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JP2008007731A - ポリオキシアルキレンポリオール組成物の製造方法 - Google Patents

ポリオキシアルキレンポリオール組成物の製造方法 Download PDF

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JP2008007731A
JP2008007731A JP2006182365A JP2006182365A JP2008007731A JP 2008007731 A JP2008007731 A JP 2008007731A JP 2006182365 A JP2006182365 A JP 2006182365A JP 2006182365 A JP2006182365 A JP 2006182365A JP 2008007731 A JP2008007731 A JP 2008007731A
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Motonao Kaku
基直 賀久
Kenji Nishiyama
健司 西山
Hiromichi Nakaminami
寛道 中南
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Abstract

【課題】 アルカリ金属触媒の存在下アルキレンオキサイドを付加重合して得られたポリオキシアルキレンポリオールに、酸性触媒の存在下アルキレンオキサイドを付加重合させて、ポリオキシアルキレンポリオールを効率的に製造する方法を見出す。
【解決手段】 アルカリ金属触媒(a)の存在下、活性水素含有化合物(b)にアルキレンオキサイド(c)を付加重合させて得られる第1粗製ポリオキシアルキレンポリオール(d)を、〔1〕水を添加し、液/液分離装置を用いて分液後水相を除去、〔2〕弱酸、強酸の2段階で中和した後脱水、の順に処理して得られる、中和塩(e)、弱酸(g)およびポリオキシアルキレンポリオールからなるポリオキシアルキレンポリオール組成物(P)に酸性触媒(j)を添加し(c)を付加重合させる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリオキシアルキレンポリオール組成物の製造方法およびポリオキシアルキレンポリオール組成物に関する。
通常、ポリオキシアルキレンポリオールは、水酸化カリウム等のアルカリ金属触媒の存在下、活性水素含有化合物にアルキレンオキサイドを付加重合させて得られる。
一方、アルキレンオキサイドの付加重合は、複金属シアン化物(DMC)触媒やホウ素化合物、アルミニウム化合物などの酸性触媒によっても進行する。これらの酸性触媒を用いたアルキレンオキサイドの付加重合は、アルカリ金属触媒により得られた高分子ポリオキシアルキレンポリオールを出発物質として用いることがある。
酸性触媒はアルカリ金属触媒により容易に不活性化されることが知られている。従ってアルカリ金属触媒の存在下アルキレンオキサイドを付加重合させて得られる粗製ポリオキシアルキレンポリオールに、酸性触媒の存在下、アルキレンオキサイドを付加重合させるためには、通常反応容器を2つに分けることが必要となる。すなわち、まず第1の反応容器でアルカリ金属触媒によるアルキレンオキサイドの付加重合を行って得られる第1粗製ポリオキシアルキレンポリオールを公知の方法により精製する。この精製段階において、廃棄物として処理剤残滓、廃水が発生する。このポリオールを第2の反応容器に仕込み、酸性触媒によるアルキレンオキサイドの付加重合を行う。また、反応容器を2つ用いない場合は、バッチ間で反応容器を完全に洗浄し残存するアルカリ金属触媒を含む前バッチ残渣を除去することが必要となる。この洗浄には、多量の洗浄水、溶剤が必要となる。従って、いずれの場合も、生産効率が大きく低下し、かつ多量の廃棄物を排出する結果となる。
従来技術としては、特許文献1に、前バッチ由来のアルカリ金属触媒をドデシルベンゼンスルホン酸(DDBSA)などの溶解性の酸を含む誘発剤により中和し、次いで酸性触媒であるDMC触媒による付加重合を連続して行う方法が開示されている。しかしながら、この方法で酸により中和することのできるアルカリ金属触媒は、反応釜に残る前バッチ由来の粗製ポリオキシアルキレンポリオール中に残存するわずかな量である。また通常アルキレンオキサイドの付加重合に用いられる量のアルカリ金属触媒(水酸化カリウムを粗製ポリオキシアルキレンポリオールに対して、0.1〜1.0重量%)をDDBSAなどの溶解性の酸で中和すると、いくつかの用途(例えば軟質ポリウレタンフォームの製造)において、DDBSA塩が活性剤として作用し、発泡挙動に悪影響を及ぼすという欠点が知られている。
特開2005−163022号公報
また、粗製ポリオキシアルキレンポリオールに直接酸性化合物を添加し、アルカリ金属触媒を中和する方法は既知であるが、酸を加えた後、吸着剤によるろ過などの公知の手段による残存アルカリの除去を実施せずに得られる、中和塩を含有するポリオキシアルキレンポリオール組成物では、pH測定により酸性となっていても、アルカリ金属触媒の中和反応は完全に進行していない。従って、引き続きこのポリオール組成物に酸性触媒存在下アルキレンオキサイドの付加重合を試みても、反応は進行しない。
本発明は、アルカリ金属触媒の存在下、アルキレンオキサイドを付加重合して得られたポリオキシアルキレンポリオールを出発物質とし、さらに酸性触媒の存在下アルキレンオキサイドを付加重合させて、ポリオキシアルキレンポリオールを効率的に製造する方法を見出すことを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、以下(I)〜(IV)に示される発明に到達した。
すなわち本発明は、
(I) アルカリ金属触媒(a)の存在下、活性水素含有化合物(b)にアルキレンオキサイド(c)を付加重合させて得られる第1粗製ポリオキシアルキレンポリオール(d)を下記〔1〕〔2〕の順に処理することを特徴とする中和塩(e)、弱酸(g)およびポリオキシアルキレンポリオールからなるポリオキシアルキレンポリオール組成物(P)の製造方法。
〔1〕第1粗製ポリオキシアルキレンポリオール(d)に水を添加し、次いで液/液分離装置を用いて分液後、水相を除去し第2粗製ポリオキシアルキレンポリオール(f)を得る。
〔2〕第2粗製ポリオキシアルキレンポリオール(f)を弱酸(g)、次いで強酸(h)により2段階で中和した後、脱水して(P)を得る。
(II)(I)記載の製造方法により得られるポリオキシアルキレンポリオール組成物(P)に、酸性触媒(j)を添加しアルキレンオキサイド(c)を付加重合させる、中和塩(e)、弱酸(g)およびポリオキシアルキレンポリオールからなるポリオキシアルキレンポリオール組成物(Q)の製造方法。
(III)(II)記載の製造方法により得られるポリオキシアルキレンポリオール組成物(Q)中の中和塩(e)をろ過により除去する、弱酸(g)およびポリオキシアルキレンポリオールからなるポリオール組成物(R)の製造方法。
(IV)(III)記載の製造方法により得られ、残存アルカリ金属触媒(a)、中和塩(e)の含有量がいずれも1ppm以下である弱酸(g)およびポリオキシアルキレンポリオールからなるポリオキシアルキレンポリオール組成物(R)。
に関する。
本発明の製造方法は、従来のものと比較して、第1粗製ポリオキシアルキレンポリオールの精製が不要であり、かつ、反応容器を2つにする、あるいはバッチ間で完全な洗浄を実施することも不要となる。従って生産効率が向上し、短時間に目的とするポリオキシアルキレンポリオールが得られるとともに、精製、洗浄が不要となるのに伴い、廃水、廃溶剤、処理剤残滓等の発生も少ない。
本発明においてアルカリ金属触媒(a)としては、アルカリ金属水酸化物(水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化セシウム等)、アルカリ金属アルコラート(カリウムメチラート、ナトリウムメチラート等)、アルカリ金属単体(金属カリウム、金属ナトリウム等)、およびこれら2種類以上の混合物が挙げられる。これらのうち好ましいものは、アルカリ金属水酸化物およびアルカリ金属アルコラートである。
活性水素含有化合物(b)は、アルキレンオキサイド(c)との反応によって環状エーテル開環付加体を生成するものであれば制限はないが、例えば、水酸基含有化合物、アミノ基含有化合物、カルボキシル基含有化合物、チオール基含有化合物、リン酸化合物;分子内に2種以上の活性水素含有基を有する化合物;およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。また、これら活性水素含有化合物(b)に上記のアルキレンオキサイド(c)を付加したものも活性水素が存在する限り、アルキレンオキサイド付加の出発物質として使用することができる。
水酸基含有化合物としては、水、1価のアルコール、2〜8価の多価アルコール、フェノール類、2〜8価の多価フェノール類等が挙げられる。
具体的には、メタノール、エタノール、ブタノール、オクタノールなどの1価のアルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチルペンタンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン、2,2−ビス(4,4’−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンなどの2価アルコール;グリセリン、トリメチロールプロパンなどの3価アルコール;ペンタエリスリトール、ジグリセリン、α−メチルグルコシド、ソルビトール、キシリット、マンニット、ジペンタエリスリトール、グルコース、フルクトース、ショ糖等の4〜8価のアルコール;フェノール、クレゾール等のフェノール類;ピロガロール、カテコール、ヒドロキノンなどの多価フェノール;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなどのビスフェノール類;ポリブタジエンポリオール;ひまし油系ポリオール;ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの(共)重合体、ポリビニルアルコール類などの多官能(2〜100)ポリオール等が挙げられ、炭素数1〜20のものが好ましい。
なお、ポリブタジエンポリオールとしては、1,2−ビニル構造を有するもの、1,2−ビニル構造と1,4−トランス構造とを有するもの、および1,4−トランス構造を有するものが挙げられる。1,2−ビニル構造と1,4−トランス構造の割合は種々にかえることができ、例えばモル比で100:0〜0:100である。またポリブタジエングリコ―ル(4)にはホモポリマ―およびコポリマ―(スチレンブタジエンコポリマ―、アクリロニトリルブタジエンコポリマ―等)、並びにこれらの水素添加物(水素添加率:例えば20〜100%)が含まれる。
また、ひまし油系ポリオールとしては、ひまし油および変性ひまし油(トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールで変性されたひまし油等)が挙げられる。
アミノ基含有化合物としては、モノもしくはポリアミン類、およびアミノアルコール類があげられる。
モノもしくはポリアミン類としては、具体的には、アンモニア、アルキルアミン類(ブチルアミン等)、アニリン等のモノアミン類;エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン等の脂肪族ポリアミン;ピペラジン、N−アミノエチルピペラジンおよびその他特公昭55−21044号公報記載の複素環式ポリアミン類;ジシクロヘキシルメタンジアミン、イソホロンジアミン等の脂環式ポリアミン;フェニレンジアミン、トリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、ジフェニルエ−テルジアミン、ポリフェニルメタンポリアミンなどの芳香族ポリアミン;ポリアミドポリアミン[例えばジカルボン酸(ダイマー酸等)と過剰の(酸1モル当り2モル以上の)ポリアミン類(上記アルキレンジアミン、ポリアルキレンポリアミン等)との縮合により得られる低分子量ポリアミドポリアミン];ポリエーテルポリアミン[ポリエーテルポリオール(ポリアルキレングリコール等)のシアノエチル化物の水素化物];シアノエチル化ポリアミン[例えばアクリロニトリルとポリアミン類(上記アルキレンジアミン、ポリアルキレンポリアミン等)との付加反応により得られるシアノエチル化ポリアミン、例えばビスシアノエチルジエチレントリアミン等];ヒドラジン類(ヒドラジン、モノアルキルヒドラジン等)、ジヒドラジッド類(コハク酸ジヒドラジッド、アジピン酸ジヒドラジッド、イソフタル酸ジヒドラジッド、テレフタル酸ジヒドラジッド等)、グアニジン類(ブチルグアニジン、1−シアノグアニジン等);およびジシアンジアミド等;並びにこれらの2種以上の混合物が挙げられ、炭素数1〜20のものが好ましい。
アミノアルコール類としては、アルカノールアミン類、例えばモノ−、ジ−およびトリ−のアルカノールアミン(モノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、モノブタノールアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン等);これらのアルキル(C1〜C4)置換体〔N,N−ジアルキルモノアルカノールアミン(N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン等)、N−アルキルジアルカノールアミン(N−メチルジエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン等)〕;およびこれらのジメチル硫酸あるいはベンジルクロリド等の4級化剤による窒素原子4級化物が挙げられ、炭素数1〜20のものが好ましい。
カルボキシル基含有化合物としては、炭素数1〜20のカルボン酸が挙げられ、酢酸、プロピオン酸などの脂肪族モノカルボン酸;安息香酸などの芳香族モノカルボン酸;コハク酸、アジピン酸などの脂肪族ポリカルボン酸;フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸などの芳香族ポリカルボン酸;アクリル酸の(共)重合物等のポリカルボン酸重合体(官能基数2〜100)等が挙げられる。
チオール基含有化合物のポリチオール化合物としては、2〜8価の多価チオールが挙げられる。具体的にはエチレンジチオール、プロピレンジチオール、1,3−ブチレンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1、6−ヘキサンジチオール、3−メチルペンタンジチオール等が挙げられる。
リン酸化合物としては燐酸、亜燐酸、ホスホン酸等が挙げられる。
これら活性水素含有化合物(b)のうち好ましいものは水酸基含有化合物であり、より好ましいものは多価アルコールである。
(b)に付加重合させるアルキレンオキサイド(c)としては、炭素数1〜10のものが好ましく、具体例としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−、1,3−、1,4−、および2,3−ブチレンオキサイド、並びにスチレンオキサイド等が挙げられる。これらのうち好ましいものは、プロピレンオキサイドおよび/またはエチレンオキサイドであり、さらに好ましくはプロピレンオキサイドである。
活性水素含有化合物(b)へのアルキレンオキサイド(c)の付加モル数は、活性水素1モルに対して好ましくは1〜300モル、より好ましくは10〜250モル、特に好ましくは20〜160モルである。
(c)を付加する方法は、単独付加、二種以上の(c)を用いる場合のランダム付加、ブロック付加等が挙げられるが限定はない。
アルカリ金属触媒(a)の使用量は得られる第1粗製ポリオキシアルキレンポリオール(d)に対して、好ましくは0.1〜1.0重量%であり、より好ましくは0.11〜0.5重量%、更に好ましくは0.12〜0.3重量%である。0.1重量%より多いと反応時間が短く効率的であり、1.0重量%以下であると付加重合反応の制御が容易であり二重結合含有化合物などの副生物の生成が少ない。
付加反応は、通常行われる方法でよく、上記のいずれのアルキレンオキサイド(c)を付加する場合においても、温度は好ましくは80〜160℃、圧力は好ましくは0〜0.5MPa、反応時間は好ましくは3〜10時間で行うことができる。
このようにして得られる第1粗製ポリオキシアルキレンポリオール(d)は、アルカリ金属触媒(a)を、(d)に対して好ましくは0.1〜1.0重量%含むことになる。
この第1粗製ポリオキシアルキレンポリオールに対して前記の〔1〕〔2〕の順序で中和を行う。
一つ目の段階〔1〕では、第1粗製ポリオキシアルキレンポリオール(d)に水を添加し、通常加熱処理した後、液/液分離装置を用いて分液を行う。〔1〕で添加する水の量は第1粗製ポリオキシアルキレンポリオール(d)に対して好ましくは2〜12重量%であり、より好ましくは3〜10重量%である。2重量%以上であるとポリエーテルのアルコラートを十分加水分解することができ、液/液分離能力の低下や分離時間が大幅に増加することがない。12重量%以下であると、水がポリエーテル中に十分乳化されるため、分離能良好となり短時間で分液できると共に、排水量も抑えられる。
加熱温度は70〜150℃が好ましく、より好ましくは100〜130℃である。70℃以上であると分離能力が高くなり、150℃以下であるとポリエーテルの品質劣化を招くことなく好ましい。加熱時間は好ましくは1〜10分である。
液/液分離装置としては、市販の多重層フィルター分離装置、遠心分離装置等が挙げられるが、連続生産性の観点から多重層フィルター分離装置を用いた方法が好ましい。多重層フィルター分離装置とはプレフィルター(固形異物除去の機能)、コアレッサー(流体がこのメディアを通過することで分散した微細な液滴粒子が合体し大きな液滴とする機能)、セパレーター(比重差により比重の重い液滴を沈降分離する機能)の3つの機能を有する分離装置である。フィルターの材質は特に限定されない。例えば、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、アクリル、メタアラミド等が挙げられるが、耐熱温度の観点からポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂が好ましい。
多重層フィルターを用いた時の分離条件は、温度は70〜150℃が好ましく、100〜130℃がより好ましい。例えば1,000〜8,000m3/hの流速でフィルターを通すことにより分離できる。分離操作の終点はポリエーテル層が透明になればよい。
遠心分離装置は、油と水の分離速度を速めるだけのものであるので、縦型でも横型でもよく、分離条件としては、好ましくは回転速度100rpm以上のものを用い、好ましくは温度は70〜150℃、時間は5〜20分で行い、遠心分離後、30〜60分静置することで好適に分離できる。この場合はポリエーテルが上層、水が下層となる。下層の水を排出することで、上層のポリエーテル層が第2粗製ポリオキシアルキレンポリオール(f)として得られる。
第2粗製ポリオキシアルキレンポリオール(f)中の残留塩基濃度はJIS K1557〔ポリウレタン用ポリエーテル試験方法〕の6.8項のCPR測定法に基づき測定でき、500以下が好ましい。更に好ましくは300以下、とくに好ましくは100以下である。第2粗製ポリオキシアルキレンポリオール(f)のCPRが500以下であると、〔2〕の段階での酸による中和に要する時間が短時間で済むため効率的である。
本発明の製造方法における段階〔2〕は、〔1〕で得た第2粗製ポリオキシアルキレンポリオール(f)を弱酸(g)、次いで強酸(h)により2段階で中和した後、脱水する工程である。
酸性化合物の酸性度は、一般に水中での酸解離指数pKaにより表される(化学便覧参照)。一般には、pKaが2以下のものが強酸、3以上のものが弱酸である。
本発明において用いる弱酸(g)は、pKaが3.5〜13、とくに7〜12であることが好ましい。
このような弱酸(g)としては、燐酸二水素リチウム、燐酸二水素ナトリウム、燐酸二水素カリウム、燐酸一水素リチウム、燐酸一水素ナトリウム、燐酸一水素カリウム、硫酸水素リチウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機酸酸性塩;次亜塩素酸、次亜臭素酸、次亜ヨウ素酸、ホウ酸、炭酸等の無機弱酸;蟻酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸等の炭素数1〜22の有機カルボン酸;フェノール、クレゾール、ニトロフェノール、2,6−ジメチルフェノール、2,6−ジエチルパラクレゾールおよび2,6−ジ−tert−ブチルパラクレゾール、テトラキス(メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン、オクタデシル−3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のフェノール基含有化合物;などが挙げられる。これらの中で好ましくはフェノール基含有化合物であり、更に好ましくは2,6−ジ−tert−ブチルパラクレゾール、テトラキス(メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン、およびオクタデシル−3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネートである。
強酸(h)としては、燐酸、硫酸、塩酸、硝酸、硅フッ化水素酸、亜燐酸、次亜燐酸、亜塩素酸等の鉱物酸;アルキルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸などの有機酸;が挙げられる。これらの中でも好ましいのは鉱物酸であり、さらに好ましいのは、燐酸、硫酸、塩酸、硝酸、および硅フッ化水素酸である。これらの酸から生成する塩は、結晶化しやすく、ろ過等による除去が容易である。
本発明の製造方法で用いる弱酸(g)中の酸性プロトン量は、第2粗製ポリオキシアルキレンポリオール(f)中の残存アルカリ金属触媒(a)1モルに対して、1.00〜10モルが好ましい。更に好ましくは、1.00〜5モルである。1.00モル以上であると全ての残存アルカリ触媒を中和することができ、10モル以下だとポリオキシアルキレンポリオールの性能に影響を与えない。
本発明の製造方法で用いる強酸(h)中の酸性プロトン量は、第2粗製ポリオキシアルキレンポリオール(f)中の残存アルカリ金属触媒(a)1モルに対して、1.00〜10モルが好ましい。更に好ましくは、1.00〜5モルである。1.00モル以上であると、完全に中和が進行し、10モル以下だとポリオキシアルキレンポリオールの性能に何ら影響を与えることが無い。
また(h)添加後の酸価は、JIS K1557〔ポリウレタン用ポリエーテル試験方法〕の6.6項の酸価測定法に基づき測定でき、3.0以下が好ましい。さらに好ましくは、1.0以下である。酸価が3.0以下であると、イソシアネートとの反応性が低下することなく用いることができる。
弱酸(g)および強酸(h)を第2粗製ポリオキシアルキレンポリオール(f)に添加する温度は、70〜130℃が好ましく、より好ましくは90〜120℃である。70℃以上であると中和速度が速く、130℃以下であるとポリエーテルの品質劣化を招くことがない。弱酸(g)を投入してからの攪拌時間は、好ましくは1分〜6時間、更に好ましくは5分〜4時間、特に好ましくは15分〜3時間である。1分以上であると投入した酸が液中に均一に分散でき、6時間以下であると中和反応が十分に進行し、生産効率が低下することがない。強酸(h)は弱酸(g)が攪拌により均一に分散した後に加える。強酸(h)を投入してからの攪拌時間は、好ましくは1分〜6時間、更に好ましくは5分〜4時間、特に好ましくは15分〜3時間である。1分以上であると投入した酸が液中に均一に分散でき、6時間以下であると中和反応が十分に進行し、生産効率が低下することがない。
なお、強酸(h)は、弱酸(g)による中和反応が完結する前に添加してもよい。
得られた第2粗製ポリオキシアルキレンポリオール(f)は、例えば、減圧下(0〜100kPa)、90〜160℃で脱水する。方法としてはバッチ式でもよいし、シャワーリング方式でもよい。この脱水により、アルカリ金属触媒(a)と酸の反応による中和塩(e)が析出する。
析出する中和塩(e)の量は、第2粗製ポリオキシアルキレンポリオール(f)に対して、1重量%以下が好ましく、更に好ましくは0.5重量%以下である。1重量%以下であると、続いて実施する酸性触媒(j)の存在下でのアルキレンオキサイド(c)の付加重合が容易に進行する。なお、本発明の製造方法は、酸素不存在下で行うことが好ましく、〔1〕〔2〕の工程を通じて、気相の酸素濃度が好ましくは1000ppm以下、更に好ましくは500ppm以下で行う。1000ppm以下であるとポリエーテルが酸化されにくく、その結果着色されにくい。酸素濃度の低減方法は、反応装置中に窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガスを通入することで実施することが望ましい。
上記〔1〕〔2〕の工程を連続して実施することにより、中和塩(e)、弱酸(g)およびポリオキシアルキレンポリオールからなる組成物(P)が得られる。
なお、(P)中に過剰に存在する弱酸(g)および強酸(h)は酸吸着剤により処理し除去してもよい。
中和塩(e)、弱酸(g)およびポリオキシアルキレンポリオールからなる組成物(P)中の弱酸(g)の量は、0.00001〜1重量%が好ましく、更に好ましくは、0.0001〜0.5重量%である。0.00001重量%以上であると、弱酸塩と強酸の反応が完全に進行しており、1重量%以下であると、続いて実施する酸性触媒(j)の存在下でのアルキレンオキサイド(c)の付加重合が容易に進行する。
(P)中の強酸(h)の量は、0.5重量%以下が好ましく、更に好ましくは、0.1重量%以下である。0.5重量%以下であると、続いて実施する酸性触媒(j)下でのアルキレンオキサイド(c)の付加重合が容易に進行する。
また(P)中の中和塩(e)の量は、好ましくは0.00001〜1重量%、更に好ましくは0.00005〜0.5重量%である。弱酸(g)および強酸(h)による中和が完全に進行していると中和塩(e)の量は0.00001重量%以上となり、1重量%以下であると、続いて実施する酸性触媒(j)の存在下でのアルキレンオキサイド(c)の付加重合が容易に進行する。
上記酸吸着剤としては、ハイドロタルサイト系吸着剤(例えば、キョーワード500、キョーワード1000、キョーワード2000等<いずれも協和化学工業社製>)等が好ましく挙げられる。酸吸着剤の量は粗ポリエーテルに対して0.05〜0.2重量%が好ましくい。ハイドロタルサイト系吸着剤の平均粒子径は10〜100μmが好ましい。10μm以上であると、ろ過速度が速く生産能力がよい。100μm以下であると吸着力が低下せず、中和塩(e)や酸が溶出しない。
ろ過は、加圧ろ過、減圧ろ過のどちらでもよいが、酸素の混入を防止しやすいので加圧ろ過が好ましい。フィルターの材質は特に限定されない。例えば、紙、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、アクリル、メタアラミドなどが挙げられるが紙が好ましい。また、フィルターの保留粒子径は0.1〜10μmのものが好ましく、1〜5μmのものがさらに好ましい。
ポリオキシアルキレンポリオール組成物(P)に、酸性触媒(j)を添加しアルキレンオキサイド(c)を付加重合させて、中和塩(e)、弱酸(g)およびポリオキシアルキレンポリオールからなるポリオキシアルキレンポリオール組成物(Q)が得られる。
本発明において用いる酸性触媒(j)として、公知の複金属シアン化物(DMC)触媒(j1)を用いることができ、その組成はとくに限定されない。
(j1)は、通常、水溶性金属塩と水溶性金属シアン化物塩との反応生成物である。水溶性金属塩は、好ましくは一般式M1Qnで表され、M1としては、Zn(II)、Fe(II)、Ni(II)、Mn(II)、Co(II)、Sn(II)、Pb(II)、Fe(III)、Mo(IV)、Mo(VI)、Al(III)、V(V)、V(IV)、Sr(II)、W(IV)、W(VI)、Cu(II)、およびCr(III)等が挙げられる。好ましくは、Zn(II)、Fe(II)、Co(II)、およびNi(II)である。上記式において、Qとしては、ハロゲン化物イオン、水酸化物イオン、硫酸イオン、炭酸イオン、シアン化物イオン、シュウ酸イオン、チオシアン酸イオン、イソシアン酸イオン、イソチオシアン酸イオン、カルボン酸イオン、および硝酸イオン等が挙げられる。nは1〜3である。金属塩の例としては、塩化亜鉛、臭化亜鉛、酢酸亜鉛、アセトニル酢酸亜鉛、安息香酸亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸鉄(II)、臭化鉄(II)、塩化コバルト(II)、チオシアン酸コバルト(II)、ギ酸ニッケル(II)、硝酸ニッケル(II)、およびこれらの混合物等が挙げられる。
水溶性金属シアン化物塩は、好ましくは一般式(M’)a M2(CN)b (A)cで表され、M2としては、Fe(II)、Fe(III)、Co(II)、Co(III)、Cr(II)、Cr(III)、Mn(II)、Mn(III)、Ir(III)、Ni(II)、Rh(III)、Ru(II)、V(IV)、およびV(V)等が挙げられる。好ましくは、Co(II)、Co(III)、Fe(II)、Fe(III)、Cr(III)、Ir(III)、およびNi(II)である。水溶性の金属シアン化物塩はこれら金属の1種以上を含むことができる。上記式において、M’はアルカリ金属イオンまたはアルカリ土類金属イオンである。Aとしては、前記Qと同様のものが挙げられる。aおよびbはどちらも1または1より大きい整数であり、a、bおよびcの電荷の合計はM2の電荷に等しい。水溶性の金属シアン化物塩の例としては、カリウムヘキサシアノコバルテート(III)、カリウムヘキサシアノフェレート(II)、カリウムヘキサシアノフェレート(III)、カルシウムヘキサシアノコバルテート(III)、リチウムヘキサシアノイリデート(III)などが挙げられる。
複金属シアン化物(DMC)触媒(j1)の具体例としては、亜鉛ヘキサシアノコバルテート(III)、亜鉛ヘキサシアノフェレート(III)、亜鉛ヘキサシアノフェレート(II)、ニッケル(II)ヘキサシアノフェレート(II)、コバルト(II)ヘキサシアノコバルテート(III)などが挙げられ、好ましくは亜鉛ヘキサシアノコバルテート(III)である。
このほか、特開平10−36500号公報、および米国特許第5,158,922号に記載のDMC触媒も使用できる。
アルキレンオキサイド(c)の付加条件については、通常行われる方法でよく、例えば、生成する開環重合体に対して、好ましくは0.0001〜10重量%、さらに好ましくは0.001〜1重量%の(j1)を用い、好ましくは0〜250℃、さらに好ましくは50〜180℃で反応させる。
また、本発明において、酸性触媒(j)として、下記一般式(1)、一般式(2)、および一般式(3)で表される化合物からなる群より選ばれる1種以上の化合物(j2)を用いることもできる。
X−T3 (1)



X−T2 (2)

2

X−T (3)
[式(1)、(2)、(3)中、それぞれ、Xはホウ素原子もしくはアルミニウム原子を表す;Fはフッ素原子である;Tは下記一般式(4)で表される(置換)フェニル基および/または下記一般式(5)で表される3級アルキル基を表し、Tが複数ある場合は、複数のTは同一もしくは異なっていてもよい。]
[式(4)中、Zは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、またはシアノ基を表す。kは0〜5の整数を表し、kが2以上のとき、複数のZはそれぞれ同一もしくは異なっていてもよい。]
1

−C−R2 (5)

3
[式(5)中、R1、R2、R3はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を表す。]
上記一般式(4)中のZのうち、好ましいのは水素原子、ハロゲン原子、シアノ基であり、さらに好ましいのハロゲン原子、シアノ基である。一般式(4)で表されるフェニル基もしくは置換フェニル基の具体例としては、フェニル基、ペンタフルオロフェニル基、p−メチルフェニル基、p−シアノフェニル基、p−ニトロフェニル基などが挙げられ、好ましいのは、フェニル基、ペンタフルオロフェニル基、p−シアノフェニル基であり、さらに好ましいのはフェニル基、ペンタフルオロフェニル基である。
上記一般式(5)中のR1、R2、R3の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基などが挙げられる。一般式(5)で表される3級アルキル基の具体例としては、t−ブチル基、t−ペンチル基などが挙げられる。
これらの(j2)の具体例としては、トリフェニルボラン、ジフェニル−t−ブチルボラン、トリ(t−ブチル)ボラン、トリフェニルアルミニウム、ジフェニル−t−ブチルアルミニウム、トリ(t−ブチル)アルミニウム、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、ビス(ペンタフルオロフェニル)−t−ブチルボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウム、ビス(ペンタフルオロフェニル)−t−ブチルアルミニウム、ビス(ペンタフルオロフェニル)フッ化ボラン、ジ(t−ブチル)フッ化ボラン、(ペンタフルオロフェニル)2フッ化ボラン、(t−ブチル)2フッ化ボラン、ビス(ペンタフルオロフェニル)フッ化アルミニウム、ジ(t−ブチル)フッ化アルミニウム、(ペンタフルオロフェニル)2フッ化アルミニウム、(t−ブチル)2フッ化アルミニウムなどが挙げられる。
これらの中で、好ましいのはトリフェニルボラン、トリフェニルアルミニウム、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウムであり、さらに好ましいのはトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウムから選ばれる一種以上である。
アルキレンオキサイド(c)の付加条件については、通常行われる方法でよく、例えば、生成する開環重合体に対して、好ましくは0.0001〜10重量%、さらに好ましくは0.001〜1重量%の(j2)を用い、好ましくは0〜250℃、さらに好ましくは20〜180℃で反応させる。
本発明においては、酸性触媒(j)として、(j1)または(j2)を用いるのが好ましいが、これら以外の酸性触媒を用いてもよい。他の酸性触媒としては、BF3;スカンジウム(III)トリフラート、スカンジウム(III)トリフリルイミド、スカンジウム(III)トリフリルメチドなどのスカンジウム触媒;塩化チタン(III)、塩化チタン(IV)、テトラ(i−プロポキシ)チタン(IV)などのチタン触媒;塩化スズ(IV)などのスズ触媒;などが挙げられる。
ポリオキシアルキレンポリオール組成物(Q)中の弱酸(g)の含有量は、(Q)に対して、0.00001〜1重量%が好ましく、更に好ましくは、0.0001〜0.5重量%である。0.00001重量%以上であると、前工程での弱酸塩と強酸の反応が完全に進行しており、1重量%以下であると、ポリオキシアルキレンポリオール組成物(R)を用いて製造した樹脂の伸び物性が良好である。
(Q)中の中和塩(e)の量は、好ましくは0.00001〜1重量%、更に好ましくは0.00005〜0.5重量%である。弱酸(g)および強酸(h)による中和が完全に進行していると、中和塩(e)の量は0.00001重量%以上となり、1重量%以下であると、ポリオキシアルキレンポリオール組成物(Q)を用いて製造した樹脂の伸び物性が良好である。
酸性触媒(j)の存在下、アルキレンオキサイド(c)の付加重合により得られるポリオキシアルキレンポリオール組成物(Q)中の中和塩(e)をろ過により除去し、次いで必要により脱水することにより、弱酸(g)とポリオキシアルキレンポリオールからなるポリオキシアルキレンポリオール組成物(R)が得られる。本発明の製造方法により、残存アルカリ金属触媒(a)、中和塩(e)の含量がいずれも1ppm以下の、弱酸(g)とポリオキシアルキレンポリオールからなるポリオキシアルキレンポリオール組成物(R)を容易に得ることができる。
弱酸(g)の含有量は、弱酸(g)含有ポリオキシアルキレンポリオール組成物(R)に対して、0.00001〜1重量%が好ましく、更に好ましくは、0.0001〜0.5重量%である。1重量%以下であると、ポリオキシアルキレンポリオール組成物(R)を用いて製造した樹脂の伸び物性が良好である。
中和塩(e)のろ過は、通常知られているいずれの方法で実施してもよい。例えば、前述のハイドロタルサイト系吸着剤(例えば、キョーワード500、キョーワード1000、キョーワード2000等<いずれも協和化学工業社製>)や珪藻土等のろ過助剤(例えば、ラヂオライト600、ラヂオライト800、ラヂオライト900<いずれも昭和化学工業社製>)などを用いることができる。ろ過は、加圧ろ過、減圧ろ過のどちらでもよいが、酸素の混入を防止しやすいので加圧ろ過が好ましい。フィルターの材質は特に限定されない。例えば、紙、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、アクリル、メタアラミドなどが挙げられるが紙が好ましい。また、フィルターの保留粒子径は0.1〜10μmのものが好ましく。さらに1〜5μmのものが好ましい。
水分の含有量が高い場合は、続いて、減圧下(100kPa以下)、90〜160℃で脱水する。方法としてはバッチ式でもよいし、シャワーリング方式でもよい。
なお、この工程においても、酸素不存在下で行うことが好ましく、酸素濃度が好ましくは1000ppm以下、更に好ましくは500ppm以下で行う。1000ppm以下であるとポリエーテルが酸化されにくくその結果着色されにくい。酸素濃度の低減は、ろ過装置中に窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガスを通入することで実施することが望ましい。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例中の部は重量部である。
実施例中、pHはJIS K1557〔ポリウレタン用ポリエーテル試験方法〕の6.9項の方法[イソプロピルアルコール/水(10/6容量比)混合液の約14体積%液]により測定した。水酸基価は同JIS試験方法の6.4項の水酸基価測定法に基づき測定した。水分は同JIS試験方法の6.5項のカールフィッシャー法により測定した。酸価は同JIS試験方法の6.6項の電位差滴定法により測定した。残留塩基濃度は同JIS試験方法の6.8項のCPR測定法に基づき測定し、アルカリ金属水酸化物として換算した。末端水酸基の1級OH化率は、予め試料をエステル化の前処理をした後に1H−NMR法により算出する。1H−NMR法の詳細を以下に具体的に説明する。
<試料調製法>
測定試料約30mgを直径5mmの1H−NMR用試料管に秤量し、約0.5mlの重水素化溶媒を加え溶解させる。その後、約0.1mlの無水トリフルオロ酢酸を添加し25℃で約5分間放置して、ポリオールをトリフルオロ酢酸エステルとし、分析用試料とする。
ここで重水素化溶媒とは、重水素化クロロホルム、重水素化トルエン、重水素化ジメチルスルホキシド、重水素化ジメチルホルムアミド等であり、試料を溶解させることのできる溶媒を適宜選択する。
<NMR測定>
通常の条件で1H−NMR測定を行う。
<末端水酸基の1級OH化率の計算方法>
1級水酸基の結合したメチレン基由来の信号は4.3ppm付近に観測され、2級水酸基の結合したメチン基由来の信号は5.2ppm付近に観測されるから、末端水酸基の1級OH化率は下式により算出する。
1級OH化率(%)=[r/(r+2s)]×100
ただし、
r:4.3ppm付近の1級水酸基の結合したメチレン基由来の信号の積分値
s:5.2ppm近の2級水酸基の結合したメチン基由来の信号の積分値
<製造例1>
オートクレーブにグリセリン92部、水酸化カリウム11部を仕込み、窒素置換後120℃にて60分真空脱水した。次いで、100〜110℃に昇温し、プロピレンオキサイド4400部を約3時間で圧入し、揮発分0.1重量%以下(酸を反応させて未反応の酸を逆滴定することによって測定できる。)となるまで同温度で反応を2時間続け、第1粗製ポリオキシアルキレンポリオール(d−1)を得た。第1粗製ポリオキシアルキレンポリオール(d−1)の水酸化カリウム濃度は、2,500ppm、CPRは1340であった。
<製造例2>
オートクレーブに1,2−プロピレングリコール76部、水酸化カリウム7.7部を仕込み、窒素置換後120℃にて60分真空脱水した。次いで、100〜110℃に昇温し、プロピレンオキサイド3124部を約3時間で圧入し、揮発分0.1重量%以下(酸を反応させて未反応の酸を逆滴定することによって測定できる。)となるまで同温度で反応を2時間続け、第1粗製ポリオキシアルキレンポリオール(d−2)を得た。第1粗製ポリオキシアルキレンポリオール(d−2)の水酸化カリウム濃度は、2,500ppm、CPRは1340であった。
<実施例1>
製造例1で得られた第1粗製ポリオキシアルキレンポリオール(d−1)1000部に水道水を85部(第1粗製ポリオキシアルキレンポリオールに対して8.5重量%)入れ、窒素置換により気相の酸素濃度450ppmとし、容器を密閉として120℃にて5分攪拌し、120℃で、プレフィルター、コアレッサー、セパレーターからなる多重層フィルターを有する液/液分離装置(日本ポール社製、製品名:フェーズセップコアレッサー)を通じ、水洗液/ポリエーテル液分離を行い、水相を除去して、第2粗製ポリオキシアルキレンポリオール(f−1)を得た。(f−1)は無色透明な外観を呈し、CPRは21ppm、水分2.7重量%であった。
第2粗製ポリオキシアルキレンポリオール(f−1)1,000部を10リットルのオートクレーブに入れ、窒素置換した後イルガノックス1010(テトラキス(メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン、チバスペシャリティーケミカル製、pKa10)を0.3部(アルカリ金属触媒1モルに対し酸性プロトンが1.5モル)加えて90℃にて30分攪拌した。次いで0.056部の62重量%硫酸水溶液(アルカリ金属触媒1モルに対し酸性プロトンが1.01モル)を加えた。そのまま90℃で3時間攪拌した後130℃にて減圧(20Torr)下、1時間脱水し、イルガノックス1010と硫酸カリウム、およびポリオキシアルキレンポリオールからなるポリオール組成物(P−1)を得た。ポリオール組成物(P−1)のpHは6.6、酸価は0.1以下であった。
<実施例2>
ポリオール組成物(P−1)4000部を10リットルのオートクレーブに入れ、亜鉛ヘキサシアノコバルテート(III)(DMC触媒)1部を仕込み、窒素置換した後、100〜110℃に昇温し、次いでプロピレンオキサイド2000部を約3時間かけて圧入した。プロピレンオキサイドの投入にともなって、反応器圧は低下し、プロピレンオキサイドが反応していることが示された。揮発分0.1重量%以下(酸を反応させて未反応の酸を逆滴定することによって測定できる。)となるまで同温度で反応を2時間続け、イルガノックス1010と硫酸カリウムおよびポリオキシアルキレンポリオールからなるポリオール組成物(Q−1)を得た。
ステンレス製加圧ろ過器(直径12.5cm、高さ9cm)を用い、No.2ろ紙(東洋濾紙社製)にて窒素下で加圧(0.1MPa)濾過を行なった。ろ液を130℃にて減圧(20Torr)下、1時間脱水し、無色透明(ハーゼン単位色数10)のイルガノックス1010とポリオキシアルキレンポリオールからなるポリオール組成物(R−1)を得た。(R−1)の残留塩基濃度は0.2ppm、中和塩(e)は検出されなかった(中和塩の測定はアルカリ金属濃度をICP発光分光分析装置により測定し、残留塩基のアルカリ分との差で求めた。)。ポリオール組成物(R−1)の水酸基価は28、1級OH化率は2%、酸価は0.1以下であった。
<実施例3>
ポリオール組成物(P−1)4000部を10リットルのオートクレーブに入れ、トリス(パーフルオロフェニル)ボラン0.2部を仕込み、窒素置換した後、70〜80℃に昇温し、次いでプロピレンオキサイド700部を約3時間かけてで圧入した。プロピレンオキサイドの投入にともなって、反応器圧は低下し、プロピレンオキサイドが反応していることが示された。揮発分0.1重量%以下(酸を反応させて未反応の酸を逆滴定することによって測定できる。)となるまで同温度で反応を2時間続け、イルガノックス1010と硫酸カリウムおよびポリオキシアルキレンポリオールからなるポリオール組成物(Q−2)を得た。
ステンレス製加圧ろ過器(直径12.5cm、高さ9cm)を用い、No.2ろ紙(東洋濾紙社製)にて窒素下で加圧(0.1MPa)濾過を行なった。ろ液を130℃にて減圧(20Torr)下、1時間脱水し、無色透明(ハーゼン単位色数10)のイルガノックス1010とポリオキシアルキレンポリオールからなるポリオール組成物(R−2)を得た。(R−2)の残留塩基濃度は0.2ppm、中和塩は検出されなかった(中和塩の測定はアルカリ金属濃度をICP発光分光分析装置により測定し、残留塩基のアルカリ分との差で求めた。)。ポリオール組成物(R−2)の水酸基価は39、1級OH化率は70%、酸価は0.1以下であった。
<比較例1>
第1粗製ポリオキシアルキレンポリオール(d−1)1,000部を10リットルのオートクレーブに入れ、窒素置換した後3.59部の62重量%硫酸水溶液(アルカリ金属触媒1モルに対し1.01モル)を加えて90℃にて30分攪拌した。続いて25部の水を加え3時間攪拌した後130℃にて減圧(20Torr)下、1時間脱水し、硫酸カリウムおよびポリオキシアルキレンポリオールからなるポリオール組成物(N−1)を得た。ポリオール組成物(N−1)のpHは6.6、酸価は0.1以下であった。
<比較例2>
ポリオール組成物(N−1)4000部を10リットルのオートクレーブに入れ、亜鉛ヘキサシアノコバルテート(III)(DMC触媒)1部を仕込み、窒素置換した後、100〜110℃に昇温し、次いでプロピレンオキサイドの圧入を試みたが、反応器内圧の低下が見られず実施することができなかった。
<比較例3>
ポリオール組成物(N−1)4000部を10リットルのオートクレーブに入れ、トリス(パーフルオロフェニル)ボラン0.2部を仕込み、窒素置換した後、70〜80℃に昇温し、次いでプロピレンオキサイドの圧入を試みたが、反応器内圧の低下が見られず実施することができなかった。
<比較例4>
実施例1で得られた第2粗製ポリオキシアルキレンポリオール(f−1)1,000部を10リットルのオートクレーブに入れ、窒素置換した後0.056部の62重量%硫酸水溶液(アルカリ金属触媒1モルに対し酸性プロトンが1.01モル)を加えた。そのまま90℃で3時間攪拌した後130℃にて減圧(20Torr)下、1時間脱水し、硫酸カリウムおよびポリオキシアルキレンポリオールからなるポリオール組成物(O−1)を得た。ポリオール(O−1)のpHは6.8、酸価は0.1以下であった。
<比較例5>
ポリオール組成物(O−1)4000部を10リットルのオートクレーブに入れ、亜鉛ヘキサシアノコバルテート(III)(DMC触媒)1部を仕込み、窒素置換した後、100〜110℃に昇温し、次いでプロピレンオキサイドの圧入を試みたが、反応器内圧の低下が見られず実施することができなかった。
<比較例6>
ポリオール組成物(O−1)4000部を10リットルのオートクレーブに入れ、トリス(パーフルオロフェニル)ボラン0.2部を仕込み、窒素置換した後、70〜80℃に昇温し、次いでプロピレンオキサイドの圧入を試みたが、反応器内圧の低下が見られず実施することができなかった。
<実施例4>
製造例2で得られた第1粗製ポリオキシアルキレンポリオール(d−2)1000部に水道水を95部(第1粗製ポリオキシアルキレンポリオールに対して9.5重量%)入れ、窒素置換により気相の酸素濃度450ppmとし、容器を密閉として120℃にて5分攪拌し、120℃で、プレフィルター、コアレッサー、セパレーターからなる多重層フィルターを有する液/液分離装置(日本ポール社製、製品名:フェーズセップコアレッサー)を通じ、水洗液/ポリエーテル液分離を行い、水相を除去して、第2粗製ポリオキシアルキレンポリオール(f−2)を得た。(f−2)は無色透明な外観を呈し、CPRは76ppm、水分4.0重量%であった。
第2粗製ポリオキシアルキレンポリオール(f−2)1,000部を10リットルのオートクレーブに入れ、窒素置換した後イルガノックス1076(オクタデシル−3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チバスペシャリティーケミカル製、pKa10)を5部(アルカリ金属触媒1モルに対し酸性プロトンが3.7モル)加えて90℃にて30分攪拌した。次いで0.44部の90重量%りん酸水溶液(アルカリ金属触媒1モルに対し酸性プロトンが4.8モル)を加えた。そのまま90℃で3時間攪拌した後130℃にて減圧(20Torr)下、1時間脱水し、イルガノックス1076とリン酸カリウムおよびポリオキシアルキレンポリオールからなるポリオール組成物(P−2)を得た。ポリオール組成物(P−2)のpHは5.6、酸価は0.5であった。
<実施例5>
ポリオール組成物(P−2)3200部を10リットルのオートクレーブに入れ、亜鉛ヘキサシアノコバルテート(III)(DMC触媒)1部を仕込み、窒素置換した後、100〜110℃に昇温し、次いでプロピレンオキサイド2800部を約3時間かけて圧入した。プロピレンオキサイドの投入にともなって、反応器圧は低下し、プロピレンオキサイドが反応していることが示された。揮発分0.1重量%以下(酸を反応させて未反応の酸を逆滴定することによって測定できる。)となるまで同温度で反応を2時間続け、イルガノックス1076とリン酸カリウムおよびポリオキシアルキレンポリオールからなるポリオール組成物(Q−3)を得た。
ステンレス製加圧ろ過器(直径12.5cm、高さ9cm)を用い、No.2ろ紙(東洋濾紙社製)にて窒素下で加圧(0.1MPa)濾過を行なった。ろ液を130℃にて減圧(20Torr)下、1時間脱水し、無色透明(ハーゼン単位色数10)のイルガノックス1076とポリオキシアルキレンポリオールからなるポリオール組成物(R−3)を得た。(R−3)の残留塩基濃度は0.1ppm、中和塩は検出されなかった(中和塩の測定はアルカリ金属濃度をICP発光分光分析装置により測定し、残留塩基のアルカリ分との差で求めた。)。ポリオール組成物(R−3)の水酸基価は19、1級OH化率は1%、酸価は0.4であった。
<実施例6>
ポリオール組成物(P−2)3200部を10リットルのオートクレーブに入れ、トリス(パーフルオロフェニル)ボラン0.2部を仕込み、窒素置換した後、70〜80℃に昇温し、次いでプロピレンオキサイド400部を約3時間かけてで圧入した。プロピレンオキサイドの投入にともなって、反応器圧は低下し、プロピレンオキサイドが反応していることが示された。揮発分0.1重量%以下(酸を反応させて未反応の酸を逆滴定することによって測定できる。)となるまで同温度で反応を2時間続け、イルガノックス1076とリン酸カリウムおよびポリオキシアルキレンポリオールからなるポリオール組成物(Q−4)を得た。
ステンレス製加圧ろ過器(直径12.5cm、高さ9cm)を用い、No.2ろ紙(東洋濾紙社製)にて窒素下で加圧(0.1MPa)濾過を行なった。ろ液を130℃にて減圧(20Torr)下、1時間脱水し、無色透明(ハーゼン単位色数10)のイルガノックス1076とポリオキシアルキレンポリオールからなるポリオール組成物(R−4)を得た。(R−4)の残留塩基濃度は0.2ppm、中和塩は検出されなかった(中和塩の測定はアルカリ金属濃度をICP発光分光分析装置により測定し、残留塩基のアルカリ分との差で求めた。)。得られたポリオール組成物(R−4)の水酸基価は32、1級OH化率は68%、酸価は0.4であったであった。
<比較例7>
第1粗製ポリオキシアルキレンポリオール(d−2)1,000部を10リットルのオートクレーブに入れ、窒素置換した後2.1部の90重量%リン酸水溶液(アルカリ金属触媒1モルに対し1.3モル)を加えて90℃にて30分攪拌した。続いて25部の水を加え3時間攪拌した後130℃にて減圧(20Torr)下、1時間脱水し、リン酸カリウムおよびポリオキシアルキレンポリオールからなるポリオール組成物(N−2)を得た。この混合物のpHは4.1、酸価は0.8であった。
<比較例8>
ポリオール組成物(N−2)3200部を10リットルのオートクレーブに入れ、亜鉛ヘキサシアノコバルテート(III)(DMC触媒)1部を仕込み、窒素置換した後、100〜110℃に昇温し、次いでプロピレンオキサイドの圧入を試みたが、反応器内圧の低下が見られず実施することができなかった。
<比較例9>
ポリオール組成物(N−2)3200部を10リットルのオートクレーブに入れ、トリス(パーフルオロフェニル)ボラン0.2部を仕込み、窒素置換した後、70〜80℃に昇温し、次いでプロピレンオキサイドの圧入を試みたが、反応器内圧の低下が見られず実施することができなかった。
<比較例10>
実施例4で得られた第2粗製ポリオキシアルキレンポリオール(f−2)1,000部を10リットルのオートクレーブに入れ、窒素置換した後0.36部の90重量%りん酸水溶液(アルカリ金属触媒1モルに対し酸性プロトンが4.0モル)を加えた。そのまま90℃で3時間攪拌した後130℃にて減圧(20Torr)下、1時間脱水し、リン酸カリウムおよびポリオキシアルキレンポリオールからなるポリオール組成物(O−2)を得た。この混合物のpHは5.5、酸価は0.2であった。
<比較例11>
ポリオール組成物(O−2)3200部を10リットルのオートクレーブに入れ、亜鉛ヘキサシアノコバルテート(III)(DMC触媒)1部を仕込み、窒素置換した後、100〜110℃に昇温し、次いでプロピレンオキサイドの圧入を試みたが、反応器内圧の低下が見られず実施することができなかった。
<比較例12>
ポリオール組成物(O−2)3200部を10リットルのオートクレーブに入れ、トリス(パーフルオロフェニル)ボラン0.2部を仕込み、窒素置換した後、70〜80℃に昇温し、次いでプロピレンオキサイドの圧入を試みたが、反応器内圧の低下が見られず実施することができなかった。
本発明の製造方法により得られる、アルカリ金属触媒の存在下アルキレンオキサイドを付加重合して得られたポリオキシアルキレンポリオールを弱酸および強酸により中和した後に、酸性化合物の存在下アルキレンオキサイドを付加重合させ得られるポリオキシアルキレンポリオール組成物は、軟質ポリウレタンフォーム用原料、硬質ポリウレタンフォーム用原料、ウレタン接着剤用原料など各種原料として有用である。

Claims (11)

  1. アルカリ金属触媒(a)の存在下、活性水素含有化合物(b)にアルキレンオキサイド(c)を付加重合させて得られる第1粗製ポリオキシアルキレンポリオール(d)を下記〔1〕〔2〕の順に処理することを特徴とする中和塩(e)、弱酸(g)およびポリオキシアルキレンポリオールからなるポリオキシアルキレンポリオール組成物(P)の製造方法。
    〔1〕第1粗製ポリオキシアルキレンポリオール(d)に水を添加し、次いで液/液分離装置を用いて分液後、水相を除去し第2粗製ポリオキシアルキレンポリオール(f)を得る。
    〔2〕第2粗製ポリオキシアルキレンポリオール(f)を弱酸(g)、次いで強酸(h)により2段階で中和した後、脱水して(P)を得る。
  2. 弱酸(g)のpKaが3.5〜13である請求項1記載の製造方法。
  3. 弱酸(g)がフェノール基含有化合物である請求項1または2記載の製造方法。
  4. 強酸(h)が鉱物酸である請求項1〜3のいずれか記載の製造方法。
  5. 弱酸(g)中の酸性プロトン量が、第2粗製ポリオキシアルキレンポリオール(f)中の残存アルカリ金属触媒(a)1モルに対して、1.00〜10モルである請求項1〜4のいずれか記載の製造方法。
  6. 強酸(h)中の酸性プロトン量が、第2粗製ポリオキシアルキレンポリオール(f)中の残存アルカリ金属触媒(a)1モルに対して、1.00〜10モルである請求項1〜5のいずれか記載の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか記載の製造方法により得られるポリオキシアルキレンポリオール組成物(P)に、酸性触媒(j)を添加しアルキレンオキサイド(c)を付加重合させる、中和塩(e)、弱酸(g)およびポリオキシアルキレンポリオールからなるポリオキシアルキレンポリオール組成物(Q)の製造方法。
  8. 酸性触媒(j)が、複金属シアン化物(DMC)触媒(j1)である請求項7記載の製造方法。
  9. 酸性触媒(j)が、下記一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物、および一般式(3)で表される化合物からなる群より選ばれる1種以上の化合物(j2)である請求項7記載の製造方法。
    X−T3 (1)



    X−T2 (2)

    2

    X−T (3)
    [式(1)、(2)、(3)中、それぞれ、Xはホウ素原子もしくはアルミニウム原子を表す;Fはフッ素原子である;Tは下記一般式(4)で表される(置換)フェニル基および/または下記一般式(5)で表される3級アルキル基を表し、Tが複数ある場合は、複数のTは同一もしくは異なっていてもよい。]
    [式(4)中、Zは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、またはシアノ基を表す。kは0〜5の整数を表し、kが2以上のとき、複数のZはそれぞれ同一もしくは異なっていてもよい。]
    1

    −C−R2 (5)

    3
    [式(5)中、R1、R2、R3はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を表す。]
  10. 請求項7〜9のいずれか記載の製造方法により得られるポリオキシアルキレンポリオール組成物(Q)中の中和塩(e)をろ過により除去する、弱酸(g)およびポリオキシアルキレンポリオールからなるポリオキシアルキレンポリオール組成物(R)の製造方法。
  11. 請求項10記載の製造方法により得られ、残存アルカリ金属触媒(a)、中和塩(e)の含有量がいずれも1ppm以下である弱酸(g)およびポリオキシアルキレンポリオールからなるポリオキシアルキレンポリオール組成物(R)。
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