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JP2008210769A - 非水電解液電池 - Google Patents

非水電解液電池 Download PDF

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JP2008210769A
JP2008210769A JP2007172717A JP2007172717A JP2008210769A JP 2008210769 A JP2008210769 A JP 2008210769A JP 2007172717 A JP2007172717 A JP 2007172717A JP 2007172717 A JP2007172717 A JP 2007172717A JP 2008210769 A JP2008210769 A JP 2008210769A
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electrolyte
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Atsumichi Kawashima
敦道 川島
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Sony Corp
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Abstract

【課題】高温保存時におけるラミネート型電池の膨張を抑制することのできる電池を提供する。
【解決手段】ラミネートフィルムによって成形された外装容器と、前記外装容器内部に収容される正極と炭素材料からなる負極とをセパレータを介して積層させて成る電極体と電解液とを備えた非水電解液電池であって、前記電解液は水素−ケイ素結合を有するシラン誘導体の少なくとも1種を含むことを特徴とする非水電解液電池。
【選択図】図1

Description

本発明は、水素−ケイ素結合を有するシラン誘導体を含む電解液を用いた非水電解液二次電池に関する。
近年、カメラ一体型VTR、デジタルスチルカメラ、携帯電話、携帯情報端末、ノート型コンピュータ等のポータブル電子機器が多く登場し、その小型軽量化が図られている。そしてこれらの電子機器のポータブル電源として、電池、特に二次電池について、エネルギー密度を向上させるための研究開発が活発に進められている。
二次電池の中でも、負極活物質に炭素、正極活物質にリチウム−遷移金属複合酸化物、電解液に炭酸エステル混合物等の非水溶媒を使用するリチウムイオン二次電池は、従来の水系電解液二次電池である鉛電池、ニッケルカドミウム電池と比較して大きなエネルギー密度が得られるため、広く実用化されている(特許文献1〜3)。特に外装にアルミニウムラミネートフィルムを使用するラミネート型電池は軽量なためエネルギー密度が大きい。ラミネート型電池においては、電解液をポリマーに膨潤させるとラミネート型電池の変形を抑制する事ができるため、ラミネートポリマー電池も広く使用されている。
特開平8−78053号公報 特開2006−137741号公報 特開2001−319685号公報
しかしラミネート型電池は外装が軟らかいため、高温環境下でふくれやすい問題があった。本発明は、かかる問題点を鑑みてなされたものであり、ラミネート型電池の高温保存時における膨張を抑制することのできる電池を提供することを目的とする。
本発明の非水電解液電池は、ラミネートフィルムによって成形された外装容器と、該外装容器内部に収容される正極と炭素材料からなる負極とをセパレータを介して積層させて成る電極体と電解液とを備えた非水電解液電池であって、該電解液は水素−ケイ素結合を有するシラン誘導体の少なくとも1種を含むものである。
本発明の電池によれば、電解液に水素−ケイ素結合を有するシラン誘導体を含有させ、炭素材料からなる負極を用いることにより、正極に良好な被膜を形成することができ、ラミネート型電池の高温保存時の膨張を抑制するとともに、優れた充放電効率を保持することができる。
特に、電解液における前記シラン誘導体の含有量を0.1質量%以上0.7質量%以下とし、または炭素−炭素多重結合を有する炭酸エステルとして炭酸ビニレンおよび電解液により膨潤する高分子化合物としてポリフッ化ビニリデンの少なくとも一方を電解液に含有させれば、より高い効果を得ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明するが、本発明は以下の形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施の形態に係るラミネート型電池の構成を模式的に表したものである。この二次電池は、いわゆるラミネートフィルム型といわれるものであり、正極リード21および負極リード22が取り付けられた巻回電極体20をフィルム状の外装部材30の内部に収容したものである。
正極リード21および負極リード22は、それぞれ、外装部材30の内部から外部に向かい例えば同一方向に導出されている。正極リード21および負極リード22は、例えば、アルミニウム、銅、ニッケルおよびステンレスなどの金属材料によりそれぞれ構成されており、それぞれ薄板状または網目状とされている。
外装部材30は、例えば、ナイロンフィルム、アルミニウム箔およびポリエチレンフィルムをこの順に貼り合わせた矩形状のアルミラミネートフィルムにより構成されている。外装部材30は、例えば、ポリエチレンフィルム側と巻回電極体20とが対向するように配設されており、各外縁部が融着または接着剤により互いに密着されている。外装部材30と正極リード21および負極リード22との間には、外気の侵入を防止するための密着フィルム31が挿入されている。密着フィルム31は、正極リード21および負極リード22に対して密着性を有する材料、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレンおよび変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂により構成されている。
なお、外装部材30は、上述したアルミラミネートフィルムに代えて、他の構造を有するラミネートフィルムおよびポリプロピレンなどの高分子フィルム、並びに金属フィルムにより構成するようにしてもよい。
図2は、図1に示した巻回電極体20のI−I線に沿った断面構造を表すものである。巻回電極体20は、正極23と負極24とをセパレータ25および電解質層26を介して積層し、巻回したものであり、最外周部は保護テープ27により保護されている。
(正極)
正極23は、正極集電体23Aの両面に正極活物質層23Bが設けられた構造を有している。負極24は、負極集電体24Aの両面に負極活物質層24Bが設けられた構造を有しており、負極活物質層24Bと正極活物質層23Bとが対向するように配置されている。
正極集電体23Aは、例えば、アルミニウム、ニッケルおよびステンレスなどの金属材料により構成されている。正極活物質層24Bは、例えば、正極活物質として、リチウムを吸蔵および放出可能な正極材料のいずれか1種または複数種を含んでおり、必要に応じて炭素材料などの導電剤およびポリフッ化ビニリデンなどの結着剤を含んでいてもよい。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、例えば、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、およびこれらの固溶体(Li(NiCoyMnz)O2))(x、yおよびzの値は0<x<1、0<y<1、0≦z<1、x+y+z=1である。)、マンガンスピネル(LiMn24)およびその固溶体(Li(Mn2-vNiv)O4)(vの値はv<2である。)などのリチウム複合酸化物、並びにリン酸鉄リチウム(LiFePO4)などのオリビン構造を有するリン酸化合物が好ましい。高いエネルギー密度を得ることができるからである。また、リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、例えば、酸化チタン、酸化バナジウムおよび二酸化マンガンなどの酸化物、二硫化鉄、二硫化チタンおよび硫化モリブデンなどの二硫化物、硫黄、並びにポリアニリンおよびポリチオフェンなどの導電性高分子も挙げられる。
(負極)
負極24は、例えば、対向する一対の面を有する負極集電体24Aの両面に負極活物質層24Bが設けられた構造を有している。負極集電体24Aは、例えば、銅、ニッケルおよびステンレスなどの金属材料により構成されている。
負極活物質層24Bは、負極活物質として、リチウムを吸蔵および放出することが可能な炭素材料のいずれか1種または複数種を含んでいる。炭素材料を含むことにより負極を安定化させ、正極における被覆を促進することができる。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な炭素材料としては、例えば、難黒鉛化性炭素、易黒鉛化性炭素、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体、炭素繊維および活性炭などの炭素材料が挙げられる。このうち、コークス類には、ピッチコークス、ニードルコークスおよび石油コークスなどがある。有機高分子化合物焼成体とは、フェノール樹脂やフラン樹脂等の高分子材料を適当な温度で焼成して炭素化したものをいい、一部には難黒鉛化性炭素または易黒鉛化性炭素に分類されるものもある。また、高分子材料としてはポリアセチレンおよびポリピロールなどがある。これら炭素材料は、充放電時に生じる結晶構造の変化が非常に少なく、高い充放電容量を得ることができると共に、良好なサイクル特性を得ることができるので好ましい。特に黒鉛は、電気化学当量が大きく、高いエネルギー密度を得ることができ好ましい。また、難黒鉛化性炭素は、優れた特性が得られるので好ましい。さらにまた、充放電電位が低いもの、具体的には充放電電位がリチウム金属に近いものが、電池の高エネルギー密度化を容易に実現することができるので好ましい。
(セパレータ)
セパレータ25は、正極23と負極24とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。このセパレータ25は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレンおよびポリエチレンなどよりなる合成樹脂製の多孔質膜、またはセラミック製の多硬質膜により構成されており、これらの複数種の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。セパレータ25には、例えば液状の電解質である電解液が含浸されている。
(電解液)
電解液は、例えば、溶媒と、溶媒に溶解された電解質塩とを含んでいる。また、電解液は、下式(1)〜式(6)で表される水素−ケイ素結合を有するシラン誘導体を少なくとも1種含んでいる。このようなシラン誘導体を電解液に含むことにより、正極23により良好な被膜を形成することができ、酸化に対してより安定となり高温保存時における膨張を抑制することができるからである。水素−ケイ素結合を有するシラン誘導体の電解液における含有量は、0.1質量%以上0.7質量%以下の範囲内とすることが好ましい。この範囲内とすることで、より高い効果が得られるからである。水素−ケイ素結合を有するシラン誘導体は1種を単独で用いてもよく、複数種を混合して用いてもよい。
Figure 2008210769
前記式(1)〜(3)中、R〜RはC2m+1(1≦m≦18)を示す。また、前記式(4)〜(6)中、R〜R15はC2m+1(0≦m≦4)を示す。R1〜R15は同一のものがあってもよいし、全てが異なっていてもよい。このようなシラン誘導体として、例えば、下式(7)に示すフェニルシラン、下式(8)に示すブチルシラン、下式(9)に示すヘキシルシラン、下式(10)に示すオクタデシルシラン、下式(11)に示すジフェニルシラン、下式(12)に示すジエチルシラン、下式(13)に示すトリフェニルシラン、および下式(14)に示すトリエチルシランなどが挙げられる。
Figure 2008210769
(電解質層)
電解質層26には、前記電解液が含まれる。本発明の電池は、電解液により膨潤して電解液を保持する保持体となる高分子化合物を含むことにより、ゲル状としてもよい。電解液により膨潤する高分子化合物を含むことにより高いイオン伝導率を得ることができ、優れた充放電効率が得られると共に、電池の漏液を防止することができるからである。電解液に高分子化合物を添加して用いる場合、電解液における高分子化合物の含有量は、0.5質量%以上2.0質量%以下の範囲内とすることが好ましい。また、セパレータの両面に高分子化合物を塗布して用いる場合は、高分子化合物と電解液との質量比は1:10〜1:50の範囲内とすることが好ましい。この範囲内とすることにより、より高い充放電効率が得られるからである。
前記高分子化合物としては、例えば、下式(15)に示すポリビニルホルマール、ポリエチレンオキサイドおよびポリエチレンオキサイドを含む架橋体などのエーテル系高分子化合物、下式(16)に示すポリメタクリレートなどのエステル系高分子化合物、アクリレート系高分子化合物、下式(17)に示すポリフッ化ビニリデンおよびフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体などのフッ化ビニリデンの重合体が挙げられる。高分子化合物は1種を単独で用いてもよく、複数種を混合して用いてもよい。特に、高温保存時の膨潤防止効果の観点からは、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素系高分子化合物を用いることが望ましい。
Figure 2008210769
前記式(15)〜(17)中、s、t、uはそれぞれ100〜10000の整数であり、RはC2x−1(xは1〜8、yは0〜4)で示される。
(溶媒)
溶媒は、比誘電率が30以上の高誘電率溶媒を含んでいる。これによりリチウムイオンの数を増加させることができるからである。電解液における高誘電率溶媒の含有量は、15質量%以上50質量%以下の範囲内とすることが好ましい。この範囲内とすることにより、より高い充放電効率が得られるからである。
前記高誘電率溶媒としては、例えば、炭酸ビニレン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレンおよびビニル炭酸エチレンなどの炭素−炭素多重結合を有する炭酸エステル、γ−ブチロラクトンおよびγ−バレロラクトンなどのラクトン、N−メチル−2−ピロリドンなどのラクタム、N−メチル−2−オキサゾリジノンなどの環式カルバミン酸エステル、並びにテトラメチレンスルホンなどのスルホン化合物が挙げられ、特に炭素−炭素多重結合を有する炭酸エステルが好ましく、炭酸ビニレンがより好ましい。電解液における炭素−炭素多重結合を有する炭酸エステルの含有量は、0.1質量%以上2.0質量%以下の範囲内とすることが好ましい。高誘電率溶媒は、1種を単独で用いてもよく、複数種を混合して用いてもよい。
高誘電率溶媒は、ハロゲン原子を有する環式炭酸エステル誘導体を含んでいてもよい。このような環式炭酸エステル誘導体としては、例えば、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンなどのフッ素化炭酸エチレン、4−メチル−5−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンおよび4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンなどの二フッ化炭酸エチレン、4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン2−オンおよびトリフルオロメチレン炭酸エチレンなどの三フッ化炭酸エチレン、並びに4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オンなどの塩素化炭酸エチレンが挙げられる。環式炭酸エステル誘導体には1種を単独で用いてもよく、複数種を混合して用いてもよい。
前記高誘電率溶媒は、粘度が1mPa・s以下の低粘度溶媒を混合して用いることが好ましい。これにより高いイオン伝導性を得ることができるからである。高誘電率溶媒と低粘度溶媒との比率(質量比)は、2:8〜5:5の範囲内とすることが好ましい。この範囲内とすることでより高い効果が得られるからである。
前記低粘度溶媒としては、例えば、炭酸ジメチル、炭酸ジエチルおよび炭酸エチルメチルなどの鎖状炭酸エステル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、イソ酪酸メチル、トリメチル酢酸メチルおよびトリメチル酢酸エチルなどの鎖状カルボン酸エステル、N,N−ジメチルアセトアミドなどの鎖状アミド、N,N−ジエチルカルバミン酸メチルおよびN,N−ジエチルカルバミン酸エチルなどの鎖状カルバミン酸エステル、並びに1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピランおよび1,3−ジオキソランなどのエーテルが挙げられる。低粘度溶媒は1種を単独で用いてもよく、複数種を混合して用いてもよい。
(電解質塩)
電解質塩としては、例えば、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)、六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF6)、六フッ化アンチモン酸リチウム(LiSbF6)、過塩素酸リチウム(LiClO4)および四塩化アルミニウム酸リチウム(LiAlCl4)などの無機リチウム塩、並びにトリフルオロメタンスルホン酸リチウム(CF3SO3Li)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホン)イミド[(CF3SO22NLi]、リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホン)イミド[(C25SO22NLi]およびリチウムトリス(トリフルオロメタンスルホン)メチド[(CF3SO23CLi]などのパーフルオロアルカンスルホン酸誘導体のリチウム塩が挙げられる。電解質塩は1種を単独で用いてもよく、複数種を混合して用いてもよい。
この二次電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、正極23および負極24のそれぞれに、電解液と、高分子化合物と、混合溶剤とを含む前駆溶液を塗布し、混合溶剤を揮発させて電解質層26を形成する。次いで、正極集電体23Aに正極リード21を取り付けると共に、負極集電体24Aに負極リード22を取り付ける。続いて、電解質層26が形成された正極23と負極24とをセパレータ25を介して積層し積層体としたのち、この積層体をその長手方向に巻回して、最外周部に保護テープ27を接着して巻回電極体20を形成する。そののち、例えば、外装部材30の間に巻回電極体20を挟み込み、外装部材30の外縁部同士を熱融着などにより密着させて封入する。その際、正極リード21および負極リード22と外装部材30との間には密着フィルム31を挿入する。これにより、図1、2に示した二次電池が完成する。
また、この二次電池は、次のようにして作製してもよい。まず、上述したようにして正極23および負極24を作製し、正極23および負極24に正極リード21および負極リード22を取り付けたのち、正極23と負極24とをセパレータ25を介して積層して巻回し、最外周部に保護テープ27を接着して、巻回電極体20の前駆体である巻回体を形成する。次いで、この巻回体を外装部材30に挟み、一辺を除く外周縁部を熱融着して袋状とし、外装部材30の内部に収納する。続いて、電解液と、高分子化合物の原料であるモノマーと、必要に応じて重合開始剤、および重合禁止剤などの他の材料とを含む電解質用組成物を用意し、外装部材30の内部に注入したのち、外装部材30の開口部を熱融着して密封する。そののち、必要に応じて熱を加えてモノマーを重合させて高分子化合物とすることによりゲル状の電解質層26を形成し、図1、2に示した二次電池を組み立てる。
この二次電池では、充電を行うと、例えば、正極23からリチウムイオンが放出され、電解液を介して負極24に吸蔵される。一方、放電を行うと、例えば、負極24からリチウムイオンが放出され、電解液を介して正極24に吸蔵される。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、電解質として電解液を用いる場合について説明し、更に、電解液を高分子化合物に保持させたゲル状電解質を用いる場合についても説明したが、他の電解質を用いるようにしてもよい。他の電解質としては、例えば、イオン伝導性セラミックス、イオン伝導性ガラスおよびイオン性結晶などのイオン伝導性無機化合物と電解液とを混合したもの、または他の無機化合物と電解液とを混合したもの、またはこれらの無機化合物とゲル状電解質とを混合したものが挙げられる。
また、上記実施の形態では、電極反応物質としてリチウムを用いる電池について説明したが、ナトリウム(Na)およびカリウム(K)などの他のアルカリ金属、マグネシウムおよびカルシウム(Ca)などのアルカリ土類金属、並びにアルミニウムなどの他の軽金属を用いる場合についても、本発明を適用することができる。
更に、上記実施の形態では、負極の容量が、リチウムの吸蔵および放出による容量成分により表されるいわゆるリチウムイオン二次電池、または、負極活物質にリチウム金属を用い、負極の容量が、リチウムの析出および溶解による容量成分により表されるいわゆるリチウム金属二次電池について説明したが、本発明は、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料の充電容量を正極の充電容量よりも小さくすることにより、負極の容量がリチウムの吸蔵および放出による容量成分と、リチウムの析出および溶解による容量成分とを含み、かつその和により表されるようにした二次電池についても同様に適用することができる。
更にまた、上記実施の形態では、ラミネート型の二次電池を具体的に挙げて説明したが、本発明は、二次電池に限らず、一次電池などの他の電池についても同様に適用することができる。
<実施例1−1〜1−12、比較例1−1〜1−3>
(実施例1−1)
まず、正極を次のように作製した。正極活物質としてリチウム・コバルト複合酸化物(LiCoO)を94重量部と、導電剤としてグラファイトを3重量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)を3重量部とを均質に混合してN−メチルピロリドンを添加し正極合剤塗液を得た。次に、得られた正極合剤塗液を、厚み20μmのアルミニウム箔上の両面に均一に塗布、乾燥して片面当たり40mg/cmの正極合剤層を形成した。これを幅50mm、長さ300mmの形状に切断して正極を作製した。
次に、負極を次のようにして作製した。負極活物質として黒鉛97重量部、結着剤としてPVdFを3重量部とを均質に混合してN−メチルピロリドンを添加し負極合剤塗液を得た。次に、得られた負極合剤塗液を、負極集電体となる厚み15μmの銅箔上の両面に均一に塗布、乾燥して片面当たり20mg/cmの負極合剤層を形成した。これを幅50mm、長さ300mmの形状に切断して負極を作製した。
電解液は炭酸エチレン/炭酸プロピレン/炭酸エチルメチル/炭酸ジエチル/六フッ化リン酸リチウム/フェニルシラン=17/17/26/26.5/13/0.5の割合(質量比)で混合して作製した。
この正極と負極を、厚さ9μmの微多孔性ポリエチレンフィルムからなるセパレータを介して積層して巻き取り、アルミニウムラミネートフィルムからなる袋に入れる。この袋に電解液を2g注液後、袋を熱融着してラミネート型電池を作製する。この電池の容量は700mAhであった。
上記のようにして作製した電池を23℃環境下700mAで4.2Vを上限として3時間充電した後、90℃で4時間保存した時の電池厚みの変化を調べた。ここで、膨張率は、保存前の電池厚みを分母とし、保存時に増加した厚みを分子として算出した値である。また23℃環境下700mAで4.2Vを上限として3時間充電した後、700mAで3Vを下限として定電流放電する事を300サイクル繰り返した時の放電容量維持率を測定した。
(実施例1−2〜1−4)
電解液に1.0質量%の炭酸ビニレンを混合し、フェニルシランの濃度を表1に示す濃度とした以外は、実施例1−1と同様にラミネート型電池を作製し、電池の物性を評価した。
(実施例1−5〜1−11)
電解液に1.0質量%の炭酸ビニレンを混合し、水素−ケイ素(Si−H)結合を有するシラン誘導体の組成を表1に示す組成とした以外は、実施例1−1と同様にラミネート型電池を作製し、電池の物性を評価した。
(実施例1−12)
電解液に1.0質量%の炭酸ビニレンを混合し、フェニルシランの濃度を表1に示す濃度とした以外は、実施例1−1と同様にラミネート型電池を作製し、電池の物性を評価した。
(比較例1−1)
電解液に、フェニルシランを混合せず、その分炭酸ジエチルを増量した以外は、実施例1−1と同様にラミネート型電池を作製し、電池の物性を評価した。
(比較例1−2)
電解液にフェニルシランを混合せず、1.0質量%の炭酸ビニレンを混合した以外は、実施例1−1と同様にラミネート型電池を作製し、電池の物性を評価した。
(比較例1−3)
電解液に1.0質量%の炭酸ビニレンを混合し、フェニルシランの代わりに水素−ケイ素(Si−H)結合を有しないテトラエチルシランを使用した以外は、実施例1−1と同様にラミネート型電池を作製し、電池の物性を評価した。
実施例1−1〜1−12、比較例1−1〜1−3で作製したラミネート型電池の物性を評価した結果を表1に示す。
Figure 2008210769
表1に示したように、水素−ケイ素(Si−H)結合を有するシラン誘導体(フェニルシラン)を混合した電解液を使用した実施例1−1では、フェニルシランを含まない電解液を使用した比較例1−1と比較して、90℃で4時間保存した時の電池厚みの変化が減少した。一方、水素−ケイ素(Si−H)結合を有するシラン誘導体の代わりに、水素−ケイ素(Si−H)結合を有さないシラン誘導体(テトラエチルシラン)を炭酸ビニレンとともに混合した電解液を使用した比較例1−3では、比較例1−2と比較して、90℃で4時間保存した時の電池厚みの変化は減少しなかった。これらのことから、電解液に水素−ケイ素(Si−H)結合を有するシラン誘導体を混合することにより、高温保存時の電池膨張を抑制できることが分かった。
また、フェニルシランに加えて、炭酸ビニレンを電解液に混合した実施例1−2では、電解液に炭酸ビニレンを含まない実施例1−1と比較して高い放電容量維持率を示した。さらに、炭酸ビニレンとともに水素−ケイ素(Si−H)結合を有するシラン誘導体(フェニルシラン、ブチルシラン、ヘキシルシラン、オクタデシルシラン、ジフェニルシラン、ジエチルシラン、トリフェニルシラン、またはトリエチルシラン)を混合した電解液を使用した実施例1−2〜1−11では、炭酸ビニレンを含み、当該シラン誘導体を含まない電解液を使用した比較例1−2と比較して、90℃で4時間保存した時の電池厚みの変化が減少し、高い放電容量維持率が保持されていた。
これらのことから、水素−ケイ素(Si−H)結合を有するシラン誘導体とともに炭酸ビニレンを電解液に混合することにより、高温保存時の電池膨張を抑制しつつ、優れた充放電効率を保持できることが分かった。
フェニルシランの電解液における濃度を0.1質量%とした実施例1−3、0.7質量%とした実施例1−4では、0.5質量%とした実施例1−2と同様に、電解液にフェニルシランを含まず炭酸ビニレンを含む比較例1−2と比較して、90℃で4時間保存した時の電池厚みの変化が減少した。一方、フェニルシランの電解液における濃度を1.0質量%とした実施例1−12では、90℃で4時間保存した時の電池厚みの変化は減少したが、300サイクル後の放電容量維持率が著しく低下した。これらのことから、電解液における水素−ケイ素(Si−H)結合を有するシラン誘導体の濃度が0.1から0.7質量%の範囲内であれば良好な結果が得られることが分かった。
<実施例2−1〜2−12、比較例2−1〜2−3>
(実施例2−1)
電解液に1.0質量%のポリビニルホルマールを膨潤させ、その分炭酸ジエチルを減量した以外は実施例1−1と同様にラミネート型電池を作製し、電池の物性を評価した。
(実施例2−2〜2−4)
電解液に1.0質量%の炭酸ビニレンを混合し、フェニルシランの濃度を表2に示す濃度とした以外は、実施例2−1と同様にラミネート型電池を作製し、電池の物性を評価した。
(実施例2−5〜2−11)
電解液に1.0質量%の炭酸ビニレンを混合し、水素−ケイ素(Si−H)結合を有するシラン誘導体の組成を表2に示す組成とした以外は、実施例2−1と同様にラミネート型電池を作製し、電池の物性を評価した。
(実施例2−12)
電解液に1.0質量%の炭酸ビニレンを混合し、フェニルシランの濃度を表2に示す濃度とした以外は、実施例2−1と同様にラミネート型電池を作製し、電池の物性を評価した。
(比較例2−1)
電解液に、フェニルシランを混合せず、その分炭酸ジエチルを増量した以外は、実施例2−1と同様にラミネート型電池を作製し、電池の物性を評価した。
(比較例2−2)
電解液にフェニルシランを混合せず、1.0質量%の炭酸ビニレンを混合した以外は、実施例2−1と同様にラミネート型電池を作製し、電池の物性を評価した。
(比較例2−3)
電解液に1.0質量%の炭酸ビニレンを混合し、フェニルシランの代わりに水素−ケイ素(Si−H)結合を有しないテトラエチルシランを使用した以外は、実施例2−1と同様にラミネート型電池を作製し、電池の物性を評価した。
実施例2−1〜2−12、比較例2−1〜2−3で作製したラミネート型電池の物性を評価した結果を表2に示す。
Figure 2008210769
表2に示したように、水素−ケイ素(Si−H)結合を有するシラン誘導体(フェニルシラン)と電解液により膨潤する高分子化合物(ポリビニルホルマール)を混合した電解液を使用した実施例2−1は、フェニルシランを電解液に含まない比較例2−1と比較して90℃で4時間保存した時の電池厚みの変化が減少した。なお、実施例2−1は、ポリビニルホルマールを電解液に含まない実施例1−1と比べて、高温保存時の電池膨張を抑制する効果が若干減少したが影響は小さかった。
また、水素−ケイ素(Si−H)結合を有するシラン誘導体(フェニルシラン、ブチルシラン、ヘキシルシラン、オクタデシルシラン、ジフェニルシラン、ジエチルシラン、トリフェニルシラン、またはトリエチルシラン)、炭酸ビニレン、およびポリビニルホルマールを混合した電解液を使用した実施例2−2〜2−11では、水素−ケイ素(Si−H)結合を有するシラン誘導体を含まない電解液を使用した比較例2−2と比較して、90℃で4時間保存した時の電池厚みの変化が減少し、高い放電容量維持率が保持されていた。
一方、水素−ケイ素(Si−H)結合を有するシラン誘導体の代わりに、水素−ケイ素(Si−H)結合を有さないシラン誘導体(テトラエチルシラン)を炭酸ビニレンとともに混合した電解液を使用した比較例2−3では、炭酸ビニレンおよびポリビニルホルマールを混合した電解液を使用した比較例2−2と比較して、90℃で4時間保存した時の電池厚みの変化が増大し、放電容量維持率が低下した。
これらのことから水素−ケイ素(Si−H)結合を有するシラン誘導体とともに、炭酸ビニレンおよび電解液により膨潤する高分子化合物を電解液に混合することにより、高温保存時の電池膨張を抑制しつつ、優れた充放電効率を保持できることが分かった。
また、フェニルシランの電解液における濃度を0.1質量%とした実施例2−3、0.7質量%とした実施例2−4では、0.5質量%とした実施例2−2と同様に、電解液にフェニルシランを含まず炭酸ビニレンを含む比較例2−2と比較して、90℃で4時間保存した時の電池厚みの変化が減少した。一方、フェニルシランの電解液における濃度を1.0質量%とした実施例2−12では、90℃で4時間保存した時の電池厚みの変化は減少したが、300サイクル後の放電容量維持率が著しく低下した。これらのことから、電解液により膨潤する高分子化合物を電解液に添加する場合にも、電解液における水素−ケイ素(Si−H)結合を有するシラン誘導体の濃度が0.1から0.7質量%の範囲内であれば良好な結果が得られることが分かった。
<実施例3−1〜3−12、比較例3−1〜3−3>
(実施例3−1)
電解液に1.0質量%のポリアクリル酸エステルを膨潤させ、その分炭酸ジエチルを減量した以外は実施例1−1と同様にラミネート型電池を作製し、電池の物性を評価した。
(実施例3−2〜3−4)
電解液に1.0質量%の炭酸ビニレンを混合し、フェニルシランの濃度を表3に示す濃度とした以外は、実施例3−1と同様にラミネート型電池を作製し、電池の物性を評価した。
(実施例3−5〜3−11)
電解液に1.0質量%の炭酸ビニレンを混合し、水素−ケイ素(Si−H)結合を有するシラン誘導体の組成を表3に示す組成とした以外は、実施例3−1と同様にラミネート型電池を作製し、電池の物性を評価した。
(実施例3−12)
電解液に1.0質量%の炭酸ビニレンを混合し、フェニルシランの濃度を表3に示す濃度とした以外は、実施例3−1と同様にラミネート型電池を作製し、電池の物性を評価した。
(比較例3−1)
電解液に、フェニルシランを混合せず、その分炭酸ジエチルを増量した以外は、実施例3−1と同様にラミネート型電池を作製し、電池の物性を評価した。
(比較例3−2)
電解液にフェニルシランを混合せず、1.0質量%の炭酸ビニレンを混合した以外は、実施例3−1と同様にラミネート型電池を作製し、電池の物性を評価した。
(比較例3−3)
電解液に1.0質量%の炭酸ビニレンを混合し、フェニルシランの代わりに水素−ケイ素(Si−H)結合を有しないテトラエチルシランを使用した以外は、実施例3−1と同様にラミネート型電池を作製し、電池の物性を評価した。
実施例3−1〜3−12、比較例3−1〜3−3で作製したラミネート型電池の物性を評価した結果を表3に示す。
Figure 2008210769
表3に示したように、水素−ケイ素(Si−H)結合を有するシラン誘導体(フェニルシラン)と電解液により膨潤する高分子化合物(ポリアクリル酸エステル)を混合した電解液を使用した実施例3−1は、フェニルシランを電解液に含まない比較例3−1と比較して90℃で4時間保存した時の電池厚みの変化が減少した。なお、実施例3−1は、ポリビニルホルマールを電解液に含まない実施例1−1と比べて、高温保存時の電池膨張を抑制する効果が若干減少したが影響は小さかった。
また、水素−ケイ素(Si−H)結合を有するシラン誘導体(フェニルシラン、ブチルシラン、ヘキシルシラン、オクタデシルシラン、ジフェニルシラン、ジエチルシラン、トリフェニルシラン、またはトリエチルシラン)、炭酸ビニレン、およびポリビニルホルマールを混合した電解液を使用した実施例3−2〜3−11では、水素−ケイ素(Si−H)結合を有するシラン誘導体を含まない電解液を使用した比較例3−2と比較して、90℃で4時間保存した時の電池厚みの変化が減少し、高い放電容量維持率が保持されていた。
一方、水素−ケイ素(Si−H)結合を有するシラン誘導体の代わりに、水素−ケイ素(Si−H)結合を有さないシラン誘導体(テトラエチルシラン)を炭酸ビニレンとともに混合した電解液を使用した比較例3−3では、炭酸ビニレンおよびポリビニルホルマールを混合した電解液を使用した比較例3−2と比較して、90℃で4時間保存した時の電池厚みの変化が増大し、放電容量維持率が低下した。
これらのことから水素−ケイ素(Si−H)結合を有するシラン誘導体とともに、炭酸ビニレンおよび電解液により膨潤する高分子化合物を電解液に混合することにより、高温保存時の電池膨張を抑制しつつ、優れた充放電効率を保持できることが分かった。
また、フェニルシランの電解液における濃度を0.1質量%とした実施例3−3、0.7質量%とした実施例3−4では、0.5質量%とした実施例3−2と同様に、電解液にフェニルシランを含まず炭酸ビニレンを含む比較例3−2と比較して、90℃で4時間保存した時の電池厚みの変化が減少した。一方、フェニルシランの電解液における濃度を1.0質量%とした実施例3−12では、90℃で4時間保存した時の電池厚みの変化は減少したが、300サイクル後の放電容量維持率が著しく低下した。これらのことから、上述したように、電解液により膨潤する高分子化合物を電解液に添加する場合にも、電解液における水素−ケイ素(Si−H)結合を有するシラン誘導体の濃度が0.1から0.7質量%の範囲内であれば良好な結果が得られることが分かった。
<実施例4−1〜4−12、比較例4−1〜4−3>
(実施例4−1)
セパレータの厚さを7μmとし、その両面にポリフッ化ビニリデンを2μmずつ塗布したセパレータを使用した以外は実施例1−1と同様にラミネート型電池を作製し、電池の物性を評価した。
(実施例4−2〜4−4)
電解液に1.0質量%の炭酸ビニレンを混合し、フェニルシランの濃度を表4に示す濃度とした以外は、実施例4−1と同様にラミネート型電池を作製し、電池の物性を評価した。
(実施例4−5〜4−11)
電解液に1.0質量%の炭酸ビニレンを混合し、水素−ケイ素(Si−H)結合を有するシラン誘導体の組成を表4に示す組成とした以外は、実施例4−1と同様にラミネート型電池を作製し、電池の物性を評価した。
(実施例4−12)
電解液に1.0質量%の炭酸ビニレンを混合し、フェニルシランの濃度を表4に示す濃度とした以外は、実施例4−1と同様にラミネート型電池を作製し、電池の物性を評価した。
(比較例4−1)
電解液に、フェニルシランを混合せず、その分炭酸ジエチルを増量した以外は、実施例4−1と同様にラミネート型電池を作製し、電池の物性を評価した。
(比較例4−2)
電解液にフェニルシランを混合せず、1.0質量%の炭酸ビニレンを混合した以外は、実施例4−1と同様にラミネート型電池を作製し、電池の物性を評価した。
(比較例4−3)
電解液に1.0質量%の炭酸ビニレンを混合し、フェニルシランの代わりに水素−ケイ素(Si−H)結合を有しないテトラエチルシランを使用した以外は、実施例4−1と同様にラミネート型電池を作製し、電池の物性を評価した。
実施例4−1〜4−12、比較例4−1〜4−3で作製したラミネート型電池の物性を評価した結果を表4に示す。
Figure 2008210769
表4に示したように、水素−ケイ素(Si−H)結合を有するシラン誘導体(フェニルシラン)と電解液により膨潤する高分子化合物(ポリフッ化ビニリデン)を混合した電解液を使用した実施例4−1は、ポリフッ化ビニリデンを電解液に含まない実施例1−1と比較して、90℃で4時間保存した時の電池厚みの変化が減少した。このことから、水素−ケイ素(Si−H)結合を有するシラン誘導体とともに、ポリフッ化ビニリデンを含む電解液を使用することにより、高温保存時の電池膨張を抑制する効果が向上することが分かった。
また、水素−ケイ素(Si−H)結合を有するシラン誘導体(フェニルシラン、ブチルシラン、ヘキシルシラン、オクタデシルシラン、ジフェニルシラン、ジエチルシラン、トリフェニルシラン、またはトリエチルシラン)、炭酸ビニレン、およびポリフッ化ビニリデンを混合した電解液を使用した実施例4−2〜4−11では、水素−ケイ素(Si−H)結合を有するシラン誘導体を含まない電解液を使用した比較例4−2と比較して、90℃で4時間保存した時の電池厚みの変化が減少し、高い放電容量維持率を示した。
一方、水素−ケイ素(Si−H)結合を有するシラン誘導体の代わりに、水素−ケイ素(Si−H)結合を有さないシラン誘導体(テトラエチルシラン)を炭酸ビニレンとともに混合した電解液を使用した比較例4−3では、炭酸ビニレンおよびポリビニルホルマールを混合した電解液を使用した比較例4−2と比較して、90℃で4時間保存した時の電池厚みの変化が増大し、放電容量維持率が低下した。
これらのことから、水素−ケイ素(Si−H)結合を有するシラン誘導体とともに、炭酸ビニレンおよびポリフッ化ビニリデンを電解液に混合することにより、高温保存時の電池膨張を抑制しつつ、優れた充放電効率が得られることが分かった。
また、フェニルシランの電解液における濃度を0.1質量%とした実施例4−3、0.7質量%とした実施例4−4では、0.5質量%とした実施例4−2と同様に、電解液にフェニルシランを含まず炭酸ビニレンを含む比較例4−2と比較して、90℃で4時間保存した時の電池厚みの変化が減少した。一方、フェニルシランの電解液における濃度を1.0質量%とした実施例4−12では、90℃で4時間保存した時の電池厚みの変化は減少したが、300サイクル後の放電容量維持率が著しく低下した。これらのことから、上述したように、電解液により膨潤する高分子化合物を電解液に添加する場合にも、電解液における水素−ケイ素(Si−H)結合を有するシラン誘導体の濃度が0.1から0.7質量%の範囲内であれば良好な結果が得られることが分かった。
以上、実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種々変形が可能であることは言うまでもない。
本発明の一実施の形態に係る二次電池の構成を表す分解斜視図である。 図1に示した巻回電極体のI−I線に沿った構成を表す断面図である。
符号の説明
20…巻回電極体、23…正極、23A…正極集電体、23B…正極活物質層、24…負極、24A…負極集電体、24B…負極活物質層、25…セパレータ、21…正極リード、22…負極リード、26…電解質層、27…保護テープ、30…外装部材、31…密着フィルム。

Claims (15)

  1. ラミネートフィルムによって成形された外装容器と、前記外装容器内部に収容される正極と炭素材料からなる負極とをセパレータを介して積層させて成る電極体と電解液とを備えた非水電解液電池であって、
    前記電解液は下式(1)〜(6)で表される水素−ケイ素結合を有するシラン誘導体の少なくとも1種を含むことを特徴とする非水電解液電池。
    Figure 2008210769
    [式(1)〜(3)中、R〜RはC2m+1(1≦m≦18)を示す。また、式(4)〜(6)中、R〜R15はC2m+1(0≦m≦4)を示す。]
  2. 前記電解液における前記シラン誘導体の含有量が0.1〜0.7質量%である請求項1記載の非水電解液二次電池。
  3. 前記シラン誘導体は、フェニルシラン、ブチルシラン、ヘキシルシラン、オクタデシルシラン、ジフェニルシラン、ジエチルシラン、トリフェニルシラン、およびトリエチルシランの少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の非水電解液電池。
  4. 前記電解液が炭素−炭素多重結合を有する炭酸エステルを含有することを特徴とする請求項1記載の非水電解液電池。
  5. 前記炭酸エステルが炭酸ビニレンであることを特徴とする請求項1記載の非水電解液電池。
  6. 前記電解液における前記炭酸エステルの含有量が、0.1質量%以上2.0質量%以下であることを特徴とする請求項4記載の非水電解液電池。
  7. 前記電解液により膨潤する高分子化合物を含むことを特徴とする請求項1記載の非水電解液電池。
  8. 前記高分子化合物がポリフッ化ビニリデンであることを特徴とする請求項7記載の非水電解液電池。
  9. 前記高分子化合物と前記電解液との質量比が1:10〜1:50であることを特徴とする請求項7記載の非水電解液電池。
  10. 下式(1)〜(6)で表される水素−ケイ素結合を有するシラン誘導体の少なくとも1種を含むことを特徴とする電池用電解液。
    Figure 2008210769
    [式(1)〜(3)中、R〜RはC2m+1(1≦m≦18)を示す。また、式(4)〜(6)中、R〜R15はC2m+1(0≦m≦4)を示す。]
  11. 前記シラン誘導体の含有量が0.1〜0.7質量%である請求項10記載の電池用電解液。
  12. 前記シラン誘導体は、フェニルシラン、ブチルシラン、ヘキシルシラン、オクタデシルシラン、ジフェニルシラン、ジエチルシラン、トリフェニルシラン、およびトリエチルシランの少なくとも1種であることを特徴とする請求項10記載の電池用電解液。
  13. 前記電解液が炭素−炭素多重結合を有する炭酸エステルを含有することを特徴とする請求項10記載の電池用電解液。
  14. 前記炭酸エステルが炭酸ビニレンであることを特徴とする請求項10記載の電池用電解液。
  15. 前記炭酸エステルの含有量が、0.1質量%以上2.0質量%以下であることを特徴とする請求項10記載の電池用電解液。
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