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JP2008204881A - 光電変換モジュール - Google Patents

光電変換モジュール Download PDF

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JP2008204881A
JP2008204881A JP2007041778A JP2007041778A JP2008204881A JP 2008204881 A JP2008204881 A JP 2008204881A JP 2007041778 A JP2007041778 A JP 2007041778A JP 2007041778 A JP2007041778 A JP 2007041778A JP 2008204881 A JP2008204881 A JP 2008204881A
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優美子 北野
Kenji Tomita
賢時 冨田
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Abstract

【課題】 変換効率の向上と高い信頼性の確保とを両立させることのできる色素増感型の光電変換モジュールを提供すること。
【解決手段】 光電変換モジュール1は、増感色素4を担持した多孔質の半導体層5が形成された一方の極としての第1の導電層3と、多孔質の半導体層5に対向して配置された対極としての第2の導電層7と、第1及び第2の導電層3,7間に配置された電解質6とを具備した光電変換素子が複数個配列された光電変換モジュール1であって、複数個の光電変換素子の全体にわたって電解質6が連続するように配置されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光電変換効率及び信頼性に優れた太陽電池や受光素子等の光電変換素子を複数個形成した光電変換モジュールに関する。
従来、光電変換装置の一種である色素増感型太陽電池は、その製造に際して真空装置を必要としないことから、低コストで低環境負荷型の太陽電池であると考えられ、活発に研究開発が行われている。
特許文献1では、導電性ガラス基板上に塗布された二酸化チタンに、光増感剤としてルテニウム錯体色素等が付着された光増感剤複合体が形成された光作用極基板と、導電性ガラス基板上に白金やカーボンの対極層を形成した対極側基板とを、多孔質酸化チタン層と対極層とを互いに対向させ、両基板を貼り合わせ、これら基板間にヨウ素/ヨウ化物レドックス対を含む電解質溶液を対極側基板に開けた貫通孔から注入して満たし、対極側基板の貫通孔を塞いで成る構成の色素増感型太陽電池が記載されている。
特許文献2では、色素増感型太陽電池において、半導体を設けた第1の基板と導電膜が形成された第2の基板の周縁部をガラスフリットで封止したものが記載されている。これにより、封止性が向上することによって電解液が洩れ出したり揮発したりすることが減少し、電解液を十分保持することができ、長期間安定した光電変換効率(以下、変換効率ともいう)を示す色素増感型太陽電池を得ることが可能となる。
特許文献3に記載された大面積色素増感型太陽電池は、チタン,白金,金などからなり、無数の開口部が形成された金属製グリッドを用い、この金属製グリッドに、酸化チタンなどの酸化物半導体焼結物を一体的に結合したものを光電極とする構成である。この構成により、比抵抗が大きいITO,FTOなどの導電薄膜に比べて、金属製グリッドの比抵抗が格段に低くなり、低抵抗が実現できる。
特開2002−512729号公報 特開2001−185244号公報 特開2003−123855号公報
しかしながら、特許文献1,2の構成のように、光作用極基板と対極側基板との2つの基板を貼り合せたセル構造では、増感色素を吸着した多孔質酸化チタン層の表面と対極表面との間の電解質を満たしたギャップを狭くかつ一定に保って製造することは困難であり、変換効率が高くかつ安定であり、信頼性が高いものを製造することは困難であった。
また、特許文献3の大面積色素増感型太陽電池のように基板サイズが大きくなると、比抵抗が大きいITO,FTOなどの導電薄膜に比べて、低抵抗の金属製グリッドを導入しても直列抵抗が問題となってくる。
さらに、屋外での使用にあたっては、直列接続することによって電圧を高めるモジュール構成にする必要があり、従来技術では変換効率の向上と信頼性の確保とを両立させることはできなかった。
従って、本発明は上記従来の技術における問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、変換効率の向上と高い信頼性の確保とを両立させることのできる色素増感型の光電変換モジュールを提供することである。
本発明の光電変換モジュールは、増感色素を担持した多孔質の半導体層が形成された一方の極としての第1の導電層と、前記多孔質の半導体層に対向して配置された対極としての第2の導電層と、前記第1及び第2の導電層の間に配置された電解質とを具備した光電変換素子が複数個配列された光電変換モジュールであって、前記複数個の光電変換素子の全体にわたって前記電解質が連続するように配置されていることを特徴とする。
また、本発明の光電変換モジュールは好ましくは、前記光電変換素子の前記第1の導電層と隣接する前記光電変換素子の前記第2の導電層とが、互いに離隔した複数個の導電体によって接続されていることを特徴とする。
また、本発明の光電変換モジュールは好ましくは、前記導電体はガラス層で覆われていることを特徴とする。
また、本発明の光電変換モジュールは好ましくは、前記導電体は、アルミニウム,クロム,ニッケル,コバルト及びチタンの少なくとも1種の導電性粒子を含むことを特徴とする。
また、本発明の光電変換モジュールは好ましくは、前記複数個の光電変換素子の全体の周囲が封止部材で封止されており、前記第1の導電層及び前記第2の導電層は前記封止部材と金属薄膜を介して接していることを特徴とする。
本発明の光電変換モジュールによれば、増感色素を担持した多孔質の半導体層が形成された一方の極としての第1の導電層と、多孔質の半導体層に対向して配置された対極としての第2の導電層と、第1及び第2の導電層の間に配置された電解質とを具備した光電変換素子が複数個配列された光電変換モジュールであって、複数個の光電変換素子の全体にわたって電解質が連続するように配置されていることにより、光電変換素子ごとに電解質を注入するための貫通孔を設けることが不要となり、電解質の注入が容易となるため、電解質が光電変換素子の内部に容易にゆきわたり、安定して高い変換効率を達成することができる。
また、1枚の導電性基板等の基板上に、光電変換素子を複数個並べて形成し、直列接続や並列接続を自由に選択でき、所望の電圧と電流を出力できるため、光電変換素子の集積化等が容易である。
また、本発明の光電変換モジュールは好ましくは、光電変換素子の第1の導電層と隣接する光電変換素子の第2の導電層とが、互いに離隔した複数個の導電体によって接続されていることから、複数個の導電体の間の間隔を通して複数個の光電変換素子の全体にわたって電解質が連続するように、電解質を容易にいきわたらせることができる。また、複数個の導電体によって第1及び第2の導電層を安定に接続することができ、光電変換モジュールの信頼性が高まる。また、第1及び第2の導電層の接続に要する導電体の面積(平面視における占有面積)が小さくなるため、光電変換モジュールへの入射光を有効利用することができ、光電変換特性を向上させることができる。
また、本発明の光電変換モジュールは好ましくは、導電体はガラス層で覆われていることから、導電体が腐食性のある電解質と接触しないので、信頼性を向上させることができる。また、複数個の光電変換素子を封止する封止部材が樹脂から成る場合、封止部材を通過した酸素や水分などが導電体に接して導電体が劣化するのを抑制することができ、信頼性を高めることができる。
また、本発明の光電変換モジュールは好ましくは、導電体は、アルミニウム,クロム,ニッケル,コバルト及びチタンの少なくとも1種の導電性粒子を含むことから、これらの導電性粒子はヨウ素を含む電解質に対して耐腐食性の高いものであるため、導電体の電解質による腐食を抑制することができる。
また、本発明の光電変換モジュールは好ましくは、複数個の光電変換素子の全体の周囲が封止部材で封止されており、第1の導電層及び第2の導電層は封止部材と金属薄膜を介して接していることから、封止部材をレーザ光の照射によって溶着させて形成するときの加熱により、第1及び第2の導電層が劣化することを防ぐことができる。
本発明の光電変換モジュール及びその製造方法についての実施の形態を、図1,図2に基き以下に詳細に説明する。なお、各図において、同一部材には同一符号を付している。また、図2の第1の導電層3は、光電変換モジュールの内部の様子がわかりすいように半分の長さで描いている。
本発明の光電変換モジュールの断面図を図1に示す。図1の光電変換モジュール1は、基板2上に透明導電層等から成る第1の導電層3、増感色素(以下、色素ともいう)4を吸着(担持)した多孔質の半導体層5が積層され、対極側基板9上に対極層である第2の導電層7が形成されており、多孔質の半導体層5と第2の導電層7が対向するように基板2と対極側基板9とを対向させてそれらの間に電解質6が配置されるとともに、基板2及び対極側基板9の外周部がガラス封止層10で封止されている。
また、基板2及び対極側基板9の内側において、面方向に、第1の導電層3、多孔質の半導体層5、電解質6及び第2の導電層7の組(光電変換素子のユニット)が複数組形成されており、複数個の光電変換素子の全体にわたって電解質6が連続するように配置されている。
図1の光電変換モジュール1は、基板2上に第1の導電層3、多孔質の半導体層5がこの順で一体的に積層された積層体を形成し、次に色素4溶液に浸漬して多孔質の半導体層5に色素4を吸着させ、第1の導電層3と対極側基板9上に第2の導電層7とを導電体8を介して電気的に接続するとともに、積層体上に電解質6の領域を介して対極側基板9を配置し、次に基板2と対極側基板9の周縁部を樹脂やガラス等から成る封止部材10で接合して封止し、同時に導電体8の周囲にも封止部材10を形成し、封止部材10等に形成された貫通孔から電解質6の溶液を注入して多孔質の半導体層5に浸透させることによって製造される。
次に、上述した光電変換モジュール1を構成する各要素について詳細に説明する。
<第1の導電層>
基板2及び第1の導電層3としては、絶縁基板上に金属層あるいは透明導電層を形成したものでよい。基板2が透光性を有する場合、多孔質の半導体層5を光作用側極基板である基板2に形成して、光入射側に多孔質の半導体層5を配置でき、変換効率が高いものとなる。また、基板2及び対極側基板9が透光性を有する場合、光電変換モジュール1の主面のどちらの面からでも光を入射させることができるので、両主面側から光を入射させて変換効率を高めることができる。
基板2の材料としては、白板ガラス,ソーダガラス,硼珪酸ガラス等のガラス、セラミックス等の無機材料、ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリカーボネート(PC),アクリル,ポリエチレンナフタレート(PEN),ポリイミド等の樹脂材料、有機無機ハイブリッド材料等がよい。
透光性の基板2としては、少なくとも可視光の波長範囲において高い光透過性、例えば厚み0.7mmの白板ガラスの基板の場合、400〜1100nmの波長範囲で92%以上の光透過率であり、ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリカーボネート(PC)の基板の場合、可視光で約90%程度の光透過率であり、好適な光透過率としては少なくとも可視光の波長範囲で90%以上の光透過率を有する基板であれば利用できる。この透光性の基板2の材料としては、白板ガラス,ソーダガラス,硼珪酸ガラス等のガラス、セラミックス等の無機材料、ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリカーボネート(PC),アクリル,ポリエチレンナフタレート(PEN),ポリイミド等の樹脂材料、有機無機ハイブリッド材料等がよい。
第1の導電層3としては、弗素や金属をドープした金属酸化物の透明導電層が利用できる。この中で熱CVD法により形成したフッ素ドープの二酸化スズ膜(SnO:F膜)等が耐熱性を有しており、特によい。また、低温成長のスパッタリング法や低温スプレー熱分解法で形成したスズドープ酸化インジウム膜(ITO膜)や不純物ドープの酸化インジウム膜(In膜)等がよい。他に、溶液成長法で形成した不純物ドープの酸化亜鉛膜(ZnO膜)等がよい。また、これらの透明導電層を種々の組合せで積層して用いてもよい。また透明導電層は、Ti層,ITO層,Ti層を順次積層したものでもよく、密着性と耐食性を高めた積層膜となる
透明導電層の厚みは高い導電性と高い光透過性の点で0.001〜10μm、好ましくは0.05〜2.0μmがよい。0.001μm未満では、透明導電層の抵抗が増大し、10μmを超えると、透明導電層の光透過性が低下する。
透明導電層の他の成膜法として、真空蒸着法、イオンプレーティング法、ディップコート法、ゾルゲル法等がある。これらの膜成長によって、透明導電層の表面に入射光の波長オーダーの凹凸を形成するとよく、光閉じ込め効果を付与できる。
また、第1の導電層3として、真空蒸着法やスパッタリング法等で形成した金,パラジウム,チタン,アルミニウム,ステンレススチール,銀,銅,ニッケル等から成る薄膜を、真空蒸着法やスパッタリング法で形成したものがよい。または電解質6による腐食防止のためにSnO:F層等の透明導電層(不純物ドープの金属酸化物層)等を金属から成る基板2上に形成したものがよい。
<多孔質の半導体層>
図1に示すように、基板2及び第1の導電層3上に多孔質の半導体層5を形成する。この多孔質の半導体層5の材料や組成としては、酸化チタン(TiO)が最適であり、他の材料としては、チタン(Ti),亜鉛(Zn),スズ(Sn),ニオブ(Nb),インジウム(In),イットリウム(Y),ランタン(La),ジルコニウム(Zr),タンタル(Ta),ハフニウム(Hf),ストロンチウム(Sr),バリウム(Ba),カルシウム(Ca),バナジウム(V),タングステン(W)等の金属元素の少なくとも1種以上の金属酸化物半導体がよく、また窒素(N),炭素(C),弗素(F),硫黄(S),塩素(Cl),リン(P)等の非金属元素の1種以上を含有していてもよい。酸化チタン等はいずれも電子エネルギーバンドギャップが可視光のエネルギーより大きい2〜5eVの範囲にあり、好ましい。また、多孔質の半導体層5は、電子エネルギー準位においてその伝導帯が色素4の伝導帯よりも低いn型半導体がよい。
多孔質の半導体層5としては、二酸化チタン等からなるとともに内部に微細な空孔(空孔径が好ましくは10〜40nm程度のものであり、22nmのときに変換効率がピークを示す)を多数有する多孔質のn型酸化物半導体層等であるのがよい。多孔質の半導体層5の空孔径が10nm未満の場合、色素4の浸透及び吸着が阻害され、十分な色素4の吸着量が得られず、また、電解質6の拡散が妨げられるために拡散抵抗が増大することから、変換効率が低下することとなる。40nmを超えると、多孔質の半導体層5の比表面積が減少するため、色素4の吸着量を確保するためには厚みを厚くしなければならなくなり、厚みを厚くしすぎると光が透過しにくくなり、色素4が光を吸収できないこと、また、多孔質の半導体層5に注入された電荷の移動距離が長くなるため電荷の再結合によるロスがおおきくなること、さらに、電解質6の拡散距離も増大するため拡散抵抗が増大することから、やはり変換効率が低下することとなる。
多孔質の半導体層5は、粒状体、または針状体,チューブ状体,柱状体等の線状体、またはこれら種々の線状体が集合してなるものであって、多孔質体であることにより、色素4を吸着する表面積が増え、変換効率を高めることができる。多孔質の半導体層5は、空孔率が20〜80%、より好適には40〜60%である多孔質体であるのがよい。多孔質化により光作用極層としての表面積を1000倍以上に高めることができ、光吸収と光電変換と電子伝導を効率よく行うことができる。
なお、多孔質の半導体層5の空孔率は、ガス吸着測定装置を用いて窒素ガス吸着法によって試料の等温吸着曲線を求め、BJH(Barrett-Joyner-Halenda)法,CI(Chemical Ionization)法,DH(Dollimore-Heal)法等によって空孔容積を求め、これと試料の粒子密度から得ることができる。
多孔質の半導体層5の形状は、その表面積が大きくなりかつ電気抵抗が小さい形状がよく、例えば微細粒子もしくは微細線状体からなるのがよい。その平均粒径もしくは平均線径は5〜500nmであるのがよく、より好適には10〜200nmがよい。ここで、平均粒径もしくは平均線径の5〜500nmにおける下限値は、これ未満になると材料の微細化ができず、上限値は、これを超えると接合面積が小さくなり光電流が著しく小さくなることによる。
また、多孔質の半導体層5を多孔質体とすることにより、これに色素4を吸着させて成る色素増感型光電変換体としての表面が凹凸状となり、光閉じ込め効果をもたらして、変換効率をより高めることができる。
また、多孔質の半導体層5の厚みは0.1〜50μmがよく、より好適には1〜20μmがよい。ここで、0.1〜50μmにおける下限値は、これより厚みが小さくなると光電変換作用が著しく小さくなって実用に適さず、上限値は、これを超えて厚みが厚くなると光が透過しなくなって光が入射しなくなることによる。
多孔質の半導体層5が酸化チタンからなる場合、以下のようにして形成される。まず、TiOのアナターゼ粉末にアセチルアセトンを添加した後、脱イオン水とともに混練し、界面活性剤で安定化させた酸化チタンのペーストを作製する。作製したペーストをドクターブレード法やバーコート法等で基板2上の第1の導電層3上に一定速度で塗布し、大気中で300〜600℃、好適には400〜500℃で、10〜60分、好適には20〜40分加熱処理することにより、多孔質の半導体層5を形成する。この手法は簡便であり、好ましい。
多孔質の半導体層5の低温成長法としては、電析法、泳動電着法、水熱合成法等がよく、電子輸送特性を良くするための後処理としては、マイクロ波処理、CVD法によるプラズマ処理や熱触媒処理等、UV照射処理等がよい。低温成長法による多孔質の半導体層5としては、電析法による多孔質ZnO層、泳動電着法による多孔質TiO層等からなるものがよい。
また、多孔質の半導体層5の多孔質体の表面に、TiCl処理、即ちTiCl溶液に10時間浸漬し、水洗し、450℃で30分間焼成する処理を施すとよく、電子電導性がよくなって変換効率が高まる。
また、多孔質の半導体層5と基板2との間に、n型酸化物半導体の極薄の緻密層を挿入するとよく、逆電流が抑制できるので変換効率が高まる。
また、多孔質の半導体層5は、酸化物半導体微粒子の焼結体から成るとともに、酸化物半導体微粒子の平均粒径が基板2側より厚み方向に漸次大きくなっていることが好ましく、例えば多孔質の半導体層5が酸化物半導体微粒子の平均粒径が異なる2層の積層体からなるものとするのがよい。具体的には、基板2側に平均粒径が小さい酸化物半導体微粒子を用い、第2の導電層7側に平均粒径が大きい酸化物半導体微粒子(散乱粒子)を用いることで、平均粒径が大きい第2の導電層7側の多孔質の半導体層5によって光散乱と光反射による光閉じ込め効果が生じ、変換効率を高めることができる。
より具体的には、平均粒径が小さい酸化物半導体微粒子として、平均粒径が約20nmのものを100wt%(重量%)使用し、平均粒径が大きい酸化物半導体微粒子として、平均粒径が約20nmのものを70wt%及び平均粒径が約180nmのものを30wt%混合して使用すればよい。これらの重量比、平均粒径、それぞれの膜厚を変えることで、最適な光閉じ込め効果が得られる。また、積層数を2層から複数層に増やしたり、これらの境界が生じないように塗布形成したりすることにより、平均粒径を基板2側から厚み方向に漸次大きくなるように形成することができる。
<第2の導電層>
対極側基板9上には対極層としての第2の導電層7が形成されている。対極側基板9としては、非透光性でも透光性でも構わない。対極側基板9は絶縁体であるのがよく、その場合電解質6による腐食に対する耐久性や封止部材10との接合性に優れた材料を自由に選ぶことができるため、光電変換モジュール1の信頼性が高まる。
対極側基板9の材料としては、白板ガラス,ソーダガラス,硼珪酸ガラス等のガラス、セラミックス等の無機材料、ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリカーボネート(PC),アクリル樹脂,ポリエチレンナフタレート(PEN),ポリイミド等の樹脂材料、有機無機ハイブリッド材料等がよい。また、対極側基板9の表裏で電気的接続を確保するために、対極側基板9の周囲にチタン,ステンレススチール,アルミニウム,銀,銅,ニッケル等からなる導電層を被覆するとよい。
また、透光性の対極側基板9としては、少なくとも可視光の波長範囲において高い光透過性、例えば厚み0.7mmの白板ガラスの基板の場合、400〜1100nmの波長範囲で92%以上の光透過率であり、ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリカーボネート(PC)の基板の場合、可視光で約90%程度の光透過率であり、好適な光透過率としては少なくとも可視光の波長範囲で90%以上の光透過率を有する基板であれば利用できる。
対極側基板9は光電変換モジュール1内に充分な量の電解質6を保持する目的で設置するため、その厚みは機械的強度及びコストの点で0.5〜50mm、好ましくは1〜20mmがよい。基板9の厚みが0.5mm未満では機械的強度が確保できず、50mmを超えるとコストが増大する。また、対極側基板9が絶縁基板の周囲に導電層を形成したものである場合、その導電層の厚みは0.001〜10μm、好ましくは0.05〜2.0μmがよい。
第2の導電層7としては、触媒機能を有する白金,カーボン等の極薄膜がよい。他に、金(Au),パラジウム(Pd),アルミニウム(Al)等の極薄膜を電析したものが挙げられる。また、これらの材料の微粒子等から成る多孔質膜、例えばカーボン微粒子の多孔質膜等が、第2の導電層7の表面積が増え、気孔部に電解質6の溶液を含有させることができ、変換効率を高めることができる。触媒層は薄くて済むので、透光性とすることもできる。
導電膜は、触媒層の導電性を補完するものである。この導電膜としては、非透光性、透光性のいずれの層も用途に応じて利用できる。非透光性の導電膜の材料としては、チタン,ステンレススチール,アルミニウム,銀,銅,金,ニッケル,モリブデン等がよい。また、カーボンや金属の微粒子や微細線を含浸させた樹脂、導電性樹脂等でもよい。光反射性の非透光性の導電膜の材料としては、アルミニウム,銀,銅,ニッケル,チタン,ステンレススチール等の光沢のある金属薄膜を単独で形成したもの、あるいは電解質6による腐食防止のために不純物ドープの金属酸化物から成る膜を光沢のある金属薄膜上に被覆したものがよい。また他の導電膜として、Ti層,Al層,Ti層を順次積層し、密着性や耐食性や光反射性を高めた多層積層体等からなるのがよい。これらの導電膜は、真空蒸着法,イオンプレーティング法,スパッタリング法,電解析出法等で形成できる。
透光性の導電膜としては、低温膜成長法のスパッタリング法や低温スプレー熱分解法で形成した、スズドープ酸化インジウム膜(ITO膜),不純物ドープの酸化インジウム膜(In膜),不純物ドープの酸化スズ膜(SnO膜),不純物ドープの酸化亜鉛膜(ZnO膜)等がよい。また、熱CVD法で形成したフッ素ドープの二酸化スズ膜(SnO:F膜)等は低コストでよい。また、Ti層,ITO層,Ti層を順次積層した密着性を高めた積層体でもよい。他には、簡便な溶液成長法で形成した不純物ドープの酸化亜鉛膜(ZnO膜)等でもよい。
これらの膜の他の成膜法として、真空蒸着法,イオンプレーティング法,ディップコート法,ゾルゲル法等がある。これらの成膜法によって入射光の波長オーダーの表面凹凸を導電膜に形成すると光閉じ込め効果を付与できる。また、真空蒸着法やスパッタリング法等で形成した透光性を有するAu,Pd,Al等の薄い金属膜でもよい。透光性の導電膜の厚みは、高い導電性と高い光透過性の点で0.001〜10μmがよく、より好ましくは0.05〜2.0μmがよい。0.001μm未満では、導電膜の抵抗が増大し、10μmを超えると、導電膜の光透過性が低下する。
ここで、第2の導電層7及び基板9が透光性を有する場合、光電変換モジュール1の主面のどちらの面からでも光を入射させることができるので、両主面側から光を入射させて変換効率を高めることができる。
<封止部材>
図1において、封止部材10は、電解質6の溶液が外部に漏れるのを防ぐ、機械的強度を補強する、積層体を保護するとともに外部環境と直接接して光電変換機能が劣化するのを防ぐ、という目的で設ける。
封止部材10の材料としては、ガラス、カーボンを主成分とするガラスフリット等が封止性及び耐候性に優れ特によい。
具体的には、封止部材10の材料としては、ガラス(Bi,ZnO,B,SiO,MgO等を含む)、あるいはカーボンを混入したガラスフリット等が封止性及び耐候性に優れ特によい。カーボンは、カーボン粒子として封止部材10に混入させればよく、その含有量は0.1〜20重量%がよい。0.1重量%未満では、レーザ光の吸収が少なくなる。20重量%を超えると、形成された封止部材10が導電性を呈するものとなる。カーボン粒子の平均粒径は0.01〜20μmがよい。0.01μm未満では、高温時にカーボン粒子の表面が酸化され易くなる。20μmを超えると、封止部材10となるカーボン粒子を含んだペーストのチキソ性が高くなり、スクリーン印刷が困難となる。
封止部材10の厚みは0.1μm〜6mm、好ましくは1μm〜4mmがよい。また、遮熱性、耐熱性、低汚染性、抗菌性、防かび性、意匠性、耐疵付き・耐摩耗性、帯電防止性、遠赤外線放射性、耐酸性、耐食性、環境対応性等を封止部材10に付与することにより、信頼性や商品性をより高めることができる。
<導電体>
図1において、導電体8は、第2の導電層7と第1の導電層3とを電気的に接続するために設置する。
導電体8の形状は、図1,図2に示すように円柱状等の柱状体であり、スクリーン印刷法やディスペーンサ法等によって形成される。
導電層8としては、チタン,ステンレススチール,アルミニウム,銀,銅,金,ニッケル,モリブデン等の電解質6に対する耐腐食性を有する金属からなるもの、カーボン等の有機導電体からなるもの、またはプラスチックや二酸化珪素等の絶縁体の表面に電解質6に対する耐腐食性を有するチタン層,ステンレススチール層,金属酸化物層(導電性を有するもの)等を被覆したものがよい。
また、導電体8としては、ガラス層で覆われた、ガラスフリット(低融点ガラス)を含むものであってもよく、より好ましくは、導電体8は、アルミニウム,クロム,ニッケル,コバルト及びチタンの少なくとも1種の導電性粒子を含んでいるものがよい。これらの導電性粒子は、ヨウ素を含む電解質6による導電体8の腐食を低減する効果を有する。
例えば、導電体8は、低融点ガラスから成る柱状体中に、アルミニウムやニッケル等の導電性粒子を70〜95重量%程度含有させたものである。この場合、導電性粒子の含有量が70重量%未満では、有機物の残渣が生じ易くなる。95重量%を超えると、導電体8となる導電性粒子を含むペーストの印刷パターンの形成が困難となる。また、導電性粒子の平均粒径は0.5〜15μmが好ましく、0.5μm未満では、導電性付与への寄与が小さくなる。15μmを超えると、導電体8となる導電性粒子を含むペーストの望ましいパターン精度が不足する。
導電体8の幅(円柱状の場合直径)は100μm〜2mmがよく、100μm未満では、スクリーン印刷等の一般的な印刷手段では印刷精度(形状精度)が不足してしまい、2mmを超えると、光電変換に有効な面積が小さくなってしまう。
導電体8に含まれるガラスフリットは、ガラス成分として、ホウケイ酸鉛系ガラス、酸化チタン等を含んで成る。
導電体8を覆うガラス層は、Bi,ZnO,B,SiO,MgO等を含むガラスから成り、封止部材10がガラスから成る場合にそれと同じガラス成分から成るものであってよい。その場合、ガラス層は、封止部材10と同時にレーザ光の照射によって焼成することができる。
導電体8を覆うガラス層の厚みは100〜300μmがよく、100μm未満では、導電体8がその形成パターンの精度の点で電解質6に露出することがあり、300μmを超えると、受光面積が低減し易くなる。
本発明において、光電変換素子の第1の導電層3と隣接する光電変換素子の第2の導電層7とが、互いに離隔した複数個の導電体8によって接続されていることから、複数個の導電体8の間の間隔を通して複数個の光電変換素子の全体にわたって電解質6が連続するように、電解質6を容易にいきわたらせることができる。また、色素4を光電変換モジュール1内に容易にいきわたらせることができる。このような観点からは、導電体8間の隙間は200μm程度以上であることがよい。また、導電層3や導電層7を電流が流れることによる抵抗損を低減する点では、導電体8間の隙間は5mm程度以下であることがよい。
また、複数個の導電体8によって第1及び第2の導電層3,7を安定に接続することができ、光電変換モジュールの信頼性が高まる。接続点が複数個となることにより、一個の導電体8が劣化しても特性的には影響を受けない。
また、第1及び第2の導電層3,7の接続に要する導電体8の面積(平面視における占有面積)が小さくなるため、光電変換モジュールへの入射光を有効利用することができ、光電変換特性を向上させることができる。このような観点からは、導電体8の横断面における断面積(平面視における占有面積に相当する)は1個あたり1mm程度(上限値)以下がよい。また、強度的に安定な柱状を形成する点で、導電体8の横断面における断面積は1個あたり0.01mm程度(下限値)以上がよい。
<金属薄膜>
金属薄膜12の材料としては、ヨウ素等の電解質6によって腐食しない白金等から成る金属であれば良い。金属薄膜12の成膜方法は、スパッタリング法、蒸着法、CVD法である。金属薄膜12のパターニングは、メタルマスクを用いて成膜することによって行うか、または成膜後にエッチングして行ってもよい。また、金属ペーストを塗布し焼成して形成してもよい。
金属薄膜12の厚みは0.01〜1μm程度がよく、0.01μm未満では金属薄膜12が島状になりシート抵抗が増大し、1μmを超えると高コストとなる。
封止部材10をレーザ光の照射によって溶着させて形成するときの加熱により、第1及び第2の導電層3,7が劣化することを防ぐことができる。また、例え第1及び第2の導電層3,7が劣化して高抵抗となっても、金属薄膜12によって外部接続用の端子部に低抵抗の接続を確保することができる。
<色素>
色素4としては、例えば、ルテニウム−トリス,ルテニウム−ビス,オスミウム−トリス,オスミウム−ビス型の遷移金属錯体、多核錯体、またはルテニウム−シス−ジアクア−ビピリジル錯体、またはフタロシアニンやポルフィリン、多環芳香族化合物、ローダミンB等のキサンテン系色素であることが好ましい。
多孔質の半導体層5に色素4を吸着させるためには、色素4に少なくとも1個以上のカルボキシル基,スルホニル基,ヒドロキサム酸基,アルコキシ基,アリール基,ホスホリル基を置換基として有することが有効である。ここで、置換基は色素4自体を多孔質の半導体層5に強固に化学吸着させることができ、励起状態の色素4から多孔質の半導体層5へ容易に電荷移動できるものであればよい。
多孔質の半導体層5に色素4を吸着させる方法としては、例えば基板2上に形成された多孔質の半導体層5を、色素4を溶解した溶液に浸漬する方法が挙げられる。
本発明の光電変換モジュール1を製造する工程中において、多孔質の半導体層5に色素4を吸着させる。色素4を溶解させる溶液の溶媒は、エタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、ジエチルエーテル等のエーテル類、アセトニトリル等の窒素化合物等を1種または2種以上混合したものが挙げられる。溶液中の色素4の濃度は5×10−5〜2×10−3mol/l(l(リットル):1000cm)程度が好ましい。
多孔質の半導体層5に色素4を吸着させる際、溶液及び雰囲気の温度の条件は特に限定するものではなく、例えば、大気圧下もしくは真空中、室温もしくは基板2加熱の条件が挙げられる。色素4の吸着にかける時間は色素4及び溶液の種類、溶液の濃度、色素溶液の循環量等により適宜調整することができる。これにより、色素4を多孔質の半導体層5に吸着させることができる。
<電解質>
電解質6としては、第4級アンモニウム塩やLi塩等を用いる。電解質6溶液の組成としては、例えば炭酸エチレン,アセトニトリルまたはメトキシプロピオニトリル等に、ヨウ化テトラプロピルアンモニウム,ヨウ化リチウム,ヨウ素等を混合し調製したものを用いることができる。
本発明において、電解質6は、液状のものでよいが、ゲル体に相変化する化学ゲルからなるものであってもよい。化学ゲルの液相体からゲル体への相変化は、加熱によって行うことができる。
また、本発明の光電変換モジュール1は、第1の導電層3、色素4を吸着した多孔質の半導体層5、電解質6及び第2の導電層7から構成される光電変換素子を厚み方向に1素子分設けたものに限らず、厚み方向に複数素子分積層した構成としてもよい。
また、本発明の光電変換モジュール1の用途は太陽電池に限定されるものではなく、光電変換機能を有するものであれば適用でき、各種受光素子や光センサ等にも適用可能である。
本発明の光電変換モジュールの実施例について、以下に説明する。
まず、基板2として、その一主面に第1の導電層3としてのシート抵抗が5Ω/□(スクエア)のフッ素ドープ酸化スズから成る厚み1μmの第1の導電層3が形成されたガラス基板(縦5cm×横5cm×厚み2mm)を用いた。
次に、第1の導電層3上にレジストを塗布してエッチングすることにより、短冊状の第1の導電層3の領域が4個並ぶようにパターニングした。4個の短冊状の領域は、外部電極を兼ねる一端のものが縦4cm×横1.5cmの大きさであり、他の3個が縦4cm×横1cmの大きさである。また、領域間の間隔は3mmとした。これにより、直列接続された4個の光電変換素子が平面内において配列されるようにした。
次に、第1の導電層3の各領域上に二酸化チタンから成る多孔質の半導体層5を形成した。この多孔質の半導体層5は以下のようにして形成した。まず、TiOのアナターゼ粉末(平均粒径20nm)にアセチルアセトンを添加した後、脱イオン水とともに混練し、界面活性剤で安定化させた酸化チタンのペーストを作製した。作製したペーストをドクターブレード法で第1の導電層3の各領域上に一定速度で塗布し、大気中450℃で30分間焼成した。
次に、対極側基板9としてガラス基板(縦5cm×横5cm×厚み2mm)を用い、その一主面に、スパッタリング装置及びPtターゲットを用いて、対極層である第2の導電層7としての白金層を、シート抵抗が0.6Ω/□となるように厚み約200nmで形成した。このとき、メタルマスクを用いて第2の導電層7を形成することにより、第1の導電層3と同様にして、4個の短冊状の領域を形成した。
次に、導体体8を形成するためのペーストとして、モリブデン粒子を主成分とし、ガラスフリット(ガラス成分:ホウケイ酸鉛系ガラス、酸化チタン等)、エポキシ樹脂バインダー及び酢酸ブチル溶媒を混合した導電性ペーストを用い、第1の導電層3と第2の導電層7を接続するために、対極側基板9の一主面上における第2の導電層7の端部であって、第1の導電層3と第2の導電層7が平面視で重なる部位に、導電性ペーストを平面視で円形状に複数個並べて形成した。
なお、導電性ペーストにおいて、モリブデン粒子の含有量は90重量%、ガラスフリットの含有量は3重量%、エポキシ樹脂バインダーの含有量は3重量%、酢酸ブチル溶媒の含有量は4重量%であった。また、モリブデン粒子の平均粒径は2μmとした。
次に、ガラス成分としてBi,ZnO,B,SiO及びMgOを含み、さらにカーボン粒子、エポキシ樹脂バインダー、酢酸ブチル溶媒から成る封止部材10となるガラスペーストを、ディスペンサーにより対極側基板9の周縁部に塗布するとともに導体体8を覆うように塗布した。ガラスペーストにおいて、ガラス成分の含有量は86重量%、カーボン粒子の含有量は7重量%、エポキシ樹脂バインダーの含有量は3重量%、酢酸ブチル溶媒の含有量は4重量%であった。また、カーボン粒子の平均粒径は4μmとした。
また、このとき、封止部材10の一部に貫通孔11を形成するために、塗布したガラスペースト層の2か所にディスペンサー法によって、四角形の開口の大きさが約50×500μmの貫通孔を形成した。
多孔質の半導体層5と第2の導電層7とが対向するように基板2と対極側基板9を対向させて配置し、炭酸ガスレーザ光を導電性ペースト層及びガラスペースト層に照射して、導体体8の焼成とともに封止部材10による封止を行った。
次に、チュービングポンプを用いて貫通孔11を通して色素4溶液を光電変換モジュール1内に注入し、室温で毎分5mlの流量で色素4溶液を光電変換モジュール1内を5時間循環させ、多孔質の半導体層5に色素4を吸着させた。色素4溶液(色素4含有量が0.3mモル/l)は、色素4(ソラロニクス・エスエー社製「N719」)を溶媒のアセトニトリルとt−ブタノール(容積比で1:1)に溶解したものを用いた。
次に、貫通孔11を通して電解質6の溶液を多孔質の半導体層5に浸透させた。本実施例では、電解質6として、液体電解質である沃素(I)と沃化リチウム(LiI)とアセトニトリル溶液とを調製して用いた。
次に、オレフィン系樹脂から成るシートを貫通孔11を外部から塞ぐように被せ、加熱して貫通孔封止部を形成した。
こうして得られた光電変換モジュール1の光電変換特性を評価したところ、AM1.5、100mW/cmで変換効率5.6%を示した。この光電変換モジュール1を暗中85℃の環境下で高温放置試験を行ったところ、100時間経過後も試験前の7割を超える光電変換効率を維持した。
以上のように、本実施例の光電変換モジュール1は、高い変換効率が得られ、さらに高い耐久性を示すことを確認できた。
本発明の光電変換モジュールについて実施の形態の一例を示す断面図である。 本発明の光電変換モジュールについて実施の形態の一例を示す平面図である。
符号の説明
1:光電変換モジュール
2:基板
3:第1の導電層
4:増感色素
5:多孔質の半導体層
6:電解質
7:第2の導電層
8:導電体
9:対極側基板
10:封止部材
11:貫通孔
12:金属薄膜

Claims (5)

  1. 増感色素を担持した多孔質の半導体層が形成された一方の極としての第1の導電層と、前記多孔質の半導体層に対向して配置された対極としての第2の導電層と、前記第1及び第2の導電層の間に配置された電解質とを具備した光電変換素子が複数個配列された光電変換モジュールであって、前記複数個の光電変換素子の全体にわたって前記電解質が連続するように配置されていることを特徴とする光電変換モジュール。
  2. 前記光電変換素子の前記第1の導電層と隣接する前記光電変換素子の前記第2の導電層とが、互いに離隔した複数個の導電体によって接続されていることを特徴とする請求項1記載の光電変換モジュール。
  3. 前記導電体はガラス層で覆われていることを特徴とする請求項2記載の光電変換モジュール。
  4. 前記導電体は、アルミニウム,クロム,ニッケル,コバルト及びチタンの少なくとも1種の導電性粒子を含むことを特徴とする請求項2または3記載の光電変換モジュール。
  5. 前記複数個の光電変換素子の全体の周囲が封止部材で封止されており、前記第1の導電層及び前記第2の導電層は前記封止部材と金属薄膜を介して接していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の光電変換モジュール。
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