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JP2008224982A - カラーフィルタ用着色硬化性組成物、カラーフィルタ及び液晶表示装置 - Google Patents

カラーフィルタ用着色硬化性組成物、カラーフィルタ及び液晶表示装置 Download PDF

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JP2008224982A
JP2008224982A JP2007062319A JP2007062319A JP2008224982A JP 2008224982 A JP2008224982 A JP 2008224982A JP 2007062319 A JP2007062319 A JP 2007062319A JP 2007062319 A JP2007062319 A JP 2007062319A JP 2008224982 A JP2008224982 A JP 2008224982A
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meth
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color filter
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Tsutomu Okita
務 沖田
Tomotaka Tsuchimura
智孝 土村
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Fujifilm Corp
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Fujifilm Corp
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Abstract

【課題】低露光量でも現像性に優れたカラーフィルタ用着色硬化性組成物を提供する、及び高色純度で且つパターニング性に優れたカラーフィルタ及び液晶表示装置を提供する。
【解決手段】着色剤、重合性化合物、光重合開始剤及び増感剤を含有するカラーフィルタ用着色硬化性組成物。前記増感剤は、下記一般式(1)から選択される少なくとも1種である。一般式(1)中、Rは、炭素数6〜15のアルキル基を表わし、X及びXは、各々独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、芳香族複素環基を表す。
Figure 2008224982

【選択図】なし

Description

本発明は、カラーフィルタ用着色硬化性組成物、カラーフィルタおよび液晶表示装置に関する。
従来、液晶表示装置などに用いるカラーフィルタの製造方法では、顔料分散法が最も広範に採用されている。
顔料分散法では、ガラス基板などの透明支持体上にブラックマトリックスを形成し、次いで、例えば赤色の顔料を分散させた着色硬化性組成物(以下「カラーレジスト」と称する場合がある。)をスピンコート法などにより全面に塗布し、マスクを介して露光する。露光後に現像すると、赤色の画素が得られる。青色、緑色の画素についても同様の手法によって形成することにより、3色の画素が形成される。
このようなカラーフィルタの製造において、近年、基板が大型化したために、生産性を高める必要が生じ、更に高感度なカラーレジストの開発が待ち望まれている。
一方、カラーレジストによって得られたカラーフィルタについては、これまで以上に広い色再現性があること、高透過率であることなどが要求されている。
カラーフィルタの色再現性を向上させるためには、着色層の着色剤含有量を高めて高色純度化する必要がある。このため、カラーフィルタの色再現性を向上させようとすると着色硬化性組成物の固形分中の顔料濃度が高くなり、光硬化性材料(開始剤、重合性或いは架橋性の材料)の固形分中の比率が相対的に小さくなる。その結果、露光部での硬化性が低くなって、現像工程でパターンを形成しにくくなる。
したがって、高い色再現性を有しつつパターニング性に優れたカラーフィルタを得るためには、光硬化性材料の含有比率が低くても充分に硬化するカラーレジストを用いることが望ましい。
ここで、カラーレジストの感応感度を向上させるには、増感色素を配合することが有益である。カラーレジストに用いる増感色素としては、例えばキサンテン色素(例えば、特許文献1参照。)、クマリン色素(例えば、特許文献2参照。)、ケトクマリン色素(例えば、前述の特許文献2参照。)、ジアルキルアミノベンゼン骨格を有する色素(例えば、特許文献3参照。)等が開示されている。
しかし、これまで以上に色再現性を向上させるには、更なる改善が望まれていた。
特開平4−221958号公報 特開平5−289335号公報 特開平5−210240号公報
本発明の課題は、低露光量でも現像性に優れたカラーフィルタ用着色硬化性組成物を提供することである。
また、高色純度で且つパターニング性に優れたカラーフィルタ及び液晶表示装置を提供することを課題とする。
本発明者らは、低露光量でも現像性に優れた着色硬化性組成物を得るために、g線に感度を有する開始剤系に着目した。
通常、カラーフィルタ製造のために行なうカラーレジストの露光は、高圧水銀灯によるプロキシミティ露光あるいはミラープロジェクション露光である。これらの露光ではi線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)が主な輝線スペクトルである。
そのため、これら露光機によってカラーフィルタを製造するには、i線、h線またはg線に感応するカラーレジストを適用しなければならない。しかし、g線に感度を有する開始剤系は黄色に着色するので、カラーフィルタの色設計上好ましいものではないことから、これまではi線、h線に感度を有する開始剤系を中心に使用されてきた。
一方で、緑色レジストの場合はi線、h線の光を吸収するので、緑色着色層の下層部(露光側から遠い側)まで到達する露光光量が激減し、その結果、下層部で硬化しにくくなる。充分に硬化していない下層部は、現像工程での現像液によって侵食されてアンダーカットを生じ、パターニング性が悪化する。ひどい場合にはパターンが欠けたり、パターンが現像液によって流されてなくなったりする。
そこで、本発明者らは、i線、h線に加えて、g線をも光硬化反応に利用すれば、更にレジストを高感度化できるのでないかと考え、鋭意研究を進めた。
その結果、本発明にかかる特定のピロメテン化合物を着色硬化性組成物に使用すると高感度化できることを見出し、本発明に至った。
なお、本発明にかかる化合物は450〜540nmに吸収があり、若干黄色に着色するが、可視の短波域に吸収のある赤色、緑色等の着色画素の設計には問題が殆どなく、高感度化の難易度が高い緑色に特に有効である。
<1> 着色剤、重合性化合物、光重合開始剤、及び増感剤を含有し、前記増感剤が、下記一般式(1)から選択される少なくとも1種であることを特徴とするカラーフィルタ用着色硬化性組成物である。
Figure 2008224982
一般式(1)中、R〜Rは、各々独立に、水素原子、アルキル基、アラルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、炭化水素環基、複素環基または−SO−R(Rは水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、4級アンモニウム基)を表わし、Rは、炭素数6〜15のアルキル基を表わし、X及びXは、各々独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、芳香族複素環基を表す。これらの基は、更に置換されていてもよい。
<2> 前記重合性化合物が(メタ)アクリロイル基を1分子中に3個以上含む化合物であることを特徴とする前記<1>に記載のカラーフィルタ用着色硬化性組成物である。
<3> 硬化性着色樹脂組成物の総固形量に対する着色剤の含有率が、30質量%以上70質量%以下であることを特徴とする前記<1>又は<2>に記載のカラーフィルタ用着色硬化性組成物である。
<4> 前記着色剤として、下記A群から1種以上と下記B群から1種以上とを併用することを特徴とする前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色硬化性組成物である。
A群:カラーインデックス ピグメントグリーン7,36
B群:カラーインデックス ピグメントイエロー138,139,150,185
<5> 前記重合性化合物が、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートから選択される少なくとも1種であることを特徴とする前記<1>〜<4>のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色硬化性組成物である。
<6> 更に、アルカリ可溶性樹脂を含有し、前記アルカリ可溶性樹脂が、モノマー成分として、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、クロトン酸から選択される1種以上と、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、スチレンから選択される1種以上とを有する共重合体の少なくとも1種を含み、硬化性着色樹脂組成物の総固形量に対する前記アルカリ可溶性樹脂の含有率が、5質量%以上30質量%以下であることを特徴とする前記<1>〜<5>のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色硬化性組成物である。
<7> 更に、フッ素原子の含有量が5質量%以上20質量%以下である界面活性剤を含み、硬化性着色樹脂組成物の総固形量に対する前記界面活性剤の含有率が、0.01質量%以上1.00質量%以下であることを特徴とする前記<1>〜<6>のいずれか1項にカラーフィルタ用着色硬化性組成物である。
<8> 前記<1>〜<7>のいずれかに記載のカラーフィルタ用着色硬化性組成物を用いて作製されてなるカラーフィルタである。
<9> バックライトと、偏光板と、少なくとも2枚の基板と、前記基板に挟持された液晶層と、前記基板の少なくとも一部に設けられた前記<8>に記載のカラーフィルタ層と、を有する液晶表示装置である。
本発明によれば、低露光量でも現像性に優れたカラーフィルタ用着色硬化性組成物を提供することができる。
また、高色純度で且つパターニング性に優れたカラーフィルタ及び液晶表示装置を提供することができる。
本発明のカラーフィルタ用着色硬化性組成物(以下、「本発明の着色硬化性組成物」と称する場合がある。)は、着色剤、重合性化合物、光重合開始剤、及び増感剤を含有する。前記増感剤は、下記一般式(1)から選択される少なくとも1種である。
Figure 2008224982
一般式(1)中、R〜Rは、各々独立に、水素原子、アルキル基、アラルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、炭化水素環基、複素環基または−SO−R(Rは水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、4級アンモニウム基)を表わし、Rは、炭素数6〜15のアルキル基を表わし、X及びXは、各々独立に、X1 、X2 はハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、芳香族複素環基を表す。これらの基は、更に置換されていてもよい。
一般式(1)で表されるピロメテン化合物を着色硬化性組成物に使用すれば、カラーフィルタ用着色硬化性組成物を高感度化できる。特に、高感度化が困難な緑色において特に有効である。
なお、ピロメテン化合物は、下記の特許文献に開示されている。
例えば特開2002−244287号公報には、平版印刷版に開始剤チタノセン化合物を併用することが開示され、488nmもしくは532nmのレーザーによって露光を行なっている。しかし、この特許文献では、アルミ基板との接着強度を高めて対刷強度を向上させることを目的としている。アクリロイルホスフェート類にピロメテン化合物等を添加すると、アルミ基板との接着強度が高まるとしており、ピロメテン化合物を高感度化の目的で使用していない。
また、平版印刷版に関する上記特許文献では、顔料としてのPB15:6は、組成物固形分に対し3質量%含有されている。しかし、カラーフィルタ用着色硬化性組成物の場合は通常、顔料を30〜50質量%の範囲で含有させる。開示された平版印刷版では、顔料の濃度が低い組成で感度を調整しているので、この組成をそのままカラーフィルタ用着色硬化性組成物に応用させると感度が不足してしまい、カラーレジストには応用できない。
更に、特開2006−79012号公報では、分光調整用フィルタに、着色剤として金属キレートピロメテン化合物を使用することが開示されている。分光調整用フィルタはカラーフィルタと組み合わせて使用するものであるが、カラーフィルタに関するものではなく、またこの特許文献においては増感剤としても使用されていない。
以下、本発明のカラーフィルタ用着色硬化性組成物の組成について説明する。
〔カラーフィルタ用着色硬化性組成物〕
本発明のカラーフィルタ用着色硬化性組成物は、(A)着色剤、(B)重合性化合物、(C)光重合開始剤、及び(D)増感剤を含有し、更に、所望により(E)その他の成分を含んでいてもよい。
<(A)着色剤>
(A)着色剤とは、本発明の着色硬化性組成物を着色するものをいう。着色剤としては、染顔料が使用できるが、耐熱性、耐光性等の点から顔料が好ましい。
顔料としては青色顔料、緑色顔料、赤色顔料、黄色顔料、紫色顔料、オレンジ顔料、ブラウン顔料、黒色顔料等各種の色の顔料を使用することができる。また、その構造としてはアゾ系、アンスラキノン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリン系、ジオキサジン系、インダンスレン系、ペリレン系、ジケトピロロピロール系、キノフタロン系等の有機顔料の他に種々の無機顔料等も利用可能である。
以下に、使用できる顔料の具体例をピグメントナンバーで示す。なお、以下に挙げる「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
赤色顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、12、14、15、16、17、21、22、23、31、32、37、38、41、47、48、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、50:1、52:1、52:2、53、53:1、53:2、53:3、57、57:1、57:2、58:4、60、63、63:1、63:2、64、64:1、68、69、81、81:1、81:2、81:3、81:4、83、88、90:1、101、101:1、104、108、108:1、109、112、113、114、122、123、144、146、147、149、151、166、168、169、170、172、173、174、175、176、177、178、179、181、184、185、187、188、190、193、194、200、202、206、207、208、209、210、214、216、220、221、224、230、231、232、233、235、236、237、238、239、242、243、245、247、249、250、251、253、254、255、256、257、258、259、260、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276を挙げることができる。
この中でも、好ましくはC.I.ピグメントレッド48:1、122、168、177、202、206、207、209、224、242、254、更に好ましくはC.I.ピグメントレッド177、209、224、254を挙げることができる。
青色顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、25、27、28、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79を挙げることができる。
この中でも、好ましくはC.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、更に好ましくはC.I.ピグメントブルー15:3、15:6を挙げることができる。
緑色顔料としては、C.I.ピグメントグリーン1、2、4、7、8、10、13、14、15、17、18、19、26、36、45、48、50、51、54、55を挙げることができる。
この中でも、好ましくはC.I.ピグメントグリーン7、36を挙げることができる。
黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、1:1、2、3、4、5、6、9、10、12、13、14、16、17、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、41、42、43、48、53、55、61、62、62:1、63、65、73、74、75,81、83、87、93、94、95、97、100、101、104、105、108、109、110、111、116、117、119、120、126、127、127:1、128、129、133、134、136、138、139、142、147、148、150、151、153、154、155、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、172、173、174、175、176、180、181、182、183、184、185、188、189、190、191、191:1、192、193、194、195、196、197、198、199、200、202、203、204、205、206、207、208を挙げることができる。
この中でも、好ましくはC.I.ピグメントイエロー、117、129、138、139、150、154、155、180、185、更に好ましくはC.I.ピグメントイエロー138、139、150、180、185を挙げることができる。
オレンジ顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ1、2、5、13、16、17、19、20、21、22、23、24、34、36、38、39、43、46、48、49、61、62、64、65、67、68、69、70、71、72、73、74、75、77、78、79を挙げることができる。
この中でも、好ましくは、C.I.ピグメントオレンジ38、71を挙げることができる。
紫色顔料としては、C.I.ピグメントバイオレット1、1:1、2、2:2、3、3:1、3:3、5、5:1、14、15、16、19、23、25、27、29、31、32、37、39、42、44、47、49、50を挙げることができる。
この中でも、好ましくはC.I.ピグメントバイオレット19、23、更に好ましくはC.I.ピグメントバイオレット23を挙げることができる。
本発明の着色硬化性組成物は、特定のピロメテン化合物を含むため、450〜540nmに吸収があり、若干黄色に着色する。黄色に着色しても、着色画素の色変化が小さい画素に特に有効である。このような画素としては、赤色もしくは緑色等の黄色波長領域を吸収する色調の着色画素であり、特に緑色画素に有用である。緑色画素の中でも、顔料としては、C.I.ピグメントグリーン7,36から1種以上と、C.I.ピグメントイエロー138,139,150,185から1種類以上とを併用することが好適である。
なお、これらの顔料を用いなくとも、本発明の着色硬化性組成物は、可視の短波域(黄色波長領域)に吸収のある赤色、緑色等の着色画素の設計に本技術は有効である。赤色、緑色画素の色設計上には、本発明の特定のピロメテン化合物による着色は殆ど考慮する必要がない。
また、本発明のカラーフィルタ用着色組成物が、カラーフィルタの樹脂ブラックマトリックス用着色硬化性組成物である場合、着色剤としては、黒色の着色剤を用いることができる。黒色着色剤は、黒色着色剤を単独でも良く、又は赤、緑、青等の混合によるものでもよい。また、これら着色剤は無機又は有機の顔料、染料の中から適宜選択することができる。無機、有機顔料の場合には平均粒径1μm以下、好ましくは0.5μm以下に分散して用いるのが好ましい。
黒色着色剤を調製するために混合使用可能な着色剤としては、ビクトリアピュアブルー(42595)、オーラミンO(41000)、カチロンブリリアントフラビン(ベーシック13)、ローダミン6GCP(45160)、ローダミンB(45170)、サフラニンOK70:100(50240)、エリオグラウシンX(42080)、N0.120/リオノールイエロー(21090)、ジオノールイエローGRO(21090)、シムラーファーストイエロー8GF(21105)、ベンジジンイエロー4T−564D(21095)、シムラーファーストレッド4015(12355)、リオノールレッド7B4401(15850)、ファーストゲンブルーTGR−L(74160)、リオノールブルーSM(26150)、リオノールブルーES(ピグメントブルー15:6)、ジオノーゲンレッドGD(ピグメントレッド168)、リオノールグリーン2YS(ピグメントグリーン36)等が挙げられる(なお、上記の( )内の数字は、カラーインデックス(C.I.)を意味する)。
また、更に他の混合使用可能な顔料についてC.I.ナンバーで示すと、例えば、C.I.黄色顔料20、24、86、93、109、110、117、125、137、138、147、148、153、154、166、C.I.オレンジ顔料36、43、51、55、59、61、C.I.赤色顔料9、97、122、123、149、168、177、180、192、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、C.I.バイオレット顔料19、23、29、30、37、40、50、C.I.青色顔料15、15:1、15:4、22、60、64、C.I.緑色顔料7、C.I.ブラウン顔料23、25、26等を挙げることができる。
また、単独使用可能な黒色着色剤としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、ボーンブラッタ、黒鉛、鉄黒、アニリンブラック、シアニンブラック、チタンブラック、銀等の金属粒子又は金属を有する粒子等が挙げられる。
これらの金属系微粒子を構成する好ましい金属の例としては、銅、銀、金、白金、パラジウム、ニッケル、錫、コバルト、ロジウム、イリジウム、鉄、カルシウム、ルテニウム、オスミウム、マンガン、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンテル、ビスマス、アンチモン、及びこれらの合金から選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。更に好ましい金属は、銅、銀、金、白金、パラジウム、錫、カルシウム、及びこれらの合金から選ばれる少なくとも1種であり、特に好ましい金属は、銅、銀、金、白金、錫およびこれらの合金から選ばれる少なくとも1種であり、金属以外の他の元素との化合物も好ましいものである。
金属と他の元素との化合物としては、金属の酸化物、硫化物、硫酸塩、炭酸塩などが挙げられ、金属化合物粒子としてはこれらの粒子が好適である。中でも、色調や微粒子形成のしやすさから、硫化物の粒子が好ましい。
また、金属、その合金、および金属化合物とは併用してもよいし、2種以上であってもよい。これらの中でも、とりわけ銀又はその合金およびこれらの硫化物が遮蔽効果が高く好ましいものである。合金の例としては、銀錫合金が好ましい例として挙げられる。
これら黒色着色剤の中で、カーボンブラック、チタンブラック、銀、銀錫等の合金およびこれらの硫化物が遮蔽効果が高く好ましいものである。カーボンブラックの例としては、以下のようなカーボンブラックが挙げられる。
三菱化学社製:MA7、MA8、MA11、MA100、MA100R、MA220、MA230、MA600、#5、#10、#20、#25、#30、#32、#33、#40、#44、#45、#47、#50、#52、#55、#650、#750、#850、#950、#960、#970、#980、#990、#1000、#2200、#2300、#2350、#2400、#2600、#3050、#3150、#3250、#3600、#3750、#3950、#4000、#4010、OIL7B、OIL9B、OIL11B、OIL30B、OIL31
デグサ社製:PrintexS、Printex3OP、PrintexSO、Pril:itex30OP、Printex40、Printex45、Printex55、PrintexGO、Printex75、PrintexSO、Printex85、Printex9O、PrintexA、PrintexL、PrintexG、PrintexP、PrintexU、Printexv、PrintexG、SpecialBlack550、Specia1B1ack350、Specia1B1ack250、SpecialBlack100、SpecialBlack6、SpecialBlack5、SpecialBlack4、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、Color Black S160、Color Black S170
キャボット社製:Monarchl20、Monarch280、Monarch4、60、Monarch800、Monarch880、Monarch900、:Monarch1000、Monarch1100、Monarch1300、Monarchl400、Monarch4630、REGAL99、REGAL99R、REGAL415、REGAL415R、REGAL250、REGAL250R、REGAL330、REGAL400R、REGAL55R0、REGAL660R、BLACK PEARlS480、PEARLS130、VULCAN XC72R、ELFTEX−8
コロンビヤンカーボン社製:RAVEN11、RAVEN14、RAVEN15、RAVEN16、RAVEN22RAVEN30、RAVEN35、RAVEN40、RAVEN410、RAVEN420、RAVEN450、RAVEN500、RAVEN780、RAVEN850、RAVEN890H、RAVEN1000、RAVEN1020、RAVEN1040、RAVEN1060U、RAVEN1080U、RAVEN1170、RAVEN1190U、RAVEN1250、RAVEN1500、RAVEN2000、RAVEN2500U、RAVEN3500、RAVEN5000、RAVEN5250、RAVENS750、RAVEN7000
また、チタンブラックは、以下のものが挙げられる。
チタンブラックの作製方法としては、二酸化チタンと金属チタンの混合体を還元雰囲気下で加熱し還元させる方法(特開昭49−5432号公報)、四塩化チタンの高温加水分解で得られた超微細二酸化チタンを水素を含む還元雰囲気中で還元する方法(特開昭57−205322号公報)、二酸化チタンまたは水酸化チタンをアンモニア存在下で高温還元する方法(特開昭60−65069号公報、特開昭61−201610号公報)、二酸化チタンまたは水酸化チタンにバナジウム化合物を付着させ、アンモニア存在下で高温還元する方法(特開昭61−201610号公報)、などがあるがこれらに限定されるものではない。
チタンブラックの市販品の例としては、三菱マテリアル製チタンブラック10S、12S、13R、13M、13M−C等が挙げられる。
他の黒色顔料の例としては、アニリンブラック、酸化鉄系黒色顔料、及び、赤色、緑色、青色の三色の有機顔料を混合して黒色顔料として用いることができる。
また、顔料として、硫酸バリウム、硫酸鉛、酸化チタン、黄色鉛、ベンガラ、酸化クロム等を用いることもできる。
上述の各種の顔料は、複数種を併用することもできる。例えば、色度の調整のために、顔料として、緑色顔料と黄色顔料とを併用したり、青色顔料と紫色顔料とを併用したりすることができる。
なお、これらの顔料の平均1次粒径は、10nm〜100nmが好ましく、より好ましくは10nm〜50nmである。
顔料の含有量は、着色硬化性組成物の総固形量に対して、30質量%以上70質量%以下であることが好ましく、38質量%以上60質量%以下であることがより好ましく、42質量%以上60質量%以下であることが更に好ましい。
なお、本発明において「総固形量」とは、溶剤成分を除く総ての成分、即ち、(A)着色剤、(B)重合性化合物、(C)光重合開始剤、(D)増感剤、および(E)その他の成分のうち溶剤以外の成分等を含む意味である。
上述の通り、耐熱性、耐光性等の点から着色剤としては顔料が好ましいが、染料を用いることもできる。
着色剤として使用できる染料としては、アゾ系染料、アントラキノン系染料、フタロシアニン系染料、キノンイミン系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、カルボニル系染料、メチン系染料等が挙げられる。
アゾ系染料としては、例えば、C.I.アシッドイエロー11,C.I.アシッドオレンジ7,C.I.アシッドレッド37,C.I.アシッドレッド180,C.I.アシッドブルー29,C.I.ダイレクトレッド28,C.I.ダイレクトレッド83,C.I.ダイレクトイエロー12,C.I.ダイレクトオレンジ26,C.I.ダイレクトグリーン28,C.I.ダイレクトグリーン59,C.I.ジアクティブイエロー2,C.I.ジアクティブレッド17,C.I.リアクティブレッド120,C.I.リアクテイブブラック5,C.I.ディスパースオレンジ5,C.I.ディスパースレッド58,C.I.ディスパースブルー165,C.I.ベーシックブルー41,C.I.ベーシックレッド18,C.I.モルダントレッド7,C.I.モルダントイエロー5,C.I.モルダントブラック7等が挙げられる。
アントラキノン系染料としては、例えば、C.I.バットブルー4,C.I.アシッドブルー40,C.I.アシッドグリーン25,C.I.リアクティブブルー19,C.I.リアクティブブルー49,C.I.ディスパースレッド60,C.I.ディスパースブルー56,C.I.デイスパースブルー60等が挙げられる。
この他、フタロシアニン系染料として、例えば、C.I.パッドブルー5等が、キノンイミン系染料として、例えば、C.I.ベーシックブルー3,C.I.ベーシックブルー9等が、キノリン系染料として、例えば、C.I.ソルベントイエロー33,C.I.アシッドイエロー3,C.I、ディスパースイエロー64等が、ニトロ系染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー1,C.I.アシッドオレンジ3,C.I.ディスパースイエロー42等が挙げられる。
<(B)重合性化合物>
本発明の着色硬化性組成物は、重合性化合物を含有する。
本発明に用いる重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を1分子中に少なくとも1個、好ましくは3個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。
これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物並びにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。
モノマー及びその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。
また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応生成物、及び単官能若しくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応生成物等も好適に使用される。
また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。
また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート等がある。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルとしては、ハイドロキノンジアクリレート、ハイドロキノンジメタクリレート、レゾルシンジアクリレート、レゾルシンジメタクリレート、ピロガロールトリアクリレート等が挙げられる。
不飽和カルボン酸と多価カルボン酸及び多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応により得られるエステルは、必ずしも単一物ではなく、混合物であってもよい。代表例としては、アクリル酸、フタル酸及びエチレングリコールの縮合物、アクリル酸、マレイン酸及びジエチレングリコールの縮合物、メタクリル酸、テレフタル酸及びペンタエリスリトールの縮合物、アクリル酸、アジピン酸、ブタンジオール及びグリセリンの縮合物等が挙げられる。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭51−47334、特開昭57−196231記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240、特開昭59−5241、特開平2−226149記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。更に、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(2)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
一般式(2): CH=C(R)COOCHCH(R)OH
一般式(2)中、R及びRは、H又はCHを示す。
ポリイソシアネート化合物と(メタ)アクリロイル基含有ヒドロキシ化合物とを反応させたウレタン骨格を有するエチレン性化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の指環式ジイソシアネート;トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート等と、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシ(1,1,1−トリアクリロイルオキシメチル)プロパン、3−ヒドロキシ(1,1,1−トリメタクリロイルオキシメチル)プロパン等の(メタ)アクリロイル基含有ヒドロキシ化合物との反応物が挙げられる。
なお、本発明において、「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基とメタクリロイル基の双方を含むことを意味し、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸なども同様の意味である。
また、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、高感度の光重合性の着色硬化性組成物を得ることができる。
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号、各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。更に日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
これらの重合性化合物について、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、最終的な着色硬化性組成物の性能設計にあわせて任意に設定できる。
重合性化合物は、多官能モノマーであって、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等の酸基を有していてもよい。また、必要に応じて、上述のエチレン性化合物のヒドロキシル基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を導入してもよい。
この場合、使用される非芳香族カルボン酸無水物の具体例としては、無水テトラヒドロフタル酸、アルキル化無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、アルキル化無水ヘキサヒドロフタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸が挙げられる。
酸基を有する重合性化合物の好ましい酸価としては、0.1〜40mg−KOH/gであり、特に好ましくは5〜30mg−KOH/gである。この範囲の酸価の場合、現像溶解特性に優れ、製造や取扱いがしやすく、且つ光重合性能が良好であるため画素の表面平滑性等の硬化性に優れる。
従って、異なる酸基の多官能モノマーを2種以上併用する場合、或いは酸基を有しない多官能モノマーを併用する場合には、全体の多官能モノマーとしての酸基が上記範囲に入るように調整することが望ましい。
本発明において、より好ましい酸基を有する多官能モノマーは、東亜合成(株)製T01382として市販されているジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートのコハク酸エステルを主成分とする混合物である。この多官能モノマーの他の多官能モノマーを組み合わせて使用することもできる。
また、感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、画像部すなわち硬化膜の強度を高くするためには、重合性化合物は3官能以上のものが好ましく、特に、(メタ)アクリロイル基を1分子中に3個以上含む化合物であることが好ましい。
更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。
感度の観点から、(メタ)アクリル酸エステル構造を2個以上含有する化合物を用いることが好ましく、3個以上含有する化合物を用いることがより好ましく、4個以上含有する化合物を用いることが最も好ましい。また、感度、及び、未露光部の現像性の観点では、EO変性体を含有することが好ましい。また、感度、及び、露光部強度の観点では、ウレタン結合を含有することが好ましい。
また、着色硬化性組成物中の他の成分(例えば、バインダーポリマー、光重合開始剤、着色剤(顔料、染料等)との相溶性、分散性に対しても、付加重合化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、支持体や後述のオーバーコート層等の密着性を向上せしめる目的で特定の構造を選択することもあり得る。
以上の観点より、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールAジアクリレートEO変性体、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートEO変性体、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートEO変性体などが好ましいものとして挙げられる。
また、重合性化合物の市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(山陽国策パルプ社製)、DPHA(日本化薬社製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社製)が好ましい。
中でも、重合性化合物としては、ビスフェノールAジアクリレートEO変性体、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートEO変性体、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートEO変性体などが好ましく、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートから選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
市販品としては、DPHA(日本化薬社製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社製)がより好ましい。
重合性化合物の含有量は、本発明における着色硬化性組成物の全固形量中、5〜50質量%であることが好ましく、7〜40質量%であることがより好ましく、10〜35質量%であることが更に好ましい。
<(C)光重合開始剤>
本発明の着色硬化性組成物は、光を直接吸収し、または光増感されて分解反応若しくは水素引き抜き反応を起こし、重合活性ラジカルを発生する機能を有する光重合開始剤を含有する。
着色硬化性組成物によってブラックの光重合性層を形成する際には、光重合性層上よりパターンマスクを介して画像露光されるため、光重合開始剤は、紫外光線〜可視光線に感度を発揮する化合物を意味し、画像露光に際しては、それに相当する露光光源を使用するのが好ましい。
また、赤色、緑色、青色の各光重合性層においても、各色のパターンマスクを介した露光やその他の方法により4前記ブラックマトリクスパターン間に、赤色、緑色、青色の同素画像パターンを形成するため、ブラックマトリクスパターンの場合と同様、光重合開始剤としては、紫外光線〜可視光線に感度を発揮する化合物、中でも450nm以下、特に400nm以下の波長に分光感度を発揮する化合物が好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、特開昭59−152396号、特開昭61−151197号各公報に記載のチタノセン化合物を含むメタロセン化合物や、特開平10−39503号公報記載のヘキサアリールビイミダゾール誘導体、ハロメチル−s−トリアジン誘導体、N−フェニル−グリシン等のN−アリール−α−アミノ−酸類、N−アリール−α−アミノ−酸塩類、N−アリール−α−アミノ−酸エステル類等のラジカル活性剤、α−アミノ−アルキルフェノン系化合物、特開2000−80068号公報に記載されているオキシムエステル系開始剤等が挙げられる。
更に、光重合開始剤としては、例えば、有機ハロゲン化化合物、オキシジアゾール化合物、カルボニル化合物、ケタール化合物、ベンゾイン化合物、アクリジン化合物、有機過酸化化合物、アゾ化合物、クマリン化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン酸化合物、オキシムエステル化合物、オニウム塩化合物、アシルホスフィン(オキシド)化合物を挙げられる。
有機ハロゲン化化合物としては、具体的には、若林等、「Bull Chem.Soc Japan」42、2924(1969)、米国特許第3,905,815号明細書、特公昭46−4605号、特開昭48−36281号、特開昭55−32070号、特開昭60−239736号、特開昭61−169835号、特開昭61−169837号、特開昭62−58241号、特開昭62−212401号、特開昭63−70243号、特開昭63−298339号、M.P.Hutt“Journal of Heterocyclic Chemistry”1(No3),(1970)」筆に記載の化合物が挙げられ、特に、トリハロメチル基が置換したオキサゾール化合物、s−トリアジン化合物が挙げられる。
本発明で用いることができる光重合開始剤の具体的な例を以下に列挙する。
2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシナフチル)−4,6−ビス(トジクロロメチル)一s−トリアジン、2−(4−エトキシカルボニルナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のハロメチル化トリアジン誘導体。
s−トリアジン化合物として、より好適には、すくなくとも一つのモノ、ジ、又はトリハロゲン置換メチル基がs−トリアジン環に結合したs−トリアジン誘導体、具体的には、例えば、2,4,6−トリス(モノクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−n−プロピル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロロエチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−ナトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ベンジルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N,N−(ジエトキシカルボニルアミノ)−フェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロモメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。
2一トリクロロメチル−5−(2’−ベンゾフリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−〔β−(2−ベンゾフリル)ビニル〕−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−〔β−(2’−(6’’−ベンゾフリル)ビニル)〕−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−フリル−1,3,4−オキサジアゾール等のハロメチル化オキサジアゾール誘導体。
オキシジアゾール化合物としては、2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(シアノスチリル)−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(ナフト−1−イル)−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−スチリル)スチリル−1,3,4−オキソジアゾールなどが挙げられる。
2−(2’−クロロフェニル)−4,5−ジフェニル−イミダソール2量体、2−(2’−クロロフェニル)−4,5−ビス(3’−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(2’−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニル−イミダゾール2量体、2−(2’−メトキシフフェニル)−4,5−ジフェニル−イミダゾール2量体、(4’−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニル−イミダゾール2量体等のイミダゾール誘導体。
ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーデル等のベンゾインアルキルエーテル類。
2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン誘導体。
ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体。
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、α−ヒドロキシ−2−メチルフェニルプロパノン、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル(p−イソプロピルフェニル)ケトン、1−ヒドロキシ−1−(p−ドデシルフェニル)ケトン、2−メチル−(4’−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノ−1−プロパノン、1,1,1−トリクロロメチル−(p−ブチルフェニル)ケトン等のアセトフェノン誘導体。
チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2、4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体。
p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル等の安息香酸エステル誘導体。
9−フェニルアクリジン、9−(p−メトキシフェニル)アクリジン等のアクリジン誘導体。
9,10−ジメチルベンズフェナジン等のフェナジン誘導体体。
ベンズアンスロン等のアンスロン誘導体。
ジシクロペンタジエニル−Ti−ジクロライド、ジシクロペンタジエニル−Ti−ビスフェニル、ジシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル−1−イル、ジシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル−1−イル、ジシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニル−1−イル、ジシクロペンタジエニル−Ti−2,6−ジフルオロフェニル−1−イル、ジシクロペンタジエニル−Ti−2,4−ジフルオロフェニル−1−イル、ジメチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル−1−イル、ジメチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニル−1−イル、ジシクロペンタジエニル−Ti−2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)−フェニル−1−イル等のチタノセン誘導体。
2−メチル−1[4−(メチル−チオ)フェニル]−2−モルフオリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフオリノフェニル)−ブタノン−1,2−ベンジル−2−ジメチル−アミノ−1−(4−モルフオリノフェニル−)ブタノン−オン、4−ジメチルアミノエチルベンゾエート、4−ジメチルアミノイソアミルベンゾエート、4−ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノプロピオフェノン、2−エチルヘキシノル−1,4−ジメチルアミノベンゾエート、2,5−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、7−ジエチルアミノ−3−(4−ジエチルアミノベンゾイル)クマリン、4−(ジエチルアミノ)カルコン等のα−アミノアルキルフェノン系化合物。
1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−,2−(O−ベンゾイルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、等のオキシムエステル系化合物。
カルボニル化合物としては、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、α−ヒドトキシ−2−メチルフェニルプロパノン、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル−(p−イソプロピルフェニル)ケトン、1−ヒドロキシ−1−(p−ドデシルフェニル)ケトン、2−メチル−1−(4’−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2,4,6トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキシド、1,1,1−トリクロロメチル−(p−ブチルフェニル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−4−モルホリノブチロフェノン等のアセトフェノン誘導体、チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル等の安息香酸エステル誘導体等を挙げることができる。
ケタール化合物としては、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルエチルアセタールなどを挙げることができる。
ベンゾイン化合物としてはm−ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、メチルo−ベンゾイルベンゾエートなどを挙げることができる。
アクリジン化合物としては、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタンなどを挙げることができる。
有機過酸化化合物としては、例えば、トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−オキサノイルパーオキサイド、過酸化こはく酸、過酸化ベンゾイル、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシオクタノエート、tert−ブチルパーオキシラウレート、ターシルカーボネート、3,3’,4,4’−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、カルボニルジ(t−ブチルパーオキシ二水素二フタレート)、カルボニルジ(t−ヘキシルパーオキシ二水素二フタレート)等が挙げられる。
アゾ化合物としては、例えば、特開平8−108621号公報に記載のアゾ化合物等を挙げることができる。
クマリン化合物としては、例えば、3−メチル−5−アミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン、3−クロロ−5−ジエチルアミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン、3−ブチル−5−ジメチルアミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン等を挙げることができる。
アジド化合物としては、米国特許第2848328号明細書、米国特許第2852379号明細書並びに米国特許第2940853号明細書に記載の有機アジド化合物、2,6−ビス(4−アジドベンジリデン)−4−エチルシクロヘキサノン(BAC−E)等が挙げられる。
メタロセン化合物としては、特開昭59−152396号公報、特開昭61−151197号公報、特開昭63−41484号公報、特開平2−249号公報、特開平2−4705号公報、特開平5−83588号公報記載の種々のチタノセン化合物、例えば、ジシクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニル−1−イル、ジシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジ−フルオロフェニル−1−イル、ジシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニル−1−イル、ジシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル−1−イル、ジシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル−1−イル、ジメチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニル−1−イル、ジメチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニル−1−イル、ジメチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル−1−イル、特開平1−304453号公報、特開平1−152109号公報記載の鉄−アレーン錯体等が挙げられる。
ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、例えば、特公平6−29285号公報、米国特許第3,479,185号、同第4,311,783号、同第4,622,286号等の各明細書に記載の種々の化合物、具体的には、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル))4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイジダゾール、2,2’−ビス(o,o’−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
有機ホウ酸塩化合物としては、例えば、特開昭62−143044号、特開昭62−150242号、特開平9−188685号、特開平9−188686号、特開平9−188710号、特開2000−131837、特開2002−107916、特許第2764769号、特願2000−310808号、等の各公報、及び、Kunz,Martin“Rad Tech’98.Proceeding April 19−22,1998,Chicago”等に記載される有機ホウ酸塩、特開平6−157623号公報、特開平6−175564号公報、特開平6−175561号公報に記載の有機ホウ素スルホニウム錯体或いは有機ホウ素オキソスルホニウム錯体、特開平6−175554号公報、特開平6−175553号公報に記載の有機ホウ素ヨードニウム錯体、特開平9−188710号公報に記載の有機ホウ素ホスホニウム錯体、特開平6−348011号公報、特開平7−128785号公報、特開平7−140589号公報、特開平7−306527号公報、特開平7−292014号公報等の有機ホウ素遷移金属配位錯体等が具体例として挙げられる。
ジスルホン化合物としては、特開昭61−166544号公報、特願2001−132318号明細書等記載される化合物等が挙げられる。
オキシムエステル化合物としては、J.C.S. Perkin II (1979 )1653−1660)、J.C.S. Perkin II (1979)156−162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995)202−232、特開2000−66385号公報記載の化合物、特開2000−80068号公報、特表2004−534797号公報記載の化合物等が挙げられる。具体例としてはチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュアOXE−01、OXE−02などが好適である。
オニウム塩化合物としては、例えば、S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal et al,Polymer,21,423(1980)に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号明細書、特開平4−365049号等に記載のアンモニウム塩、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号の各明細書に記載のホスホニウム塩、欧州特許第104、143号、米国特許第339,049号、同第410,201号の各明細書、特開平2−150848号、特開平2−296514号の各公報に記載のヨードニウム塩などが挙げられる。
本発明に好適に用いることのできるヨードニウム塩は、ジアリールヨードニウム塩であり、安定性の観点から、アルキル基、アルコキシ基、アリーロキシ基等の電子供与性基で2つ以上置換されていることが好ましい。また、その他の好ましいスルホニウム塩の形態として、トリアリールスルホニウム塩の1つの置換基がクマリン、アントアキノン構造を有し、300nm以上に吸収を有するヨードニウム塩などが好ましい。
本発明に好適に用いることのできるスルホニウム塩としては、欧州特許第370,693号、同390,214号、同233,567号、同297,443号、同297,442号、米国特許第4,933,377号、同161,811号、同410,201号、同339,049号、同4,760,013号、同4,734,444号、同2,833,827号、独国特許第2,904,626号、同3,604,580号、同3,604,581号の各明細書に記載のスルホニウム塩が挙げられ、安定性の感度点から好ましくは電子吸引性基で置換されていることが好ましい。電子吸引性基としては、ハメット値が0より大きいことが好ましい。好ましい電子吸引性基としては、ハロゲン原子、カルボン酸などが挙げられる。
また、その他の好ましいスルホニウム塩としては、トリアリールスルホニウム塩の1つの置換基がクマリン、アントアキノン構造を有し、300nm以上に吸収を有するスルホニウム塩が挙げられる。別の好ましいスルホニウム塩としては、トリアリールスルホニウム塩が、アリロキシ基、アリールチオ基を置換基に有する300nm以上に吸収を有するスルホニウム塩が挙げられる。
また、オニウム塩化合物としては、J.V.Crivello et al,Macromolecules,10(6),1307(1977)、J.V.Crivello et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,1047(1979)に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩等が挙げられる。
アシルホスフィン(オキシド)化合物としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュア819、ダロキュア4265、ダロキュアTPOなどが挙げられる。
本発明に用いられる(D)光重合開始剤としては、露光感度の観点から、トリハロメチルトリアジン系化合物、ベンジルジメチルケタール化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物、メタロセン化合物、オキシム系化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、オニウム系化合物、ベンゾチアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物及びその誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体及びその塩、ハロメチルオキサジアゾール化合物、3−アリール置換クマリン化合物からなる群より選択される化合物が好ましい。
更に好ましくは、トリハロメチルトリアジン系化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物、オキシム系化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、オニウム系化合物、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物であり、トリハロメチルトリアジン系化合物、α−アミノケトン化合物、オキシム系化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、ベンゾフェノン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物が最も好ましい。
具体的な光重合開始剤系成分としては、例えば、「ファインケミカル」(1991年、3月1日号、vo1.20、N0.4)の第16〜26頁に記載されている、ジアルキルアセトフェノン系、ベンゾイン、チオキサントン誘導体等のほか、特開昭58−403023号公報、特公昭45−37377号公報等に記載されている、ヘキサアリールビイミダゾール系、S−トリハロメチルトリアジン系、特開平4−221958号公報、特開平4−219756号公報等に記載されている、チタノセンとキサンテン色素、アミノ基又はウレタン基を有する付加重合可能なエチレン性飽和二重結合含有化合物を組み合わせた系、等が挙げられる。
光重合開始剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
光重合開始剤の含有量は、着色硬化性組成物の全固形量に対し、0.1〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜30質量%、特に好ましくは1〜20質量%である。この範囲で、良好な感度とパターン形成性が得られる。
<(D)増感剤>
本発明の着色硬化性組成物は、下記一般式(1)で表される特定のピロメテン化合物を有する。一般式(1)で表される化合物を添加することによって感応感度を向上させることができる。
Figure 2008224982
一般式(1)中、R〜Rは、水素原子、アルキル基、アラルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、炭化水素環基、複素環基または−SO−R(Rは水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、4級アンモニウム基)を表わす。また、Rは、炭素数6〜15のアルキル基を表わし、X及びXは、各々独立にX及びXは、各々独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、芳香族複素環基を表す。これらの基は、更に置換されていてもよい。
本発明においては、前記一般式(1)中、R〜Rの少なくとも一つにα−位又はβ−位で分岐したアルキル基を有し、特に、R又はRにα−位又はβ−位で分岐したアルキル基を有することが好ましい。この分岐アルキル基は、好ましくは下記一般式(3)で表される。
Figure 2008224982
一般式(3)中、R及びR10は炭素数1〜10、好ましくは1〜7のアルキル基を表し、R11は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、qは0又は1を表す。
この分岐アルキル基は、より好ましくは、α−位又はβ−位に2級又は3級の炭素原子を有する炭素数3〜20のアルキル基、さらに好ましくは、α−位又はβ−位に3級炭素原子を有する炭素数4〜7のアルキル基である。
α−位又はβ−位に2級又は3級の炭素原子を有するアルキル基を導入したピロメテン化合物は、対応するアルキル基が直鎖である場合に比べ、吸光波長ピークが長波長側にシフトされると共に、488nmのアルゴンイオンレーザー又は532nmのYAGレーザーの発振波長に対する感応感度が高められる。また、このピロメテン化合物は、種々の塗布溶媒に対して良好な溶解性を有している。
α−位又はβ−位が分岐したアルキル基の具体例としては、例えば、次のようなものが挙げられる(下記式において、qは前記同様に0又は1を表す)。
Figure 2008224982
さらに、R〜Rに用いられる置換又は非置換のアルキル基の例としては、次のものが挙げられる。
Figure 2008224982
また、R〜Rに用いられるアシル基の例としては、次のものが挙げられる。
Figure 2008224982
また、R〜Rに用いられるアルコキシカルボニル基の例としては、次のものが挙げられる。
Figure 2008224982
また、R〜Rに用いられる置換又は非置換の炭化水素環基としては、好ましくは1環〜3環のアリール基、炭素数6〜10の脂肪族炭化水素環基を挙げることができ、具体的には次のものが挙げられる。
Figure 2008224982
本発明においては、Rは、上記したR〜Rとは異なり、炭素数6〜15のアルキル基を表わす。アルキル基の炭素鎖は直鎖状が好ましいが、分岐状も取り得る。分岐はα−位、β−位、ω−位などいずれでも使用できる。本発明において、このRの意義は極めて重要であり、後記する比較例から明らかなように、炭素数が5以下では、増感剤としての効果はあっても、耐刷性に寄与することができない。
及びXは、各々独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、芳香族複素環基を表す。これらの基は、更に置換されていてもよい。
。X及びXとして好ましくは、各々独立に、ハロゲン原子であり、特に好ましくはフッ素原子である。
以上詳述したR〜Rについて、その組合せは多岐にわたる。具体的に本発明に好適なピロメテン化合物の代表例を、以下に挙げるが、これらの例示化合物に何ら限定されるものではない。
下記例示化合物のX,Xのは共にフッ素原子である。
Figure 2008224982
Figure 2008224982
Figure 2008224982
Figure 2008224982
Figure 2008224982
Figure 2008224982
一般式(1)で表される化合物の使用量は、感度の観点から、光重合性感光層中のエチレン性不飽和化合物100質量部に対して、0.01〜30質量部が好ましく、より好ましくは0.05〜20質量部である。
一般式(1)で表される化合物は、1種単独で又は2種以上併用することができる。
更に必要によって他の構造の増感色素も併用することができる。これらの具体例としては、特開平4−221958号公報、特開平4−219756号公報などに記載されているキサンテン色素、特開平3−239703号公報、特開平5−289335号公報などに記載されている複素腹を有するクマリン色素、特開平3−239703号公報、特開平5−289335号公報などに記載されている3−ケトクマリン化合物、その他、特開昭47−2528号公報、特開昭54−155292号公報、特公昭45−37377号公報、特開昭48−84183号公報、特開昭52−112681号公報、特開昭58−15503号公報、特開昭60−88005号公報、特開昭59−56403号公報、特開平2−69号公報、特開昭57−168088号公報、特開平5−107761号公報、特開平5−210240号公報、特開平4−288818号公報などに記載されているジアルキルアミノベンゼン骨格を有する色素などを挙げることができる。
増感剤全体としての含有量は、本発明の着色硬化性組成物における総固形量中、0.01〜20質量%の範囲とすることが好ましい。より好ましくは0.1〜15質量%、さらに好ましくは0.5〜10質量%である。
<(E)その他の成分>
本発明の着色硬化性組成物は、その他の成分を含有することができる。その他の成分としては、例えば、(E−1)連鎖移動剤、(E−2)溶剤、(E−3)バインダ樹脂、(E−4)熱重合防止剤、(E−5)可塑剤、(E−6)分散剤、(E−7)分散助剤、(E−8)界面活性剤、保存安定剤、表面保護剤、平滑化剤、塗布助剤、密着向上剤、塗布性向上剤、現像改良剤、シランカップリング剤などを挙げることができる。
(E−1)連鎖移動剤
本発明の着色硬化性組成物に添加し得る連鎖移動剤としては、例えば、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステルなどのN,N−ジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステル、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾールなどの複素環を有するメルカプト化合物、および脂肪族多官能メルカプト化合物などが挙げられる。
連鎖移動剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(E−2)溶剤
本発明の着色硬化性組成物に適用し得る溶剤としては、例えばグリコールエーテル類および/またはアルコキシエステル類が挙げられる。
グリコールエーテル類の具体例としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールアセテート、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルコエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールメチルエーテルなどが挙げられる。
アルコキシエステル類の具体例としては、酢酸エチル、メチルイソブチレート、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、ブチルアセテート、(n,sec,t−)酢酸ブチル、ブチルステアレート、エチルプロピオネート、エチルベンゾエート、エチルオルソホルメート、エチルカプリレート、プロピルアセテートなどが挙げられる。
その他、例えば、ジイソプロピルエーテル、ミネラルスピリット、n−ペンタン、アミルエーテル、n−ヘキサン、ジエチルエーテル、イソプレン、エチルイソブチルエーテル、n−オクタン、バルソル#2、アプコ#18ソルベント、ジイソブチレン、アミルアセテート、アプコシンナー、ブチルエーテル、ジイソブチルケトン、メチルシクロヘキセン、メチルノニノレケトン、プロピルエーテル、ドデカン、ソーカルソルベントNo.1及びNo.2、アミルホルメート、ジヘキシルエーテル、ジイソプロピルケトン、ソルベッソ#150、ヘキセン、シェルTS28ソルベント、ブチルクロライド、エチルアミルケトン、アミルクロライド、ブチレングリコールジアセテ−ト、メトキシメチルペンタノン、メチルブチルケトン、メチルヘキシルケトン、ベンゾニトリル、メチルセロソルブアセテート、メチノレイソアミルケトン、メチルイソブチルケトン、アミルアセテート、アミルホルメート、ビシクロヘキシル、ジペンテン、メトキシメチルペンタノール、メチルアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、カルビトール、シクロヘキサノン、乳酸エチル、プロピレングリコール、3−メトキシプロピオン酸、3−エトキシプロピオン酸、ジグライム、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、3−メチル−3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート等が挙げられる。
溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の着色硬化性組成物全体に占める、溶剤の含有量は、総固形量の割合(濃度)に応じて、通常50〜95質量%の範囲で適宜設定される。さらに好ましいのは70〜90質量%、特に好ましいのは75〜90質量%の範囲である。
溶剤の含有量は、少なすぎると粘度が高くなり過ぎて塗布し難くなり、多すぎると塗布膜を形成し難くなるので、適宜調整することが好ましい。
(E−3)バインダ樹脂
バインダ樹脂は、目的とする画素画像の形成性や性能、採用する製造方法などを考慮して適宜選択する。
バインダ樹脂の具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、マレイン酸、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、マレイミドなどの単独重合体、または、これら単量体を含む共重合体、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロジドン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリエチレンテレフタレート、アセチルセルロース、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、ポリビニルフェノール、ポリビニルブチラール等、及び特開平7−207211号公報、特開平8−259876号公報、特開平10−300922号公報、特開平11−140144号公報、特開平11−174224号公報、特開2000−56118号公報、特開2003−233179号公報等に記載される公知の高分子化合物を使用することができる。
上記バインダ樹脂の中で好ましいのは、窒素原子非含有の高分子化合物であり、更に好ましいのは、以下(I)又は(II)の態様である。
(I) 少なくとも1つのアルカリ可溶性を促進する基を有するアルカリ可溶性樹脂{以下「アルカリ可溶性樹脂」と略称する}。
(II) (A):エポキシ基含有(メタ)アクリレート5〜90モル%、(B):(A)成分と共重合し得る他のラジカル重合性化合物10〜95モル%を共重合させ、得られた共重合物に含まれるエポキシ基の10〜100モル%に(C)不飽和一塩基酸を付加させ、前記(C)成分を付加したときに生成される水酸基の10〜100モル%に(D)多塩基酸無水物を付加させて得られる樹脂{以下、樹脂(II)と略称する}。
本発明の着色硬化性組成物には、皮膜特性向上などの目的で、バインダーポリマーとしてアルカリ可溶性樹脂を使用することができる。
本発明で使用するアルカリ可溶性樹脂としては、線状有機高分子重合体であって、分子(好ましくは、アクリル系共重合体、スチレン系共重合体を主鎖とする分子)中に少なくとも1つのアルカリ可溶性を促進する基(例えば、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、ヒドロキシル基など)を有するアルカリ可溶性樹脂の中から適宜選択することができる。
アルカリ可溶性樹脂としてより好ましいものは、側鎖にカルボン酸を有するポリマー、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているような、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等、並びに側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等のアクリル系共重合体のものが挙げられる。
酸価としては、20〜200mgKOH/g、好ましくは30〜180mgKOH/g、更に好ましくは50〜150mgKOH/gの範囲のものが好ましい。
アルカリ可溶性樹脂の具体的な構成としては、特に(メタ)アクリル酸と、これと共重合可能な他の単量体と、の共重合体が好適である。(メタ)アクリル酸と共重合可能な他の単量体としては、アルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、ビニル化合物などが挙げられる。ここで、アルキル基及びアリール基の水素原子は、置換基で置換されていてもよい。
前記アルキル(メタ)アクリレート及びアリール(メタ)アクリレートとしては、CH=C(R)(COOR)〔ここで、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、Rは炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数6〜12のアラルキル基を表す。〕である。
具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(アルキルは炭素数1〜8のアルキル基)、ヒドロキシグリシジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等を挙げることができる。
また、分子側鎖にポリアルキレンオキサイド鎖を有する樹脂も好ましいものである。ポリアルキレンオキサイド鎖としては、ポリエチレンオキシド鎖、ポリプロピレンオキシド鎖、ポリテトラメチレングリコール鎖或いはこれらの併用も可能であり、末端は水素原子或いは直鎖若しくは分岐のアルキル基である。
ポリエチレンオキシド鎖、ポリプロピレンオキシド鎖の繰り返し単位は1〜20が好ましく、2〜12がより好ましい。
これらの側鎖にポリアルキレンオキサイド鎖を有するアクリル系共重合体は、例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレートなど、及びこれらの末端OH基をアルキル封鎖した化合物、例えば、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレートなどを共重合成分とするアクリル系共重合体である。
前記ビニル化合物としては、CH=CR〔ここで、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、Rは炭素数6〜10の芳香族炭化水素環を表し、Rは炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数6〜12のアラルキル基を表す。〕、具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、ビニルアセテート、N−ビニルピロリドン、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー等を挙げることができる。
共重合可能な他の単量体は、1種単独で或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中では特に、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体やベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/他のモノマーからなる多元共重合体が好適である。
アクリル系樹脂は、既に述べたように、20〜200mgKOH/gの範囲の酸価を有することが好ましい。酸価が200を越えた場合、アクリル系樹脂がアルカリに対する溶解性が大きくなりすぎて現像適正範囲(現像ラチチュード)が狭くなる。一方、20未満と小さすぎると、アルカリに対する溶解性が小さく現像に時間がかかり過ぎて好ましくない。
また、アクリル系樹脂の重量平均分子量Mw(GPC法で測定されたポリスチレン換算値)は、カラーレジストを塗布等の工程上使用しやすい粘度範囲を実現するために、また膜強度を確保するために、2,000〜100,000であることが好ましく、より好ましくは3,000〜50,000である。
また、本発明における着色硬化性組成物の架橋効率を向上させるために、重合性基を有するアルカリ可溶性樹脂を単独若しくは重合性基を有しないアルカリ可溶性樹脂と併用してもよい。
重合性基を有するアルカリ可溶性樹脂としては、アリル基、(メタ)アクリル基、アリルオキシアルキル基等を側鎖に有するポリマー等が有用である。重合性二重結合を有するアルカリ可溶性樹脂は、アルカリ現像液での現像が可能であって、更に、光硬化性と熱硬化性を備えたものである。これら重合性基を含有するポリマーの例を以下に示すが、1分子中に、COOH基、OH基等のアルカリ可溶性基と炭素−炭素間不飽和結合とを含むものであれば下記に限定されない。
(1)予めイソシアネート基とOH基を反応させ、未反応のイソシアネート基を1つ残し、かつ(メタ)アクリロイル基を少なくとも1つ含む化合物とカルボキシル基を含むアクリル樹脂との反応によって得られるウレタン変性した重合性二重結合含有アクリル樹脂、
(2)カルボキシル基を含むアクリル樹脂と分子内にエポキシ基及び重合性二重結合を共に有する化合物との反応によって得られる不飽和基含有アクリル樹脂、
(3)酸ペンダント型エポキシアクリレート樹脂、
(4)OH基を含むアクリル樹脂と重合性二重結合を有する2塩基酸無水物を反応させた重合性二重結合含有アクリル樹脂。
上記のうち、特に(1)及び(2)の樹脂が好ましい。
具体例として、OH基を有する、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレートと、COOH基を有する、例えば、メタクリル酸と、これらと共重合可能なアクリル系若しくはビニル系化合物等のモノマーと、の共重合体に、OH基に対し反応性を有するエポキシ環と炭素間不飽和結合基を有する化合物(例えば、グリシジルアクリレートなどの化合物)を反応させて得られる化合物、等を使用できる。OH基との反応では、エポキシ環の他に、酸無水物、イソシアネート基、アクリロイル基を有する化合物も使用できる。
また、特開平6−102669号公報、特開平6−1938号公報に記載のエポキシ環を有する化合物にアクリル酸のような不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物に、飽和若しくは不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られる反応物も使用できる。
COOH基のようなアルカリ可溶化基と炭素間不飽和基とを併せ持つ化合物として、例えば、ダイヤナールNRシリーズ(三菱レイヨン(株)製);Photomer 6173(COOH基含有Polyurethane acrylic oligomer、Diamond Shamrock Co.Ltd.,製);ビスコートR−264、KSレジスト106(いずれも大阪有機化学工業(株)製);サイクロマーPシリーズ、プラクセルCF200シリーズ(いずれもダイセル化学工業(株)製);Ebecryl3800(ダイセルユーシービー(株)製)、などが挙げられる。
好適なアルカリ可溶性樹脂は、モノマー成分として、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、クロトン酸から選択される1種以上と、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、スチレンから選択される1種以上とを有する共重合体である。
アルカリ可溶性樹脂の添加量としては、本発明の着色硬化性組成物の全固形量中、3〜70質量%の範囲であることが好ましく、5〜60質量%がより好ましい。
レジストの調製時には、上記アルカリ可溶性樹脂に加え、更に下記のエポキシ樹脂も添加することが好ましい。エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、クレゾールノボラック型、ビフェニル型、脂環式エポキシ化合物などのエポキシ環を分子中に2個以上有する化合物である。
例えば、ビスフェノールA型としては、エポトートYD−115、YD−118T、YD−127、YD−128、YD−134、YD−8125、YD−7011R、ZX−1059、YDF−8170、YDF−170など(以上東都化成製)、デナコールEX−1101、EX−1102、EX−1103など(以上ナガセ化成製)、プラクセルGL−61、GL−62、G101、G102(以上ダイセル化学製)などが挙げられ、その他にも、これらと類似のビスフェノールF型、ビスフェノールS型エポキシ樹脂も使用可能なものとして挙げることができる。
また、Ebecryl 3700、3701、600(以上ダイセルユーシービー製)などのエポキシアクリレートも使用可能である。クレゾールノボラック型としては、エポトートYDPN−638、YDPN−701、YDPN−702、YDPN−703、YDPN−704など(以上東都化成製)、デナコールEM−125など(以上ナガセ化成製)、ビフェニル型としては3,5,3’,5’−テトラメチル−4,4’−ジグリシジルビフェニルなど、脂環式エポキシ化合物としては、セロキサイド2021、2081、2083、2085、エポリードGT−301、GT−302、GT−401、GT−403、EHPE−3150(以上ダイセル化学製)、サントートST−3000、ST−4000、ST−5080、ST−5100など(以上東都化成製)、Epiclon430、同673、同695、同850S、同4032(以上大日本インキ製)などを挙げることができる。また1,1,2,2−テトラキス(p−グリシジルオキシフェニル)エタン、トリス(p−グリシジルオキシフェニル)メタン、トリグリシジルトリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、o−フタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、他にアミン型エポキシ樹脂であるエポトートYH−434、YH−434L、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の骨格中にダイマー酸を変性したグリシジルエステル等も使用できる。
この中で好ましいのは「分子量/エポキシ環の数」が100以上であり、より好ましいものは130〜500である。「分子量/エポキシ環の数」が小さいと硬化性が高く、硬化時の収縮が大きく、また大きすぎると硬化性が不足し、信頼性に欠けたり、平坦性が悪くなる。
具体的な化合物としては、エポトートYD−115、118T、127、YDF−170、YDPN−638、YDPN−701、プラクセルGL−61、GL−62、3,5,3’,5’−テトラメチル−4,4’ジグリシジルビフェニル、セロキサイド2021、2081、エポリードGT−302、GT−403、EHPE−3150などが挙げられる。
樹脂(II)成分の(A):エポキシ基含有(メタ)アクリレート5〜90モル%、(B):(A)成分と共重合し得る他のラジカル重合性化合物10〜95モル%を共重合させ、得られた共重合物に含まれるエポキシ基の10〜100モル%に(C)不飽和一塩基酸を付加させ、前記(C)成分を付加したときに生成される水酸基の10〜100モル%に(D)多塩基酸無水物を付加させて得られる樹脂について、以下に説明する。
(A):エポキシ基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等が例示できるが、中でもグリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。これらの(A)成分は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
(A):エポキシ基含有(メタ)アクリレートの共重合割合((A)成分と(B)成分とを共重合させて共重合物を製造する際の共重合割合。以下、単に「共重合割合」と称す。)は、上記した通り5〜90モル%であるが、好ましくは20〜80モル%であり、より好ましくは30〜70モル%である。この囲内では、耐熱性や強度に優れ、且つ重合性成分及びアルカリ可溶性成分の付加量が充分であり好適である。
一方、(B):(A)成分と共重合し得る他のラジカル重合性化合物の共重合割合は、上記の通り10〜95モル%であるが、好ましくは20〜80モル%であり、より好ましくは30〜70モル%である。この割合では、重合性成分及びアルカジ可溶性成分の付加量が充分であり、且つ耐熱性や強度に優れる。
この(B):(A)成分と共重合し得る他のラジカル重合性化合物としては、下記一般式(4)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレートの1種又は2種以上を用いることが好ましい。
Figure 2008224982
一般式(4)中、R〜Rは、各々独立に、水素原子、または、メチル、エチル、プロピル等の炭素数1〜3のアルキル基を表し、R10とR11は、各々独立に、水素原子、またはメチル基、エチル基、プロピル基などの炭素数1〜3のアルキル基を表すか、または連結して環を形成していてもよい。R10とR11が連結して形成される環は、好ましくは脂肪族環であり、飽和または不飽和の何れでもよく、好ましくは炭素数5〜6である。)
上記一般式(4)の中では、下記式(5)、(6)、又は(7)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレートが好ましい。バインダ樹脂にこれらの構造を導入することによって、耐熱性や強度を増すことが可能である。もちろん、これらのモノ(メタ)アクリレートは1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いてもよい。
Figure 2008224982
前記式(4)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレートとしては、公知の各種のものが使用できるが、特に次の一般式(8)で表されるものが好ましい。
Figure 2008224982
一般式(8)中、R12は水素原子又はメチル基を表し、R13は前記の化学式(4)を表す。
共重合モノマー中の前記の化学式(4)の構造を有するモノ(メタ)アクリレートの含有量は、通常5〜90モル%、好ましくは10〜70モル%であり、更に好ましくは15〜50モル%である。
また、上記以外の(B)ラジカル重合性化合物としては、特に限定されるものではないが、その具体例としては、以下のものを挙げることができる。
スチレン、スチレンのα−、o−、m−、p−アルキル、ニトロ、シアノ、アミドミエステル誘導体。
ブタジエン、2,3−ジメチル−ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのジェン類。
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸−iso−プロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−sec−ブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボロニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸プロパギル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ナフチル、(メタ)アクリル酸アントラセニル、(メタ)アクリル酸アントラニノニル、(メタ)アクリル酸ピペロニル、(メタ)アクリル酸サリチル、(メタ)アクリル酸フリル、(メタ)アクリル酸フルフリル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフリル、(メタ)アクリル酸ピラニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェネチル、(メタ)アクリル酸クレジル、(メク)アクリル酸−1,1,1−トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオルエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロ−n−プロピル、(メタ)アクリル酸パーフルオロ−iso−プロピル、(メタ)アクリル酸トリフェニルメチル、(メタ)アクリル酸クミル、(メタ)アクリル酸−3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピルなどの(メタ)アクリル酸エステル類。
(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリル酸:ES1N−ジメチルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジプロピルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジ−iso−プロピルアミド、(メタ)アクリル酸アントラセニルアミドなどの(メタ)アクリガレ酸アミド。
(メタ)アクリル酸アニリド、(メタ)アクリロイルニトリル、アクロレイン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、酢酸ビニルなどのビニル化合物。
シトラコン酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチルなどの不飽和ジカルボン酸ジエステル。
N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミドなどのモノマレイミド。
N−(メタ)アクリロイルフタルイミドなどが挙げられる。
より優れた耐熱性及び強度を付与させるためには(B)成分としてスチレン、ベンジル(メタ)アクリレート及びモノマレイミドから選択された少なくとも1種を使用することが有効である。
この場合、スチレン、ベンジル(メタ)アクリ`レート及びモノマレイミドから選択された少なくとも一種の共重合割合は1〜70モル%が好ましく、更に好ましくは3〜50モル%である。
(A)成分と(B)成分との共重合反応は、公知の溶液重合法が適用される。使用する溶剤はラジカル重合に不活性なものであれば特に限定されるものではなく、通常用いられている有機溶剤を使用することができる。
その具体例としては、酢酸エチル、酢酸イソアロピル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等のジエチレンダジコールモノアルキルエーテ/`レアセテート類;
プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類等の酢酸エステル類;
エチレングリコールジアルキルエーテル類;
メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類;
トリエチレングリコールジアルキルエーテル類;
プロピレングリコールジアルキルエーテル類;
ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類;
1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;
ベンガン、トルエン、キシレン、オクタン、デカン等の炭化水素類;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤;
乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等の乳酸エステル類;
ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
これらの溶剤は単独で用いても良く、2種以上を併用してもよい。これらの溶剤の使用量は得られる共重合物100質量部に対し、30〜1000質量部、好ましくは50〜800質量部である。溶剤の使用量がこの範囲内では共重合物の分子量を制御しやすい。
(A)成分と(B)成分との共重合反応に使用されるラジカル光重合開始剤は、ラジカル重合を開始できるものであれば特に限定されるものではなく、通常用いられている有機過酸化物触傑やアゾ化合物を使用することができる。
有機過酸化物触媒としては、公知のケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアリルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネートに分類されるものが挙げられる。
ラジカル光重合開始剤の具体例としては、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシル−3、3−イソプロピルヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジクミルヒドロパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、イソブチルパーオキサイド、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウジルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチフレシクロヘキサン、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスカルボンアミドなどが挙げられ、重合温度に応じて適当な半減期のラジカル光重合開始剤の1種又は2種以上が選択使用される。
ラジカル光重合開始剤の使用量は、共重合反応に使用されるモノマー、即ち(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して0.5〜20質量部、好ましくは1〜10質量部である。
(A)成分と(B)成分との共重合反応は、共重合反応に使用されるモノマー及びラジカル光重合開始剤を溶剤に溶解し攪拌しながら昇温して行ってもよいし、ラジカル光重合開始剤を添加したモノマーを昇温、攪拌した溶剤中に滴下して行ってもよい。また、溶剤中にラジカル光重合開始剤を添加し昇温した中にモノマーを滴下してもよい。反応条件は目標とする分子量に応じて自由に変えることができる。
(A)成分と(B)成分との共重合物に含まれるエポキシ基に付加させる(C)成分は、不飽和一塩基酸である。
(C)成分としては、公知のものを使用することができ、エチレン性不飽和二重結合を有する不飽和カルボン酸が挙げられ、具体例としてはアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体などのモノカルボン酸などが挙げられる。中でも好ましくはアクリル酸及び/又はメタクリル酸である。
これらの(C)成分は1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いてもよい。
(C)成分は、(A)成分と(B)成分との共重合反応で得られた共重合物に含まれるエポキシ基の10〜100モル%に付加させるが、好ましくは30〜100モル%、より好ましくは50〜100モル%に付加させる。(C)成分の付加割合がこの範囲であれば、経時安定性等に優れる。
(A)成分と(B)成分との共重合物に(C)成分を付加させる方法としては、公知の方法を採用することができる。
(A)成分と(B)成分との共重合物に(C)成分を付加させたときに生成される水酸基に付加させる(D)多塩基酸無水物としては、公知のものが使用でき、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水クロレンド酸等の二塩基酸無水物;無水トリメジット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物等の多塩基酸無水物が挙げられる。中でも好ましくは、テトラヒドロ無水フタル酸及び/又は無水コハク酸である。
(D)成分は1種を単独で用いても良く、2種以上を混洽して用いてもよい。このような成分を付加させることにより、本発明で用いるノベインダー樹脂をアルカリ可溶性にすることができる。
(D)成分は、(C)成分を付加させたときに生成される水酸基の10〜100モル%に付加させるが、好ましくは20〜90モル%、より好ましくは30〜80モル%に付加させる。この付加割合の範囲であると、現像時の残膜率が良好で、且つ溶解性も充分である。
(A)成分と(B)成分との共重合物に(C)成分を一付加させたときに生成される水酸基に(D)成分を付加させる方法としては、公知の方法を採用することができる。
また本発明においては、さらに光感度を向上させるために(D)多塩基酸無水物付加後、生成したカルボキシル基の一部にグリシジル(メタ)アクリレートや重合性不飽和基を有するグリシジルエーテル化合物を付加させたり、現像性を向上させるために(D)多塩基酸無水物付加後、生成したカルボキシル基の一部に重合性不飽和基を有さないグリシジルエーテル化合物を付加させることもでき、また、この両者を付加させてもよい。
重合性不飽和基を有さないグリシジルエーテル化合物の具体例としてはフェニル基やアルキル基を有するグリシジルエーテル化合物(ナガセ化成工業(株)製、商品名:デナコールEX−111、デナコールEX−121、デナコールEX−141、デナコールEX−145、デナコールEX−146、デナコールEX−171、デナコールEX−192)等がある。
なお、これらの樹脂構造に関しては、例えば特開平8−297366号公報や特開2001−89533号公報に記載があり、既に公知ではある。
このような樹脂(II)のGPCで測定したポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)としては、3000〜100000が好ましく、5000〜50000が特に好ましい。分子量がこの範囲にあると、耐熱性、膜強度および溶解性に優れる。
また、分子量分布(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))は、2.0〜5.0が好ましい。
バインダ樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。バインダ樹脂の割合は、本発明の着色硬化性組成物における総固形量中、10〜80質量%の範囲で選ぶのが好ましく、中でも、20〜70質量%が特に好ましい。
着色剤とバインダ樹脂との界面の親和性を改良する目的で、シランカップリング剤を配合することができる。シランカップリング剤の割合は、総固形量中の1〜10質量%の範囲で選ぶのが好ましい。
(E−4)熱重合防止剤
熱重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ピロガロごル、カテコール、2,6−t−ブチル−p−クレゾール、β−ナフトールなどが挙げられる。
これら熱重合防止剤の配合量は、着色硬化性組成物中の総固形量に対し、0〜3質量%の範囲で選ぶのが好ましい。
(E−5)可塑剤
可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トジエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリンなどが挙げられる。
これら可塑剤の配合量は、硬化性着色樹脂組成物中の総固形量に対し0〜10質量%の範囲で選ぶのが好ましい。
(E−6)分散剤
分散剤としては、高分子分散剤として、例えばアクリル酸とスチレン、アクリル酸エステルとメタクリル酸、アクリル酸とメタクリル酸エステル、スチレンとマレイン酸等の共重合体、アミド系化合物、ウレタン系化合物、ラクタム系化合物、バルビツル酸系化合物などや、ポリアミド系化合物やポリウレタン系化合物のような樹脂型分散剤(市販品では、ビック・ケミー社製ディスパビック130、ディスパビック161、ディスパビック182、ディスパビック170、エフカ社製エフカ46、エフカ47など)を用いることができる。
中でも好ましいのは、窒素含有官能基を有する分散剤であり、更に好ましいのはアクリル系分散剤、ウレタン系分散剤、グラフト共重合体分散剤である。
アクリル系分散剤としては、側鎖に4級アンモニウム塩基を有するAブロックと、4級アンモニウム塩基を有さないBブロックとからなる、A−Bブロック共重合体及び/又はB−A−Bブロック共重合体が好ましい。
アクリル系分散剤のブロック共重合体を構成するAブロックは、4級アンモニウム塩基、好ましくは−N1a2a3a・Y(但し、R1a、R2a、及びR3aは、各々独立に、水素原子、又は置換されていてもよい環状若しくは鎖状の炭化水素基を表す。或いは、R1a、R2a、及びR3aのうち2つ以上が互いに結合して、環状構造を形成していてもよい。Yは、対アニオンを表す。)で表わされる4級アンモニウム塩基を有する。この4級アンモニウム塩基は、直接主鎖に結合していてもよいが、2価の連結基を介して主鎖に結合していてもよい。
−N1a2a3aにおいて、R1a、R2a、R3aのうち2つ以上が互いに結合して形成する環状構造としては、例えば5〜7員環の含窒素複素環単環又はこれらが2個縮合してなる縮合環が挙げられる。該含窒素複素環は芳香性を有さないものが好ましく、飽和環であればより好ましい。具体的には、例えば下記のものが挙げられる。
Figure 2008224982
上記式中、RはR1a〜R3aのうち何れかの基を表す。
これらの環状構造は、更に置換基を有していてもよい。−N1a2a3aにおけるR1a〜R3aとして、より好ましいのは、置換基を有していてもよい炭素数1〜3のアルキル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基、又は置換基を有していてもよいベンジル基である。
Aブロックとしては、特に、下記一般式(9)で表わされる部分構造を含有するものが好ましい。
Figure 2008224982
上記一般式(9)中、R1a、R2a、R3aは各々独立に、水素原子又は置換されていてもよい環状若しくは鎖状の炭化水素基を表す。或いは、R1a、R2a、及びR3aのうち2つ以上が互いに結合して、環状構造を形成していてもよい。R4aは、水素原子又はメチル基を表す。Xは、2価の連結基を表し、Yは、対アニオンを表す。
上記一般式(9)において、2価の連結基Xとしては、例えば、炭素数1〜10のアルキレン基、アリーレン基、−CONH−R5a−、−COO−R6a−(但し、R5a及びR6aは、直接結合、炭素数1〜10のアルキレン基、又は炭素数1〜10のエーテル基(−R7a−O−R8a−:R7a及びR8aは、各々独立にアルキレン基)を表わす。)等が挙げられ、好ましくは−COO−R6a−である。
また、対アニオンのYとしては、Cl、Br、I、ClO 、BF 、CHCOO、PF 等が挙げられる。
上記一般式(9)のような特定の4級アンモニウム塩基を含有する部分構造は、1つのAブロック中に2種以上含有されていてもよい。その場合、2種以上の4級アンモニウム塩基含有部分構造は、該Aブロック中においてランダム共重合又はブロック共重合の何れの態様で含有されていてもよい。また、該4級アンモニウム塩基を含有しない部分構造が、Aブロック中に含まれていてもよく、該部分構造の例としては、後述の(メタ)アクリル酸エステル系モノマー由来の部分構造等が挙げられる。
かかる4級アンモニウム塩基を含まない部分構造の、Aブロック中の含有量は、好ましくは0〜50質量%、より好ましくは0〜20質量%であるが、かかる4級アンモニウム塩基非含有部分構造はAブロック中に含まれないことが最も好ましい。
一方、分散剤のブロック共重合体を構成するBブロックとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系モノマー;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メク)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、エチルアクリル酸グリシジル、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;(メタ)アクリル酸クロライドなどの(メタ)アクリル酸塩系モノマー;(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N一ジメチル−アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド系モノマー;酢酸ビニル;アクリロニトリル;アジルグリシジルエーテル、クロトン酸グリシジルエーテル;N−メタクリロイルモルホリン、などのコモノマーを共重合させたポリマー構造が挙げられる。
Bブロックは、特に下記一般式(10)で表される、(メタ)アクリル酸エステル系モノマー由来の部分構造であることが好ましい。
Figure 2008224982
上記一般式(10)中、R9aは、水素原子又はメチル基を表す。R10aは、置換基を有していてもよい環状又は鎖状のアルキル基、置換基を有していてもよいアリル基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基を表す。
上記(メタ)アクリル酸エステル系モノマー由来の部分構造は、1つのBブロック中に2種以上含有されていてもよい。もちろん該Bブロックは、更にこれら以外の部分構造を含有していてもよい。2種以上のモノマー由来の部分構造が、4級アンモニウム塩基を含有しないBブロック中に存在する場合、各部分構造は該Bブロック中においてランダム共重合又はブロック共重合の何れの態様で含有されていてもよい。
Bブロック中に上記(メタ)アクリル酸エステル系モノマー由来の部分構造以外の部分構成を含有する場合、当該(メタ)アクリル酸エステル系モノマー以外の部分構造の、Bブロック中の含有量は、好ましくは0〜50質量%、より好ましくは0〜20質量%であるが、かかる(メタ)アクリル酸エステル系モノマー以外の部分構造はBブロック中に含まれないことが最も好ましい。
本発明で用いるアクリル系分散剤は、このようなAブロックとBブロックとからなる、A−Bブロック又はB−A−Bブロック共重合型高分子化合物であるが、このようなブロック共重合体は、例えば以下に示すリビング重合法にて調製される。
ジビング重合法にはアニオンリビング重合法、カチオンリビング重合法、ラジカルジビング重合法がある。アニオンリビング重合法は、重合活性種がアニオンであり、例えば下記スキームで示される。
Figure 2008224982
ラジカルリビング重合法は重合活性種がラジカルであり、例えば下記スキームで示される。
Figure 2008224982
Figure 2008224982
このようなアクリル系分散剤を合成するに際しては、特開平9−62002号公報や、P.Lutz.P.Massoneta].,Polym.Bull.12,79(1984),B.C.Ande:rson,G.D.Andrewseta1,Macromolecules,14,1601(1981),K.Hatada,K.Ute,etal,Polym.J.17,977(1985),18,1037(1986),右手浩一、畑田耕一、高分子加工、36、366(1987),東村敏延、沢木光男、高分子論文集、46、189(1989),M.Kuroki,T.Aida,J.Am.Chem.Sic,109,4737(1987),相田卓三、井上祥平、有機合成化学、43,300(1985),D.Y.Sogoh,W.R.Hertiereta1,Macromolecules,20,1473(1987)などに記載の公知の方法を採用することができる。
本発明で用いる分散剤がA−Bブロック共重合体であっても、B−A−Bブロック共重合体であっても、その共重合体を構成するAブロック/Bブロック比(質量比)は、通常1/99以上、中でも5/95以上、また、通常80/20以下、中でも60/40以下の範囲であることが好ましい。この範囲外では、良好な耐熱性と分散性を兼備することができない場合がある。
また、本発明に係るA−Bブロック共重合体、B−A−Bブロック共重合体1g中の4級アンモニウム塩基の量は、通常0.1〜10mmo1であることが好ましく、この範囲外では、良好な耐熱性と分散性を兼備することができない場合がある。
なお、このようなブロック共重合体中には、通常、製造過程で生じたアミノ基が含有される場合があるが、そのアミン価は1〜100mg−KOH/g程度である。なお、アミン価は、塩基性アミノ基を酸により中和滴定し、酸価に対応させてKOHのmg散で表した値である。
また、このブロック共重合体の酸価は、該酸価の元となる酸性基の有無及び種類にもよるが、一般に低い方が好ましく、通常100mg−KOH/g以下であり、その分子量は、GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で通常1000以上、100,000以下の範囲である。ブロック共重合体の分子量が小さすぎると分散安定性が低下し、大きすぎると現像性、解像性が低下する傾向にある。
本発明において、分散剤としては、上述のものと同様の構造を有する市販のウレタン系及び/又はアクリル系分散剤を適用することもできる。
ウレタン系分散剤としては、特に(1)ポリイソシアネート化合物、(2)同一分子内に水酸基を1個又は2個有する化合物、(3)同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物とを反応させることによって得られる分散樹脂等が好ましい。
(1)ポリイソシアネート化合物
ポリイソシアネート化合物の例としては、パラフェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、トリジンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンメチルエステルジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、ω,ω’−ジイソシネートリメチルシクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香環を有する脂肪族ジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニルメタン)、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等のトジイソシアネート、及びこれらの3量体、水付加物、及びこれらのポリオール付加物等が挙げられる。
ポリジイソシアネートとして好ましいのは有機ジイソシアネートの三量体で、最も好ましいのはトリレンジイソシアネートの三量体とイソホロンジイツシアネートの三量体である。これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いてもよい。
イソシアネートの三量体の製造方法としては、前記ポリイソシアネート類を適当な三量化触媒、例えば第3級アミン類、ホスフィン類、アルコキシド類、金属酸化物、カルボン酸塩類等を用いてイソシアネート基の部分的な三量化を行い、触媒毒の添加により三量化を停止させた後、末反応のポリイソシアネートを溶剤抽出、薄膜蒸留により除去して目的のイソシアヌレート基含有ポリイソシアネートを得る方法が挙げられる。
(2)同一分子内に水酸基を1個又は2個有する化合物
同一分子内に水酸基を1個又は2個有する化合物としては、ポリエーテルグリコール、ポリエステルグリコール、ポリカーボネートグリコール、ポリオレフィングリコール等、及びこれらの化合物の片末端水酸基が炭素数1−25のアルキル基でアルコキシ化されたもの及びこれら2種類以上の混合物が挙げられる。
ポリエーテルグリコールとしては、ポリエーテルジオール、ポリエーテルエステルジオール、及びこれら2種類以上の混合物が挙げられる。
ポリエーテルジオールとしては、アルキレンオキシドを単独又は共重合させて得られるもの、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンープロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシヘキサメチレングリコール、ポリオキシオクタメチレングリコール及びそれらの2種以上の混合物が挙げられる。
ポリエーテルエステルジオールとしては、エーテル基含有ジオールもしくは他のグリコールとの混合物をジカルボン酸又はそれらの無水物と反応させるか、又はポリエステルグリコールにアルキレンオキシドを反応させることによって得られるもの、例えばポリ(ポリオキシデトラメチレン)アジペート等が挙げられる。
ポリエーテルグリコールとして最も好ましいのはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール又はこれらの化合物の片末端水酸基が炭素数1〜25のアルキル基でアルコキシ化された化合物である。
ポリエステルグリコールとしては、ジカルボン酸(コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸等)又はそれらの無水物とグリコール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパン−ジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパン−ジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパン−ジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、1,8−オクタメチレングリコール、2−メチル−1,8−オクタメチレングリコール、1,9−ノナンジオール等の脂肪族グリコ−ル、ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン等の脂環族グリコール、キシリレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン等の芳香族グリコール、N−メチル−ジエタノールアミン等のN−アルキルジアルカノールアミン等)とを重箱合させて得られたもの、例えばポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリエチレン/プロピレンアジペート等、又は前記ジオール類又は炭素数1〜25の1価アルコールを開始剤として用いて得られるポリラクトンジオール又はポリラクトンモノオール、例えばポリカプロラクトングリコール、ポリメチルバレロラクトン及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
ポリエステルグリコールとして最も好ましいのはポリカプロラクトングリコール又は炭素数1−25のアルコールを開始剤としたポリカプロラクトン、より具体的には、モノオールにε−カプロラクトンを開環付加重合して得られる化合物である。
ポリカーボネートグリコールとしては、ポリ(1,6−ヘキシレン)カーボネート、ポリ(3−メチル−1,5−ペンチレン)カーボネート等、ポリオレフィングリコールとしてはポリブタジエングリコール、水素添加型ポリブタジエングリコール、水素添加型ポリイソプレングリコール等が挙げられる。
同一分子内に水酸基を1個または2個有する化合物の中では、特にポリエーテルグリコールとポリエステルグリコールが好ましい。
同一分子内に水酸基を1個又は2個有する化合物の数平均分子量は300〜10,000、好ましくは500〜6,000、更に好ましくは1,000〜4,000である。
(3)同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物
本発明に用いられる同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物を説明する。活性水素、即ち、酸素原子、窒素原子又はイオウ原子に直接結合している水素原子としては、水酸基、アミノ基、チオール基等の官能基中の水素原子が挙げられ、中でもアミノ基、特に1級のアミノ基の水素原子が好ましい。
3級アミノ基は特に限定されない。また、3級アミノ基としては、炭素数1〜4のアルキル基を有するアミノ基、又はヘテロ環構造、より具体的には、イミダゾール環又はトリアゾール環が挙げられる。
このような同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物を例示するならば、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジエチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジプロピル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジブチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N,N−ジプロピルエチレンジアミン、N,N−ジブチルエチレンジアミン、N,N−ジメチル1,4−ブタンジアミン、N,N−ジエチル−1,4−ブタンジアミン、N,N−ジプロピル−1,4−ブタンジアミン、N,N−ジブチル−1,4−ブタンジアミン等が挙げられる。
また、3級アミノ基が含窒素ヘテロ環であるものとして4ピラゾール環、イミダゾール環、トジアゾール環、テトラゾール環、インドール環、カルバゾール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾオキサゾーノレ環、ベンゾチアゾール環、ベンゾチアジアゾール環等のN含有ヘテロ5員環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノジン環、アクリジン環、イソキノリン環等の含窒素ヘテロ6員環が挙げられる。これらの含窒素ヘテロ環として好ましいものはイミダゾール環又はトリアゾール環である。
これらのイミダゾール環と一級アミノ基を有する化合物を具体的に例示するならば、1−(3−アミノプロピル)イミダゾール、ヒスチジン、2−アミノイミダゾール、1−(2−アミノエチル)イミダゾール等が挙げられる。
また、トジアゾール環とアミノ基を有する化合物を具体的に例示するならば、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、5−(2−アミノ−5−クロロフェニル)−3−フェニル−1H−1,2,4−トジアゾール、4−アミノ−4H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジオール、3−アミノ−5−フェニル−1H−1,3,4−トリアゾール、5−アミノ−1,4−ジフェニル−1,2,3トリアゾール、3−アミノ−1−ベンジル−1H−2,4−トリアゾール等が挙げられる。中でも、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジエチル−1,3−プロパンジアミン、1−(3−アミノプロピル)イミダゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾールが好ましい。
上記ウレタン系分散剤原料の好ましい配合比率はポリイソシアネート化合物100質量部に対し、同一分子内に水酸基を1個又は2個有する数平均分子量300〜10,000の化合物が10〜200質量部、好ましくは20〜190質量部、更に好ましくは30〜180質量部、同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物が0.2〜25質量部、好ましくは0.3〜24質量部である。
このようなウレタン系分散剤のGPCで測定したポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は通常1,000〜200,000、好ましくは2,000〜100,000、より好ましくは3,000〜50,000の範囲である。この分子量の範囲では、分散性及び分散安定性に優れ、溶解性や分散性にも優れると同時に反応を制御しやすい。
このようなウレタン系分散剤の製造はポリウレタン樹脂製造の公知の方法に従って行われる。製造する際の溶媒としては、通常、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸セロソルブ等のエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン等の炭化水素類、ダイアセトンアルコール、イソプロパノール、第二ブタノール、第三ブタノール等一部のアルコール類、塩化メチレン、クロロホルム等の塩化物、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキサイド等の非プロトン性極性溶媒等の1種又は2種以上が用いられる。
上記製造に際して、通常のウレタン化反応触媒が用いられる。この触媒としては、例えば、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート、ジブチルチンジオクトエート、スタナスオクトエート等の錫系、鉄アセチルアセトナート、塩化第二鉄等の鉄系、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン等の3級アミン系等が挙げられる。
同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物の導入量は反応後のアミン価で1〜100mg−KOH/gの範囲に制御するのが好ましい。より好ましくは5〜95mg−KOH/gの範囲である。アミン価は、塩基性基を酸により中和滴定し、酸価に対応させてKOHのmg数で表わした値である。アミン価が上記範囲より低いと分散能力が低下する傾向があり、また、上記範囲を超えると現像性が低下しやすくなる。
なお、以上の反応で得られた分散樹脂にイソシアネート基が残存する場合には更に、アルコールやアミノ化合物でイソシアネート基を潰すと生成物の経時安定性が高くなるので好ましい。
グラフト共重合体分散剤としては、主鎖に窒素原子を含有する繰り返し単位を有するものが好ましい。中でも、下記一般式(11)で表される繰り返し単位または/及び式(12)で表される繰り返し単位を有することが好ましい。
Figure 2008224982

一般式(11)中、Rは炭素数1〜5のアルキレン基を表し、Aは水素原子または下記一般式(13)〜(15)のいずれかを表す。
上記一般式(11)中、Rは、メチレン、エチレン、プロピレン等の庫鎖状または分岐状の炭素数1〜5のアルキレン基を表し、好ましくは炭素数2〜3であり、更に好ましくはエチレン基である。Aは水素原子または下記一般式(13)〜(15)のいずれかを表すが、好ましくは一般式(13)である。
Figure 2008224982
上記一般式(12)中、R、Aは、式(11)のR、Aと同義である。
Figure 2008224982
上記式(13)中、Wは炭素数2〜10の皮綴状または分岐状のアルキレン基を表し、中でもブチレン、ペンチレン、ヘキシレン等の炭素数4〜7のアルキレン基が好ましい。pは1〜20の整数を表し、好ましくは5〜10の整数である。
Figure 2008224982
上記式(14)中、Yは2価の連結基を表し、中で.もエチレン、プロピレン等の炭素数1〜4のアルキレン基とエチレンオキシ、プロピレンオキシ等の炭素数1〜4のアルキレンオキシ基が好ましい。
はエチレン、プロピレン、ブチレン等の底値状または分岐状の炭素数2〜10のアルキレン基を表し、中でもエチレン、プロピレン等の炭素数2〜3のアルキレン基が好ましい。
は水素原子または−CO−R(Rはエチル−、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル等の炭素数1〜10のアルキル基を表し、中でもエチル、プロピル、ブチル、ペンチル等の炭素数2〜5のアルキル基が好ましい)を表す。
qは、1〜20の整数を表し、好ましくは5〜10の整数である。
Figure 2008224982
上記式(15)中、Wは炭素数1〜50のアルキル基または水酸基を1〜5有する炭素数1〜50のヒドロキシアルキル基を表し、中でもステアリル等の炭素数10〜20のアルキル基、モノヒドロキシステアリル等の水酸基を1〜2個有する炭素数10〜20のヒドロキシアルキル基が好ましい。
本発明のグラフト共重合体における式(11)または(12)で表される繰り返し単位の含有率は、高い方が好ましく、通常50モル%以上であり、好ましくは70モル%以上である。式(11)で表される繰り返し単位と、式(12)で表される繰り返し単位の、両方を併有してもよく、その含有比率に特に制限は無いが、好ましくは式(11)の繰り返し単位の方を多く含有していた方が好ましい。
式(11)または式(12)で表される繰り返し単位の合計数は、通常1〜100、好ましくは10〜70、更に好ましくは20〜50である。
また、式(11)及び式(12)以外の繰り返し単位を含んでいてもよく、他の繰り返し単位としては、例えばアルキレン基、アルキレンオキシ基などが例示できる。本発明のグラフト共重合体は、その末端が−NH及び−R−NH(Rは、前記Rと同義)のものが好ましい。
尚、本発明のグラフト共重合体であれば、主鎖が直鎖状であっても分岐していてもよい。
本発明のグラフト共重合体のアミン価は、通常5〜100mgKOH/gであり、好ましくは10〜70mgKOH/gであり、更に好ましくは15〜40mgKOH/g以下である。アミン価がこの範囲内にあると、分散安定性が良好で、粘度が安定し、残液が少なくなり、液晶パネルを形成した後の電気特性も向上する。
上記分散剤のGPCで測定した重量平均分子量としては、3,000〜100,000が好ましく、5,000〜50,000が特に好ましい。重量平均分子量がこの範囲内にあると、着色剤の凝集を防ぐことができ、それ自体の粘度も高すぎず、有機溶媒への溶解性も良好である。
上記分散剤の合成方法は、公知の方法が採用でき、例えば特公昭63−30057号公報に記載の方法を用いることができる。
上記分散剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
分散剤の配合量は、着色硬化性組成物中の総固形量に対し、0〜30質量%の範囲で選ぶのが好ましい。
また、本発明のカラーフィルタ用着色硬化性組成物において、分散剤の含有割合は、通常、着色剤に対して10〜300質量%であり、好ましくは20〜100質量%であり、特に好ましくは30〜80質量%である。分散剤の含有割合がこの範囲内であると、凝集を防ぐことができ、膜厚も適切な厚さになり、カラーフィルタに用いた場合に、液晶セル化工程でのセルギャップ制御不良を抑えることが可能である。
本発明における着色硬化性組成物は、上記高分子分散剤以外に、下記に示す、従来から公知の分散剤(顔料分散剤)を併用することもできる。
公知の分散剤(顔料分散剤)としては、高分子分散剤〔例えば、ポリアミドアミンとその塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリエステル、変性ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体〕、及び、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルカノールアミン、顔料誘導体等を挙げることができる。
高分子分散剤は、その構造から更に直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。
高分子分散剤は顔料の表面に吸着し、再凝集を防止する様に作用する。そのため、顔料表面へのアンカー部位を有する末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子が好ましい構造として挙げることができる。一方で、顔料誘導体は顔料表面を改質することで、高分子分散剤の吸着を促進させる効果を有する。
本発明に用いうる公知の分散剤(顔料分散剤)の具体例としては、BYK Chemie社製「Disperbyk−107(カルボン酸エステル)、130(ポリアミド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)」、EFKA社製「EFKA4047、4050、4010、4165(ポリウレタン系)、EFKA4330、4340(ブロック共重合体)、4400、4402(変性ポリアクリレート)、5010(ポリエステルアミド)、6220(脂肪酸ポリエステル)、6745(フタロシアニン誘導体)、6750(アゾ顔料誘導体)」、味の素ファインテクノ社製「アジスパーPB821、PB822」、共栄社化学社製「フローレンTG−710(ウレタンオリゴマー)」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合体)」、楠本化成社製「ディスパロン#7004(ポリエーテルエステル)、DA−703−50、DA−705、DA−725」、花王社製「エマルゲン920、930、935、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)」、「アセタミン86(ステアリルアミンアセテート)」、ルーブリゾール社製「ソルスパース5000(フタロシアニン誘導体)、22000(アゾ顔料誘導体)、13240(ポリエステルアミン)、3000、17000、27000(末端部に機能部を有する高分子)、24000、28000、32000、38500(グラフト型高分子)」、日光ケミカル社製「ニッコールT106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)」等が挙げられる。
本発明において、上記のような公知の分散剤を用いる場合、前述の酸価20〜300mg/gであり、且つ、重量平均分子量が3,000〜100,000の範囲にある化合物に対して、10〜100質量%、即ち、1/10〜1/1(等量)の範囲で用いることができる。
(E−7)分散助剤
分散助剤としては、例えば顔料誘導体が挙げられる。
顔料誘導体としてはアゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ベンツイミダゾロン系、キノフタロン系、イソインドリノン系、ジオキサジン系、アントラキノン系、インダンスレン系、ペリレン系、ペリノン系、ジケトピロロピロール系、ジオキサジン系顔料等の誘導体が挙げられる。
顔料誘導体の置換基としてはスルホン酸基、スルポンアミド基及びその4級塩、フタルイミドメチル基、ジアルキルアミノアルキル基、水酸基、カルボキシル基、アミド基等が顔料骨格に直接又はアルキル基、アリール基、複素腹基等を介して結合したものが挙げられ、好ましくはスルホンアミド基及びその4級塩、スルホン酸基が挙げられ、より好ましくはスルホン酸基である。またこれら置換基は一つの顔料骨格に複数置換していてもよいし、置換散の異なる化合物の混合物でもよい。
顔料誘導体の具体例としてはアゾ顔料のスルホン酸誘導体、フタロシアニン顔料のスルホン酸誘導体、キノフタロン顔料のスルホン酸誘導体、アントラキノン顔料のスルホン酸誘導体、キナクリドン顔料のスノレホン酸誘導体、ジケトピロロピロール顔料のスルホン酸誘導体、ジオキサジン顔料のスルホン酸誘導体等が挙げられる。
市販の顔料誘導体としては、アゾ系のアビシア社製ソルスパース22000、フタロシアニン系のソルスパース5000、エフカ社製エフカ475等が挙げられる。これらの顔料誘導体は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
分散助剤の配合量は、着色硬化性組成物中の総固形量に対し、0〜20質量%の範囲で選ぶのが好ましい。
(E−8)界面活性剤
界面活性剤としては、アニオン、カチオン、非イオン(ノニオン)、両性界面活性剤等、各種のものを用いることができるが、諸特性に与える影響が低い点で、ノニオン界面活性剤を用いるのが好ましい。
アニオン界面活性剤としては、例えば、花王株式会社製のエマール10等のアルキル硫酸エステル塩系界面活性剤、同じくペレックスNB−L等のアルキルナフタレンスルフオン酸塩系界面活性剤、同じくホモゲノールL−18、L−100等の特殊高分子系界面活性剤等が挙げられる。
これらの内、特殊高分子系界面活性剤が好ましく、特殊ポリカルボン酸型高分子系界面活性剤が更に好ましい。
カチオン界面活性剤としては、例えば、花王株式会社製のアセタミン24等のアルキルアミン塩系界面活性剤、同じくコータミン24P、86W等の第4級アンモニウム塩系界面活性剤等が挙げられる。
これらの内、第4級アンモニウム塩系界面活性剤が好ましく、ステアリルトリメチルアンモニウム塩系界面活性剤が更に好ましい。
ノニオン界面活性剤としては、下記一般式(A)〜一般式(D)で表される化合物群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
Figure 2008224982
上記一般式(A)〜一般式(D)において、POは、プロピレンオキサイドを表し、EOは、エチレンオキサイドを表す。プロピレンオキサイド中にプロプレンは、−(CH−、−CHCH(CH)−のいずれも包含する。
一般式(A)及び一般式(B)において、(Styryl)は、ph−CH=CH−を表し(benzyl)は、ph−CH−を表す。ここで、phはフェニル基である。
また、nは1〜3の整数であり、好ましくは1である。mは7〜30の整数であり、好ましくは8〜20の整数である。lは0〜10の整数であり、好ましくは0〜5の整数である。aは0〜20、bは0〜20、cは6〜30の整数であり、好ましくは、それぞれaは0〜10、bは0〜10、cは10〜20である。
一般式(C)及び一般式(D)において、xは5〜100の整数であり、好ましくは5〜50の整数である。また、yは20〜100の整数である。なお、x、yは、0.1≦x/y≦2.0、好ましくは0.2≦x/y≦1.0を満たす。
ここで、一般式(C)及び一般式(D)中に存在している4個のx及びyは、それぞれ同一、又は異なった整数である。即ち、一般式(C)及び一般式(D)には、エチレンオキサイドブロックが4個存在しているが、各4個のブロックを構成するエチレンオキサイド単位の数は、同一でも異なっていてもよい。また、一般式(C)及び一般式(D)には、プロピレンオキサイドブロックが4個存在しているが、各4個のブロックを構成するプロピレンオキサイド単位の数は、同一でも異なっていてもよい。
本発明においては、前記一般式(A)〜一般式(D)で表される化合物群の中でも、一般式(A)で表される化合物、及び一般式(B)で表される化合物が好ましい。
より具体的には、前記一般式(A)において、nが1であり、lが0〜5、mが8〜20の整数である化合物であり、具体例としては、スチリルフェノールのエチレンオキシド8付加体、同10付加体、同12付加体、同16付加体、同20付加体などの化合物が好ましい。
また、前記一般式(B)において、nが1〜3、aが0〜10、bが0〜10、cが10〜20の整数である化合物が好ましく、具体例としては、モノスチリルベンジルフェニルにaが4、bが2、cが10の付加化合物、トリスチリルベンジルフェニルにaが0、bが0、cが16の付加体、トリスチリルベンジルフェニルにaが6、bが2、cが10の付加体、トリスチリルベンジルフェニルにaが8、bが6、cが18の付加体などの化合物が好ましい。
また、本発明においては、前記一般式(A)〜一般式(D)で表される化合物群以外の公知の界面活性剤を用いてもよいし、また、これらを併用してもよい。
用いられる界面活性剤としては、特開2003−337424号公報、特開平11−133600号公報に開示されている界面活性剤が、好適なものとして挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレングリコール類、ポリオキシプロピレングリコール類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシプロピレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシプロピレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、モノグリセリドアルキルエステル類などが好ましい。
具体的には、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール類;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシプロピレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリル化エーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−プロピレンポリスチリル化エーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアリールエーテル類;ポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジステアレートなどのポリオキシアルキレンジアルキルエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類などのノニオン界面活性剤がある。
ノニオン界面活性剤の具体例は、例えば、アデカプルロニックシリーズ、アデカノールシリーズイ、テトロニックシリーズ(以上ADEKA株製)、エマルゲンシリーズ、レオドールシリーズ(以上花王(株)製)、エレミノールシリーズ、ノニポールシリーズ、オクタポールシリーズ、ドデカポールシリーズ、ニューポールシリーズ(以上三洋化成(株)製)、パイオニンシリーズ(以上竹本油脂(株)製)、ニッサンノニオンシリーズ(以上日本油脂(株)製)などである。これらの市販されているものが適宜使用できる。
好ましいHLB値は8〜20、更に好ましくは10〜17である。
また、シリコーン系界面活性剤としては、例えば、東レシリコーン株式会社製のSH8400、信越化学工業株式会社製のKP341等を挙げることができる。
フッ素系界面活性剤としては、メガファックF172、同F173、同F176、同F177、同F183、同470、同F475、同F780、同F781(大日本インキ(株)製)、ノベックFC−4430、同FC−4432(住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(セイミケミカル(株)製)、エフトップEF351、同352、同801、同802(JEMCO(株)製)等を挙げることができる。
界面活性剤として、フッ素系界面活性剤を用いた場合、界面活性剤の配合量は、着色硬化性組成物の総固形量に対して、0.01質量%以上1.00質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上3.0質量%以下であることがより好ましい。界面活性剤の配合量が上記範囲であると、濡れ性とレベリング性が向上する。
フッ素系界面活性剤以外の界面活性剤を用いた場合、その配合量は、着色硬化性組成物の総固形量に対して、0.001質量%以上1.0質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以上0.5質量%以下であることがより好ましい。
〔着色硬化性組成物の製造方法〕
次に、本発明のカラーフィルタ用着色硬化性組成物を調製する方法を説明する。
まず、着色剤と溶剤とを各所定量秤量し、分散処理工程において、(溶剤に着色剤を分散させて液状の碩化性樹脂組成物(インク状物)とする。この分散処理工程では、ペイントコンディショナー、サンドグラインダー、ボールミル、ロールミル、ストーンミル、ジェットミル、ホモジナイザーなどを使用することができる。この分散処理により着色剤が微粒子化されるため、着色硬化性組成物の塗布特性が向上し、透過光の透過率が向上したカラーフィルタが得られる。
溶剤に着色剤を分散処理する際に、バインダ樹脂および/または重合性化合物、分散剤、分散助剤などを適宜併用して分散させるのが好ましい。特に、高分子分散剤を用いると、経時の分散安定性に優れるので好ましい。例えば、サンドグライングーを用いて分散処理する場合には、直径が0.1から数ミリのガラスビーズまたは、ジルコニアビーズを用いるのが好ましい。
分散処理時の温度は、通常、0℃〜100℃、好ましくは室温〜80℃の範囲に設定する。なお、分散時間は、インキ状物の組成{着色剤、溶剤、分散剤、分散助剤}、およびサンドグラインダヤの装置の大きさなどにより適正時間が異なるため、適宜調整する必要がある。
上記分散処理工程によって得られたインキ状物にバインダ樹脂および/または重合性化合物、さらに光重合開始剤、その他の成分等を混合し、均一な分散溶液とする。なお、分散処理工程および混合の各工程においては、微細なゴミが混入することがあるので、得られたインキ状物をフィルタなどによって濾過処理するのが好ましい。
本発明の着色硬化性組成物は、全着色硬化性組成物中に占める総固形量の割合(濃度)を、2〜50質量%とすることが好ましい。さらに好ましいのは8〜30質量%、特に好ましいのは12〜25質量%の範囲である。
総固形量の割合が多すぎると、塗布筋が発生し易く好ましくない。総固形量の割合が少なすぎると、粘度が下がり、乾燥時に着色硬化性組成物が流動し、乾燥ムラや凹み欠陥が生じるため好ましくない。
また、特に乾燥後の塗布膜厚が薄膜のカラーフィルダーを製造する場合は、総固形量の割合は、通常30質量%以下、好ましくは20質量%以下、更に好ましくは18質量%以下、特に好ましくは16質量%未満であり、通常2質量%以上、好ましくは4質量%以上、更に好ましくは8質量%以上である。
一方、特に乾燥後の塗布膜厚が厚膜のカラーフィルタを製造する場合は、総固形量の割合は、通常8質量%以上、好ましくは10質量%以上、更に好ましくは12質量%以上であり、特に好ましくは14質量%以上であり、通常30質量%以下、好ましくは30質量%以下、更に好ましくは25質量%以下である。
〔カラーフィルタ〕
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。
本発明のカラーフィルタは、基板上に、本発明の着色硬化性組成物により形成された画素またはブラックマトリックスを有するものである。
カラーフィルタの透明基板としては、透明で適度の強度があれば、その材質は特に限定されるものではない。材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネード、ポリメチルメタクリレート、ポリスルホンの熱可塑性樹脂製シート、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂などの熱硬化性樹脂シート、または各種ガラスなどが挙げられる。この中でも、耐熱性の観点からガラス、耐熱性樹脂が好ましい。
透明基板およびブラックマトリックス形成基板には、接着性などの表面物性改良のため、必要に応じ、コロナ放電処理、オゾン処理、シランカップリング剤や、ウレタン系樹脂などの各種樹脂の薄膜形成処理などを行ってもよい。
透明基板の厚さは、通常0.05〜10mm、好ましくは0.1〜7mmの範囲とされる。また各種樹脂の薄膜形成処理を行う場合、その膜厚は、通常0.01〜10μm、好ましくは0.05〜5μmの範囲である。
透明基板上に、ブラックマトリクスを設け、通常、赤色、緑色、青色の画素画像を形成することにより、本発明のカラーフィルタを製造することができる。上記着色硬化性組成物は、黒色、赤色、緑色、青色のうち少なくとも一種のレジスト形成用塗布液として使用される。ブラックレジストに関しては、透明基板上素ガラス面上、赤色、緑色、青色に関しては透明基板上に形成された樹脂ブラックマトジクス形成面上、または、クロム化合物その他の遮光金属材料を用いて形成した金属ブラックマトリクス形成面上に、塗布、加熱乾燥、画像露光、現像および熱硬化の各処理を行って各色の画素画像を形成する。
ブラックマトリックスは、遮光金属薄膜またはブラックマトリクス用顔料分散液を利用して、透明基板上に形成される。遮光金属材料としては、金属クロム、酸化クロム、窒化クロムなどのクロム化合物、ニッケルとタングステン合金などが用いられ、これらを複数層状に積層させたものであってもよい。
これらの金属遮光膜は、一般にスパッタリング法によって形成され、ポジ型フォトレジストにより、膜状に所望のパターンを形成した後、クロムに対しては硝酸第ニセリウムアンモニウムと過塩素酸とを混合したエッチング液を用い、その他の材料に対しては、材料に応じたエッチング液を用いて蝕刻され、最後にポジ型フォトレジストを専用の剥離剤で剥離することによって、ブラックマトリクスを形成することができる。
この場合、まず、蒸着またはスパッタリング法などにより、透明基板上にこれら金属または金属・金属酸化物の薄膜を形成する。次いで、この薄膜上に光硬化性組成物の塗布膜を形成した後、ストライプ、モザイク、トライアングルなどの繰り返しパターンを有するフォトマスクを用いて、塗布膜を露光・現像し、レジスト画像を形成する。その後、この塗布膜にエッチング処理を施してブラックマトリクスを形成することができる。
ブラックマトリクス用の顔料分散液を利用する場合は、黒色の着色剤を含有する着色硬化性組成物を使用して、ブラックマトリクスを形成する。例えば、カーボンブラック、黒鉛、鉄黒、アニリンブラック、シアニンブラック、チタンブラックなどの黒色着色剤単独または複数、もしくは、無機または有機の顔料、染料の中かち適宜選択される赤色、緑色、青色などの混合による黒色着色剤を含有する着色硬化性組成物を使用し、下記の赤色、緑色、青色の画素画像を形成する方法と同様にして、ブラックマトリスを形成することができる。
ブラックマトリクスを設けた透明基板上に、赤色、緑色、青色のうち一色の着色剤を含有するカラーフィルタ用着色硬化性組成物を塗布し、乾燥した後、塗布膜の上にフォトマスクを重ね、このフォトマスクを介して画像露光、現像、必要に応じて熱硬化または光硬化により画素画像を形成させ、着色層を作成する。この操作を、赤色、緑色、青色の三色のカラーフィルタ用着色硬化性組成物について各々行うことによって、カラーフィルタ画像を形成することができる。
カラーフィルタ用の着色硬化性組成物の塗布は、スピナー法、ワイヤーバー法、フローコート法、ダイコート法、ロールコート法、スプレーコート法などによって行うことができる。中でも、ダイコート法によれば、塗布液使用量が大幅に削減され、かつ、スピンコート法によった際に付着するミストなどの影響が全くない、異物発生が抑制されるなど、総合的な観点から好ましい。
ダイコート法による塗布条件は、カラーフィルタ用硬化性組成物の組成や、製造するカラーフィルタの種類などによって適宜選択すればよい。例えば、ノズル先端のリップ幅は50〜500μmとし、ノズル先端と基板面との間隔は30〜300μmとするのが好ましい。塗布膜の厚さを調節するためには、リップの走行速度、およびリップからの液状の着色硬化性組成物の吐出量を調整すればよい。
更に、着色硬化性組成物は、ずり速度10−1以下における定常粘度の上限が、好ましくは5mPa・s以下であり、より好ましくは4mPa・s以下であり、更に好ましくは3.8mPa・s以下であり、特に好ましくは3.5mPa・s以下である。
また、ずり速度10−1以下における着色硬化性組成物の定常粘度の下限は通常1mPa・s以上であるが、ダイコート塗布法において、乾燥後の(即ち、最終工程後の)塗布膜厚が薄膜(通常1.5μm未満;以下、特に記載がない限り、本願において「薄膜」の定義とする。)のカラーフィルタを製造する場合は、好ましくは、1.5mPa・s以上であり、更に好ましくは2mPa・s以上であり、特に好ましくは2.5mPa・s以上である。
乾燥後の塗布膜厚が厚膜(通常1.5μm以上;以下、特に記載がない限り、本願において「厚膜」の定義とする。)のカラーフィルタを製造する場合は、好ましくは3mPa・s以上であり、更に好ましくは3.2mPa・s以上である。
定常粘度を当該範囲内とすることで、ダイコート塗布法において、乾燥後の塗布膜厚が薄膜のカラーフィルタを製造する場合は、塗布限界速度を上げた場合でも液切れがなく、また、ダイリップ先端の不均一に起因する塗布筋のないカラーフィルタを形成することができる。
なお、塗布限界速度とは、定常塗布部において液切れによるストライプ状の塗布膜形成とならずに一様な塗布が可能な上限の塗布速度をいい、通常、0.1m/秒、好ましくは0.2m/秒、更に好ましくは0.3m/秒である。
一方、乾燥後の塗布膜厚が厚膜のカラーフィルタを製造する場合は、定常粘度を当該範囲とすることで、乾燥時の過度の流動を抑制し、ダイコートにより厚膜塗布した際にも乾燥ムラや凹み欠陥などを抑制することができ、また、ダイリップ先端の不均一に起因する塗布筋のないカラーフィルタを形成することができる。
尚、薄膜、厚膜いずれのカラーフィルタを製造する場合でも定常粘度が低すぎる場合は液安定性が悪くなる。
また、着色硬化性組成物の表面張力が25dyne/cm以上である場合は、レベリング性が良いため好ましい。表面張力は高い程好ましいが、通常40dyne/cm以下である。
表面張力が上記範囲内にある着色硬化性組成物は界面活性剤が適度に表面張力勾配を緩和するので、塗布諮の発生防止に加え、ムラを平坦化し、筋ムラを抑えることができる。
上記レオロジー特性を有する着色硬化性組成物を用いて作製されたカラーフィルタは、均一なレジスト層により、異物、塗布ムラ、塗布スジの少ない良好な画素が形成された高品質のカラーフィルタとすることができる。
基板に着色硬化性組成物を塗布した後の塗布膜の乾燥は、ホットプレート、IRオーブン、コンベクションオーブンを使用した乾燥法によるのが好ましい。後述の再加熱乾燥前に必要によって予備乾燥を施してもよい。予備乾燥の条件は、前記溶剤の種類、使用する乾燥機の性能などに応じて適宜選択することができる。乾燥時間は、溶剤の種類、使用する乾燥機の性能などに応じて、通常は、40〜80℃の温度で15秒〜5分間の範囲で選ばれ、好ましくは50〜70℃の温度で30秒〜3分間の範囲で選ばれる。
再加熱乾燥の温度条件は、予備乾燥温度より高い50〜200℃、中でも70〜160℃が好ましく、特に70〜130℃が好ましい。また乾燥時間は、加熱温度にもよるが10秒〜10分、中でも15秒〜5分の範囲とするのが好ましい。乾燥温度は、高いほど透明基板に対する接着性が向上するが、高すぎると光重合開始剤が分解し、熱重合を誘発して現像不良を生ずる場合がある。
乾燥後のカラーフィルタ用着色硬化性組成物の塗布膜の厚さは、薄膜のカラーフィルタを製造する場合は、通常0.4μm以上、好ましくは0.6μm以上であり、通常1.5μm以下、好ましくは1.0μm以下である。また、厚膜のカラーフィルタを製造する場合は、通常1.5μm以上、好ましくは3μm以上であり、通常10μm以下、好ましくは5μm以下である。
なお、この塗布膜の乾燥工程では、温度を高めず、減圧チヤンバー内で乾燥を行う、減圧乾燥法であってもよい。
画像露光は、硬化性組成物の塗布膜上に、ネガのマトリクスパターンを重ね、このマスクパターンを介し、紫外線または可視光線の光源を照射して行う。この際、必要に応じ、酸素による光重合性層の感度の低下を防ぐため、光重合性層上にポリビニルアルコール層などの酸素遮断層を形成した後に露光を行ってもよい。
上記の画像露光に使用される光源は、特に限定されるものではない。光源としては、このとき、露光の際に照射される放射線としては、280〜465nmに波長を有することが望ましく、それ以外の波長を有してもよい。特に、g線、h線、i線、j線等の紫外線が好ましく、更にはi線、h線、g線が主成分で、j線を含む紫外線が好ましい。
露光機はプロキシミティ方式、ミラープロジェクション方式、ステッパー方式のいずれでも使用可能である。特定の波長の光を照射使用する場合には、光学フィルタを利用することもできる。
本発明のカラーフィルタは、本発明の着色硬化性組成物による塗布膜を、上記の光源によって画像露光を行った後、有機溶剤、または、界面活性剤とアルカリ性化合物とを含む水溶液を用いる現像によって、基板上に画像を形成して調製することができる。この水溶液には、さらに有機溶剤、緩衝剤、鎔化剤、染料または顔料を含ませることができる。
アルカリ性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、メタケイ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、水酸化アンモニウムなどの無機アルカリ性化合物や、モノー・ジーまたはトリエタノールアミン、モノー・ジーまたはトリメチルアミン、モノー・ジーまたはトリエチルアミン、モノーまたはジイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノー・ジーまたはトリイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジイミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、コリンなどの有機アルカリ性化合物が挙げられる。これらのアルカリ性化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、モノグリセジドアルキルエステル類などのノニオン系界面活性剤、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アルキルスルホン酸塩類、スルホコハク酸エステル塩類などのアニオン性界面活性剤、アルキルベタイン類、アミノ酸類などの両性界面活性剤が挙げられる。
有機溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、プロピレングリコール、ジアセトンアルコールなどが挙げられる。有機溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
現像処理の条件は特に制限はなく、通常、現像温度は10〜50℃の範囲、中でも15〜45℃、特に好ましくは20〜40℃で、現像方法は、浸漬現像法、スプレー現像法、ブラシ現像法、超音波現像法などのいずれかの方法によることができる。
なお、本発明のカラーフィルタは、上記した製造方法の他に、(1)溶剤、着色剤としてのフタロシアニン系顔料、バインダ樹脂としてのポリイミド系樹脂を含む着色硬化性組成物を、基板に塗布し、エッチング法により画素画像を形成する方法によっても製造することができる。
また、(2)フタロシアニン系顔料を含む着色硬化性組成物を着色インキとして用い、印刷機によって、透明基板上に直接画素画像を形成する方法や、(3)フタロシアニン系顔料を含む着色硬化性組成物を電着液として用い、基板をこの電着液に浸漬させ所定パターンにされたITO電極上に、着色膜を析出させる方法などが挙げられる。
さらに、(4)フタロシアニン系顔料を含む着色硬化性組成物を塗布したフィルムを、透明基板に張り付けて剥離し、画像露光、現像し画素画像を形成する方法や、(5)フタロシアニン系顔料を含む硬化性組成物を着色インキ用い、インクジェットプリンターにより画素画像を形成する方法、などが挙げられる。
カラーフィルタの製造方法は、カラーフィルタ用着色硬化性組成物の組成に応じ、これに適した方法が採用される。
前記現像の後のカラーフィルタには、熱硬化処理を施す。この際の熱硬化処理条件は、温度は100〜280℃の範囲、好ましくは150〜250℃の範囲で選ばれ、時間は5〜60分間の範囲で選ばれる。これら一連の工程を経て、一色のパターニング画像形成は終了する。この工程を順次繰り返し、ブラック、赤色、緑色、青色をパターニングし、カラーフィルタを形成する。なお、4色のパターニングの順番は、上記した順番に限定されるものではない。
〔着色硬化性組成物およびカラーフィルタ〕
上記着色硬化性組成物は、低露光量で露光しても現像性に優れる。したがって、本発明の着色硬化性組成物を製造する際には、露光工程での負担を軽減することができるため、スループットを大きくすることができる。
また、本発明の着色硬化性組成物を用いて作製されたカラーフィルタは、高色純度で且つパターニング性に優れる。更に、上述の通り、本発明の着色硬化性組成物がスリット塗布での適性があるため、異物、塗布ムラ、塗布スジのないカラーフィルタを得ることができる。
〔液晶表示装置〕
本発明のカラーフィルタは、このままの状態で画素上にITOなどの透明電極を形成して、カラーディスプレー、液晶表示装置などの部品の一部として使用される。本発明のカラーフィルタを液晶表示装置に適用する場合には、基板の少なくとも一部に本発明のカラーフィルタを設け、2枚の基板に液晶層を挟持させ、更に偏光板とバックライトを備える。
更に、表面平滑性や耐久性を高めるため、必要に応じ、画素上に透明樹脂のオーバーコート層を設けることもできる。また一部、平面配向型駆動方式(IPSモード)などの用途においては、透明電極を形成しないこともある。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
[実施例1]
下記顔料分散液組成を配合して、顔料分散液を調製した。
−顔料分散液−
(顔料)
Pigment Green 36(SEM観察での平均粒子径19nm) 7部
Pigment Yellow150(SEM観察での平均粒子径22nm) 3部
(分散剤)
商品名:BYK−161(BYK社製、有効成分30質量%) 13.3部
(溶剤)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 32.7部
−透明レジスト液−
バインダ: 下記式(16)で表されるアクリル系樹脂 4部
エチレン性化合物: ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 4部
光重合開始剤: 表1に記載の光重合開始剤 0.6部
増感剤: 下記増感剤(i) 0.1部
連鎖移動剤: 表1に記載の連鎖移動剤 0.3部
フッ素系界面活性剤:住友3M社製 FC4430 0.023部
ノニオン系界面活性剤:花王社製 エマルゲンA−60 0.5部
溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 70部
エチル,3−エトキシプロピオネート 20部
Figure 2008224982
一般式(16)中、a:b:c:d=15:20:10(モル%)であり、Mwは12000である。
上記の顔料分散液と透明レジスト液とを混合し、撹拌した。その後、この混合液に粒子径0.5mmのジルコニアビーズ300gを加え、ペイントコンディショナーで5時間振とうして分散処理した後、濾過して、均一なカラーレジスト(着色硬化性組成物)を得た。
得られたカラーレジスト16を、図1に示すような突起付きシム10を図2に示すように組み込んだ550mm幅のスリットダイ12の吐出口より吐出させ、塗布速度100mm/s、塗布ギャップ100μm、ポストベーク処理後に膜厚が2.0μmとなるようにガラス基板14(コーニング社製 1737、0.7mm厚)に塗布した。なお、図1における寸法単位は、mmである。
このときシム10の突起部に起因した筋状の膜厚ムラ18の変動をポストベーク処理後にアルバック社製の触針式膜厚計DECTAC−3で測定した。結果を表2に示す。
また塗布基板の塗布開始部での筋状の微細なムラ発生をナトリウムランプで目視観察して評価した。結果を表2に示す。
次いで、塗布基板を減圧乾燥装置で0.5torrで60秒間処理した後、ホットプレートで、90℃、60秒間プリベークした。
次に高圧水銀灯を備えたHITACHI露光機LE5565(全波長)を用いて、線幅15μmのマスク(露光域が15μm)でプロキシミテイーギャップを300μmとして、100mJ/cmで露光した(照度:20mW/cm)。その後、水酸化カリウム系現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1.0%現像液(25℃)で現像し、パターンを形成した。
パターンの現れ始める現像秒数を、パターンの欠け始めるまでの秒数で除して現像ラチチュードとした。この値が小さいほど現像ラチチュードがあり、現像での工程適性が高いことになる。結果を表2に示す。
現像後純水でリンスし、230℃60minコンベクションオーブンでポストベーク処理した。得られたパターンの線幅を顕微鏡で測定した。線幅が広いほど高感度であることを示す。
得られた線幅をマスク寸法で除して感度とした。この評価において数値が大きいほど、高感度であることを示す。結果を表2に示す。
露光時にパターンマスクなしで露光する以外は上記条件と同様に処理し、ポストベーク処理後の緑色ベタ基板(着色層の膜厚は2.0μm)の色度および透過率を大塚電子(株)製のMCPD2000によって測定した。結果を表2に示す。
[実施例2〜3]
実施例1において使用した増感剤を、表1に示す下記増感剤に変更した以外は同様にして、パターンを形成し評価を行なった。結果を表2に示す。
Figure 2008224982
[実施例4]
実施例1において使用した光重合開始剤を、表1に示す光重合開始剤に変更した以外は同様にして、パターンを形成し評価を行なった。結果を表2に示す。
[比較例1〜3]
実施例1において使用した増感剤を、表1に示す下記増感剤に変更した以外は同様にして、パターンを形成し評価を行なった。結果を表2に示す。
Figure 2008224982
Figure 2008224982
Figure 2008224982

実施例においてカラーレジストの塗布に用いたシムを示す平面図である。 図1のシムを取り付けたスリットダイによる塗布状態を示す斜視図である。
符号の説明
10 シム
12 スリットダイ
14 ガラス基板
16 カラーレジスト
18 筋ムラ

Claims (9)

  1. 着色剤、重合性化合物、光重合開始剤、及び増感剤を含有し、
    前記増感剤が、下記一般式(1)から選択される少なくとも1種であることを特徴とするカラーフィルタ用着色硬化性組成物。
    Figure 2008224982

    〔一般式(1)中、R〜Rは、各々独立に、水素原子、アルキル基、アラルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、炭化水素環基、複素環基または−SO−R(Rは水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、4級アンモニウム基)を表わし、Rは、炭素数6〜15のアルキル基を表わし、X及びXは、各々独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、芳香族複素環基を表す。これらの基は、更に置換されていてもよい。
  2. 前記重合性化合物が、(メタ)アクリロイル基を1分子中に3個以上含む化合物であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ用着色硬化性組成物。
  3. 硬化性着色樹脂組成物の総固形量に対する着色剤の含有率が、30質量%以上70質量%以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカラーフィルタ用着色硬化性組成物。
  4. 前記着色剤として、下記A群から1種以上と下記B群から1種以上とを併用することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色硬化性組成物。
    A群:カラーインデックス ピグメントグリーン7,36
    B群:カラーインデックス ピグメントイエロー138,139,150,185
  5. 前記重合性化合物が、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色硬化性組成物。
  6. 更に、アルカリ可溶性樹脂を含有し、
    前記アルカリ可溶性樹脂が、モノマー成分として、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、クロトン酸から選択される1種以上と、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、スチレンから選択される1種以上とを有する共重合体の少なくとも1種を含み、
    硬化性着色樹脂組成物の総固形量に対する前記アルカリ可溶性樹脂の含有率が、5質量%以上30質量%以下であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色硬化性組成物。
  7. 更に、フッ素原子の含有量が5質量%以上20質量%以下である界面活性剤を含み、
    硬化性着色樹脂組成物の総固形量に対する前記界面活性剤の含有率が、0.01質量%以上1.00質量%以下であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項にカラーフィルタ用着色硬化性組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のカラーフィルタ用着色硬化性組成物を用いて作製されてなるカラーフィルタ。
  9. バックライトと、
    偏光板と、
    少なくとも2枚の基板と、
    前記基板に挟持された液晶層と、
    前記基板の少なくとも一部に設けられた請求項8に記載のカラーフィルタ層と、
    を有する液晶表示装置。
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