JP2008170675A - 液晶装置及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】透過表示領域及び反射表示領域のいずれにおいても、優れた視認性を発揮することができ、信頼性に優れた半透過反射型の液晶装置及び電子機器を提供する。
【解決手段】TFTアレイ基板10及び対向基板20のうちのいずれか一方に設けられ、液晶層30を駆動する第1電極及び第2電極と、反射表示領域Rに設けられた反射層13と、反射層13に重なる内面位相差層28と、を備え、第1偏光板25の偏光軸は、第2偏光板24の偏光軸に直交しており、内面位相差層28の端部は、傾斜部28Aを有し、傾斜部28Aが透過表示領域Tに位置しており、傾斜部28Aの遅相軸が、第1偏光板25あるいは第2偏光板24のうちのいずれか一方の偏光軸に平行となっており、反射表示領域Rに位置する内面位相差層28の遅相軸が、第1偏光板25及び第2偏光板24の偏光軸と交差する。
【選択図】図1
【解決手段】TFTアレイ基板10及び対向基板20のうちのいずれか一方に設けられ、液晶層30を駆動する第1電極及び第2電極と、反射表示領域Rに設けられた反射層13と、反射層13に重なる内面位相差層28と、を備え、第1偏光板25の偏光軸は、第2偏光板24の偏光軸に直交しており、内面位相差層28の端部は、傾斜部28Aを有し、傾斜部28Aが透過表示領域Tに位置しており、傾斜部28Aの遅相軸が、第1偏光板25あるいは第2偏光板24のうちのいずれか一方の偏光軸に平行となっており、反射表示領域Rに位置する内面位相差層28の遅相軸が、第1偏光板25及び第2偏光板24の偏光軸と交差する。
【選択図】図1
Description
本発明は、液晶装置及び電子機器に関するものである。
従来から、明るい場所では外光を利用し、暗い場所ではバックライトなどの内部の光源を利用して表示を視認可能として半透過反射型の液晶装置が利用されている。この半透過反射型の液晶装置では、反射型と透過型を兼ね備えた表示方式を採用しており、周囲の明るさに応じて反射モードまたは透過モードのいずれかの表示方式に切り替えることにより、消費電力を低減しつつ周囲が暗い場合でも明瞭な表示が行えるようにしている。
このような半透過反射型の液晶装置では、1つの画素領域内に透過表示を行う透過表示領域と反射表示を行う反射表示領域とが設けられている。半透過反射型の液晶装置で効率よく反射表示と透過表示とを行うには、反射表示と透過表示とを単一の液晶層を用いて実現するために表示モード間での位相差の調整が必要である。そこで、下記特許文献1では、反射表示領域にリタデーションが2分の1波長の内面位相差層を形成し、反射表示領域の液晶層のリタデーションを4分の1波長とすることにより、明所から暗所を含む広範な環境で表示を可能とし、かつ広視野角で高画質の透過表示を可能としている。
特開2005−338256号公報
しかしながら、上記のような内面位相差層は、通常、その端部において膜厚が漸次変化する傾斜部が形成されてしまう。このような傾斜部では膜厚が連続的に変化することになるため、膜厚変化に応じてリタデーションが変化してしまい、反射表示領域全体として本体の設計値通りのリタデーションが得られないという問題がある。
また、傾斜部が形成されないように位相差層を設けることも考えられるが、このような場合、基板面に対する位相差層の端面のなす角度が大きくなるため、基板に対する内面位相差層の密着性が著しく低下し、内面位相差層が剥離する原因となるという問題がある。また、傾斜部を形成しないように位相差層を設けるのは困難であり、製造工程及びコストを増加させる要因ともなる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、透過表示領域及び反射表示領域のいずれにおいても、優れた視認性を発揮することができ、信頼性に優れた半透過反射型の液晶装置及び電子機器を提供することにある。
上記課題を解決するために、反射表示領域に配置される内面位相差層の傾斜部のみを透過表示領域に位置するように配置することも考えられる。これにより、反射表示領域側のおいて傾斜部による光の反射効率の低下を防止することができる。位相差層の遅相軸は偏光板の偏光軸と交差するように配置するのが一般的である。しかしながら、そのようにすると透過表示領域において傾斜部が存在する領域と傾斜部が存在しない領域とで位相差に差異が生じてしまう。
よって、この問題を解決するために本発明の液晶装置は、互いに対向する第1基板及び第2基板間に液晶層が挟持され、前記液晶層に対して前記第1基板側に設けられた第1偏光板と、前記液晶層に対して前記第2基板側に設けられた第2偏光板とを備え、1つの画素領域内に透過表示領域と反射表示領域とを有する半透過反射型の液晶装置であって、前記第1基板及び第2基板のうちのいずれか一方に設けられ、前記液晶層を駆動する第1電極及び第2電極と、前記反射表示領域に設けられた反射層と、前記反射層に重なる位相差層と、を備え、前記第1偏光板の偏光軸は、前記第2偏光板の偏光軸に直交しており、前記位相差層の端部は、傾斜部を有し、該傾斜部が前記透過表示領域に位置しており、前記傾斜部の遅相軸が、前記第1偏光板あるいは前記第2偏光板のうちのいずれか一方の偏光軸に平行となっており、前記反射表示領域に位置する前記位相差層の遅相軸が、前記第1偏光板及び前記第2偏光板の偏光軸と交差することを特徴とする。
本発明の液晶装置によれば、膜厚が漸次変化する位相差層の傾斜部が透過表示領域に位置するような構成となっているために、反射表示領域においては、傾斜部におけるリタデーションの変化が生じない。よって、反射表示領域側のコントラストの低下を回避することができる。また、傾斜部における遅相軸を第1偏光板或いは第2偏光板のうちのいずれか一方(光入射側の基板)の偏光軸に平行となるよう設定しておくことにより、電圧が無印加の時において、傾斜部におけるリタデーション変動の影響を受けることなく良好な表示を保つことができる。そのため、透過表示領域内において傾斜部による光漏れの発生が防止される。
また、反射表示領域に位置する傾斜部以外の位相差層の遅相軸が、第1偏光板及び第2偏光板のいずれの偏光軸にも交差するように設定されているので、反射表示領域側と透過表示領域側との位相差調整が良好に行われるようになっている。以上のことから、反射表示領域及び透過表示領域において、高コントラストを実現でき、優れた視認性を発揮させることができるようになる。なお、傾斜部により、位相差層の端部の角度が基板面に対して小さくなるため、位相差層の基板に対する密着性が良好となる。
また、前記位相差層は液晶材料から構成され、前記液晶材料を配向させる配向膜が、前記位相差層の下層側に設けられ、前記反射表示領域に位置する前記配向膜の配向方向は、前記第1偏光板及び前記第2偏光板の偏光軸と交差しており、前記透過表示領域に位置する前記配向膜の配向方向は、前記第1偏光板或いは前記第2偏光板のうちのいずれか一方の偏光軸に平行であることも好ましい。
このような構成によれば、位相差層を構成する液晶材料が配向膜の表面に施された配向処理に応じて配向することになる。よって、反射表示領域側に位置する位相差層が第1偏光板及び第2偏光板のいずれの偏光軸にも交差する遅相軸を有するものとなり、透過表示領域側に位置する位相差層、つまり傾斜部が第1偏光板或いは第2偏光板のいずれか一方の偏光軸に平行な遅相軸を有するものとなる。これにより、電圧が無印加の時において、透過表示領域に位置する傾斜部におけるリタデーション変動の影響を受けることなく良好な表示を保つことができる。
また、前記第1電極及び前記第2電極は、前記傾斜部に重なる領域を避けて配置されることも好ましい。
このような構成によれば、電圧を印加した際に、傾斜部が存在する領域の電界強度が、傾斜部が存在せずに電極が配置された領域(及び反射表示領域)に比べて弱まる、又はほとんど電界が印加されないために、傾斜部上に位置する液晶の配向方向は、配向膜によって規制される。そのため、傾斜部上では、電圧を印加した場合においても液晶の配向方向が殆ど変化せず、電圧が印加されていない場合と略同じ配向方向を示す。
つまり、位相差層の傾斜部が形成される領域に第1電極及び第2電極が配置されていると、電圧を印加した際に傾斜部上の液晶分子が透過表示領域に存在する他の液晶分子と同様に配向制御されることになる。すると、位相差層が存在する領域のリタデーションと、位相差層が存在しない領域のリタデーションとが異なってしまう。透過表示領域の表示には、傾斜部を透過した光も利用されるため、透過表示領域全体において所定の階調を得ようとしても、階調(配向)制御を行うことが困難である。
しかしながら、本発明では、位相差層の傾斜部が形成される領域に電極を配置しないことによって、傾斜部上の液晶分子は配向制御が行われない。そのため、傾斜部上に位置する液晶の配向方向は配向膜によって規制され、暗表示となりやすい。そのため、傾斜部を透過した光が、透過表示領域における表示に及ぼす影響を一定にすることができる。これにより、画素領域全体において一定の階調を得る場合に、正確に所望とする階調を得ることができる。
また、前記傾斜部に重なる領域を挟んで対向する電極には、同じ電圧が印加されることも好ましい。
このような構成によれば、電圧を印加した場合においても傾斜部を有する領域には電界が生じない。そのため、傾斜部上の液晶の配向制御が行われず、電圧が印加された場合においても暗表示となる。これにより、傾斜部を透過した光が透過表示領域における表示に影響を及ぼすことをより確実に回避することができる。よって、画素領域全体において一定の階調を得る場合に、より正確に所望とする階調を得ることができる。
このような構成によれば、電圧を印加した場合においても傾斜部を有する領域には電界が生じない。そのため、傾斜部上の液晶の配向制御が行われず、電圧が印加された場合においても暗表示となる。これにより、傾斜部を透過した光が透過表示領域における表示に影響を及ぼすことをより確実に回避することができる。よって、画素領域全体において一定の階調を得る場合に、より正確に所望とする階調を得ることができる。
また、位相差層が反射表示領域と透過表示領域とで液晶層の層厚を調整するための液晶層厚調整層として機能することも好ましい。
このような構成によれば、絶縁層からなる液晶層厚調整層を別個に設ける必要がないため、装置構成や製造プロセスを簡単にすることができる。また、位相差層はその殆どが反射表示領域側に設けるものであるため、位相差層の膜厚を調整することによって、位相差層自身を反射表示領域側の液晶層厚を薄くするための液晶層厚調整層として機能させることができる。
このような構成によれば、絶縁層からなる液晶層厚調整層を別個に設ける必要がないため、装置構成や製造プロセスを簡単にすることができる。また、位相差層はその殆どが反射表示領域側に設けるものであるため、位相差層の膜厚を調整することによって、位相差層自身を反射表示領域側の液晶層厚を薄くするための液晶層厚調整層として機能させることができる。
本発明の電子機器は、上記のような液晶装置を備えていることを特徴とする。
本発明の電子機器によれば、透過表示領域及び反射表示領域においても優れた視認性を発揮する液晶装置を備えるため、信頼性に優れた電子機器を提供することができる。
本発明の電子機器によれば、透過表示領域及び反射表示領域においても優れた視認性を発揮する液晶装置を備えるため、信頼性に優れた電子機器を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。なお、各図面において、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならせてある。また、以下の説明では、液晶装置の各構成部材における液晶層側を内側と呼び、その反対側を外側と呼ぶことにする。また、画像表示の最小単位となる領域を「サブ画素領域」と呼び、各色カラーフィルタを備えた複数のサブ画素領域の集合を「画像表示領域」と呼ぶ。また、サブ画素領域内において、液晶装置の表示面側から入射する光を利用した表示が可能な領域を「反射表示領域」と呼び、液晶装置の背面側(表示面と反対側)から入射する光を利用した表示が可能な領域を「透過表示領域」と呼ぶ。
[第1の実施の形態]
まず、本実施形態の液晶装置について説明する。
図1は、本実施形態の液晶装置の概略構成を示す断面図、図2は本実施形態の液晶装置におけるTFTアレイ基板の電極構成を示す平面図である。図3は内面位相差層の遅相軸を示す説明図である。なお、図1及び図2においては、1つのサブ画素領域を拡大して示すとともに図面を見易くするため、特定の部位を強調して示してあり、各構成要素の膜厚や寸法の比率等は適宜異ならせてある。
まず、本実施形態の液晶装置について説明する。
図1は、本実施形態の液晶装置の概略構成を示す断面図、図2は本実施形態の液晶装置におけるTFTアレイ基板の電極構成を示す平面図である。図3は内面位相差層の遅相軸を示す説明図である。なお、図1及び図2においては、1つのサブ画素領域を拡大して示すとともに図面を見易くするため、特定の部位を強調して示してあり、各構成要素の膜厚や寸法の比率等は適宜異ならせてある。
本実施形態の液晶装置は、スイッチング素子として薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下、TFTと略記する)を用いたアクティブマトリクス型の液晶装置の例である。
液晶装置1は、図1に示すように、TFTアレイ基板10(第1基板)とこれに対向配置された対向基板20(第2基板)との間に、例えば、後に詳述するような擬等方性液晶材料等で構成された液晶層30が挟持されている。TFTアレイ基板10においては、基板に対して面内方向(基板の面方向に平行な方向)の電場(横電界)を発生させ、この横電界で液晶材料の配向状態を変化させることで光スイッチング機能を持たせるインプレイン・スイッチング(In-Plane Switching、以下、「IPS」と略記する。)方式の電極構成が採用されている。
IPS方式では、電圧が印加されると液晶材料の配向状態が基板と平行方向に変化するため、広視野角に加え、見る方向による色調変化や白から黒までの全階調での色調変化が少なく、広い視野角(例えば、上下左右170度程度)が得られ、自然な画像を表示することができる。
TFTアレイ基板10における電極構成を図2に示す。
TFTアレイ基板10の内面には複数のサブ画素領域Sがマトリクス状に配置されている。平面視において、矩形状を呈するサブ画素領域Sの長手方向に延在する複数のデータ線2と、サブ画素領域Sの短手方向に延在する複数の走査線3とが互いに交差するように設けられている。データ線2は、画像信号を各列のサブ画素領域Sに供給する機能を有しており、走査線3は、各行のサブ画素領域SのTFT素子5に走査信号を供給する機能を有している。データ線2及び走査線3との交差部の近傍において走査線3がサブ画素領域Sの内側に向けて分岐してゲート電極4となり、画素スイッチング用のTFT素子5を構成している。
TFTアレイ基板10の内面には複数のサブ画素領域Sがマトリクス状に配置されている。平面視において、矩形状を呈するサブ画素領域Sの長手方向に延在する複数のデータ線2と、サブ画素領域Sの短手方向に延在する複数の走査線3とが互いに交差するように設けられている。データ線2は、画像信号を各列のサブ画素領域Sに供給する機能を有しており、走査線3は、各行のサブ画素領域SのTFT素子5に走査信号を供給する機能を有している。データ線2及び走査線3との交差部の近傍において走査線3がサブ画素領域Sの内側に向けて分岐してゲート電極4となり、画素スイッチング用のTFT素子5を構成している。
各サブ画素領域SのTFT素子5はソース電極及びドレイン電極の一方がデータ線2に接続され、他方は第1電極6に接続されている。この第1電極6は、走査線3に沿って延在する複数本の電極指6aを有し、例えばTFT素子5のドレイン電極に接続されている。
そして、走査線3に沿って延在する複数本の電極指7aを有する櫛歯状の第2電極7が設けられている。第2電極7の電極指7aは、平面的に第1電極6の電極指6aの間の位置に配置されている。このようにデータ線2の延在方向に、画素電極である電極指6aと共通電極である電極指7aとが交互に存在する。
ここで、各電極指7aは、共通電極線7bに接続されている。第2電極7は、各サブ画素領域S間で互いに接続されており、画像表示領域全体において一定の電位に保たれる構成となっている。すなわち、第1電極6(電極指6a)は画素電極であり、第2電極7(電極指7a)は共通電極である。そして、データ線2、走査線3、第1電極6(電極指6a)、第2電極7(電極指7a、共通電極線7b)、TFT素子5は、いずれも、TFTアレイ基板10上に設けられている。
そして、データ線2と走査線3で囲まれた領域(図2中の二点鎖線で囲まれた領域)が本実施形態の液晶装置1の一つのサブ画素領域Sを構成している。このサブ画素領域S内には、一つのサブ画素領域Sに対応して3原色のうちの一の着色層が配設され、3つのサブ画素領域Sで各着色層、青色(B)、緑色(G)、赤色(R)を含む画素領域を形成している。
TFTアレイ基板10は、図1に示すように、石英、ガラス等の透光性材料で構成された基板本体11の表面に、アルミニウム等の反射率の高い金属材料で構成された反射層13が、樹脂材料等で構成された絶縁層12を介して部分的に形成された構成をなしている。反射層13の形成領域が反射表示領域Rとなり、反射層13の非形成領域が透過表示領域Tとなる。このように液晶装置1は、反射表示及び透過表示を可能にした半透過反射型の液晶装置1である。
基板本体11上に形成された絶縁層12は、その表面に凹凸形状12aを具備してなり、その凹凸形状12aに対応して、反射層13の表面は凹凸部13aを有する。このような凹凸部13aにより反射光が散乱されるため、外部からの映り込みが防止され、広視野角の表示を得ることが可能とされている。凹凸形状12a上はさらに樹脂層14で被覆されている。この樹脂層14により反射層13の凹凸部13a上が平坦化され、平坦面とされた当該樹脂層14の表面上に第1電極6及び第2電極7が形成される。
画素電極としての第1電極6、及び共通電極としての第2電極7は、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide、以下、ITOと略記する)等の透明導電性材料で構成されている。
一方、透過表示領域Tにおいては、絶縁層12の表面に反射層13は形成されておらず、その表面が樹脂層14で被覆されている。すなわち透過表示領域Tでは、絶縁層12(凹凸形状12a)を被覆する樹脂層14上に、画素電極として透明導電性材料で構成された第1電極6及び第2電極7が形成されている。上述したように、第1電極6及び第2電極7は、各々、複数本の電極指6a、7aを有し、第2電極6の電極指6aは、平面的に第1電極7の電極指7aの間の位置に配置されている。よって、サブ画素領域Sの長手方向(データ線2の延在方向)において、電極指6a及び電極指7aが交互に存在する。
さらに、TFTアレイ基板10上には、第1電極6及び第2電極7を覆うようにして液晶層30との境界面に、ポリイミド等から構成される第1配向膜19が形成されている。この第1配向膜19には、所定の方向にラビング処理が施されており、液晶層30の液晶分子31の初期配向(電圧が無印加の時における配向)を、第1電極6及び第2電極7の各電極指6a,7aの延在方向に対して所定の角度で傾斜する方向に規制している。
次に、対向基板20側は、ガラスや石英等の透光性材料で構成された基板本体21上(基板本体21の液晶層30側の内面)に、カラーフィルタCF、位相差層用配向膜27、内面位相差層28(位相差層)、第2配向膜29がこの順で設けられた構成を具備している。ここで、カラーフィルタCFは、サブ画素領域Sに対応してブラックマトリクスBMにて区画され、このブラックマトリクスBMにより各サブ画素領域Sの境界が形成されている。
また、カラーフィルタCFの内面側(液晶層30を挟持する面側)には位相差層用配向膜27が形成されている。位相差層用配向膜27には、ラビング法等を用いて、透過表示領域T及び反射表示領域Rにおいて異なる配向処理が施されている。ここで、位相差層用配向膜27は、内面位相差層28の遅相軸を定める機能を有している。図3(a),(b)において、反射表示領域R側に位置する位相差層用配向膜27のラビング方向を図中矢印Oで示し、透過表示領域T側に位置する位相差層用配向膜27のラビング方向を図中矢印Pで示している。反射表示領域R側のラビング方向はデータ線2(図2参照)の延在方向に沿っており、透過表示領域T側のラビング方向はデータ線2の延在方向に対して所定の角度θ(45°程度)で傾斜した方向となっている。詳細には、図1に示す対向基板20の外面側に配置される後述の第1偏光板24の偏光軸Lに平行な方向のラビング処理が施されている。
内面位相差層28は、図1及び図3(a),(b)に示すように、各サブ画素領域S内における反射表示領域R側のカラーフィルタCFの内面上に設けられ、液晶層30に入射される可視光に対して1/2波長の位相差を付与するものである。この内面位相差層28は、液晶性モノマーを光重合して形成された高分子液晶により構成されている。内面位相差層28は、その端部に基板面に対して所定角度で傾斜する傾斜面28aを有する傾斜部28Aを備えており、当該傾斜部28Aの全体が透過表示領域Tに位置するよう配置されている。また、本実施形態の内面位相差層28は、液晶層30を透過する光に付与される位相差を反射表示領域Rと透過表示領域Tとの各々で最適化する機能を奏する液晶層厚調整層として機能する。ここでは、反射表示領域Rにおける液晶層30の位相差がλ/4、透過表示領域Tにおける液晶層30の位相差がλ/2となるように、反射表示領域R側の液晶層30を調整している。反射表示領域Rにおける液晶層厚は透過表示領域Tにおける液晶層厚の略1/2である。但し、λは光の波長である。
内面位相差層28の遅相軸は、反射表示領域R及び透過表示領域Tにおいて、それぞれ位相差層用配向膜27のラビング方向に対応した配向処理が施されている。本実施形態においては、反射表示領域R側に存在する内面位相差層28の遅相軸(図3中の矢印O)がデータ線2(図2参照)の延在方向に沿っているのに対して、透過表示領域T側に存在する内面位相差層28の傾斜部28Aの遅相軸(図3中の矢印P1)は、反射表示領域R側の遅相軸(図3中の矢印P2)に対して所定の角度(45°程度)傾斜したものとなっていて、後述の第1偏光板24の偏光軸Lと一致している。
ここで、カラーフィルタCFを形成した対向基板20上に、内面位相差層28を形成する方法を述べる。カラーフィルタCF上には、上記したように、反射表示領域R及び透過表示領域Tにおいて異なる方向にラビング処理が施された位相差層用配向膜27が形成されている。この位相差層用配向膜27上に、例えば、光反応性の液晶性モノマーを塗布して所定温度で加熱した後、冷却することによって、液晶モノマーを位相差層用配向膜27のラビング方向に応じた方向へと配向させる。次いで、フォトマスクを用いて紫外光による露光を行うことにより液晶性モノマーを局所的に光重合させた後、有機溶媒を用いて現像処理を施して反射表示領域R側に液晶性モノマー重合体を残存させる。このとき、液晶性モノマー重合体は、フォトマスクのパターンを反映して、透過表示領域T側における端部が透過表示領域T側へとはみ出すようにして残存する。そのため、透過表示領域T側にはみ出した液晶性モノマー重合体の端部において、その膜厚が漸次薄くなるようにして傾斜面が形成されることになる。これにより、透過表示領域Tに傾斜部28Aが位置する内面位相差層28が形成される。ここで、内面位相差層28の傾斜部28Aにおける液晶モノマーの配向方向は、あくまでも透過表示領域T側の位相差層用配向膜27のラビング方向に沿うものとされるため、反射表示領域Rに存在する液晶モノマーと配向方向を異ならせた内面位相差層28が形成される。
第2配向膜29は、内面位相差層28及びカラーフィルタCFの露出面を覆うようにして、ポリイミド等から構成されている。この第2配向膜29には、所定の方向に沿ってラビング処理が施されており、液晶層30の液晶分子の初期配向(電圧が無印加の時における配向)を、第1電極6及び第2電極7の各電極指6a,7aの延在方向に対して所定の角度(45°程度)で傾斜する方向に規制している。すなわち、詳細には、対向基板20の外面側に配置される後述の第1偏光板24の偏光軸Lに平行な方向のラビング処理が施されている。なお、上記した第1配向膜19のラビング方向と第2配向膜29のラビング方向とは平面視で同一方向となっている。
上記したTFTアレイ基板10及び対向基板20は、不図示のシール材によって貼り合わされ、シール材に形成された液晶注入口から液晶分子31を注入して液晶パネル35が得られる。
液晶パネル35には、TFTアレイ基板10及び対向基板20の外面側に、それぞれ第1偏光板24及び第2偏光板25が設けられており、図2に示すように、互いの偏光軸(光透過軸)L,Nが直交するように配置されている。第1偏光板24及び第2偏光板25は、電圧無印加状態における液晶装置1の光透過率が略0%、電圧印加状態の時における液晶装置1の光透過率が略50%となる。また、第1偏光板24及び第2偏光板25の光透過軸L,Nが、それぞれ走査線3及びデータ線2に対して所定角度(45°程度)で交差する方向に配置されている。このように、図1に示すTFTアレイ基板10及び対向基板20の両外側にこれらTFTアレイ基板10及び対向基板20を挟みこむようにして、第1偏光板24及び第2偏光板25をクロスニコル状態で貼り合せて本実施形態の液晶装置1としている。なお、本実施例においては、第1偏光板24及び第2偏光板25を、それぞれTFTアレイ基板10及び対向基板20の外側に配置したが、ワイヤーグリッド偏光層等をTFTアレイ基板10及び対向基板20の液晶層側に配置する構成としても良い。図2に示したように、対向基板20の外側に配置される第1偏光板24の偏光軸Lは、上記位相差層用配向膜27の透過表示領域T側のラビング方向と、内面位相差層28の遅相軸Oと略一致している。
なお、TFTアレイ基板10に設けられた第2偏光板25の外側には透過表示用の光源たる不図示のバックライトが設けられている。
このような液晶装置1では、TFTアレイ基板10に、第1電極6と第2電極7とを同一面内に配したIPS方式の電極構成を採用している。したがって、液晶層30は、第1電極6(電極指6a)と第2電極7(電極指7a)とで発生する横電界Fによって駆動される。
本実施形態の透過表示領域Tにおいて、内面位相差層28の傾斜部28Aが存在する領域を第1領域T1とし、傾斜部28Aが存在しない他の透過表示領域Tを第2領域T2とすると、傾斜部28Aが存在する第1領域T1にも画素電極或いは共通電極のいずれかが配置される構成となっている。本実施形態においては、図2に示すように、画素電極としての電極指6a(第1電極6)が第1領域T1に存在している。
ところで、マルチギャップ方式の液晶装置1においては、反射表示領域Rにおける液晶層30を通過する光の位相差と透過表示領域Tにおける液晶層30を通過する光の位相差が異なるという問題があった。ここで、例えば液晶層30の厚さをd、液晶の屈折率異方性をΔnとしたときに、光の位相差(リタデーション)はこれらの積Δn・dで表される。そのため、本実施形態では、液晶層30の位相差が反射表示領域Rでは1/4波長、透過表示領域Tでは1/2波長となるように液晶層30の屈折率異方性Δn及びセルギャップdが設定されている。
なお、液晶層30を構成する液晶分子の材料としては、誘電異方性が正のポジ型の液晶分子31が用いられ、電圧が印加状態の時には電界方向に沿って配向し、電圧が無印加状態の時には第1配向膜19及び第2配向膜29のラビング方向に沿って配向する。
〔液晶装置の動作〕
続いて、以上のような構成の液晶装置1の動作について説明する。
本実施形態における液晶装置1は、図1に示すように、IPS方式を用いた横電界方式の液晶装置1であり、TFT素子5を介して画素電極としての第1電極6に画像信号(電圧)を供給することで、電極指6aと電極指7aとの間に電極指6a,7a同士が対向する方向(基板の面方向)に沿う電界Eを生じさせ、この電界Eによって液晶層30を駆動する。そして、液晶装置1は、サブ画素領域Sごとに透過率を偏光させて表示を行う。すなわち、第1電極6(画素電極)に電圧を印加しない状態においては、液晶層30を構成する液晶分子31がTFTアレイ基板10及び対向基板20間においてラビング方向(図2に示すデータ線2に対して略45°傾斜した方向)に沿って基板面に対して略平行に配向した状態となっている。液晶層30を挟持して対向する第1配向膜19及び第2配向膜29は、平面視で同一方向にラビング処理が施されているので、液晶分子31は基板間で一方向に水平配向している。
続いて、以上のような構成の液晶装置1の動作について説明する。
本実施形態における液晶装置1は、図1に示すように、IPS方式を用いた横電界方式の液晶装置1であり、TFT素子5を介して画素電極としての第1電極6に画像信号(電圧)を供給することで、電極指6aと電極指7aとの間に電極指6a,7a同士が対向する方向(基板の面方向)に沿う電界Eを生じさせ、この電界Eによって液晶層30を駆動する。そして、液晶装置1は、サブ画素領域Sごとに透過率を偏光させて表示を行う。すなわち、第1電極6(画素電極)に電圧を印加しない状態においては、液晶層30を構成する液晶分子31がTFTアレイ基板10及び対向基板20間においてラビング方向(図2に示すデータ線2に対して略45°傾斜した方向)に沿って基板面に対して略平行に配向した状態となっている。液晶層30を挟持して対向する第1配向膜19及び第2配向膜29は、平面視で同一方向にラビング処理が施されているので、液晶分子31は基板間で一方向に水平配向している。
そして、かかる配向状態の液晶層30に対して画素電極(第1電極6)及び共通電極(第2電極7)を介して電界Eを作用させる。図2に示すように、透過表示領域T(第1領域T1、第2領域T2)及び反射表示領域Rでは、画素電極を構成する電極指6a、共通電極を構成する電極指7aの延在方向に対して直交する方向に沿う電界Eを液晶層30に発生させると、この電界Eの方向に沿って液晶分子31が配向することになる。
液晶装置1は、このような液晶分子31の配向状態の差異に基づく複屈折性を利用して明暗表示を行うようになっており、さらに透過表示領域Tと反射表示領域Rとで電圧が印加状態の時の液晶分子31の動作を異ならせることで、それぞれの領域で適切な透過率/反射率を得られるようになっている。
〔液晶装置の表示動作〕
次に、上記構成を具備した液晶装置の表示動作について図1及び図2を参照しつつ具体的に説明する。
まず、透過表示(透過モード)について説明する。
液晶装置1において、バックライトから射出された光は、第2偏光板25を透過することでこの第2偏光板25の偏光軸Nに平行な直線偏光に変換されて液晶層30へと入射する。
次に、上記構成を具備した液晶装置の表示動作について図1及び図2を参照しつつ具体的に説明する。
まず、透過表示(透過モード)について説明する。
液晶装置1において、バックライトから射出された光は、第2偏光板25を透過することでこの第2偏光板25の偏光軸Nに平行な直線偏光に変換されて液晶層30へと入射する。
透過表示領域Tにおいて、液晶層30が無印加状態(非選択状態)であれば、液晶層30に入射した直線偏光は、入射時と同一の偏光状態で液晶層30から射出する。このとき、内面位相差層28の傾斜部28Aが位置していない第2領域T2では、液晶層30を透過した直線偏光が第1偏光板24へと向かうことになるが、傾斜部28Aが位置している第1領域T1では、液晶層30から射出した直線偏光が傾斜部28Aに入射することになる。第2領域T2において液晶層30を透過した直線偏光は、この直線偏光と直交する透過軸を有する第1偏光板24に吸収されて、第2領域T2は暗表示となる。第1領域T1においては、傾斜部28Aの遅相軸が第1偏光板24の偏光軸と一致しているため、傾斜部28Aのリタデーションの影響を受けず、第2領域T2と同様に液晶層30を透過した直線偏光は、この直線偏光と直交する透過軸を有する第1偏光板24に吸収されて暗表示となる。
よって、これら第1領域T1及び第2領域T2において液晶層30を透過した直線偏光は、この直線偏光と直交する透過軸を有する第1偏光板24に吸収されて、透過表示領域T(第1領域T1及び第2領域T2)、反射表示領域Rを含むサブ画素領域Sが暗表示となる。
一方、液晶層30が印加状態(選択状態)であれば、液晶層30に入射した直線偏光は、液晶層30により所定の位相差(1/2波長)が付与されて、入射時の偏光方向から90°回転した直線偏光に変換されて液晶層30から射出する。この直線偏光は、第1偏光板24の透過軸と平行であるため、第1偏光板24を透過して表示光として視認されてサブ画素領域Sが明表示となる。傾斜部28Aにおいては、セル厚がλ/2より小さいため、完全には黒にならず第2領域T2に比べて低い透過率で明表示となる。
次に、反射表示(反射モード)について説明する。
反射表示領域Rにおいて、第1偏光板24の上方(外側)から入射した光は、第1偏光板24を通過することで第2偏光板25の偏光軸に平行な直線偏光に変換されて内面位相差層28に入射する。内面位相差層28は、当該内面位相差層28を通過する光に1/2波長の位相差を付与する、いわゆるλ/2位相差層であるから、内面位相差層28を透過する直線偏光は、それと直交する直線偏光に変換されて内面位相差層28から射出されて液晶層30に入射する。
反射表示領域Rにおいて、第1偏光板24の上方(外側)から入射した光は、第1偏光板24を通過することで第2偏光板25の偏光軸に平行な直線偏光に変換されて内面位相差層28に入射する。内面位相差層28は、当該内面位相差層28を通過する光に1/2波長の位相差を付与する、いわゆるλ/2位相差層であるから、内面位相差層28を透過する直線偏光は、それと直交する直線偏光に変換されて内面位相差層28から射出されて液晶層30に入射する。
そして、液晶層30の電圧が無印加状態(非選択状態)であれば、内面位相差層28により変換された直線偏光は、液晶層30により所定の位相差(λ/4)を付与されて右回りの円偏光に変換される。本実施形態の場合、内面位相差層28が液晶層厚調整層として機能するマルチギャップ構造であるために、反射表示領域Rにおける液晶層30の位相差が透過表示領域Tにおける位相差の半分に設定されているので、液晶層30を通過することで直線偏光が円偏光に変換される。
右回りの円偏光となって液晶層30から射出された光は反射層13により反射されるが、その際に第1偏光板24から見た回転方向が反転し、左回りの円偏光となって液晶層30に再度入射する。その後、液晶層30及び内面位相差層28により所定の位相差を付与されて直線偏光に変換されて第1偏光板24に戻る。この第1偏光板24に到達した直線偏光は、第2偏光板25の透過軸と直交する向きの直線偏光に変換されるから、第1偏光板24により吸収されて、このサブ画素領域Sは暗表示となる。
一方、液晶層30の電圧が印加状態(選択状態)であれば、内面位相差層28によってλ/2の位相差が付与された直線偏光と同一の偏光状態で液晶層30から射出されて反射層に達する。そして、反射層13で反射された光は再び液晶層30を通過して内面位相差層28に入射する。そして、再び内面位相差層28によってλ/2の位相差が付与されて、直線偏光に変換される。この直線偏光は、第1偏光板24の透過軸と平行な直線偏光であることから、第1偏光板24を透過して視認され、当該サブ画素領域Sは明表示となる。
上述したように、液晶装置1は、マルチギャップ構造を採用して反射表示領域Rにおける液晶層30の位相差を透過表示領域Tにおける液晶層30の位相差の約1/2としているので、液晶層30を2回透過した光を表示光に用いる反射表示と、液晶層30を1回のみ透過した光を表示光に用いる透過表示とで、表示光に付与される実質的な位相差に差が生じないようになっている。
本実施形態の液晶装置1では、内面位相差層28の傾斜部28Aが反射表示領域R側に存在しないので、傾斜部28Aにおける反射光に付与されるリタデーションの変化が生じない。よって、反射表示領域Rにおける光漏れに由来するコントラストの低下を回避することができる。また、傾斜部28Aにおける遅相軸は第1偏光板24の偏光軸に一致したものとなっているので、電圧が無印加の状態の時に、傾斜部28Aを透過する光の状態を変化させることなく良好に保つことができる。そのため、傾斜部28Aが透過表示領域T内に存在していても、透過表示領域Tの第1領域T1及び第2領域T2において、傾斜部28Aによる偏光のズレが生じない。
このようにして、反射表示領域R側において内面位相差層28の傾斜部28Aによるリタデーション変動の影響が回避されるので、反射表示領域Rと透過表示領域Tとの画像表示品質の差異をなくすことができ、透過表示と反射表示の双方で高画質の表示を得られるようになっている。
このような構成によれば、反射表示領域Rにおける位相差と透過表示領域Tにおける位相差を略等しくすることができる。これにより、光の利用効率を最も向上でき、透過表示が最も明るい構成とすることができる。また、コントラストの高い表示を得ることができる。さらに、反射表示の視認性も充分に確保することができる。また、上述した液晶装置1では横電界方式を採用しているので、視認性がよいという効果が得られる。
ここで上記実施形態においては、図1に示すように、内面位相差層28の傾斜部28Aにより、透過表示領域Tにおける第1領域T1のセルギャップd1と第2領域T2のセルギャップd2とが異なっている。そのため、第1領域T1の位相差値Δnd1よりも第2領域T2の位相差値Δnd2の方が大きくなっている。つまり、電圧が印加の状態において、傾斜部28Aが位置する第1領域T1の液晶分子31は、傾斜部28Aが位置しない第2領域T2の液晶分子31と同様に配向制御されるので、第1領域T1の液晶層のリタデーションと第2領域T2の液晶層のリタデーションとに違いが生じる。透過表示には、傾斜部28Aを透過した光も利用されるため、透過表示領域T全体において一定の階調を得ようとしても、リタデーションの違いにより階調(第1偏光板24を透過する光の透過率)を制御できない第1領域T1の光が表示に加わってしまい、所望の階調を表示させることが困難とされる。そこで、以下の第2実施形態においては、傾斜部28Aが存在する第1領域T1に電極を設けない構成とした。
[第2の実施の形態]
次に、本発明における液晶装置の第2実施形態を図面に基づいて説明する。ここで、図4〜6は、第2実施形態における液晶装置の電極構成を示す断面図である。なお、本実施形態では、第1実施形態のサブ画素領域Sの構成が異なるため、この点を中心に説明するとともに、上記実施形態で説明した構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。図5は電圧が無印加の状態の液晶の配向方向を示しており、図6は電圧が印加状態の液晶の配向方向を示している。
次に、本発明における液晶装置の第2実施形態を図面に基づいて説明する。ここで、図4〜6は、第2実施形態における液晶装置の電極構成を示す断面図である。なお、本実施形態では、第1実施形態のサブ画素領域Sの構成が異なるため、この点を中心に説明するとともに、上記実施形態で説明した構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。図5は電圧が無印加の状態の液晶の配向方向を示しており、図6は電圧が印加状態の液晶の配向方向を示している。
本実施形態の液晶装置50は、図4及び図5に示すように、透過表示領域Tにおいて、内面位相差層28の傾斜部28Aが存在する第1領域T1に、画素電極及び共通電極のいずれも配置されていない。透過表示領域T及び反射表示領域Rは、上記実施形態同様に、画素電極としての電極指6a(第1電極6)、共通電極としての電極指7a(第2電極7)がデータ線2の延在方向に交互に存在する。
反射表示領域Rには、透過表示領域T側の境界に第2電極7の電極指7aが配置されている。また、透過表示領域Tには、傾斜部28Aが存在しない第2領域T2において、傾斜部28Aが存在する第1領域T1との境界側に第2電極7の電極指7aが配置されている。本実施形態においては、第1領域T1の両側に第2電極7の電極指7aがそれぞれ対向配置された構成となっている。
このように、第1領域T1の両側に電極指7a同士が対向するように配置することによって、図6に示すように電圧を印加状態にしたときに、第1領域T1には電圧が印加されないことになる。これにより、電圧印加状態における第1領域T1に存在する液晶分子31の配向方向が電圧無印加時における液晶分子31の配向方向と同じ方向になる。つまり、第1領域T1の両側に同電位の電極指7a,7aを対向配置することによって、第1領域T1における液晶層30に電圧が印加されないために液晶の配向制御は行われない。そのため、第1領域T1においては、電圧が印加状態であっても暗表示となる。したがって、傾斜部28Aによって制御できない領域(第1領域T1)の光が透過表示に加わってしまうことをなくすことができる。
ここで、反射表示領域R及び第2領域T2(透過表示領域T)では画素電極としての電極指6aと共通電極としての電極指7aとが交互に配置されていることから、これら電極指6a,7a間に、これら電極指6a,7aの延在方向に直交する電界が作用して、液晶分子31が電界方向に配向する。よって、反射表示領域R及び第2領域T2(透過表示領域T)では、電圧が印加の状態のときに明表示となる。
本実施形態の液晶装置50の構成によれば、電圧が印加状態とされた場合にも、傾斜部28Aが存在する第1領域T1の表示を暗表示とすることができるので、第1領域T1の透過光が透過表示の影響を及ぼすことが防止される。そのため、サブ画素領域Sで一定の階調を得る場合に、正確に所望の階調を得ることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、前述した実施形態では、半透過反射型のカラー液晶装置の例を示したが、本発明は、白黒/カラーを問わず、適用可能である。すなわち、上記の実施形態のように、必ずしもカラーフィルタを備えなくてもよい。
また、前述した実施形態では、第1電極と画素スイッチング用のTFT素子とが電気的に接続された構成を例に挙げたが、この構成に限らず、第2電極と画素スイッチング用のTFT素子とが電気的に接続された構成としてもよい。
また、前述した実施形態では、第1電極と画素スイッチング用のTFT素子とが電気的に接続された構成を例に挙げたが、この構成に限らず、第2電極と画素スイッチング用のTFT素子とが電気的に接続された構成としてもよい。
さらに、第1電極及び第2電極、データ線、ゲート線等の各構成要素の形状、寸法、電極指の数等の具体的な記載に関しては、実施形態の例に限ることなく、適宜設計変更が可能である。
また、第2実施形態においては、透過表示領域Tにおける第1領域T1の両側に共通電極としての電極指7a(第2電極)を対向配置したが、画素電極としての電極指6a(第1電極)を対向配置するようにしてもよい。
また、第2実施形態においては、透過表示領域Tにおける第1領域T1の両側に共通電極としての電極指7a(第2電極)を対向配置したが、画素電極としての電極指6a(第1電極)を対向配置するようにしてもよい。
[電子機器]
図7は、本発明に係る電子機器の一例を示す斜視図である。同図の携帯電話1300は、本発明の液晶装置を小サイズの表示部1301として備え、複数の操作ボタン1302、受話口1303、及び送話口1304を備えて構成されている。上記各実施の形態の表示装置は、上記携帯電話に限らず、電子ブック、パーソナルコンピュータ、ディジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型あるいはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等々の画像表示手段として好適に用いることができ、いずれの電子機器においても、明るく、高コントラストであり、かつ広視野角の画像表示が可能になっている。
図7は、本発明に係る電子機器の一例を示す斜視図である。同図の携帯電話1300は、本発明の液晶装置を小サイズの表示部1301として備え、複数の操作ボタン1302、受話口1303、及び送話口1304を備えて構成されている。上記各実施の形態の表示装置は、上記携帯電話に限らず、電子ブック、パーソナルコンピュータ、ディジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型あるいはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等々の画像表示手段として好適に用いることができ、いずれの電子機器においても、明るく、高コントラストであり、かつ広視野角の画像表示が可能になっている。
1,50…液晶装置、10…TFTアレイ基板(第1基板)、20…対向基板(第2基板)、30…液晶層、S…画素領域、T…透過表示領域、T1…第1領域、T2…第2領域、R…反射表示領域、13…反射層、28…内面位相差層(位相差層)、24…第1偏光板、25…第2偏光板、28A…傾斜部、27…位相差層用配向膜、1300…携帯電話(電子機器)
Claims (6)
- 互いに対向する第1基板及び第2基板間に液晶層が挟持され、前記液晶層に対して前記第1基板側に設けられた第1偏光板と、前記液晶層に対して前記第2基板側に設けられた第2偏光板とを備え、1つの画素領域内に透過表示領域と反射表示領域とを有する半透過反射型の液晶装置であって、
前記第1基板及び第2基板のうちのいずれか一方に設けられ、前記液晶層を駆動する第1電極及び第2電極と、
前記反射表示領域に設けられた反射層と、
前記反射層に重なる位相差層と、を備え、
前記第1偏光板の偏光軸は、前記第2偏光板の偏光軸に直交しており、
前記位相差層の端部は、傾斜部を有し、該傾斜部が前記透過表示領域に位置しており、
前記傾斜部の遅相軸が、前記第1偏光板あるいは前記第2偏光板のうちのいずれか一方の偏光軸に平行となっており、
前記反射表示領域に位置する前記位相差層の遅相軸が、前記第1偏光板及び前記第2偏光板の偏光軸と交差することを特徴とする液晶装置。 - 前記位相差層は液晶材料から構成され、
前記液晶材料を配向させる配向膜が、前記位相差層の下層側に設けられ、
前記反射表示領域に位置する前記配向膜の配向方向は、前記第1偏光板及び前記第2偏光板の偏光軸と交差しており、
前記透過表示領域に位置する前記配向膜の配向方向は、前記第1偏光板或いは前記第2偏光板のうちのいずれか一方の偏光軸に平行であることを特徴とする請求項1記載の液晶装置。 - 前記第1電極及び前記第2電極は、前記傾斜部に重なる領域を避けて配置されることを特徴とする請求項1または2記載の液晶装置。
- 前記傾斜部に重なる領域を挟んで対向する電極には、同じ電圧が印加されることを特徴とする請求項3記載の液晶装置。
- 前記位相差層が、前記反射表示領域と前記透過表示領域とで前記液晶層の層厚を調整するための液晶層厚調整層として機能することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液晶装置。
- 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の液晶装置を備えたことを特徴とする電子機器。
Priority Applications (1)
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JP2007003237A JP2008170675A (ja) | 2007-01-11 | 2007-01-11 | 液晶装置及び電子機器 |
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Cited By (1)
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CN104460129A (zh) * | 2014-12-10 | 2015-03-25 | 深圳市华星光电技术有限公司 | 透反式液晶面板以及液晶显示器 |
-
2007
- 2007-01-11 JP JP2007003237A patent/JP2008170675A/ja not_active Withdrawn
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CN104460129A (zh) * | 2014-12-10 | 2015-03-25 | 深圳市华星光电技术有限公司 | 透反式液晶面板以及液晶显示器 |
WO2016090716A1 (zh) * | 2014-12-10 | 2016-06-16 | 深圳市华星光电技术有限公司 | 透反式液晶面板以及液晶显示器 |
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