 前記第1磁性層及び前記第2磁性層の膜厚が相互に異なることを特徴とする請求項8に記載の磁気センサ。
  9. 前記第1磁性層の磁気モーメントが前記第2磁性層の磁気モーメントよりも大きいことを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の磁気センサ。
  10. 前記Ru層の膜厚が、4Å以上10Å以下であることを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか1項に記載の磁気センサ。
  11. 前記基板の表面に、前記基板の厚さ方向に直交する平坦面と該平坦面に対して傾斜する斜面とが形成され、
    前記巨大磁気抵抗効果素子が、前記平坦面上及び前記斜面上にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項7から請求項10のいずれか1項に記載の磁気センサ。


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