JP2006125485A - 転がり軸受の潤滑装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 複雑な冷却液供給機構を持たずに軸と軸受の冷却が効率的に行え、かつ必要量の潤滑油供給が簡易な構成で行える転がり軸受の潤滑装置を提供する。
【解決手段】 この転がり軸受の潤滑装置は、転がり軸受1の外輪3の幅面に接する外輪間座7に、前記転がり軸受1の内輪2の幅面に接する内輪間座6の外径面、または内輪2が嵌合した軸の外径面に潤滑油を吐出する吐出口8を設ける。前記内輪間座6の外径面、または前記軸の外径面に吐出された潤滑油を軸受内に導く潤滑油導き手段を設ける。前記潤滑油導き手段は、例えば内輪間座6の外径面または軸の外径面に設けられて内輪2側へ拡径するテーパ状部6aである。
【選択図】 図1
【解決手段】 この転がり軸受の潤滑装置は、転がり軸受1の外輪3の幅面に接する外輪間座7に、前記転がり軸受1の内輪2の幅面に接する内輪間座6の外径面、または内輪2が嵌合した軸の外径面に潤滑油を吐出する吐出口8を設ける。前記内輪間座6の外径面、または前記軸の外径面に吐出された潤滑油を軸受内に導く潤滑油導き手段を設ける。前記潤滑油導き手段は、例えば内輪間座6の外径面または軸の外径面に設けられて内輪2側へ拡径するテーパ状部6aである。
【選択図】 図1
Description
この発明は、工作機械主軸用の転がり軸受等に適用される潤滑装置に関する。
工作機械主軸では、加工能率を上げるため、ますます高速化の傾向にある。主軸の高速化に伴い、主軸軸受ではトルクと発熱量が増加する。この発熱により軸が熱膨張すると、加工位置が代わり、加工精度の低下につながる。そこで、これに対処するために、主軸軸受の潤滑には、ジェット潤滑やエアオイル潤滑が多く用いられている。
ジェット潤滑は、多量の油を軸受内に噴射し、軸受の潤滑と軸受の冷却を同時に行うものであるが、この潤滑法は、軸受を高速運転すると潤滑油の攪拌抵抗が大きくなることから(速度の二乗にほぼ比例)、軸受の動力損失が大きくなり、大容量の駆動モータが必要になる欠点がある。
また、エアオイル潤滑は、搬送エアに潤滑油を混合して油をノズルより軸受内に噴射するものであり、軸受内の油の攪拌抵抗を減じる対策として、内輪外径面に少量の油を付着させ、軌道面まで遠心力と表面張力を利用して給油するようにしたものが提案されている(例えば特許文献1,2)。
例えば特許文献1に開示の潤滑構造では、図11のように、軸受内輪42の一方の幅面に集油部であるスクープ部50が形成されると共に、これに隣接して配置される外輪間座47には、前記スクープ部50に向けて潤滑油を噴射する給油ノズル51が形成されている。また、スクープ部50はノズル孔52を介して内輪42の軌道面に連通しており、給油ノズル51から供給された潤滑油の大部分は、スクープ部50に浸入し、遠心力によりノズル孔52を経てボール44に吹き付けられる。
図11のV部を拡大して示す図12のように、前記外輪間座47の給油ノズル51形成側の端面と、内輪42のスクープ部50形成側の端面との間には、ギャップ量が0.2mm以下の隙間Cが形成されており、給油ノズル51から供給された潤滑油のうちスクープ部50に入らなかった一部の潤滑油で、外輪間座47の端面に付着したものは前記隙間Cを通り、内輪42の端面に移動する。また、内輪42のスクープ部50の形成側の外径面50aは軸受内側に向けて拡径するテーパ面とされ、さらに内輪端面と前記外径面50aとの交差部は曲面部50cとされているので、内輪42の端面に移動した潤滑油は、内輪42の回転に伴う遠心力で前記曲面部50cから内輪外径面50aに移動して、保持器45の下に供給される。
なお、上記特許文献1では、図11および図12に示す潤滑構造において、内輪42のノズル孔52を省略したもの(図13)も開示されている。
なお、上記特許文献1では、図11および図12に示す潤滑構造において、内輪42のノズル孔52を省略したもの(図13)も開示されている。
ところで、エアオイル潤滑に用いられるエアオイルには、軸受冷却効果がほとんど無い。そこで、エアオイル潤滑を採用する場合には、別途、冷却機構を設ける必要がある。そのような冷却機構として、ハウジングを冷却すると共に、軸の内径部に冷却油を通油することで軸受を冷却するものが知られている(特許文献3〜5)。
特開2001−012481号公報
特開2002−54643号公報
特許第3084356号公報
特開平7−24687号公報
特開平7−145819号公報
従来のジェット潤滑を行うものは、軸受の潤滑と冷却を同時に行えるが、上記のように多量の潤滑油を軸受内に噴射するため、高速運転すると攪拌抵抗が大きくなり、動力損失が大きくなるうえ、攪拌抵抗による発熱の問題がある。
特許文献1に示されるような内輪外径面に少量の油を付着させ、軌道面まで遠心力と表面張力を利用して給油するものは、攪拌抵抗を減じることができる点で優れているが、冷却効果を殆ど持たない。そのため、潤滑機構とは別に冷却手段が必要になる。また、図12の例のような内輪端面の隙間Cで潤滑油量を調整するものは、軸受サイズが小かったり、軸受内輪42の厚さが薄い場合に、上記隙間Cを適切に設けることが難しいという課題がある。
特許文献1に示されるような内輪外径面に少量の油を付着させ、軌道面まで遠心力と表面張力を利用して給油するものは、攪拌抵抗を減じることができる点で優れているが、冷却効果を殆ど持たない。そのため、潤滑機構とは別に冷却手段が必要になる。また、図12の例のような内輪端面の隙間Cで潤滑油量を調整するものは、軸受サイズが小かったり、軸受内輪42の厚さが薄い場合に、上記隙間Cを適切に設けることが難しいという課題がある。
冷却手段として、従来のハウジングを介して軸受外輪を冷却するものは、発熱源から離れた箇所で冷却することになり、冷却効率が悪い。特に、軸の冷却効果が悪く、工作機械に適用された場合の軸の熱膨張による加工精度の低下を緩和することが難しい。
特許文献3〜5の軸の内径部に冷却油を通油するものでは、軸の内径側に給油する専用の回転継手部が必要で、この回転継手部の構造が複雑になるなどの問題がある。
特許文献3〜5の軸の内径部に冷却油を通油するものでは、軸の内径側に給油する専用の回転継手部が必要で、この回転継手部の構造が複雑になるなどの問題がある。
この発明の目的は、複雑な冷却液供給機構を持たずに軸と軸受の冷却が効率的に行え、かつ必要量の潤滑油供給が簡易な構成で行える転がり軸受の潤滑装置を提供することである。
この発明の転がり軸受の潤滑装置は、転がり軸受の外輪の幅面に接する外輪間座に、前記転がり軸受の内輪の幅面に接する内輪間座の外径面、または内輪が嵌合した軸の外径面に潤滑油を吐出する吐出口を設け、前記内輪間座の外径面または前記軸の外径面に吐出された潤滑油を軸受内に導く潤滑油導き手段を設けたものである。
この構成によると、外輪間座の吐出口から、転がり軸受の内輪の幅面に接する内輪間座の外径面、または内輪が嵌合する軸の外径面に潤滑油を吐出させるため、この吐出された潤滑油で内輪間座または軸が冷却され、これに幅面で接する軸受内輪が熱伝導により冷却される。この場合に、発熱源である転がり軸受に近い位置で冷却するため、ハウジングを介して冷却するものに比べて冷却の効率が良く、また軸の冷却効果に優れる。そのため、工作機械の主軸軸受等に適用した場合に、軸の熱膨張による加工位置の変化を緩和することができる。また内輪間座または軸の外径面に潤滑油を吐出するものであるため、回転継手部等の複雑な冷却液供給機構を持たずに軸受の冷却を効果的に行うことができる。
内輪間座または軸の外径面に吐出された潤滑油の一部は、潤滑油導き手段で軸受内に導くようにしたため、冷却と潤滑が同じ吐出口からの潤滑油の吐出で行え、簡易な構成で冷却と潤滑の両機能を得ることができる。
内輪間座または軸の外径面に吐出された潤滑油の一部は、潤滑油導き手段で軸受内に導くようにしたため、冷却と潤滑が同じ吐出口からの潤滑油の吐出で行え、簡易な構成で冷却と潤滑の両機能を得ることができる。
この発明において、前記外輪間座に設けられた潤滑油の流入部と前記吐出口との円周方向位置を互いにずらせ、前記流入部と前記吐出口とを潤滑油流路で連通させても良い。
外輪間座における潤滑油の流入部と吐出口とが円周方向にずれていると、流入部から吐出口に至る潤滑油の流路が長くなり、その流路を流れる潤滑油により外輪間座が効率良く冷却される。外輪間座から熱伝導により転がり軸受の外輪が冷却され、軸受の冷却をさらに効果的に行うことができる。
外輪間座における潤滑油の流入部と吐出口とが円周方向にずれていると、流入部から吐出口に至る潤滑油の流路が長くなり、その流路を流れる潤滑油により外輪間座が効率良く冷却される。外輪間座から熱伝導により転がり軸受の外輪が冷却され、軸受の冷却をさらに効果的に行うことができる。
前記潤滑油流路は、前記外輪間座の外径面に設けられた円周溝と、この円周溝の底面から前記吐出口に連通する径方向孔とでなるものであっても良い。
円周溝を設けると、その中を流れる潤滑油により、外輪間座の全周を冷却することができ、外輪間座の冷却効率がさらに高くなる。
円周溝を設けると、その中を流れる潤滑油により、外輪間座の全周を冷却することができ、外輪間座の冷却効率がさらに高くなる。
この発明において、前記潤滑油導き手段は、前記内輪間座の外径面または軸の外径面に設けられて前記内輪側へ拡径するテーパ状部であっても良い。
内輪間座または軸の外径面にテーパ状部が設けられていると、吐出口から内輪間座または軸の外径面に吐出された潤滑油の一部が、その表面張力と軸の回転による遠心力とにより、前記テーパ状部から内輪の外径面へ流れ、転がり軸受内で潤滑油として使用される。潤滑油導き手段として、テーパ状部を設けるだけで良いため、構成が簡単である。
内輪間座または軸の外径面にテーパ状部が設けられていると、吐出口から内輪間座または軸の外径面に吐出された潤滑油の一部が、その表面張力と軸の回転による遠心力とにより、前記テーパ状部から内輪の外径面へ流れ、転がり軸受内で潤滑油として使用される。潤滑油導き手段として、テーパ状部を設けるだけで良いため、構成が簡単である。
この発明において、前記内輪の外径面に、この外径面上の潤滑油を遠心力と表面張力とで内輪の軌道面に続く斜面部を設けても良い。
この構成の場合、吐出口から内輪間座または軸の外径面に吐出されて潤滑油導き手段で内輪の外径面に導かれた潤滑油が、その表面張力と遠心力とにより内輪の斜面部に沿って内輪の軌道面に流れる。そのため、潤滑油導き手段で軸受内に導いた潤滑油が、軌道面まで効率良く流入する。
この構成の場合、吐出口から内輪間座または軸の外径面に吐出されて潤滑油導き手段で内輪の外径面に導かれた潤滑油が、その表面張力と遠心力とにより内輪の斜面部に沿って内輪の軌道面に流れる。そのため、潤滑油導き手段で軸受内に導いた潤滑油が、軌道面まで効率良く流入する。
前記のように内輪に斜面部を設けた場合に、その斜面部に微小隙間を介して被さってこの微小隙間から前記軌道面へ流入する潤滑油の流量を制限する鍔状部を前記外輪間座に設けても良い。
この構成の場合、内輪の斜面部に鍔状部が被さることで、その微小隙間の隙間量により軸受内に流入する潤滑油の流量が調整される。そのため、外輪間座の流入部に流入させる潤滑油の流量を外部から調整することなく、適切な潤滑油量を得ることができ、また吐出する潤滑油から潤滑に必要な量だけを適切に軸受内に導くことができる。
この構成の場合、内輪の斜面部に鍔状部が被さることで、その微小隙間の隙間量により軸受内に流入する潤滑油の流量が調整される。そのため、外輪間座の流入部に流入させる潤滑油の流量を外部から調整することなく、適切な潤滑油量を得ることができ、また吐出する潤滑油から潤滑に必要な量だけを適切に軸受内に導くことができる。
また、前記のように内輪に斜面部を設けた場合に、前記斜面部に隙間を介して被さってこの隙間から前記軌道面へ流入する潤滑油を案内する鍔状部を前記外輪間座に設け、この鍔状部は、転動体を保持する保持器の内径側まで延びるものとしても良い。
この構成の場合、前記隙間の隙間量で流入量を規制する機能はなくても良いが、鍔状部を設けることで、遠心力で内輪の斜面部から外径側へ飛散しようとする潤滑油が、鍔状部で保持器の内径側まで案内される。鍔状部の先端で外径側へ飛散した潤滑油は、保持器の内径面で捕捉され転動体へ導かれる。そのため、内輪の斜面部の角度や、遠心力、表面張力等の関係で、潤滑油が内輪の斜面部から離れる場合が生じても、潤滑の必要箇所へ確実に導くことができる。
この構成の場合、前記隙間の隙間量で流入量を規制する機能はなくても良いが、鍔状部を設けることで、遠心力で内輪の斜面部から外径側へ飛散しようとする潤滑油が、鍔状部で保持器の内径側まで案内される。鍔状部の先端で外径側へ飛散した潤滑油は、保持器の内径面で捕捉され転動体へ導かれる。そのため、内輪の斜面部の角度や、遠心力、表面張力等の関係で、潤滑油が内輪の斜面部から離れる場合が生じても、潤滑の必要箇所へ確実に導くことができる。
この発明において、前記潤滑油導き手段が、前記のように内輪間座の外径面または軸の外径面に設けられて前記内輪側へ拡径するテーパ状部である場合に、前記内輪が、前記外輪間座側の幅面が外輪の幅面よりも引っ込むように幅狭に形成されたものとしても良い。前記内輪間座または前記軸に設けられたテーパ状部は、前記内輪の前記外輪よりも引っ込んだ幅面まで延びるものとする。
この構成の場合、内輪の幅寸法を短くした分だけ、内輪間座または軸に設けられたテーパ状部を内輪の軌道面に近づけることができる。そのため、内輪間座または軸のテーパ状部により潤滑油を軌道面まで送り込み易くなる。
この構成の場合、内輪の幅寸法を短くした分だけ、内輪間座または軸に設けられたテーパ状部を内輪の軌道面に近づけることができる。そのため、内輪間座または軸のテーパ状部により潤滑油を軌道面まで送り込み易くなる。
この発明の転がり軸受の潤滑装置は、転がり軸受の外輪の幅面に接する外輪間座に、前記転がり軸受の内輪の幅面に接する内輪間座の外径面、または内輪が嵌合した軸の外径面に潤滑油を吐出する吐出口を設け、前記内輪間座の外径面または前記軸の外径面に吐出された潤滑油を軸受内に導く潤滑油導き手段を設けたため、複雑な冷却液供給機構を持たずに軸と軸受の冷却が効率的に行え、かつ必要量の潤滑油供給が簡易な構成で行える。
この発明の第1の実施形態を図1および図2と共に説明する。図1はこの実施形態の転がり軸受の断面図を示す。この転がり軸受の潤滑装置は、転がり軸受1の外輪3の幅面に接する外輪間座7から、前記転がり軸受1の幅面に接する内輪間座6の外径面に吐出した潤滑油を転がり軸受1内に導くものである。
転がり軸受1は、内輪2と外輪3の軌道面2a,3a間に複数の転動体4を介在させたものである。転動体4は、例えばボールからなり、保持器5で保持される。内輪2の素材は、高速時の大きな嵌め合いフープ応力を考慮して、例えば浸炭鋼とされている。保持器5は外輪案内タイプであり、素材はベーク,PEEK,C/Cコンポジット,アルミ合金,Ti合金(高速時の強度向上)などが望ましい。転動体4は、遠心力低減の観点からセラミック製が望ましい。
この転がり軸受1は、アンギュラ玉軸受からなり、その内輪2の軌道面2aに続く反負荷側(軸受背面側)の外径面は、軌道面2a側が大径となる斜面部2bとされている。この斜面部2bの傾斜角度αの最小値は、次式の値に設置してある。
α≧0.0667×dn×10-4−1.8333
ただし、dn:軸受内径寸法(mm)と回転速度(min -1)の積である。
この式によると、転がり軸受1が、軸受内径70mmφ、回転速度300000min -1のアンギュラ玉軸受の場合には、前記斜面部2bの傾斜角度αは、
α≧12.8°
となる。
α≧0.0667×dn×10-4−1.8333
ただし、dn:軸受内径寸法(mm)と回転速度(min -1)の積である。
この式によると、転がり軸受1が、軸受内径70mmφ、回転速度300000min -1のアンギュラ玉軸受の場合には、前記斜面部2bの傾斜角度αは、
α≧12.8°
となる。
前記傾斜角度αの最大値は、アンギュラ玉軸受ではα≦25°とすることが好ましい。アンギュラ玉軸受の場合、傾斜角度αが25°を超えると、斜面部2bを設けた側の内輪幅面の径方向幅が狭くなり、この幅面が接する内輪間座6等との接触面積が小さくなって、大きな軸方向荷重を受けられなくなるからである。転がり軸受1がアンギュラ玉軸受である場合、内輪2のステップ面を設ける部分の外径面が上記斜面部2bとされる。
図2は、前記外輪間座7を、軸受配置側から見た正面図である。外輪間座7は外輪3の幅面に接して設けられるリング状の部材であって、内輪2の幅面に接する内輪間座6の外径面に対向して開口し潤滑油を吐出する吐出口8、およびこの吐出口8に潤滑油流路9を介して連通する冷却液の流入部17を有する。吐出口8は、外輪間座7の円周方向の1か所に設けられる。外輪間座7における内径面のうち吐出口8が形成される部分は、内径側に向けて局部的に突出する突出部10とされ、これにより吐出口8の開口が内輪間座6の外径面に近接して対峙している。潤滑油流路9は、外輪間座7の外径面の全周にわたって形成された円周溝9aと、この円周溝9aの周方向の一部の底面から前記吐出口8に連通する径方向孔9bとでなる。
この外輪間座7および転がり軸受1を外周側で支持するハウジング26(図1)には、前記円周溝9aに冷却液を流入させる冷却液供給路33が設けられ、この冷却液供給路33の開口が対向する前記円周溝9aの周方向の一部位置が前記流入部17とされている。この流入部17と前記吐出口8とは、転がり軸受1の円周方向に互いにずらせて配置されている。具体的には、円周方向に略180°ずらせて流入部17と吐出口8とが配置されている。
内輪間座6の外径面には、前記吐出口8から吐出された冷却液の一部を潤滑油として転がり軸受1内に導く潤滑油導き手段として、前記内輪側へ拡径するテーパ状部6aが形成されている。前記冷却液供給路33および潤滑油流路9を経て吐出口8から吐出される冷却液は内輪間座6の外径面に吹き付けられ、その一部が遠心力と表面張力とで、前記内輪間座6のテーパ状部6aから内輪2の斜面部2bに沿って内輪2aの軌道面2aに潤滑油として流れる。吐出口8の口径は、吐出油のジェット速度を上げる観点から小さい方が好ましい。前記内輪2の斜面部2bと幅面とが交差する角部は断面円弧状の曲面部2baとし、内輪間座6のテーパ状部6aから内輪2の斜面部2bへの潤滑油の移動が円滑に行われるようにされている。なお、外輪間座7は、内傷の発生防止や取扱性向上の見地から、焼入処理することが望ましい。
前記吐出口8から吐出された冷却液のうち、転がり軸受1内へ潤滑油として流入する流入分を除く残りの冷却液は、外輪間座7に設けられた冷却液排出溝12,13から外部に排出される。これらの冷却液排出溝12,13は、外輪間座7の両端面の一部に、径方向に延ばして形成されており、前記吐出口8から円周方向にずらせた位置(ここでは吐出口8から180°ずらせた位置)に配置されている。なお、使用する冷却液としては、動力損失の低減および冷却効率の向上の観点から、ISOの粘度VG10,VG2以下の潤滑油が望ましい。また、動力損失の更なる低減および冷却効率の向上のためには、冷却液として粘度が小さく熱伝導率が大きい水溶性作動油の使用と、前記外輪間座7の材料として線膨張係数が低いステンレスを使用することが望ましい。
上記構成の転がり軸受の潤滑装置の作用を説明する。ハウジング26の冷却液供給路33から外輪間座7の流入部17に圧送された冷却液は、潤滑油流路9を経て吐出口8から吐出されて対向する内輪間座6の外径面に吹き付けられる。吹き付けられた冷却液の一部は、その表面張力と、内輪間座6および内輪2の回転に伴って冷却液に作用する遠心力とにより、内輪間座6のテーパ状部6aから内輪2の斜面部2bに沿って内輪2の軌道面2aに潤滑油として流入する。
前記テーパ状部6aおよび斜面部2bに沿った潤滑油の移動は、潤滑油の表面張力、潤滑油に作用する遠心力、およびテーパ状部6a・斜面部2bの傾斜角度を適正にバランスさせることにより円滑に行わせることができ、遠心力で潤滑油が飛散するのを回避できる。ここでは、内輪2の幅面と斜面部2bとの交差部が曲面部2baとされているので、斜面部2bへの潤滑油の移動がより円滑に行われる。
また、前記吐出口8から吐出された冷却液のうち、転がり軸受1内へ潤滑油として流入する流入分を除く残りの冷却液は、内輪間座6の回転に伴い内輪間座6の外径面の全周に行き渡る。これにより、内輪間座6が冷却され、さらに内輪間座6を介して内輪2が冷却される。さらに、外輪間座7の潤滑油流路9を流れる冷却液により外輪間座7が冷却されるので、外輪間座7を介して外輪3も冷却される。
冷却に使用された冷却液は、外輪間座7の冷却液排出溝12,13を経て排液ポンプ(図示せず)により外部に排出される。このような経路で排出される冷却液により、転がり軸受1は効果的に冷却される。
冷却に使用された冷却液は、外輪間座7の冷却液排出溝12,13を経て排液ポンプ(図示せず)により外部に排出される。このような経路で排出される冷却液により、転がり軸受1は効果的に冷却される。
このように、この転がり軸受の潤滑装置は、転がり軸受1の外輪3の幅面に接する外輪間座7の吐出口8から、内輪2の幅面に接する内輪間座6の外径面に冷却液を吐出させ、その一部を潤滑油として潤滑油導き手段6aで軸受内に導くようにしているので、冷却と潤滑の両方を行うことができる。
また、内輪間座6の外径面に冷却液を吐出させることで、内輪間座6を介して転がり軸受1の内輪2を冷却するようにしたので、発熱源である転がり軸受1の近くで冷却することができて、ハウジング26を介して冷却する機構に比べて効率良く冷却が行える。特に、内輪2や内輪間座6が嵌合する軸(図示せず)の冷却を効率良く行え、工作機械の主軸軸受等に適用した場合に、主軸の熱膨張による加工位置の変化等が緩和できる。また外輪間座7から内輪間座6に冷却液を吐出するものであるため、回転継手部等の複雑な冷却液供給機構を持たずに軸受の冷却を行うことができる。
また、内輪間座6の外径面に冷却液を吐出させることで、内輪間座6を介して転がり軸受1の内輪2を冷却するようにしたので、発熱源である転がり軸受1の近くで冷却することができて、ハウジング26を介して冷却する機構に比べて効率良く冷却が行える。特に、内輪2や内輪間座6が嵌合する軸(図示せず)の冷却を効率良く行え、工作機械の主軸軸受等に適用した場合に、主軸の熱膨張による加工位置の変化等が緩和できる。また外輪間座7から内輪間座6に冷却液を吐出するものであるため、回転継手部等の複雑な冷却液供給機構を持たずに軸受の冷却を行うことができる。
この実施形態では、外輪間座7に設けられた冷却液の流入部17と吐出口8との円周方向位置を互いにずらせて、流入部17と吐出口8とを潤滑油流路9で連通させているので、流入部17から吐出口8に至る冷却液の流路が長くなり、その流路を流れる冷却液により外輪間座7も効率良く冷却される。そのため、外輪間座7を介しても転がり軸受1が冷却され、軸受の冷却をさらに効果的に行うことができる。さらに、1か所の吐出口8に対して、前記流入部17は円周方向に略180°ずらせて配置されているので、吐出口8に至る冷却液の流路をさらに長くでき、冷却液による外輪間座7の冷却効率がさらに高くなる。
また、この実施形態では、前記潤滑油流路9が、外輪間座7の外径面に設けられた円周溝9aと、この円周溝9aの底面から前記吐出口8に連通する径方向孔9bとでなるので、円周溝9を流れる冷却液により外輪間座7の全周を均一に冷却することができ、冷却液による外輪間座7の冷却効率がさらに高くなる。また、流入部17に流入した冷却液は、正逆2方向に分岐する流れとして円周溝9aを流れることになり、より効率良く外輪間座7が冷却される。
この実施形態の場合、前記吐出口8から内輪間座6の外径面に吐出された冷却液の一部を潤滑油として軸受内に導く潤滑油導き手段として、内輪間座6の外径面に内輪2側へ拡径するテーパ状部6aを設け、潤滑油の表面張力と内輪間座6の回転による遠心力とで潤滑油を軸受内に導くようにしているので、軸受内への潤滑油の移動を円滑に行うことができる。
さらに、内輪2の外径面には、この外径面上の潤滑油を遠心力と表面張力とで内輪2の軌道面2aに続く斜面部2bが設けられているので、軸受内への潤滑油の移動をさらに円滑に行うことができる。
さらに、内輪2の外径面には、この外径面上の潤滑油を遠心力と表面張力とで内輪2の軌道面2aに続く斜面部2bが設けられているので、軸受内への潤滑油の移動をさらに円滑に行うことができる。
図3は、この発明の他の実施形態を示す。この実施形態の転がり軸受の潤滑装置は、図1および図2に示す第1の実施形態において、転がり軸受1の内輪2が嵌合した軸11に、内輪2の嵌合部11aの外径よりも大径となる大径部分11bを設け、内輪嵌合部11aと大径部分11bの境界の段面11cを内輪2の幅面に当接させることで、第1の実施形態における内輪間座6を省略している。したがって、外輪間座7の吐出口8は、前記軸11における大径部分11bの外径面に対向させ、吐出口8から吐出される冷却液を軸11の外径面に吹き付けるようにしている。また、軸11の外径面に吐出された冷却液の一部を潤滑油として軸受内に導く潤滑油導き手段として、この実施形態では、前記軸11の大径部分11bの外径面に、内輪2側へ拡径するテーパ状部11baを設けている。その他の構成は第1の実施形態の場合と同じである。
この実施形態の場合、吐出口8から軸11の大径部分11bの外径面に吐出された冷却液の一部が、その表面張力と、軸11の回転に伴い冷却液に作用する遠心力とにより、前記大径部分11bのテーパ状部11baに沿って内輪2の斜面部2bへと移動し、さらに斜面部2bに沿って軌道面2aに潤滑油として流入する。
また、吐出口11から吐出される冷却液のうち、転がり軸受1内へ潤滑油として流入する流入分を除く残りの冷却液で軸11の大径部分11bが冷却され、この大径部分11bを介して転がり軸受1の内輪2が冷却されるので、複雑な冷却液供給機構を持たずに軸受1および軸11の冷却を効果的に行うことができる。
また、吐出口11から吐出される冷却液のうち、転がり軸受1内へ潤滑油として流入する流入分を除く残りの冷却液で軸11の大径部分11bが冷却され、この大径部分11bを介して転がり軸受1の内輪2が冷却されるので、複雑な冷却液供給機構を持たずに軸受1および軸11の冷却を効果的に行うことができる。
図4は、この発明のさらに他の実施形態を示す。この実施形態の転がり軸受の潤滑装置は、図1および図2に示す第1の実施形態において、前記外輪間座7における吐出口8が形成された突出部10を全周に連続した環状のものとし、その内径面に円周方向に延びる2本の溝14A,14Bを軸方向に並べて設けている。これら2本の溝14A,14Bは、断面形状が三角形状の円周溝である。また、冷却液を吐出する吐出口として、内輪2の軸心Oに垂直な面よりも斜め内輪2側へ向かう吐出口8Aと、内輪2と反対側へ向かう吐出口8Bとを設けている。一方の吐出口8Aは前記一方の溝14Aの底面近傍に開口させてあり、他方の吐出口8Bは前記他方の溝14Bの底面近傍に開口させてある。その他の構成は第1の実施形態の場合と同じである。
この実施形態の場合、外輪間座7の吐出口8A,8Bから吐出される冷却液が内輪間座6の外径面の幅方向に分散して吹き付けられ、各吐出口8A,8Bから吐出される冷却液が外輪間座7の溝14A,14Bで円周方向にも案内される。そのため、冷却液が内輪間座6の外径面に均等に吹き付けられることになり、内輪間座6の冷却をより効率良く行うことができる。
なお、図4では、外輪間座7における前記吐出口8A,8Bおよび溝14A,14Bの構成を第1の実施形態に適用した場合を示したが、内輪間座6を省略した図3の実施形態に適用しても良い。また突出部10は必ずしも全周に設けられたものでなくても良く、第1の実施形態における図2と同様に、円周方向の一部に設けられたものであっても良い。
なお、図4では、外輪間座7における前記吐出口8A,8Bおよび溝14A,14Bの構成を第1の実施形態に適用した場合を示したが、内輪間座6を省略した図3の実施形態に適用しても良い。また突出部10は必ずしも全周に設けられたものでなくても良く、第1の実施形態における図2と同様に、円周方向の一部に設けられたものであっても良い。
図5および図6は、この発明のさらに他の実施形態を示す。図5はこの実施形態の転がり軸受の冷却装置の断面図であり、図6は軸受配置側から見た外輪間座7の正面図である。この実施形態の潤滑装置は、図1および図2に示す第1の実施形態において、内輪2の斜面部2bに微小隙間δを介して被さってこの微小隙間から軌道面2aへ流入する潤滑油の流量を制限する鍔状部10aを、外輪間座7の内輪2側に一体に設けたものである。鍔状部10aは、外輪間座7の全周に渡って設けられている。詳しくは、外輪間座7は、外輪3側の縁部付近から内径側へ延びる環状の内径側突出部7aを有し、この内径側突出部7aの内径縁から鍔状部10aが軸方向に突出している。上記吐出口8の形成された突出部10は、内径側突出部7aの裏側で円周方向の一部に設けられている。その他の構成は第1の実施形態の場合と同じである。
この実施形態の場合、内輪2の斜面部2bに外輪間座7の鍔状部10aが被さって、斜面部2bと鍔状部10aとの間に微小隙間δが形成されているので、微小隙間δの隙間量によって軸受内へ流入する潤滑油量を規制できる。そのため、潤滑油流路9への冷却液の流量を外部から調整することなく、軸受内に流入する潤滑油の流量を簡単な構造で調整することができる。
図7および図8は、この発明のさらに他の実施形態を示す。この実施形態の転がり軸受の潤滑装置は、図1および図2に示す第1の実施形態において、内輪2の斜面部2bに隙間gを介して被さってこの隙間gから軌道面2aへ流入する潤滑油を案内する鍔状部10bを、外輪間座7の内輪2側に一体に設けたものである。鍔状部10bは、外輪間座7の全周に渡って設けられている。鍔状部10bは、転動体4を保持する保持器5の内径側まで延びるものとしている。この例においても、図5,図6に示す実施形態と同様に、外輪間座7は、外輪3側の縁部付近から内径側へ延びる環状の内径側突出部7aを有し、この内径側突出部7aの内径縁から鍔状部10bが軸方向に突出している。上記吐出口8の形成された突出部10は、内径側突出部7aの裏側で円周方向の一部に設けられている。
この場合の前記隙間gは、内輪2の斜面部2bに沿って軌道面2aへ流入する潤滑油を案内する作用を有する程度のものであって、図5および図6に示す実施形態の場合の隙間δに比べて広くても良い。また、この実施形態では、保持器5におけるポケットを挟んだ両側の内径面5aは、幅方向の中央側が大径となるテーパ状面とされているが、前記鍔状部10bが延びる側の内径面5aだけをテーパ状面としても良い。その他の構成は第1の実施形態の場合と同じである。
この場合の前記隙間gは、内輪2の斜面部2bに沿って軌道面2aへ流入する潤滑油を案内する作用を有する程度のものであって、図5および図6に示す実施形態の場合の隙間δに比べて広くても良い。また、この実施形態では、保持器5におけるポケットを挟んだ両側の内径面5aは、幅方向の中央側が大径となるテーパ状面とされているが、前記鍔状部10bが延びる側の内径面5aだけをテーパ状面としても良い。その他の構成は第1の実施形態の場合と同じである。
この実施形態の場合、前記隙間gから内輪2の軌道面2aに流れる潤滑油が鍔状部10bによって案内される。さらに、前記鍔状部10bは保持器5の内径側まで延びているので、内輪2の斜面部2bに沿って軌道面2aに流れる潤滑油の一部が遠心力で飛散することがあっても、飛散した潤滑油が保持器5の内径面5aで確実に捕捉される。また、保持器5の内径面5aは幅方向の中央側が大径となるテーパ状面とされているので、保持器5の内径面5aに捕捉された潤滑油は遠心力を受けて確実に転動体4へと供給される。
図9は、この発明のさらに他の実施形態を示す。この実施形態の転がり軸受の潤滑装置は、図1および図2に示す第1の実施形態において、内輪2における斜面部2b側の幅面を外輪3の対応する幅面よりも軸受内側に後退させて、内輪2の幅寸法を短くしたものである。これに対応させて、内輪間座6のテーパ状部6aは、内輪2の外輪3よりも引っ込んだ幅面まで延ばされている。その他の構成は第1の実施形態の場合と同じである。
この実施形態の場合、内輪2の幅寸法を短くした分だけ、内輪間座6に設けられたテーパ状部6aを内輪2の軌道面2aに近づけることができる。そのため、内輪間座6のテーパ状部6aにより潤滑油を軌道面2aまで送り込み易くなる。
なお、図9では、第1の実施形態に適用した場合を示したが、内輪間座6を省略した図3の実施形態に適用しても良い。この場合、軸11のテーパ状部11ba(図3)が、内輪2の外輪3よりも引っ込んだ幅面まで延ばされる。
なお、図9では、第1の実施形態に適用した場合を示したが、内輪間座6を省略した図3の実施形態に適用しても良い。この場合、軸11のテーパ状部11ba(図3)が、内輪2の外輪3よりも引っ込んだ幅面まで延ばされる。
図10は、図1および図2に示した第1の実施形態の転がり軸受の潤滑装置を備えたスピンドル装置の一例を示す。このスピンドル装置24は工作機械に応用されるものであり、主軸25の端部に工具またはワークのチャックが取付けられる。主軸25は、軸方向に離れた複数(ここでは2つ)の転がり軸受1により支持されている。各転がり軸受1の内輪2は主軸25の外径面に嵌合し、外輪3はハウジング26の内径面に嵌合している。これら内外輪2,3は、内輪押さえ27および外輪押さえ28により、ハウジング26内に固定されている。ハウジング26は、内周ハウジング26Aと外周ハウジング26Bの二重構造とされている。
両転がり軸受1の外輪3の間には外輪間座30および前記実施形態における外輪間座7が、また内輪2の間には前記実施形態における内輪間座6がそれぞれ設けられている。主軸25の一端部には、内輪押さえ27に押し当てて転がり軸受1を固定する軸受固定ナット32が螺着されている。内周ハウジング26Aには各外輪間座7の流入部17に連通する2つの冷却液供給路33と、1つの冷却液回収路34とが設けられている。各冷却液供給路33は軸方向に延びて内周ハウジング26Aの両端面に開口している。冷却液回収路34は軸方向に延びて内輪押さえ27および外輪押さえ28を貫通している。この冷却液回収路34に、各外輪間座7の冷却液排出溝12,13が連通させてある。
転がり軸受1の潤滑装置は、冷却液供給装置35の吐出冷却液の一部を、フィルタ36、冷却液供給路33、および上記外輪間座7の潤滑油流路9を介して受け、先述したように、その冷却液の一部を潤滑油として、残りを冷却液として転がり軸受1内に供給する。冷却液となって、前記冷却液排出溝12,13から冷却液回収路34に流出した排液は、排液ポンプ37により回収タンク38に回収されて、再び冷却液供給装置35に戻される。前記ハウジング26には、別にハウジング冷却用の給液路(図示せず)が設けられ、この給液路に前記冷却液供給装置35から冷却液が供給される。また、ハウジング26を冷却した冷却液は回収タンク38に回収されて、再び冷却液供給装置35に戻される。
1…転がり軸受
2…内輪
2a…軌道面
2b…斜面部
3…外輪
4…転動体
5…保持器
6…内輪間座
6a…テーパ状部(潤滑油導き手段)
7…外輪間座
8…吐出口
9…潤滑油流路
9a…円周溝
9b…径方向孔
10a,10b…鍔状部
11…軸
11ba…テーパ状部(潤滑油導き手段)
17…流入部
δ…微小隙間
g…隙間
2…内輪
2a…軌道面
2b…斜面部
3…外輪
4…転動体
5…保持器
6…内輪間座
6a…テーパ状部(潤滑油導き手段)
7…外輪間座
8…吐出口
9…潤滑油流路
9a…円周溝
9b…径方向孔
10a,10b…鍔状部
11…軸
11ba…テーパ状部(潤滑油導き手段)
17…流入部
δ…微小隙間
g…隙間
Claims (8)
- 転がり軸受の外輪の幅面に接する外輪間座に、前記転がり軸受の内輪の幅面に接する内輪間座の外径面、または内輪が嵌合した軸の外径面に潤滑油を吐出する吐出口を設け、前記内輪間座の外径面または前記軸の外径面に吐出された潤滑油を軸受内に導く潤滑油導き手段を設けた転がり軸受の潤滑装置。
- 請求項1において、前記外輪間座に設けられた潤滑油の流入部と前記吐出口との円周方向位置を互いにずらせ、前記流入部と前記吐出口とを潤滑油流路で連通させた転がり軸受の潤滑装置。
- 請求項2において、前記潤滑油流路は、前記外輪間座の外径面に設けられた円周溝と、この円周溝の底面から前記吐出口に連通する径方向孔とでなる転がり軸受の潤滑装置。
- 請求項1ないし請求項3のいずいれか1項において、前記潤滑油導き手段が、前記内輪間座の外径面または軸の外径面に設けられて前記内輪側へ拡径するテーパ状部である転がり軸受の潤滑装置。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記内輪の外径面に、この外径面上の潤滑油を遠心力と表面張力とで内輪の軌道面へ続く斜面部を設けた転がり軸受の潤滑装置。
- 請求項5において、前記斜面部に微小隙間を介して被さってこの微小隙間から前記軌道面へ流入する潤滑油の流量を制限する鍔状部を前記外輪間座に設けた転がり軸受の潤滑装置。
- 請求項5において、前記斜面部に隙間を介して被さってこの隙間から前記軌道面へ流入する潤滑油を案内する鍔状部を前記外輪間座に設け、この鍔状部は、転動体を保持する保持器の内径側まで延びるものとした転がり軸受の潤滑装置。
- 請求項4において、内輪が、前記外輪間座側の幅面が外輪の幅面よりも引っ込むように幅狭に形成されたものであり、前記内輪間座または前記軸に設けられたテーパ状部が、前記内輪の前記外輪よりも引っ込んだ幅面まで延びるものである転がり軸受の潤滑装置。
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