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JP2008220366A - 修飾型pna/rna複合体 - Google Patents

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JP2008220366A JP2008028986A JP2008028986A JP2008220366A JP 2008220366 A JP2008220366 A JP 2008220366A JP 2008028986 A JP2008028986 A JP 2008028986A JP 2008028986 A JP2008028986 A JP 2008028986A JP 2008220366 A JP2008220366 A JP 2008220366A
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Takanori Kubo
貴紀 久保
Hideki Oba
英樹 大庭
Mizuo Kitamatsu
瑞生 北松
Takashi Otsuki
高史 大槻
Masahiko Shishido
昌彦 宍戸
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Okayama University NUC
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Abstract

【課題】本発明の目的は、機能性分子の作用に基づく有用機能を備え、且つ標的遺伝子に対してRNA干渉効果を奏することができる複合体を提供することである。
【解決手段】修飾型ペプチド核酸と2本鎖RNAの複合体であって、前記2本鎖RNAが、標的遺伝子中の標的配列に相補的な塩基配列からなるセンス鎖RNA、及び該センス鎖に相補的な塩基配列を有するアンチセンス鎖RNAを有し、且つ前記標的遺伝子の発現を抑制できる2本鎖RNAであり、前記2本鎖RNAには、前記センス鎖RNA及びアンチセンス鎖RNAの少なくとも一方の末端に、直接又はリンカーを介して、1本鎖DNAが結合しており、前記修飾型ペプチド核酸は、機能性分子が直接又はリンカーを介して、ペプチド核酸に結合しているものであり、前記ペプチド核酸は、前記1本鎖DNAにハイブリダイズ可能な配列を有し、前記1本鎖DNAとハイブリダイズしている、ことを特徴とする、修飾型PNA/RNA複合体。
【選択図】なし

Description

本発明は、標的遺伝子の発現を抑制できる2本鎖RNAと、機能性分子が結合している修飾型ペプチド核酸との複合体であって、該機能性分子の作用に基づく有用な機能を有し、且つ2本鎖RNAの作用に基づくRNA干渉効果を奏することができる修飾型PNA/RNA複合体に関する。
近年、21塩基の短い2本鎖RNA (small interfering RNA:siRNA )を利用するRNA干渉(RNA interference:RNAi)法が注目されている。このRNAi法は、100塩基対程度の2本鎖RNAを細胞内へ導入させることにより、細胞質内でDicerの働きにより20〜25塩基対程度の2本鎖RNAへと分解され、その後複数のタンパク質とRNA/タンパク質複合体を形成し(この複合体をRICS:RNA-induced silencing complexと呼ぶ)、標的遺伝子から産出されたmRNAの相同部位と結合し強力に遺伝子発現を抑制するというものである。今日では、3’末端に2塩基のダングリングエンドをもつ21塩基長の化学的に合成した2本鎖RNAを利用する方法が主流となっている。また、27塩基対からなる2本鎖RNAが21塩基長からなるsiRNAに比べ100倍程度高いRNA干渉効果を示すことが明らかとなり、注目を浴びている。(非特許文献1参照)。
このような合成RNAを用いて行うRNA干渉法は、サンプル調整も比較的容易であり、取り扱い操作も簡便で、しかも非常に強力な効果を示すため、ライフサイエンス分野のみならずバイオビジネス分野においても大きな注目を浴びている。
しかしながら、この優れたRNA干渉法でも、細胞内での安定性、細胞導入性、細胞内局在化、遺伝子発現抑制効果、ターゲット特異性等の点では、更なる改善が望まれている。また、RNA干渉効果を奏する2本鎖RNAにおいて、機能性分子を単に連結させたのでは、所期のRNA干渉効果が減弱されることもある。
一方、近年、修飾型PNAが注目されており、特に合成上簡便な機能性ペプチドを結合させたPNAが細胞導入性に優れているという報告がされている(非特許文献2参照)。しかしながら、修飾型PNAの効果とRNA干渉効果を併せ持つ分子、及びその設計方法については報告されていない。
J. Rossi et. al. Nature Biotech., 23, 222-226 (2005) N. Bendifallah et. al. Bioconjugate Chem., 17, 750-758 (2006)
従来、ペプチドを初めとして様々な機能を有する分子が報告されており、このような機能性分子によって、RNA干渉に使用されるRNA分子を修飾することが有効であると考えられる。しかしながら、単に、機能性分子をリンカーを介してRNA分子に結合したのでは、機能性分子の機能が損なわれたり、RNA分子の機能が減弱化されることがあり、結果として、機能性分子及びRNA分子の双方の機能を有効に獲得することができないことがある。
そこで、本発明は、機能性分子の作用に基づく有用機能を備え、且つ標的遺伝子に対してRNA干渉効果を奏することができる複合体を提供することを主な目的とする。
本発明者等は、前記課題を解決するため鋭意研究を重ねたところ、修飾型ペプチド核酸と2本鎖RNAの複合体において、下記の(i)〜(iv)を充足させることにより、RNA干渉効果を有効に保持したまま、結合されている機能性分子の作用に基づく有用作用を発揮できることを見出した。
(i)前記2本鎖RNAが、標的遺伝子中の標的配列に相補的な塩基配列からなるセンス鎖RNA、及び該センス鎖に相補的な塩基配列を有するアンチセンス鎖RNAを有し、且つ前記標的遺伝子の発現を抑制できる2本鎖RNAである。
(ii)前記2本鎖RNAには、前記センス鎖RNA及びアンチセンス鎖RNAの少なくとも一方の末端に、直接又はリンカーを介して、1本鎖DNAが結合している。
(iii)前記修飾型ペプチド核酸は、機能性分子が直接又はリンカーを介して、ペプチド核酸に結合している。
(iv)前記ペプチド核酸は、前記1本鎖DNAにハイブリダイズ可能な配列を有し、前記1本鎖DNAとハイブリダイズしている。
本発明は、かかる知見に基づいて、更に改良を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる修飾型PNA/RNA複合体及びその製造方法を提供する。
項1. 修飾型ペプチド核酸と2本鎖RNAの複合体であって、
前記2本鎖RNAが、標的遺伝子中の標的配列に相補的な塩基配列からなるセンス鎖RNA、及び該センス鎖に相補的な塩基配列を有するアンチセンス鎖RNAを有し、且つ前記標的遺伝子の発現を抑制できる2本鎖RNAであり、
前記2本鎖RNAには、前記センス鎖RNA及びアンチセンス鎖RNAの少なくとも一方の末端に、直接又はリンカーを介して、1本鎖DNAが結合しており、
前記修飾型ペプチド核酸は、1又は2以上の機能性分子が直接又はリンカーを介して、ペプチド核酸に結合しているものであり、
前記ペプチド核酸は、前記1本鎖DNAにハイブリダイズ可能な配列を有し、前記1本鎖DNAとハイブリダイズしている、
ことを特徴とする、修飾型PNA/RNA複合体。
項2. 前記センス鎖RNAが19〜30個のリボヌクレオチドで構成され、且つ前記アンチセンス鎖RNAが前記センス鎖と同数のリボヌクレオチドで構成されている、項1に記載の修飾型PNA/RNA複合体。
項3. 前記センス鎖RNAが27個のリボヌクレオチドで構成され、且つ前記アンチセンス鎖RNAが、前記センス鎖RNAと完全相補的な27個のリボヌクレオチドで構成されている、項1又は2に記載の修飾型PNA/RNA複合体。
項4. 前記1本鎖DNAが、5〜20個のデオキシヌクレオチドで構成されている、項1乃至3のいずれかに記載の修飾型PNA/RNA複合体。
項5. 前記2本鎖RNAに対する前記1本鎖DNAの結合本数が1であり、且つ前記1本鎖DNAが前記センス鎖の5’末端に結合している、項1乃至4のいずれかに記載の修飾型PNA/RNA複合体。
項6. 前記修飾型ペプチド核酸が、5〜20個の塩基を含むものである、項1乃至5のいずれかに記載の修飾型PNA/RNA複合体。
項7. 前記機能性分子がペプチドである、項1乃至6のいずれかに記載の修飾型PNA/RNA複合体。
項8. 前記機能性分子が炭素数6〜50の脂肪酸である、項1乃至6のいずれかに記載の修飾型PNA/RNA複合体。
項9. 前記脂肪酸が、ラウリン酸、ステアリン酸、ミスチリン酸、又はパルミチン酸である、項8に記載の脂質修飾PNA/RNA複合体。
項10. 前記機能性分子が、炭素数6〜50飽和又は不飽和の炭化水素である、項1乃至6のいずれかに記載の修飾型PNA/RNA複合体。
項11. 前記修飾型ペプチド核酸が、炭素数6〜50の脂肪酸及びペプチドが直接又はリンカーを介してペプチド核酸に結合しているものである、項1乃至6のいずれかに記載の修飾型PNA/RNA複合体。
項12. 項1乃至11のいずれかに記載の修飾型PNA/RNA複合体の製造方法であって、
標的遺伝子中の標的配列に相補的な塩基配列からなるセンス鎖RNA、及び該センス鎖に相補的な塩基配列を有するアンチセンス鎖RNAを有し、且つ前記標的遺伝子の発現を抑制できる2本鎖RNAであり、前記センス鎖及びアンチセンス鎖の少なくとも一方の末端に、直接又はリンカーを介して1本鎖DNAが結合している、DNA結合2本鎖RNAと、
機能性分子が直接又はリンカーを介して、前記1本鎖DNAにハイブリダイズ可能な配列を有するペプチド核酸に結合している、修飾型ペプチド核酸とを、
1:1.5〜1:5のモル比で混合し、前記DNA結合2本鎖RNAのDNA領域と、前記修飾型ペプチド核酸のペプチド核酸領域をハイブリダイズさせることを特徴とする、
修飾型PNA/RNA複合体の製造方法。
本発明の修飾型PNA/RNA複合体は、2本鎖RNAに基づくRNA干渉効果と共に機能性分子に基づく有用効果を奏することができるので、RNA干渉効果を奏する従来の2本鎖RNA分子に比して、その実用的価値が高められている。それ故、本発明の修飾型PNA/RNA複合体は、例えば、ガンやエイズ等の疾病の治療に有効な遺伝子医薬として応用できる。
更に、本発明の修飾型PNA/RNA複合体は、優れたヌクレアーゼ耐性を示し、更には安全性が高いので、医薬として有用性が高い。
本発明の修飾型PNA/RNA複合体は、RNA干渉効果を担う部分として、標的遺伝子中の標的配列に相補的な塩基配列からなるセンス鎖RNA、及び該センス鎖に相補的な塩基配列を有するアンチセンス鎖RNAがハイブリダイズしており、前記標的遺伝子の発現を抑制できる2本鎖RNAを含む。
ここで、標的遺伝子とは、RNA干渉効果によって遺伝子発現の抑制対象となる遺伝子である。本発明の修飾型ペプチド核酸/RNA複合体において、標的対象遺伝子については、特に制限されず、該修飾型ペプチド核酸/RNA複合体の用途に基づいて適宜選択することができる。
標的遺伝子中の標的配列については、RNA干渉効果によって遺伝子発現を抑制可能な配列である限り特に制限されず、公知の方法で、具体的には、NCBIのBLASTサーチ等を用いて適宜決定することができる。例えば、標的遺伝子のコード領域(ORF)の開始コドンから50〜100塩基下流のエキソン部分にある塩基"AA"に続く19〜30塩基からなる領域であって、GC含有量が50%前後の領域を標的配列とすればよい。このような標的配列に対する相補鎖を採用することで、優れたRNA干渉効果を獲得することが、当業界で経験的に明らかにされている。また、例えば、上記標的配列は、IDT社(Integrated DNA Technologies, INC)のマニュアル(Dicer Substrate RNAi Design)に従って設定することが出来る。また最近では、(i)アンチセンス鎖RNAの5’末端がA/Uペアであり、(ii)センス鎖RNAの5’末端がG/Cペアであり、(iii)アンチセンス鎖RNAの5’末端側に5つ程度のA/Uペアがあり、且つ(vi)2本鎖中に9つ以上のG/Cペアが無い2本鎖RNAを設計することで高いRNA干渉効果をもつ2本鎖RNAをデザインできると報告されている(Ui-Tei et. al, Nucleic Acids Res., 32, 936-948 (2004))。
前記センス鎖RNAを構成するリボヌクレオチドの数としては、RNA干渉効果を発現可能である限り特に制限されないが、例えば、19〜30個、好ましくは21〜27個、更に好ましくは27個が挙げられる。
また、前記アンチセンス鎖RNAは、前記センス鎖RNAとハイブリダイズして二本鎖を形成可能なRNAである。即ち、当該アンチセンス鎖RNAは、前記センス鎖RNAに対して相補的なヌクレオチド配列を含むRNAである。当該アンチセンス鎖RNAは、必ずしも、前記センス鎖RNAの全長に対する相補的な配列を有していなくてもよいが、前記センス鎖RNA中の19塩基長以上の領域に対する相補的な配列を有していることが好ましい。
前記アンチセンス鎖を構成するリボヌクレオチドの数についても特に制限されるものではないが、例えば、19〜30個、好ましくは21〜27個、更に好ましくは27個が挙げられる。なお、前記センス鎖と前記アンチセンス鎖は、リボヌクレオチド数が相互に異なっていてもよいが、それぞれのリボヌクレオチド数が同数であることが好ましい。
また、前記センス鎖RNAと前記アンチセンス鎖は、ハイブリダイズした2本鎖の状態で、何れか一方又は双方の末端において、ダングリングエンド(オーバーハング)を有していても良い。例えば、前記センス鎖RNA及び前記アンチセンス鎖が共に21個のリボヌクレオチドから構成されている場合には、前記センス鎖RNAの5’末端及び前記アンチセンス鎖RNAの5’末端に2個のリボヌクレオチドからなるダングリングエンドが形成されていてもよい。即ち、このような2本鎖RNAの場合には、前記アンチセンス鎖RNAの3’末端側から1〜19個目のリボヌクレオチド配列は、前記センス鎖RNAの5’末端側から3〜21番目のリボヌクレオチドに相補的な配列である。
本発明の修飾型ペプチド核酸/RNA複合体において、好適な2本鎖RNAとしては、前記センス鎖RNAが27個のリボヌクレオチドで構成されており、且つ前記アンチセンス鎖RNAが前記センス鎖RNAと完全相補的な27個のリボヌクレオチドで構成されているものが挙げられる。
本発明の修飾型ペプチド核酸/RNA複合体において、前記2本鎖RNAには、前記センス鎖RNA及びアンチセンス鎖RNAの4つの末端の内のいずれか少なくとも1つに、1本鎖DNAが直接又はリンカーを介して結合している。即ち、前記センス鎖RNAの5’末端、前記センス鎖の3’末端、前記アンチセンス鎖の5’末端、及び前記アンチセンス鎖の3’末端の中の少なくとも1つの末端に、1本鎖DNAが結合している。当該1本鎖DNAの結合本数については、特に限定されないが、RNA干渉効果を効率的に奏させるという観点から、好ましくは1〜3、更に好ましくは1又は2、特に好ましくは1である。
本発明において、前記2本鎖RNAに対する前記1本鎖DNAの結合本数が1であり、且つ前記1本鎖DNAが前記センス鎖RNAの5’末端に結合しているものが好適である。このように、前記センス鎖RNAの5’末端に対してのみ前記1本鎖DNAが結合している場合には、2本鎖RNAに基づく、RNA干渉効果を顕著ならしめることができる。更に、前記センス鎖RNAの5’末端に対してのみ前記1本鎖DNAが結合しており、且つ前記2本鎖RNAの前記センス鎖と前記アンチセンス鎖の塩基数がそれぞれ27個の場合には、RNA干渉効果をより一層増強して発現させることが可能になる。
前記1本鎖DNAを構成するデオキシリボヌクレオチドの数としては、後述するPNAとのハイブリダイズが可能であることを限度として、特に限定されるものではないが、例えば、5〜20個、好ましくは6〜15個、更に好ましくは9〜12個が挙げられる。
また、前記1本鎖DNAは、後述するPNAとハイブリダイズするために使用されるものであり、その塩基配列については、特に制限されず、任意に設計した配列を採用することができる。好ましくは、配列中にピリミジン塩基を60%以上含まず、且つ連続した5個以上のピリミジン塩基を含まず、特にシトシン塩基を連続して3個以上含まない1本鎖DNAである。
前記1本鎖DNAは、前記2本鎖RNAのセンス鎖RNA及び/又はアンチセンス鎖RNAの末端リボヌクレオチドに直接結合していてもよいが、リンカーを介して結合していてもよい。好ましくは、前者、即ちリンカーを介することなく直接結合しているものである。
RNA鎖の5’末端に1本鎖DNAを直接結合させるには、具体的には、RNA鎖の5’末端のリボヌクレオチドの5’の炭素原子と、1本鎖DNAの3’末端の3’の炭素原子とエステル結合したリン酸残基とをエステル結合させればよい。また、RNA鎖の3’末端に、1本鎖DNAを直接結合させるにはRNA鎖の3’末端のリボヌクレオチドの3’の炭素原子とエステル結合したリン酸残基と、1本鎖DNAの5’末端の5’の炭素原子とをエステル結合させればよい。
また、前記1本鎖DNAと前記2本鎖RNAのセンス鎖RNA及び/又はアンチセンス鎖RNAとをリンカーを介して結合させる場合、当該リンカーとして、例えば、二官能性リンカーが挙げられる。
ここで、二官能性リンカーとしては、官能基を2つ含むリンカーであれば特に制限されないが、例えば、N-スクシニミジル=3-(2-ピリジルジチオ)プロピナート、N-4-マレイミド酪酸、S-(2-ピリジルジチオ)システアミン、ヨードアセトキシスクシンイミド、N-(4-マレイミドブチリルオキシ)スクシンイミド、N-[5-(3’-マレイミドプロピルアミド)−1−カルボキシペンチル]イミノジアセティクアシッド等を使用できる。
前記のものの他に、前記二官能性リンカーとして、下記の構造のものを使用することもできる。
Figure 2008220366
ここで、前記一般式(L-4)〜(L-21)において、n1は、1〜40の整数、好ましくは2〜20の整数、更に好ましくは2〜12の整数を示す。
また、前記一般式(L-22)〜(L-24)において、n2は、1〜20の整数、好ましくは1〜10の整数、更に好ましくは1〜6の整数を示す。
また、前記一般式(L-25)において、n3及びn4は、同一又は異なって、1〜20の整数、好ましくは1〜10の整数、更に好ましくは1〜6の整数を示す。
前記一般式(L-4)〜(L-25)に示すリンカーは、その右側又は左側のいずれに1本鎖DNAが結合していてもよい。好ましくは、左側に1本鎖DNAが結合しており、右側に前記2本鎖RNAのセンス鎖RNA及び/又はアンチセンス鎖RNAの末端が結合するように構成されているものである。
また、前記2本鎖RNAのセンス鎖RNA及び/又はアンチセンス鎖RNAの末端リボヌクレオチドにおけるリンカーの結合部位については、特に限定されるものではない。例えば、当該リンカーは、前記センス鎖RNA及び/又はアンチセンス鎖RNAの末端リボヌクレオチドのリン酸残基を構成する水素原子と置換されて結合していてもよく、また当該末端リボヌクレオチドの水酸基を構成する水素原子と置換されて結合していてもよい。
本発明の修飾型PNA/RNA複合体には、RNA干渉効果以外の所望の機能を担う部分として、機能性分子が直接又はリンカーを介して結合しているPNA(本明細書では、「修飾型PNA」と表記する)を含んでいる。
PNA(正式名:ペプチド核酸)とは、ペプチド骨格に核酸塩基をもつ分子であり、具体的には2−アミノエチルグリシンを骨格単位とし、これにメチレンカルボニル基を介して核酸塩基を結合させた構造をもった化合物である。本発明の修飾型PNA/RNA複合体において、使用される修飾型PNAの塩基配列としては、前記1本鎖DNAに対してハイブリダイズできるように設定されていればよく、例えば、前記1本鎖DNAの塩基配列に相補的な塩基配列に対して、相同性が50%以上、好ましくは80%以上、更に好ましくは100%(即ち、前記1本鎖DNAの塩基配列に相補的な塩基配列)であることが望ましい。
また、前記PNAを構成する塩基の数としては、前記1本鎖DNAとのハイブリダイズが可能である限り特に限定されるものではないが、例えば、5〜20個、好ましくは6〜15個、更に好ましくは9〜12個、特に好ましくは前記1本鎖DNAの塩基数と同数が挙げられる。
また、前記修飾型PNAに結合している機能性分子としては、本発明の修飾型PNA/RNA複合体に対して所望の機能性を付与できるものを適宜選択して使用される。このような機能性分子としては、具体的には、ペプチド、タンパク質、糖、アミノ酸、DNA、RNA、低分子有機・無機材料、コレステロール、デンドリマー、脂質、炭化水素、高分子材料等が例示される。
前記ペプチドとしては、例えば、2〜40個、好ましくは2〜30個、更に好ましくは6〜25個のアミノ酸から構成されるペプチドが挙げられる。具体的には、細胞膜透過ペプチド[アルギニンが2〜10個連結したペプチド(特に、オクタアルギニン(R8))、ペネトラチン等]、核局在化シグナルペプチド配列(HIV-1 Tat、SV40 T抗原等)、核外移行性シグナルペプチド(HIV-1 Rev、MAPKK等)、細胞膜融合ペプチド(gp41、バイアルフュージョンペプチド等)が挙げられる。中でも、本発明において、アルギニンが2〜10個連結したペプチド、特にR8は好適に使用される。アルギニンが2〜10個連結したペプチド(特にR8)は細胞内への導入を促進する作用があり、このようなペプチドが結合したペプチド核酸を使用すれば、遺伝子導入剤の使用量を低減させて或いは遺伝子導入剤を使用することなく、修飾型ペプチド核酸/RNA複合体を細胞内に効率的に導入できるという利点が得られる。
前記タンパク質としては、生体内に存在するタンパク質、薬理作用を有するタンパク質、分子認識作用を有するタンパク質等を使用でき、該タンパク質の一例として、エクスポーチン/インポーチン・タンパク質、フェブロネクチン、アビジン、抗体等を挙げることができる。
前記糖としては、例えば、グルコース、ガラクトース、グルコサミン、ガラクトサミン等の単糖、これらを任意に組み合わせたオリゴ糖又は多糖等が挙げられる。
前記低分子有機・無機材料としては、例えば、Cy3、Cy5等の蛍光物質;ビオチン;量子ドット;金微粒子等が挙げられる。
前記デンドリマーとしては、例えば、ポリアミドアミンデンドリマー等が挙げられる。
上記脂質としては、例えば、炭素数6〜50の脂肪酸、DOPE(1,2-Dioleoyl-sn-glycero-3-phosphoethanolamine)等が挙げられる。RNA干渉効果、ヌクレアーゼ耐性、及び細胞内への移行能を飛躍的に向上せしめるという観点から、好ましくは炭素数6〜50の脂肪酸、更に好ましくは、ラウリン酸、ステアリン酸、ミスチリン酸、パルミチン酸が挙げられる。
前記炭化水素としては、例えば、炭素数6〜50の飽和又は不飽和炭化水素、好ましくは炭素数6〜30の直鎖状飽和又は不飽和炭化水素、特に好ましくは炭素数12〜28の直鎖状飽和炭化水素が挙げられる。
前記高分子材料としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリエチレンイミン等が挙げられる。
前記機能性分子の中でも、好ましくはペプチド、脂質、及び炭化水素であり、更に好ましくは、ペプチド、炭素数6〜50の脂肪酸、及び炭素数6〜50の飽和又は不飽和炭化水素であり、特に好ましくはオクタアルギニン及びパルミチン酸である。
前記修飾型PNAにおいて、PNAに結合している機能性分子の数についても特に制限されず、機能性分子は、前記PNAに対して1つのみ結合していてもよいが、同種又は異種の2以上の機能性分子が前記PNAに対して結合していてもよい。好ましい修飾型PNAとして、前記PNAに対して、1又は2個の機能性分子が結合しているものが例示される。また、RNA干渉効果、ヌクレアーゼ耐性、及び細胞内への移行能を一層向上させて修飾型PNA/RNA複合体の機能性を高めるという観点から、2個の機能性分子が結合している修飾型PNAの好適な一例として、ペプチド及び脂質が結合しているPNA、好ましくはペプチド及び炭素数6〜50の脂肪酸が結合しているPNA、更に好ましくはオクタアルギニン及びパルミチン酸が結合しているPNAが挙げられる。このようにペプチド及び脂質をPNAに結合させた修飾型PNAの場合、PNAに対するペプチド及び脂質の結合部位については、特に制限されるものではないが、脂質がPNAのC末端(ペプチド骨格のカルボキシル基側)に結合し、且つペプチドがPNAのN末端(ペプチド骨格のアミノ基側)に結合しているものが好ましい。
前記修飾型PNAにおいて、前記機能性分子は、前記PNAに直接していてもよいが、リンカーを介して結合していることが望ましい。前記機能性分子と前記PNAとを連結するリンカーとしては、前述する二官能性リンカーを好適に使用できる。なお、前記一般式(L-4)〜(L-25)に示すリンカーを使用する場合、その右側又は左側のいずれに前記機能性分子が結合していてもよいが、合成の簡便性の観点から、好ましくは、左側に前記機能性分子が結合しており、右側に前記PNAが結合するように構成されているものである。
また、前記修飾型PNAにおいて、前記機能性分子又はそれを連結させるリンカーの結合部位については、特に限定されるものではないが、前記機能性分子又はそれを連結させるリンカーが、前記PNAのペプチド骨格のN末端側のアミノ基を構成する水素原子、或いはC末端側のカルボキシル基を構成する水酸基と置換されて結合していることが好ましい。
また、前記機能性分子が脂質である場合、脂質のカルボキシル基とPNAのアミド基をアミド結合により直接結合させてもよいが、合成の簡便性の観点から、リジンをリンカーとして介して脂質とPNAを結合させてもよい。例えば、リジンをリンカーとして介して脂肪酸をPNAのC末端に結合させるには、PNAのC末端のカルボキシル基とリジンのαアミノ基をアミド結合により結合させ、更にリジンのεアミノ基と脂肪酸のカルボキシル基をアミド結合により結合させればよい。また、リジンをリンカーとして介して脂肪酸をPNAのN末端に結合させるには、PNAのN末端のアミノ基とリジンのカルボキシル基をアミド結合により結合させ、更にリジンのεアミノ基と脂肪酸のカルボキシル基をアミド結合により結合させればよい。
また、前記機能性分子が炭化水素である場合、例えば、末端をブロモ(Br)化した炭化水素とリジンのεアミノ基をメンシュトキン反応で反応させることにより、炭化水素がリジンのεアミノ基に2つ結合した2本鎖脂質結合型リジン誘導体を得ることが出来る。この炭化水素結合型リジン誘導体は、上記と同様にPNAの末端に導入することが出来る。
本発明の修飾型PNA/RNA複合体は、前記2本鎖RNAに連結している1本鎖DNAに対して、前記修飾型PNAがハイブリダイズすることによって形成されてなる複合体である。本発明の修飾型PNA/RNA複合体は、前記2本鎖RNAに連結している1本鎖DNA領域において、2つの前記修飾型PNAがハイブリダイズしてPNA/DNA/PNAの三重らせん構造をとっていてもよいが、DNA/PNAの二重らせん構造をとっているものが好ましい。
本発明の修飾型PNA/RNA複合体は、公知の方法に従って調製することができる。具体的には、以下の(1)〜(3)の工程で製造する方法が例示される:(1)前記1本鎖DNAが直接又はリンカーを介して結合したDNA結合2本鎖RNAを公知の方法に従って調製する、(2)また、別途、機能性分子が直接又はリンカーを介して結合した修飾型PNAを公知の方法に従って調製する、(3)次いで、DNA結合2本鎖RNAに結合した1本鎖DNAと修飾型PNAとを公知の方法に従って相互にハイブリダイズさせる。
前記方法の(3)の工程において、前記DNA結合2本鎖RNAと、前記修飾型PNAとを1:1.5〜1:5、好ましくは1:1.5〜1:2のモル比で混合し、前記DNA結合2本鎖RNAのDNA領域と前記修飾型PNAのPNA領域をハイブリダイズさせることが好ましい。このようなモル比でDNAとPNAとをハイブリダイゼーション条件下に晒すことにより、両者を効率的にハイブリダイズさせることが可能になり、本発明の修飾型PNA/RNA複合体の製造効率を向上させることができる。
以下、本発明を更に詳しく説明するため実施例を挙げる。これらの実施例は、単なる例示であり、本発明を限定するものではない。
参考例1:修飾型PNAの合成
修飾型PNAはいずれも従来法であるFmocペプチド固相合成法により得られた。FmocのPNAモノマーはアプライドバイオシステムズジャパン社より購入した。Fmocのアミノ酸モノマーおよび合成に必要な溶媒と試薬類は渡辺化学工業より購入した。
具体的には、機能性分子としてペプチドを有する修飾型PNAは、以下の方法に従って合成した。修飾型PNA合成用脂としてFmoc-NH-SAL-PEG-resinを用いて、まず、20%ピペリジンを含むジメチルホルムアミド(DMF)溶液で室温にて7分間撹拌した後、DMFで洗浄した。次に,目的の修飾型PNAのシークエンスを作るのに対応するアミノ酸、HATU(O-(ベンゾトリアゾル-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩)、及びDIPEA(N,N-ジイソプロピルエチルアミン)をDMFに溶解させた後、樹脂に加えた。40℃にて60分間撹拌した後,DMFで洗浄した(この操作を以下「カップリング」と表記する)。続いて、5%無水酢酸及び6%ルチジンを含むDMF溶液で室温にて5分間撹拌した後、DMFで洗浄した(この操作を以下「キャッピング」と表記する)。更に、樹脂を20%ピペリジンを含むDMF溶液で室温にて7分間撹拌した後、DFMで洗浄した(この操作を以下「デプロテクション」と表記する)。樹脂表面上に目的のシークエンスの修飾型PNAになるまで、アミノ酸、PNAモノマー及びNH2-(CH2CH2O)2-CH2-COOHをそれぞれ用いて、カップリング、キャッピング、デプロテクションの操作を繰り返した。その後、目的の修飾型PNAが結合した樹脂に、TFA(トリフルオロ酢酸)/m-クレゾール(= 4/1 v/v)を加えて、室温にて90分間撹拌した。これにより樹脂から切り離された目的の修飾型PNAの粗精製物が得られた。この粗精製物を逆相HPLCにより分取精製し、最後に,目的の修飾型PNAはMALDI-TOF Massにより確認した。
また、機能性分子として、パルミチン酸(パルミトイル基)が結合している修飾型PNAは、以下の方法に従って合成した。先ず、リジンのεアミノ基とパルミチン酸のカルボキシル基を脱水縮合反応して、パルミトイル基を有するリジン(以下、Lys(C16)と表記する)を合成した。このLys(C16)を利用し、上記と同様の合成方法に従って、パルミチン酸が結合している修飾型PNA、並びにパルミチン酸及びペプチドが結合している修飾型PNAを合成した。
また、機能性分子として、2つの炭素数18の直鎖状飽和炭化水素(ステアリル基)が1つのPNAに結合している修飾型PNAは、以下の反応式に示す方法に従って合成した。具体的には、先ず、ステアリルブロミドとα-アミノ基がBoc基で保護されたリジンのε-アミノ基とをエタノール中で反応させステアリル基が2つリジンのε-アミノ基に結合したBoc-リジン修飾体を得た。その後、Boc基をTFAで除去し、Fmoc-OSu(ヒドロキシスクシンイミドエステル)を用いてα-アミノ基をFmoc化したステアリル修飾リジン(Fmoc-Lys(C18)2-OH)を得た。このFmoc-Lys(C18)2-OHを利用し、上記と同様の合成方法に従って、ステアリル誘導体が結合している修飾型PNA、並びにステアリル誘導体及びペプチドが結合している修飾型PNAを合成した。
Figure 2008220366
合成した修飾型ペプチド核酸の構造を以下に示す。
修飾型ペプチド核酸:
R8-PNA: H−RRR RRR RR−linker(O2)−TGG TGC GAA−Gly−NH2
K8-PNA: H−KKK KKK KK−linker(O2)−TGG TGC GAA−Gly−NH2
Pen-PNA: H−RQI KIW FQN RRM KWK K−linker(O2)−TGG TGC GAA−Gly−NH2
PNA-R8: H−TGGTGC GAA−linker(O2)−RRR RRR RR−NH2
PNA-C16: H−linker(O6)-TGGTGC GAA-linker(O6)-Lys(C16)-linker(O2)-NH2
R2PNA-C16: H−RR−linker(O6)−TGGTGC GAA−linker(O6)-Lys(C16)-linker(O2)-NH2
R4PNA-C16: H−RRRR−linker(O6)−TGG TGC GAA−linker(O6)-Lys(C16)-linker(O2)-NH2
R6PNA-C16: H-RRRRR−linker(O6)−TGG TGC GAA−linker(O6)-Lys(C16)-linker(O2)-NH2
C18-PNA-1:H-Lys(C18)2-linker(O6)-CTT-linker(O2)-NH2
C18-PNA-2:H-Lys(C18)2-linker(O6)-CTTCTT-linker(O2)-NH2
C18-PNA-3:H-Lys(C18)2-linker(O6)-CTTCTT CTT-linker(O2)-NH2
C18-PNA-4:H-Lys(C18)2-linker(O6)-RR-linker(O6)-CTTCTT CTT-linker(O2)-NH2
R, Q, I, K, W, F, N, およびMは一文字表記法によるアミノ酸ユニットを示す。Linker(O2)の化学構造は −NH-(CH2CH2O)2-CH2-CO−、Linker(O6)の化学構造は −NH-(CH2CH2O)6-CH2-CO−である。ATG及びCはPNAのモノマーユニットを示す。PNAの核酸塩基部分がAはアデニン、Tはチミン,Gはグアニン、Cはシトシンを示す。上記修飾型ペプチド核酸において、化合物内の左端のHおよび右端のNH2はそれぞれ化合物のN末端がフリーアミンであること、C末端がアミドであることを示している。
実施例1:センス鎖の5’末端に修飾型PNAを持つRNA複合体
1.修飾型PNA−2本鎖RNAの合成と複合体形成
27塩基長及び21塩基長のRNA鎖の5’末端に9塩基長のDNA鎖をもつ36塩基長及び30塩基長のDNA-RNAキメラオリゴヌクレオチドをそれぞれ合成し、これをセンス鎖とした。上記36塩基長からなるDNA−RNAキメラオリゴ中のRNA領域に対し相補的な配列をもつ27塩基長のアンチセンスRNAを合成し、2つをアニーリングさせることにより、9塩基長の1本鎖DNA領域をもつ2本鎖オリゴヌクレオチド(DNA結合2本鎖RNA)を形成させた。また、30塩基長からなるDNA−RNAキメラオリゴヌクレオチドについては、RNA領域の3’末端に2ntのダングリングエンド(オーバーハング)を持つようデザインされた21塩基長のアンチセンスRNAを合成し、2つをアニーリングさせることによりセンス鎖、アンチセンス鎖の3’末端に2ntのダングリングエンドを持ち、且つセンス鎖の5’末端に9塩基長のDNA領域を持つ2本鎖RNA(DNA結合2本鎖RNA)を合成した。ここで使用したオリゴヌクレオチドはRenilla luciferase遺伝子と相同配列をもつアンチセンスRNAを含むものであり、細胞中においてRNA干渉反応を行うようデザインした2本鎖オリゴヌクレオチドである。合成した1本鎖RNAは、UVスペクトル検出器を用い、260nmの吸光度を測定することにより濃度を算出した。また2本鎖のアニーリングは、universal buffer(林化成株式会社)中、同モルのセンス鎖およびアンチセンス鎖オリゴヌクレオチドを混合し、92℃で2分間加熱した後、4℃まで徐々に温度を下げることで作成した。
DNA−RNAキメラオリゴヌクレオチドの配列を以下に示す。
センス鎖:
9D-27R1: 5’- ttc gca cca - CUGGCCUUUCACUACUCCUACGAGCAC -3’
9D-27R2:5’- ttc gca cca -X- CUGGCCUUUCACUACUCCUACGAGCAC -3’
9D-21R1:5’- ttc gca cca -GGC CUU UCA CUA CUC CUA CGA-3’
アンチセンス鎖:
27R: 3’-GACCGGAAAGUGAUGAGGAUGCUCGUG-5’
21R:3’-GACCGGAAAGUGAUGAGGAUG−5’
上記センス鎖の配列において、小文字はデオキシリボヌクレオチドであることを示す。また、センス鎖9D-27R2においてXは下記構造のリンカーを示す。
Figure 2008220366
修飾型ペプチド核酸とDNA結合2本鎖RNAとの間で複合体を形成させる為に、9塩基長の1本鎖DNA領域と相同配列を持ち、N末端又はC末端にペプチドを持つPNA(修飾型PNA)を上記DNA結合2本鎖RNAに同モル量加え、アニーリングを行った。
27塩基長の2本鎖RNAと9塩基長の1本鎖DNAを持つDNA結合2本鎖RNAをDR27A、DNAとRNAとの間をジスルフィド結合で結合させたDNA結合2本鎖RNAをDR27B、DR27Aと修飾型PNAとの間の修飾型PNA/RNA複合体をDRP27A、DR27Bと修飾型PNAとの間の修飾型PNA/RNA複合体をDRP27Bとした。また、2ntのダングリングエンド領域を持ち21塩基のRNAと9塩基のDNAから構成されたDNA結合2本鎖RNAをDR21A、このDR21Aと修飾型PNAとの間の修飾型PNA/RNA複合体をDRP21Aとした。また、使用した修飾型ペプチド核酸は、1)8量体のArg(R8)がPNAのC末端側に結合したもの、2)8量体のLys(K8)がPNAのC末端側に結合したもの、3)ペネトラチン(Pen)がPNAのC末端側に結合したもの、4)8量体のArg(R8)がPNAのN末端側に結合したものの4種類である(参考例1参照)。この修飾型PNAとDR27Aのハイブリッドを形成した修飾型PNA/RNA複合体をそれぞれDRP27A-1(DR27A + R8-PNA)、DRP27A-2(DR27A + K8-PNA)、DRP27A-3(DR27A + Pen-PNA)、DR27A-4(DRP27A + PNA-R8);修飾型PNAとDR27のハイブリッドを形成した修飾型PNA/RNA複合体をそれぞれDRP27B-1(DR27B + R8-PNA)、DRP27B-2(DR27B + K8-PNA)、DRP27B-3(DR27B + Pen-PNA)、DRP27B-4(DR27B + PNA-R8);修飾型PNAとDR21Aとハイブリッドを形成した修飾型PNA/RNA複合体をそれぞれDRP21A-1(DR21A + R8-PNA)、DRP21A-2(DR21A + K8-PNA)、DRP21A-3(DR21A + Pen-PNA)、DRP21A-4(DR21A + PNA-R8)とした。図1に複合体の構造を示す。
合成した修飾型PNA/RNA複合体は20%ポリアクリルアミドゲルを用いて確認した。10μl(2μM)のハイブリッド溶液を20% ポリアクリルアミドゲルにアプライし、250Vで70分間サンプルを電気泳動した。その後、銀染色キット(GEヘルスケア バイオサイエンス)で産物を染色し(染色条件は製品マニュアル参照)、ChemiImager 4000(Alpha Innotech corporation)でゲル解析を行った。結果を図2に示す。図2において「A(1〜3)」はDRP27Aの各種RNA/PNA複合体、「B(1〜2)」はDRP27Bの各種RNA/PNA複合体、「C(1〜4)」はDRP21Aの各種RNA/PNA複合体について、複合体形成の結果を示している。
図2の結果より、DR27AやDR27BとPNAのC末端側にペプチドをもつ修飾型PNA/RNA複合体であるDRP27A(-1,-2, -3)やDRP27B(-1, -2, -3)は完全な2者複合体を形成していることが明らかとなった。またDRP27A-4は、該RNAと該PNAの比が1:1では完全な複合体を形成しておらず、該RNAと該PNAの比が1:1.5及び1:2の場合において完全な複合体を形成していることが示唆された。
一方、21塩基長のRNA分子を持つDR21Aと修飾型PNAとの複合体であるDRP21A(-1,-2,-3,-4)においても3者複合体と修飾型PNAが結合していないキメラ2本鎖オリゴヌクレオチドが観測されている。これらの結果より、アンチセンス鎖の5’末端にCPP-PNAを結合させる場合、DRP27AやDRP27Bなどの比較的立体障害が少ない構造のものが適していることが示された。
2.修飾型PNA/RNA複合体のDicerによるプロセシング
それぞれの修飾型PNA/RNA複合体のDicerによるプロセシングを検討した。Dicerによる切断実験は、20 mM Tris-HCl(pH 8.0), 15 mM NaCl, 2.5 mM Mg2Cl溶液中、0.5 UのリコンビナントDicer(Gene Therapy Systems社製)と最終濃度2 μMになるよう調整した3者複合体をサンプルチューブに10 μl準備し、37℃に設定したインキュベーター中、12時間インキュベートした。その後、Dicerによる切断反応を停止させる為に、2μlのDicer Stop Solution (Gene Therapy Systems社製)を反応溶液に加え、更に2μlのローデングダイを加えた。得られた産物を20%ポリアクリルアミドゲルを用い250Vで70分間サンプルを電気泳動した。その後、銀染色キット(GEヘルスケア バイオサイエンス社製)で産物を染色し(染色条件は製品マニュアル参照)、ChemiImager 4000(Alpha Innotech corporation製)でゲル解析を行った。また、コントロールとしてDicer処理していない21塩基長の2本鎖RNAからなるsiRNA (21 siRNA)を用いた。
図3に結果を示す。図3において「A(1〜3)」はDRP27Aの各種RNA/PNA複合体、「B(1〜2)」はDRP27Bの各種RNA/PNA複合体、「C(1〜3)」はDRP21Aの各種RNA/PNA複合体のリコンビナントDicerによるプロセシングの結果である。
その結果、RNA領域に27塩基長の2本鎖RNAを持ち、センス鎖の5’末端に1本鎖DNA領域を持つDR27Aは、リコンビナントDicer存在下において21塩基長のsiRNAと同様の位置にバンドが確認され、Dicerの切断によって2塩基のダングリングエンドを含む21塩基長のsiRNAが生成していることが強く示唆された。また、ほとんどのRNA/PNA複合体において、DR27Aと同様にリコンビナントDicerによりプロセシングを受け2塩基のダングリングエンドを含む21塩基長のsiRNAが生成していることが強く示唆された。また、DRP27A-4においては、修飾型PNAの当量数を変化させてもDicerによるプロセシングの効果に影響がないことが示唆された。また、DR27BやDRP27B(-1、-2、-3)においても、リコンビナントDicerによる21siRNAへのプロセシングが確認されている。この結果より、27塩基長のRNA領域を持つ2本鎖RNAの5’末端にDNAや修飾型ペプチド核酸を結合させても、Dicerによるプロセシングに影響しないことが明らかとなった。
一方、2塩基のダングリングエンドと21塩基長のRNA領域を持ち、1本鎖DNA領域を保有するDR21Aや修飾型PNAとの複合体であるDRP21A(-1,-2,-3,-4)は、リコンビナントDicerで処理しても21塩基長のsiRNAと同様の産物は得られず、バンドの位置は全く変化していなかった。この結果より、21塩基長のRNA領域を持つ2本鎖及び3本鎖複合体はリコンビナントDicerに認識されていないことが明らかとなった。
3.修飾型PNA/RNA複合体の分解酵素耐性
修飾型PNA/RNA複合体のヌクレアーゼ耐性を検討した。実験は、最終濃度が2 μMになるよう調整した修飾型PNA/RNA複合体又は2本鎖DNA−RNAキメラオリゴヌクレオチド(DNA結合2本鎖RNA)を10%FBS(三光純薬株式会社)を含むRPMI-1640培地(インビトロジェン社製)中(最終量110μl)、37℃でインキュベートし、0h、0.5h、1h、2h、4h、6h、8h、12h、24h、48h後にそれぞれ10μl取り、2μlのローデングダイを含むサンプルチューブに添加した。分解反応を停止させる為、サンプル採取後すぐ液体窒素中にて凍結し、−20℃にて保存した。得られた産物を20% ポリアクリルアミドゲルを用い250Vで70分間サンプルを電気泳動した。その後、銀染色キット(GEヘルスケア バイオサイエンス社製)で産物を染色し(染色条件は製品マニュアル参照)、ChemiImager 4000(Alpha Innotech corporation製)でゲル解析を行った。比較として、一般にsiRNA法で使用されている3’末端に2塩基のダングリングエンドを持つ21塩基長のsiRNAも同様の方法で分解酵素耐性を検討した。
図4のAに21siRNA、DR27A、DRP27A-1の分解酵素耐性結果を示す。この結果より、2塩基のダングリングエンドを含む21塩基長の2本鎖RNA(21 siRNA)は10% FBSを含む培地中において速やかに分解されているのが確認された。一方、27塩基長の2本鎖RNA領域と9塩基のDNA領域を持つDR27Aや修飾型ペプチド核酸を結合させたDRP27A-1は、21siRNA比べ飛躍的に高い分解酵素耐性が確認された。特に修飾型PNAを結合させたDRP27 A-1は、血清を含む培地中で非常に高い安定性を保有していることが確認された。
また、DRP27A-4についても同様に分解酵素耐性を解析した。DRP27A-4についてはPNA-CPPの当量数を2本鎖RNAに対し、1当量、1.5当量、2当量と変化させ、それぞれの複合体形成時の10%FBSを含む培地中での安定性を評価した。図4のBにPNA濃度を変化させたときの修飾型PNA−2本鎖RNA 複合体の分解酵素耐性を示す。その結果、DRP27A-4はDRP27A-1と同様に高い分解酵素耐性を有していることが明らかとなった。また、PNAの当量数を変化させても、修飾型PNA/RNA複合体の分解酵素耐性には大きな変化は観測されなかった。
4.修飾型PNA/RNA複合体のRNA干渉効果(参考試験)
それぞれの修飾型PNA/RNA複合体のRNA干渉効果をウミシイタケルシフェラーゼをターゲットとして評価した。実験前に1x105cell/mlに調整したHeLa細胞(ヒト子宮頸ガン細胞、東北大学加齢医学研究所)を96wellプレート上にそれぞれ100μl撒き、37℃で一晩インキュベートした。翌日、ウェル上の古い培地を取り除き、抗生物質を含ない新しい培地をウェルにそれぞれ80 μl加え、ホタルおよびウミシイタケルシフェラーゼを発現するベクター(psiCHECKTM-2 Vector: プロメガ社製)とLipofectamineTM 2000 (商品名、インビトロジェン社製)の複合溶液を10μlずつHeLa細胞が入ったそれぞれのウェルに加えた。ここで発現ベクターは1ウェルあたり0.02μgになるように、またLipofectamineTM 2000は1ウェルあたり0.2μlになるよう設定し、OptiMem(インビトロジェン社製)で必要量を調整した。また、複合体を形成させる為に、発現ベクターとLipofectamineTM 2000をOptiMemを用いて混合した後、室温で30分間インキュベートした。上記複合溶液を加えた後、細胞を5% CO2 存在下、37℃で4時間インキュベートした。その後、ウミシイタケルシフェラーゼの遺伝配列と相同的なアンチセンス配列を含むオリゴヌクレオチド複合体を最終濃度が0.2nM又は0.5nMになるようLipofectamineTM 2000 (インビトロジェン社製)と複合体を形成させ、10μlの複合体溶液を発現ベクターを導入したHeLa細胞に加えた。ここで、1ウェルあたりの最終量は100 μlとなる。オリゴヌクレオチドとLipofectamineTM 2000の複合溶液は、1ウェルあたり5 μlのオリゴヌクレオチド水溶液と5 μlのLipofectamineTM 2000 (0.2μl) OptiMem溶液を混合し、30分間室温でインキュベートすることにより作成した。オリゴヌクレオチドを導入した後、48時間インキュベートし、Dula-GloTMLuciferase Assay System(プロメガ社製)を用いてホタルおよびウミシイタケルシフェラーゼの発現量をルミノメータ(MicroLumat LB96p: BERTHOLD社製)で測定し、ホタルルシフェラーゼの発現量をコントロールとしてウミシイタケルシフェラーゼの発現量(%)を算出した。
図5にRNA干渉効果の結果を示す。図5において「A」にはDR27A、DRP27A-1、DRP27A-2、DRP27A-3、及びDRP27A-4の添加濃度0.5nM時のRNA干渉効果;「A-1」にはDR27A及びDRP27A-1の添加濃度0.2nM時のRNA干渉効果;「B-1」にはDR27B、DRP27B-1、DRP27B-2、及びDRP27B-3の添加濃度0.5nM時のRNA干渉効果;「B-2」にはDR27B及びDRP27B-1の添加濃度0.2nM時のRNA干渉効果;「C-1」にはDR21A、DRP21A-1、DRP21A-2、及びDRP21A-3の添加濃度0.5nM時のRNA干渉効果;並びに「C-2」にはDR21A及びDRP21A-1の添加濃度0.2nM時のRNA干渉効果を表している。また、それぞれ比較として21 siRNA及び27nt dsRNAのRNA干渉効果の結果も示している。その結果、DR27Aや修飾型PNAを結合させたDRP27A(-1,-2,-3,-4)において、若干ではあるが、21 siRNAや27nt dsRNAよりも高いRNA干渉効果を保有することが明らかとなった。また、この結果より修飾型PNAのような比較的大きな分子を結合させてもRNA干渉効果に負の影響を及ぼさないことが分かった。また、DNA領域とRNA領域の結合部位にジフルフィド結合を持つリンカーを導入したDR27BやDRP27B-1、DRP27B-2、DRP27B-3は、DR27Bにおいて21 siRNAや27nt dsRNAに比べRNA干渉効果の減少が確認されたが、CPP-PNAを複合体化させることによりRNA干渉効果の改善が観測された。
2塩基のダングリングエンドをもつDR21AやDRP21A-1、DRP21A-2、DRP21A-3においては、21 siRNAや27nt dsRNAに比べ著しいRNA干渉効果の低下が確認された。
これらの結果より、修飾型PNAの機能を十分に発揮させるためには、RNA領域が27塩基長のDNA-RNAキメラオリゴヌクレオチドを利用するのが適していると考えられる。また、DRP27A-1及びDRP27B-1の場合には、0.2nMと低濃度であっても、優れたRNA干渉効果が認められたことから、2本鎖RNAを構成するセンス鎖RNAの5’末端にのみDNAが結合している修飾型PNA/RNA複合体によれば、RNA干渉効果をより一層有効に発現できることも確認された。
また、21A(21siRNA)、27A(27nt dsRNA)、DR27A、DRP27A-1、DRP27A-4においては遺伝子導入剤(LipofectamineTM 2000)にて細胞に導入後、6時間後に培地を交換し、そのまま48時間インキュベートしたときのRNA干渉効果についても検討した(図5のD)。その結果、6時間後の洗浄を行った場合のRNA干渉効果の結果と、洗浄を行わずそのままインキュベートしたときのRNA干渉効果の結果は、相対的にほぼ同様であった。
5.修飾型PNA/RNA複合体のRNA干渉効果の持続性
次に、修飾型PNA/RNA複合体のRNA干渉効果の持続性を検討した。RNA干渉効果の持続性を評価するために、50nMに調整した修飾型PNA/RNA複合体又はDNA結合2本鎖RNAをそれぞれ7日間、HeLa細胞(ヒト子宮頸ガン細胞、東北大学加齢医学研究所)とインキュベートし、その後のRNA干渉効果を追跡した。遺伝子発現抑制実験で用いたターゲットはウミシイタケルシフェラーゼで、測定の48時間前にホタル及びウミシイタケルシフェラーゼの遺伝子をもつベクター(psiCHECKTM-2 Vector: プロメガ社製)をLipofectamineTM 2000(インビトロジェン社製)を用い細胞へ導入させた。遺伝子発現抑制解析は、Dula-GloTMLuciferase Assay System(プロメガ社製)を用いてホタルおよびウミシイタケルシフェラーゼの発現量をルミノメータで測定し、ホタルルシフェラーゼの発現量をコントロールとしウミシイタケルシフェラーゼの発現量(%)を算出した。ここで使用した発現ベクターや修飾型PNA/RNA複合体等の導入方法は前述と同様の方法でLipofectamineTM 2000と複合体を形成させ、それぞれ10 μlのサンプルを細胞に添加した。また、細胞溶液の最終容量は100 μlになるよう調整した。
得られた結果を図6に示す。その結果、27塩基長のRNA鎖を持つキメラオリゴヌクレオチド(DR27A,DRP27A,DR27B,DRP27B)は21塩基長のsiRNAに比べ高いRNA干渉効果と持続性を保有していることが明らかとなった。また、PNA-ペプチド分子を結合させた修飾型PNA/RNA複合体は、PNA-ペプチド分子が結合していないDR27A,DR27Bに比べ、より優れたRNA干渉効果と持続性を保有していることが確認された。
6.修飾型PNA/RNA複合体のHeLa細胞に対する細胞毒性
修飾型PNA/RNA複合体のHeLa細胞に対する細胞毒性を評価した。実験前に1x105cell/mlに調整したHeLa細胞(ヒト子宮頸ガン細胞、東北大学加齢医学研究所)を96wellプレート上にそれぞれ100μl撒き、37℃で一晩インキュベートした。翌日、ウェル上の古い培地を取り除き、抗生物質を含ない新しい培地をウェルにそれぞれ90 μl加えた。各種RNAの細胞毒性は、細胞内におけるRNAの毒性を評価する為に、LipofectamineTM 2000(インビトロジェン社製)で2本鎖RNAを積極的に細胞中へ導入させることにより評価した。PNA/RNA複合体の最終濃度が0nM, 0.2nM, 0.5nM, 1nM, 2nM, 5nM, 10nM, 20nM, 50nMになるようLipofectamineTM 2000 (インビトロジェン社製) と複合体を形成させ、10μlの複合体を上記の90 μlの培地を含むHeLa細胞へ加え、1ウェルあたりの最終量を100 μlとした。RNAとLipofectamineTM 2000の複合溶液は、1ウェルあたり5 μlのPNA/RNA複合体の水溶液と5 μlのLipofectamineTM 2000 (0.2μl) OptiMem溶液を混合し、30分間室温でインキュベートすることにより作成した。PNA/RNA複合体を導入したHeLa細胞は5% CO2 存在下、37℃で48時間インキュベートした。その後、CellTiter-Glo Luminescent Cell Viability Assay(プロメガ社製)中のCellTiter-Glo Reagent を各ウェルに50μl加え、約60min攪拌後、ルミノメータ(MicroLumat LB96p: BERTHOLD社製)で各ウェル中のLuminescence量を測定した。測定したLuminescence量は生細胞中のATPに依存するので、コントロール細胞のLuminescence量(RNAが0nM、LipofectamineTM 2000が0μlのとき。これを生存率100%とする。)と各種2本鎖を導入した細胞のLuminescence量の相対値を算出することにより、各ウェル中の生存率を算出した。(プロメガ社CellTiter-Glo Luminescent Cell Viability Assayマニュアル参照。)
今回使用したPNA/RNA複合体の最大濃度である50nMのときの細胞生存率の結果を図7に示す。その結果、全てPNA/RNA複合体において細胞毒性は十分に許容される範囲であった。
7.修飾型PNA/RNA複合体のHeLa細胞に対する細胞導入性の検討
実験前に1x105 cell/mlに調整したHeLa細胞(ヒト子宮頸ガン細胞、東北大学加齢医学研究所)を24ウェルプレートにそれぞれ1ml撒き10 % ウシ胎児血清 (FBS:三光純薬株式会社製)及び抗生物質(Kanamycin Sulfate : インビトロジェン社製)含む培地中(MEM: インビトロジェン社製)、5 % CO2存在下、37 ℃で培養した。
蛍光ラベル化オリゴヌクレオチド導入前に、抗生物質を含まない培地(450μl)へ交換した。蛍光ラベル化オリゴヌクレオチドは、2本鎖RNA、2本鎖DNA/RNAキメラオリゴヌクレオチド、修飾型PNA/RNA複合体のアンチセンスRNA鎖のそれぞれの5’末端をFAM(5’-Fluorescein Phosphoramidite使用:Glen Research社製)でラベル化したものを使用した。蛍光ラベル化オリゴヌクレオチドとLipofectamineTM 2000 (インビトロジェン社製) と複合体を形成させる為に、20 μM の蛍光ラベル化オリゴヌクレオチド水溶液12.5 μlとOptiMem溶液12.5 μlの混合溶液25 μlと、LipofectamineTM 2000 (インビトロジェン社製) 溶液2 μlとOptiMem溶液23 μl の混合溶液25 μlそれぞれ混ぜ合わせた50 μlの混合溶液を室温で30分間インキュベートした。また、LipofectamineTM 2000 (インビトロジェン社製)を使用しない場合(図7中の‐LF2000)は、上記複合体形成条件中の2 μl のLipofectamineTM 2000溶液をOptiMem溶液に代え、同様の操作でサンプルを調整した。調整した50 μlの蛍光ラベル化オリゴヌクレオチド複合体は、上記で準備した450 μlの細胞へ添加し(siRNAの終濃度:500 nM)、5 % CO2存在下、37 ℃で4時間インキュベートした。その後、細胞をPBS(-)又は培地で3回洗浄し、共焦点蛍光レーザー顕微鏡、及びフローサイトメトリーにて細胞導入を評価した。
共焦点蛍光レーザー顕微鏡は、Radiance 2000システム(Bio Rad社)を用い、アルゴンレーザーを用いて蛍光を観察した。フローサイトメトリーは、coulter EPICS XL cytometer(Beckman coulter)を用い、細胞10000カウントあたりの細胞導入性について測定した。フローサイトメトリー解析はXL EXPO32TMsoftware (Beckman coulter) を用いた。
結果を図8及び9に示す。図8中、「A」は27nt dsRNA、DR27A、DRP27A-1、DRP27A-2、DRP27A-3の細胞導入性を共焦点蛍光顕微鏡で観察した結果を示す。図8中、「B」はそのフローサイトメトリー解析の結果及び使用した蛍光ラベル化オリゴヌクレオチドの構造を示す。図9中、「C」はDRP27A-4においてPNA-CPPの2本鎖RNAに対する当量数を変化させたときの細胞導入性を共焦点蛍光顕微鏡で観察した結果、「D」はそのフローサイトメトリー解析の結果及び使用した蛍光ラベル化オリゴヌクレオチドの構造を示す。また、図8中、「A」、「B」における‐LF2000及び +LF2000はそれぞれ細胞導入剤としてのLipofectamineTM 2000 (インビトロジェン社製)の非存在下及び存在下を示している。図8「A」の結果より、LipofectamineTM 2000非存在下において27nt dsRNAfやDR27Afといったオリゴヌクレオチドのみで構成されている分子は細胞内への導入が確認されなかったが、修飾型PNAを結合させたDRP27A-1fやDRP27A-3fは細胞中の蛍光が確認され、PNAに結合したペプチドの効果により細胞導入性が向上したものと考えられる。なお、LipofectamineTM 2000存在下においては、27nt dsRNAf、 DR27Af、DRP27A(-1f,-2f,-3f)において同程度の細胞への導入が確認されている。また、図8「B」の結果においても、LipofectamineTM 2000非存在下において、27nt dsRNAfやDR27Afの細胞内蛍光シグナルに比べ、CPP-PNAを結合させたDRP27A-fの細胞内蛍光シグナルの方が大きいことが示され、修飾型PNAを用いることにより細胞導入性が向上していることが強く示唆された。
DRP27A-4はPNA-CPPの2本鎖RNA対する当量数を増加させるに従って細胞導入性が向上していることが確認された。また、遺伝子導入剤を用いなくても高い細胞導入性が確認され、PNAの濃度が増すにつれ単独でも優れた細胞導入が確認された。さらに、遺伝子導入剤(LipofectamineTM 2000)を用いた場合においても、DR27Aに比べ、PNA-CPPを結合させたDRP27A-4の方が非常に高い細胞導入性を有していることが共焦点蛍光顕微鏡及びフローサイトメトリーで確認することが出来た(図9)。
実施例2 センス鎖の3’末端に修飾型ペプチド核酸を持つRNA複合体
1.修飾型ペプチド核酸−2本鎖RNAの合成と複合体形成
25塩基長のRNA鎖(25R)の3’末端に9塩基長のDNA鎖を持つ34塩基長DNA-RNAキメラオリゴヌクレオチド(25R-9D)を合成し、これをセンス鎖とした。上記34塩基長からなるDNA−RNAキメラオリゴ中のRNA領域に対し相補的な配列を持ち、アンチセンス鎖の3’末端に2ntのダングリングエンドを持つよう設計した27塩基長のアンチセンスRNA(27R)を合成し、2つをアニーリングさせることにより、9塩基長の1本鎖DNA領域をセンス鎖の3’末端に持つ2本鎖オリゴヌクレオチド(DNA結合2本鎖RNA)を形成させた。ここで使用しオリゴヌクレオチドはRenilla luciferase遺伝子と相同配列をもつアンチセンスRNAを含むものであり、細胞中においてRNA干渉反応を行うようデザインした2本鎖オリゴヌクレオチドである。合成した1本鎖RNAは、UVスペクトル検出器を用い、260nmの吸光度を測定することにより濃度を算出した。また2本鎖のアニーリングは、universal buffer(林化成株式会社)中、同モルのセンス鎖およびアンチセンス鎖オリゴヌクレオチドを混合し、92℃で2分間加熱した後、4℃まで徐々に温度を下げることで作成した。
DNA−RNAキメラオリゴヌクレオチドの配列を以下に示す。
センス鎖:
25R: 5’-GGCCUUUCACUACUCCUACGAGCAC-3’
25R-9D: 5’- GGCCUUUCACUACUCCUACGAGCAC - ttc gca cca -3’
アンチセンス鎖:
27R: 3’-GACCGGAAAGUGAUGAGGAUGCUCGUG-5’
上記センス鎖の配列において、小文字はデオキシリボヌクレオチドであることを示す。
修飾型PNAと1上記DNA結合2本鎖RNAとの間で複合体を形成させる為に、9塩基長の1本鎖DNA領域と相同配列を持ち、N末端又はC末端にペプチドを持つPNA(修飾型PNA)を上記2本鎖オリゴヌクレオチドへ同モル量加え、アニーリングを行った。
25塩基長のセンス鎖RNAと27塩基長のアンチセンス鎖RNAとの2本鎖RNAを25/27 RNA;2本鎖RNAと9塩基長の1本鎖DNAを持つDNA結合2本鎖RNAをDR25/27A;DR25/27Aと修飾型PNAとの間の複合体をDRP25/27Aとした。また、使用した修飾型PNAは、1)8量体のArg(R8)がPNAのC末端側に結合したもの、2)8量体のLys(K8)がPNAのC末端側に結合したもの、3)ペネトラチン(Pen)がPNAのC末端側に結合したもの、4)8量体のArg(R8)がPNAのN末端側に結合したものの4種類である(参考例1参照)。この修飾型PNAとDR25/27Aとハイブリッドを形成した修飾型PNA/RNA複合体をそれぞれDRP25/27A-1(DR25/27A + R8-PNA)、DRP25/27A-2(DR25/27A + K8-PNA)、DRP25/27A-3(DR25/27A + Pen-PNA)、DR25/27A-4(DRP25/27A + PNA-R8)とした。図10に合成した複合体の構造を示す。合成した修飾型PNA/RNA複合体は20%ポリアクリルアミドゲルを用いて確認した。
2.修飾型PNA/RNA複合体のDicerによるプロセシング
それぞれの修飾型PNA/RNA複合体のDicerによるプロセシングを検討した。実験は上記実施例1と同様の操作を行った。
図11に結果を示す。その結果、センス鎖の3’末端に1本鎖DNA領域を持つDR25/27Aは、リコンビナントDicer存在下においてRNA複合体の1部が21塩基長のsiRNAと同様の位置にバンドが確認されたが、プロセシングされていないRNA複合体も多く確認された。また、修飾型PNAとの複合体であるDRP25/27A(-1,-2,-3,-4)においても、上記同様、RNA複合体の1部が21塩基長のsiRNAと同様の位置にバンドが確認された。
3.修飾型PNA/RNA複合体のRNA干渉効果(参考試験)
それぞれの修飾型PNA/RNA複合体のRNA干渉効果をウミシイタケルシフェラーゼをターゲットとして評価した。実験は上記実施例1と同様の方法で行った。
図12に0.5nMのときの結果を示す。その結果、PNAのみを結合させたDR25/27Aは、RNAのみで構成されている25/27 RNAに比べ、若干ではあるがRNA干渉効果の向上が観測された。一方、RNA干渉反応で一般に良く使用されている 21 siRNAと比べると殆どの修飾型PNA/RNA複合体においてRNA干渉効果の向上が観測された。
実施例3 脂質修飾型PNAをセンス鎖の5’末端側に持つRNA複合体
1.脂質修飾型PNA−2本鎖RNAの合成と複合体形成
機能性PNA分子としてパルミチン酸を導入した脂質結合型PNA(PNA-C16; 具体的製法は参考例1参照)を合成し、DNA結合2本鎖RNAとの間でハイブリダイゼーションを形成させた。また、脂質と同時にカチオン性のアミノ酸であるアルギニンが2残基(R2)、4残基(R4)又は6残基(R6)結合したペプチドを有する脂質・ペプチド結合型PNA(R2PNA-C16, R4PNA-C16, R6PNA-C16; 具体的製法は参考例1参照)も合成し、同様にDNA結合2本鎖RNAとの間でハイブリダイゼーションを形成させた。脂質修飾PNAと複合体と形成させるために使用したDNA結合2本鎖RNAは実施例1と同様である。また、脂質結合型PNA又は脂質・ペプチド結合型PNAとDNA結合2本鎖RNAとの複合体形成も実施例1と同様の方法で作成した。合成した脂質修飾型PNA/RNA複合体、及び脂質・ペプチド修飾型PNA/RNA複合体の構造を図13に示す。図13において、DRP27A-5(DR27A + PNA-C16)は27塩基長の2本鎖RNAと9塩基長のPNAのC末端側にパルミチン酸を結合させたものとの3者複合体である。DRP27A-6(DR27A + R2PNA-C16)、DRP27A-7(DR27A + R4PNA-C16)、DRP27A-8(DR27A + R6PNA-C16)は、DRP27A-5のPNA部位のN末端側にアルギニンをそれぞれ2,4,6残基結合させたものである。
脂質修飾PNA/RNA複合体は、1当量のDNA結合2本鎖RNAに対し、1当量、又は2当量の脂質結合型PNA又は脂質・ペプチド結合型PNAを加え複合体を形成させた。合成した脂質修飾PNA/RNA複合体、及び脂質・ペプチド修飾PNA/RNA複合体は、20%ポリアクリルアミドゲル電気泳動にて確認した(図14)。20%ポリアクリルアミドによる確認は実施例1と同様の方法で行った。その結果、PNAとDNA結合2本鎖RNAは複合体を形成しており、脂質やペプチドによって3者の複合体形成が妨げられていないということが明らかとなった。
2.脂質修飾型PNA/RNA複合体のDicerによるプロセシング
次に、合成した脂質修飾PNA/RNA複合体、及び脂質・ペプチド修飾PNA/RNA複合体のDicerによる21nt siRNAへのプロセシングを確認した。Dicerによる切断実験は反応は実施例1と同様の方法で行った。
結果を図15に示す。その結果、全ての脂質修飾PNA/RNA複合体、及び脂質・ペプチド修飾PNA/RNA複合体(DRP27A-5,-6,-7,-8)において、Dicerによるプロセシングが確認され、21塩基長の2本鎖RNAへプロセシングされていることが確認された。この結果より、PNAに脂質やペプチドが結合していても、細胞内Dicerよるプロセシングは妨げられないということが確認された。
3.脂質修飾型PNA/RNA複合体の分解酵素耐性
脂質修飾PNA/RNA複合体、及び脂質・ペプチド修飾PNA/RNA複合体の分解酵素耐性を検討した。分解酵素耐性実験は実施例1と同様の方法で行った。
結果を図16に示す。その結果、脂質修飾PNA/RNA複合体及び脂質・ペプチド修飾PNA/RNA複合体(DRP27A-5,-6,-7,-8)は10%血清中において72時間後でもほとんど分解されておらず、非常に高い分解酵素耐性を保有していることが明らかとなった。また、PNAの末端に結合した脂質部位(C16)が血清中のタンパク質と複合体を形成していることも推認され、このことから、血中滞留性が高く、RNA干渉反応に有利な現象を発現していることが示唆された。
4.脂質修飾型PNA/RNA複合体のRNA干渉効果
脂質修飾PNA/RNA複合体、及び脂質・ペプチド修飾PNA/RNA複合体のRNA干渉効果をウミシイタケルシフェラーゼをターゲットとして評価した。用いた細胞はHeLa細胞(ヒト子宮頚ガン細胞、東北大学加齢医学研究所)及びSH10-TC細胞(ヒト胃がん細胞、東北大学加齢医学研究所)である。HeLaを用いた実験では培地としてMEM培地(インビトロジェン)、抗生物質としてカナマイシン(インビトロジェン)を用いた。SH10-TCを用いた実験では培地としてRPMI-1640培地(インビトロジェン)、抗生物質としてペニシリン及びストレプトマイシン(インビトロジェン)を用いた。RNA干渉効果での実験操作は実施例1と同様の方法で行った。
結果を図17に示す。図17においてAはHeLa細胞に対する脂質修飾型PNA/RNA複合体のRNA干渉効果(0.5 nM)、BはSH10-TC細胞に対する脂質修飾型PNA/RNA複合体のRNA干渉効果(1 nM)である。その結果、脂質修飾PNA/RNA複合体、及び脂質・ペプチド修飾PNA/RNA複合体は、未修飾の27nt dsRNA(27A)に比べて、同等の或いは高い遺伝子発現抑制を示した。特に、HeLa細胞においてはDRP27A-5、DRP27A-6及びDRP27A-8で、SH10-TC細胞においてはDRP27A-5及びDRP27A-8で優れた遺伝子発現抑制能が観測された。また、これらは一般に広く使用されている21nt siRNAよりも優れたRNA干渉効果を示している。この結果から、脂質修飾PNA/RNA複合体、及び脂質・ペプチド修飾PNA/RNA複合体を利用することで、優れたRNA干渉効果を奏させることが可能になることが明らかとなった。
5.脂質修飾型PNA/RNA複合体の細胞導入性
脂質修飾PNA/RNA複合体、及び脂質・ペプチド修飾PNA/RNA複合体の細胞導入性をHeLa細胞及びSH10-TC細胞を用いて検討した。HeLa細胞を用いた実験では培地としてカナマイシン(インビトロジェン)を添加したMEM培地(インビトロジェン)を用いた。SH10-TC細胞を用いた実験では、培地としてペニシリン及びストレプトマイシン(インビトロジェン)を添加したRPMI-1640培地(インビトロジェン)を用いた。脂質修飾型PNA/RNA複合体の細胞導入実験は実施例1と同様の方法で行った。
結果を図18に示す。図18において、HeLa細胞に対する細胞導入性の結果をA及びBに、SH10-TC細胞に対する細胞導入性の結果をC及びDに示す。ここで、A及びCは共焦点蛍光顕微鏡解析、B及びDはフローサイトメトリー解析の結果を示す。また、遺伝子導入剤を用いたときを+LF2000、用いなかったときを-LF2000と記した。
その結果、遺伝子導入剤を用いたときは全ての複合体で高い細胞導入性が共焦点蛍光顕微鏡及びフローサイトメトリー確認された。また、Arg残基数が増すにつれ、PNA/RNA複合体の細胞導入性も向上していることが確認された。特にSH10-TC細胞ではその効果が顕著に現れた。また、細胞内に導入されたPNA/RNA複合体は、積極的に細胞質へ局在化していることが観察された。
遺伝子導入剤を用いなかった場合においては、カチオン性が無いDRP27A-5は殆ど細胞内に導入されていなかった。しかしながら、Arg残基数が増すにつれ、少量ながら細胞内へ導入が確認され、最もArg数が多いDRP27A-8は遺伝子導入剤を用いなくてもある程度の細胞導入性が共焦点蛍光顕微鏡及びフローサイトメトリーにおいて観察された。
これらの結果は、脂質をコンジュゲートし、且つペプチドを同時にコンジュゲートした脂質・ペプチド修飾PNA/RNA複合体が高い細胞導入性を有し、RNA干渉法の問題点を解決できる可能性があることを示唆している。
実施例1で合成した、センス鎖の5’末端に修飾型PNAを有する修飾型PNA/RNA複合体の構造を示す図である。 実施例1において、修飾型PNA/RNA複合体の形成の有無を確認した結果を示す図である。 実施例1において、修飾型PNA/RNA複合体のヌクレアーゼ耐性を評価した結果を示す図である。 実施例1において、修飾型PNA/RNA複合体のDicerによるプロセシングを検討した結果を示す図である。 実施例1において、修飾型PNA/RNA複合体のRNA干渉効果を評価した結果を示す図である。 実施例1において、修飾型PNA/RNA複合体のRNA干渉効果の持続性を評価した結果を示す図である。 実施例1において、修飾型PNA/RNA複合体の細胞毒性を評価した結果を示す図である。 実施例1において、修飾型PNA/RNA複合体のHeLa細胞に対する細胞導入性を評価した結果を示す図である。 実施例1において、修飾型PNA/RNA複合体のHeLa細胞に対する細胞導入性を評価した結果を示す図である。 実施例2で合成した、センス鎖の3’末端に修飾型PNAを有する修飾型PNA/RNA複合体の構造を示す図である。 実施例2において、修飾型PNA/RNA複合体のDicerによるプロセシングを検討した結果を示す図である。 実施例2において、修飾型PNA/RNA複合体のRNA干渉効果を評価した結果を示す図である。 実施例3において、センス鎖の5’末端に脂質修飾型PNAを有する脂質修飾型PNA/RNA複合体の構造を示す図である。 実施例3において、脂質修飾型PNA/RNA複合体の形成の有無を確認した結果を示す図である。 実施例3において、脂質修飾型PNA/RNA複合体のDicerによるプロセシングを検討した結果を示す図である。 実施例3において、脂質修飾型PNA/RNA複合体のヌクレアーゼ耐性を評価した結果を示す図である。 実施例3において、脂質修飾型PNA/RNA複合体のRNA干渉効果を評価した結果を示す図である。 実施例3において、脂質修飾型PNA/RNA複合体の細胞導入性を評価した結果を示す図である。

Claims (12)

  1. 修飾型ペプチド核酸と2本鎖RNAの複合体であって、
    前記2本鎖RNAが、標的遺伝子中の標的配列に相補的な塩基配列からなるセンス鎖RNA、及び該センス鎖に相補的な塩基配列を有するアンチセンス鎖RNAを有し、且つ前記標的遺伝子の発現を抑制できる2本鎖RNAであり、
    前記2本鎖RNAには、前記センス鎖RNA及びアンチセンス鎖RNAの少なくとも一方の末端に、直接又はリンカーを介して、1本鎖DNAが結合しており、
    前記修飾型ペプチド核酸は、1又は2以上の機能性分子が直接又はリンカーを介して、ペプチド核酸に結合しているものであり、
    前記ペプチド核酸は、前記1本鎖DNAにハイブリダイズ可能な配列を有し、前記1本鎖DNAとハイブリダイズしている、
    ことを特徴とする、修飾型PNA/RNA複合体。
  2. 前記センス鎖RNAが19〜30個のリボヌクレオチドで構成され、且つ前記アンチセンス鎖RNAが前記センス鎖と同数のリボヌクレオチドで構成されている、請求項1に記載の修飾型PNA/RNA複合体。
  3. 前記センス鎖RNAが27個のリボヌクレオチドで構成され、且つ前記アンチセンス鎖RNAが、前記センス鎖RNAと完全相補的な27個のリボヌクレオチドで構成されている、請求項1又は2に記載の修飾型PNA/RNA複合体。
  4. 前記1本鎖DNAが、5〜20個のデオキシヌクレオチドで構成されている、請求項1乃至3のいずれかに記載の修飾型PNA/RNA複合体。
  5. 前記2本鎖RNAに対する前記1本鎖DNAの結合本数が1であり、且つ前記1本鎖DNAが前記センス鎖の5’末端に結合している、請求項1乃至4のいずれかに記載の修飾型PNA/RNA複合体。
  6. 前記修飾型ペプチド核酸が、5〜20個の塩基を含むものである、請求項1乃至5のいずれかに記載の修飾型PNA/RNA複合体。
  7. 前記機能性分子がペプチドである、請求項1乃至6のいずれかに記載の修飾型PNA/RNA複合体。
  8. 前記機能性分子が炭素数6〜50の脂肪酸である、請求項1乃至6のいずれかに記載の修飾型PNA/RNA複合体。
  9. 前記脂肪酸が、ラウリン酸、ステアリン酸、ミスチリン酸、又はパルミチン酸である、請求項8に記載の脂質修飾PNA/RNA複合体。
  10. 前記機能性分子が、炭素数6〜50飽和又は不飽和の炭化水素である、請求項1乃至6のいずれかに記載の修飾型PNA/RNA複合体。
  11. 前記修飾型ペプチド核酸が、炭素数6〜50の脂肪酸及びペプチドが直接又はリンカーを介してペプチド核酸に結合しているものである、請求項1乃至6のいずれかに記載の修飾型PNA/RNA複合体。
  12. 請求項1乃至11のいずれかに記載の修飾型PNA/RNA複合体の製造方法であって、
    標的遺伝子中の標的配列に相補的な塩基配列からなるセンス鎖RNA、及び該センス鎖に相補的な塩基配列を有するアンチセンス鎖RNAを有し、且つ前記標的遺伝子の発現を抑制できる2本鎖RNAであり、前記センス鎖及びアンチセンス鎖の少なくとも一方の末端に、直接又はリンカーを介して1本鎖DNAが結合している、DNA結合2本鎖RNAと、
    機能性分子が直接又はリンカーを介して、前記1本鎖DNAにハイブリダイズ可能な配列を有するペプチド核酸に結合している、修飾型ペプチド核酸とを、
    1:1.5〜1:5のモル比で混合し、前記DNA結合2本鎖RNAのDNA領域と、前記修飾型ペプチド核酸のペプチド核酸領域をハイブリダイズさせることを特徴とする、
    修飾型PNA/RNA複合体の製造方法。
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