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JP2007224461A - 捺染剤及びその製造方法、ならびに該捺染剤で加工した合成繊維起毛布 - Google Patents

捺染剤及びその製造方法、ならびに該捺染剤で加工した合成繊維起毛布 Download PDF

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JP2007224461A
JP2007224461A JP2006048389A JP2006048389A JP2007224461A JP 2007224461 A JP2007224461 A JP 2007224461A JP 2006048389 A JP2006048389 A JP 2006048389A JP 2006048389 A JP2006048389 A JP 2006048389A JP 2007224461 A JP2007224461 A JP 2007224461A
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Yoshinobu Kimura
吉延 木村
Susumu Shibao
進 柴尾
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

【課題】地染めされた合成繊維起毛布の表面に、凹部を形成すると同時に、合成繊維起毛布の地染めの色を変色させない程度の低い温度での熱蒸気処理においても該凹部を高い色濃度で着色可能な捺染剤及びその製造方法を提供することである。さらには、該捺染剤により加工された合成繊維起毛布を提供する。
【解決手段】分散染料(A)、アルカリ性物質(B)、吸水性無機物質(C)、及びシリコーンオイル(D)を含有することを特徴とする捺染剤。
【効果】本発明の捺染剤を用いて加工された合成繊維起毛布は、地染めの色が変色せず、該捺染剤での加工の有無によって地染めの色に違いを生じないため、該捺染剤での加工していない合成繊維起毛布と組み合わせて用いても、問題なく用いることができる。よって、本発明の捺染剤を用いて加工された合成繊維起毛布は、衣料、家具、車両内装材等の用途に好適である。
【選択図】なし

Description

本発明は、地染めされた合成繊維起毛布の表面に、凹部を形成すると同時に、合成繊維起毛布の地染めの色を変色させない程度の低い温度での熱蒸気処理においても該凹部を高い色濃度で着色可能な捺染剤に関する。
従来、ポリエステル系繊維布帛の表面に、凹部を形成すると同時に凹部を着色する方法として、染料と苛性アルカリを共存させてなる組成物からなる捺染剤を印捺ないし塗布し、湿潤状態で大部分の苛性アルカリを反応させた後、加熱発色させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、凹部を形成する材料として、苛性アルカリに代えて炭酸グアニジンを含有する抜蝕剤を用いた捺染剤が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
さらに、分散染料、カルボキシル基を有する樹脂及びアルカリ性物質を含有する樹脂組成物からなる捺染剤が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
しかしながら、上記の捺染剤では、十分に高い着色濃度を得るためには、十分に高い温度(170〜180℃)で熱蒸気処理する必要があるため、この熱蒸気処理により、合成繊維起毛布の地染めの色が変色する問題があった。そこで、合成繊維起毛布の地染めの色を変色させない程度の低い温度(140〜160℃)での熱蒸気処理でも、十分に高い着色濃度が得られる捺染剤が求められている。
特開昭56−123487号公報 特開2000−96439号公報 特開2002−69318号公報
本発明の課題は、地染めされた合成繊維起毛布の表面に、凹部を形成すると同時に、合成繊維起毛布の地染めの色を変色させない程度の低い温度での熱蒸気処理においても該凹部を高い色濃度で着色可能な捺染剤及びその製造方法を提供することである。さらには、該捺染剤により加工された合成繊維起毛布を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、分散染料、アルカリ性物質及び吸水性無機物質を含有する捺染剤に、シリコーンオイルを配合した捺染剤を用いることで、地染めされた合成繊維起毛布の表面に、凹部を形成すると同時に、合成繊維起毛布の地染めの色を変色させない程度の低い温度での熱蒸気処理においても該凹部を高い色濃度で着色可能であることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、分散染料(A)、アルカリ性物質(B)、吸水性無機物質(C)、及びシリコーンオイル(D)を含有することを特徴とする捺染剤及びその製造方法を提供するものであり、さらには、該捺染剤により加工された合成繊維起毛布を提供するものである。
本発明の捺染剤を用いることで、地染めされた合成繊維起毛布の表面に、凹部を形成すると同時に、合成繊維起毛布の地染めの色が変色しない程度の低い温度での熱蒸気処理においても該凹部を高い色濃度で着色可能である。したがって、本発明の捺染剤を用いて加工された合成繊維起毛布は、地染めの色が変色せず、該捺染剤での加工の有無によって地染めの色に違いを生じないため、該捺染剤での加工していない合成繊維起毛布と組み合わせて用いても、問題なく用いることができる。よって、本発明の捺染剤を用いて加工された合成繊維起毛布は、衣料、家具、車両内装材等の用途に好適である。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明の捺染剤に用いる分散染料(A)としては、特に限定されるものではないが、中でも高い耐光性と耐アルカリ堅牢性を有するアンスラキノン系染料が好ましい。このアンスラキノン系染料としては、例えば、C.I.ディスパース・イエロー51、C.I.ディスパース・レッド91、C.I.ディスパース・レッド92、C.I.ディスパース・ブルー60、C.I.ディスパース・ブルー158等が挙げられる。これらの分散染料は、単独で用いることも、2種類以上を併用することもできる。また、捺染剤中の分散染料(A)の配合量は、目的とする色によって異なるが、通常は0.05〜7質量%の範囲が好ましい。
本発明の捺染剤に用いるアルカリ性物質(B)としては、強アルカリ性のものが好ましく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等の無機アルカリ物質;アンモニア水、炭酸グアニジン等の有機アルカリ物質などが挙げられる。これらの中でも、捺染剤を合成繊維起毛布に印捺した後に行う熱蒸気処理に耐えられる耐熱性を有する無機アルカリ物質が好ましい。また、無機アルカリ物質の中でも、水酸化ナトリウムは合成繊維起毛布の表面に良好な凹部を形成することができるので特に好ましい。捺染剤中のアルカリ性物質(B)の配合量は、5〜30質量%の範囲が好ましく、10〜20質量%の範囲がより好ましい。アルカリ性物質(B)の配合量がこの範囲であれば、合成繊維起毛布の表面を良好な凹状にエッチングできる。
前記アルカリ性物質として水酸化ナトリウムを用いる場合、水溶液で用いることが好ましい。その濃度は、特に限定されるものではないが、通常は20〜50質量%で用いるのが好ましい。
本発明で用いる吸水性無機物質(C)は、水の存在下で吸水し、水和膨潤するものであれば特に限定されないが、例えば、粘土鉱物が挙げられる。この粘土鉱物としては、例えば、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、サポナイト、パイデライト、アタパルジャイト、セピオライト等が挙げられる。これらの吸水性無機物質(C)の中でも、高い吸水膨潤性を有するベントナイトが好ましい。また、吸水性無機物質(C)は、平均粒子径2〜10μmの範囲のものが好ましく、2〜5μmの範囲のものがより好ましい。捺染剤中の吸水性無機物質(C)の配合量としては、1〜10質量%の範囲が好ましく、1〜5質量%の範囲がより好ましい。この吸水性無機物質(C)には、捺染剤を印捺した部分だけに、前記アルカリ性物質(B)を保持する作用があるため、捺染剤を印捺した合成繊維起毛布の表面にアルカリ性物質(B)を留めることができ、起毛繊維の下部へのアルカリ性物質(B)の浸透を適度に抑制できるため、起毛繊維をすべて加水分解して基布が露出することがなく、起毛繊維を適度に残して、合成繊維起毛布の表面に輪郭がはっきりした凹部を形成することができる。
本発明の捺染剤に用いるシリコーンオイル(D)としては、直鎖状ポリオルガノシロキサンであっても、分岐状ポリオルガノシロキサンであっても良く、例えば、ポリジメチルシロキサン等のポリアルキルシロキサン、ポリフェニルメチルシロキサンなどが挙げられる。また、エチレンオキサイド(EO)変性、プロピレンオキサイド(PO)変性、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの両方での(EO/PO)変性等のポリエーテル変性されたポリオルガノシロキサンも用いることができる。これらのシリコーンオイル(D)の中でも、ポリジメチルシロキサンが好ましい。また、シリコーンオイル(D)の動粘度は、10〜10000mm/sの範囲が好ましく、10〜1000mm/sの範囲がより好ましい。シリコーンオイル(D)の動粘度がこの範囲であれば、150℃〜160℃の比較的低い温度での熱蒸気処理においても、十分に高い着色濃度が得られる。なお、この動粘度は、JIS Z 8803−1991に記載の方法で、ウベローデ粘度計を用いて測定したものである。
前記シリコーンオイル(D)を本発明の捺染剤に用いる際には、界面活性剤を用いて水中で乳化した状態で用いると、より高い着色濃度が得られるので好ましい。このシリコーンオイル(D)を水中で乳化する際に用いる界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルを主成分としたものが挙げられる。この界面活性剤の使用量としては、シリコーンオイル(D)100質量部に対して、1〜20質量部の範囲が好ましく、5〜15質量部の範囲がより好ましい。また、シリコーンオイル(D)を水中で乳化する際に、前記分散染料(A)を加えて乳化しても構わない。
シリコーンオイル(D)の配合量は、前記分散染料(A)100質量部に対して、10〜500質量部の範囲が好ましく、50〜300質量部の範囲がより好ましく、80〜120質量部の範囲がさらに好ましい。シリコーンオイル(D)の配合量がこの範囲であれば、150℃〜160℃の比較的低い温度での熱蒸気処理においても、十分に高い着色濃度が得られ、捺染剤の粘度も作業に適したものとなる。
本発明の捺染剤には、塗工適性を付与するために、適度な粘度を維持し、かつ水洗の際に余剰のこれらの捺染剤を容易に起毛繊維から取り除けるようにするため、糊剤(E)を配合することが好ましい。このような糊剤(E)としては、例えば、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、プロピオキシセルロース、アルギン酸エステル、グアガムエチレンオキサイド付加物、エチルセルロース、メチルセルロース、ブリティッシュガム等の加工糊剤;ポリアクリル酸塩、ポリアクリル酸誘導体、ポリ酢酸ビニル、アクリル酸エステル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、ポリマレイン酸共重合体塩、非イオン界面活性剤等の合成糊剤などの各種糊剤が挙げられる。これらの糊剤(E)は、単独で用いることも、2種類以上を併用することもできる。糊剤(E)の配合量は、捺染剤中に0.5〜10質量%の範囲が好ましく、1〜5質量%の範囲がより好ましい。
上記の糊剤(E)の中でも、カルボキシルメチルセルロースナトリウムは、捺染剤を合成繊維起毛布に印捺した後、水洗の際に余剰のこれらの捺染剤を容易に起毛繊維から取り除け、水酸化ナトリウム等のアルカリ性物質(B)の水溶液を添加しても捺染剤の粘度低下が小さいので好ましい。
また、本発明の捺染剤に水性アクリル系樹脂(F)を配合すると、前記アルカリ性物質(B)による分散染料の分解を防止する効果と、粘度低下を抑制できるため好ましい。この水性アクリル系樹脂(F)としては、カルボキシル基を有するものが好ましく、例えば、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合体等が挙げられる。これらの水性アクリル系樹脂は、通常、乳化重合により合成され、水中に樹脂を分散させたエマルジョンの形態で用いる。
前記水性アクリル系樹脂(F)の原料として用いる(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル等が挙げられる。これらの(メタ)アクリル酸エステルは、単独で用いることも、2種類以上を併用することもできる。
前記水性アクリル系樹脂(F)の分子量としては、重量平均分子量が1000〜50万の範囲のものが好ましく、1万〜20万の範囲のものがさらに好ましく、5万〜10万の範囲にあるものが特に好ましい。また、酸価は5〜500の範囲のものが好ましい。
また、本発明の捺染剤に前記水性アクリル系樹脂(F)を配合する場合、その配合量は、分散染料100質量部に対して、5〜300質量部の範囲が好ましく、10〜200質量部の範囲がより好ましく、20〜100質量部の範囲がより好ましい。水性アクリル系樹脂(F)の配合量がこの範囲であれば、分散染料を十分に保護できるため高い着色濃度が得られる。
さらに、本発明の捺染剤にグリコール類(G)を配合すると、合繊繊維起毛布の起毛繊維の下部に分散染料をスムーズに浸透させることができるため、着色濃度を向上するので好ましい。このグリコール類(G)としては、例えば、例えば、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチルジグリコール、ブチルトリグリコール、ヘキシルジグリコール、ベンジルジグリコール等が挙げられる。これらのグリコール類(G)は、単独で用いることも、2種類以上を併用することもできる。また、捺染剤中のグリコール類(G)の配合量は、1〜30質量%の範囲が好ましく、5〜20質量%の範囲がより好ましい。
前記グリコール類(G)の中でも、ポリエチレングリコールと、ブチルジグリコール、ブチルトリグリコール、ヘキシルジグリコール又はベンジルジグリコールとを併用すると、特に高い着色濃度が得られるので好ましい。これらのグリコール類を併用する場合、その配合比率は、質量比率でポリエチレングリコール:他のグリコール類=20:80〜80:20が好ましく、ポリエチレングリコール:他のグリコール類=35:65〜65:35がより好ましい。
本発明の捺染剤には、上記で挙げた成分(A)〜(G)以外に必要に応じて、界面活性剤、還元防止剤、金属イオン封鎖剤、蛍光増白剤、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の添加剤などを配合することもできる。
本発明の捺染剤の調製方法としては、例えば、下記の2つの方法が挙げられる。
(調製方法1)
糊剤(E)を水に溶解又は分散し、その溶液又は分散液に吸水性無機物質(C)、水性アクリル系樹脂(F)、グリコール類(G)等を添加して均一に混合して元糊として調製する。次いで、界面活性剤を加えて水中でシリコーンオイル(D)を乳化した乳化液を調製し、この乳化液に分散染料(A)を加え、ペースト状の着色剤を得た後、この着色剤を水で希釈し、分散染料液を調製する。さらに、この分散染料液に、調製した元糊、アルカリ性物質(B)の水溶液を加え、必要に応じ水をさらに加えて、均一に混合して捺染剤を調製する。
(調製方法2)
糊剤(E)を水に溶解又は分散し、その溶液又は分散液に吸水性無機物質(C)、水性アクリル系樹脂(F)、グリコール類(G)等を添加して均一に混合して元糊として調製する。次いで、この元糊に、アルカリ性物質(B)の水溶液、及び分散染料(A)と界面活性剤とを加えて水中で乳化したシリコーンオイル(D)の乳化液を加え、必要に応じ水をさらに加えて、均一に混合して捺染剤を調製する。
また、本発明の捺染剤を用いた合成繊維起毛布の加工方法としては、例えば、下記の1〜5の工程による方法が挙げられる。
1.印捺工程
捺染剤を合成繊維起毛布上に、ローラー捺染、オート捺染、手捺染等で印捺する。
2.乾燥工程
上記で捺染剤を印捺した合成繊維起毛布を、100℃〜130℃で2〜3分間乾燥する。
※室温乾燥をしないとのことだったので、削除しました。
3.熱蒸気処理工程
上記で乾燥した合成繊維起毛布を、HTスチーマーを用いて、温度150℃〜160℃、蒸気量50〜100%の条件で5〜10分間の熱蒸気処理を行い、染料を発色させるとともに、アルカリ物質による合成繊維の加水分解によって合成繊維起毛布のエッチングを行う。
4.還元洗浄工程
上記で熱蒸気処理を行った合成繊維起毛布を、ハイドロサルファイトナトリウム、合成洗剤及び水酸化ナトリウムの水溶液を用いて、80〜90℃に保ちながら洗浄する。
5.洗浄乾燥工程
上記で還元洗浄した合成繊維起毛布を、水で洗浄後、室温で風乾させるか、合成繊維起毛布を構成する繊維が溶解しない程度の温度で加熱乾燥する。
上記の1〜5の工程を経て、地染めされた合成繊維布帛の表面を、地染めの色を変色させることなく、凹部を形成すると同時に、その凹部を高い濃度で着色することができる。
本発明で用いる合成繊維起毛布は、その起毛繊維が地染めされたものであるが、凹部を形成しやすいことから、アルカリ性物質(B)により加水分解を受けやすい合成繊維製のものが好ましい。このような合成繊維としては、例えば、ポリエステル繊維、カチオンダイアブルポリエステル繊維等が挙げられる。このポリエステル繊維の中でも、ポリエチレンテレフタレート繊維は、凹部を形成しやすいので好適である。また、本発明で用いる合成繊維起毛布は、トリコット生地、モケット生地が好ましく、その起毛繊維の長さ(毛足の長さ)は、表面を加工し易いことから、0.5〜2mmが好ましく、1〜1.5mmがより好ましい。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。なお、以下の例において、「部」及び「%」は、質量基準である。
(元糊の調製)
糊剤(カルボキシルメチルセルロースナトリウム、第一工業製薬株式会社製「ファインガムHE−SS」)4部をイオン交換水53部に溶解した水溶液57部に、ベントナイト(水澤化学株式会社製「ベンクレイMK−101」、平均粒子径2.5μm)7部、ポリエチレングリコール(日本油脂株式会社製「PEG300」)11部、ブチルジグリコール(日本乳化剤株式会社製)8部及びカルボキシル基を有するアクリル系樹脂のエマルジョン溶液(大日本インキ化学工業株式会社製「PA−4」、固形分25%)17部を加え、均一に混合して元糊を得た。
(シリコーンオイル乳化液の調製)
シリコーンオイル(信越化学工業株式会社製「シリコーンオイルKF96−100cs」、ポリジメチルシロキサン、動粘度:100mm/s)50部、界面活性剤(三洋化成工業株式会社製「セロポール2320C」、主成分:ポリオキシアルキレンアルキルエーテル)4.5部及びイオン交換水45.5部を混合した後、分散撹拌機を用いて乳化し、シリコーンオイル乳化液を得た。
(ミネラルスピリット乳化液の調製)
ミネラルスピリット(エクソンモービル社製「ペガソールAN−45」)50部、界面活性剤(三洋化成工業株式会社製「セロポール2320C」、主成分:ポリオキシアルキレンアルキルエーテル)4.5部及びイオン交換水45.5部を混合した後、分散撹拌機を用いて乳化し、ミネラルスピリット乳化液を得た。
(流動パラフィン乳化液の調製)
流動パラフィン(エクソンモービル社製「プライモールN382」)50部、界面活性剤(三洋化成工業株式会社製「セロポール2320C」、主成分:ポリオキシアルキレンアルキルエーテル)4.5部及びイオン交換水45.5部を混合した後、分散撹拌機を用いて乳化し、流動パラフィンの乳化液を得た。
(実施例1)
上記で得られたシリコーンオイル乳化液10部に、分散染料(日本化薬株式会社製「TURQ.BLUE GLS−200」、C.I.ディスパース・ブルー60)10部を加えて均一に混合し、ペースト状の着色剤を得た。次いで、この着色剤にイオン交換水80部を加えて均一に混合し、分散染料液100部を得た。この分散染料液20部に、元糊40部及び30%水酸化ナトリウム水溶液40部を加え、均一に混合して捺染剤(1)を得た。
(実施例2)
上記で得られたシリコーンオイル乳化液20部に、分散染料(日本化薬株式会社製「TURQ.BLUE GLS−200」、C.I.ディスパース・ブルー60)10部を加えて均一に混合し、ペースト状の着色剤を得た。次いで、この着色剤にイオン交換水70部を加えて均一に混合し、分散染料液100部を得た。この分散染料液20部に、元糊40部及び30%水酸化ナトリウム水溶液40部を加え、均一に混合して捺染剤(2)を得た。
(実施例3)
上記で得られたシリコーンオイル乳化液30部に、分散染料(日本化薬株式会社製「TURQ.BLUE GLS−200」、C.I.ディスパース・ブルー60)10部を加えて均一に混合し、ペースト状の着色剤を得た。次いで、この着色剤にイオン交換水60部を加えて均一に混合し、分散染料液100部を得た。この分散染料液20部に、元糊40部及び30%水酸化ナトリウム水溶液40部を加え、均一に混合して捺染剤(3)を得た。
(実施例4)
上記で得られたシリコーンオイル乳化液40部に、分散染料(日本化薬株式会社製「TURQ.BLUE GLS−200」、C.I.ディスパース・ブルー60)10部を加えて均一に混合し、ペースト状の着色剤を得た。次いで、この着色剤にイオン交換水50部を加えて均一に混合し、分散染料液100部を得た。この分散染料液20部に、元糊40部及び30%水酸化ナトリウム水溶液40部を加え、均一に混合して捺染剤(4)を得た。
(実施例5)
上記で得られたシリコーンオイル乳化液50部に、分散染料(日本化薬株式会社製「TURQ.BLUE GLS−200」、C.I.ディスパース・ブルー60)10部を加えて均一に混合し、ペースト状の着色剤を得た。次いで、この着色剤にイオン交換水40部を加えて均一に混合し、分散染料液100部を得た。この分散染料液20部に、元糊40部及び30%水酸化ナトリウム水溶液40部を加え、均一に混合して捺染剤(5)を得た。
(比較例1)
分散染料(日本化薬株式会社製「TURQ.BLUE GLS−200」、C.I.ディスパース・ブルー60)10部をイオン交換水90部に加えて均一に混合し、分散染料液100部を得た。この分散染料液20部に、元糊40部及び30%水酸化ナトリウム水溶液40部を加え、均一に混合して捺染剤(C1)を得た。
(比較例2)
上記で得られたミネラルスピリット乳化液20部に、分散染料(日本化薬株式会社製「TURQ.BLUE GLS−200」、C.I.ディスパース・ブルー60)10部を加えて均一に混合し、ペースト状の着色剤を得た。次いで、この着色剤にイオン交換水70部を加えて均一に混合し、分散染料液100部を得た。この分散染料液20部に、元糊40部及び30%水酸化ナトリウム水溶液40部を加え、均一に混合して捺染剤(C2)を得た。
(比較例3)
上記で得られた流動パラフィン乳化液20部に、分散染料(日本化薬株式会社製「TURQ.BLUE GLS−200」、C.I.ディスパース・ブルー60)10部を加えて均一に混合し、ペースト状の着色剤を得た。次いで、この着色剤にイオン交換水70部を加えて均一に混合し、分散染料液100部を得た。この分散染料液20部に、元糊40部及び30%水酸化ナトリウム水溶液40部を加え、均一に混合して捺染剤(C3)を得た。
(評価用起毛布の作製)
ベージュ色に地染めされたポリエチレンテレフタレート繊維からなる合成繊維起毛布(起毛繊維の長さ(毛足の長さ):1〜1.2mm)の表面に、上記の実施例及び比較例で得られた捺染剤を、オートスクリーン捺染機(辻井染機工業株式会社製「SP−300SR」)を用いて印捺した後、100℃で2分間乾燥した。
次いで、乾燥した起毛布を、HTスチーマー(昭和機械工業株式会社製「HTS−71」)を用いて、温度150℃、蒸気量90%以上の条件で8分間の熱蒸気処理を行った。この熱蒸気処理した起毛布を、イオン交換水1リットルにハイドロサルファイトナトリウム2g、合成洗剤2g、及び水酸化ナトリウム2gを加えた溶液を用いて80℃で還元洗浄し、水洗した後、乾燥させて、評価用起毛布を得た。
(比較例4)
比較例1で得られた捺染剤を用いて、上記のHTスチーマーでの熱蒸気処理を、温度175℃、蒸気量90%以上の条件で行った以外は、上記と同様にして評価用起毛布を得た。
上記で作製した評価用起毛布について、以下の評価を行った。
(エッチング性評価)
上記で作製した評価用起毛布の表面に形成された凹部の深さを目視で確認し、以下の基準によってエッチング性を評価した。
○:凹部が十分に深く形成される。
×:凹部が形成されない。
(着色性評価用基準捺染剤の調製)
比較例1で用いた30%水酸化ナトリウム水溶液40部に代えて、イオン交換水40部を用いた以外は、比較例1と同様にして着色性評価用基準捺染剤を得た。
(着色性評価用基準起毛布の作製)
上記で得た着色性評価用基準捺染剤を用いて、上記の評価用起毛布の作製と同様にして、着色性評価用基準起毛布を得た。
(着色性評価)
評価用起毛布の表面に形成された凹部の着色濃度と、着色性評価用基準起毛布の捺染剤を印捺して着色された部分の着色濃度とを比較し、JIS L 0801:2004に記載の染色堅ろう度試験方法に準拠して、JIS L 0804で規定された変退色用グレースケールを用いた視感法により変退色の判定を行った。判定によって得られた等級から、以下の基準によって着色性を評価した。なお、この評価では等級が大きいほど、着色濃度が高い評価となる。
◎:等級が2−3級である。
○:等級が2級である。
△:等級が1−2級である。
×:等級が1級である。
(起毛布の地染め色の変色の有無)
上記で作製した評価用起毛布の捺染剤を印捺しなかった部分の地染め色を、熱蒸気処理前後で比較し、その変色の有無を確認した。
○:地染め色がほぼ変色していない。
×:地染め色が変色している。
実施例1〜5及び比較例1〜4で用いた捺染剤の組成比率と上記の評価結果を表1及び2に示す。
Figure 2007224461
Figure 2007224461
表1に示した実施例1〜5の結果から、本発明の捺染剤を用いて加工した合成繊維起毛布は、十分な深さで凹部が形成され、比較的低い温度である150℃での熱蒸気処理でも、その凹部が十分に高い濃度で着色されることが分かった。また、合成繊維起毛布の地染めの色も変色しないことが分かった。
表2に示した比較例1〜4の結果から、以下のことが分かった。
比較例1は、シリコーンオイルを配合しなかった捺染剤を用いた例である。この比較例1では、十分な着色濃度が得られないことが分かった。
比較例2は、シリコーンオイルに代え、従来から捺染剤に広く配合されているミネラルスピリット(石油系ターペン)を配合した例である。比較例2でも、十分な着色濃度が得られないことが分かった。
比較例3は、シリコーンオイルに代え、従来から捺染剤に広く配合されている流動パラフィンを配合した例である。この比較例3の着色濃度は、シリコーンオイルを配合しなかった比較例1と同程度で、十分な着色濃度が得られないことが分かった。
比較例4は、シリコーンオイルを配合しなかった捺染剤を用いて、熱蒸気処理の温度を175℃にして合成繊維起毛布を加工した例である。この比較例4では、十分な着色濃度が得られたが、合成繊維起毛布の地染めの色が変色することが分かった。


Claims (6)

  1. 分散染料(A)、アルカリ性物質(B)、吸水性無機物質(C)、及びシリコーンオイル(D)を含有することを特徴とする捺染剤。
  2. 前記吸水性無機物質(C)が粘土鉱物である請求項1記載の捺染剤。
  3. 前記粘土鉱物がベントナイトである請求項2記載の捺染剤。
  4. 前記分散染料(A)100質量部に対する前記シリコーンオイル(D)の配合量が10〜500質量%である請求項1〜3のいずれか1項記載の捺染剤。
  5. 前記シリコーンオイル(D)を、界面活性剤を用いて水中で乳化した後、他の成分と配合することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の捺染剤の製造方法。
  6. 前記請求項1〜4のいずれか1項記載の捺染剤で加工されたことを特徴とする合成繊維起毛布。
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