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JP2007254122A - 搬送ローラ対及び該搬送ローラ対を用いる記録装置 - Google Patents

搬送ローラ対及び該搬送ローラ対を用いる記録装置 Download PDF

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JP2007254122A JP2006082908A JP2006082908A JP2007254122A JP 2007254122 A JP2007254122 A JP 2007254122A JP 2006082908 A JP2006082908 A JP 2006082908A JP 2006082908 A JP2006082908 A JP 2006082908A JP 2007254122 A JP2007254122 A JP 2007254122A
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Abstract

【課題】簡単かつ安価な構成で、記録シートの搬送精度の向上を図ることができ、搬送精度低下に起因する記録画像の画質低下を無くすことができる搬送ローラ対及び記録装置を提供する。
【解決手段】記録装置の記録部を通して記録シートを搬送する駆動ローラ10及び従動ローラ21からなる搬送ローラ対において、従動ローラの表層の材質として、基材であるウレタンエラストマーに微粒子樹脂材を10%乃至20%含有させたものを使用する。微粒子樹脂材として、粒径が10μm乃至20μmのアクリル樹脂又はポリエチレン樹脂の粒子材を用いる。従動ローラの表層の表面摩擦係数を0.2以下とし、該表層の表面粗さ(Rz)を20μm以下とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、記録装置の記録部を通して記録シートを搬送する駆動ローラ及び従動ローラからなる搬送ローラ対、並びに該搬送ローラ対を用いる記録装置に関する。
一般に、プリンタ、複写機あるいはファクシミリ等の機能を有する記録装置は、画像情報に基づいて記録ヘッドにより、紙、布、プラスチックシート、OHP用シート等のシート状の記録媒体に画像(文字や記号等を含む)を形成するように構成される。本願では、シート状の記録媒体を記録シートと称する。記録装置における走査方式にはシリアルタイプとラインタイプがある。シリアルタイプは、記録ヘッドを記録シートに沿って移動させる主走査と記録シートを所定ピッチで紙送りする副走査とを交互に繰り返しながら画像を記録していく方式である。ラインタイプは、一括して1ライン分を記録しながら記録シートの紙送り(副走査)のみで画像を記録していく方式である。また、記録装置は、記録ヘッドの種類によって、インクジェット式、熱転写式、レーザービーム式、感熱式、ワイヤドット式などに分けることができる。
記録装置においては、一般に、記録部を通して記録シートを搬送する駆動ローラ及び従動ローラからなる搬送ローラ対が使用されている。また、近年、記録装置においては高画質化が進み、記録シートの搬送手段の構成及び動作においても高精度が要求されている。そこで、高精度な搬送を実現するために、金属表面に中心粒径が20μm乃至70μmのセラミックス粉体を付着させた駆動ローラと該駆動ローラに圧接されて従動回転する従動ローラからなる搬送ローラ対を用いる搬送機構の構成が広く使用されている。このような搬送機構は、例えば特許文献1や特許文献2に開示されている。
一方、記録シートとしては、特に厚紙等の高剛性シートからフィルムベースの紙等の柔軟シートまで多種多様にわたっており、用途も多様化している。このため、記録装置における駆動ローラ及び従動ローラからなる搬送ローラ対においても、高い搬送力(高いシートグリップ力)を有するものが要請されている。そこで、従動ローラとして、駆動ローラに対する圧接力が比較的小さい場合でも、記録シート挟持部のニップ面積を広げることにより大きな搬送力が得られる材質の弾性ローラが用いられる。このような弾性ローラは、例えば特許文献3及び特許文献4に開示されている。
特開2004−091094号公報 特開平10−120234号公報 特許第3339628号公報 特開平11−314789号公報
しかしながら、上述のような搬送ローラ対を用いる記録装置では、次のような課題があった。すなわち、給紙ローラなどでは、高い変形回復性能と低いゴム硬度(40度Hs乃至60度Hs)が得られるEPDM(エチレン・プロピレン・ジエン共重合体)や塩素化ポリエチレン等が使用されている。しかし、これらの材質には可塑材である油脂成分が含まれている。そのため、これらの材質を従動ローラ(弾性ローラ)に用いると、上記油脂成分がローラ表面に滲み出し、記録シートの印刷面である従動ローラ通過面に油脂成分が転写される。その結果、記録シートの転写部分でインクが浸透しにくくなり、記録画像にムラが発生し画質劣化となってしまう。
また、カット状の記録シート(カット紙)の場合、駆動ローラと従動ローラのニップ部に記録シート先端を突き当てて先端揃え(これをレジスト取りと呼ぶ)が行われる。その際、従動ローラ(ピンチローラ)の表面の摩擦係数が高い場合には、記録シートの先端部がニップ部まで案内されず、先端折れやジャムの原因となる。これを防止するための従動ローラの材質として、例えば特許文献3及び特許文献4には、含フッ素エラストマーや、その表面にフッ素樹脂コーティングを施したものが開示されている。しかしながら、フッ素樹脂ではそのもの自体が高価であり、これに加えてコーティング処理をすると更にコストアップとなってしまう。また、コーティング処理をした場合は、表層の硬度が高くなってしまうため、表面強度の低い紙種(例えば、クリアーフィルム 桜井社製、 スタージェット400CL)では表面傷となってしまう。
本発明はこのような技術的課題に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、簡単かつ安価な構成で、記録シートの搬送精度の向上を図ることができ、搬送精度低下に起因する記録画像の画質低下を無くすことができる搬送ローラ対及び記録装置を提供することである。
本発明は、記録装置の記録部を通して記録シートを搬送する駆動ローラ及び従動ローラからなる搬送ローラ対に関する。そして、従動ローラの表層の材質として、基材であるウレタンエラストマーに微粒子樹脂材を10%乃至20%含有させたものを使用する。
本発明によれば、簡単かつ安価な構成で、記録シートの搬送精度の向上を図ることができ、搬送精度低下に起因する記録画像の画質低下を無くすことができる搬送ローラ対及び記録装置が提供される。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を具体的に説明する。なお、各図面を通して同一符号は同一又は対応部分を示すものである。図6は本発明を適用するのに好適な記録装置の縦断面図である。なお、図6は、記録装置がインクジェット記録装置である場合を例示している。図6において、記録装置は、給紙部200、搬送機構300、記録部500、排紙部600、回復処理部(不図示)、及びUターン搬送機構800を備えている。記録部500は、往復移動可能なキャリッジ51に搭載された記録ヘッド52により、記録媒体である記録シートを走査しながら画像を記録していく。
給紙部200は、圧板53、給紙ローラ54、分離ローラ55及び給紙トレイ(不図示)などをベース(不図示)に取り付けて構成されている。圧板53上には記録シートが積載されている。給紙ローラ54は記録シートを搬送機構及び記録部へ給送するものである。分離ローラ55は、1枚の記録シートだけを給送するように分離するものである。前記給紙トレイは、圧板53上に積載された記録シートの後半部を保持するためのものである。そして、給紙ローラ54は、円形の一部を切欠いた円弧状のローラである。圧板53には、記録シート積載位置を規制するためのサイドガイドがスライド可能に取り付けられている。圧板53は揺動可能であり、圧板バネ(不図示)により給紙ローラ54に付勢されている。給紙ローラと対向する圧板53の部位には、記録シートの重送を防ぐための摩擦係数が大きい分離シート(不図示)が設けられている。圧板53は、不図示のカムによって、給紙ローラ54に対して所定のタイミングで当接及び離間される。
搬送機構300には、記録シートを搬送する搬送ローラ対10、21が設けられている。この搬送ローラ対は、駆動ローラ10とこれに圧接されて従動回転することで記録シートに搬送力を付与する従動ローラ(ピンチローラ)21で構成されている。駆動ローラ10は、その両端部をシャーシに設けられた軸受により軸支されている。駆動ローラ10の軸に設けられたコードホイールと、その隣接部分に取り付けられたエンコーダセンサにより、記録シートの搬送量が検出される。このような搬送ローラ対10、21を有する搬送機構により、記録シートを記録部500を通して正確に搬送することができる。そして、記録ヘッド52による画像記録と記録シートの搬送を交互に繰り返すことにより、記録シートの全体に画像が記録される。
記録部500は、搬送ローラ対10、21の搬送方向下流側に構成されている。記録部500には、画像情報に基づいて記録シートに画像を記録する記録ヘッド52が設けられている。記録ヘッド52は、左右方向に往復移動可能なキャリッジ51に搭載されている。本実施形態の記録ヘッドはインクジェット記録ヘッドである。この記録ヘッド52の記録シートと対向する部位にはインク吐出部(吐出面)が設けられている。吐出面には、画像情報に基づいてインク滴を吐出する複数の吐出口からなる吐出口列が設けられている。カラー記録の場合には、異なるインク色ごとに複数の吐出口列が設けられている。前記インク吐出部としては、例えば、吐出口内部のインクにヒータにより熱エネルギーを与えて膜沸騰させ、この膜沸騰による気泡の成長または収縮によって生じる圧力変化によって吐出口からインク滴を吐出する電気熱変換式のものが使用される。
記録ヘッド52と対向する位置には、搬送されてくる記録シートと記録ヘッド52のインク吐出部の間隔を適正に保ちながら、該記録シートを案内支持するためのプラテン58が配設されている。記録ヘッドを搭載したキャリッジ51はガイドシャフト57及びガイドレール(不図示)に沿って左右方向に往復移動可能に案内支持されている。キャリッジ51は、不図示のキャリッジモータにより、不図示のタイミングベルトを介して駆動される。ガイドシャフト57と平行に配設されたコードストリップキャリッジ51に搭載されたエンコーダセンサで読み取ることにより、キャリッジの位置や速度が検出される。また、キャリッジには、記録ヘッドへヘッド信号を伝えるためのフレキシブル基板が接続されている。記録シートは、搬送ローラ対10、21により、記録開始位置にセットされるとともに、画像形成位置を通して搬送される。この記録シートに対してキャリッジ51を移動させることにより、記録ヘッド52により画像情報に基づいて1ライン分の記録を行う。搬送動作と1ライン分の記録とを交互に繰り返すことにより、記録シート全体に画像が記録される。
排紙部600は、2本の排紙ローラ61、62を備えている。これらの排紙ローラは、ギア列等を介して前記搬送ローラ対の駆動ローラ10と連結されており、該駆動ローラと同期して駆動される。各排紙ローラには拍車63が従動回転可能に付勢されている。駆動ローラ10の駆動が排紙ローラ61に伝達され、排紙ローラ61の駆動が排紙ローラ62へアイドルギアを介して伝達される。各拍車63は、コイルバネからなる軸により、拍車ホルダ65に回転可能に、かつ排紙ローラ61、62へ押圧された状態で支持されている。記録ヘッド52により記録された記録シートは、排紙ローラ61、62とそれぞれの拍車63のニップ部に挟まれて搬送され、装置本体から排出される。
回復処理部(不図示)は、インクジェット記録装置において、記録ヘッド52の吐出口の目詰まりを防止するとともにインク吐出性能を維持回復するためのものである。回復処理部は、吸引ポンプ、キャップ及びワイパーを備えている。キャップは記録ヘッド52の吐出面に密着されて吐出口を覆うことで該記録ヘッドのインク乾燥を低減する。吸引ポンプは、キャップに接続されており、吐出口をキャップで密閉した状態で吐出口からインクを吸引し、吐出口内のインクをリフレッシュする。ワイパーは、記録ヘッドの吐出面を拭き取り清掃する。
Uターン搬送機構800は、記録シートに両面記録する場合などに、記録シートを表裏反転させて記録部500へ搬送するものである。このUターン搬送機構800には、裏面印刷を可能にするためのUターン搬送路が設けられている。装置本体の下部の前寄りの位置に、記録シートを収納した給紙カセット81が装着されている。給紙カセット81に積載された記録シートの先端部が圧板82により給紙ローラ83に圧接される。給紙ローラ83が駆動されると、分離ローラ84との協働によって最上位の1枚が分離されてUターン搬送路へ給送される。給紙ローラ83により給送される記録シートは、Uターン搬送路の2箇所に設けられた第1及び第2の中間ローラ86、87及びそれらに付勢されているピンチローラ88、89によって前記搬送ローラ対10、21へ向けて搬送される。
給紙部200からの搬送パスとUターン搬送機構800の搬送パスとの合流点には、切替えフラッパー91が配設されている。Uターン搬送機構800からの記録シートは、表裏反転された後、切替えフラッパー91を通して駆動ローラ10と従動ローラ21の間へ給送される。これ以降は、給紙部200から給送される記録シートの場合と同じである。すなわち、記録シートは、搬送機構300で搬送されながら記録部500で画像を記録され、排紙部600から排出される。
次に、給紙部200又はUターン給紙部から給送された記録シートに両面記録する場合を説明する。両面記録する場合は、給紙部から給送された記録シートの表面に記録した後、搬送ローラ対10、21を逆回転させることにより記録シートをUターン搬送機構800へ導入する。搬送ローラ対10、21により逆搬送される記録シートは、図示上側へ切り替えられた切替えフラッパー91を通してUターン搬送ローラ対93、94に挟持され、該Uターン搬送ローラ対により前記給送ローラ83と分離ローラ84の間へ搬送される。これ以降は、前述の給紙カセット81からピックアップされる記録シートの場合と同様に前述のUターン搬送路に沿って搬送される。そして、このUターン搬送により表裏反転された後、前述の搬送ローラ対10、21により搬送されながら裏面に記録される。こうして両面記録された記録シートは排紙部600により装置本体外へ排出される。
図1は本発明による搬送ローラ対を用いた搬送機構の概略構成を示す斜視図である。図1において、本実施形態における搬送機構は、画像形成時に記録シートを搬送するための駆動ローラ10と従動ローラユニット20により構成されている。従動ローラユニット20は、ばね付勢力により駆動ローラ10に所定加圧力Fで圧接されて従動回転する複数の従動ローラ21を備えている。駆動ローラ10は記録ヘッドの各主走査の間に所定量だけ回転駆動され、従動ローラ20との協働により記録シートを所定ピッチだけ搬送(紙送り)する。この際の搬送精度が記録画像の品位に大きく影響するため、駆動ローラ10及び従動ローラ20とも高精度に製作されている。
駆動ローラ10は、外径寸法が正確で芯振れがない状態に高精度に仕上げられ、ローラ表面をサンドブラスト加工したり、あるいはローラ表面にアルミナ粉を塗着するなどの処理によってローラ表面の摩擦係数を高められている。これにより、搬送中の記録シートのスリップを極力防ぐようにしている。駆動ローラ10は、一側端部に連結された搬送モータ(不図示)により回転駆動される。一方、従動ローラユニット20を構成する複数の従動ローラ(ピンチローラ)21は、ローラ軸22を中心に回転自在に軸支されている。ローラ軸22は、アーム軸24に揺動可能に軸支されたアーム23の先端部に固定されている。本実施形態では、1個のアーム23の先端部に3個の従動ローラ21が軸支されており、駆動ローラ10の長さ方向に複数のアーム23が配列されている。各アーム23は、それぞれの中間部分で、アーム軸24を介して従動ローラホルダ26に揺動可能に軸支されている。
各アーム23それぞれの後部(従動ローラ21と反対側部分)と従動ローラホルダ26との間に引張りバネ25が張架されている。各アーム23の先端部に軸支された従動ローラ21は、それぞれの引張りバネ25の付勢力により、駆動ローラ10に所定の押圧力Fで圧接されている。また、従動ローラホルダ26には、複数のアーム23のそれぞれの後部上面に当接するカム30を有するカム軸31が軸支されている。カム軸31は操作レバー(不図示)と連結されており、該操作レバーにより回動操作可能である。各カム30は、カム軸31に対し、ビスによって取り外し可能に締結されている。つまり、操作レバーの回動操作によりカム軸31を回動させることにより、カム31によりアーム23の後端部を押し下げることができる。このアーム23の動きにより、該アームの先端に軸支された従動ローラ21を駆動ローラ10から離間させ、ニップを解除することができる。ニップを解除した状態で、記録シートのセット等を行うことができる。
以上図1を用いて説明した構成により、複数のアーム23はアーム軸24を中心にそれぞれ独立して揺動可能である。このため、各従動ローラ21の片当たりを防止しながら、各従動ローラ21を駆動ローラ10に対して均一にかつ効率よく圧接させることができる。本実施形態では、引張りバネ25による従動ローラ21の1個当たりの圧接力600gf乃至700gfである。
図2は図1中の任意の一つの従動ローラ21の構成を示す縦断面図である。次に図2を用いて従動ローラ21の構成について説明する。従動ローラ21は、ローラカラー21aにローラゴム21bを圧入して構成されている。ローラカラー21aはPOM等の摺動性に優れた材質のモールド品(成型品)である。なお、従動ローラ21としては、ローラ軸にローラゴムを圧入し、ローラ軸の両端を軸受で軸支する形態にしても良い。
次に、本実施形態における従動ローラ21の要求搬送性能に必要な特性について説明する。第1に、従動ローラ21の弾性及び変形回復性について説明する。高剛性のシート材や柔軟性のフィルムなどを含む多様な記録シートを搬送するためには、従動ローラ21は、小さい加圧力でも十分なニップ幅を確保できるような弾性体であって、変形回復性に優れていること(圧縮永久歪が無いこと)が必要である。そのためには、ローラゴム21bのゴム硬度としては、JIS−A硬度にして60度乃至90度が好ましい。本実施形態におけるローラゴム21bはウレタンエラストマーであり、そのゴム硬度(JIS−A硬度)は80度乃至90度である。また、ゴム硬度が高い場合はゴム厚を大きくすることでニップ幅をかせぐことが可能であり、本実施形態のローラゴム21bでは、ゴム厚を約2mmとし、外径を7mmとした。
第2に、従動ローラ21の耐磨耗性について説明する。特に大判インクジェットプリンタのように生産材の記録装置においては、従動ローラ21の耐久性能が一層重要になる。本実施形態で使用されている従動ローラ21の耐磨耗性は、50000mの通紙を行ったときの磨耗量で10μ以下である。
第3に、従動ローラ21の可塑材低含有率について説明する。ゴム製のローラゴム21bには可塑材としてゴムに特有の油分等の配合物が含まれている。駆動ローラ10と従動ローラ21で記録シートを搬送するときにはローラゴム21bが所定圧で押圧される。このため、ローラゴム21bに油分等の可塑材が含まれていると、これがローラ表面に滲み出してきて記録シートの表面に転写されることがある。記録シートの表面に可塑材が転写されると、画像記録したときのインクの浸透性が悪くなる。その結果、画像記録における着弾インクのドット径が小さくなって画像ムラが発生し、画質劣化の原因となる。そこで、本実施形態では、ローラゴムに使用しているゴム材について、可塑材を溶剤(トルエン等)に抽出する抽出試験を行い、抽出量が1%以下のゴム材を使用している。
第4に、従動ローラ21の低粘着性について説明する。コート紙や光沢紙などの基材にコーティングを施した記録シートを使用する場合、ローラゴムの表層の粘着度が高いと、記録シートをニップした状態で放置したときに図3に示すようなコート層(コーティングした層)の剥離が生じる可能性がある。そこで、本実施形態では、上記の基材に対し、アクリル樹脂を含有させることで表層の粘着性を低下させている。このアクリル樹脂には、フッ素樹脂と比べて、安価であって成型性に優れているなどの利点がある。
第5に、従動ローラ21の低摩擦係数及び表面平滑性(低表面粗さ)について説明する。図4は記録シートとしてカット紙Prを、記録ヘッドの搬送方向上流側に配設した搬送ローラ対10、21のニップ部に給送したときの状態を示す縦断面図である。先ず、図4を用いて、カット紙を搬送ローラ対10、21に給送するときの動作について説明する。図4において、多くのカット紙の給紙機構は、一定寸法に裁断されたカット紙Prを搬送方向上流側の給紙ローラにより搬送ローラ対10、21まで給送するように構成されている。この場合、搬送ローラ対10、21を停止、又は逆方向回転させる状態にしておく。この状態で、搬送方向上流側に配設された給紙ローラ(不図示)によりカット紙Prの先端が搬送ローラ対10、21のニップ部に突き当たり、更に一定のループ(点線部)を形成するまで給送する。そして、一定のループが形成されたところで給紙ローラを停止する。
次いで、駆動ローラ10を正転方向に駆動し、従動ローラ21との協働により記録シートPrを画像形成部へ搬送する。上記のような記録シート先端部にループを形成した後に搬送を開始する理由は、このループにより記録シートの先端ズレを吸収し先端揃え(レジスト取りとも呼ばれる)を行うためである。この場合、従動ローラ21の表層の摩擦係数が高かったり、表面粗さが高い場合には、記録シートの先端が従動ローラ21の表面に引っ掛かり、駆動ローラ10とのニップ部まで円滑に案内できない状態となることがある。このような状態は、記録シートPrの先端折れやジャム発生の原因となる。そこで、本実施形態では、従動ローラ21のローラ表面は低摩擦係数(例えば表面摩擦係数が0.2以下)の材質で形成されている。また、従動ローラ21のローラゴム21bの表面は、表面粗さ(Rz)が20μm以下になっている。
以上のような従動ローラ21の必要特性に鑑みて、従動ローラ21の表層材質を種々の処方により検証した。図5は従動ローラの表層材質の種々の処方における配合と物性及び試験結果を示す表である。図5において、処方1は、従動ローラ21の表層であるローラゴム21bの材質が基材としてのウレタンエラストマーのみであり、含有材が無い場合である。処方2は、従動ローラ21の表層であるローラゴム21bを構成する基材としてのウレタンエラストマーに、粒径30μm前後の微粒子樹脂材としてのアクリル樹脂の粒子材(アクリルビーズ)を3%含有させたものである。
処方3は、上記基材としてのウレタンエラストマーに、粒径30μm前後のアクリルビーズ(アクリル樹脂の粒子材)を10%含有させたものである。
処方4は、上記基材としてのウレタンエラストマーに、粒径10μm前後の微粒子樹脂材としてのポリエチレンパウダーを10%含有させたものである。
処方5は、上記基材としてのウレタンエラストマーに、粒径10μm前後の上記アクリルビーズ(アクリル樹脂の粒子材)を10%含有させたものである。
処方6は、上記基材としてのウレタンエラストマーに、粒径10μm前後の上記アクリルビーズを15%含有させたものである。
処方7は、上記基材としてのウレタンエラストマーに、粒径10μm前後の上記アクリルビーズを20%含有させたものである。
処方8は、上記基材としてのウレタンエラストマーに、粒径15μm前後の上記アクリルビーズ(アクリル樹脂の粒子材)を15%含有させたものである。
以上の各処方によるゴムローラ21bを有する従動ローラ21の搬送性能を検証した結果を以下に説明する。すなわち、処方1と処方2では、摩擦係数が高く、粘着性も高く、光沢紙をニップした状態で放置したときに、そのコート層に図3に示すような剥離が発生した。また、処方3と処方4では、処方1と処方2の場合に加えて、表面粗さが粗いため、カット紙の先端が従動ローラ21に引っ掛かり、先端折れやメクレといった不都合が発生した。処方5と処方6と処方7と処方8では、いずれも、従動ローラ21の搬送性能に問題がないレベルとなった。以上の検証結果から、図4に示すようなカット紙のレジスト取り(先端揃え)手段を有する搬送機構の従動ローラとしては、表面粗さ(Rz)が10μm以下で、摩擦係数が0.2以下であることが望ましい。
以上説明した実施形態によれば、搬送ローラ対の従動ローラ21の表層(ローラゴム21bの部分)の基材の材質として、基材であるウレタンエラストマーにアクリル樹脂もしくはポリエチレン樹脂などの微粒子材(微粒子樹脂材)を含有させたものが使用される。このため、表層にコートティング等を施さずとも、前述のような弾性及び変形回復性、耐磨耗性、可塑材低含有率、低粘着性、低摩擦係数及び表面平滑性(低表面粗さ)などの全ての面で要求特性を備えた従動ローラを、安価に提供することができる。また、本実施形態に係る従動ローラによれば、ローラゴム21bの内部に含有される可塑成分(油成分)が非常に微量であるため、駆動ローラ10との間で記録シートを挟持して搬送する際にローラ表面から油成分等が滲み出ることがない。このため、インクジェット記録装置にように従動ローラとの接触面にインクを付着させて画像形成する場合でも、記録シート表面の転写汚れを無くすことができ、ムラのない高画質な画像を記録することができる。
また、従動ローラ21の表層を低い摩擦係数の面で形成しているため、例えば光沢紙のように紙ベースの基材に光沢層を設ける構造の記録シートの場合でも、記録シートの表層にダメージを与えることはない。すなわち、このような記録シートに従動ローラを長時間加圧状態で放置すると、表層にコート層剥離等のダメージが発生しやすいが、本実施形態の従動ローラによれば、このような不都合を無くすことができる。また、上記の低摩擦係数に加えて、表面粗さを小さく設定することにより、カット紙を給送するときに搬送ローラ対による先端揃え(レジスト取り)を容易に正確に行うことができる従動ローラが得られる。また、前述の実施形態に係る従動ローラ21では、その必要機能と物性の相関関係により処方を決定しているため、記録シートの種類や大きさに関らず、同様に適用可動であり、同様の効果を奏することができる。
従って、前述の実施形態によれば、簡単かつ安価な構成で、記録シートの搬送精度の向上を図ることができ、搬送精度低下に起因する記録画像の画質低下を無くすことができる搬送ローラ対及び記録装置が提供される。なお、本発明による搬送ローラ対の従動ローラ21の必要機能及び物性は、前述した実施形態に示す条件に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲内において、種々の用途に応じて実施することができる。ちなみに、前述のレジスト取りを行わない記録装置の場合は、処方3乃至処方8の全てを選択可能であり、表面粗さ(Rz)は20μm以下でも問題はない。これにより、各物性値の許容幅を広げることが可能となり、配合としてもバリエーションを増やすことができる。
また、以上の実施形態は、記録装置の搬送機構の一例を示すものであり、記載されている部品の寸法、材質、形状や相対配置など発明が適用される記録装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。また、以上の実施形態では、記録ヘッドを記録シートに沿って移動させる主走査と記録シートを所定ピッチで紙送りする副走査とを交互に繰り返しながら画像を記録していくシリアルタイプの記録装置を例に挙げて説明した。本発明は、一括して1ライン分を記録しながら記録シートの紙送り(副走査)のみで画像を記録していくラインタイプの記録装置に対しても同様に適用することができる。また、以上の実施形態では、記録装置がインクジェット記録装置である場合を例示したが、本発明は、熱転写式、感熱式、レーザービーム式、ワイヤドイット式など、記録方式が異なる記録装置に対しても同様に適用可能である。
本発明による搬送ローラ対を用いた搬送機構の概略構成を示す斜視図である。 図1中の任意の一つの従動ローラの構成を示す縦断面図である。 記録シートを図1の駆動ローラと従動ローラのニップ部に挟持して放置したときの従動ローラによる記録シートのコート層剥離を例示する説明図である。 記録シートとしてカット紙を、記録ヘッドの搬送方向上流側に配設した搬送ローラ対のニップ部に給送したときの状態を示す縦断面図である。 従動ローラの表層材質の種々の処方における配合と物性及び試験結果を示す表である。 本発明を適用するのに好適な記録装置の縦断面図である。
符号の説明
10 駆動ローラ
20 従動ローラユニット
21 従動ローラ
21a ローラカラー
21b ローラゴム
51 キャリッジ
52 記録ヘッド
200 給紙部
300 搬送機構
500 記録部

Claims (7)

  1. 記録装置の記録部を通して記録シートを搬送する駆動ローラ及び従動ローラからなる搬送ローラ対において、
    前記従動ローラの表層の材質として、基材であるウレタンエラストマーに微粒子樹脂材を10%乃至20%含有させたものを使用することを特徴とする搬送ローラ対。
  2. 前記微粒子樹脂材として、粒径が10μm乃至20μmのアクリル樹脂の粒子材を用いることを特徴とする請求項1に記載の搬送ローラ対。
  3. 前記微粒子樹脂材として、粒径が10μm乃至20μmのポリエチレン樹脂の粒子材を用いることを特徴とする請求項1に記載の搬送ローラ対。
  4. 前記従動ローラの表層の表面摩擦係数が0.2以下であり、該表層の表面粗さ(Rz)が20μm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の搬送ローラ対。
  5. 前記従動ローラの表層のゴム硬度(JIS−A硬度)が70度乃至90度であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の搬送ローラ対。
  6. 画像情報に基づいて記録ヘッドにより記録シートに画像を記録する記録装置において、
    請求項1乃至5のいずれか1項に記載の搬送ローラ対を具備することを特徴とする記録装置。
  7. 前記記録ヘッドがインクを吐出して画像を記録するインクジェット記録ヘッドであることを特徴とする請求項6に記載の記録装置。
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