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JP2008010456A - 金属配線形成方法及び焼成炉 - Google Patents

金属配線形成方法及び焼成炉 Download PDF

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JP2008010456A
JP2008010456A JP2006176279A JP2006176279A JP2008010456A JP 2008010456 A JP2008010456 A JP 2008010456A JP 2006176279 A JP2006176279 A JP 2006176279A JP 2006176279 A JP2006176279 A JP 2006176279A JP 2008010456 A JP2008010456 A JP 2008010456A
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Yoichi Noda
洋一 野田
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Abstract

【課題】導電層の平坦性を向上させる金属配線形成方法及び焼成炉を提供すること。
【解決手段】基板S上に形成されたマンガン層25上に、金属微粒子を分散させた配線形成用インクX2を塗布する第2液滴吐出工程と、配線形成用インクX2を加熱して前記金属微粒子を粒成長させ、銀層26を形成する第2焼成工程とを有し、前記第2焼成工程で、基板Sの上下に間隔をあけて基板Sのうち少なくとも配線形成用インクX2が塗布された領域に対して赤外線を均一に照射する一対の金属板18を配置した状態で、基板Sを焼成温度まで昇温する。
【選択図】図5

Description

本発明は、金属配線形成方法及び焼成炉に関するものである。
ノート型パーソナルコンピュータや携帯電話機などの携帯機器の普及に伴い、薄くて軽量な液晶表示装置などが幅広く用いられている。このような液晶表示装置は、一対の基板の間に液晶層を挟持させた構造となっている。
図12に示すように、この一対の基板のうちの一方であるアクティブマトリックス基板150は、ガラス基板151と、ガラス基板151上に互いに交差するように形成されたデータ線152及び走査線153と、同じくガラス基板151上に形成されたドレイン電極154と、ドレイン電極154に接続された画素電極(ITO)155と、データ線152と走査線153との間に形成された絶縁層156と、薄膜半導体からなるTFT(Thin Film Transistor)素子157とを備えている。
そして、これらデータ線152、走査線153及びドレイン電極154は、例えばドライプロセスとフォトリソエッチングとを組み合わせた工程を複数回繰り返すことによって形成されている(例えば、特許文献1参照)。ところが、このような形成方法では、ドライプロセスとフォトリソエッチングとを複数回繰り返しているために材料費や管理費などのコストが高くなると共に、歩留まりが上がりにくいという問題がある。
ところで、近年、電子装置の製造工程に用いられる塗布技術として、液滴吐出方式の利用が拡大する傾向にある。この液滴吐出方式による塗布技術は、一般に基板と液滴吐出ヘッドとを相対的に移動させながら液滴吐出ヘッドに設けられた複数のノズルから機能液を液滴として吐出し、この液滴を基板上に繰り返し付着させて塗布膜を形成するものであり、機能液の消費に無駄が少なく、任意の形状のパターンをフォトリソグラフィなどの手段を用いずに直接塗布することができるという利点を有している。
例えば、パターン形成用材料を含む機能液を液滴吐出ヘッドから基板上に吐出することで、パターン形成面に材料を塗布(配置)して半導体集積回路などの微細な金属配線を形成する金属配線形成方法が提案されている(例えば、特許文献2、3参照)。
特許第3261699号公報 特開平11−274671号公報 特開2000−216330号公報
しかしながら、上記従来の金属配線形成方法においても、以下の課題が残されている。すなわち、例えばガラス基板上に液滴吐出法によって銀の微粒子を含有する機能液を塗布して銀の導電層を形成する場合、機能液が流動性を有していることから、金属配線の電気特性をより安定化にするために、導電層の層厚をより均一に形成することが望まれている。
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたもので、導電層の平坦性を向上させる金属配線形成方法及び焼成炉を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明にかかる金属配線形成方法は、基板上に形成された下地層上に、金属微粒子を分散させた機能液を塗布する塗布工程と、前記機能液を加熱して前記金属微粒子を粒成長させ、導電層を形成する焼成工程とを有する金属配線形成方法であって、前記焼成工程で、前記基板のうち少なくとも前記機能液が塗布された領域に対して赤外線を均一に照射する一対の被覆部材を前記基板の上下に間隔をあけて配置した状態で、前記基板を焼成温度まで昇温することを特徴とする。
また、本発明の焼成炉は、表面に金属微粒子を分散させた機能液が塗布された基板を加熱する焼成炉であって、前記基板の上下に間隔をあけて配置され、基板のうち少なくとも前記機能液が塗布された領域に赤外線を均一に照射する一対の被覆部材を備えることを特徴とする。
この発明では、導電層を形成するための焼成工程において赤外線が基板のうち少なくとも機能液を塗布した領域に均一に照射されることで、機能液が塗布された領域を均一に加熱することができる。したがって、金属微粒子を粒成長させることで得られる導電層の層厚をより均一化できる。
すなわち、機能液に赤外線を照射すると、機能液のうち金属微粒子を分散させるための分散媒などが蒸発する。ここで、機能液が塗布された領域において温度分布にムラが発生していると、機能液が流動性を有していることから、温度の高い領域から温度の低い領域に向けて機能液が流動する。そのため、分散媒などを蒸発させて金属微粒子を粒成長させることで形成された導電層の層厚の均一性が低下してしまう。そこで、基板の上下に一対の被覆部材を配置することで、これらから基板のうち少なくとも機能液が塗布された領域に向けて赤外線を均一に照射し、この領域の温度分布にムラが発生することを抑制できる。これにより、機能液中の分散媒などが均一に蒸発し、導電層の層厚をより均一にすることができる。
なお、本発明において温度分布にムラがないとは、機能液が塗布された領域の各部における温度の差がない場合だけでなく、各部の温度差が10%程度の微小である場合も含まれる。
また、本発明の金属配線形成方法は、前記金属微粒子が、Au、Ag、Cu、Ni、ITO、Pd、BiまたはMnのいずれかあるいはこれらの混合物であることとしてもよい。
この発明では、金属微粒子をAu(金)、Ag(銀)、Cu(銅)、Ni(ニッケル)、ITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウムスズ)、Pd(パラジウム)、Bi(ビスマス)またはMn(マンガン)のいずれかあるいはこれらの混合物で構成することで、下地層との良好なアンカー効果を得ることができる。
また、本発明の金属配線形成方法は前記下地層が、Mn、Ti、Cu、Ni、InまたはCrのいずれかの酸化物によって構成されていることとしてもよい。
この発明では、下地層をMn、Ti(チタン)、Cu、Ni、In(インジウム)またはCr(クロム)のいずれかの酸化物を用いて構成することで、基板及び導電層との良好な密着性を得ることができる。
また、本発明の金属配線形成方法は、液滴吐出法を用いて前記機能液を塗布することが好ましい。
この発明では、液滴吐出法によって機能液を選択的に形成するので、機能液の無駄を抑制でき、低コスト化が図れる。
以下、本発明による金属配線形成方法及び焼成炉の一実施形態を、図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
本実施形態では、液滴吐出法を用いて液滴吐出ヘッドの吐出ノズルから導電性微粒子を含む配線形成用インク(機能液)を液滴状に吐出し、基板上に金属配線に応じて形成されたバンクの間に複数の導電膜からなる金属配線を形成する例について説明する。
〔配線形成用インク〕
この配線形成用インクは、導電性微粒子を分散媒に分散させた分散液や、有機銀化合物や酸化銀ナノ粒子を分散媒に分散させた分散液によって構成されている。
ここで、導電性微粒子としては、例えば金属微粒子やこの酸化物、導電性ポリマー、超伝導体の微粒子などが挙げられる。そして、これらの導電性微粒子の表面には、分散液中における分散性を向上させるために有機物などで構成された分散安定剤で被覆してもよい。
また、導電性微粒子の粒径は1nm以上0.1μm以下であることが好ましい。0.1μmより大きいと、後述する液滴吐出ヘッド1の吐出ノズルに目詰まりが生じるおそれがある。また、1nmより小さいと、導電性微粒子に対する後述する分散安定剤の体積比が大きくなり、得られる膜中の有機物の割合が過多となる。
また、分散媒としては、導電性微粒子を分散できるもので、凝集を起こさないものであれば特に限定されない。例えば、水の他に、メタノールやエタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、n−ヘプタン、n−オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカン、トルエン、キシレン、シメン、デュレン、インデン、ジペンテン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、シクロヘキシルベンゼンなどの炭化水素系化合物、またはエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサンなどのエーテル系化合物、さらにプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、シクロヘキサノンなどの極性化合物が挙げられる。これらのうち、微粒子の分散性と分散液の安定性、また液滴吐出法への適用の容易さの点で、水、アルコール類、炭化水素系化合物、エーテル系化合物が好ましく、より好ましい分散媒としては、水、炭化水素系化合物が挙げられる。
また、導電性微粒子が接触して凝集を起こすことを防ぐために、導電性微粒子の表面を分散安定剤で被覆してもよい。分散安定剤としては、例えば、アルキルアミンなどのアミン化合物が用いられる。この分散安定剤は、導電性微粒子の表面から離脱した後、最終的には、分散溶と共に、蒸散することが可能であることが必要であり、少なくとも、沸点が300℃を超えない範囲、通常、250℃以下の範囲となるものが好ましい。例えば、アルキルアミンとして、そのアルキル基は、C8〜C18の範囲に選択され、アルキル鎖の末端にアミノ基を有するものが用いられる。例えば、前記C8〜C18の範囲のアルキルアミンは、熱的な安定性もあり、また、室温付近での蒸気圧もさほど高くなく、室温などで保管する際、含有率を所望の範囲に維持、制御することが容易であるなど、ハンドリング性の面から好適に用いられる。
そして、機能液の表面張力は、例えば0.02N/m以上0.07N/m以下の範囲内であることが好ましい。液滴吐出法にて液体を吐出する際、表面張力が0.02N/m未満であると、インク組成物のノズル面に対するヌレ性が増大するため飛行曲りが生じやすくなり、0.07N/mを超えるとノズル先端でのメニスカスの形状が安定しないため吐出量や、吐出タイミングの制御が困難になる。表面張力を調整するため、上記分散液には、基板との接触角を大きく低下させない範囲で、フッ素系、シリコーン系、ノニオン系などの表面張力調節剤を微量添加するとよい。ノニオン系表面張力調節剤は、液体の基板へのヌレ性を向上させ、膜のレベリング性を改良し、膜の微細な凹凸の発生などの防止に役立つものである。上記表面張力調節剤は、必要に応じて、アルコール、エーテル、エステル、ケトンなどの有機化合物を含んでもよい。
また、機能液の粘度は、例えば1mPa・s以上50mPa・s以下であることが好ましい。液滴吐出法を用いて液体材料を液滴として吐出する際、粘度が1mPa・sより小さい場合にはノズル周辺部がインクの流出により汚染されやすく、また粘度が50mPa・sより大きい場合は、ノズル孔での目詰まり頻度が高くなり円滑な液滴の吐出が困難となる。
また、金属配線が形成される基板としては、ガラスや石英ガラス、Siウエハ、プラスチックフィルム、金属板など各種のものを用いることができる。また、これら各種の基板の表面に半導体膜、金属膜、誘電体膜、有機膜などが下地層として形成されたものも含む。
〔液滴吐出装置〕
次に、金属配線を形成するために用いられる液滴吐出装置(インクジェット装置)について、図1を参照しながら説明する。ここで、図1は、液滴吐出装置の概略斜視図である。
液滴吐出装置IJは、図1に示すように、液滴吐出ヘッドから基板Sに対して液滴を吐出(滴下)するものであって、液滴吐出ヘッド1と、第1及び第2駆動モータ2、3と、駆動軸4と、ガイド軸5と、ステージ6と、クリーニング機構7と、基台8と、ヒータ9と、これらを制御する外部コントローラCONTとを備えている。ここで、図1に示すX方向を走査方向、Y方向を非走査方向とする。
液滴吐出ヘッド1は、複数の吐出ノズルを備えるマルチノズルタイプの液滴吐出ヘッドであって、長手方向をY軸方向と一致させている。そして、液滴吐出ヘッド1は、吐出ノズルからステージ6に支持固定されている基板Sに対して機能液を吐出する構成となっている。複数の吐出ノズルは、液滴吐出ヘッド1の下面に一定の間隔で非走査方向であるY軸方向に並んで設けられている。
第1駆動モータ2は、例えばステッピングモータによって構成されており、駆動軸4に接続されている。そして、第1駆動モータ2は、外部コントローラCONTから供給されたX軸方向の駆動信号により駆動軸4を回転させ、液滴吐出ヘッド1をX軸方向に移動させる。
第2駆動モータ3は、第1駆動モータ2と同様に、例えばステッピングモータによって構成されており、ガイド軸5に接続されている。そして、第2駆動モータ3は、外部コントローラCONTから供給されたX軸方向の駆動信号によりガイド軸5を回転させ、ステージ6をX軸方向に移動させる。また、ガイド軸5は、基台8に対して固定されている。
ステージ6は、液滴吐出ヘッド1から機能液が吐出される基板Sを支持し、基板Sを基準位置に固定する固定機構(図示略)を備えている。
クリーニング機構7は、液滴吐出ヘッド1をクリーニングするものであって、駆動モータ(図示略)の駆動によりガイド軸5に沿ってY軸方向に移動する。
ヒータ9は、例えばランプアニールにより基板Sを熱処理するものであって、基板Sに塗布された機能液に含まれる分散媒の蒸発及び乾燥を行う。
外部コントローラCONTは、第1及び第2駆動モータ2、3に対して駆動信号をそれぞれ供給すると共に、液滴吐出ヘッド1による液滴の吐出制御用の電圧を供給する。
したがって、液滴吐出装置IJは、液滴吐出ヘッド1と基板Sを支持するステージ6とを相対的に走査しつつ基板Sに対して液滴を吐出する。
ここで、液滴吐出法の吐出技術としては、帯電制御方式や加圧振動方式、電気機械変換方式、電気熱変換方式、静電吸引方式などが挙げられる。帯電制御方式は、材料に帯電電極で電荷を付与し、偏向電極で材料の飛翔方向を制御してノズルから吐出させるものである。また、加圧振動方式は、材料に例えば30kg/cm程度の超高圧を印加してノズル先端側に材料を吐出させるものであり、制御電圧をかけない場合には材料が直進してノズルから吐出され、制御電圧をかけると材料間に静電的な反発が起こり、材料が飛散するのでノズルから吐出されない。そして、電気機械変換方式は、ピエゾ素子(圧電素子)がパルス的な電気信号を受けて変形する性質を利用したもので、ピエゾ素子が変形することによって材料を貯留した空間に可撓物質を介して圧力を与え、この空間から材料を押し出してノズルから吐出させるものである。さらに、電気熱変換方式は、材料を貯留した空間内に設けたヒータにより、材料を急激に気化させてバブル(泡)を発生させ、バブルの圧力によって空間内の材料を吐出させるものである。また、静電吸引方式は、材料を貯留した空間内に微小圧力を加え、ノズルに材料のメニスカスを形成し、この状態で静電引力を加えてから材料を引き出す方式である。この他、電場による流体の粘性変化を利用する方式や、放電火花で飛ばす方式など、さまざまな技術を適用することができる。この液滴吐出法は、材料の使用に無駄が少なく、しかも所望の位置に所望の量の材料を的確に配置できるという利点を有する。なお、液滴吐出法によって吐出される機能液の一滴の量は、例えば1ng以上300ng以下となっている。
〔焼成炉〕
次に、本発明にかかる焼成炉について、図を参照しながら説明する。ここで、図2は、本実施形態における焼成炉の模式図である。
本実施形態における雰囲気焼成炉(焼成炉)15は、図2に示すように、前方に形成された開口を有すると共にこの開口を覆う扉(図示略)を有する箱状の筐体16と、筐体16の内壁に設けられて後述する配線形成用インク(機能液)X2が塗布された基板Sを水平となるように支持する支持部17と、支持部17により支持された基板Sと平行となるように配置された板状の金属板(被覆部材)18とを備えている。
筐体16は、内部に複数の基板Sをそれぞれが水平となるように収容可能となっている。
支持部17は、基板Sの裏面を点接触で支持する構成となっている。したがって、基板Sは、複数の支持部17によって筐体16内で支持されている。
金属板18は、筐体16内に複数設けられており、筐体16内に複数配置された基板Sの間において互いが基板Sと水平となるように配置されている。ここで、金属板18は、筐体16内に基板Sと共に収容された状態で、平面視で基板Sを覆う形状となっている。したがって、金属板18は、基板Sのうち少なくとも後述する配線形成用インクX2が塗布された領域を覆う形状となっている。
ここで、金属板18と隣接する基板Sの表面との距離は、例えば1cmとなっている。なお、基板Sの上面側で隣接する金属板18と、基板Sの下面側で隣接する金属板18とによって一対の被覆部材が構成される。なお、複数収容された基板Sのうち最上段に配置された基板Sでは、筐体16の上内壁と基板Sの下面側で隣接する金属板18とによって一対の被覆部材が構成されている。同様に、最下段に配置された基板Sでは、基板Sの上面側で隣接する金属板18と筐体16の下内壁とによって一対の被覆部材が構成されている。
また、支持部17によって支持された基板Sと、基板Sの上面側で隣接する金属板18との間は、間隙となっており、他の部材が設けられていない。
なお、一対の被覆部材を金属板18で構成しているが、基板Sのうち少なくとも配線形成用インクX2が塗布された領域に対して均一に赤外線を照射できればよく、金属板に限らず、例えばセラミックスで構成された板や他の部材であってもよい。
〔金属配線形成方法〕
次に、本発明にかかる金属配線形成方法について、図を参照しながら説明する。ここで、図3から図5は、本実施形態における金属配線形成方法の形成工程を示す断面図である。
本実施形態における金属配線形成方法は、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)膜形成工程と、バンク形成工程と、HMDS膜パターニング工程、残渣処理工程(親液化処理工程)、撥液化工程、第1液滴吐出工程(塗布工程)、乾燥工程、第1焼成工程、第2液滴吐出工程(塗布工程)及び第2焼成工程から構成されている。
(HMDS膜形成工程)
まず、図3(a)に示すように、基板S上にHMDS膜21を形成する。このHMDS膜21は、基板Sと後述するバンク23との密着性を向上させるものである。ここでは、例えばHMDSを蒸気状にして基板S上に付着させること(HMDS処理)によってHMDS膜21を形成する。
(バンク形成工程)
次に、基板S上にバンク23(図3(c)参照)を形成する。このバンク23は、仕切部材として機能するものである。ここでは、リソグラフィ法を用いてバンク23を形成する。まず、図3(b)に示すように、スピンコート、スプレーコート、ロールコート、ダイコート、ディップコートなどの方法で、基板S上にバンクの高さに合わせて有機系感光性材料22を塗布し、その上にレジスト層(図示略)を塗布する。そして、バンク形状(金属配線の形成領域)に合わせてマスクを施し、上記レジスト層を露光、現像することによりほぼ矩形状に合わせたレジスト層を残す。その後、エッチングしてマスク以外の部分のバンク材料を除去する。これにより、図3(c)に示すように、金属配線を形成する領域(例えば10μm幅)の周辺を囲むようにバンク23及びバンク間24が形成される。
ここで、上層が有機物で撥液性を示す材料で構成された2層以上でバンク(凸部)を形成してもよい。また、バンク23の形成は、リソグラフィ法に限らず、印刷法など、他の方法で行うことができる。
(HMDS膜パターニング工程)
続いて、バンク23をマスクとしてHMDS膜21を除去する。ここでは、図3(d)に示すように、バンク23が形成された基板Sに対してバンク23をマスクとし、例えば2.5%フッ酸水溶液を用いたエッチングを施すことにより、バンク23で被覆されていないバンク間24におけるHMDS膜21を除去する。これにより、基板Sがバンク23間の底部に露出する。
(残渣処理工程(親液化処理工程))
次に、バンク形成工程においてバンク間24に残渣として残存しているレジスト層(有機物)を除去する。ここでは、大気雰囲気中で酸素を処理ガスとするOプラズマ処理によってレジスト層の残渣を除去する。すなわち、基板Sに対しプラズマ放電電極からプラズマ状態の酸素を照射する。ここで、Oプラズマ処理の条件としては、例えばプラズマパワーが50〜1000W、酸素ガス流量が50〜100ml/min、プラズマ放電電極に対する基板Sの板搬送速度が0.5〜10mm/sec、基板Sの温度が70〜90℃となっている。
なお、残渣処理としては、Oプラズマ処理に限らず、紫外線照射処理など、他の処理を用いることができる。また、基板Sがガラス基板の場合、その表面は配線形成用インクに対して親液性を有しているが、残渣処理のためにOプラズマ処理や紫外線照射処理を施すことで、バンク間24の底部に露出した基板Sの親液性を高めることができる。
(撥液化処理工程)
続いて、バンク23に対して撥液化処理を行い、その表面に撥液性を付与する。ここでは、例えば大気雰囲気中でテトラフルオロメタンを処理ガスとするプラズマ処理法(CFプラズマ処理法)が用いられる。ここで、CFプラズマ処理の条件は、例えばプラズマパワーが50〜1000W、4フッ化メタンガス流量が50〜100ml/min、プラズマ放電電極に対する基板搬送速度が0.5〜1020mm/sec、基板温度が70〜90℃とされる。
なお、処理ガスとしては、テトラフルオロメタン(四フッ化炭素)に限らず、他のフルオロカーボン系のガスを用いることもできる。
このような撥液化処理を行うことにより、バンク23にはこれを構成する樹脂中にフッ素基が導入され、基板Sに対して高い撥液性が付与される。
なお、上述した親液化処理としてのOプラズマ処理は、バンク23の形成前に行っても良いが、アクリル樹脂やポリイミド樹脂などは、Oプラズマによる前処理がなされた方がよりフッ素化(撥液化)されやすいという性質があるため、バンク23を形成した後にOプラズマ処理することが好ましい。
ここで、バンク23に対する撥液化処理により、先に親液化処理した基板S表面に対し多少は影響があるが、特に基板Sがガラスなどからなる場合には、撥液化処理によるフッ素基の導入が起こらないため、基板Sの親液性、すなわちヌレ性が実質上損なわれることはない。
また、バンク23については、撥液性を有する材料(例えばフッ素基を有する樹脂材料)によって形成することにより、その撥液処理を省略するようにしても良い。
(第1液滴吐出工程(塗布工程))
次に、上述した液滴吐出装置IJを用いて、配線形成用インクX1をバンク間24に露出した基板S上に吐出して配置させる。ここでは、図4(a)に示すように、液滴吐出ヘッド1から配線形成用インクX1を液滴にして吐出し、その液滴をバンク間24に露出した基板S上に配置する。ここで、導電性微粒子として有機マンガン(マンガン錯化合物)を用いた配線形成用インクX1を吐出している。
このとき、バンク間24で露出した基板Sはバンク23に囲まれているので、配線形成用インクX1がバンク間24の形成位置以外に広がることを阻止できる。また、バンク23の表面に撥液性が付与されているため、吐出された配線形成用インクX1の一部がバンク23上に吐出されてもバンク23からはじかれ、バンク間24に流れ落ちるようになる。さらに、バンク間24で露出した基板Sには親液性を付与しているため、バンク間24に吐出された配線形成用インクX1が基板S上において広がりやすくなる。これにより、図4(b)に示すように、配線形成用インクX1をバンク間24の延在方向に沿って均一に配置することができる。
ここで、液滴吐出の条件は、例えば、インク重量が4ng/dot、インク速度(吐出速度)が5〜7m/secとなっており、液滴を吐出する雰囲気が温度60℃以下、湿度80%以下となっている。これにより、液滴吐出ヘッド1の吐出ノズルが目詰まりすることなく安定した液滴吐出を行うことができる。
(乾燥工程)
続いて、吐出した配線形成用インクX1中の分散媒の一部を除去して配線形成用インクX1の膜厚の均一化を図るため、必要に応じて乾燥処理を施す。ここでは、例えば通常のホットプレートを用いて基板Sを加熱し、配線形成用インクX1中の分散媒を除去する。なお、乾燥処理は、ホットプレートに限らず、電気炉やランプアニールによって行うこともできる。ここで、ランプアニールに使用する光の光源としては、特に限定されないが、赤外線ランプ、キセノンランプ、YAGレーザ、アルゴンレーザ、炭酸ガスレーザ、XeF、XeCl、XeBr、KrF、KrCl、ArF、ArClなどのエキシマレーザなどを光源として使用することができる。一般に、これらの光源は、出力10W以上5000W以下の範囲のものが用いられるが、本実施形態では100W以上1000W以下の範囲で十分である。
(第1焼成工程)
さらに、乾燥処理を施した配線形成用インクX1に対して、焼成処理を施してマンガン層25を形成する(図4(c))。ここでは、配線形成用インクX1を180℃以上220℃以下の温度、より好ましくは200℃の温度で30分以上加熱する。これにより、分散媒が除去され、未硬化状態(半硬化状態)の配線形成用インクX1であるマンガン層25が0.01〜0.5μm程度の厚さで成膜される。
なお、配線形成用インクX1の分散媒を除去しなくとも配線形成用インクX1と他の種類の配線形成用インクと混じり合わない場合には、中間乾燥工程を省略しても良い。
(第2液滴吐出工程)
続いて、マンガン層25上に銀層(導電層)26を形成する(図5(c)参照)。ここでは、上述した配線形成用インクX1と同様に、上述した液滴吐出装置IJを用いて、配線形成用インクX2を配置させる。ここで、導電性微粒子として銀からなる金属微粒子を用いた配線形成用インクX2を配置している。また、金属微粒子の表面は、アミノ化合物などで構成された分散安定剤で被覆されている。
(第2焼成工程)
次に、配線形成用インクX2に対して、焼成処理を施して銀層26を形成する(図5(c))。ここでは、上述した雰囲気焼成炉15を用いて大気雰囲気下で220℃、30〜90分(好ましくは60分)加熱することで、配線形成用インクX2中の分散媒及び分散安定剤を除去すると共に、金属微粒子を焼成する。
金属微粒子を焼成すると、金属微粒子を被覆している分散安定剤が金属微粒子から離脱し、金属微粒子同士が凝集して粒成長が始まる。そして、離脱した分散安定剤は、分散媒に溶解して分散媒と共に加熱されることで蒸発する。その後、粒成長した金属微粒子により、マンガン層25上に銀層26が形成される。
このとき、雰囲気焼成炉15で内部に収容された基板Sを加熱する、すなわち配線形成用インクX2が配置された領域を含む基板Sに対して赤外線を照射することで、配線形成用インクX2のうち分散媒などが蒸発する。ここで、配線形成用インクX2が配置された領域において温度分布にムラが発生していると、配線形成用インクX2が流動性を有していることから、温度の高い領域から温度の低い領域に向けて配線形成用インクX2が流動する。そのため、分散媒などを蒸発させて金属微粒子を粒成長させることで形成される銀層26の層厚の均一性が低下してしまう。
そこで、少なくとも銀で構成された金属微粒子の焼成温度(220℃)に昇温するまでの間、基板Sの上下に基板Sのうち少なくとも配線形成用インクX2が配置された領域を覆うように金属板18を配置することで、この金属板18から配線形成用インクX2が配置された領域を含む基板Sに対して赤外線が均一に照射される。そして、配線形成用インクX2が配置された領域に均一に赤外線が照射されることで、この領域における温度分布のムラが発生することを抑制できる。このため、配線形成用インクX2中の分散媒が均一に加熱されて均一に蒸発する。したがって、銀層26の層厚の平坦性が向上する。
なお、本実施形態において温度分布にムラがないとは、配線形成用インクX2が塗布された領域の各部における温度差がない場合だけでなく、各部の温度差が例えば10%程度の微小である場合も含まれる。そして、少なくとも焼成温度までの昇温時に金属板18が配置されていればよく、焼成温度までの昇温後に金属板18を取り外してもよい。
ここで、基板Sの上下に金属板18を配置することによって、平坦性が向上した銀層26が得られることを確認した。
なお、図5(c)では、基板Sの上下に配置された一対の金属板18のうち上側のみに配置された一方のみを図示している。
また、焼成処理は、基板Sのうち銀層26を形成する領域に対して均一に赤外線を照射する被覆部材を有していれば、雰囲気焼成炉に限らず、ホットプレートや赤外線照射炉(IR炉)など、他の焼成手段を用いてもよい。
さらに、第2焼成工程の後、銀層26の抵抗改善や銀層26の収縮によるクラックやしわなどの発生を防止するため、窒素雰囲気下で300℃、30分間焼成を行う。
以上のようにして、マンガン層25及び銀層26からなる金属配線を形成する。
なお、銀層26上にニッケルからなるニッケル層を、保護層として形成してもよい。これにより、銀層26に対してプラズマ処理によってプラズマが照射されることによる銀層26の劣化を抑制することができる。
〔電気光学装置〕
以上のように説明した金属配線形成方法によって形成された金属配線は、例えば図6から図9に示すような電気光学装置である液晶表示装置の金属配線として用いられる。ここで、図6は液晶表示装置の平面図、図7は図6のA−A矢視断面図、図8は図6の部分拡大断面図、図9は図6の等価回路図である。
液晶表示装置50は、TFTを画素スイッチング素子として用いたTFT方式アクティブマトリックス型の液晶表示装置である。そして、液晶表示装置50は、図6及び図7に示すように、液晶パネル51と、液晶パネル51の外面にそれぞれ配置された偏光板(図示略)とを備えている。
液晶パネル51は、図6及び図7に示すように、TFT基板52と、TFT基板52と対向配置された対向基板53と、TFT基板52及び対向基板53を貼着するシール材54と、TFT基板52及び対向基板53によって形成されたセルギャップ内に封入された液晶層55とを備えている。そして、液晶パネル51は、図6及び図7に示すように、TFT基板52と対向基板53とが重なると共にシール材54の内側に形成された周辺遮光膜56を有しており、この周辺遮光膜56によってシール領域の内側が画像表示領域57となっている。なお、図6では、対向基板53の図示を省略している。
TFT基板52は、図6から図8に示すように、平面視矩形状を有しており、例えばガラスや石英、プラスチックなどの透光性材料によって構成されている。そして、TFT基板52のうち画像表示領域57と重なる領域には、図6から図8に示すように、画素電極61やTFT素子62、複数のデータ線63及び走査線64が形成されている。また、TFT基板52の内側表面には、配向膜65が形成されている。
画素電極61は、例えばITOなどの透光性導電材料によって構成されており、平面状に複数配置された画素領域のそれぞれに設けられている。そして、画素電極61は、図6及び図7に示すように、対向基板53に設けられた後述する対向電極92と液晶層55を介して対向配置されており、対向電極92との間で液晶層55を挟持する。
TFT素子62は、例えばn型トランジスタによって構成されており、データ線63と走査線64との交点にそれぞれ設けられている。また、TFT基板52の上面に非晶質ポリシリコン膜または非晶質ポリシリコン膜を結晶化させたポリシリコン膜を部分的に形成し、これに対して部分的な不純物の導入や活性化を行うことで形成されている。そして、TFT素子62は、ソース電極がデータ線63に接続され、ゲート電極が走査線64に接続され、ドレイン電極が画素電極61に接続されている。また、画素電極61に書き込まれた画像信号のリークを防止するため、画素電極61と容量線66との間に保持容量67が接続されている。
ここで、ボトムゲート型のTFT素子62の部分拡大断面図を図9に示す。TFT基板52上には、図9に示すように、上述した金属配線形成方法によって形成された複数の異なる材料が積層して構成されたゲート配線71が形成されている。このゲート配線71は、マンガン層25と銀層26とを積層して構成されている。なお、ゲート配線71を形成する際、後述するアモルファスシリコン層を形成する工程において約350℃まで加熱するために無機材料で構成されたバンク材を用いている。
また、ゲート配線71上には、SiN(窒化シリコン)で構成されたゲート絶縁層72が形成されており、ゲート絶縁層72を介してアモルファスシリコン(a−Si)で構成された半導体層73が積層されている。
半導体層73上には、オーミック接合を得るために、例えばn型α−Si層からなる接合層74、75が積層されている。そして、チャネル領域の中央部における半導体層73上には、チャネルを保護するためのSiNで構成された絶縁性のエッチストップ層76が形成されている。
なお、これらゲート絶縁層72、半導体層73及びエッチストップ層76は、例えばCVD法(Chemical Vapor Deposition:化学蒸着法)後でレジスト塗布、露光現像、フォトエッチングの各処理が施されることによってパターニングされている。
さらに、接合層74、75及び画素電極61も、同様に成膜すると共にフォトエッチング処理を施すことによってパターニングされている。
そして、画素電極61、ゲート絶縁層72及びエッチストップ層76上にそれぞれバンク77を形成し、これらバンク77間に上述した液滴吐出装置IJを用いてソース配線、ドレイン配線を形成することができる。なお、これらソース配線及びドレイン配線も、本実施形態における金属配線形成方法を用いて形成することが可能である。
データ線63は、図9に示すように、上述したゲート配線71と導通するように形成された配線であって、図9に示すY方向に延在するように形成されている。また、走査線64は、上述したソース配線と導通するように形成された配線であって、データ線63と同様に、図9に示すX方向に延在するように形成されている。そして、これらデータ線63及び走査線64によって、画素が区画される。
また、TFT基板52には、図6に示すように、一辺端部(図1に示す下辺)において対向基板53より外側に張り出す張出領域が形成されている。
また、TFT基板52上には、上記一辺に沿ってデータ線駆動回路81が設けられており、上記一辺と隣接する二辺に沿って走査線駆動回路82、83が設けられている。そして、TFT基板52の上記張出領域には、データ線駆動回路81及び走査線駆動回路82、83の端子群である端子部84が設けられている。これらデータ線駆動回路81、走査線駆動回路82、83及び端子部84は、配線85により適宜接続されている。
データ線駆動回路81は、供給された信号に基づき、複数のデータ線63に、図9に示すような画像信号S1、S2、…を供給する構成となっている。ここで、データ線駆動回路81によりデータ線63に書き込まれる画像信号は、線順次に供給しても、互いに隣接する複数のデータ線63同士に対してグループごとに供給してもよい。
また、走査線駆動回路82、83は、供給された信号に基づき、複数の走査線64に、図9に示すような走査信号G1、G2、…を所定のタイミングでパルス的に供給する構成となっている。ここで、走査線駆動回路82、83により走査線64に送られる走査信号は、線順次に供給される。
対向基板53は、図3に示すように、TFT基板52と同様に平面視矩形状を有しており、例えばガラスや石英、プラスチックなどの透光性材料によって構成されている。そして、対向基板53のうち液晶層55側の表面には、遮光膜91と対向電極92とが形成されている。また、対向基板53の表面には、配向膜(図示略)が形成されている。
対向電極92は、画素電極61と同様にITOなどの透光性導電材料で構成されている。
TFT基板52に形成された配向膜は、画素電極61の表面に設けられており、例えばポリイミド膜などの透光性の有機材料で構成された膜にラビング処理などの所定の配向処理を施すことで形成されている。
また、対向基板53に形成された配向膜は、TFT基板52に形成された配向膜と同様に、例えばポリイミド膜などの透光性の有機膜にラビング処理などの所定の配向処理を施すことで形成されている。ここで、この配向膜のラビング方向は、TFT基板52に形成された配向膜のラビング方向とほぼ同方向となっている。そして、対向基板53の角部には、TFT基板52と対向基板53との間の電気的な導通を確保するための基板間導通材93が設けられている。
液晶層55は、図6及び図7に示すように、TFT基板52と対向基板53との双方にそれぞれ形成された配向膜の間で所定の配向状態となっている。この液晶層55の液晶モードとしては、TN(Twisted Nematic)モードのほか、VAN(Vertical Aligned Nematic)モード、STN(Super Twisted Nematic)モード、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モード、OCB(Optical Compensated Bend)モードなどを採用することができる。
以上より、本実施形態における金属配線形成方法及び雰囲気焼成炉15によれば、基板Sの上下に基板Sのうち少なくとも配線形成用インクX2が配置された領域を覆うように金属板18を配置することで、この金属板18から配線形成用インクX2が配置された領域を含む基板Sに対して赤外線が均一に照射される。このように、配線形成用インクX2が配置された領域に均一に赤外線が照射されることで、配線形成用インクX2中の分散媒が均一に加熱されて均一に蒸発する。したがって、銀層26の層厚の平坦性が向上する。
ここで、銀層26を構成する配線形成用インクX2にAgからなる金属微粒子を用いることで、マンガン層25との良好なアンカー効果を得ることができる。そして、マンガン層25が酸化マンガンで構成されることで、基板S及び銀層26に対してそれぞれ良好な密着性を得ることができる。
また、液滴吐出装置IJを用いた液滴吐出法によってマンガン層25及び銀層26をそれぞれ構成する配線形成用インクX1、X2を塗布しており、各配線形成用インクX1、X2をそれぞれ選択的に塗布することができるので、材料の無駄を抑制すると共に低コスト化が図れる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では開口を有するバンク内に配線形成用インクを吐出することで金属配線を形成しているが、以下のような金属配線形成方法であってもよい。
この金属配線形成方法は、表面処理工程、第1液滴吐出工程、乾燥工程、第1焼成工程、第2液滴吐出工程(塗布工程)及び第2焼成工程から構成されている。
まず、基板Sの表面に親液部H1と撥液部H2とを形成する(図10(b)参照)。ここでは、金属配線を形成する基板Sの表面を、配線形成用インクX1、X2に対して撥液性を示すように撥液化処理を行う。すなわち、配線形成用インクX1、X2に対する所定の接触角と、後述する親液部H1における接触角との差が好ましくは50°以上となるように基板Sの表面に対して表面処理を施す。
基板Sの表面を撥液化する方法としては、例えば基板Sの表面に自己組織化膜を形成する方法やプラズマ処理を施す方法などがある。
自己組織化膜を形成する方法では、金属配線を形成する領域に、有機分子膜などで構成される自己組織化膜を形成する。
ここで、自己組織化膜に用いる有機分子膜は、基板Sに結合可能な官能基と、その反対側に親液基あるいは撥液基といった基板の表面性を改質する(表面エネルギーを制御する)官能基と、これらの官能基を結ぶ炭素の直鎖あるいは一部分岐した炭素鎖とを備えている。また、この有機分子膜は、基板Sに結合して自己組織化して分子膜、例えば単分子膜を形成する。
ここで、自己組織化膜とは、基板の構成原子と反応可能な結合性官能基とそれ以外の直鎖分子とからなり、直鎖分子の相互作用により極めて高い配向性を有する化合物を、配向させて形成された膜のことを示している。この自己組織化膜は、単分子を配向させて形成されているので、極めて膜厚を薄くすることができる上、分子レベルで均一な膜となる。したがって、膜の表面に同じ分子が位置するため、膜の表面に均一でしかも優れた撥液性や親液性を付与することができる。
このような高い配向性を有する化合物としては、例えばフルオロアルキルシランが挙げられる。このフルオロアルキルシランを用いることにより、膜の表面にフルオロアルキル基が位置するように各化合物が配向されて自己組織化膜が形成され、膜の表面に均一な撥液性が付与される。
自己組織化膜を形成する化合物としては、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロデシルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロデシルトリクロロシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロオクチルトリメトキシシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロオクチルトリクロロシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシランなどのフルオロアルキルシラン(以下「FAS」という)が挙げられる。これらの化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。なお、FASを用いることにより、基板Sとの密着性と良好な撥液性とを得ることができる。
FASは、一般的に構造式RnSiX(4−n)で表される。ここでnは1以上3以下の整数を表し、Xはメトキシ基、エトキシ基、ハロゲン原子などの加水分解基である。またRはフルオロアルキル基であり、(CF)(CF(CHの(ここでxは0以上10以下の整数を、yは0以上4以下の整数を表す)構造を持ち、複数個のRまたはXがSiに結合している場合には、RまたはXがそれぞれすべて同じでもよく、異なっていてもよい。Xで表される加水分解基は加水分解によりシラノールを形成して、基板S(ガラス、シリコン)の下地のヒドロキシル基と反応してシロキサン結合で基板Sと結合する。一方、Rは表面に(CF)などのフルオロ基を有するため、基板Sの下地表面をヌレ性のない(表面エネルギーが低い)表面に改質する。
有機分子膜などからなる自己組織化膜は、上記の原料化合物と基板Sとを同一の密閉容器中に入れておき、室温で2〜3日程度の間放置することにより基板S上に形成される。
また、密閉容器全体を100℃に保持することにより、3時間程度で基板S上に形成される。これらは気相からの形成法であるが、液相からも自己組織化膜を形成できる。例えば、原料化合物を含む溶液中に基板Sを浸積し、洗浄、乾燥することで基板S上に自己組織化膜が形成される。
なお、自己組織化膜を形成する前に、基板Sの表面に紫外光を照射したり、溶媒により洗浄したりして、基板Sの表面の前処理を施すことが望ましい。
一方、プラズマ処理法では、常圧または真空中で基板Sに対してプラズマ照射を行う。プラズマ処理に用いるガス種は、金属配線を形成すべき基板Sの表面材質などを考慮して選択できる。処理ガスとしては、例えば4フッ化メタンやパーフルオロヘキサン、パーフルオロデカンなどが挙げられる。
なお、基板Sの表面を撥液性に加工する処理は、所望の撥液性を有するフィルム、例えば4フッ化エチレン加工されたポリイミドフィルムなどを基板Sの表面に貼着することによっても行ってもよい。また、撥液性の高いポリイミドフィルムをそのまま基板Sとして用いてもよい。
このように、自己組織膜形成法やプラズマ処理法を実施することにより、図10(a)に示されるように、基板Sの表面に撥液性膜101が形成される。
次に、配線形成用インクを塗布して金属配線を形成すべき領域の撥液性を緩和して親液性を付与する親液化処理を施すことにより、図10(b)に示すように、親液部H1を形成する。
ここでは、波長170〜400nmの紫外光を照射する方法が挙げられる。このとき、金属配線の形状に応じたマスクを用いて紫外光を照射することで、いったん形成した撥液性膜101のうち金属配線を形成する領域のみを部分的に変質させて撥液性を緩和して親液化することができる。これにより、基板Sには、金属配線が形成される領域に親液性が付与された親液部H1が形成され、親液部H1を囲むように撥液性膜101によって撥液部H2が形成される。
なお、撥液性の緩和の程度は紫外光の照射時間で調整できるが、紫外光の強度や波長、熱処理(加熱)との組み合わせなどによって調整することもできる。
親液化処理の他の方法としては、酸素を反応ガスとするプラズマ処理が挙げられる。ここでは、基板Sに対しプラズマ放電電極からプラズマ状態の酸素を照射することで行う。このとき、Oプラズマ処理の条件としては、例えばプラズマパワーが50〜1000W、酸素ガス流量が50〜100ml/min、プラズマ放電電極に対する基板Sの板搬送速度が0.5〜10mm/sec、基板温度が70〜90℃とされる。
また、例えば基板Sの搬送速度を遅くしてプラズマ処理時間を長くするなど、プラズマ処理条件を調整することにより、導電性微粒子を含有した配線形成用インクX1、X2に対する親液部H1の接触角を好ましくは10°以下に設定する。さらに、別の親液化処理としては、基板をオゾン雰囲気に曝す処理も採用できる。
次に、上述した実施形態と同様に、液滴吐出装置IJを用いて、配線形成用インクX1を親液部H1上に吐出して配置させる。ここでは、図10(c)に示すように、液滴吐出ヘッド1から配線形成用インクX1を液滴にして吐出し、その液滴を親液部H1上に配置させる。このとき、撥液部H2に撥液性を付与することで、吐出された配線形成用インクX1の一部が撥液部H2に乗っても撥液部H2からはじかれ、図11(a)に示すように、撥液部H2の間に形成されている親液部H1上に溜まるようになる。さらに、親液部H1に親液性を付与することで、吐出された配線形成用インクX1が親液部H1にてより拡がり易くなり、これによって配線形成用インクX1が、分断されることなく所定位置内でより均一に親液部H1を埋め込むようにすることができる。
この後、上述した実施形態と同様に、乾燥工程及び第1焼成工程を行うことにより、図11(b)に示すように、親液部H1上にマンガン層25を形成する。
さらに、上述した実施形態と同様に、第2液滴吐出工程(図11(c)参照)及び第2焼成工程を行うことにより、図11(d)に示すように、マンガン層25上に銀層26を形成する。
また、導電層をAgからなる金属微粒子を用いて形成しているが、Agに限らず、Au、Cu、Ni、ITO、Pd、BiまたはMnのいずれかあるいはこれらにAgを加えた中から複数を選択した混合物からなる金属微粒子を用いてもよい。
また、下地層がMnの酸化物によって形成されているが、Mnの酸化物に限らず、Ti、Cu、Ni、InまたはCrのいずれかの酸化物によって形成してもよい。
さらに、インクジェット装置を用いた液滴吐出法によってマンガン層(下地層)及び銀層(導電層)を構成する各配線形成用インクを塗布しているが、液滴吐出法に限らず、スピンコート法など、他の湿式法を用いて塗布してもよい。ここで、少なくとも銀層(導電層)を構成する配線形成用インクが液滴吐出法などの湿式法を用いて塗布されていればよく、マンガン層(下地層)が湿式法以外の他の方法によって形成されてもよい。
また、TFT素子を液晶表示装置の駆動のためのスイッチング素子として用いているが、液晶表示装置以外にも、例えば有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置に用いてもよい。この有機EL表示装置は、蛍光性の向きまたは有機化合物を含む薄膜を陰極と陽極とで挟持した構成となっており、この薄膜に電子及び正孔(ホール)を注入して励起させることで励起子(エキシトロン)を生成させ、このエキシトロンが再結合する際の光の放出(蛍光、燐光)を利用して発光させるものである。そして、上述したTFT素子を有する基板上に、有機EL表示装置に用いられる蛍光性材料のうち、赤、緑及び青色の各発光色を有する材料すなわち発光層形成材料及び正孔注入/電子輸送層を形成する材料をインクとし、各々をパターニングすることで、自発光フルカラーELデバイスを製造することができる。
本発明の金属配線形成方法に用いる液滴吐出装置を示す概略構成図である。 本発明の一実施形態における雰囲気焼成炉を示す模式図である。 本発明の一実施形態における金属配線形成方法を示す工程図である。 同じく、金属配線形成方法を示す工程図である。 同じく、金属配線形成方法を示す工程図である。 液晶表示装置を示す平面図である。 図6のA−A矢視断面図である。 図6の部分拡大断面図である。 図6の等価回路図である。 本発明を適用可能な他の金属配線形成方法を示す工程図である。 同じく、他の金属配線形成方法を示す工程図である。 従来のアクティブマトリクス基板を示す概略斜視図である。
符号の説明
15 雰囲気焼成炉(焼成炉)、18 金属板(被覆部材)、25 マンガン層(下地層)、26 銀層(導電層)、S 基板、X2 配線形成用インク(機能液)

Claims (5)

  1. 基板上に形成された下地層上に、金属微粒子を分散させた機能液を塗布する塗布工程と、
    前記機能液を加熱して前記金属微粒子を粒成長させ、導電層を形成する焼成工程とを有する金属配線形成方法であって、
    前記焼成工程で、前記基板のうち少なくとも前記機能液が塗布された領域に対して赤外線を均一に照射する一対の被覆部材を前記基板の上下に間隔をあけて配置した状態で、前記基板を焼成温度まで昇温することを特徴とする金属配線形成方法。
  2. 前記金属微粒子が、Au、Ag、Cu、Ni、ITO、Pd、BiまたはMnのいずれかあるいはこれらの混合物であることを特徴とする請求項1に記載の金属配線形成方法。
  3. 前記下地層が、Mn、Ti、Cu、Ni、InまたはCrのいずれかの酸化物によって構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の金属配線形成方法。
  4. 液滴吐出法を用いて前記機能液を塗布することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の金属配線形成方法。
  5. 表面に金属微粒子を分散させた機能液が塗布された基板を加熱する焼成炉であって、
    前記基板の上下に間隔をあけて配置され、基板のうち少なくとも前記機能液が塗布された領域に赤外線を均一に照射する一対の被覆部材を備えることを特徴とする焼成炉。
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