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JP2008009195A - 液晶表示素子および投射型液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示素子および投射型液晶表示装置 Download PDF

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JP2008009195A JP2006180483A JP2006180483A JP2008009195A JP 2008009195 A JP2008009195 A JP 2008009195A JP 2006180483 A JP2006180483 A JP 2006180483A JP 2006180483 A JP2006180483 A JP 2006180483A JP 2008009195 A JP2008009195 A JP 2008009195A
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Akiko Toriyama
亜希子 鳥山
Hisashi Kadota
久志 門田
Makoto Hashimoto
誠 橋本
Hideaki Ishii
秀哲 石井
Kazuhiro Mitsuyoshi
一洋 光吉
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Sony Corp
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Abstract

【課題】画素内に発生するリバースチルトドメインと隣接する画素電極に対応する画素内に形成するリバースチルトとの相互作用を低減でき、横電解による画質不良を改善でき、より高品位な画質を得ることができる液晶表示素子および投射型液晶表示装置を提供する。
【解決手段】互いに対向する二つの基板と、二つの基板間に配置された液晶層と、マトリクス状の画素を形成すべく各基板の対向する面に配置される複数の画素電極A1,A2,A3,A4と、液晶層の液晶を所定方向に配向させるために前記二枚の基板上に形成された配向膜と、二つの基板間において、隣接して配置された前記画素電極間に形成されたスペーサSPと、を有し、複数の画素電極A1,A2,A3,A4の少なくとも一つは、スペーサSPに面する端部が多角形の一辺をなすように切り欠いた形状を有する。
【選択図】図12

Description

本発明は、液晶表示素子およびこの液晶表示素子を用いた投射型液晶表示装置に関するものである。
液晶プロジェクタ等の投射型表示装置では、光源から出射される光を赤、緑、青に分離し、各色光を液晶表示素子(以下、LCDという)により構成される3つのライトバルブにより変調し、変調された後の色光束を再び合成して、投射面に拡大投射している。
液晶プロジェクタ等に搭載されるライトバルブとしては、一般に薄膜トランジスタ(以下TFTという)駆動によるアクティブマトリクス駆動方式のLCDが用いられる。
アクティブマトリクス駆動方式のLCDのほとんどには、ネマティック液晶が用いられており、主な表示方式としては、旋光モードのLCDがある。
旋光モードのLCDで用いられるネマティック液晶は、90度捩れた分子配列を持つツイステッドネマティック(TN型)液晶であり、原理的に白黒表示で、高いコントラスト比と良好な階調表示性を示す。
アクティブマトリクス駆動方式のLCDの表示を均一に行うためには、基板表面全面に液晶分分子を均一に配向させることと、基板間隙の制御が重要である。
配向膜が形成され2枚の電極が形成された基板は、各基板の配向膜が対向して配置されており、実際に画像が表示される画素表示領域の周囲に位置するシール領域において、シール材により貼り合わされる。
基板間隙を制御するためのスペーサとしては、近年プラスチックビーズの代わりに基板上に直接パターニングにより形成される柱状スペーサが用いられる。
これらの工程を経ることで、空セルが製造される。その後、この空セル内に液晶が封入されて、液晶セルが製造される。
なお、前述した液晶は、数種類の単体液晶材料からなり、液晶組成物ともよばれる。製造された液晶セルに偏光板が取り付けられて液晶表示素子が製造される。
ところで、マトリクス状に配置された画素電極に電圧を印加する場合、表示品質の向上のために、図1に示すようなライン駆動方式またはフィールド反転駆動方式を用いる。
一般的に、各ラインごとに印加電圧を反転するライン反転駆動がよく使われていた。ライン反転駆動では、フリッカが視認されにくい、カップリング起因の縦クロストークが出ないなどメリットも多い一方で、隣接する画素間で印加電圧を反転させるため、図2に示すように、いわゆるリバースチルトドメインの発生が各画素に発生するといった問題があった。
リバースチルトドメインとは、もともと規定されたプレチルトの方向が逆になってしまう現象である(たとえば、特許文献1参照)。リバースチルトドメインは、正常領域との境界にディスクリネーションラインが発生すため、光りぬけとなり、コントラストを大きく低下させてしまう。
これらの問題を解決するために、発生位置に遮光部を設けて隠すといった対策が施されてきたが、開口率が低下してしまう。また、液晶設計においては、プレチルトを高くすることが一般的に有効であるとされているが、生産バラツキが大きくなるため歩留まりが低下するという問題が発生してしまう。
そこで、隣接する画素において、極性反転の無い駆動が有効であるとされ、近年、1フィールドごとに印加電圧を反転するフィールド反転駆動が提案されている。
本駆動法は、原理上、横電界が発生しないため、解決策のひとつになると考えられてきた。
特許第2934875号公報 特開2003−337553号公報 特開平4−361232号公報 特開2004−177848号公報
フィールド反転駆動においては、全画面同一電圧であるラスタ画面においては、横電界は発生しないため、リバースチルトドメインなどの配向乱れは全く発生しない。
しかしながら、隣り合う画素が白と黒といった輝度差の大きい表示を行った場合には、これら隣り合う画素の画素電極において、横電界による配向乱れの影響を避けることは非常に困難であった。たとえば、図3に示すように、電界差のある画素間では、リバースチルトドメインが存在することが計算結果からわかっている。
図4に示すように1ラインごとに白黒表示をさせるラインパターンの場合ではその影響を大きく受ける。ノーマリーホワイトモードにおいて、白ラインに電界を印加させていくと、局所的に配向が不均一な箇所が発生する。本現象は、画素電極間にスペーサがあるときは更に顕著に観察される。
本課題の発生現象をシミュレーションにおいて考察する。図5は、フィード反転駆動におけるTNモード(Twisted Nematic)液晶パネルを想定したシミュレーション結果である。
シミュレーションは、シンテック株式会社製、LCD MASTER 中の2D BENCHを用いて、画素を並列して配置し、液晶物性値(ne、no、弾性定数K11,K22,K33、回転粘性係数、誘電率)、プレチルト角、ツイスト角、アンカリングおよび偏光子角度、検光子角度を設定し、交流駆動させている。計算では、液晶分子配向シミュレーションおよびギブス(Gibbs)のエネルギー測定を行っている。なお、Gibbsのエネルギーは以下の式で表される。
[数1]
F_Total = F_ele + F_ela
F_ele = -1/2・ε0・εa・(E・n)2
F_ela = 1/2 K11(▽・n)2 + 1/2 K22{n・(▽×n)+q0}2 + 1/2 K33{n×(▽×n)2
ここで、F_eleは電気エネルギーを、F_elaは弾性エネルギーをそれぞれ示している。
図5の(1)は、白黒ラインでの液晶パネル条件を想定している。ここで、黒電圧は12.5V、白電圧は7.5V、対向側は7.5Vとしている。この場合、液晶分子配向においては、一部リバースチルトが発生している領域が見られる。
図5の(2)は、白ラインに電圧を印加していき、白電圧が10Vとしたときの結果を示している。この場合、液晶分子配向においては、リバースチルトは発生しているものの、大きな変化は見られない。しかし、Gibbsのエネルギー分布において局所的にエネルギーが非常に高い部分が見受けられた。
図5の(3)は、全て黒となった状態黒電圧が12.5Vとしたきの結果を示している。この場合、液晶分子配列及びGibbsのエネルギーも一様であった。
図5の(2)および図6のエネルギー測定結果について解説する。
Gibbsのエネルギーのうち、弾性エネルギーの項はその値が高いと不連続な配向状態を示し、電気エネルギーの項は、大きいと電界制御されていない状態といえる。
ゆえに、Gibbsのエネルギーはその値が高いほど、液晶分子の電界制御が弱くストレスのある配向状態といえる。
測定点Aは、液晶分子シミュレーションからもリバースチルトが発生している場所であり、一様な配向状態を示していない。ゆえに弾性エネルギーは高くなる。また、隣接画素の横電界の影響も受けているため、電気エネルギーも高くなる。ゆえに、Gibbsのエネルギーは高くなる。
測定点Bは、液晶配向状態は一様であり弾性エネルギーは低くなる。しかし、隣接画素の横電界の影響を受けるため、電気エネルギーは測定点Aと同様に高くなる。Gibbsのエネルギーは弾性エネルギーが低い分測定点Aよりは安定といえる。
また測定点Cは、画素中央、液晶層中央部分であり、液晶配向状態も電界も一様であり、弾性エネルギーも電気エネルギーも低く、エネルギー的に非常に安定な状態といえる。
これらの結果から、本課題は、電位の異なる隣接する画素電極間の横電界の影響により、液晶分子はリバースチルト状態で配列されることによるGibbsのエネルギーの不安定化によるものと推測される。
また、画素間に、スペーサが配置された場合は特に配向乱れが顕著である。スペーサ周辺部は配向制御が困難だからである。
そこて、隣接する画素電極間の横電界の影響の課題を解決するため、画素電極の形状について、様々な提案がなされてきた(たとえば特許文献2,3,4)。
しかしながら、たとえば、特許文献2や3においては、横電界による影響や高開口率効果をうたいながらも、セルギャップ制御については全く議論されていない。
すなわち、前述したように高開口化による横電界の防止には、狭ギャップ化が非常に効果的であり、その狭ギャップ化を実現するには、セルギャップ制御は必要であると考えられる、上記各特許部文献2,3においては全く議論されていない。
一方で、特許文献4においては、スペーサ周囲の配向制御性が悪いといった理由から、スペーサ周囲の電極を回避することにより、実質的な画素領域として形成しないような設計をとっている。スペーサ周囲の配向が乱れてしまうのはこれまで述べたとおりである。
しかしながら、高精細、狭ピッチデバイスにおいては、特に画素電極とスペーサの位置関係が非常に重要であり、単純にスペーサ周囲の電極を回避するだけでは(特に特許文献4の実施例に書かれているような単純な画素電極設計で)、高特性のデバイスを得ることは容易ではない。
本発明は、画素内に発生するリバースチルトドメインと隣接する画素電極に対応する画素内に形成するリバースチルトとの相互作用を低減でき、横電界による画質不良を改善でき、より高品位な画質を得ることができる液晶表示素子および投射型液晶表示装置を提供することにある。
本発明の第1の観点の液晶表示素子は、互いに対向する二つの基板と、前記二つの基板間に配置された液晶層と、マトリクス状の画素を形成すべく各基板の対向する面に配置される複数の画素電極と、前記液晶層の液晶を所定方向に配向させるために前記二枚の基板上に形成された配向膜と、前記二つの基板間において、隣接して配置された前記画素電極間に形成されたスペーサと、を有し、前記複数の画素電極の少なくとも一つは、前記スペーサに面する端部が多角形の一辺をなすように切り欠いた形状を有する。
好適には、前記液晶表示素子は、フレーム毎に各画素電極に印加する電圧を同一極性で反転させるフレーム反転駆動を行うアクティブマトリクス型液晶表示素子である。
好適には、前記画素電極は、局所的にリバースチルトドメインの発現が少なくなり、トータルとして画素電極間を広がり、Gibbsのエネルギーが低減できる範囲で切り欠かれている。
好適には、前記画素電極間隔は、Gibbsのエネルギーの第1の領域をS1、Gibbsのエネルギーの第2の領域をS2とし、S1/S2を指標とした場合に、第1の領域S1の占める割合が小さく安定する指標値に基づいて選定されている。
好適には、前記スペーサは、2次元的に隣接する4つの画素電極の端部で囲まれた領域の所定の位置に配置されている。
好適には、前記スペーサは、前記4つの画素電極の端部から等距離にある前記領域の中央部に配置されている。
好適には、前記スペーサは前記隣接する4つの画素電極A1,A2,A3,A4の間に配置され、前記4つの画素電極は、配向方向に対し前段側をA1、A2、自段側をA3、A4と定義した場合に、スペーサ端部から画素電極A1,A2,A3,A4までの最短距離a1,a2,a3,a4は、a1=a2=a3=a4の関係を満足する。
好適には、前記隣接する4つの画素電極A1,A2,A3,A4は、配向方向に対し前段側をA1、A2、自段側をA3、A4と定義した場合に、前記スペーサは、前記前段側の画素電極よりに配置されている。
好適には、前記スペーサ端部から画素電極A1,A2,A3,A4までの最短距離a1,a2,a3,a4は、
a1≦a2<a3≦a4もしくは、a3≧a4>a1≧a2の関係を満足する。
好適には、前記2次元的に隣接する4つの画素電極の少なくとも一つの画素電極の切り欠き辺部に、前記スペーサ側に延びるように制御片が形成されている。
好適には、前記前段側の2つの画素電極A1,A2の少なくとも一方の画素電極の切り欠き辺部に、前記スペーサの配置位置側に延びるように制御片が形成されている。
好適には、前記スペーサは、前記前段側の2つの画素電極A1,A2の少なくとも一方の画素電極の切り欠き辺部よりに配置され、斜め配向方向に直交する側の前記前段側の他方の画素電極と自段側の一方の画素電極の少なくとも一方の画素電極の切り欠き辺部に、前記スペーサ側に延びるように制御片が形成されている。
好適には、前記前段側の画素電極の切り欠き面積<前記自段側の画素電極の切り欠きの関係を満足する。
本発明の第2の観点の投射型液晶表示装置は、光源と、少なくとも一つの液晶表示素子と、上記光源から出射された光を上記液晶表示素子に導く集光光学系と、上記液晶表示素子で光変調した光を拡大して投射する投射光学系と、を有し、上記液晶表示素子は、互いに対向する二つの基板と、前記二つの基板間に配置された液晶層と、マトリクス状の画素を形成すべく各基板の対向する面に配置される複数の画素電極と、前記液晶層の液晶を所定方向に配向させるために前記二枚の基板上に形成された配向膜と、前記二つの基板間において、隣接して配置された前記画素電極間に形成されたスペーサと、を有し、前記複数の画素電極の少なくとも一つは、前記スペーサに面する端部が多角形の一辺をなすように切り欠いた形状を有し、前記液晶表示素子は、フレーム毎に各画素電極に印加する電圧を同一極性で反転させるフレーム反転駆動を行うアクティブマトリクス型液晶表示素子である。
本発明によれば、画素電極の形状を工夫することにより、画素内に発生するリバースチルトドメインと隣接する画素電極に対応する画素内に形成するリバースチルトドメインとの相互作用を低減できる。その結果フィールド反転駆動にて発生する横電界起因の画質不良を改善することができる。またスペーサ周辺部の配向乱れを制御することでより高品位な画質を得ることができる。
本発明を適用することにより、高画質の液晶表示素子を実現することが可能となる。
また、プロジェクタ等の投射型LCDにおいてはパネル小型化もしくは有効画素領域拡大による高開口率化も可能となり、セルギャップ制御による高生産性、高歩留まり化も実現できる。無機材料などの材料も画質を劣化させることなく適用できるので長寿命化も可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面に関連付けて説明する。
本実施形態においては、アクティブマトリクス型液晶表示素子の特徴的な構成および機能を説明した後、この液晶表示素子が適用される好適な電子機器である投射型液晶表示装置に概略構成および機能について説明する。
図7は、本実施形態に係るアクティブマトリクス型液晶表示素子の概略構成を示す断面図である。
本実施形態に係る液晶表示素子10は、図7に示すように、TFTアレイ基板11と、TFTアレイ基板11に対向配置される透明な対向基板12とを備えている。
TFTアレイ基板11は、たとえば透過型の場合、石英基板、反射型の場合、たとえばシリコン材料に基板により形成される。対向基板12は、たとえばガラス基板や石英基板により形成される。TFTアレイ基板11には、透過型の場合、画素電極13が設けられている。
画素電極13は、たとえばITO膜(インジウム・ティン・オキサイド膜)などの透明導電性薄膜により形成される。反射型の場合、画素電極13としては、たとえば金属材料からなる反射電極を用いる。金属材料としては、可視域で高い反射率を有するアルミニウムを用いるのが一般的である。より詳しくは、銅やシリコンを数wt%添加したアルミニウム金属膜が一般に使用される。その他に、たとえば、白金、銀、金、タングステン、チタンなどを用いることも可能である。対向基板12には、前述した全面ITO膜14が前面に設けられている。
TFTアレイ基板11と対向基板12とには、液晶を所定方向に配向させるための図示しない配向膜が形成されており、配向膜が所定間隙で対向するようにシール材15で貼り合わせた一対の基板間に垂直配向液晶層16が挟持されている(封入されている)。
図8は、本実施形態に係るアクティブマトリクス型液晶表示素子のアレイ基板(液晶パネル部)における配置例を示す図である。
図8に示すように、液晶表示素子10Aは、画素がアレイ状に配列された画素表示領域21、水平転送回路22、垂直転送回路23−1,23−2、プリチャージ回路24、およびレベル変換回路25を含んで形成されている。
画素表示領域21には複数のデータ線26と複数の走査線(ゲート配線)27が格子状に配線され、各データ線26の一端側は水平転送回路22に接続され、他端側はプリチャージ回路24に接続され、各走査線27の端部が垂直転送回路23−1,23−2に接続されている。
液晶表示素子10Aの画素表示領域21を構成するマトリクス状に複数形成された画素PXには、スイッチング制御する画素スイッチング用トランジスタ28、液晶29、および補助容量(蓄積容量)30が設けられている。
画素信号が供給されるデータ線26がトランジスタ28のソースに電気的に接続されており、書き込む画素信号を供給している。また、トランジスタ28のゲートに走査線27が電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線27にパルス的に走査信号を印加するように構成されている。
画素電極13は、トランジスタ28のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるトランジスタ28を一定期間だけそのスイッチをオンさせることにより、データ線26から供給される画素信号を所定のタイミングで画素信号を書き込む。
画素電極13を介して液晶29に書き込まれた所定レベルの画素信号は、対向基板12に形成された対向電極との間で一定期間保持される。液晶29は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能にする。
ノーマリホワイト表示であれば、印加された電圧に応じて入射光がこの液晶部分を通過可能とされ、全体として液晶表示素子から画素信号に応じたコントラストを持つ光が出射する。
ここで、保持された画素信号がリークされるのを防ぐために、画素電極と対向電極との間に形成される液晶容量と並列に補助容量(蓄積容量)30を付加してある。これにより、保持特性はさらに改善され、コントラスト比の高い液晶表示素子が実現できる。
また、このような保持容量(蓄積容量)30を形成するために、抵抗化されたコモン配線31が設けられている。
図9は、本実施形態に係るアクティブマトリクス型液晶表示素子の具体的な構成例を示す断面図である。
この図9に関連付けて本実施形態に係るアクティブマトリクス型液晶表示素子の製造方法を説明する。
まず、石英からなるTFTアレイ基板11上に、第一の遮光膜32として、高融点の金属(本実施例ではWSi)を形成する。
その後、第一層間膜33としてSiO2を積層し、CVD法を用いて、多結晶Si膜(p-Si)34を形成し、エッチングによりパターン形成をする。
その後、ゲート絶縁膜35を形成し、ゲート電極36として、多結晶Si膜(p-Si)を形成し、エッチングによりパターン形成を行う。
その後、第二層間膜37として、SiO2を積層し、ソース、ドレイン電極として第一のコンタクト38を形成する。
第一の配線膜39として金属材料(本実施例ではAl)をスパッタなどの成膜により形成し、エッチングによりパターニングを行う。
その後、第三の層間膜40として、SiO2を積層し、第二のコンタクト41を形成した後に、第2の遮光膜42として、金属膜(本実施例ではTi)を形成する。
第四の層間膜43としてSiO2を積層し、第三のコンタクト44を形成し、透明電極45としてITOを形成する。
次いで、柱状スペーサ46となる透明レジスト層を形成する。
基板上にフォトレジストを所定厚さに塗布した後、フォトマスクを用いて紫外線照射による露光処理を行い、その後、現像し、焼成を行って、柱状スペーサ46を形成する。柱状スペーサ46は、隣接する画素電極の間の所望の位置に配置される。
次いで、作製したTFTアレイ基板11および対向基板12を洗浄する。
次いで、各基板に配向膜を形成する。
次いで、所定の配向になるようにラビングを行い、注入口を除いて形成されるシールパターンを形成し、液晶組成物を注入する。
このようにして形成される本実施形態に係る液晶表示素子10,10Aは、以下に示すように、画素電極の形状を工夫することにより、画素内に発生するリバースチルトドメインと隣接する画素電極に対応する画素内に形成されるリバースチルトドメインとの相互作用を低減している。これにより、液晶表示素子10,10Aは、フィールド反転駆動にて発生する横電界起因の画質不良を改善している。また、液晶表示素子10,10Aは、スペーサ周辺部の配向乱れを制御することにより高品位な画質を実現している。
以下に、本実施形態の液晶表示素子10,10Aの画素電極形状およびスペーサの配置位置について説明する。
設計パラメータとしては、横電界制御が重要であり、画素電極であるITO間隔の縮小やITO形状の最適化、スペーサ周辺部分の配向制御が非常に重要となる。
ゆえに、本実施形態の液晶表示素子10,10Aは、以下に示すような構成を採用している。
基本的には、隣接して配置された画素電極間に形成したスペーサ46を有する液晶表示素子において、画素電極の端部形状は、四角形より多角形の一辺をとなるように切り欠いた形状である。
画素内に発生するリバースチルトドメインと隣接する画素電極に対応する画素内に形成するリバースチルトドメインとの相互作用を低減することが有効である。
具体的には、互いに隣接するリバースチルトドメインの間隔を最短電極間隔よりも広げることにより隣接するリバースチルトドメイン同士を物理的に引き離せばよい。しかしながら、小型化、高精細、高輝度、高開口デバイスを実現させるには、画素電極間は狭くせざるを得ない。
画素電極の端部形状を切り欠くことにより、局所的にリバースチルトドメインの発現が少なくなり、トータルとして画素電極間を広げていることと同等の効果が望める。特に、Gibbsのエネルギーでいえば、その値を小さくしていくように設計すればよい。なお、画素電極間とGibbsのエネルギーの関係については、画素電極間が広くなるほど、Gibbsのエネルギーは低減できる。
ここで、画素電極間とGibbsのエネルギーの関係について説明する。
図10に示すように、GibbsのエネルギーGが0より大きい領域を第1の領域S1(G>0)、GibbsのエネルギーGが0より小さい領域を第2の領域S2(G<0)のエネルギーを次式による指標(Y)とする。
Figure 2008009195
図11(A),(B)は、Gibbsのエネルギーの画素電極(ITO)間隔依存性を示す図である。
図11(A)において、横軸が座標を示し、縦軸がGibbsのエネルギーを示している。図11(B)において、横軸がITO間隔を示し、縦軸が指標(Y)を示している。
図11(A)中に、Xで示す曲線がITO間隔が1.0μmの場合の特性を、Yで示す曲線がITO間隔が1.5μmの場合の特性を、Zで示す曲線がITO間隔が2.0μmの場合の特性を示している。
図11(A)の特性を指標に変換すると図11(B)のような結果が得られる。
この指標(Y)からわかるように、ITO間隔が小さくなると指標が大きくなる。換言すると、第1の領域S1が占める割合が大きくなる。
図11(B)からITO間隔が2.0μmより大きい場合に、第1の領域S1の占める割合が小さく、しかもGibbsのエネルギーを低減できる。
本実施形態においては、第1の領域S1の占める割合が小さく、しかもGibbsのエネルギーを低減できるように、たとえば図12に示すように、2次元状において所定間隔をおき互いに隣接する4つの画素電極A1,A2,A3,A4の対向する端部を切り欠き、スペーサSP(図9のスペーサ46)が4つの画素電極A1,A2,A3,A4の間に位置するように配置されている。
画素電極A1,A2,A3,A4の端部とは、たとえば図13に示すように、2次元的に配置された形状が四角形をなす各画素電極の4隅部分の全部または一部を指し、この4隅部分が約90度をなす頂点部分を三角形あるいはそれ以上の多角形の頂点となり、切り欠き部分がその三角形の底辺部の全部あるいは一部となるように切り欠かれている。
画素電極A1は、4隅C11,C12,C13,C14の各頂点部分が三角形の頂点となり、切り欠き部分がその三角形の底辺部となるように切り欠かれている。
画素電極A2は、4隅C21,C22,C23,C24の各頂点部分が三角形の頂点となり、切り欠き部分がその三角形の底辺部となるように切り欠かれている。
画素電極A3は、4隅C31,C32,C33,C34の各頂点部分が三角形の頂点となり、切り欠き部分がその三角形の底辺部となるように切り欠かれている。
画素電極A4は、4隅C41,C42,C43,C44の各頂点部分が三角形の頂点となり、切り欠き部分がその三角形の底辺部となるように切り欠かれている。
このように4隅が切り欠かれた画素電極A1,A2,A3,A4は八角形に形成され、その切り欠き辺部は、八角形(多角形)の一辺をなすように切り欠いた形状を有する。
図12の例においては、この切り欠きする形状は、たとえば二等辺三角形となるように対称的に切り欠かれている。
したがって、図12の例では、画素電極A1の切り欠き辺部A11と画素電極A4の切り欠き辺部A41は略平行となるように形成されていることになる。同様に、画素電極A2の切り欠き辺部A21と画素電極A3の切り欠き辺部A31は略平行となるように形成されていることになる。
スペーサSPは、たとえば円柱状に形成され隣接する4つの画素電極A1,A2,A3,A4の間の所定の位置に配置されている。
図12の例においては、4つの画素電極A1,A2,A3,A4は、矢印ARWで示す配向方向に対し前段側の画素電極A1、A2、自段側の画素電極A3、A4と定義し、スペーサSP端部(側面部)から画素電極A1,A2,A3,A4の各切り欠き辺部A11,A21,A31,A41までの最短距離aはa1=a2=a3=a4であることを特徴としている。
換言すれば、図12の例においては、スペーサSPは、画素電極A1,A2,A3,A4の各切り欠き辺部A11,A21,A31,A41から略等間隔となると、4つの画素電極A1,A2,A3,A4の間のほぼ中央部に配置されている。
図12においては、スペーサSPは、前段側画素電極A1,A2と自段側画素電極A3,A4の配置間隔Dの中央(センター)部CTR上において、画素電極A1,A2,A3,A4の各切り欠き辺部A11,A21,A31,A41から略等間隔となる位置(中央部)に配置されている。
図12の例のように、画素電極A1,A2,A3,A4の端部形状を切り欠くことにより、局所的にリバースチルトドメインの発現が少なくなり、トータルとして画素電極間を広げていることと同等の効果が望める。したがって、Gibbsのエネルギーを低減できる。
狭ピッチ高精細デバイスの場合、上述したように横電界によるリバースチルトドメインによる配向乱れには非常に厳しい方向にある。対策としては、セルギャップを薄くして、縦電界を強めることが効果的であるが、狭ギャップ化は、制御が困難であるため、スペーSPを配置することが非常に有効である。
また、好適な実施形態として、図14に示すように、スペーサSPを、センター部CTRより前段側に配置する。
この場合、スペーサSPの端部から画素電極A1,A2,A3,A4の各切り欠き辺部A11,A21,A31,A41までの最短距離aはa1≦a2<a3≦a4もしくは、a3≧a4>a1≧a2であることを特徴とている。
配向制御する場合、スペーサSPは大きな段差であり、その配向方向の下流部分は影になってしまい、配向制御がまったくされない領域が発生する。たとえば、配向制御をラビング等で実施する場合のスペーサの配置位置は、ラビングの下流(影)となってしまう部分が画素部にかからないように配置したほうが高品位の表示が実現できる。特に画素電極A3,A4側はラビングの下流部分となってしまうため、図14に示すように、前段側画素電極A1,A2寄りにスペーサSPを配置する。
さらに、好適な実施形態として、図15に示すように、4隅の切りかかれた画素電極において少なくとも2隅が、前段側の画素電極A1,A2の切り欠き面積<自段側の画素電極A3,A4の切り欠きの関係であるように形成されている。
すなさち、前段側の画素電極A1,A2の4隅部分が約90度をなす頂点部分を三角形以上の多角形の頂点となり、切り欠き部分がその三角形の底辺部の一部となるように切り欠かれている。
換言すれば、前段側の画素電極A1,A2の切り欠き辺部A11,A21にスペーサSPの側面側に延びるように、電界による配向制御部としての鍔部(制御片)A12、A22が形成されている。なお、電界による配向制御部としての鍔部(制御片)A12、A22はいずれか一方のみを設ける構成にしても配向制御の機能は得られる。
スペーサSPの周辺部はラビング等の配向手法による液晶分子の制御が困難である。特に前述した配向方向の下流部分(影)は、はるかに顕著な乱れであるが、スペーサSPの周辺部はどの場所においても配向乱れは発生する。
特に、画素電極A1,A2寄りに形成したスペーサSPは、少しの配向乱れでも表示に現れてしまうシビアな場所に配置される、スペーサ領域周辺部を可能な限り電界で制御してやる。その結果、画素電極A1,A2近傍のスペーサ周辺部では、電界による配向制御が可能となる。
さらに、別の実施形態として、図16に示すように、配向方向が画素電極A2側から自段側画素電極A3に向かって斜めに行われる場合(たとえば斜め45配向の場合)には、スペーサSPが前段側画素電極A2よりに配置され、前段側画素電極A1および自段側画素電極A4の切り欠き辺部A11,A14に鍔部(制御片)A12,A42が形成され、あるいは切り欠かずに頂点部を残すような構成が採用される。
この場合、画素電極A2よりに形成したスペーサSPは、少しの配向乱れでも表示に現れてしまうシビアな場所に配置される、スペーサ領域周辺部を可能な限り電界で制御してやる。その結果、画素電極A1,A4近傍のスペーサ周辺部では、電界による配向制御が可能となる。
以上説明したような特徴的な切り欠き形状を持つ複数の画素電極とそれらの間に配置されたスペーサ有する本実施形態に係る液晶表示素子10,10Aは、たとえば透過型の液晶パネルに公的である。
また、特に配向制御にラビングを用いる場合は、スペーサ周辺の配向制御は段差の存在から、非常に困難である。本発明はラビングを用いた配向制御法に非常に効果が大きい。
また、液晶層に用いる液晶材料は室温での屈折率異方性が0.10以上であり、セルギャップが4μm以下であることを特徴としている。
また、液晶表示素子の画素ピッチは20μm以下であり、また、配向膜に無機配向膜を用いることも可能である。
特に、液晶プロジェクタは、狭ピッチ高精細デバイスであり、更に拡大投影するため画質異常が目立ちやすい。上述した横電界によるリバースチルトドメインによる配向乱れには非常に厳しい方向にある。対策としては、狭ギャップ化、すなわちセルギャップを薄くして、TFTアレイ基板と対向基板の上下方向の電界を強め、横方向の電界の影響を防止することも効果的である。狭ギャップ化については、特に遮光部などに選択式のスペーサを作成することがギャップ制御に非常に有効である。なお、最大透過率特性を得るには、前述したセルギャップを薄くするといった対策を施した場合、液晶の屈折率異方性Δnを高くする必要がある。
たとえば、クロスニコル下にTN配向セルを置いた場合(TN配向で電圧OFF時の透過率)は、次のようになる。
[数3]
T=1-[sin2 ((1+u2)1/2 ×π/2)]/ (1+u2)
u=2Δnd/λ
・(1+u2 )1/2 =2nとなれば最大(Max)となる。
・Δnd=(4n2 -1 )1/2 × (λ/2)のとき最大(Max)となる。
したがって、次の関係を得る
[数4]
1stΔnd=√3×(λ/2)
上記式から、緑色光(550nm)における最大透過率設計は、Δnd=0.48μmとなり、たとえば、セルギャップ4μm以下のときは、Δn=0.12以上が必要となる。
また近年では、プロジェクタに有利な光に強く高寿命化を狙える無機系の配向膜も検討されている。無機系の配向膜材料は、通常のポリイミド等の有機材料に比べ、配向規制力が小さいものが多く、電界の力をより受けやすい。ゆえに、本発明の有効性が発揮できる。
以下に、本発明の実施例を示す。
<実施例1>画素電極形状変更およびスペーサの形成
通常のITOパターンを、図17〜図21に示すように、ITO形状をエッチングによりパターニングした。
次いで、柱状スペーサSP(46)となる透明レジスト層を形成した。
基板上にフォトレジストとして、PMER(東京応化工業株式会社製)をスピンコート法により3μmの厚さに塗布した後、フォトマスクを用いて紫外線照射による露光処理を行い、その後、現像し、焼成を行って、直径約1.5μmの柱状スペーサSPを形成した。スペーサSPの配置位置およびITO形状については、図17に示すとおりである。
次いで、作製したTFTアレイ基板11および対向基板12を洗浄する。
次いで、TFTアレイ基板11および対向基板12を洗浄する。
次いで各基板11,12に配向膜を形成した。配向膜はポリイミドからなる有機材料を用いた。膜厚が50nmの厚さになるように、スピンコートにて塗布した。
ホットプレートでプレベークを行い、その後ポストベークを行った。次いで、ラビングを行い、注入口を除いて形成されるシールパターンを形成し、液晶組成物を注入した。液晶組成物は、ギャップ3μmにおいて、緑色光の透過率が理論上最大となるように、室温での屈折率異方性Δnが0.16のものを用いた。
図17は画素電極を四角形のままとして比較例とした。図18は構成例1であり図12の構成に対応している。図19は構成例2であり図14の構成に対応している。図20は構成例3であり図15の構成に対応している。図21は構成例4であり図16の構成に対応している。
各例において、画素間隔Dは最小約1.5μmとした。また、図18〜図21における対向する画素電極A1とA4、A2とA3の切り欠き辺部間の間隔は約3.0μmとし、比較例では約2.0μmとした。
作製した液晶表示素子に対して、画質評価を行った。評価は、フィールド反転駆動において、白黒ラインパターンを出し、白領域に電圧を印加していくことによる画質の変化を見た。
またシミュレータで図5の(2)のAの箇所に対し、Gibbsのエネルギーについても測定した。
その測定結果を表1に示す。
Figure 2008009195
本実施例を適用することで、比較例に比べ、高品質、高画質の液晶パネルを得ることができた。
また、Gibbsのエネルギーも比較例では約10J/m3であったが、本実施例に係る構成1〜4においては約3〜5J/m3と1/3〜1/2以下に激減しており、液晶分子配向上も非常に安定であることがわかった。
特に、構成例3および構成例4はスペーサ由来の輝点が残ることがなく、高品位な画質を得ることができることがわかった。
<実施例2>画素電極形状変更および無機材料
前述した配向膜形成を有機材料の代わりに無機配向膜を用いた。
代表的に蒸着で形成されるシリコン等があげられるが、ゲルマニウムなどのIV属元素の単体または混合物または化合物、蒸着によって成膜が可能なほとんどすべての物質が使用可能であると考えられる。
その他に、印刷やスピンコート、インクジェット法で形成されるシロキ酸骨格を有する材料などもあげられる。
各基板の配向膜形成を行った。それぞれの基板を蒸着装置に導入し、それぞれに配向膜として、SiO2を斜め蒸着して形成した。膜厚は、約50nmの厚さに塗布した。
次いで、注入口を除いて形成されるシールパターンを形成した。液晶層に用いる液晶材料は、Δεが負の垂直型液晶材料で室温での屈折率異方性Δnが0.07以上に設定され、液晶層の厚みであるセルギャップdが4μm以下に設定される。
作製した液晶表示素子に対して、画質評価を行った。評価は、フィールド反転駆動において、白黒ラインパターンを出し、白領域に電圧を印加していくことによる画質の変化を見た。
特にスペーサ周辺部の配向乱れは酷かったが、本発明の実施例である画素電極を採用することにより、高品質、高画質の液晶パネルを得ることができた。
次に、上記の液晶表示素子を用いた電子機器の一例として、投射型表示装置の構成について、図22の概略構成図に関連付けて説明する。
図22に示すように、投射型液晶表示装置(液晶プロジェクタ)300は、光軸Cにそって光源301と透過型の液晶表示素子302と投影光学系303とが順に配設されて構成されている。
光源301を構成するランプ304から射出された光はリフレクタ305によって後方に放射される成分が前方に集光され、コンデンサレンズ306に入射される。コンデンサレンズ306は、光をさらに集中して、入射側偏光板307を介し液晶表示素子302へ導く。
導かれた光は、シャッタもしくはライトバルブの機能を有する液晶表示素子302および射出がエア偏光板308により画像に変換される。表示された画像は、投影光学系303を介してスクリーン310上に拡大投影される。
なお、光源301とコンデンサレンズ306との間にはフィルタ314が挿入されており、光源に含まれる不用な波長の光、たとえば赤外光および紫外光を除去する。
次に、上記の液晶表示素子を用いた電子機器の一例として、投射型表示装置の構成について、図23に関連付けて説明する。
図23に示す投射型表示装置500は、上述した液晶表示素子を3個用意し、各々RGB用の液晶表示素子562R、562Gおよび562Bとして用いた投射型液晶装置の光学系の概略構成図を示す。
投射型表示装置500は、光学系として、光源装置520と、均一照明光学系523が用いられている。
この均一照明光学系523から出射される光束Wを赤(R)、緑(G)、青(B)に分離する色分離手段である色分離光学系524と、各色光束R、G、Bを変調する変調手段である3つのライトバルブ525R、525G、525Bと、変調された後の色光束を再合成する色合成手段である色合成プリズム510と、合成された光束を投射面600の表面に拡大投射する投射手段である投射レンズユニット506とを備えている。さらに、青色光束Bを対応するライトバルブ525Bに導く導光系527を備えている。
均一照明光学系523は、2つのレンズ板521、522と反射ミラー531を備えており、反射ミラー531を挟んで2つのレンズ板521、522が直交する状態に配置されている。均一照明光学系523の2つのレンズ板521、522は、それぞれマトリクス状に配置された複数の矩形レンズを備えている。
光源装置520から出射された光束は、第1のレンズ板521の矩形レンズによって複数の部分光束に分割される。そして、これらの部分光束は、第2のレンズ板522の矩形レンズによって3つのライトバルブ525R、525G、525B付近で重なる。
したがって、均一照明光学系523を用いることにより、光源装置520が出射光束の断面内で不均一な照度分布を有している場合でも、3つのライトバルブ525R、525G、525Bを均一な照明光で照明することが可能となる。
各色分離光学系524は、青緑反射ダイクロイックミラー541と、緑反射ダイクロイックミラー542と、反射ミラー543から構成される。
まず、青緑反射ダイクロイックミラー541では、光束Wに含まれている青色光束Bおよび緑色光束Gが直角に反射され、緑反射ダイクロイックミラー542の側に向かう。赤色光束Rは、この青緑反射ダイクロイックミラー541を通過して、後方の反射ミラー543で直角に反射されて、赤色光束Rの射出部544からプリズムユニット510の側に射出される。
次に、緑反射ダイクロイックミラー542では、青緑反射ダイクロイックミラー541で反射された青色光束Bおよび緑色光束Gのうち、緑色光束Gのみが直角に反射されて、緑色光束Gの射出部545から色合成光学系の側に射出される。緑反射ダイクロイックミラー542を通過した青色光束Bは、青色光束Bの射出部546から導光系527の側に射出される。
ここでは、均一照明光学系523の光束Wの射出部から、色分離光学系524における各色光束の射出部544、545、546までの距離がほぼ等しくなるように設定されている。色分離光学系524の赤色光束Rの出射部544および緑色光束Gの出射部545の各射出側には、それぞれ集光レンズ551および集光レンズ552が配置されている。したがって、各射出部から射出した赤色光束R、緑色光束Gは、これらの集光レンズ551、集光レンズ552に入射して平行化される。
このように平行化された赤色光束Rおよび緑色光束Gは、それぞれライトバルブ525Rおよびライトバルブ525Gに入射して変調され、各色光に対応した画像情報が付加される。
すなわち、これらの液晶表示素子は、図示していない駆動手段によって画像情報に応じてスイッチング制御されて、これにより、ここを通過する各色光の変調が行われる。一方、青色光束Bは、導光系527を介して対応するライトバルブ525Bに導かれ、ここにおいて、同様に画像情報に応じて変調が施される。
なお、本例のライトバルブ525R、525G、525Bは、それぞれさらに入射側偏光板561R、561G、561Bと、これらの間に配置された液晶表示素子562R、562G、562Bとからなる液晶ライトバルブである。
導光系527は、青色光束Bと射出部546の射出側に配置した集光レンズ554と、入射側反射ミラー571と、射出側反射ミラー572と、これらの反射ミラーの間に配置した中間レンズ573と、ライトバルブ525Bの手前側に配置した集光レンズ553とから構成されている。
集光レンズ546から射出された青色光束は、導光系527を介して液晶表示素子562Bに導かれて変調される。各色光束の光路長、すなわち、光束Wの射出部から各液晶表示素子562R、562G、562Bまでの距離は青色光束Bが最も長くなり、したがって、青色光束の光量損失が最も多くなる。
しかし、導光系527を介在させることにより、光量損失を抑制することができる。各ライトバルブ525R、525G、525Bを通って変調された各色光束R、G、Bは、色合成プリズム510に入射され、ここで合成される。そして色合成プリズム510によって合成された光が投射レンズユニット506を介して所定の位置にある投射面600の表面に拡大投射されるようになっている。
なお、本発明は、単純マトリクス方式、TFTアクティブマトリクス方式、TFDアクティブマトリクス方式など、旋光モード、複屈折モード、いずれの方式の液晶表示素子に適用しても、上述した効果が期待できる。
以上説明したように、本実施形態によれば、画素電極の形状を工夫することにより、画素内に発生するリバースチルトドメインと隣接する画素電極に対応する画素内に形成するリバースチルトドメインとの相互作用を低減できる。その結果フィールド反転駆動にて発生する横電界起因の画質不良を改善することができる。またスペーサ周辺部の配向乱れを制御することでより高品位な画質を得ることができる。
本発明を適用することにより、高画質の液晶表示素子を実現することが可能となる。また、プロジェクタ等の投射型LCDにおいてはパネル小型化もしくは有効画素領域拡大による高開口率化も可能となり、セルギャップ制御による高生産性、高歩留まり化も実現できる。無機材料などの材料も画質を劣化させることなく適用できるので長寿命化も可能となる。
ライン反転駆動方式とフィールド反転駆動方式を説明するための図である。 リバースチルトドメインの発生メカニズムを説明するための図である。 1フィールド反転駆動における白黒表示させたときの液晶分子配列を模式的に示す図である。 配向乱れの発生状態を模式的に示す図である。 液晶分子配向シミュレーションとGibbsのエネルギー分布を示す図である。 図5におけるエネルギーの測定結果を示す図である。 本実施形態に係るアクティブマトリクス型液晶表示素子の概略構成を示す断面図である。 本実施形態に係るアクティブマトリクス型液晶表示素子のアレイ基板(液晶パネル部)における配置例を示す図である。 本実施形態に係るアクティブマトリクス型液晶表示素子の具体的な構成例を示す断面図である。 画素電極間とGibbsのエネルギーの関係から選択する画素電極間隔の指標例を示す図である。 Gibbsのエネルギーの画素電極(ITO)間隔依存性を示す図である。 画素電極の形状とスペーサの配置位置の第1の例を示す図である。 画素電極の切り欠き形態例を説明するための図である。 画素電極の形状とスペーサの配置位置の第2の例を示す図である。 画素電極の形状とスペーサの配置位置の第3の例を示す図である。 画素電極の形状とスペーサの配置位置の第4の例を示す図である。 実施例1を説明するための図であって、比較例を示す図である。 実施例1を説明するための図であって、第1の構成例を示す図である。 実施例1を説明するための図であって、第2の構成例を示す図である 実施例1を説明するための図であって、第3の構成例を示す図である 実施例1を説明するための図であって、第4の構成例を示す図である 本実施形態に係る投射型液晶表示装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る3板式投射型液晶表示装置のより具体的な一例を示す構成図である。
符号の説明
10・・・液晶表示素子、11・・・TFTアレイ基板、12・・・対向基板、13・・・画素電極、14・・・対向電極、15・・・シール材、16・・・液晶層、46・・・スペーサ、100・・・液晶ライトバルブ、200・・・有効表示部、300,500・・・投射型液晶表示装置、301,520・・・光源、525R,525G,525B・・・ライトバルブ、303,506・・・投射光学系、A1〜A4・・・画素電極、A12〜A42・・・切り欠き辺部、SP・・・スペーサ。

Claims (19)

  1. 互いに対向する二つの基板と、
    前記二つの基板間に配置された液晶層と、
    マトリクス状の画素を形成すべく各基板の対向する面に配置される複数の画素電極と、
    前記液晶層の液晶を所定方向に配向させるために前記二枚の基板上に形成された配向膜と、
    前記二つの基板間において、隣接して配置された前記画素電極間に形成されたスペーサと、を有し、
    前記複数の画素電極の少なくとも一つは、前記スペーサに面する端部が多角形の一辺をなすように切り欠いた形状を有する
    液晶表示素子。
  2. 前記液晶表示素子は、フレーム毎に各画素電極に印加する電圧を同一極性で反転させるフレーム反転駆動を行うアクティブマトリクス型液晶表示素子である
    請求項1記載の液晶表示素子。
  3. 前記画素電極は、局所的にリバースチルトドメインの発現が少なくなり、トータルとして画素電極間を広がり、Gibbsのエネルギーが低減できる範囲で切り欠かれている
    請求項1記載の液晶表示素子。
  4. 前記画素電極間隔は、Gibbsのエネルギーの第1の領域をS1、Gibbsのエネルギーの第2の領域をS2とし、S1/S2を指標とした場合に、第1の領域S1の占める割合が小さく安定する指標値に基づいて選定されている
    請求項1記載の液晶表示素子。
  5. 前記スペーサは、2次元的に隣接する4つの画素電極の端部で囲まれた領域の所定の位置に配置されている
    請求項1記載の液晶表示素子。
  6. 前記スペーサは、前記4つの画素電極の端部から等距離にある前記領域の中央部に配置されている
    請求項5記載の液晶表示素子。
  7. 前記スペーサは前記隣接する4つの画素電極A1,A2,A3,A4の間に配置され、
    前記4つの画素電極は、配向方向に対し前段側をA1、A2、自段側をA3、A4と定義した場合に、
    スペーサ端部から画素電極A1,A2,A3,A4までの最短距離a1,a2,a3,a4は、
    a1=a2=a3=a4の関係を満足する
    請求項6記載の液晶表示素子。
  8. 前記隣接する4つの画素電極A1,A2,A3,A4は、配向方向に対し前段側をA1、A2、自段側をA3、A4と定義した場合に、
    前記スペーサは、前記前段側の画素電極よりに配置されている
    請求項5記載の液晶表示素子。
  9. 前記スペーサ端部から画素電極A1,A2,A3,A4までの最短距離a1,a2,a3,a4は、
    a1≦a2<a3≦a4もしくは、a3≧a4>a1≧a2の関係を満足する
    請求項8の液晶表示素子。
  10. 前記2次元的に隣接する4つの画素電極の少なくとも一つの画素電極の切り欠き辺部に、前記スペーサ側に延びるように制御片が形成されている
    請求項5記載の液晶表示素子。
  11. 前記前段側の2つの画素電極A1,A2の少なくとも一方の画素電極の切り欠き辺部に、前記スペーサの配置位置側に延びるように制御片が形成されている
    請求項8記載の液晶表示素子。
  12. 前記スペーサは、前記前段側の2つの画素電極A1,A2の少なくとも一方の画素電極の切り欠き辺部よりに配置され、
    斜め配向方向に直交する側の前記前段側の他方の画素電極と自段側の一方の画素電極の少なくとも一方の画素電極の切り欠き辺部に、前記スペーサ側に延びるように制御片が形成されている
    請求項8記載の液晶表示素子。
  13. 前記前段側の画素電極の切り欠き面積<前記自段側の画素電極の切り欠きの関係を満足する
    請求項8記載の液晶表示素子。
  14. 前記画素電極が設けられた液晶パネルは透過型の液晶パネルである
    請求項1記載の液晶表示素子。
  15. 前記液晶表示素子の配向制御はラビングにより行われる
    請求項1記載の液晶表示素子。
  16. 上記液晶層に用いる液晶材料は室温での屈折率異方性が0.10以上であり、セルギャップが4μm以下である
    請求項1記載の液晶表示素子。
  17. 前記液晶表示素子の画素ピッチは20μm以下である
    請求項1記載の液晶表示素子。
  18. 前記配向膜に無機配向膜を用いる
    請求項1記載の液晶表示素子。
  19. 光源と、
    少なくとも一つの液晶表示素子と、
    上記光源から出射された光を上記液晶表示素子に導く集光光学系と、
    上記液晶表示素子で光変調した光を拡大して投射する投射光学系と、を有し、
    上記液晶表示素子は、
    互いに対向する二つの基板と、
    前記二つの基板間に配置された液晶層と、
    マトリクス状の画素を形成すべく各基板の対向する面に配置される複数の画素電極と、
    前記液晶層の液晶を所定方向に配向させるために前記二枚の基板上に形成された配向膜と、
    前記二つの基板間において、隣接して配置された前記画素電極間に形成されたスペーサと、を有し、
    前記複数の画素電極の少なくとも一つは、前記スペーサに面する端部が多角形の一辺をなすように切り欠いた形状を有し、
    前記液晶表示素子は、フレーム毎に各画素電極に印加する電圧を同一極性で反転させるフレーム反転駆動を行うアクティブマトリクス型液晶表示素子である
    投射型液晶表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013235129A (ja) * 2012-05-09 2013-11-21 Seiko Epson Corp 液晶装置及び電子機器
US8619202B2 (en) 2011-01-14 2013-12-31 Seiko Epson Corporation Projector
WO2021166711A1 (ja) * 2020-02-20 2021-08-26 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 投射型表示装置

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