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JP2008158219A - 電子写真用画像転写シート及び画像記録体 - Google Patents

電子写真用画像転写シート及び画像記録体 Download PDF

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JP2008158219A
JP2008158219A JP2006346373A JP2006346373A JP2008158219A JP 2008158219 A JP2008158219 A JP 2008158219A JP 2006346373 A JP2006346373 A JP 2006346373A JP 2006346373 A JP2006346373 A JP 2006346373A JP 2008158219 A JP2008158219 A JP 2008158219A
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JP2006346373A
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Tomoo Kobayashi
智雄 小林
Kaoru Torigoe
薫 鳥越
Kunio Sakurai
邦夫 櫻井
Tetsuo Kodera
哲郎 小寺
Naoyuki Ekusa
尚之 江草
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

【課題】表面に段差が存在する画像支持体を用いて画像記録体を作製しても、残留気泡の発生が抑制できると共に画像濃度の高い画像を有する画像記録体の作製が可能な電子写真用画像転写シートを提供すること。
【解決手段】基体と、該基体の少なくとも片面に設けられ且つ最表面を構成する画像受像層とを少なくとも有し、前記画像受像層が、熱可塑性樹脂と微粒子とを含み、前記画像受像層又は前記画像受像層を含む部材と、前記基体又は前記基体を含む部材とが剥離可能であり、下式(1)に示される前記微粒子の被覆率Cが6%以上23%以下であることを特徴とする電子写真用画像転写シート。
・式(1) C=π×10−4×r×n
〔式(1)中、rは前記微粒子の体積平均粒子半径(μm)を表し、nは前記画像受像層において単位面積当たりに存在する前記微粒子の数(個/mm)を表す。〕
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成装置を用いて画像支持体に鮮明な画像を形成(記録)させるための電子写真用画像転写シート、及びこれを用いた画像記録体に関する。
より詳細には、顔写真入りキャッシュカードや社員証、学生証、個人会員証、居住証、各種運転免許証、各種資格取得証明等の非接触式または接触式個人情報画像情報入り情報記録媒体、RFIDタグさらに医療現場などで用いる本人照合用画像シートや画像表示板、表示ラベルなどの画像記録体に用いられる、印字画像を形成するための電子写真用画像転写シート及びこれを用いた画像記録体に関する。
近年、画像形成技術の発達に伴って、凹版印刷、凸版印刷、平版印刷、グラビヤ印刷及びスクリーン印刷などの様々な印刷法により、同一品質の画像を、大量かつ安価に形成する手段が知られている。そして、このような印刷法は、ICカード、磁気カード、光カード、あるいはこれらが組み合わさったカードなど、所定の情報を納め、外部装置と接触または非接触に交信可能な情報記録媒体の作製にも多く用いられている。
しかしながら、例えば前記スクリーン印刷は、印刷しようとする画像の数に応じた印刷版が多数必要であり、カラー印刷の場合には、さらにその色の数だけ印刷版が必要となる。そのため、これら印刷方法は、個人の識別情報(顔写真、氏名、住所、生年月日、各種免許証など)に個々に対応するには不向きである。
前記問題点に対して、現在もっとも主流となっている画像形成手段は、インクリボン等を用いた昇華型や溶融型の熱転写方式を採用したプリンタ等による画像形成方法である。しかし、これらは個人の識別情報を容易に印字することはできるが、印刷速度を上げると解像度が低下し、解像度を上げると印刷速度が低下するという問題を依然抱えている。
また、この熱転写方式において中間転写シートを用いて画像記録体へ印字する方法が提案され述べられている(例えば、特許文献1〜6参照)。しかし、いずれの場合も、前記中間転写シート表面には、インクシートから転写される薄い着色層が形成される。さらにこの薄い着色層を画像記録体にしっかりと転写転移させなければ、良い画質が得られない。
これらの問題に対応するために、電子写真装置に画像が形成された転写シートを用いて記録物(画像記録体)を作製する方法が提案されている(特許文献7〜11参照)。この方法では、電子写真装置に画像が形成された転写シートを、塩化ビニルシートなどの画像支持体に加熱圧着するプロセスを経て画像記録体を作製する。
ここで、画像支持体としては、一般的に、単に画像が形成されたカードを作製する場合には表裏面が平坦なプラスチックシートが用いられるが、ICカードなどを作製する場合には、ICチップやアンテナなどが埋設されたプラスチックシートが利用される。
特開平5−096871号公報 特開平7−068812号公報 特開平8−142365号公報 特開平8−156302号公報 特開平9−314875号公報 特開平11−291646号公報 特許第3359962号明細書 特許第3359963号 特開2001−92255号公報 特開平11−334265号公報 特開平10−86562号公報
しかし、ICチップやアンテナ部分が設けられた画像支持体は、プラスチックシート表面に金メッキされたICモジュール部分とプラスチックシート面との間に数十μmの段差があったり、あるいはプラスチックシート内部に配置されたアンテナ部分に起因した段差が存在する。転写シートを、このような段差を有する画像支持体に加熱圧着した際に、転写シートが段差や凹凸部分に十分に追従できず、最終的に得られる画像記録体に、目視で確認できるような残留気泡が発生し、見栄えが悪くなるという問題が発生する。
本発明は、前記従来技術の問題点を解決することを目的とする。すなわち、本発明は、表面に段差が存在する画像支持体を用いて画像記録体を作製しても、残留気泡の発生が抑制できると共に画像濃度の高い画像を有する画像記録体の作製が可能な電子写真用画像転写シート及びこれを用いた画像記録体を提供することを目的とする。
上記課題は以下の本発明により達成される。すなわち、本発明は、
<1>
基体と、該基体の少なくとも片面に設けられ且つ最表面を構成する画像受像層とを少なくとも有し、
前記画像受像層が、熱可塑性樹脂と微粒子とを含み、
前記画像受像層又は前記画像受像層を含む部材と、前記基体又は前記基体を含む部材とが剥離可能であり、
下式(1)に示される前記微粒子の被覆率Cが6%以上23%以下であることを特徴とする電子写真用画像転写シート。
・式(1) C=π×10−4×r×n
〔式(1)中、rは前記微粒子の体積平均粒子半径(μm)を表し、nは前記画像受像層において単位面積当たりに存在する前記微粒子の数(個/mm)を表す。〕
<2>
前記画像受像層の厚みが、前記微粒子の体積平均粒径の0.4倍以上0.73倍以下であることを特徴とする<1>に記載の電子写真用画像転写シート。
<3>
前記基体と前記画像受像層との間に、前記基体側から前記画像受像層側へと離型層および保護層がこの順に設けられたことを特徴とする<1>又は<2>に記載の電子写真用画像転写シート。
<4>
前記画像受像層と前記基体との間に、少なくとも離型層が設けられ、
前記離型層と該離型層と接し且つ前記離型層の前記画像受像層側が設けられた側の層との剥離に必要な剥離力が、0.098N/cm以上4.90N/cm以下の範囲内であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1つに記載の電子写真用画像転写シート。
<5>
23℃、55%RHにおけるシート両面の表面抵抗率が、1.0×108Ω以上1.0×1013Ω以下の範囲内であることを特徴とする<1>〜<4>のいずれか1つに記載の電子写真用画像転写シート。
<6>
画像支持体と、該画像支持体の少なくとも片面に設けられた画像被覆層と、前記画像支持体と前記画像受像層との界面に配置された画像とを少なくとも有し、
前記画像被覆層が、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の電子写真用画像転写シートを構成する画像受像層であることを特徴とする画像記録体。
<7>
前記画像支持体の前記画像被覆層により被覆されている側の面に、高さが50μm以下の段差が設けられていることを特徴とする<6>に記載の画像記録体。
本発明によれば、表面に段差が存在する画像支持体を用いて画像記録体を作製しても、残留気泡の発生が抑制できると共に画像濃度の高い画像を有する画像記録体の作製が可能な電子写真用画像転写シート及びこれを用いた画像記録体を提供することができる。
(電子写真用画像転写シート)
本発明の電子写真用画像転写シート(以下、「転写シート」と略す場合がある)は、基体と、該基体の少なくとも片面に設けられ且つ最表面を構成する画像受像層とを少なくとも有し、前記画像受像層が、熱可塑性樹脂と微粒子とを含み、前記画像受像層又は前記画像受像層を含む部材と、前記基体又は前記基体を含む部材とが剥離可能であり、下式(1)に示される前記微粒子の被覆率Cが6%以上23%以下であることを特徴とする電子写真用画像転写シート。
・式(1) C=π×10−4×r×n
〔式(1)中、rは前記微粒子の体積平均粒子半径(μm)を表し、nは前記画像受像層において単位面積当たりに存在する前記微粒子の数(個/mm)を表す。〕
本発明の転写シートは画像受像層内に、上述した被覆率を満たすように微粒子が含まれるため、画像受像層が設けられた面に画像が形成された転写シートが、表面に段差を有する画像支持体表面に加熱圧着された際に、転写シートの画像受像層と段差を有する画像支持体表面との界面に存在する空気を、この界面の外部へと逃がすことが非常に容易になるため、目視で確認できるようなサイズの残留気泡の発生を抑制することができる。
なお、ICチップなどが設けられた画像支持体を用いた場合に残留気泡が発生するメカニズムは以下のようなものであると推定される。
電子写真法により転写シート上に形成された画像が、例えばローマ字の「O」であった場合、転写シートを画像支持体に加熱圧着する時にトナー画像「O」の内部の空間に気泡が取り残される場合がある。これは、文字部分であるトナー層が転写シート表面より高いため、このトナー層と画像支持体表面とが、リング状に形成されたトナー層の内側の領域表面よりも先に融着し、当該領域と画像支持体表面との間に存在する空気の逃げ場が無くなってしまうからである。
同様にICチップなどが埋設された画像支持体表面にもその電極部分に大きな段差があったり、またアンテナ部分に段差が生じている。これらの段差の存在は、加熱加圧時に、画像支持体と転写シートとの界面に存在する空気が、外部へと逃げ切れずに残留しやすく、また、上述したトナー層よりも段差が極めて大きいために、目視で容易に確認できるサイズの残留気泡を生じやすい。さらに空気が界面に残留しやすいために、加熱加圧時に十分な圧力を加えることができず、残留気泡のみならず画像の転写不良を引き起こしてしまうこともある。また、このような残留気泡は、減圧下(10hPa未満)で加熱加圧するよりも大気圧近傍下(1000hPa)で加熱加圧する場合においてより顕著となりやすい。
本発明者らは、上述したような知見を元に、画像支持体と転写シートとを加熱加圧して圧着する際に、溶融状態にあり流動性の高くなった画像受像層中に、微粒子が存在していれば、転写シートの基体と画像支持体との間が常に一定の間隔で維持されると考えた。そして、加熱加圧時に界面から空気が外部へと逃げやすくなり、残留気泡の発生が抑制できると共に、例え残留気泡が発生したとしても、目視では認識できない程度に細かく微細化することが容易になるものと考え、上述した本発明を見出した。
なお、残留気泡を抑制する観点からは、被覆率Cは6%以上であることが必要であるが、10%以上であることがより好ましい。一方、被覆率Cが大きすぎると、微粒子の影響で画像が白っぽくなったりして画像濃度が低下してしまう場合があるため、この観点からは被覆率Cは23%以下であることが必要であり、20%以下であることが更に好ましい。
また、同様の観点から、単位面積当たりに存在する微粒子の数nは、175個/mm以上2500個/mm以内の範囲が好ましく、500個/mm以上1500個/mm以内の範囲がより好ましい。単位面積当たりに存在する微粒子の数nが、175個/mm未満では、残留気泡が発生してしまう場合があり、2500個/mmを超えると画像濃度が低下してしまう場合がある。
一方、画像受像層の厚みは、微粒子の体積平均粒径(2r)の0.4倍以上0.73倍以下であることが好ましく、画像受像層の厚みの0.5倍以上0.7倍以下であることがより好ましい。
画像受像層の厚みは、微粒子の体積平均粒径(2r)の0.73倍を超える場合、残留気泡が発生しやすくなる場合がある。また、0.4倍未満の場合は十分な接着力が得られない場合がある。
なお、本発明に用いられる「微粒子」とは、画像受像層の厚みを基準(100%)として80%以上250%以下の粒径(微粒子体積から求めた粒径)を有する粒子を意味し、この範囲を外れるものは含まれない。これは、上記範囲を外れる体積平均粒径を有する粒子は、残留気泡の発生を抑制する効果が不十分であるためである。ここで、画像受像層の厚みを基準(100%)として80%以上250%以下の粒径範囲内における粒度分布のピークは複数存在していてもよいが1つであることが好ましい。
また、画像受像層中に含まれる微粒子の体積平均粒子半径rおよび単位面積当たりに存在する微粒子の数nは、転写シートの場合は画像受像層側表面を光学顕微鏡により観察することによって測定でき、画像記録体の場合は、画像支持体の画像被覆層(転写シートにおける画像受像層に相当)が設けられた側の面を観察することにより測定することができる。
ここで、体積平均粒子半径rおよび単位面積当たりに存在する微粒子の数nは、画像受像層中に含まれる全ての粒子のうち、画像受像層の厚みを基準(100%)として80%以上250%以下の粒径を有する粒子を測定対象として求めた。
また、微粒子の粒度分布は特に限定されるものではないが、上述したような観点から、粒度分布が大きく、画像受像層の厚みを超える微粒子が存在すると、残留気泡が発生しやすくなる場合があるため、粒度分布はできるだけ狭い方が好ましい。
なお、画像受像層の厚みを基準(100%)として80%以上250%以下の粒径範囲内における微粒子の粒度分布のプロファイルが下式(2)で示すように表される場合、Pp(±30)/Pp(T)は、0.3以下であることが好ましく、0.15以下であることがより好ましく、0(すなわち単分散)に近ければ近いほど好ましい。
・式(2) Pp(±30)/Pp(T)
但し、式(2)中、Pp(T)は、微粒子の粒度分布における極大ピーク高さを意味し、Pp(±30)は、極大ピーク高さにおける微粒子の粒径±30%の粒径におけるピーク高さを意味する。
ここで、上記した体積平均粒径及び粒度分布については、例えばコールターカウンターTAII(ベックマン−コールター社製)で測定することができる。体積平均粒径は、測定された粒度分布を基にして、体積について小粒径側から累積分布を引いて、累積50%となる粒径を体積平均粒径として測定できる。
なお、本発明の転写シートの層構成は、基体と、該基体の少なくとも片面に設けられ且つ最表面を構成する画像受像層とを少なくとも有するものであれば特に限定されない。
例えば、転写シートが、基体と画像受像層とからのみ構成される場合は、基体と画像受像層との界面で剥離することができ、この転写シートを用いて作製される画像記録体は、画像支持体と画像被覆層(画像受像層に相当)とから構成される(以下、当該層構成を「2層構成」と称す場合がある)。
しかしながら、画像受像層と基体との間に、少なくとも1層以上の中間層を設けてもよく、本発明においては、基体又は基体を含む部材から、画像受像層又は画像受像層を含む部材の剥離を容易とするために、画像受像層と基体との間に、少なくとも離型層を設けることが好ましい。例えば、転写シートが基体、離型層、画像受像層の3層から構成される場合(以下、当該層構成を「3層構成」と称す場合がある)、離型層と画像受像層との界面で、剥離することができる。
また、基体と画像受像層との間に基体側から画像受像層側へと離型層および保護層がこの順に設けられていてもよい(以下、当該層構成を「4層構成」と称す場合がある)。この場合、離型層と保護層との界面で剥離することができ、画像支持体に転写シートを加熱加圧して圧着した後に、転写シート部分の基体側の部材を剥離すると、画像支持体表面に画像被覆層(転写シートの画像受像層に相当)と保護層とかこの順に積層された画像記録体を得ることができる。この画像記録体は、画像被覆層が更に保護層によって覆われているため、摩擦などによって表面に傷かつくのを抑制することができる。
図1は本発明の転写シートの一例(4層構成タイプ)を示す概略断面図である。図1に示す本発明の転写シートは、基体110と離型層120と保護層130と画像受像層140とから構成される。
また、図2は本発明の転写シートの他の例(2層構成タイプ)を示す概略断面図である。図2に示す転写シートは、基体110と、画像受像層150とから構成される。
また、図3は本発明の転写シートの他の例(3層構成タイプ)を示す概略断面図である。図3に示す転写シートは、基体110と、離型層120と、画像受像層160とから構成される。
なお、いずれの層構成タイプの転写シートにおいても、基体110における画像受像層160が形成されていない面に、図示されない塗工層(電荷制御層)、または画像受像層と同様のものが形成されている構造としてもよい。
なお、転写シートが離型層を有する場合、離型層と、この離型層と接し且つ離型層の画像受像層側が設けられた側の層(すなわち、2層構成および3層構成では画像受像層を意味し、4層構成では保護層を意味する)との剥離に必要な剥離力が、0.098N/cm以上4.90N/cm以下(10gf/cm以上500gf/cm以下)であることが好ましく、0.196N/cm以上3.92N/cm以下(20gf/cm以上400gf/cm以下)であることがより好ましく、0.490N/cm以上2.41N/cm以下(50gf/cm以上250gf/cm以下)であることが更に好ましい。
剥離力が0.098N/cm(10gf/cm)未満であると、離型層と離型層と接し且つ離型層の画像受像層側が設けられた側の層とが剥がれやすくなったり、電子写真方式の画像形成装置によって転写シートに画像を定着する際に、画像形成装置の定着機に離型層と接し且つ離型層の画像受像層側が設けられた側の層が転移してしまったりする場合がある。また、4層構成の転写シートでは、画像記録体を作製するときに保護層と離型層との間ですべりを生じて、画像記録体に形成される画像が乱れてしまう場合もある。
一方、剥離力が4.90N/cm(500gf/cm)を超えると、画像支持体に転写シートを加熱加圧により圧着して得られた積層体から、転写シート部分の基体又は基体を含む部材を剥離しようとした際に、離型層と離型層と接し且つ離型層の画像受像層側が設けられた側の層との界面できれいに剥離ができず、離型層の画像受像層側が設けられた側の層の一部が離型層表面に残留し、画像記録体表面に欠陥が生じてしまうことがある。
ここで、剥離力とは、剥離力とは、JIS規格Z0237の粘着力の測定における180度引き剥がし粘着力に準じた測定で行った時の測定値である。
また、本発明の転写シートは、シート両面の23℃、55%RHにおける表面抵抗率が、1.0×108Ω以上1.0×1013Ω以下の範囲であることが好ましい。前記表面抵抗率は、1.0×109Ω以上1.0×1011Ω以下の範囲であることがより好ましい。
前記表面抵抗率が1.0×108Ωより小さい場合は、特に、高温高湿時に転写シートの抵抗値が低くなりすぎるため、例えば電子写真装置内の像保持体や中間転写体から転写されたトナー像が乱れてしまう場合がある。また、表面抵抗率が1.0×1013Ωを超えると、転写シートの抵抗値が高くなりすぎ、例えば電子写真装置内の像保持体や中間転写体からのトナーを転写シート表面に十分に移行できず、転写不良による画像欠陥が発生する場合がある。
また、本発明の転写シートの、23℃、55%RHにおける表裏面の表面抵抗率差は、4桁以内であることが好ましく、3桁以内であることがより好ましい。表裏面の表面抵抗率差が4桁を超えると、トナーの転写不良が起こりやすくなり画像の劣化を引き起こす場合がある。尚、表面抵抗率差が4桁以内とは、それぞれの表面抵抗率を常用対数で表したとき、その常用対数値の差が4以内であることを意味する。
尚、本発明において、表面抵抗率はJIS K 6271における二重リング電極法に準拠した方法で測定し、同時に提示されている計算式に則ることにより求めたものである。より具体的には、(株)アドバンテスト社製 デジタル超高抵抗/微小電流計R8340に超高抵抗測定用試料箱(プローブ)を接続したものに、23℃、55%RHの環境下で、印加電圧1000Vで60秒後の電流値を基にJIS K 6271に規定されている計算式から求めた。
基体上に設けられた画像受像層の表面抵抗率を1.0×108Ω以上1.0×1013Ω以下の範囲内に制御するにあたっては、画像受像層中に帯電制御剤を含有させることが好ましい。該帯電制御剤としては、高分子導電剤、界面活性剤や、導電性金属酸化物粒子等を用いることができる。
また、前記画像受像層が基体の片面にのみ設けられる場合の、画像受像層が設けられない側の面の表面抵抗率の制御は、基体となるフィルム製造時に、界面活性剤、高分子導電剤や導電性微粒子などを樹脂中に添加したり、前記フィルム表面に界面活性剤を塗工したり、金属薄膜を蒸着したり、あるいは接着剤などに界面活性剤などを適量添加したりすることで行うことができる。なお、これらの帯電制御剤の詳細については後述する。
次に、本発明の転写シートを、層構成の違いに着目して以下により詳細に説明する。
<<第一の転写シート(4層構成)>>
転写シートの第一の形態(以下、「第一の転写シート」という場合がある。)は、基体の画像受像層が設けられている面に、この基体側から離型層、保護層、及び画像受像層が順次設けられている構成を有する。
第一の転写シートでは、保護層が基体側に隣接する層である離型層から剥離可能な層である。つまり電子写真法で形成された画像を記録媒体上に転写させた場合に、離型層から保護層が剥離し、保護層および画像受像層が、記録媒体上に転写された画像を覆い、この画像を保護することとなる。
<画像受像層>
第一の転写シートにおける画像受像層には、熱可塑性樹脂と、微粒子とがすくなくとも含まれ、必要に応じて、その他の添加剤が含まれていてもよい。例えば、画像受像層は、電子写真装置により画像を定着する際に、電子写真装置の定着部材への付着、巻き付きを防止するために、天然ワックスや合成ワックス、あるいは離型性樹脂、反応性シリコーン化合物、変性シリコーンオイルなどの離型剤を含有していてもよい。
第一の転写シートでは、画像受像層の膜厚が4μm以上15μm以下であることが好ましく、5μm以上12μm以下であることがより好ましく、6μm以上9μm以下であることが更に好ましい。画像受像層の膜厚が4μm以上15μm以下であると、画像を画像受像層の膜厚方向に埋め込むことで、画質の低下がおこり難くなる上に、画像を保護する効果も得られる。
−熱可塑性樹脂−
熱可塑性樹脂としては例えばポリエステル樹脂やスチレンアクリル樹脂が1種以上用いられる。一般的に、ポリエステル樹脂やスチレンアクリル樹脂は画像形成材料用として用いられるものであるため、これと同系統の樹脂を画像受像層に含有させることにより、転写シート表面への画像形成材料の定着性を適性に制御することができる。なお、ポリエステル樹脂としては、一般的なポリエステル樹脂の他に、例えばシリコーン変性ポリエステル樹脂、ウレタン変性ポリエステル樹脂、アクリル変性ポリエステルなどを用いてもよい。
しかし、本発明においては、少なくともポリエステル樹脂を用いることが好ましい。
一般的に、ポリエステル樹脂は画像形成材料用として用いられるものであるため、これと同系統の樹脂を画像受像層に含有させることにより、転写シート表面への画像形成材料の定着性を適性に制御することができる。なお、前記ポリエステル樹脂としては、一般的なポリエステル樹脂の他に、シリコーン変性ポリエステル樹脂、ウレタン変性ポリエステル樹脂、アクリル変性ポリエステルなどを用いてもよい。
ポリエステル樹脂の合成方法は特に限定されないが、例えば通常2個以上のカルボキシル基を有する多価塩基酸成分とグリコール成分とを縮合反応させて得られた飽和ポリエステルを、有機ジイソシアネート化合物及び鎖延長剤と反応させることにより得ることができる。
前記多価塩基酸としては、例えば、二価塩基酸の芳香族ジカルボン酸類を用いることができ、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、1,5−ナフタル酸などが用いられる。また、p−オキシ安息香酸、p−(ヒドロキシエトキシ)安息香酸などの芳香族オキシカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などのトリ及びテトラ芳香族カルボン酸も併用できる。
脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸などが挙げられる。脂環族ジカルボン酸としては、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸とその無水物などが挙げられる。
また、重合性不飽和二重結合を有するジカルボン酸類も用いることができ、例えば、α、β−不飽和ジカルボン酸類として、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸;不飽和二重結合を含有する脂環族ジカルボン酸として、2,5−ノボルネンジカルボン酸無水物、テトラヒドロ無水フタル酸;など用いることができる。この内最も好ましいのは、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、及び2,5−ノボルネンジカルボン酸無水物である。
さらに、ヒドロキシピバリン酸、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン等のヒドロキシカルボン酸類も必要に応じて使用できる。以上の成分は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。
一方、前記グリコール成分としては、例えば、炭素数2〜10の脂肪族グリコール類、炭素数6〜12の脂環族グリコール類、エーテル結合含有グリコール類、から選択される少なくとも1種を用いることができる。
前記炭素数2〜10の脂肪族グリコール類としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−エチル−2−ブチルプロパンジオール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステル、ジメチロールヘプタン等を挙げることができる。
前記炭素数6〜12の脂環族グリコール類としては、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメチロール等を挙げることができる。
前記エーテル結合含有グリコール類としては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、さらにビスフェノール類の芳香環に結合した2つの水酸基にエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドをそれぞれ1〜数モル付加して得られるグリコール類、たとえば2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等を挙げることができる。ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールも必要に応じて使用できる。
前記有機ジイソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、3,3−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、1,3−ジイソシアネート−メチルシクロヘキサン、1,4−ジイソシアネート−メチルシクロヘキサン、4,4’−ジイソシアネートジシクロヘキシルメタン、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、2,4−ナフタレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアネートジフェニルエーテル、1,5−ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。これらの内好ましいのは、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート及びジフェニルメタンジイソシアネートである。
前記鎖延長剤としては、たとえばエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、トリシクロデカンジメチロール、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。中でもより好ましいのは、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール及びビスフェノールAエチレンオキサイド付加物である。
前記ポリエステル樹脂は、公知の方法、たとえば溶剤中で20〜150℃の反応温度でアミン類、有機スズ化合物等の触媒の存在下で、あるいは無触媒下で合成することができる。このとき使用できる溶剤としては、たとえばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類などが挙げられる。
これらのポリエステル樹脂は単独もしくは2種以上混合して用いてもよい。
−微粒子−
画像受像層に用いられる微粒子を構成する材料は、画像形成時や、転写シートを画像支持体に加熱加圧により圧着する際の加熱によって溶融し変形してしまうものでなければ特に限定されるものではないが、公知の有機材料や無機材料が利用できる。
ここで、有機材料としては、具体的には、スチレン、ビニルスチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−不飽和脂肪酸モノカルボン酸のエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;イソプレン、2−クロロブタジエン等のジエン系モノマーの1種以上を重合させて得られる単独重合体あるいは共重合体を例示することができ、これらの中でも、スチレン類、α−不飽和脂肪酸モノカルボン酸のエステル類等が好ましい。
また、上述に列挙した樹脂材料を使用する場合は、画像受像層の塗工に用いる溶媒に対する溶解性の低いものを選択することが好ましい。また、これら樹脂材料を用いて微粒子を作製する場合に、樹脂材料に予め架橋剤を添加して微粒子化に際して架橋構造を持たせたり、樹脂材料として熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、電子線硬化樹脂などを用いることも好適である。
一方、無機材料としては、例えば、マイカ、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、亜鉛華、ハロサイトクレー、カオリン、塩酸性炭酸マグネシウム、石英粉、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、アルミナなどが挙げられる。
なお、本発明において、微粒子は、後述するフィラーや、導電性酸化物粒子等の他の機能を兼ねていてもよい。
また、微粒子の形状としては、体積平均粒径が画像受像層の厚みと同等あるいはそれ以下であれば特に限定されないが、一般的には球状であることが好ましい。しかし、板状、針状、不定形状等であってもよい。
画像受像層中における微粒子と結着剤(樹脂成分)との質量比(微粒子:結着剤)は、5:100〜35:100の範囲であることが好ましく、7.5:100〜30:100の範囲であることがより好ましい。微粒子の割合が前記範囲内の場合は、転写シートからの画像形成材料の移行での乱れが少なく、また、残留気泡の発生も抑制されるため、画像記録体の画像品質が良い。前記範囲よりも少ない場合は、残留気泡が発生しやすく、前記範囲よりも大きい場合は、画像形成材料の転写時に画像を乱れさせ、画像濃度が低下する場合がある。
−フィラー−
画像受像層には、必要に応じてフィラーを添加できる。フィラーとしては、上記に列挙した以外の無機材料からなる微粒子(例えば、SiO2、Al23、タルクまたはカオリン)及びビーズ状プラスチックパウダー(例えば、架橋型PMMA、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン)を用いることができる。
−導電性金属酸化物粒子−
画像受像層表面の表面抵抗率を調整する導電剤として、ZnO、TiO、TiO2、SnO2、Al23、In23、SiO、SiO2、MgO、BaO及びMoO3等の導電性金属酸化物あるいは金属酸化物の表面を導電化処理した粒子を必要に応じて用いることができる。
ここで、導電性金属酸化物粒子を構成する金属酸化物としては、異種元素をさらに含有するものが好ましく、例えば、ZnOに対してAl、In等、TiOに対してNb、Ta等、SnO2に対しては、Sb、Nb、ハロゲン元素等を含有(ドーピング)させたものが好ましい。これらの中で、SbをドーピングしたSnO2が、経時的にも導電性の変化が少なく安定性が高いので特に好ましい。
−その他の添加剤−
画像受像層には、必要に応じて、熱安定剤、酸化安定剤、光安定剤、滑剤、顔料、可塑剤、架橋剤、耐衝撃性向上剤、抗菌性、難燃剤、難燃助剤、及び帯電制御剤などの各種添加剤を併用することができる。
酸化防止剤としては、市販されている酸化防止剤等を用いることができる。添加する材料は、分散安定性が良好で、かつ、光の照射で変性しないものより選ばれる。例えば、リン酸系、イオウ系、フェノール系、ヒンダードアミン系酸化防止剤などが挙げられる。
これらの酸化防止剤は、それぞれ単独で用いても、あるいは2種以上を混合して用いてもよい。
紫外線吸収剤としては、組成物中での分散安定性が良好で、かつ、光の照射で変性しないものより選ばれる。例えば、有機系の材料ではフェニルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート等のサリチル酸系;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系;2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート系;等の材料が挙げられる。
また、無機系の材料としては酸化亜鉛、酸化チタンの酸化物微粒子、その他、酸化鉄、酸化セリウムなどの金属酸化物微粒子が挙げられる。
上記紫外線吸収剤としては、特に前記有機系材料が好ましく、前記反応性二重結合を有する化合物100質量部に対して、0.01質量部以上40質量部以下、好ましくは0.1質量部以上25質量部以下の範囲で添加される。また、紫外線吸収剤は、下地保護を良好にするために1種に限らず、2種以上を併用することが好ましい。また、場合によってはヒンダードアミン系光安定剤や酸化防止剤を添加することも好ましい
また、帯電制御剤として上述した導電性金属酸化物粒子と共に、あるいは、上述した導電性金属酸化物粒子に代えて、高分子導電剤や、界面活性剤を用いることもできる。
界面活性剤としては、例えば、ポリアミン類、アンモニウム塩類、スルホニウム塩類、ホスホニウム塩類、ベタイン系両性塩類などのカチオン系界面活性剤、アルキルホスフェートなどのアニオン系界面活性剤、脂肪酸エステルなどのノニオン系界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤の中でも、昨今の電子写真用の負帯電型トナーと相互作用の大きいカチオン系界面活性剤を用いることが、転写性の向上に有効となる。
また、前記カチオン系界面活性剤の中でも、4級アンモニウム塩類が好ましい。4級アンモニウム塩類としては下記一般式(I)で代表される化合物がより好ましい。
Figure 2008158219
一般式(I)中、R1は炭素数6〜22までのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基を表し、R2は炭素数1〜6までのアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基を表す。R3、R4、R5は同一でも異なってもよく、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基を表す。脂肪族基とは、直鎖、分岐または環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基をいう。芳香族基とは、ベンゼン単環、縮合多環のアリール基を表す。これらの基は水酸基のような置換基を有してもよい。Aはアミド結合、エーテル結合、エステル結合、フェニル基を表すが、これは無くてもよい。X-は、ハロゲン元素、硫酸イオン、硝酸イオンを表し、これらのイオンは置換基を有してもよい。
また、転写シートに抗菌性を付与するために、画像受像層には抗菌性を有する物質(抗菌剤)を添加することができる。添加する材料は、組成物中での分散安定性が良好で、かつ、光の照射で変性しないものより選ばれる。
例えば、有機系の材料では、チオシアナト化合物、ロードプロパギル誘導体、イソチアゾリノン誘導体、トリハロメチルチオ化合物、第四級アンモニウム塩、ビグアニド化合物、アルデヒド類、フェノール類、ベンズイミダゾール誘導体、ピリジンオキシド、カルバニリド、ジフェニルエーテル等の材料が挙げられる。
また、無機系の材料としては、ゼオライト系、シリカゲル系、ガラス系、リン酸カルシウム系、リン酸ジルコニウム系、ケイ酸塩系、酸化チタン、酸化亜鉛、等が挙げられる。
また、抗菌剤は基本的に画像受像層の表面近傍に露出していることが好ましい。 さらに、前記抗菌剤の画像受像層中の含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して0.05質量部以上5質量部以下の範囲であることが好ましく、0.1質量部以上3質量部以下の範囲であることがより好ましい。
<離型層>
離型層には離型性材料が含まれる。この離型性材料としては、特に制限されないが、シリコーン系ハードコート材料が利用できる。このシリコーン系ハードコート材料とは、少なくともシラン系組成物を含む縮合物樹脂、または、これらとコロイダルシリカ分散液との混合組成物からなるものである。また、基体との接着性を良くするために、さらに有機樹脂を含んでいることが好ましい。
前記シラン系組成物としては、具体的には有機珪素化合物であり、シラン化合物、フッ素含有シラン化合物及びイソシアネートシラン化合物などがあり、これらが縮合反応し、樹脂組成物になる。
シラン化合物としては、Si(OCH34、CH3Si(OCH33、HSi(OCH33、(CH32Si(OCH32、CH3SiH(OCH32、C65Si(OCH33、Si(OC254、CH3Si(OC253、(CH32Si(OC252、H2Si(OC252、C65Si(OC253、(CH32CHCH2Si(OCH33、CH3(CH311Si(OC253、CH3(CH215Si(OC253、CH3(CH217Si(OC253等のアルコキシシラン類;(CH33SiNHSi(CH33等のシラザン類;((CH3)SiNH)2CO、tert−C49(CH32SiCl等の特殊シリル化剤類;シランカップリング剤;及びHSC36Si(OCH33等のシラン化合物;並びにこれらの加水分解物及び部分縮合物等が挙げられる。
前記シランカップリング剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類;γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリルシラン類;β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のエポキシシラン類;N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン類;等が例示できる。
前記フッ素含有シラン化合物類としては、例えば、CF3(CH22Si(OCH33、C61324Si(OCH33、C715CONH(CH23Si(OC253、C81724Si(OCH33、C81724SiCH3(OCH32、C81724Si(ON=C(CH3)(C25))3、C91924Si(OCH33、C91924Si(NCO)3、(NCO)3SiC2461224Si(NCO)3、C91924Si(C25)(OCH32、(CH3O)3SiC2481624Si(OCH33、(CH3O)2(CH3)SiC91824Si(CH3)(OCH32等のフッ素含有シラン化合物、及びこれらの加水分解物又はその部分縮合物等のシラン化合物が例示できる。
前記イソシアネートシラン化合物類としては、(CH33SiNCO、(CH32Si(NCO)2、CH3Si(NCO)3、ビニルシリルトリイソシアネート、C65Si(NCO)3、Si(NCO)4、C25OSi(NCO)3、C817Si(NCO)3、C1837Si(NCO)3、(NCO)3SiC24(NCO)3等が例示できる。
シラン系組成物の縮合物樹脂としては、例えば、熱硬化性(縮合型、付加型)及び光硬化性の硬化性シリコーン樹脂等の硬化性シリコーン樹脂が挙げられるが、具体例を挙げると、以下のようになる。
前記熱硬化性シリコーン樹脂のうち、縮合型の硬化性シリコーン樹脂としては、末端にシラノール基を有するポリジメチルシロキサンのようなポリシロキサンをベースポリマーとし、架橋剤としてポリメチルハイドロジェンシロキサン等を配合し、有機スズ触媒等の有機酸金属塩やアミン類等の存在下で加熱縮合して合成した硬化性シリコーン樹脂や、水酸基、アルコキシ基等の反応性の官能性基を末端に持つポリジオルガノシロキサンを反応させて合成した硬化性シリコーン樹脂、さらに、3官能性以上のクロロシラン又はこれらと1,2官能性のクロロシランとの混合物等を加水分解したシラノールを縮合して合成したポリシロキサン樹脂等が挙げられる。
なお、前記縮合型は、形態的には、溶液型とエマルジョン型とに分類され、そのいずれも好適に使用する事ができる。
前記熱硬化性シリコーン樹脂のうち、付加型の硬化性シリコーン樹脂としては、ビニル基を含有するポリジメチルシロキサンの様なポリシロキサンをベースポリマーとし、架橋剤としてポリジメチルハイドロジェンシロキサンを配合して、白金触媒の存在下で反応・硬化させて合成した硬化性シリコーン樹脂等が挙げられる。
なお、前記付加型は、形態的には、溶剤型、エマルジョン型、及び無溶剤型に分類され、そのいずれも好適に使用する事ができる。
前記縮合型、付加型の硬化で得られる熱硬化性シリコーン樹脂としては、例えば、純シリコーン樹脂、シリコーンアルキド樹脂、シリコーンエポキシ樹脂、シリコーンポリエステル樹脂、シリコーンアクリル樹脂、シリコーンフェノール樹脂、シリコーンウレタン樹脂、シリコーンメラミン樹脂等が好適に挙げられる。
前記光硬化性のシリコーン樹脂としては、光カチオン触媒を利用して合成した硬化性シリコーン樹脂や、ラジカル硬化機構を利用して合成した硬化性シリコーン樹脂等が挙げられる。また、ケイ素原子と結合した水酸基又はアルコキシ基等を有する低分子量ポリシロキサンと、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン又はメラミン樹脂等とを光硬化反応させて得られる変性シリコーン樹脂が好ましく用いられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記硬化性シリコーン樹脂としては、以下の理由から、アクリル変性シリコーン樹脂(前記アクリル樹脂と低分子量ポリシロキサンとを光硬化反応させた樹脂)、熱硬化性のシリコーン樹脂が特に好ましい。
前記アクリル変性シリコーン樹脂は、画像形成材料として通常用いられている、スチレン−アクリル樹脂や、ポリエステル樹脂と化学的親和性が高いアクリル鎖を分子中に含み、その一方で離型性を発現するシリコーン樹脂部分を併せ持つ。従って一つの分子中にトナーと接着しやすい部分と、接着しにくい部分が存在する。また、これらが均一に相溶していることにより、分子オーダーで、画像定着性及び画像剥離性が発現される。
また、前記アクリル変性シリコーン樹脂においては、アクリル鎖とシリコーン鎖との比率、その硬化条件等を適宜制御することにより適度な表面硬度の転写シートを作製することができる。
前記理由から、熱硬化性のシリコーン樹脂、特にアクリル変性シリコーン樹脂を用いることが好ましい。
前記硬化性シリコーン樹脂としては、アクリル変性シリコーン樹脂と熱硬化性のシリコーン樹脂とを同時に含有させてもよい。
前記アクリル変性シリコーン樹脂と、熱硬化性のシリコーン樹脂と、を同時に含有する場合には、その含有比、硬化条件、添加量等により、これらの中間的な性質発現させることが可能となるため、画像定着性や画像剥離性をさらに自由に制御することが可能である。
前記硬化性シリコーン樹脂として、アクリル変性シリコーン樹脂と熱硬化性のシリコーン樹脂とを同時に含有するものを用いる場合、これらの含有質量比(アクリル変性シリコーン樹脂/熱硬化性シリコーン樹脂)としては、硬化性シリコーン樹脂の種類等にもよって異なるため、一概に規定することはできないが、1/100以上100/1以下の範囲が好ましく、1/10以上10/1以下の範囲がより好ましい。
また、前記硬化性シリコーン樹脂として、アクリル変性シリコーン樹脂と熱硬化性のシリコーン樹脂とを同時に含有するものを用いる場合、その組み合わせとしては、例えば、アクリル変性シリコーン樹脂とシリコーンアルキド樹脂との組み合わせ、アクリル変性シリコーン樹脂と純シリコーン樹脂との組み合わせ、アクリル変性シリコーン樹脂とシリコーンアルキド樹脂と純シリコーン樹脂との組み合わせが好ましい。
前記硬化性シリコーン樹脂の分子量としては、重量平均分子量で、10,000以上1,000,000以下の範囲が好ましい。また、前記硬化性シリコーン樹脂における全有機基中のフェニル基の割合としては、0.1モル%以上50モル%以下の範囲が好ましい。
本発明におけるシリコーン系ハードコート材料は、さらに前記シラン組成物の縮合物樹脂の固形分100質量部に対して、5質量部以上25質量部以下の範囲のコロイダルシリカを含むことが好ましい。さらに好ましくは約10質量部以上15質量部以下の範囲である。この使用範囲であると、画像受像層皮膜の亀裂を生じさせず、さらに機械的強度を至適レベルで達成させることができる。
これらのコロイダルシリカは、通常水性分散液、あるいは水性/有機溶剤分散液の形態にある。これらの製造方法は、例えば米国特許第4914143号明細書、同第3986997号明細書、同第5503935号明細書、同第4177315号明細書に示されている。
また、これらのコロイダルシリカは、透過型電子顕微鏡などで観察すると、直径約10ナノメートル(nm)未満の平均粒径を有していて、さらに粒子体積を基準にして、少なくとも約80%のコロイダルシリカ粒子が6nm以上9nm以下の範囲の直径を有している。
<保護層>
第一の転写シートにおける保護層は、画像記録体の表面層を構成し、画像を保護する機能を担うことになる。
この機能を発揮するためには、保護層は傷や薬剤などに強い必要がある。このため、保護層には、シリコーン系ハードコート材料などの光硬化性や熱硬化性の樹脂が含まれることが好ましい。
これら以外にも、必要に応じて種々の材料が添加できるが、保護層を構成する樹脂全体のうち、シリコーン系ハードコート材料は0.5質量%以上98質量%以下の範囲で含まれることが好ましく、1質量%以上95質量%以下の範囲で含まれることがより好ましい。シリコーン系ハードコート材料の含有量が0.5質量%に満たないと、離型層と保護層との界面での剥離が困難となる場合があり、98質量%を超えると、画像の転写や定着状況が悪くなり、画質劣化を引き起こす場合がある。
<基体>
基体としては、特に限定されないが、プラスチックフィルムを代表的に用いることができる。この中でも、OHPフィルムとしてあるいは印刷フィルムとして使用できるようなPETフィルムである、ポリアセテートフィルム、三酢酸セルローズフィルム、ナイロンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリサルホンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリフェニレンエーテルフィルム、シクロオレフィンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム、セロハン、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂フィルム、ポリアリレートフィルムなどを好ましく用いることができる。
本発明に用いられる基体は、後述する画像支持体との加熱圧着性(ラミネート性)の観点から、2つ以上の層から構成されることが好ましい。
なお、前記のポリカーボネートは、ビスフェノール類と炭酸とから得られる重縮合物であり、ポリアリレートは、ビスフェノールと芳香族ジカルボン酸との重縮合により得られるポリエステルである。ポリアリレートは主鎖中に剛直な芳香族環を高密度に含むのでポリカーボネートより耐熱性が一般的に高い。
前記ビスフェノール類としては、ビスフェノールA(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン)、ビスフェノールC(4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス(2−メチルフェノール))、ビスフェノールAP(4,4’−(1−フェニルエチリデン)ビスフェノール)、ビスフェノールZ(4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノール)、4,4’−シクロヘキシリデンビス(3−メチルフェノール)、5,5’−(1−メチルエチリデン)(1,1’−ビフェニル)−2−オール、(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジオール、3,3’−ジメチル(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジオール、4,4’−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスフェノール)、4,4’−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)ビス(2−メチルフェノール))、4,4’−(1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)ビス(2−メチルフェノール))、ビスフェノールS(4,4’−ビス(ジヒドロキシジフェニルスルホン)等が挙げられるが、ビスフェノールAのものがよく用いられている。また、これらは単独で使用してもよいし、2種以上混合して使用してもよい。
前記芳香族ジカルボン酸の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、イタコン酸、アゼライン酸、セバシン酸、アイコ酸二酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェン酸、ドデカン二酸、シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。これら原料は必ずしも1種類で用いる必要はなく、2種以上共重合しても良い。これらのなかでは、テレフタル酸成分および/またはイソフタル酸成分との混合物を用いると、得られるポリアリレートの溶融加工性及び総合的性能面で好ましいものとなる。かかる混合物のとき、その混合比は任意に選ぶことができるが、テレフタル酸成分/イソフタル酸成分=9/1乃至1/9(モル比)の範囲が好ましく、特に溶融加工性及び性能のバランスの点で7/3乃至3/7(モル比)の範囲、更には1/1(モル比)がより好ましい。
本発明に用いられる基体の製造方法は任意であるが、共押出し法、貼り合わせ法等、公知の方法を利用して作製できる。特に、共押出しによって作製されたものが各々の層間の接着力が強いため好ましい。例えば、基体が、前記のようなポリカーボネートやポリアリレート、またはその共重合体、あるいはPETからなるフィルム1(I層)と、その片面あるいは両面にPETG樹脂からなるフィルム2(II層)と、を積層したものである場合、例えば、以下のように製造することができる。
まず、フィルム1(I層)の片面あるいは両面にフィルム2(II層)を積層する方法としては、フィルム1(I層)を構成する組成物と、フィルム2(II層)を構成する組成物とを、別々の押出し機に供給した後、溶融状態で同一のダイから積層しながら押出す共押出法により、未延伸フィルムを得ることができる。
前記未延伸フィルムをそのまま基体として用いることもできるが、さらにこの未延伸フィルムを、速度差を持ったロール間での延伸(ロール延伸)や、クリップに把持して拡げていくことによる延伸(テンター延伸)や、空気圧によって拡げることによる延伸(インフレーション延伸)等によって二軸配向処理し、これを基体として用いてもよい。
なお、一般的に基体を作製する際には、共押出しされた後、縦延伸工程に入り、周速が異なる2本あるいは多数本ロール間で延伸し、目的のフィルム厚みに調整して巻き取られる。二軸延伸の場合は、前記工程を通ったフィルムをそのままテンターに導入し、幅方向に2.5倍以上5倍以下に延伸する。このときの好ましい延伸温度は100℃以上200℃以下の範囲である。
このようにして得られた2軸延伸フィルムは、必要に応じて熱処理が施される。熱処理はテンター内で行うのが好ましく、特に縦横方向に緩和しながら熱処理すると、熱収縮率の低いフィルムが得られる。
前記基体としては、紙(普通紙、コート紙等)、金属(アルミニウム等)、セラミックス(アルミナ等)も用いることができる。該基体の形状としては、特に制限はなく、基体として公知の形状から適宜選択することができるが、フィルム状が好ましい。
前記紙としては、例えば、化学パルプとしては、広葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹未晒クラフトパルプ、広葉樹晒亜硫酸パルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、針葉樹未晒クラフトパルプ、針葉樹晒亜硫酸パルプ、ソーダパルプ等の木材及びその他の繊維原料を化学的に処理し、晒し工程を経て作られたバージンの晒ケミカルパルプが挙げられる。これらの中でも、特に、白色度の高いパルプが好ましい。また、古紙パルプとしては、製本、印刷工場、裁断所等において発生する上白、特白、中白、白損等の未印刷古紙を解離した古紙パルプ、上質紙、上質コート紙、中質紙、中質コート紙、更紙等に平板、凸版、凹版、印刷等、電子写真方式、感熱方式、熱転写方式、感圧記録紙、インクジェット記録方式、カーボン紙等により印字された古紙、水性、油性インクや鉛筆等で筆記された古紙、新聞古紙を解離後、最適な方法で脱墨した古紙パルプ等が挙げられる。これらの中でも、特に、白色度が高く夾雑物の少ない古紙パルプが好ましい。
また、基体は、顔料や染料などが添加され着色されていてもよい。また、基体は、フィルム状、板状であってもよいし、可とう性を有しない程度、または、基体としての要求に必要な強度を有する程度に厚みを有する形状であってもよい。
<<第二の転写シート>>
転写シートの第二の形態(以下、「第二の転写シート」という場合がある。)は、基体の表面に画像受像層が設けられており、画像受像層は、熱可塑性樹脂と、微粒子と、硬化性シリコーン樹脂とを少なくとも含むものであり、必要に応じて、第一の転写シートの画像受像層と同様にその他各種の添加剤が含まれていてもよい。ここで、熱可塑性樹脂、微粒子、および基体としては第一の転写シートに用いられるものと同様のものが利用できる。
第二の転写シートでは、画像受像層が基体から剥離可能な層である。これは画像受像層を構成する樹脂が、硬化性シリコーン樹脂と熱可塑性樹脂とを含む混合樹脂であるため、基体からの剥離が可能となり、電子写真法で形成された画像を記録媒体上に転写させた場合に、画像受像層が基体から剥離し、記録媒体上に転写された画像を覆い、この画像を保護することとなる。また、硬化性シリコーン樹脂は強靭であるため、画像記録体の耐傷性にも優れる。
硬化性シリコーン樹脂としては公知の硬化性シリコーン樹脂が利用できるが、定着時における画像受像層と画像との相溶を促進するために、トナーの結着樹脂として用いられるアクリル樹脂やポリエステル樹脂と相溶性に優れる硬化性シリコーン樹脂を含んでいることが好ましい。また、熱可塑性樹脂としては、同様の理由からアクリル樹脂やポリエステル樹脂を用いることが好ましい。
画像受像層に含まれる前記硬化性シリコーン樹脂について、以下に説明する。
一般に、シリコーン樹脂は、その分子構造により、シリコーンオイルやシリコーンゴム等の材料となる直鎖状構造をとるシリコーン樹脂と、3次元に架橋した構造のシリコーン樹脂とに分類される。また、離型性、接着性、耐熱性、絶縁性及び化学的安定性等の諸性質は、シリコン原子に結合している分子(有機分子)やその重合度等によって決定される。
硬化性シリコーン樹脂は、3次元に架橋した構造のシリコーン樹脂が好ましい。3次元に架橋した構造のシリコーン樹脂は、通常、多官能性(3官能性、4官能性)単位から重合され、架橋構造を持つ。
尚、直鎖状構造をとるシリコーン樹脂には、分子量が低く、シリコーンオイルとして、絶縁油、液体カップリング、緩衝油、潤滑油、熱媒、撥水剤、表面処理剤、離型剤、消泡剤等に利用されるものや、加硫剤等を添加後、加熱硬化によって、分子量(シロキサン単位)5000以上10000以下程度に重合されたシリコーンゴム等がある。
硬化性シリコーン樹脂は、その分子量単位によって、有機溶媒に溶解可能で比較的低分子量であるシリコーンワニスと、高重合度のシリコーン樹脂等とに分類される。また、前記硬化性シリコーン樹脂は、生成段階における硬化反応によって、縮合型、付加型、輻射線型(紫外線硬化型、電子線硬化型)等に分類される。また、塗布形態によっては、溶剤型、無溶剤型等に分類される。
画像受像層が硬化性シリコーン樹脂を含有することが必要である理由としては、以下の通りである。即ち、先ず、硬化性シリコーン樹脂は、Si−O結合に起因して、表面エネルギーが低いため、本質的に、離型性、非相溶性に優れる。しかし、その硬化条件等を制御することにより、優れた接着性をも発現させることが可能であるため、画像剥離性と、画像定着性とを両立した画像記録体を得ることが可能となるためである。
硬化性シリコーン樹脂としては、特に制限はなく、公知の硬化性シリコーン樹脂の中から選択することができるが、以下の理由により、硬化性アクリル変性シリコーン樹脂(硬化性アクリルシリコーン樹脂)が特に好ましい。
硬化性アクリルシリコーン樹脂は、画像形成材料として通常用いられている、スチレン−アクリル樹脂や、ポリエステル樹脂と化学的親和性が高いアクリル鎖を分子中に含み、離型性を発現させるシリコーン樹脂部分を併せ持つ。したがって、一分子中に、トナーと接着し易い部分と、接着しにくい部分が存在する。また、これらが均質に相溶していることにより、分子オーダーで、画像剥離性及び画像定着性が発現される。
また、硬化性アクリルシリコーン樹脂においては、アクリル鎖とシリコーン鎖との比率、その硬化条件及び後述の硬化性シリコーン化合物及び変性シリコーンオイルの添加量等を制御することにより、画像定着性や画像剥離性を更に自由に制御することが可能である。
硬化性シリコーン樹脂としては、熱硬化型シリコーン樹脂も特に好ましく用いることができる。
熱硬化型シリコーン樹脂は、光硬化型として知られている前記アクリルシリコーン樹脂に比べてその表面硬度が低く、その分画像形成材料が受像層に包み込まれる状態となりやすく、画像定着性に優れる傾向がある。
また、前記熱硬化性シリコーン樹脂はアクリルシリコーン樹脂などに比べて離型性が高く、その結果、画像剥離性にも優れる。
また、熱硬化性シリコーン樹脂は、シリコーン成分と非シリコーン成分との混合系の場合、この比率、その硬化条件及び硬化性シリコーン化合物及び変性シリコーンオイルの添加量等を制御することにより、画像定着性や画像剥離性を更に自由に制御することが可能である。
アクリルシリコーン樹脂と熱硬化性シリコーン樹脂とを混合しても好ましく用いることができる。前記アクルリシリコーン樹脂と熱硬化性シリコーン樹脂を混合する場合、その混合割合により両者の中間の性能を示すことになり、この比率、その硬化条件及び硬化性シリコーン化合物及び変性シリコーンオイルの添加量等を制御することにより、画像定着性や画像剥離性を更に自由に制御することが可能である。
硬化性シリコーン樹脂としては、例えば、縮合型、付加型及び紫外線硬化型に分類すると、以下のものが好適に挙げられる。
縮合型の硬化性シリコーン樹脂としては、例えば末端にシラノール基を有するポリジメチルシロキサンのなどのポリシロキサンをベースポリマーとし、架橋剤としてポリメチルハイドロジェンシロキサン等を配合し、有機スズ触媒等の有機酸金属塩やアミン類等の存在下で加熱縮合して合成した硬化性シリコーン樹脂や、水酸基、アルコキシ基等の反応性の官能性基を末端に持つポリジオルガノシロキサンを反応させて合成した硬化性シリコーン樹脂や、3官能性以上のクロロシラン又はこれらと1、2官能性のクロロシランとの混合物等を加水分解したシラノールを縮合して合成したポリシロキサン樹脂等が挙げられる。
尚、縮合型は、形態的には、溶液型とエマルジョン型とに分類され、そのいずれも好適に使用することができる。
付加型の硬化性シリコーン樹脂としては、例えばビニル基を含有するポリジメチルシロキサンのなどのポリシロキサンをベースポリマーとし、架橋剤としてポリジメチルハイドロジェンシロキサンを配合して、白金触媒の存在下で反応・硬化させて合成した硬化性シリコーン樹脂等が挙げられる。
尚、付加型は、形態的には、溶剤型、エマルジョン型及び無用剤型に分類され、そのいずれも好適に使用することができる。
紫外線硬化型の硬化性シリコーン樹脂としては、例えば光カチオン触媒を利用して合成した硬化性シリコーン樹脂や、ラジカル硬化機構を利用して合成した硬化性シリコーン樹脂等が挙げられる。
また、ケイ素原子と結合した水酸基又はアルコキシ基等を有する低分子量ポリシロキサンと、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン又はメラミン樹脂等とを反応させて得られる変性シリコーン樹脂等も好適に挙げられる。これらの硬化性シリコーン樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
画像受像層に用いる硬化性シリコーン樹脂の分子量としては、重量平均分子量で、10,000以上1,000,000以下が好ましい。また、硬化性シリコーン樹脂における全有機基中のフェニル基の割合としては、0.1モル%以上50モル%以下が好ましく、官能性としては、1以上4以下が好ましい。
硬化性シリコーン樹脂の画像受像層における含有量としては、30質量%以上100質量%以下が好ましく、50質量%以上100質量%以下がより好ましい。含有量が、30質量%未満の場合には、離型性能が発揮できないことがある。
熱可塑性樹脂としては、トナーとの相溶性に優れるアクリル樹脂やポリエステル樹脂が好ましく用いられるが、これ以外の熱溶融性樹脂や硬化性樹脂なども用いることができる。
熱可塑性樹脂としてのアクリル樹脂は、ガラス転移点(Tg)が50℃以上120℃以下の範囲であることが好ましく、60℃以上105以下℃の範囲であることがより好ましい。
また、画像受像層は、熱可塑性樹脂としてのアクリル樹脂やポリエステル樹脂の他に、必要に応じて、他の樹脂を併用することもできる。
画像受像層は、画像の定着時、定着部材への付着、巻き付きを防止するためには、定着部材への低付着性材料である天然ワックスや合成ワックス、あるいは離型性樹脂、反応性シリコーン化合物、変性シリコーンオイルなどを含有することが好ましい。
<<第三の転写シート>>
転写シートの第三の形態(以下、「第三の転写シート」という場合がある。)は、基体の画像受像層が設けられている面に、基体側から離型層及び画像受像層が順次設けられており、画像受像層に、硬化性シリコーン樹脂と、熱可塑性樹脂と、微粒子とが含まれ、必要に応じて、第一の転写シートに用いられるものと同様のその他各種の添加剤を適宜利用することができる。
第三の転写シートは、画像受像層が基体側に隣接する層である離型層から剥離可能な層である。
第三の転写シートは、離型層を有するため、電子写真法で形成された画像を記録媒体上に転写させた場合に、離型層から画像受像層が剥離し、この画像受像層が前記記録媒体上に転写された画像を覆い、画像を保護することとなる。また、画像受像層が含有する硬化性シリコーン樹脂は強靭であるため、画像を覆うことにより耐傷性にも優れる。
第三の転写シートでは、基体表面に離型剤層と画像受像層とをこの順に設けた構成とした以外は、第二の転写シートと同様の構成であり、好適な態様も同様である。
また、第三の転写シートにおいて、画像受像層に用いられる硬化性シリコーン樹脂、熱可塑性樹脂、微粒子は、第二の転写シートにおいて、画像受像層に用いられるもの同様であり、好ましい態様も同様である。 さらに、第三の転写シートにおける離型層は、第一の転写シートにおける離型層と同様であり、好ましい態様も同様である。
<<転写シートの製造方法>>
上述したような本発明の転写シートは、基体を除く各層を構成する材料を含む塗工液を用いて、基体表面に順次塗工することにより作製することができる。塗工液は、各層を構成する材料と溶媒成分とを混合し、超音波、ウエーブローター、アトライターやサンドミルなどの装置により均一に分散させて作製する。
塗工方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法、ロールコーティング法等の通常使用される方法が採用される。
基体の表面に順次形成される各層の乾燥は、風乾でもよいが、熱乾燥を行えば容易に乾燥できる。乾燥方法としては、オーブンに入れる方法、オーブンに通す方法、あるいは加熱ローラに接触させる方法など通常使用される方法が採用される。
(画像記録体及びその作製方法)
次に、本発明の画像記録体について説明する。本発明の画像記録体は、画像支持体と、該画像支持体の少なくとも片面に設けられた画像被覆層と、前記画像支持体と前記画像受像層との界面に配置された画像とを少なくとも有し、前記画像被覆層が、本発明の転写シートを構成する画像受像層であることを特徴とする。
ここで、本発明の画像記録体は、電子写真方式の画像形成装置によって、画像が画像受像層側の面に形成された本発明の転写シートと、画像支持体とを、転写シートの画像受像層側の面と画像支持体表面とを対面させて重ね合わせることにより積層体を形成する積層体形成工程と、この積層体を加熱加圧することによって、転写シートと画像支持体とを圧着し圧着体を形成する圧着体形成工程と、この圧着体から、転写シートを構成する基体又は基体を含む部材を剥離する剥離工程とを経て作製される。
このため、本発明の画像記録体は、画像支持体の転写シートと圧着される側の面に段差が存在しても、目視で確認できるような残留気泡の発生が少なく、見栄えが良い。
なお、本発明の画像記録体は、本発明の転写シートを用いて上述したようなプロセスを経て作製されるため、目視で確認できるような残留気泡の発生が少ないが、このようなメリットを最大限に享受する観点からは、画像支持体の画像被覆層により被覆されている側の面(すなわち、画像支持体の転写シートと圧着される側の面)が平坦であることが好ましい。
本発明では、高い段差が画像支持体表面に存在しても、目視で確認できるような残留気泡の発生を少なくすることができる。但し、段差が50μmを超えると本発明の転写シートを用いても残留気泡の発生を抑制することが困難となるため、画像支持体の画像被覆層により被覆されている側の面に存在する段差は30μm以下であることが好ましい。
このような画像記録体としては、例えば、(1)表面に情報に応じたトナー画像が形成された本発明の転写シートから、加熱圧着により少なくとも画像受像層と共に画像が画像支持体に転写された画像シート、画像パネルなどの構成や、(2)前記画像支持体の少なくともいずれか1箇所に配置された、電気的手段、磁気的手段、光学的手段から選択される少なくとも1つの手段を利用することにより少なくとも情報の読み出しが可能な情報チップと、を少なくとも含むような、ICカード、磁気カード、光カード、あるいはこれらが組み合わさったカードなど、所定の情報を納め、外部装置と接触または非接触に交信可能な情報記録媒体等の構成が挙げられる。
前記(1)項に示す画像記録体では、トナー画像は、その一部あるいは全体が何らかの識別機能を有する情報を兼ねるもので、画像情報、文字情報等、識別可能な情報として機能するトナー画像を含むものであれば特に限定されない。また情報としてのトナー画像の識別は、視覚的に識別できるものであるか否かは特に限定されず、機械的に識別できるものであってもよい。
また、前記(2)項に示す画像記録体(情報記録媒体)では、情報チップが何らかの識別機能を有する情報を有しており、電気的手段、磁気的手段、光学的手段から選択される少なくとも1つの手段を利用することにより読み出し可能であれば特に限定されない。この情報チップは、情報の読み出し専用であってもよいが、必要に応じて情報の読み出しと書き込み(「書き換え」も含む)との両方が可能なものを用いてもよい。また、このような情報チップの具体例としては、例えばICチップ(半導体回路)が挙げられる。
なお、画像記録体の情報源として、前記の情報チップを用いる場合に形成されるトナー画像は、その一部あるいは全体が何らかの識別機能を有する情報を有するか否かは特に限定されない。
一方、トナー画像や情報チップが有する情報は、識別可能なものであれば特に限定されないが可変情報を含むものであってもよい。該可変情報とは、同一の規格や基準で作製される複数の画像記録体において、個々の画像記録体の有する情報が異なることを意味する。
例えば、トナー画像が可変情報を含む場合、可変情報に対応した部分のトナー画像は、画像記録体毎に異なるトナー画像とすることができる。
さらに、前記の可変情報は個人情報を含むものであってもよい。この場合、本発明の画像記録体(情報記録媒体)は、キャッシュカードや社員証、学生証、個人会員証、居住証、各種運転免許証、各種資格取得証明などに適用可能であり、このような用途に使用される場合、個人情報としては、例えば、顔写真、本人照合用画像情報、氏名、住所、生年月日等挙やこれらの組合せが挙げられる。
前記電子写真方式による転写シートへの画像形成は、まず、電子写真用感光体(像保持体)の表面に均一に電荷を与え帯電させた後、その表面に、得られた画像情報を露光し、露光に対応した静電潜像を形成する。次に、前記感光体表面の静電潜像に現像器から画像形成材料であるトナーを供給することで、静電潜像がトナーによって可視化現像される(トナー画像が形成される)。さらに、形成されたトナー画像を、転写シートの画像受像層が形成された面に転写し、最後に熱や圧力などによりトナー画像が画像受像層表面に定着されて、画像が形成された転写シートが電子写真装置から排出される。
本発明の電子写真用画像転写シートは、画像形成面(画像受像層が設けられた側の面)を画像支持体と重ね合わせて、画像と共に画像受像層(あるいは画像受像層を含む部材)を画像支持体側に転写するものであるため、通常は、転写シートの画像受像層に形成される画像は反転画像(鏡像画像)とする必要がある。このため、前記感光体表面に静電潜像を形成する際には、前記感光体表面に露光される画像情報としては鏡像の情報が提供されることが好ましい。
本発明で用いられる画像支持体は、金属、プラスチック、セラミックなどであり、さらにこれらはシート状のものが好ましい。
本発明に用いられる画像支持体としては、プラスチックシートが好ましく、特に、画像記録体としたときに形成された画像が見えやすいよう不透明であることが好ましく、白色化したプラスチックシートが代表的に使用される。
前記プラスチックシート用樹脂としては、前記転写シートの基体に用いたものと同様なものを用いることができ、ポリアセテートフィルム、三酢酸セルローズフィルム、ナイロンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム、セロハン、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂フィルムなどを好ましく用いることができる。
前記の中でも、ポリエステルフィルム、特に、PET(ポリエチレンテレフタレート)のエチレングリコール成分の半分前後を1,4−シクロへキサンメタノール成分に置き換えたPETGと呼ばれるものや、前記PETにポリカーボネートを混ぜアロイ化させたもの、さらに二軸延伸しないPETで、A−PETと呼ばれる非晶質系ポリエステル等をより好ましく用いることができる。
また、本発明で用いられる画像支持体は、少なくとも画像と共に画像受像層(あるいは画像受像層を含む部材)が転写される側の面は、塩化ビニル樹脂あるいはポリカーボネート樹脂またはエチレングリコール、テレフタル酸及び1,4−シクロヘキサンジメタノール成分を少なくとも共重合させたポリエステルを含むPETGと呼ばれる樹脂であることが好ましい。
本発明においては、画像支持体の少なくとも画像と共に画像受像層(あるいは画像受像層を含む部材)が転写される側の面が、PETGを含むことが好ましい。画像転写面をPETGとすることにより、転写された画像形成材料(トナー)を画像支持体表面にほとんど完全に埋め込ませることができ、最終的な画像記録体の表面を電子写真用画像転写シートの離型層の表面形状と同様にすることができる。
本発明においては、前述のように塩素を含まない基体の使用を考慮し、さらなる材料として、前記ポリスチレン系樹脂シート、ABS樹脂シート、AS(アクリロニトリル−スチレン)樹脂シート、またPETシートや、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂シートに、ポリエステルやEVA等のホットメルト系接着剤が付加されているシート等も好ましく用いることができる。
プラスチックを白色化する方法としては、白色顔料、例えば、酸化珪素、酸化チタン、酸化カルシウム等の金属酸化物微粒子、有機の白色顔料、ポリマー粒子等をフィルム中に混入させる方法が使用できる。また、プラスチックシート表面にサンドブラスタ処理やエンボス加工等を施すことにより、プラスチックシートの表面を凹凸にし、その凹凸による光の散乱によりプラスチックシートを白色化することもできる。
本発明に用いられる画像支持体としては、厚さ75μm以上1000μm以下の範囲のプラスチックからなるシートを用いることが好ましく、厚さ100μm以上750μm以下の範囲のPETGシートを用いることがより好ましい。
本発明においては、最終的な画像記録体がICカード等として用いられる場合には、画像支持体として、その内部または表面に半導体回路を有するものを用いることができる。
画像支持体中に半導体回路を内蔵させる方法としては、前記半導体回路が固定されたインレットと呼ばれるシートを、画像支持体を構成するシート材料間に挟み、熱プレスによって熱融着一体化させる方法が一般的に好ましく用いられる。また、前記インレットシートなしに直接、半導体回路を配置し、同様に熱融着一体化させる方法も可能である。
その他、前記熱融着によらず、ホットメルト等の接着剤を用いて、前記画像支持体を構成するシートどうしを貼り合わせ、同様に、半導体回路を内蔵させることも可能であるが、これらに限られるものではなく、例えば、ICカードに半導体回路を内蔵させる方法であれば、いずれも前記画像支持体の製造方法として適用することができる。
さらに、画像記録体として使用上問題がなければ、半導体回路を画像支持体の内部ではなく、表面に露出した状態で配置することも可能である。
なお、本発明の画像記録体がICカードだけでなく、磁気カード等として用いられる場合には、必要に応じて画像支持体にアンテナ、磁気ストライプ、外部端子などが埋め込まれる。また、磁気ストライプ、ホログラム等が印刷されたり、必要文字情報がエンボスされる場合がある。
前記電子写真用画像転写シートと画像支持体との重ね合わせは、電子写真用画像転写シートと画像支持体とを手で保持して揃えることにより行ってもよいし、電子写真用画像転写シート上に画像形成後に、丁合いトレイなどに電子写真用画像転写シート及び画像支持体を順次排出し、自動的に揃えることにより行ってもよい。
圧着体形成工程における圧着方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の各種ラミネート技法、並びにラミネート装置をいずれも好適に採用することができる。これらの中でも、熱を加えることによりラミネートするヒートプレス法を用いることが好ましく、例えば、転写シート及び画像支持体の積層体を、加熱可能な1対の熱ロールの圧接部(ニップ部)に挿通させることにより、両者をある程度熱溶融させ熱融着させる、通常のラミネート技法、並びにラミネート装置を用いて、圧着させることができる。
なお、本発明における圧着体形成工程には、未定着画像が形成された電子写真用画像転写シートを用いてもよく、この場合には、加熱加圧時の温度を定着工程を経た転写シートを用いる場合に比べ、若干高めにすることにより、トナーの発色性等を確保することができる。
圧着体形成工程を経て得られた圧着体は、画像形成材料が冷却固化した後、圧着体から転写シートを構成する基体又は基体を含む部材を剥離することによって、本発明の画像記録体となる。
前記冷却固化する温度は、具体的にはトナーが十分固まる軟化点以下の温度であり、例えば画像形成材料のガラス転移温度以下であり、望ましくは常温〜30℃であることが好ましい。また、圧着体から転写シートを構成する基体又は基体を含む部材を剥離する条件としては、特に限定されないが、転写シートの端面を掴んで圧着体から徐々に剥していくことが好ましい。
次に、以上に説明した画像記録体の具体例について図面を用いて説明する。図4は、本発明の画像記録体の作製における加熱加圧前の状態と、加熱加圧、剥離後の画像記録体の一例を示す断面図である。図4中、100は電子写真用画像転写シート、180は画像受像層(又は画像被覆層)、190は画像形成材料、200は画像支持体、300は画像記録体を表す。
図4(A)は、基体110及び画像受像層180からなる電子写真用画像転写シート100と、被転写シートである画像支持体200(例えば、PETGシート)とを重ね合わせて積層体を構成したときの状態を示す概略断面図である。加熱加圧前は、画像形成材料(トナー)190は電子写真用画像転写シート100の画像受像層180側、あるいは画像受像層180と画像支持体200との界面に存在する。尚、図4に示す電子写真用画像転写シート100は、基体上に画像受像層のみが設けられているが、既述の本発明の転写シートの各形態に記載のように離型層が設けてあってもよい。
一方、図4(B)に示すように、加熱圧着、剥離後に得られた画像記録体300においては、画像形成材料190は画像被覆層(画像受像層)180に覆われた状態となっている。したがって、作製された画像記録体はそのまま印刷された画像記録体と同様の感触を有し、画像形成材料190は保護されており、簡単に剥がれたりすることがない。
剥離された画像記録体は、そのまま本発明の画像記録体となり得るが、電子写真用画像転写シートに個別の画像が複数形成されている場合、この各画像毎に裁断し、所定サイズの複数の画像記録体を得ることができる。
次に、本発明の画像記録体の作製方法やこれに用いる画像記録体製造装置についてより詳細に説明する。
本発明の画像記録体は、既述したように、まず、転写シートの画像受像層が設けられた側の面に、電子写真方式により鏡像で画像形成材料からなる画像を形成する(画像形成工程)。続いて、転写シートの画像受像層側の面と画像支持体表面とを対面させて重ね合わせることにより積層体を形成する(積層体形成工程)。なお、積層体の形成に際しては、転写シート表面に形成された画像が、画像支持体の所望の位置に転写されるように、転写シートと画像支持体との位置合わせを行う。次に、積層体を加熱加圧することによって、転写シートと画像支持体とを圧着し圧着体を形成する(圧着体形成工程)。そして、画像形成材料が冷却した後、この圧着体から、転写シートを構成する基体又は基体を含む部材を剥離する(剥離工程)。
なお、積層体形成工程においては、画像が形成された2つの転写シートを、画像支持体に対してそれぞれその表面に形成された定着画像面を互いに対面させることが、画像支持体表裏に同時に画像を転写することが出来る点で好ましい。
次に、本発明の画像記録体の作製方法に用いる作製装置について説明する。
本発明に用いられる画像記録体の作製装置は、本発明の電子写真用画像転写シートを用いるものであり、少なくとも一方の面に画像受像層を有する電子写真用画像転写シートを収容する電子写真用画像転写シート収納部と、該電子写真用画像転写シートの画像受像層が設けられた側の面に、電子写真方式により鏡像で画像形成材料からなる画像を形成する画像形成部と、画像支持体を収容する画像支持体収納部と、前記電子写真用画像転写シートを、少なくとも画像支持体の片面と前記画像が形成された面とが対面するように重ね合わせ、積層体とする積層体形成部(位置決め部)と、前記積層体を加熱圧着して圧着体を形成する圧着体形成部(加熱圧着部)と、前記画像形成材料が冷却固化した後、前記電子写真用画像転写シートを構成する基体又は基体を含む部材を圧着体から剥離する剥離部と、を備えるものである。
図5は、本発明の画像記録体の作製装置の一例を示す概略構成図である。
図5に示す画像記録体の作製装置10は、画像形成装置12、丁合い装置14(位置決め部)と、ラミネート装置16(加熱圧着部)と、剥離装置17(剥離部)と、から構成されている。
画像形成装置12は、例えば、転写シート収納部18(電子写真用画像転写シート収納部)と、画像形成部20と、転写シート収納部18から画像形成部へ転写シート(本発明の電子写真用画像転写シート)22を搬送する搬送路24と、画像形成部20から排出口28へ転写シート22を搬送する搬送路26とから構成されている。その他の構成は省略する。
転写シート収納部18には、転写シート22が収納されると共に、通常の給紙装置に備えられているような送り出しロールや給紙ロールが備えられ、所定のタイミングで給紙ロール等が回転し、画像形成部20へ転写シート22を搬送する。
画像形成部20は、図示しないが、潜像を形成する潜像保持体と、該潜像を少なくともトナーを含む現像剤を用いて現像し、トナー画像を得る現像器と、現像されたトナー画像を転写シート22に転写する転写器、転写シート22に転写されたトナー画像を加熱・加圧して定着する定着器などを含む、公知の電子写真方式の装置で構成されている。
搬送路24、26は、駆動ローラ対を含む複数のローラ対やガイド(図示せず)から構成されており、さらに搬送路26には、転写シート22の搬送方向を180°反転させる反転路26aが設けられる。搬送路26と反転路26aとの分岐付近には、転写シート22の案内方向を変更するカム32が設けられている。この反転路26aで転写シート22を往復させ、再び搬送路26に戻すと、転写シート22の搬送方向が180°反転されると共に、転写シート22の表裏が反転して搬送される。
丁合い装置14は、プラスチックシート収納部(画像支持体収納部)34と、丁合いトレイ36(位置決め部)、プラスチックシート収納部34から丁合いトレイ36へプラスチックシート(画像支持体)38を供給する搬送路40と、画像形成装置12の排出口28から排出された転写シート22を、丁合いトレイ36へ供給する搬送路42と、から構成されている。
プラスチックシート38を丁合いトレイ36へ供給する搬送路40排出部と、転写シート22を丁合いトレイ36へ供給する搬送路42排出部は、高さ方向に並列して設けられている。
搬送路40、42としては、平滑な板状部材と、その表面を転写シート22を搬送させるための搬送ロールが設けられた構成であってもよく、また回転するベルト状の搬送体で構成されていてもよい。そして転写シート22が画像形成装置12から排出されるタイミング、又はプラスチックシート38が排出されるタイミングで搬送ロールやベルトが回転し、転写シート22又はプラスチックシート38を丁合いトレイ36に搬送する。
プラスチックシート収納部(画像支持体収納部)34には、プラスチックシート38が収納されると共に、通常の給紙装置に備えられているような送り出しロールや給紙ロールが備えられ、丁合いトレイ36がプラスチックシート収納部34の排出口の位置に移動した直後のタイミングで給紙ロール等が回転し、丁合いトレイ36にプラスチックシート38を搬送する。
丁合いトレイ36は、搬送路40排出部と搬送路42排出部からプラスチックシート38及び転写シート22がそれぞれ供給されるように、例えば、その端部の一部が上下(図中上下)に張架されたベルト外壁に連結されており、当該ベルトの回転駆動に伴い昇降するよう構成されている。このような昇降手段に限らず、モーター駆動方式など、公知の昇降手段を適用させることができる。また、積層されたプラスチックシート38及び転写シート22の端部を揃える位置決め手段(図示しない)が設けられている。
丁合いトレイ36には、プラスチックシート38を介して2つの転写シート22を積層した積層体を仮止めする仮止め装置44が設けられている。この仮止め装置は、例えば、ヒータなどにより加熱されるよう金属からなる一対の突片で構成されており、この加熱された一対の突片により積層体の端部近傍を挟むことで、積層体の端部近傍が熱溶着されて仮止めされる。
仮留の方法としては、熱溶着を用いるのであれば一対の突片による方法に限らず、既存のその他の方式、すなわち加熱した針状の部材をシートの垂直方向に貫通させたり、超音波振動子を搭載した部材でシートを挟み、超音波振動により発生した熱により溶着することも可能である。また、熱を用いずに機械的に互いの動きを拘束する手段、すなわち、ホチキスの針等を用いて固定したり、あるいは搬送経路に沿ってシートとともに移動可能なグリッパーを設けてもよい。
仮止め装置44は、丁合いトレイ36からラミネート装置16への積層体の搬送路上に設けられる場合には、仮止め装置44は、仮止め時のみ丁合いトレイ36の端部に配置され、それ以外のときは前記搬送路から退避できる構造をとる必要がある。
ラミネート装置16は、例えば、一対のベルト46から構成されるベルトニップ方式を採用することができる。それぞれのベルト46は、加熱・加圧ロール48と、張架ロール50、更にロール52、54により張架されている。
ラミネート装置16における圧着方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の各種ラミネート技法、並びにラミネート装置をいずれも好適に採用することができる。例えば、前記積層体を熱ロール対などによるニップ部に挿通させることにより、両者をある程度熱溶融させ熱融着させる、通常のラミネート技法、並びにラミネート装置、あるいは熱プレス技法、ならびに熱プレス装置を用いて、圧着させることができる。
剥離装置17は、例えば、エア噴出しノズル19とガイド21a、21bからなっており、プラスチックシートの搬送経路下流側に、排出トレイ56が設けられている。
まず、画像形成装置12において、転写シート22のうち、プラスチックシート38の裏面(図面中下側)に圧接される第1の転写シート22aが、転写シート収納部18から搬送路24を経由して画像形成部20へと供給され、第1の転写シート22aの上面(図中上側)に電子写真方式により所定のトナー画像が転写された後、定着され定着画像が形成される。このとき、第1の転写シート22aの上面に定着画像が形成されているので、第1の転写シート22aは、そのまま搬送路26を経て排出口28へ搬送され、丁合い装置14へと送られる。
そして、丁合い装置14において、第1の転写シート22aは、丁合い装置14の搬送路42を経て、丁合いトレイ36へと供給される。ここで、搬送路42排出部を出た第1の転写シート22は、第1の転写シート22aの画像面は上面を向くように、その自重により丁合いトレイ36へ供給される。
次に、丁合いトレイ36を、搬送路40排出部付近まで昇降させ、プラスチックシート38を、プラスチックシート収納部34から搬送路40を経て、丁合いトレイ36へと供給される。ここで、搬送路40排出部を出たプラスチックシート38は、その自重により丁合いトレイ36へと供給され、第1の転写シート22aと重ねられる。
次に、画像形成装置12において、プラスチックシート38の表面(図面中上側)に圧接される第2の転写シート22bが、転写シート収納部18から搬送路24を経由して画像形成部20へと供給され、第2の転写シート22bの上面(図中上側)に電子写真方式により所定のトナー画像が転写された後、定着され定着画像が形成される(画像形成工程)。第2の転写シート22bの上面に定着画像が形成されているので、第2の転写シート22bは、搬送路26を通り、一端、反転路26aを経由して、再び搬送路26に戻り排出口28へ搬送され、丁合い装置14へと送られる。
このとき、搬送路26と反転路26aの分岐付近において、カム32はその先端が搬送路26に重なるように駆動され、カム32の先端位置に到達した第2の転写シート22は搬送方向が変更され、反転路26aへと案内搬送される。そして、第2の転写シート22bが反転路26aに到達した後、図示しない駆動ロールを反転させ、第2の転写シート22bを反転路26aで往復移動させて、再び搬送路26に戻す。このため、搬送路26に戻った第2の転写シート22bは、搬送方向が180°反転される共に、その表裏も反転し、画像面が下側(図中下側)を向いて搬送されることとなる。
そして、丁合い装置14において、第2の転写シート22bは、丁合い装置14の搬送路42を経て、丁合いトレイ36へと供給される。ここで、搬送路42排出部を出た第2の転写シート22bは、第2の転写シート22bの画像面が下面は上面を向くように、その自重により丁合いトレイ36への供給され、プラスチックシート38と重ねられる。
このように、丁合いトレイ36には、画像面が上向きの第1の転写シート22a、プラスチックシート38、及び画像面が下向きの第2の転写シート22bの順番で供給されると共に重ねられる(位置決め工程)。この積層体は、プラスチックシート38を介して、第1の転写シート22a及び第2の転写シート22bがその画像面を対面させて積層されている。
次に、丁合いトレイ36上の第1の転写シート22a、プラスチックシート38、及び第2の転写シート22bの端部を、図示しない位置決め手段により揃え、続いて、仮止め装置44により、積層体の端部を仮止めを施した後、ラミネート装置16へ搬送される。なお、転写シート22、プラスチックシート38のサイズを同等にしており、積層体の端部を揃えることで、位置決めが行なわれる。
次いで、ラミネート装置16において、第1の転写シート22a、プラスチックシート38、及び第2の転写シート22bの積層体を、一対のベルト46ニップ間に通過させて加熱圧着処理をし、プラスチックシート38を第1の転写シート22a及び第2の転写シート22bで加熱圧着する。
加熱圧着された積層体は、次に剥離装置17へ搬送される。プラスチックシート38は、例えばその先端右端部に切欠きがあり、その部分では第1の転写シート22aと第2の転写シート22bはプラスチックシート38に接着することなく、一定の隙間をあけて対峙している。積層体先端部がエア噴出しノズル19にさしかかると、ノズルから圧縮空気が噴射される。第1の転写シート22aと第2の転写シート22bの端部がプラスチックシート38より浮き上がり、ガイド21a、21bの先端が第1の転写シート22aとプラスチックシート38および第2の転写シート22bとプラスチックシート38との間に入る。さらに、積層体が搬送されるにつれ、2つの転写シートはガイド21a、21bに沿ってプラスチックシート38と分離する方向に搬送され、プラスチックシート38から剥がされる。
プラスチックシート38は排出トレイ56に排出され、記録済みプラスチックシートが得られる。ここで、プラスチックシートに個別の画像が複数形成されている場合、この各画像毎に裁断し、所定のサイズのプラスチックシートを得る。
第1の転写シート22aと第2の転写シート22bは、その後図示しない経路を通って転写シート排出トレイ57に排出される。排出された転写シートは、転写シート収納部に戻して、再度画像記録を行ってもよい。
以上のように、本発明の画像記録体の作製装置では、2つ転写シート22の片面に電子写真方式により画像を形成し、プラスチックシート38を介して、この2つの転写シート22をその画像面を対面させて加熱圧着し、転写シートを剥離することで、画像形成手段として従来の電子写真装置を大きく改造することなく用い、プラスチックシートに高解像度の画像を高い生産性で印刷することが可能である。
また、画像形成装置12における画像形成部20から排出口28と転写シート22を搬送する搬送路26の途中に反転路26aを設けて、転写シート22のうち、丁合いトレイ36上の下側に供給される第1の転写シート22aは反転路26aを経由させず、上側に供給される第2の転写シート22bは反転路26aを経由させその表裏を反転させて搬送するといった具合に、選択的に転写シート22の表裏を反転させることで、連続した位置決めが行なわれ、より効率良くプラスチックシートに印刷することが可能となる。
また、本発明の画像記録体の作製は、上述した以外にも以下に説明する方法によって作製することもできる。
まず、画像受像層が両面に設けられた電子写真用画像転写シートの両面それぞれに、電子写真方式により鏡像で画像形成材料からなる画像を形成する(画像形成工程)。続いて、両面に画像が形成された電子写真用画像転写シートの各々の面と、画像支持体とを対面させて重ね合わせることにより積層体を形成する(積層体形成工程)。なお、積層体の形成に際しては、転写シート表面に形成された画像が、画像支持体の所望の位置に転写されるように、転写シートと画像支持体との位置合わせを行う。次に、積層体を加熱加圧することによって、転写シートと画像支持体とを圧着し圧着体を形成する(圧着体形成工程)。そして、画像形成材料が冷却した後、この圧着体から、転写シートを構成する基体又は基体を含む部材を剥離する(剥離工程)。
この方法では、1枚の電子写真用画像転写シートから2枚の画像記録体作製することができるため、効率がアップする点で好ましい。
一方、例えば、画像受像層中にポリエステル樹脂とアクリルシリコーン樹脂などの光硬化性樹脂とが含まれる場合、画像受像層中にポリエステル樹脂のみが含まれる場合と比較して画像受像層が硬くなる場合があり、その結果として画像形成材料(トナー)との密着性が低下する場合がある。
この場合、剥離工程後に得られた画像記録体の画像被覆層(すなわち、転写シートの光硬化性樹脂を含む画像受像層に相当)側の面に、光硬化性樹脂を効果させる波長の光を照射することによって硬化処理することにより、画像被覆層と画像形成材料(トナー)との密着性を低下させることなく、後硬化により画像被覆層を硬化させることで、画像記録体表面の耐摩耗性をアップさせることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記実施例及び比較例における「部」は「質量部」を意味する。また、以下に説明するすべての実施例、比較例においては、加熱加圧による転写シートと画像支持体との圧着は大気圧下で実施した。
<<実施例A1>>
電子写真用画像転写シート(転写シート1)を以下のように作製した。以下、その作製方法を説明する。
(画像受像層塗工液1の調製)
ポリエステル樹脂(荒川化学工業社製、KA−2070、固形分40質量%)75部と架橋型アクリル微粒子(積水化成品工業社製、MBX−10SS、体積平均粒径10.3μm)7.5部と帯電制御剤(日本油脂社製、エレガン264WAX)1.5部とを、メチルエチルケトン100部に添加して十分撹拌し画像受像層塗工液1を調製した。
(抵抗調整層塗工液1の調製)
ポリエステル樹脂(綜研化学社製、フォレット4M、固形分30質量%)10部と架橋型アクリル微粒子(綜研化学社製、MX300、体積平均粒径3μm)0.6部と帯電制御剤(日本油脂社製、エレガン264WAX)0.3部とを、シクロヘキサノンとメチルエチルケトンとを質量比で10:90で混合した液80部に添加して十分撹拌し抵抗調整層塗工液1を調製した。
(電子写真用画像転写シートの作製)
基体としてPETフィルム(東レ社製、PET100S−10、厚み:100μm)を用い、この基体の一方の面に前記抵抗調整層塗工液1をワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で30秒乾燥させ、膜厚0.2μmの抵抗調整層を形成した。
次にこの抵抗調整層を形成させた反対側の面に、前記画像受像層塗工液1をワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で60秒乾燥させ、膜厚6.4μmの画像受像層を形成した。その後A4サイズ(210mm×297mm)にカットして転写シート1を作製した。 この転写シート1の抵抗調整層の表面抵抗率(23℃、55%RHにおける表面抵抗率、以下同様)は、1.8×109Ω、画像受像層の表面抵抗率は、6.8×109Ωであった。転写シート1の単位面積当たりに存在する微粒子の数(微粒子密度)を光学顕微鏡で測定・確認した結果は2500個/mmであり、被覆率Cは19.6%であった。また、転写シート1の画像受像層と基体との間の剥離力を測定したところ1.13N/cm(115gf/cm)であった。
(転写シートへの画像形成)
前記転写シート1(画像未形成)の画像受像層面に、画像形成装置(富士ゼロックス(株)社製カラー複写機 DocuColor1256CP)で顔写真や名前、1〜5ポイントの大きさである数字文字、ベタ画像を含むカラーの鏡像画像を画像受像層面に形成した。
(画像記録体(カード1)の作製)
画像記録体は、接触式ICカード(大日本印刷社製)を画像支持体とし、この表裏面に、前記画像が定着された転写シート1を画像面で重ね合わせ、ラミネーター(フジプラ(株)社製、ラミパッカーLPD3206 City)を用い、210℃、送り速度0.3m/min(5mm/s)の条件で貼り合わせ、得られた圧着体を常温まで冷却後、圧着体の基体側の部材を画像支持体側の部材から引きはがし、ICカード上に顔写真を含む画像が画像受像層と共に転写されたカード1(画像記録体1)を作製した。
なお、大日本印刷社製の接触式ICカード(画像支持体)は、その表裏面にICモジュールやアンテナに起因する最大高さ30μmの段差を有するものである。
(画像記録体の評価)
前記カード1について、以下の評価を行った。
−画像の定着性評価−
トナー画像の定着性の評価は、カード1の表面に転写された画像部に、市販の18mm幅セロハン粘着テープ(ニチバン社製、セロハンテープ)を700g/cmの線圧で貼り付け、10mm/secの速度で剥離した時の画像の剥がれを以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
◎:全く問題なし
×:剥離テスト後に画像が剥がれたり、画像が乱れた
−画像濃度−
画像濃度は、ベタ画像部をX−Rite967濃度計(X−Rite社製)で測定し、以下の基準で評価した。結果を表1に示す
○:画像濃度が1.5以上
△:画像濃度が1.5未満1.3以上
×:画像濃度が1.3未満
−画質評価−
画質に関しては、細線文字の正確な印字転写性(印字再現性)を評価した。画像として1〜5ポイントの数字文字を印字転写後の解像度を文字の判別できるポイント数にて評価し、以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
◎:1〜5ポイント文字の全てが確認できた場合
○:3〜5ポイント文字のみ確認できた場合
△:4〜5ポイント文字のみ確認できた場合
×:5ポイント文字のみが確認できた、又は、5ポイント文字も確認できなかった場合
−残留気泡の評価−
作製されたカードの段差部分に残留する気泡の見えやすさと、ICモジュールの裏面側での画像部分と、アンテナに起因した線上の段差部分の残留気泡の有無を目視で評価した。結果を表1に示す。
◎:残留気泡が全くない場合
○:良く見ないとわからない程の場合
△:ポツポツと気泡が輝くように見えた場合
×:明らかに気泡が大きく残留している場合
<<比較例1>>
実施例A1において、電子写真用画像転写シートとして、市販のPETシート(東レ(株)社製、T60、厚さ:100μm、表面抵抗率:1×1017Ω)を未処理のまま用いた以外は同様にして評価を行った。
その結果、画像を形成しようとしたところ搬送性が悪く、重送を繰り返した。また、定着させた画像は、十分な濃度と画質が得られていなかった。さらに、画像記録体作製時には、PETシートが白色シート(画像支持体)に接着し、白色シートから剥がれなくなっていて転写シートとして使用できず、また、目的とする画像記録体が作製できなかった。
<<実施例A2>>
(画像受像層塗工液2の調製)
ポリエステル樹脂(日本合成化学社製、ポリエスターTP217)30部と、微粒子として架橋型アクリル微粒子(積水化成品工業社製、MBX−20SS、体積平均粒径:20μm)2.25部と、帯電制御剤としてエレガン264WAX(日本油脂社製)3部とを、メチルエチルケトン100部に添加して十分撹拌し画像受像層塗工液2を調製した。
(電子写真用画像転写シート(転写シート2)の作製)
基体として片面にフッ素樹脂を含んだ離型性熱硬化樹脂層(離型層)が付与されたPETフィルム(パナック社製、PET100SG−2、厚み:101μm)を用い、この基体のもう一方の(未処理)面に前記抵抗調整層塗工液1をワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で30秒乾燥させ、基体裏面側に膜厚0.2μmの抵抗調整層を形成した。
次にこの基体の離型性熱硬化樹脂層の面に、前記画像受像層塗工液2をワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で2分乾燥させ、膜厚12μmの画像受像層を形成した。
その後A4サイズ(210mm×297mm)にカットして転写シート2を作製した。転写シート2は実施例A1と同様に評価した結果、画像受像層の表面抵抗率は、4.3×1010Ωであった。また、単位面積当たりに存在する微粒子の数(微粒子密度)は190個/mmであり、被覆率Cは6%であった。転写シート2の画像受像層と離型層との間の剥離力を測定したところ0.147N/cm(15gf/cm)であった。
前記転写シート2(画像未形成)の画像受像層面に、実施例A1と同様に画像形成装置(富士ゼロックス(株)社製カラー複写機DocuColor1256CP)で顔写真や名前、ベタ画像を含むカラーの鏡像画像を画像受像層面に形成した。
(画像記録体(カード2)の作製)
画像記録体は、実施例A1と同様にしてICカード上に顔写真を含む画像が転写されたカード2(画像記録体2)を作製した。
(カード2(画像記録体2)の評価)
実施例A1と同様にして、カード2における画像の定着性、及び画像濃度、画質、残留気泡に関して評価を行った。その結果を表1に示す。
<<実施例A3>>
(画像受像層塗工液3の調製)
ウレタン変性ポリエステル樹脂を含む塗工液(東洋紡績社製、UR−4122、固形分:30質量%)40部と、微粒子として架橋型アクリル微粒子(積水化成品工業社製、MBX−15SS、体積平均粒径:14.4μm)1.8部と、帯電制御剤としてエレガン264WAX(日本油脂社製)1.6部とを、メチルエチルケトン30部に添加して十分撹拌し画像受像層塗工液3を調製した。
(電子写真用画像転写シート(転写シート3)の作製)
実施例A2と同様にして、基体として片面にフッ素樹脂を含んだ離型性熱硬化樹脂層(離型層)が付与されたPETフィルム(パナック社製、PET100SG−2、厚み:101μm)の未処理面に膜厚0.2μmの抵抗調整層を形成した。次にこの基体の離型性熱硬化樹脂層の面に、前記画像受像層塗工液3をワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で2分乾燥させ、膜厚9μmの画像受像層を形成した。
その後A4サイズ(210mm×297mm)にカットして転写シート3を作製した。画像受像層の表面抵抗率は、1.3×1010Ωであった。また、単位面積当たりに存在する微粒子の数(微粒子密度)は802個/mmであり、被覆率Cは12.3%であった。転写シート3の受像層と離型層との間の剥離力を測定したところ0.098N/cm(10gf/cm)であった。
前記転写シート3(画像未形成)の画像受像層面に、実施例A1と同様に画像形成装置(富士ゼロックス(株)社製カラー複写機DocuColor1256CP)で顔写真や名前、ベタ画像を含むカラーの鏡像画像を画像受像層面に形成した。
(画像記録体(カード3)の作製)
画像記録体は、画像記録体は、接触式ICカード(凸版印刷社製)を画像支持体とし、この表裏面に、前記画像が定着された転写シート3を画像面で重ね合わせ、ラミネーター(フジプラ(株)社製、ラミパッカーLPD3206 City)を用い、210℃、送り速度0.3m/min(5mm/s)の条件で貼り合わせ、転写シート3を常温まで冷却後、転写シート3をICカードから引きはがし、ICカード上に顔写真を含む画像が転写されたカード3(画像記録体3)を作製した。
なお、凸版印刷社製の接触式ICカード(画像支持体)は、その表裏面にICモジュールやアンテナに起因する最大高さ15μmの段差を有するものである。
(カード3(画像記録体3)の評価)
実施例A1と同様にして、カード3における画像の定着性、及び画像濃度、画質、残留気泡に関して評価を行った。その結果を表1に示す。
<<実施例A4>>
(画像受像層塗工液4の調製)
ポリエステル樹脂を含む塗工液(綜研化学社製、フォレットFF−4M、固形分:30質量%)40部と、微粒子として架橋型アクリル微粒子(積水化成品工業社製、MBX−20SS、体積平均粒径:20μm)3部と、帯電制御剤としてエレガン264WAX(日本油脂社製)1.4部とを、メチルエチルケトン30部に添加して十分撹拌し画像受像層塗工液4を調製した。
(電子写真用画像転写シート(転写シート4)の作製)
実施例A2と同様にして、基体として片面にフッ素樹脂を含んだ離型性熱硬化樹脂層(離型層)が付与されたPETフィルム(パナック社製、PET100SG−2、厚み:101μm)の未処理面に膜厚0.2μmの抵抗調整層を形成し、もう一方面の離型層の上に前記画像受像層塗工液4をワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で1分乾燥させ、膜厚14.5μmの画像受像層を形成した。
その後A4サイズ(210mm×297mm)にカットして転写シート4を作製した。画像受像層の表面抵抗率は、1.4×109Ωであった。また、単位面積当たりに存在する微粒子の数(微粒子密度)は680個/mmであり、被覆率Cは21.4%であった。転写シート4の保護層と離型性熱硬化樹脂層との間の剥離力を測定したところ0.343N/cm(35gf/cm)であった。
前記転写シート4(画像未形成)の画像受像層面に、実施例A1と同様に画像形成装置(富士ゼロックス(株)社製カラー複写機DocuColor1256CP)で顔写真や名前、ベタ画像を含むカラーの鏡像画像を画像受像層面に形成した。
(画像記録体(カード4)の作製)
画像記録体は、実施例A3と同様にしてICカード上に顔写真を含む画像が転写されたカード4(画像記録体4)を作製した。
なお、凸版印刷社製の接触式ICカード(画像支持体)は、その表裏面にICモジュールやアンテナに起因する最大高さ50μmの段差を有するものである。
(カード4(画像記録体4)の評価)
実施例A1と同様にして、カード4における画像の定着性、及び画像濃度、画質、残留気泡に関して評価を行った。その結果を表1に示す。
<<実施例A5>>
(画像受像層塗工液5の調製)
ポリエステル樹脂(東洋紡績社製、バイロン885)30部と、微粒子として架橋型アクリル微粒子(積水化成品工業社製、MBX−15SS、体積平均粒径:14.4μm)7.5部と、帯電制御剤としてエレガン264WAX(日本油脂社製)4部とを、メチルエチルケトン70部に添加して十分撹拌し画像受像層塗工液5を調製した。
(電子写真用画像転写シート(転写シート5)の作製)
実施例A2と同様にして、基体として片面にフッ素樹脂を含んだ離型性熱硬化樹脂層(離型層)が付与されたPETフィルム(パナック社製、PET100SG−2、厚み:101μm)の未処理面に膜厚0.2μmの抵抗調整層を形成し、もう一方の面の離型層の上に前記画像受像層塗工液5をワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で2分乾燥させ、膜厚9.5μmの画像受像層を形成した。 その後A4サイズ(210mm×297mm)にカットして転写シート5を作製した。この画像受像層の表面抵抗率は、7.3×1011Ωであった。また、単位面積当たりに存在する微粒子の数(微粒子密度)は1308個/mmであり、被覆率Cは20.1%であった。転写シート5の画像受像層と離型層との間の剥離力を測定したところ0.343N/cm(35gf/cm)であった。
前記転写シート5(画像未形成)の画像受像層面に、実施例A1と同様に画像形成装置(富士ゼロックス(株)社製カラー複写機DocuColor1256CP)で顔写真や名前、ベタ画像を含むカラーの鏡像画像を画像受像層面に形成した。
(画像記録体(カード5)の作製)
画像記録体は、実施例A3と同様にしてICカード上に顔写真を含む画像が転写されたカード5(画像記録体5)を作製した。
なお、凸版印刷社製の接触式ICカード(画像支持体)は、その表裏面にICモジュールやアンテナに起因する最大高さ20μmの段差を有するものである。
(カード5(画像記録体5)の評価)
実施例A1と同様にして、カード5における画像の定着性、及び画像濃度、画質、残留気泡に関して評価を行った。その結果を表1に示す。
<<実施例A6>>
(画像受像層塗工液6の調製)
ポリエステル樹脂(東洋紡績社製、バイロンGK640)10.25部とウレタン変性ポリエステル樹脂を含む塗工液(東洋紡績社製、UR−1350、固形分:33質量%)25部と、架橋型アクリル微粒子(積水化成品工業社製、MBX−10SS、体積平均粒径10.3μm)2部と帯電制御剤(日本油脂社製、エレガン264WAX)0.7部とを、メチルエチルケトン80部に添加して十分撹拌し画像受像層塗工液6を調製した。
(電子写真用画像転写シート(転写シート6)の作製)
実施例A2と同様にして、基体として片面にフッ素樹脂を含んだ離型性熱硬化樹脂層(離型層)が付与されたPETフィルム(パナック社製、PET100SG−2、厚み:101μm)の未処理面に膜厚0.2μmの抵抗調整層を形成し、もう一方の面の離型層の上に、前記画像受像層塗工液6をワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で2分乾燥させ、膜厚4.5μmの画像受像層を形成した。その後A4サイズ(210mm×297mm)にカットして転写シート6を作製した。 この画像受像層の表面抵抗率は、9.3×1012Ωであった。また、単位面積当たりに存在する微粒子の数(微粒子密度)は780個/mmであり、被覆率Cは6.1%であった。転写シート6の画像受像層と離型層との間の剥離力を測定したところ0.343N/cm(35gf/cm)であった。
前記転写シート6(画像未形成)の画像受像層面に、実施例A1と同様に画像形成装置(富士ゼロックス(株)社製カラー複写機DocuColor1256CP)で顔写真や名前、ベタ画像を含むカラーの鏡像画像を画像受像層面に形成した。
(画像記録体(カード6)の作製)
画像記録体は、実施例A3と同様にしてICカード上に顔写真を含む画像が転写されたカード6(画像記録体6)を作製した。
なお、凸版印刷社製の接触式ICカード(画像支持体)は、その表裏面にICモジュールやアンテナに起因する最大高さ15μmの段差を有するものである。
(カード6(画像記録体6)の評価)
実施例A1と同様にして、カード6における画像の定着性、及び画像濃度、画質、残留気泡に関して評価を行った。その結果を表1に示す。
<<実施例A7>>
(離型層塗工液1の調製)
有機シラン縮合物、メラミン樹脂、アルキド樹脂を含むシリコーンハードコート剤(GE東芝シリコーン社製、SHC900、固形分30質量%)40部とトリメトキシメチルシランを0.06部、アミノ変性シリコーンオイル(GE東芝シリコーン社製:TSF4702)を0.06部、シクロヘキサノンとメチルエチルケトンとを質量比で10:90で混合した液60部に添加して十分撹拌し離型層塗工液1を調製した。
(画像受像層塗工液7の調製)
ポリエステル樹脂(東洋紡績社製、バイロンGK880)10部と熱可塑性アクリル樹脂(綜研化学社製、サーモラックEM、固形分40質量%)2.5部と架橋型アクリル微粒子(積水化成品工業社製、MBX−15SS、体積平均粒径14.4μm)1.2部と帯電制御剤(日本油脂社製、エレガン264WAX)1部とを、n−ブチルセロソルブ20部に添加して十分撹拌し、画像受像層塗工液7を調製した。
(電子写真用画像転写シート(転写シート7)の作製)
PETフィルム(東レ社製、ルミラー100T60、厚み:100μm)を用い、この基体に対し、片面ごとに前記離型層塗工液1をワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で30秒乾燥させ、基体表裏面に膜厚0.5μmの離型層を形成した。この片面の離型層上に、前記画像受像層塗工液7をワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で2分乾燥させ、基体の表裏面に膜厚6.3μmの画像受像層を形成した。
その後A4サイズ(210mm×297mm)にカットして転写シート7を作製した。この転写シート7の表面抵抗率は、1.2×1010Ωであった。また、単位面積当たりに存在する微粒子の数(微粒子密度)は390個/mmであり、被覆率Cは6%であった。転写シート7の画像受像層と離型層との間の剥離力を測定したところ0.147N/cm(150gf/cm)であった。
前記転写シート7の画像受像層面に、実施例A1と同様に画像形成装置(富士ゼロックス(株)社製カラー複写機DocuColor1256CP)で顔写真や名前、ベタ画像を含むカラーの鏡像画像を表裏の画像受像層面に形成した。
(画像記録体(カード7)の作製)
画像記録体は、実施例A1と同様にICカード上に顔写真を含む画像が転写されたカード7(画像記録体7)を作製した。
なお、凸版印刷社製の接触式ICカード(画像支持体)は、その表裏面にICモジュールやアンテナに起因する最大高さ30μmの段差を有するものである。
(カード7(画像記録体7)の評価)
実施例A1と同様にして、カード7における画像の定着性、及び画像濃度、画質、残留気泡に関して評価を行った。その結果を表1に示す。
<<実施例A8>>
(画像受像層塗工液8の調製)
ポリエステル樹脂(東洋紡績社製、バイロン226)10部とアクリル樹脂(綜研化学社製、サーモラックM-45C、固形分濃度45.5質量%)2部と架橋型アクリル微粒子(積水化成品工業社製、MBX−20SS、体積平均粒径20μm)1.1部と帯電制御剤(日本油脂社製、エレガン264WAX)1.2部とを、メチルエチエルケトン40部に添加して十分撹拌し、画像受像層塗工液8を調製した。
(電子写真用画像転写シート(転写シート8)の作製)
PETフィルム(東レ社製、ルミラー100T60、厚み:100μm)を用い、この基体に対し、実施例A7と同様に離型層塗工液1をワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で30秒乾燥させ、基体表裏面に膜厚0.5μmの離型層を形成した。この片面の離型層上に、前記画像受像層塗工液8をワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で2分乾燥させ、基体の表裏に膜厚14.5μmの画像受像層を形成した。
その後A4サイズ(210mm×297mm)にカットして転写シート8を作製した。この転写シート7の表面抵抗率は、3.7×1010Ωであった。また、単位面積当たりに存在する微粒子の数(微粒子密度)は305個/mmであり、被覆率Cは9.6%であった。また、転写シート8の画像受像層と離型層との間の剥離力を測定したところ0.147N/cm(150gf/cm)であった。
前記転写シート8の画像受像層面に、実施例A1と同様に画像形成装置(富士ゼロックス(株)社製カラー複写機DocuColor1256CP)で顔写真や名前、ベタ画像を含むカラーの鏡像画像を表裏の画像受像層面に形成した。
(画像記録体(カード8)の作製)
画像記録体は、実施例A1と同様にICカード上に顔写真を含む画像が転写されたカード8(画像記録体8)を作製した。
なお、凸版印刷社製の接触式ICカード(画像支持体)は、その表裏面にICモジュールやアンテナに起因する最大高さ40μmの段差を有するものである。
(カード8(画像記録体8)の評価)
実施例A1と同様にして、カード8における画像の定着性、及び画像濃度、画質、残留気泡に関して評価を行った。その結果を表1に示す。
<<比較例2>>
実施例A6において、画像受像層を3.8μmで塗工した以外は実施例A6と同様にして電子写真用画像転写シート(転写シート)9を作製した。
転写シート9の表面抵抗率は、画像受像層側が4.5×109Ωであった。また、単位面積当たりに存在する微粒子の数(微粒子密度)は630個/mmであり、被覆率Cは5%であった。転写シート9の画像受像層と離型層との間の剥離力を測定したところ0.245N/cm(25gf/cm)であった。また、実施例A6と同様に画像記録体9を作製し、評価を行った。その結果を表1に示す。
<<比較例3>>
実施例A1における画像受像層用塗布液1の調製において、架橋型アクリル微粒子を12部にし、画像受像層を5.3μmで塗工した以外は、実施例A1と同様にして、電子写真用画像転写シート(転写シート)10を作製した。
転写シート10の表面抵抗率は、画像受像層が9.6×109Ωであった。また、単位面積当たりに存在する微粒子の数(微粒子密度)は3060個/mmであり、被覆率Cは24%であった。転写シート10の画像受像層と基体との間の剥離力を測定したところ1.13N/cm(115gf/cm)であった。また、実施例A1と同様に画像記録体10を作製し、評価を行った。その結果を表1に示す。
<<比較例4>>
実施例A5おいて、画像受像層を11.5μmで塗工した以外は、実施例A5と同様にして、電子写真用画像転写シート(転写シート)11を作製した。
転写シート11の表面抵抗率は、画像受像層が3.8×109Ωであった。また、単位面積当たりに存在する微粒子の数(微粒子密度)は1550個/mmであり、被覆率Cは23.9%であった。転写シート11の画像受像層と離型層との間の剥離力を測定したところ0.343N/cm(35gf/cm)であった。また、実施例A1と同様に画像記録体11を作製し、評価を行った。その結果を表1に示す。
Figure 2008158219
次に、第一の転写シートに関する実施例について例を挙げて説明する。
<<実施例B1>>
本発明の電子写真用画像転写シート(転写シート1)を製造した。以下、その製造方法を説明する。
<電子写真用画像転写シートの作製>
(画像受像層塗工液1の調製)
ポリエステル樹脂(東洋紡績社製、バイロン290)30部と架橋型アクリル微粒子(積水化成品工業社製、MBX−10SS、体積平均粒径10.3μm)7.5部と帯電制御剤(日本油脂社製、エレガン264WAX)1.5部とを、メチルエチルケトン100部に添加して十分撹拌し画像受像層塗工液1を調製した。
(抵抗調整層塗工液1の調製)
ポリエステル樹脂(綜研化学社製、フォレット4M、固形分30質量%)10部と架橋型アクリル微粒子(綜研化学社製、MX300、体積平均粒径3μm)0.6部と帯電制御剤(日本油脂社製、エレガン264WAX)0.3部とを、シクロヘキサノンとメチルエチルケトンとを質量比で10:90で混合した液80部に添加して十分撹拌し抵抗調整層塗工液1を調製した。
(保護層用塗布液Aの調製)
硬化性シリコーン樹脂(固形分:100質量%)(商品名:UVHC1105、GE東芝シリコーン社製)5部、帯電制御剤として4級アンモニウム塩(商品名:エレガン264WAX、日本油脂社製)1部とを、メチルエチルケトン80部、トルエン10部の混合溶媒に配合して希釈し、保護層用塗布液Aを調製した。
<電子写真用画像転写シートの作製>
基体として片面にフッ素樹脂を含んだ離型性熱硬化樹脂層(離型層)が付与されたPETフィルム(パナック社製、PET100SG−2、厚み:101μm)を用い、この基体のもう一方の(未処理)面に前記抵抗調整層塗工液1をワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で30秒乾燥させ、膜厚0.2μmの抵抗調整層を形成した。さらにもう片方の面上に保護層用塗布液Aをワイヤーバーを用いて塗布し、これを、100℃で2分間乾燥させた後、光照射装置を用いて、約20cmの照射距離から160W/cm2の強度で20秒間照射して、光硬化反応を行わせ、保護層(厚み2.5μm)を作製した。この保護層の上にさらに前記画像受像層塗工液1をワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で60秒乾燥させ、膜厚6.4μmの画像受像層を形成した。
その後A4サイズ(210mm×297mm)にカットして転写シート1を作製した。この転写シート1の抵抗調整層の表面抵抗率(23℃、55%RHにおける、以下同様)は、1.8×109Ω、画像受像層の表面抵抗率は、6.8×109Ωであった。転写シート1の単位面積当たりに存在する微粒子の数(微粒子密度)を光学顕微鏡で測定・確認した結果は2500個/mmであり、被覆率Cは19.6%であった。また、転写シート1の保護層と離型層との間の剥離力を測定したところ2.26N/cm(230gf/cm)であった。
<電子写真用画像転写シート1への画像形成>
上記画像転写シート1(画像未形成)の表面に、富士ゼロックス(株)社製カラー複写機DocuColor1256CPでベタ画像を含むカラーの鏡像画像を印字し、該画像が形成された転写シート1を作製した。
(画像記録体(カード1)の作製)
画像記録体は、接触式ICカード(大日本印刷社製)を画像支持体とし、この表裏面に、前記画像が定着された転写シート1を画像面で重ね合わせ、ラミネーター(フジプラ(株)社製、ラミパッカーLPD3206 City)を用い、210℃、送り速度0.3m/min(5mm/s)の条件で貼り合わせ、得られた圧着体を常温まで冷却後、圧着体の基体側の部材を画像支持体側の部材から引きはがし、ICカード上に顔写真を含む画像が画像受像層および保護層と共に転写されたカード1(画像記録体1)を作製した。
(画像記録体の評価)
カード1については、実施例A1と同様の評価を行った。
<<実施例B2>>
(保護層用塗布液Bの調製)
熱硬化性シリコーン樹脂(固形分:30質量%)(商品名:SHC−900、GE東芝シリコーン社製)を20部、帯電制御剤として4級アンモニウム塩(商品名:エレガン264WAX、日本油脂社製)2部をメチルエチルケトン16部、トルエン4部に配合して希釈し、保護用塗布液Bを調製した。
(画像受像層塗工液2の調製)
ポリエステル樹脂(東洋紡績社製、バイロン880)30部と、微粒子として架橋型アクリル微粒子(積水化成品工業社製、MBX−20SS、体積平均粒径:20μm)2.25部と、帯電制御剤としてエレガン264WAX(日本油脂社製)3部とを、メチルエチルケトン100部に添加して十分撹拌し画像受像層塗工液2を調製した。
<電子写真用画像転写シート2の作製>
実施例B1と同様にして、抵抗調整層を塗布し後、上記保護層用塗布液Bをもう一方の面上にワイヤーバーで、均一な厚みとなるように塗布し、室温で1分間乾燥させ、130℃で2分間熱風乾燥機で熱硬化反応を行わせ、保護層(厚み2μm)を形成させた。さらに実施例B1と同様に保護層上に、前記画像受像層塗工液2をワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で2分乾燥させ、膜厚11.6μmの画像受像層を形成した。
その後A4サイズ(210mm×297mm)にカットして転写シート2を作製した。転写シート2は実施例B1と同様に評価した結果、画像受像層の表面抵抗率は、4.3×1010Ωであった。また、単位面積当たりに存在する微粒子の数(微粒子密度)は190個/mmであり、被覆率Cは6%であった。転写シート2の保護層と離型層との間の剥離力を測定したところ1.47N/cm(150gf/cm)であった。
一方、実施例B1と同様に電子写真用画像転写シート2を用いて、実施例B1と同様に画像記録体2(カード2)を作製し、評価を行った。その結果を表2に示す。
<<実施例B3>>
(画像受像層塗工液3の調製)
ウレタン変性ポリエステル樹脂を含む塗工液(東洋紡績社製、UR−4122、固形分:30質量%)40部と、微粒子として架橋型アクリル微粒子(積水化成品工業社製、MBX−15SS、体積平均粒径:14.4μm)1.8部と、帯電制御剤としてエレガン264WAX(日本油脂社製)1.6部とを、メチルエチルケトン30部に添加して十分撹拌し画像受像層塗工液3を調製した。
<電子写真用画像転写シート3の作製>
実施例B2と同様に保護層まで形成し、その保護層上に前記画像受像層塗工液3をワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で2分乾燥させ、膜厚9μmの画像受像層を形成した。その後A4サイズ(210mm×297mm)にカットして転写シート3を作製した。画像受像層の表面抵抗率は、1.3×1010Ωであった。また、単位面積当たりに存在する微粒子の数(微粒子密度)は802個/mmであり、被覆率Cは12.3%であった。転写シート3の保護層と離型層との間の剥離力を測定したところ0.98N/cm(100gf/cm)であった。
一方、実施例B1と同様に電子写真用画像転写シート3を用いて、実施例A3と同様に画像記録体3(カード3)を作製し、評価を行った。その結果を表2に示す。
<<実施例B4>>
(画像受像層塗工液4の調製)
ポリエステル樹脂を含む塗工液(綜研化学社製、フォレットFF−4M、固形分:30質量%)40部と、微粒子として架橋型アクリル微粒子(積水化成品工業社製、MBX−20SS、体積平均粒径:20μm)3部と、帯電制御剤としてエレガン264WAX(日本油脂社製)1.4部とを、メチルエチルケトン30部に添加して十分撹拌し画像受像層塗工液4を調製した。
(電子写真用画像転写シート(転写シート4)の作製)
実施例B2と同様に保護層まで形成し、その保護層上に前記画像受像層塗工液4をワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で2分乾燥させ、膜厚14μmの画像受像層を形成した。その後A4サイズ(210mm×297mm)にカットして転写シート3を作製した。画像受像層の表面抵抗率は、5.3×1011Ωであった。また、単位面積当たりに存在する微粒子の数(微粒子密度)は422個/mmであり、被覆率Cは13.3%であった。転写シート3の保護層と離型層との間の剥離力を測定したところ1.82N/cm(100gf/cm)であった。
一方、実施例B1と同様に電子写真用画像転写シート4を用いて、実施例A4と同様に画像記録体4(カード4)を作製し、評価を行った。その結果を表2に示す。
Figure 2008158219
図1は本発明の転写シートの一例(4層構成タイプ)を示す概略断面図である。 図2は本発明の転写シートの他の例(2層構成タイプ)を示す概略断面図である。 図3は本発明の転写シートの他の例(3層構成タイプ)を示す概略断面図である (A)は、電子写真用画像転写シート100と、被転写シートである画像支持体200とを重ね合わせて積層体を構成したときの状態を示す概略断面図で、(B)は、電子写真用画像転写シート100と、画像支持体200とを圧着して得られた圧着体から、電子写真用画像転写シート100を剥離した状態を示す概略断面図である。 本発明の画像記録体の作製装置の一例を示す概略構成図である。
符号の説明
10 画像記録体の作製装置
12 画像形成装置
14 丁合い装置
16 ラミネート装置
17 剥離装置
18 転写シート収納部
19 エア噴出しノズル
20 画像形成部
21a、21b ガイド
22、22a、22b 転写シート
22 転写シート
24 搬送路
26a 反転路
26 搬送路
28 排出口
32 カム
34 プラスチックシート収納部
36 トレイ
38 プラスチックシート(画像支持体)
40 搬送路
42 搬送路
44 仮止め装置
46 ベルト
48 加熱・加圧ロール
50 張架ロール
52 ロール
56 排出トレイ
57 転写シート排出トレイ
110 基体
120 離型層
130 保護層
140、150、160 画像受像層
180 画像受像層(画像被覆層)
190 画像形成材料
200 画像支持体
300 画像記録体

Claims (6)

  1. 基体と、該基体の少なくとも片面に設けられ且つ最表面を構成する画像受像層とを少なくとも有し、
    前記画像受像層が、熱可塑性樹脂と微粒子とを含み、
    前記画像受像層又は前記画像受像層を含む部材と、前記基体又は前記基体を含む部材とが剥離可能であり、
    下式(1)に示される前記微粒子の被覆率Cが6%以上23%以下であることを特徴とする電子写真用画像転写シート。
    ・式(1) C=π×10−4×r×n
    〔式(1)中、rは前記微粒子の体積平均粒子半径(μm)を表し、nは前記画像受像層において単位面積当たりに存在する前記微粒子の数(個/mm)を表す。〕
  2. 前記画像受像層の厚みが、前記微粒子の体積平均粒径の0.4倍以上0.73倍以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用画像転写シート。
  3. 前記基体と前記画像受像層との間に、前記基体側から前記画像受像層側へと離型層および保護層がこの順に設けられたことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真用画像転写シート。
  4. 前記画像受像層と前記基体との間に、少なくとも離型層が設けられ、
    前記離型層と該離型層と接し且つ前記離型層の前記画像受像層側が設けられた側の層との剥離に必要な剥離力が、0.098N/cm以上4.90N/cm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の電子写真用画像転写シート。
  5. 23℃、55%RHにおけるシート両面の表面抵抗率が、1.0×108Ω以上1.0×1013Ω以下の範囲内であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の電子写真用画像転写シート。
  6. 画像支持体と、該画像支持体の少なくとも片面に設けられた画像被覆層と、前記画像支持体と前記画像受像層との界面に配置された画像とを少なくとも有し、
    前記画像被覆層が、請求項1〜5のいずれか1つに記載の電子写真用画像転写シートを構成する画像受像層であることを特徴とする画像記録体。
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