JP2007269200A - 船舶用の防火パネル - Google Patents
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Abstract
【課題】国際海上人命安全条約が定めるA級防火規格までも満足する防火パネルを提供する。
【解決手段】船体に閉鎖された単位区画を形成する壁面2又は天井面3を構成する船舶用の防火パネル1であって、薄鋼板製の表面板11及び裏面板12でパネル外形相当に成型した板状の断熱ブロック13を挟持し、前記表面板11及び裏面板12を左右両縁で折り曲げて対となる実継構造の凹部14及び凸部15をそれぞれ形成して、前記凹部14及び凸部15の嵌合幅をパネル厚の90%以上の大きさとし、前記凹部14及び凸部15の嵌合深さをパネル厚の60%〜100%の大きさとした船舶用の防火パネル1である。
【選択図】図1
【解決手段】船体に閉鎖された単位区画を形成する壁面2又は天井面3を構成する船舶用の防火パネル1であって、薄鋼板製の表面板11及び裏面板12でパネル外形相当に成型した板状の断熱ブロック13を挟持し、前記表面板11及び裏面板12を左右両縁で折り曲げて対となる実継構造の凹部14及び凸部15をそれぞれ形成して、前記凹部14及び凸部15の嵌合幅をパネル厚の90%以上の大きさとし、前記凹部14及び凸部15の嵌合深さをパネル厚の60%〜100%の大きさとした船舶用の防火パネル1である。
【選択図】図1
Description
本発明は、船体に外部から設置して、閉鎖された単位区画を形成する壁面又は天井面を構成する船舶用の防火パネルに関する。
一般の船舶は、船体を複数の甲板で垂直方向複数層に分画し、各層の甲板に挟まれた空間を隔壁で水平方向複数単位区画に分画することにより、厨房室、配膳室、船員用又は乗船客用船室、操舵室、無線室、荷役制御室、通路室又は階段室、ロッカー室又はストアー室、機関室等の閉鎖された単位区画を形成する。例えば国際海上人命安全条約の定めるA級防火規格が要求される単位区画の甲板及び隔壁は鋼板製であり、船体に対して溶接により固定される。このため、鋼板製の甲板又は隔壁は、溶接熱による歪みを除去しなければならず、単位区画の形成に手間が掛かるほか、各単位区画の艤装工事が難しくなる問題があった。
この問題を解消するため、特許文献1に見られるように、鋼板製の隔壁に代えて、単位区画を形成する壁面又は天井面を防火パネルの組付により構成する技術が提案されている。この先行技術において使用される防火パネルは、ロックボードやロックウール等の芯材を化粧鋼板で覆った構成で、左右両縁に設けた溝に継手を差し込むことにより、パネル相互が組み付けられる。
防火パネルは、部材や構成を工夫することにより、比較的防火性能を高めやすい。しかし、船舶の場合、パネル相互を組み付けて構成される壁面又は天井面が、国際海上人命安全条約の定めるA級防火規格又はB級防火規格に合格しなければならないことから、パネル相互を組み付けて構成される壁面又は天井面の防火性能を向上させる必要がある。例えばA0規格の場合、壁面及び天井面の片側から炎を照射して、少なくとも60分間は炎が貫通しない必要がある。このことから、特に炎が貫通する虞のあるパネル相互の組付部分、すなわち防火パネルの左右両縁の構造が船舶では重要になる。
パネル相互の組付部分を通じて炎が貫通するのは、炎の照射により生ずる各防火パネルの変形が左右両縁に及び、組み付けたパネル相互の組付部分が反り返り、隙間を形成する場合である。これから、パネル相互の組付部分は、組み付ける左右両縁が互いの変形を抑制又は防止し、仮に変形を許してもその変形量を小さくして、隙間を形成しないようにできればよい。これは、必ずしも防火パネルの変形を許容しない意味ではなく、場合によっては防火パネル自体の変形を許しながら、前記変形の影響がパネル相互の組付部分に及ばなければよいことを意味する。
この点、特許文献1が開示する防火パネルは、パネル相互は直接組み付けられておらず、あくまで継手を介して組み付けられているに過ぎない。このため、組み付ける左右両縁は互いの変形を抑制又は防止することがなく、パネル相互を組み付ける継手が熱により変形すると、前記変形がかえって防火パネルの左右両縁の変形を招き、隙間を形成する結果、前記隙間から炎が貫通する虞がある。そこで、国際海上人命安全条約が定めるA級防火規格までも満足する防火パネルを開発するため、パネル相互の組付部分、すなわち左右両縁の構造について検討した。
検討の結果開発したものが、船体に閉鎖された単位区画を形成する壁面又は天井面を構成する船舶用の防火パネルであって、パネル外形相当に成型した板状の断熱ブロックを薄鋼板製の表面板及び裏面板により挟持し、前記表面板及び裏面板を左右両縁で折り曲げて対となる実継構造の凹部及び凸部をそれぞれ形成して、前記凹部及び凸部の嵌合幅をパネル厚の90%以上の大きさとし、前記凹部及び凸部の嵌合深さをパネル厚の60%〜100%の大きさとした船舶用の防火パネルである。凹部及び凸部の嵌合幅は、当然パネル厚に等しくならないので、上限は100%未満である。防火パネルのパネル厚、パネル幅及びパネル高さは自由であるが、従来より用いられている船舶用の防火パネルに準じ、パネル厚は25mm〜50mmの規格に合わせ、パネル幅及びパネル高さは単位区画を形成する壁面又は天井面に合わせて適宜決定する。
本発明の船舶用の防火パネルは、パネル外形相当に成型した板状の断熱ブロックを薄鋼板製の表面板及び裏面板により挟持した構成としてパネル単体での防火性能を確保しながら、表面板及び裏面板を左右両縁で折り曲げて対となる実継構造の凹部及び凸部をそれぞれ形成することにより、防火パネルを実継構造で組み付けて構成される壁面又は天井面としての防火性能を高めている。そして、前記実継構造における凹部及び凸部の嵌合幅をパネル厚の90%以上の大きさとし、前記凹部及び凸部の嵌合深さをパネル厚の60%〜100%の大きさとすることにより、パネル相互の強固な組付部分を実継構造で実現しながら、前記実継構造により組み付けられる左右両縁が互いの変形を抑制又は防止できる。特に、凹部及び凸部の嵌合深さをパネル厚の60%〜100%の大きさは、前記強固な組付部分の実現を図りながら、仮に表面板又は裏面板が熱により変形した際でも、前記組付部分における変形を適度に吸収し、前記変形による組付部分への影響を低減する。
ここで、嵌合幅がパネル厚の90%以上の大きさで、嵌合深さがパネル厚の60%〜100%の大きさである凹部は、表面板及び裏面板をそのまま突き出して対向する凹部外嵌面を形成し、表面板及び裏面板が挟持する断熱ブロックの端面を前記凹部外嵌面の端縁からパネル厚の60%〜100%だけ奥まった位置に形成した構成や、表面板及び裏面板それぞれ折り返して2枚重ねにして凹部外嵌面を形成し、表面板及び裏面板が挟持する断熱ブロックの端面を前記凹部外嵌面の端縁からパネル厚の60%〜100%だけ奥まった位置に形成した構成や、フランジの突出量がパネル厚の60%〜100%である断面コ字状の補強材の前記各フランジを包み込むように表面板及び裏面板をそれぞれ折り返して凹部外嵌面を形成し、表面板及び裏面板が挟持する断熱ブロックの端面を前記補強材のウェブに当接させた構成により形成する。
また、嵌合幅がパネル厚から表面板及び裏面板の板厚又は前記板厚の2倍の合計を差し引いた大きさで、嵌合深さがパネル厚の60%〜100%の大きさである凸部は、表面板及び裏面板に各板厚の段差をつけた凸部内嵌面を、表面板及び裏面板が挟持する断熱ブロックの端面からパネル厚の60%〜100%の範囲で形成した構成や、表面板及び裏面板に各板厚の合計の段差又は各板厚と上記補強材の板厚との合計の段差をつけた凸部内嵌面を、表面板及び裏面板が挟持する断熱ブロックの端面からパネル厚の60%〜100%の範囲で形成した構成により形成する。
具体的な防火パネルの表面板及び裏面板は、板厚0.4mm〜1.5mm、好ましくは板厚0.6mm〜1.0mmの通常鋼板(冷間圧延鋼板)又はステンレス鋼板とする。板厚が0.4mmより薄い通常鋼板又はステンレス鋼板は、炎の照射により変形しやすく、逆に板厚が1.5mmより厚い通常鋼板又はステンレス鋼板は、実継構造の凹部及び凸部を形成しにくく、また防火パネルの重量を増やしてしまう。表面板及び裏面板の板厚は、基本として同一にするが、例えば単位区画の内面となる表面板の板厚を裏面板に対して相対的に厚くしてもよい。この防火パネルは、国際海上人命安全条約の定めるA級防火規格又はB級防火規格を満足する鋼板(板厚6mm)に代えて用いるとすれば、前記鋼板に比べて1/3〜1/4程度の重量になるように、表面板及び裏面板の板厚を決定するとよい。
また、具体的な防火パネルの断熱ブロックは、ロックウールを密度60kg/m3〜160 kg/m3、好ましくは密度80kg/m3〜140 kg/m3で成型した構成、グラスウールを密度20kg/m3〜300 kg/m3、好ましくは密度30kg/m3〜280 kg/m3で成型した構成、又はセラミックウールを密度40kg/m3〜300 kg/m3、好ましくは密度60kg/m3〜280 kg/m3で成型した構成のいずれか又は組み合わせがよい。例えばロックウールを密度60kg/m3より低く成型した防火パネルはパネル単体の防火性能を低下させるし、ロックウールを160 kg/m3より高く成型した防火パネルは熱伝導率が低すぎて、炎の照射を受ける表面板又は裏面板いずれかに熱が蓄積され、かえって表面板又は裏面板の変形を促進させる虞がある。グラスウール及びセラミックウールの密度範囲も同様の理由により限定される。
本発明により、国際海上人命安全条約が定めるA級防火規格までも満足する防火パネルを提供できるようになり、前記防火パネルを用いて、船体内に直接単位区画を形成する壁面又は天井面を構成したり、単位区画を構成する区画モジュールの壁面又は天井面を構成できるようになる。本発明の防火パネルは、従来公知の各種防火パネルと外観上似ているが、パネル相互の組付部分を特定の大きさを有する凹部及び凸部を組み付ける実継構造により構成することにより、パネル単体はもちろんのこと、この防火パネルを組み付けて構成される壁面又は天井面も、国際海上人命安全条約の定めるA級防火規格又はB級防火規格に合格できるようになる。これにより、本発明は船舶における防火パネルの利用範囲が拡大し、単位区画の構築にかかる労力及び手間を低減し、短期間での艤装工事を可能として、結果として船舶の製造コストを低減させる効果をもたらす。
以下、本発明の実施形態について図を参照しながら説明する。図1は本発明に基づく防火パネル1の一例を表した斜視図、図2は図1中A矢視部拡大図、図3は図1中B矢視部拡大図、図4は別例の図2相当拡大図、図5は別例の図3相当拡大図、図6は更に別例の図2相当拡大図、図7は更に別例の図3相当拡大図、図8は本例の防火パネル1を用いて構成される単位区画の一例を表した部分斜視図、図9は本例の防火パネル1を用いて構成される単位区画の別例を表した図8相当部分斜視図であり、図10は本例の防火パネル1を用いて構成される単位区画の角部を表した部分斜視図である。
本例の防火パネル1は、図1に見られるように、表裏方向(図1中左下と右上を結ぶ方向)に対向して、板厚が0.6mmの通常鋼板を折り曲げて対称な形状に成型した表面板11及び裏面板12により、ロックウールを密度120kg/m3でパネル外形相当に成型した断熱ブロック13を挟持した構成である。本例の防火パネル1は、パネル厚Hpを50mmとしている。この防火パネル1は、上下方向に断熱ブロック13がむき出しになっているが、左右方向両縁には防火パネル1相互の組付部分として、対となる実継構造の凹部14及び凸部15をそれぞれ形成している。単位区画は、後述するように、例えば鋼板からなる床面4に対して、本例の防火パネル1を複数枚組み付けて壁面2及び天井面3を構成して作られる(図8〜図10参照)。
本発明の防火パネル1は、国際海上人命安全条約の定めるA級防火規格又はB級防火規格を満足するため、特に防火パネル1相互の組付部分を特定の実継構造にした点に特徴を有する。本例の防火パネル1は、図2及び図3に見られるように、前記実継構造における凹部14及び凸部15の嵌合幅H1,H2をパネル厚Hpの約93%の大きさとし、前記凹部14及び凸部15の嵌合深さD1,D2を、前記嵌合幅H1,H2に等しい大きさ、すなわちパネル厚Hpの約93%の大きさとして、平面視正方形の凹部14及び凸部15を構成している。
具体的な凹部14は、図2に見られるように、フランジ1411の突出量がパネル厚の約93%である断面コ字状の補強材141の前記各フランジ1411を包み込むように表面板11及び裏面板12をそれぞれ折り返して表裏方向に対向して平行に突出する凹部外嵌面143を形成し、表面板11及び裏面板12が挟持する断熱ブロック13の端面131を前記補強材141のウェブ1412に当接させた構成である。これから、この凹部14の嵌合深さD1は、およそ補強材141のフランジ1411の突出量となり、パネル厚の約93%となる。また、補強材141を構成する鋼板の板厚が0.6mmとすれば、前記各凹部外嵌面143の厚みは表面板11又は裏面板12の板厚(0.6mm)の2倍(1.2mm)に前記補強材141の板厚(0.6mm)を足し合わせた厚み、すなわち1.8mmとなり、嵌合する凸部15を挟み込んで保持するに必要な強度や剛性を確保できる。そして、パネル厚Hpから前記各凹部外嵌面143の厚みを差し引いた残余である凹部14の嵌合幅H1は、パネル厚Hpの約93%(=(50mm−1.8mm×2)/50×100%)になる。
具体的な凸部15は、図3に見られるように、表面板11及び裏面板12に各板厚と上記補強材141の板厚との合計の段差151をつけた凸部内嵌面152を、表面板11及び裏面板12が挟持する断熱ブロック13の端面131からパネル厚の約93%の範囲で形成した構成である。凸部内嵌面152は、端縁から一定幅を折り込んだ凸部係合面153を構成し、断熱ブロック13の端面131が突出しないように前記凸部係合面153で押さえている。これから、この凸部15の嵌合深さD2は、凸部内嵌面152を形成した範囲に等しく、パネル厚の約93%となる。また、上述したように補強材141の板厚を0.6mmとしていれば、表面板11又は裏面板12に対する各凸部内嵌面152の段差151は、表面板11又は裏面板12の板厚(0.6mm)の2倍(1.2mm)に前記補強材141の板厚(0.6mm)を足し合わせた厚み、すなわち1.8mmとなる。そして、パネル厚Hpから表面板11又は裏面板12に対する各凸部内嵌面152の段差151を差し引いた残余である凸部15の嵌合幅H2は、パネル厚Hpの約93%(=(50mm−1.8mm×2)/50×100%)になる。
このように、本発明の防火パネル1における実継構造の凹部14及び凸部15は、パネル厚Hpに対する嵌合幅H1,H2及び嵌合深さD1,D2の割合が大きいため、防火パネル1相互の強固な組付部分を実現する。また、特にパネル厚Hpに対する嵌合深さD1,D2の割合が大きいことから、表面板11又は裏面板12に連続する凸部外面の変形を抑制又は防止できる上、仮に表面板11又は裏面板12が熱により変形した際でも、前記凸部外面の変形によっても実継構造の嵌合関係が損なわれることがないため、防火パネル1相互の組付部分における隙間が形成されることがなく、結果として炎の貫通を防止できる。
ここで、凸部外面の変形は、表面板11又は裏面板12に加えられる熱量に比例し、断熱ブロック13の熱伝導率に反比例する。すなわち、断熱ブロック13の熱伝導率が低ければ、例えば表面板11に加えられた熱量が裏面板12に伝わりにくく、表面板11に蓄積されて凸部外面を大きく変形させるが、断熱ブロック13の熱伝導率が高ければ、前記表面板11に加えられた熱量が裏面板12にも伝えられ、前記裏面板12から逃がすことができるので、表面板11に連続する凸部外面の変形を抑制できる。これから、本例の防火パネル1は、上述のような実継構造の凹部14及び凸部15を形成すると共に、断熱ブロック13の熱伝導率を比較的高めに設定するため、断熱ブロック13を構成するロックウールの密度を120kg/m3としている。こうしたロックウールの密度は、防火パネル1の大きさ、実継構造の凹部14及び凸部15の嵌合深さD1,D2及び嵌合幅H1,H2や表面板11及び裏面板12の板厚にも左右されるため、国際海上人命安全条約の定めるA級防火規格又はB級防火規格に合わせて適宜決定することが望ましい。
本発明の防火パネル1における実継構造は、次のように構成することもできる。凹部14は、図4に見られるように、表面板11及び裏面板12をそのまま突き出して対向する凹部外嵌面143を形成し、表面板11及び裏面板12が挟持する断熱ブロック13の端面131を前記凹部外嵌面143の端縁からパネル厚の約93%だけ奥まった位置に形成して構成できる。この凹部14の嵌合深さD3は、上述同様、パネル厚の約93%としているが、嵌合幅H3はパネル厚Hpの約98%(=(50mm−0.6mm×2)/50×100%)と大きくなっている。これから、対となる凸部15は、図5に見られるように、表面板11及び裏面板12に各板厚だけの段差151をつけた凸部内嵌面152を、表面板11及び裏面板12が挟持する断熱ブロック13の端面131からパネル厚の約93%の範囲で形成し、嵌合幅H4及び嵌合深さD4を前記嵌合幅H3及び嵌合深さD3に合わせている。
また、凹部14は、図6に見られるように、表面板11及び裏面板12それぞれ折り返して2枚重ねにして凹部外嵌面143を形成し、表面板11及び裏面板12が挟持する断熱ブロック13の端面131を前記凹部外嵌面143の端縁からパネル厚の約93%だけ奥まった位置に形成して構成できる。ここで、この別例の凹部14では、折り返した表面板11及び裏面板12を利用して、断熱ブロック13の端面131を押さえ込む凹部係合面144を形成している。この凹部14の嵌合深さD5は、上述同様、パネル厚の約93%としているが、嵌合幅H5はパネル厚Hpの約95%(=(50mm−0.6mm×2×2)/50×100%)になっている。これから、対となる凸部15は、図7に見られるように、表面板11及び裏面板12に各板厚の2倍の段差151をつけた凸部内嵌面152を、表面板11及び裏面板12が挟持する断熱ブロック13の端面131からパネル厚の約93%の範囲で形成し、嵌合幅H6及び嵌合深さD6を前記嵌合幅H5及び嵌合深さD5に合わせている。
次に、本例(図1〜図3)の防火パネル1を用いて構成される単位区画を説明する。本発明の防火パネル1は、船舶の甲板上に構成される直接型の単位区画や、船外で構築される区画モジュールとして構成されるモジュール型の単位区画のいずれにも利用できる。直接型の単位区画は鋼板製の甲板を床面4とし、モジュール型の単位区画は鋼板のみ又は補強用の床フレームを設けた鋼板を床面4とする。後者のモジュール型の単位区画は、鋼板のみを床面4とした場合、船舶の甲板上に床面4となる鋼板を接地し、前記鋼板を甲板に溶接して固定する。また、床フレームを設けた鋼板を床面4とした場合、船舶の甲板を前記床面4相当に開口して、前記開口に床面4を嵌め込んで前記床面4を甲板として兼用することもできる。
単位区画の壁面2は、図8に見られるように、床面4上に単位区画の水平断面に沿ってC型鋼を下向きにして溶接により固着した基礎フレーム41を構成し、前記基礎フレーム41上へ上向きに開いたチャンネル材からなるパネル受け具42を溶接により固着して、前記パネル受け具42に沿って複数の防火パネル1を差し込んで構成する。パネル受け具42は、壁面2を構成する防火パネル1の並び方向を揃えるガイド部材としての役割も有しているため、本例のように連続する壁面2に沿って長尺なチャンネル材を用いることが望ましい。また、床面4に固着したC型鋼から構成される基礎フレーム41に対してパネル受け具42を固着するのは、床面4を構成する鋼板の剛性を向上させると共に、薄い鋼板からなるチャンネル材の剛性を向上させ、壁面2の安定した立設状態を維持させるためである。
単位区画の天井面3は、壁面2を構成する防火パネル1に対して、前記パネル受け具42同様の内フランジを設けたチャンネル材からなるパネル支持具21を上方から嵌合し、前記パネル支持具21の内フランジに複数の防火パネル1を水平に架け渡すことにより、構成する。パネル支持具21は、壁面2を構成する防火パネル1の並び方向を揃えるガイド部材としての役割を有するほか、天井面3を構成する防火パネル1の水平面としての一体性を整えるガイド部材としての役割をも有することから、本例のように連続する天井面3に沿って長尺なチャンネル材を用いることが望ましい。しかし、同様なガイド部材として働くのであれば、例えば図9に見られるように、内フランジを構成するアングル材からなるパネル支持具22を壁面2の防火パネル1の内側にビス止めし、前記パネル支持具22の内フランジに複数の防火パネル1を水平に架け渡すことにより、天井面3を構成してもよい。
上記壁面2及び天井面3を構成する防火パネル1は、実継構造により相互に隙間なく連結し、パネル受け具42又はパネル支持具21にそれぞれビス止めされて、相互に拘束され、位置固定される。ここで、四方の壁面2に対する天井面3は、前記各壁面2の上縁にパネル支持具21が嵌合される(図8参照)又はビス止めされる(図9参照)ので、壁面2と天井面3とに隙間が生じない。これに対し、例えば正面側の壁面2と側面側の壁面2との角部は、図10に見られるように、アングル材からなるパネル継ぎ部材23を内側から宛ててビス止めすることにより、角部を構成する防火パネル1相互の隙間を完全に塞ぐことができる。このように隙間なく連結される壁面2及び天井面3が、国際海上人命安全条約の定めるA級防火規格又はB級防火規格を満足すれば、床面4が鋼板から構成されていることと合わせ、本例の単位区画は国際海上人命安全条約の定めるA級防火規格又はB級防火規格を満たすことになる。
実際の単位区画では、床面4を構成する鋼板に化粧タイル等の床面被覆材を敷き詰めたり、壁面2又は天井面3を構成する複数の防火パネル1にわたって化粧シートを貼着し、外観を整え、それぞれ質感を向上させる。例えば、単位規格が厨房室である場合、床面4は排水性に優れることが好まれるため、撥水性のある化粧タイルを敷き詰めるとよい。また、壁面2は複数の防火パネル1にわたってステンレスフィルムを貼着することにより、壁面2としての外観上の一体性を高め、壁面2全体の質感を向上させるほか、防火性をも高めることができる。とりわけ、モジュール型の単位区画は船外で構築できるため、前記化粧タイル又は化粧シートを取り付ける艤装工事も自由であり、結果として従来に比べて高品質の厨房室を提供できるようになる。
本発明の防火パネルに限らず、国際海上人命安全条約の定めるA級防火規格又はB級防火規格を満たすと評価するには、構造的な仕様で決定されるのではなく、国際海事機構(IMO)が定める火災試験における統一法規(FTPコードパート1及びパート3)に則った火災試験(決議A.754(18)参照)に合格しなければならない。そこで、本発明の防火パネルを試作し、A0規格(60分間の炎を照射して、炎の貫通がなく、かつ最大熱輻射量Ewが56.5kW/m2未満の場合)に対する火災試験を実施した。
試験体は、略方形の試験枠内に上記例示(図1参照)の防火パネルを4枚組み付けて壁面を構成し、前記壁面の前面(表面板)側からガスバーナーで炎を照射し、背面(裏面板)側からの熱輻射量を照射開始(0分)から60分まで計測した。防火パネルは4枚使用し、高さ2500mm、幅2440mmの壁面を構成した。各防火パネルは、パネル厚が50mmで、表面板及び裏面板は板厚0.6mmの冷間圧延鋼板から構成し、断熱ブロックはグラスウールを密度120kg/m3で構成した。実継構造を構成する凹部及び凸部の嵌合幅は約46mm、嵌合深さも同じ約46mmとした。試験の結果、60分の炎の照射によっても最大熱輻射量は既定値未満であり、パネル相互の組付部分からの炎の貫通は見られず、A0規格を満足することが確認された。
1 防火パネル
11 表面板
12 裏面板
13 断熱ブロック
14 凹部
15 凸部
2 壁面
21 パネル支持具
22 別例のパネル支持具
23 パネル継ぎ部材
3 天井面
4 床面
11 表面板
12 裏面板
13 断熱ブロック
14 凹部
15 凸部
2 壁面
21 パネル支持具
22 別例のパネル支持具
23 パネル継ぎ部材
3 天井面
4 床面
Claims (5)
- 船体に閉鎖された単位区画を形成する壁面又は天井面を構成する船舶用の防火パネルであって、パネル外形相当に成型した板状の断熱ブロックを薄鋼板製の表面板及び裏面板により挟持し、前記表面板及び裏面板を左右両縁で折り曲げて対となる実継構造の凹部及び凸部をそれぞれ形成してなり、前記凹部及び凸部の嵌合幅をパネル厚の90%以上の大きさとし、前記凹部及び凸部の嵌合深さをパネル厚の60%〜100%の大きさとしてなる船舶用の防火パネル。
- 表面板及び裏面板は、板厚0.4mm〜1.5mmの通常鋼板又はステンレス鋼板である請求項1記載の船舶用の防火パネル。
- 断熱ブロックは、ロックウールを密度60kg/m3〜160 kg/m3で成型してなる請求項1記載の船舶用の防火パネル。
- 断熱ブロックは、グラスウールを密度20kg/m3〜300 kg/m3で成型してなる請求項1記載の船舶用の防火パネル。
- 断熱ブロックは、セラミックウールを密度40kg/m3〜300 kg/m3で成型してなる請求項1記載の船舶用の防火パネル。
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