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JP2008081448A - 酒石酸ゾルピデムの苦味マスキング速放性粒子 - Google Patents

酒石酸ゾルピデムの苦味マスキング速放性粒子 Download PDF

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JP2008081448A
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Eitetsu Matsumoto
英哲 松本
Kohei Nakagawa
康平 中川
Shuichi Kitamura
修一 喜多村
Takayuki Arai
崇行 荒井
Masaaki Haruhara
政明 春原
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Abstract

【課題】有効成分として酒石酸ゾルピデムを含有する薬物の不快な苦味がマスキングされた速放性粒子を提供する。該粒子は不快なザラツキがなく、口腔内崩壊錠、ゼリー、フィルム等の水なしで服用可能な易服用性製剤に含有させることができる。
【解決手段】
有効成分として酒石酸ゾルピデムを含有する核にエチルセルロースと水溶性高分子を含む被膜が被覆されて成る速放性粒子において該被膜中に占めるエチルセルロース含量を60〜75重量%とし、粒子の直径を250μm以下とすることによって薬物の不快な苦味がマスキングされ、不快なザラツキがなく、口腔内崩壊錠、ゼリー、フィルム等の水なしで服用可能な易服用性製剤に含有させることができる粒子が得られる。
【選択図】なし

Description

本発明は、有効成分として酒石酸ゾルピデムを含有し、薬物の不快な苦味がマスキングされ、しかも、口腔内で不快なザラツキを感じない速放性粒子に関する。
酒石酸ゾルピデムは即効性で超短時間作用型の睡眠導入剤であり、生理的睡眠パターンに近い睡眠をもたらし、入眠障害、熟眠障害のみならず、途中覚醒、早朝覚醒にも効果を示し、翌朝まで効果が残ることが少ない有用な薬剤である。酒石酸ゾルピデム製剤としては、現在フィルムコート錠が市販されているが、フィルムコート錠は水と一緒に飲み込む必要がある。この薬物は即効性のため就寝直前に服用することが望ましいが、就寝前に多量の水を摂取すると、夜間排尿で起きることを心配する患者も多く、問題である。また、透析などを受けていて水分の摂取制限をされている患者が服用する場合や、嚥下困難がある患者が服用する場合などで、水の摂取が問題となる場合がある(新薬と臨床2003年52巻9号1274〜1279)。このため、口腔内崩壊錠、ゼリー、フィルム等の水なしで服用が可能な製剤の開発が望まれていた。また、就寝前に寝室など水を得ることが困難な場所でも服用できる製剤は大変有用である。ただし、酒石酸ゾルピデムのように不快な苦味がある薬物を上記製剤に含有させる場合、不快な苦味による服用感の悪さを避けるため、薬物の苦味をマスキングする必要がある。
苦味のマスキング法としては、甘味剤や矯味剤を添加する方法、胃溶性高分子または水不溶性高分子を懸濁または溶解した液を噴霧乾燥することで薬物を担体中に分散させるマトリックス法、薬物を含有する核を胃溶性高分子または水不溶性高分子を含む被膜で被覆するコーティング法が主に知られている。
一般に甘味剤や矯味剤を添加する方法は苦味のマスキングが不十分であり、マトリックス法では薬物の一部が製剤の表面に露出するため強い苦味を有する薬物には利用できない。特許第3415835号では平均粒子径約50μm〜約250μmの口腔内速崩壊錠用薬物含有粒子について記載があり、実施例では噴霧乾燥法によって調製したファモチジンの苦味マスキング粒子に関する記載があるが、この方法では酒石酸ゾルピデムのように更に強い苦味を有する薬物の苦味をマスキングすることは困難である。また、コーティング法では胃溶性高分子を含む被膜を用いる方法が知られているが、この方法は胃液や腸液のpH変動によって薬物の溶出性に影響が出るという問題点がある。
そこで、pH依存性のない苦味マスキング法として水不溶性高分子を用いたコーティング法が検討されている。ここで、水不溶性高分子とは通常の消化管内のpHで溶解しない高分子のことを意味する。水不溶性高分子を用いた苦味マスキング法については多くの報告があるが、苦味マスキングと速放性を同時に満たす製剤に関する報告は少ない。特開2000-53563号および特表2004-532257号では苦味を有する有効成分を含有する核に、苦味抑制層としてエチルセルロースと水溶性物質からなる被膜をコーティングした粒子を開示している。また、特許第3317444号では、不快な苦味の薬物と水膨潤性物質を含有した核に、エチルセルロースおよび水溶性物質が含まれる被膜をコーティングした粒子を開示している。これらの粒子はいずれも苦味マスキングと速放性を同時に満たすことを目的としている。しかし、これらの粒子の平均粒子径については上限を約300μm〜約500μmまで許容しており、本発明のような全粒子の直径を250μm以下と規定した不快なザラツキのない粒子の調製を目的としたものではない。また、国際公開WO2003/059349号では酒石酸ゾルピデム、球形化補助剤および可溶化促進剤を含む核を、アクリル系ポリマーを含む被膜でコーティングした粒子が開示されているが、in vitroでの溶出において、上市されているゾルピデム製剤と同等の速放性を目指したものではない。
新薬と臨床2003年52巻9号1274〜1279 特許第3415835号公報 特開2000-53563号公報 特表2004-532257号公報 国際公開WO2003/059349号公報
酒石酸ゾルピデムは、就寝前に水を用いることなく服用可能な医薬品製剤の開発が望まれている。しかし、このような製剤を製造するためには酒石酸ゾルピデムの不快な苦味をマスキングし、かつ口腔内で不快なザラツキを感じない速放性粒子を得ることが必要であった。
一般に、水不溶性高分子のコーティングによる苦味マスキング法は被膜の量に比例して苦味マスキング効果が高まることから、苦味マスキング粒子を得ることは容易であるが、同時に速放性をもたせることは困難である。コーティングによって薬物の速放性が失われると、目的の薬効が得られなくなるという問題が生じる。そこで、水不溶性高分子に水溶性物質を添加した被膜を用いることで速放性をもたせた苦味マスキング法が検討されている。そして、これらの方法は細粒、顆粒等の比較的大きな粒子の製造には適しているが、不快なザラツキを感じない程度の小さな粒子へ適用するのは困難である。すなわち、平均粒子径が50μm〜150μmの小さな粒子に水不溶性高分子と水溶性物質を含む被膜をコーティングする場合、十分な苦味マスキング効果をもたせるためには多量の被膜が必要であり、またコーティングに長時間を要することから、凝集等の問題により不快なザラツキのないサイズの粒子を効率良く得ることは困難であった。従って、酒石酸ゾルピデムの不快な苦味をマスキングし、かつ口腔内で不快なザラツキを感じない速放性粒子を効率良く調製することは容易ではなかった。
本発明者らは上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、酒石酸ゾルピデムを含有する核に、エチルセルロースと水溶性高分子を特定の割合で配合した被膜を被覆することにより、薬物の不快な苦味がマスキングされ、かつ口腔内で不快なザラツキを感じない速放性粒子を効率良く製造することに成功し、本発明を完成した。
即ち、本発明は以下の通りである。
(1) 酒石酸ゾルピデムを有効成分として含有する核に、エチルセルロースと水溶性高分子を含む被膜が被覆されている速放性粒子において、該被膜中に占めるエチルセルロース含量が60〜75重量%であり、粒子の直径が250μm以下であることを特徴とする薬物の不快な苦味がマスキングされた速放性粒子、
(2) 被膜の量が核に対して60〜200重量%である(1)記載の速放性粒子、
(3) 速放性粒子を含有する製剤のpH6.8における2分後の溶出率が25%以下であり、かつ15分後の溶出率が85%以上であることを特徴とする薬物の不快な苦味がマスキングされた(1)記載の速放性粒子、
(4)平均粒子径が80μm〜180μmである請求項2又は請求項3に記載の速放性粒子
(5) 水溶性高分子がヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、及びメチルセルロースからなる群から選ばれる1種又は2種以上である(1)記載の速放性粒子、
(6) 易服用性製剤及び/又は薬物の苦味がマスキングされた速放性製剤に含有させるための(1)記載の速放性粒子、
(7) (1)〜(5)のいずれか記載の速放性粒子を用いた苦味がマスキングされた速放性の速崩壊錠、
(8) (1)〜(5)のいずれか記載の速放性粒子を用いた苦味がマスキングされた速放性のゼリー製剤又はフィルム製剤
本明細書において粒子の直径が250μm以下とは、粒子が目開き250μmの篩を通過することを表し、平均粒子径とは、レーザー回折式粒度分布測定法により測定したときの体積基準でのメジアン径を示す。また、製剤の溶出性は第十四改正日本薬局方記載のパドル法により日局崩壊試験液第2液(pH6.8)を用いて測定した。本発明では、速放性とは、前記の測定法で15分後の溶出率が85%以上であることを意味し、また2分後の溶出率が25%以下のとき、薬物の不快な苦味がマスキングされていると評価した。
本発明の酒石酸ゾルピデムを含有する速放性粒子は苦味がマスキングされ、かつ口腔内で不快なザラツキ感を感じないことから、本発明粒子を用いることにより酒石酸ゾルピデムの水なしで服用可能な易服用性製剤、例えば口腔内速崩壊錠、顆粒剤、粉末剤、ドライシロップ、ゼリー製剤、フィルム製剤等を製造することができる。
本発明において、核は有効成分である酒石酸ゾルピデムの他に、賦形剤、結合剤、滑沢剤等の医薬品固形製剤に通常用いられる添加剤を含むことができる。また、酒石酸ゾルピデムの溶解性を向上させる目的として、pH調整剤や崩壊剤等を加えることもできる。
賦形剤としては、結晶セルロース、乳糖、でんぷん等があげられ、好ましくは結晶セルロースがあげられる。結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、エチルセルロース等があげられ、好ましくはヒドロキシプロピルセルロースがあげられる。滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素等があげられ、好ましくはステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムがあげられる。pH調整剤としては、クエン酸、酒石酸、フマル酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、乳酸、アジピン酸およびその塩等があげられ、好ましくは酒石酸、クエン酸があげられる。崩壊剤としては、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウム等があげられ、好ましくはクロスカルメロースナトリウム、クロスポビドンがあげられる。
核は流動層造粒コーティング装置を用いて、通常の造粒法によって製造される。流動層造粒コーティング装置としては、アグロマスター(ホソカワミクロン)、スパイラフロー(フロイント産業)、マルチプレックス(パウレック)、ニューマルメライザー(不二パウダル)等の汎用の装置を用いることができる。核の製造法としては、これらの装置に薬物を含む核成分の混合物を仕込み、流動乾燥させながら結合液を噴霧することで製造できる。核は平均粒子径が50μm〜150μmとなるように調製するのが好ましい。
薬物を含む核に被覆する被膜の成分としては、エチルセルロースと水溶性高分子の他に凝集・付着防止剤等を含むことができる。
エチルセルロースの被膜中の含量は60〜75重量%の範囲から選択される。エチルセルロースの含量が60%よりも少ないと被膜の水溶性が高くなり十分な苦味マスキング効果をもたせるために多量の被膜が必要となるため、粒子の直径が大きくなり、ザラツキを感じる直径が250μm以上の粒子が多く生成し、製造効率が悪くなり好ましくない。一方、エチルセルロースの含量が75%よりも多いと、薬物の苦味マスキングと速放性を両立させることが困難となる。
水溶性高分子としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース等があげられ、好ましくはヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースがあげられる。また、凝集・付着防止剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素等があげられ、好ましくはステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルクがあげられる。
薬物を含む核に被膜を被覆するには、流動層造粒コーティング装置を用いて、流動乾燥させながら被膜成分を含有する液を核に噴霧することで実施できる。流動層造粒コーティング装置としては、アグロマスター(ホソカワミクロン)、スパイラフロー(フロイント産業)、マルチプレックス(パウレック)、ニューマルメライザー(不二パウダル)等の汎用の装置を用いることができる。被膜成分を含有する液は、エタノールまたは水、あるいはその混合溶媒に被膜成分を溶解または懸濁することで調製できる。
核に被覆する被膜の量は皮膜中のエチルセルロースの含有率によってことなるが、通常、核に対して60〜200重量%の範囲から選択される。被膜の量が60%よりも少ないと薬物の苦味マスキングと速放性を両立させることが困難で、200%よりも多いとコーティングに長時間を要し、また凝集等による収率低下の問題から製造効率が悪く現実的ではない。本発明では、被膜で被覆された粒子は不快なザラツキを感じないよう粒子の直径が250μm以下になるように調製し、平均粒子径が80μm〜180μmであるのが好ましい。
本発明で調製された粒子は口腔内で迅速に崩壊または溶解する製剤に含有されることを目的とし、口腔内で迅速に崩壊または溶解する製剤としては、口腔内崩壊錠、顆粒剤、粉末剤、ドライシロップ、ゼリー、フィルム等があげられる。
本発明で調製された粒子を上記の製剤に含有させた場合、口腔内で製剤が崩壊または溶解すると同時に粒子が放出されるが、不快なザラツキを感じず、また薬物の苦味がマスキングされていることから服用感が良い。さらに、この粒子を含有する口腔内で迅速に崩壊または溶解する製剤は、胃内では速やかに薬物を放出する。
口腔内崩壊錠に本発明の粒子を含有させる場合、本発明の粒子は打錠による被膜の損傷が少ないことから、直接打錠法では通常の賦形剤と同様に扱って構わないが、湿式造粒等の粒子が液体と接する工程を含む場合は、粒子から薬物が溶出しないように注意する必要がある。また、ゼリーおよびフィルム製剤に本発明の粒子を含有させる場合も、調製中に粒子から薬物が溶出しないように注意する必要がある。
以下に実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
酒石酸ゾルピデム350g、 結晶セルロース(旭化成、アビセルPH301)350g、ステアリン酸Ca(日東化成工業)3.5gの混合物を転動流動層造粒コーティング装置:アグロマスター(ホソカワミクロン)に仕込み、吸気温度80℃、排気温度22〜24℃、ローター回転数400rpmの条件で、下記の組成の結合液を噴霧した。得られた粒子を同装置内で流動乾燥された後、取り出し、250μmの篩いを通過したものを核として回収した。
(結合液組成)
ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達、HPC-L) 36.0g
エタノール(純正化学) 1164.0g
次に、核450gを転動流動層造粒コーティング装置:アグロマスター(ホソカワミクロン)に仕込み、吸気温度80℃、排気温度31〜55℃、ローター回転数400rpmの条件で、下記のコーティング液(エチルセルロース66.7重量%)を噴霧した。得られた粒子を同装置内で流動乾燥させた後、取り出し、250μmの篩いを通過した被膜粒子を回収した。この被膜粒子の被膜率は核に対し109重量%であり、平均粒子径は144μmであった。
(コーティング液組成)
ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達、HPC-L) 163.5g
エチルセルロース(ダウケミカル、エトセル10cps) 327.0g
エタノール(純正化学) 3924.0g
精製水 981.0g
比較例1
実施例1のコーティング途中にサンプリングし、250μmの篩いを通過した被膜粒子を比較例1とした。この被膜粒子の被膜率は核に対し43重量%であった。
試験例1
実施例1、比較例1の被膜粒子と口腔内崩壊錠用賦形剤(富士化学工業,エフメルト)、および滑沢剤としてフマル酸ステアリルナトリウム(JRS PHARMA)を混合し、直接打錠法により薬物含量が約5mgの口腔内崩壊錠を製造した。
これらの口腔内崩壊錠を日局・溶出試験法(pH6.8:日局崩壊試験液第2液、パドル法、50rpm)で試験したところ、口腔内崩壊錠は試験開始後すみやかに崩壊し、図1に示す溶出性を示した。
図1に示すように、実施例1、比較例1の口腔内崩壊錠は両方とも速放性を示したが、実施例1が苦味マスキングされていたのに対し、比較例1は苦味マスキングが不十分であった。
実施例2
酒石酸ゾルピデム400g、 結晶セルロース(旭化成、アビセルPH301)400g、無水クエン酸(和光純薬工業)200gの混合物を転動流動層造粒コーティング装置:アグロマスター(ホソカワミクロン)に仕込み、吸気温度80℃、排気温度23〜33℃、ローター回転数400rpmの条件で、下記の組成の結合液を噴霧した。得られた粒子を同装置内で流動乾燥された後、取り出し、250μmの篩いを通過したものを核として回収した。無水クエン酸はあらかじめ粉砕し、平均粒子径が11μmのものを用いた。
(結合液組成)
ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達、HPC-L) 36.0g
エタノール(純正化学) 1164.0g
次に、核450gを転動流動層造粒コーティング装置:アグロマスター(ホソカワミクロン)に仕込み、吸気温度80℃、排気温度36〜56℃、ローター回転数400rpmの条件で、下記のコーティング液(エチルセルロース73.3重量%)を噴霧した。得られた粒子を同装置内で流動乾燥させた後、取り出し、250μmの篩いを通過した被膜粒子を回収した。この被膜粒子の被膜率は核に対し76重量%であり、平均粒子径は161μmであった。
(コーティング液組成)
ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達(株)、HPC-L) 91.2g
エチルセルロース(ダウケミカル、エトセル10cps) 250.8g
エタノール(純正化学) 2553.6g
精製水 638.4g
比較例2
実施例2で得られた核450gを転動流動層造粒コーティング装置:アグロマスター(ホソカワミクロン)に仕込み、吸気温度80℃、排気温度24〜52℃、ローター回転数400rpmの条件で、下記のコーティング液(エチルセルロース80.0重量%)を噴霧した。得られた粒子を同装置内で流動乾燥させた後、取り出し、250μmの篩いを通過した被膜粒子を回収した。この被膜粒子の被膜率は核に対し36重量%であった。
(コーティング液組成)
ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達、HPC-L) 46.8g
エチルセルロース(ダウケミカル、エトセル10cps) 187.2g
エタノール(純正化学) 1456.0g
精製水 364.0g
試験例2
実施例2、比較例2の被膜粒子と口腔内崩壊錠用賦形剤(富士化学工業,エフメルト)、および滑沢剤としてフマル酸ステアリルナトリウム(JRS PHARMA)を混合し、直接打錠法により薬物含量が約5mgの口腔内崩壊錠を製造した。
これらの口腔内崩壊錠を日局・溶出試験法(pH6.8:日局崩壊試験液第2液、パドル法、50rpm)で試験したところ、口腔内崩壊錠は試験開始後すみやかに崩壊し、図2に示す溶出性を示した。
図2に示すように、実施例2、比較例2とも薬物の苦味がマスキングされていたが、実施例2が速放性を示していたのに対し、比較例2は速放性を示さなかった。
実施例1、比較例1の溶出試験結果を示す 実施例2、比較例2の溶出試験結果を示す

Claims (8)

  1. 酒石酸ゾルピデムを有効成分として含有する核に、エチルセルロースと水溶性高分子を含む被膜が被覆されている速放性粒子において、該被膜中に占めるエチルセルロース含量が60〜75重量%であり、粒子の直径が250μm以下であることを特徴とする薬物の不快な苦味がマスキングされた速放性粒子
  2. 被膜の量が核に対して60〜200重量%である請求項1記載の速放性粒子
  3. 速放性粒子を含有する製剤のpH6.8における2分後の溶出率が25%以下であり、かつ15分後の溶出率が85%以上であることを特徴とする薬物の不快な苦味がマスキングされた請求項1記載の速放性粒子
  4. 平均粒子径が80μm〜180μmである請求項2又は請求項3に記載の速放性粒子
  5. 水溶性高分子がヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、及びメチルセルロースからなる群から選ばれる1種又は2種以上である請求項1記載の速放性粒子
  6. 易服用性製剤及び/又は薬物の苦味がマスキングされた速放性製剤に用いるための請求項1記載の速放性粒子
  7. 請求項1〜請求項5のいずれか記載の速放性粒子を用いた苦味がマスキングされた速放性の速崩壊錠
  8. 請求項1〜請求項5のいずれか記載の速放性粒子を用いた苦味がマスキングされた速放性のゼリー製剤又はフィルム製剤
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