JP2008240946A - 転がり軸受の潤滑装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 軸受の冷却を兼ねた潤滑油供給が行え、軸受内に入る潤滑油量を制限して潤滑油の攪拌抵抗を小さくすることができ、転がり軸受の内輪に難しい加工をする必要が無い転がり軸受の潤滑装置を提供する。
【解決手段】 転がり軸受1の内輪2の端面F1に接する内輪間座21Aを設ける。内輪間座21Aの内輪2に対する反対側の端面から外径面に渡って、内輪間座21Aの全周に続く円周溝6を設ける。円周溝6内に、軸受冷却媒体を兼ねる潤滑油を吐出するノズル8を、転がり軸受1の外輪3に隣接する潤滑油導入部材7に設ける。内輪2の外径面および内輪間座21Aの外径面に互いに連続して、円周溝6内の潤滑油を内輪2および内輪間座21Aの回転による遠心力と表面張力とで内輪2の軌道面2aへ導く斜面部21Aa,2bを設ける。潤滑油導入部材7に、内輪間座21Aの斜面部21Aaの全周に被さって斜面部21Aaとの間に潤滑油の流れる隙間δを形成する被さり部7cを設ける。
【選択図】 図2
【解決手段】 転がり軸受1の内輪2の端面F1に接する内輪間座21Aを設ける。内輪間座21Aの内輪2に対する反対側の端面から外径面に渡って、内輪間座21Aの全周に続く円周溝6を設ける。円周溝6内に、軸受冷却媒体を兼ねる潤滑油を吐出するノズル8を、転がり軸受1の外輪3に隣接する潤滑油導入部材7に設ける。内輪2の外径面および内輪間座21Aの外径面に互いに連続して、円周溝6内の潤滑油を内輪2および内輪間座21Aの回転による遠心力と表面張力とで内輪2の軌道面2aへ導く斜面部21Aa,2bを設ける。潤滑油導入部材7に、内輪間座21Aの斜面部21Aaの全周に被さって斜面部21Aaとの間に潤滑油の流れる隙間δを形成する被さり部7cを設ける。
【選択図】 図2
Description
この発明は、工作機械用主軸等の高速スピンドルの支持に用いられる転がり軸受の潤滑装置に関する。
工作機械用主軸では加工能率を上げるため、ますます高速化の傾向にある。主軸の高速化に伴い、主軸軸受ではトルクと発熱量が増加する。これに対処するために、多量の油を軸受内に噴射することで軸受の潤滑と冷却を同時に行うジェット潤滑が用いられている。しかし、このジェット潤滑は、一般的に、軸受内に入った油による攪拌抵抗によりパワーロスが大きくなる欠点がある。
そこで、軸受内部に入る潤滑油量を制限することにより、油による攪拌抵抗を小さくした新しいジェット潤滑構造が提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1に開示される新ジェット潤滑構造は、外輪間座等からなる潤滑油導入部材から吐出した潤滑油を、内輪の端面に設けた円周溝で受けて内輪発熱を冷却するものである。冷却後の潤滑油は、大部分が軸受外に排出されるが、一部が軸受潤滑用として、潤滑油導入部材と内輪の外径斜面との間に設けた隙間から、内輪の軌道面に流入する。つまり、軸受の潤滑に必要な少量の潤滑油しか軸受内部には入らない。このため、攪拌抵抗が小さくなり、軸受の動力損失が小さくなる。
また、エアと共に潤滑油を軸受に供給するタイプの潤滑装置では、本件に関連する技術として特許文献2、3等が挙げられる。
特開2006−118525号公報
特開2001−12481号公報
特開2002−130303号公報
また、エアと共に潤滑油を軸受に供給するタイプの潤滑装置では、本件に関連する技術として特許文献2、3等が挙げられる。
特許文献1等に示された新ジェット潤滑構造は、転がり軸受の内輪の端面に、潤滑油導入部材から吐出された潤滑油を受ける円周溝を設ける必要があるため、軸受の製造工程が特殊となり、標準的な転がり軸受を使用することができなかった。
また、転がり軸受の内外輪は、高精度の加工や高度の熱処理を要するものであるため、内輪に円周溝を設けると、内輪の各部を精度良く加工することや、内輪の軌道面に適正な熱処理を施すことが難しくなる。例えば、アンギュラ玉軸受は、単純な構造であるので高精度加工に適しているという利点があるが、内輪に円周溝を設ければ、その利点が失われてしまう。
また、転がり軸受の内外輪は、高精度の加工や高度の熱処理を要するものであるため、内輪に円周溝を設けると、内輪の各部を精度良く加工することや、内輪の軌道面に適正な熱処理を施すことが難しくなる。例えば、アンギュラ玉軸受は、単純な構造であるので高精度加工に適しているという利点があるが、内輪に円周溝を設ければ、その利点が失われてしまう。
この発明の目的は、軸受の冷却を兼ねた潤滑油供給が行え、軸受内に入る潤滑油量を制限して潤滑油の攪拌抵抗を小さくすることができ、転がり軸受の内輪に難しい加工をする必要が無い転がり軸受の潤滑装置を提供することである。
この発明にかかる転がり軸受の潤滑装置は、転がり軸受の内輪の端面に接する内輪間座を設け、この内輪間座の前記内輪に対する反対側の端面から外径面に渡って内輪間座の全周に続く円周溝を設け、この円周溝内に、軸受冷却媒体を兼ねる潤滑油を吐出するノズルを、前記転がり軸受の外輪に隣接する潤滑油導入部材に設け、前記内輪の外径面および前記内輪間座の外径面に互いに連続して、前記円周溝内の潤滑油を内輪および内輪間座の回転による遠心力と表面張力とで内輪の軌道面へ導く斜面部を設け、前記潤滑油導入部材に、前記内輪間座の斜面部の全周に被さって前記斜面部との間に潤滑油の流れる隙間を形成する被さり部を設けたことを特徴とする。
この構成によると、ノズルから吐出された潤滑油は、内輪間座の端面に設けた円周溝で受けられ、内輪間座およびそれに接する内輪を冷却する。円周溝で受けられた潤滑油の大半は、遠心力で円周溝から外径側へ放出される。円周溝の一部の潤滑油は、内輪および内輪間座の回転による遠心力と表面張力とにより、内輪の外径面および内輪間座の外径面に設けられた斜面部に沿って、内輪の軌道面へ導かれて潤滑に使用される。内輪の軌道面に供給される潤滑油は、円周溝から軸受内へ、内輪間座の斜面部と潤滑油導入部材の被さり部との間に形成される隙間を通って流入するため、この隙間の間隔を適当に設定することにより、軸受内に流入する潤滑油量を軸受の潤滑に必要な分だけに制限することができる。そのため、軸受内での油による攪拌抵抗を小さくして、軸受の動力損失を小さく抑えることができる。
内輪間座に円周溝を設けたため、転がり軸受の内輪に円周溝を加工する必要がなく、内輪の各部を高精度で加工することができる。内輪に円周溝が無いため、転がり軸受として標準的な形状のものを使用することができる。なお、内輪間座は熱処理が不要であるので、内輪間座に円周溝を設けるのは容易である。
また、前記隙間は、それぞれ転がり軸受とは別の部材である内輪間座と潤滑油導入部材との間に形成されているため、隙間管理のために転がり軸受との調整を行う必要がなく、隙間管理が容易である。
内輪間座に円周溝を設けたため、転がり軸受の内輪に円周溝を加工する必要がなく、内輪の各部を高精度で加工することができる。内輪に円周溝が無いため、転がり軸受として標準的な形状のものを使用することができる。なお、内輪間座は熱処理が不要であるので、内輪間座に円周溝を設けるのは容易である。
また、前記隙間は、それぞれ転がり軸受とは別の部材である内輪間座と潤滑油導入部材との間に形成されているため、隙間管理のために転がり軸受との調整を行う必要がなく、隙間管理が容易である。
この発明において、前記内輪間座が接する側の内輪端面の軸方向位置と、前記潤滑油導入部材が隣接する側の外輪端面の軸方向位置とを、互いに同じ位置としてもよい。あるいは、前記内輪間座が接する側の内輪端面の軸方向位置を、前記潤滑油導入部材が隣接する側の外輪端面の軸方向位置よりも内輪の軌道面側へ引っ込む位置としてもよい。
いずれの場合も、上記作用が得られる。特に、前記内輪端面の軸方向位置と前記外輪端面の軸方向位置とを、互いに同じ位置とした場合は、標準寸法の転がり軸受を使用できるという利点がある。
いずれの場合も、上記作用が得られる。特に、前記内輪端面の軸方向位置と前記外輪端面の軸方向位置とを、互いに同じ位置とした場合は、標準寸法の転がり軸受を使用できるという利点がある。
この発明において、前記転がり軸受がアンギュラ玉軸受である場合は、前記内輪の斜面部を、前記内輪の軌道面に対して接触角が生じる方向とは反対側の外径面部分に設けるのが良い。
内輪の外径面における内輪の軌道面に対して接触角が生じる方向とは反対側の部分は、転動体からの軸方向荷重を受けないので、外径面が斜面部となる形状にしても強度的に問題が少ないからである。
内輪の外径面における内輪の軌道面に対して接触角が生じる方向とは反対側の部分は、転動体からの軸方向荷重を受けないので、外径面が斜面部となる形状にしても強度的に問題が少ないからである。
この発明の転がり軸受の潤滑装置は、転がり軸受の内輪の端面に接する内輪間座を設け、この内輪間座の前記内輪に対する反対側の端面から外径面に渡って内輪間座の全周に続く円周溝を設け、この円周溝内に、軸受冷却媒体を兼ねる潤滑油を吐出するノズルを、前記転がり軸受の外輪に隣接する潤滑油導入部材に設け、前記内輪の外径面および前記内輪間座の外径面に互いに連続して、前記円周溝内の潤滑油を内輪および内輪間座の回転による遠心力と表面張力とで内輪の軌道面へ導く斜面部を設け、前記潤滑油導入部材に、前記内輪間座の斜面部の全周に被さって前記斜面部との間に潤滑油の流れる隙間を形成する被さり部を設けたため、軸受の冷却を兼ねた潤滑油供給が行え、軸受内に入る潤滑油量を制限して潤滑油の攪拌抵抗を小さくすることができる。また、転がり軸受の内輪に複雑な加工をする必要が無いので、内輪を高精度に加工することができ、かつ転がり軸受として標準的な形状のものを使用できる。
この発明の第1の実施形態を図1ないし図3と共に説明する。図1はこの実施形態の転がり軸受の潤滑装置の断面図を示す。この転がり軸受の潤滑装置は、潤滑油導入部材7から転がり軸受1に向けて多量の潤滑油をジェット噴射し、軸受の潤滑と冷却を同時に行うものである。
転がり軸受1はアンギュラ玉軸受からなり、図2に拡大して示すように、内輪2と、外輪3と、これら内外輪2,3の軌道面2a,3a間に介在させた複数の転動体4とを有する。転動体4はボールからなり、環状の保持器5により、円周方向に所定間隔を隔てて保持されている。内輪2の外径面における内輪の軌道面に対して接触角が生じる方向とは反対側すなわち反負荷側の部分に、軌道面2aに近づくに従って大径となる斜面部2bが設けられている。この実施形態では、第1内輪間座21Aが接する側の内輪端面F1の軸方向位置と、潤滑油導入部材7が隣接する側の外輪端面F2の軸方向位置とを、互いに同じ位置としてある。このため、転がり軸受1として、標準寸法のアンギュラ玉軸受を使用できる。
この転がり軸受1は、工作機械の主軸軸受として用いられる。内輪2は、主軸25の外径面に嵌合し、内輪間座21A,21Bにより位置決めされている。外輪3は、図示しない軸受箱内に固定され、外輪位置決め間座である前記潤滑油導入部材7により位置決めされている。
前記内輪間座は、内輪2の端面F1に接する第1内輪間座21Aと、この第1内輪間座21Aの内輪2と反対側の端面に接する第2内輪間座21Bとに分割されている。そして、第1内輪間座21Aの内輪2と反対側の端面から外径面に渡って、全周に続く円周溝6が設けられている。第1内輪間座21Aの外径面は、内輪2の斜面部2bに続く斜面部21Aaとして形成されている。第1内輪間座21Aの内輪2と反対側端の径よりも、第2内輪間座21Bの内輪側端の径の方が大きく、第2内輪間座21Bの内輪側端面により、円周溝6の内輪2と反対側の面が塞がれていて、円周溝6はほぼ外径側だけが開口している。
潤滑油導入部材7は、第1内輪間座21Aの円周溝6に潤滑油を吐出するノズル8と、潤滑油導入部材7の外径面から内径側に向けて延び前記ノズル8に連通する給油路9とを有する。この実施形態では、ノズル8が、前記円周溝6の底面の中心位置に向く傾斜角度で形成されている。潤滑油導入部材7には、放出潤滑油規制部材15が組み合わせてある。
図3に示すように、潤滑油導入部材7は、環状本体7aの円周方向の等配位置複数箇所(例えば3箇所)に、内径側に突出したノズル形成突部7bが設けられていて、各ノズル形成突部7bに前記ノズル8が設けられている。前記給油路9は、環状本体7aの外径面に設けられた給油路C状溝部9aと、この給油路C状溝部9aの底面から各ノズル形成突部7bの周方向位置で内径側に延びる給油路個別孔部9bとでなる。給油路個別孔部9bの先端にノズル8が連通する。
潤滑油導入部材7の転がり軸受1側の端部には、環状の被さり部7cが設けられている。この被さり部7cは、前記第1内輪間座21Aの斜面部21Aaに全周に被さって、斜面部21Aaとの間に潤滑油流入用の隙間δを形成している。被さり部7cの内径面は、第1内輪間座21Aの斜面部21Aaと平行であり、前記隙間δの隙間寸法は全域にわたって一定である。
潤滑油導入部材7の放出潤滑油規制部材15が組み合わされる側の端面の1箇所には、ノズル8から円周溝6内に吐出された潤滑油のうち軸受空間内に入らなかった潤滑油を外部に排出する軸受外排油口10が設けられている。また、潤滑油導入部材7の前記軸受外排油口10が設けられている側とは反対側の端面には、転がり軸受1の内部に供給された潤滑油を外部に排出する軸受内排油溝11および軸受内排油口12が設けられている。軸受内排油溝11は環状の溝であり、この軸受内排油溝11の1箇所に軸受内排油口12が開口している。軸受外排油口10および軸受内排油口12は、円周方向の同位置に設けられている。これら軸受外排油口10および軸受内排油口12は、潤滑油導入部材7の環状本体7aの端部に設けられた切欠状部とされているが、環状本体7aの幅方向の中間に位置する貫通孔としてもよい。
放出潤滑油規制部材15は、潤滑油導入部材7のノズル8から吐出されて外径側に放出された潤滑油が飛散することを規制する部材である。放出潤滑油規制部材15は、全体的には転がり軸受1側に開口した断面溝形のリング部材であるが、前記軸受外排油口10の周方向位置で外径部分の一部が切り欠かれて通油口15aとされていて、この通油口15aを介して、潤滑油導入部材7の円周溝6側の空間と軸受外排油口10とが連通している(図1)。
この構成の転がり軸受の潤滑装置によると、潤滑油導入部材7の外径側から給油路9を経て導入された冷却媒体兼用の潤滑油が、ノズル8から第1内輪間座21Aの円周溝6に向けて噴出され、この潤滑油により第1内輪間座21Aおよびそれに接する内輪2が冷却される。ノズル8から噴射された潤滑油は円周溝6の底面で受け止められ、円周溝6内に一時的に溜まるため、第1内輪間座21Aおよび内輪2を効果的に冷却することができる。
円周溝6で受け止められた潤滑油は、円周溝6の底面からの第1内輪間座21Aおよび内輪2を冷却した後、遠心力で円周溝6から外径側へ放出される。外径側へ放出された潤滑油のうちの一部は、第1内輪間座21Aと内輪2の外径面に設けた斜面部21Aa,2bに沿って、内輪2の回転による遠心力と表面張力とにより、内輪2の軌道面2a側へ流れる。これにより、転がり軸受1を潤滑する。その際、潤滑油は、第1内輪間座21Aの斜面部21Aaと潤滑油導入部材被さり部7cの内径面7caとの間の隙間δを通って、軸受内に流入するため、隙間δの間隔を適当に設定することにより、軸受内に入る潤滑油量を軸受の潤滑に必要な分だけに制限することができる。それにより、軸受内での油による攪拌抵抗を小さくして、軸受の動力損失を小さく抑えることができる。隙間δから軸受内に供給されなかった潤滑油は、排出油として潤滑油導入部材7の軸受外排油口10から外部へ排出される。
この構成の転がり軸受の潤滑装置は、第1内輪間座21Aに円周溝6を設けたため、内輪2に円周溝を加工する必要がなく、内輪2の各部を高精度で加工することができる。また、内輪2に円周溝が無いため、転がり軸受1として標準的な形状のものを使用することができる。内輪間座21A,21Bは熱処理が不要であるので、第1内輪間座21Aに円周溝6を設けるのは容易である。
図4はこの発明の第2の実施形態を示す。この第2の実施形態は、図1〜図3に示す第1の実施形態と次の点で異なる。すなわち、第1の実施形態では、第1内輪間座21Aが接する側の内輪端面F1の軸方向位置と、潤滑油導入部材7が隣接する側の外輪端面F2の軸方向位置とを、互いに同じ位置としてあるのに対し、第2の実施形態では、第1内輪間座21Aが接する側の内輪端面F1の軸方向位置を、潤滑油導入部材7が隣接する側の外輪端面F2の軸方向位置よりも内輪2の軌道面2a側へ引っ込む位置としてある。それに伴い、転がり軸受1、潤滑油導入部材7、および内輪間座21A,21Bの各部の形状が第1の実施形態のものと異なっているが、基本的な構成は第1、第2の実施形態共に同じである。したがって、第2の実施形態の作用、効果は、第1の実施形態と同様である。
この発明の転がり軸受の潤滑装置は、転がり軸受の内輪とは別に設けた内輪間座に円周溝を設けることで、内輪の高精度加工を可能にし、かつ標準な形状の転がり軸受の使用を可能にするという効果を奏するものであるが、種々の状況や条件次第では、例えば図5に示すように、第1の実施形態における転がり軸受1の内輪2と第1内輪間座21Aとを一体化して、内輪2´を円周溝6付きとしたものも採用することができる。
図6は、図1〜図3に示した第1の実施形態の転がり軸受の潤滑装置を備えた高速スピンドル装置の一例を示す。このスピンドル装置24は工作機械に応用されるものであり、主軸25の端部に工具またはワークのチャックが取付けられる。主軸25は、軸方向の前側(加工側)端部および後側端部で、それぞれ一対の転がり軸受1により支持されている。スピンドルハウジングは、外ハウジング43と、内ハウジング44と、この内ハウジング44の内側に嵌合する前側軸受箱26Aおよび後側軸受箱26Bとでなる。前側軸受箱26Aと後側軸受箱26B間の軸方向位置には、モータ45が収容されている。
各転がり軸受1の内輪2は主軸25の外径面に嵌合し、外輪3は前側軸受箱26Aまたは後側軸受箱26Bの内径面に嵌合している。アンギュラ玉軸受である一対の転がり軸受1は、背面組合せで設けられており、それぞれの内輪2間は第1内輪間座21Aおよび第2内輪間座21Bにより互いに位置決めされ、それぞれの外輪3間は潤滑油導入部材7により互いに位置決めされている。軸端側の転がり軸受1の内輪2に内輪位置決め部材27を介して内輪押さえ28を押し当て、かつ外輪3に外輪位置決め部材29を介して外輪押さえ30を押し当てることで、一対の転がり軸受1が軸受箱26A,26Bに固定されている。
各転がり軸受1の内輪2は主軸25の外径面に嵌合し、外輪3は前側軸受箱26Aまたは後側軸受箱26Bの内径面に嵌合している。アンギュラ玉軸受である一対の転がり軸受1は、背面組合せで設けられており、それぞれの内輪2間は第1内輪間座21Aおよび第2内輪間座21Bにより互いに位置決めされ、それぞれの外輪3間は潤滑油導入部材7により互いに位置決めされている。軸端側の転がり軸受1の内輪2に内輪位置決め部材27を介して内輪押さえ28を押し当て、かつ外輪3に外輪位置決め部材29を介して外輪押さえ30を押し当てることで、一対の転がり軸受1が軸受箱26A,26Bに固定されている。
軸受箱26A,26Bおよび外輪押さえ30には、転がり軸受1をジェット潤滑する場合の供給源である冷却油供給装置32から冷却された潤滑油を導入する冷却油導入孔33が設けられている。この冷却油導入孔33は、潤滑油導入部材7の給油路9に連通している。冷却油供給装置32からの給油路38は、油ろ過器40および圧力調整弁41を経て冷却油導入孔33につながっている。また、軸受箱26A,26Bおよび外輪押さえ30には、ジェット潤滑された後の排油を冷却油供給装置32に戻す排油孔35が設けられている。この排油孔35は、潤滑油導入部材7の軸受外排油口10および軸受内排油口12に連通している。軸受の冷却および潤滑に使用されて排油口10,12から流出した排油は、排油孔35から排油ポンプ37を経て冷却油供給装置32に回収される。
なお、このスピンドル装置24は、第1の実施形態に係る転がり軸受の潤滑装置を適用した場合につき説明したが、他のいずれかの実施形態に係る転がり軸受の潤滑装置を用いても良い。
1…転がり軸受
2…内輪
2a…軌道面
2b…斜面部
3…外輪
4…転動体
5…保持器
6…円周溝
7…潤滑油導入部材
7c…被さり部
8…ノズル
21A…第1内輪間座
21Aa…斜面部
21B…第2内輪間座
F1…内輪端面
F2…外輪端面
δ…隙間
2…内輪
2a…軌道面
2b…斜面部
3…外輪
4…転動体
5…保持器
6…円周溝
7…潤滑油導入部材
7c…被さり部
8…ノズル
21A…第1内輪間座
21Aa…斜面部
21B…第2内輪間座
F1…内輪端面
F2…外輪端面
δ…隙間
Claims (4)
- 転がり軸受の内輪の端面に接する内輪間座を設け、この内輪間座の前記内輪に対する反対側の端面から外径面に渡って内輪間座の全周に続く円周溝を設け、この円周溝内に、軸受冷却媒体を兼ねる潤滑油を吐出するノズルを、前記転がり軸受の外輪に隣接する潤滑油導入部材に設け、前記内輪の外径面および前記内輪間座の外径面に互いに連続して、前記円周溝内の潤滑油を内輪および内輪間座の回転による遠心力と表面張力とで内輪の軌道面へ導く斜面部を設け、前記潤滑油導入部材に、前記内輪間座の斜面部の全周に被さって前記斜面部との間に潤滑油の流れる隙間を形成する被さり部を設けたことを特徴とする転がり軸受の潤滑装置。
- 請求項1において、前記内輪間座が接する側の内輪端面の軸方向位置と、前記潤滑油導入部材が隣接する側の外輪端面の軸方向位置とを、互いに同じ位置とした転がり軸受の潤滑装置。
- 請求項1において、前記内輪間座が接する側の内輪端面の軸方向位置を、前記潤滑油導入部材が隣接する側の外輪端面の軸方向位置よりも内輪の軌道面側へ引っ込む位置とした転がり軸受の潤滑装置。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記転がり軸受がアンギュラ玉軸受であり、前記内輪の斜面部を、前記内輪の軌道面に対して接触角が生じる方向とは反対側の外径面部分に設けた転がり軸受の潤滑装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007084363A JP2008240946A (ja) | 2007-03-28 | 2007-03-28 | 転がり軸受の潤滑装置 |
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