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JP2008189981A - 焼結体の製造方法および焼結体 - Google Patents

焼結体の製造方法および焼結体 Download PDF

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JP2008189981A JP2007024691A JP2007024691A JP2008189981A JP 2008189981 A JP2008189981 A JP 2008189981A JP 2007024691 A JP2007024691 A JP 2007024691A JP 2007024691 A JP2007024691 A JP 2007024691A JP 2008189981 A JP2008189981 A JP 2008189981A
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寿隆 豊島
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Abstract

【課題】所定の目的とする含有率で炭素を含有させることができ、例えば、炭素含有率を比較的低く抑えることにより、機械的特性および化学的特性に優れた焼結体を効率よく製造することができる焼結体の製造方法、および、目的とする含有率で炭素を含み、目的の特性を示す高品質の焼結体を提供すること。
【解決手段】本発明の焼結体の製造方法は、組成物を用意する組成物調製工程(第1の工程)1Aと、成形体を製造する成形工程(第2の工程)2Aと、脱脂処理を行う脱脂工程(第3の工程)3Aと、焼成を行う焼成工程(第4の工程)4Aとを有する。本発明に用いる金属粉末は、平均粒径6μm以下であり、脱脂工程における脱脂雰囲気は、還元性雰囲気である。また、この還元性雰囲気は、還元性ガスとして水素ガスを含むことが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、焼結体の製造方法および焼結体に関するものである。
金属粉末を含む成形体を焼結して金属製品を製造するに際し、成形体の製造方法として、例えば、金属粉末と有機バインダーとを混合、混練し、この混練物を用いて射出成形する金属粉末射出成形(MIM:Metal Injection Molding)法が知られている。
このMIM法により製造された成形体は、脱脂処理(脱バインダー処理)が施されて有機バインダーが除去された後、焼結に供され、その結果、目的とする金属製品(焼結体)が得られる。
このようにして得られた焼結体は、製造条件によっては、機械的特性や化学的特性が低いという問題がある。
そこで、特許文献1には、加圧して圧密化した成形体を用いる方法が開示されている。そして、圧密化された成形体を、窒素雰囲気中で脱脂処理した後、焼成工程に供することにより、高密度で機械的特性に優れた焼結体を得られることが開示されている。
一方、焼結体の製造に用いる金属粉末として、平均粒径の小さいもの(例えば、平均粒径6μm以下のもの)を用いることにより、焼結体の高密度化を図り、機械的特性の向上を図る方法も知られている。
ところが、粒径の小さい金属粉末を用いた場合、成形体中の隙間が小さくなり、脱脂工程や焼成工程の際に有機バインダーが除去され難いという問題がある。また、焼成工程の際に、成形体の表面側が中心側よりも先に焼結した場合、成形体中に有機バインダーが閉じ込められる場合もある。これらの原因により、粒径の小さい金属粉末を用いて製造された焼結体中には、有機バインダー、すなわち炭素が多量に残存することとなる。残存した炭素は、特に、焼結体の耐食性、耐薬品性のような化学的特性の低下を招く。
また、金属粉末を用いて製造された焼結体では、その炭素含有率が低すぎても、また高すぎても、目的とする特性が得られないため、炭素含有率を厳密に制御することが求められる。したがって、焼結体の用途に応じて、焼結体中の炭素含有率を厳密に制御する必要がある。
しかしながら、従来の焼結体の製造方法では、炭素含有率を厳密に制御した金属粉末を用いて焼結体を製造したとしても、製造過程で炭素含有率が大きく変化してしまい、目的とする炭素含有率の焼結体を得ることは困難である。
特開平11−315304号公報
本発明の目的は、所定の目的とする含有率で炭素を含有させることができ、例えば、炭素含有率を比較的低く抑えることにより、機械的特性および化学的特性に優れた焼結体を効率よく製造することができる焼結体の製造方法、および、目的とする含有率で炭素を含み、目的の特性を示す高品質の焼結体を提供することにある。
上記目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の焼結体の製造方法は、金属粉末と有機バインダーとを含む組成物を用意する第1の工程と、
該組成物を成形して、成形体を得る第2の工程と、
該成形体中から前記有機バインダーを除去して、脱脂体を得る第3の工程と、
該脱脂体を焼成して、焼結体を得る第4の工程とを有し、
前記金属粉末は、平均粒径6μm以下のものであり、
前記第3の工程において、還元性雰囲気中で前記成形体を加熱することにより、前記有機バインダーを分解・除去することを特徴とする。
これにより、所定の目的とする含有率で炭素を含有させることができ、例えば、炭素含有率を低く抑えることにより、機械的特性および化学的特性に優れた焼結体を効率よく製造することができる。
本発明の焼結体の製造方法では、前記還元性雰囲気は、還元性ガスとして水素ガスを含むことが好ましい。
水素ガスは、還元性が強いため、成形体中の有機バインダーをより速やかに分解することができる。このため、成形体に対する脱脂処理をより高速かつ十分に行うことができ、焼結体中の炭素量の増加を確実に防止することができる。また、水素分子は、その分子サイズが非常に小さいため、成形体中の隙間に容易に侵入することができる。このため、水素ガスによれば、成形体の内部に存在する有機バインダーをも容易に分解・除去することができ、焼結体の表層部はもちろん、中心部においても、炭素量の増加を確実に防止することができる。
本発明の焼結体の製造方法では、前記還元性雰囲気中の還元性ガスの濃度は、50vol%以上であることが好ましい。
これにより、還元性雰囲気の安全性を担保しつつ、還元性ガスによる有機バインダーの分解作用が十分に発揮される。
本発明の焼結体の製造方法では、前記第3の工程において、前記成形体の加熱温度は、100〜750℃であることが好ましい。
これにより、還元性ガスによる有機バインダーの分解作用が十分に発揮され、成形体の脱脂を高速かつ十分に行うことができる。
本発明の焼結体の製造方法では、前記第3の工程において、前記成形体の加熱時間は、0.1〜20時間であることが好ましい。
これにより、成形体の脱脂を必要かつ十分に行うことができる。
本発明の焼結体の製造方法では、前記第3の工程は、前記成形体中から前記有機バインダーの一部を除去する第1の脱脂過程と、該第1の脱脂過程を経た前記成形体中から前記有機バインダーの残部を除去する第2の脱脂過程とを有しており、
該第2の脱脂過程において、還元性雰囲気中で前記成形体を加熱することが好ましい。
これにより、有機バインダーを徐々に除去することができる。その結果、脱脂の進行が成形体の一部に偏ることなく、均一に脱脂を行うことができる。
本発明の焼結体の製造方法では、前記第1の脱脂過程において、減圧雰囲気中で前記成形体を加熱することが好ましい。
これにより、成形体中の有機バインダーを段階的に除去することができ、成形体の保形性をより高めることができる。
本発明の焼結体の製造方法では、前記有機バインダーは、ポリオレフィンを主成分とするものであることが好ましい。
ポリオレフィンは、還元性ガスによる分解性が比較的高い。このため、ポリオレフィンを有機バインダーの主成分として用いた場合、より短時間で確実に成形体の脱脂を行うことができる。
本発明の焼結体の製造方法では、前記第2の工程において、前記組成物を金属粉末射出成形法により成形することが好ましい。
金属粉末射出成形法は、比較的小型のものや、複雑で微細な形状の成形体をニアネット(最終形状に近い形状)で製造することができ、用いる金属粉末の特性を十分に生かすことができるという利点を有する。このため、本発明を適用する上でその効果が有効に発揮される成形体を得ることができる。
本発明の焼結体の製造方法では、前記金属粉末の炭素含有率に対する、前記焼結体の炭素含有率の増減量の割合は、50%以下であることが好ましい。
これにより、金属粉末の炭素含有率と焼結体の炭素含有率との間に強い相関関係が認められることとなり、金属粉末の炭素含有率を設定することで、焼結体の炭素含有率を容易に調整することができるようになる。
本発明の焼結体は、本発明の焼結体の製造方法により製造されたことを特徴とする。
これにより、目的とする含有率で炭素を含み、目的の特性を示す高品質の焼結体が得られる。
本発明の焼結体では、炭素含有率が0.05質量%以下であり、かつ、引張強さが550MPa以上であることが好ましい。
このような物性を示す焼結体は、引張強さが特に高く、かつ、耐食性も特に高いため、厳しい使用環境下で、大きな負担が加わる部材等に、好適に適用可能なものとなる。
以下、本発明の焼結体の製造方法および焼結体について、詳細に説明する。
図1は、本発明の焼結体の製造方法の実施形態を示す工程図、図2は、本発明の焼結体の製造方法の実施形態で用いる混練物(組成物)の縦断面を模式的に示す図、図3は、本発明の焼結体の製造方法の実施形態で得られた成形体の縦断面を模式的に示す図、図4は、本発明の焼結体の製造方法の実施形態で得られた脱脂体の縦断面を模式的に示す図、図5は、本発明の焼結体の縦断面を模式的に示す図である。
本発明の焼結体の製造方法は、図1に示すように、組成物を用意する組成物調製工程と、成形体を製造する成形工程と、脱脂処理を行う脱脂工程と、焼成を行う焼成工程とを有する。以下、これらの工程の順にしたがって説明する。
[1A]組成物調製工程(第1の工程)
まず、金属粉末10と、有機バインダー20とを用意し、これらを混練機により混練し、図2に示すような混練物(組成物)1を得る。
この混練物(コンパウンド)1中では、金属粉末10が均一に分散している。
また、金属粉末10と有機バインダー20とは、互いに化学反応しないものであるのが好ましい。
このような金属粉末10を構成する金属材料としては、例えば、ステンレス鋼、ダイス鋼、高速度工具鋼、低炭素鋼、Fe−Ni合金、Fe−Ni−Co合金等の各種Fe系合金、各種Ni系合金、各種Cr系合金等が挙げられる。
これらの中でも、金属粉末10としては、Fe系合金を主材料とするものが好ましく、ステンレス鋼を主材料とするものがより好ましい。このようなFe系合金は、炭素含有率に応じて種々の特性を取り得るため、本発明の作用・効果がより有効である。すなわち、本発明によれば、得られる焼結体の炭素含有率を制御することができるので、Fe系合金を主材料とする金属粉末10を用いることにより、用途に応じて、目的とする特性を発揮する焼結体を容易に製造することができる。
ステンレス鋼の具体例としては、SUS304、SUS316、SUS317、SUS329、SUS410、SUS430、SUS440、SUS630等が挙げられる。
また、組成の異なる2種類以上の金属粉末10を混合して用いてもよい。これにより、従来、鋳造では製造できなかったような合金組成の焼結体をも製造することもできる。また、新規な機能や多機能を有する焼結体が容易に製造でき、焼結体の機能・用途の拡大を図ることができる。
ところで、従来は、焼結体を得るための原料粉末には、一般に平均粒径が10〜100μm程度の金属粉末を用いていた。したがって、このような原料粉末を用いて製造された焼結体の結晶組織は、その粒径が比較的大きなものとなり、機械的強度が十分に高い焼結体を得ることは困難であった。
これに対して、本発明では、金属粉末として平均粒径が6μm以下の微粉末を用いることとした。このような粒径が極めて微小な金属粉末を原料粉末として用いることにより、最終的に得られる焼結体の結晶組織の粒径(以下、省略して「結晶粒径」とも言う。)を著しく小さくすることができる。
ここで、金属の機械的強度は、結晶粒径の1/2乗に反比例して高まることが経験的に知られている。すなわち、結晶粒径を小さくすることにより、金属の機械的強度を飛躍的に高めることができる。これは、微細な結晶組織の集合体では、亀裂の進展が抑制され、破壊確率が低下するためと考えられる。したがって、本発明の焼結体の製造方法により得られた焼結体は、機械的強度に優れたものとなる。
なお、前述したように、本発明では、平均粒径6μm以下の金属粉末10を用いるが、平均粒径3μm以下の金属粉末10を用いるのが好ましい。このような金属粉末10を用いることにより、引張強度や硬度等の機械的特性に特に優れた焼結体が得られる。
また、平均粒径の下限値は、特に限定されないが、金属粉末10の製造技術を考慮すると、好ましくは1μm程度とされる。
さらに、特に、比表面積が200m/kg以上の金属粉末10を用いるのが好ましく、400〜900m/kg程度の金属粉末10を用いるのがより好ましい。このように比表面積の広い金属粉末10は、表面の活性(表面エネルギー)が高くなり、より低いエネルギーの付与でも容易に焼結することができる。したがって、後述する焼成工程[4A]において、脱脂体をより短時間で焼結させることができる。
また、金属粉末10は、例えば、アトマイズ法(例えば、水アトマイズ法、ガスアトマイズ法、高速回転水流アトマイズ法等)、還元法、カルボニル法、粉砕法により製造されたものを用いることができるが、アトマイズ法により製造されたものを用いるのが好ましい。アトマイズ法によれば、極めて微小な金属粉末10を効率よく製造することができる。
また、アトマイズ法で製造された金属粉末10は、真球に比較的近い球形状をなしているため分散性や流動性に優れており、成形時に混練物1を成形型に充填する際、その充填性を高めることもできる。
有機バインダー20としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリエーテル、ポリビニルアルコール、またはこれらの共重合体等の各種樹脂や、各種ワックス、パラフィン、高級脂肪酸(例:ステアリン酸)、高級アルコール、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を混合して用いることができる。
このうち、有機バインダー20としては、ポリオレフィンを主成分とするものが好ましい。ポリオレフィンは、還元性ガスによる分解性が比較的高い。このため、ポリオレフィンを有機バインダー20の主成分として用いた場合、より短時間で確実に成形体2の脱脂を行うことができる。
また、有機バインダー20の含有量は、混練物1全体の2〜20wt%程度であるのが好ましく、5〜10wt%程度であるのがより好ましい。有機バインダーの含有率が前記範囲内であることにより、成形性よく成形体を形成することができるとともに、密度を高め、成形体1の形状の安定性等を特に優れたものとすることができる。また、これにより、成形体と脱脂体との大きさの差、いわゆる収縮率を小さくすることができる。その結果、脱脂体および焼結体の寸法精度を向上させることができる。
また、混練物1中に、可塑剤が添加されていてもよい。この可塑剤としては、例えば、フタル酸エステル(例:DOP、DEP、DBP)、アジピン酸エステル、トリメリット酸エステル、セバシン酸エステル等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。
さらに、混練物1中には、金属粉末10、有機バインダー20、可塑剤の他に、例えば、酸化防止剤、脱脂促進剤、界面活性剤等の各種添加物を必要に応じ添加することができる。
混練条件は、用いる金属粉末10の金属組成や粒径、有機バインダー20の組成、およびこれらの配合量等の諸条件により異なるが、その一例を挙げれば、混練温度:50〜200℃程度、混練時間:15〜210分程度とすることができる。
また、混練物1は、必要に応じ、ペレット(小塊)化される。ペレットの粒径は、例えば、1〜15mm程度とされる。
[2A]成形工程(第2の工程)
次に、混練物1を成形して、目的の焼結体と同形状の成形体を製造する。
成形体の製造方法(成形方法)は、特に限定されず、例えば、金属粉末射出成形(MIM:Metal Injection Molding)法、圧縮成形(圧粉成形)法、押出成形法等が挙げられるが、この中でも、金属粉末射出成形法が好ましい。
このMIM法は、比較的小型のものや、複雑で微細な形状の成形体をニアネット(最終形状に近い形状)で製造することができ、用いる金属粉末10の特性を十分に生かすことができるという利点を有する。このため、本発明を適用する上でその効果が有効に発揮される成形体を得ることができる。
以下、成形方法の一例として、MIM法による成形体の製造について説明する。
まず、前記工程[1A]で得られた混練物1または混練物1より造粒されたペレットを用いて、射出成形機により射出成形し、所望の形状、寸法の成形体2を製造する。この場合、成形型の選択により、複雑な形状の成形体2をも容易に製造することができる。
このようにして得られた成形体2は、図3に示すように、有機バインダー20中に、金属粉末10がほぼ均一に分散した状態となっている。
なお、製造される成形体2の形状寸法は、以後の脱脂および焼結による成形体2の収縮分を見込んで決定される。
射出成形の成形条件としては、用いる金属粉末10の金属組成や粒径、有機バインダー20の組成およびこれらの配合量等の諸条件により異なるが、その一例を挙げれば、材料温度は、好ましくは80〜200℃程度、射出圧力は、好ましくは2〜30MPa(20〜300kgf/cm)程度とされる。
[3A]脱脂工程(第3の工程)
前記工程[2A]で得られた成形体2に対し、脱脂処理(脱バインダー処理)を施し、脱脂体を得る。
ここで、従来では、このような成形体に対する脱脂処理を、酸化性雰囲気または不活性雰囲気で行っていた。しかしながら、成形体中の有機バインダーを十分に除去することができず、最終的に得られる焼結体中に炭素が多量に残存するという問題があった。
また、成形体を構成する金属粉末の平均粒径が小さい(6μm程度以下)場合には、前述したように、機械的特性に優れた焼結体が得られるものの、成形体中心部の有機バインダーが除去される前に成形体の焼結が進行してしまい、成形体中に有機バインダー、すなわち炭素が閉じ込められるという問題が顕著であった。このため、従来では、粒径の小さい金属粉末で構成された焼結体中の炭素含有率は、原材料である金属粉末の炭素含有率によらず、高くなる傾向にあり、この傾向は、不可避的なものと考えられてきた。
このような炭素含有率が高い焼結体では、炭素の影響による耐食性のような化学的特性の低下が懸念される。
すなわち、従来の方法では、平均粒径が小さい金属粉末で構成された焼結体は、その製造過程で炭素含有率が大きく変化し、焼結体中の炭素含有率を制御することが困難である。このため、前記平均粒径の小さい金属粉末に応じた高い機械的特性を有し、かつ、所定の目的とする含有率で炭素を含む焼結体を得ることは不可能であるとされていた。
上記のような問題点に対し、本発明者は、炭素を所定の目的とする含有率で含み、機械的特性および化学的特性に優れた焼結体を製造するための条件について鋭意検討した結果、平均粒径6μm以下の金属粉末10を用い、この金属粉末10を含む成形体2を還元性雰囲気中で脱脂し、その後、焼成する方法が、前記問題点を解決するために有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明では、成形体2に対する脱脂処理を、還元性ガスを含む還元性雰囲気中で加熱することにより行う。この処理により、成形体2中の有機バインダーを速やかに分解し、成形体2中から除去することができる。これにより、脱脂体中の有機バインダーの残存量を極めて少なく抑えることができる。
したがって、炭素含有率が少ない金属粉末を用いた場合には、脱脂処理において、成形体2中に残存する有機バインダーを極めて少ない量に抑制することができるので、最終的に、炭素含有量が少ない焼結体を得ることができる。
換言すれば、焼結体の製造過程における炭素量の増大を防止することができるので、金属粉末10の炭素含有率を焼結体に反映させ易くなり、所定の含有率で炭素を含む焼結体を、効率よく製造することができる。
また、本発明によれば、脱脂処理を還元性雰囲気中で行うことにより、成形体2中に含まれる金属粉末10の酸化を確実に防止するという利点もある。
還元性雰囲気が含む還元性ガスとしては、例えば、水素、一酸化炭素のようなガスの他、アンモニア分解ガスのような混合ガスを用いることもできる。このうち、還元性ガスは、水素ガスであるのが好ましい。水素ガスは、還元作用が強いため、成形体2中の有機バインダーをより速やかに分解することができる。このため、成形体2に対する脱脂処理をより高速かつ十分に行うことができ、焼結体中の炭素量の増加を確実に防止することができる。
また、水素ガスを構成する水素分子は、その分子サイズが非常に小さいため、成形体2中の隙間に容易に侵入することができる。このため、水素ガスによれば、成形体2の内部に存在する有機バインダーも容易に分解・除去することができ、焼結体の表層部はもちろん、中心部においても、炭素量の増加を確実に防止することができる。
さらに、水素ガスは、熱伝導率が非常に高いので、加熱源から発生した熱を成形体2に効率よく伝達するとともに、加熱された成形体2を効率よく放熱することができる。その結果、脱脂工程における成形体2の加熱・冷却を効率よく行うことができるという利点もある。
ここで、還元性雰囲気は、還元性ガスのみで構成されていてもよいが、他のガスを含む場合、窒素、ヘリウム、アルゴンのような不活性ガスを含んでいるのが好ましい。これらの不活性ガスは、還元性ガスによる有機バインダーの分解作用を阻害するのを防止するとともに、還元性雰囲気の安全性が増すので、その取り扱いを容易にすることができる。
この場合、還元性雰囲気が含む還元性ガスの濃度は、特に限定されないが、50vol%以上であるのが好ましく、70vol%以上であるのがより好ましい。これにより、還元性雰囲気の安全性を担保しつつ、還元性ガスによる有機バインダーの分解作用が十分に発揮される。
なお、例えば、アンモニア分解ガスの場合、その成分は、水素ガスと窒素ガスの混合ガスであり、水素ガス(還元性ガス)の濃度は、75vol%である。
また、脱脂処理において、成形体2を加熱する際の温度(加熱温度)は、有機バインダーの分解開始温度等によって若干異なるが、100〜750℃程度であるのが好ましく、150〜600℃程度であるのがより好ましい。これにより、還元性ガスによる有機バインダーの分解作用が十分に発揮され、成形体2の脱脂を高速かつ十分に行うことができる。
また、成形体2を加熱する時間(加熱時間)は、成形体2の体積等に応じて若干異なるが、加熱温度を前記範囲内とした場合、0.1〜20時間程度とするのが好ましく、0.5〜15時間程度とするのがより好ましい。これにより、成形体2の脱脂を必要かつ十分に行うことができる。
さらに、成形体2を加熱する際の平均加熱速度は、1〜10℃/分程度であるのが好ましい。
ところで、このような脱脂工程は、脱脂条件の異なる複数の過程(ステップ)に分けて行うことにより、成形体2中の有機バインダーをより速やかに、そして、成形体2中に残存させないように分解・除去することができる。
この過程の数は、特に限定されないが、本実施形態では、代表として、2つの過程を有する場合について説明する。
本実施形態では、脱脂工程が、成形体2中から有機バインダーの一部を除去する第1の脱脂過程と、該第1の脱脂工程を経た成形体2中から有機バインダーの残部を除去する第2の脱脂過程とを有する。このように、複数の段階を経て有機バインダーを除去することにより、有機バインダーを徐々に除去することができる。これにより、脱脂の進行が成形体2の一部に偏ることなく、均一に脱脂を行うことができる。
ところで、上記各過程のうち、第1の脱脂過程では、成形体2中から有機バインダーの一部を除去する方法であれば、いかなる方法によって有機バインダーが除去されてもよい。
具体的な方法としては、例えば、成形体2を加熱する方法、有機バインダーを溶解する溶媒に成形体2を接触させる方法等が挙げられる。
成形体2を加熱する場合、その加熱温度は、150〜350℃程度であるのが好ましい。このような比較的低温で成形体2を加熱することにより、成形体2中の有機バインダーの全部が急激に分解・気化するのを防止することができる。これにより、気化した有機バインダーが成形体2の外部に放出される際に、成形体2に変形をもたらし、その結果、成形体2の保形性が低下するのを防止することができる。
また、成形体2の加熱雰囲気としては、例えば、酸化性雰囲気、不活性雰囲気、還元性雰囲気、減圧雰囲気等が挙げられるが、特に、減圧雰囲気であるのが好ましい。これにより、減圧された雰囲気の作用により、成形体2中の比較的揮発し易い成分の除去を優先して行うことができる。このため、成形体2中の有機バインダーを段階的に除去することができ、成形体2の保形性をより高めることができる。
なお、このような減圧雰囲気による第1の脱脂過程を経た成形体2には、揮発し易い成分が除去されてなる空孔が生じる。この空孔は、成形体2の外部と連通しているため、後に詳述する第2の脱脂過程では、この空孔を介して、有機バインダーの分解物を成形体2から除去することができる。これにより、成形体2の中心部まで確実に脱脂処理を行うことができる。
このような減圧雰囲気の圧力は、特に限定されないが、1×10−1〜1×10−5[Pa]程度であるのが好ましく、1×10−2〜1×10−4[Pa]程度であるのがより好ましい。これにより、前記のような作用・効果がより顕著なものとなる。
一方、第2の脱脂過程では、第1の脱脂工程を経た成形体2を還元性雰囲気中で加熱することにより、有機バインダーの残部を除去する。
成形体2の加熱温度は、400〜600℃程度であるのが好ましい。これにより、成形体2が焼結することなく、還元性ガスによる有機バインダーの分解作用が十分に発揮され、成形体2の脱脂処理を確実に行うことができる。
なお、この第2の脱脂過程では、前述したように、成形体2に形成された空孔を介して有機バインダーが除去される。このとき、空孔内に還元性ガスが侵入して有機バインダーの分解を促進するが、この空孔の内径は非常に小さいため、還元性ガスの種類によっては、空孔内に侵入し難いものもある。ところが、還元性ガスとして水素ガスを用いることにより、このような小さな空孔へも、還元性ガスが容易に侵入することができる。また、本発明で用いる金属粉末10は、平均粒径が6μm以下と非常に小さいため、上記の空孔の内径もさらに小さいものになると考えられるが、そのような特に小さな空孔へも、水素ガスであれば容易に侵入することができる。
このようにして有機バインダー20を除去し、図4に示すような脱脂体3を得る。
この脱脂体3は、その炭素含有率が、金属粉末10の炭素含有率をより忠実に反映した焼結体4を得るのに適したものとなる。すなわち、脱脂体3の炭素含有率と、金属粉末10の炭素含有率との差を、より小さくすることができる。
[4A]焼成工程(第4の工程)
前記工程[3A]で得られた脱脂体3を、焼成炉で焼成して焼結させ、焼結体を製造する。
この焼結により、金属粉末10は、粒子同士の界面で拡散が生じ、粒成長して、結晶組織となる。これにより、全体的に緻密な、すなわち低空孔率で高密度の焼結体が得られる。
焼成温度は、特に限定されないが、1000〜1350℃程度であるのが好ましく、1000〜1200℃程度であるのがより好ましく、1000〜1100℃程度であるのがさらに好ましい。このような温度で脱脂体3を焼成することにより、結晶組織が必要以上に肥大化するのを防止することができる。その結果、微小な結晶組織を有し、機械的特性および化学的特性に優れた焼結体4が得られる。
なお、焼成温度が前記下限値を下回ると、全体または部分的に焼結が不十分となるため、得られる焼結体4の機械的特性や表面粗さが低下するおそれがある。一方、焼成温度が前記上限値を上回ると、焼結が必要以上に進行することとなり、結晶組織30が肥大化し、得られる焼結体4の機械的特性が低下するおそれがある。
また、焼成時間は、焼成温度を前記範囲とする場合、0.2〜7時間程度であるのが好ましく、1〜4時間程度であるのがより好ましい。かかる時間の焼成を、前記温度範囲の焼成温度で行うことにより、脱脂体3の焼結をより確実に最適化して、結晶組織の肥大化を確実に防止しつつ焼結させることができる。その結果、極めて微小な結晶組織30を得ることができる。
焼成の際の雰囲気は、特に限定されないが、水素、一酸化炭素のような還元性雰囲気、窒素、ヘリウム、アルゴンのような不活性雰囲気、これら各雰囲気を減圧した減圧雰囲気等が挙げられる。
このような焼結体4は、その炭素含有率が、金属粉末10の炭素含有率をより忠実に反映したものとなる。
したがって、例えば、金属粉末10として、炭素含有率の低いものを用いることにより、炭素含有率の低い焼結体4を得ることができる。
具体的には、金属粉末の炭素含有率を0.05質量%以下としたとき、焼結体4における炭素含有率は、0.05質量%以下であるのが好ましく、0.03質量%以下であるのがより好ましい。このように炭素含有率が極めて小さい焼結体4は、耐食性のような化学的特性にも特に優れたものとなる。
なお、金属粉末の炭素含有率に対する、焼結体の炭素含有率の増減量の割合を算出した場合、この割合(以下、省略して「増減率」とも言う。)が小さいほど、原材料である金属粉末の炭素含有率と、最終形態である焼結体の炭素含有率との間に、より強い相関関係が認められることとなる。そして、この相関関係が強いほど、金属粉末の炭素含有率を所定の値に設定することにより、焼結体の炭素含有率を目的の値に容易に近付けることができるようになる。
かかる観点から、この増減率は、50%以下であるのが好ましく、30%以下であるのがより好ましい。増減率が前記範囲内であれば、金属粉末の炭素含有率と焼結体の炭素含有率との間に強い相関関係が認められることとなり、金属粉末の炭素含有率を設定することで、焼結体の炭素含有率を容易に調整することができるようになる。
以上のようにして、焼結体4(本発明の焼結体)を得ることができる。
上記のような本発明によれば、金属粉末10の平均粒径が6μmと非常に小さくても、焼結体4中の炭素含有率が増大するのを、確実に防止することができる。したがって、粒径の小さな金属粉末10を用いても、目的とする所定の含有率で炭素を含む焼結体4を、効率よく製造することができる。すなわち、本発明によれば、焼結体4中の炭素含有率を容易に制御することができる。
このようにして得られた焼結体4は、結晶組織が小さいため、機械的特性に優れており、また、炭素含有率の低い金属粉末10を用いた場合には、その炭素含有率を確実に低く抑えることができるので、耐食性(化学的特性)に優れたものとなる。
具体的には、焼結体4は、炭素含有率が0.05質量%以下であり、かつ、引張強さが550MPa以上であるのが好ましい。また、より好ましくは、炭素含有率が0.03質量%以下であり、かつ、引張強さが580MPa以上である。このような物性を示す焼結体4は、引張強さが特に高く、かつ、耐食性も特に高いため、厳しい使用環境下で、大きな負荷が加わる部材等に、好適に適用可能なものとなる。そして、本発明の焼結体の製造方法によれば、このような高品質の焼結体を、効率よく製造することができる。
以上、本発明の焼結体の製造方法および焼結体について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、焼結体の製造方法では、必要に応じて、任意の工程を追加することもできる。
1.焼結体の製造
(実施例1)
[1]まず、水アトマイズ法により製造された、平均粒径2.3μm、比表面積820m/kgのステンレス鋼SUS−316L粉末(エプソンアトミックス社製、PF−2F)と、ポリプロピレンとワックスの混合物(有機バインダー)とを、質量比で9:1となるように秤量して混合原料を得た。また、混合原料には、可塑剤としてフタル酸ジブチル(DBP)を添加した。
なお、平均粒径は、粒度分布測定装置(日機装(株)社製、Microtrac HRA 9320-X100)により測定した。
[2]次に、この混合原料を、混練機で混練し、コンパウンドを得た。
[3]次に、このコンパウンドを、以下に示す成形条件で、射出成形機にて射出成形を行い、成形体を作製した。
<成形条件>
・材料温度:150℃
・射出圧力:11MPa(110kgf/cm
[4]次に、得られた成形体に対して、以下に示す脱脂条件で熱処理(脱脂処理)を施し、脱脂体を得た。
<脱脂条件>
・加熱温度 :520℃
・加熱時間 :5時間
・加熱雰囲気:水素ガス雰囲気(水素ガス濃度100vol%)
[5]次に、得られた脱脂体を、以下に示す焼成条件で焼成した。これにより、焼結体を得た。
<焼成条件>
・焼成温度 :1200℃
・焼成時間 :2.5時間
・加熱雰囲気:パーシャルガス雰囲気(減圧Ar雰囲気)
・雰囲気圧力:10Torr
(実施例2〜6)
金属粉末の条件および脱脂条件を表1に示すように変更した以外は、それぞれ前記実施例1と同様にして焼結体を得た。
(比較例1〜14)
金属粉末の条件および脱脂条件を表1に示すように変更した以外は、それぞれ前記実施例1と同様にして焼結体を得た。
2.評価
2.1 炭素含有率の評価
各実施例および各比較例で用いた金属粉末、各実施例および各比較例で得られた脱脂体・焼結体について、それぞれの炭素含有率を、炭素・硫黄同時分析装置(RECO社製、CS-200)により測定した。
また、得られた測定値から、金属粉末の炭素含有率に対する、焼結体の炭素含有率の増減量の割合(増減率)を求めた。
2.2 引張強さの評価
各実施例および各比較例で得られた焼結体について、それぞれの引張強さを、JIS Z 2241にしたがって測定した。
2.3 総合評価
前記2.1〜2.2の各評価結果を総合し、以下の評価基準にしたがって評価した。
◎:増減率が30%以下で、かつ、引張強さが580MPa以上である
○:増減率が50%以下で、かつ、引張強さが550MPa以上である
△:増減率が50%以下、または、引張強さが550MPa以上、のいずれか一方のみを満たす
×:増減率が50%超で、かつ、引張強さが550MPa未満である
以上、2.1〜2.3の評価結果を表1に示す。
Figure 2008189981
表1に示すように、各実施例で得られた焼結体は、いずれも、炭素含有率の増減率が小さく、かつ、引張強さが大きいものであった。また、金属粉末として、炭素含有率が0.03質量%以下の「低炭素」材料を用いたことにより、炭素含有率が極めて低い焼結体を得ることができた。これは、すなわち、金属粉末の炭素含有率を忠実に反映させた含有率で炭素を含んだ焼結体を得ることができたと言える。
また、実施例1、2で得られた焼結体は、平均粒径3μm以下の金属粉末を用いたことにより、引張強さが580MPaと特に高い値であった。
一方、各比較例で得られた焼結体には、いずれも、炭素含有率の増減率が大きい、または、引張強さが小さいという問題があった。
本発明の焼結体の製造方法の実施形態を示す工程図である。 本発明の焼結体の製造方法の実施形態で用いる混練物(組成物)の縦断面を模式的に示す図である。 本発明の焼結体の製造方法の実施形態で得られた成形体の縦断面を模式的に示す図である。 本発明の焼結体の製造方法の実施形態で得られた脱脂体の縦断面を模式的に示す図である。 本発明の焼結体の縦断面を模式的に示す図である。
符号の説明
1……混練物(組成物) 2……成形体 3……脱脂体 4……焼結体 10……金属粉末 20……有機バインダー 30……結晶組織

Claims (12)

  1. 金属粉末と有機バインダーとを含む組成物を用意する第1の工程と、
    該組成物を成形して、成形体を得る第2の工程と、
    該成形体中から前記有機バインダーを除去して、脱脂体を得る第3の工程と、
    該脱脂体を焼成して、焼結体を得る第4の工程とを有し、
    前記金属粉末は、平均粒径6μm以下のものであり、
    前記第3の工程において、還元性雰囲気中で前記成形体を加熱することにより、前記有機バインダーを分解・除去することを特徴とする焼結体の製造方法。
  2. 前記還元性雰囲気は、還元性ガスとして水素ガスを含む請求項1に記載の焼結体の製造方法。
  3. 前記還元性雰囲気中の還元性ガスの濃度は、50vol%以上である請求項1または2に記載の焼結体の製造方法。
  4. 前記第3の工程において、前記成形体の加熱温度は、100〜750℃である請求項1ないし3のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
  5. 前記第3の工程において、前記成形体の加熱時間は、0.1〜20時間である請求項4に記載の焼結体の製造方法。
  6. 前記第3の工程は、前記成形体中から前記有機バインダーの一部を除去する第1の脱脂過程と、該第1の脱脂過程を経た前記成形体中から前記有機バインダーの残部を除去する第2の脱脂過程とを有しており、
    該第2の脱脂過程において、還元性雰囲気中で前記成形体を加熱する請求項1ないし5のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
  7. 前記第1の脱脂過程において、減圧雰囲気中で前記成形体を加熱する請求項6に記載の焼結体の製造方法。
  8. 前記有機バインダーは、ポリオレフィンを主成分とするものである請求項1ないし7のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
  9. 前記第2の工程において、前記組成物を金属粉末射出成形法により成形する請求項1ないし9のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
  10. 前記金属粉末の炭素含有率に対する、前記焼結体の炭素含有率の増減量の割合は、50%以下である請求項1ないし9のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
  11. 請求項1ないし10のいずれかに記載の焼結体の製造方法により製造されたことを特徴とする焼結体。
  12. 炭素含有率が0.05質量%以下であり、かつ、引張強さが550MPa以上である請求項11に記載の焼結体。
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