JP2007281067A - 半導体装置の製造方法、及びそれに用いる半導体ウェハ加工用の粘着シート - Google Patents
半導体装置の製造方法、及びそれに用いる半導体ウェハ加工用の粘着シート Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 半導体ウェハ外周端部のナイフエッジによるウェハの破損を低減できる半導体装置の製造方法、およびそれに用いる半導体ウェハ加工用の粘着シートを提供する。
【解決手段】 半導体ウェハ加工用の粘着シート12を、外周端部が面取り加工された半導体ウェハ11のパターン形成面に貼り付けて、該半導体ウェハ11を加工する半導体装置の製造方法であって、前記半導体ウェハ11と、前記粘着シート12であって基材12aに少なくとも粘着剤層12bが設けられた粘着シート12とを貼り合わせる工程と、前記粘着シート12の周縁部を変形加工して、粘着シート12と前記半導体ウェハ11に於ける面取り加工された部分との間の隙間13を塞ぐ工程と、前記半導体ウェハ12のパターン形成面とは反対側の面を薄型加工する工程とを含む。
【選択図】 図1
【解決手段】 半導体ウェハ加工用の粘着シート12を、外周端部が面取り加工された半導体ウェハ11のパターン形成面に貼り付けて、該半導体ウェハ11を加工する半導体装置の製造方法であって、前記半導体ウェハ11と、前記粘着シート12であって基材12aに少なくとも粘着剤層12bが設けられた粘着シート12とを貼り合わせる工程と、前記粘着シート12の周縁部を変形加工して、粘着シート12と前記半導体ウェハ11に於ける面取り加工された部分との間の隙間13を塞ぐ工程と、前記半導体ウェハ12のパターン形成面とは反対側の面を薄型加工する工程とを含む。
【選択図】 図1
Description
本発明は、半導体装置の製造方法、およびそれに用いる半導体基板加工用の粘着シートに関する。より詳細には、半導体ウェハ加工用の粘着シートを用いて半導体ウェハの研削等を行う半導体装置の製造方法、及びそれに用いる半導体ウェハ加工用の粘着シートに関する。
ICカードや薄膜トランジスタ等の半導体集積回路を作製する際、その基板となる半導体ウェハの厚みを薄くすることによって、デバイスの小型化が可能となり、使用上の自由度を向上させることが出来る。ICカードなどでは薄型化、小チップ化を図る為に、半導体チップとしては厚さ100μm以下の超薄型チップが望まれている。
しかしながら、半導体ウェハの多くは半導体チップ製造工程における加熱やエッチング処理の繰り返しにおいてウェハ自体の割れや、欠けが発生しないように外周端部を面取りしている。図3は、従来の半導体ウェハに於ける面取り加工された外周端部の形状を示す模式図である。図4は、半導体ウェハが薄型加工された外周端部の断面形状を示す模式図である。図3に示すように、半導体ウェハ100の外周端部が面取り加工された結果、面取り加工部101の断面形状は略円弧状となっている。
その為、図4(a)および(b)に示すように、従来の半導体ウェハ固定用の粘着シート102を半導体ウェハ100に貼り付け、該半導体ウェハ100を厚さが100μm以下まで薄型加工等する場合に、半導体ウェハ100の面取り加工部101が、非常に鋭利でかつ脆くなる(以下、これをナイフエッジと言い、その部分をナイフエッジ部104と言う)。このとき、従来の半導体ウェハ100に於けるナイフエッジ部104では、粘着シート102との間に隙間105が生じている。その為、従来の粘着シート102では、ナイフエッジ部104を十分に支持することができず、半導体ウェハ100の破損の原因になるという問題がある。
本発明は上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、半導体ウェハ外周端部のナイフエッジによるウェハの破損を低減できる半導体装置の製造方法、およびそれに用いる半導体ウェハ加工用の粘着シートを提供することにある。
本願発明者は、上記従来の問題点を解決すべく、半導体装置の製造方法、およびそれに用いる半導体ウェハ加工用の粘着シートについて鋭意検討した。その結果、以下の構成とすることにより、前記目的を達成できることを見出して、本発明を完成させるに至った。
即ち、前記の課題を解決する為に、本発明に係る半導体装置の製造方法は、半導体ウェハ加工用の粘着シートを、外周端部が面取り加工された半導体ウェハのパターン形成面に貼り付けて、該半導体ウェハを加工する半導体装置の製造方法であって、前記半導体ウェハと、前記粘着シートであって基材に少なくとも粘着剤層が設けられた粘着シートとを貼り合わせる工程と、前記粘着シートの周縁部を変形加工して、粘着シートと前記半導体ウェハに於ける面取り加工された部分との間の隙間を塞ぐ工程と、前記半導体ウェハのパターン形成面とは反対側の面を薄型加工する工程とを含むことを特徴とする。
外周端部が面取り加工された半導体ウェハと、粘着シートとを貼り合わせると、面取り加工された部分では粘着シートとの間に隙間が生じる。しかし前記方法であると、粘着シートの周縁部を変形加工して、粘着シートと半導体ウェハの面取り加工された部分との間の隙間を塞ぐので、該面取り加工された部分も確実に粘着シートで接着固定する。これにより、その後の半導体ウェハの加工等においてその破損を抑制することができる。すなわち、例えば半導体ウェハの裏面(パターン形成面とは反対側の面)の研削による薄型加工に於いて、半導体ウェハの外周端部がエッジナイフとなっても、該半導体ウェハの破損を防止することができる。また、ウェハキャリア等による搬送工程に於いても、半導体ウェハの破損の心配がないので搬送が容易となり、取り扱い性、作業性が向上する。さらに、半導体ウェハ表面を粘着テープで固定しているため、薄型加工の際にも半導体ウェハに反りが生じるのを抑制する。また、粘着シートと半導体ウェハは隙間無く貼り合わされるので、薄型加工の際に行われる、酸若しくはアルカリ等によるウェットエッチング又は半導体ウェハ上へのパターン形成時に行われるレジスト除去工程において、エッチング液又はレジスト剥離液等が半導体ウェハと粘着シートの間に浸入するのを防ぐ。その結果、半導体ウェハのパターン形成面が汚染されるのを防止することができる。
前記粘着シートに於ける周縁部の変形加工は、前記粘着シートとして前記半導体ウェハよりも平面形状の大きいものを用意して、前記半導体ウェハの平面形状に対応させた領域を該粘着シート側から行う打ち抜き加工であり、前記打ち抜き加工により前記基材に発生するバリが、粘着シートと半導体ウェハに於ける面取り加工された部分との間の隙間を塞ぐことができる。
打ち抜き加工を行うと、粘着シートに於ける基材にバリが発生する。前記方法では粘着シート側から打ち抜き加工を行うので、バリは打ち抜き方向、即ち半導体ウェハ側に向かって形成される。その結果、バリは粘着シートと半導体ウェハの面取り加工された部分との間の隙間を塞ぎ、これにより半導体ウェハの薄型加工の際に該半導体ウェハが破損するのを低減することができる。
また、前記粘着シートに於ける周縁部の変形加工は、前記周縁部に前記基材の弾性限界を超える荷重を半導体ウェハ側に加えて折り曲げ、周縁部を塑性変形させる加工であり、前記塑性変形により変形した周縁部が、粘着シートと半導体ウェハに於ける面取り加工された部分との間の隙間を塞ぐことができる。
粘着シートの周縁部に基材の弾性限界を超える荷重を加えて折り曲げると、該周縁部に於いて塑性変形を生じる。これにより、粘着シートの周縁部はもとの状態に復元することなく、半導体ウェハの面取り加工された部分に密着・固定する。即ち、前記方法であると、粘着シートと半導体ウェハに於ける面取り加工された部分との間の隙間を塞ぐことができ、半導体ウェハの破損を低減することができる。
前記粘着シートに於ける周縁部の変形加工は、前記半導体ウェハに於ける面取り加工された部分と粘着シートとの間の隙間に応じて、粘着シートと半導体ウェハとの境界面から半導体ウェハ側に高低差0.01〜1mmの範囲内で変形させるものであることが好ましい。
前記方法は、前記薄型加工の工程後に、前記半導体ウェハから粘着シートを剥離する工程を行い、該剥離は、前記粘着剤層に於ける粘着力を低下させて行うことができる。
前記方法であると、粘着剤層の粘着力を低下させて粘着シートの剥離を行うので、剥離が容易となる。これにより、半導体ウェハの破損を抑制することができ、歩留まりの向上が図れる。
この場合、前記粘着シートとして、熱剥離型の粘着剤層を有するもの、または放射線硬化型の粘着剤層を有するものを使用するのが好ましい。
この様な粘着シートを使用することにより、半導体ウェハからの剥離を容易にし、半導体ウェハの剥離の際に於ける半導体ウェハの破損を低減することができる。
前記の方法は、前記半導体ウェハの薄型加工した面にダイシングテープを貼り合わせた後に、前記粘着シートを該半導体ウェハから剥離する工程を含むことができる。
この方法であると、半導体ウェハが薄型加工されてからダイシングにより半導体チップにされるまで、半導体ウェハのパターン形成面が空気中に曝されることがない。即ち、常に何らかのシートでパターン形成面を保護している。よって、強度のない極薄の半導体ウェハでも、例えば搬送中に破損するのを防止できる。
また、前記の課題を解決する為に、本発明に係る半導体ウェハ加工用の粘着シートは、外周端部が面取り加工された半導体ウェハのパターン形成面に貼り付けて、該半導体ウェハを加工する際に用いる半導体ウェハ加工用の粘着シートであって、前記粘着シートは、基材上に少なくとも粘着剤層が設けられて構成されており、前記基材の弾性限界は、30〜1000Paの範囲内であることを特徴とする。
前記の構成によれば、基材の弾性限界が30〜1000Paである為、これを超える荷重を粘着シートに加えると塑性変形を伴う加工が可能になる。従って、例えば粘着シートに於ける周縁部に前記弾性限界を超える荷重を半導体ウェハ側に加えて折り曲げると、該周縁部が塑性変形して、粘着シートと半導体ウェハに於ける面取り加工された部分との間の隙間を塞ぐことができる。その結果、半導体ウェハ裏面の研削によりその外周端部がエッジナイフとなっても、エッジナイフの部分も粘着シートが接着・固定しているので、半導体ウェハの破損を低減しつつ半導体ウェハの加工を可能にする。
前記基材の圧縮永久歪みは、5%以上であることが好ましい。
前記の構成であると、半導体ウェハのパターン形成面の凹凸に対しても十分に追従して密着させることができる。その結果、半導体ウェハの研削加工の際に割れやデインプル等が発生するのを低減することができる。
本発明は、前記に説明した手段により、以下に述べるような効果を奏する。
即ち、本発明によれば、半導体ウェハの面取り加工された部分と粘着シートとの間を隙間なく固定させることから、半導体ウェハの薄型加工などに於いて面取り加工された部分がナイフエッジとなっても、半導体ウェハの破損を低減することができる。その結果、歩留まりよく半導体装置を製造することが可能になる。また、半導体ウェハの取扱いも容易になり、半導体ウェハの搬送工程等に於いて該ウェハが破損するのを低減することができる。
即ち、本発明によれば、半導体ウェハの面取り加工された部分と粘着シートとの間を隙間なく固定させることから、半導体ウェハの薄型加工などに於いて面取り加工された部分がナイフエッジとなっても、半導体ウェハの破損を低減することができる。その結果、歩留まりよく半導体装置を製造することが可能になる。また、半導体ウェハの取扱いも容易になり、半導体ウェハの搬送工程等に於いて該ウェハが破損するのを低減することができる。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態について、図を参照しながら以下に説明する。但し、説明に不要な部分は省略し、また説明を容易にする為に拡大または縮小等して図示した部分がある。
本発明の実施の形態について、図を参照しながら以下に説明する。但し、説明に不要な部分は省略し、また説明を容易にする為に拡大または縮小等して図示した部分がある。
本実施の形態に係る半導体装置の製造方法について、図1に基づいて説明する。図1は、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法を説明する為の工程図であって、同図(a)は外周端部が面取り加工された半導体ウェハの状態を示し、同図(b)は該半導体ウェハに粘着シートを貼り付けた状態を示し、同図(c)は打ち抜き加工の様子を表し、同図(d)は半導体ウェハを薄型加工する状態を示し、同図(e)は薄型加工後の粘着シート付き半導体ウェハを示す。
本実施の形態に係る半導体装置の製造方法は、半導体ウェハ11の外周端部を面取り加工する工程と、半導体ウェハ11と前記粘着シート12とを貼り合わせる工程と、粘着シート12の打ち抜き加工の工程と、半導体ウェハ11の粘着シート12が貼り付けられた面とは反対側の面を薄型加工する工程とを有する。また、本実施の形態に係る粘着シート12は、基材12a上に粘着剤層12bが積層された構成である。尚、粘着シート12の詳細については、後段にて述べる。
本実施の形態に係る半導体装置の製造方法で使用される半導体ウェハ11とは、半導体素子が形成された基板を意味する。半導体ウェハ11の原料としては、例えばシリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、またはガリウム−ヒ素(Ga−As)等が挙げられる。
前記半導体ウェハ11の外周端部を面取り加工する工程は、インゴットから切り出された直後のウェハの外周端部に、所定のテーパおよび丸みを持つ凸のR形状の面取り加工を施すものである(図1(a)参照)。面取り加工は、面取り加工部11a、即ちR形状の頂点の位置が例えば半導体ウェハ11の厚さ方向の断面中心上に位置するように施される。本工程は、半導体素子の製造プロセス中に生じる半導体ウェハ11の割れ及び欠け等の防止の為、並びにエピタキシャル成長時の周辺の異常成長(クラウン)を避けるために行われる。尚、上述の面取り加工後、面取り加工部11aの表面を鏡面研磨してもよい。
前記半導体ウェハ11と粘着シート12とを貼り合わせる工程は、該半導体ウェハ11のパターン面に粘着シート12を貼り付けて、パターン面を保護する為に行うものである(図1(b)参照)。貼り付けは、テーブル上にパターン面が上になるように半導体ウェハ11を載置し、粘着シート12の粘着剤層12bをパターン面に重ね、圧着ロールなどの押圧手段により、押圧しながら貼り付ける。また、加圧可能な容器(例えばオートクレーブなど)中で、半導体ウェハ11と粘着シート12を上記のように重ね、容器内を加圧することにより半導体ウェハ11に貼り付けることもできる。この際、押圧手段により押圧しながら貼り付けてもよい。また、真空チャンバー内で、上記と同様に貼り付けることもできる。これらの方法で貼り付ける際には、粘着シート12を30〜150℃程度まで加熱してもよい。
尚、エネルギー線や熱などのエネルギーを与えて粘着剤層12bを硬化させ、半導体ウェハ11を粘着シート12に埋め込んだ状態で接着固定してもよい。エネルギーを付与する方法としては、粘着剤層12bを硬化できるのであれば特に限定されない。例えば、エネルギー線として紫外線を照射する場合には、その照射条件は、積算光量10〜3000mJ/cm2とするのが好ましい。また、加熱する場合には、その加熱条件は、加熱方法(熱風乾燥機、ホットプレート、赤外線加熱など)にも依存するが、加熱温度80〜250℃、加熱時間0.5秒〜30分とするのが好ましい。但し、粘着剤層12bの硬化により、粘着剤層12bの体積膨張に起因して、半導体ウェハ11の埋め込みの戻りなどの現象が発生する場合がある。従って、粘着剤層12bの硬化が終わるまでプレス装置等により半導体ウェハ11の全面に均一に圧力をかけておくことが好ましい。
粘着シート12の打ち抜き加工の工程は、半導体ウェハ11の面取り加工部11aと粘着シート12との間に生じている隙間13を塞ぐ為に行う工程である(図1(c)参照)。粘着シート12に打ち抜きを行うと、基材12aの周縁部にバリ21を形成することができる。本工程では、隙間13の大きさに応じ、粘着シート12と半導体ウェハ11との境界面から半導体ウェハ11側に向かって高低差が0.01〜1mmとなる様にバリ21が形成されるのが好ましい。一般に、半導体ウェハ11の垂直方向に於ける隙間13の大きさは0.01〜1mmの範囲内である。従って、前記高低差が0.01mmよりも小さくなる様なバリが形成されると、隙間13を十分に埋めることができず、半導体ウェハ11の破損を招来する。その一方、高低差が1mmよりも大きくなる様なバリが形成されると、研削の際にエッジにはみ出した粘着剤が研削面上に移行し、エッジ欠け、裏面摩擦焼けが発生する場合がある。打ち抜きは半導体ウェハ11の平面形状に対応させて、薄型加工時の仕上げ厚さとほぼ同一となる様に行う。打ち抜き方向は、バリ21を発生させたい方向を考慮して設定する必要がある。よって、隙間13を塞ぐという観点から、粘着シート12側から該粘着シート12に対して垂直となる方向にするのが好ましい。打ち抜き速度は特に限定されるものではなく、基材12aの硬軟に応じて適宜設定すればよい。具体的には、5×10−4〜1×10−2m/sの範囲内であることが好ましい。また、本工程では、従来公知の種々の打ち抜き機を用いて行うことができる。
また、本実施の形態に於いては、粘着シート12は、その平面形状が半導体ウェハ11よりも大きいものを使用する必要がある。通常の打ち抜き加工の場合、打ち抜きの輪郭形状よりも大きい粘着シートを使用し、該輪郭形状よりも大きくした部分(さん(bridge))は、バリ等の発生を防ぐために所定の幅以上に設定されている。しかし、本実施の形態に於いては、バリ21の形成を目的としているので、打ち抜きが可能な範囲内であればさん幅を従来よりも小さくすることができる。さん幅は、具体的には1〜50mmの範囲内であることが好ましく、5〜30mmの範囲内であることがより好ましい。
半導体ウェハ11の裏面の薄型加工をする工程は、例えば研削工程、研磨工程(CMP)またはエッチング工程といった機械的または化学的方法等の従来公知の種々の方法を行う工程である。例えば、図1(d)に示すように、半導体ウェハ11の位置を上下反転し、支持ウェハ15をチャッキングして半導体ウェハ11の裏面の薄型加工を行う。この様な薄型加工に用いる薄型加工機14としては特に限定されず、例えば研削機(バックグラインダー)、CMPパッド等が例示できる。薄型加工は、半導体ウェハ11が所望の厚さになるまで行われる。この薄型加工により、面取り加工部11aはナイフエッジ部11a’となるが(図1(e)参照)、本実施の形態に於いては面取り加工部11aがバリ21により支持されているので、該半導体ウェハ11’に割れや欠け等の原因を除去できる。また、パターン面が粘着シート12により保護されているので、研削時に生じる研削屑等によってパターン面が汚染されるのを防止する。
尚、半導体ウェハ11に対する薄型加工の工程後には、該半導体ウェハ11の切断工程が行われる。本工程は、ダイシングにより該半導体ウェハ11を個片化して半導体チップ(図示しない)を製造する為に行うものである。ダイシングは、半導体ウェハ11のパターン形成面側から行う。ダイシングは、フルカットでもよく、或いはハーフカットでもよい。本工程で用いるダイシング装置としては特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。本実施の形態に於いては、半導体ウェハ11の面取り加工部11aに於いても粘着シート12が接着固定しているので、チップ欠けやチップ飛びを低減できると共に、半導体ウェハ11の破損も抑制できる。
前記ダイシング工程は、通常、半導体ウェハ11から粘着シート12を剥離し、該半導体ウェハ11の裏面にダイシングテープを貼り合わせて行われる。しかし、半導体ウェハ11を薄型加工した後、該半導体ウェハ11の裏面にダイシングテープを貼り合わせ、その後粘着シート12を剥離するマウント剥離を行ってもよい。この方式であると、半導体ウェハ11が薄く研削されてから半導体チップにダイシングされるまで、半導体ウェハ11のパターン形成面が空気中に曝されることがない。即ち、常に何らかのシートでパターン形成面が保護されていることになる。よって、強度のない極薄の半導体ウェハでも、例えば搬送中に破損するのを防止できる。
前記ダイシングの後は、半導体チップのピックアップ工程を行うことができる。ピックアップの方法としては特に限定されず、従来公知の種々の方法を採用できる。例えば、個々の半導体チップを粘着シート12側(下方側)からニードルによって突き上げ、突き上げられた半導体チップをピックアップ装置によってピックアップする方法などが挙げられる。
ここで、後述の熱剥離型の粘着剤層、または放射線硬化型の粘着剤層を有する粘着シートを用いる場合には、粘着剤層を加熱処理または放射線照射してもよい。熱剥離型の粘着剤層の場合、これを加熱すると、熱発泡性又は熱膨張性成分により気泡層が膨張して、半導体チップとの接着面積を著しく減少させることができる。これにより、半導体チップに対する粘着シートの粘着力が低下し、半導体チップからの粘着シートの剥離が容易になる。その結果、半導体チップを損傷させることなくピックアップが可能となる。加熱処理を行う場合に於ける加熱温度、加熱時間等の加熱の条件は特に限定されず、適宜必要に応じて設定すればよい。また、放射線硬化型の粘着剤層の場合、放射線照射の際の照射強度、照射時間等の条件は特に限定されず、適宜必要に応じて設定すればよい。尚、放射線としては、例えば紫外線、電子線等が挙げられる。
次に、本実施の形態に係る半導体ウェハ加工用の粘着シート12について説明する。本実施の形態に係る粘着シート12は、基材12a上に粘着剤層12bが積層された構成である(図1(b)参照)。
前記基材12aは、粘着剤層12b等の支持母体となるものであり、かつ加工変形が可能である。基材12aの材料としては、半導体ウェハ加工用粘着シートに使用される各種のものを特に制限なく使用することができる。一般には、プラスチックのフィルムやシートが用いられ、より具体的には、低密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、ランダム共重合ポリプロピレン、ブロック共重合ポリプロピレン、ホモポリプロレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル(ランダム、交互)共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂、セルロース系樹脂、及びこれらの架橋体などのポリマー、熱硬化性樹脂、紙、布、不織布、金属箔、それらのプラスチックラミネート体、プラスチック同士の積層体等の各種材料が挙げられる。これらの材料は、必要に応じて数種をブレンドしたものを用いることができる。バリ21の形成の容易さの観点からは、前記材料のうち、ポリエステル、ポリイミド等が好ましい。また、ポリエステル、ポリイミド等は比較的硬材料であるため、前記の打ち抜き速度は、例えば1×10−3m/s程度に遅く設定するのが好ましい。バリ21の形成が容易になるからである。基材12aの厚み(積層体の場合は総厚み)は特に限定されないが、粘着シート付きウェハの剛性を高める観点から厚い方が良い。但し、粘着シート12の剥離などの作業性を考慮すると500μm以下が好ましく、1〜300μmがより好ましく、5〜250μmが特に好ましい。
基材12aは、無延伸のものを用いてもよく、必要に応じて一軸または二軸の延伸処理を施したものを用いてもよい。また、その表面には、必要に応じてマット処理、コロナ放電処理、プライマー処理、架橋処理(化学架橋(シラン結合))などの慣用の物理的または化学的処理を施すことができる。
前記粘着剤層12bは、半導体ウェハ11を接着固定する層である。これにより、半導体ウェハ11の薄型加工において半導体ウェハ11と粘着シート12との間に種々の液体が侵入するのを抑制することができる。すなわち、前記の構成によれば、半導体ウェハ11の破損を防止しつつ接着性に優れたものとすることができる。
粘着剤層12bを構成する粘着剤としては、一般的に使用されている感圧性の粘着剤を使用できる。具体的には、例えばアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリビニルエーテル等の各種粘着剤が挙げられる。なかでも、半導体ウェハへの接着性、剥離後の半導体ウェハの超純水やアルコール等の有機溶剤による洗浄性などの点から、(メタ)アクリル系ポリマーをベースポリマーとする(メタ)アクリル系粘着剤が好ましい。
前記(メタ)アクリル系ポリマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(例えば、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエステル、s−ブチルエステル、t−ブチルエステル、ペンチルエステル、イソペンチルエステル、ヘキシルエステル、ヘプチルエステル、オクチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、イソオクチルエステル、ノニルエステル、デシルエステル、イソデシルエステル、ウンデシルエステル、ドデシルエステル、トリデシルエステル、テトラデシルエステル、ヘキサデシルエステル、オクタデシルエステル、エイコシルエステルなどの炭素数1〜30のアルキル基、特に炭素数4〜18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキルエステルなど)及び(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル(例えば、シクロペンチルエステル、シクロヘキシルエステルなど)の1種又は2種以上を単量体成分として用いた(メタ)アクリル系ポリマーなどが挙げられる。
前記(メタ)アクリル系ポリマーは凝集力、接着性などの改質を目的として、必要に応じ、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル又はシクロアルキルエステルと共重合可能な他のモノマー成分に対応する単位を含んでいてもよい。このようなモノマー成分として、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸などのカルボキシル基含有モノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物モノマー;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル、(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基含有モノマー;スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などのスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどのリン酸基含有モノマー;アクリルアミド、アクリロニトリルなどが挙げられる。これら共重合可能なモノマー成分は、1種又は2種以上使用できる。これら共重合可能なモノマーの使用量は、全モノマー成分の30重量%以下が好ましく、さらに好ましくは15重量%以下である。
さらに、前記(メタ)アクリル系ポリマーは、これを架橋させるため、多官能性モノマーなども必要に応じて共重合用モノマー成分として含むことができる。ベースポリマーを架橋させることにより、粘着剤層の自己保持性が向上するので粘着シートの大きな変形を防止でき、粘着シートの平板状態を維持しやすくなる。
多官能性モノマーとして、例えば、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの多官能性モノマーも1種又は2種以上用いることができる。多官能性モノマーの使用量は、粘着特性等の点から、全モノマー成分の30重量%以下が好ましい。
前記(メタ)アクリル系ポリマーは、単一モノマー又は二種以上のモノマー混合物を重合することにより得られる。重合は、溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸濁重合、光重合等の何れの方式で行うこともできる。特に、紫外線や電子線などの放射線を照射して重合する場合には、ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーにモノマー成分と光重合開始剤とを配合して得られる液状組成物をキャストして光重合させることにより(メタ)アクリル系ポリマーを合成することが好ましい。
前記ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは、数平均分子量が500〜10万程度、好ましくは1000〜3万のものであり、かつエステル・ジオールを主骨格とする2官能化合物である。また、モノマー成分としては、モルホリン(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、メトキシ化シクロデカトリエン(メタ)アクリレート等が挙げられる。ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーとモノマー成分との混合比は、オリゴマー:モノマー成分=95〜5:5〜95(重量%)であることが好ましく、さらに好ましくは50〜70:50〜30(重量%)である。ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーの含有量が多いと液状組成物の粘度が高くなって重合が困難となる傾向にある。
粘着剤層12bは半導体ウェハ11等の汚染防止等の点から、低分子量物質の含有量が小さいのが好ましい。この点から、(メタ)アクリル系ポリマーの数平均分子量は、20万〜300万程度が好ましく、さらに好ましくは25万〜150万程度である。
また、前記粘着剤には、ベースポリマーである(メタ)アクリル系ポリマー等の数平均分子量を高めるため、外部架橋剤を適宜に採用することもできる。外部架橋方法の具体的手段としては、ポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、メラミン系架橋剤などのいわゆる架橋剤を添加し反応させる方法が挙げられる。外部架橋剤を使用する場合、その使用量は、架橋すべきベースポリマーとのバランスにより、さらには、粘着剤としての使用用途によって適宜決定される。一般的には、上記ベースポリマー100重量部に対して、1〜5重量部程度配合するのが好ましい。さらに、粘着剤には、必要により前記成分の他に従来公知の各種の粘着付与剤、老化防止剤などの添加剤を用いてもよい。
また、前記粘着剤としては、放射線硬化型粘着剤を使用できる。放射線硬化型粘着剤は炭素−炭素二重結合等の放射線硬化性の官能基を有し、かつ粘着性を示すものを特に制限なく使用することができる。放射線硬化型粘着剤としては、放射線(特に紫外線)照射によって粘着力が低下するものが望ましい。かかる粘着剤層12bによれば、バックグラインド(研削)工程後またはダイシング工程後に紫外線照射によって、粘着シート12の剥離を容易に行うことができる。
放射線硬化型粘着剤としては、例えば一般的な粘着剤に、放射線硬化性のモノマー成分やオリゴマー成分を配合した添加型の放射線硬化型粘着剤を例示できる。一般的な粘着剤としては、前記(メタ)アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤等の感圧性粘着剤と同様のものが挙げられる。
配合する放射線硬化性のモノマー成分としては、例えばウレタンオリゴマー、ウレタン(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。また放射線硬化性のオリゴマー成分はウレタン系、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリブタジエン系など種々のオリゴマーが挙げられる。分子量は、100〜30000程度の範囲のものが適当である。放射線硬化性のモノマー成分やオリゴマー成分の配合量は、粘着剤を構成する(メタ)アクリル系ポリマー等のベースポリマー100重量部に対して、例えば5〜500重量部、好ましくは40〜150重量部程度である。
また、放射線硬化性の粘着剤としては、上記説明した添加型の放射線硬化型粘着剤のほかに、ベースポリマーとして、炭素−炭素二重結合をポリマー側鎖または主鎖中もしくは主鎖末端に有するものを用いた内在型の放射線硬化型粘着剤が挙げられる。内在型の放射線硬化型粘着剤は、低分子成分であるオリゴマー成分等を含有する必要がなく、或いは多くを含まない為、経時的にオリゴマー成分等が粘着剤中を移動することがない。これにより、安定した層構造の粘着剤層12bを形成することができる。
前記炭素−炭素二重結合を有するベースポリマーは、炭素−炭素二重結合を有し、かつ粘着性を有するものを特に制限なく使用できる。このようなベースポリマーとしては、(メタ)アクリル系ポリマーを基本骨格とするものが好ましい。(メタ)アクリル系ポリマーの基本骨格としては、前記例示した(メタ)アクリル系ポリマーが挙げられる。
前記(メタ)アクリル系ポリマーに於けるポリマー側鎖に炭素−炭素二重結合を導入すると、分子設計が容易となる。炭素−炭素二重結合の導入法は特に制限されず、様々な方法を採用できる。例えば、予め(メタ)アクリル系ポリマーに官能基を有するモノマーを共重合した後、この官能基と反応しうる官能基および炭素−炭素二重結合を有する化合物を、炭素−炭素二重結合の放射線硬化性を維持したまま縮合または付加反応させる方法が挙げられる。
これら官能基の組合せの例としては、カルボン酸基とエポキシ基、カルボン酸基とアジリジル基、ヒドロキシル基とイソシアネート基などが挙げられる。これら官能基の組合せのなかでも反応追跡の容易さの観点から、ヒドロキシル基とイソシアネート基との組合せが好適である。また、これら官能基の組み合わせにより、上記炭素−炭素二重結合を有する(メタ)アクリル系ポリマーを生成するような組合せであれば、官能基は(メタ)アクリル系ポリマーと前記化合物のいずれの側にあってもよいが、前記の好ましい組み合わせでは、(メタ)アクリル系ポリマーがヒドロキシル基を有し、前記化合物がイソシアネート基を有する場合が好適である。この場合、炭素−炭素二重結合を有するイソシアネート化合物としては、例えば、メタクリロイルイソシアネート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートなどが挙げられる。また、(メタ)アクリル系ポリマーとしては、前記例示のヒドロキシ基含有モノマーや、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、またはジエチレングルコールモノビニルエーテルなどのエーテル系化合物を共重合したものが挙げられる。
前記内在型の放射線硬化型粘着剤としては、前記炭素−炭素二重結合を有するベースポリマー(特に(メタ)アクリル系ポリマー)を単独で使用することができる。また、特性を悪化させない程度に前記放射線硬化性のモノマー成分やオリゴマー成分を配合することもできる。放射線硬化性のオリゴマー成分等の配合量は、通常ベースポリマー100重量部に対して30重量部以下であり、好ましくは10重量部以下である。
前記放射線硬化型粘着剤には、紫外線線等により硬化させる場合には光重合開始剤を含有させる。光重合開始剤としては、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、α−ヒドロキシ−α,α´−ジメチルアセトフェノン、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのα−ケトール系化合物;メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフエノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)−フェニル]−2−モルホリノプロパン−1などのアセトフェノン系化合物;ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アニソインメチルエーテルなどのベンゾインエーテル系化合物;ベンジルジメチルケタールなどのケタール系化合物;2−ナフタレンスルホニルクロリドなどの芳香族スルホニルクロリド系化合物;1−フェノン−1,1―プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシムなどの光活性オキシム系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン系化合物;カンファーキノン;ハロゲン化ケトン;アシルホスフィノキシド;アシルホスフォナートなどが挙げられる。光重合開始剤の配合量は、粘着剤を構成する(メタ)アクリル系ポリマー等のベースポリマー100重量部に対して、1〜10重量部程度であり、好ましくは3〜5重量部である。
一方、前記加熱剥離型粘着剤としては、前記一般的な感圧性粘着剤に熱膨張性微粒子が配合された熱発泡型粘着剤が挙げられる。物品の接着目的を達成したのち熱膨張性微粒子を含有する感圧接着層を加熱することで粘着剤層12bが発泡もしくは膨張して粘着剤層12b表面が凹凸に変化し、被着体との接着面積の減少により接着力低減し、物品を容易に分離できるようにしたものであり、電子物品やその材料等の加工時における固定や、搬送等の物流など、多種多様な目的で用いられている。
熱膨張性微粒子については特に限定はなく、剥離開始温度が低いものと剥離開始温度が高いものの異なる剥離開始温度を持つ組み合わせになるように種々の無機系や有機系の熱膨張性微小球を選択使用することができる。この2種類の熱膨張性微小球の剥離開始温度差は、熱膨張性微小球の感温特性等の処理精度に応じて適宜に決定されるが、一般には20〜70℃、好ましくは30〜50℃の温度差とされる。
熱発泡型粘着剤は、熱による熱膨張性微粒子の発泡により接着面積が減少して剥離が容易になるものであり、熱膨張性微粒子の平均粒子径は1〜25μm程度のものが好ましい。より好ましくは5〜15μmであり、特に10μm程度のものが好ましい。
熱膨張性微粒子としては、加熱下に膨張する素材を特に制限なく使用できるが、熱膨張性物質をマイクロカプセル化してなる膨張性微粒子は、混合操作が容易であるなどの点から好ましく用いられる。例えば、イソブタン、プロパン、ペンタンなどの加熱により容易にガス化して膨張する物質を、弾性を有する殻内に内包させた微小球であればよい。前記穀は、通常、熱可塑性物質、熱溶融性物質、熱膨張により破裂する物質などで形成される。前記殻を形成する物質としては、例えば、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスルホンなどが挙げられる。熱膨張性マイクロカプセルは、前記粘着剤との分散混合性に優れているなどの利点も有する。熱膨張性マイクロカプセルの市販品としては、例えばマイクロスフェアー(商品名:松本油脂社製)などが挙げられる。尚、必要に応じて熱膨張助剤を添加してもよい。
前記粘着剤に対する熱膨張性微粒子(熱膨張性マイクロカプセル)の配合量は、前記粘着剤層12bの種類に応じて、その粘着力を低下できる量を適宜に決定することができる。一般には、熱膨張性微粒子を含む粘着剤層12bの厚みを加熱膨張直後の厚みの60%以上、好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上を維持できる配合量が好ましい。またベースポリマー100重量部に対して、1〜100重量部程度、好ましくは5〜40重量部、より好ましくは10〜20重量部である。
粘着剤層12bの厚みは、接着固定性と剥離性を両立する観点から、5μm〜200μmが好ましく、10μm〜100μm程度がより好ましい。また、粘着剤層12bの接着力は、支持ウェハから最終的に容易に剥離できる範囲内のものであれば良く、特に限定はされない。例えば、半導体ウェハ11に対する180度ピール接着力の値が、0.05〜5N/10mmの範囲内であることが好ましく、6.1〜2N/10mmの範囲内であることがより好ましい。
(実施の形態2)
本実施の形態2に係る半導体装置の製造方法は、前記実施の形態1と比較して、粘着シートの打ち抜き加工の工程に代えて、該粘着シートの周縁部を折り曲げ加工させる工程を有する点が異なる。尚、前記実施の形態1に於ける粘着シート等と同様の機能を有する構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
本実施の形態2に係る半導体装置の製造方法は、前記実施の形態1と比較して、粘着シートの打ち抜き加工の工程に代えて、該粘着シートの周縁部を折り曲げ加工させる工程を有する点が異なる。尚、前記実施の形態1に於ける粘着シート等と同様の機能を有する構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
本実施の形態に係る半導体装置の製造方法について、図2を参照しながら説明する。図2は、半導体装置の製造方法を説明する為の工程図であって、同図(a)は外周端部が面取り加工された半導体ウェハの状態を示し、同図(b)は該半導体ウェハに粘着シートを貼り付けた状態を示し、同図(c)は折り曲げ加工の様子を表し、同図(d)は半導体ウェハを薄型加工する状態を示し、同図(e)は薄型加工後の粘着シート付き半導体ウェハを示す。
本実施の形態に係る半導体装置の製造方法は、半導体ウェハ11の外周端部を面取り加工する工程と、半導体ウェハ11と粘着シート31とを貼り合わせる工程と、粘着シート31の折り曲げ加工の工程と、半導体ウェハ11の粘着シート31が貼り付けられた面とは反対側の面を薄型加工する工程とを有する。尚、本実施の形態に係る粘着シート31は基材31a上に粘着剤層31bが積層された構成であり、基本的には前記実施の形態1に係る粘着シート12と同様の構造を有する。
前記半導体ウェハ11の面取り加工の工程、及び半導体ウェハ11と粘着シート31との貼り合わせの工程は、前記実施の形態1に於いて述べたのと同様にして行うことができる(図2(a)及び2(b)参照)。
前記粘着シート31の周縁部の折り曲げ加工の工程は、粘着シート31側から荷重を加えることによりその周縁部を折り曲げて、半導体ウェハ11の面取り加工部11aに於いても粘着シート31を密着させる工程である。荷重は、少なくとも粘着シート31に於ける基材31aの弾性限界を超える程度に行う必要がある。弾性限界を超える荷重を加えると、基材31aの降伏歪みを超えて塑性変形し、復元しなくなる。この為、面取り加工部11aと粘着シート31との間の隙間13を塞ぐことができる。本工程では、隙間13の大きさに応じて、粘着シート12と半導体ウェハ11との境界面から半導体ウェハ11側に高低差が0.01〜1mmとなる様に折り曲げ加工を行えばよい。一般に、半導体ウェハ11の垂直方向に於ける隙間13の大きさは0.01〜1mmの範囲内である。従って、前記高低差が0.01mmよりも小さくなる様な折り曲げであると、隙間13を十分に埋めることができず、半導体ウェハ11の破損を招来する。その一方、高低差が1mmよりも大きくなる様な折り曲げであると、研削の際にエッジにはみ出した粘着剤が研削面上に移行し、エッジ欠け、裏面摩擦焼けが発生する。
尚、荷重は基材31aの弾性限界を基準にして設定すれば良く、粘着剤層31bの弾性限界は考慮しなくても本工程は可能である。弾性限界は基材31aの方が粘着剤層31bよりも大きく、荷重を加えたことにより粘着剤層31bが塑性変形をしたとしても、基材31aの弾性限界以内であれば、荷重が除かれたときに基材31aの復元力が粘着剤層31bの塑性変形を優り、粘着シート31はもとの形状に復元するからである。
また、粘着シート31は、半導体ウェハ11との貼り合せ後に所定の平面形状にカットしても良く、半導体ウェハ11に貼り合せる前に、貼り合せる半導体ウェハ11と同じ平面形状となる様に打ち抜き加工しても良い。また、半導体ウェハ11と同形状に打ち抜き加工した粘着シート31と半導体ウェハ11の位置合せは、画像認識装置により行い、正確な位置を認識して現在の位置関係との差異分を補正することで行うことができる。
半導体ウェハ11の裏面の薄型加工をする工程は、前記実施の形態1に於いて述べたのと同様にして行うことができる(図2(d)及び2(e)参照)。
本実施の形態に於いて使用する粘着シート31は、所定範囲内の弾性限界を有する基材31aを備えたものを使用する必要がある。弾性限界は、30〜1000Paの範囲内が好ましく、50〜700Paの範囲内であることがより好ましい。さらに、基材31aの圧縮永久歪は5%以上であることが好ましく、10%以上であることがより好ましい。弾性限界が30Pa未満であると基材31aは柔らか過ぎるため、粘着シート31自身のシート又はテープ形状安定性が低下する。その結果、例えば長期保存や荷重が加わった場合に粘着シート31自身の変形を招来する場合がある。その一方、弾性限界が1000Paを超えると、半導体ウェハ11の面取り加工部11aの形状に適合した塑性変形の性質が得難くなる。また、圧縮永久歪が5%未満の場合、半導体ウェハ11のパターン形成面の凹凸に追従することができなくなる。その結果、半導体ウェハ11の研削加工の際に割れやデインプル等が発生し易くなる。更に、圧縮永久歪の上限値としては、25%以下であることが好ましい。25%を超えると、巻きクセが戻らない場合がある。尚、「弾性限界」は引張り試験機(商品名:RTC−1150A、オリンテック社製)で測定した値である。また、「圧縮永久歪」とは、JIS K6301に準拠して測定した値である。測定条件は、温度23℃、55wet%、引張速度50mm/minとした。
基材31aの材料としては、例えばポリエステル、ポリイミド等が例示できる。尚、粘着剤層31bは、前記実施の形態1に於いて述べたのと同様の材料を用いて形成される。
(その他の事項)
以上の説明に於いては、本発明の最も好適な実施態様について説明した。しかし、本発明は当該実施態様に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一の範囲で種々の変更が可能である。
以上の説明に於いては、本発明の最も好適な実施態様について説明した。しかし、本発明は当該実施態様に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一の範囲で種々の変更が可能である。
即ち、本発明に係る粘着シートは、粘着剤層を基材の両面に設けた構成としてもよい。この様な構成とすることにより、本発明に係る粘着シートを両面粘着シートとすることができる。尚、両面粘着シートの態様を採用する場合、半導体ウェハに貼り合せる粘着面とは反対側の面に支持板等を貼り合せることにより、半導体ウェハに更なる強度と剛性を付与することができる。
また、本発明に於いては、基材と粘着剤層との間にアンカー層等の中間層を有する粘着シートを用いてもよい。
以下に、この発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但し、この実施例に記載されている材料や配合量等は、特に限定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではなく、単なる説明例に過ぎない。また、各例中、部は特記がない限りいずれも重量基準である。
(粘着シートの作製)
先ず、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸エチル、メチルメタクリレート共重合体系のベースポリマー100部に、ポリウレタン系架橋剤2部を配合した。さらに、熱膨張性微小球(マツモトマイクロスフィアF−30D:松本油脂製、平均粒径13.5μm)30部を配合して、粘着剤組成物Aを調製した。この粘着剤組成物Aをセパレータ上に塗布し乾燥して、厚さ30μmの粘着剤層Aを形成した。
先ず、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸エチル、メチルメタクリレート共重合体系のベースポリマー100部に、ポリウレタン系架橋剤2部を配合した。さらに、熱膨張性微小球(マツモトマイクロスフィアF−30D:松本油脂製、平均粒径13.5μm)30部を配合して、粘着剤組成物Aを調製した。この粘着剤組成物Aをセパレータ上に塗布し乾燥して、厚さ30μmの粘着剤層Aを形成した。
次に、粘着剤層Aとポリエステルフィルムとが対向する様に貼り合わせて、本実施例に係る粘着シートAを得た。
その一方、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリロイルモルフェリン及びアクリル酸2−ヒドロキシエチル(重合比100/25/20)の共重合体(数平均分子量90万)100部に、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート40部を付加反応させ、ポリマー分子内側鎖に炭素−炭素2重結合を導入した。続いて、得られたポリマー100部に対してポリイソシアネート系架橋剤2部、及びアセトフェノン系光重合開始剤3部を配合して粘着剤組成物Bを調製した。この粘着剤組成物Bをセパレータ上に塗布し乾燥させて、厚さ20μmの粘着剤層を形成した。
次に、粘着剤層Bとポリエステルフィルムとが対向する様に貼り合わせて、本実施例に係る粘着シートBを得た。
(実施例1)
前記粘着シートAについて、半導体ウェハ(厚さ:625mm、6インチ)の平面形状よりも大き目に打ち抜き加工した。半導体ウェハはその外周端部が面取り加工されたものを用いた。打ち抜き加工は、半導体ウェハと粘着シートAの境界面から半導体ウェハ側に高低差が0.04mmのバリとなる様に、打抜き金型の切断クリアランスを0.06mmにし、かつ2×10−2mm/sの低速で打ち抜いた。次に、半導体ウェハの貼り合わせ面とは反対側の面に支持ウェハ(厚さ:0.35mm、6インチ)を貼り合わせ、実施例1に係る補強ウェハAを得た。
前記粘着シートAについて、半導体ウェハ(厚さ:625mm、6インチ)の平面形状よりも大き目に打ち抜き加工した。半導体ウェハはその外周端部が面取り加工されたものを用いた。打ち抜き加工は、半導体ウェハと粘着シートAの境界面から半導体ウェハ側に高低差が0.04mmのバリとなる様に、打抜き金型の切断クリアランスを0.06mmにし、かつ2×10−2mm/sの低速で打ち抜いた。次に、半導体ウェハの貼り合わせ面とは反対側の面に支持ウェハ(厚さ:0.35mm、6インチ)を貼り合わせ、実施例1に係る補強ウェハAを得た。
(実施例2)
先ず、前記粘着シートBを直径が150.3mmとなる様に、即ち半導体ウェハ(厚さ:625mm、6インチ)の平面形状よりも大きくなる様にカットした。次いで、カット後の粘着シートB’を半導体ウェハに貼り合わせた後、粘着シートB’の周縁部に荷重を加えて曲げ加工を施した。これにより、半導体ウェハと粘着シートB’の境界面から半導体ウェハ側に高低差が1.0mmとなる様に塑性変形をさせた。加えた荷重は100Paとし、かつ圧縮永久歪みは15%とした。
先ず、前記粘着シートBを直径が150.3mmとなる様に、即ち半導体ウェハ(厚さ:625mm、6インチ)の平面形状よりも大きくなる様にカットした。次いで、カット後の粘着シートB’を半導体ウェハに貼り合わせた後、粘着シートB’の周縁部に荷重を加えて曲げ加工を施した。これにより、半導体ウェハと粘着シートB’の境界面から半導体ウェハ側に高低差が1.0mmとなる様に塑性変形をさせた。加えた荷重は100Paとし、かつ圧縮永久歪みは15%とした。
次に、半導体ウェハの貼り合わせ面とは反対側の面に支持ウェハ(厚さ:350mm、6インチ)を貼り合わせ、実施例2に係る補強ウェハBを得た。
(比較例1)
本比較例1では、抜き打ち加工を省略した以外は前記実施例1と同様にして、比較例1に係る補強ウェハCを作製した。尚、粘着シートAの変形量は0.01mm未満であった。
本比較例1では、抜き打ち加工を省略した以外は前記実施例1と同様にして、比較例1に係る補強ウェハCを作製した。尚、粘着シートAの変形量は0.01mm未満であった。
(比較例2)
本比較例2では、抜き打ち加工を省略した以外は前記実施例1と同様にして、比較例2に係る補強ウェハDを作製した。尚、この粘着シートAの変形量は0.01mm未満であった。
本比較例2では、抜き打ち加工を省略した以外は前記実施例1と同様にして、比較例2に係る補強ウェハDを作製した。尚、この粘着シートAの変形量は0.01mm未満であった。
(評価)
先ず、各補強ウェハA〜Dの搬送の際に各補強ウェハに於ける半導体ウェハに割れが発生した否かについて評価した。即ち、前記補強ウェハA〜Dを各々25枚ずつ作製し、各補強ウェハA〜Dに於ける半導体ウェハの裏面をディスコ(株)製シリコンウェハ研削機により研削した。研削は半導体ウェハの厚さが50μmまで行った。研削後、各半導体ウェハの面取り加工部分はナイフエッジとなっていた。次に、通常の搬送と同様の作業を行い、各半導体ウェハにウェハ割れが発生しているか否かを確認し、それぞれ25枚中何枚発生したかをカウントした。カウントの結果、ウェハ割れがなしの場合は良好とし、それ以外は不良とした。
先ず、各補強ウェハA〜Dの搬送の際に各補強ウェハに於ける半導体ウェハに割れが発生した否かについて評価した。即ち、前記補強ウェハA〜Dを各々25枚ずつ作製し、各補強ウェハA〜Dに於ける半導体ウェハの裏面をディスコ(株)製シリコンウェハ研削機により研削した。研削は半導体ウェハの厚さが50μmまで行った。研削後、各半導体ウェハの面取り加工部分はナイフエッジとなっていた。次に、通常の搬送と同様の作業を行い、各半導体ウェハにウェハ割れが発生しているか否かを確認し、それぞれ25枚中何枚発生したかをカウントした。カウントの結果、ウェハ割れがなしの場合は良好とし、それ以外は不良とした。
次に、粘着シートの剥離の際に各補強ウェハに割れが発生した否かについて評価した。即ち、各補強ウェハについて半導体ウェハ裏面の研削を行い、次に補強ウェハA、C、Dについては加熱して、各補強ウェハA、C、Dに於ける粘着シートAの粘着力を低下させた。このとき、加熱温度は100℃とし、加熱時間はホットプレート上で30秒間とした。また、補強ウェハBについてはUV(低圧水銀灯)を照射して、粘着シートBの粘着力を低下させた。このとき、照射強度は30mJ/cm2とし、照射時間を10秒間とした。
その後、各補強ウェハA〜Dに於ける半導体ウェハの研削面にそれぞれダイシングテープ(UB−10887)を貼り合せた。さらに、各補強ウェハA〜Dについて粘着シートをマウント剥離方式により剥離した。このとき、各補強ウェハA〜Dについて25枚中何枚が、剥離によるウェハ割れが発生したかをカウントした。カウントの結果、ウェハ割れがなしの場合は良好とし、それ以外は不良とした。
結果を下記表1に示す。同表から明らかな様に、補強ウェハA及びBについては搬送及び粘着シート剥離の際のウェハ割れが無く良好であった。その一方、補強ウェハCについては、搬送の際のウェハ割れが17枚発生し不良であった。また、補強ウェハDについては、粘着シート剥離の際のウェハ割れが20枚発生し不良であった。即ち、本実施例1及び2に係る補強ウェハA及びBであると、搬送及び粘着シートの剥離の際にもウェハ割れが発生するのを低減し、歩留まりを向上させて半導体装置を製造できた。
11 半導体ウェハ
11a 面取り加工部
11a’ ナイフエッジ部
12 粘着シート
12a 基材
12b 粘着剤層
13 隙間
14 薄型加工機
15 支持ウェハ
21 バリ
31 粘着シート
31a 基材
31b 粘着剤層
11a 面取り加工部
11a’ ナイフエッジ部
12 粘着シート
12a 基材
12b 粘着剤層
13 隙間
14 薄型加工機
15 支持ウェハ
21 バリ
31 粘着シート
31a 基材
31b 粘着剤層
Claims (9)
- 半導体ウェハ加工用の粘着シートを、外周端部が面取り加工された半導体ウェハのパターン形成面に貼り付けて、該半導体ウェハを加工する半導体装置の製造方法であって、
前記半導体ウェハと、前記粘着シートであって基材に少なくとも粘着剤層が設けられた粘着シートとを貼り合わせる工程と、
前記粘着シートの周縁部を変形加工して、粘着シートと前記半導体ウェハに於ける面取り加工された部分との間の隙間を塞ぐ工程と、
前記半導体ウェハのパターン形成面とは反対側の面を薄型加工する工程とを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記粘着シートに於ける周縁部の変形加工は、粘着シートとして前記半導体ウェハよりも平面形状の大きいものを用意して、粘着シートに於ける半導体ウェハの平面形状に対応させた領域を該粘着シート側から行う打ち抜き加工であり、
前記打ち抜き加工により前記基材に発生するバリが、粘着シートと半導体ウェハに於ける面取り加工された部分との間の隙間を塞ぐことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記粘着シートに於ける周縁部の変形加工は、前記周縁部に前記基材の弾性限界を超える荷重を半導体ウェハ側に加えて折り曲げ、周縁部を塑性変形させる加工であり、
前記塑性変形により変形した周縁部が、粘着シートと半導体ウェハに於ける面取り加工された部分との間の隙間を塞ぐことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記粘着シートに於ける周縁部の変形加工は、前記半導体ウェハに於ける面取り加工された部分と粘着シートとの間の隙間に応じて、粘着シートと半導体ウェハとの境界面から半導体ウェハ側に高低差0.01〜1mmの範囲内で変形させるものであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記薄型加工の工程後に、前記半導体ウェハから粘着シートを剥離する工程を行い、該剥離は、前記粘着剤層に於ける粘着力を低下させて行うことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記粘着シートとして、熱剥離型の粘着剤層を有するもの、または放射線硬化型の粘着剤層を有するものを使用することを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記半導体ウェハの薄型加工した面にダイシングテープを貼り合わせた後に、前記粘着シートを該半導体ウェハから剥離する工程を含むことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法。
- 外周端部が面取り加工された半導体ウェハのパターン形成面に貼り付けて、該半導体ウェハを加工する際に用いる半導体ウェハ加工用の粘着シートであって、
前記粘着シートは、基材上に少なくとも粘着剤層が設けられて構成されており、
前記基材の弾性限界は、30〜1000Paの範囲内であることを特徴とする半導体ウェハ加工用の粘着シート。 - 前記基材の圧縮永久歪みは、5%以上であることを特徴とする請求項8に記載の半導体ウェハ加工用の粘着シート。
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