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JP2008056940A - 高温用潤滑油組成物 - Google Patents

高温用潤滑油組成物 Download PDF

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JP2008056940A JP2007268276A JP2007268276A JP2008056940A JP 2008056940 A JP2008056940 A JP 2008056940A JP 2007268276 A JP2007268276 A JP 2007268276A JP 2007268276 A JP2007268276 A JP 2007268276A JP 2008056940 A JP2008056940 A JP 2008056940A
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Abstract

【課題】薄膜、高温下での蒸発量が抑制され、かつ流動性が長時間維持される高温用潤滑油組成物を提供すること。
【解決手段】(a)下記一般式(I)
Figure 2008056940

(式中、R1は炭素数6〜16の直鎖状アルキル基を示し、nは1〜6の整数を示す。)で表される芳香族エステル化合物20〜100重量%及び(b)その他の基油0〜80重量%からなる基油組成物に、潤滑油組成物全量基準で、(c)酸化防止剤0.1〜10重量%を配合してなる高温用潤滑油組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は高温用潤滑油組成物に関し、さらに詳しくは、チェーン,ローラーチェーン,チェーンコンベア,軸受け等に使用される高温用潤滑油組成物に関する。
チェーン,ローラーチェーン,チェーンコンベア,軸受け等に用いられる潤滑油は高温に曝されるので、潤滑油の蒸発量が装置寿命に大きな影響を与える。このように高温の条件下で、潤滑油は従来の粘性を失い薄膜となり、より厳しい条件の下で蒸発量を抑制しなければならない。従来の高温用潤滑油として、蒸発量を抑制するために高分子で高粘度の油剤が使用されていた。しかしながら、そのような油剤は、蒸発量は少ないが、動力損失が大きく、潤滑油トータルの性能として見た場合好ましいものではない。また、そのような油剤は、概して、薄膜、高温下に曝された場合、残渣量は多いものの固化してしまい、液体としての特性を失うばかりか、それが固化スラッジとなって油剤の流れを阻止し、潤滑部の貧潤滑を招く結果となる。したがって、高温用潤滑油において薄膜、高温下での蒸発量が抑制され、かつ流動性が長時間維持されるものが望まれていた。
本発明は、上記観点からなされたもので、薄膜、高温下での蒸発量が抑制され、かつ流動性が長時間維持される高温用潤滑油組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、基油として特定の芳香族エステル化合物を使用することにより上記本発明の目的を効果的に達成しうることを見出し本発明を完成したものである。すなわち、本発明の要旨は下記の通りである。
)(a)下記一般式(I)
Figure 2008056940
(式中、R1は炭素数6〜16の直鎖状アルキル基を示し、nは1〜6の整数を示す。)
で表される芳香族エステル化合物20〜100重量%及び(b)その他の基油0〜80重量%からなる基油組成物に、潤滑油組成物全量基準で、(c)酸化防止剤0.1〜10重量%を配合してなる高温用潤滑油組成物。
)基油組成物が、(a)芳香族エステル化合物30〜80重量%及び(b)その他の基油20〜70重量%からなるものである上記(1)記載の高温用潤滑油組成物。
)(a)芳香族エステル化合物が、トリメリット酸アルキルエステル及びピロメリット酸アルキルエステルから選ばれるものである上記(1)又は(2)に記載の高温用潤滑油組成物。
)(b)その他の基油が、α−オレフィンオリゴマー、エチレン−α−オレフィンオリゴマー、ポリブテン及びこれらの水素化物から選ばれる一種又は二種以上である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の高温用潤滑油組成物。
)(c)酸化防止剤が、分子中に硫黄及び/又はリンを含むものである上記(1)〜(4)のいずれかに記載の高温用潤滑油組成物。
)酸化防止剤が、ジチオリン酸塩及びチオリン酸エステルから選ばれるものである上記(1)〜(5)のいずれかに記載の高温用潤滑油組成物。
)酸化防止剤が、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノールである上記(1)〜(5)のいずれかに記載の高温用潤滑油組成物。
本発明によれば、薄膜、高温下での蒸発量が抑制され、かつ流動性が長時間維持される高温用潤滑油組成物を提供することができる。
以下に、本発明について詳細に説明する。本発明の高温用潤滑油組成物を構成する基油組成物は、
(a)上記一般式(I)で表される芳香族エステル化合物20〜100重量%及び(b)その他の基油0〜80重量%からなる。
(a)成分の芳香族エステル化合物を構成する芳香族カルボン酸は、ベンゼンに結合するカルボン酸の数は3又は4が好ましく、中でもトリメリット酸、ピロメリット酸が好ましい。芳香族カルボン酸エステルに使用する脂肪族アルコールとしては、炭素数6〜16の直鎖状又は分岐鎖状アルコールが好ましい。具体的には、トリn−ヘキシルトリメリテート、トリ2−エチルヘキシルトリメリテート、トリn−オクチルトリメリテート、トリ3,5,5−トリメチルヘキシルトリメリテート、テトラn−ヘキシルピロメリテート、テトラ2−エチルヘキシルピロメリテート、テトラn−オクチルピロメリテート、テトラ3,5,5−トリメチルヘキシルピロメリテートなどを挙げることができる。なお、芳香族カルボン酸エステルは一種または二種以上を混合して使用してもよく、また、フルエステルの中に部分エステルを含んでいてもよい。
(b)その他の基油としては、通常の設備油の基油として使用されているもので鉱油系、合成油系を問わず使用することができる。鉱油系基油としては、例えば、パラフィン基系原油、中間基系原油、ナフテン基系原油を常圧蒸留または減圧蒸留して得られる潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理などの常法に従って精製した精製油などが使用できる。
また、合成油系基油としては、例えば、α−オレフィンオリゴマー、エチレン−α−オリゴマー、ポリブテン、二塩基酸エステル、ポリアルキレングリコール、ヒンダードエステル、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ポリエーテルなど様々なものが使用できる。中でも、流動性を長期間維持できる点で、α−オレフィンオリゴマー、エチレン−α−オリゴマー、ポリブテン又はこれらの水素化物が好ましい。なお、(b)成分は一種又は二種以上を混合してもよく、鉱油と合成油を混合して使用してもよい。
(a)芳香族カルボン酸エステル化合物と(b)その他の基油の割合は、(a)成分20〜100重量%に対して(b)成分0〜80重量%で、好ましくは(a)成分30〜80重量%に対して(b)成分20〜70重量%である。(a)成分が20重量%未満であると本発明の効果が得られない。
次に、基油に配合される(c)成分の酸化防止剤として、アミン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤も使用できるが、効果の点で分子中に硫黄及び/又はリンを含むものが好ましい。アミン系酸化防止剤としては、例えばモノオクチルジフェニルアミン;モノノニルジフェニルアミンなどのモノアルキルジフェニルアミン系、4,4’−ジブチルジフェニルアミン;4,4’−ジペンチルジフェニルアミン;4,4’−ジヘキシルジフェニルアミン;4,4’−ジヘプチルジフェニルアミン;4,4’−ジオクチルジフェニルアミン;4,4’−ジノニルジフェニルアミンなどのジアルキルジフェニルアミン系、テトラブチルジフェニルアミン;テトラヘキシルジフェニルアミン;テトラオクチルジフェニルアミン;テトラノニルジフェニルアミンなどのポリアルキルジフェニルアミン系、α−ナフチルアミン;フェニル−α−ナフチルアミン;ブチルフェニル−α−ナフチルアミン;ペンチルフェニル−α−ナフチルアミン;ヘキシルフェニル−α−ナフチルアミン;ヘプチルフェニル−α−ナフチルアミン;オクチルフェニル−α−ナフチルアミン;ノニルフェニル−α−ナフチルアミンなどのナフチルアミン系を挙げることができる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール;2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノールなどのモノフェノール系、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)などのジフェノール系を挙げることができる。
分子中に硫黄及び/又はリンを含む酸化防止剤とは、分子中に硫黄及び/又はリンを含んでいて、酸化防止能力がある添加剤であればよく、他の目的で添加されている場合もさしつかえない。まず、分子中に硫黄を含む酸化防止剤について述べると、例えば硫化油脂,硫化鉱油,硫化脂肪酸,硫化エステル,硫化オレフィン,ジヒドロカルビルポリサルファイド,チアジアゾール化合物,アルキルチオカルバモイル化合物,トリアジン化合物,チオテルペン化合物,ジアルキルチオジプロピオネート化合物などを挙げることができる。
ここで、硫化油脂は硫黄や硫黄含有化合物と油脂(ラード油,鯨油,植物油,魚油等)を反応させて得られるものであり、その硫黄含有量は特に制限はないが、一般に5〜30重量%のものが好適である。その具体例としては、硫化ラード,硫化なたね油,硫化ひまし油,硫化大豆油,硫化米ぬか油などを挙げることができる。硫化脂肪酸の例としては、硫化オレイン酸などを、硫化エステルの例としては、硫化オレイン酸メチルや硫化米ぬか脂肪酸オクチルなどを挙げることができる。
硫化オレフィンとしては、例えば、下記の一般式(II)
2−Sa−R3 ・・・(II)
(式中、R2は炭素数2〜15のアルケニル基、R3は炭素数2〜15のアルキル基又はアルケニル基を示し、aは1〜8の整数を示す。)で表される化合物などを挙げることができる。この化合物は、炭素数2〜15のオレフィン又はその2〜4量体を、硫黄,塩化硫黄等の硫化剤と反応させることによって得られ、該オレフィンとしては、プロピレン,イソブテン,ジイソブテンなどが好ましい。
また、ジヒドロカルビルポリサルファイドは、下記の一般式(III)
4−Sb−R5 ・・・(III)
(式中、R4及びR5は、それぞれ炭素数1〜20のアルキル基又は環状アルキル基,炭素数6〜20のアリール基,炭素数7〜20のアルキルアリール基又は炭素数7〜20のアリールアルキル基を示し、それらは互いに同一でも異なっていてもよく、bは2〜8の整数を示す。)
で表される化合物である。ここで、R4及びR5がアルキル基の場合、硫化アルキルと称される。
上記一般式(III)におけるR4及びR5の具体例としては、メチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチル基,sec−ブチル基,tert−ブチル基,各種ペンチル基,各種ヘキシル基,各種ヘプチル基,各種オクチル基,各種ノニル基,各種デシル基,各種ドデシル基,シクロヘキシル基,シクロオクチル基,フェニル基,ナフチル基,トリル基,キシリル基,ベンジル基,フェネチル基などを挙げることができる。
このジヒドロカルビルポリサルファイドとしては、例えば、ジベンジルポリサルファイド,各種ジノニルポリサルファイド,各種ジドデシルポリサルファイド,各種ジブチルポリサルファイド,各種ジオクチルポリサルファイド,ジフェニルポリサルファイド,ジシクロヘキシルポリサルファイドなどを好ましく挙げることができる。チアジアゾール化合物としては、例えば、下記一般式(IV)
Figure 2008056940
(式中、R6及びR7は、それぞれ水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基を示し、c及びdは、それぞれ0〜8の整数を示す。)で表される1,3,4−チアジアゾールや1,2,4−チアジアゾール化合物が好ましく用いられる。このようなチアジアゾール化合物の具体例としては、2,5−ビス(n−ヘキシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(n−オクチルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(n−ノニルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(1,1,3,3,−テトラメチルブチルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、3,5−ビス(n−ヘキシルジチオ)−1,2,4−チアジアゾール、3,5−ビス(n−オクチルジチオ)−1,2,4−チアジアゾール、3,5−ビス(n−ノニルジチオ)−1,2,4−チアジアゾール、3,5−ビス(1,1,3,3,−テトラメチルブチルジチオ)−1,2,4−チアジアゾールなどを好ましく挙げることができる。
アルキルチオカルバモイル化合物としては、例えば、下記一般式(V)
Figure 2008056940
(式中、R8〜R11は、それぞれ炭素数1〜20のアルキル基を示し、eは1〜8の整数を示す。)で表されるものが好ましく用いられる。このようなアルキルチオカルバモイル化合物の具体例としては、ビス(ジメチルチオカルバモイル)モノスルフィド,ビス(ジブチルチオカルバモイル)モノスルフィド,ビス(ジメチルチオカルバモイル)ジスルフィド,ビス(ジブチルチオカルバモイル)ジスルフィド,ビス(ジアミルチオカルバモイル)ジスルフィド,ビス(ジオクチルチオカルバモイル)ジスルフィドなどを好ましく挙げることができる。
トリアジン化合物としては、例えば2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノールなどを好ましく挙げることができる。さらに、チオテルペン化合物としては、例えば、五硫化リンとピネンの反応物を、ジアルキルチオジプロピオネート化合物としては、例えば、ジラウリルチオジプロピオネート,ジステアリルチオジプロピオネートなどを挙げることができる。
また、硫黄と金属を含んでいるものとして、ジアルキルジチオカルバミン酸亜鉛(Zn−DTC),ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン(Mo−DTC),ジアルキルジチオカルバミン酸鉛,ジアルキルジチオカルバミン酸錫,ナトリウムスルホネート,カルシウムスルホネートなどを使用することもできる。次に、分子中にリンを含んでいる酸化防止剤について述べると、代表的なものは、リン酸エステル類とそのアミン塩である。
リン酸エステル類は、下記の一般式(VI)〜(X)で表されるリン酸エステル,酸性リン酸エステル,亜リン酸エステル,酸性亜リン酸エステルを包含する。
Figure 2008056940
Figure 2008056940
Figure 2008056940
Figure 2008056940
Figure 2008056940
上記一般式(VI)〜(X)において、R12〜R14は炭素数4〜30のアルキル基,アルケニル基,アルキルアリール基及びアリールアルキル基を示し、R12〜R14は同一でも異なっていてもよい。リン酸エステルとしては、トリアリールホスフェート,トリアルキルホスフェート,トリアルキルアリールホスフェート,トリアリールアルキルホスフェート,トリアルケニルホスフェートなどがあり、具体的には、例えばトリフェニルホスフェート,トリクレジルホスフェート,ベンジルジフェニルホスフェート,エチルジフェニルホスフェート,トリブチルホスフェート,エチルジブチルホスフェート,クレジルジフェニルホスフェート,ジクレジルフェニルホスフェート,エチルフェニルジフェニルホスフェート,ジエチルフェニルフェニルホスフェート,プロピルフェニルジフェニルホスフェート,ジプロピルフェニルフェニルホスフェート,トリエチルフェニルホスフェート,トリプロピルフェニルホスフェート,ブチルフェニルジフェニルホスフェート,ジブチルフェニルフェニルホスフェート,トリブチルフェニルホスフェート,トリヘキシルホスフェート,トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート,トリデシルホスフェート,トリラウリルホスフェート,トリミリスチルホスフェート,トリパルミチルホスフェート,トリステアリルホスフェート,トリオレイルホスフェートなどを挙げることができる。
酸性リン酸エステルとしては、具体的には、例えば2−エチルヘキシルアシッドホスフェート,エチルアシッドホスフェート,ブチルアシッドホスフェート,オレイルアシッドホスフェート,テトラコシルアシッドホスフェート,イソデシルアシッドホスフェート,ラウリルアシッドホスフェート,トリデシルアシッドホスフェート,ステアリルアシッドホスフェート,イソステアリルアシッドホスフェートなどを挙げることができる。
亜リン酸エステルとしては、具体的には、例えばトリエチルホスファイト,トリブチルホスファイト,トリフェニルホスファイト,トリクレジルホスファイト,トリ(ノニルフェニル)ホスファイト,トリ(2−エチルヘキシル)ホスファイト,トリデシルホスファイト,トリラウリルホスファイト,トリイソオクチルホスファイト,ジフェニルイソデシルホスファイト,トリステアリルホスファイト,トリオレイルホスファイトなどを挙げることができる。
酸性亜リン酸エステルとしては、具体的には、例えばジブチルハイドロゲンホスファイト,ジラウリルハイドロゲンホスファイト,ジオレイルハイドロゲンホスファイト,ジステアリルハイドロゲンホスファイト,ジフェニルハイドロゲンホスファイトなどを挙げることができる。
さらに、これらとアミン塩を形成するアミン類としては、例えば一般式(XI)
15 mNH3-m ・・・(XI)
(式中、R15は炭素数3〜30のアルキル基もしくはアルケニル基,炭素数6〜30のアリール基もしくはアリールアルキル基又は炭素数2〜30のヒドロキシアルキル基を示し、mは1,2又は3を示す。また、R15が複数ある場合、複数のR15は同一でも異なっていてもよい。)で表されるモノ置換アミン,ジ置換アミン又はトリ置換アミンが挙げられる。上記一般式(XI)におけるR15のうちの炭素数3〜30のアルキル基もしくはアルケニル基は、直鎖状,分岐状,環状のいずれであってもよい。
ここで、モノ置換アミンの例としては、ブチルアミン,ペンチルアミン,ヘキシルアミン,シクロヘキシルアミン,オクチルアミン,ラウリルアミン,ステアリルアミン,オレイルアミン,ベンジルアミンなどを挙げることができ、ジ置換アミンの例としては、ジブチルアミン,ジペンチルアミン,ジヘキシルアミン,ジシクロヘキシルアミン,ジオクチルアミン,ジラウリルアミン,ジステアリルアミン,ジオレイルアミン,ジベンジルアミン,ステアリル・モノエタノールアミン,デシル・モノエタノールアミン,ヘキシル・モノプロパノールアミン,ベンジル・モノエタノールアミン,フェニル・モノエタノールアミン,トリル・モノプロパノールなどを挙げることができる。また、トリ置換アミンの例としては、トリブチルアミン,トリペンチルアミン,トリヘキシルアミン,トリシクロヘキシルアミン,トリオクチルアミン,トリラウリルアミン,トリステアリルアミン,トリオレイルアミン,トリベンジルアミン,ジオレイル・モノエタノールアミン,ジラウリル・モノプロパノールアミン,ジオクチル・モノエタノールアミン,ジヘキシル・モノプロパノールアミン,ジブチル・モノプロパノールアミン,オレイル・ジエタノールアミン,ステアリル・ジプロパノールアミン,ラウリル・ジエタノールアミン,オクチル・ジプロパノールアミン,ブチル・ジエタノールアミン,ベンジル・ジエタノールアミン,フェニル・ジエタノールアミン,トリル・ジプロパノールアミン,キシリル・ジエタノールアミン,トリエタノールアミン,トリプロパノールアミンなどを挙げることができる。
リンとハロゲン原子を含んでいるものとして、塩素化リン酸エステルを挙げることができる。分子中に硫黄とリンを含んでいる酸化防止剤として、リン硫化油脂,リン硫化オレフィン,チオリン酸エステル(チオホスファイト,チオホスフェート)などを挙げることができ、中でもチオホスファイト(アルキル型)、チオホスフェート(アルキルアリール型)が好ましい。
硫黄,リン及び金属を含んでいるものとして、ジチオリン酸亜鉛(Zn−DTP),ジチオリン酸モリブデン(Mo−DTP),ジチオリン酸鉛,ジチオリン酸錫などのジチオリン酸塩を挙げることができ、中でもアルキルアリール基を有するものが好ましい。以上述べた酸化防止剤のなかで、蒸発量を抑制するという効果の点で、2,6−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール、Zn−DTP(アルキルアリール型)、チオホスファイト(アルキル型)、チオホスフェート(アルキルアリール型)が好ましい。
また、以上の酸化防止剤は単独で、また二種以上を組み合わせて使用することができる。以上の酸化防止剤の好ましい配合量は、組成物全量基準で、0.1〜10重量%の範囲である。この配合量が0.1重量%未満では、本発明の目的が充分に発揮されず、10重量%を超えても、その量の割には効果の向上がみられない場合があり、また基油に対する溶解性が低下する場合がある。更に好ましい配合量は1〜7重量%の範囲である。
本発明の高温用潤滑油組成物には、必要に応じ、防錆剤,清浄分散剤,金属不活性化剤,消泡剤などの各種公知の添加剤を本発明の目的を阻害しない範囲で適宜配合することができる。防錆剤として、金属系スルホネート,コハク酸エステルなどを挙げることができる。
清浄分散剤として、金属スルホネート,金属サリチレート,金属フィネート,コハク酸イミドなどを挙げることができる。金属不活性化剤として、ベンゾトリアゾール,チアジアゾールなどを挙げることができる。消泡剤として、メチルシリコーン油,フルオロシリコーン油,ポリアクリレートなどを挙げることができる。
本発明の高温用潤滑油組成物は、40℃における動粘度を10〜500mm2/sに調整するのが目的を達成する上で好ましい。さらに好ましくは、50〜320mm2/sの範囲である。なお、本発明の高温用潤滑油組成物は、使用期間中の50%以上の時間において150℃を超える温度になる場合好適に使用される。
次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1〜6及び比較例1,2
第1表に示すとおり、基油に酸化防止剤を配合し潤滑油組成物を調製した。その組成物の粘度については、α−オレフィンオリゴマーの粘度を調整して配合することにより全て40℃における動粘度を220mm2/sに調整した。その組成物について、下記の要領で薄膜残渣試験を行った。また、容器を傾け、その時の流動性の有無を目視で判断した。その結果を第1表に示す。
薄膜残渣試験
JIS K 2540の潤滑油熱安定度試験に示されている容器及び恒温空気浴を用い、サンプル量を1gとして、200℃,24時間の残渣量を測定した。それを百分率で表し残渣率とした。なお、測定中は絶えず空気を10リットル/hr流し込むようにした。
Figure 2008056940
Figure 2008056940
(注)
*1 1−デセンのオリゴマーの水素化物(40℃における動粘度30〜63mm2/s)
*2 数平均分子量;2,300
*3 トリn−オクチルトリメリテート
*4 トリn−オクチルピロメリテート
*5 4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)
*6 4,4’−ジブチルジフェニルアミン
*7 アルキルアリール型Zn−DTP
*8 トリイソノニルフェノールチオホスフェート
*9 2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール
本発明によれば、薄膜、高温下での蒸発量が抑制され、かつ流動性が長時間維持される高温用潤滑油組成物を提供することができる。

Claims (7)

  1. (a)下記一般式(I)
    Figure 2008056940
    (式中、R1は炭素数6〜16の直鎖状アルキル基を示し、nは1〜6の整数を示す。)で表される芳香族エステル化合物20〜100重量%及び(b)その他の基油0〜80重量%からなる基油組成物に、潤滑油組成物全量基準で、(c)酸化防止剤0.1〜10重量%を配合してなる高温用潤滑油組成物。
  2. 基油組成物が、(a)芳香族エステル化合物30〜80重量%及び(b)その他の基油20〜70重量%からなるものである請求項1記載の高温用潤滑油組成物。
  3. (a)芳香族エステル化合物が、トリメリット酸アルキルエステル及びピロメリット酸アルキルエステルから選ばれるものである請求項1又は2に記載の高温用潤滑油組成物。
  4. (b)その他の基油が、α−オレフィンオリゴマー、エチレン−α−オレフィンオリゴマー、ポリブテン及びこれらの水素化物から選ばれる一種又は二種以上である請求項1〜3のいずれかに記載の高温用潤滑油組成物。
  5. (c)酸化防止剤が、分子中に硫黄及び/又はリンを含むものである請求項1〜4のいずれかに記載の高温用潤滑油組成物。
  6. (c)酸化防止剤が、ジチオリン酸塩及びチオリン酸エステルから選ばれるものである請求項1〜5のいずれかに記載の高温用潤滑油組成物。
  7. (c)酸化防止剤が、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノールである請求項1〜5のいずれかに記載の高温用潤滑油組成物。
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