[go: up one dir, main page]

JP2008110057A - イオントフォレーシス装置包装品 - Google Patents

イオントフォレーシス装置包装品 Download PDF

Info

Publication number
JP2008110057A
JP2008110057A JP2006294792A JP2006294792A JP2008110057A JP 2008110057 A JP2008110057 A JP 2008110057A JP 2006294792 A JP2006294792 A JP 2006294792A JP 2006294792 A JP2006294792 A JP 2006294792A JP 2008110057 A JP2008110057 A JP 2008110057A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power supply
main body
case
iontophoresis
iontophoresis device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006294792A
Other languages
English (en)
Inventor
Takehiko Matsumura
健彦 松村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TTI Ellebeau Inc
Original Assignee
TTI Ellebeau Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TTI Ellebeau Inc filed Critical TTI Ellebeau Inc
Priority to JP2006294792A priority Critical patent/JP2008110057A/ja
Publication of JP2008110057A publication Critical patent/JP2008110057A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electrotherapy Devices (AREA)

Abstract

【課題】使用前のパッケージの状態で取り扱い易いイオントフォレーシス装置包装品を提供する。
【解決手段】装置本体17、装置本体17に対して電力を供給する電源部60、および、装置本体17から延伸し、装置本体17および電源部60に電気的および物理的に接続された接続部56、を有するイオントフォレーシス装置15と、一面が開放されており、装置本体17、電源部60および接続部56における、一面に対向する他面側を覆うケース80と、ケース80の一面に取り付けられ、ケース80との間で装置本体17、電源部60および接続部56を包装するシート部材70とを備えるイオントフォレーシス装置包装品10であって、ケース80およびシート部材70は、使用時において装置本体17から取り外されるとともに当該使用時において電源部60の外装となるイオントフォレーシス装置包装品10が提供される。
【選択図】図1

Description

本発明は、イオントフォレーシス装置包装品に関する。特に本発明は、薬物イオンをイオントフォレーシスにより経皮的に投与するイオントフォレーシス装置を包装するイオントフォレーシス装置包装品に関する。
人間または動物の身体の所望部位における皮膚または粘膜などの生体表面(以下、これらをまとめて「皮膚」と称す)に対して、薬物イオンをイオントフォレーシスにより経皮的に投与するイオントフォレーシス装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。なお、イオントフォレーシス(iontophoresis)は、イオントフォレーゼ、イオン導入法、イオン浸透療法などと呼ばれることもある。
特開2000−229128号公報
上記特許文献1に開示されているイオントフォレーシス装置は、保管時において、使用者の皮膚と当接してイオントフォレーシスを適用する装置本体の薬液を保持している部分からの気化による薬液の減少、および、気化した薬液による電池など電源部の腐食が課題であった。このような課題に対して、装置本体と電源部とを離して保管することが考えられるが、保管時に携行しにくく取り扱いが難しかった。
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態においては、装置本体、装置本体に対して電力を供給する電源部、および、装置本体から延伸し、装置本体および電源部に電気的および物理的に接続された接続部を有するイオントフォレーシス装置と、一面が開放されており、装置本体、電源部および接続部における、一面に対向する他面側を覆うケースと、ケースの一面に取り付けられ、ケースとの間で装置本体、電源部および接続部を包装するシート部材とを備えるイオントフォレーシス装置包装品であって、ケースおよびシート部材は、使用時において装置本体を包装する部分が取り外されるとともに当該使用時において電源部を包装する部分が電源部の外装となるイオントフォレーシス装置包装品が提供される。このようなイオントフォレーシス装置包装品によれば、接続部で接続している電源部と装置本体とを一体的に包装するケースおよびシート部材を備えるので、携行性に優れるなど取り扱いが容易となる。さらに、当該装置の使用時において、ケースおよびシート部材の一部が電源部の外装となるので、簡易な構成により電源部を保護することができる。
上記イオントフォレーシス装置包装品において、ケースおよびシート部材のそれぞれは、接続部と電源部との境界に対応する位置に切れ目を有することが好ましい。これにより、装置本体からケースおよびシート部材を除去する場合に、切れ目を境にケースおよびシート部材を容易に切断することができるので、ケースおよびシート部材の一部が電源部を包装したまま残すことができる。したがって、イオントフォレーシス装置を使用するときに、ケースおよびシート部材の一部により電源部を保護することができる。
また、上記イオントフォレーシス装置包装品において、シート部材はケースに溶着され、ケースおよびシート部材のそれぞれは、接続部と電源部との境界において接続部に溶着されることが好ましい。これにより、イオントフォレーシス装置包装品の保管時に、当該装置における薬液を保持している部分からの気化による薬液の減少、および、気化した薬液による電源部の腐食を防ぐことができる。また、当該装置の使用時に、ケースおよびシート部材の一部が電源部を密閉したままで装置本体からケースおよびシート部材を除去することができるので、電源部を保護することができる。
また、上記イオントフォレーシス装置包装品において、シート部材は、接続部に対応する位置に通気孔を有することが好ましい。これにより、イオントフォレーシス装置包装品の保管時に、当該装置おける薬液を保持している部分から薬液が気化した場合でも、気化した薬液が通気孔を経て外部に飛散するので、気化した薬液による電源部の腐食を抑えることができる。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
また、本明細書における「薬物」は、調製されているか否かに関わらず、病気の治療、回復または予防、健康の増進または維持、病状または健康状態などの診断、あるいは美容の増進または維持などの目的で生体に投与される物質を意味する。
また、本明細書における「薬物イオン」は、薬物がイオン解離することにより生じるイオンを意味する。薬物の薬物イオンへの解離は、薬物を水、アルコール類、酸、またはアルカリなどの溶媒に溶解させることにより生じるものであってもよく、さらに電圧の印加またはイオン化剤の添加等により生じるものであってもよい。
また、本明細書における「薬液」は、薬物イオンを含む流動物をいい、薬物を溶媒に溶解させた溶液、および、薬物が液状である場合における原液などの液体状態のものだけでなく、薬物の少なくとも一部が薬物イオンに解離する限り、薬物を溶媒等に懸濁または乳濁させたもの、および、軟膏状またはペースト状に調製されたものなど種々の状態のものを含む。
また、本明細書における「第1導電型」は、プラスまたはマイナスの電気極性を意味し、「第2導電型」は、第1導電型と反対の導電型(マイナスまたはプラス)を意味する。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の実施形態に係るイオントフォレーシス装置包装品10の未使用状態における斜視図を示す。図2は、イオントフォレーシス装置包装品10の分解斜視図を示す。図3は、使用状態におけるイオントフォレーシス装置15の斜視図である。図1および図2に示すように、イオントフォレーシス装置包装品10は、イオントフォレーシス装置15と、シート部材70と、ケース80とを備える。イオントフォレーシス装置15は、装置本体17、電源部60、装置本体17および接続部56を有する。イオントフォレーシス装置15において、接続部56は、装置本体17から延伸して装置本体17と電源部60とを物理的および電気的に接続する。
シート部材70は、装置本体シート部71、接続シート部72および電源シート部73を有し、これらは例えばアルミを蒸着またはアルミ箔をラミネートしたPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムなどにより一体的に形成される。また、ケース80は、装置本体ケース部81、接続ケース部82および電源ケース部83を有し、これらは例えばPET樹脂などを成形することにより一体的に形成される。
イオントフォレーシス装置包装品10が未使用状態で保管される場合において、イオントフォレーシス装置15の一面はシート部材70に覆われる。また、イオントフォレーシス装置15におけるシート部材70で覆われる面と対向する他面側はケース80に覆われる。このとき、ケース80のフランジ85、86、87は、シート部材70と当接しており、これらのフランジ85、86、87におけるシート部材70と当接している面が溶着される。これにより、イオントフォレーシス装置15は、シート部材70およびケース80によって気密に密閉される。
ここで、イオントフォレーシス装置15の電源部60は、基板等が露出した状態で電源シート部73と電源ケース部83との間に収納される。よって、電源シート部73と電源ケース部83とが溶着されることにより、これら電源シート部73および電源ケース部83は電源部60の外装となる。
また、イオントフォレーシス装置15の装置本体17は、装置本体シート部71と装置本体ケース部81との間に収納される。なおこの場合に、装置本体ケース部81の内面、すなわち、イオントフォレーシス装置15に対向する面には、シリコン等により剥離処理がなされてもよい。また、装置本体ケース部81における当該内面に、水分を含ませた不織布等を配して、装置本体17の乾燥を防いでもよい。
また、イオントフォレーシス装置15の接続部56は、接続シート部72と接続ケース部82との間に収納される。接続シート部72および接続ケース部82は、接続部56における電源部60との境界に近い側の外周面であるシール部57において、接続部56と溶着される。これにより、装置本体シート部71と装置本体ケース部81との間に収納されている装置本体17と、電源シート部73と電源ケース部83との間に収納されている電源部60とは、接続部56のシール部57を境に隔離されており、装置本体17が収納されている部分から電源部60が収納されている部分への気体の移動を遮断することができる。
接続シート部72および接続ケース部82は、これらがシール部57と溶着している部分よりも装置本体17に近い側に切れ目90を有する。イオントフォレーシス装置包装品10を使用する場合には、シート部材70を、装置本体シート部71の側から切れ目90の側に向けてケース80から剥がし、続いて、ケース80における切れ目90よりも装置本体17側の部分を切れ目90で切断して除去する。これにより、図3に示すように、装置本体17、および、接続シート部72および接続ケース部82における切れ目90よりも装置本体17側の部分で覆われていた接続部56の一部が露出して、イオントフォレーシス装置包装品10は使用状態となる。また、このとき、電源シート部73および電源ケース部83は、互いに溶着したままの状態で電源部60を覆って電源部60の外装をなしており、接続シート部72および接続ケース部82における切れ目90よりも電源部60側の部分は、シール部57で接続部56と溶着している。したがって、イオントフォレーシス装置包装品10を使用する場合においても、電源部60は気密に密閉されている。
このように、イオントフォレーシス装置包装品10は、接続部56で接続している電源部60と装置本体17とを一体的に包装するケース80およびシート部材70を備えるので、未使用状態での携行性に優れるなど取り扱いが容易である。また、イオントフォレーシス装置包装品10を未使用状態で保管する場合などにおいて、装置本体17および電源部60はそれぞれ気密に密閉されており、装置本体17が収納されている部分から電源部60が収納されている部分への気体の移動を遮断することができるので、装置本体17における薬液を保持している部分からの気化による薬液の減少、および、気化した薬液による電源部60の腐食を防ぐことができる。また、ケース80およびシート部材70は切れ目90を備えているので、イオントフォレーシス装置包装品10を未使用状態から使用状態とするときに、ケース80およびシート部材70の切れ目90を境にこれらを容易に切断して除去することができる。また、イオントフォレーシス装置包装品10の使用状態において、ケース80およびシート部材70の一部である電源シート部73および電源ケース部83が電源部60の外装となるので、電源部60を保護することができる。
上記イオントフォレーシス装置包装品10において、シート部材70およびケース80を溶着する方法は、例えばヒートシールにより溶着する方法が挙げられるがこれに限定されない。各種接着剤で接着する方法、または、クリップ等により機械的に圧着する方法により接着もしくは圧着してもよく、これらの方法の組み合わせでもよい。
また、シート部材70およびケース80を形成する材料は、非透水性であって酸素または水蒸気などの気体を透過しにくい材料であれば、上記のPETに限定されず、例えばシート部材70には、アルミを蒸着またはアルミ箔をラミネートしたポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、またはポリエチレンフィルム等を用いることができる。また、シート部材70およびケース80をヒートシールによって溶着する場合には、上記フィルム等を複数積層した材料、または、開封時の剥離を容易にするために上記フィルム等に高分子樹脂をコーティングした材料などを用いてもよい。
図4は、本発明の他の実施形態に係るイオントフォレーシス装置包装品11の未使用状態における斜視図を示す。図1から図3に示すイオントフォレーシス装置包装品10と同じ参照番号を付したものについては同様の構成であり説明を省略する。イオントフォレーシス装置包装品11のイオントフォレーシス装置15は、イオントフォレーシス装置包装品10のイオントフォレーシス装置15と同様に、シート部材70およびケース80によって気密に密閉され、装置本体シート部71と装置本体ケース部81との間に装置本体17が、接続シート部72と接続ケース部82との間に接続部56が、電源シート部73と電源ケース部83との間に電源部60がそれぞれ収納されている。
図4に示すように、イオントフォレーシス装置包装品11の接続シート部72は、接続シート部72の表面から裏面に貫通する通気孔95を有する。したがって、イオントフォレーシス装置包装品11は、接続シート部72および接続ケース部82が、接続部56における電源部60との境界に近い側の外周面であるシール部57において、接続部56と溶着されていない場合でも、イオントフォレーシス装置包装品11を未使用状態で保管する場合などにおいて、イオントフォレーシス装置包装品11における薬液を保持している部分から薬液が気化した場合でも、気化した薬液が通気孔95を経て外部に飛散するので、装置本体17における薬液を保持している部分から気化した薬液による電源部60の腐食を抑えることができる。
図5は、イオントフォレーシス装置15の上面図を示す。図6は、図5のa−a断面における断面図を示す。図5および図6に示すように、イオントフォレーシス装置15の装置本体17は、電極部材50、作用側電極構造体20、非作用側電極構造体30、第一支持体41、第二支持体42、第三支持体43を有する。電極部材50は、基体51、集電体52、53を有する。基体51は、例えばPET樹脂などの可撓性および電気絶縁性を有する材料で形成される。集電体52、53は、銀および塩化銀またはカーボンなどの導電性を有する導電材料を含有する導電塗料を印刷などの方法で基体51の片側の面上に塗膜して形成される。電極部材50は、集電体52、53を皮膚との当接面45の側に向けて、第一支持体41と第二支持体42との間に挟持される。
図5に示すように、接続部56は、対を成す給電部54および給電部55が内部に形成されており、その一端は装置本体17の第一支持体41および第二支持体42の間に挟まれている。接続部56は、例えばPET樹脂など可撓性および電気絶縁性を有する材料をベースとして、その上に給電部54および給電部55を銀および塩化銀またはカーボンなどの導電性を有する導電材料を含有する導電塗料を印刷などの方法で塗膜して、さらにその上からベースとした材料を塗膜することにより給電部54および給電部55をコーティングして形成される。接続部56における給電部54および給電部55の一方の端部は、電源部60の第1導電型および第2導電型の端子にそれぞれ接続している。また、接続部56における給電部54および給電部55の他方の端部は、集電体52および集電体53とそれぞれ電気的に接続している。
装置本体17の第二支持体42および第三支持体43は、それぞれ所定形状(本実施形態では円形)の2つの開口を有し、これら2つの開口の一方には作用側電極構造体20の構成部品が、他方には非作用側電極構造体30の構成部品がそれぞれ配される。第一支持体41、第二支持体42および第三支持体43は、例えば発泡ポリウレタンなどの柔軟な素材が用いられる。したがって、イオントフォレーシス装置15の当接面45を凹凸のある皮膚へも容易に当接させることができ、また、使用者が動いた場合でも当接面45が皮膚から離れにくくすることができる。したがって、使用者は、凹凸のある皮膚へもイオントフォレーシス装置15の当接面45を容易に当接させて保持することができる。また、使用者が動いた場合でも当接面45は皮膚から離れにくい。
作用側電極構造体20は、第一支持体41の側から当接面45の側に向かって、第1電解液保持部21、第2導電型のイオン選択性膜22、薬液保持部24、および、第1導電型のイオン選択性膜25をこの順に有する。非作用側電極構造体30は、第一支持体41の側から当接面45の側に向かって、第2電解液保持部31、第1導電型のイオン選択性膜32、第3電解液保持部34、および、第2導電型のイオン選択性膜35をこの順に有する。電極部材50の集電体52は、作用側電極構造体20の第1電解液保持部21と当接し、また、集電体53は、非作用側電極構造体30の第2電解液保持部31と当接する。
作用側電極構造体20において、第1電解液保持部21は、例えば天然繊維、人工繊維の織布または不織布、多孔質膜、あるいはゲルなどの適当な吸収性をもつ担体であり、電解液を保持する。この電解液は、水の電気分解反応(水の酸化および還元反応)と比較して水の酸化還元電位より低い酸化還元電位を有する酸化および還元しやすい化合物が溶解した溶液が用いられる。
第2導電型のイオン選択性膜22は、第1電解液保持部21の当接面45の側に設けられ、第2導電型のイオンを選択的に透過する。薬液保持部24は、第1導電型の薬物イオンを含む薬液を、例えば天然繊維、人工繊維の織布や不織布、多孔質膜、あるいはゲルなどの適当な吸収性をもつ担体に含浸させて保持する。第1導電型のイオン選択性膜25は、薬液保持部24の当接面45の側に設けられ、第1導電型のイオンを選択的に透過する。
非作用側電極構造体30において、第2電解液保持部31および第3電解液保持部34は、例えば天然繊維、人工繊維の織布や不織布、多孔質膜、あるいはゲルなどの適当な吸収性をもつ担体であり、電解液を保持する。第1導電型のイオン選択性膜32は、第2電解液保持部31の当接面45の側に設けられ、第1導電型のイオンを選択的に透過する。第3電解液保持部34は、第1導電型のイオン選択性膜32の当接面45の側に設けられる。第2導電型のイオン選択性膜35は、第3電解液保持部34の当接面45の側に設けられ、第2導電型のイオンを選択的に透過する。なお、第2電解液保持部31、および第3電解液保持部34が保持する電解液は、作用側電極構造体20の第1電解液保持部21が保持する電解液と同様に、水の電気分解反応(水の酸化および還元反応)と比較して水の酸化還元電位より低い酸化還元電位を有する酸化および還元しやすい化合物が溶解した溶液が用いられる。
イオントフォレーシス装置15は、第1導電型のイオン選択性膜25および第2導電型のイオン選択性膜35が皮膚に当接した状態で、電源部60から作用側電極構造体20および非作用側電極構造体30に対して、イオントフォレーシスを適用するための電力が供給される(電圧がかけられる)と、作用側電極構造体20および非作用側電極構造体30の間に皮膚を介して電流が流れて使用状態となる。
ここで、薬物イオンがアニオンである場合を例に、イオントフォレーシス装置15の具体的構成についてさらに説明する。この場合、第1導電型は陰であり、第2導電型は陽である。すなわち、作用側電極構造体20の第1電解液保持部21と当接する集電体52はカソードとなり、非作用側電極構造体30の第2電解液保持部31と当接する集電体53はアノードとなる。また、作用側電極構造体20において、第2導電型のイオン選択性膜22にはカチオン交換膜を用い、第1導電型のイオン選択性膜25にはアニオン交換膜を用いる。また、非作用側電極構造体30において、第1導電型のイオン選択性膜32にはアニオン交換膜を用い、第2導電型のイオン選択性膜35にはカチオン交換膜を用いる。
イオントフォレーシス装置15は、皮膚を介して通電している使用状態において、以下の作用効果を奏する。すなわち、作用側電極構造体20では、薬液保持部24が保持する薬液に含まれる薬物イオンは、電気泳動によりカソードである集電体52と反対側(皮膚側)へ移動し、薬液保持部24の皮膚側に配されて皮膚と当接する第1導電型のイオン選択性膜25を透過して速やかに皮膚へ浸透する。これに対し、生体内のカチオンは第1導電型のイオン選択性膜25を透過して薬液保持部24側へ移動することがない。したがって、安定した通電状態のもとでイオントフォレーシスにより薬物イオンを生体へ効率よく導入することができる。また、薬液保持部24に含まれる、アニオンである薬物イオンと対を成すカチオンは、集電体52側へ移動し、カチオン交換膜である第2導電型のイオン選択性膜22を透過して第1電解液保持部21側へ移動する。したがって、通電状態において、薬液保持部24のイオンバランスが崩れないので、pHの変化は生じにくい。故に、通電抵抗が大きくなりにくいので、薬物イオンの輸送効率の低下を抑えることができる。
非作用側電極構造体30では、第3電解液保持部34が保持する電解液に溶解している化合物が水の酸化還元電位より低い酸化還元電位を有する化合物であるので、アノードである集電体53において、水の電気分解反応は起こらない。したがって、水の電気分解反応で発生する気泡(酸素ガス)によって、集電体53と第3第3電解液保持部34の保持する電解液との接触が妨げられることで通電抵抗が大きくなるのを防ぐことができる。
なお、薬物イオンがカチオンである場合は、第1導電型は陽であり、第2導電型は陰である。したがって、図1および図2に示すイオントフォレーシス装置15における集電体52および集電体53の電気的な極性は逆になり、また、第2導電型のイオン選択性膜22、第1導電型のイオン選択性膜25、第1導電型のイオン選択性膜32および第2導電型のイオン選択性膜35の種類(イオン選択特性)はそれぞれ反対のものになる。
図7は、イオントフォレーシス装置15の他の例の断面図を示す。イオントフォレーシス装置15は、上記の作用側電極構造体20および非作用側電極構造体30に代えて、図7に示す内部構成を有する作用側電極構造体26および非作用側電極構造体36を備えてもよい。
図7に示すイオントフォレーシス装置15の作用側電極構造体26は、薬液保持部27を有する。薬液保持部27は、上記作用側電極構造体20の薬液保持部24と同様に、上記第1導電型の薬物イオンを含む薬液を、例えば天然繊維、人工繊維の織布や不織布、多孔質膜、あるいはゲルなどの適当な吸収性をもつ担体に含浸させて保持する。また、非作用側電極構造体36は、電解液保持部37を有する。電解液保持部37は、上記第2電解液保持部31および第3電解液保持部34と同様に、例えば天然繊維、人工繊維の織布や不織布、多孔質膜、あるいはゲルなどの適当な吸収性をもつ担体であり、電解液を保持する。作用側電極構造体26および非作用側電極構造体36は、上記の作用側電極構造体20および非作用側電極構造体30と比べてより簡易な構造であるので、部品点数を少なくすることができる。
本実施形態において、イオントフォレーシスの適用に供される薬物イオンとしては、例えば次のようなものがある。正に帯電する薬物イオンとして、麻酔剤(塩酸プロカイン、塩酸リドカインなど)、胃腸疾患治療剤(塩化カルニチンなど)、骨格筋弛緩剤(臭化バンクロニウムなど)、抗生物質(テトラサイクリン系製剤、カナマイシン系製剤、ゲンタマイシン系製剤)等が挙げられる。負に帯電する薬物イオンとして、ビタミン(以下、Vと略記する)剤(VB、VB12、VC、VE、葉酸など)、副腎皮質ホルモン(ヒドロコルチゾン系水溶性製剤、デキサメサゾン系水溶性製剤、プレドニソロン系水溶性製剤など)、抗生物質(ペニシリン系水溶性製剤、クロウムフェニコール系水溶性製剤)等が挙げられる。
また、イオントフォレーシスを適用するための電圧は、例えば、低周波治療器のようにパルス電圧でもよい。また、徐々に電圧を上げたり、あるいは、下げてもよい。体内を流れる電流は、0.01〜5mAの範囲が好ましいが、集電体52および集電体53の面積や投与部位、さらには被投与者の個体差などによって増減させて、痛みや熱感を与えない程度に設定する。
また、電源部60は、接続部56に対して着脱できてもよいが、接続部56と一体的に成形されたものでもよい。電源部60には、電池、定電圧装置、定電流装置、定電圧・定電流装置(ガルバノ装置)などが適当であり、接続部56に対して着脱できる場合、携行性に優れていることが好ましい。
以上、本実施形態によれば、イオントフォレーシス装置包装品10は、接続部56で接続している電源部60と装置本体17とを一体的に包装するケース80およびシート部材70を備えるので、未使用状態での携行性に優れるなど取り扱いが容易である。また、イオントフォレーシス装置包装品10を未使用状態で保管する場合などにおいて、装置本体17および電源部60はそれぞれ気密に密閉されており、装置本体17が収納されている部分から電源部60が収納されている部分への気体の移動を遮断することができるので、装置本体17における薬液を保持している部分からの気化による薬液の減少、および、気化した薬液による電源部60の腐食を防ぐことができる。特に、装置本体17と電源部60とを別パッケージにして使用時に接続する場合に生じる接続の誤り等を防ぐことができる。また、電源部60を二重パッケージ化するコストを削減することができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることができることは当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
本発明の実施形態に係るイオントフォレーシス装置包装品10の未使用状態における斜視図を示す。 イオントフォレーシス装置包装品10の分解斜視図を示す。 本発明の実施形態に係るイオントフォレーシス装置15の使用状態における斜視図を示す。 本発明の他の実施形態に係るイオントフォレーシス装置包装品11の未使用状態における斜視図を示す。 イオントフォレーシス装置15の上面図を示す。 図5のa−a断面における断面図を示す。 イオントフォレーシス装置15の他の例の断面図を示す。
符号の説明
10、11 イオントフォレーシス装置包装品、15 イオントフォレーシス装置、17 装置本体、20、26 作用側電極構造体、21 第1電解液保持部、22 第2導電型のイオン選択性膜、24、27 薬液保持部、25 第1導電型のイオン選択性膜、30、36 非作用側電極構造体、31 第2電解液保持部、32 第1導電型のイオン選択性膜、34 第3電解液保持部、35 第2導電型のイオン選択性膜、37 電解液保持部、41 第一支持体、42 第二支持体、43 第三支持体、45 当接面、50 電極部材、51 基体、52、53 集電体、54、55 給電部、56 接続部、57 シール部、60 電源部、70 シート部材、71 装置本体シート部、72 接続シート部、73 電源シート部、80 ケース、81 装置本体ケース部、82 接続ケース部、83 電源ケース部、85、86、87 フランジ、90 切れ目、95 通気孔

Claims (4)

  1. 装置本体、前記装置本体に対して電力を供給する電源部、および、前記装置本体から延伸し、前記装置本体および前記電源部に電気的および物理的に接続された接続部を有するイオントフォレーシス装置と、
    一面が開放されており、前記装置本体、前記電源部および前記接続部における、前記一面に対向する他面側を覆うケースと、
    前記ケースの前記一面に取り付けられ、前記ケースとの間で前記装置本体、前記電源部および前記接続部を包装するシート部材と
    を備えるイオントフォレーシス装置包装品であって、
    前記ケースおよび前記シート部材は、使用時において前記装置本体を包装する部分が取り外されるとともに当該使用時において前記電源部を包装する部分が前記電源部の外装となるイオントフォレーシス装置包装品。
  2. 前記ケースおよび前記シート部材のそれぞれは、前記接続部に対応する位置に切れ目を有する請求項1に記載のイオントフォレーシス装置包装品。
  3. 前記シート部材は前記ケースに溶着され、
    前記ケースおよび前記シート部材のそれぞれは、前記接続部に対応する位置において前記接続部に溶着される請求項1に記載のイオントフォレーシス装置包装品。
  4. 前記シート部材は、前記接続部に対応する位置に通気孔を有する請求項1に記載のイオントフォレーシス装置包装品。
JP2006294792A 2006-10-30 2006-10-30 イオントフォレーシス装置包装品 Pending JP2008110057A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006294792A JP2008110057A (ja) 2006-10-30 2006-10-30 イオントフォレーシス装置包装品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006294792A JP2008110057A (ja) 2006-10-30 2006-10-30 イオントフォレーシス装置包装品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008110057A true JP2008110057A (ja) 2008-05-15

Family

ID=39442925

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006294792A Pending JP2008110057A (ja) 2006-10-30 2006-10-30 イオントフォレーシス装置包装品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008110057A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102347311B1 (ko) 역전기투석과 산화-환원 반응을 이용한 장치 및 그를 사용하여 약물을 전달하는 방법
CN100577235C (zh) 离子电渗疗装置
CZ2004656A3 (cs) Zařízení pro iontoforézu
JPWO2007037324A1 (ja) 乾燥型イオントフォレーシス用電極構造体
KR20090008276A (ko) 이온토포레시스 장치
JP2008110057A (ja) イオントフォレーシス装置包装品
JP4805693B2 (ja) イオントフォレーシス装置及びその製造方法
JP2007037640A (ja) イオントフォレーシス装置
JP2007202835A (ja) イオントフォレーシス装置
JP2007050136A (ja) イオントフォレーシス装置
JP2007244700A (ja) イオントフォレーシス装置
JP4804904B2 (ja) イオントフォレーシス装置包装品
JP2008167995A (ja) 印刷電極部材およびイオントフォレーシス装置
EP1944058A1 (en) Iontophoresis apparatus sticking to mucosa
WO2007037475A1 (ja) 形状記憶セパレータを有するイオントフォレーシス用電極構造体およびそれを用いたイオントフォレーシス装置
WO2007119593A1 (ja) イオントフォレーシス装置
JP2007244699A (ja) イオントフォレーシス装置
JP2008110056A (ja) 電極部材および電極部材を含むイオントフォレーシス装置
JP2007268183A (ja) イオントフォレーシス装置
JP4719563B2 (ja) イオントフォレーシス装置
JP2007068969A (ja) イオントフォレーシス装置
JP2008086538A (ja) イオントフォレーシス装置、イオン交換膜積層体及び両極性イオン交換膜
JP2007268185A (ja) イオントフォレーシス装置
JP2007268184A (ja) イオントフォレーシス装置
JP4732881B2 (ja) イオントフォレーシス装置